JP2017036939A - 土壌熱物性測定装置 - Google Patents

土壌熱物性測定装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017036939A
JP2017036939A JP2015156759A JP2015156759A JP2017036939A JP 2017036939 A JP2017036939 A JP 2017036939A JP 2015156759 A JP2015156759 A JP 2015156759A JP 2015156759 A JP2015156759 A JP 2015156759A JP 2017036939 A JP2017036939 A JP 2017036939A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor unit
unit
soil
thermophysical property
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015156759A
Other languages
English (en)
Inventor
田中 三郎
Saburo Tanaka
三郎 田中
直栄 佐々木
Naoe Sasaki
直栄 佐々木
彩子 船引
Ayako Funabiki
彩子 船引
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon University
Original Assignee
Nihon University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon University filed Critical Nihon University
Priority to JP2015156759A priority Critical patent/JP2017036939A/ja
Publication of JP2017036939A publication Critical patent/JP2017036939A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

【課題】地中の土壌の熱交換量その他の熱物性について、より短い時間で信頼性の高いデータを取得することのできる土壌熱物性測定装置を提供する。【解決手段】有底筒状で金属製のセンサ部を備えた土壌熱物性測定装置であって、センサ部20は、センサ部を加熱するヒータ22a,22b,22cと、センサ部の温度を計測する温度計測部23a,23b,23c,23d,23eとを有し、センサ部の内部空間には珪砂が充填され、土壌熱物性測定装置は、さらに、ヒータに電力を投入するための電源部50と、温度計測部による計測結果を所定時間ごとに記録する記録部30とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、土壌の熱物性を迅速に測定することのできる測定装置に関する。
再生可能エネルギーの1つとして地中熱を利用したヒートポンプがある。これは、太陽光や風力を利用したシステムとは異なって天候等に左右されにくいことから注目されている。
このような地中熱を利用したシステムの設計においては、土壌の熱物性の測定が必要である。土壌の熱物性としては、例えば10m以下の深部地中の温度は年間に渡ってほぼ一定であるが、例えば10m未満の浅部地中では気温の影響を受けやすく、季節により変動することから、正確な測定が求められる。土壌の熱物性の方法の1つとして熱応答試験(サーマルレスポンステスト(TRT))を用いることが増えつつある(例えば特許文献1、2)。
熱応答試験は、一般に、地中熱交換器に熱媒、例えば水を循環させ、熱媒の温度や地中温度の推移によって地盤の熱特性や熱交換能力を予測する。すなわち、作図法等の解析方法を用いて有効熱伝導率を決定し、シミュレーションソフトを利用して単位長さあたりの熱交換量を決定する。
特開2003−004680号公報 特開2013−238419号公報
しかしながら、熱応答試験では、ヒータによって加熱した水を地中の熱交換機内に循環させ、循環水の出入口温度、流量等を60時間以上モニタリングする必要がある。このため、ヒータの消費電力や、測定にかかる人件費が増大してしまうという問題があった。
そこで本発明は、地中の土壌の熱交換量その他の熱物性について、より短い時間で信頼性の高いデータを取得することのできる土壌熱物性測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の土壌熱物性測定装置は、有底筒状で金属製のセンサ部を備えた土壌熱物性測定装置であって、センサ部は、センサ部を加熱するヒータと、センサ部の温度を計測する温度計測部とを有し、センサ部の内部空間には珪砂が充填され、土壌熱物性測定装置は、さらに、ヒータに電力を投入するための電源部と、温度計測部による計測結果を所定時間ごとに記録する記録部とを備えることを特徴としている。
本発明の土壌熱物性測定装置において、センサ部はステンレス鋼を有することが好ましい。
本発明の土壌熱物性測定装置において、ヒータはアルミニウムホイルからなることが好ましい。
本発明によると、地中の土壌の熱交換量その他の熱物性について、より短い時間で信頼性の高いデータを取得することができる。
本発明の実施形態に係る土壌熱物性測定装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態におけるセンサ部の構成を示す斜視図である。 表1に示す、乾燥条件及び湿潤条件の試料にそれぞれ20W又は30Wで加熱したときの地層温度の計算結果と測定値との比較した結果を示すグラフである。 実施例1において逆解析によって求めた熱伝導率と比熱との関係を示すグラフである。 表2に示す、乾燥条件及び湿潤条件の試料にそれぞれ10W又は15Wで加熱したときの地層温度の計算結果と測定値との比較した結果を示すグラフである。 実施例2において逆解析によって求めた熱伝導率と「T(Q/b)/(dT/dlnt)」との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態に係る土壌熱物性測定装置について図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る土壌熱物性測定装置10の概略構成を示す図であり、図2は、本実施形態におけるセンサ部20の構成を示す斜視図である。図1においては、実験用の試験容器Cの中にセンサ部20を配置した構成例を示すが、センサ部20の構成はこれに限定されない。
図1に示すように、土壌熱物性測定装置10は、センサ部20と、記録部としてのデータロガー30と、電力計としてのデジタルハイテスタ40と、電源部としての直流安定化電源50とを備える。
図2に示すように、センサ部20は、ステンレス鋼その他の金属を有底の円筒状とした本体部21を備える。
本体部21の内周面21aには、本体部21の上下方向(図2のZ方向に沿った方向)に延びる3枚のヒータ22a、22b、22cが配置されている。これらのヒータ22a、22b、22cは、アルミニウムホイルで構成され、周方向(図2のθ方向)において、一定の間隔をあけて、本体部21の内周面21aに対してほぼ等角度ごとに配置されるように、例えば耐熱性の接着剤によって貼り付けられている。また、ヒータ22a、22b、22cは、本体部21の上部開口21bから下面21cに至るように配置されている。
図1及び図2に示すように、ヒータ22a、22b、22cには、デジタルハイテスタ40を介して直流安定化電源50が接続されており、ヒータ22a、22b、22cは、直流安定化電源50から所定の電力が供給されることによって発熱し、この熱によってセンサ部20が加熱される。直流安定化電源50からヒータ22a、22b、22cに供給される電力値はデジタルハイテスタ40で計測される。
なお、図2では、3つのヒータ22a、22b、22cからなる例を示したが、ヒータの数は3つに限定されず、例えば、本体部21の内周面21aに対して、周方向において4つ以上配置した構成であってもよい。
また、本体部21の内側面21a又はヒータ22a、22b、22cの内面には、温度計測部として、互いに異なる長さを有する、5本の熱電対23a、23b、23c、23d、23eが取り付けられている。これらの熱電対の取り付けは、例えば耐熱性の接着剤によって行う。熱電対23a、23b、23c、23d、23eは、本体部21の上部開口21bから下方向に延びるようにそれぞれ配置されており、それぞれの下端が上下方向において異なる位置に配置される。したがって、熱電対23a、23b、23c、23d、23eは、上下方向において異なる位置の温度をそれぞれが測定可能となり、これらの測定結果からセンサ部20の温度分布や平均温度などを得ることができる。図1と図2に示すように、熱電対23a、23b、23c、23d、23eには、データロガー30が接続されており、各熱電対からの出力データが、一定時間ごとに記録される。
なお、熱電対は、本体部21の上下方向の複数の位置を測定可能であれば、数や位置は図2に示す例のような数や位置に限定されない。
本体部21の内部には珪砂が充填される。この珪砂は、本体部21の内部にヒータ22a、22b、22c及び熱電対23a、23b、23c、23d、23eを固定したのちに充填される。この珪砂としては、例えば、天然珪砂5号,北日本珪砂株式会社,山形県大石町などを採用した。
土壌熱物性測定装置10においては、測定対象となる土壌に杭を打ち込むなどの作業によって形成した穴の中にセンサ部20が挿入され、直流安定化電源50から供給する電力によってヒータ22a、22b、22cを発熱させることによってセンサ部20を加熱し、熱電対23a、23b、23c、23d、23eによってセンサ部20の温度が測定される。本体部21の形状は土壌に形成した穴に合わせて任意に設定することができる。ヒータ22a、22b、22cは、本体部21内を均等に加熱する観点からは、本体部21の上部開口21bから下面21cに至るように配置することが好ましい。
(実施例1)
次に、実施例1として、図1に示す構成による実験について説明する。図1に示す構成においては、試験容器Cとセンサ部20の形状、並びに、データロガー30、デジタルハイテスタ40、及び、直流安定化電源50として用いた機器を次のようにしている。
(A)試験容器C
形状:幅300mm、奥行き300mm、高さ150mmの直方体
材質:ステンレス鋼
試験容器Cは実験条件に合わせて4つ用意した。
(B)センサ部20
(1)本体部21
形状:外径48mm、高さ135mmの有底円筒形
材質:炭素鋼
(2)ヒータ22a、22b、22c
形状(1枚あたり):幅50mm、長さ150mm、厚さ0.5mmの薄板状
材質:アルミニウム箔で覆われたヒータ
(3)熱電対23a、23b、23c、23d、23e
線径(1つあたり):0.32mm
センサ部20は実験条件に合わせて4つ用意した。
(4)珪砂
天然珪砂5号,北日本珪砂株式会社,山形県大石町
密度:約1500 kg/m3 文献値 熱物性ハンドブック
比熱:約800 J/(kg・K) 文献値 熱物性ハンドブック
(C)データロガー30
USB熱電対計測デバイス
ナショナルインスツルメンツ社製NI9211
サンプリングレート:1サンプル/秒
(D)デジタルハイテスタ40
日置電機社製デジタルハイテスタ3239、精度0.3%
(E)直流安定化電源50
菊水電子工業社製、出力電圧0〜30V、出力電流0〜5A
つづいて実験の条件について説明する。
(A)測定手順
(1)常温において、試験容器Cの内部に珪砂を充填した後に、試験容器Cの平面中心(Z方向に直交する面の中心)とセンサ部20の平面中心が一致するように、試験容器Cの珪砂中にセンサ部20を埋め込む。
(2)直流安定化電源50からヒータ22a、22b、22cに所定の電圧を投入し続けることによって、本体部21を2時間加熱させ、その間の本体部21内の温度変化を1秒間隔でデータロガー30に記録する。
(B)測定条件
表1に測定条件を示す。表1において、「Power」は直流安定化電源50からヒータ22a、22b、22cに投入した電力(単位W)、「Distilled Water」は試験容器Cに含ませた蒸留水の量(単位kg)、「Sat tank weight」は珪砂を充填した状態の試験容器Cの重量(単位kg)である。蒸留水は、試験容器Cにセンサ部20を埋め込む前に、試験容器C中の珪砂に投入され、均一に混合される。この混合の後に、試験容器C内にセンサ部20が埋め込まれる。
表1に示すように、実験No.1及びNo.2は含水量0kg(乾燥条件)であり、実験No.3及びNo.4は含水量4.6kg(湿潤条件)である。また、ヒータ22a、22b、22cを加熱するための投入電力は、実験No.1及びNo.3は20Wであり、実験No.2及びNo.4は30Wである。
(C)パラメータの逆解析について
パラメータの逆解析に用いるケルビンの線源関数を次式(1−1)及び(1−2)に示す。
T=(Q/4π・(b・λ))・E(X) (1−1)
X=r・(ρ・c)/4λ・t (1−2)
ここで、
Tは地層温度[単位K]であって、本実験では試験容器Cに入った珪砂の表面の温度である。
はヒータに与えた熱量[単位W]である。
bは試料の埋設深度[単位m]であって、本実験ではセンサ部20の高さ0.135mとなる。
λは地層の熱伝導率[単位W/(m・K)]である。
E(X)はベキ級数である。
rはセンサ部20の中心からの半径[単位m]であって、本実験ではセンサ部20の半径0.024mとなる。
ρは地層の密度[単位kg/m]である。
cは地層の比熱[単位J/(kg・K)]である。
tはヒータに電力を投入している時間[単位秒]である。
上記式(1−1)、(1−2)の計算は、本実験ではセンサ部20の内部に逃げる熱があるため、その分を引いて行う。また、λと「ρ・c」には架空の試験条件を与え、高次漸近解を用いて計算した温度変化量T1を検証データとして使用する。さらに、λと「ρ・c」の任意の初期推定値を出発点として、与えたλと(ρc)を逆解析により同定する。
図3と図4を参照して実験の結果について説明する。
図3は、表1に示す、乾燥条件及び湿潤条件の試料にそれぞれ20W又は30Wで加熱したときの地層温度Tの計算結果と測定値との比較した結果を示すグラフであって、横軸は経過時間(単位秒)、縦軸は地層温度T(単位K)である。図3において、表1のNo.1を■(黒い四角印)、No.2を*(アスタリスク印)、No.3を▲(黒い三角印)、No.4を●(黒い丸印)でそれぞれ示している。この実験では、試験容器Cに珪砂を充填し、この珪砂中にセンサ部20を埋め込んだ形態としているため、センサ部20内に充填する充填材と、センサ部20の外側の土層として同じ珪砂を使用していることとなる。このため、センサ部20に与えた熱量の半分の熱量が、センサ部20の外側の珪砂中に伝わったと仮定し、上記式(1−1)、(1−2)に基づいて計算を実行して逆解析を行った。図3において、「No.1」から「No.4」の各点は表1に示す「No.1」から「No.4」についての測定結果を示し、実線で示される「Analytical value」は、表1の「No.1」から「No.4」のそれぞれに対応する逆解析によって得られた計算結果である。
乾燥条件の砂の場合(表1のNo.1とN0.2)のデータを用いた逆解析より得られた熱伝導率λは0.3W/(m・K)と0.32W/(m・K)であった。湿潤条件の砂の場合(表1のNo.3とN0.4)の熱伝導率λは、1.4W/(m・K)と1.6W/(m・K)であった。どちらも測定結果と温度変化量の計算結果は非常に良く一致していることが分かった。
図4は、逆解析によって求めた熱伝導率λ(横軸、単位W/m・K)と比熱c(縦軸、単位J/(kg・K))との関係を示すグラフである。
乾燥した土壌では、砂粒子間の空隙部分に空気が含まれ、熱伝導率は小さくなる。これに対して、湿潤状態の土壌の場合、砂粒子間の空隙を水が満たし、砂粒子間の接触部分の熱抵抗が著しく減少し、熱伝導率の増加を表すものと考えられる。実施例1の乾燥条件(図4の「During drying」、◆(黒菱形印))における熱伝導率λの実測値0.3W/(m・K)と0.32W/(m・K)は、砂の熱伝導率0.20〜1.89[W/(m・K)](日本熱物性学会、「新編熱物性ハンドブック」、2008年発行、579ページ)の範囲内にあり、乾燥条件の砂の値として妥当な値であると考えられる。また、湿潤条件(図4の「Wet sand」、■(黒四角印))の熱伝導率λの実測値1.4W/(m・K)と1.6W/(m・K)は乾燥条件の熱伝導率λの約5倍となっているため、湿潤条件の熱伝導率についても湿潤状態の砂の値として妥当な値であると考えられる。
実施例1においては、試験容器Cに珪砂を充填して行った室内モデル実験の土壌熱物性値を、パラメータの逆解析を用いた同定により求めることができ、これにより、以下の結論を得た。
(1)乾燥条件の熱伝導率λの実測値は0.3〜0.32W/(m・K)であり、砂の熱伝導率0.20〜1.89[W/(m・K)]の範囲内である。
(2)湿潤条件の熱伝導率λの実測値は1.4〜1.6W/(m・K)であり、乾燥時の約5倍となっているので、この熱伝導率は湿潤状態の砂の値として妥当な値である。
(実施例2)
実施例2において、試験容器Cとセンサ部20の形状、並びに、データロガー30、デジタルハイテスタ40、及び、直流安定化電源50として用いた機器は、実施例1と同様である。
また、測定手順についても、実施例1と同様であって、まず、試験容器Cの内部に珪砂を充填した後に、試験容器Cの平面中心とセンサ部20の平面中心が一致するように、試験容器Cの珪砂中にセンサ部20を埋め込み、つづいて、直流安定化電源50からヒータ22a、22b、22cに所定の電圧を投入し続けることによって、本体部21を2時間加熱させ、その間の本体部21内の温度変化を1秒間隔でデータロガー30に記録する。
さらにまた、パラメータの逆解析についても、上式(1−1)、(1−2)に示すケルビンの線源関数に基づいて行う。
表2に測定条件を示す。表2に示すように、実験No.5及びNo.6は含水量0kg(乾燥条件)であり、実験No.7及びNo.8は含水量4.6kg(湿潤条件)である。また、ヒータ22a、22b、22cを加熱するための投入電力は、実験No.5及びNo.7は10Wであり、実験No.6及びNo.8は15Wである。
図5と図6を参照して実験の結果について説明する。
図5は、表2に示す、乾燥条件及び湿潤条件の試料にそれぞれ10W又は15Wで加熱したときの地層温度Tの計算結果と測定値との比較した結果を示すグラフであって、横軸は経過時間の自然対数(単位秒)、縦軸は地層温度T(単位K)である。図5において、表2のNo.5を◆(黒い菱形印)、No.6を*(アスタリスク印)、No.7を●(黒い丸印)、No.8を◇(白抜きの菱形印)でそれぞれ示している。実施例1と同様に、試験容器Cに珪砂を充填し、この珪砂中にセンサ部20を埋め込んだ形態としているため、センサ部20に与えた熱量の半分の熱量が、センサ部20の外側の珪砂中に伝わったと仮定し、上記式(1−1)、(1−2)に基づいて計算を実行して逆解析を行った。
図5に示すとおり、乾燥条件の砂の場合(表2のNo.5とN0.6)と、湿潤条件の砂の場合(表1のNo.7とN0.8)とにおいて、測定結果と温度変化量の計算結果は非常に良く一致していることが分かった。
図6は、逆解析によって求めた熱伝導率κ[単位W/(m・K)]と「T(Q/b)/(dT/dlnt)」との関係を示すグラフである。
ここで、
[単位K]は地層の初期温度であって、本実験では試験容器Cに入った珪砂の表面の初期温度である。
Q/b[単位]は単位長さあたりの投入熱量である。
dT/dlnt[単位]はヒータに電力を投入している時間(対数)あたりの地層温度の上昇量である。
図6において、「乾燥したケイ砂」(●(黒丸印))は表2におけるNo.5とNo.6に対応し、「水を含んだケイ砂」(■(黒四角印))は表2におけるNo.7とNo.8に対応する。
実施例1と同様に、乾燥した土壌では、砂粒子間の空隙部分に空気が含まれ、熱伝導率は小さくなり、潤状態の土壌の場合、砂粒子間の空隙を水が満たし、砂粒子間の接触部分の熱抵抗が著しく減少し、熱伝導率の増加を表すものと考えられる。
図6に示すように、「乾燥したケイ砂」については逆解析によって得られた、次式(2−1)、(2−2)で示される直線L2−1に近似でき、「水を含んだケイ砂」についても、逆解析によって得られた、次式(2−3)、(2−4)で示される直線L2−2に近似できる。
y=1.942×10−4x+7.056×10−2 (2−1)
=8.920×10−1 (2−2)
y=9.635×10−5x+7.819×10−1 (2−3)
=9.825×10−1 (2−4)
実施例1と同様に、実施例2の乾燥条件(図6の「乾燥したケイ砂」)における熱伝導率κの実測値は、砂の熱伝導率0.20〜1.89[W/(m・K)]の範囲内にあり、乾燥条件の砂の値として妥当な値であると考えられる。また、湿潤条件(図6の「水を含んだケイ砂」)の熱伝導率κの実測値は乾燥条件の熱伝導率κの約5倍となっているため、湿潤条件の熱伝導率についても湿潤状態の砂の値として妥当な値であると考えられる。
なお、その他の作用、効果、構成等は実施例1と同様である。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可能である。
以上のように、本発明に係る土壌熱物性測定装置は、地中の土壌の熱交換量その他の熱物性の測定に有用である。
10 土壌熱物性測定装置
20 センサ部
21 本体部
21a 内周面
21b 上部開口
21c 下面
22a、22b、22c ヒータ
23a、23b、23c、23d、23e 熱電対(温度計測部)
30 データロガー(記録部)
40 デジタルハイテスタ(電力計)
50 直流安定化電源(電源部)
C 試験容器

Claims (3)

  1. 有底筒状で金属製のセンサ部を備えた土壌熱物性測定装置であって、
    前記センサ部は、
    前記センサ部を加熱するヒータと、
    前記センサ部の温度を計測する温度計測部とを有し、
    前記センサ部の内部空間には珪砂が充填され、
    前記土壌熱物性測定装置は、さらに、
    前記ヒータに電力を投入するための電源部と、
    前記温度計測部による計測結果を所定時間ごとに記録する記録部とを備えることを特徴とする土壌熱物性測定装置。
  2. 前記センサ部はステンレス鋼を有することを特徴とする請求項1に記載の土壌熱物性測定装置。
  3. 前記ヒータはアルミニウムホイルからなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の土壌熱物性測定装置。
JP2015156759A 2015-08-07 2015-08-07 土壌熱物性測定装置 Pending JP2017036939A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156759A JP2017036939A (ja) 2015-08-07 2015-08-07 土壌熱物性測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015156759A JP2017036939A (ja) 2015-08-07 2015-08-07 土壌熱物性測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017036939A true JP2017036939A (ja) 2017-02-16

Family

ID=58047884

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015156759A Pending JP2017036939A (ja) 2015-08-07 2015-08-07 土壌熱物性測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017036939A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107328815A (zh) * 2017-07-24 2017-11-07 中国华电科工集团有限公司 用于地源热泵系统的岩土体热物性测试仪及测试方法
CN108287175A (zh) * 2017-12-14 2018-07-17 国网内蒙古东部电力有限公司经济技术研究院 一种实时测量土体热参数的试验方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107328815A (zh) * 2017-07-24 2017-11-07 中国华电科工集团有限公司 用于地源热泵系统的岩土体热物性测试仪及测试方法
CN108287175A (zh) * 2017-12-14 2018-07-17 国网内蒙古东部电力有限公司经济技术研究院 一种实时测量土体热参数的试验方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Riche et al. Thermal conductivity of snow measured by three independent methods and anisotropy considerations
Nusier et al. Laboratory techniques to evaluate thermal conductivity for some soils
Wang et al. A laboratory study of the correlation between the thermal conductivity and electrical resistivity of soil
CN104964997B (zh) 一种基于物性匹配快速测定材料中异质含量的方法
Bovesecchi et al. Basic problems in thermal-conductivity measurements of soils
Cucumo et al. On the distortion of thermal flux and of surface temperature induced by heat flux sensors positioned on the inner surface of buildings
Lee Thermal performance evaluation of a vertical closed-loop ground heat exchanger according to rock type in Korea
JP2017036939A (ja) 土壌熱物性測定装置
Labudová et al. Uncertainty of the thermal conductivity measurement using the transient hot wire method
CN206601352U (zh) 用于测定冻土各向导热系数的装置
CN211014087U (zh) 一种低热阻电缆填充介质散热效果模拟检测装置
Obando et al. Estimating the thermal conductivity of asphalt binders
JP3416728B2 (ja) 長距離地盤熱物性量計測装置
Javed Thermal response testing: Results and experiences from a ground source heat pump test facility with multiple boreholes
Bechkit et al. Monitoring soil water content by vertical temperature variations
Wei Geng et al. Measuring the thermal properties of pavement materials
Oster et al. Thermal conductivity of polar firn
RU2421711C2 (ru) Способ неразрушающего контроля комплекса теплофизических характеристик твердых строительных материалов
CN206362733U (zh) 一种原位地层热物性参数测量探针
Voelker et al. CFD simulation and measurement of the heat transfer from building material specimens to the indoor environment
CN207703755U (zh) 一种混凝土热膨胀系数测量装置
Ewen Thermal instability in gently heated unsaturated sand
Lee et al. Thermal response performance of the heat exchanger of a standing column well based on the location of the return pipe
RU2641317C1 (ru) Аппаратный комплекс для оценки теплотехнических параметров текстильных материалов
RU2502988C1 (ru) Способ определения теплопроводности сыпучих материалов при нестационарном тепловом режиме

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190627

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200629