JP2017040586A - 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法 - Google Patents

排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017040586A
JP2017040586A JP2015163128A JP2015163128A JP2017040586A JP 2017040586 A JP2017040586 A JP 2017040586A JP 2015163128 A JP2015163128 A JP 2015163128A JP 2015163128 A JP2015163128 A JP 2015163128A JP 2017040586 A JP2017040586 A JP 2017040586A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastewater treatment
displacement
mine
wall surface
treatment mine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015163128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6289422B2 (ja
Inventor
康晴 山邉
Yasuharu Yamabe
康晴 山邉
考義 笹川
Takayoshi Sasagawa
考義 笹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kouwa Co Ltd
Original Assignee
Kouwa Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kouwa Co Ltd filed Critical Kouwa Co Ltd
Priority to JP2015163128A priority Critical patent/JP6289422B2/ja
Publication of JP2017040586A publication Critical patent/JP2017040586A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6289422B2 publication Critical patent/JP6289422B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する実用的な排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法を提供することを目的とする。
【解決手段】排水処理坑21の内壁面における第一基準部位P1から直径方向に対向する第二基準部位P2にレーザーを照射して前記第一基準部位P1と前記第二基準部位P2との間の距離を計測する第一距離計測部2と、この第一距離計測部2から照射されるレーザーと交差する方向にレーザーを照射するように配され、前記排水処理坑21の内壁面における第三基準部位P3から直径方向に対向する第四基準部位P4にレーザーを照射して前記第三基準部位P3と前記第四基準部位P4との間の距離を計測する第二距離計測部3と、前記第一距離計測部2及び前記第二距離計測部3において計測したデータを記録するデータ記録部7とを有するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法に関するものである。
地すべりが生じ易い地域には、この地すべりの原因となる地下水を集めて排出することを目的とした排水処理坑が設けられている。
具体的には、この排水処理坑は、長さ方向に流水溝部を備えた底壁面部と、この底壁面部の左右に立設される左右壁面部と、この左右壁面部に連設され前記底壁面部と対向する天壁面部とを備えたトンネル構造(通称:排水トンネル)であり、対象となる地域に数kmにおよんで設けられる本線部と、この本線部から分岐した枝線部とで構成されるのが一般的である。また、この枝線部の先端部には集水部(ボーリング室)が設けられ、この集水部の周面から放射方向に複数の集水パイプが突設され、この集水パイプを予め調査して判明した地下水の溜まり易い部位に配設することで、この各集水パイプを介して集水部内に地下水が集められ、この集水部で集められた地下水は枝線部から本線部へ流れ、この排水処理杭の終端に設けられた排水路へ導出される。この排水路は例えば河川まで延設されており、排水処理坑で集められた地下水は最終的に河川に排出される。尚、この排水処理坑としては立坑からなる集水抗などもある。
ところで、前述した排水処理坑は、この排水処理坑が設けられる土塊の移動(地すべり)により強い応力を受けてひずみ変位が生じる場合があるが、この排水処理坑におけるひずみ変位の確認は、もっぱらその地域や構造物(排水処理坑)を熟知した技術者の目視により行われているのが現状である。従って、破損箇所を発見した場合、その破損箇所を補修し、また、補修では対応できない破損状況であった場合には、当該排水処理坑は廃坑として埋め、別の排水処理坑を構築しなければならず、多大なコストがかかる。
従って、排水処理坑にひずみ変位が生じて破損する前に予め排水処理坑のひずみ変位を把握して補強等の対処をすることが望ましく、よって、排水処理坑の長寿命化を可能にする維持管理が必要とされている。
本発明は、前述した問題を解消する、従来にない作用効果を発揮する実用的な排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法を提供する。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
地中に設けられる排水処理坑21の変位計測装置であって、前記排水処理坑21の内壁面における第一基準部位P1から直径方向に対向する第二基準部位P2にレーザーを照射して前記第一基準部位P1と前記第二基準部位P2との間の距離を計測する第一距離計測部2と、この第一距離計測部2から照射されるレーザーと交差する方向にレーザーを照射するように配され、前記排水処理坑21の内壁面における第三基準部位P3から直径方向に対向する第四基準部位P4にレーザーを照射して前記第三基準部位P3と前記第四基準部位P4との間の距離を計測する第二距離計測部3と、前記第一距離計測部2及び前記第二距離計測部3において計測したデータを記録するデータ記録部7とを有することを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項1記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記排水処理坑21は、長さ方向に流水溝部21aを備えた底壁面部21Aと、この底壁面部21Aの左右に立設される左壁面部21B及び右壁面部21Cと、この左壁面部21B及び右壁面部21Cに連設され前記底壁面部21Aと対向する天壁面部21Dとを備えたトンネル構造であることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項2記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一基準部位P1を前記左壁面部21B及び前記右壁面部21Cの一方の所定部位とするとともに、前記第二基準部位P2を前記左壁面部21B及び前記右壁面部21Cの他方の所定部位として前記第一距離計測部2から水平方向にレーザーが照射されるように構成され、一方、前記第三基準部位P3を前記底壁面部21Aの所定部位とするとともに、前記第四基準部位P4を前記天壁面部21Dの所定部位として前記第二距離計測部3から鉛直方向にレーザーが照射されるように構成されていることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記データ記録部7で記録されたデータをもとに前記排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部を備えたことを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一距離計測部2から照射されるレーザーと前記第二距離計測部3から照射されるレーザーとは、互いに略直交する方向に照射されることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一距離計測部2及び前記第二距離計測部3は、照射したレーザーの反射波をもとに距離を計測する構成であり、前記第二基準部位P2及び前記第四基準部位P4には反射部材6が設けられていることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、請求項2〜6いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記底壁面部21Aの縦断方向及び横断方向の傾斜を計測する傾斜計測部5を備えることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置に係るものである。
また、地中に設けられる排水処理坑21のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータをもとに前記排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により前記排水処理坑21が設けられている土塊の過去の移動量を確知する土塊移動量確知手段とで構成されていることを特徴とする土塊移動監視方法に係るものである。
また、請求項8記載の土塊移動監視方法において、前記変位量算出部で算出した前記排水処理坑21の変位量をもとに該排水処理坑21の今後の変位量を予測して該排水処理坑21が設けられている土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段を有することを特徴とする土塊移動監視方法に係るものである。
また、請求項9記載の土塊移動監視方法において、地中には複数の前記排水処理坑21が設けられており、前記土塊移動量予測手段は、前記複数の排水処理坑21が設けられている所定区域の土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段であることを特徴とする土塊移動監視方法に係るものである。
また、請求項8〜10のいずれか1項に記載の変位計測手段は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位計測装置であることを特徴とする土塊移動監視方法に係るものである。
また、地中に設けられる排水処理坑21のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータをもとに前記排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により前記排水処理坑21の補修若しくは廃坑の時期を確知する抗状態確知手段とで構成されていることを特徴とする排水処理坑監視方法に係るものである。
また、請求項12記載の変位計測手段は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位計測装置であることを特徴とする排水処理坑監視方法に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、排水処理坑の状態(ひずみ変位)を簡易且つ確実に把握することができ、しかも、既存の構造物(排水処理坑)を利用して土塊の移動(地すべりの活動が活発か否か)を監視することができるなど、従来にない作用効果を発揮する実用的な排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法となる。
本実施例の使用状態説明図である。 本実施例の使用状態説明図である。 本実施例の要部の説明図である。 排水処理坑21の説明図である。 実験1の計測結果を示す表である。 実験1の計測結果を示すグラフである。 実験2の計測結果を示すグラフである。 実験2の計測結果で得られた土塊の変動軌跡図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
第一距離計測部2により、排水処理坑21の内壁面における第一基準部位P1から直径方向に対向する第二基準部位P2にレーザーを照射して第一基準部位P1と第二基準部位P2との間の距離を計測するとともに、第二距離計測部3により、第一距離計測部2から照射されるレーザーと交差する方向にして、排水処理坑21の内壁面における第三基準部位P3から直径方向に対向する第四基準部位P4にレーザーを照射して第三基準部位P3と第四基準部位P4との間の距離を計測する。
この第一距離計測部2及び第二距離計測部3において計測したデータはデータ記録部7で記録される。このデータ記録部7のデータを例えばコンピュータで処理して排水処理坑21の変位量が算出される。
この算出された変位量から排水処理坑21の状態(ひずみ変位)を確実に把握することができ、この排水処理坑21の補修時期、廃坑時期を確知することができる。
また、排水処理坑21の変位量により該排水処理坑21が設けられている土塊のこれまでの移動量が確知でき、更に、排水処理坑21の変位量をもとに該排水処理坑21の今後の変位量を予測して該平水処理坑21が設けられている土塊の今後の移動量を予測することができることになる。
従って、土塊の移動(例えば地すべり)による排水処理坑21の状態(ひずみ変位)を変位として定量化することで、熟練者でなくても排水処理坑21の状態を簡易且つ確実に確認することができ、仮に異常が確認された場合には直ちに対応することができるとともに、土塊の移動(地すべりの活動が活発か否か)を監視できることになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、地中に設けられる排水処理坑21の変位計測装置であって、排水処理坑21の内壁面における第一基準部位P1から直径方向に対向する第二基準部位P2にレーザーを照射して第一基準部位P1と第二基準部位P2との間の距離を計測する第一距離計測部2と、この第一距離計測部2から照射されるレーザーと交差する方向にレーザーを照射するように配され、排水処理坑21の内壁面における第三基準部位P3から直径方向に対向する第四基準部位P4にレーザーを照射して第三基準部位P3と第四基準部位P4との間の距離を計測する第二距離計測部3と、第一距離計測部2及び第二距離計測部3において計測したデータ(変位データ)を記録するデータ記録部7とを有するものである。
本実施例では、計測対象となる排水処理坑21として、図1,2,4に図示したように排水処理坑21は、長さ方向に流水溝部1aを備えた底壁面部21Aと、この底壁面部21Aの左右に立設される左壁面部21B及び右壁面部21Cと、この左壁面部21B及び右壁面部21Cに連設され底壁面部21Aと対向する天壁面部21Dとを備えた排水トンネル(横抗)を採用しており、本実施例に係る排水処理坑21は、本線部21’と、この本線部21’から分岐した枝線部21”とで構成されている。また、この枝線部21”の先端部には集水部22(ボーリング室)が設けられ、この集水部22の周面から放射方向に複数の集水パイプ23が突設され、この集水パイプ23を予め調査して判明した地下水の溜まり易い部位に配設することで、この各集水パイプ23を介して集水部22内に地下水が集められ、この集水部22で集められた地下水は枝線部21”から本線部21’へ流れ、この排水処理杭21の終端に設けられた排水路24へ導出される。この排水路24は例えば河川まで延設されており、排水処理坑21で集められた地下水は最終的に河川に排出されることになる。尚、排水処理坑21は立坑でも良いなど、本実施例の特性を発揮する構造物であれば適宜採用し得るものである。
以下、本実施例に係る構成各部について詳細な説明をする。
第一距離計測部2及び第二距離計測部3は、照射したレーザーの反射波をもとに距離を計測する構成(距離計から照射され対象物に反射して返ってくる波長と、内部基準の波長の差から距離を算出する位相差方式)であり、本実施例では、Dimetix社製のレーザー距離計(DLS−C15)を採用している。
本実施例では、図1,2に図示したように排水処理坑21の左壁面部1Bの所定部位としての第一基準部位P1に第一距離計測部2を設け、この第一距離計測部2から排水処理坑21の右壁面部1C所定部位としての第二基準部位P2にレーザーが水平方向に照射されるように構成され、一方、排水処理坑21の底壁面部1Aの所定部位(中央部位)としての第三基準部位P3に第二距離計測部3を設け、この第二距離計測部3から排水処理坑21の天壁面部1Dの所定部位としての第四基準部位P4にレーザーが鉛直方向に照射されるように構成されている。
従って、第一距離計測部2から照射されるレーザーと第二距離計測部3から照射されるレーザーとは、互いに略直交する方向に照射され、第一距離計測部2にて排水処理坑21の横幅(内空幅)を計測し、第二距離計測部3にて排水処理坑21の高さ(内空高さ)を計測する。尚、第一距離計測部2から照射されるレーザーと第二距離計測部3から照射されるレーザーとは、互いに斜交する方向に照射されても良く、この場合、ひずみ換算する場合に矩形ひずみ解析を行なえば、構造物の変形度合い(ひずみ変位)を定性的に評価できる。
また、第一距離計測部2及び第二距離計測部3は、図3に図示したように後述するデータ記録部7(データロガー)に接続され、この第一距離計測部2及び第二距離計測部3で計測されたデータはデータ記録部7で随時記録される。尚、データ記録部7には後述する傾斜計測部5が接続され、この傾斜計測部5から得られるデータを記録する。
また、本実施例は、データ記録部7で記録されたデータをもとに排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部を備えている。
この変位量算出部は、図3に図示したようにデータ記録部7で記録されたデータを処理(集積・加工)する管理コンピュータ(図示省略)で構成され、第一距離計測部2,第二距離計測部3及び傾斜計測部5はデータ記録部7に接続されている。
尚、管理コンピュータは、ノート型パソコンやタブレット型パソコンなどの計測現場へ持ち込んだパソコンでも良いし、データ記録部7に無線信号送信部を設け、このデータ記録部7で記録されたデータを無線信号送信部からインターネット回線を介して受信する遠隔地のパソコン(データセンター)でも良い。
符号8は収納ボックス,9はPT温度変換器,10はバッテリー(DC24V)である。
傾斜計測部5は、傾斜に比例した液面の傾きを左右の電極の静電容量変化とし検出し、電気信号に変換するセンサーであり、X軸とY軸の2軸の傾斜値を計測し得るジオテクサービス(株)社製の傾斜計(GIC−30W)を採用している。
本実施例では、図1,2に図示したようにこの傾斜計測部5を、排水処理坑21の底壁面部1Aに配置し、底壁面部1Aの縦断方向(Y方向)及び横断方向(X方向)の傾斜を計測する。尚、本実施例では、傾斜計測部5に温度計を装着している。
以上の構成から成る本実施例に係る排水処理坑の変位計測装置の有効性を確認すべく、実験1,2を行った。尚、実験1,2を行った排水処理坑21は、図4に図示したようにL字状に屈曲した構造であり、この排水処理坑21の屈曲した地点ST−2にて実験1,2を行った。
[実験1]
先ず、8月21日に排水処理坑21に第一距離計測部2,第二距離計測部3及びデータ記録部7等を設置し、9月29日まで現場実証実験を実施した。
実験結果を図5に示す。
計測開始から8日後の8月29日頃から水平方向と鉛直方向ともに、変位データが取得できない状態が発生した。この原因は被レーザー照射部である覆工コンクリート表面の状態(粗さ・乾湿など)や、排水処理坑21内の湿度の影響(レーザー照射部や被レーザー照射部への水滴付着)などが影響し、レーザーの受発信に不具合が生じたためと考えた。
そこで、この不具合の生じたケース(以下、ケース1)の問題を改善すべく、段階的に次の改善策(ケース2,ケース3)を試みた。
ケース2:レーザーの反射光量を得るため、被レーザー照射部に反射部材6(オレンジ色の反射シート)を設置した。
ケース3:レーザー照射部への水滴付着の軽減策としてレーザー照射部にガラスカバーを設置した。尚、ガラスカバーは、FL2透明(光透過率が比較的良いフロー板ガラス・透明・厚さ2mm)とする。
各ケース1,2,3におけるデータ取得率とデータのばらつき幅(計測精度)を図6に示す。
ケース1について(実験期間:8月21日〜9月9日)。
(1) データのばらつき幅は水平方向約1.5mm、鉛直方向約2mmで水平方向より
鉛直方向が大きい。
(2) 変位データが取得できない状態が発生し、水平方向・鉛直方向ともに約93%と
なった。
(3) 尚、前述した不具合の生じた期間(データを取得できない期間)は水平方向と鉛
直方向とで異なる。
ケース2について(実験期間:9月9日〜9月19日)。
(1) データのばらつき幅は、水平方向・鉛直方向ともに約1mmで、ケース1と比較
して、水平方向では約2/3、鉛直方向では約1/2となり、精度向上(±0.5
mm)が確認された。
(2) データ取得率は水平方向で100%、鉛直方向で99%となり、ケース1と比較
して、ほぼ連続データを確保できることが判明した。
ケース3について(実験期間:9月19日〜9月29日)。
(1) データのばらつき幅は水平方向約3mm、鉛直方向約5mmとなり、ケース2よ
り誤差が大きくなった。これは、レーザー照射部での水滴付着は軽減できたが、ガ
ラス自体の曇りや屈折率の影響が誤差を大きくした要因と考えられる。
(2) データ取得率は水平方向で97%、鉛直方向で100%であり、ケース2と同程
度である。
以上の実験1から、第一距離計測部2及び第二距離計測部3から照射されるレーザーを受信する被レーザー照射部にして第二基準部位P2及び第四基準部位P4に反射部材6(反射シート)を設けることで、±0.5mmの精度管理で排水処理坑21のひずみ変位を時系列計測することが可能であり、また、計測地点でのひずみ変位量換算やメンテナンス指標にできる可能性が高いことが確認された。
[実験2]
上記実験1と同期間に排水処理坑21のST−2に傾斜計測部5を設け、9月29日まで現場実証実験を実施した。
実験結果を図7(時系列表示)及び図8(変動軌跡)に示す。
(1) 今回の観測期間では、排水処理坑21内の気温は13〜16℃の範囲にあり、日照
等の影響が野外に比べて極めて少ないため、計測値がノイズによって乱れることが
無く、極めて安定した傾度が得られた。
(2) X軸とY軸の2方向を合成し、且つ長さ換算(mm)、即ち、スカラーとして変
動軌跡図に示すと、観測期間を通じて概ね西側に約0.08mm/40日傾動した
ことが分かる。
(3) 上記(1),(2)を踏まえ、今後、傾斜計測部5が設けられる位置の標高を測量すれ
ば、地すべり土塊の移動ベクトルとして活用できると考えられる。
以上の実験2から、傾斜計測部5を用いての2方向計測によっても、観測地点の標高データを与えることで地すべり移動量をベクトル表示することが可能であり、この点、傾斜計測部5を使用した変位計測でも危機管理や施設の維持管理活用できることが確認でき、よって、この傾斜計測部5を前述した第一距離計測部2及び第二距離計測部3と組み合わせて使用することで排水処理坑21の状態(ひずみ変位)を高精度に確認することが可能になる。
尚、今後も図4中の二つの地点ST−1及びST−3にて本実施例に係る排水処理抗の変位計測装置を使用して変位計測を行う。
本実施例は上述のように構成したから、第一距離計測部2により、排水処理坑21の内壁面における第一基準部位P1から直径方向に対向する第二基準部位P2にレーザーを照射して第一基準部位P1と第二基準部位P2との間の距離を計測するとともに、第二距離計測部3により、第一距離計測部2から照射されるレーザーと交差する方向にして、排水処理坑21の内壁面における第三基準部位P3から直径方向に対向する第四基準部位P4にレーザーを照射して第三基準部位P3と第四基準部位P4との間の距離を計測する。
この第一距離計測部2及び第二距離計測部3において計測したデータはデータ記録部7で記録される。このデータ記録部7のデータを例えばコンピュータで処理して排水処理坑21の変位量が算出される。
この算出された変位量から排水処理坑21の状態(ひずみ変位)を確実に把握することができ、この排水処理坑21の補修時期、廃坑時期を確知することができる。
また、排水処理坑21の変位量により該排水処理坑21が設けられている土塊のこれまでの移動量が確知でき、更に、排水処理坑21の変位量をもとに該排水処理坑21の今後の変位量を予測して該平水処理坑21が設けられている土塊の今後の移動量を予測することができることになる。
よって、本実施例によれば、土塊の移動(地すべり)による排水処理坑21の状態(ひずみ変位)を変位として定量化することで、熟練者でなくても排水処理坑21の状態を簡易且つ確実に確認することができ、仮に異常が確認された場合には直ちに対応することができる。
また、本実施例は、土塊の移動(地すべりの活動が活発か否か)を監視できることになる。
即ち、本実施例を用いた監視方法の具体例として、地中に設けられる排水処理坑21のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータ(変位データ)をもとに前記排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により排水処理坑21が設けられている土塊の過去の移動量を確知する土塊移動量確知手段とで構成された土塊移動監視方法が可能となる。尚、変位計測手段は前述した本実施例の変位計測装置である。
また、この変位量算出部で算出した排水処理坑21の変位量をもとに該排水処理坑21の今後の変位量を予測して該排水処理坑21が設けられている土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段を有しても良い。
また、複数の排水処理坑21が設けられている場合、土塊移動量予測手段は、複数の排水処理坑21が設けられている所定区域の土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段を有しても良い。
その他にも、地中に設けられる排水処理坑21のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータ(変位データ)をもとに排水処理坑21の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により排水処理坑21の補修若しくは廃坑の時期を確知する抗状態確知手段とで構成された排水処理坑監視方法が可能となる。尚、変位計測手段は本実施例に係る変位計測装置である。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
P1 第一基準位置
P2 第二基準位置
P3 第三基準位置
P4 第四基準位置
2 第一距離計測部
3 第二距離計測部
5 傾斜計測部
6 反射部材
7 データ記録部
21 排水処理坑
21A 底壁面部
21B 左壁面部
21C 右壁面部
21D 天壁面部
21a 流水溝部

Claims (13)

  1. 地中に設けられる排水処理坑の変位計測装置であって、前記排水処理坑の内壁面における第一基準部位から直径方向に対向する第二基準部位にレーザーを照射して前記第一基準部位と前記第二基準部位との間の距離を計測する第一距離計測部と、この第一距離計測部から照射されるレーザーと交差する方向にレーザーを照射するように配され、前記排水処理坑の内壁面における第三基準部位から直径方向に対向する第四基準部位にレーザーを照射して前記第三基準部位と前記第四基準部位との間の距離を計測する第二距離計測部と、前記第一距離計測部及び前記第二距離計測部において計測したデータを記録するデータ記録部とを有することを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  2. 請求項1記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記排水処理坑は、長さ方向に流水溝部を備えた底壁面部と、この底壁面部の左右に立設される左壁面部及び右壁面部と、この左壁面部及び右壁面部に連設され前記底壁面部と対向する天壁面部とを備えたトンネル構造であることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  3. 請求項2記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一基準部位を前記左壁面部及び前記右壁面部の一方の所定部位とするとともに、前記第二基準部位を前記左壁面部及び前記右壁面部の他方の所定部位として前記第一距離計測部から水平方向にレーザーが照射されるように構成され、一方、前記第三基準部位を前記底壁面部の所定部位とするとともに、前記第四基準部位を前記天壁面部の所定部位として前記第二距離計測部から鉛直方向にレーザーが照射されるように構成されていることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記データ記録部で記録されたデータをもとに前記排水処理坑の変位量を算出する変位量算出部を備えたことを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一距離計測部から照射されるレーザーと前記第二距離計測部から照射されるレーザーとは、互いに略直交する方向に照射されることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記第一距離計測部及び前記第二距離計測部は、照射したレーザーの反射波をもとに距離を計測する構成であり、前記第二基準部位及び前記第四基準部位には反射部材が設けられていることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  7. 請求項2〜6いずれか1項に記載の排水処理坑の変位計測装置において、前記底壁面部の縦断方向及び横断方向の傾斜を計測する傾斜計測部を備えることを特徴とする排水処理坑の変位計測装置。
  8. 地中に設けられる排水処理坑のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータをもとに前記排水処理坑の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により前記排水処理坑が設けられている土塊の過去の移動量を確知する土塊移動量確知手段とで構成されていることを特徴とする土塊移動監視方法。
  9. 請求項8記載の土塊移動監視方法において、前記変位量算出部で算出した前記排水処理坑の変位量をもとに該排水処理坑の今後の変位量を予測して該排水処理坑が設けられている土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段を有することを特徴とする土塊移動監視方法。
  10. 請求項9記載の土塊移動監視方法において、地中には複数の前記排水処理坑が設けられており、前記土塊移動量予測手段は、前記複数の排水処理坑が設けられている所定区域の土塊の今後の移動量を予測する土塊移動量予測手段であることを特徴とする土塊移動監視方法。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の変位計測手段は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位計測装置であることを特徴とする土塊移動監視方法。
  12. 地中に設けられる排水処理坑のひずみ変位を計測する変位計測手段と、この変位計測手段により計測したデータをもとに前記排水処理坑の変位量を算出する変位量算出部と、この変位量算出部で算出した変位量により前記排水処理坑の補修若しくは廃坑の時期を確知する抗状態確知手段とで構成されていることを特徴とする排水処理坑監視方法。
  13. 請求項12記載の変位計測手段は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の変位計測装置であることを特徴とする排水処理坑監視方法。
JP2015163128A 2015-08-20 2015-08-20 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法 Active JP6289422B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163128A JP6289422B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015163128A JP6289422B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017040586A true JP2017040586A (ja) 2017-02-23
JP6289422B2 JP6289422B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=58206210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015163128A Active JP6289422B2 (ja) 2015-08-20 2015-08-20 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6289422B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113074693A (zh) * 2021-03-25 2021-07-06 浙江金穗工程勘察设计有限公司 一种深基坑变形监测报警装置

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110685305B (zh) * 2019-10-22 2021-04-06 苏州常宏建筑设计研究院有限公司 基坑在线安全监测系统

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001074448A (ja) * 1999-09-03 2001-03-23 Taisei Corp 中空管内の断面形状測定方法
JP2004170210A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Kumamoto Technology & Industry Foundation 地盤応力の測定方法および測定装置
JP2008298432A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Enzan Kobo:Kk トンネル壁面変位の表示方法およびそのプログラム
JP2014002027A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Hazama Ando Corp トンネル内空変位計測方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001074448A (ja) * 1999-09-03 2001-03-23 Taisei Corp 中空管内の断面形状測定方法
JP2004170210A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Kumamoto Technology & Industry Foundation 地盤応力の測定方法および測定装置
JP2008298432A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Enzan Kobo:Kk トンネル壁面変位の表示方法およびそのプログラム
JP2014002027A (ja) * 2012-06-18 2014-01-09 Hazama Ando Corp トンネル内空変位計測方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113074693A (zh) * 2021-03-25 2021-07-06 浙江金穗工程勘察设计有限公司 一种深基坑变形监测报警装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6289422B2 (ja) 2018-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lian et al. Health monitoring and safety evaluation of the offshore wind turbine structure: a review and discussion of future development
Barrias et al. A review of distributed optical fiber sensors for civil engineering applications
Luo et al. A recent progress of steel bar corrosion diagnostic techniques in RC structures
Moustafa et al. Corrosion monitoring of post‐tensioned concrete structures using fractal analysis of guided ultrasonic waves
Sharma et al. Review of structural health monitoring techniques in pipeline and wind turbine industries
CN1916482A (zh) 在役管道腐蚀、渗漏安全监测预警系统及其控制方法
CN111429575A (zh) 一种三维可视化监测方法、系统、设备和存储介质
Gastineau et al. Bridge health monitoring and inspections–a survey of methods
JP6289422B2 (ja) 排水処理坑の変位計測装置並びに土塊移動監視方法及び排水処理坑監視方法
CN102928580A (zh) 混凝土结构中钢筋锈蚀监测装置及方法
Lazarev et al. Method of assessment and prediction of temperature conditions of roadway surfacing as a factor of the road safety
Wang et al. The monitoring approaches and non-destructive testing technologies for sewer pipelines
CN106813589B (zh) 在用外浮顶储罐实时变形监测方法
Yao et al. Comparison of five snow water equivalent estimation methods across categories
JP6793404B2 (ja) 排水処理坑の変位計測装置,土塊移動監視装置及び排水処理坑監視装置
Erdogmus et al. A novel structural health monitoring method for reinforced concrete bridge decks using ultrasonic guided waves
Yang et al. A Review on Damage Monitoring and Identification Methods for Arch Bridges
CN105551196A (zh) 山体滑坡无源监测系统
Zangenehmadar Asset management tools for sustainable water distribution networks
RU2262634C1 (ru) Способ выявления участков трубопровода, предрасположенных к коррозионному растрескиванию под напряжением
Lampola et al. Condition Assessment and Sewer Inspection (CASI) Methods-Guide Book
RU122382U1 (ru) Участок канализационной системы сточных вод
CN114370897B (zh) 一种暗挖隧道爆破震动监测装置及方法
Bernstone Automated performance monitoring of concrete dams
Arsénio Lifetime prediction of PVC push-fit joints

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170801

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6289422

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250