JP2017028450A - ユーザ装置、基地局及び通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする。
【解決手段】ユーザ装置と中継装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、ユーザー装置は、基地局からの無線信号を受信する受信部と、基地局からの無線信号を受信できない場合に、ユーザ装置の位置を測定し、測定された位置を示す位置情報を生成して中継装置に送信する送信部と、を有する。基地局は、3Dビームフォーミングをサポートし、ユーザ装置の位置情報を取得する取得部と、ユーザ装置の位置情報と基地局の位置情報とに基づいてビームを形成する方向を決定する決定部と、決定した方向にビームを形成して無線信号を送信する送信部と、を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ユーザ装置、基地局及び通信方法に関する。
LTE(Long Term Evolution)では、システム容量の更なる大容量化、データ伝送速度の更なる高速化、無線区間における更なる低遅延化などを実現するために、様々な無線技術の検討が進んでいる。
例えば、第5世代と呼ばれる無線通信方式では、10Gbps以上のスループットを実現しつつ、無線区間の遅延を1ms以下にするといった要求条件を実現するために、様々な要素技術の検討が行われている。
株式会社NTTドコモ、"ドコモ5Gホワイトペーパー"、2014年9月
近い将来、ディスプレイを搭載した飛行船又は気球を上空に飛ばし、各種情報(広告、ニュース、テレビ映像等)を表示させるサービスが提供されることが想定される。
このようなサービスに用いられる無線通信方式には、非常に高いスループット、低遅延、及び高信頼性(映像が途切れたり乱れたりしない)が求められることから、例えば、上述の第5世代の無線通信方式が用いられることが想定される。
しかしながら、基地局は、一般的に地上のユーザ装置と通信する前提であり、また、高層ビル等において複数の基地局からの電波を受けることによる干渉を防止するため、チルト角(基地局から放射される電波の方向)を地上方向に向けていることが多い。従って、上述のようなサービスを提供しようとした場合、飛行船又は気球の存在している上空は、圏外(エリア外)又は無線品質が非常に劣化した状態になってしまい、サービスの提供が困難になる可能性がある。
開示の技術は上記に鑑みてなされたものであって、圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
開示の技術のユーザ装置は、ユーザ装置と中継装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、前記中継装置及び前記基地局と通信するユーザ装置であって、前記基地局からの無線信号を受信する受信部と、前記基地局からの無線信号を受信できない場合に、当該ユーザ装置の位置を測定し、測定された位置を示す位置情報を生成して前記中継装置に送信する送信部と、を有する。
また、開示の技術の基地局は、ユーザ装置と地局とを備える無線通信システムにおいて、前記ユーザ装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局であって、前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を取得する取得部と、前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定する決定部と、前記決定部により決定した方向にビームを形成して無線信号を送信する送信部と、を有する。
また、開示の技術の通信方法は、ユーザ装置と、前記ユーザ装置と通信する中継装置と、前記ユーザ装置及び前記中継装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局とを備える無線通信システムが行う通信方法であって、前記ユーザ装置が、前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を前記中継装置に送信するステップと、前記中継装置が、前記第一の位置情報を前記基地局に送信するステップと、前記基地局が、前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定するステップと、前記基地局が、決定した方向にビームを形成して無線信号を送信するステップと、を有する。
開示の技術によれば、圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする技術が提供される。
実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。 実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。 実施の形態に係る中継装置の機能構成の一例を示す図である。 実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。 ユーザ装置と基地局との間で通信が確立される際の処理手順の一例を示すシーケンス図である。 ビームの方向を追従させる場合の処理手順(その1)の一例を示すシーケンス図である。 ビームの方向を追従させる場合の処理手順(その2)の一例を示すシーケンス図である。 複数のビームが形成された状態を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られるわけではない。例えば、本実施の形態に係る無線通信システムはLTEに準拠した方式のシステムを想定しているが、本発明はLTEに限定されるわけではなく、他の方式にも適用可能である。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「LTE」は、3GPPのリリース8、又は9に対応する通信方式のみならず、3GPPのリリース10、11、12、13、又はリリース14以降に対応する第5世代の通信方式も含む広い意味で使用する。
<概要>
図1は、実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、実施の形態に係る無線通信システムは、ユーザ装置1と中継装置2と基地局3とを含む。図1の例では、1つのユーザ装置1が示されているが、図示の便宜上のものであり、ユーザ装置1の数に制約はない。また、図1の例では、1つの基地局3が示されているが、複数の基地局3が含まれるようにしてもよい。
ユーザ装置1は、無線を通じて、中継装置2及び基地局3と通信を行う機能を有している。ユーザ装置1は、例えば飛行船又は気球等に搭載されていることを想定しており、基地局3が構成するセルの圏外に存在している場合、自身の位置情報を中継装置2に通知する機能を有する。なお、ユーザ装置1は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット、モバイルルータ、ウェアラブル端末などが想定されるが、通信機能を有する機器であれば、どのような機器であってもよい。
中継装置2は、ユーザ装置1及び基地局3と通信する機能を有しており、ユーザ装置1から受信した位置情報を基地局3に通知する機能を有する。中継装置2とユーザ装置1との間の通信方式は問わないが、例えば、LTEのD2D(Device to Device)通信、無線LAN、WiFiDirect(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Wigig(登録商標)等が用いられてもよい。また、中継装置2は、基地局3が形成するセルの圏内に存在していてもよいし、セルの圏内に存在していなくてもよい。また、中継装置2と基地局3との間の通信方式は問わないが、例えば、LTE等の無線通信方式が用いられてもよいし、有線ネットワークで接続されていてもよい。
基地局3は、ユーザ装置1及び中継装置2と通信する機能を有しており、主に地上向けのセルを形成する。また、基地局3は、中継装置2から通知された位置情報に基づいてユーザ装置1の位置を把握し、3D(3次元)ビームフォーミングを用いてユーザ装置1が存在する方向にビームを形成することで、セルの圏外に存在するユーザ装置1との間で通信を行うことを可能にする。
なお、ビームフォーミングとは、電波を細く絞って特定の方向に向けて集中的に送信する技術である。ビームフォーミングを用いることで、干渉を減らしつつ、より遠くまで電波を届けることが可能になる。また、3Dビームフォーミングとは、水平方向及び垂直方向の両方に動的にビームフォーミングを行う技術である。
なお、本実施の形態において、ユーザ装置1と基地局3との間でCA(Carrier Aggregation)通信が用いられてもよい。また、ユーザ装置1と複数の基地局3との間でDC(Dual Connectivity)によるCA通信が行われてもよい。また、複数のユーザ装置1が存在する場合、基地局3は、ユーザ装置1の位置する方向ごとにそれぞれビームを形成するようにしてもよい。
<機能構成>
(ユーザ装置)
図2は、実施の形態に係るユーザ装置の機能構成の一例を示す図である。図2に示すように、ユーザ装置1は、信号送信部11と、信号受信部12と、位置測定部13と、位置情報送信部14と、品質測定部15とを有する。なお、図2は、ユーザ装置1において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、少なくともLTEに準拠した動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図2に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
信号送信部11は、ユーザ装置1から送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、基地局3に無線で送信する機能を含む。信号受信部12は、基地局3から各種の信号を無線で受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。
位置測定部13は、GPS(Global Positioning System)などを用いてユーザ装置1自身の現在位置を測定し、測定した位置を示す位置情報を生成する機能を有する。位置情報には、少なくとも緯度、経度及び高度が含まれる。また、位置測定部13は、所定の周期ごとにユーザ装置1自身の現在位置を測定して位置情報を更新するようにしてもよい。また、基地局3からの無線信号の受信品質が劣化した場合に、再度ユーザ装置1自身の現在位置を測定して位置情報を更新するようにしてもよい。
位置情報送信部14は、位置測定部13で生成された位置情報を中継装置2に送信する機能を有する。また、位置情報送信部14は、ユーザ装置1と基地局3との間で直接通信が可能な場合(すなわち、基地局3が形成するビームがユーザ装置1に向けられている場合)、位置情報を、信号送信部11を介して基地局3に直接送信するようにしてもよい。
品質測定部15は、基地局3から受信する無線信号の受信品質を測定する機能を有する。また、測定した受信品質と所定の閾値とを比較することで、基地局3からの無線信号の受信品質がどの程度劣化しているのかを判断する。
(中継装置)
図3は、実施の形態に係る中継装置の機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、中継装置2は、ユーザ装置通信部21と、基地局通信部22とを有する。なお、図3は、中継装置2において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、実施の形態に係る動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図3に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
ユーザ装置通信部21は、ユーザ装置1と通信を行う機能を有し、ユーザ装置1から受信した位置情報を基地局通信部22に渡す。
基地局通信部22は、基地局3と通信を行う機能を有し、ユーザ装置通信部21から渡された位置情報を基地局3に送信する。
(基地局)
図4は、実施の形態に係る基地局の機能構成の一例を示す図である。図4に示すように、基地局3は、信号送信部31と、信号受信部32と、位置情報取得部33と、ビーム方向決定部34とを有する。なお、図4は、基地局3において本発明の実施の形態に特に関連する機能部のみを示すものであり、実施の形態に係る動作を行うための図示しない機能も有するものである。また、図4に示す機能構成は一例に過ぎない。本実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分や機能部の名称はどのようなものでもよい。
信号送信部31は、基地局3から送信されるべき上位のレイヤの信号から、物理レイヤの各種信号を生成し、無線で送信する機能を含む。信号受信部32は、セル内の移動機又はユーザ装置1から各種信号を無線で受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する機能を含む。
また、信号送信部31及び信号受信部32は、ビーム方向決定部34から指示された方向にビームを形成して無線信号の送受信を行う機能を有する。また、信号送信部31は、ビーム方向決定部34から指示された方向の周辺に複数のビームを形成して、当該複数のビームの各々で参照信号(パイロット信号と呼んでもよい)を送信する機能を有する。
位置情報取得部33は、中継装置2からユーザ装置1の位置情報を取得する機能を有する。また、位置情報取得部33は、信号受信部32を介して、ユーザ装置1から直接位置情報を取得する機能を有する。
ビーム方向決定部34は、ユーザ装置1の位置情報と、基地局3自身の位置を示す位置情報とに基づいてビームを形成する方向を決定し、信号送信部31及び信号受信部32に指示する。ビーム方向決定部34は、例えば、ユーザ装置1の位置情報に含まれる緯度、経度及び高度、及び、基地局3自身の位置を示す位置情報に含まれる緯度、経度及び高度から、ビームを形成する方向を算出する。基地局3自身の位置を示す位置情報は、基地局3のメモリ等に予め記憶されていてもよい。また、ビーム方向決定部34は、基地局3自身の位置を示す位置情報を、GPS等を用いて自ら取得するようにしてもよい。基地局3が移動基地局であっても、ビームを形成する方向を高精度に決定することが可能になる。
<処理手順>
(通信確立処理)
図5は、ユーザ装置と基地局との間で通信が確立される際の処理手順の一例を示すシーケンス図である。図5を用いて、ユーザ装置1が基地局3により形成されるセルの圏外に存在する場合に、ユーザ装置1と基地局3との間で通信が確立されてデータ送受信が行われるまでの処理手順について説明する。
ステップS101で、ユーザ装置1の信号受信部12は、基地局3が形成するセルに在圏していないことを検出する。なお、ユーザ装置1は、基地局3が形成するセルに在圏可能である場合、ステップS102以降の処理手順を行わずに当該セルを介して基地局3に接続することになる。
ステップS102で、ユーザ装置1の位置測定部13は、ユーザ装置1自身の現在位置を測定し、測定された位置(緯度、経度及び高度)を含む位置情報を生成する。なお、位置情報には、現在位置を測定した時刻が含まれていてもよい。
ステップS103で、ユーザ装置1の位置情報送信部14は、位置情報を中継装置2に送信する。
ステップS104で、中継装置2の基地局通信部22は、ユーザ装置1から取得した位置情報を基地局3に送信する。なお、基地局通信部22は、予め定められた基地局3に位置情報を送信するようにしてもよい。また、基地局通信部22は、本無線通信システムに複数の基地局3が存在する場合、複数の基地局3の各々において3Dビームフォーミングにより無線信号を送信可能な範囲を示す情報と、ユーザ装置1から受信した位置情報とに基づいて、ユーザ装置1と通信可能な基地局3を選択するようにしてもよい。
ステップS105で、基地局3のビーム方向決定部34は、ステップS104の処理手順で受信したユーザ装置1の位置情報と基地局3自身の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定する。
ステップS106で、基地局3の信号送信部31は、ステップS106の処理手順で決定された方向にビームが形成されるように、基地局3が備える複数のアンテナポート毎にウエイトを乗算することで無線信号(同期信号、報知情報、参照信号等)を送信する。なお、基地局3は、例えば、多数のアンテナ素子(例:100素子)を用いるMassiveMIMO技術を用いることで、指向性の鋭いビームをユーザ装置1に向けて形成することができる。
なお、無線信号に含まれる同期信号は、例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)及びSSS(Secondary Synchronization Signal)であってもよいし、他の同期信号であってもよい。また、報知情報は、例えば、MIB(Master Information Block)及びSIB(System Information Block)であってもよい。また、参照信号(RS:Reference Signal)は、例えば、CRS(Cell Specific Reference Signal)、UE−SpecificRS、CSI−RS(Channel State Information-RS)等であってもよい。
ステップS107で、ユーザ装置1の信号受信部12は、ユーザ装置1に向けて送信された無線信号(ステップS106で送信された無線信号)を受信し、シンボルタイミング同期やシステム情報の取得等を行うことで、圏外から圏内に移行したことを検出する。
ステップS108で、ユーザ装置1の信号送信部11及び信号受信部12は、基地局3との間で呼接続処理(ランダムアクセス処理、アタッチ処理、認証処理等)を行い、基地局3との間でDL(Downlink)及びUL(Uplink)のデータ送受信を開始する。
(ビーム追従処理(その1))
続いて、ユーザ装置1が移動した場所に応じてビームの方向を追従させる際の処理手順について説明する。
図6は、ビームの方向を追従させる場合の処理手順(その1)の一例を示すシーケンス図である。ビーム追従処理(その1)では、ユーザ装置1から位置情報を基地局3に報告させることで、ユーザ装置1の移動した場所にビームを向けるように制御する。
なお、ユーザ装置1は、位置情報を基地局3に直接送信するようにしてもよいし、中継装置2を介して送信するようにしてもよい。位置情報が基地局3に直接送信される場合、図6のステップS204及びステップS205の処理手順は省略される。位置情報が中継装置2を介して基地局3に送信される場合、図6のステップS203の処理手順は省略される。
ステップS201で、ユーザ装置1の品質測定部15は、基地局3からビームにより送信される無線信号の受信品質を測定する。当該受信品質が所定の閾値Xを下回る場合、ユーザ装置1自身の移動により、ビームの向きと自身の位置とにずれが生じたことで無線信号の受信品質が劣化したと判断し、ステップS202の処理手順に進む。なお、品質測定部15が測定する受信品質は、例えば、下り参照信号の伝搬損、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSRI(Received Signal Strength Indicator)、RSRP(Reference Signal Received Power)、又はCQI(Channel Quality Indicator)であってもよい。また、これらを複数組み合わせるようにしてもよい。また、所定の閾値Xは、報知情報に含まれていてもよいし、RRC信号等を用いて基地局3からユーザ装置1に通知されてもよい。
ステップS202で、ユーザ装置1の位置測定部13は、ユーザ装置1自身の現在位置を測定し、位置情報を更新する。
ステップS203で、ユーザ装置1の位置情報送信部14は、更新された位置情報を、信号送信部11を介して基地局3に送信する。
ステップS204で、ユーザ装置1の位置情報送信部14は、更新された位置情報を、中継装置2に送信する。
ステップS205で、中継装置2の基地局通信部22は、ユーザ装置1から取得した位置情報を基地局3に送信する。なお、本無線通信システムに複数の基地局3が存在する場合、基地局通信部22は、図5のステップS104の処理手順で位置情報を送信した基地局3と同一の基地局3に、更新された位置情報を送信するようにしてもよい。また、基地局通信部22は、複数の基地局3の各々において3Dビームフォーミングにより無線信号を送信可能な範囲を示す情報と、更新された位置情報とに基づいて、ユーザ装置1と通信可能な基地局3を新たに選択するようにしてもよい。
ステップS206で、基地局3のビーム方向決定部34は、更新された位置情報と基地局3自身の位置情報とに基づいてビームを形成する方向を変更する。信号送信部31は、変更された方向にビームが形成されるように、基地局3が備える複数のアンテナポート毎にウエイトを乗算することで無線信号(同期信号、報知情報、参照信号等)を送信する。
以上の処理手順により、ユーザ装置1の移動により無線信号の受信品質が悪化した場合であっても、ビームの向きを正しい方向に変更することができ、通信品質を安定させることが可能になる。
なお、図6の処理手順においてステップS201の処理手順を省略し、ステップS202乃至ステップS206の処理手順が所定の周期(時間間隔)で繰り返し行われるようにしてもよい。ユーザ装置1の実装を簡易にすることが可能になる。
また、図6の処理手順において、ユーザ装置1は、ステップS201の処理手順で測定される受信品質に応じて、更新された位置情報を基地局3に直接送信するのか、中継装置2を介して送信するのかを切替えるようにしてもよい。例えば、受信品質が非常に劣化している場合、ユーザ装置1の位置情報送信部14は、更新された位置情報を基地局3に直接送信することはできないと判断し、中継装置2を介して送信するようにしてもよい。位置情報送信部14は、測定された受信品質が、前述の所定の閾値Xを下回る場合であって、かつ、所定の閾値Yを下回る場合に、受信品質が非常に劣化していると判断してもよい。また、所定の閾値Yは、報知情報に含まれていてもよいし、RRC信号等を用いて基地局3からユーザ装置1に通知されてもよい。これにより、ユーザ装置1は、更新された位置情報を可能な限り迅速に基地局3に通知することが可能になると共に、万が一基地局3に直接送信できない場合であっても、更新された位置情報を基地局3に通知することが可能になる。
(ビーム追従処理(その2))
図7は、ビームの方向を追従させる場合の処理手順(その2)の一例を示すシーケンス図である。ビーム追従処理(その2)では、基地局3から複数のビームを用いて参照信号を送信し、どのビームに係る参照信号の受信品質が良いかをユーザ装置1から基地局3にフィードバックさせることで、ユーザ装置1が移動した方向にビームを向けるように制御する。
ステップS301で、基地局3の信号送信部31は、ビームを形成する方向の周辺に複数のビームを形成し、複数のビームの各々で参照信号を送信する。基地局3は、例えば、図8に示す複数のビーム(1〜7)を形成するようにする。図8は基地局3のアンテナから見たビームの方向を示しており、紙面の横方向が水平方向、縦方向が垂直方向である。つまり、ビーム1は、図5のステップS105の処理手順で決定された方向に係るビームを示しており、ビーム2〜7は、図5のステップS105の処理手順で決定された方向の周辺に形成されたビームを示している。ビーム1〜7には、それぞれ異なる系列の参照信号が含まれており、図8に示すビームの番号(1〜7)と、参照信号の系列とが1対1に対応づけられている。従って、ユーザ装置1は、参照信号の系列を識別することで、各ビームを一意に識別することができる。
ステップS302で、ユーザ装置1の品質測定部15は、各ビームに含まれる参照信号の受信品質を測定する。測定する受信品質は、前述と同様に、参照信号の伝搬損、RSRQ、RSRI、RSRP、又はCQIであってもよい。また、これらを複数組み合わせるようにしてもよい。
ステップS303で、ユーザ装置1の信号送信部11は、ステップS302で測定した受信品質のうち、受信品質が良好なビームの番号を基地局3にフィードバックする。なお、フィードバックされるビーム番号は受信品質が最も良いビーム番号であってもよいし、上位X個のビーム番号であってもよい。また、ビーム1〜7の全てについて測定結果がフィードバックされてもよいし、受信品質が良好な順あるいは測定結果が悪い順にフィードバックされてもよい。また、ユーザ装置1の信号送信部11は、ビーム番号に加えて、受信品質も合わせてフィードバックしてもよい。
ステップS304で、基地局3のビーム方向決定部34及び信号送信部31は、ユーザ装置1からフィードバックされたビーム番号に基づいてユーザ装置1の移動を把握し、適切な方向(ビーム1に係る受信品質が良好になる方向)にビームが形成されるようにビームの方向を変更する。例えば、ユーザ装置1からビーム7の受信品質が最も良好であるとのフィードバックを受けた場合、基地局3は、変更後のビーム1の方向が変更前のビーム7の方向になるように、ビーム1〜7全体を移動させるように制御する。
以上の処理手順により、ユーザ装置1の移動により無線信号の受信品質が悪化した場合であっても、ビームの向きを正しい方向に変更することができ、通信品質を安定させることが可能になる。
なお、図6の処理手順において、ユーザ装置1から基地局3への受信品質のフィードバックは、例えば、報知情報又はRRC信号等を用いた基地局3からの指示に基づき周期的に行われるようにしてもよい。
<まとめ>
以上、実施の形態によれば、ユーザ装置と中継装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、前記中継装置及び前記基地局と通信するユーザ装置であって、前記基地局からの無線信号を受信する受信部と、前記基地局からの無線信号を受信できない場合に、当該ユーザ装置の位置を測定し、測定された位置を示す位置情報を生成して前記中継装置に送信する送信部と、を有するユーザ装置が提供される。このユーザ装置1により、圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする技術が提供される。
また、前記受信部が受信した無線信号の受信品質を測定する品質測定部、を有し、
前記送信部は、前記受信品質が第一の閾値を満たさない場合に、当該ユーザ装置の位置を測定して前記位置情報を更新し、更新した前記位置情報を前記中継装置又は前記基地局に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザ装置1の移動により無線信号の受信品質が悪化した場合であっても、基地局3はビームの向きを正しい方向に変更することができ、ユーザ装置1と基地局3との間で行われる通信の通信品質を安定させることが可能になる。
また、前記送信部は、前記受信品質が前記第一の閾値を満たさない場合であって、かつ、第二の閾値も満たさない場合、更新した前記位置情報を前記中継装置に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザ装置1は、更新された位置情報を可能な限り迅速に基地局3に通知することが可能になると共に、万が一基地局3に直接送信できない場合であっても、更新された位置情報を基地局3に通知することが可能になる。
また、前記送信部は、当該ユーザ装置の位置を所定の周期で測定して前記位置情報を更新し、更新した前記位置情報を所定の周期で前記中継装置又は前記基地局に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザ装置1が移動した場合であっても、基地局3はビームの向きを正しい方向に変更することができ、ユーザ装置1と基地局3との間で行われる通信の通信品質を安定させることが可能になる。また、ユーザ装置1は、所定の周期で位置情報を更新して基地局3に送信すればよいため、ユーザ装置1の実装を簡素化することができる。
また、前記受信部が受信した複数の参照信号の各々の受信品質を測定する品質測定部、を有し、前記送信部は、前記複数の参照信号の各々の受信品質を前記基地局に送信するようにしてもよい。これにより、ユーザ装置1の移動により無線信号の受信品質が悪化した場合であっても、ビームの向きを正しい方向に変更させることができ、通信品質を安定させることが可能になる。
また、実施の形態によれば、ユーザ装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、前記ユーザ装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局であって、前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を取得する取得部と、前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定する決定部と、前記決定部により決定した方向にビームを形成して無線信号を送信する送信部と、を有する基地局が提供される。この基地局3により、圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする技術が提供される。
また、前記決定部は、前記第一の位置情報に含まれる緯度、経度及び高度と、前記第二の位置情報に含まれる緯度、経度及び高度とに基づいて、ビームを形成する方向を決定するようにしてもよい。これにより、基地局3はビームを形成する方向を高精度に決定することが可能になる。
また、前記決定部は、前記第二の位置情報をGPSを用いて取得するようにしてもよい。これにより、基地局3が移動基地局であっても、ビームを形成する方向を高精度に決定することが可能になる。
また、前記送信部は、前記決定部により決定した方向の周辺に複数のビームを形成し、複数のビームの各々で参照信号を送信し、前記決定部は、前記ユーザ装置から通知された、前記複数のビームの各々で送信された参照信号ごとの受信品質に基づいて、前記ビームを形成する方向を変更するようにしてもよい。これにより、基地局3は、ユーザ装置1の移動に基づいてビームの向きを正しい方向に変更することができ、ユーザ装置1と基地局3との間で行われる通信の通信品質を安定させることが可能になる。
また、実施の形態によれば、ユーザ装置と、前記ユーザ装置と通信する中継装置と、前記ユーザ装置及び前記中継装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局とを備える無線通信システムが行う通信方法であって、前記ユーザ装置が、前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を前記中継装置に送信するステップと、前記中継装置が、前記第一の位置情報を前記基地局に送信するステップと、前記基地局が、前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定するステップと、前記基地局が、決定した方向にビームを形成して無線信号を送信するステップと、を有する通信方法が提供される。この通信方法により、圏外又は無線品質が劣化したエリアに存在するユーザ装置が通信を行うことを可能にする技術が提供される。
<実施形態の補足>
以上、本発明の実施の形態で説明する各装置(ユーザ装置1/中継装置2/基地局3)の構成は、CPUとメモリを備える当該装置において、プログラムがCPU(プロセッサ)により実行されることで実現される構成であってもよいし、本実施の形態で説明する処理のロジックを備えたハードウェア回路等のハードウェアで実現される構成であってもよいし、プログラムとハードウェアが混在していてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べたシーケンス及びフローチャートは、矛盾の無い限り順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、ユーザ装置1、中継装置2及び基地局3は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従ってユーザ装置1が有するプロセッサにより動作するソフトウェア、本発明の実施の形態に従って中継装置2が有するプロセッサにより動作するソフトウェア、及び本発明の実施の形態に従って基地局3が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD−ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
なお、実施の形態において、信号受信部12は、受信部の一例である。位置測定部13及び位置情報送信部14は、送信部の一例である。所定の閾値Xは、第一の閾値の一例である。所定の閾値Yは、第二の閾値の一例である。位置情報取得部33は、取得部の一例である。ビーム方向決定部34は、決定部の一例である。信号送信部31は、送信部の一例である。
1 ユーザ装置
2 中継装置
3 基地局
11 信号送信部
12 信号受信部
13 位置測定部
14 位置情報送信部
15 品質測定部
21 ユーザ装置通信部
22 基地局通信部
31 信号送信部
32 信号受信部
33 位置情報取得部
34 ビーム方向決定部

Claims (9)

  1. ユーザ装置と中継装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、前記中継装置及び前記基地局と通信するユーザ装置であって、
    前記基地局からの無線信号を受信する受信部と、
    前記基地局からの無線信号を受信できない場合に、当該ユーザ装置の位置を測定し、測定された位置を示す位置情報を生成して前記中継装置に送信する送信部と、
    を有するユーザ装置。
  2. 前記受信部が受信した無線信号の受信品質を測定する品質測定部、を有し、
    前記送信部は、前記受信品質が第一の閾値を満たさない場合に、当該ユーザ装置の位置を測定して前記位置情報を更新し、更新した前記位置情報を前記中継装置又は前記基地局に送信する、
    請求項1に記載のユーザ装置。
  3. 前記送信部は、前記受信品質が前記第一の閾値を満たさない場合であって、かつ、第二の閾値も満たさない場合、更新した前記位置情報を前記中継装置に送信する、請求項2に記載のユーザ装置。
  4. 前記送信部は、当該ユーザ装置の位置を所定の周期で測定して前記位置情報を更新し、更新した前記位置情報を所定の周期で前記中継装置又は前記基地局に送信する、請求項1に記載のユーザ装置。
  5. 前記受信部が受信した複数の参照信号の各々の受信品質を測定する品質測定部、を有し、
    前記送信部は、前記複数の参照信号の各々の受信品質を前記基地局に送信する、請求項1に記載のユーザ装置。
  6. ユーザ装置と基地局とを備える無線通信システムにおいて、前記ユーザ装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局であって、
    前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を取得する取得部と、
    前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定する決定部と、
    前記決定部により決定した方向にビームを形成して無線信号を送信する送信部と、
    を有する基地局。
  7. 前記決定部は、前記第一の位置情報に含まれる緯度、経度及び高度と、前記第二の位置情報に含まれる緯度、経度及び高度とに基づいて、ビームを形成する方向を決定する、請求項6に記載の基地局。
  8. 前記送信部は、前記決定部により決定した方向の周辺に複数のビームを形成し、複数のビームの各々で参照信号を送信し、
    前記決定部は、前記ユーザ装置から通知された、前記複数のビームの各々で送信された参照信号ごとの受信品質に基づいて、前記ビームを形成する方向を変更する、請求項6又は7に記載の基地局。
  9. ユーザ装置と、前記ユーザ装置と通信する中継装置と、前記ユーザ装置及び前記中継装置と通信し、3Dビームフォーミングをサポートする基地局とを備える無線通信システムが行う通信方法であって、
    前記ユーザ装置が、前記ユーザ装置の位置を示す第一の位置情報を前記中継装置に送信するステップと、
    前記中継装置が、前記第一の位置情報を前記基地局に送信するステップと、
    前記基地局が、前記第一の位置情報と当該基地局の位置を示す第二の位置情報とに基づいて、ビームを形成する方向を決定するステップと、
    前記基地局が、決定した方向にビームを形成して無線信号を送信するステップと、
    を有する通信方法。
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