JP2017031953A - 風力発電システムまたはウィンドファーム - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な監視を行うことが出来る風力発電システムまたはウィンドファームを提供する。
【解決手段】風を受けて回転するロータ2を備えて、ロータ2の動力を用いて発電運転する風車を備える風力発電システムであって、風車に搭載されて、風車の運転時に風車の外部媒体と、直接または間接に熱交換する機器4、5と、風車に搭載される機器の冷却システムと、機器の温度または機器を通過する冷媒の温度、及び風車における環境要因に応じて、機器または冷却システムの健全性を判定する状態判定装置30を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、周囲環境の影響を考慮することで、冷却対象機器あるいはその冷却システムが正常な稼働状態から逸脱し始めたことを、風力発電システムの運転を停止あるいは抑制することなく、早期に検知することのできる風力発電システム、さらにはウィンドファームに関するものである。
通常、風力発電システムは、ブレードにより回転するロータが主軸を介して支持されたナセルを、タワー上部に備えた構成となっている。このナセルの内部には、主軸の回転によって回転させられる発電機が備えられることが多いが、発電機の好ましい回転数を得るために、ロータと発電機の間に増速機を配置して、回転数を増加させる構成とする場合もある。発電機によって発電された電気エネルギーは、電力変換器や変圧器を介して電力系統に供しうる電力に変換される。
発電機、増速機、電力変換器、変圧器等の機器は、風車に搭載されるが、それらの機器の損失を熱として発生させる。そのため、発生する熱を放散させ、機器を適正な温度で運転できるような冷却システムが必要である。冷却システムでは、冷却対象となるそれらの機器から熱を奪うために水あるいは空気といった冷媒を介し、最終的には風力発電装置外部の大気、あるいは水に熱を放散する。冷却には、放熱器(ラジエータ)やファンを用いたシステムが用いられることが多い。
このような冷却システムには、冷却システムの正常な動作、あるいは機器の稼働温度が正常な範囲にコントロールできているかを確認するために、冷媒の温度、あるいは機器の温度を計測している場合が多い。
しかし、風力発電システムは、周囲の風によって発電をし、周囲(外気あるいは海水、河川湖沼の水など)に、その損失である熱を放散させるため、これら周囲環境が冷却性能に与える影響が大きい。ここで周囲環境が冷却性能に与える影響の重要性を認識したものとして例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1においては、ナセル内の空気冷却システムに設置したフィルタの目詰まり状況を正確に把握するために、風速が一定、あるいはカットイン風速を下回って発電していない場合や、日射の影響を受けない夜間や、気温が安定した時間帯に計測を行うなど、周囲環境が安定する条件を満たした際に、フィルタ目詰まりを判断するという方法が提案されている。
特開2011−47359号公報
しかし、特許文献1に記載された内容は基本的に周囲環境の影響が出ない条件でフィルタの目詰まり状況を計っているものであり、周囲環境の影響を取り入れて機器の状態を判定する様なものではない。フィルタとは異なり、風車運転時に冷却が必要になる様な機器では、例えば温度などの周囲環境が健全性に与える影響が大きく、これを考慮した健全性の判定を行うことが好ましい。特に風車の外部媒体と熱交換して冷却する様な場合、機器内部等の温度計測以外に周囲環境に応じてどの程度冷却されるかなども変化する。本発明では、より高精度な監視を行うことが出来る風力発電システムまたはウィンドファームを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本発明に係る風力発電システムは、風を受けて回転するロータを備えて、該ロータの動力を用いて発電運転する風車を備える風力発電システムであって、前記風車に搭載されて、前記風車の運転時に前記風車の外部媒体と直接または間接に熱交換する機器と、前記風車に搭載される前記機器の冷却システムと、前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度、及び前記風車における環境要因に応じて、前記機器または前記冷却システムの健全性を判定する状態判定装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係るウィンドファームは、一の前記風車における前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度が前記第1の基準値以上となった場合、他の風車における温度情報と比較することを特徴とする。
本発明によれば、より高精度な監視を行うことが出来る風力発電システムまたはウィンドファームを提供することが可能になる。
実施例1に係る風力発電システムを示す概略図である。 実施例1の風力発電システムのナセル部分の概略側面図である。 実施例1の風力発電システムの冷却システムの冷却水の概略回路図である。 実施例1の風力発電システムの冷却システムの状態判定装置の判定フロー図である。 実施例2の風力発電システムの冷却システムの状態判定装置の判定フロー図である。 実施例3の風力発電システムの冷却システムの状態判定装置の判定フロー図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
実施例1について図1ないし図4を用いて説明する。図1には、実施例1における風力発電システムの概略図を示す。該風力発電システムは、海上に設置されており海面12の下から洋上に突き出すように設置された基礎10にタワー7を設置している。そして、タワー7の頂部にナセル6を配置しており、該ナセル6は、ブレード1とハブを有するロータ2を軸支している。ロータ2は主軸3、さらには増速機4を介して発電機5に接続されている。発電機5は電力ケーブル(図示せず)によってタワー7の下部に内蔵された電力変換器8、変圧器9等の電気品につながっている。
風力発電システムは風向にロータ2の回転面を向けるようにナセル6が回転(ヨー制御)し、風のエネルギーによってブレード1が力を受け、ロータ2が回転する。ロータ2の回転は、増速機4を介して発電機5に好適な回転数まで高めて、発電機5に伝えられる。発電機5が回転することで発電された電気エネルギーは、電力変換器8によって整流され、さらに変圧器9によって電圧を調整し、電力系統に送られる。この際、発電機5、電力変換器8、変圧器9等では、電流が流れる際の損失により、熱が発生する。また、増速機4においても損失が熱となって発生する。
本実施例の風力発電システムでは、発電機5、増速機4の冷却に水冷方式を採用している。すなわち、ポンプ16によって発電機5、増速機4とラジエータ13の間に冷却水を循環させ、発電機5、増速機4で奪った熱を(風向き方向において)ナセル6の上流部に設置したラジエータ13で外気に放熱することで、冷却をおこなっている。
図2に本実施例1の風力発電システムのナセル6部分の概略側面図を示す。風は左側から右側に吹いており、ナセル6はブレード1が設置される側の反対側から風を受けている。すなわち、本風力発電システムはタワー7の下流側にブレード1が位置するダウンウィンド型である。ナセル6の風上側にはラジエータ13が、その吸込面が風上方向に向くように設置されている。ラジエータ13には、発電機5または増速機4で発生した熱を冷却して高温となった冷却水が流入し、外気に放熱する構成となっている。ラジエータ13の風上側には自然風を直接受け入れられるように開口した吸気口14が設けられている。ラジエータ13の風下側にはラジエータを通過した空気の流れをナセル6下方に向けて案内するように流路が構成されており、ナセル6下方向にその空気を外部に流出させる流路の出口である排気口15が設けられている。ラジエータ13は流入する風に対向するように設置され、ラジエータ13のフィンの間を通った風は排気口15へと導かれる。また、本風力発電システムが稼働している際の周辺環境の状態を計測するために、外気温センサ18、風速センサ19、日射量センサ20を備えている。本実施例においては、外気温センサ18はラジエータ13の風上側に、風速センサ19はナセル6の上面であってロータ2の風上側に、日照センサ20はナセル6の上面にそれぞれ設置されている。
図3に、本実施例の風力発電システムにおける冷却システムについて概略の冷却水の回路図を示す。なお、ここで増速機4については、増速機内の油を冷却する油-水の熱交換器4aを介して冷却する構成となっている。冷却システムは風車に搭載されている。冷却水配管17によってポンプ16、発電機5、増速機の熱交換器4a、ラジエータ13が直列に接続されており、冷却水は図中の破線の矢印の方向、すなわち時計回りの方向に流れるようになっている。ポンプ16から出た冷却水は、発電機5、増速機の熱交換器4aを冷却して高温になった後、ラジエータ13を介して外気に放熱する。冷却水配管の各所には、冷媒である冷却水の水温を計測するための温度センサ21が設けられている。ここで、Tg1は発電機入口の水温、Tg2は増速機の熱交換器入口の水温、Tr1はラジエータ入口の水温、Tr2はラジエータ出口の水温を示しており、各々、温度センサ21によって計測される。
次に図4を用いて、本実施例の風力発電システムにおける冷却システムの状態判定装置30による状態判定方法について説明する。図1および図2においてナセル6内に搭載されている状態判定装置30は、外気温センサ18や風速センサ19、日射センサ20、各種温度センサ21などの出力データを取り込み、風力発電システムの冷却システムの稼働状態を判定する装置である。状態判定装置30については、本実施例のように風車に搭載しても良いし、風車外に設置しても良い。風車と、風車に搭載されるかまたは風車外に設置される状態判定装置とを含めて風力発電システムと表現している。
なお、ここでは発電機入口の水温Tg1に関して判定を行なう例について説明するが、もちろん増速機の熱交換器入口の水温Tg2に関して行なっても良いし、その他の冷却対象となる機器の冷媒の温度、またはそれら冷却対象となる機器の温度を直接計測して用いても構わない。さらにここで言う機器には増速機の他、例えば発電機や電力変換装置などが含まれ、それらの機器は冷却システムによって冷却される。各機器は、風車に搭載されて風車の運転時に風車の外部媒体(例えば、外気や洋上風車の場合、海水など)と直接または間接に熱交換される。
計測・診断が開始(ステップS40)すると、各種センサが風車の周囲の環境状態、および冷却システムの稼働状態を計測(例えば冷却システム各部温度計測など)(ステップS41)する。ここで環境状態とは、例えば外気温、風速、日射量などを意味し、冷却システムの稼働状態とは、各部の冷却水温などを意味する。
次に、冷却対象である機器が正常な稼働状態から逸脱してきていることを判定するための基準値である、第1の温度Tj1を計算(ステップS42)する。第1の温度Tj1は、
前記のステップS41で計測した風力発電システムの周囲の環境状態と、第2の温度Tj2を元に決定される。ここで第2の温度Tj2とは、冷却対象である機器の正常な動作に支障を来すような温度状態にならないように定められ、その温度に到達した際には風力発電システムの発電運転の停止あるいは出力抑制といった処置を施すことを決定する基準の温度として定めたものである。
例えば、冷却システムを設計する際に想定した外気温Ta0に対し、計測した現在の外気温がTarだとする。通常は、苛酷な条件においても機器の正常な稼働を確保できるように冷却システムを設計するので、Ta0はTarよりも高い。つまりその温度差Ta0−Tar分だけ、その機器や冷却システムを流れる冷媒の温度は低くなるはずである。したがって、最も簡単なケースとしては、

Tj1=Tj2−(Ta0−Tar) ・・・・・ 式(1)

によって、Tj1を定義することができる。この他にも、計測した風速が設計時に想定している風速と異なる場合には、その差が発電量、ひいては機器の発熱量に影響してくるし、本実施例のように自然風を活かしてラジエータ13の冷却風を取り入れている場合には、冷却風量にも影響してくる。通常はTj2に相当する温度を定めることが多く、本実施例におけるTj1は、そうしたTj2に環境要因を反映させて決定することが考えられる。また、ナセル6は外部から日射によって暖められているので、計測した日射量が設計時に想定した日射量と異なる場合には、その差がナセル6内の温度環境に影響してくる。設計条件と実際の条件を比較し、外気温の違いによる冷媒温度への影響をΔTa(Tar)、風速の違いによる温度への影響をΔTv(Vr)、日射量の違いによる温度への影響をΔTr(Rr)とすると、

Tj1=Tj2−ΔTa(Tar)−ΔTv(Vr)−ΔTr(Rr)・・式(2)

によって、Tj1を定義することができる。ここで、Vrは計測された風速、Rrは計測された日射量を示す。つまりTj1は、風力発電システムにおける環境の状態を反映させるべく、環境要因に応じて変化させるものである。そして、計測された実際の環境条件において、機器および冷却システムが正常に稼働した場合に予測される冷媒の温度を示している。したがって、このようにして決定されたTj1は、通常Tj2よりも低い。環境要因としては、例えば風速、風車外気温、風車が設置される海、湖若しくは河川の水温、または日射量などが考えられる。これらは、風車内機器やその中を流れる冷媒の温度に影響を与える因子となる。冷媒を冷やすことに繋がる外気温や水温は言うまでもないが、風速が高い場合には、発電量が増えて発熱量の増加を引き起こすことで機器の温度上昇に繋がる。また日射量はナセル6やタワー7内気温を高めることなどに繋がる。
次に、計測した冷媒の温度、ここでは発電機入口水温Tg1を、状態判定の基準である温度Tj1、Tj2と比較する。まず、Tg1と第2の温度Tj2を比較する(ステップS43)。各実施例では先にTg1とTj2の比較より先にTg1とTj2の比較を行っているが、必ずしもこれに限定されない。もし、Tg1がTj2以上である場合は、冷却対象である機器の正常な動作に支障を来すような温度状態に到っているということであるから、直ちに風力発電システムの運転を停止すべきレベル2の異常状態であると判定し、そのことを、風力発電システムの運用・監視者に知らせるためのアラーム(レベル2)を発報(ステップS45)するとともに、風力発電システムを停止させる(ステップS46)。なお、ここでアラーム発報は、通知手段によって行われ、音声の発報あるいは映像の表示などを通じて、風力発電システムの運用・監視者に機器および冷却システムの状態を知らせる。
本実施例では、ステップS43の判定において、Tg1が第2の温度Tj2を越えていなかった場合は、引き続き、Tg1と第1の温度Tj1の比較を行なう(ステップS44)。もし、Tg1がTj1以上である場合には、直ちに風力発電システムを停止する必要はないものの、冷却対象の機器、あるいは冷却システムが正常な稼働状態から逸脱してきたレベル1の異常状態であると判定し、そのことを、風力発電システムの運用・監視者に知らせるためのアラーム(レベル1)を発報(ステップS47)するとともに、運転モードの変更を行なう(ステップS48)。なお、ここでアラーム発報も、音声あるいは映像などを通じて、風力発電システムの運用・監視者に機器および冷却システムの状態を知らせることを意味しているが、ステップS45で発せられるものとは状態が異なること(判定レベルが1か2か)がわかるようにしてある。具体的には、音声のパターンを変えることや映像の種類を変えることが考えられる。Tg1がTj1以上である場合は、あくまで機器あるいは冷却システムが正常な稼働状態から逸脱し始めた(言うなれば、正常状態からの逸脱の兆し)を、把握するものであり、風車の運転をその時点で直ちに停止あるいは抑制する必要はない。上記レベル2については、環境条件を実際より過酷な条件で見積もっていること、及び環境要因に応じて変化させるものでない。実際には、周囲の温度条件等に応じて、異常となる機器の温度は異なる(例えば、周囲の温度が低い場合に機器が特に高い温度を示している場合で、Tj2の温度には達していない場合などは、レベル2の異常状態ではないが、注意が必要である。)。本実施例の様に、機器の温度または機器を通過する冷媒の温度と風車における環境要因に応じて健全性を判断することで、より高精度な状態監視が可能になる。また、正常な稼働状態から逸脱し始めたことが検知できる様になるので、重大な故障に到る前に機器の不具合を検知して保守のための準備を計画できる。その一方で、必要以上に安全性のマージンを取り過ぎることもなく、保守のための停止に到る前に不要な発電停止や出力抑制を避けることができるようになる。よって、風力発電システムの稼働率低下防止も期待できる。つまり発電量増加も期待される。
ステップS48における運転モードの変更とは、例えば以下のようなことを想定している。一つには、冷却対象の機器、あるいは冷却システムが正常な状態から逸脱してきた原因を究明する一助として、関連する計測データ、例えば、より詳細な温度データ、冷却水量、冷却配管内の圧力、風速、日射量などの情報を収集、処理を行なう。他には、冷却システムの性能を向上させるために、冷却水ポンプの回転数を上げて、循環水量を増やしたり、ラジエータ部分に冷却ファンを有している場合には、その回転数を増加させることも考えられる。これらは併用して行うことも可能である。
以上のように、本実施例に示す風力発電システムでは、環境要因を考慮して設定した第1の温度Tj1を用いた状態判定を加えたことにより、従来、第2の温度Tj2だけで状態判定していた時には見落とされがちであった、冷却対象の機器、あるいはその冷却システムが正常な稼働状態からわずかに逸脱した状態を検知することが可能となる。これにより、重大な故障に到る前に、それらの機器の状態の確認や、修理計画の立案も可能となり、風力発電システムの修理停止期間を短くし、稼働率を向上させることができる。
風力発電システムはその稼働率を高め、より多くの発電を行うことが求められているため、不要な停止や出力抑制は避けたいという事情がある。一般に、冷却システム自体は、機器を冷却する上で苛酷な条件、すなわち、発熱量が多く、熱を放散する周囲の温度が高く、日射による加熱も多い状態を設計条件として、こういった条件でも、機器の正常な稼働を達せられるように設計されている。
しかし、実際の環境条件が、こうした設計条件ほどに厳しくなる場合は稀である。例えば、多くの場合、実際の周囲温度は設計条件で設定した温度よりも低く、機器あるいは冷却システムが正常状態から逸脱し始めたばかりでその程度が小さい状態では、周囲温度が低いがゆえに、計測した温度がアラームを発報する基準の温度に到達しなければ、アラームは発せられない。逆に、このような状態でアラームが発せられるということは、機器あるいは冷却システムの正常状態から逸脱する度合いが比較的大きく、重篤な不具合に到っている可能性がある。
アラームが発報される温度に到達していないということは、機器を冷却する上で必要な冷却温度は維持できているということであり、風力発電システムを直ちに停止する必要がある状態ではない。
そこで本実施例では、計測したTg1がTj1以上Tj2未満の状態では、直ちに風力発電システムを停止するレベルではないことから、その運転は維持することができるため、この点でも稼働率の向上に寄与することができる。
なお、上記実施例の説明では、Tg1がTj2を越えた際は風力発電システムを停止させていたが、必ずしもこれに限るものではなく、出力を抑制する運転とすることも可能である。また、式(1)、式(2)による第1の温度Tj1の決定にあたっては、その後の判定ステップで安全側に判定するように、余裕代ΔTm(>0)を差し引いてTj1を決定してもよい。さらには、各種の計測値には例えば10分程度の時間での平均値を用いてもよい。
温度は比較的変化が緩やかな物理量であるため、むしろ平均温度で判定をした方が、瞬時値のばらつきに影響されることがなく、安定した状態判定が期待できる。
次に、図5を用いて、本発明の第2の実施例について説明する。なお、実施例1と重複する点についての説明は省略する。
図5は本発明の第2の実施例における状態判定のフローについて示したものである。第1の実施例を示した図4のフローとの違いは、計測した冷媒の温度Tg1が第1の温度Tj1を越えたためにレベル1のアラームを発報(ステップS47)し、運転モードの変更(ステップS48)を行なった後に、新たに設けた基準の温度(第3の基準値)Tjaと、計測した外気温Taの比較(ステップS49)を加えた点にある。もし、TaがTjaより低い場合には風力発電システムの運転は継続し、TaがTja以上の場合には、レベル2のアラームを発報(ステップS45)し、風力発電システムを停止する(ステップS46)。第3の基準値は実施例1で説明した第2の基準値とは異なるものの、やはり風車の停止基準となる。本実施例では第2の基準値と第3の基準値を併用して風車の運転可否を判断するモードへ変更する様にしている。
ここで、新たに導入したTjaは、設計時に想定した外気温Ta0よりも低い値とする。前述のように、レベル1のアラームを発報した状態は、風力発電システムを直ちに停止する必要はないものの、冷却対象の機器あるいは冷却システムが何らかの原因で正常な稼働状態から逸脱した状態であることを示している。このため、引き続き、第2の温度Tj2によって風力発電システムの運転可否を判定していては、冷却対象の機器あるいは冷却システムで生じたであろう不具合を進展させてしまう可能性がある。設計時に想定した外気温Ta0よりも低い基準値Tjaを設けることは、その判定を安全側にシフトすることを意味し、実施例1で補足した余裕代ΔTmと同様の効果が期待できる。
なお、上記実施例の説明では、計測した外気温Tarと比較する新たな基準Tjaを導入したが、この他に、風速、風車外気温、風車が設置される海、湖若しくは河川の水温、または日射量で比較する新たな基準値(第3の基準値)を導入してもよい。その場合は、設計時に想定した風速や風車外気温等よりも低く設定した新たな基準値に対し、計測した風速や風車外気温等が低い場合に風力発電システムの運転を維持するような判定フローとなる。
次に、図6を用いて、本発明の第3の実施例について説明する。なお、上記実施例と重複する点については、その説明は省略する。
図6は本発明の第3の実施例における状態判定のフローについて示したものである。第1の実施例を示した図4のフローとの違いは、計測した冷媒の温度Tg1が第1の温度Tj1を越えたためにレベル1のアラームを発報(ステップS47)し、運転モードの変更(ステップS48)を行なった後に、その風力発電システムが設置されたウィンドファームにおける他の風力発電システム60から計測データを収集(ステップS50)し、本風力発電システムの状態判定に用いている点である。具体的には、本風力発電システムで測定した冷媒の温度Tg1と、他の風力発電システムにおける冷媒の温度を比較する(ステップS51)。ここでアラーム発報は、通知手段によって行われ、音声の発報あるいは映像の表示などを通じて、風力発電システムの運用・監視者に機器および冷却システムの状態を知らせる。
ウィンドファーム内の風力発電システムは、ばらつき・分布はあるにせよ、その置かれている環境条件はある一定の範囲に収まっているものと考えられる。似通った環境条件で運用されている同じ型式の風力発電システムでは、冷却の状態も大きくかけ離れることはないと考えられる。本実施例では、風力発電システムの運転を直ちに停止するほどではないものの、冷却対象の機器あるいは冷却システムに何らかの変化が生じていると判定された状態を、一層精度よく判定するために、他の風力発電システムの状態と比較を行なうというものである。他の風力発電システムでの計測結果と比べても明らかに違いがある場合には、直ちに本風力発電システムを止めるべきと判定し、レベル2のアラームを発報(ステップS45)、風力発電システムを停止する(ステップS46)。
これにより、風力発電システムの運転可否判断の精度は向上する。すなわち、本風力発電システムにおける環境状態の計測において、いずれかのセンサに不具合があった場合、レベル1の判定に用いるために決定した第1の温度Tj1の妥当性に疑問が残り、そのまま単機で状態判定をすると不要な運転停止に到ってしまう可能性がある。これに対し、ウィンドファーム内の他の風力発電システムの状態と比較するステップS51を入れることで、実質的に複数のセンサで環境状態を計測していることになり、第1の温度Tj1の妥当性が高まると考えられるのである。
なお、本実施例では、計測した冷媒の温度Tg1を複数の風力発電システムで比較する例を説明したが、他の風力発電システムにおける計測データを活用する方法はこれに限らない。例えば、状態判定をしようとする風力発電システム以外の風力発電システム、あるいはウィンドファーム内にその風況を計測するために設置されている風況マストにおける環境状態の計測データを用いて第1の温度Tj1を決定し、それによって風力発電システムの状態判定を行なっても良い。
以上、本発明の実施例について説明してきたが、上記に示した実施例はあくまでも例に過ぎず、発明内容を限定するものではない。例えば、陸上に設置された風力発電システムや、ロータがナセルの上流に配されたアップウィンド型の風力発電システムにおいても、本発明による効果は期待できる。冷却システムに対しても、発電機や増速機を水冷で行なうものに限らず、例えばタワー内に設置した電力変換器や変圧器を空冷で行なう場合においても、本発明の適用は可能である。上記実施例で説明してきた、自然風を活かした冷却システムではなく、送風ファンを用いた冷却システムや、熱を空気ではなく、海洋・湖沼・河川等の水に放散させる冷却システムにおいても、本発明の適用は可能である。
1 ブレード
2 ロータ
3 主軸
4 増速機
5 発電機
6 ナセル
7 タワー
8 電力変換器
9 変圧器
10 基礎
12 海面
13 ラジエータ
14 吸気口
15 排気口
16 冷却水ポンプ
17 冷却水配管
18 外気温センサ
19 風速センサ
20 日射量センサ
21 冷却水温センサ
30 状態判定装置

Claims (13)

  1. 風を受けて回転するロータを備えて、該ロータの動力を用いて発電運転する風車を備える風力発電システムであって、
    前記風車に搭載されて、前記風車の運転時に前記風車の外部媒体と直接または間接に熱交換する機器と、
    前記風車に搭載される前記機器の冷却システムと、
    前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度、及び前記風車における環境要因に応じて、前記機器または前記冷却システムの健全性を判定する状態判定装置を備えることを特徴とする風力発電システム。
  2. 請求項1に記載の風力発電システムであって、前記状態判定装置は、前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度と、前記環境要因に応じて変化させる第1の基準値を比較することを特徴とする風力発電システム。
  3. 請求項2に記載の風力発電システムであって、前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度が前記第1の基準値以上となった場合に音声発報または映像表示を行う通知手段を備えることを特徴とする風力発電システム。
  4. 請求項2または3に記載の風力発電システムであって、前記環境要因は、風速、前記風車外気温、前記風車が設置される海、湖若しくは河川の水温、または日射量のうちの少なくともいずれかであることを特徴とする風力発電システム。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の風力発電システムであって、
    更に前記風車の発電運転を停止または出力抑制する際における温度として第2の基準値を有し、
    前記第1の基準値は、前記第2の基準値よりも低く設定されることを特徴とする風力発電システム。
  6. 請求項5に記載の風力発電システムであって、
    前記第1の基準値は、前記第2の基準値から前記環境要因を用いて決定されることを特徴とする風力発電システム
  7. 請求項6に記載の風力発電システムであって、前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度が、前記第1の基準値以上であって前記第2の基準値未満の場合、前記風車の発電は停止させずに前記風車の運転モードを変更することを特徴とする風力発電システム。
  8. 請求項7に記載の風力発電システムであって、前記運転モードの変更は、計測データの収集または処理モードの変更を含むことを特徴とする風力発電システム。
  9. 請求項7または8に記載の風力発電システムであって、
    前記冷却システムはファンまたはポンプの少なくともいずれかを備え、
    前記運転モードの変更は、前記ファンまたは前記ポンプを調整して前記冷却システムの性能を向上させることを含むことを特徴とする風力発電システム。
  10. 請求項7ないし9のいずれか1項に記載の風力発電システムであって更に第2の基準値とは異なり、かつ前記風車の停止基準となる第3の基準値を有し、前記運転モードの変更は、前記第2の基準値と前記第3の基準値を併用して前記風車の運転可否を判断するモードへの変更を含むことを特徴とする風力発電システム。
  11. 請求項10に記載の風力発電システムであって、風速、前記風車外気温、前記風車が設置される海、湖若しくは河川の水温、または日射量のうちの少なくともいずれかの計測値または予測値が、前記第3の基準値以上となった場合に前記風車を停止させることを特徴とする風力発電システム。
  12. 請求項2ないし11のいずれか1項に記載の風車を複数配置したウィンドファームであって、
    一の前記風車における前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度が前記第1の基準値以上となった場合、他の風車における温度情報と比較することを特徴とするウィンドファーム。
  13. 請求項12に記載のウィンドファームであって、
    いずれかの前記風車における前記機器の温度または前記機器を通過する冷媒の温度が前記第1の基準値以上となった場合に音声発報または映像表示を行う通知手段を少なくとも一つ備えることを特徴とするウィンドファーム。
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