JP2017026762A - 表示制御装置、表示制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 移動時に適した表示制御技術を提供することを目的とする。【解決手段】 取得手段は、ユーザに装着されて使用される装着型表示装置の移動方向を取得する。表示制御手段は、ユーザの視野範囲の実空間の一部と重なる位置に、装着型表示装置の表示手段によって、視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる。また、表示制御手段は、取得手段によって取得された移動方向に応じて、表示を制限する領域である表示制限領域の位置及びサイズのうちの少なくともいずれかを変更し、表示制限領域において実空間が視認可能となるように視野範囲の実空間に含まれない画像の表示を制限する。【選択図】 図1
Description
本発明は、ユーザの周囲の実空間と、ユーザの周囲の実空間に含まれない画像とを同時にユーザに視認させることが可能な表示装置の表示を制御する表示制御技術に関する。
従来、ユーザが装着して用いることができる装着型表示装置が知られている。このような装着型表示装置は、例えば眼鏡型の表示装置であり、装着者の視界上に表示画像を背景に重畳して視認させることが可能である。このような装着型のディスプレイを装着したユーザは、表示画像と、実空間である背景とを同時に視認することができる。
この装着型表示装置を装着したユーザは、視界上に表示画像が表示された状態で移動することも可能である。一方、このように装着型表示装置によって表示される画像を視認したまま移動すると、背景の視認性は、装着型表示装置が表示される画像によって低下してしまうという課題があった。この課題を解決するために、特許文献1のような技術が開示されている。この技術では、眼鏡型ディスプレイは、その装着者が歩行中であるか否かを検知し、歩行中である場合は、表示をオフにするか、表示用照明の輝度を落とすことが記載されている。
特許文献1が開示する技術では、眼鏡型表示装置の装着者が移動すると、背景は視認できるものの、表示がオフにされたり、表示用照明の輝度が低下されたりすることにより、表示画像の視認性が低下してしまうという課題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動時に適した表示制御技術を提供することである。
上記課題を解決するための一手段として、本発明の表示制御装置は以下の構成を備える。
すなわち、ユーザに装着されて使用される装着型表示装置の移動方向を取得する取得手段と、前記ユーザの視野範囲の実空間の一部と重なる位置に、前記装着型表示装置の表示手段によって、前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された移動方向に応じて、表示を制限する領域である表示制限領域の位置及びサイズのうちの少なくともいずれかを変更し、前記表示制限領域において実空間が視認可能となるように前記視野範囲の実空間に含まれない画像の表示を制限する。
本発明の表示制御技術によれば、移動時に適した表示制御技術を提供することができる。
以下、本発明の表示制御装置、表示制御方法、及びプログラムについて、添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は以下の実施形態で説明する構成に限定されるものではない。
なお、各実施形態においては、装着型表示装置1と表示制御装置8とを別体とし、装着型表示装置1と表示制御装置8とが通信するような例について説明するが、装着型表示装置1に表示制御装置8を組み込んでもよい。その場合は、装着型表示装置1の通信部5と、表示制御装置8の通信部9とを有さない構成にしてもよい。また、表示制御装置8の一部の構成のみを装着型表示装置1に組み込んでもよい。また、装着型表示装置1の一部の構成を表示制御装置8に組み込むようにしてもよい。
また、各実施形態の表示制御装置8は、装着型の表示装置に限らず、背景と画像とを同時に視認させることができる表示装置に適用することができる。例えば、車載用のヘッドアップディスプレイ等にも適用することができる。
なお、以下の説明において、背景をユーザに視認させるために、実空間をユーザに直接視認させてもよいし、実空間を撮像した画像をユーザに視認させてもよい。つまり、各実施形態において、「背景」とは、実空間そのものであってもよいし、ユーザの周囲の実空間を撮像した画像を、実空間に対応する位置に表示させたものであってもよい。
また、単に「画像」と称する場合は、オンスクリーンディスプレイやコンピュータグラフィックス等の人工的に生成した画像を例として説明する。しかし、以下の説明における「画像」は、ユーザが装着型表示装置を装着していないときに視認可能な視野範囲の実空間に存在しない被写体を撮像した画像でもよい。例えば、ユーザの後方を撮像した画像であってもよい。ユーザの視野範囲とは、例えば、片目では、上側に約60°、下側に約70°の範囲である。耳側には約90°の範囲である。両目ではそれらを合わせた範囲である。
また、単に「画像」と称する場合は、オンスクリーンディスプレイやコンピュータグラフィックス等の人工的に生成した画像を例として説明する。しかし、以下の説明における「画像」は、ユーザが装着型表示装置を装着していないときに視認可能な視野範囲の実空間に存在しない被写体を撮像した画像でもよい。例えば、ユーザの後方を撮像した画像であってもよい。ユーザの視野範囲とは、例えば、片目では、上側に約60°、下側に約70°の範囲である。耳側には約90°の範囲である。両目ではそれらを合わせた範囲である。
<第1実施形態>
図1に示すブロック図と、図2に示す外観図とを用いて、第1実施形態における装着型表示装置1と、その装着型表示装置1の表示を制御する表示制御装置8について説明する。
図1に示すブロック図と、図2に示す外観図とを用いて、第1実施形態における装着型表示装置1と、その装着型表示装置1の表示を制御する表示制御装置8について説明する。
まず、装着型表示装置1について説明する。
図2に示すように、装着型表示装置1は眼鏡型の表示装置である。装着型表示装置1は、実際の背景と画像とが重畳されているように視認可能な画像を表示することができる。装着型表示装置1を装着するユーザ16は、装着型表示装置1が表示する画像と、実際の背景とを同時に視認することができる。
装着型表示装置1は、ヘルメット型や帽子型等の頭に装着して使用する形の表示装置でもよい。その他にも種々のヘッドマウント型の表示装置でもよい。また、例えば、車載型のヘッドアップディスプレイであってもよい。
次に、図1のブロック図を用いて、装着型表示装置1の各構成の概要について説明する。
通信部5は、表示制御装置8の通信部9と通信して、表示制御装置8から画像データを受信する。通信方法は、有線の通信方法でもよいし、無線の通信方法でもよい。例えば、無線LANなどの規格に準拠した通信方法を用いることができる。
画像処理部6は、必要に応じて画像データの復号処理を行い、通信部5によって受信された画像データを画像信号(例えば、輝度・色差信号やRGB信号)に変換する。
表示部7は、画像処理部6によって変換された画像信号に基づく画像を表示する。表示部7は、例えば、投影部71と反射部72とを有しており、投影部71によって投影した画像信号に基づく光を、反射部72によって反射することで、ユーザ16に画像を視認させる。
投影部71には、例えば、反射型液晶素子やレーザ型表示デバイス、プロジェクタ装置等を用いることができる。
また、反射部72は、ユーザ16が装着型表示装置1を装着したときに、ユーザ16の目に対向する場所に位置する基準面14に設けられる。つまり、ユーザが装着型表示装置1を装着したときに、基準面14はユーザの眼と実空間との間に位置する。本実施形態において、反射部72は、ユーザ16の右目に対向する場所に位置する基準面に設けられるものとする。反射部72は、ユーザ16の左目に対向する場所に設けてもよいし、ユーザ16の右目に対向する場所と、ユーザ16の左目に対向する場所とにそれぞれ設けてもよい。
反射部72は、一例として、投影された光を全反射するものではなく、投影された一部の光を透過させ、一部の光を反射する特性を有している。このような特性とすると、画像が表示される部分においても、多少、背景を視認させることができる。ただし、投影された光を全反射する特性であっても、後述のような表示制御を行えば、背景の視認性を確保することができる。反射部72には、例えば、ハーフミラーやプリズム等のビームスプリッタを用いることができる。
なお、図3に示すように、装着型表示装置1によって表示される画像18は、ユーザ16から見た場合に、そのユーザ16の目の位置から所定の距離離れた位置にある視認平面17に表示されているように視認される。本実施形態においては、この視認平面17と基準面14とが平行になるように反射部72を配置している。視認平面17は、表示部7によって画像を表示可能な表示範囲を示している。このように、所定の距離離れた位置に表示されているように視認させることは、ビームスプリッタによって虚像を形成することで実現可能である。
図4(a)は表示部7によって画像18を表示していない状態を示しており、図4(b)は表示部7によって画像18を表示している状態を示している。図4(b)では、ユーザが装着型表示装置1を装着していないときに視認可能な視野範囲の実空間の一部と重なる位置に画像18を表示している。
図4(b)において、視認平面における画像18以外の領域は、画像18の領域よりも輝度を低くしており、背景を視認し易くなっている。投影部71として反射型液晶素子やレーザ型表示デバイスを用いた場合、画像18以外の領域の輝度は、表示部7に設定可能な最低値にすると最も背景の視認性を高くすることができる。ただし、必ずしも輝度を最低値にしなくてもよく、背景を視認できる程度の輝度にすればよい。また、投影部71としてレーザ型表示デバイスを用いた場合、画像18以外の領域は描画を行わないようにすると最も背景の視認性を高くすることができる。ただし、必ずしも描画を行わないようにしなくてもよく、背景を視認できる程度の輝度であれば、画像18以外の領域の描画を行ってもよい。このように、ユーザは、ユーザが装着型表示装置1を装着していないときに視認可能な視野範囲の実空間の少なくとも一部と、画像18とを同時に視認することができる。
なお、画像18を表示しない場合、視認平面17の範囲が認識される程度の光を投影してもよいし、投影部71による投影を完全に停止してもよい。
図1の説明に戻り、移動方向検出部2は、装着型表示装置1の移動方向を検出する。移動方向検出部2は、装着型表示装置1の水平方向における位置と高度とを含む位置情報を取得する。そして、第1の時刻における装着型表示装置1の位置から、第1の時刻から所定時間経過した第2の時刻における装着型表示装置1の位置までの移動ベクトル19を検出する。この移動ベクトル19が装着型表示装置1の移動方向を示している。このように、移動方向検出部2は、装着型表示装置1の三次元的な移動方向を検出する。移動方向を検出する方法は後述するように、色々な方法を用いることができる。
移動方向検出部2によって検出された移動方向を示す移動方向情報は、通信部5によって表示制御装置8の通信部9に送信される。
傾き検出部3は、装着型表示装置1の傾きを検出する。本実施形態では、傾き検出部3は、ユーザ16が装着型表示装置1を装着したときに、ユーザ16の目に対向する場所に位置する基準面14の傾きを検出するものとする。なお、本実施形態においては、基準平面14と視認平面17とは平行なため、基準面14の傾きと、視認平面17の傾きとは等しくなる。
傾き検出部3は、一例として、基準面14が鉛直方向と平行になっている場合を基準(0°)として、その基準からの傾きを検出する。なお、傾きを検出する面や、基準(0°)とする位置は、これに限らず、任意に設定可能である。
傾き検出部3によって検出された傾きを示す傾き情報は、通信部5によって表示制御装置8の通信部9に送信される。
移動速度検出部4は、装着型表示装置1の速度を検出する。移動速度検出部4によって検出された速度を示す速度情報は、通信部5によって表示制御装置8の通信部9に送信される。
なお、各部を配置する場所は任意であるが、一例として、図2に示すように、通信部5及び画像処理部6は、表示部7の近くに配置されている。
また、図2に示すように、移動方向検出部2は、ユーザ16が装着型表示装置1を装着したときに、ユーザ16の右目に対向する場所に位置する基準面14と、ユーザ16の左目に対向する場所に位置する面との間に設けている。この位置に設けると、より精度良く、移動方向を検出することができる。また、傾き検出部3と移動速度検出部4も、移動方向検出部2と同じ場所に設けている。この位置に設けると、より精度良く、傾きや速度を検出することができる。なお、移動方向検出部2や傾き検出部3、移動速度検出部4を設ける位置はこれに限られず、実施形態に応じて、適当な位置に設ければよい。
次に、図1のブロック図を用いて、表示制御装置8の各構成の概要について説明する。
通信部9は、装着型表示装置1の通信部5と通信して、移動方向検出部2によって検出された移動方向を示す移動方向情報を受信する。また、通信部9は、装着型表示装置1の通信部5と通信して、傾き検出部3によって検出された傾きを示す傾き情報を受信する。また、通信部9は、装着型表示装置1の通信部5と通信して、移動速度検出部4によって検出された速度を示す速度情報を受信する。
通信方法は、有線の通信方法でもよいし、無線の通信方法でもよい。例えば、無線LANなどの規格に準拠した通信方法を用いることができる。
記憶部13は、表示部7に表示させる画像の画像データを記憶する。画像データは予め記憶していてもよいし、適宜、外部のサーバ等から通信部9を介して取得してもよい。
制御部10は、取得部11と表示制御部12とを有している。
取得部11は、通信部9が受信した移動方向情報と傾き情報と速度情報とを取得する。
表示制御部12は、取得部11が取得した移動方向情報と傾き情報と速度情報とに基づいて、装着型表示装置1の表示部7を制御する。
表示制御部12は、記憶部13によって記憶される画像データを基に、表示部7に表示させる画像を変化させたり、表示部7に表示させる画像のデータを新たに生成したりすることによって、表示部7における表示を制御する。表示制御装置8を装着型表示装置1に組み込んだ場合は、表示部7を直接的に制御してもよい。どちらの場合においても、表示制御部12は、表示部7が表示する画像の位置や輝度を、移動方向情報と傾き情報に基づく角度とに応じて変化させる。表示制御部12による表示制御方法の詳細については後述する。
表示制御部12によって、画像の位置や輝度が変化させられた画像データは、通信部9によって、装着型表示装置1の通信部5に送信される。この画像データに基づく画像が表示部7によって表示されることとなる。
次に図5を用いて装着型表示装置1のハードウェア構成について説明する。
通信インターフェース108は、例えば、無線LANなどの規格に準拠したものであり、通信部5として機能する。
RAM(Random Access Memory)102は、CPU(Central Processing Unit)101が実行するコンピュータプログラムを記憶する。また、RAM(Random Access Memory)102は、通信インターフェース108を介して外部から取得したデータなどを一時的に記憶する。また、RAM102は、CPU101が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを提供する。また、RAM102は、例えば、フレームメモリとして機能したり、バッファメモリとして機能したりする。
CPU101は、RAM102に格納されるコンピュータプログラムを実行する。CPU101とRAM102とが協働して画像処理部6として機能する。CPU以外にも、DSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサやASIC(Application Specific Integrated Circuit)を用いて画像処理部6を実現してもよい。
表示デバイス103は、例えば、反射型液晶素子や、レーザ型表示デバイス、プロジェクタ装置等の表示素子と、その駆動装置であり、投影部71として機能する。
GPS(Global Positioning System)受信機104は、複数のGPS衛星から信号を受信して、その信号に基づく位置情報を出力する。この位置情報には高度を示す情報も含まれる。
気圧センサ105は、周囲の気圧を検知する。
加速度センサ106は装着型表示装置1の加速度を検知する。本実施形態では、鉛直方向(z方向)と、装着型表示装置1の前後方向(x方向)と、装着型表示装置1の左右方向(y方向)の3軸の方向の加速度を検知する。加速度センサ106は傾き検出部3として機能する。
速度センサ107は装着型表示装置1の速度を検知する。本実施形態では、鉛直方向(z方向)と、装着型表示装置1の前後方向(x方向)と、装着型表示装置1の左右方向(y方向)の3軸の方向の速度を検知する。速度センサ107は移動速度検出部107として機能する。
移動方向検出部104は、GPS受信機104のみで実現してもよいし、GPS受信機104と気圧センサ105と加速度センサ106とを協働させて実現してもよい。
移動方向の検出方法としては様々な既知の方法がある。例えば、GPS受信機104と気圧センサ105を用いて3次元の位置情報を取得すれば、それを時間微分することで移動方向を示す移動ベクトルを求めることが出来る。また、さらに加速度センサ106も用いることにより、より正確な移動ベクトルを算出可能となる。この場合、加速度センサ106で取得した加速度情報を時間積分し、この時の積分定数として位置情報を時間微分して求めた速度情報を用いることで、移動ベクトルを求める。移動ベクトルの精度を一定以上に保つために、定期的に位置情報から算出した速度情報により移動ベクトルの値を補正する方法を用いることも考えられる。また、所定時間ごとに移動ベクトルを算出するようにしてもよい。
バス109は各ハードウェアを繋ぐバスである。
次に図5を用いて表示制御装置8のハードウェア構成について説明する。
通信インターフェース84は、例えば、無線LANなどの規格に準拠したものであり、通信部9として機能する。
RAM82は、CPU81が実行するコンピュータプログラムや、通信インターフェース108を介して外部から取得したデータなどを一時的に記憶する。また、RAM82は、CPU81が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを提供する。また、RAM82は、例えば、バッファメモリとして機能する。
CPU81は、RAM82に格納されるコンピュータプログラムを実行する。CPU81とRAM82とが協働して制御部10として機能する。CPU以外にも、DSP等のプロセッサやASICを用いて制御部10を実現してもよい。
HDD(Hard Disk Drive)83は、オペレーティングシステムのプログラムや画像データを記憶する。また、HDD83は、通信部9や制御部10の機能をCPU81に実現させるためのコンピュータプログラムを記憶する。
HDD83に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU81による制御に従って、適宜、RAM82にロードされ、CPU81によって実行される。HDD以外にもフラッシュメモリ等の他の記憶媒体を用いてもよい。バス85は各ハードウェアを繋ぐバスである。
次に図6のフローチャートを用いて、第1実施形態における表示制御方法について説明する。
装着型表示装置1の電源がオンになったり、所定の操作入力によって表示制御を行う状態になったりすると、表示制御装置8による表示制御が開始される。
そして、ステップS61にて、取得部11は通信部9が受信した速度情報を取得する。
次のステップS62にて、表示制御部12は、取得部11が取得した速度情報に基づいて、装着型表示装置1の速度が許容値を超えているかどうか判断する。
ステップS62にて、装着型表示装置1の速度が許容値を超えていない場合(No)、表示制御部12は、表示部7に通常の表示を行わせ、ステップS61に戻る。例えば、表示制御部12は、記憶部13から読みだした画像データをそのまま送信し、表示部7はその画像データに基づく画像を表示する。許容値は例えば、時速1Kmであり、ユーザ16が止まっている場合や、ゆっくり移動している場合は、画像18によって、背景等の視認性がある程度低下することを許容する。
なお、ステップS61とステップS62とは必ずしも必要ではなく、省略してもよい。しかし、ステップS61とステップS62のように処理することで、不必要に画像18の位置や輝度を変化させることがなく、ユーザ16に煩わしさを感じさせないようにすることができる。また、CPUの処理負荷も低減することができる。
ステップS62にて許容値を超えている場合(Yes)、次のステップS63にて、取得部11は、通信部9を介して、装着型表示装置1の移動方向を示す移動方向情報と、装着型表示装置1の基準面14の傾きを示す傾き情報とを取得する。
そして、ステップS64にて、表示制御部12は、取得部11が取得した移動方向情報と、傾き情報に基づく角度に基づいて、画像61を表示する位置を決定する。このステップS64の詳細については後述する。
次のステップS65にて、表示制御部12は、移動方向情報と、傾き情報に基づく角度とに基づいて位置が決められた画像18のデータを含む画像データを、通信部9から装着型表示装置1へと送信させることで、表示部71に画像18を含む画像を表示させる。
次に図7と図8とを用いて、ステップS64の処理の詳細について説明する。
なお、説明の前提として、移動方向情報と、傾き情報に基づく角度とに基づく表示制御を行っていない通常のときに、図4(b)に示すように画像18を表示するものとする。図4(b)においては、表示部7によってユーザ16に画像を視認させることができる表示範囲(視認平面17)の中心と、画像18の中心とが一致するように、画像18を表示している。画像18が長方形ではない他の形の場合は、視認平面17の中心と画像18の重心とが一致するように表示すればよい。また、通常のときの画像18の位置はこれに限らず、任意に設定可能である。
図7は、ユーザ16が斜面を上っている状態と、その状態のときの装着型表示装置1によって表示される画像を示している。また、装着型表示装置1の基準面14を含む面32と、移動ベクトル19とがなす角度が所定の角度αである状態を示している。以下の説明において、単に「角度」と称する場合は、基準面14を含む面32と移動ベクトル19とがなす角度であるものとする。表示制御部12は、傾き情報と移動ベクトル19とに基づいて角度αを算出する。また、軸31は鉛直方向を示している。
なお、角度αが90°より小さいと視認平面17と移動ベクトル19との交点が、視認平面17の上半分のどこかに位置することとなる。また、角度αが90°より大きいと視認平面17と移動ベクトル19との交点が、視認平面17の下半分のどこかに位置することとなる。
まず、表示制御部12は、移動方向情報に基づいて、画像18の位置をずらす方向を決める。図7(a)に示すように、移動方向を示す移動ベクトル19が所定の方向(一例として水平方向)を示す軸30よりも上を向いている場合、表示制御部12は、画像18の位置を、通常のときに表示している位置よりも下側にずらす。このとき、表示制御部12は、画像18の上端より上の領域において、画像の表示を行わないように、表示部7を制御する。または、表示制御部12は、画像18の上端より上の領域において、所定の輝度以上の画像の表示を行わないように、表示部7を制御してもよい。この所定の輝度は、少なくとも背景が視認可能な程度の輝度であり、画像18の輝度よりも低い輝度である。このように、本実施形態において、画像18の上端より上の領域が表示制限領域となる。この表示制限領域の画面上における位置やサイズは、移動方向を示す移動ベクトル19に基づいて、表示制御部12が決定する。
なお、本実施形態と後述する第2実施形態において、移動方向を示す移動ベクトル19が、水平方向を基準として、上を向いているか下を向いているかを判断しているが、装着型表示装置1の構造によって、この基準とする方向は、適宜、設定可能である。また、通常のときの画像18の位置に応じて、基準とする方向を設定してもよい。
ユーザ16が上方向に移動しているときは、上側の背景を見たい可能性が高いため、このようにすることで、ユーザに視認させるべき背景に画像18が重畳して表示されることを防ぐことができ、ユーザに視認させるべき背景部分の視認性を高めることができる。
図7(b)は、図7(a)のときよりも角度αが大きくなった状態である。角度αが大きくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。一方、角度αが大きくなったことに伴って、角度αも大きくなる。そうすると、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点は、視認平面17上において、図7(a)のときよりも下になる。そのため、画像18の位置も視認平面17上において、図7(a)のときよりも下にする。
つまり、表示制御部12は、移動方向が水平方向を示す軸30よりも上を向いている場合において、角度αが大きくなると、視認平面17上における画像18の位置を、角度αが大きくなる前よりも下に移動させる。つまり、図7(a)と比較して、表示制御部12は、表示制限領域を下に広げている。
図7(b)はその結果、画像18の下端と、表示可能範囲である視認平面17の下端とが一致している状態を示している。
このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。
図7(c)は、図7(b)のときよりも角度αが更に大きくなった状態である。角度αが大きくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。一方、角度αが大きくなったことに伴って、視認平面17の角度αも更に大きくなる。そうすると、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点は、視認平面17上において、図7(b)のときよりも下になる。 しかし、図7(b)の状態で、既に画像18の下端と、表示可能範囲である視認平面17の下端とが一致しているため、これ以上、画像18を下に移動することはできない。
そこで、表示制御部12は、移動方向が水平方向を示す軸30よりも上を向いている場合において、角度αが図7(b)の状態よりも大きくなると、視認平面17上における画像18の位置を、図7(b)のときよりも左に移動させる。なお、移動させる方向は右でもよい。このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。なお、表示制御部12は、図7(c)の状態において、画像18を左右に移動させずに、画像18の大きさを小さくするようにしてもよい。
次に図8を用いて、ユーザ16が斜面を下っているときの表示制御部12の処理について説明する。
図8は、ユーザ16が斜面を下っている状態と、その状態のときの装着型表示装置1によって表示される画像を示している。また、装着型表示装置1の基準面14を含む面32と、移動ベクトル19とがなす角度が所定の角度αである状態を示している。
まず、表示制御部12は、移動方向に基づいて、画像18の位置をずらす方向を決める。図8(a)に示すように、移動方向が水平方向を示す軸30よりも下を向いている場合、表示制御部12は、画像18の位置を、通常のときに表示している位置よりも上側にずらす。このとき、表示制御部12は、画像18の下端より下の領域において、画像の表示を行わないように、表示部7を制御する。または、表示制御部12は、画像18の下端より下の領域において、所定の輝度以上の画像の表示を行わないように、表示部7を制御してもよい。この所定の輝度は、少なくとも背景が視認可能な程度の輝度であり、画像18の輝度よりも低い輝度である。このように、本実施形態において、画像18の下端より下の領域が表示制限領域となる。図7で説明したときと比較して、移動方向が変化しており、それに伴い、表示制限領域の位置も変化している。
ユーザ16が下方向に移動しているときは、下側の背景を見たい可能性が高いため、このようにすることで、ユーザに視認させるべき背景に画像18が重畳して表示されることを防ぐことができ、ユーザに視認させるべき背景部分の視認性を高めることができる。
図8(b)は、図8(a)のときよりも角度αが小さくなった状態である。角度αが小さくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。そして、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点は、視認平面17上において、図8(a)のときよりも上になる。そのため、画像18の位置も視認平面17上において、図8(a)のときよりも上にする。
つまり、表示制御部12は、移動方向が水平方向を示す軸30よりも下を向いている場合において、角度αが小さくなると、視認平面17上における画像18の位置を、角度αが小さくなる前よりも上に移動させる。つまり、図8(a)と比較して、表示制御部12は、表示制限領域を上に広げている。図8(b)はその結果、画像18の上端と、表示可能範囲である視認平面17の上端とが一致している状態を示している。
このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。
図8(c)は、図8(b)のときよりも角度αが更に小さくなった状態である。角度αが小さくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。そして、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点は、視認平面17上において、図8(b)のときよりも上になる。 しかし、図8(b)の状態で、既に画像18の上端と、表示可能範囲である視認平面17の上端とが一致しているため、これ以上、画像18を上に移動することはできない。
そこで、表示制御部12は、移動方向が水平方向を示す軸30よりも下を向いている場合において、角度αが図8(b)の状態よりも小さくなると、視認平面17上における画像18の位置を、図8(b)のときよりも左に移動させる。なお、移動させる方向は右でもよい。このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。なお、表示制御部12は、図8(c)の状態において、画像18を左右に移動させずに、画像18の大きさを小さくするようにしてもよい。
以上、第1実施形態における表示制御方法である。第1実施形態においては、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点を算出する必要はなく、移動方向と傾きに応じて画像18を表示させることが可能である。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態における装着型表示装置1と、その装着型表示装置1の表示を制御する表示制御装置8について説明する。なお、第1実施形態と同様な部分については説明を省略する。第2実施形態においては、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21を算出する。そして、その交点21の位置を利用して、より精度良く、ユーザ16に視認させるべき背景の視認性を高める。また、第2実施形態は、表示制御部12が、表示を制限する表示制限領域22を設定することにより、より自由度の高い表示を行えるようにする実施形態である。なお、図6のフローチャートにおけるステップS64の動作が、第1実施形態とは異なるが、本実施形態によれば、傾き情報は必ずしも必要ではない。よって、傾き情報に係る構成を有さないようにしてもよい。
次に、第2実施形態における装着型表示装置1と、その装着型表示装置1の表示を制御する表示制御装置8について説明する。なお、第1実施形態と同様な部分については説明を省略する。第2実施形態においては、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21を算出する。そして、その交点21の位置を利用して、より精度良く、ユーザ16に視認させるべき背景の視認性を高める。また、第2実施形態は、表示制御部12が、表示を制限する表示制限領域22を設定することにより、より自由度の高い表示を行えるようにする実施形態である。なお、図6のフローチャートにおけるステップS64の動作が、第1実施形態とは異なるが、本実施形態によれば、傾き情報は必ずしも必要ではない。よって、傾き情報に係る構成を有さないようにしてもよい。
最初に、図9のブロック図を用いて、第2実施形態の表示制御装置8の構成の概要について説明する。第1実施形態とは、表示制御部12の構成が異なっており、第2実施形態における表示制御部12は、交点位置算出部121と表示制限領域決定部122とを有している。
交点位置算出部121は、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点を算出する。
装着型表示装置1の基準面14に対する視認平面17の相対的な位置は一定である。そのため、図10(a)に示すように、交点位置算出部121は、予め記憶部13によって記憶されている視認平面の位置を示す情報と移動方向情報とに基づいて、交点21を算出することができる。具体的には、交点位置算出部121は、装着型表示装置1を装着するユーザ16の眼球に対応する位置161から移動ベクトル19を伸ばした延長線20と、視認平面17との交点21を算出することができる。
例えば、位置161から視認平面へとx軸方向にまっすぐ伸ばした直線(垂線)23と視認平面17との交点は、視認平面17の中心と一致するものとし、位置161から視認平面への最短距離が1mであるとする。
ここで、図10(b)のように、y軸方向からみたときに、位置161から視認平面へ下ろした垂線23(長さは1m)と、移動ベクトル19とのなす角β1はベクトルの傾きからわかる。よって、z軸方向の交点位置21は、余弦定理等を用いて算出することができる。
また、図10(c)のように、z軸方向からみたときに、位置161から視認平面へ下ろした垂線23(長さは1m)と、移動ベクトル19とのなす角β2はベクトルの傾きからわかるため、y軸方向の交点位置も、余弦定理等を用いて算出することができる。
また、ユーザ16の眼球に対応する位置161は、基準面14の中心から後ろ側に水平に所定距離(例えば3cm)移動した位置としてもよいし、ユーザの眼球の位置を検出するようにしてもよい。
例えば、装着型表示装置1に眼球位置を取得するセンサを搭載し、このセンサにより取得してもよいし、予め、装着型表示装置1を装着した際の眼球と基準面14との相対的な位置を測定しておいてもよい。
表示制限領域決定部122は、視認平面17と延長線20との交点21の位置に基づいて、視認平面17において画像の表示を制限する表示制限領域22を決定する。
具体的には、表示制限領域決定部122は、交点21を含む所定の領域を表示制限領域22とする。より具体的には交点を中心とする所定の領域を表示制限領域22とする。
本実施形態においては、一例として、交点21と、この交点21を対角線の交点とする矩形により定める領域を、表示制限領域22とするがこれに限らない。
例えば、視認平面17の大きさに対する表示制限領域22の大きさの比が一定となるように、表示制限領域22の大きさを決めてもよい。
また、表示制限領域22の大きさを、移動速度の絶対値に応じて変化させてもよい。例えば、第1の速度のときは、図11(a)に示すような表示制限領域22とし、第1の速度よりも遅い第2の速度のときは、図11(b)に示すような第1の速度のときよりも小さい表示制限領域22としてもよい。
また、図11(c)に示すように、交点21を中心とする円形もしくは楕円形の表示制限領域22としてもよい。
そして、表示制御部12は、表示制限領域22に画像18を表示しないように表示部7を制御する。または、表示制御部12は、表示制限領域22において画像18を表示する場合は、表示制限領域22の外において画像18を表示する場合よりも輝度を低くして表示するようにしてもよい。
このように、表示制御部12によって位置や輝度が変化させられた画像18のデータを含む画像データは、通信部9によって装着型表示装置1に送信される。そして、表示部7によって表示されることとなる。
次に図12と図13とを用いて、第2実施形態の表示制御部12による処理について、より詳細に説明する。なお、以下の説明では、表示制限領域22において画像18を表示しないように制御する例について説明するが、上述のように表示制限領域22において画像18の輝度を低くしてもよい。
また、説明の前提として、移動方向情報に基づく表示制御を行っていない通常のときに、図4(b)に示すように画像18を表示するものとする。図4(b)においては、表示部7によってユーザ16に画像を視認させることができる表示範囲(視認平面17)の中心と、画像18の中心とが一致するように、画像18を表示している。画像18が長方形ではない他の形の場合は、視認平面17の中心と画像18の重心とが一致するように表示すればよい。
図12は、ユーザ16が斜面を上っている状態と、その状態のときの装着型表示装置1によって表示される画像を示している。また、装着型表示装置1の基準面14を含む面32と、移動ベクトル19とがなす角度が所定の角度αである状態を示している。
まず、交点位置算出部12は、移動方向情報に基づいて、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21を算出する。そして、表示制限領域決定部122は、交点21の位置に基づいて表示制限領域22を設定する。
次に、表示制御部12は、移動方向情報に基づいて、画像18を表示制限領域22のどちら側に表示させるかを決める。図12(a)に示すように、移動方向を示す移動ベクトル19が水平方向を示す軸30よりも上を向いている場合、表示制御部12は、画像18の位置を、表示制限領域22の下側にする。なお、表示制限領域22の大きさがユーザ16の視認性を損ねない程度に十分な大きさである場合は、どちらにずらすようにしてもよい。このように、表示制限領域22を設定することによって、表示制限領域22以外については、制限なく画像18を表示させるようにすることができる。ただし、ユーザ16が上方向に移動しているときは、上側の背景を見たい可能性が高い。そのため、表示制限領域22の下側に表示させることで、ユーザに視認させるべき背景に画像18が重畳して表示される可能性をより低くすることができる。その結果、ユーザ16に視認させるべき背景部分の視認性を高めることができる。
図12(b)は、図12(a)のときよりも角度αが大きくなった状態である。角度αが大きくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。一方、角度αが大きくなったことに伴って、角度αも大きくなる。そうすると、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21は、視認平面17上において、図12(a)のときよりも下になる。
そこで、表示制御部12は、交点21の移動に伴い、表示制限領域22及び画像18の位置を移動させる。図12(b)は、その結果、画像18の下端と、表示可能範囲である視認平面17の下端とが一致している状態を示している。
図12(c)は、図12(b)のときよりも角度αが更に大きくなった状態である。角度αが大きくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。一方、角度αが更に大きくなったことに伴って、角度αも更に大きくなる。そうすると、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21は、視認平面17上において、図12(b)のときよりも下になる。しかし、図12(b)の状態で、既に画像18の下端と、表示可能範囲である視認平面17の下端とが一致しているため、これ以上、画像18を下に移動することはできない。
そこで、表示制御部12は、交点21の位置が図12(b)の状態よりも下になると、視認平面17上における画像18の位置を、図12(b)のときよりも左に移動させる。なお、移動させる方向は右でもよい。このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。なお、表示制御部12は、図12(c)の状態において、画像18を左に移動させるとともに、画像18が表示制限領域22に重ならないように、画像18の大きさを小さくしている。
なお、表示制御部12は、画像18の大きさを小さくせずに、画像18を視認平面17の左端まで移動させても表示制限領域22と重なってしまう部分について、輝度を低くするように制御してもよい。このように、表示制御部12は、画像18を移動させる制御と、画像18の輝度を変化させる制御とを同時に行ってもよい。また、表示制限領域22が視認平面17の下半分に含まれる場合は、画像18を視認平面17の上半分の領域に移動させてもよい。その場合、画像18の上端と、視認平面17の上端とを一致させるようにすると最も背景の視認性を高めることができる。しかし、画像18の上端と、視認平面17の上端とを必ずしも一致させなくても、本実施形態のように表示制御を行えば、十分、背景の視認性は確保できる。
次に図13を用いて、ユーザ16が斜面を下っているときの表示制御部12の処理について説明する。
図13は、ユーザ16が斜面を下っている状態と、その状態のときの装着型表示装置1によって表示される画像を示している。また、装着型表示装置1の基準面14を含む面32と、移動ベクトル19とがなす角度が所定の角度αである状態を示している。
まず、交点位置算出部12は、移動方向情報に基づいて、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21を算出する。そして、表示制限領域決定部122は、交点21の位置に基づいて表示制限領域22を設定する。
次に、表示制御部12は、移動方向情報に基づいて、画像18を表示制限領域22のどちら側に表示させるかを決める。図13(a)に示すように、移動方向を示す移動ベクトル19が水平方向を示す軸30よりも下を向いている場合、表示制御部12は、画像18の位置を、表示制限領域22の上側にする。なお、表示制限領域22の大きさがユーザ16の視認性を損ねない程度に十分な大きさである場合は、どちらにずらすようにしてもよい。このように、表示制限領域22を設定することによって、表示制限領域22以外については、制限なく画像18を表示させるようにすることができる。ただし、ユーザ16が下方向に移動しているときは、下側の背景を見たい可能性が高い。そのため、表示制限領域22の上側に表示させることで、ユーザに視認させるべき背景に画像18が重畳して表示される可能性をより低くすることができる。その結果、ユーザ16に視認させるべき背景部分の視認性を高めることができる。
図13(b)は、図13(a)のときよりも角度αが小さくなった状態である。角度αが小さくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。そして、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21は、視認平面17上において、図13(a)のときよりも上になる。
そこで、表示制御部12は、交点21の移動に伴い、表示制限領域22及び画像18の位置を移動させる。図13(b)は、その結果、画像18の上端と、表示可能範囲である視認平面17の上端とが一致している状態を示している。
図13(c)は、図13(b)のときよりも角度αが更に小さくなった状態である。角度αが小さくなってもユーザ16の移動ベクトル19は斜面に沿う方向のまま変わらない。そして、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21は、視認平面17上において、図13(b)のときよりも上になる。しかし、図13(b)の状態で、既に画像18の上端と、表示可能範囲である視認平面17の上端とが一致しているため、これ以上、画像18を上に移動することはできない。
そこで、表示制御部12は、交点21の位置が図13(b)の状態よりも上になると、視認平面17上における画像18の位置を、図13(b)のときよりも左に移動させる。なお、移動させる方向は右でもよい。このように、表示制御部12は、傾き情報に応じて、画像18の位置を制御することによって、装着型表示装置1を装着したユーザ16の移動方向における背景の視認性を更に高めることができる。なお、表示制御部12は、図13(c)の状態において、画像18を左に移動させるとともに、画像18が表示制限領域22に重ならないように、画像18の大きさを小さくしている。
なお、表示制御部12は、画像18の大きさを小さくせずに、画像18を視認平面17の左端まで移動させても表示制限領域22と重なってしまう部分について、輝度を低くするように制御してもよい。このように、表示制御部12は、画像18を移動させる制御と、画像18の輝度を変化させる制御とを同時に行ってもよい。また、表示制限領域22が視認平面17の上半分に含まれる場合は、画像18を視認平面17の下半分の領域に移動させてもよい。その場合、画像18の下端と、視認平面17の下端とを一致させるようにすると最も背景の視認性を高めることができる。しかし、画像18の上端と、視認平面17の上端とを必ずしも一致させなくても、本実施形態のように表示制御を行えば、十分、背景の視認性は確保できる。
以上のように、第2実施形態においては、移動ベクトル19が示す移動方向の延長線と視認平面17との交点21を算出して、より精度良く、ユーザ16に視認させるべき背景の視認性を高めることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。 また、本発明は以上説明した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。例えば、各実施形態を組み合わせてもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。 また、本発明は以上説明した各実施形態に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。例えば、各実施形態を組み合わせてもよい。
また、高さ方向の移動方向に基づいて、画像の位置又は輝度を制御する例について説明したが、左右方向の移動方向に基づいて、画像の位置又は輝度を制御してもよい。
また、基準面14と視認平面17との位置関係が一定な例について説明したが、基準面14と視認平面17との位置関係を可変にしてもよい。その場合は、基準面14と視認平面17との位置関係を検出できるようにすればよい。また、透明な液晶表示デバイスや有機EL表示デバイスを用いて、基準面14上で実像による画像を表示するようにしてもよい。その場合は基準面14と視認平面17とが一致することとなる。
また、表示制限領域において表示を制限する例について説明したが、撮像部で表示制限領域に対応する背景を撮像し、その撮像した画像を表示制限領域に表示するようにしてもよい。
7 表示部
10 制御部
11 取得部
12 表示制御部
10 制御部
11 取得部
12 表示制御部
Claims (12)
- ユーザに装着されて使用される装着型表示装置の移動方向を取得する取得手段と、
前記ユーザの視野範囲の実空間の一部と重なる位置に、前記装着型表示装置の表示手段によって、前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる表示制御手段と
を備え、
前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された移動方向に応じて、表示を制限する領域である表示制限領域の位置及びサイズのうちの少なくともいずれかを変更し、前記表示制限領域において実空間が視認可能となるように前記視野範囲の実空間に含まれない画像の表示を制限する、
ことを特徴とする表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも上を向いている場合、前記表示制限領域よりも下に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる、
ことを特徴とする請求項1記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、
前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも上を向いている場合において、前記取得手段によって取得された移動方向を示す移動ベクトルと、前記装着型表示装置の所定の面とがなす角度が第1の角度であるときに、前記視野範囲の実空間に含まれない第1の画像の下端と、前記表示手段の表示範囲の下端とが対応するように前記第1の画像を表示させ、
前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも上を向いている場合において、前記取得手段によって取得された移動方向を示す移動ベクトルと、前記装着型表示装置の所定の面とがなす角度が前記第1の角度より大きい第2の角度であるときに、前記第1の角度であるときに前記第1の画像を表示する位置よりも右又は左に前記第1の画像を表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも下を向いている場合、前記表示制限領域よりも上に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、
前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも下を向いている場合において、前記取得手段によって取得された移動方向を示す移動ベクトルと、前記装着型表示装置の所定の面とがなす角度が第3の角度であるときに、前記視野範囲の実空間に含まれない第2の画像の上端と、前記表示手段の表示範囲の上端とが対応するように前記第2の画像を表示させ、
前記取得手段によって取得された移動方向が所定の方向よりも下を向いている場合において、前記取得手段によって取得された移動方向を示す移動ベクトルと、前記装着型表示装置の所定の面とがなす角度が前記第3の角度より大きい第4の角度であるときに、前記第3の角度であるときに前記第2の画像を表示する位置よりも右又は左に前記第2の画像を表示させる、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、前記表示制限領域に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させずに、前記表示制限領域の外に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、前記表示制限領域の外に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示する場合よりも前記表示制限領域に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示する場合の方が輝度が低くなるように、前記表示手段に前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる制御を行う、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記表示手段によって表示される画像は、所定の位置から見た場合に、前記所定の位置から所定の距離離れた位置にある平面に表示されているように視認される画像であり、
前記表示制限領域は、前記所定の位置から前記取得手段によって取得された移動方向に伸ばした直線と、前記平面との交点を含む領域である、
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記表示制御手段は、前記装着型表示装置の移動速度に応じて、前記表示制限領域のサイズを変更する、
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - 前記装着型表示装置は眼鏡型である、
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の表示制御装置。 - ユーザに装着されて使用される装着型表示装置の移動方向を取得する工程と、
取得した前記移動方向に応じて、ユーザの視野範囲の実空間に含まれない画像の表示を制限する領域である表示制限領域の位置及びサイズのうちの少なくともいずれかを変更する工程と、
前記表示制限領域において実空間が前記ユーザにより視認可能となるように制限して、前記ユーザの視野範囲の実空間の一部と重なる位置に、前記装着型表示装置の表示手段によって、前記視野範囲の実空間に含まれない画像を表示させる工程とを有する
ことを特徴とする表示制御方法。 - 請求項1〜10のいずれか1項に記載の取得手段及び表示制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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Cited By (1)
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JP2017097306A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 株式会社リコー | ヘッドマウントディスプレイシステム及びヘッドマウントディスプレイシステムにおける表示制御方法 |
-
2015
- 2015-07-21 JP JP2015144412A patent/JP2017026762A/ja active Pending
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JP2017097306A (ja) * | 2015-11-27 | 2017-06-01 | 株式会社リコー | ヘッドマウントディスプレイシステム及びヘッドマウントディスプレイシステムにおける表示制御方法 |
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