本発明が適用されたスロットマシンの実施例について図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、図1に示すように、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「赤7」、「青7」、「白7」、「BAR」、「スイカ」、「チェリーa」、「チェリーb」、「ベル」、「リプレイa」、「リプレイb」、「プラム」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bの略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。尚、以下では、「赤7」、「青7」、「白7」をまとめて単に「7」という場合があり、「チェリーa」、「チェリーb」をまとめて単に「チェリー」という場合があり、「リプレイa」、「リプレイb」をまとめて単に「リプレイ」と言う場合がある。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転されることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示される一方で、各リール2L、2C、2Rの回転が停止されることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図1参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で透過性を有する液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51b及び透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、図1に示すように、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例では後述するRT0〜4の規定数として3、RBの規定数として2が定められている)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いられる演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、図1に示すように、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード、後述のナビ報知によるリールの停止順を識別可能な情報等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、リプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられており、演出用スイッチ56の内部には、演出用スイッチ56の操作が有効である旨を点灯により報知する演出用LED56a(図4参照)が設けられている。
前面扉1bの内側には、図2に示すように、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、所定の契機(例えば、後述のBB終了時)に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、所定の契機(例えば、BB終了時)に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1aの内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31、投入メダルセンサ31の上流側で異物の挿入を検出する投入口センサ26を有するメダルセレクタ29、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1aの内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R(図4参照)、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000(図4参照)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b(図4参照)、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34c(図4参照)からなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留されたメダルが満タン状態となったことを検出する満タンセンサ35a(図4参照)が設けられている。
電源ボックス100の前面には、図2に示すように、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
尚、電源ボックス100は、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員等が所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員等の者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。また、所定のキー操作により検出されるリセットスイッチ23も同様である。特に、設定キースイッチ37は、キー操作により前面扉1bを開放したうえで、さらにキー操作を要することから、遊技場の店員のなかでも、設定キースイッチ37の操作を行うキーを所持する店員のみ操作が可能とされている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、後述するRT0〜4における規定数の賭数として3枚が定められ、後述するRBにおける規定数の賭数として2枚が定められており、これら遊技状態に応じた規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組合せによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
また、本実施例では、入賞役として、入賞ラインLNに役として定められた所定の図柄の組合せ(例えば、「ベル−スイカ−チェリーb」)が揃ったときに入賞するとともに、かつ所定の図柄組合せが揃うことにより無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄組合せよりも認識しやすい指標となる図柄の組合せ(例えば、「スイカ−スイカ−スイカ」)が揃うことにより、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃った図柄の組合せによって入賞したように見せることが可能な役を含む。以下では、所定の図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったときに無効ラインLM1〜LM4のいずれかに揃う図柄の組合せを、指標となる図柄の組合せと呼び、指標となる図柄の組合せを構成する図柄を指標図柄と呼ぶ。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役ともいう)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
尚、本実施例では、スタートスイッチ7の操作が有効な状態でスタートスイッチ7の操作が検出されたときにゲームが開始し、全てのリールが停止したときにゲームが終了する。また、ゲームを実行するための1単位の制御(ゲーム制御)は、前回のゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに開始し、当該ゲームの終了に伴う全ての制御が完了したときに終了する。
また、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールを1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としても良く、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組合せに基づいて入賞を判定する構成とすれば良い。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていても良い。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
以下では、特に区別する必要がない場合にはリール2L、2C、2Rを単にリールという場合がある。また、リール2Lを左リール、リール2Cを中リール、リール2Rを右リールという場合がある。また、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作によりリール2L、2C、2Rを停止させる操作を停止操作という場合がある。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、遊技の進行に関する処理を行うととともに遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御するメイン制御部41と、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する制御用クロック生成回路42と、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する乱数用クロック生成回路43と、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送するスイッチ検出回路44と、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号(ステッピングモータの位相信号)をリールモータ32L、32C、32Rに伝送するモータ駆動回路45と、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送するソレノイド駆動回路46と、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送するLED駆動回路47と、スロットマシン1に供給される電源の電圧を監視して電圧の低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48と、電源投入時または電源遮断時等の電力供給が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49と、が搭載されている。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインターフェイス501と、クロック回路502と、照合用ブロック503と、固有情報記憶回路504と、演算回路505と、リセット/割込コントローラ506と、CPU(Central Processing Unit)41aと、ROM(Read Only Memory)41bと、RAM(Random Access Memory)41cと、フリーランカウンタ回路507と、乱数回路508a、508bと、タイマ回路509と、割込コントローラ510と、パラレル入力ポート511と、シリアル通信回路512と、パラレル出力ポート513と、アドレスデコード回路514と、を備えて構成される。
リセット/割込コントローラ506は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ506は、指定エリア外走行禁止(IAT)回路506aとウォッチドッグタイマ(WDT)506bとを備える。IAT回路506aは、ユーザプログラムが指定エリア内で正しく実行されているか否かを監視する回路であり、指定エリア外でユーザプログラムが実行されたことを検出するとIAT発生信号を出力する機能を備える。また、ウォッチドッグタイマ506bは、設定期間ごとにタイムアウト信号を発生させる機能を備える。
外部バスインターフェイス501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインターフェイス機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインターフェイスである。クロック回路502は、制御用クロックCCLKを2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。照合用ブロック503は、外部の照合機と接続し、チップの照合を行う機能を備える。固有情報記憶回路504は、メイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。演算回路505は、乗算及び除算を行う回路である。
CPU41aは、ROM41bから読み出した制御コードに基づいてユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を実行することにより、スロットマシン1における遊技制御を実行する制御用CPUである。こうした遊技制御が実行されるときには、CPU41aがROM41bから固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU41aがRAM41cに各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU41aがRAM41cに一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やパラレル入力ポート511、シリアル通信回路512などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU41aが外部バスインターフェイス501やシリアル通信回路512、パラレル出力ポート513などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
ROM41bには、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。RAM41cは、ゲーム制御用のワークエリア等を提供する。ここで、RAM41cの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシン1への電力供給が停止しても、所定期間はRAM41cの少なくとも一部の内容が保存される。
フリーランカウンタ回路507として、8ビットのフリーランカウンタを搭載している。乱数回路508a、508bは、8ビット乱数や16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、乱数回路508a、508bのうち16ビット乱数回路508bが生成するハードウェア乱数は、後述する内部抽選用の乱数として用いられる。タイマ回路509は、16ビットプログラマブルタイマであり、設定されたタイマ値を制御用クロックCCLKの入力に基づいてダウンカウントし、0000Hに達したときに割込コントローラへの割込要求信号を出力する。本実施例では、タイマ回路509を用いて定期的な割込要求や時間計測を行うことが可能である。
割込コントローラ510は、割込端子からの外部割込要求や、内蔵の周辺回路(例えば、シリアル通信回路512、乱数回路508a、508b、タイマ回路509)からの割込要求を制御する回路である。パラレル入力ポート511は、8ビット幅の入力専用ポートを内蔵する。また、図4に示すメイン制御部41が備えるパラレル出力ポート513は、11ビット幅の出力専用ポートを内蔵する。シリアル通信回路512は、外部に対する入出力において非同期シリアル通信を行う回路である。
アドレスデコード回路514は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、あるいは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU41aからのアクセスが可能となる。
メイン制御部41は、例えば、ROM41bの記憶領域のうちプログラム等が格納されていない領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの記憶領域のうちアクセス禁止が設定された領域へのアクセスがあったとき、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるようになっており、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、内部または外部によるリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ROM41bに割り当てられ、割込処理の先頭アドレスが設定されるベクタテーブルに設定された値が、未使用を示す値であるか、プログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、を判定し、いずれの値でもない場合には起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
メイン制御部41は、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。また、本実施例では、パラレル出力ポート513を介してサブ制御部91に対してコマンドが送信される構成、すなわちコマンドがパラレル信号にて送信される構成であるが、シリアル通信回路512を介してサブ制御部91に対してコマンドを送信する構成、すなわちコマンドをシリアル信号にて送信する構成としても良い。
また、メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がパラレル入力ポート511から入力される。そしてメイン制御部41は、これらパラレル入力ポート511から入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行するメイン処理を実行する。また、メイン制御部41は、割込の発生によりメイン処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、タイマ回路509にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除され、その時点で新たな割込が発生することとなる。尚、割込処理の実行中に他の割込を自動的に禁止するように設定され、割込処理が終了した時点で割込禁止が自動的に解除されるのではなく、割込処理の開始時にプログラムによって他の割込を禁止し、割込処理の終了時にプログラムによって割込禁止を解除するようにしても良い。
メイン制御部41は、メイン処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、メイン処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90は、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにより構成されて演出の制御を行うサブ制御部91と、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92と、演出効果LED52と、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93と、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94と、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95と、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96と、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97と、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98と、その他の回路等、が搭載されている。
サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(約2ms)毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選、ナビストック抽選、上乗せ抽選等の遊技者に対する有利度に影響する抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定値6からさらに操作されたときは、設定値1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
尚、設定キースイッチ37がon状態で電源投入された場合に、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態に移行する構成においては、設定変更状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定変更状態を維持することが好ましく、これにより、設定変更中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定変更状態に移行させるための操作を必要とせず、設定変更操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定変更状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定変更状態を終了して遊技の進行が可能な状態に移行する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定変更がされてしまうことを防止できる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM41cから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
尚、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37がon状態となったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成としても良く、このような構成とすることで、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。また、前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態に移行する構成においては、設定確認状態に移行後、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされなくなっても、設定確認状態を維持することが好ましく、これにより、設定確認中に前面扉1bが一時的に閉じてしまっても、再度、設定確認状態に移行させるための操作を必要とせず、設定確認操作が煩雑となってしまうことがない。また、設定確認状態に移行後、スタートスイッチ7が操作されて設定値が確定した後、設定キースイッチ37がoffとなったときに、ドア開放検出スイッチ25により前面扉1bの開放に対応する検出がされていることを条件に、設定確認状態を終了して遊技の進行が可能な状態に復帰する構成としても良く、このような構成においても、前面扉1bが開放されていない状態で不正に設定値が確認されてしまうことを防止できる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM41cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(メイン)を実行する。
そして、メイン制御部41は、その起動時においてRAM41cのデータが正常であることを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM41cデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。
エラー状態は、リセット操作(リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作)により解除される通常エラー状態と、前述した設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない特殊エラー状態と、を含み、RAM異常エラー状態は、特殊エラー状態であり、一度RAM異常エラー状態に制御されると、設定変更状態に移行し、新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、サブ制御部91もタイマ割込処理(サブ)において電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定し、電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、次回復帰時にRAM91cのデータが正常か否かを判定するためのデータを設定する電断処理(サブ)を実行する。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であることを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいてサブ制御部91の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAM91cのデータが正常でない場合には、RAM異常と判定し、RAM91cを初期化するようになっている。この場合、メイン制御部41と異なり、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのデータが正常であると判断された場合でも、メイン制御部41から設定変更状態に移行した旨を示す後述の設定コマンドを受信した場合、起動後一定時間が経過してもメイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す後述の復帰コマンドも設定コマンドも受信しない場合にも、RAM91cを初期化するようになっている。この場合も、RAM91cが初期化されるのみで演出の実行が不能化されることはない。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域のうちの使用可能領域は、遊技RAM領域、未使用領域4、非遊技RAM領域に区分されている。さらに遊技RAM領域は、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域に区分されている。特別ワークは、設定値が変更されても初期化されないデータが格納されるワークであり、ソフトウェア乱数、設定値、遊技状態を示すデータ等が格納される。重要ワークは、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時に初期化すると不都合のあるデータが格納されるワークであり、LEDの表示用データ、入力ポート、出力ポートの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等が格納される。一般ワークは、特定の遊技状態の終了時に初期化可能なデータが格納されるワークであり、停止図柄、メダルの払出枚数等が格納される。未使用領域3は、いずれのプログラムでも使用されないワークである。遊技スタック領域は、後述する遊技プログラムの実行中にメイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域である。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているとき、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、設定変更状態が終了されたとき、特定の遊技状態(RB、BB)の終了時、1ゲームの終了時、の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行う。
初期化0は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されているときに行う初期化であり、初期化0では、使用可能領域全ての領域が初期化される。初期化1は、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないときに行う初期化であり、初期化1では、遊技RAM領域の特別ワーク以外の領域、非遊技RAM領域の全ての領域が初期化される。初期化2は、設定キースイッチ37がONの状態での起動で設定変更状態が終了された後に行う初期化であり、初期化2では、遊技RAM領域のうち特別ワーク及び遊技スタック領域(使用中)以外の領域が初期化される。初期化3は、特定の遊技状態の終了時に行う初期化であり、初期化3では、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、遊技RAM領域の未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化される。尚、設定値や遊技状態を示すデータの格納領域は、特別ワークに割り当てられており、設定キースイッチ37がONの状態での起動時でRAM41cのデータが破壊されていないとき、すなわちRAM41cのデータが正常で設定変更される場合には、設定値や遊技状態を示すデータが保持されることとなる。また、後述のタイマカウンタの格納領域は、重要ワークに割り当てられており、ゲームの終了時や特定の遊技状態の終了時には初期化されることなく保持されることとなる。
また、本実施例のメイン制御部41は、上述の初期化実行する際には、初期化対象のRAMアドレスとして開始アドレスと終了アドレスが指定されることで、指定された開始アドレスから1バイト分のデータを0で上書きした後、当該1バイトのデータの論理和を計算し、計算結果が0であれば、次のアドレスに移動する処理を、指定された終了アドレスに達するまで繰り返し行うことで、指定されたアドレスの範囲のRAM領域を初期化する。
本実施例におけるメイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、後述のHWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理を開始する。
メイン制御部41は、初期設定処理において、まず、割込を禁止に設定した後、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であるか否かを判定し、起動時に設定キースイッチ37がONの状態であると判定された場合に、設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、特別ワークを保持してそれ以外の領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、特別ワークを含む使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができるようになっている。
RAM41cを初期化した後、割込を許可に設定し、リセット/設定スイッチ38が操作れる毎に設定値を1〜6の範囲で1ずつ更新し、スタートスイッチ7のONが検出された後、設定キースイッチ37のONが検出されたときの設定値をRAM41cに格納して、設定変更処理を終了させる。
このように、メイン制御部41は、割込マスタ許可フラグの初期値が割込の禁止を示す値であり、割込が禁止された状態で起動し、起動後の初期設定処理においても、まず、割込を禁止に設定したうえで、その後の初期設定処理を実行するようになっているので、意図しない割込が発生することを防止できる。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態(RT0〜RT4、RB)に応じて設定可能な賭数の規定数(本実施例では、RT0〜4においては3、RBにおいては2)が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
そして、本実施例では、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインという)上に役と呼ばれる図柄の組合せが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組合せであっても良いし、異なる図柄を含む組合せであっても良い。
入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組合せが揃うまで有効とされ、許容された役の組合せが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組合せを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、メイン制御部41が、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出される以前(具体的には、スタートスイッチ7の検出時)に決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、乱数回路508bにより生成され、乱数回路508bの乱数値レジスタに格納されている値をRAM41cに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態(RT0〜4、RB)に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、現在の遊技状態、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて入賞を許容するか否かの判定が行われる。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組合せにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲で揃えずに停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになる。また、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
また、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御を行う。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになる。
尚、本実施例では、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能な停止制御テーブルを用いてリールの停止制御を行う構成であるが、停止可能な位置を特定可能な停止位置テーブルから停止位置を特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに、停止操作がされたタイミングで停止可能な停止位置を検索・特定し、特定した停止位置にリールを停止させる停止制御を行う構成、停止制御テーブルを用いた停止制御、停止位置テーブルを用いた停止制御、停止制御テーブルや停止位置テーブルを用いずに停止可能な停止位置を検索・特定することによる停止制御を併用する構成、停止制御テーブルや停止位置テーブルを一部変更して停止制御を行う構成としても良い。
本実施例においてメイン制御部41は、ゲームの開始後、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間(本実施例では4.1秒)以上であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していれば、ウェイトを発生させず、その時点で当該ゲームにおける遊技のためのリールの回転を開始させる。一方、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間未満であれば、すなわち前のゲームのリール回転開始時点から規定時間が経過していなければ、ウェイトを発生させて、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が規定時間に到達するまで待機し、規定時間に到達した時点でリールの回転を開始させる。
本実施例においてメイン制御部41は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する制御を行う。これら外部出力信号は、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板を介してホールコンピュータなどのホール機器に出力されるようになっている。
メイン制御部41は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中の旨を示すRB中信号、遊技状態がBB(ビッグボーナス)中の旨を示すBB中信号、後述するARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号をそれぞれ出力する。
外部出力基板1000には、リレー回路、パラレル・シリアル変換回路、出力信号毎の端子が設けられ、情報提供端子板の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタが設けられている。遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、ART信号は、リレー回路を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板に出力される。これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換されて情報提供端子板に出力される。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41は、サブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、ART抽選結果コマンド、リール加速情報コマンド、停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンド、確定コマンド、遊技終了コマンド、入賞枚数コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
遊技状態コマンドは、当該ゲームの遊技状態(RT0〜4、RB)を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
ART状態コマンドは、AT中か否か、ART中か否か、後述する規定ゲーム数に到達するまでの残りゲーム数、前兆期間の残りゲーム数、ARTの残りゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、遊技状態コマンドの後に送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときであって、ART状態コマンドの後に送信される。内部当選コマンドは、第1〜第6の内部当選コマンドを含み、内部抽選においてナビ報知の対象となる報知対象役が当選した場合に、特別役が同時に当選しておらず、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、特別役が当選しておらず、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信され、特別役が当選している場合であれば、ナビ報知が行われる状態であるかナビ報知が行われない状態であるかに関わらず、当選した特別役及び報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第3の内部当選コマンドが送信される。
また、内部抽選においてスイカ、強チェリー、弱チェリーが当選した場合に、特別役が同時に当選していなければ、当選した役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、を特定可能な第4の内部当選コマンドが送信され、内部抽選においてスイカ、強チェリー、弱チェリーが当選し、かつ特別役が同時に当選している場合には、特別役が当選したこと及びスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことは特定可能であるが、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれが当選したかは特定不能な第5の内部当選コマンドが送信される。
また、内部抽選において報知対象役、スイカ、強チェリー、弱チェリー以外の役が当選した場合、いずれの役も当選していない場合には、いずれの役が当選したか、いずれの役も当選していないか、を特定可能な第6の内部当選コマンドが送信される。
遊技状態コマンド、ART状態コマンド、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて遊技の進行を所定期間にわたり遅延させるフリーズ状態に制御されるか否か、フリーズ状態に制御される場合にはその種類を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、内部当選コマンドの送信後に送信される。
ART抽選結果コマンドは、後述のART抽選または上乗せ抽選に当選したか否か、当選したARTのゲーム数または上乗せされるゲーム数を特定可能なコマンドであり、ゲームが開始したときであって、ART抽選または上乗せ抽選が行われたゲームにおいて内部当選コマンドの送信後に送信される。
リール加速情報コマンドは、遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨を特定可能なコマンドであり、遊技の進行に伴いリールの回転を開始するときに送信する。尚、フリーズ状態の終了に伴ってリールの回転を開始するときにも送信されるため、フリーズコマンドによりフリーズ状態の開始が特定された後、リール加速情報コマンドを受信することで遊技の進行に伴いリールの回転が開始する旨だけではなく、フリーズ状態の終了も特定可能となる。
停止操作時コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。
滑りコマ数コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止操作がされてから停止するまでに移動する滑りコマ数を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する停止操作時コマンドが送信された後に送信される。
停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、該当するリールの停止位置の領域番号を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に、対応する滑りコマ数コマンドが送信された後に送信される。
停止操作時コマンド、滑りコマ数コマンド、停止コマンドは、いずれも停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれのリールであるか、を特定可能であり、かつ各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信されるので、これらコマンドを受信することで、いずれかのリールの停止操作がされたこと及び停止するリールを特定可能である。
確定コマンドは、特別役とスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選している場合に、特別役と同時に当選している役が、スイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、を特定可能なコマンドであり、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかと特別役との同時当選時において特別役が入賞するか否かが確定した時点、すなわち第1停止操作が行われたときであり、第1停止操作による停止コマンドが送信された後に送信される。
遊技終了コマンドは、遊技が終了された旨を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信される。
入賞枚数コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組合せ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときであり、遊技終了コマンドの送信後に送信される。
遊技終了コマンド、入賞枚数コマンドは、いずれも遊技者が第3停止リールを停止させるためにストップスイッチを押下して、そのストップスイッチを離したときに送信されるので、これらコマンドを受信することで、1ゲームを進行させるのに必要な全ての操作が終了したことを特定可能である。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに終了推定時間(本実施例では60秒)経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間毎に送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、メイン処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行される毎に、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、RAM41cに設けられたコマンドキューに一時格納され、その後のタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理おいて送信される。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLED55の点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例におけるスロットマシン1では、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を遊技補助表示器12の点灯態様により報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信することで、液晶表示器51等を用いたナビ演出を実行させる。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATに制御していない通常状態であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。
図6は、メイン制御部41が用いるメモリ領域のアドレスマップである。図6に示すように、メイン制御部41が用いるメモリ領域は、ROM41bに割り当てられたメモリ領域(0000H〜7FFFH)と、RAM41cに割り当てられたメモリ領域(F000H〜FFFFH)と、を含む。
ROM41bのメモリ領域は、プログラム及び固定データが格納されるプログラム/データ領域(0000H〜26FFH)と、プログラムのタイトル、バージョン等の任意のデータを設定可能なROMコメント領域(2700H〜277FH)と、後述するCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが設定されるベクタテーブル領域(2780H〜27A7H)と、メイン制御部41の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータが設定されるHWパラメータ領域(27A8H〜27FFH)と、アクセスが禁止される未使用領域(2800H〜7FFFH)を含む。
ROM41bにおけるHWパラメータ領域に設定されるパラメータは、プログラム/データ領域で使用するROM領域の最終アドレス(HPRGEND)、アクセス禁止するRAM領域の開始アドレス(HRAMSTAT)及び最終アドレス(HRAMEND)を含む。
RAM41cのメモリ領域は、ワークとして使用可能な使用可能領域(F000H〜F400H)と、メイン制御部41に搭載されている各機能を制御するためのレジスタ群が格納される内部機能レジスタ領域(F4B0H〜F6FFH)と、アクセスが禁止される未使用領域(F401H〜F4AFH、F700H〜FFFFH)と、を含む。
図7は、メイン制御部41のROM41bにおけるプログラム/データ領域及びRAM41cにおける使用可能領域のアドレスマップである。
図7(a)に示すように、ROM41bにおけるプログラム/データ領域は、遊技の進行に係わる遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが用いる遊技データが記憶される遊技データ領域と、未使用領域1と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが用いる非遊技データが記憶される非遊技データ領域と、未使用領域2と、を含む。
尚、遊技の進行とは、遊技を構成する一連のプロセスを進行させることであり、スロットマシンであれば、賭数を設定してゲームを開始可能とする段階、ゲームを開始してリールを回転させる段階、リールを停止させて表示結果を導出させる段階、表示結果に応じてメダル等の価値を付与する段階、を進行させることである。
遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、がそれぞれ別個に割り当てられているとともに、遊技プログラム領域及び非プログラム領域のうちROM41bの記憶領域において後方に割り当てられていた非プログラム領域の手前の領域は、少なくとも16バイト以上の未使用領域1が割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と遊技データ領域、非遊技プログラム領域と非遊技データ領域はそれぞれ連続する領域に割り当てられる一方、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、が少なくとも16バイト以上の未使用領域1を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム及び非遊技データ領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
尚、上記において記憶領域の前後とは、記憶領域に割り当てられたアドレス値の大小関係であり、アドレスが小さい方が前方となり、アドレスが大きい方が後方となる。このため、一の記憶領域よりも後方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が大きい記憶領域が該当し、一の記憶領域よりも前方に割り当てられた記憶領域とは、一の記憶領域よりもアドレス値が小さい記憶領域が該当する。
また、非遊技プログラム領域よりも後方に遊技プログラムが割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方に割り当てられた遊技プログラムの手前に未使用領域が割り当てられた構成としても良く、このような構成においても遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が未使用領域1を挟んで隣接する領域に割り当てられる構成としても良く、このような構成であっても、遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2には、全ての領域に0値が格納されているため、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
尚、ROM41bのプログラム/データ領域の未使用領域1、2における全ての領域に1が格納される構成としても良く、このような構成とした場合でも、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データと、未使用領域1、2と、を容易に区別することができるとともに、未使用領域1、2に不正なデータが格納されている場合でも容易に発見することができる。
また、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が別個の領域に割り当たられた構成であれば、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が隣接する領域にわら当てられる構成としても良く、このような構成であっても遊技の進行に係わる遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するようになっており、ROM41bのプログラム/データ領域のうち遊技の進行に係る遊技プログラム領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
また、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域はいずれも、アドレスを2進数表記した場合に下位4桁の値が同じ0のアドレスから開始するだけでなく、16進数表記した場合に下位1桁の値が同じ0のアドレス(0H)から開始するので、アドレスを2進数表記した場合だけでなく、16進数表記した場合にも遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することができる。
尚、遊技プログラム領域及び非遊技プログラム領域がいずれも、アドレスを2進数表記したか、16進数表記したか、に関わらず、下位N(Nは1以上の自然数)桁が同じ値のアドレスから開始する構成であれば、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、を他の領域と容易に区別することが可能であり、例えば、下位N(Nは1以上の自然数)桁の値が同じ1のアドレスから開始する構成でも同様の効果が得られるものである。
図7(b)に示すように、RAM41cの使用可能領域は、遊技プログラムがワークとして用いる遊技RAM領域と、非遊技プログラムがワークとして用いる非遊技RAM領域と、未使用領域4と、を含んでおり、遊技RAM領域には、特別ワークと、重要ワークと、一般ワークと、未使用領域3と、遊技プログラムがデータを退避する遊技スタック領域と、が含まれ、非遊技RAM領域には、遊技プログラムが参照可能な領域と、遊技プログラムが参照不可能な領域と、非遊技プログラムがデータを退避する非遊技スタック領域と、が含まれる。尚、本実施例では、遊技スタック領域と非遊技スタック領域とをそれぞれ異なる領域に個別に備える構成であるが、遊技プログラム及び非遊技プログラムが共用する一のスタック領域を備える構成としても良い。
未使用領域3は、遊技プログラム及び非遊技プログラムのいずれも使用しない領域であり、予め定められた容量の遊技RAM領域に対して余剰となった領域である。
また、未使用領域4は、遊技プログラム及び非遊技プログラムのいずれも使用しない16バイト以上の領域である。遊技RAM領域と、非遊技RAM領域とが、未使用領域4を挟んで連続しない領域に割り当てられているため、遊技の進行に係わる遊技プログラムが用いる遊技RAM領域と、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域と、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
以下では、遊技プログラム領域、遊技データ領域及び遊技RAM領域をまとめて遊技領域と称す場合があり、非遊技プログラム領域、非遊技データ領域及び非遊技RAM領域をまとめて非遊技領域と称す場合がある。また、未使用領域1及び未使用領域2、未使用領域3及び未使用領域4をまとめて未使用領域と称す場合がある。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、ROM41bのプログラム/データ領域のうちアクセスが禁止された領域へのアクセスがあったとき、RAM41cの使用可能領域のうちアクセスが許可に設定されていない領域へのアクセスがあったとき、ROM41bのうちプログラム/データ領域以外の領域へのアクセスがあったとき、RAM41cのうち使用可能領域以外の領域へのアクセスがあったときに、すなわち正常な動作ではアクセスすることのないメモリ領域へのアクセスがあったときにイリーガルアクセスリセットを発生させることで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや遊技データ、非遊技プログラム、非遊技データが格納されていない非遊技データよりも後の領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域へのアクセスを一括して許可に設定する一方で、それ以外の領域へのアクセスが禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から遊技データ領域までの領域)、非遊技プログラムを含む一かたまりの領域(非遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)へのアクセスをそれぞれ許可に設定し、他の領域へのアクセスを禁止する構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域へのアクセスが禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてアクセスを許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてアクセスを禁止する領域を設定することで、間接的にアクセスを許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41は、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム走行を許可する指定エリア以外の領域においてユーザプログラムが実行された場合、すなわち正常な動作ではユーザプログラムが実行されることのない領域でユーザプログラムが実行された場合に、IAT回路506aがIAT発生信号を出力することで、遊技の進行を不能化させるので、ROM41bの未使用領域や動作とは関係しない領域、RAM41cの未使用領域等に不正なプログラムが格納された場合であっても、不正なプログラムが実行されてしまうことを防止できる。
特に本実施例では、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域、すなわちプログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域、非遊技プログラム領域の各々について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして設定する一方で、それ以外の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
尚、プログラム/データ領域に遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、が割り当てられ、遊技プログラム領域よりも後方の非遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域1が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち遊技プログラム領域の先頭アドレスから非遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止される構成としても良く、このような構成とした場合でも、プログラム/データ領域のうち遊技プログラムや非遊技プログラムが格納されていない領域でのプログラム走行が禁止されるため、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。また、ROM41bのうちプログラムによってアクセスが許可されたプログラム/データ領域において非遊技プログラム領域よりも後方に遊技領域が割り当てられ、非遊技プログラム領域よりも後方の遊技プログラム領域の手前の領域に未使用領域が割り当てられるとともに、HWパラメータ領域に設定されるパラメータに基づいて、プログラム/データ領域のうち非遊技プログラム領域の先頭アドレスから遊技プログラムの最終アドレスまでの領域を含む一かたまりの領域(遊技プログラム領域から非遊技データ領域までの領域)について、IAT回路506aがプログラム走行を許可する指定エリアとして一括して設定し、他の領域でのプログラム走行が禁止されるようにしても、不正プログラムや不正データによる意図しない制御が行われてしまうことを防止できる。
また、上記では、プログラム/データ領域においてプログラム走行を許可する領域そのものを設定する構成であるが、プログラム/データ領域においてプログラム走行を禁止する領域を設定することで、間接的にプログラム走行を許可する領域が設定される構成としても良い。
メイン制御部41が実行するプログラムは、プログラム全体の進行を管理するメインルーチンと、他のプログラムの実行中に呼び出されるサブルーチンと、を含む。
また、メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたプログラムを実行させる命令として、CALL命令を含む。
CALL命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令である。メイン制御部41は、CALL命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定されたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちCALL命令を実行した呼び出し元のメインルーチンまたはサブルーチンのプログラムに復帰する。
また、CALL命令は、通常のCALL命令と、特殊なCALL命令であるCALLV命令と、を含む。通常のCALL命令は、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定して指定された上位アドレス及び下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であるのに対して、CALLV命令は、下位アドレスのみ指定することで、ROM41bのベクタテーブル領域に予め設定された上位アドレス及び指定された下位アドレスによりアドレスを特定してサブルーチンを呼び出す命令であり、通常のCALL命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。
RST命令は、予め定められた複数の特定アドレスに対応する値を指定することで、指定された値に対応する特定アドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行させる命令であり、上記した通常のCALL命令やCALLV命令に比較して少ないデータ量でサブルーチンを呼び出すことが可能となる。メイン制御部41は、RST命令によりサブルーチンを呼び出す場合には、呼び出し元のアドレスをスタック領域に格納し、指定された値に対応する特定アドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。そして、当該サブルーチンの終了後、スタック領域に格納されている呼び出し元のアドレス、すなわちRST命令を実行した呼び出し元のメインルーチンまたはサブルーチンに復帰する。
ジャンプ命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたプログラムに移動する命令である。メイン制御部41は、ジャンプ命令により指定されたアドレスに格納されたプログラムに移動し、移動先のプログラムを実行する。この場合には、CALL命令やRST命令と異なり、移動後のプログラムが終了しても移動元のプログラムに復帰することはない。
また、メイン制御部41にプログラム/データ領域に格納されたデータを読み出す命令としてLD命令を含む。LD命令は、メインルーチンまたはサブルーチンにおいて指定されたアドレスに格納されたデータを指定されたレジスタに読み出す命令である。メイン制御部41は、LD命令により指定されたアドレスに格納されたデータを読み出し、LD命令により指定されたレジスタに読み出したデータを格納する。
ROM41bに格納された遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンは、ROM41bの遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値(例えば00H)となる領域に格納されている。一方、ROM41bのベクタテーブル領域には、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値が設定されている。そして、メイン制御部41は、先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、上位アドレスとしてベクタテーブル領域に設定された特定値を特定し、下位アドレスとして指定された下位アドレスを特定し、上位及び下位を合わせたアドレスに格納されたサブルーチンを呼び出して実行する。このため、遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを呼び出す際に用いるアドレスの一部を構成する上位アドレスが特定値として予めベクタテーブルに設定されており、ベクタテーブルに設定された特定値に基づいてアドレスが特定されるため、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
尚、ROM41bに格納された非遊技プログラムのうち特に使用頻度の高いサブルーチンを、ROM41bの非遊技プログラム領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、CALLV命令で呼び出すサブルーチンの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となるサブルーチンを呼び出すときに、CALLV命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらのサブルーチンを呼び出して実行する構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してプログラムを呼び出す通常のCALL命令に比較して少ないデータ量にてサブルーチンを呼び出すことが可能となり、これらのサブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、CALLV命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、CALLV命令に限らず、アドレスの一部が、ベクタテーブル領域に格納された値、特定のレジスタに設定された値等を用いて特定され、アドレスの残りの部分を指定することで、サブルーチンの格納アドレスが特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であれば、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。また、ベクタテーブル領域を構成する複数の領域に、それぞれアドレスよりもデータ量の小さい識別値を割り当て、これら複数の領域にそれぞれサブルーチンの格納アドレスを設定するとともに、識別値を指定することで、識別値に対応する領域に格納されたサブルーチンの格納アドレスを特定可能となる特殊なCALL命令を用いる構成であっても、サブルーチンを呼び出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、ROM41bに格納された遊技データのうち特に使用頻度の高い遊技データを、ROM41bの遊技データ領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、特殊なLD命令で読み出すデータの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となる遊技データを呼び出すときに、特殊なLD命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらの遊技データを読み出す構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してデータを読み出す通常のLD命令に比較して少ないデータ量にて遊技データを呼び出すことが可能となり、これらの遊技データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、ROM41bに格納された非遊技データのうち特に使用頻度の高い非遊技データを、ROM41bの非遊技データ領域のうち先頭アドレスが特定値となる領域に格納するとともに、ROM41bのベクタテーブル領域に、特殊なLD命令で読み出すデータの上位アドレスとして特定値を設定し、メイン制御部41が先頭アドレスの上位アドレスが特定値となる非遊技データを呼び出すときに、特殊なLD命令を用いて下位アドレスのみ指定することで、これらの非遊技データを読み出す構成とした場合でも、上位アドレス及び下位アドレスの双方を指定してデータを読み出す通常のLD命令に比較して少ないデータ量にて非遊技データを呼び出すことが可能となり、これらの非遊技データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
また、これらの場合でも特殊なLD命令で呼び出す際に用いる上位アドレスを、ベクタテーブル領域ではなく、メイン制御部41の特定のレジスタに設定する構成としても良い。
また、アドレスの一部が、ベクタテーブル領域に格納された値、特定のレジスタに設定された値等を用いて特定され、アドレスの残りの部分を指定することで、データの格納アドレスが特定可能となる特殊なLD命令を用いる構成であれば、データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。また、ベクタテーブル領域を構成する複数の領域に、それぞれアドレスよりもデータ量の小さい識別値を割り当て、これら複数の領域にそれぞれデータの格納アドレスを設定するとともに、識別値を指定することで、識別値に対応する領域に格納されたデータの格納アドレスを特定可能となる特殊なLD命令を用いる構成であっても、データを読み出す際にアドレスを指定するためのプログラムの無駄を削減することができる。
メイン制御部41は、システムリセット信号の入力によるシステムリセット、WDT506bによるWDTリセット、前述のイリーガルアクセスリセットが発生することで起動することとなるが、この際、ベクタテーブル領域に設定された値、すなわちCALLV命令のサブルーチンの上位アドレス及びタイマ割込処理(メイン)の先頭アドレスが、プログラム領域のうちプログラム等が実際に格納された領域を示す値であるか、またはFFFFH(未使用のベクタテーブル領域に設定される値)であるか、を判定し、ベクタテーブル領域に設定された値がプログラムが設定される領域外を示す値でもなく、FFFFHでもない場合には、起動しないようになっており、割込の発生等により本来意図していない処理が実行されてしまうことを事前に防止できる。
遊技プログラムとは、遊技の進行に係わるプログラムであり、当該プログラムに基づく処理を実行しないと、遊技の進行に支障をきたす処理を実行するためのプログラムである。一方、非遊技プログラムとは、遊技の進行に係わらないプログラムであり、遊技プログラムから呼び出されて当該プログラムに基づく処理が実行されずに遊技プログラムに復帰した場合でも、遊技を進行させることが可能な処理を実行するためのプログラムである。
遊技プログラムは、図8に示すように、遊技プログラムだけに含まれる遊技専用プログラムと、遊技プログラム及び非遊技プログラム双方に含まれる共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
遊技専用プログラムは、例えば、遊技開始待ち処理、内部抽選処理、リール制御処理、遊技終了時設定処理、外部出力1処理、初期設定処理、電断処理、エラー処理を含む。遊技開始待ち処理は、1ゲームの制御の終了後、メダルの投入等により賭数を設定し、規定数の賭数が設定された後、スタートスイッチ7が操作されることでゲームを開始させるための処理であり、内部抽選処理は、内部抽選を行い、当選フラグの設定等を行う処理であり、リール制御処理は、リールの回転を開始させ、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されることでリールを停止させるための処理であり、遊技終了時設定処理は、停止したリールの停止位置に応じて入賞が発生したか否かを判定し、メダルの払出、再遊技の設定、遊技状態の移行等を行うための処理であり、外部出力1処理は、外部出力信号のうちメダルIN信号、メダルOUT信号、RB中信号、BB中信号、RT中信号の出力制御を行うための処理であり、初期設定処理は、電源投入時においてゲームを可能な状態とするための処理(バックアップ異常確認、レジスタ初期化等)であり、電断処理は、電断発生時に、その後電断前の状態に復帰できるようにするための処理であり、エラー処理は、各種の異常(メダルの投入異常、メダルセレクタ29内の異物検知、リール回転異常、メダルの払出異常、払出口付近の異物検知、RAM異常、設定値異常、ホッパータンク34aの空、オーバーフロータンク35の満タン検知等)が検知された場合に遊技を不能化するための処理である。また、特に図示しないが、遊技プログラムは、前述のATに関連する処理(ATに係る抽選やナビ報知に係る制御等)も含む。
遊技プログラムにおける共通判定プログラムは、例えば、投入判定処理、払出判定処理を含む。投入判定処理は、投入メダルセンサ31によるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、賭数の設定等のためにメダルの投入が可能な状態において実行される処理である。払出判定処理は、払出センサ34cによるメダルの正常な通過であるか否かを判定する処理であり、小役の入賞時やクレジットの精算時にメダルの払出が許可されている状態において実行される処理である。
遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。カウンタ更新処理は、指定されたカウンタ値を更新するための処理であり、ポート入力処理は、指定されたポートの入力状態を取得する処理であり、データ変換処理は、遊技データを用いて入力されたデータを変換して出力する処理であり、LED表示処理は、指定された値をLEDに表示させるために設定する処理であり、データ設定処理は、指定されたデータを設定する処理であり、コマンド設定処理は、指定されたコマンドをコマンドキューに設定する処理である。
特に、遊技プログラムは、上述のように異常が検知された場合に、異常の種別に応じた解除条件(乱数異常、RAM異常、バックアップ異常、設定値異常の場合は、設定値の再設定、それ以外の異常の場合はリセット操作)が成立するまで遊技の進行を不能化するエラー処理を含む。
非遊技プログラムは、図8に示すように、非遊技プログラムだけに含まれる非遊技専用プログラムと、遊技プログラムと同じ共通判定プログラム及び共通汎用プログラムと、を含む。
非遊技専用プログラムは、例えば、試験信号出力処理、異物検知処理、ドア監視処理、外部出力2処理、投入メダルエラー判定処理、払出メダルエラー判定処理、停電判定処理、通常時コマンド送信処理、電断時コマンド送信処理を含む。試験信号出力処理は、遊技の結果に関連して発生する試験信号を出力するための処理であり、異物検知処理は、投入口センサ26によるメダル通路内の異物を検知するための処理であり、ドア監視処理は、前面扉1bの開放を検知するための処理であり、外部出力2処理は、外部出力信号のうちセキュリティ信号(ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号)の出力制御を行うための処理であり、投入メダルエラー判定処理は、投入メダルセンサ31の検出状況に基づいて投入メダルの逆流検知、メダルセレクタ29内のメダル詰り検知、メダルセレクタ29内の異物検知を行うための処理であり、払出メダルエラー判定処理は、払出センサ34cの検出状況に基づいて払出メダルの逆流検知、払出口付近のメダル詰り検知、払出口付近の異物検知を行うための処理であり、停電判定処理は、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定するための処理であり、通常時コマンド送信処理は、遊技専用プログラム及び非遊技専用プログラムのコマンド設定処理によりコマンドキューに設定されているコマンドのうち最初に設定された一のコマンドをサブ制御部91に対して送信するための処理であり、電断時コマンド送信処理は、コマンドキューに設定されている全てのコマンドをサブ制御部91に対して送信するための処理である。
非遊技プログラムにおける共通汎用プログラムは、非遊技プログラムを構成する複数種類の処理から呼び出されて実行される処理であり、遊技プログラムにおける共通汎用プログラムと同様に、例えば、カウンタ更新処理、ポート入力処理、データ変換処理、LED表示処理、データ設定処理、コマンド設定処理を含む。
非遊技プログラムは、遊技の進行に係わらない検知手段(投入口センサ26、満タンセンサ35a、ドア開放検出スイッチ25)の検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理を含む。
また、非遊技プログラムは、複数の制御状態(遊技開始待ち処理、内部抽選処理、リール制御処理、遊技終了時設定処理)のうち特定の制御状態においては、遊技の進行に係わる検知手段として機能し、他の制御状態においては、遊技の進行に係わらない検出手段として機能する検出手段(例えば、投入メダルセンサ31、払出センサ34c)が、遊技の進行に係わらない制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理(例えば、リール回転中のメダルの投入やメダルの払出が検出されたことによる異常を検知するための投入メダルの検出処理や払出メダルの検出処理)を含む。尚、このような判定処理は、遊技プログラムにおいて遊技の進行に係わる制御状態での検出状況に基づいて所定の検出状況か否かを判定する処理と同じ処理であるため、共通判定プログラムに該当する。
尚、遊技プログラムに含まれる処理のうち、外部出力1処理、遊技開始待ち処理においてメダルの投入数を計数する処理、流路切替ソレノイド30を切り替える処理、遊技終了時設定処理においてメダルの払出数を計数する処理、ホッパータンク34aが空になったことを検知する処理、ソフトウェア乱数を更新する処理、ATに関連する処理、内部当選コマンドの送信処理等、ゲームの進行に直接的には関連しないものであればこれらの処理の全部または一部が非遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。一方で、非遊技プログラムに含まれる処理のうち遊技の進行に間接的に関連するものであればこれらの処理の全部または一部が遊技プログラムに含まれる構成であっても良い。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、図9に示すように、遊技プログラムに基づく処理において非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムに基づく処理を実行し、非遊技プログラムに基づく処理の終了後、遊技プログラムに基づく処理に復帰する。
図9に示すように、CPU41aは、原則として遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域の遊技データを参照して遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、遊技RAM領域をワークとして使用し、遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。また、CPU41aは、原則として非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域の遊技データを参照して非遊技プログラムに基づく処理を実行するとともに、非遊技RAM領域をワークとして使用し、非遊技RAM領域の内容を参照及び更新することが可能である。
また、CPU41aは、遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、非遊技データ領域を参照することはなく、非遊技RAM領域を更新することはないが、非遊技RAM領域を参照することは可能であり、非遊技プログラムに基づく処理を実行するにあたり、遊技データ領域を参照することはなく、遊技RAM領域を更新することはないが、遊技RAM領域を参照することは可能である。
また、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされている。また、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに基づく処理が参照可能な特定の領域は、連続するアドレス領域に割り当てられることが好ましいが、一部または全部が連続しないアドレス領域に割り当てられる構成であっても良い。
このように本実施例では、遊技の進行に係る遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、遊技プログラムが参照する遊技データが読み出し可能に記憶される遊技データ領域と、遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される遊技RAM領域と、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが参照する非遊技データが読み出し可能に記憶される非遊技データ領域と、非遊技プログラムが参照するワークデータが読み出し及び書き込み可能に記憶される非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラム、遊技データ及び遊技プログラムのワークデータと、非遊技プログラム、非遊技データ及び非遊技プログラムのワークデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、遊技プログラム領域及び遊技データ領域と、非遊技プログラム領域及び非遊技データ領域と、を分けることで、それぞれの機能に応じてROM41bに占める領域をコンパクトに管理することができるため、各領域において該当するデータを特定することがさらに容易となる。
また、本実施例では、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を参照することが可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を参照することが可能であるため、遊技プログラムを実行するにあたり、非遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができ、非遊技プログラムを実行するにあたり、遊技プログラムが使用していたデータを簡単に利用することができる。一方で、遊技プログラムを実行する際に、非遊技RAM領域を更新することは不可能であり、非遊技プログラムを実行する際に、遊技RAM領域を更新することは不可能であるため、遊技プログラムが非遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことなく、非遊技プログラムが遊技プログラムの処理に影響を及ぼすことがない。
また、本実施例では、遊技プログラムに基づく処理は、非遊技RAM領域のうち遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、異常の検知を示すエラーフラグの設定領域等)のみ参照可能とされており、非遊技プログラムに基づく処理は、遊技RAM領域のうち非遊技プログラムに必要な特定の領域(例えば、内部当選フラグの設定領域、遊技状態の設定領域、RTの設定領域等)のみ参照可能とされているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域において参照可能なデータ、非遊技プログラムが参照可能なデータが特定の領域に制限されているため、遊技プログラムまたは非遊技プログラムの参照先を容易に特定することができる。
本実施例のメイン制御部41は、図10(a)に示すように、メイン処理の実行中に、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出すことが可能であり、図10(b)に示すように、タイマ割込処理の実行中に、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出すことが可能である。
図10(a)に示すように、遊技プログラムに基づくメイン処理から非遊技プログラムを呼び出す際に、当該遊技プログラムでは、呼び出す対象の非遊技プログラムの開始アドレスを特定の領域に設定し、共通呼出処理1を実行する。共通呼出処理1は、遊技プログラムに含まれる処理であり、共通呼出処理1では、遊技プログラムのレジスタを遊技スタック領域に退避させるとともに、スタックポインタ(SP、遊技スタック領域の現在の位置を示すアドレス)を遊技RAM領域のSP退避領域に退避したうえで、割込マスタ許可フラグの値を割込禁止を示す値に設定することでタイマ割込を禁止に設定し、その後、特定の領域に設定されているアドレスの非遊技プログラムを呼び出す。
これに対して、呼び出された非遊技プログラムに基づいて、非遊技プログラムのスタックポインタ(非SP、非遊技スタック領域の現在の位置を示すアドレス)を設定して、非遊技プログラムの処理を実行した後、呼び出し元の遊技プログラム、すなわち共通呼出処理1に復帰する。
共通呼出処理1に復帰した後には、共通呼出処理1は、割込マスタ許可フラグの値を割込許可を示す値に設定することでタイマ割込の禁止を解除し、遊技スタック領域及びSP退避領域に退避させていたデータに基づいて、レジスタ及び遊技プログラムのスタックポインタを、非遊技プログラムを呼び出す前の状態に復帰させて終了する。
このように、本実施例では、遊技プログラムが非遊技プログラムを呼び出す際に、共通呼出処理1により、割込を禁止に設定し、当該非遊技プログラムから遊技プログラムに復帰する際に、割込の禁止を解除するので、非遊技プログラムが実行されている期間にわたり割込を禁止に設定することができる。
尚、非遊技プログラムが、遊技プログラムに基づくメイン処理から呼び出された場合に、当該非遊技プログラムが、最初に割込を禁止に設定したうえで、各種処理を実行し、当該非遊技プログラムの最後に割込の禁止を解除する構成としても良く、このような構成とすることで、本実施例と同様に、非遊技プログラムが実行されている期間にわたり割込を禁止に設定することができる。また、非遊技プログラムにより割込の禁止及び解除の設定が行われるため、遊技プログラムの共通呼出処理1において割込の禁止の設定及び解除する必要がなくなり、遊技プログラムの容量を削減することができる。
図10(b)に示すように、遊技プログラムに基づくタイマ割込処理から非遊技プログラムを呼び出す際に、当該遊技プログラムでは、呼び出す対象の非遊技プログラムの開始アドレスを特定の領域に設定し、共通呼出処理2を実行する。共通呼出処理2では、遊技プログラムのレジスタを遊技スタック領域に退避させるとともに、スタックポインタ(SP、遊技スタック領域の現在の位置を示すアドレス)を遊技RAM領域のSP退避領域に退避したうえで、特定の領域に設定されているアドレスの非遊技プログラムを呼び出す。
これに対して、呼び出された非遊技プログラムは、非遊技プログラムのスタックポインタを設定し、非遊技プログラムの処理を実行した後、呼び出し元の共通呼出処理2に復帰する。
共通呼出処理2に復帰した後には、共通呼出処理2は、遊技スタック領域及びSP退避領域に退避させていたデータに基づいてレジスタ及び遊技プログラムのスタックポインタを、非遊技プログラムを呼び出す前の状態に復帰させて終了する。
このように、共通呼出処理2では、呼出共通処理1と異なり、タイマ割込を禁止に設定及び解除しないが、上述のようにメイン制御部41では、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることが禁止されているので、非遊技プログラムが実行されている期間にわたり割込を禁止できる。
本実施例では、遊技プログラムが、共通呼出処理1及び共通呼出処理2を実行することで、非遊技プログラムを呼び出して非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムが実際に使用していたレジスタであるか否かに関わらずレジスタの全ての領域を退避させて保護する処理が行われるため、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができる。
尚、共通呼出処理1及び共通呼出処理2を実行することなく、遊技プログラムにおいて遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す直前に遊技プログラムが使用していたレジスタの値を保護し、非遊技プログラムに基づく処理が全て終了した後に、遊技プログラムに復帰した最初の段階で保護されているレジスタの値を復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、非遊技プログラムの呼び出し前にレジスタの保護処理が行われ、非遊技プログラムからの復帰後にレジスタの復旧処理が行われるため、非遊技プログラムによってレジスタに記憶されたデータが遊技プログラムに影響を及ぼすことがない。
また、非遊技プログラムが呼び出された場合に、当該非遊技プログラムが、最初に遊技プログラムのスタックポインタ及びレジスタを退避させ、当該非遊技プログラムの最後に遊技プログラムのスタックポインタ及びレジスタを復帰させる構成としても良く、このような構成とすることで、本実施例と同様に、遊技プログラムに復帰する際に、非遊技プログラムが呼び出された時点の状態から確実に復帰することができるとともに、遊技プログラムの容量を削減することができる。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容を、図11〜図16に基づいて以下に説明する。
まず、メイン制御部41が起動時に実行する初期設定処理について説明する。メイン制御部41は、リセットの発生により起動すると、起動時設定を行う。起動時設定では、メイン制御部41が備えるステータスフラグを初期化する。ステータスフラグは、命令の演算結果や実行結果の状態を保持するデータであり、特に割込の禁止/許可を設定する割込マスタ許可フラグを含む。割込マスタ許可フラグの初期値は割込の禁止を示す値であるため、メイン制御部41は、割込が禁止された状態で起動することとなる。その後、メイン制御部41は、HWパラメータを参照して各種機能を設定した後、プログラム/データ領域に格納されたプログラムに従って初期設定処理を行う。尚、本実施例において初期設定処理は、遊技プログラムに含まれる。
図11に示すように、初期設定処理では、まず、割込マスタ許可フラグの値を割込禁止を示す値に設定することで割込を禁止する(Sa1)。前述のようにメイン制御部41は、割込禁止の状態で起動することとなるが、Sa1では、再度、割込を禁止する。次いで、初期化データをセットし(Sa2)、パラレル出力ポート513を含む各出力ポートを初期化する(Sa3)。次いで、内蔵レジスタの設定を行う(Sa4)。
次いで、電源電圧が正常か否かを判定する(Sa5)。電源電圧が正常でない場合には正常になるまで判定を繰り返す。電源電圧が正常である場合には割込ベクタの上位アドレスをセットする(Sa6)。そして、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa7)、スタックポインタを初期化する(Sa8)。
次いで、RAM41cの使用可能領域のうち遊技RAM領域(遊技スタック領域、未使用領域3を含む、F000H〜F1FFHの領域)のRAMパリティを計算する(Sa9)。そして、計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa10)。後述のように前回の電源遮断時に正常に電断処理(メイン)が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであるので、Sd10のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cの遊技RAM領域に格納されているデータが正常ではなく、この場合にはSa13ステップに進み、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。一方、RAMパリティが0になる場合には、更に遊技RAM領域に格納されている破壊診断用データを取得し(Sa11)、取得した破壊診断用データが正しいか否かを判定し(Sa12)、破壊診断用データをクリアする(Sa13)。
次いで、設定キースイッチ37がON状態か否かを判定する(Sa14)。設定キースイッチ37がON状態の場合には、タイマ割込の設定を行う(Sa19)。具体的には、所定時間毎に定期的にタイマ割込が実行されるようにメイン制御部41に内蔵されているタイマ回路509のレジスタの設定を行なう。本実施例では約0.56msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定されることで、約0.56ms毎に定期的にタイマ割込が発生することとなる。また、タイマ回路509ではレジスタの設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始することになる。Sa19のステップにおけるタイマ割込の設定が終了すると設定変更処理に移行する。
一方、設定キースイッチ37がOFF状態の場合には、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップでは、後述するRAM異常フラグが設定されているか否か、Sa10、Sa12の判定に基づきRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する。RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合には、復帰コマンドをサブ制御部91に送信する(Sa16)。尚、RAM41cの記憶内容が破壊されていない場合とは、RAM異常フラグがセットされておらず、かつSa10のステップにおいてRAMパリティが0であると判定され、さらにSa12のステップにおいて破壊診断用データが正しいと判定された場合である。
Sa16のステップの後、RAM41cの遊技RAM領域に記憶されているデータに基づいて全てのレジスタを復帰させ(Sa17)、Sa19のステップと同様のタイマ割込の設定を行う(Sa18)。そして、後述のタイマ割込処理(メイン)のSd24の処理に移行する。これにより電断前のRAM41cの遊技RAM領域及び非遊技RAM領域の状態、電断前に実行していた処理に復帰することとなる。
また、Sa15のステップにおいてRAM41cの記憶内容が破壊されている場合には、RAM41cの記憶内容が正常でないことを示すRAM異常フラグをRAM41cにセットし(Sa20)、エラー処理に移行する。エラー処理では、遊技の進行が不能化される。また、RAM異常フラグが設定されて移行したエラー状態では、設定キースイッチ37をON状態にして電源スイッチ39をONにすることによって、設定変更処理に移行させることにより解除することができる。一方、設定キースイッチ37をON状態にせずに電源スイッチ39をONにした場合には、RAM異常フラグが設定されたままであり、Sa15のステップにおいてRAMが破壊されていると判定されることで、再びエラー状態となる。
次に、メイン制御部41が実行する設定変更処理について説明する。尚、本実施例において設定変更処理は、遊技プログラムに含まれる。
図12に示すように、メイン制御部41は、まず、RAM41cの開始アドレス、すなわち使用可能領域の開始アドレス(F000H)をレジスタにセットする(Sb1)。次いで、図11に示したSa15のステップと同様にRAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定する(Sb2)。RAM41cの内容が破壊されていない場合、すなわちRAM内容が異常でない場合には、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレス(使用可能領域のうち重要ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレス)をレジスタにセットする(Sb3)。すなわちSb1で設定したアドレスを変更する。RAM41cの内容が破壊されている場合、すなわちRAM内容が異常である場合には、Sb4のステップに進む。
次いで、初期化対象RAMの最終アドレスとして遊技スタック領域(使用中)の最終アドレス(F1FFH)を指定し(Sb4)、遊技プログラムに含まれる遊技領域初期化処理を実行して、Sb1またはSb3のステップで指定したアドレスから初期化対象RAMの最終アドレスまでの領域を初期化する(Sb5)。Sb1のステップでは、使用可能領域の開始アドレス(F000H)がセットされるため、RAM内容が異常である場合には、Sb5のステップにおいて、RAM41cの遊技RAM領域の全ての領域が初期化されることとなる。一方、Sb3のステップでは、設定変更開始時の初期化対象RAMの先頭アドレスとして、使用可能領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレスがセットされるため、RAM内容が異常でない場合には、Sb5のステップにおいて、RAM41cの遊技RAM領域のうち特別ワーク以外の領域が初期化されることとなる。
その後、非遊技プログラムに含まれる非遊技領域初期化処理を実行して、初期化対象のRAMアドレスとして、開始アドレスに未使用領域4の先頭アドレスを指定するとともに、終了アドレスに非遊技スタック領域(使用中)の最終アドレスを指定することで、未使用領域4の先頭アドレスから非遊技スタック領域(使用中)の最終アドレスまでの領域、すなわち未使用領域4及び非遊技RAM領域を初期化する(Sb6)。
次いで、設定変更状態の開始を示す設定コマンド(開始)をサブ制御部91に送信し(Sb7)、割込を許可する(Sb8)。
次いで、リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化したか否かを判定する(Sb9)。リセット/設定スイッチ38がOFFからONに変化した場合にはレジスタの設定値を更新(1〜5の場合は1加算し、6の場合は1に更新)する(Sb10)。リセット/設定スイッチ38が変化しなかった場合には、スタートスイッチ7がOFFからONに変化したか否かを判定する(Sb11)。スタートスイッチ7が変化しなかった場合には、Sb7のステップに戻る。一方、スタートスイッチ7がOFFからONに変化した場合には設定キースイッチ37がOFF状態か否かを判定する(Sb12)。設定キースイッチ37がOFF状態でない場合には、設定キースイッチ37がOFF状態になるまで待機する。設定キースイッチ37がOFF状態である場合には、レジスタにセットされている設定値のデータをRAM41cの特別ワークに格納する(Sb13)。
次いで、設定変更状態の終了を示す設定コマンド(終了)をサブ制御部91に送信する(Sb14)。そして、設定変更終了時の初期化対象RAMの先頭アドレス(使用可能領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレス)をレジスタにセットし(Sb14)、メイン処理に移行する。
次に、メイン制御部41が実行するメイン処理について説明する。尚、メイン処理は一単位の遊技毎に繰り返し実行される。そして、メイン処理の一周期が遊技の一単位に相当している。尚、本実施例においてメイン処理は、遊技プログラムに含まれる。
図13に示すように、メイン制御部41は、まず、割込を禁止する(Sc1)。次いで、初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)をセットする(Sc2)。
次いで、遊技領域初期化処理を実行して、指定されたアドレスで示されるRAM41cの領域をクリアする(Sc3)。この際、設定変更処理の後にメイン処理が開始された場合には、設定変更処理が終了される際に、初期化対象RAMの先頭アドレスとして、使用可能領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレスが設定され、当該メイン処理のSc2において、初期化対象RAMの最終アドレスとして、遊技スタック領域(未使用)の最終アドレスが設定されるため、遊技RAM領域のうち特別ワーク及び遊技スタック領域(使用中)以外の領域(重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、スタック領域(未使用))が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態ではない遊技の終了時には、後述するSc10のステップにおいて遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレス(未使用領域3の先頭アドレス)が設定され、Sc2のステップにおいて、初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)が設定されるため、使用可能領域のうち未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)が初期化されることとなる。また、特定の遊技状態の終了時であり、かつ遊技の終了時には、後述するSc11のステップにおいて特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレス(遊技RAM領域のうち特別ワークが記憶されている領域の最終アドレスの次のアドレス)が設定され、Sc2のステップでは、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの最終アドレス(遊技スタック領域(未使用)の最終アドレス)が設定されるため、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)が初期化されることとなる。
Sc3のステップにおけるRAMの初期化の後、割込を許可し(Sc4)、遊技開始待ち処理を実行する(Sc5)。遊技開始待ち処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。
次いで、内部抽選処理を実行する(Sc6)。内部抽選処理では、Sc5のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するか(すなわち、表示結果の導出を許容するか否か)どうかを決定する処理を行う。
次いで、リール制御処理を実行する(Sc7)。リール制御処理では、スタートスイッチ7の操作に応答して各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、Sd2のステップにおける内部抽選の結果及び遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
次いで、遊技終了時設定処理を実行する(Sc8)。遊技終了時設定処理では、Sc7の処理において全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。そして、入賞が発生したと判定した場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。入賞が発生した場合にはメダルの払い出し等が終了した後に次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、入賞が発生しなかった場合にはリールが停止した後に、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
遊技終了時設定処理が終了すると、特定の遊技状態の終了時か否かを判定し(Sc9)、特定の遊技状態の終了時でない場合には、遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc10)、Sc1のステップに戻る。また、特定の遊技状態の終了時である場合には、特定の遊技状態の終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスをセットして(Sc11)、Sc1のステップに戻る。
また、メイン処理では、ゲームの進行に応じてコマンドを生成してコマンドキューに設定するコマンド格納処理を実行し、設定されたコマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)において実行される通常時コマンド送信処理によりサブ制御部91に対して送信されるようになっている。
図14及び図15は、メイン制御部41が一定間隔(約0.56msの間隔)でメイン処理(主にメイン処理)に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、タイマ割込処理(メイン)とは、タイマ回路509のカウントに応じて発生する割込により実行される処理であり、タイマ割込処理(メイン)のプログラムが格納されたアドレスは、ベクタテーブルのタイマ割込に対応する値として設定されている。そして、タイマ割込が発生すると当該アドレスからの処理が実行される。また、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。尚、本実施例においてタイマ割込処理(メイン)は、遊技プログラムに含まれる。
図14に示すように、タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタを遊技スタック領域に退避する(Sd1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sd2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sd2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sd3)、電断フラグが設定されていなければ、Sd4に進み、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。一方、Sd3のステップにおいて、電断フラグが設定されていた場合には、電断時コマンド送信処理を実行することで、コマンドキューに設定されている未送信のコマンドのすべてをサブ制御部91に送信した後(Sd25)、電断処理(メイン)に移行する。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sd5)。Sd5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sd6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32C、32C、32Rの位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sd7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sd8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sd9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sd10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sd11)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd8のステップにおいてタイマ割込2であると判定した場合には、コマンドキューに設定された各種コマンドをサブ制御部91に送信する通常時コマンド送信処理(Sd12)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sd13)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sd14)、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sd15)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sd16)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sd17)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であると判定した場合は、更に、分岐用カウンタ値が3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sd18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックする原点通過時処理(Sd19)、スイッチ類の検出状態に変化があったか否かの判定等を行うスイッチ入力判定処理(Sd20)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
また、Sd18のステップにおいてタイマ割込4であると判定した場合は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止位置を決定する停止スイッチ処理(Sd21)、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sd22)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sd23)を順次実行した後、Sd24のステップに進む。
Sd24のステップでは、Sd1において遊技スタック領域に退避したレジスタを復帰させて、割込前の処理に戻る。
本実施例では、タイマ割込処理(メイン)は、遊技プログラムに含まれる一方、停電判定処理、電断時コマンド送信処理、通常時コマンド送信処理、ドア開放監視処理は、非遊技プログラムに含まれており、上述したように、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)において割込禁止を設定し、遊技プログラムのスタックポインタ及びレジスタを退避させたうえで、これらの非遊技プログラムを呼び出すようになっている。また、これらの非遊技プログラムからタイマ割込処理(メイン)に復帰した際には、遊技プログラムのスタックポインタ及びレジスタを当該非遊技プログラムの呼び出し前の状態に復帰させたうえで、その後の処理を実行するようになっている。尚、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているので、非遊技プログラムから復帰した後も割込禁止の状態で、その後の処理を実行する。
また、タイマ割込処理(メイン)において実行する非遊技プログラムである停電判定処理、電断時コマンド送信処理、通常時コマンド送信処理、ドア開放監視処理は、これら非遊技プログラムの前に実行する必要のある処理(例えば、タイマ割込の分岐前に実行する必要のあるポート入力処理、モータ位相信号出力処理)を除く処理、すなわち非遊技プログラムよりも先に行っても後に行っても制御上影響のない処理よりも前に実行するようになっている。
次に、メイン制御部41が実行する電断処理について説明する。
図16は、メイン制御部41が前述したタイマ割込処理(メイン)において電断フラグが設定されていると判定した場合に、電断時コマンド送信処理の後に実行する電断処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。尚、本実施例において電断処理は、遊技プログラムに含まれる。
電断処理(メイン)では、メイン制御部41は、まず、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Se1)。
次いで、コマンドを出力するパラレル出力ポート513を含む全ての出力ポートを初期化する(Se2)。これにより電断時コマンド送信処理により最後に出力されたコマンドに対応する出力ポートの出力状態が初期化される。そして、破壊診断用データを遊技RAM領域にセットする(Se2)。破壊診断用データは、5A(H)、すなわちいずれかのビットに1を含む値である。次いで、遊技RAM領域の全ての領域(未使用領域3を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算して遊技RAM領域にセットし、遊技スタック領域の全ての領域(未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)及び遊技スタック領域(使用中))の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算して遊技RAM領域にセットし(Se4)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Se5)。その後、電圧が低下してメイン制御部41のCPU41aが停止して待機状態に移行する。そして、この待機状態のまま電圧が低下することで、メイン制御部41は、内部的に動作停止状態になり、電断の際に確実に動作停止する。
尚、本実施例では、電断処理において対象となる領域の演算結果が特定の値(本実施例では0)となるように調整用データを対象となる領域に設定し、起動処理において対象となる領域の演算結果が特定の値となるか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、電断処理において対象となる領域の演算結果と、起動処理において対象となる領域の演算結果と、が一致するか否かによってRAM41cのデータが正常か否かを判定する構成としても良い。また、演算方法は、排他的論理和に限らず、他の演算方法(例えば、総和)を用いても良い。
また、本実施例では、電断処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データ1を算出し、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティに基づいてRAM41cが正常か否かを判定するようになっており、未使用領域3に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、未使用領域3に不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
尚、本実施例では、電断処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いてRAMパリティ調整用データを算出し、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域の全ての領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティに基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成であるが、未使用領域3を含む遊技RAM領域のRAMパリティ調整用データを計算して遊技RAM領域にセットするとともに、非遊技RAM領域のRAMパリティ調整用データを計算して非遊技RAM領域にセットし、起動処理において未使用領域3を含む遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティ、及び非遊技RAM領域に格納されたデータを用いて算出されたRAMパリティに基づいてRAM41cが正常か否かを判定する構成としても良い。このような構成においては、遊技RAM領域または非遊技RAM領域に不正なプログラムが記憶された場合には、RAM異常と判定されるため、遊技RAM領域または非遊技RAM領域のいずれにおいても不正なプログラムが記憶されることを防止できる。
このように本実施例では、メイン制御部41は、リセットが発生したときに、割込禁止の状態で起動するとともに、その後、最初に実行する初期設定処理の開始時にもプログラムにて割込の禁止を行うようになっており、何らかの原因で割込が禁止されない状態でメイン制御部41が起動した場合でも意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動後に、タイマ回路509におけるタイマ割込の設定の後、割込を許可するようになっており、タイマ割込が正常に動作しない状態で割込が発生してしまうことを防止できる。また、タイマ回路509ではタイマ割込の設定が行われることにより、タイマが初期化され、初期値から計時を開始するようになっており、起動後、初回の割込が発生するまでの時間と、2回目以降の割込が発生するまでの時間と、がずれてしまうようなことがなく、一定の時間間隔でタイマ割込を発生させることができる。また、メイン制御部41は、初期設定処理においてタイマ回路509の設定をプログラムにて初期値に更新するようになっており、起動時に、何らかの原因でタイマ回路509の設定が書き換わっていた場合であっても、意図しない割込が発生してしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、その起動時に設定キースイッチ37がONの状態であれば設定変更処理に移行し、設定変更処理の開始時にRAM41cの初期化を行う。この際、RAM41cのデータが正常であれば、特別ワークを保持してそれ以外の使用可能領域、すなわち特別ワークを除く遊技RAM領域、未使用領域3、非遊技RAM領域を初期化することで、設定変更後も変更前の制御状態(設定値や遊技状態等)の一部を保持することができる一方で、RAM41cのデータが正常でない場合には、使用可能領域の全ての領域を初期化することで、RAM41cのデータに異常を確実に解消することができる。
また、メイン制御部41は、RAM異常が判定された場合にRAM異常フラグが設定されるので、RAM異常エラーの発生後に電断されて、再度電源投入がされた場合に、RAMパリティが0であり、破壊診断用データが正常と判定された場合でも、RAM異常フラグに基づいてRAM41cのデータが破壊されているか否かを判定することが可能となる。
また、メイン制御部41は、設定変更処理の終了後、遊技単位毎にゲームの進行に応じて段階的に処理を行うメイン処理を実行する。また、メイン処理では、遊技単位毎にRAM41cの初期化を行うとともに、設定変更処理の終了時にもRAM41cの初期化を行う。そして、設定変更処理の終了後、メイン処理においてRAM41cの初期化を行う処理の前の段階からメイン処理を開始するようになっており、設定変更処理の終了後のRAM41cの初期化と、遊技単位毎のRAM41cの初期化と、を共通の処理にて行うことが可能となる。
また、メイン制御部41は、RAM41cの初期化を行う場合に、初期化が終了するまで割込を禁止するようになっており、RAM41cの初期化の実行中にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、初期化した内容が変更されたり、タイマ割込処理(メイン)で行われる処理が正常に行われなくなってしまうことを防止できる。
また、メイン制御部41は、メイン処理において外部出力信号の出力状態を更新し、更新された出力状態に基づいて、その後のタイマ割込処理(メイン)にて外部出力信号の出力状態を変更するとともに、外部出力信号の出力状態を更新する場合に、更新が終了するまで割込を禁止するようになっており、外部出力信号の出力状態が完了する前にタイマ割込処理(メイン)が発生することにより、意図しないデータを示す外部出力信号が出力されてしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、遊技の進行に係る遊技プログラムと、当該遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を実行することが可能であり、遊技プログラムに基づくメイン処理を実行するとともに、所定時間間隔毎にメイン処理に割り込んで遊技プログラムに基づくタイマ割込処理(メイン)を実行することが可能であって、メイン処理からも、タイマ割込処理(メイン)からも、非遊技プログラムを呼び出して実行することが可能である。
このような構成では、メイン制御部41では、非遊技プログラムを実行中にタイマ割込処理(メイン)が実行されることにより誤作動が生じる虞がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、遊技の進行に係る遊技プログラムと、当該遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を実行することが可能であり、遊技プログラムに基づくメイン処理を実行するとともに、所定時間間隔毎にメイン処理に割り込んで遊技プログラムに基づくタイマ割込処理(メイン)を実行することが可能であって、メイン処理からも、タイマ割込処理(メイン)からも、非遊技プログラムを呼び出して実行することが可能な構成において、メイン処理から非遊技プログラムを呼び出すときには、他の処理の割込を禁止に設定した後に、当該非遊技プログラムを呼び出す一方で、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すとき、すなわち、さらに割込が生じる可能性が低い状況において非遊技プログラムを呼び出すときには、他の処理の割込を禁止に設定せずに、非遊技プログラムを呼び出すので、非遊技プログラムの実行中に割込が実行されることによる誤作動を防止しつつ、割込の禁止に係るプログラム容量を削減することができる。
本実施例のメイン制御部41が実行するタイマ割込処理(メイン)は、遊技プログラムによる処理、例えば、LEDダイナミック表示処理や制御信号等出力処理等と、非遊技プログラムによる処理、例えば、通常時コマンド送信処理や、電断時コマンド送信処理等の処理と、を含む複数の処理により構成されており、該タイマ割込処理(メイン)を構成する複数の処理のうち、所定の遊技プログラムによる処理、特に、これら非遊技プログラムの先に実行しても後に実行しても問題のない処理よりも前に、非遊技プログラムを呼び出すので、すなわち、タイマ割込処理(メイン)を構成する複数の処理のうち極力早い段階で非遊技プログラムを呼び出すので、例えば、何らかの原因によりタイマ割込処理(メイン)が終了しないまま、次回タイマ割込が発生して二重に割込が生じてしまった場合でも、非遊技プログラムの実行中に他の割込が実行されてしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、遊技プログラムと非遊技プログラムとを実行可能であり、遊技プログラムが用いるデータを退避する遊技スタック領域と、非遊技プログラムが用いるデータを退避する非遊技スタック領域と、が別個に設けられたRAM41cを備えており、メイン制御部41は、遊技プログラムが用いるデータと、非遊技プログラムが用いるデータと、を別個に設けられたスタック領域にそれぞれ退避させるので、スタック領域の管理が容易となる。特に、タイマ割込の発生により退避される遊技プログラムが用いるデータと、タイマ割込処理(メイン)の実行中に行われる非遊技プログラムが用いるデータと、が混在して一のスタック領域に格納されるようなことがないので、スタックの管理が煩雑となってしまうことがない。
本実施例のメイン制御部41は、非遊技プログラムを実行する際に、遊技プログラムで用いているレジスタ値を遊技スタック領域に退避した後、非遊技プログラムを呼び出して、当該非遊技プログラムにおける処理を実行し、非遊技プログラムにおける処理が終了したときに、退避させたレジスタ値を復帰させるので、非遊技プログラムを実行するのに伴い遊技プログラムが用いていたレジスタの値が変更されてしまうことを防止できる。
また、遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す際に、遊技プログラムで用いているレジスタの値を遊技スタック領域に退避させる呼出共通処理1または呼出共通処理2を呼び出すようになっており、メイン処理において非遊技プログラムを実行するためのプログラムを共通化することで、プログラム容量を削減できる。
尚、本実施例では、メイン処理において遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す際には、呼出共通処理1を実行する一方、タイマ割込処理において遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す際には、呼出共通処理1とは異なる呼出共通処理2を実行することで、遊技プログラムで用いているレジスタの値を遊技スタック領域に退避させる構成であるが、メイン処理において遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す際にも、タイマ割込処理において遊技プログラムに基づく処理から非遊技プログラムを呼び出す際にも、共通の呼出共通処理を実行する構成であっても良い。
尚、本実施例のメイン制御部41は、メイン処理からも、タイマ割込処理(メイン)からも、非遊技プログラムを呼び出して実行することが可能な構成であり、メイン処理から非遊技プログラムを呼び出すときには、他の処理の割込を禁止に設定して、当該非遊技プログラムを呼び出す一方で、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すときには、他の処理の割込を禁止に設定せずに、非遊技プログラムを呼び出す構成であるが、メイン制御部41は、メイン処理から非遊技プログラムを呼び出すときにも、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すときにも、他の処理の割込を禁止する構成としても良い。
このような構成では、メイン制御部41は、メイン処理から非遊技プログラムを呼び出すときだけでなく、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すときにも、他の処理の割込を禁止するので、本実施例と同様に、非遊技プログラムの実行中に割込が実行されることによる誤作動を防止することができる。
特に、タイマ割込処理(メイン)を実行するときに、割込禁止が設定され、タイマ割込処理(メイン)の終了時に割込禁止が解除されることで、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の処理の割込が禁止されることとなるが、この場合でも、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すときに再度他の処理の割込を禁止するので、何らかの原因により割込禁止設定が解除されてしまった場合でも、非遊技プログラムの実行中に割込が実行されることによる誤作動を防止することができる。
また、前述のようにタイマ割込処理(メイン)を実行するときに、割込禁止が設定され、タイマ割込処理(メイン)の終了時に割込禁止が解除されることで、タイマ割込処理(メイン)の実行中に他の処理の割込が禁止される構成であるが、タイマ割込処理(メイン)から非遊技プログラムを呼び出すときに再度他の処理の割込を禁止する場合には、非遊技プログラムの呼び出し時に設定した他の処理の割込の禁止の設定を、該非遊技プログラムの終了後も維持することで、タイマ割込処理(メイン)の実行中にも関わらず、非遊技プログラムの実行により割込の禁止が解除されてしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。
本実施例のメイン制御部41は、設定変更処理の開始時において、RAM41cの記憶内容が破壊されていると判定した場合に、遊技RAM領域、未使用領域4、非遊技RAM領域を初期化する、すなわち使用可能領域の全ての領域を初期化する初期化0を行う。
また、設定変更処理の開始時において、RAM41cの記憶内容が破壊されていないと判定した場合に、遊技RAM領域のうち特別ワークを除く領域、未使用領域4、非遊技RAM領域を初期化する、すなわち使用可能領域のうち特別ワーク以外の領域を初期化する初期化1を行う。
また、設定変更処理の終了時において、遊技RAM領域のうち重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)を初期化する、すなわち遊技RAM領域のうち特別ワーク及び遊技スタック領域(使用中)以外の領域を初期化する初期化2を行う。
また、特定の遊技状態の終了時であり、かつ1ゲーム終了時に、遊技RAM領域のうち一般ワーク、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)を初期化する初期化3を行う。
また、特定の遊技状態の終了時でない1ゲーム終了時に、遊技RAM領域のうち未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)を初期化する初期化4を行う。
このように、本実施例のメイン制御部41は、所定条件が成立したときに初期化0〜4を行い、所定条件として第1の条件が成立したときに、RAM41cの使用可能領域のうちの遊技プログラムが用いるデータが記憶されている遊技RAM領域の少なくとも一部を初期化し、所定条件として第2の条件が成立したときに、遊技RAM領域の少なくとも一部と、RAM41cの使用可能領域のうちの非遊技プログラムが用いる非遊技RAM領域の少なくとも一部を初期化する。
具体的には、第1の条件として、1ゲームの終了時には、使用可能領域のうち遊技RAM領域の一部である、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)を初期化するが、使用可能領域のうち非遊技RAM領域は初期化しない。また、第1条件として、特定の遊技状態の終了時には、使用可能領域のうち遊技RAM領域の一部である一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)を初期化するが、使用可能領域のうち非遊技RAM領域は初期化しない。また、第1条件として、設定変更状態が終了した後には、使用可能領域のうち遊技RAM領域の一部である重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)を初期化するが、使用可能領域のうち非遊技RAM領域は初期化しない。
一方、第2の条件として、設定変更状態を開始したときに、RAMに異常がない場合には、使用可能領域のうち遊技RAM領域の一部である重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)、遊技スタック領域(使用)を初期化するとともに、非遊技RAM領域の全ての領域を初期化する。また、設定変更状態を開始したときに、RAMに異常がある場合には、使用可能領域のうち遊技RAM領域の全ての領域を初期化するとともに、遊技RAM領域の全ての領域を初期化する。
本実施例のメイン制御部41は、遊技の進行に係わる遊技プログラムと、遊技プログラムによって呼び出されるプログラムであり、遊技の進行に係わらない非遊技プログラムと、を実行可能であり、遊技プログラム及び非遊技プログラムを記憶するROM41dを備えている。
このような構成では、一のROM41dにおいて遊技プログラムと、非遊技プログラムと、が混在していると、どのプログラムが遊技の進行に係わるプログラムであるかの判別が困難である。
これに対して、本実施例では、ROM41dは、遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域と、非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域と、を含んでおり、遊技プログラム領域と、非遊技プログラム領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラムと、非遊技プログラムと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、遊技プログラムのワークとして用いられ、遊技プログラムが用いるデータを記憶する遊技RAM領域と、非遊技プログラムのワークとして用いられ、非遊技プログラムが用いるデータを記憶する非遊技RAM領域と、を含むRAM41cを備えており、RAM41cにおいて遊技RAM領域と、非遊技RAM領域と、がそれぞれ別個に割り当てられているため、遊技プログラムが用いるデータと、非遊技プログラムが用いるデータと、を記憶領域の違いに応じて容易に特定することができるとともに、メイン制御部41は、第1の初期化条件が成立したときに、遊技RAM領域の少なくとも一部を初期化し、第2の初期化条件が成立したときに、遊技RAM領域の少なくとも一部を初期化するとともに、非遊技RAM領域の少なくとも一部を初期化するため、RAM41cに記憶されている遊技プログラムが用いるデータと非遊技プログラムが用いるデータのうち状況に応じて適切なデータを初期化することができる。
本実施例のメイン制御部41は、第1の初期化条件として、1ゲームが終了した時には、遊技RAM領域のうちの一部である未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)を初期化し、第1の初期化条件として、特別な遊技状態(BB)が終了した時で、かつ1ゲームが終了した時には、遊技RAM領域のうちの一部である一般ワーク、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)を初期化し、第1の初期化条件として、設定変更が終了し、メイン処理が開始されたときには、遊技RAM領域のうちの一部である重要ワーク、一般ワークの領域、未使用領域3及び遊技スタック領域(未使用)を初期化するので、状況に応じて適切なデータを初期化することができる。
また、本実施例のメイン制御部41は、第2の初期化条件として、設定変更開始時でRAMに異常がないときには、遊技RAM領域のうち一部である重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)及び遊技スタック領域(使用中)を初期化するとともに、非遊技RAM領域のうち、遊技プログラムから参照される領域、遊技プログラムから参照されない領域、非遊技スタック領域(未使用)及び非遊技スタック領域(使用中)、すなわち非遊技RAM領域の全ての領域を初期化し、第2の初期化条件として、設定変更開始時でRAMに異常があるときには、遊技RAM領域のうち、特別ワーク、重要ワーク、一般ワーク、未使用領域3、遊技スタック領域(未使用)及び遊技スタック領域(使用中)、すなわち遊技RAM領域の全ての領域を初期化するとともに、非遊技RAM領域のうち、遊技プログラムから参照される領域、遊技プログラムから参照されない領域、非遊技スタック領域(未使用)及び非遊技スタック領域(使用中)、すなわち非遊技RAM領域の全ての領域を初期化するため、RAM41cに記憶されている遊技プログラムが用いるデータと、非遊技プログラムが用いるデータと、のうち状況に応じて適切なデータを初期化することができる。
尚、本実施例のメイン制御部41は、第1の初期化条件が成立したときに、遊技RAM領域の一部の領域を初期化する構成であるが、メイン制御部41は、第1の初期化条件が成立したときに、遊技RAM領域の少なくとも一部の領域を初期化するものであれば良く、遊技RAM領域の全ての領域を初期化するものでも良い。
また、本実施例のメイン制御部41は、第2の初期化条件が成立したときに、遊技RAM領域の一部を初期化するとともに、非遊技RAM領域の全ての領域を初期化する構成であるが、メイン制御部41は、第2の初期化条件が成立したときに遊技RAM領域の少なくとも一部の領域を初期化するとともに、非遊技RAM領域の少なくとも一部の領域を初期化するものであれば良く、遊技RAM領域の全ての領域を初期化するものでも良いし、非遊技RAM領域の全ての領域を初期化するものでも良いし、非遊技RAM領域の少なくとも一部の領域を初期化するものでも良いし、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域の双方の全ての領域を初期化するものでも良い。
本実施例のメイン制御部41は、遊技RAM領域を初期化するプログラムと、非遊技RAM領域を初期化するプログラムと、を別個のプログラムとして構成しているので、遊技プログラムが非遊技RAM領域の初期化をせずに済むため、遊技プログラムの容量を削減できる。また、第1の初期化条件が成立したときにも、第2の初期化条件が成立したときにも、遊技RAM領域を初期化するプログラムを共用できる。さらに遊技RAM領域を初期化するプログラムを遊技プログラムとして備え、非遊技RAM領域を初期化するプログラムを非遊技プログラムとして備えるので、遊技プログラムが非遊技RAM領域を初期化したり、非遊技プログラムが遊技RAM領域を初期化したりすることがなく、遊技プログラムが非遊技プログラムに影響を与えること、非遊技プログラムが遊技プログラムに影響を与えることを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、第1の初期化条件として、メイン処理において遊技終了時処理設定を行った後に、特定の遊技状態の終了時でないと判定されたとき、すなわち1ゲームが終了した時に遊技終了時の初期化対象RAMの先頭アドレスを設定し、遊技領域初期化処理を実行することで、遊技RAM領域のうち所定の領域を初期化するので、遊技単位毎に遊技の進行に係る不要な遊技RAM領域の一部の領域を初期化することができる。
本実施例のメイン制御部41は、設定キースイッチ37がONの状態で起動され、設定変更処理を開始したとき、すなわち設定変更操作が行われたことに基づいて第2の初期化条件が成立したときに、遊技領域初期化処理を実行して遊技RAM領域のうち所定の領域を初期化するとともに、非遊技領域初期化処理を実行して非遊技RAM領域のうち所定の領域を初期化するようになっており、遊技店員の設定変更操作(初期化操作)に基づいて遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化することができる。
本実施例のRAM41cの遊技RAM領域は、遊技プログラムに基づく制御を行う際にも非遊技プログラムに基づく制御を行う際にも用いられることのない未使用領域3を含み、第1の初期化条件の成立時にも、第2の初期化条件の成立時にも、未使用領域3を初期化するので、未使用領域3に不正なデータが記憶されることを防止できる。
尚、本実施例では、第1の初期化条件の成立時にも第2の初期化条件の成立時にも未使用領域3を初期化する構成であるが、少なくとも第1の初期化条件の成立時、第2の初期化条件の成立時のいずれか一方の条件の成立時に未使用領域3を初期化する構成であれば、未使用領域3に不正なデータが記憶されることを防止できる。また、第1の初期化条件が複数の条件を含む構成であれば、そのうち少なくとも一の条件の成立時に未使用領域3を初期化する構成であれば、未使用領域3に不正なデータが記憶されることを防止できる。第2の初期化条件が複数の条件を含む構成であっても同様である。
本実施例のメイン制御部41は、遊技プログラムのワークとして用いられ、遊技プログラムが用いるデータを記憶する遊技RAM領域と、非遊技プログラムのワークとして用いられ、非遊技プログラムが用いるデータを記憶する非遊技RAM領域と、を含むRAM41cを備えており、当該RAM41cは、バックアップ電源によりスロットマシン1への電力供給が停止されてもRAM41cに記憶されたデータを所定期間保持可能な構成であって、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、初期設定処理を開始し、バックアップ電源により保持されているRAM41cに記憶されているデータに基づいてRAMの記憶内容が正常か否かを判定し、正常と判定された場合に、RAM41cに記憶されているデータ基づいて制御を再開する。
このような構成において、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、RAM41cの遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方の領域に記憶されたデータに基づいて、RAMの記憶内容が正常か否かを判定する際に、RAM41cに記憶されているデータ基づいて制御を再開する際の負荷が過大となる。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始したときに、初期設定処理を開始し、バックアップ電源により保持されているRAM41cのうち遊技RAM領域のRAMパリティ、遊技RAM領域に記憶されている破壊診断用データに基づいてRAMの記憶内容が正常か否かを判定し、正常と判定された場合に、遊技RAM領域に記憶されているデータ及び非遊技RAM領域に記憶されているデータに基づいて制御を再開始するようになっており、非遊技RAM領域に記憶されており、遊技の進行に支障のない非遊技用のデータが正常か否かの判定を省くことで、遊技の進行が正常に行えることを担保しつつ、制御を再開する際の負荷を軽減することができる。
本実施例のRAM41cの遊技RAM領域は、遊技プログラムに基づく制御を行う際にも、非遊技プログラムに基づく制御を行う際にも、用いられることのない未使用領域3を含んでおり、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理を実行し、初期設定処理において、未使用領域3を含む遊技RAM領域のRAMパリティを算出し、算出されたRAMパリティに基づいて遊技RAM領域の記憶内容が正常か否かを判定するので、未使用領域3に不正なデータが記憶されることを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理を実行し、初期設定処理において、RAM41cの記憶内容が破壊されているか否かを判定し、RAM41cの記憶内容が破壊されていると判定した場合に、RAM異常フラグを設定してエラー処理に制御し、その後、自動的に復帰することがなくエラー状態を維持する一方、設定キースイッチ36がONの状態で、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、設定変更処理に制御し、遊技領域初期化処理を実行して遊技RAM領域を初期化するとともに、非遊技領域初期化処理を実行して非遊技RAM領域を初期化する、すなわちエラー状態が解除されることに伴い遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化するので、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域のいずれかに異常が生じたまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理において、RAM41cの記憶内容が破壊されていると判定した場合に、RAM異常フラグを設定してエラー処理に制御し、その後、設定キースイッチ36がONの状態で、スロットマシン1への電力供給が開始され、設定変更処理が実行されることで、エラー状態が解除されることに伴い遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化する構成であるが、メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が開始されたときに、初期設定処理において、RAM41cの記憶内容が破壊されていると判定した場合に、遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化し、エラー処理に制御するものであっても良い。このような構成では、エラー処理に制御する際に、遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化するので、本実施例と同様に、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域のいずれかに異常が生じたまま遊技が進行してしまうことを防止できる。また、RAM41cの記憶内容が破壊されている判定されたとき、その後設定変更処理が実行されるときの双方で、遊技RAM領域と非遊技RAM領域の双方を初期化する構成でも良く、このような構成であっても、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域のいずれかに異常が生じたまま遊技が進行してしまうことを防止できる。
本実施例のメイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が停止され、電断検出回路48により電源電圧の低下が検出されたときに電断処理を実行し、電断処理において、RAM41cへのアクセスを禁止することで、遊技RAM領域及び非遊技RAM領域の双方へのアクセスを禁止するので、次回起動時にデータが破壊されているか否かの判定対象外となる非遊技RAM領域を利用して不正なデータが記憶されることを防止できる。
図17〜図19は、本実施例のスロットマシン1における役の種類、図柄組合せ、及び役に関連する技術事項について説明するための図である。図20は、本実施例のスロットマシン1における移行出目の図柄組合せ、及び移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図21は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図22は、遊技状態の概要を示す図である。
図17に示すように、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(以下、ビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス(以下、レギュラーボーナスをRBと称する)の2種類のボーナスが含まれる。BBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「青7−青7−青7」の組合せが揃ったときに入賞となる。BBに入賞すると、後述のレギュラーボーナス(以下、RBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行する。そして、ビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。RBは、RT0〜4において入賞ラインLNに「青7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。RBに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。そして、レギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。図21に示すように、BB、RBのいずれかに当選してから入賞するまでは、RT4に制御され、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御されることとなる。
図18に示すように、入賞役のうち小役には、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8、中段ベル、右下がりベル、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリー、角チェリーが含まれる。尚、以下、上段ベル1、上段ベル2、上段ベル3、上段ベル4、上段ベル5、上段ベル6、上段ベル7、上段ベル8を区別する必要がない場合には、単に上段ベルと呼ぶ。
上段ベル1は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−チェリーa」、「リプレイa−チェリーa−白7」、「リプレイa−チェリーa−BAR」、「リプレイa−チェリーb−チェリーa」、「リプレイa−チェリーb−白7」、「リプレイa−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル1が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル2は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−チェリーa−プラム」、「リプレイa−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル2が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル3は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−チェリーa」、「リプレイa−プラム−白7」、「リプレイa−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル3が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル4は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル4が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル5は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−チェリーa」、「リプレイb−チェリーa−白7」、「リプレイb−チェリーa−BAR」、「リプレイb−チェリーb−チェリーa」、「リプレイb−チェリーb−白7」、「リプレイb−チェリーb−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル5が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル6は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−チェリーa−プラム」、「リプレイb−チェリーb−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル6が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル7は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイb−プラム−チェリーa」、「リプレイb−プラム−白7」、「リプレイb−プラム−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル7が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル8は、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−プラム−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても上段ベル8が入賞したときには8枚のメダルが払い出される。上段ベル1〜上段ベル8を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「ベル−ベル−ベル」の組合せが無効ラインLM1に揃い得る。
中段ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段ベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。右下がりベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「リプレイa−ベル−赤7」、「リプレイa−ベル−リプレイa」、「リプレイb−ベル−赤7」、「リプレイb−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりベルが入賞したときには8枚のメダルが払い出される。
中段スイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段スイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。右下がりスイカは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても右下がりスイカが入賞したときには5枚のメダルが払い出される。右下がりスイカを構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃い得る。
中段チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「チェリーa−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても中段チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。角チェリーは、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「赤7−ベル−リプレイa」、「BAR−ベル−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、いずれの遊技状態においても角チェリーが入賞したときには1枚のメダルが払い出される。
図19に示すように、入賞役のうち再遊技役には、中段リプレイ、右上がりリプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが含まれる。
中段リプレイは、RT0〜RT4において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−リプレイa」、「リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。右上がりリプレイは、RT1〜RT4において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−赤7」または「ベル−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。昇格リプレイは、RT1において入賞ラインLNに「ベル−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。特殊リプレイは、RT0において入賞ラインLNに「リプレイa−リプレイa−ベル」「リプレイb−リプレイa−ベル」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。転落リプレイは、RT0、RT2において入賞ラインLNに「ベル−赤7−チェリーa」、「ベル−赤7−スイカ」、「ベル−赤7−プラム」、「ベル−スイカ−チェリーa」、「ベル−スイカ−スイカ」、「ベル−スイカ−プラム」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−スイカ」、「ベル−チェリーa−プラム」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。赤7揃いリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「リプレイb−青7−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。赤7取りこぼしリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「リプレイa−青7−リプレイa」、「リプレイa−スイカ−リプレイa」、「リプレイa−チェリーa−リプレイa」、「リプレイb−スイカ−リプレイa」、「リプレイb−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。青7揃いリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「スイカ−青7−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。青7取りこぼしリプレイは、RT2において入賞ラインLNに「スイカ−スイカ−リプレイa」、「スイカ−チェリーa−リプレイa」、「ベル−青7−リプレイa」、「ベル−スイカ−リプレイa」または「ベル−チェリーa−リプレイa」の組合せが揃ったときに入賞となり、リプレイゲーム(再遊技)が付与される。
赤7揃いリプレイを構成する「リプレイb−青7−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「赤7−赤7−赤7」の組合せが無効ラインLM2に揃い得る。また、青7揃いリプレイを構成する「チェリーa−青7−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃うことで、「青7−青7−青7」の組合せが無効ラインLM4に揃い得る。
図20に示すように、移行出目は、「リプレイa−チェリーa−ベル」、「リプレイa−チェリーb−ベル」、「リプレイa−プラム−ベル」、「リプレイb−チェリーa−ベル」、「リプレイb−チェリーb−ベル」、「リプレイb−プラム−ベル」、「リプレイa−ベル−チェリーa」、「リプレイa−ベル−白7」、「リプレイa−ベル−BAR」、「リプレイa−ベル−プラム」、「リプレイb−ベル−チェリーa」、「リプレイb−ベル−白7」、「リプレイb−ベル−BAR」、「リプレイb−ベル−プラム」、「ベル−チェリーa−チェリーa」、「ベル−チェリーa−白7」、「ベル−チェリーa−BAR」、「ベル−チェリーa−プラム」、「ベル−チェリーb−チェリーa」、「ベル−チェリーb−白7」、「ベル−チェリーb−BAR」、「ベル−チェリーb−プラム」、「ベル−プラム−チェリーa」、「ベル−プラム−白7」、「ベル−プラム−BAR」、「ベル−プラム−プラム」の組合せであり、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃うとRT1に移行する。本実施例では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、移行出目が入賞ラインLNに揃う。
次に、図23〜図27を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組合せについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、RT4であるか、RB(BB中RB含む)であるか、によって内部抽選の対象となる役またはその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図23〜図27においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。図23〜図25においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役となる旨を示し、×印は、当該遊技状態であるときの抽選対象役とならない旨を示している。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値の判定値数(本実施例では設定値に関わらず共通)を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。また、図23は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組合せを示し、図24及び図25は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組合せを示し、図25は、抽選対象役として読み出される再遊技役の組合せを示している。
遊技状態がRT0であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15、リプレイGR16が内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT1であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT2であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイ、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23、リプレイGR24、リプレイGR25、リプレイGR26が内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT3であるときには、BB、BB+強チェリー、BB+弱チェリー、BB+スイカ、BB+共通ベル、RB、RB+弱チェリー、RB+スイカ、RB+共通ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。遊技状態がRT4であるときには、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベル、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。遊技状態がRBであるときには、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルが内部抽選の対象役となる。
左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、共通ベル、強チェリー、弱チェリー、スイカは、それぞれ図26に示す役または役の組合せである。尚、以下、特に区別する必要のない場合には、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルと呼び、右ベル1〜4を単に右ベルと呼ぶ場合がある。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4をいずれも区別する必要のない場合には、単に押し順ベルと呼ぶ場合がある。
通常リプレイ、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜16、リプレイGR21〜26は、それぞれ図27に示す役の組合せである。
本実施例では、押し順ベルが当選している場合には、図28に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、左ベル1(中段ベル+上段ベル1+上段ベル8)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順または右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、上段ベル1、上段ベル8の組合せまたは移行出目のいずれかが入賞ラインLNに停止する。左ベル2〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4についても、同様であり、図28に示すように、押し順ベルの種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。
詳しくは、押し順ベルが当選し、第1停止として中段ベルが入賞することとなるリールの停止操作が行われた場合には、リールの中段にベルの図柄を停止させて、その後、残りのリールの停止操作が行われることで、残りのリールの中段にも「ベル」を停止させ、中段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃える。
一方、押し順ベルが当選し、第1停止として中段ベルが入賞することとなるリール以外のリールの停止操作がされた場合には、第1停止リール及び第2停止リールにおいては、当選している上段ベルの構成図柄(左ベル1であれば、左リールにおいては「リプレイa」または「リプレイb」、中リールにおいては「チェリーa」、「チェリーb」または「プラム」、右リールにおいては「チェリーa」、「白7」、「BAR」または「プラム」)のいずれかを中段に停止させるとともに、2つのリールが停止した段階で、当選している上段ベルを入賞ラインLNに停止可能な状況(左ベル1であれば、「リプレイa−チェリーa/チェリーb−回転中」、「リプレイa−回転中−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイb−プラム−回転中」、「リプレイb−回転中−プラム」)であり、当選している上段ベルの構成図柄を引込可能なタイミングで第3停止リールの停止操作がされた場合であれば、第3停止リールの中段に当選している上段ベルの構成図柄を停止させ、当選している上段ベルの組合せを入賞ラインLNに揃え、当選している上段ベルの構成図柄を引込可能なタイミング以外で第3停止リールの停止操作がされた場合であれば、第3停止リールの中段に「ベル」を停止させ、移行出目の組合せ(左ベル1であれば、「リプレイa−チェリーa/チェリーb−ベル」、「リプレイa−ベル−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイb−プラム−ベル」、「リプレイb−ベル−プラム」)を入賞ラインLNに揃える。また、2つのリールが停止した段階で、当選している上段ベルを入賞ラインLに停止不可能な状況(左ベル1であれば、「リプレイb−チェリーa/チェリーb−回転中」、「リプレイb−回転中−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイa−プラム−回転中」、「リプレイa−回転中−プラム」)であれば、第3停止リールの停止操作がされたタイミングに関わらず、第3停止リールの中段に「ベル」を停止させ、移行出目の組合せ(左ベル1であれば、「リプレイb−チェリーa/チェリーb−ベル」、「リプレイb−ベル−チェリーa/白7/BAR」、「リプレイa−プラム−ベル」、「リプレイa−ベル−プラム」)を入賞ラインLに揃える。また、移行出目が入賞ラインLNに揃うと、無効ラインLM1に「ベル−ベル−ベル以外」、「ベル−ベル以外−ベル」、「ベル以外−ベル−ベル」の組合せが揃う。
このため、押し順ベルの当選時には、押し順ベルの種類に応じた停止順で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、停止順が一致しなければ一定の割合でしかメダルを獲得することができない。また、特にRT0やRT2では、停止順が一致しない場合に移行出目が停止することから、停止順が一致しなければ一定の割合でRT1へ移行してしまうこととなる。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段ベルが入賞して8枚のメダルを獲得できるため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、いずれの停止順で停止操作が行われた場合にも、移行出目が停止し得る構成であり、さらにいずれのタイミングで停止操作がされた場合にも、確実に移行出目を回避するタイミングが存在しない構成となっており、押し順ベルの種類が分からなければ、意図的に、移行出目の停止を回避することができないようになっている。
尚、本実施例では、押し順ベルの当選時に、中段ベルまたは上段ベルを入賞させることができる操作態様以外の操作態様で停止操作が行われた場合には、必ず移行出目を停止させる構成であるが、押し順ベルの当選時に、中段ベルまたは上段ベルを入賞させることができない操作態様で停止操作が行われた場合に、移行出目またははずれ目、すなわちいずれの入賞も発生しない図柄の組合せであり、かつ移行出目を構成する図柄の組合せでない図柄の組合せを停止させる構成であっても良い。
本実施例では、リプレイGR1〜6が当選している場合には、図29に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR1(中段リプレイ+昇格リプレイ)が当選し、左中右の停止順で停止操作を行った場合には、昇格リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、左中右以外の停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR2〜6についても、同様であり、図29に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT1においてリプレイGR1〜6当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで昇格リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、昇格リプレイを入賞させることによりRT0へ移行させることができるものの、停止順が一致しなければRT1が維持されることとなる。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で昇格リプレイが入賞してRT0へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR11〜16が当選している場合には、図30に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR11(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR12(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ+右上がりリプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR13(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ+赤7揃いリプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR14(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ+赤7揃いリプレイ+右上がりリプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR15(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ+青7揃いリプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR16(特殊リプレイ+中段リプレイ+転落リプレイ+青7揃いリプレイ+右上がりリプレイ)が当選し、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、転落リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、特殊リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。
このため、RT0においてリプレイGR11〜16が当選した時には、その種類に応じた停止順で操作されることで特殊リプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、操作された停止順が中段リプレイに対応する停止順と一致すれば、中段リプレイを入賞させることによりRT0を維持させることができ、特殊リプレイに対応する停止順と一致すれば、特殊リプレイを入賞させることによりRT2へ移行させることができるものの、中段リプレイに対応する停止順にも特殊リプレイに対応する停止順にも一致しなければ転落リプレイが入賞してRT1へ移行してしまうことがある。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で中段リプレイが入賞してRT0が維持され、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行し、転落リプレイが入賞してRT1へ移行するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
また、本実施例では、RT0においてリプレイGR11、12が当選した場合と、RT0においてリプレイGR13、14が当選した場合と、RT0においてリプレイGR15、16が当選した場合と、でRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順(第1停止リール)及びRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順(第1停止リール)が異なる。また、RT0においてリプレイGR11、12が当選した場合に、いずれもRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順(第1停止リール)は同じであるが、リプレイGR11が当選した場合と、リプレイGR12が当選した場合と、でRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順(第1停止リール)が異なる。RT0においてリプレイGR13、14が当選した場合、RT0においてリプレイGR15、16が当選した場合も同様である。このため、RT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順が特定された場合であっても、その停止順からRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順が特定できないようになっている。
本実施例では、リプレイGR21〜23が当選している場合には、図30に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR21(赤7揃いリプレイ+赤7取りこぼしリプレイ+昇格リプレイ)が当選し、左リールまたは中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、昇格リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR22、23についても、同様であり、図30に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT2においてリプレイGR21〜23当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイを入賞させることによりRT2を維持することができるものの、停止順が一致しなければ昇格リプレイが入賞してRT0へ移行してしまうことがある。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞してRT2を維持するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、リプレイGR24〜26が当選している場合には、図30に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。例えば、リプレイGR24(青7揃いリプレイ+青7取りこぼしリプレイ+昇格リプレイ)が当選し、左リールまたは中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイの組合せが入賞ラインLNに停止し、右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、昇格リプレイの組合せが入賞ラインLNに停止する。リプレイGR25、26についても、同様であり、図30に示すように、その種類及び停止順に応じて停止する図柄の組合せが異なる。このため、RT2においてリプレイGR24〜26当選時には、その種類に応じた停止順で操作されることで青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイが入賞するが、その種類が分からなければ意図的にその種類に応じた停止順を選択することはできず、停止順が一致すれば、青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させることによりRT2を維持することができるものの、停止順が一致しなければ昇格リプレイが入賞してRT0へ移行してしまうことがある。尚、本実施例では、どの停止順で停止操作を行った場合にも均等な割合で青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイが入賞してRT2を維持するため、遊技者がどの停止順で停止操作を行っても、極端に不利となってしまうことを防止できる。
本実施例では、図21及び図22に示すように、RT0〜4、ボーナス(RB、BB中のRB)のいずれかに制御される。RT0は、RT1、RT2において昇格リプレイの入賞により移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われることで100%を超える一方で、ナビ報知が実行されないことで100%以下となる。RT1は、RT0、RT2、RT3において転落リプレイの入賞または移行出目の停止により移行する。そして、RT1は、RT1に移行してからのゲーム数に関わらず、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。RT2は、RT0において特殊リプレイの入賞により移行する。そして、RT2は、RT2に移行してからのゲーム数に関わらず、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行するか、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われることで100%を超える一方で、ナビ報知が実行されないことで100%以下となる。RT3は、ボーナス(BB、RB)の終了時に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目の停止によりRT1に移行するか、特別役の当選によりRT4に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%未満となる。RT4は、RT0〜3において特別役(BB、RB)の当選により移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してボーナス(BBまたはRB)に移行することで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は、ナビ報知に従った停止順で停止操作が行われる場合も、ナビ報知が実行されない場合も、100%未満となる。RBは、RT4においてRBの入賞により移行する。そして、RBは、12ゲームが消化されるか、6回入賞されることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超える。BBは、RT4においてBBの入賞により移行する。そして、BBは、BBに移行してからのゲーム数に関わらず、BB中に払い出されたメダルの総数が規定数(本実施例では、316枚)を超えることで終了する。1ゲームあたりのメダルの払出率は100%を超える。
RT0〜4、RB、BB(RB)のうち、RB及びBBが1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。また、RT0〜4のうちRT0、2、4は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT0、2、4のうちRT0、2は、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT4に比較して高い点において、RT4よりも遊技者にとって有利な状態といえる。また、RT2は、後述のARTのゲーム数が上乗せされる可能性が高い点においてRT0よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施例におけるスロットマシンでは、遊技状態がRT0〜2であるときに、メイン制御部41により、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に制御可能となっている。
メイン制御部41は、ATに制御している場合には、遊技状態に応じた報知対象役に当選することにより、ナビ報知を実行するとともに、サブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信することで、サブ制御部91によるナビ演出を実行させる。遊技状態に応じた報知対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6、押し順ベルであり、RT0であるときにはリプレイGR11〜16、押し順ベルであり、RT2であるときにはリプレイGR21〜26、押し順ベルである。また、本実施例においてメイン制御部41は、ATにもARTにも制御していない通常状態(RT1かつ非ATの状態)であっても、一定の条件を満たすことにより、ナビ報知を実行し、ナビ演出を実行させることが可能である。本実施例のナビ報知は、遊技補助表示器12の点灯態様を変化させることにより遊技者にとって有利な停止順を識別可能に報知する。ナビ報知の態様については後に詳述する。
本実施例のナビ演出は、ナビ報知により報知された遊技者にとって有利な停止順を、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって報知する。例えば、左中右の停止順を報知する場合には、「123」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(左リールが第1停止、中リールが第2停止、右リールが第3停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、左リールを第1停止とする停止順を報知する場合には、「1−−」(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を示す停止順画像を表示する。また、ナビ音声としては、例えば、「左!」(左リールが第1停止であることを示す)(左リールが第1停止であることを示す)といったストップスイッチの停止順を示す音声を出力する。また、特に、RT2においてリプレイGR21〜26が当選し、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイまたは青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を報知する場合には、上述の停止順画像に加え、各リールに赤7及び青7を狙ったタイミングでの停止操作を促す画像も表示され、そのタイミングでの停止操作が促されるようになっている。尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51、スピーカ53、54を用いたものに限らず、演出効果LED52、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
ナビ報知及びナビ演出では、RT1においてリプレイGR1〜6のいずれかが当選したときには、昇格リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT0においてリプレイGR11〜16のいずれかが当選したときには、中段リプレイまたは特殊リプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR21〜23のいずれかが当選しており、かつ後述する保証ゲーム数が残っているときには、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。また、RT2においてリプレイGR24〜26のいずれかが当選し、かつ後述する保証ゲーム数が残っているときには、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞する停止順を識別可能に報知する。
以上のように、ナビ報知及びナビ演出では、遊技者にとって有利となる停止順が識別可能に報知される。このため、遊技者は、ナビ演出に従った停止順で停止操作を行うことにより、意図的にRT1において昇格リプレイを入賞させてRT0へ移行させること、中段ベルを入賞させることができ、RT0において中段リプレイを入賞させてRT0を維持すること、特殊リプレイを入賞させてRT2へ移行させること、転落リプレイの入賞を回避すること、中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができ、RT2において赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイを入賞させてRT2を維持すること、中段ベルを入賞させること、移行出目の停止を回避することができる。
本実施例においてメイン制御部41は、抽選条件が成立した場合(本実施例では、強チェリー、弱チェリー、スイカ、共通ベルの当選)にART(RT0でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するART抽選を行う。そして、メイン制御部41は、ART抽選に当選し、前兆期間が終了することでARTに制御する。
ARTに制御する場合には、まずATに制御する。ATの制御を開始した後、RT0へ移行するまでの状態を準備状態とも呼ぶ。メイン制御部41は、準備状態において、対象役の当選時にナビ報知を実行する。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ報知の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、準備状態に移行後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となる。
メイン制御部41は、RT1において昇格リプレイが入賞することで準備状態を終了し、ARTの制御を開始する。これに伴いメイン制御部41は、所定ゲーム数を、RAM91cに割り当てられたARTの残りゲーム数として設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。ART開始後は、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止及び転落リプレイの入賞を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。また、後述の上乗せ状態抽選に当選していない場合には、リプレイGR11〜16の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより中段リプレイを入賞させてRT0を維持することが可能となる。
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となった場合には、ATの制御を終了する。これに伴いナビ報知が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目の停止を回避すること、リプレイGR11〜16の当選時に転落リプレイの入賞を回避することが不可能となり、移行出目の停止または転落リプレイの入賞によりRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に抽選条件(スイカ、弱チェリー、強チェリー、共通ベルの当選)が成立した場合にARTのゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行う。そして、上乗せ抽選に当選した場合には、ARTのゲーム数を決定するARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数をARTの残りゲーム数に加算する。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に抽選条件(強チェリーの当選)が成立した場合に、ART中よりもARTのゲーム数が上乗せされる確率が高まる上乗せ状態に移行するか否かを決定する上乗せ状態抽選を行う。そして、上乗せ状態抽選に当選した場合には、その後、リプレイGR11〜16の当選時に特殊リプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されることで、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させてRT2へ移行させることが可能となる。
上乗せ状態抽選に当選したことに伴いRT2へ移行した場合には、ARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断するとともに、上乗せ状態に移行する。上乗せ状態は、昇格リプレイが入賞するか、移行出目が停止するまで継続し、その間にいずれかの役が入賞する毎にARTゲーム数抽選を行い、ARTゲーム数抽選で当選したゲーム数を、ARTの残りゲーム数に加算する。特に、赤7リプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞したときには、他の役が入賞したときよりもARTゲーム数抽選で当選する平均ゲーム数が高くなるように設定されており、青7リプレイまたは青7取りこぼしリプレイが入賞したときには、赤7リプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが入賞したときよりもARTゲーム数抽選で当選する平均ゲーム数がさらに高くなるように設定されている。
上乗せ状態では、保証ゲーム数に到達するまではリプレイGR21〜23の当選時に赤7リプレイまたは赤7取りこぼしリプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知され、リプレイGR24〜26の当選時に青7リプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させる停止順がナビ報知により報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイの入賞によるRT2の終了、すなわち上乗せ状態の終了を回避するとともに、赤7リプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7リプレイまたは青7取りこぼしリプレイを入賞させて他の役の入賞時よりも多くのゲーム数をARTの残りゲーム数に上乗せすることができる。また、保証ゲーム数に到達した後は、リプレイGR21〜26の当選時にナビ報知が実行されなくなるので、リプレイGR21〜26の当選時に昇格リプレイの入賞を回避することが不可能となり、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行することで上乗せ状態が終了し、ART及びARTのゲーム数の計数を再開する。
また、上乗せ状態では、保証ゲーム数に到達したか否かに関わらず、押し順ベルの当選時に中段ベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実に8枚のメダルを獲得することが可能となるとともに、移行出目の停止を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合にはRT2の終了によりARTを中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断する。ART中に特別役が当選したときには、特別役が入賞するまで押し順ベルが当選してもナビ報知がされないようになっている。
ART中に特別役が当選し、ARTが中断した場合には、その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御し、当該ボーナス終了後に移行するRT3において移行出目が停止してRT1に移行した時点でATの制御を再開し、これに伴い準備状態を経てRT0に再度移行することでARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。
また、メイン制御部41は、ART中または上乗せ状態中の押し順ベルの当選時に、中段ベルが入賞する停止順をナビ報知により報知するようになっており、報知された停止順を無視して停止操作を行った場合には、上段ベルが入賞してRT0またはRT2が維持される場合もあるが、移行出目が停止してRT1へ移行してしまう場合もある。ART中または上乗せ状態中に、RT0またはRT2からRT1に移行した場合には、上乗せ状態は終了するもののARTは継続し、1ゲーム消化する毎にARTの残りゲーム数を1減算させつつ、準備状態と同様に、RT1におけるリプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ報知により報知し、報知された停止順に従って停止操作が行われることにより昇格リプレイを入賞させてRT1からRT0に移行させることが可能である。
本実施例では、RT0においてRT0を維持する中段リプレイとRT0よりも遊技者にとって有利なRT2へ移行する特殊リプレイが同時に当選したときに、中段リプレイが入賞する停止順と、特殊リプレイが入賞する停止順と、を異なる停止順とし、上乗せ状態抽選に当選していない場合には、中段リプレイが入賞する停止順をナビ報知により報知することで、報知された停止順での停止操作を促し、RT0を維持させるようになっている。
このような構成においては、RT0を維持する停止順をナビ報知により報知しても、その報知された停止順からRT2へ移行する停止順が特定できてしまう可能性があり、RT0を維持させる停止順を報知したにも関わらず、意図的にRT2へ移行する停止順で操作されてしまう虞があった。
これに対して本実施例では、RT0においてリプレイGR11、12が当選した場合と、RT0においてリプレイGR13、14が当選した場合と、RT0においてリプレイGR15、16が当選した場合と、でRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順及びRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順が異なり、さらに、RT0においてリプレイGR11、12が当選した場合に、いずれもRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順は同じであるが、リプレイGR11が当選した場合と、リプレイGR12が当選した場合と、でRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順が異なり、RT0においてリプレイGR13、14が当選した場合、RT0においてリプレイGR15、16が当選した場合も同様となっている。このため、ナビ報知によりRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順が特定された場合であっても、その停止順からRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順が特定できないようになっており、RT0を維持する停止順を報知したときに、RT2へ移行させる停止順が特定できてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、RT0においてリプレイGR11、12が当選した場合に、いずれもRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順は同じであるが、リプレイGR11が当選した場合と、リプレイGR12が当選した場合と、でRT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる停止順が異なるだけでなく、特殊リプレイを入賞させる停止順と一致しない場合には、転落リプレイが入賞してRT0よりも遊技者にとって不利なRT1へ移行してしまうこととなり、RT0においてリプレイGR13、14が当選した場合、RT0においてリプレイGR15、16が当選した場合も同様となっている。このため、ナビ報知によりRT0が維持される中段リプレイを入賞させる停止順が特定されることで、特殊リプレイを入賞させる停止順が絞り込まれたとしても、報知された停止順以外で停止操作を行うことで遊技者に不利益が生じる可能性があるので、報知された停止順での停止操作を遊技者に対して促すことができる。
尚、本実施例では、リプレイGR11〜16の当選時にRT0が維持される中段リプレイを入賞させる操作態様、RT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる操作態様として、リールの停止順を適用しているが、停止操作のタイミングを適用しても良いし、停止順及び停止操作のタイミングの組合せを適用しても良い。
また、本実施例では、リプレイGR11〜16の当選時にRT0が維持される中段リプレイを入賞させる操作態様、RT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる操作態様とは異なる操作態様で停止操作がされた場合に、転落リプレイが入賞してRT0よりも遊技者にとって不利なRT1へ移行する構成であるが、リプレイGR11〜16の当選時にRT0が維持される中段リプレイを入賞させる操作態様、RT2へ移行する特殊リプレイを入賞させる操作態様とは異なる操作態様で停止操作がされた場合に、少なくともRT2へ移行する特殊リプレイが入賞する表示結果以外の表示結果が停止する構成であれば良く、例えば中段リプレイが入賞する表示結果が停止する構成でも良い。
また、本実施例では、中段リプレイを入賞させる操作態様が同じリプレイGR11、12の当選時に、特殊リプレイを入賞させる操作態様が、リプレイGR11、12の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR13〜16において特殊リプレイを入賞させる操作態様の一部と同じであるが、リプレイGR11、12の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR13〜16において特殊リプレイを入賞させる操作態様と異なる構成であっても良い。また、中段リプレイを入賞させる操作態様が同じリプレイGR13、14の当選時に、特殊リプレイを入賞させる操作態様が、リプレイGR13、14の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR11、12、15、16において特殊リプレイを入賞させる操作態様の一部と同じであるが、リプレイGR13、14の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR11、12、15、16において特殊リプレイを入賞させる操作態様と異なる構成であっても良い。また、中段リプレイを入賞させる操作態様が同じリプレイGR15、16の当選時に、特殊リプレイを入賞させる操作態様が、リプレイGR15、16の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR11〜14において特殊リプレイを入賞させる操作態様の一部と同じであるが、リプレイGR15、16の当選時とは中段リプレイを入賞させる操作態様が異なるリプレイGR11〜14において特殊リプレイを入賞させる操作態様と異なる構成であっても良い。
また、RT2は、ARTのゲーム数が上乗せされる可能性が高い点においてRT0よりも遊技者にとって有利な構成、すなわち遊技者にとって有利な特典が付与される可能性が高い点において遊技者にとって有利な構成であるが、例えば、特定の役の当選確率が高い点、特定の役の入賞確率が高い点、メダルの払出率が高い点において遊技者にとって有利な構成でも良い。
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
また、本実施例では、RT0において、RT0を維持する表示結果、RT2へ移行する表示結果、RT1へ移行する表示結果としていずれも再遊技役が入賞する表示結果を適用しているが、これらの表示結果は、小役が入賞する表示結果でも良いし、いずれの役も入賞しない表示結果でも良い。
本実施例では、小役または再遊技役のいずれかと特別役(BB、RB)とが同時に当選した場合、特別役が当選して持ち越され、一般役(小役または再遊技役)のいずれかと特別役とが同時に当選している場合には、図31に示すように、特別役と同時に当選している小役及び再遊技役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能な場合と、特別役を入賞させることが不可能な場合と、があり、特別役を入賞させることが可能な場合にも、特別役と同時に当選している小役及び再遊技役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能な操作態様が異なる。
詳しくは、強チェリーと特別役(BB、RB)とが同時に当選した場合(特別役の持越中に強チェリーが当選した場合を含む)に、左リールを第1停止とする停止順で、かつ左リールの「青7」を入賞ラインLNに引込み可能なタイミングであり、かつ中段チェリーを構成する「チェリーa」及び角チェリーを構成する「赤7」及び「BAR」を入賞ラインLNに引込み不可能なタイミング(図柄番号7〜10の図柄が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング)で停止操作を行った場合には、入賞ラインLNにBB及びRBを構成する「青7」が停止して、当選している特別役の組合せを入賞ラインLNに揃えることが可能となる。一方で、中リールを第1停止とする停止順で、停止操作を行った場合には、中段チェリー及び角チェリーを構成する「ベル」が入賞ラインLNに停止し、当選している特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となり、右リールを第1停止とする停止順で、停止操作を行った場合にも、中段チェリー及び角チェリーを構成する「リプレイa」が入賞ラインLNに停止し、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
また、弱チェリーと特別役(BB、RB)とが同時に当選した場合(特別役の持越中に弱チェリーが当選した場合を含む)に、左リールを第1停止とする停止順で、かつ左リールの「青7」を入賞ラインLNに引込み可能であり、かつ角チェリーを構成する「赤7」及び「BAR」を入賞ラインLNに引込み不可能なタイミング(図柄番号7〜10の図柄が停止基準位置に位置するタイミング)で停止操作を行った場合には、入賞ラインLNに「青7」が停止して、当選している特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが可能となる。一方で、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で、停止操作を行った場合には、中リールにおいては角チェリーを構成する「ベル」、右リールにおいては角チェリーを構成する「リプレイa」が入賞ラインLNに停止し、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
また、スイカと特別役(BB、(RB))とが同時に当選した場合(特別役の持越中にスイカが当選した場合を含む)、中リールを第1停止とする停止順で、かつ中リールの「青7」(RBが当選しているときは、「赤7」)を入賞ラインLNに引込み可能なタイミングであり、かつ中段スイカ及び右下がりスイカを構成する「スイカ」を入賞ラインLNに引込み不可能なタイミング(図柄番号14〜18の図柄(RBが当選しているときは、図柄番号14〜17の図柄)が停止基準位置に位置するタイミング)で停止操作を行った場合には、入賞ラインLNに「青7」(RBが当選しているときは、「赤7」)が停止して、当選している特別役(BB、(RB))の組合せを入賞ラインLNに揃えることが可能となる。また、右リールを第1停止とする停止順で、かつ右リールの「青7」(RBが当選しているときは、「赤7」)を入賞ラインLNに引込み可能なタイミングであり、かつ中段スイカを構成する「スイカ」及び右下がりスイカを構成する「チェリーb」を入賞ラインLNに引込み不可能なタイミング(図柄番号15〜19の図柄(RBが当選しているときは、図柄番号13〜17の図柄)が停止基準位置に位置するタイミング)で停止操作を行った場合には、入賞ラインLNに「青7」(RBが当選しているときは、「赤7」)が停止して、当選している特別役(BB、(RB))の組合せを入賞ラインLNに揃えることが可能となる。一方で、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段スイカを構成する「スイカ」または右下がりスイカを構成する「ベル」が入賞ラインLNに停止し、特別役(BB、(RB))の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
また、押し順ベルと特別役(BB、RB)とが同時に当選した場合(特別役の持越中に押し順ベルが当選した場合)、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルを構成する「ベル」、上段ベル1〜4を構成する「リプレイa」または上段ベル5〜8を構成する「リプレイb」のいずれか一方が入賞ラインに停止して、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。また、同様に、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合にも、中段ベルを構成する「ベル」または上段ベル1〜8を構成するいずれか一の図柄が入賞ラインに停止して、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
また、共通ベルと特別役(BB、RB)とが同時に当選し、左中右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、中段ベルを構成する「ベル」が入賞ラインに停止して、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
また、再遊技役(通常リプレイ、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜16、リプレイGR21〜26)と特別役(BB、RB)とが同時に当選し、左中右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、再遊技役を構成するいずれか一の図柄が入賞ラインに停止して、特別役(BB、RB)の組合せを入賞ラインLNに揃えることが不可能となる。
このように、本実施例では、内部抽選により一般役(小役または再遊技役)のいずれかと特別役(BB、RB)とが同時に当選している場合であって、一般役として強チェリーまたは弱チェリーのいずれかが当選している場合には、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで、当選している特別役(BB、RB)を入賞させることが可能である一方で、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、当選している特別役を入賞させることが不可能であり、一般役としてのスイカと特別役(BB(RB))とが同時に当選している場合には、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで、当選している特別役(BB(RB))を入賞させることが可能である一方で、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、当選している特別役を入賞させることが不可能である。すなわち特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が変化するようになっている。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容について説明する。
本実施例では、ROM41bに、特別役と一般役の当選状況に応じて上述の第1〜第6の内部当選コマンドが設定されており、当選役毎に、報知対象役については第1〜3の内部当選コマンドのいずれかが設定され、非報知対象役については第4〜第6の内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。
内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドは、報知対象役を構成するそれぞれの当選役毎にそれぞれ異なる内容のコマンドが設定されており、第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一のコマンドが設定されており、第3の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一のコマンドが設定されている。
具体的には、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4それぞれに対応する第1の内部当選コマンド、リプレイGR1〜6それぞれに対応する第1の内部当選コマンド、リプレイGR11〜16それぞれに対応する第1の内部当選コマンド、リプレイGR21〜23にそれぞれ対応する第1の内部当選コマンド、リプレイGR24〜26にそれぞれ対応する第1の内部当選コマンドが設定されており、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4に対応する一の第2の内部当選コマンド、リプレイGR1〜6に対応する一の第2の内部当選コマンド、リプレイGR11〜16に対応する一の第2の内部当選コマンド、リプレイGR21〜23に対応する一の第2の内部当選コマンド、リプレイGR24〜26に対応する一の第2の内部当選コマンドが設定されており、特別役+左ベル1〜4、特別役+中ベル1〜4、特別役+右ベル1〜4に対応する一の第3の内部当選コマンド、特別役+リプレイGR1〜6に対応する一の第3の内部当選コマンド、特別役+リプレイGR11〜16に対応する一の第3の内部当選コマンド、特別役+リプレイGR21〜23に対応する一の第3の内部当選コマンド、特別役+リプレイGR24〜26に対応する一の第3の内部当選コマンドが設定されている。
また、内部当選コマンドテーブルにおいて第4の内部当選コマンドは、スイカ、強チェリー、弱チェリー毎にそれぞれ異なる内容のコマンドが設定されており、第5の内部当選コマンドは、特別役+スイカ、特別役+強チェリー、特別役+弱チェリーに対して一のコマンドが設定されている。
具体的には、スイカ、強チェリー、弱チェリーそれぞれに対応する第4の内部当選コマンドが設定されており、特別役+スイカ、特別役+強チェリー、特別役+弱チェリーに対応する一の第5の内部当選コマンドが設定されている。
また、内部当選コマンドテーブルにおいて第6の内部当選コマンドは、報知対象役でもなく、スイカ、強チェリー、弱チェリーでもない当選役毎にそれぞれ異なる内容のコマンドが設定されている。
具体的には、BB、BB+共通ベル、BB+通常リプレイ、RB、RB+共通ベル、RB+通常リプレイ、共通ベル、通常リプレイそれぞれに対応する第6の内部当選コマンドが設定されている。
このように内部当選コマンドテーブルにおいて、特別役が同時に当選していない報知対象役には第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが対応して設定されているのに対して、それ以外の当選役には、第3〜6の内部当選コマンドのいずれか1のコマンドのみが対応して設定されている。
そして、図32に示すように、メイン制御部41は、まず、内部抽選の後に実行する内部当選コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(Sf1)、ナビ報知を実行するか否かを判定し(Sf2)、Sf2のステップにおいてナビ報知を実行すると判定した場合には、Sf1のステップで読み出した内部当選フラグに基づく当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されているか否かを判定する(Sf3)。
Sf3のステップにおいて当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されている場合、すなわち当選役が報知対象役であり、かつ特別役が当選していない場合には、当選役に対応する第1の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sf4)。一方Sf3のステップにおいて当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていない場合には、当選役に対応して設定されている第2〜第6の内部当選コマンドのいずれかのコマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sf5)。
また、Sf2のステップにおいてナビ報知を実行しないと判定した場合には、Sf1のステップで読み出した内部当選フラグに基づく当選役に対応して設定されている第2〜第6の内部当選コマンドのいずれかのコマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sf5)。
また、Sf4、Sf5のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
このように本実施例では、ROM41bに、特別役が同時に当選していない報知対象役には第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが対応して設定されているのに対して、それ以外の当選役には、第3〜6の内部当選コマンドのいずれか1のコマンドのみが対応して設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドは、当選役毎に異なるコマンドが設定され、報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一のコマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選の後、ナビ報知を実行する場合には、当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていれば、第1の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信し、当選役に対応して内部当選コマンドテーブルに第1の内部当選コマンドが設定されていなければ、当選役に対応して設定されている第2〜第6の内部当選コマンドのいずれかのコマンドをサブ制御部91に対して送信する一方で、ナビ報知を実行しない場合には、当選役に対応して設定されている第2〜第6の内部当選コマンドのいずれかのコマンドをサブ制御部91に対して送信する。これにより、報知対象役が当選して、ナビ報知を実行する場合には、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信される一方で、報知対象役が当選して、ナビ報知を実行しない場合には、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されるので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
また、内部当選コマンドテーブルにおいてスイカ、強チェリー、弱チェリーに対応する第4の内部当選コマンドは、スイカ、強チェリー、弱チェリー毎にそれぞれ異なる内容のコマンドのみが設定され、特別役+スイカ、特別役+強チェリー、特別役+弱チェリーに対応する第5の内部当選コマンドは、特別役+スイカ、特別役+強チェリー、特別役+弱チェリーに対応する一のコマンドのみが設定されており、特別役が当選せず、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選している場合には、当選した役が、スイカ、強チェリー、弱チェリーであるかを特定可能な第4の内部当選コマンドが送信される一方で、特別役が当選し、かつスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選している場合には、特別役と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのうちいずれかの役と、が当選していることを特定可能であるが、当選した役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、すなわち特別役を入賞させることが可能な停止順を特定不可能な第5の内部当選コマンドが送信されるので、メイン制御部41側で特別役とスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが同時に当選した場合には、内部当選コマンドから特別役を入賞させることが可能な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、本実施例では、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容の変形例1について説明する。
変形例1では、上記実施例と同様に、ROM41bに、特別役が同時に当選していない報知対象役には第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが対応して設定されているのに対して、それ以外の当選役には、第3〜6の内部当選コマンドのいずれか1のコマンドのみが対応して設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドは、当選役毎に異なるコマンドが設定され、報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一のコマンドが設定されている。
そして、図33に示すように、メイン制御部41は、まず、内部抽選の後に実行する内部当選コマンド設定処理において、内部抽選により設定された内部当選フラグを読み出し(Sg1)、Sg1のステップで読み出した内部当選フラグに基づく当選役が報知対象役であり、かつ特別役が非当選であるか否かを判定する(Sg2)。
Sg2のステップにおいて報知対象役であり、かつ特別役が非当選であれば、さらにナビ報知を実行するか否かを判定し(Sg3)、Sg3のステップにおいてナビ報知を実行する場合には、当選した報知対象役を個別に特定し(Sg4)、Sg4のステップにおいて個別に特定した報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sg5)。
一方、Sg2のステップにおいて報知対象役でない場合、または報知対象役であるが特別役が当選している場合、Sg3のステップにおいてナビ報知を実行しない場合には、当選役に対応して設定されている第2〜第6の内部当選コマンドのいずれかのコマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sg6)。
また、Sg5、Sg6のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
このように変形例1では、ROM41bに、特別役が同時に当選していない報知対象役には第1の内部当選コマンド及び第2の内部当選コマンドが対応して設定されているのに対して、それ以外の当選役には、第3〜6の内部当選コマンドのいずれか1のコマンドのみが対応して設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて報知対象役に対応する第1の内部当選コマンドは、当選役毎に異なるコマンドが設定され、報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドは、報知対象役の種類毎に一のコマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選の後、当選役が報知対象役であり、かつ特別役が非当選であり、ナビ報知を実行する場合には、当選した報知対象役を個別に特定して、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する一方、当選役が報知対象役であり、かつ特別役が非当選であるがナビ報知を実行しない場合には、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、変形例1では、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成としても良い。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して内部当選コマンドを送信する際の制御内容の変形例2について説明する。
変形例2では、ROM41bに、当選役毎に、内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されている。また、変形例2では、内部抽選において報知対象役についてナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順が異なる抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)毎に個別に当選を判定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)として一括して当選を判定するようになっており、ナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)のいずれかが当選した場合に、それぞれ異なる値の内部当選フラグを設定するのに対して、ナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)に対応する1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)が当選した場合に、報知対象役の種類が同じであってもナビ報知が実行される場合に設定される内部当選フラグとは異なる値の内部当選フラグを設定するようになっており、内部当選コマンドテーブルにも、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役のいずれかが当選した場合に設定される内部当選フラグ、1種類の報知対象役に対応する1種類の抽選対象役が当選した場合に設定される内部当選フラグ、それぞれに対応して異なる内部当選コマンドが設定されている。
そして、図34に示すように、メイン制御部41は、内部抽選において、ナビ報知を実行するか否かを判定し(Sh1)、Sh1のステップにおいてナビ報知を実行する場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役毎に個別に当選を判定する個別抽選を行う(Sh2)。個別抽選においては、図35(a)に示すように、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役(例えば、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)毎に内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か(詳しくは、加算値がオーバーフローするか否か)判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる抽選対象役の当選を判定し、当該種類の報知対象役を構成する抽選対象役のうち当選した抽選対象役に対応する内部当選フラグを設定する。
また、Sh1のステップにおいてナビ報知を実行しない場合には、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役(例えば、押し順ベル)として一括して当選を判定する一括抽選を行う(Sh3)。一括抽選においては、図35(b)に示すように、1種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)について、当該種類の報知対象役をまとめた抽選対象役(例えば、押し順ベル)について内部抽選用乱数値が当選範囲となるか否か(詳しくは、加算値がオーバーフローするか否か)判定し、内部抽選用乱数値が当選範囲内となる場合に、当該種類の報知対象役(例えば、押し順ベル)の当選を判定し、当該種類の報知対象役に対応する内部当選フラグを設定する。
尚、報知対象役以外は、通常通りに当選の有無が判定されることとなる。
そして、Sh2のステップにおける個別抽選またはSh3のステップにおける一括抽選において設定された内部当選フラグに対応する内部当選コマンドを内部当選コマンドテーブルから読み出してコマンドキューに設定する(Sh4)。
また、Sh4のステップにおいてコマンドキューに設定された内部当選コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
また、特に図示しないが、ナビ報知が実行されない場合に、報知対象役が当選した場合には、内部抽選の後、有利な停止順を複数種類の停止順から選択する停止順選択抽選を行い、その結果に応じて有利な停止順が変化するようになっている。
このように変形例2では、ROM41bに、当選役毎に、内部当選コマンドが設定された内部当選コマンドテーブルが格納されているとともに、内部当選コマンドテーブルにおいて1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる複数種類の抽選対象役のいずれかが当選した場合に設定される内部当選フラグ、1種類の報知対象役に対応する1種類の抽選対象役が当選した場合に設定される内部当選フラグ、それぞれに対応して異なる内部当選コマンドが設定されており、メイン制御部41は、内部抽選においてナビ報知が実行される場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役毎に個別に当選を判定する個別抽選を行い、当選役に対応する内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する一方、内部抽選においてナビ報知が実行されない場合には、1種類の報知対象役について有利な停止順に関わらず、1種類の抽選対象役として一括して当選を判定する一括抽選を行い、当選役に対応する内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する。すなわち1種類の報知対象役について有利な停止順が異なる抽選対象役が当選した場合に送信される内部当選コマンドが、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドとして送信され、1種類の報知対象役が当選した場合に送信される内部当選コマンドが、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドとして送信されるようになっているので、メイン制御部41側でナビ報知を実行しない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順がサブ制御部91によって特定されることがないようになっている。
尚、変形例2では、内部抽選において内部当選フラグを設定する際に、内部当選コマンドを設定する構成であるが、内部抽選の後に、内部当選フラグを読み出して内部当選フラグを設定する構成としても良い。
本実施例では、メイン制御部41が内部抽選の結果を特定可能な内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信することで、サブ制御部91が内部抽選の結果を特定し、ATに制御されている場合には、特定した内部抽選の結果に基づいて遊技者にとって有利な停止順を報知するようになっている。このような構成において、内部抽選の結果を示すコマンドは、ATに制御されているか否かに関わらず、サブ制御部91に対して送信され、内部抽選の結果が全て特定可能となる構成とすると、サブ制御部91側に不正がなされることで、メイン制御部41側でATに制御する旨が決定されていないにも関わらず、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた遊技者にとって有利な停止順が特定され、ATに制御されていないにも関わらず、有利な停止順が報知されてしまう可能性があった。
これに対して本実施例では、内部抽選において報知対象役(押し順ベル、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜16、リプレイGR21〜26)が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されるので、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされてもナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作順が報知されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、押し順ベルの当選時において、押し順ベルの種類に対応する停止順で停止操作がされた場合に、遊技者にとって相対的に有利となる中段ベルを入賞させる制御が行われ、押し順ベルの種類に対応する停止順以外の停止順で停止操作がされた場合に、中段ベルを入賞させない制御が行われるとともに、共通ベルの当選時においては、停止順に関わらず、中段ベルを入賞させることが可能な制御が行われるようになっている。そして、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態(AT中、または非AT中でナビ報知が行われる場合)であれば、押し順ベルが当選したことも遊技者にとって有利な停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態(非AT中でナビ報知が行われない場合)であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、かついずれの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第6の内部当選コマンドが送信されるので、サブ制御部91側で、中段ベルが入賞可能な状況において、押し順ベルに対応した停止順で操作されなければ中段ベルが入賞可能とならないのか、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となるか、を特定することができる。特に、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となることが特定された場合には、停止順に関わらず中段ベルが入賞可能となる可能性を示唆する演出を行うことも可能となる。
また、本実施例では、共通ベルが遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBB、遊技者にとって有利なRBへの移行を伴うRBと同時に当選する可能性のある抽選対象役であり、中段ベルが入賞することでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、共通ベルに対応する内部当選コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される中段ベルの入賞が当選していることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
尚、本実施例では、押し順ベルの当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、押し順ベルが当選したことも遊技者にとって有利な停止順、すなわち中段ベルを入賞させる停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、押し順ベルが当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容され、かついずれの停止順であっても中段ベルを入賞させることが可能となる共通ベルの当選時には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、押し順ベルに対応する第1の内部当選コマンド及び押し順ベルに対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、共通ベルが当選したことが特定できる共通ベルに対応する第6の内部当選コマンドが送信される構成であるが、報知対象役の当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、報知対象役が当選したことも遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、報知対象役が当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な操作手順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、報知対象役と同じく、有利表示結果の導出が許容され、かついずれの操作手順であっても有利表示結果を導出させることが可能となる特定の抽選結果となった場合には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、報知対象役に対応する第1の内部当選コマンド及び報知対象役に対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、特定の抽選結果となったことが特定できる特定の内部当選コマンドが送信される構成とした場合でも、上記と同様にサブ制御部91側で、有利表示結果が導出可能な状況において、報知対象役に対応した操作手順で操作されなければ有利表示結果が導出可能とならないのか、操作手順に関わらず有利表示結果が導出可能となるか、を特定することができる。
例えば、リプレイGR1〜6の当選時においては、ナビ報知が行われる状態であれば、リプレイGR1〜6が当選したことも遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、リプレイGR1〜6が当選したことは特定可能であるが遊技者にとって有利な操作手順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信される一方で、リプレイGR1〜6と同じく、昇格リプレイの入賞が許容され、かついずれの操作手順であっても昇格リプレイを導出させることが可能となる特定の抽選結果となった場合には、ナビ報知が実行されるか否かに関わらず、リプレイGR1〜6に対応する第1の内部当選コマンド及びリプレイGR1〜6に対応する第2の内部当選コマンドとは異なる内部当選コマンドであって、特定の抽選結果となったことが特定できる特定の内部当選コマンドが送信される構成とした場合でも、上記と同様の効果が得られる。
また、このような構成においても、特定の抽選結果が遊技者にとって有利なBBへの移行を伴うBB、遊技者にとって有利なRBへの移行を伴うRBと同時に当選する可能性のある抽選結果であることが好ましく、このようにすることで、昇格リプレイ等の有利表示結果が導出されることでBBやRBに当選している可能性が示唆されることとなるため、サブ制御部91側で、特定の抽選結果に対応する特定の内部当選コマンドにより、BBやRBの当選可能性が示唆される有利表示結果の導出が許容されていることを特定可能となるため、このような状況においてBBやRBの当選を期待させる演出を行うことも可能となる。
尚、本実施例では、報知対象役の当選時に遊技者にとって有利となる操作手順として停止順を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作手順、複数の停止順のうちいずれかの停止順で操作する操作手順、これらの組合せによる操作手順を遊技者にとって有利となる操作手順として適用するものであれば良い。
また、本実施例では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な第1の内部当選コマンドが送信され、ナビ報知が行われない状態であれば、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な第2の内部当選コマンドが送信されることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態か否かに関わらず、当選した報知対象役の種類は特定可能であるが遊技者にとって有利な停止順は特定不能な内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われる状態であれば、さらに当選した報知対象役の種類に応じて遊技者にとって有利な停止順を特定可能な有利手順コマンドを内部当選コマンドとは別個に送信する一方、ナビ報知が行われない状態であれば、有利手順コマンドを送信しないようにすることで、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成としても良い。
また、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、当選した報知対象役の種類も遊技者にとって有利な停止順も特定可能な内部当選コマンドを送信し、ナビ報知が行われない状態であれば、内部当選コマンドを送信しないことにより、メイン制御部41側でナビ報知が実行されない場合には、コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な停止順が特定されることのない構成としても良い。
また、本実施例では、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、ナビ報知が行われる状態であれば、有利な操作手順が複数手順からなる場合(例えば、リプレイGR1〜6において、第1停止リールが正解となる順番であり、かつ第2停止リールも正解となる順番である操作手順)に、複数手順の全てについて報知され、その際に送信される第1の内部当選コマンドから複数手順の全てについて特定可能となる構成であるが、内部抽選において報知対象役が当選した場合に、複数手順からなる有利な操作手順のうち一部の操作手順のみ報知する一部ナビ報知を行う場合(例えば、正解となる第1停止リールのみ報知する場合、有利な操作手順が特定の停止順、かつ特定のタイミングである場合に、停止順またはタイミングのみ報知する場合等)に、一部ナビ報知により報知される有利な操作手順の一部のみが特定可能となる内部当選コマンドを送信する構成としても良く、このような構成とすることで、本来であれば、有利な操作手順の一部のみが報知される状態において、内部当選コマンドから内部抽選の結果に応じた有利な操作手順の全てが特定されることはないため、サブ制御部91側に不正がなされても有利な操作手順の全てが報知されるナビ報知が実行されている状態以外で有利な操作手順の全てが報知されてしまうことを防止できる。
また、本実施例における報知対象役とは、原則として、報知対象役を構成する抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なるものであり、有利表示結果を導出させることが可能な抽選結果であってもその操作手順が変化することのない抽選結果(例えば、スイカ、角チェリー等の操作タイミングによっては取りこぼす可能性のある役)は、報知対象役とはならない。また、抽選対象役に応じて有利表示結果を導出させる操作手順が異なる抽選結果であっても、あえて取りこぼしを誘発することによりチャンス目等を導出させる抽選結果(例えば、取りこぼすことでチャンス目が導出される1枚役等)等、報知の有無により遊技者の有利度に影響を与えることを目的としない抽選結果は、報知対象としなくても良く、このような抽選結果となった場合に、当選した役の種類も遊技者にとって有利な操作手順も特定可能な第1の内部当選コマンドを送信する構成であっても良い。
また、本実施例では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、必ず遊技者にとって有利となる有利表示結果(中段ベル、昇格リプレイ、特殊リプレイ等)が導出される構成であるが、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に、さらに報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順で操作された場合に、有利表示結果を導出し、特定の操作手順以外の操作手順で導出操作手段が操作された場合に、有利表示結果以外の表示結果を導出する制御を行うものでも良い。この場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じて変動することのない特定の操作手順とは、例えば、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた停止順で操作され、かつ特定の操作タイミングで操作される操作手順、一のリールにおいて報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作タイミングで操作され、かつ他のリールにおいて特定の操作タイミングで操作される操作手順などが該当する。
また、本実施例では、押し順ベルと同じく、中段ベルの入賞が許容される共通ベルの当選時において、停止順に関わらず、左リールが特定のタイミングで操作された場合に中段ベルが入賞する構成であるが、共通ベルの当選時において、停止順、操作タイミングに関わらず、必ず中段ベルが入賞する構成でも良い。
また、本実施例では、報知対象役が当選した場合に、報知対象役を構成する抽選対象役の種類に応じた操作手順で操作された場合に導出される有利表示結果として、メダルの付与を伴う小役の入賞態様、遊技者にとって有利な遊技状態(RT0、RT2)への移行を伴う再遊技役の入賞態様、遊技者にとって有利な遊技状態(RT0)を維持する再遊技役の入賞態様を適用しているが、遊技者にとって有利な表示結果とは、メダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴わない他の表示結果に対してメダルや再遊技の付与、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う表示結果、メダルの付与を伴う他の表示結果に対してさらに多くのメダルの付与を伴う表示結果、遊技者にとって有利な特典(ART等)の付与を伴わない他の表示結果に対して特典の付与を伴う表示結果、遊技者にとって不利な遊技状態への移行を伴う他の表示結果に対して現在の遊技状態を維持する表示結果または現在の遊技状態よりも有利な遊技状態への移行を伴う表示結果等であれば良い。
ここで遊技者にとって有利な特典とは、遊技者にとって有利な有利状態へ移行させることが可能となる権利(有利状態を発生するか否かを決定する抽選に当選すること、有利状態へ移行する入賞が許容されることなど)、遊技者にとって有利な操作態様が報知される権利、遊技用価値が付与される期待値が高い遊技状態に制御される権利、現在の遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態か否かが報知される権利、有利状態に制御される期間(固定ゲーム数、終了条件によって変動するゲーム数の平均値等)など、遊技者にとって直接的な有利な特典であっても良いし、遊技者にとって直接的に有利ではないが、例えば、インターネット上で特典を得るための条件となる等、遊技者にとって間接的に有利な特典であっても良い。
また、本実施例では、メイン制御部41側で制御するナビ報知と、サブ制御部91側で制御するナビ演出の双方にて遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成であるが、サブ制御部91側で制御するナビ演出だけで遊技者にとって有利な操作手順を識別可能となる構成としても良い。
本実施例では、強チェリーまたは弱チェリーと特別役とが同時当選している場合には、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで特別役を入賞させることが可能であり、スイカと特別役とが同時当選している場合には、中リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで特別役を入賞させることが可能である。このため、強チェリーまたは弱チェリーと特別役とが同時当選している場合、またはスイカと特別役とが同時当選している場合には、遊技者が第1停止操作を行った時点で、特別役を入賞させることが可能な停止順であるか否かが確定することとなる。
そして、メイン制御部41は、内部抽選によりスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかと特別役とが同時当選している場合に、特別役を入賞させることが可能な停止順であるか否かが確定した時点、すなわち第1停止操作が行われたときに、特別役と同時に当選している役が、スイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、を特定可能な確定コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
メイン制御部41は、スタート操作が行われたことに伴い、リール2L、2C、2Rの回転を開始させた後に、第1停止時に確定コマンド設定処理を行う。確定コマンド設定処理では、図36に示すように、内部当選フラグを読み出し(Si1)、特別役(BB、RB)が当選しているか否か(Si2)、及びスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選しているか否か(Si3)、を判定する。
そして、Si2、Si3のステップにおいて、特別役(BB、RB)と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかの役の一方でも当選していないと判定した場合には、確定コマンド設定処理を終了させる。一方、特別役(BB、RB)と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかの役とが当選していると判定した場合には、特別役(BB、RB)と同時当選している役がスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれであるかを特定可能な確定コマンをコマンドキューにセットする(Si4)。コマンドキューに設定された確定コマンドは、その後のタイマ割込処理(メイン)においてサブ制御部91に送信されることとなる。
このようにメイン制御部41は、特別役(BB、RB)と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかの役と、が同時当選している場合に、スタート操作が行われたときには、特別役と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのうちいずれかの役と、が当選していることを特定可能であるが、当選した役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるかを特定不可能な第5の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信し、その後、第1停止操作が行われることで、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれの役が当選しているかを特定可能な確定コマンドをサブ制御部91に対して送信する。
このため、サブ制御部91は、ゲーム開始時において第5の内部当選コマンドを受信することで、特別役と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのうちいずれかの役と、が当選していることを特定可能であるが、当選した役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるかを特定できず、当選役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、に応じた演出を行うことはできないものの、第1停止時に確定コマンドを受信することで、それ以降においては、当選した役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるかを特定可能となり、当選役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、に応じた演出を行うことが可能となる。
例えば、特別役と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのうちいずれかの役と、が当選した場合に、ゲーム開始時においては、第5の内部当選コマンドを受信することにより、図37(a)に示すように、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選している可能性を示唆する演出を実行し、その後、第1停止時において確定コマンドを受信した以降において、確定コマンドにより当選役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、を特定することで、当選役が強チェリーまたは弱チェリーであれば、図37(b)に示すように、強チェリーまたは弱チェリーの当選を示唆する演出を実行し、当選役がスイカであれば、図37(c)に示すように、スイカの当選を示唆する演出を実行することが可能となる。
また、スイカが当選しているか、強チェリーが当選しているか、弱チェリーが当選しているか、に応じて特典が付与される可能性が異なる場合(例えば、特別役との同時当選比率が異なる場合等)に、ゲーム開始時においては、第5の内部当選コマンドを受信することにより、特典が付与されている可能性を示唆する演出を実行し、その後、第1停止時において確定コマンドを受信した以降において、確定コマンドにより当選役がスイカであるか、強チェリーであるか、弱チェリーであるか、を特定することで、当選役が強チェリーであれば、強チェリーの当選時に特典が付与される可能性、当選役が弱チェリーであれば、弱チェリーの当選時に特典が付与される可能性、当選役がスイカであれば、スイカの当選時に特典が付与される可能性に応じた演出を選択したり、その選択率を変化させることが可能となる。
本実施例では、特別役(BB、RB)と、一般役として強チェリー、弱チェリーのいずれかの役が当選しているときには、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで当選している特別役を入賞させることが可能である一方で、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、当選している特別役を入賞させることが不可能であり、内部抽選により、特別役(BB、RB)と、一般役としてスイカが当選しているときには、中リールまたは右リールを第1停止とする停止順で停止操作を行うことで当選している特別役を入賞させることが可能である一方で、左リールを第1停止とする停止順で停止操作を行った場合には、当選している特別役を入賞させることが不可能である構成、すなわち特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が変化する構成である。
このような構成において、内部抽選において、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が当選した場合に、スタート操作が行われたときから第1停止操作が行われる前に、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれの役が当選したかを特定可能な内部当選コマンドを、サブ制御部91に送信すると、サブ制御部91に不正が施された場合に、意図せずに特別役を入賞させやすい操作態様が特定されてしまう虞がある。
これに対して、本実施例のメイン制御部41は、内部抽選において、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が当選した場合には、スタート操作が行われたときに、特別役(BB、RB)が当選していることが特定可能であるとともに、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことは特定可能であるが、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれが当選したかは特定不能な第5の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、サブ制御部91に不正が施されても特別役(BB、RB)とスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが同時当選したか、すなわち特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止できる。
また、第5の内部当選コマンドは、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれが当選したかを特定できないものの、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことは特定できるので、サブ制御部91は、第5の内部当選コマンドを受信することで、特別役の当選に加えてスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことに応じた演出を行うことは可能となる。
尚、本実施例では、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる停止順が異なる構成であるが、少なくとも特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が異なる構成、すなわち特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作タイミングが異なる構成、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる停止順と操作タイミングとの組合せが異なる構成であり、特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定不可能なコマンドを送信する構成であれば、サブ制御部91に不正が施されても特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止できる。
また、本実施例では、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が異なる構成であるが、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させやすい操作態様が異なる構成、例えば、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて、特別役の構成図柄を停止可能な操作タイミングが相対的に多い停止順が異なる構成であり、特別役を入賞させやすい操作態様が特定不可能なコマンドを送信する構成であれば、サブ制御部91に不正が施されても特別役が入賞し易い操作態様が特定されることを防止できる。
また、本実施例では、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)が当選しているか否か及び一般役のいずれかの役が当選しているか否か、または、いずれの一般役も当選していないことを特定可能な第1〜第6内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信可能な構成であるが、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)が当選しているか否かに関するコマンドと、一般役が当選しているか否かに関するコマンドと、を別々に送信可能な構成としても良く、このような構成においても、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が同時当選した場合に、一般役が当選しているか否かに関するコマンドを、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことは特定可能であるが、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれが当選したかは特定不能なコマンドとすることで、本実施例と同様に、サブ制御部91に不正が施されても特別役(BB、RB)とスイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが同時当選したか、すなわち特別役が入賞し易い操作態様が特定されることを防止できる。
また、本実施例では、メイン制御部41が、内部抽選において、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が当選した場合には、スタート操作が行われたときに、特別役(BB、RB)が当選していることが特定可能であるとともに、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかが当選したことは特定可能であるが、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれが当選したかは特定不能な第5の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が当選した場合に、特別役が当選していることを特定可能であるが、一般役が当選しているか否かが特定されない内部当選コマンド、すなわち特別役が当選していることのみを特定可能な内部当選コマンドを、サブ制御部91に対して送信するようにしても良く、このような構成においても、内部抽選において、特別役(BB、RB)と、強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかの役が同時当選している場合に、サブ制御部91側では、内部当選コマンドに基づいて、特別役(BB、RB)を入賞させることが可能な操作態様を特定できないので、サブ制御部91に不正が施されても特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止できる。
また、内部当選コマンドから強チェリー、弱チェリー、スイカのいずれかが当選していることは特定できないものの、特別役が当選していることは特定できるため、特別役が当選したことに応じた演出を行うことができる。
本実施例では、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)が当選しているとともに、一般役として共通ベルや通常リプレイが同時に当選しているとき、すなわちいずれの操作態様で操作しても特別役を入賞させることができない一般役が当選しているときに、当選している一般役を個別に特定可能な第6の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっており、特別役と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかとが同時に当選している場合と異なり、特別役と、共通ベルや通常リプレイ等、操作態様によって特別役を入賞させる難易度が変化しない一般役と、が当選している場合であれば、サブ制御部91側で、特別役の当選だけでなく、当選している一般役も個別に特定できるので、特別役が当選しているか、特別役とともに一般役が当選しているか、いずれの一般役が当選しているか、に応じた演出を行うことができる。
尚、本実施例では、特別役(BB、RB)が当選しているとともに、いずれの操作態様で操作しても特別役を入賞させることができない一般役が当選しているときに、当選している一般役を個別に特定可能な第6の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成であるが、特別役(BB、RB)が当選しているとともに、この際、特別役を入賞させることは可能であるが、いずれの操作態様で操作しても特別役を入賞させる難易度が変化しない一般役、例えば、いずれのリールにおいても構成図柄の引込範囲が特別役の構成図柄の引込範囲と重複しない一般役、いずれのリールにおいても構成図柄の引込範囲と特別役の構成図柄の引込範囲とが同数の範囲だけ重複する一般役が当選しているときに、当選している一般役を個別に特定可能な第6の内部当選コマンドをサブ制御部91に対して送信する構成としても良く、このような構成においてもサブ制御部91側で、特別役の当選だけでなく、当選している一般役も個別に特定できるので、特別役が当選しているか、特別役とともに一般役が当選しているか、いずれの一般役が当選しているか、に応じた演出を行うことができる。
本実施例では、メイン制御部41は、特別役(BB、RB)と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかの役と、が同時当選している場合に、第1停止操作が行われたとき、すなわち、特別役を入賞させることが可能な停止順であるか否かが確定したときに、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれの役が当選しているかを特定可能な確定コマンドをサブ制御部91に対して送信するので、サブ制御部91側に不正が施されても、特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止しつつ、特別役とともに強チェリーが同時当選しているのか、弱チェリーが同時当選しているのか、スイカが同時当選しているのか、に応じた演出をサブ制御部91側で行うことができる。
尚、本実施例では、特別役(BB、RB)と、スイカ、強チェリー、弱チェリーのいずれかの役と、が同時当選している場合に、1停止操作が行われたときに、特別役を入賞させることが可能な操作態様であるか否かが確定する構成であるが、第2停止操作以降に特別役を入賞させることが可能な操作態様であるか否かが確定する構成でも良く、このような構成においては、少なくとも特別役を入賞させることが可能な操作態様であるか否かが確定したタイミング以降に、確定コマンドを送信する構成であれば、サブ制御部91側に不正が施されても、特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止しつつ、特別役とともに強チェリーが同時当選しているのか、弱チェリーが同時当選しているのか、スイカが同時当選しているのか、に応じた演出をサブ制御部91側で行うことができる。
また、本実施例では、特別役と一般役が同時に当選した場合に、特別役よりも優先して一般役を引き込む制御を行う構成である故に、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が変化するようになっている。このため、特別役よりも優先して一般役を引き込む制御を行った場合に、特別役を入賞させる難易度が変化する一般役については、特別役と同時に当選した場合に、当該一般役よりも優先して特別役を引き込む制御を行うようにすることで、特別役と同時に当選した一般役の種類に応じて特別役を入賞させることが可能となる操作態様が変化しないようにしても良く、このような構成とした場合でも、サブ制御部91に不正が施されても特別役を入賞させることが可能な操作態様が特定されることを防止できる。
また、このような構成において、特別役よりも優先して一般役を引き込む制御を行った場合に、特別役を入賞させる難易度が変化しない一般役については、特別役と同時に当選した場合に、当該一般役よりも優先して特別役を引き込む制御を行う構成としても良いし、特別役よりも優先して当該一般役を引き込む制御を行う構成としても良い。
本実施例では、いずれの遊技状態においても入賞ラインLNに「ベル−スイカ−チェリーb」の組合せが揃ったときに右下がりスイカが入賞し、この際、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃い得る。
また、図3に示すように、左リールにおいて右下がりスイカを構成する「ベル」の上段以外にも「青7」の1つ上に「スイカ」が配置されており、左リールにおいて入賞ラインLNに右下がりスイカを構成する「ベル」が停止したときだけでなく、左リールにおいて入賞ラインLNに「青7」が停止したときにも、見た目上、右下がりスイカと同じ「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃い得る停止態様となるが、仮に「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃ったとしても右下がりスイカが入賞となるものではない。
このような構成においてメイン制御部41が、右下がりスイカの当選時において左リールに「ベル」の1つ上の「スイカ」が上段に停止し得るように制御し、「青7」の1つ上の「スイカ」が上段に停止しないように制御する一方、右下がりスイカの非当選時において、特別役が当選していること、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性のある特定の役が当選していること等を条件に左リールに「青7」の1つ上の「スイカ」が停止し得るように制御することで、左リールにおいて右下がりスイカが入賞し得ないが、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃い得る停止態様となることにより特別役が当選していること等、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性があること等を示唆することができる。
また、右下がりスイカの非当選時において、特別役が当選していること、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性のある特定の役が当選していること等を条件に左リールに「青7」の1つ上の「スイカ」が停止し得るように制御するとともに、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に聴牌するが、最終的に揃わないように制御することで、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に聴牌した結果、揃わないことで、特別役が当選していること等、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性があること等を示唆することができる。
また、右下がりスイカの非当選時において、特別役が当選していること、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性のある特定の役が当選していること等を条件に左リールに「青7」の1つ上の「スイカ」が停止し得るように制御するとともに、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃い得るように制御することで、「スイカ−スイカ−スイカ」の組合せが無効ラインLM3に揃った際に、右下がりスイカと異なり、メダルの払出を伴わないようにしたり、右下がりスイカの払出枚数と異なるメダルが払い出されたり、再遊技役が入賞したりすることで、特別役が当選していること等、遊技者にとって有利な特典が付与される可能性があること等を示唆することができる。
本実施例では、前述のようにメイン制御部41が、遊技補助表示器12の点灯態様によりストップスイッチ8L、8C、8Rの停止順を識別可能に報知するナビ報知を実行する。
図38に示すように、遊技補助表示器12は、第1〜第8セグメントをそれぞれ点灯/消灯可能な2つの表示器12L、12Rからなり、それぞれのセグメントを白、桃、黄、橙、赤、緑、青の7色に点灯させることが可能な表示器である。
ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様は、図39に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順が識別できるようになっている。例えば、表示器12Lの第1セグメント、第2セグメント、第4セグメント、第6セグメントが点灯し、表示器12Rの第2セグメント、第4セグメント、第6セグメント、第7セグメントが点灯し、他のセグメントが消灯している状態であれば左中右の停止順を識別可能となる。ただし、停止順に対応して点灯するセグメントの組合せは、停止順を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものである。尚、ナビ報知が行われないゲームにおいては、表示器12L及び表示器12Rの第4セグメントが点灯することで、「−−」と表示され、ナビ報知が行われていないことを識別できるようになっている。
また、押し順ベルの当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが黄色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段ベルが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR1〜6の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが橙色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、昇格リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR11〜16の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが青色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、中段リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR11〜16の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが緑色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、特殊リプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR21〜23の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが赤色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、リプレイGR24〜26の当選時に実行するナビ報知では、停止順に対応して点灯するセグメントが桃色に点灯することで、報知された停止順に従って停止操作がされることで、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞することが識別できるようになっている。
また、本実施例では、表示器12Rの第8セグメントを赤色に点灯させることで、ART(AT含む)中であることが識別できるようになっている。
また、本実施例では、表示器12Lの第8セグメントを赤色に点灯させることで、ナビ報知中であることを識別できるようになっている。表示器12Lの第8セグメントは、ナビ報知中、すなわちナビ報知により当選した報知対象役の種類や遊技者にとって有利な停止順が表示器12R、12Lに表示されているときに、赤色に点灯させるので、表示器12L、12Rが例えばエラーコードの表示等のナビ報知以外の用途に使用されることがあっても、表示器12R、12Lに表示されている表示がナビ報知によるものであるか否かを識別できるようになっている。
次に、ナビ報知及びナビ演出の実行態様について説明する。
図40(a)に示すように、遊技補助表示器12は、小役の入賞によるメダルの払出がある場合の次ゲームの開始までの期間を除き、全てのセグメントが消灯状態とされており、液晶表示器51にも通常状態に対応する画像が表示されている。
この状態でATの制御が開始すると、図40(b)に示すように、メイン制御部41は、表示器12Rの第8セグメントを赤色点灯し、ART(AT)中である旨の報知を開始する。
また、ATまたはART中に報知対象役が当選した場合には、図40(c)、図40(d)に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知として遊技補助表示器12の対応するセグメントを点灯させて停止順を報知し、停止順コマンドを送信することで、サブ制御部91にナビ演出を実行させる。
この際、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合、例えば、押し順ベル当選時に中段ベルを入賞させる停止順と、リプレイGR11〜16の当選時に中段リプレイを入賞させる停止順と、が同一となる場合には、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。例えば、図40(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、点灯するセグメントが黄色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図40(d)に示すように、リプレイGR11〜16の当選時であれば、点灯するセグメントが青色点灯となることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ナビ演出においても、停止順を報知する画像の態様は同じであるが、入賞する役の画像が表示されることで、入賞する役も識別できるようになっている。例えば、図40(c)に示すように、押し順ベルの当選時であれば、停止順を報知する画像に加え、「ベル」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段ベルが入賞することが識別可能となり、図40(d)に示すように、リプレイGR11〜16の当選時であれば、停止順を報知する画像に加え「リプレイa/リプレイb−リプレイa−リプレイa」が表示されることで、報知された停止順に従った停止操作を行うことで中段リプレイが入賞することが識別可能となる。
また、ARTの残りゲーム数が0となり、ナビストックも0となってARTが終了する場合には、図40(e)に示すように、メイン制御部41は、表示器12Rの第8セグメントを消灯し、ART中である旨の報知を終了する。
また、本実施例では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となる。このため、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。
一方で、サブ制御部91は、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23当選時、リプレイGR24〜26当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選等により振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっている。
例えば、左ベルの当選時には、左リールを第1停止とする停止順で停止操作がされることで、図41(a)(b)に示すように、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様でナビ報知が行われるのに対して、ナビ演出では、図41(a)に示す左中右の停止順を報知する報知態様と、図41(b)に示す左右中の停止順を報知する報知態様と、のいずれか一方の報知態様にて停止順が報知されるようになっている。
また、本実施例では、ATまたはART中に報知対象役が当選した場合に、図42に示すように、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを離したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する。この際、小役が入賞した場合には、図42(d)に示すように、ゲーム終了時から次ゲーム開始までの期間にわたりメダルの払出枚数を遊技補助表示器12に表示する。この際、ナビ報知では用いられていない赤色にてメダルの払出枚数が表示されることで、ナビ報知であるか、払出枚数であるか、を明確に区別できるようになっている。
尚、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを離したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する構成であるが、ゲーム開始(スタートスイッチ7が操作されたとき)から全リール停止(第3停止操作のストップスイッチを押下したとき)までの期間にわたりナビ報知を継続する構成でも良い。
一方、図42(a)〜(d)に示すように、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、図42(e)に示すように、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっている。
本実施例においてサブ制御部91は、入賞ラインLNにいずれかの役が揃って入賞した場合に、その旨を報知する入賞報知演出を実行可能である。
入賞報知演出では、入賞した役に応じて入賞ラインLN上に揃っている図柄(例えば、入賞ラインLNに同一の図柄が揃う中段ベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55、または無効ラインLM1〜LM4に揃っている指標図柄(例えば、入賞ラインLNに揃った図柄が同一の図柄とはならないが、無効ラインに揃った指標図柄が同一の図柄となる右下がりベル等が入賞した場合)の領域に対応するリールLED55の点灯態様を変化させるとともに、液晶表示器51に入賞した旨の画像を表示することにより役が入賞した旨が報知される。
尚、本実施例では、入賞報知演出として、リールLED55の点灯態様を変化させること、液晶表示器51の表示態様を変化させることにより役が入賞した旨を報知する演出を適用しているが、音声の出力、演出効果LED52等の他の演出装置により役が入賞した旨を報知する演出を適用しても良い。
サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイ以外の役が入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、通常状態であり、かつナビ報知が実行されない場合において昇格リプレイ、特殊リプレイ、転落リプレイ、赤7揃いリプレイ、赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイ、青7取りこぼしリプレイが入賞した場合、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しない。
例えば、図43(a)(b)に示すように、リプレイGR11〜16の当選時にナビ報知が実行され、報知された停止順で停止操作がされて特殊リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されるのに対して、図43(c)(d)に示すように、リプレイGR11〜16の当選時にナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて転落リプレイが入賞した場合には、入賞報知演出が実行されることがない。
以上説明したように、本実施例では、遊技の制御を行うメイン制御部41と演出の制御を行うサブ制御部91とを備える構成において、メイン制御部41が遊技補助表示器12により遊技者にとって有利となるリールの停止順を識別可能に報知させる制御、すなわちナビ報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できる。
また、遊技補助表示器12によるナビ報知において、例えば、中段ベルが入賞する押し順ベルの当選時と、特殊リプレイが入賞するリプレイGR11〜16の当選時と、で同じ停止順を識別可能に報知する場合でも、異なる点灯色にて報知されるので、ナビ報知により識別される停止順が同じであっても、その際の点灯色により報知された停止順に従って停止操作を行うことにより入賞する役を認識させることができる。
また、本実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知されるようになっており、サブ制御部91による液晶表示器51等を用いたナビ演出によって報知される停止順に着目させることができる。また、ナビ演出が機能しない場合でも、対応表等を用いることにより停止順を識別させることができる。即座に識別することが困難な報知態様とは、例えば、停止順等の操作態様に対応して定められた識別記号、識別番号等を報知するものが該当する。
尚、本実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であるが、後述の変形例にて説明するように、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作態様が報知される構成としても良い。
また、本実施例では、サブ制御部91が、メイン制御部41によりナビ報知が実行される場合に、液晶表示器51によりナビ報知よりも目立つ報知態様にてナビ報知にて報知される停止順を識別可能に報知させる制御を行うようになっており、液晶表示器51等の演出装置を用いることにより好適な態様にて遊技者にとって有利なリールの停止順を報知することができる。尚、ナビ報知よりも目立つ報知態様とは、ナビ報知が行われる遊技補助表示器12よりも大きい画面にてナビ演出が行われる報知態様、複数の演出装置にてナビ演出が行われる報知態様、即座に操作態様を把握できる報知態様などであれば良い。
また、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了するようになっており、報知された停止順とは異なる操作態様で停止操作されたときに、ナビ報知による報知は継続することで、その後も報知内容を確認できる一方で、ナビ報知よりも目立つ態様で報知される液晶表示器51による報知は終了するので、操作ミスをした場合に遊技者に対して煩わしい思いをさせてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成であるが、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作されたか否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良いし、メイン制御部41も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了し、サブ制御部91も、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ演出を終了する構成としても良いし、メイン制御部41は、ナビ報知に従った停止順で停止操作がされている限り、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ報知を継続するが、ナビ報知に従った停止順と一致しない停止順で停止操作がされた場合には、報知された停止順と一致しない停止操作がされた時点からナビ報知を終了する一方、サブ制御部91は、ナビ報知に従った停止順で停止操作された否かに関わらず、ゲーム開始から全リール停止までの期間にわたりナビ演出を継続する構成としても良い。
また、本実施例では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールのみ停止順が一致すれば、第2停止リール以降の停止順に関わらず、対象となる役が入賞することとなる。すなわち第2停止リール以降は、任意の停止順にて停止操作を行えば、対象となる役を入賞させることが可能となるため、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用している。一方で、サブ制御部91は、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順を抽選等により振り分け、振り分けた結果に基づいて、第1停止リールの停止順だけでなく、第2停止リール以降の停止順についてもナビ演出により報知するようになっており、メイン制御部41の負荷を増やすことなく、液晶表示器51等の演出装置により多彩な報知態様にて停止順の報知を行うことができる。
尚、本実施例では、メイン制御部41が行うナビ報知では、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、左中右及び左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右及び中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中及び右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様として、それぞれ共通の点灯態様を適用しているが、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において左中右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、左右中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中左右の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、中右左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右左中の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様、右中左の停止順を識別可能なセグメントの点灯態様をそれぞれ振り分けてナビ報知を行う構成としても良い。また、サブ制御部91が、押し順ベル当選時、リプレイGR11〜16の当選時、リプレイGR21〜23の当選時、リプレイGR24〜26の当選時において、第1停止リールの停止順のみナビ演出により報知する構成としても良い。
また、本実施例では、サブ制御部91は、役が入賞した際に、常に入賞報知演出を実行するのではなく、ナビ報知が実行され、報知された停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合に入賞報知演出を実行するのに対して、ナビ報知が実行され、報知された停止順以外の停止順に従って停止操作がされ、いずれかの役が入賞した場合には、入賞報知演出を実行しないようになっており、ナビ報知により停止順が報知され、報知された停止順以外の停止順で停止操作されていずれかの役が入賞した場合には入賞報知演出が実行されないことから、報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、図43(c)(d)で示す例では、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃わない構成であるが、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞する役が、一直線上に同一または類似の図柄が揃う構成、すなわち一見して入賞を把握することができる役である場合に、入賞報知演出を実行しないことにより、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、ナビ報知が実行されない場合に、入賞した場合には入賞報知演出が実行される役が、ナビ報知が実行されたにも関わらず、報知された停止順以外の停止順で停止操作がされて入賞した場合に、入賞報知演出が実行されないようにしても良く、このような構成とした場合でも、より効果的に報知された停止順を無視しても役が入賞することを遊技者に印象付けてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行っている。すなわちナビ報知に係る情報以外も表示可能な遊技補助表示器12を用いてナビ報知を行っているので、ナビ報知を行う報知手段を、ナビ報知だけでなく他の情報を報知する報知手段と共用することができる。
また、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12と共用する場合には、ナビ報知において表示される報知態様と、払出枚数の報知態様またはエラーコードの報知態様と、が異なる報知態様(例えば、表示色が異なる報知態様、表示内容が重複しない報知態様等)となることが好ましく、このようにすることで、遊技補助表示器12に表示されている報知内容を誤認してしまうことを防止できる。
また、例えば、ゲームの進行中にエラーが検知された場合に、遊技補助表示器12にエラーが検知された時点でエラーコードを表示するものの、ゲーム終了時までエラー状態には制御しない構成においては、ナビ報知の実行中にエラーが検知された場合に、エラーコードを表示せず、ナビ報知をゲーム終了時まで継続する構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、ナビ報知中のエラーにより報知された内容を確認できず、遊技者に不利益となってしまうことを防止できる。さらにこの場合には、ナビ報知で用いていないセグメント(例えば、表示器12Lの第8セグメント)を用いてエラーが検知されたことを報知することが好ましく、このようにすることで、ナビ報知を継続しつつ、エラーが検知されたことを認識させることができる。
尚、本実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であるが、クレジット表示器11、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16を用いてナビ報知を行う構成(例えば、1BETLED14の点灯で左リールの停止操作、2BETLED15の点灯で中リールの停止操作、3BETLED16の点灯で右リールの停止操作を指示するナビ報知等)としたり、後述する変形例で説明するように、専用の表示器にてナビ報知を行う構成としても良い。
本実施例では、ナビ報知により報知される操作態様として、リールの停止順、すなわち複数のリールに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによる複数の操作順のうちいずれかの操作順で操作する操作態様を適用しているが、複数の異なる操作タイミングのうちいずれかの操作タイミングで操作する操作態様、停止順と操作タイミングの組合せによる操作態様を適用しても良い。
また、本実施例では、ナビ報知により報知される特定の操作態様として複数の操作態様からランダムに決定された操作態様が報知される構成であるが、ナビ報知により報知される特定の操作態様は一律に固定された操作態様でも良い。
また、本実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であるが、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。また、後述する変形例で説明するように、表示内容が異なる報知とすることで、入賞する役も識別できる構成としても良い。特に、一方が点灯で他方が点滅による報知、点滅の切替速度が異なる報知、表示内容が異なる報知を適用する場合には、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、入賞する役を識別することができる。
また、本実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで導出されることとなる異なる役として、中段ベルと特殊リプレイ、中段リプレイ、赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイ、青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイ(押し順ベルとリプレイGR11〜16、リプレイGR21〜23、リプレイGR24〜26)、すなわち一方はメダルの払出を伴う小役、他方は再遊技の付与を伴う再遊技役であり、かつ遊技状態の移行を伴う役を適用しているが、特定の操作態様で操作された場合に、一方が一のラインに第1の図柄組合せが導出されるのに対して他方が一のラインに第1の図柄組合せとは異なる第2の図柄組合せが導出されるもの(例えば、「ベル−ベル−ベル」の組合せが揃うことで入賞する中段ベルと「ベル−リプレイa−リプレイa」の組合せが揃うことで入賞する昇格リプレイ等)、特定の操作態様で操作された場合に、一方が第1のラインに特定の図柄組合せが導出されるのに対して他方が第1のラインとは異なる第2のラインに特定の図柄組合せが導出されるもの(例えば、「リプレイa/リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが入賞ラインLNに揃う中段リプレイと「リプレイa/リプレイb−リプレイa−リプレイa」の組合せが無効ラインLM4に揃う右上がりリプレイ)、特定の操作態様で操作された場合に、一方が第1数のメダルの付与を伴う第1の小役が導出されるのに対して他方が第2数のメダルの付与を伴う第2の小役が導出されるもの、特定の操作態様で操作された場合に、一方が遊技状態の移行を伴う第1の再遊技役が導出されるのに対して他方が遊技状態の移行を伴わない第2の再遊技役が導出されるもの、特定の操作態様で操作された場合に、一方が第1数のメダルの付与を伴う第1の小役が導出されるのに対して他方が第2数のメダルの付与を伴う第2の小役が導出されるもの(例えば、8枚のメダルの払出を伴う中段ベルと1枚のメダルの払出を伴う角チェリー)、特定の操作態様で操作された場合に、一方がメダルの付与を伴う小役が導出されるのに対して他方が再遊技の付与を伴う再遊技役または遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの(例えば、メダルの付与を伴う中段ベルと再遊技の付与を伴う中段リプレイまたは遊技状態の移行を伴うBB)、特定の操作態様で操作された場合に、一方が再遊技の付与を伴う再遊技役が導出されるのに対して他方が遊技状態の移行を伴う特別役が導出されるもの、特定の操作態様で操作された場合に、一方が第1の遊技状態への移行を伴う第1の特別役が導出されるのに対して他方が第1の遊技状態とは異なる第2の遊技状態への移行を伴う第2の特別役が導出されるもの(例えば、BBへの移行を伴うBBとRBへの移行を伴うRB)、これらの組合せなどが該当する。また、遊技状態の移行を伴う役は、特別役に限られず、小役、再遊技役、ハズレのうちの特定役を適用しても良い。
また、本実施例では、ナビ報知が行われることで、遊技者にとって有利な操作態様が識別可能となる構成であるが、内部抽選の結果(内部当選フラグの当選状況)が識別可能に表示される構成(例えば、当選役毎に割り当てられた、2進数、10進数、16進数等の番号が表示される構成等)であっても良く、このような構成とすることで、例えば、試射試験等を行う場合に、各ゲームにおける内部抽選の結果を把握することが可能となる。
また、このような構成においては、試射試験等、遊技者に積極的に認識させるものではないことから、前面扉1bの内側に設けられた表示器(例えば、設定値表示器24等)や筐体1a内に設けられた表示器に表示されることが好ましい。また、遊技者から見える表示器(遊技補助表示器12等)を用いる場合には、遊技者が即座に認識できない態様で表示されることが好ましい。
次に、ナビ報知の変形例1〜5について説明する。
上記実施例では、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せは同じであるが、点灯色が異なることで、入賞する役も識別できる構成であった。
これに対して変形例1では、遊技補助表示器12のナビ報知にて停止順を識別可能に点灯するセグメントの組合せが異なることで、入賞する役も識別できるようになっている。
詳しくは、ナビ報知における遊技補助表示器の点灯態様が、図44に示すように、報知される停止順(中左右、中右左、右左中、右中左、左−−(左第1停止)、−中−(中第1停止)、−−右(右第1停止))及びナビ報知の対象役の種類毎に点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せから停止順及び報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役も識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、当選役が異なり、報知された停止順に従った停止操作を行うことで入賞する役が異なるが、対象となる役を入賞させる停止順が同一となる場合に、単色表示の表示器を用いてナビ報知を行っても、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別することができる。
尚、変形例1では、停止順及びナビ報知の対象役に対応して点灯するセグメントの組合せが、停止順やナビ報知の対象役を直接的に想起するようなものではなく、点灯するセグメントの組合せから即座に停止順を識別することが困難なものであり、対応表等がなければ容易に識別できないものであるが、後述のようにナビ報知において報知された停止順及びナビ報知の対象役を即座に識別することが可能な報知態様で操作態様及び報知の対象役が報知される構成としても良い。
上記実施例では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが困難な報知態様で停止順が報知される構成であった。
これに対して変形例2、3では、ナビ報知において報知された停止順を即座に識別することが可能な報知態様で操作態様が報知される。
変形例2では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図45及び図46に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す文字(左リールがL、中リールがC、右リールがr)となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す文字となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す文字となる。例えば、中左右の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、C→L→rの順番で切り替わる。また、左−−(第1停止リールが左、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)の停止順を報知する場合には、表示器12Rの点灯態様が、L→−→−の順番で切り替わる。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12の表示器12Rにより第1期間、第2期間、第3期間に表される文字によってリールの停止順を識別できるようになっている。
また、第1期間から第3期間のいずれの期間においても、表示器12Lには、ナビ報知の対象役を示す番号(押し順ベルが1、リプレイGR1〜6が2、リプレイGR11〜16で中段リプレイの停止順が報知される場合が3、リプレイGR11〜16で特殊リプレイの停止順が報知される場合が4、リプレイGR21〜23で赤7揃いリプレイまたは赤7取りこぼしリプレイが報知される場合が5、リプレイGR24〜26で青7揃いリプレイまたは青7取りこぼしリプレイが報知される場合が6)が表示されるようになっており、第1期間から第3期間において表示器12Lに表示された番号から、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役が識別できるようになっている。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順及び入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作態様が報知されるので、例えば、液晶表示器51等の演出装置が機能しない場合でも、対応表等を用いることなく操作態様や入賞する役を認識させることができる。
変形例3では、ナビ報知における遊技補助表示器12の点灯態様が、図47に示すように、リール回転開始から第1停止までの第1期間、第1停止から第2停止までの第2期間、第2停止から第3停止までの第3期間の各期間毎に変化する。第1期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第1停止リールに該当するリールを示す番号(左リールが1、中リールが2、右リールが3)となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第1停止リールを停止させる目安となる停止位置(いわゆる目押しすべき位置)を示す番号(図柄番号、ただし任意の停止位置で良い場合には99とする)となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第2期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第2停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第2停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となり、第3期間における点灯態様は、表示器12Lの点灯態様がナビ報知の対象役の種類を示す番号となり、表示器12Rの点灯態様が第3停止リールに該当するリールを示す番号となる第1の状態と、表示器12L及び表示器12Rの点灯態様が第3停止リールを停止させる目安となる停止位置を示す番号となる第2の状態と、が一定時間毎に切り替わる点灯態様となる。例えば、リプレイGR21当選時に赤7揃いリプレイを入賞させる停止順を報知するナビ報知において、左−−(第1停止リールが左リールで、第2停止リール、第3停止リールは任意の場合)で、全てのリールに停止させる目安となる停止位置として「赤7」が指定される場合には、第1期間においてリプレイGR21〜23の当選及び左リールの停止操作を示す51と左リールの赤7の図柄番号を示す20とが交互に表示され、第2期間においてリプレイGR21〜23の当選及び中リール及び右リールのうちより左側に位置する中リールの停止操作を示す52と中リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示され、第3期間においてリプレイGR21〜23の当選及び右リールの停止操作を示す53と右リールの赤7の図柄番号を示す18とが交互に表示される。これにより、ナビ報知における遊技補助表示器12により第1期間、第2期間、第3期間に表される交互に表示される番号によってリールの停止順及び停止操作の目安となる停止位置、報知された停止順に従って停止操作がされることで入賞する役を識別できるようになっている。
停止させる目安となる停止位置とは、例えば、遊技者にとって有利となる停止位置が複数存在する場合に、そのうちの最も狙いやすい図柄(「赤7」、「青7」、「BAR」のように他の図柄よりも大きい図柄、他の図柄の色彩に比較して識別し易い色彩の図柄、透かしを有し、リールLED55の点灯により発行して見える図柄など)、遊技者にとって有利となる停止位置が狙いにくい図柄であれば、その近辺の狙いやすい図柄等が該当する。
また、上記のように停止させる目安となる停止位置が図柄番号で報知される場合には、遊技者の操作により液晶表示器51に表示されるメニュー画面等において、図柄配列と図柄番号と、の関係を確認できる構成とすることが好ましい。
このような構成とすることにより、ナビ報知において報知された停止順や停止操作の目安となる停止位置、入賞する役を即座に識別することが可能な報知態様で操作態様が報知されるので、例えば、液晶表示器51等の演出装置が機能しない場合でも、対応表等を用いることなく操作態様や入賞する役を認識させることができる。
尚、即座に識別することが可能な報知態様は、変形例2、3で説明したものに限らず、例えば、報知手順を文字、操作すべき導出操作手段に対応する番号、頭文字、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄番号、リールを停止させる際のタイミングの目安となる図柄、その図柄を示す文字、頭文字、その図柄の色等(例えば、赤7の場合にr7、青7の場合にb7等)を報知するものであれば良い。
上記実施例では、ナビ報知を、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードが表示される遊技補助表示器12を用いて行う構成であった。
これに対して変形例4、5では、専用の表示器にてナビ報知を行うようになっている。
変形例4では、ナビ報知を行うために、図48(a)に示すように、8のセグメントを有する5桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの2桁の表示器において上述の第1期間、第2期間、第3期間においてそれぞれ停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作態様を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
変形例5では、ナビ報知を行うために、図48(b)に示すように、8のセグメントを有する9桁の表示器を専用に設けたものであり、いずれか3桁の表示器において左リール、中リール、右リールの停止順が報知され、残りの6桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において左リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの4桁の表示器のうちいずれか2桁の表示器において中リールの停止操作の目安となる停止位置が報知され、残りの2桁の表示器において右リールの停止操作の目安となる停止位置が報知されることで操作態様を識別できるようになっている。また、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
このようにナビ報知を行うために、専用の表示器を用いることにより、操作態様や入賞する役等の情報をより分かりやすく報知することが可能となる。
尚、変形例4、5では、全ての表示器について専用の表示器を設ける構成であるが、一部については、他の情報を報知する表示器と併用する構成としても良い。
また、変形例4、5では、8のセグメントを有する表示器を適用しているが、例えば、左リール、中リール、右リールに対応する3つのLEDを設けて、停止時期毎に対応するLEDを点灯することにより停止順を識別可能となる構成としても良い。この場合にも、ナビ報知の対象役は、表示色、表示/非表示の切替の有無、表示/非表示の切替速度等により識別可能となる。
上記実施例及び変形例では、ナビ報知によりリールの操作態様に加え、報知された操作態様に従って停止操作を行うことにより入賞する役も識別可能となる構成であったが、ナビ報知により少なくともリールの操作態様が識別可能となる構成、例えば、内部抽選結果、入賞する役の種類に関わらず、ナビ報知によりリールの停止順を表示器に表示させることでリールの操作態様を識別可能に報知する構成としても良く、このような構成であれば、例えば、単色または少ない表示色の表示器でも複数の当選役に対応するリールの操作態様を識別可能に報知することができる。
上記実施例では、メイン制御部41が行う操作態様を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて遊技者にとって有利となる停止順を報知するナビ報知について説明しているが、操作態様を識別可能な報知として、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作態様を識別可能となる構成としても良い。
役報知では、図49に示すように、遊技補助表示器12の点灯態様として、内部抽選結果、またはその組合せに応じて、点灯するセグメントの組合せが異なることで、点灯中のセグメントの組合せからリールの操作態様及び入賞し得る役が識別できるようになっている。
例えば、遊技補助表示器12に1Aと表示されている場合には、共通ベルが当選していることが識別され、これにより、どの停止順、かつどのタイミングで停止操作を行っても遊技者の有利度に影響しないことから、任意の停止順、任意のタイミングでの停止操作を識別でき、中段ベルまたは右下がりベルが入賞し得る役として識別できるようになっている。
また、遊技補助表示器12に2Fと表示されている場合には、スイカ、強チェリーまたは弱チェリーのいずれかが当選していることが識別され、これにより、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーを入賞させるためには、引込範囲内での停止操作を必要とすることから、左リールについては、「スイカ」及び「チェリー」の引込範囲、中リール及び右リールについては、「スイカ」の引込範囲となるタイミングでの停止操作を識別でき、中段スイカ、右下がりスイカ、中段チェリーまたは角チェリーが入賞し得る役として識別できるようになっている。
このように、メイン制御部41が、内部抽選結果に応じて入賞し得る役を識別可能に報知する役報知を実行し、報知内容から操作態様及び入賞し得る役を識別可能となる構成とした場合においても、メイン制御部41が遊技補助表示器12によりリールの操作態様を識別可能に報知させる制御、すなわち役報知を行う制御を行うため、サブ制御部91側に異常が生じても遊技者の有利度に影響を与えてしまうことを防止できるとともに、遊技補助表示器12による役報知において、例えば、中段ベルまたは右下がりベルが入賞し得る共通ベルの当選時と、中段リプレイ、昇格リプレイが入賞し得るリプレイGR1〜6の当選時と、で同じ操作態様を識別可能に報知する場合でも、異なる報知態様にて報知されるので、役報知により識別される操作態様が同じであっても、その際の報知態様の違いにより、報知された操作態様に従って停止操作を行うことにより入賞し得る役を認識させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。
前記実施例では、遊技機としてのスロットマシンを適用しているが、遊技機は、スロットマシン1に限らず、遊技球を用いるパチンコ遊技機等、スロットマシン以外の遊技機において、本発明の構成、特には、遊技プログラム及び非遊技プログラムを実行可能であり、上記で説明したRAM41cの初期化、起動時のRAM異常の判定、非遊技プログラムを呼び出す際の構成を適用しても良い。