JP2017032802A - 展示セットおよび展示方法 - Google Patents

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Shinichi Miyazaki
真一 宮▲崎▼
由美 柳内
Yumi Yanagiuchi
由美 柳内
秋山 勇治
Yuji Akiyama
勇治 秋山
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Abstract

【課題】展示において、観賞物の情報から知覚される奥行きと観賞物と観賞演出材によって生じる運動視差から知覚される奥行きを、観賞者が適切に感じることを可能とする。
【解決手段】観賞物と、観賞物に対して観賞位置側に配置され、観賞物の少なくとも一部を遮蔽する観賞演出材と、を具え、観賞者が観賞演出材を注視しながら観賞位置を移動したときに、観賞者の視野内で、観賞物を遮蔽する観賞部演出材の位置が観賞物に対して変化する展示セットにおいて、観賞物における観賞対象画像によって形成される消失点の高さを示すアイレベル線と、アイレベル線上の点を注視したときの観賞者の視線と、が交差し、視線とアイレベル線を含む平面を平面A、平面Aと交差する平面であってアイレベル線を含む平面を平面B、としたときに、平面Aと平面Bとが成す角度が89°以上91°以下である。
【選択図】図6

Description

本発明は、展示セットおよび展示方法に関し、詳しくは、プリント物や絵画等の観賞物を展示するための展示セットおよび展示方法に関する。
従来、展示セットの一例として、特許文献1に記載されるような、疑似窓が知られている。これは、会議室等の静粛性の確保や秘密漏洩に対する防御のために窓を設置出来ない環境において設置されるものであり、表示部に窓の外に存在し得る風景の画像を表示し、その前面に疑似的な窓枠を設置したものである。これにより、室内の人間にあたかも実際の野外の風景を眺めているかのような疑似体験をさせることを可能としている。
特開2008−297803号公報
しかしながら、特許文献1に記載の疑似窓は、表示される窓外の風景を見るときの「臨場感」を効果的に生じさせることができない。すなわち、観賞物の情報、例えば、観賞対象となる画像の大きさなどから知覚される奥行きと、観賞者が移動した場合に観賞物と観賞環境を演出する観賞演出材によって生じる運動視差から知覚される奥行きを、観賞者が適切に感じることができないことがある。この結果、効果的に臨場感の効果を生じさせることができない。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、観賞物の情報から知覚される奥行きと観賞物と観賞演出材によって生じる運動視差から知覚される奥行きを、観賞者が適切に感じることを可能とする展示セットおよび展示方法を提供することを目的とする。
そのために本発明は、観賞物と、前記観賞物に対して観賞位置側に配置され、前記観賞物の少なくとも一部を遮蔽する観賞演出材と、を具え、観賞者が前記観賞演出材を注視しながら観賞位置を移動したときに、観賞者の視野内で、観賞物を遮蔽する前記観賞部演出材の位置が観賞物に対して変化する展示セットであって、観賞物における観賞対象画像によって形成される消失点の高さを示すアイレベル線と、アイレベル線上の点を注視したときの観賞者の視線と、が交差し、前記視線と前記アイレベル線を含む平面を平面A、前記平面Aと交差する平面であって前記アイレベル線を含む平面を平面B、としたときに、平面Aと平面Bとが成す角度が89°以上91°以下であることを特徴とする。
以上の構成によれば、展示において、観賞物の情報から知覚される奥行きと観賞物と観賞演出材によって生じる運動視差から知覚される奥行きを、観賞者が適切に感じることが可能となる。
(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る展示セットを説明する図である。 (a)〜(c)は、観賞演出材の他の形態を示す斜視図である。 一実施形態に係る展示セットの、特に、観賞物と観賞演出材との関係、および観賞物を観賞する観賞者と観賞物における観賞対象画像との関係を説明する図である。 (a)〜(c)は、本実施形態に係る運動視差を説明する図である。 本発明の第1実施形態に係る、観賞者の視線と観賞物の消失点の高さであるアイレベル線との関係を説明する図である。 (a)および(b)は、第1実施形態に係る、観賞者の視線と上述の観賞物のアイレベル線との関係を説明する図である。 本発明の実施形態に係る観賞物が曲面と球面の例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る観賞物を見上げる場合と見下ろす場合の例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る観賞物と観賞演出材の上面、展示セットの側面と上面の概観図である。 第2実施形態に係る、観賞時の観賞物および観賞演出材と観賞者の関係を説明する図である。 本発明の第2実施形態に係る、観賞者の視線と直交する平面であり視線とアイレベル線の接点を含む平面と観賞物の設置面の傾斜角の形態を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではないことはもちろんである。
図1(a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る展示セットを説明する図である。これらの図において、101は観賞物を示しており、この観賞物は、インクジェットプリンタで画像が記録されあるいは絵が描かれた、シートやパネルとすることができる。この観賞物101は、壁などの展示面103に固定される。なお、観賞物は、展示面に直接記録されまたは描かれた画像などであってもよい。102は観賞演出材を示し、観賞物に対して観賞位置側に配され、木製ボードの表面に均一な色の紙を貼って形成したものとすることができる。なお、観賞演出材はこの形態に限られるものではなく、例えば、木製ボードに対して塗装などの処理を施したものや、カラーのプラスチック板、金属の板などを用いることもできる。図1(a)に示すように、観賞演出材102は、観賞物101から距離Sの位置に配置される。
図1(b)は、本実施形態の展示セットを正面から見た図であり、展示面は省略されている。また、図1(c)は観賞物を、図1(d)は観賞演出材102をそれぞれ正面から見た図である。図1(c)に示すように、観賞物101には、観賞対象画像101a、101b、101cが存在する。これらの観賞対象画像101a、101b、101cは、観賞者が観賞物を見るときに、特に、注目して見る可能性のある対象となるものである。また、図1(d)に示す例では、観賞演出材102は、所定の窓枠などの枠形状をしたものであるが、この形態限られない。観賞演出材は、詳細が後述されるように、観賞物の一部を遮蔽して観賞者から観賞物の一部が見えないようにする作用をするものであり、観賞者の移動による「運動視差」の効果や「奥行き感」を生じさせるものである。
図1(d)に示す枠形状の観賞演出材102は、縦演出材102a、102b、102e、102fと、横演出材102c、102dを有して構成される。そして、4つの縦演出材の間に、観賞物を観賞するための2つの空間が構成される。
後述されるように、これら縦演出材102a、102b、102e、102fおよび横演出材102c、102dが示す明るさは、観賞物101が示す明るさとの関係で適切に定められている。縦演出材102a、102bそれぞれの幅d2、d3は、観賞者が、水平方向における展示面103との境界105を視認させないような、幅ないし配置とすることができる。なお、この「境界」は、展示物101が、写真のように画像の周囲に余白があるものである場合は、その余白と画像との境界を含む趣旨である。
さらに、本実施例形態における観賞演出材は、観賞物と観賞者の間に固定する。詳細な理由は後述するが、観賞演出材を用いることで観賞物に立体感、奥行き感や没入感といった「臨場感」を演出することができる。本発明ではその効果を十分に得るために、観賞演出材と観賞物、観賞者の適切な位置関係を制御するので、適切な位置に観賞演出材が固定されている方が効果を得やすい。例えば、観賞時に、観賞演出材が形状や位置を変化させると奥行き感等が低下してしまう状態が発生し、展示セットの臨場感が損なわれる懸念がある。また、前述の理由から観賞演出材は固定されていることが望ましいため、実環境では本来あまり静止していないものよりは、実環境で静止しているものの方がよい。例えば動物を模った観賞演出材はそれが静止し続けることでむしろ違和感が生ずることも考えられ、実施形態の観賞演出材としては実環境で静止しているものを用いることが望ましい。
図2(a)〜(c)は、観賞演出材の他の形態を示す斜視図であり、図1(a)と同様の図である。なお、これらの図では、展示面103の図示は省略されている。
図2(a)に示す観賞演出材201は、3つの縦演出材201a、201b、201cを有するものであり、両端に円柱状の縦演出材201a、201bを配置し、中央に、両端よりは細い円柱状の縦演出材201cを配置したものである。さらに、図2(d)に示す観賞演出材は、鑑賞物101の中央と左右端部それぞれとの間に固定された2つの角柱状の縦演出材205、206からなる。これらは鑑賞物と設定された間隔を置いて離れている。2つの角柱状の縦演出材205、206の最も鑑賞者側の表件から鑑賞物1010までの距離はSである。また、図2(b)に示す観賞演出材は、2つの樹木状の縦演出材202、203からなるものである。さらに、図2(c)に示す観賞演出材204は、観賞演出材の水平方向両側の奥行き部分にも演出材が存在する、箱状(上下方向の上および下側には演出材は存在しない)のものである。図2において観賞物は平らな展示面上に存在しているが、観賞物の形状はこれに限らず、観賞者を取り囲むような円柱内部やドーム形状面に存在してもよい。そのような場合においても、観賞演出材を観賞者と観賞物間に固定して配置することが本実施例の特徴である。
以上のように、本発明の実施形態に係る観賞演出材は、少なくとも縦演出材が存在するものであり、この縦演出材が、観賞者に対して観賞物の一部を遮蔽し、また、観賞物と展示面との境界を観賞者が視認できないように、その配置などが定められることができる。
図3は、本実施形態に係る展示セットの、特に、観賞物101と、観賞演出材102との関係、および観賞物を観賞する観賞者301と観賞物における観賞対象画像101aとの関係を説明する図である。
観賞者301(観賞物からの距離z)が観賞物101を見るとき、先ず、人の眼の焦点調整機能が考慮される。すなわち、人の眼の焦点調整機能によって奥行きを認識できるのは、個人差があるが、一般的に2メートルであり、この距離より短い距離で観賞物を観賞すると、焦点調整機能によって観賞物101が平面に存在することを認識してしまい奥行き感が得られなくなる。この点から、観賞者が観賞する範囲として推奨される範囲を観賞推奨範囲302とするとき、観賞物101から最も近い距離304の条件として、上記2メートル以上とする。一方、観賞物と観賞者が最も遠くなる距離305の条件を、観賞者が観賞物101の観賞対象画像101aの中央を注視したときに、観賞物101の水平方向の端104(展示面103との境界105(観賞物101の端104))が、観賞者301の同じ水平方向の視野の範囲に入る距離以下とする。すなわち、人間の視野は、個人差はあるが、一般的に両目で同時に見える範囲は120度程度であり、上記最も遠い距離より長い距離では、観賞者の視野には観賞物の全体が入り、観賞者は観賞物がプリント物など平面的なものであると感じ、臨場感が損なわれてしまう。この場合、観賞者が上記最も遠い距離305にいる場合、境界が視界に入り臨場感が損なわれるおそれがある。そこで、本実施形態は、観賞演出材102の縦演出材(102a、102bなど)によって、上記境界105が観賞者の視界に入らないようにする。
本発明の実施形態に係る、観賞演出材102は、観賞物101を観賞するときの立体感や没入感といった「臨場感」の効果を生じさせるものであり、その作用として、(1)運動視差の作用、(2)遮蔽と相対的大きさと密度、がある。
「運動視差」は、観賞者の視点または観賞対象画像(観賞物)が移動することによって生じる視差である。観賞演出材が、観賞者と観賞物との間に存在すると、観賞者が観賞物(の観賞対象画像)を注視しながら移動したときに、観賞演出材は視野内での変化量が大きく(速度が速く)、観賞物は変化量が小さい(速度が遅い)。この変化量ないし変化の速度の差が運動視差の作用である。
図4(a)〜(f)は、本実施形態に係る運動視差を説明する図である。図4(a)に示す状態から、観賞者301が図4(b)に示すように、観賞物演出材の縦演出材102a(縦演出材を代表的に表したもので、「102a」に限られない)を注視(405)しながら、X軸の負の方向に移動すると、図4(c)に示すように、縦演出材102aによる観賞対象画像101aの遮蔽位置が変化する。さらに、図4(d)に示すように、縦演出材102aを注視(407)しながら、X軸の正の方向に移動した場合、図4(e)、(f)に示すように、鑑観賞物演出材の縦演出材102aによる観賞物101の観賞対象画像101aの遮蔽位置が変化する。このように、観賞者の移動に応じて、観賞者の視野内での観賞演出材の変化量と、観賞物上の視点の変化量に差が生じ、この違いにより観賞者は観賞する観照対象画像に奥行きを知覚する。このように、観賞演出材を用いることにより、観賞物に対する立体感や没入感といった「臨場感」の効果を生じさせることが可能となる。
「遮蔽」は、複数の対象物のうち、ある対象物が他の対象物の一部を隠している場合に、上記のある対象物が他の対象物より前に存在すると知覚する、人間の立体知覚の一種である。本実施形態では、観賞演出材102を観賞物101と観賞者301の間に置くことにより、観賞者は、それと観賞物との奥行きを知覚するとともに、観賞物と観賞演出材との距離からさらに観賞物の複数の観賞対象画像の空間的位相配置で経験的に奥行きを知覚する。
なお、観賞演出材を用いて観賞物を「遮蔽」する位置は、例えば、図2(c)に示す「道路」101eのような「遠近感」を構成する観賞対象画像を遮蔽しない位置とする。上述した「運動視差」や「遮蔽」と同様、観賞物における「線遠近」要素は、これを観賞者が観賞可能なように観賞演出材を配置することが望ましい。
観賞演出材と観賞物の距離は、前述した撮影時の撮影装置と被写体1の距離により設定する。観賞推奨距離X1が一定の場合、撮影距離が長いデータが記録された観賞物ほど、観賞演出材と観賞物の距離を長くする。観賞演出材と観賞物の距離が変わると、運動視差における観賞演出材と観賞物の視差量に差が発生し、観賞者が感じる奥行き感にも差が発生するからである。
ここまで述べた理由により、本実施例の観賞演出材は、人間が奥行きや立体を知覚するため経験的手がかりを補完し、観賞物に立体感や没入感といった「臨場感」を高める効果がある。
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態は、図3を参照して上述した観賞条件において、観賞者の視線と観賞物の消失点の高さであるアイレベル線との関係を適切に制御する形態に関するものである。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る、観賞者の視線と観賞物の消失点の高さであるアイレベル線との関係を説明する図である。図5において、破線501は、観賞物101の画像における遠近法の要素となる線を示している。実際の観賞物にはこの破線501は存在せず、遠近法の要素となる道路101eに沿う仮想線である。遠近法は、3次元の空間を2次元上に奥行きを伴って表現するための技法である。図5の破線501で示される道路の両端部の線や道路の中心の破線は実際には平行な線であり、これを2次元上で表現すると図5に示す消失点502に向かって収束していく。観賞者は、このような物の幅や奥行き(図5では道路の幅)、高さに関する線分の間隔が徐々に狭くなることによって、奥行き方向の距離を知覚、認知している。図5では、消失点は1つであるが、視界に異なる角度の複数の平行な線が存在する場合には、消失点の数も複数となる。この消失点の高さを表す線分がアイレベル線503である。
図6(a)および(b)は、観賞者の視線と上述の観賞物101のアイレベル線503との関係を説明する図である。図6(a)は、観賞物と視線、および後述する平面Aと平面Bの関係を説明するための図であり、図6(b)は、観賞物を側面からみた状態で後述する中心視の範囲を説明するための図である。
本実施形態において観賞者の視線とは、図6において符号601で示すように、観賞者の目の中心とみている対象とを結ぶ線のことである。図6に示すように、観賞物のアイレベル線503と、アイレベル線上にある任意の点(図6では消失点502)を注視した時の視線601は交差している。視線601とアイレベル線503を含む平面を平面A(602)とし、平面Aと交差する平面で、アイレベル線503を含む平面を平面Bとする。本実施形態では、平面Bは、図6の観賞物101の平面である。なお、図7に示すように、観賞物が曲面(図7(a))や球面(図7(b))の場合は、観賞物の面における、視線601とアイレベル線との交点をそれぞれ701、703とするとき、平面Bは、観賞物とそれぞれ交点701、703で接する平面である平面702、704である。本実施形態は、図6(b)に示すように、この平面Aと平面Bとがなす角度θが、89°以上91°以下となる状態とする。これは、色の識別能力および視力が最も良い領域である中心視の視野角が2°であるからであり、中心視の範囲内でアイレベル線を確認できる状態とすることにより、観賞者が観賞物の観賞対象画像までの距離を適切に推定することが可能となるからである。
観賞者の視線と、観賞物のアイレベル線との関係を上述の関係となるように制御することにより、観賞物の情報、例えば、観賞対象画像の大きさや遠近法の成分などから経験的に推定される知覚的な奥行きと、観賞者が移動した場合の観賞物と観賞演出材から生じる運動視差から得られる知覚的な奥行きを効果的に発現することが可能となる。さらに、観賞物と観賞演出材との物理的な距離から知覚される距離が加わることにより、観賞者が観賞物の観賞対象画像までの距離を適切に推定することができ、観賞物の観賞対象画像を実物と感じるような距離感を生じさせることが可能となる。なお、本実施形態では、図6に示すように、平面Aと平面Bは直交する状態(90°)としており、この状態が知覚的な奥行きを最も効果的に発現する状態となる。
図8に示すように、観賞物101を見上げる状態(図8(a))、または見下ろす状態(図8(b))など、上述した状態が成立しない状態では、観賞物101の画像が歪んで見えることになる。そのため、奥行き感を感じるための遠近法を構成する破線501も歪み、上述の観賞物の情報から知覚される距離だけでなく、運動視差から得られる知覚的な奥行きも感覚的にずれる。その結果、観賞者が適正な距離を知覚できなくなり、観賞者は、観賞物の観賞対象画像を実物と感じるような距離感を感じることができず、展示セットの臨場感が低下する。
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る展示セットは、上述した第1の実施形態と異なり、観賞者の位置が観賞物の設置位置より高く、見下ろす形で観賞物を観賞する展示セットである。本実施形態は、高さ方向の距離感を提供するために、観賞者の視線と観賞物のアイレベル線との関係を適切に制御する形態に関するものである。
図9(a)〜(d)は、本発明の第2実施形態に係る展示セットを説明する図である。図9(a)は、観賞物901を示しており、個の観賞物では、905が消失点を示し、906がアイレベル線を示している。観賞物901は、観賞者に臨場感として高さ方向の距離感を提供するべく、例えば、ビルの屋上から地面を見下ろすようなアングルの風景であり、地面だけでなくビルの屋上など被写体より高い位置から撮影した画像が好ましい。図9(b)は、観賞演出材902を示しており、その一部である観賞演出材903の部分は透明なガラスの素材で観賞者が歩行することも可能であり、観賞時の運動視差を発現させるためガラス部分の上端904には黒枠がある。また、図9(c)は、展示セットを側面から見た図であり、観賞演出材902の底面には観賞物901が上方向を向いて貼られている。また、図9(d)は、展示セットを上方から見た図である。観賞物と観賞演出材の距離、観賞者が観賞位置から観た場合に観賞演出材は観賞物の一部を隠している点等の条件は、第1の実施形態と同様である。
図10は、本実施形態に係る、観賞時の観賞物901および観賞演出材902と観賞者1001の関係を説明する図である。観賞者1001は、観賞物から一定の距離の高さに設定された観賞演出材の上面の観賞推奨範囲1002内の位置で観賞物を観賞する。観賞物901と観賞者1001が最も近くなる距離1003は、人の眼の焦点調整機能で奥行きを認識できる2メートルより長い距離に設定しており、その理由は第1の実施形態と同様である。また、観賞推奨範囲においては、観賞物と観賞者が最も近くなる距離1003は、観賞者が観賞物を注視した場合に、観賞物901の長辺の端1004が長辺と並行する方向の視野の範囲入る距離に設定する。また、第1の実施形態と同様の理由で、観賞推奨範囲を設定することにより、観賞物と展示面の境界1005を見えなくすることにより臨場感の低下を防止する。臨場感を演出する運動視差と遮蔽の効果は第1の実施形態と同様である。
本実施形態では、図11(a)に示すように、観賞者は、視線1101を自分の直下の方向に向けて観賞する状態である。その際に、第1実施形態と同様に、視線1001とアイレベル線906を含む平面Aと、平面Aと交差しアイレベル線を含む線である平面Bと、がなす角度は89°以上91°以下となる状態とする。本実施形態では、第1実施形態と同様に平面Aと平面Bが直交する状態(90°)とすることで、高さ方向の距離を知覚するために最適な状態となっている。
観賞者の視線と観賞物のアイレベル線との関係を第1実施形態と同様に上述の状態となるように制御し、さらに観賞者の視線を真下の方向にすることで、経験的に距離感としての高さを最も感じる方向とする。これにより、観賞物の情報から経験的に推定される知覚的な高さ感と、観賞者が移動した際の観賞物と観賞演出材から生じる運動視差から得られる知覚的な高さ感を効果的に発現することが可能となる。さらに、観賞物と観賞演出材との物理的な距離から知覚される距離が加わることで、観賞者が観賞物の観賞対象画像までの高さ方向の距離を適切に推定することが可能となり、観賞物の観賞対象画像を実物と感じるような距離感が提供される。
図11(b)に示すように、制約によって、図11(a)で示す位置より後方に観賞位置があり、観賞者が自分の真下の方向に視線を向けて観賞物を観賞できない展示セットでは、観賞物の設置面(観賞演出材の底面)と上述の平面Bの傾斜角が大きくなることで高さ方向の距離感は低下することになる。しかし、観賞者の視線と観賞物のアイレベル線との関係が本発明に示すような最適な状態となることによって、可能な限り高さ方向の距離感を感じることが可能となる。
また、第1の実施形態の図7で示したように、観賞物が曲面や球面の場合も、本実施形態で観賞者に観賞物の被写体との高さ方向の距離感を提供することができる。
101、901 観賞物
102、902 観賞演出材

Claims (4)

  1. 観賞物と、
    前記観賞物に対して観賞位置側に配置され、前記観賞物の少なくとも一部を遮蔽する観賞演出材と、
    を具え、
    観賞者が前記観賞演出材を注視しながら観賞位置を移動したときに、観賞者の視野内で、観賞物を遮蔽する前記観賞演出材の位置が観賞物に対して変化する展示セットであって、
    観賞物における観賞対象画像によって形成される消失点の高さを示すアイレベル線と、アイレベル線上の点を注視したときの観賞者の視線と、が交差し、
    前記視線と前記アイレベル線を含む平面を平面A、
    前記平面Aと交差する平面であって前記アイレベル線を含む平面を平面B、
    としたときに、平面Aと平面Bとが成す角度が89°以上91°以下であることを特徴とする展示セット。
  2. 前記観賞位置が前記観賞物の位置より高いことを特徴とする請求項1記載の展示セット。
  3. 前記観賞物の観賞対象画像は、当該観賞対象画像の元となる被写体より高い位置から撮影した画像であることを特徴とする請求項2記載の展示セット。
  4. 観賞物と、前記観賞物に対して観賞位置側に配置され、前記観賞物の少なくとも一部を遮蔽する観賞演出材と、を配置し、
    観賞者が前記観賞演出材を注視しながら観賞位置を移動したときに、観賞者の視野内で、観賞物を遮蔽する前記観賞演出材の位置が観賞物に対して変化する展示方法であって、 観賞物における観賞対象画像によって形成される消失点の高さを示すアイレベル線と、アイレベル線上の点を注視したときの観賞者の視線と、が交差し、
    前記視線と前記アイレベル線を含む平面を平面A、
    前記平面Aと交差する平面であって前記アイレベル線を含む平面を平面B、
    としたときに、平面Aと平面Bとが成す角度が89°以上91°以下であることを特徴とする展示方法。
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