JP2017038260A - 閾値時間決定装置、閾値時間決定方法及び通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ページング発生時の負荷を軽減する。
【解決手段】閾値時間決定装置50は、通信端末20の位置が登録された登録エリア、及び位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定する位置情報特定部521と、通信端末20にページメッセージが送信された時刻であるページング発生時刻を特定するページング時刻特定部522と、通信端末20からページメッセージに対する応答メッセージを受信したページング基地局を特定するページング基地局特定部523と、ページング範囲に含まれる基地局10の数であるエリア別基地局数を特定する基地局数特定部524と、位置登録時刻からページング発生時刻までの経過時間、登録エリア、ページング基地局、及びエリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、位置登録時刻からページング範囲を変更する時刻までの時間である閾値時間を決定する閾値時間決定部526と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、通信端末へのページメッセージの送信範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定装置、閾値時間決定方法及び通信システムに関する。
LTE(Long Term Evolution)等のセルラー通信では、TAU(Tracking Area Update)、Attach Request及びService Request等の制御信号を用いて通信端末の位置情報を把握しておき、着信時に当該通信端末の位置情報に基づいてページング処理(通信端末の呼び出し処理)を行う。
ここで、LTEにおけるページング処理の概要を図12に示す。LTEネットワークは、EPS(Evolved Packet System)と呼ばれ、無線ネットワークのeUTRAN(evolved Universal Terrestrial Radio Network)と、コアネットワークのEPC(Evolved Packet Core)とにより構成される。
図12(A)において、UE(User Equipment)は、ユーザが所有する通信端末であり、例えば、携帯電話やスマートフォン等の通信端末、及びM2M(Machine to Machine)で利用されるセンサ等の通信モジュールを搭載したデバイスである。また、eNB(evolved Node B)は、無線基地局であり、eUTRANを構成する。MME(Mobility Management Entity)は、UEの位置登録、呼出及びeNB間のハンドオーバ等の管理を行う制御装置であり、図示しないS−GW(Serving Gateway)及びP−GW(Packet data network Gateway)とともにEPCを構成する。
図12(B)に示すように、MMEは、Pool Areaと呼ばれる1つ以上のTA(Tracking Area)の集合を管理している。TAは、1つ又は複数のeNBによって構成される。
図12(B)に示す例の場合、MME1は、Pool Area1を管理しており、Pool Area1は、TA1、TA2、TA3により構成される。また、TA1は、eNB1、eNB2により構成され、TA2は、eNB3により構成され、TA3は、eNB4により構成される。
図12(C)に示すように、LTEネットワークではUEは、所定のタイミングでMMEに対してTAUと呼ばれる制御信号を送信し、位置登録を行う。UEからMMEに対して送信されるTAUには、例えば、UEを識別する識別情報(UE_ID)、UEが通信するeNBを識別する識別情報(eNB_ID)が含まれ、TAUを送信したタイミングにおけるUEの位置情報の特定に用いられる。
MMEでは、TAUを受信すると、1又は複数のTAからなるTAリストを作成してUEに紐づけて保持するとともに、位置登録応答信号(TAUA:Tracking Area Update Accept)に格納してUEに対して返信する。UEでは、TAUAを受信すると、自身が保持するTAリストを更新する。
図12(C)に示す例では、UEは、eNB2を介してMME1に対してTAUを送信しており、MME1では、このTAUに応じてTA1及びTA2からなるTAリスト1をUEに対して返信している。
なお、UEがTAUを送信するタイミングは、直前の送信時から一定の時間が経過したタイミング、自身が保持するTAリストを跨って移動したタイミング、及びUEの電源がONになったタイミング等である。
その後、UEに対して着信があった場合、MME1は、当該UEに紐づけて保持しているTAリストを参照して、UEに対してページメッセージを送信する。ページメッセージを送信する範囲(以下、「ページング範囲」という)は、管理者により適宜設定されて運用され、図12(D)に示す例では、初めに、eNBが管理する狭い範囲に対してのみページングを行い、ページングに失敗するたびに、ページング範囲をTA1、TAリスト1と徐々に広げている。
ところで、ページング成功率とページングに伴うMMEの負荷とは、トレードオフの関係にあり、ページング範囲を広げると、ページング成功率を高めることができる一方で、ページメッセージを送信する対象のeNBの数が増えることにより、MMEの負荷が増大してしまう。また、MMEの増強にはコストがかかってしまうため、ページング範囲を適切に設定する工夫が求められている。
この点、特許文献1には、通信端末の種類やサービスタイプの種類等に応じて、ページング範囲を異ならせることが記載されている。具体的には、特許文献1では、M2Mデバイスのように移動しない通信端末の場合、ページング範囲を狭くする一方で、スマートフォンのように移動する通信端末の場合、ページング範囲を広くしている。
特表2013−504234号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、通信端末の種類等のように静的な情報のみに基づいてページング範囲を設定するため、通信端末が移動する場合に、適切なページング範囲に設定できないという問題があった。
例えば、スマートフォンのような携帯型の通信端末であっても、位置登録を行った場所から移動しているとは限られず、ページングを行う際に位置登録を行った場所に留まっていることもある。この点、特許文献1に記載の方法では、通信端末の位置の変化が考慮されないため、本来であれば狭い範囲ですむものの、不要に広い範囲にまでページングを行ってしまい、MMEの負荷を不要に増大させてしまうおそれがあった。
このように、適切なページング範囲は、通信端末の種類や状態等に応じて異なるので、MMEの負荷を軽減できるように最適なページング範囲に決定することは困難であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、ページング発生時の負荷を軽減可能な閾値時間決定装置、閾値時間決定方法及び通信システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様においては、基地局を介して通信端末を制御する制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定装置であって、前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定する位置情報特定部と、前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するページング時刻特定部と、前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するページング基地局特定部と、複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定する基地局数特定部と、前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局、及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定する閾値時間決定部と、を有する閾値時間決定装置を提供する。
上記の閾値時間決定装置は、前記ページメッセージが送信される直前に前記通信端末が通信した最終通信基地局を特定する最終通信基地局特定部をさらに有し、前記閾値時間決定部は、前記ページング基地局と前記最終通信基地局とが一致するか否かに基づいて、前記ページメッセージ送信数を推定してもよい。前記閾値時間決定部は、前記通信端末へのページングが成功したか否かに基づいて、前記ページメッセージ送信数を推定してもよい。
また、前記基地局数特定部は、前記登録エリアに含まれる基地局の数、及び前記登録エリアを含み当該登録エリアよりも広いエリアに含まれる基地局の数を、前記エリア別基地局数として特定してもよい。
前記閾値時間決定部は、例えば、複数の前記通信端末に対して前記ページメッセージ送信数を算出し、算出した複数の前記ページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を前記閾値時間に決定する。
前記閾値時間決定部は、前記閾値時間の複数の候補である候補時間を用いて複数の前記ページメッセージ送信数を算出し、算出した前記ページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を前記閾値時間に決定してもよい。
前記閾値時間決定部は、前記経過時間と前記候補時間との関係に基づいて、前記ページング範囲を変更する前の第1ページング範囲、及び前記ページング範囲を変更した後の、前記第1ページング範囲よりも広い第2ページング範囲を決定し、前記第1ページング範囲への前記ページメッセージ送信数及び前記第2ページング範囲への前記ページメッセージ送信数の合計数に基づいて、前記閾値時間を決定してもよい。この場合、前記閾値時間決定部は、前記経過時間が前記候補時間以下である場合に、前記第1ページング範囲及び前記第2ページング範囲の第1の組み合わせを使用し、前記経過時間が前記候補時間よりも大きい場合に、前記第1ページング範囲及び前記第2ページング範囲の第2の組み合わせを使用してもよい。
本発明の第2の態様においては、基地局を介して通信端末を制御する制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定方法であって、前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定するステップと、前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するステップと、前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間を算出するステップと、前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するステップと、複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定するステップと、前記経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定するステップと、を有する閾値時間決定方法を提供する。
本発明の第3の態様においては、基地局を介して通信端末を制御する制御装置と、前記制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定装置と、を備える通信システムであって、前記閾値時間決定装置又は前記制御装置は、前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定する位置登録情報特定部と、前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するページング時刻特定部と、前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するページング基地局特定部と、複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定する基地局数特定部と、前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局、及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定する閾値時間決定部と、を有し、前記制御装置は、前記閾値時間に基づいて、前記ページメッセージを送信するページング範囲を変更する、通信システムを提供する。
本発明によれば、ページング発生時の負荷を軽減することができる。
本実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。 制御装置の機能構成を示すブロック図である。 プロファイルリスト及びUEリストの一例を示す図である。 ページング範囲の決定方法について説明するための図である。 閾値時間決定装置の機能構成を示すブロック図である。 閾値時間の決定に用いられる情報を示す図である。 閾値時間の決定に用いられる情報を示す図である。 閾値時間の決定に用いられるページング情報を示す図である。 ページングプロファイルの一例を示す図である。 閾値時間決定装置の処理の流れを示すフローチャートである。 制御装置の処理の流れを示すフローチャートである。 LTEにおけるページング処理の概要を示す図である。
[通信システムSの構成]
図1は、本実施形態に係る通信システムSの構成を示す図である。通信システムSは、基地局10と、通信端末20と、タップデバイス30と、制御装置40と、閾値時間決定装置50とを備える。
基地局10は、EPCにおける無線の基地局(eNB)である。通信端末20は、EPCにおける端末(UE)である。制御装置40は、基地局10を介して通信端末20の移動管理を行う装置であり、例えばMMEである。制御装置40は、基地局10を介して通信端末20にページメッセージを送信する。制御装置40は、閾値時間決定装置50から受信する閾値時間Tに基づいて、ページング範囲の変更パターンを示すページングプロファイルを選択する。具体的には、制御装置40は、通信端末20が位置登録されてからページングが発生するまでの経過時間と閾値時間Tとの関係に基づいて、複数のページングプロファイルから、最も適したページングプロファイルを選択する。
基地局10と制御装置40とは、ネットワークを介して接続されている。ネットワーク上には、タップデバイス30が設けられている。タップデバイス30は、例えばネットワークスイッチであり、基地局10から制御装置40へと送信される制御信号を制御装置40及び閾値時間決定装置50へと出力し、制御装置40から基地局10へと送信される制御信号を基地局10及び閾値時間決定装置50へと出力するミラーリング機能を有する。
閾値時間決定装置50は、タップデバイス30から受信する制御信号、及び制御装置40から受信する情報に基づいて閾値時間Tを決定し、決定した閾値時間Tを制御装置40に送信する。閾値時間決定装置50は、多数の通信端末20に対して過去にページングが行われた際の、それぞれの通信端末20の状態に関するデータを収集し、収集したデータに基づいて、制御装置40が送信したページメッセージ数を推定することにより、最適な閾値時間Tを決定する。閾値時間Tを決定する手順の詳細については後述する。
[制御装置40の機能構成]
図2は、本発明の制御装置40の機能構成を示すブロック図である。制御装置40は、EPCにおけるMMEに相当し、図2に示すように、通信部41、記憶部42及び制御部43を含んで構成される。
通信部41は、所定の通信回線を介して外部機器と接続され、外部機器との間で所定の通信を行う。一例として、通信部41は、基地局10と通信が可能となるようにネットワークに接続され、基地局10を介して、通信端末(UE)20からの制御信号を受信するとともに、通信端末20に対してTAリスト等の送信を行う。
記憶部42は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部42は、制御装置40を機能させるための各種プログラムや各種データを記憶する。また、記憶部42は、プロファイルリスト421及びUEリスト422を記憶する。ここで、プロファイルリスト421及びUEリスト422の一例を、図3に示す。
図3(A)に示すように、プロファイルリスト421は、ページング範囲を規定するページングプロファイルを複数含んでいる。図3(A)に示す例では、プロファイルID「1」のプロファイルは、初めに、UEが位置登録を行った基地局10が管理する通信エリアに対してページングを行い、このページングが失敗すると、当該基地局10を含むTAが管理する通信エリアに対してページングを行い、このページングが失敗すると、当該TAを含むTAリストが管理する通信エリアに対してページングを行うことを規定する。一方、プロファイルID「3」のプロファイルは、基地局10やTAが管理する通信エリアに対するページングを行うことなく、初めからTAリストが管理する通信エリアに対してページングを行うことを規定する。
図3(B)に示すように、UEリスト422は、位置登録用の制御信号(TAU)に基づいて位置登録を行った通信端末20ごとに、当該通信端末20の位置に対応する基地局10、TA、TAリスト等についての情報とともに、位置登録を行った時刻についての情報を記憶する。制御装置40は、UEリスト422を参照することで、通信端末20が位置登録を行ったタイミングで存在した位置に対応する基地局10、TA及びTAリスト等を把握することができる。
図2に戻り、制御部43は、例えばCPUである。制御部43は、記憶部42に記憶されている各種プログラムを実行することにより、制御装置40に係る機能を制御し、位置登録部431、範囲決定部432及び呼出部433として機能する。
位置登録部431は、通信端末20から取得した位置登録用の制御信号(TAU)に基づいて、当該通信端末20の位置情報を特定し、UEリスト422に登録する。位置登録部431による位置情報の登録は既に公知のものであり、上述したTAリストの作成に対応する。なお、位置登録部431が作成したTAリストは、位置登録応答信号(TAUA)に格納されて通信端末20に返信される。
範囲決定部432は、ページングの指示を受け付けると、呼出対象の通信端末20の位置情報を登録してからの経過時間が、閾値時間決定装置50から受信した閾値時間Tを超えているか否かに基づいて、ページングプロファイルを決定する。範囲決定部432は、経過時間が閾値時間T以下である場合に、プロファイルリスト421に規定されているプロファイルID「1」のページングプロファイルに決定する。範囲決定部432は、経過時間が閾値時間Tよりも大きい場合に、プロファイルリスト421に規定されているプロファイルID「2」のページングプロファイルに決定する。
呼出部433は、範囲決定部432が決定した範囲の通信エリアにおいて、呼出対象の通信端末20に対するページングを行う。具体的には、呼出部433は、決定した範囲の通信エリアを管理する1又は複数の基地局10を介して、対象の通信端末20にページメッセージを送信する。
通信端末20がページメッセージを受け取った場合、通信端末20は、制御装置40(MME)に対する応答メッセージであるService Requestメッセージを送信する。その後、通信端末20は、着信を受け付けることができる。
[ページング範囲の決定方法]
図4は、範囲決定部432によるページング範囲の決定方法について説明するための図である。移動可能な通信端末20であっても、位置登録を行った直後は遠くまで移動することができず、登録した位置の近傍に存在していることが予想される一方で、位置登録を行ってから一定時間以上経過した場合は、登録した位置から離れた位置に存在している可能性がある。
そこで、図4に示すように、範囲決定部432は、位置情報を登録してからの経過時間が閾値時間T以下である場合に、比較的狭い範囲の通信エリアを、ページメッセージを送信する通信エリアに決定し、経過時間が閾値時間Tよりも長い場合に、比較的広い範囲の通信エリアを、ページメッセージを送信する通信エリアに決定する。一例として、範囲決定部432は、経過時間が閾値時間T以下である場合、ページング範囲が徐々に広くなるプロファイルID「1」又は「2」のページングプロファイルを選択し、経過時間が閾値時間Tよりも長い場合、最初から広い範囲に呼び出しを行うプロファイルID「2」又は「3」のページングプロファイルを選択する。
このように、制御装置40は、位置情報を登録してからの経過時間という動的な情報も加味してページング範囲を決定するため、通信端末の種類等のような静的な情報のみを用いて範囲を決定する場合に比べて、より適した範囲を決定することができる。その結果、移動可能な通信端末というだけで、必要以上に広い範囲にまでページングを行うことを抑制でき、ページングに伴う負荷を軽減することができる。
ここで、経過時間と閾値時間Tとの関係が変化するとページングプロファイルが変化するので、閾値時間Tが異なると、ページングに成功するまでに必要になるページメッセージの送信数が異なる。例えば、閾値時間Tが短過ぎると、広い範囲にページメッセージを送信する傾向になるのでページングの成功率は上がるが、送信するページメッセージ数が増えて制御装置40の負荷が増大する可能性がある。他方で、閾値時間Tが長過ぎると、最初は狭い範囲にページメッセージを送信するので、送信するページメッセージ数を小さくできる可能性があるが、ページングの成功率が下がるおそれがある。その結果、ユーザの満足度が低下するとともに、ページメッセージを再送することにより制御装置40の負荷が増大する場合がある。
したがって、制御装置40が、できるだけ適切なページングプロファイルを用いてページメッセージを送信することができるように、閾値時間Tを最適化することが求められる。そこで、閾値時間決定装置50が、最適な閾値時間Tを決定し、制御装置40は、閾値時間決定装置50が決定した閾値時間Tを使用する。
[閾値時間決定装置50の構成]
図5は、閾値時間決定装置50の機能構成を示すブロック図である。図6〜図8は、閾値時間決定装置50が閾値時間Tの決定に用いる各種情報の内容を示す表である。以下、図5〜図8を参照しながら、閾値時間決定装置50の構成及び動作について詳細に説明する。
閾値時間決定装置50は、記憶部51及び制御部52を有する。記憶部51は、ROM及びRAM等の記憶媒体を有する。記憶部51は、閾値時間決定装置50を機能させるための各種プログラムを記憶している。また、記憶部51は、図6〜図8に示す各種情報を記憶している。
制御部52は、例えばCPUである。制御部52は、記憶部51に記憶されたプログラムを実行することにより、位置情報特定部521、ページング時刻特定部522、ページング基地局特定部523、基地局数特定部524、最終通信基地局特定部525及び閾値時間決定部526として機能する。
位置情報特定部521は、通信端末20の位置情報、及び位置情報が登録された時刻である位置登録時刻を特定する。図6(A)は、位置情報及び位置登録時刻を含む位置登録情報を示す。位置情報特定部521は、例えば図6(A)に示す位置登録情報を制御装置40から取得することにより、位置情報及び位置登録時刻を特定する。
位置情報には、通信端末20のID(端末ID)、通信端末20が直前に通信した基地局10が含まれるTAのID(最終通信TA ID)、通信端末20が直前に通信した基地局10のID(最終通信eNB ID)、及び制御装置40と通信端末20との間で共有しているTAリストが含まれている。位置登録情報においては、この位置情報と制御装置40に位置情報が登録された時刻とが、関連付けられている。図6(A)における位置登録時刻「20150621-082210」は、2015年6月21日の午前8時22分10秒に通信端末20の位置が登録されたことを示している。なお、位置情報特定部521は、位置登録情報を制御装置40から取得する代わりに、基地局10と制御装置40との間で暗号化されて送受信されるメッセージを復号することにより、位置登録情報を取得してもよい。
ページング時刻特定部522は、制御装置40が通信端末20にページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定する。ページング時刻特定部522は、タップデバイス30を介して、制御装置40と基地局10との間で送受信されるページメッセージ及び応答メッセージ(例えばService Requestメッセージ)を取得することにより、ページング発生時刻を特定する。ページング時刻特定部522は、ページング発生時刻を特定すると、図6(B)に示すページング検知用情報を記憶部51に記憶させる。
なお、ページメッセージには、図6(C)に示すように、端末ID、時刻情報、TA ID、eNB IDが含まれている。図6(C)における「S1APタイプ」は、ページメッセージの送信に用いられるメッセージタイプであり、ページング時刻特定部522は、S1APのメッセージタイプにより、ページメッセージであることを特定することができる。図6(D)は、応答メッセージとしてのService Requestメッセージを示す。Service Requestメッセージには、Service Requestメッセージの送信に用いられる通信プロトコルであるNASのメッセージタイプ、端末ID、時刻情報、TA ID、eNB IDが含まれている。
ページング時刻特定部522は、通信端末20に対して最初に送信されたページメッセージに含まれる時刻情報が示す時刻を、ページング発生時刻として特定する。記憶部51は、ページメッセージの受信回数が、再送回数が上限値に達するまで、図6(B)に示すページング検知情報を保持する。ページング時刻特定部522は、同じ通信端末20に対するページング検知情報が記憶部51に記憶されていない状態でページメッセージを受信した場合に、当該ページメッセージに含まれている時刻情報が示す時刻を、ページング発生時刻とすることができる。
ページング基地局特定部523は、通信端末20からページメッセージに対するService Requestメッセージを受信した基地局10であるページング基地局(Service Request受信eNB)を特定する。ページング基地局特定部523は、タップデバイス30を介して、基地局10から制御装置40に送信された応答メッセージを取得して解析することにより、通信端末20がどの基地局10を介して応答メッセージを制御装置40に送信したかを特定することにより、Service Request受信eNBを特定する。ページング基地局特定部523は、特定したService Request受信eNBを閾値時間決定部526に通知する。
ページング基地局特定部523は、例えば、図6(C)に示したページメッセージ、及び図6(D)に示したService Requestメッセージを用いて、図7(A)に示すページング情報を生成する。ページング基地局特定部523は、図6(B)に示したページング検知用情報が記憶されている通信端末20に対するService Requestメッセージを受信した場合に、受信したService Requestメッセージに含まれているeNB ID及びTA IDを抽出する。
このようにページメッセージに対するService Requestメッセージを受信した場合は、ページングが成功したと考えられるので、ページング基地局特定部523は、端末ID、Service Request受信eNB ID及びService Request受信TA IDに関連付けて、成功フラグを「1」とするページング情報を生成し、記憶部51に記憶させる。なお、図7(A)における端末ID201の通信端末20のように、Service Requestメッセージが受信されていない場合は、ページングが成功していないと考えられるので、ページング基地局特定部523は、成功フラグを「0」とするページング情報を生成する。
基地局数特定部524は、登録エリア(TA)に含まれる基地局10の数、及び登録エリアを含み当該登録エリアよりも広いエリア(TAリスト)に含まれる基地局10の数を、エリア別基地局数として特定する。基地局数特定部524は、例えば、図6(C)に示すページメッセージに含まれるTA ID及びeNB IDに基づいて、TAに含まれるeNB数を推定する。具体的には、基地局数特定部524は、ページメッセージに含まれるTA ID及びeNB IDに基づいて、図7(B)に示すエリア情報を生成し、各TA IDに対応するeNBの数を計数することにより、TAに含まれるeNB数を特定することができる。基地局数特定部524は、特定したeBN数を閾値時間決定部526に通知する。
最終通信基地局特定部525は、通信端末20がページメッセージを受信する直前に通信して位置登録をした基地局10である最終通信基地局を特定する。最終通信基地局特定部525は、例えば、位置情報特定部521から位置登録情報を取得し、位置登録情報に含まれる最終通信eNB IDを参照することにより、最終通信基地局を特定する。最終通信基地局特定部525は、特定した最終通信基地局を特定するための最終通信eNB IDを閾値時間決定部526に通知する。
閾値時間決定部526は、位置登録時刻からページング発生時刻までの経過時間、ページング基地局特定部523から取得したService Request受信eNBを示す情報、基地局数特定部524から取得したTAに含まれるeNB数、及び最終通信基地局特定部525から取得した最終通信eNB ID等に基づいて、閾値時間Tを決定する。具体的には、閾値時間決定部526は、図6及び図7に示す情報に基づいて図8に示すページング情報を生成し、ページング情報を用いて閾値時間Tを決定する。
[閾値時間Tの決定手順]
以下、閾値時間決定部526による、閾値時間Tの決定手順の詳細について説明する。ここでは、ページングプロファイルとして、図9に示す2種類のページングプロファイルが用いられる場合について説明する。閾値時間決定部526は、経過時間が閾値時間T以下である場合に、プロファイルID2−1のページングプロファイルを用いて、1回目のページング範囲を通信端末20が位置登録されたeNBとし、2回目のページング範囲を通信端末20が位置登録されたeNBを含むTAリストの範囲とする。閾値時間決定部526は、経過時間が閾値時間Tよりも長い場合に、プロファイルID2−2のページングプロファイルを用いて、1回目のページング範囲を通信端末20が位置登録されたeNBが含まれるTAの範囲とし、2回目のページング範囲を通信端末20が位置登録されたeNBを含むTAリストの範囲とする。
図10は、閾値時間決定部526が閾値時間Tを決定する手順を示すフローチャートである。
まず、閾値時間決定部526は、閾値時間Tの第1の候補である候補時間tを選定する(S11)。閾値時間決定部526は、例えば、図8に示したページング情報に含まれる複数の情報IDから一の情報IDを選択する。そして、閾値時間決定部526は、選択した情報IDに対応するページング発生時刻から位置登録時刻を減算することにより算出した経過時間を、第1の候補時間tとする。ここでは、閾値時間決定部526が、図8のページング情報における情報ID=1を選択し、情報ID「1」の情報に含まれるページング発生時刻20150621-082500から位置登録時刻20150621-082210を減算することにより得られる2分50秒(170秒)を第1の候補時間tとする。
続いて、閾値時間決定部526は、第1の候補時間tである170秒を用いた場合に、情報ID「1」に対応する端末IDが200の通信端末20にページングを行った際に生じたページメッセージの送信数を推定する(S12)。閾値時間決定部526は、情報ID「1」のページング情報を参照し、ページング発生時刻から位置登録時刻を減算することにより経過時間が170秒であることを特定する(S13)。
閾値時間決定部526は、ステップS13において特定した経過時間と候補時間tとの関係に基づいてページングプロファイルを選択することにより、ページング範囲を変更する前の第1ページング範囲、及びページング範囲を変更した後の、第1ページング範囲よりも広い第2ページング範囲を決定する。具体的には、閾値時間決定部526は、経過時間が候補時間t以下である場合に、第1ページング範囲及び第2ページング範囲の第1の組み合わせに対応するページングプロファイルを使用し、経過時間が候補時間tよりも大きい場合に、第1ページング範囲及び第2ページング範囲の第2の組み合わせに対応するページングプロファイルを使用する。
具体的には、ステップS13において経過時間が170秒であることを特定した場合、経過時間が候補時間t以下であることから、閾値時間決定部526は、プロファイルID2−1のページングプロファイルに決定する(S14)。したがって、1回目のページメッセージ送信エリアはeNBとなり、2回目のページメッセージ送信エリアはTAリストとなる。
情報ID「1」のページング情報を参照すると、最終通信eNBとService Request受信eNBとが一致しており、成功フラグが「1」を示しているので、1回目の最終通信eNBへのページメッセージ送信により、ページングが成功すると予想される。そこで、閾値時間決定部526は、t=170秒にした場合における情報ID「1」に対応するページメッセージ送信数が1であると推定する(S15)。このように、閾値時間決定部526は、ページング基地局と最終通信基地局とが一致するか否かに基づいて、又は通信端末20へのページングが成功して成功フラグが「1」になっているか否かに基づいて、ページメッセージ送信数を推定する。
続いて、閾値時間決定部526は、ページング情報に含まれる全ての情報IDに対して、S13からS15までの処理を実行したか否かを確認する(S16)。閾値時間決定部526は、全ての情報IDに対して処理が終了していない場合(S16におけるNO)、次の情報IDの情報を選択し(S17)、ステップS13に戻る。
例えば、情報ID「2」においては経過時間が450秒であり(S13)、経過時間が候補時間tよりも大きいので、閾値時間決定部526は、プロファイルID2−2のページングプロファイルを選択する(S14)。この場合、1回目のページング範囲はTAとなり、2回目のページング範囲はTAリストとなる。情報ID「2」のページング情報によると、情報ID「2」のページングにおいては、ページメッセージを再送回数の上限数まで再送してもService Requestメッセージを受信できなかったことが示されている。したがって、1回目のページメッセージ送信における5個のeNBへのページメッセージの送信、及び2回目のページメッセージの送信における20個のeNBへのページメッセージの送信のいずれにおいてもページングが成功しないと予想される。そこで、閾値時間決定部526は、t=450秒にした場合における情報ID「2」に対応するページメッセージ送信数が、5+20=25であると推定する(S15)。
同様に、情報ID「3」においては、経過時間が300秒であり(S13)、経過時間が候補時間tよりも大きいので閾値時間決定部526は、プロファイルID2−2のページングプロファイルを選択する(S14)。情報ID「3」のページング情報によると、位置登録TAとService Request受信TAとが異なるので、通信端末20が通信可能な基地局10が1回目のページング範囲に含まれていない。したがって、1回目のページメッセージ送信における3個のeNBへのページメッセージの送信は失敗すると予想される。しかし、Service Request受信TAがTAリストには含まれるので、2回目のページング範囲に含まれており、2回目のページメッセージ送信における10個のeNBへのページメッセージの送信は成功すると予想される。そこで、閾値時間決定部526は、t=300秒にした場合における情報ID「3」に対応するページメッセージ送信数が、3+10=13であると推定する(S15)。
このようにして、全ての情報IDに対するページメッセージ送信数の推定が終了すると(S16におけるYES)、閾値時間決定部526は、全ての情報IDに対して推定したページメッセージ送信数の合計数1+25+13=39を算出し、記憶部51に記憶させる(S18)。
続いて、閾値時間決定部526は、全ての閾値時間候補に対してS12〜S18までの処理を実行したか否かを判定する(S19)。閾値時間決定部526は、全ての閾値時間候補に対して処理を実行していないと判定した場合(S19においてNO)、次の閾値時間候補に変更して(S20)、S12からS18までの処理を実行する。
例えば、閾値時間決定部526は、閾値時間候補をt=300秒とした場合、情報ID「1」に対応する経過時間が候補時間t以下であることから、t=170秒の場合と同様に、情報ID「1」に対するメッセージ送信数を1と推定する。また、情報ID「2」については、経過時間が候補時間tより大きい点でt=170秒の場合と変わらないので、閾値時間決定部526は、t=170秒の場合と同様に、情報ID「2」に対するメッセージ送信数を25と推定する。
これに対して、情報ID「3」については、経過時間が候補時間t以下になるので、1回目のページメッセージ送信時には、位置登録された1個のeNBにページメッセージが送信され、ページングに失敗すると予想される。そして、2回目のページメッセージ送信時には、TAリストに含まれる10個のeNBにページメッセージが送信される。その結果、閾値時間決定部526は、情報ID「3」に対するページメッセージ送信数を1+10=11と推定する。この場合、情報ID「1」〜情報ID「3」に対応するページメッセージ送信数の合計数を1+25+11=37となる。
同様に、t=450秒とした場合、情報ID「1」に対応するページメッセージ送信数が1、情報ID「2」に対応するページメッセージ送信数が21、情報ID「3」に対応するページメッセージ送信数が11となるので、ページメッセージ送信数の合計数は1+21+11=33となる。
閾値時間決定部526は、全ての閾値時間候補に対してS12〜S18の処理が終了すると(S19においてYES)、ページメッセージ送信数の合計数が最も小さい閾値時間候補を閾値時間Tに決定する。上記の例では、t=450秒の場合の合計数が最小であるので、閾値時間決定部526は、閾値時間を450秒とする。
このように、閾値時間決定部526は、複数の通信端末20に対してページメッセージ送信数を算出し、算出した複数のページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を閾値時間Tに決定する。また、閾値時間決定部526は、閾値時間の複数の候補である候補時間tを用いて複数のページメッセージ送信数を算出し、算出したページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を閾値時間Tに決定する。
上記の説明においては、閾値時間決定部526が3つの情報IDに対してページメッセージ数を算出する場合について説明したが、これに限らない。閾値時間決定部526が、より多くの通信端末20の過去のページング時の状況を示すページング情報に基づいて、各通信端末20に送信されたページメッセージ数を算出し、それらのページメッセージ数の合計数に基づいて閾値時間Tを決定することにより、閾値時間Tの精度を向上させることができる。
また、最適な閾値時間Tの傾向は、端末種別及び地域に応じて異なることが考えられる。そこで、閾値時間決定部526は、スマートフォン、携帯電話、M2M用デバイス等の通信端末20の種別ごとにページング情報を分類し、通信端末20の種別ごとに閾値時間Tを決定してもよい。
閾値時間決定部526は、基地局10が属する地域ごとにページング情報を分類し、地域ごとに閾値時間Tを決定してもよい。例えば、閾値時間決定部526は、基地局10の設置密度が高い地域と基地局10の設置密度が低い地域のそれぞれに対して異なる閾値時間Tを決定することにより、制御装置40は、地域の特性に適したページングプロファイルを用いてページングすることができる。
また、最適な閾値時間Tの傾向は、ページングが発生する時間帯に応じて異なることも考えられる。そこで、閾値時間決定部526は、ページングが発生した時間帯ごとにページング情報を分類し、時間帯ごとに閾値時間Tを決定してもよい。
閾値時間決定部526は、時間帯ごとに最適な閾値時間Tに決定するために、定期的に閾値時間Tを更新してもよい。閾値時間決定部526は、例えば、30分ごとに、直近の30分間において発生したページングに対応するページング情報を用いて閾値時間Tを決定し、決定した閾値時間Tに更新することにより、制御装置40が、常に最適な閾値時間Tを使用可能になる。
[制御装置40の処理]
以下、図11を参照して、閾値時間Tを使用する制御装置40の処理の流れについて説明する。図11は、制御装置40の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、制御装置40の位置登録部431は、通信端末20からTAUを受信したか否かを判定する(S31)。TAUを受信している場合、位置登録部431は、TAリストを作成して登録するとともに、TAリストをTAUAに格納して通信端末20に対して返信する(S32)。このとき、位置登録部431は、TAUの種別や受信した時刻等を登録しておく。
続いて、制御装置40は、通信端末20に対する着信があるか否かを判定する(S33)。制御装置40は、着信がない場合には処理を終了する一方で、着信がある場合には、範囲決定部432が、TAUを受信してからの経過時間と閾値時間Tとの関係に基づいてページング範囲を決定する(S34)。
具体的には、範囲決定部432は、経過時間が閾値時間Tよりも長い場合には、ページング範囲を広くし、経過時間が閾値時間T以下である場合にはページング範囲を狭くする。より具体的には、図3(A)に示すプロファイルリスト421を用いる場合には、経過時間が閾値時間Tよりも長い場合には、プロファイルID「2」又は「3」のページングプロファイルを選択し、経過時間が閾値時間T以下である場合には、プロファイルID「1」又は「2」のページングプロファイルを選択する。
続いて、呼出部433は、着信があった通信端末20に対して、ステップS34で決定したページング範囲においてページメッセージを送信する(S35)。続いて、制御装置40は、通信端末20から応答があるか否かを判定する(S36)。このとき、通信端末20から応答がない場合には、呼出部433は、再送回数が残っているか否かを判定する(S37)。図3(A)に示すように、プロファイルリスト421には、再送回数が規定されており、通信端末20からの応答がない場合には、再送回数に応じて、より広い範囲に対するページングを再度実行する。そこで、ステップS37において再送回数が残っていると判定された場合、選択したプロファイルに応じてページング範囲を更新して(S38)、処理をステップS35に移す。
他方、ステップS37において再送回数が残っていないと判定された場合、制御装置40は、所定のエラー処理を実行し、処理を終了する(S39)。
また、ステップS36において、通信端末20から応答があった場合、制御装置40は、所定の接続処理を実行し(S40)、処理を終了する。
[本実施形態における効果]
以上説明したように、閾値時間決定装置50は、過去に実施されたページングの状況に基づいて、制御装置40からのページメッセージ送信数が最小になるように閾値時間Tを決定する。そして、制御装置40は、閾値時間決定装置50が決定した閾値時間Tと、通信端末20の位置情報を登録してからの経過時間との関係に基づいて、通信端末20に対するページング範囲を規定したページングプロファイルを選択する。これにより、制御装置40は、例えば、経過時間が短い場合に、最初はページング範囲を狭くしておき、経過時間が長い場合に、最初からページング範囲を広くすることにより、ページメッセージの送信数を小さくすることができる。このように、制御装置40は、ページメッセージの送信数を最小にするようにページングプロファイルを決定できるので、制御装置40の負荷を軽減するとともに、ページング成功率を高めることにより顧客満足度を向上させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
例えば、上記の説明においては、閾値時間決定部526が、成功フラグ及び最終通信eNBに関する情報を用いて閾値時間Tを決定する例について説明したが、これらの情報を用いることが必須ではない。例えば、閾値時間決定部526は、ページングが成功した場合の端末ID、Service Request受信TA ID、Service Request受信eNB ID、位置登録TA ID、位置登録時刻、ページング発生時刻、TA及びTAリストに含まれるeNB数に基づいて閾値時間Tを決定することもできる。
また、上記の説明においては、閾値時間決定装置50が決定した閾値時間Tを制御装置40に通知する場合について説明したが、制御装置40が閾値時間決定装置50の一部又は全ての機能を有してもよい。
また、上記の説明においては、閾値時間決定装置50が1つの閾値時間Tを決定する場合について説明したが、閾値時間決定装置50は、2つ以上の閾値時間Tを決定してもよい。この場合、制御装置40は、2つ以上の閾値時間Tを用いて、3つ以上のページングプロファイルを切り替えて使用することができる。
10 基地局
20 通信端末
30 タップデバイス
40 制御装置
41 通信部
42 記憶部
43 制御部
50 閾値時間決定装置
51 記憶部
52 制御部
431 位置登録部
432 範囲決定部
433 呼出部
521 位置情報特定部
522 ページング時刻特定部
523 ページング基地局特定部
524 基地局数特定部
525 最終通信基地局特定部
526 閾値時間決定部

Claims (10)

  1. 基地局を介して通信端末を制御する制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定装置であって、
    前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定する位置情報特定部と、
    前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するページング時刻特定部と、
    前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するページング基地局特定部と、
    複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定する基地局数特定部と、
    前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局、及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定する閾値時間決定部と、
    を有する閾値時間決定装置。
  2. 前記ページメッセージが送信される直前に前記通信端末が通信した最終通信基地局を特定する最終通信基地局特定部をさらに有し、
    前記閾値時間決定部は、前記ページング基地局と前記最終通信基地局とが一致するか否かに基づいて、前記ページメッセージ送信数を推定する、
    請求項1に記載の閾値時間決定装置。
  3. 前記閾値時間決定部は、前記通信端末へのページングが成功したか否かに基づいて、前記ページメッセージ送信数を推定する、
    請求項1又は2に記載の閾値時間決定装置。
  4. 前記基地局数特定部は、前記登録エリアに含まれる基地局の数、及び前記登録エリアを含み当該登録エリアよりも広いエリアに含まれる基地局の数を、前記エリア別基地局数として特定する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の閾値時間決定装置。
  5. 前記閾値時間決定部は、複数の前記通信端末に対して前記ページメッセージ送信数を算出し、算出した複数の前記ページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を前記閾値時間に決定する、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の閾値時間決定装置。
  6. 前記閾値時間決定部は、前記閾値時間の複数の候補である候補時間を用いて複数の前記ページメッセージ送信数を算出し、算出した前記ページメッセージ送信数の合計数が最小になる候補を前記閾値時間に決定する、
    請求項5に記載の閾値時間決定装置。
  7. 前記閾値時間決定部は、前記経過時間と前記候補時間との関係に基づいて、前記ページング範囲を変更する前の第1ページング範囲、及び前記ページング範囲を変更した後の、前記第1ページング範囲よりも広い第2ページング範囲を決定し、前記第1ページング範囲への前記ページメッセージ送信数及び前記第2ページング範囲への前記ページメッセージ送信数の合計数に基づいて、前記閾値時間を決定する、
    請求項5又は6に記載の閾値時間決定装置。
  8. 前記閾値時間決定部は、前記経過時間が前記候補時間以下である場合に、前記第1ページング範囲及び前記第2ページング範囲の第1の組み合わせを使用し、前記経過時間が前記候補時間よりも大きい場合に、前記第1ページング範囲及び前記第2ページング範囲の第2の組み合わせを使用する、
    請求項7に記載の閾値時間決定装置。
  9. 基地局を介して通信端末を制御する制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定方法であって、
    前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定するステップと、
    前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するステップと、
    前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間を算出するステップと、
    前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するステップと、
    複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定するステップと、
    前記経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定するステップと、
    を有する閾値時間決定方法。
  10. 基地局を介して通信端末を制御する制御装置と、前記制御装置におけるページング範囲の選択に用いられる閾値時間を決定する閾値時間決定装置と、を備える通信システムであって、
    前記閾値時間決定装置又は前記制御装置は、
    前記通信端末の位置が登録された登録エリア、及び前記位置が登録された時刻である位置登録時刻を特定する位置登録情報特定部と、
    前記制御装置が前記通信端末に前記ページメッセージを送信した時刻であるページング発生時刻を特定するページング時刻特定部と、
    前記通信端末から前記ページメッセージに対する応答メッセージを受信した前記基地局であるページング基地局を特定するページング基地局特定部と、
    複数の前記ページング範囲それぞれに含まれる基地局の数であるエリア別基地局数を特定する基地局数特定部と、
    前記位置登録時刻から前記ページング発生時刻までの経過時間、前記登録エリア、前記ページング基地局、及び前記エリア別基地局数に基づいて推定されるページメッセージ送信数に基づいて、前記ページング範囲の選択に用いられる前記経過時間の閾値である閾値時間を決定する閾値時間決定部と、
    を有し、
    前記制御装置は、前記閾値時間に基づいて、前記ページメッセージを送信するページング範囲を変更する、
    通信システム。
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