JP2017031146A - Nik阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、がんの発生及び進行などに関与するNF−κB inducing kinase(NIK)の活性化を抑制し、IκB kinase(IKK)/NF−κB経路を調節することで、当該経路が関与する疾患を予防及び治療する効能を有する薬剤を提供する。
【解決手段】マンギフェリンを有効成分とするNIK阻害剤は、NIKだけを選択的に阻害することができ、NF−κBが恒常的に活性化している悪性腫瘍に対して有用な医薬組成物とすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞の生存、増殖に必要な遺伝子を発現させる転写因子であるNuclear factor kappa B (NF−κB)の活性を調節するNuclear factor kappa B−inducing kinase (NIK)を特異的に阻害する薬剤を提供する。
Nuclear factor kappa B (NF−κB)は、細胞の生存、増殖に必要な遺伝子を発現させる転写因子であり、この因子の活性制御異常は、がん、炎症性疾患などの原因となる。Nuclear factor kappa B−inducing kinase (NIK)はセリン/スレオニンキナーゼで、NF−κBの活性化を調節する重要な因子である。
NIKを阻害する薬剤は、NF−κBが恒常的に活性化している疾患に対して有効である可能性が考えられるが、NIKを特異的に阻害する薬剤はほとんどなく、実臨床においては存在しない。
特許文献1には、NIK阻害剤として用いて抗NIK抗体を用いた技術が開示されている。特許文献1では、NIK由来のペプチドを複数種用い、NIKに特異的に結合するモノクロナール抗体を得ている。
特許文献2および特許文献3は、合成によって得られるピラゾロイソキノリン誘導体が、NIK阻害効果があることを開示している。
特許文献4もNIKを阻害する一連の合成化合物を示している。
特表2007−530437号公報 特表2006−513137号公報 特表2007−521227号公報 特表2011−525915号公報
「特集:次世代シグナル伝達研究−先駆的基礎解析と臨床・創薬への展開− がんの分子標的治療と耐性シグナル」矢野聖二、生化学、第85巻、第6号、pp.475−485、2013
本発明は安価に入手できる材料を用いたNIK阻害剤を提供することを目的とする。本発明の目的は、がんの発生及び進行などに関与するNF−κB inducing kinase(NIK)の活性化を抑制し、IκB kinase(IKK)/NF−κB経路を調節することで、当該経路が関与する疾患を予防及び治療する効能を有する薬剤を提供する。NIK/IKK/NF−κB系阻害物質を含有する医薬組成物はNF−κBが恒常的に活性化しているがん、炎症性疾患を予防及び治療することができる。
本発明者らは、上記の課題を解決すべくNIKを阻害する化合物を探索したところ、マンギフェリンがNIKの阻害作用を有し、NF−κBが恒常的に活性化しているがんに対して細胞死を誘導することを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明に係るNIK阻害剤は、マンギフェリンを有効成分とすることを特徴とする。
本発明によれば、NIKを阻害することで多発性骨髄腫及び悪性黒色腫をはじめとするNF−κBが恒常的に活性化している悪性腫瘍に対して有用な医薬組成物を提供することができる。また現在、NIKを特異的阻害する薬剤はほとんどなく、実臨床においては存在しない。本発明はNIKを特異的に阻害することでその下流のIKK/NF−κB経路を抑制することから、新たながん分子標的薬として有用である。
多発性骨髄腫細胞株であるIM9細胞を用いて、マンギフェリン投与によるNIK阻害作用について、イムノブロッティングの結果を示す写真である。 マンギフェリン投与により、NIKの下流シグナルであるIKK、IκB、NF−κB、NF−κB2の活性動態について、イムノブロッティングの結果を示す写真である。 マンギフェリン投与によるNIK/IKK/NF−κB経路以外の生存シグナル因子であるERK、JNK、mTORの活性動態について、イムノブロッティングの結果を示す写真である。 IM9細胞を用いて、マンギフェリンによる細胞死誘導効果について、トリパンブルーダイ法で検討した結果を示すグラフである。 RPMI8226細胞を用いて、マンギフェリンによる細胞死誘導効果について、トリパンブルーダイ法で検討した結果を示すグラフである。 ARH−77細胞を用いて、マンギフェリンによる細胞死誘導効果について、トリパンブルーダイ法で検討した結果を示すグラフである。 悪性黒色腫細胞を用いてマンギフェリンによる腫瘍増殖抑制効果について検討した結果を示すグラフである。 In vivoでのマンギフェリンのNIK抑制効果について悪性黒色腫細胞にて担癌マウスを作製し、悪性黒色腫細胞のイムノブロッティングの結果を示す写真である。
以下に本発明に係るNIK阻害剤について説明を行う。なお、以下の説明は本発明の一実施の形態および一実施例についての例示であって、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下の実施の形態は変更することができる。
本発明に係るNIK阻害剤はマンギフェリンを有効成分として含む。マンギフェリンは、トンガの伝統民間薬であるオンガエルの葉の主成分で、抗炎症作用があることが確認されている。マンギフェリン(C191811:体系名:2−β−D−グルコピラノシル−1,3,6,7−テトラヒドロキシ−9H−キサンテン−9−オン2,3,6,8−テトラヒドロキシ−7−(β−D−グルコピラノシル)−9H−キサンテン−9−オン)は、コタラヒム(学名Salacia reticulata)やマンゴー(学名Mangifera indica)にも多く含まれている物質で、(1)式の構造を有している。
マンギフェリンは、主としてマンゴーから抽出するのが簡単である。マンギフェリンはこれまで糖尿病や抗肥満作用に効果があるとされていたので、抽出方法も溶媒抽出だけでなく、亜臨界水を用いたものまで、さまざまな研究がされている。
マンギフェリンは、比較的低分子量化合物で、水に良く溶け、経口摂取が可能である。本発明に係るNIK阻害剤はマンギフェリンを有効成分として含む。またその他の薬剤として許容される成分を含んでいて良い。
ここで有効成分とは、NIK阻害作用を発揮する程度の量が含まれていれば足りる。また、本発明は癌若しくは炎症性疾患の予防薬、治療薬として用いてもよい。
医薬組成物としての形態は特に限定されるものではなく、カプセル剤、顆粒剤、溶液、乳濁液、懸濁液、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤、チンキ剤、点眼剤、点鼻液、軟膏、クリーム、ローション剤、注射剤、座薬等で提供される。
また、本発明は加工食品若しくは補助食品として用いてもよい。加工食品若しくは補助食品(以下「加工食品等」と呼ぶ。)に含まれるマンギフェリンの量はNIK阻害作用を発揮する程度の量が含まれていれば足りる。
加工食品としては、例えば、飴、ガム、ゼリー、ビスケット、クッキー、煎餅、パン、麺、魚肉・畜肉練製品、茶、清涼飲料、コーヒー飲料、乳飲料、乳清飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン等といった一般加工食品だけでなく、軟エキス剤、乾燥エキス剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、錠剤、液剤、浸剤、煎剤、トローチ剤、流エキス剤、チンキ剤といったエキス剤や、アルコール飲料を含んでもよい。以下実施例に基づいて本発明に係るNIK阻害剤を説明する。
<実施例1:マンギフェリン投与によるNIK活性化阻害の検討>
多発性骨髄腫細胞株であるIM9細胞を用いて、マンギフェリン投与によるNIK阻害作用について、イムノブロッティングで検討した結果、NIKの活性化阻害を認めた(図1)。
IM9細胞、を150cmフラスコに播種し、37℃、5%COの条件下で72時間培養したもの(Control)およびIM9細胞を150cmフラスコに播種し、24時間前培養後、IM9細胞にマンギフェリンを最終濃度が0、5、10、25、50μg/mLになるように添加し37℃、5% COの条件下で72時間培養した。この培養液から細胞溶解液にてタンパク質を抽出し、サンプルとした。なお、最終濃度が0μg/mLとは、マンギフェリンを溶解した溶媒だけをいれたもの(Vehicle)である。
各サンプルをSDS−PAGE後、PVDF膜に転写し、抗phospho−NIK抗体および抗NIK抗体を用いてNIKのリン酸化を検討した。
イムノブロッティングの結果を図1に示す。写真横方向には、Control、Vehicle、マンギフェリンが、5、10、25、50μg/mL添加された場合を並べて示した。縦方向には、抗体種を示した。具体的には、抗phospho−NIK抗体の場合(「Phospho−NIK」と表示した)および抗NIK抗体の場合(「NIK」と表示した)を示した。抗NIK抗体の写真では、全てのサンプルのアッセイ結果に違いはなかった。一方、抗phospho−NIK抗体の場合は、マンギフェリンの添加量が増えるに連れて、イムノブロッティングの写真が薄くなった。
より具体的には、マンギフェリンが添加されていないControlとVehicleよりも、マンギフェリンが5μg/mLと10μg/mL添加されたサンプルのイムノブロッティングの結果は薄くなった。また、マンギフェリンが5μg/mLと10μg/mLよりもマンギフェリンが25μg/mLと50μg/mLの方が、サンプルのイムノブロッティングの結果はより薄かった。
<実施例2:マンギフェリン投与によるNIKの下流シグナルの検討>
マンギフェリン投与により、NIKの下流シグナルであるIKK、IκB、NF−κBの活性動態について、イムノブロッティングで検討した結果、IKK、IκBの活性化阻害、IκBの発現増加、NF−κBおよびNF−κB2の核移行阻害を認めた(図2)。
実施例1と同様にControl、Vehicle、マンギフェリンが5、10、25、50μg/mLの6種のサンプルを用意し、各サンプルをSDS−PAGE後、PVDF膜に転写し、抗phospho−IKK抗体および抗IKK抗体、抗phospho−IκB抗体および抗IκB抗体、抗NF−κBp65抗体および抗NF−κBp52抗体、抗LaminA/C抗体、抗NF−κBp65抗体、抗NF−κB2p100抗体および抗NF−κB2p52抗体、および抗β−actin抗体を用いてアッセイを行った。
イムノブロッティングの結果を図2に示す。写真横方向には、Control、Vehicle、マンギフェリンが、5、10、25、50μg/mLの場合を並べて示した。縦方向には、抗体種を示した。具体的には、抗phospho−IKK抗体(「Phospho−IKK」と記載)および抗IKK抗体(「IKK」と記載)、抗phospho−IκB抗体(「Phospho−IκB」と記載)、抗IκB抗体(「IκB」と記載)、抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65nuclear」と記載)、抗NF−κBp52抗体(「NF−κBp52nuclear」と記載)、抗LaminA/C抗体(「LaminA/C」と記載)、抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65cytoplasm」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p100cytoplasm」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p52cytoplasm」と記載)および抗β−actin抗体(「β−actin」と記載)である。
なお、NF−κBp65nuclearとNF−κBp52nuclearは、それぞれ核内のNF−κBp65とNF−κBp52を表す。また、NF−κBp65cytoplasmとNF−κB2p100cytoplasmとNF−κB2p52cytoplasmは、それぞれ細胞質内のNF−κBp65、NF−κB2p100、NF−κB2p52である。また、NF−κB2p100とNF−κB2p52の検出は同一の抗体を使用している。したがって、これを「抗NF−κB2p100/p52抗体」とした。
また、細胞から核と細胞質基質を分離するのは、メルク株式会社製のProteoExtract(登録商標) Subcellular Proteome Extraction Kitを用いて細胞質分画および核分画を抽出した。
抗phospho−IKK抗体(「Phospho−IKK」と記載)および抗IKK抗体(「IKK」と記載)を参照して、IKK自体は、マンギフェリンの添加量に係らず一定であった。しかし、抗phospho−IKK抗体では、マンギフェリンの添加量が多くなると、イムノブロッティングの結果では影が薄くなり、マンギフェリンが25μg/mL以上では、影がなくなった。これは、マンギフェリンの添加量が25μg/mL以上になると、IKKのリン酸化が行われなくなったことを示す。
次に抗phospho−IκB抗体(「Phospho−IκB」と記載)および抗IκB抗体(「IκB」と記載)を参照する。IκBは、写真ではわかりにくいが、マンギフェリンの添加量が増加するにしたがって増加した(写真では影が濃くなった。)。一方、リン酸化IκBはマンギフェリンの添加量の増大に応じて減少し、マンギフェリンが25μg/mL以上になると、ほとんどなくなった(写真上で影はなくなる。)。
IKKはIκBキナーゼであるので、IKKが活性化されなければ、IκBも活性化されない。活性化されていないIκBの増加もこの現象を裏づけている。この結果は、抗phospho−IKK抗体(「Phospho−IKK」と記載)および抗IKK抗体(「IKK」と記載)の結果と対応するものである。
次に細胞核内物質に対する抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65nuclear」と記載)、抗NF−κBp52抗体(「NF−κBp52nuclear」と記載)および抗LaminA/C抗体(「LaminA/C」と記載)を参照する。LaminA/Cは、マンギフェリンの添加量に係らず存在しているが、核内のNF−κBp65は、マンギフェリンを5μg/mL添加しただけでも、ほとんど存在を認められなくなった。写真としては影が見えない。また、核内のNF−κBp52は、マンギフェリンの添加量の増加にしたがって、減少した(影が薄くなった)。
ラミン(Lamin)は、細胞核内で構造の維持と転写の調節を行う繊維状タンパク質である。したがって、全てのサンプルで核内物質を検出している状態で、マンギフェリンを添加した場合には核内のNF−κBp65やNF−κBp52は存在しない若しくは、存在しても非常に少ないことを示している。
一方、細胞質基質に対する抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65cytoplasm」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p100cytoplasm」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p52cytoplasm」と記載)および抗β−actin抗体(「β−actin」と記載)を参照する。細胞質内のNF−κBp65およびβ−actinは、マンギフェリンの添加量に係らず、存在が確認された。NF−κBは、制御タンパク質であるIκBと結合した状態で細胞質内に存在し、IκBの分解によりNF−κBが活性化されて核内へと移行し、炎症性サイトカインや接着分子などの標的遺伝子の発現を制御する転写因子として機能することが知られている。
上記の結果は、マンギフェリンが添加されていない状況では、細胞質内に存在しているNF−κBが核内に移動するが、マンギフェリンの添加によって、NF−κBの核内移動が抑制されていることを示している。
細胞質基質内のNF−κB2p100は、マンギフェリンの添加にしたがって、増加しているように観察された(影が濃くなった)。一方、細胞質基質内のNF−κB2p52は、マンギフェリンの添加にしたがって、減少しているように観察された(影が薄くなった)。NF−κB2p100はIKKαの活性によりプロセシングされNF−κB2p52に限定分解されると活性することが知られている。
したがって、図2の結果は、マンギフェリンの増加によって、NF−κB2の活性も抑制されていることを示している。これはリン酸化されたIKK(「Phospho−IKK」)がマンギフェリンの添加量を増やすと減少する(IKKの活性が低下する)こととも対応している。
なお、β−actinはマンギフェリンの増加があっても、量に変化はなかった。細胞骨格を形成するβ−actinに変化が無かったことから、細胞のプレパレーションからイムノブロッティング法の過程において、誤差要因は入らなかったと考えられる。
<実施例3:マンギフェリン投与による生存シグナルの検討>
マンギフェリン投与によるNIK/IKK/NF−κB経路以外の生存シグナル因子であるERK、JNK、mTORの活性動態について、イムノブロッティングで検討した結果、ERK、JNK、mTORの活性動態に変化を認めなかった(図3)。
実施例1と同様にControl、Vehicle、マンギフェリンが5、10、25、50μg/mLの6種のサンプルを用意し、各サンプルをSDS−PAGE後、PVDF膜に転写し、抗phospho−ERK1/2抗体および抗ERK1/2抗体、抗phospho−JNK1/2抗体および抗JNK1/2抗体、抗phospho−mTOR抗体および抗mTOR抗体を用いてアッセイを行った。
イムノブロッティングの結果を図3に示す。写真横方向には、Control、Vehicle、マンギフェリンが、5、10、25、50μg/mLの場合を並べて示した。縦方向には、抗体種を示した。具体的には、抗phospho−ERK1/2抗体(「Phospho−ERK1/2」と記載)および抗ERK1/2抗体(「ERK1/2」と記載)、抗phospho−JNK1/2抗体(「Phospho−JNK1/2」と記載)および抗JNK1/2抗体(「JNK1/2」と記載)、抗phospho−mTOR抗体(「Phospho−mTOR」と記載)および抗mTOR抗体(「mTOR」と記載)である。
図3を参照する。抗phospho−ERK1/2抗体(「Phospho−ERK1/2」と記載)および抗ERK1/2抗体(「ERK1/2」と記載)を参照して、ERK1/2も、リン酸化したERK1/2もマンギフェリンの添加に係らず一定であった。
抗phospho−JNK1/2抗体(「Phospho−JNK1/2」と記載)および抗JNK1/2抗体(「JNK1/2」と記載)を参照して、JNK1/2も、リン酸化したJNK1/2もマンギフェリンの添加に係らず一定であった。
抗phospho−mTOR抗体(「Phospho−mTOR」と記載)および抗mTOR抗体(「mTOR」と記載)を参照して、mTORも、リン酸化したmTORもマンギフェリンの添加に係らず一定であった。
ERK1/2およびJNK1/2はともに分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPキナーゼ)と呼ばれているシグナル系列の物質である。またmTORは、PI3K/Akt/mTOR経路の中の物質で、細胞分裂や細胞死や血管新生やエネルギー産生などに作用してがん細胞の増殖を促進するといわれている。マンギフェリンはこれらのシグナル系列の物質には、なんの影響も与えなかった。
<実施例4:マンギフェリンの細胞死誘導効果の検討>
多発性骨髄腫細胞株を用いて、マンギフェリンによる細胞死誘導効果について、トリパンブルーダイ法で検討した結果、図4に示されるように、全ての多発性骨髄腫細胞株においてマンギフェリンにより細胞死誘導効果を認めた。
IM9細胞(多発性骨髄腫細胞株)、RPMI8226細胞(ヒト多発性骨髄腫細胞株)、ARH−77細胞(ヒト多発性骨髄腫細胞株)を96−well plateに播種後、各濃度のマンギフェリンを添加し、トリパンブルーダイ法により細胞生存率を測定した。結果を図4から図6に示す。
IM9細胞、RPMI8226細胞、ARH−77細胞ともに5%CO、37℃の条件で、培養を行った。培養液は、RPMI−1640培地に100μg/mLペニシリン、100U/mLストレプトマイシンとウシ胎児血清を添加したものを用いた。
図4はIM9細胞の場合の結果を示す。横軸は投与後経過日数(日)である。縦軸は細胞生存率(%)を示す。また、マンギフェリンを入れなかったもの(Control)、水だけをいれたもの(Vehicle)、マンギフェリンを5、15、25、50μg/mLの濃度で添加したものについての結果を示す。
図5はRPMI8226細胞の場合の結果を示す。図6は、ARH−77細胞の場合の結果を示す。なお、RPMI8826細胞およびARH−77細胞については、マンギフェリンは50、100、200、400μg/mLの濃度で添加している。結果、いずれの場合も、すべての細胞株において濃度依存的に細胞生存率の低下が確認された。
<実施例5:In vivoでのマンギフェリンの腫瘍増殖抑制効果>
悪性黒色腫細胞を用いてマンギフェリンによる腫瘍増殖抑制効果について検討した結果、図7に示されるようにマンギフェリン投与により腫瘍増殖抑制効果を認めた。
C57BL6/JマウスにB16BL6細胞(マウスメラノーマ細胞)を移植後、マンギフェリンを連日経口投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討した。図7を参照する。図7は、横軸が投与後経過日数(日)であり、縦軸が腫瘍体積mmである。白丸はVehicle、黒四角は50mg/kg、黒三角は100mg/kg、黒菱形は200mg/kgの結果である。その結果、マンギフェリン投与の量が多いほど、腫瘍体積の増加が抑制された。
<実施例6:In vivoでのマンギフェリン投与におけるNIK抑制効果>
In vivoでのマンギフェリンのNIK抑制効果について悪性黒色腫細胞にて担癌マウスを作製し、検討を行った結果、図8に示されるようにマンギフェリン投与によりNIK、IKK及びNF−κBの抑制効果を認めた。
C57BL6/JマウスにB16BL6細胞(マウスメラノーマ細胞)を移植後、マンギフェリンを連日経口投与し、17日後に腫瘍を切除した。この腫瘍からタンパクを回収し、イムノブロッティング法によりNIK、IKK、NF−κBおよびNF−κB2の活性化を測定した。
イムノブロッティングの結果を図8に示す。写真横方向には、Vehicle、マンギフェリンが、50、100、200mg/kgの場合を並べて示した。縦方向には、抗体種を示した。具体的には、抗phospho−NIK抗体(「Phospho−NIK」と記載)および抗NIK抗体(「NIK」と記載)、抗phospho−IKK抗体(「Phospho−IKK」と記載)および抗IKK抗体(「IKK」と記載)、抗phospho−NF−κB抗体(「Phospho−NF−κB」と記載)および抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p100」と記載)、抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p52」と記載)および抗β−actin抗体(「β−actin」と記載)である。
抗phospho−NIK抗体(「Phospho−NIK」と記載)および抗NIK抗体(「NIK」と記載)を参照して、NIKの影はマンギフェリンの投与量では変化なかった。しかし、NIKのリン酸化はマンギフェリンの添加量に比例し、写真において影が薄くなった。図1で示したIM9細胞の結果と同じであった。
また、抗phospho−IKK抗体(「Phospho−IKK」と記載)および抗IKK抗体(「IKK」と記載)を参照して、IKKはマンギフェリンの添加によって変化は無かった。しかし、リン酸化IKKはマンギフェリンの増加によって写真の影が薄くなった。これも図2で示したIM9細胞の結果と同じであった。
抗phospho−NF−κB抗体(「Phospho−NF−κB」と記載)および抗NF−κBp65抗体(「NF−κBp65」と記載)を参照して、NF−κBはマンギフェリンの添加によって影が濃くなっていった。そして、リン酸化NF−κBはマンギフェリンの増加によって写真の影が薄くなった。
これはNF−κBのリン酸化がマンギフェリンの増加によって減少し、それに伴って非リン酸化NF−κB自体の量が増加したということである。NF−κBは、I−κBが分解した後、p65部位がリン酸化され、核内に移動し、DNAと結合し、遺伝子の転写を活性化することで、細胞の増殖や生存を促進する。マンギフェリンの増加によって、リン酸化NF−κBが減り、非リン酸化NF−κBが増加したということは、核内に移行するNF−κBが減少したことを示している。
抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p100」と記載)および抗NF−κB2p100/p52抗体(「NF−κB2p52」と記載)を参照して、NF−κB2p100はマンギフェリンの添加によって影が濃くなっていった。そして、NF−κB2p52はマンギフェリンの増加によって写真の影が薄くなった。
これは、IKKαの活性化によるNF−κB2の限定分解が抑制されたことを表している。したがって、NF−κB2においても核内に移行するNF−κB2p52が減少したことを示している。
したがって、マンギフェリン投与群ではNIK、IKK、NF−κBおよびNF−κB2の活性化が抑制されることを確認した。また、上記の結果は、マンギフェリンのNIK阻害活性は、経口摂取によっても効果が得られることをも確認できた。
なお、β−actinはマンギフェリンの増加があっても、量に変化はなかった。細胞骨格を形成するβ−actinに変化が無かったことから、細胞のプレパレーションからイムノブロッティング法の過程において、誤差要因は入らなかったと考えられる。
本発明に係るNIK阻害剤は、NIKだけを選択的に阻害するので、NF−κBが恒常的に活性化している悪性腫瘍に対して有用な医薬組成物とすることができる。

Claims (3)

  1. マンギフェリンを有効成分とするNIK阻害剤。
  2. マンギフェリンを有効成分とする癌若しくは炎症性疾患の予防薬。
  3. マンギフェリンを有効成分とする癌若しくは炎症性疾患の治療薬。
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