JP2017034057A - 圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール及び電子機器 - Google Patents

圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブル基板の共通化を図れる圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール及び電子機器を提供する。【解決手段】超音波デバイス4は、第1方向に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー列DL1〜DL8と、複数の超音波トランスデューサー列DL1〜DL8のそれぞれに接続され、第1方向に交差する第2方向に沿い、かつ当該第2方向の一端側に位置する第1コモン端子CA1〜CA8と、他端側に位置する第2コモン端子CB1〜CB8と、上記超音波トランスデューサー列DL1〜DL8に接続され、上記一端側に引き出された第1信号端子SA1〜SA8と、上記他端側に引き出された第2信号端子SB1〜SB2と、を備える。各コモン端子CA1〜CA8及び信号端子SA1〜SA8の配置順、及び、各コモン端子CB1〜CB8及び信号端子SB1〜SB8の配置順は、仮想線L1を境に逆順となる。【選択図】図4

Description

本発明は、圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール及び電子機器に関する。
従来、複数の圧電素子を含む圧電デバイスを備え、当該圧電デバイスを、超音波を送受信する超音波デバイスや、当該超音波デバイスを備える超音波測定装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の超音波デバイスは、複数の超音波トランスデューサーがスライス方向に沿って配列されて超音波トランスデューサー列を構成し、当該超音波トランスデューサー列が、スライス方向に交差するスキャン方向に沿って配置されることで、一次アレイ構造に構成されている。
また、各超音波トランスデューサー列は、それぞれ、超音波トランスデューサーにコモン電圧を印加するコモン電極線と、駆動信号に応じた電圧を印加する信号電極線と、がスライス方向に沿って設けられる。これらのコモン電極線及び信号電極線は、スキャン方向に沿って交互に配置される。また、これらのコモン電極線及び信号電極線は、スライス方向の両側において、それぞれフレキシブル基板に接続される。すなわち、超音波デバイスは、2つのフレキシブル基板を介して、処理装置に接続されている。
このように、各電極線の両側にフレキシブル基板に接続することにより、片側にのみフレキシブル基板を設ける構成と比べて、電極線の抵抗によるスライス方向に沿った特性差異を低減できる。
特開2014−161707号公報
ところで、上述の超音波デバイスでは、スキャン方向に沿ってコモン電極線及び信号電極線が交互に配置されているため、スライス方向の一端側に配置されるコモン電極及び信号電極の配列順と、他端側コモン電極及び信号電極の配列順とが逆になる。例えば、一端側において偶数番目にコモン電極が位置し、奇数番目に信号電極が位置する場合、他端側において、偶数番目に信号電極が位置し、奇数番目にコモン電極が位置することとなる。
一方、フレキシブル基板においても、信号電極に接続するための信号線と、コモン電極に接続するための信号線とがそれぞれ異なる線で構成する場合がある。例えば、フレキシブル基板において、各コモン電極線に接続される信号線同士を結線して1つの信号線に集約する場合や、コモン電極に接続される信号線と、信号電極に接続される信号線とにおいて、それぞれ異なる電気抵抗値の信号線を用いる場合等が例示できる。このような場合では、スライス方向の一端側のコモン電極及び信号電極の配置順に対応したフレキシブル基板と、他端側コモン電極及び信号電極の配置順に対応したフレキシブル基板と、をそれぞれ用意する必要があった。つまり、フレキシブル基板を共通化することができず、超音波測定装置の製造コストの増大や製造効率の低下といった課題があった。
本発明は、フレキシブル基板の共通化を図れる圧電デバイス、超音波デバイス、圧電モジュール及び電子機器を提供することを目的の一つとする。
本発明の一適用例に係る圧電デバイスは、第1方向に沿って配置される複数の圧電素子部と、複数の前記圧電素子部のそれぞれに接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第1端子と、複数の前記圧電素子部のそれぞれに接続され、前記第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第2端子と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子の配置順は、前記第2方向に沿う仮想線を境にして逆順となることを特徴とする。
本適用例に係る圧電デバイスでは、第1端子及び第2端子の配置順が、第2方向に沿う仮想線を境に逆順となる。このような構成では、第1方向の一端側と他端側とで、各端子の配置位置を適宜設定することにより、第1方向の一端側における各端子の配置順に対応した信号線が設けられているフレキシブル基板を、第1方向の他端側においても用いることができる。従って、各端子の配置が、仮想線を境に逆順になっておらず、第1方向における一端側と他端側とで異なるフレキシブル基板を用いる場合と比べて、当該圧電デバイスを備える電子機器を製造する際のコストの増大や、製造効率の低下を抑制できる。
本適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第2方向に沿う仮想線に対して線対称となる位置に配置されることが好ましい。
本適用例に係る圧電デバイスでは、第1端子及び第2端子が、第2方向に沿う仮想線に対して線対称となる位置に配置される。すなわち、第1方向において仮想線を挟む一方の側と、他方の側とで、各端子の配置位置が、当該仮想線に対して線対称の関係を有する。
このような構成では、上述のように第1方向の一端側の端子と、他端側の端子に対して、同一のフレキシブル基板を接続させることができる。従って、上述のように、第1方向における一端側と他端側とで異なるフレキシブル基板を用いる場合と比べて、当該圧電デバイスを備える電子機器を製造する際のコストの増大や、製造効率の低下を抑制できる。
本適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記仮想線上に前記第2方向に沿って配置され、前記圧電素子部から離間し、所定の基準電位が印加される第1電極線が配置されていることが好ましい。
本適用例に係る圧電デバイスでは、仮想線上に基準電位が印加される第1電極線が配置される。
このような構成では、仮想線を挟むように位置する2つの圧電素子部の間に、第1電極線が配置される。このため、上記2つの圧電素子部の間での電気的クロストークの発生を抑制できる。
本適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記第1端子は、複数の前記圧電素子部に対して基準電位を印加するコモン電極であり、前記第1方向において隣り合う2つの前記圧電素子部の間に配置され、当該2つの前記圧電素子部に接続されていることが好ましい。
本適用例に係る圧電デバイスでは、第1端子は、基準電位が印加されるコモン電極であり、隣り合う2つの圧電素子部の間に配置され、当該2つの圧電素子部に接続されている。
このような構成では、第1端子は、2つの圧電素子部に共有される。すなわち、1つの圧電素子部は、2つの第1端子に連結し、コモン電圧が印加される。従って、一方の第1端子に劣化や断線等の不具合が発生したとしても、他方の第1端子によってコモン電圧を印加することができる。
また、このような構成では、第2端子には、圧電素子部を駆動するための駆動電圧が印加される。この第2端子は、2つの第1端子の間、すなわち、第1端子よりも圧電素子部に近い位置に配置される。従って、第2端子の長さを短くすることができ、第2端子の内部抵抗による電圧降下の影響を抑制でき、第2方向に沿った圧電素子部内における駆動電圧の変化を抑制できる。
本適用例に係る圧電デバイスにおいて、前記圧電素子部は、前記第1方向に沿って奇数個設けられ、複数の前記第2端子の一つは、前記仮想線上に設けられることが好ましい。
本適用例に係る圧電デバイスでは、奇数個の圧電素子部が第1方向に沿って配置され、第2端子の1つが仮想線上に設けられる。
このような構成では、仮想線上の第2端子を中心として線対称となる位置に第1端子及び第2端子を配置できる。
本発明の一適用例に係る超音波デバイスは、第1方向に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー部と、複数の前記超音波トランスデューサー部のそれぞれに接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第1端子と、複数の前記超音波トランスデューサー部のそれぞれに接続され、前記第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第2端子と、を備え、前記第1端子及び前記第2端子の配置順は、前記第2方向に沿う仮想線を境にして逆順となることを特徴とする。
本適用例に係る超音波デバイスでは、上記適用例の圧電デバイスと同様に、第1端子及び第2端子の配置順が、仮想線を境に逆順となる。
このような構成では、各端子の位置を適宜設定することにより、第1方向における一端側と他端側とにおいて接続されるフレキシブル基板を共通化でき、例えば第1方向における一端側と他端側とで異なるフレキシブル基板を用いる場合と比べて、当該超音波デバイスを備える電子機器を製造する際のコストの増大や、製造効率の低下を抑制できる。
本適用例に係る超音波デバイスにおいて、前記第1端子及び前記第2端子は、前記第2方向に沿う仮想線に対して線対称となる位置に配置されることが好ましい。
本適用例に係る超音波デバイスでは、上記適用例の圧電デバイスと同様に、第1端子及び第2端子が、仮想線に対して線対称となる位置に配置される。
これにより、第1方向における一端側と他端側とにおいて接続されるフレキシブル基板を共通化でき、例えば第1方向における一端側と他端側とで異なるフレキシブル基板を用いる場合と比べて、当該超音波デバイスを備える電子機器を製造する際のコストの増大や、製造効率の低下を抑制できる。
本適用例に係る超音波デバイスにおいて、複数の前記超音波トランスデューサー部は、超音波を送信する送信用素子部と、超音波を受信する受信用素子部と、を有し、前記送信用素子部及び前記受信用素子部は、前記仮想線に対して線対称となる位置に配置されることが好ましい。
本適用例に係る超音波デバイスでは、送信用素子部と受信用素子部とが、それぞれ仮想線に対して対称となる位置に配置される。
このような構成では、フレキシブル基板を超音波デバイスに接続する際に、第1方向における一端側において送信用素子部に接続したフレキシブル基板の信号線を、他端側において、送信用素子部に接続することができる。受信用素子部についても同様である。従って、送信用素子部と受信用素子部とを別々に設ける場合でも、第1方向における一端側と他端側とに同じフレキシブル基板を接続させることができる。
本発明の一適用例に係る圧電モジュールは、前記第2方向の一方側において、前記第1端子及び前記第2端子のそれぞれに接続する第1フレキシブル基板と、前記第2方向の他方側において、前記第1端子及び前記第2端子のそれぞれに接続する第2フレキシブル基板と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上記適用例の圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
本発明の一適用例に係る圧電モジュールにおいて、前記第1端子は、複数の前記圧電素子部に対して基準電位を印加するコモン電極であり、前記第1フレキシブル基板及び前記第2フレキシブル基板は、複数の前記第1端子のそれぞれに接続される第1信号線を有し、複数の前記第1信号線は、互いに電気的に接続されていることが好ましい。
本発明の一適用例に係る圧電モジュールでは、第1フレキシブル基板及び第2フレキシブル基板は、基準電位が印加される複数の第1端子(コモン電極)のそれぞれに接続される第1信号線を有し、これらの複数の信号線は、互いに接続されている。この互いに接続された第1信号線は、例えば共通の端子を介して基準電位が印加される。このように、基準電位印加用の信号線が内部で連結される第1フレキシブル基板及び第2フレキシブル基板を用いた場合でも、第1フレキシブル基板及び第2フレキシブル基板として同一の構成を有するフレキシブル基板を用いることができる。
本発明の一適用例に係る電子機器は、上記適用例に係る圧電デバイスと、前記圧電デバイスを制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本適用例では、上記適用例の圧電デバイスと同様の効果を得ることができる。
本発明の第一実施形態に係る超音波測定装置の概略構成を示す斜視図。 本実施形態の超音波測定装置の概略構成を示すブロック図。 本実施形態の超音波プローブの概略構成を示す断面図。 本実施形態の超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 本実施形態の超音波デバイスの概略構成を示す断面図。 本実施形態の超音波センサーの要部の概略構成を示す平面図。 第一実施形態の一変形例に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 本発明の第二実施形態に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 本発明の第三実施形態に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 第三実施形態の一変形例に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。 本発明の第四実施形態に係る超音波センサーの要部の概略構成を示す平面図。 第四実施形態の一変形例に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態の電子機器としての超音波測定装置について、図面に基づいて説明する。
[超音波測定装置の構成]
図1は、本実施形態の超音波測定装置1の概略構成を示す斜視図である。図2は、超音波測定装置1の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の超音波測定装置1は、図1に示すように、超音波プローブ2と、超音波プローブ2にケーブル3を介して電気的に接続された制御装置10と、を備えている。制御装置10は、本発明の制御部に相当する。
この超音波測定装置1は、超音波プローブ2を生体(例えば人体)の表面に当接させ、超音波プローブ2から生体内に超音波を送出する。また、生体内の器官にて反射された超音波を超音波プローブ2にて受信し、その受信信号に基づいて、例えば生体内の内部断層画像を取得したり、生体内の器官の状態(例えば血流等)を測定したりする。
[超音波プローブの構成]
図3は、図1のA−A線で切断した超音波プローブ2の概略構成を示す断面図である。
超音波プローブ2は、筐体21と、超音波センサー22と、を備える。
[筐体の構成]
筐体21は、図1示すように、平面視矩形状の箱状に形成され、厚み方向に直交する一面(センサー面21A)には、センサー窓21Bが設けられており、超音波センサー22の一部(後述する音響レンズ8)が露出している。また、筐体21の一部(図1に示す例では側面)には、ケーブル3の通過孔21Cが設けられ、筐体21の内部に挿入される。このケーブル3は、図示を省略するが、筐体21の内部にて超音波センサー22(後述する回路基板7)に接続されている。また、ケーブル3と通過孔21Cとの隙間は、例えば樹脂材等が充填されることで、防水性が確保されている。
なお、本実施形態では、ケーブル3を用いて、超音波プローブ2と制御装置10とが接続される構成例を示すが、これに限定されず、例えば超音波プローブ2と制御装置10とが無線通信により接続されていてもよく、超音波プローブ2内に制御装置10の各種構成が設けられていてもよい。
[超音波センサーの構成]
超音波センサー22は、図3に示すように、超音波デバイス4と、フレキシブル基板6と、回路基板7と、音響レンズ8と、を備える。後述するが、回路基板7には、超音波デバイス4を制御するためのドライバ回路等が設けられており、超音波デバイス4は、フレキシブル基板6を介して回路基板7に電気的に接続される。この超音波デバイス4の超音波送受信側の面に、音響レンズ8が配置される。この超音波センサー22は、音響レンズ8が露出するように筐体21に収納され、露出部分から超音波を対象に送出し、対象からの反射波を受信する。なお、本発明の圧電モジュールは、超音波デバイス4と、フレキシブル基板6と、を含み構成される。
[超音波デバイスの構成]
図4は、超音波デバイス4を音響レンズ8側から見た際の概略構成を示す平面図である。図5は、図4におけるB−B線で切断した超音波デバイス4の断面図である。
以下の説明では、後述するように一次アレイ構造を有する超音波デバイス4のスキャン方向(第1方向)をX方向とし、スキャン方向に直交するスライス方向(第2方向)をY方向とする。
超音波デバイス4は、素子基板41と、超音波トランスデューサー51と、信号電極線SL1〜SL8と、コモン電極線CL1〜CL8と、第1信号端子SA1〜SA8と、第2信号端子SB1〜SB8と、第1コモン端子CA1〜CA8と、第2コモン端子CB1〜CB8と、を備える。なお、コモン電極線CL1〜CL8、第1コモン端子CA1〜CA8、及び第2コモン端子CB1〜CB8は、本発明の第1端子に相当する。また、信号電極線SL1〜SL8、第1信号端子SA1〜SA8、及び第2信号端子SB1〜SB8は、本発明の第2端子に相当する。
本実施形態の超音波デバイス4では、複数の超音波トランスデューサー51が、素子基板41上の互いに直交するXY方向に沿ってマトリクス状に配置され、超音波トランスデューサーアレイ50が構成される。超音波トランスデューサーアレイ50は、X方向をスキャン方向とする一次アレイ構造を有する。すなわち、超音波トランスデューサーアレイ50は、X方向であるスキャン方向に略等間隔に配置される複数の超音波トランスデューサー列DL1〜DL8を有する(本実施形態では8列を例示)。各超音波トランスデューサー列DL1〜DL8は、Y方向であるスライス方向に沿って略等間隔に配置された複数の超音波トランスデューサー51(本実施形態では8個を例示)を有する。そして、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8のそれぞれが、一次アレイ構造における1つの送受信チャンネルとして機能する。各超音波トランスデューサー列DL1〜DL8は、本発明の圧電素子部及び超音波トランスデューサー部に相当する。
なお、以下の説明では、超音波トランスデューサーアレイ50が設けられる領域を、以降、アレイ領域Ar1とも称する。また、一次アレイを構成する各チャンネルのそれぞれを、−X側から+X側に向かって、CH1〜CH8とも表記する。
なお、本実施形態では、マトリクス状に配置された64個の超音波トランスデューサー51によって8チャンネルの一次アレイ構造が構成されているが、超音波トランスデューサー51の個数や、チャンネル数はこれに限定されない。例えば、64チャンネルや256チャンネル等のチャンネル数を有する一次アレイ構造を採用してもよい。
(素子基板の構成)
素子基板41は、図5に示すように、基板本体部411と、基板本体部411に積層された振動膜412と、振動膜412に積層された圧電素子413と、を備えている。ここで、振動膜412及び圧電素子413により、超音波トランスデューサー51が構成されている。
基板本体部411は、例えばSi等の半導体基板である。この基板本体部411のアレイ領域Ar1内には、各々の超音波トランスデューサー51に対応した開口部411Aが設けられている。また、各開口部411Aは、基板本体部411の背面41A側に設けられた振動膜412により閉塞されている。
振動膜412は、例えばSiOや、SiO及びZrOの積層体等より構成され、基板本体部411の背面41A側全体を覆って設けられている。この振動膜412の厚み寸法は、基板本体部411に対して十分小さい厚み寸法となる。基板本体部411をSiにより構成し、振動膜412をSiOにより構成する場合、例えば基板本体部411の背面41A側を酸化処理することで、所望の厚み寸法の振動膜412を容易に形成することが可能となる。また、この場合、SiOの振動膜412をエッチングストッパとして基板本体部411をエッチング処理することで、容易に前記開口部411Aを形成することが可能となる。
(超音波トランスデューサーの構成)
超音波トランスデューサー51は、図5に示すように、振動膜412と、圧電素子413とを含み構成される。
圧電素子413は、下部電極414、圧電膜415、及び上部電極416の積層体であり、図5に示すように、各開口部411Aを閉塞する振動膜412上に設けられる。
この超音波トランスデューサー51は、上述のように、素子基板41上にマトリクス状に配置され、一次アレイ構造を有する超音波トランスデューサーアレイ50が構成される(図4参照)。超音波トランスデューサーアレイ50に含まれる超音波トランスデューサー列DL1〜DL8は、一次アレイを構成する各チャンネルCH1〜CH8のそれぞれに対応する。
このような超音波トランスデューサー51では、下部電極414及び上部電極416の間に所定周波数の矩形波電圧が印加されることで、開口部411Aの開口領域内の振動膜412を振動させて超音波を送出できる。また、対象物から反射された超音波により振動膜412が振動されると、圧電膜415の上下で電位差が発生する。従って、下部電極414及び上部電極416間に発生する前記電位差を検出することで、受信した超音波を検出することが可能となる。
超音波トランスデューサー51を構成する下部電極414は、Y方向に沿う直線状に形成され、各超音波トランスデューサー列DL1〜DL8において、複数の超音波トランスデューサー51に跨って設けられる。従って、Y方向に並ぶ超音波トランスデューサー51では、下部電極414は同電位となる。
この下部電極414は、下部電極本体414Aと、下部電極線414Bと、を有し、後述するように信号電極線SL1〜SL8によって、対応する第1信号端子SA1〜SA8及び第2信号端子SB1〜SB8に接続され、駆動電圧が印加される。
下部電極本体414Aは、圧電膜415と振動膜412との間に位置し、超音波トランスデューサー51のそれぞれに設けられる。
下部電極線414Bは、隣り合う下部電極本体414Aを連結する。
一方、上部電極416は、上部電極本体416A(図5参照)と、上部電極線416B(図4参照)と、を有し、後述するようにコモン電極線CL1〜CL8によって、対応する第1コモン端子CA1〜CA8及び第2コモン端子CB1〜CB8に接続され、コモン電圧が印加され基準電位に設定される。
上部電極本体416Aは、圧電膜415上に積層され、超音波トランスデューサー51のそれぞれに設けられる。
上部電極線416Bは、上部電極本体416Aと、当該上部電極本体416Aが属するチャンネルに対応するコモン電極線CL1〜CL8と、を連結する。
(電極線及び端子の構成)
信号電極線SL1〜SL8は、図4に示すように、対応するチャンネルの超音波トランスデューサー列DL1〜DL8におけるY方向の両端から、素子基板41の基板外周部に向かって、Y方向に沿って設けられる。
すなわち、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の+Y側に設けられる信号電極線SL1〜SL8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の+Y側に位置する超音波トランスデューサー51の下部電極本体414Aと、対応する第1信号端子SA1〜SA8とをそれぞれ連結する。
同様に、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の−Y側に設けられる信号電極線SL1〜SL8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の−Y側に位置する超音波トランスデューサー51の下部電極本体414Aと、対応する第2信号端子SB1〜SB8とをそれぞれ連結する。
第1信号端子SA1〜SA8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の+Y側における素子基板41の基板外周部に、X方向に沿って配置される。この第1信号端子SA1〜SA8は、フレキシブル基板6によって、回路基板7側に設けられた対応する信号端子に連結される。
第2信号端子SB1〜SB8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の−Y側における素子基板41の基板外周部に、X方向に沿って配置される。この第2信号端子SB1〜SB8は、フレキシブル基板6によって、回路基板側に設けられた対応する信号端子に連結される。
コモン電極線CL1〜CL8は、各超音波トランスデューサー列DL1〜DL8に沿って、すなわちY方向に沿って設けられ、+Y側で第1コモン端子CA1〜CA8に連結し、−Y側で第2コモン端子CB1〜CB8に連結する。
本実施形態では、1CH〜4CHに対応するコモン電極線CL1〜CL4は、同一のチャンネルに属する超音波トランスデューサー列DL1〜DL4の−X側に配置される。一方、5CH〜8CHに対応するコモン電極線CL5〜CL8は、同一のチャンネルに属する超音波トランスデューサー列DL5〜DL8の+X側に配置される。
第1コモン端子CA1〜CA8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の+Y側における素子基板41の基板外周部に、X方向に沿って配置される。この第1コモン端子CA1〜CA8は、フレキシブル基板6によって、回路基板側に設けられた対応する信号端子に連結される。
第2コモン端子CB1〜CB8は、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8の−Y側における素子基板41の基板外周部に、X方向に沿って配置される。この第2コモン端子CB1〜CB8は、フレキシブル基板6によって、回路基板側に設けられた対応する信号端子に連結される。
(各配線及び端子の配置位置の対称性)
ここで、図4に示すように、各信号電極線SL1〜SL8と、各コモン電極線CL1〜CL8とは、アレイ領域Ar1の中心を通り、Y軸に平行な仮想線L1に対して線対称の関係となる位置に配置される。
すなわち、仮想線L1よりも−X側に位置する(1CH〜4CHに対応する)コモン電極線CL1〜CL4は、同一のチャンネルに属する各信号電極線SL1〜SL4よりも−X側に位置する。一方、仮想線L1よりも+X側に位置する(5CH〜8CHに対応する)コモン電極線CL5〜CL8は、同一のチャンネルに属する各信号電極線SL5〜SL8よりも+X側に位置する。
そして、信号電極線SL1+kと信号電極線SL8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される(但し、k=0〜3)。また、各コモン電極線CL1〜CL8も同様であり、コモン電極線CL1+kとコモン電極線CL8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される。
また、第1信号端子SA1〜SA8と、第1コモン端子CA1〜CA8とも、同様に、仮想線L1に対して線対称の関係となる位置に配置される。
すなわち、仮想線L1よりも−X側に位置する第1コモン端子CA1〜CA4は、同一のチャンネルに属する第1信号端子SA1〜SA4の−X側に配置される。また、仮想線L1よりも+X側に位置する第1コモン端子CA5〜CA8は、同一のチャンネルに属する第1信号端子SA5〜SA8の+X側に配置される。
そして、第1信号端子SA1+kと第1信号端子SA8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される。また、第1コモン端子CA1〜CA8も同様であり、第1コモン端子CA1+kと第1コモン端子CA8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される。
また、第2信号端子SB1〜SB8と、第2コモン端子CB1〜CB8とも、同様である。すなわち、第2信号端子SB1+kと第1信号端子SB8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される。また、第2コモン端子CB1〜CB8も同様であり、第2コモン端子CB1+kと第2コモン端子CB8−kとが、仮想線L1に対して線対称の位置に配置される。
[フレキシブル基板の構成]
図6は、超音波センサー22の要部の概略構成を示す平面図である。
フレキシブル基板6は、複数の信号線を有し、当該信号線を介して超音波デバイス4と回路基板7とを接続する。
ここで、フレキシブル基板6のうち、図6に示す超音波デバイス4の+Y側に位置する第1信号端子SA1〜SA8及び第1コモン端子CA1〜CA8に接続する第1フレキシブル基板6Aと、−Y側に位置する第2信号端子SB1〜SB8及び第2コモン端子CB1〜CB8に接続する第2フレキシブル基板6Bとは、基本的に同様の構成を有する。以下、第1フレキシブル基板6Aについて主に説明する。
第1フレキシブル基板6Aは、信号線として、駆動信号線FS1〜FS8と、第1コモン信号線FC1〜FC5と、第2コモン信号線FC6〜FC10とを備える。
第1駆動信号線FS1〜FS8は、一端側において第1信号端子SA1〜SA8のうちの対応する端子に接続し、他端側において回路基板7側に設けられた駆動信号端子BS1〜BS8のうちの対応する端子に接続する。なお、第1フレキシブル基板6Aでは、駆動信号線FS1は、第1信号端子SA1及び駆動信号端子BS1に接続し、駆動信号線FS8は、第1信号端子SA8及び駆動信号端子BS8に接続する。
この駆動信号線FS1〜FS4及び駆動信号線FS5〜FS8の少なくとも一端側は、Y方向に沿う仮想線L2に対して線対称となる位置に配置される。
第1コモン信号線FC1〜FC5のうちの第1コモン信号線FC1〜FC4(第1信号線)は、一端側において第1コモン端子CA1〜CA4のうちの対応する端子に接続し、他端側において第1コモン信号線FC5に接続する。第1コモン信号線FC5は、回路基板7側に設けられたコモン端子BC1に接続する。
また、同様に、第2コモン信号線FC6〜FC10のうちの第2コモン信号線FC6〜FC9(第1信号線)は、一端側において第1コモン端子CA5〜CA8のうちの対応する端子にそれぞれ接続し、他端側において第2コモン信号線FC10に接続する。第2コモン信号線FC10は、回路基板7側に設けられたコモン端子BC2に接続する。
第1コモン信号線FC1〜FC4及び第2コモン信号線FC6〜FC9の少なくとも一端側は、Y方向に沿う仮想線L2に対して線対称となる位置に配置される。
第2フレキシブル基板6Bは、上述のように、第1フレキシブル基板6Aと同様に構成される。
この第2フレキシブル基板6Bの駆動信号線FS1〜FS8は、一端側において第2信号端子SB1〜SB8のうちの対応する端子にそれぞれ接続し、他端側において回路基板7側に設けられた駆動信号端子BS9〜BS16のうちの対応する端子にそれぞれ接続する。なお、第2フレキシブル基板6Bでは、駆動信号線FS1は、第2信号端子SB8及び駆動信号端子BS16に接続し、駆動信号線FS8は、第2信号端子SB1及び駆動信号端子BS9に接続する。
また、第1コモン信号線FC1〜FC4は、第1コモン信号線FC5を介して、回路基板7側に設けられたコモン端子BC4に接続する。第2コモン信号線FC6〜FC9は、第2コモン信号線FC10を介して、回路基板7側に設けられたコモン端子BC3に接続する。
なお、駆動信号端子BS1〜BS16は、駆動信号端子BSn及び駆動信号端子BS8+n(n=1〜8)が、超音波デバイス4のCHnに接続する。
[回路基板の構成]
回路基板7は、図6に示す、駆動信号端子BS1〜BS16と、コモン端子BC1〜BC4とを備え、フレキシブル基板6によって超音波デバイス4が接続される。また、回路基板7は、ケーブル3を介して制御装置10に接続されている。
この回路基板7は、超音波デバイス4を駆動させるためのドライバ回路等が設けられている。具体的には、回路基板7は、図2に示すように、選択回路71、送信回路72、及び受信回路73を備えている。
選択回路71は、制御装置10の制御に基づいて、超音波デバイス4と送信回路72とを接続する送信接続、及び超音波デバイス4と受信回路73とを接続する受信接続を切り替える。
送信回路72は、制御装置10の制御により送信接続に切り替えられた際に、選択回路71を介して超音波デバイス4に超音波を送信させる旨の送信信号を出力する。
受信回路73は、制御装置10の制御により受信接続に切り替えられた際に、選択回路71を介して超音波センサー22から入力された受信信号を制御装置10に出力する。受信回路73は、例えば低雑音増幅回路、電圧制御アッテネーター、プログラマブルゲインアンプ、ローパスフィルター、A/Dコンバーター等を含んで構成されており、受信信号のデジタル信号への変換、ノイズ成分の除去、所望信号レベルへの増幅等の各信号処理を実施した後、処理後の受信信号を制御装置10に出力する。
[音響レンズの構成]
音響レンズ8は、超音波デバイス4から送信された超音波を測定対象である生体に効率よく伝搬させ、また、生体内で反射した超音波を効率よく超音波デバイス4に伝搬させる。この音響レンズ8は、超音波デバイス4が超音波を送受信する面に沿って配置される。なお、図示を省略するが、超音波デバイス4と音響レンズ8との間には、音響整合層が設けられる。これら、音響レンズ8及び音響整合層は、素子基板41の超音波トランスデューサー51の音響インピーダンスと、生体の音響インピーダンスとの中間の音響インピーダンスに設定されている。
[制御装置の構成]
制御装置10は、図2に示すように、例えば、操作部11と、表示部12と、記憶部13と、演算部14と、を備えて構成されている。この制御装置10は、例えば、タブレット端末やスマートフォン、パーソナルコンピューター等の端末装置を用いてもよく、超音波プローブ2を操作するための専用端末装置であってもよい。
操作部11は、ユーザーが超音波測定装置1を操作するためのUI(user interface)であり、例えば表示部12上に設けられたタッチパネルや、操作ボタン、キーボード、マウス等により構成することができる。
表示部12は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、画像を表示させる。
記憶部13は、超音波測定装置1を制御するための各種プログラムや各種データを記憶する。
演算部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、演算部14は、記憶部13に記憶された各種プログラムを読み込み実行することで、送信回路72に対して送信信号の生成及び出力処理の制御を行い、受信回路73に対して受信信号の周波数設定やゲイン設定などの制御を行う。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態の超音波デバイス4では、信号電極線SL1〜SL8及びコモン電極線CL1〜CL8が、アレイ領域Ar1の中心を通り、Y方向に沿う仮想線L1に対して線対称となる位置に配置される。そして、第1コモン端子CA1〜CA8及び第2コモン端子CB1〜CB8が、Y方向に沿う仮想線L1に対して線対称となる位置に配置される。
このような構成では、+Y側における信号電極線SL1〜SL8及びコモン電極線CL1〜CL8の配置に対応した信号線が設けられているフレキシブル基板6を、−Y側においても用いることができる。
ここで、各信号電極線SL1〜SL8及びコモン電極線CL1〜CL8が、上述のように線対称となるように配置されておらず、例えば、信号電極線とコモン電極線が交互に配置されている場合、Y方向における一端側と他端側とで異なるフレキシブル基板を用いる必要がある。このような場合と比べて、本実施形態では、超音波デバイス4を備える超音波測定装置1を製造する際のコストの増大や、製造効率の低下を抑制できる。
なお、信号電極線SL1〜SL8は、対応する超音波トランスデューサー列DL1〜DL8を駆動するための駆動電圧が印加される。この信号電極線SL1〜SL8は、2つのコモン電極線の間に配置され、すなわちコモン電極線よりも超音波トランスデューサー列に近い位置に配置される。従って、信号電極線SL1〜SL8の長さを短くすることができ、信号電極線SL1〜SL8における内部抵抗による電圧降下の影響を抑制でき、スライス方向に沿った超音波トランスデューサー列DL1〜DL8内における駆動電圧の変化を抑制できる。
[第一実施形態に係る変形例]
次に、第一実施形態の一変形例(変形例1)について図面に基づいて説明する。
図7は、変形例1における超音波デバイスを模式的に示す平面図である。
第一実施形態では、各チャンネルにおいて、コモン電極線CL1〜CL8が、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8よりも、仮想線L1と反対側に配置されていた。
これに対して、図7に示す変形例1に係る超音波デバイス4Aでは、コモン電極線CL1〜CL8が、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8よりも、仮想線L1側に配置される。
また、第1コモン端子CA1〜CA4及び第1信号端子SA1〜SA4は、X方向に沿って交互に配置され、仮想線L1側に第1コモン端子CA4が配置される。同様に、第1コモン端子CA5〜CA8及び第1信号端子SA5〜SA8は、X方向に沿って交互に配置され、仮想線L1側に第1コモン端子CA5が配置される。
なお、第2コモン端子CB1〜CB8及び第2信号端子SB1〜SB8についても同様である。
このような構成では、仮想線L1を挟むように位置する2つの超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間に、コモン電極線CL4,CL5が配置される。これにより、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間での電気的クロストークの発生を好適に抑制できる。
なお、図7に示す変形例1では、仮想線L1を挟む超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間には、コモン電極線CL4,CL5を配置するためのスペースを設ける必要がある。
一方、上記第一実施形態の超音波デバイス4では、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間に、上記スペースを設ける必要があるという制限がない。このため、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間の距離を含め、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8のうち隣りあう素子列間の距離を略均一となるように構成するのが容易である。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について説明する。
なお、以降の説明にあたり、第一実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図8は、第二実施形態に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図である。
上述の第一実施形態では、各チャンネルにおいて、コモン電極線CL1〜CL8が、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8よりも、仮想線L1と反対側に配置されていた。そして、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5とは、X方向に所定距離だけ離間して配置されている。
これに対して、図8に示す、第二実施形態に係る超音波デバイス4Bは、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間の仮想線L1上にダミー電極CL9(第1電極線)が配置される。
ダミー電極CL9は、基本的に、コモン電極線CL1〜CL8と同様に構成され、素子基板41上にY方向に沿って設けられる。ダミー電極CL9の+Y方向の端部には、第1コモン端子CA9が設けられる。また、−Y方向の端部には、第2コモン端子CB9が設けられる。これら各コモン端子CA9,CB9は、他のコモン端子CA1〜CA8,CB1〜CB8と同様に、フレキシブル基板6を介して回路基板7に接続され、コモン電圧が印加される。
[第二実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、上記第一実施形態による効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
本実施形態では、仮想線L1を挟むように位置する2つの超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間に、ダミー電極CL9が配置される。このダミー電極CL9は、他の超音波トランスデューサー列DL4,DL5から離間し、コモン電圧が印加される。これにより、超音波トランスデューサー列DL4と超音波トランスデューサー列DL5との間での電気的クロストークの発生を好適に抑制できる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る第三実施形態について説明する。
図9は、第三実施形態に係る超音波デバイスの概略構成を示す平面図である。
上述の第一実施形態では、超音波デバイス4は、偶数個の超音波トランスデューサー列DL1〜DL8を備え、超音波トランスデューサー列DL1〜DL8のそれぞれに対して、個別にコモン電極線CL1〜CL8が設けられていた。
これに対して、図9に示す、第三実施形態係る超音波デバイス4Cは、コモン電極線が、X方向(スキャン方向)に隣り合う超音波トランスデューサー列にて共有される。また、第三実施形態では、奇数個の超音波トランスデューサー列を含む超音波デバイス4Cを例示する。
超音波デバイス4Cは、奇数個(図示例では7個)の超音波トランスデューサー列DL11〜DL17と、各超音波トランスデューサー列DL11〜DL17のそれぞれに設けられた信号電極線SL11〜SL17と、コモン電極線CL11〜CL18と、第1信号端子SA11〜SA17と、第2信号端子SB11〜SB17と、第1コモン端子CA11〜CA18と、第2コモン端子CB11〜CB18と、を含み構成される。
超音波トランスデューサー列DL11〜DL17及びコモン電極線CL11〜CL18は、X方向に沿って配列される。
コモン電極線CL11〜CL18は、+Y側の端部にて第1コモン端子CA11〜CA18に、−Y側の端部にて第2コモン端子CB11〜CB18に連結する。
超音波トランスデューサー列DL11〜DL17は、コモン電極線CL11〜CL18の間に配置される。
超音波トランスデューサー列DL11〜DL17の各列において、複数の超音波トランスデューサー51は、隣り合うコモン電極線CL11〜CL18のうち隣接する2つのコモン電極線のうちの少なくともいずれか一方に連結する。本実施形態では、図9に示すように、複数の超音波トランスデューサー51は、2つのコモン電極線の一方に連結し、Y方向に沿って隣りあう超音波トランスデューサー51は、互いに異なるコモン電極線に連結する。
信号電極線SL11〜SL17は、各超音波トランスデューサー列DL11〜DL17のY方向の両側から、素子基板41の基板外周部に向かうように設けられる。信号電極線SL11〜SL17は、+Y側の端部にて第1信号端子SA11〜SA17に、−Y側の端部にて第2信号端子SB11〜SB17に連結する。
このように構成された超音波デバイス4Cでは、超音波トランスデューサー列DL14と、信号電極線SL14と、第1信号端子SA14と、第2信号端子SB14とが、仮想線L1上に配置される。
また、超音波トランスデューサー列DL11〜DL17が、仮想線L1に対して線対称となる位置に配置されている。また、信号電極線SL11〜SL17、及びコモン電極線CL11〜CL18の各配線も、同様に、それぞれの種類毎に線対称となる位置に配置されている。また、第1信号端子SA11〜SA17、第2信号端子SB11〜SB17、第1コモン端子CA11〜CA18、及び第2コモン端子CB11〜CB18の各端子も、同様に、それぞれの種類毎に線対称となる位置に配置されている。
[第三実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、上記第一実施形態による効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
本実施形態では、仮想線L1上に、信号電極線SL14と、第1信号端子SA14と、第2信号端子SB14とが配置される。そして、上述のように、各配線や各端子が、それぞれの種類毎に、仮想線L1に対して線対称となる位置に配置されている。
このような構成では、奇数個の超音波トランスデューサー列DL11〜DL17を含む、すなわち奇数チャンネルの一次アレイ構造を有する超音波デバイスにおいても、各配線や各端子を、それぞれの種類毎に、仮想線L1に対して線対称となる位置に配置できる。
[第三実施形態の変形例]
次に、第三実施形態の一変形例(変形例2)について図面に基づいて説明する。
図10は、変形例2における超音波デバイスを模式的に示す平面図である。
第三実施形態では、奇数チャンネルの一次アレイ構造を有する超音波デバイス4Cを例示した。
これに対して、図10に示す変形例2に係る超音波デバイス4Dは、偶数チャンネルの一次アレイ構造を有する。
超音波デバイス4Dは、偶数個(図示例では8個)の超音波トランスデューサー列DL11〜DL18と、信号電極線SL11〜SL18と、コモン電極線CL11〜CL19と、第1信号端子SA11〜SA18と、第2信号端子SB11〜SB18と、第1コモン端子CA11〜CA19と、第2コモン端子CB11〜CB19と、を含み構成される。
超音波デバイス4Dでは、コモン電極線CL15と、第1コモン端子CA15と、第2コモン端子CB15とが、仮想線L1上に配置される。そして、第三実施形態の超音波デバイス4Cと同様に、各配線や各端子が、それぞれの種類毎に、仮想線L1に対して線対称となる位置に配置されている。
[第四実施形態]
次に、本発明に係る第四実施形態について説明する。
図11は、第四実施形態に係る超音波センサーの要部の概略構成を示す平面図である。
上述の第一実施形態では、超音波デバイス4の各チャンネル、すなわち超音波トランスデューサー列DL1〜DL8のそれぞれを用いて超音波の送信と受信とを行っていた。
これに対して、図11に示す、第四実施形態に係る超音波センサー22Eにおける超音波デバイス4Eは、本発明の送信用素子部に相当する送信用の超音波トランスデューサー列(送信用チャンネルT)と、本発明の受信用素子部に相当する受信用の超音波トランスデューサー列(受信用チャンネルR)とを備え、送信用チャンネルTと受信用チャンネルRとが、それぞれ仮想線L1に対して対称となる位置に配置される。図11に示す例では、仮想線L1からX方向に沿って離れるにしたがって、受信用チャンネルRと送信用チャンネルTとが交互に配置される。なお、仮想線L1を挟み、2つの受信用チャンネルRが隣り合うように配置される。
超音波センサー22Eでは、第1フレキシブル基板6A及び第2フレキシブル基板6Bのいずれも、駆動信号線FS1,FS3,FS6,FS8、第1コモン信号線FC1,FC3、及び第2コモン信号線FC7,FC9が、送信用チャンネルTに接続される。また、駆動信号線FS2,FS4,FS5,FS7、第1コモン信号線FC2,FC4、及び第2コモン信号線FC6,FC8が、受信用チャンネルRに接続される。
[第四実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、上記第一実施形態による効果に加え、以下の作用効果を得ることができる。
本実施形態では、送信用チャンネルTと受信用チャンネルRとが、それぞれ仮想線L2に対して対称となる位置に配置される。このため、第1フレキシブル基板6A及び第2フレキシブル基板6Bにおいても、特定の信号線を送信用チャンネルTに接続でき、他の信号線を受信用チャンネルRに接続できる。例えば、受信信号と、送信信号とで、配線の種類を変える等の構成を採用したフレキシブル基板6を用いるような場合でも、第1フレキシブル基板6A及び第2フレキシブル基板6Bとして同一のものを用いることができる。
[第四実施形態の変形例]
次に、第四実施形態の一変形例(変形例3)について図面に基づいて説明する。
図12は、変形例3における超音波デバイスの一部を模式的に示す平面図である。
上記第四実施形態では、仮想線L1を挟み、2つの受信用チャンネルRが隣り合うことを除き、受信用チャンネルRと送信用チャンネルTとが交互に配置される構成を例示した。
これに対して、図12に示す変形例3に係る超音波デバイス4Fでは、2つの受信用チャンネルRが連続して配置される。
なお、超音波デバイス4Fにおいても、送信用チャンネルT及び受信用チャンネルRは、それぞれ仮想線L1に対して線対称となる位置に配置される。
なお、本変形例において、8チャンネルの一次アレイ構成を例示したが、一次アレイのチャンネル数はこれに限定されず、64チャンネルや256チャンネル等の一次アレイ構成としてもよい。また、送信用チャンネルTの間に、3以上の受信用チャンネルRが配置される構成としてもよい。また、偶数チャンネルに限らず、奇数チャンネルの一次アレイ構成としてもよい。
このような構成では、送信用チャンネルTと受信用チャンネルRとを交互に配置する場合に比べて、受信用チャンネルR間の距離が短い受信領域を形成することができ、より波長の短い(周波数の高い)超音波を受信することができる。このため、例えば、送信された超音波の基本波に対する高調波を受信し、超音波画像を取得する際(ハーモニックイメージング)、高調波成分をより確実に検出することができ、高調波による超音波画像の画質を向上させることができる。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、コモン電極線及びコモン端子を含む第1端子と、信号電極線及び信号端子を含む第2端子とが、仮想線L1に対して線対称となるように配置される構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1端子及び第2端子の配置順が、仮想線L1を境に逆順となる構成を採用してもよい。このような構成では、第1端子及び第2端子の配置位置(X方向の間隔やY方向の位置)を、Y方向の両端側において適宜設定することにより、上記各実施形態と同様に、フレキシブル基板を共通化することができる。
また、Y方向の両側において、コモン端子及び信号端子の配置順が、仮想線L1を境に逆順となる構成としてもよく、Y方向の両端において、コモン端子及び信号端子が、仮想線L1に対して線対称に配置される構成としてもよい。この場合、例えば、Y方向の両側に配置された一対のコモン端子に接続するコモン電極線や、一対の信号端子に接続する信号電極線を、厚み方向に見て任意の位置に配置してもよい。
上記各実施形態では、超音波デバイスは、複数の超音波トランスデューサーを有する超音波トランスデューサー列が1方向に配列された1次アレイ構造を有するとした。すなわち、本発明の圧電素子部が、複数の超音波トランスデューサーによって構成されるとしたが、本発明はこれに限定されず、1つの超音波トランスデューサー(圧電素子)によって圧電素子部が構成されてもよい。
なお、圧電素子部が、1つの圧電素子によって構成される場合としては、例えば、X方向に対してY方向の寸法が大きい長尺の圧電素子を備える構成が例示できる。このような構成では、圧電素子の上部電極及び下部電極内における、Y方向に沿った電圧効果による影響を抑制できる。
上記各実施形態では、超音波デバイス(圧電デバイス)として、1次アレイ構造を有する超音波デバイスを例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、超音波デバイスは、二次元的に配置された各超音波トランスデューサーを個別駆動可能に構成された二次アレイ構造を有してもよい。
上記各実施形態では、圧電素子として、下部電極、圧電膜、上部電極が厚み方向に積層される積層体により構成される例を示したが、これに限定されない。例えば、圧電膜の厚み方向に直交する一面側に、一対の電極を互いに対向させて配置する構成などとしてもよい。また、圧電膜の厚み方向に沿った側面で圧電膜を挟み込むように電極を配置してもよい。
上記各実施形態では、超音波センサーとして、超音波デバイスの圧電素子部が設けられた側の面とは反対側の面を回路基板に向けて、当該超音波デバイスを回路基板に実装する構成(フェースアップ実装)を例示したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、圧電素子部が設けられた側の面を回路基板側に向けて、当該超音波デバイスを回路基板に実装する構成(フェースダウン実装)を採用してもよい。
上記各実施形態では、生体を測定対象とする超音波測定装置を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各種構造物を測定対象として、当該構造物の欠陥の検出や老朽化の検査を行う電子機器に、本発明を適用することができる。また、例えば、半導体パッケージやウェハ等を測定対象として、当該測定対象の欠陥を検出する電子機器にも本発明を適用することができる。
上記各実施形態では、圧電素子を超音波トランスデューサーとして用いる超音波デバイス及び当該超音波デバイスを備える超音波測定装置について例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、圧電素子を駆動させてインクを吐出させる吐出手段としての圧電デバイスに本発明を適用できる。この場合、当該圧電デバイスを備える画像記録装置を本発明の電子機器として例示できる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で上記各実施形態及び変形例を適宜組み合わせることで構成してもよく、また他の構造などに適宜変更してもよい。
1…超音波測定装置(電子機器)、4,4A,4B,4C,4D,4F…超音波デバイス、6…フレキシブル基板、6A…第1フレキシブル基板、6B…第2フレキシブル基板、10…制御装置、CA1〜CB8,CA11〜CA19…コモン端子(第1端子)、CL1〜CL8,CL11〜CL19…コモン電極線(第1端子)、CL9…ダミー電極(第1電極線)、DL1〜DL8,DL11〜DL18…超音波トランスデューサー列(圧電素子部、超音波トランスデューサー部)、FC1〜FC4…第1コモン信号線(第1信号線)、FC6〜FC9…第2コモン信号線(第1信号線)、L1…仮想線、R…受信用チャンネル(受信用素子部)、SA1〜SB8,SA11〜SA18…信号端子(第2端子)SL1〜SL18…信号電極線(第2端子)、T…送信用チャンネル(送信用素子部)。

Claims (11)

  1. 第1方向に沿って配置される複数の圧電素子部と、
    複数の前記圧電素子部のそれぞれに接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第1端子と、
    複数の前記圧電素子部のそれぞれに接続され、前記第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第2端子と、を備え、
    前記第1端子及び前記第2端子の配置順は、前記第2方向に沿う仮想線を境にして逆順となる
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  2. 請求項1に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記第1端子及び前記第2端子は、前記第2方向に沿う仮想線に対して線対称となる位置に配置される
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記仮想線上に前記第2方向に沿って配置され、前記圧電素子部から離間し、所定の基準電位が印加される第1電極線が配置されている
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記第1端子は、複数の前記圧電素子部に対して基準電位を印加するコモン電極であり、前記第1方向において隣り合う2つの前記圧電素子部の間に配置され、当該2つの前記圧電素子部に接続されている
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  5. 請求項4に記載の圧電デバイスにおいて、
    前記圧電素子部は、前記第1方向に沿って奇数個設けられ、
    複数の前記第2端子の一つは、前記仮想線上に設けられる
    ことを特徴とする圧電デバイス。
  6. 第1方向に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー部と、
    複数の前記超音波トランスデューサー部のそれぞれに接続され、前記第1方向に交差する第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第1端子と、
    複数の前記超音波トランスデューサー部のそれぞれに接続され、前記第2方向に沿い、かつ当該第2方向の両側に引き出された第2端子と、を備え、
    前記第1端子及び前記第2端子の配置順は、前記第2方向に沿う仮想線を境にして逆順となる
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  7. 請求項6に記載の超音波デバイスにおいて、
    前記第1端子及び前記第2端子は、前記第2方向に沿う仮想線に対して線対称となる位置に配置される
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の超音波デバイスにおいて、
    複数の前記超音波トランスデューサー部は、超音波を送信する送信用素子部と、超音波を受信する受信用素子部と、を有し、
    前記送信用素子部及び前記受信用素子部は、前記仮想線に対して線対称となる位置に配置される
    ことを特徴とする超音波デバイス。
  9. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電デバイスと、
    前記第2方向の一方側において、前記第1端子及び前記第2端子のそれぞれに接続する第1フレキシブル基板と、
    前記第2方向の他方側において、前記第1端子及び前記第2端子のそれぞれに接続する第2フレキシブル基板と、を備える
    ことを特徴とする圧電モジュール。
  10. 請求項9に記載の圧電モジュールにおいて、
    前記第1端子は、複数の前記圧電素子部に対して基準電位を印加するコモン電極であり、
    前記第1フレキシブル基板及び前記第2フレキシブル基板は、
    複数の前記第1端子のそれぞれに接続される第1信号線を有し、
    複数の前記第1信号線は、互いに電気的に接続されている
    ことを特徴とする圧電モジュール。
  11. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の圧電デバイスと、
    前記圧電デバイスを制御する制御部と、を備える
    ことを特徴とする電子機器。
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