JP2017026497A - フィラーの含浸率の評価方法、フィラーの含浸率の評価装置、およびコンピュータプログラム - Google Patents

フィラーの含浸率の評価方法、フィラーの含浸率の評価装置、およびコンピュータプログラム Download PDF

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悠基 三好
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Abstract

【課題】フィラーの含浸率の定量評価を可能とする評価方法を提供する。【解決手段】樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、フィラーの含浸率の評価方法である。織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成されている。画像取得工程S10では、樹脂組成物を含浸させた織布の、少なくとも一つのヤーンを含む断面画像が取得される。内部領域抽出工程S20では、断面画像のうち、複数の繊維とヤーンの内部に含浸した樹脂組成物とが占めるヤーンの内部領域が抽出される。二値化工程S30では、内部領域が、複数の繊維とフィラーおよび樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、フィラーおよび樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化される。繊維面積取得工程S40では、複数の繊維が占める面積を示す情報が取得される。含浸率算出工程S50では、第1輝度が占める面積から複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率が算出される。【選択図】図1

Description

本発明はフィラーの含浸率の評価方法、フィラーの含浸率の評価装置、およびコンピュータプログラムに関する。
電子装置の絶縁基板等では、樹脂組成物を含浸させた織布を含む場合がある。さらに、樹脂組成物には、絶縁性等の機能向上のためフィラーが添加されている場合がある。
特許文献1には、ガラス繊維と樹脂からなる繊維層と、ガラス繊維を含まない樹脂層を有する配線基板について記載され、熱膨張率やヤング率等に関連して樹脂層における無機絶縁粒子の望ましい含有量が記載されている。そして、樹脂層における無機絶縁粒子の含有量の測定方法として、電界放出型電子顕微鏡で観察し、樹脂層に対して無機絶縁粒子の占める面積比率を計測し、その平均値を算出して含有量とみなすことが記載されている。
また、特許文献1には、繊維層のガラス繊維間に無機絶縁粒子を含んでも構わないことが記載されている。
特開2014−27163号公報
発明者が鋭意検討したところ、絶縁基板等の性能には、繊維を含まない領域のフィラーのみならず、繊維間に入り込むフィラーの量や分布等も影響することが明らかになった。したがって、繊維間に入りこんだフィラーも含めて定量的な評価を行うことが、配線基板等の更なる性能向上のために重要であることが分かった。
しかし、特許文献1の方法では、上記の様にガラス繊維間に無機絶縁粒子が入り込んでいる繊維層において、無機絶縁粒子の含有量を測定することは難しかった。
樹脂組成物を含浸させた織布の断面画像においては、繊維の構造に起因する複雑なコントラストが現れる。そのため、フィラーと樹脂材料との単純な区別が困難で、織布におけるフィラーの含浸率の評価は容易ではなかった。
本発明は、フィラーの含浸率の定量評価を可能とする評価方法を提供する。
本発明によれば、
樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価方法であって、
前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得工程と、
前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出工程と、
前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化工程と、
前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得工程と、
前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出工程と、
を含む、
フィラーの含浸率の評価方法
が提供される。
本発明によれば、
樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価装置であって、
前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得部と、
前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出部と、
前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化部と、
前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得部と、
前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出部と、
を備える、
フィラーの含浸率の評価装置
が提供される。
本発明によれば、
樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
コンピュータを
前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得手段、
前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出手段、
前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化手段、
前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得手段、および
前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出手段、
として機能させるための、
コンピュータプログラム
が提供される。
本発明によれば、フィラーの含浸率の定量評価を可能とする評価方法を提供できる。
第1の実施形態に係るフィラーの含浸率の評価方法のフローである。 第1の実施形態に係る樹脂組成物を含浸させた織布の構造を示す図である。 第1の実施形態に係るフィラーの含浸率の評価装置の構成を示すブロック図である。 樹脂組成物を含浸させた織布の断面画像の例を示す図である。 (a)は、断面画像に輪郭近似図形として楕円を配置した図であり、(b)は、内部領域抽出画像の例である。 第2の実施形態に係る内部領域抽出工程のフローである。 第2の実施形態に係る内部領域抽出部の構成を示すブロック図である。 (a)は、繊維領域マスキング工程において繊維が占める領域がマスキングされて得られた画像の例であり、(b)は、外部領域マスキング工程においてマスキングされた繊維領域が膨脹収縮処理されて得られた画像の例である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、以下に示す説明において、評価装置40の記憶部400、画像取得部410、内部領域抽出部420、二値化部430、繊維面積取得部440、および含浸率算出部450は、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位のブロックを示している。評価装置40の記憶部400、画像取得部410、内部領域抽出部420、二値化部430、繊維面積取得部440、および含浸率算出部450は、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされた本図の構成要素を実現するプログラム、そのプログラムを格納するハードディスクなどの記憶メディア、ネットワーク接続用インタフェースを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置には様々な変形例がある。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係るフィラーの含浸率の評価方法のフローである。また、図2は、本実施形態に係る樹脂組成物10を含浸させた織布20の構造を示す図である。本実施形態に係る評価方法は、樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物10を含浸させた織布20における、フィラーの含浸率の評価方法である。織布20は、それぞれが複数の繊維240からなる複数のヤーン220により構成されている。当該評価方法は、画像取得工程S10、内部領域抽出工程S20、二値化工程S30、繊維面積取得工程S40、および含浸率算出工程S50を含む。画像取得工程S10では、樹脂組成物10を含浸させた織布20の、少なくとも一つのヤーン220を含む断面画像が取得される。内部領域抽出工程S20では、断面画像のうち、複数の繊維240とヤーン220の内部に含浸した樹脂組成物10とが占める、ヤーン220の内部領域が抽出される。二値化工程S30では、内部領域が、複数の繊維240とフィラーおよび樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、フィラーおよび樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化される。繊維面積取得工程S40では、複数の繊維240が占める面積を示す情報が取得される。含浸率算出工程S50では、第1輝度が占める面積から複数の繊維240が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率が算出される。以下に詳細を説明する。
図2を参照して、樹脂組成物10を含浸させた織布20について詳しく説明する。
樹脂組成物10を含浸させた織布20は、たとえばガラスクロス補強プリプレグ等のプリプレグまたは絶縁基板であり得る。樹脂組成物10を含浸させた織布20においては、樹脂組成物10は半硬化した状態であっても良いし、完全硬化した状態であっても良い。また、樹脂組成物10を含浸させた織布20は、単独の部材であっても良いし、配線基板等の一部として含まれていても良い。
なお、以下においては、説明を簡単にするため、織布20における各構成要素の位置関係(上下関係等)が各図に示す関係であるものとして説明を行う場合がある。ただし、この説明における位置関係は、樹脂組成物10を含浸させた織布20の使用時や製造時の位置関係とは無関係である。
織布20は、それぞれが複数の繊維240からなる複数のヤーン220により構成されている。複数のヤーン220は、経糸のヤーン222と緯糸のヤーン224とに分けられる。織布20では、複数の経糸のヤーン222と複数の緯糸のヤーン224とが、互いにおよそ直交して織られて、布状になっている。織布20には、経糸のヤーン222が緯糸のヤーン224の上にある領域と、緯糸のヤーン224が経糸のヤーン222の上にある領域とがある。
ヤーン220は、複数の繊維240が束ねられたものである。各ヤーンに含まれる繊維240は、たとえば20本以上700本以下である。各ヤーン220において、複数の繊維240は互いにおよそ平行であっても良いし、撚られていても良い。織布20において、各ヤーン220は本図のように扁平に押しつぶされ、断面が木の葉型を成している。織布20での各ヤーン220の長さ方向に垂直な断面において、ヤーン220の織布20の面内方向の幅は、例えば200μm以上1000μm以下である。一方、当該断面において、ヤーン220の織布20の厚さ方向の高さは、例えば20μm以上300μm以下である。
繊維240としては、特に限定されないが、ガラス繊維、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする無機繊維、芳香族ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等を主成分とする有機繊維等が挙げられる。後に述べる繊維領域のマスキングの容易性の観点から、繊維240の断面形状は円形であることが好ましい。繊維240の直径は、特に限定されないが、たとえば2μm以上15μm以下である。
例えば織布20を樹脂組成物10の樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより樹脂組成物10を織布20に塗布する方法、またはスプレーにより樹脂組成物10を織布20に吹き付ける方法、真空濾過法等によって、織布20には樹脂組成物10が含浸されている。樹脂組成物10はヤーン220の内部、および複数のヤーン220の間に入り込んでいる。また、樹脂組成物10はヤーン220の上下にも存在し、ヤーン220を覆っている。
樹脂組成物10は樹脂材料とフィラーとを含有する。樹脂材料としては、特に限定されないが、たとえば熱硬化性樹脂を主成分としたものが挙げられる。具体的な熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、トリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。
フィラーとしては、特に限定されないが、例えばタルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
フィラーの形状は特に限定されないが、例えば球状、鱗片状、棒状、繊維状等が挙げられる。また、フィラーが球状である場合、その平均粒子径は、特に限定されないが、たとえば0.01μm以上5.0μm以下である。
このほか、樹脂組成物10には硬化剤、硬化促進剤、熱可塑性樹脂、有機充填材、カップリング剤、顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、難燃剤、イオン捕捉剤などの添加剤が配合されていても良い。
フィラーと繊維240が同種素材からなる場合、本実施形態に係る評価方法がより効果的である。なお、同種素材とは、主成分が互いに同様の構成元素から成ることを言う。互いに同種素材である複数の材料には、たとえば、主成分が互いに同じであって添加物や不純物が異なる複数の材料や、結晶構造または分子構造が互いに異なる同組成の複数の材料、種類の異なる複数の樹脂等が含まれる。フィラーと繊維240が同種素材からなる場合とは、特に限定されないが、たとえばフィラーがシリカからなり、かつ、繊維240がガラス繊維である場合が挙げられる。また、樹脂材料と繊維240とが同種素材からなる場合、たとえば、繊維240が樹脂からなる有機繊維である場合、本実施形態に係る評価方法がより効果的である。断面画像において、同種素材の複数の部材間では互いにコントラストがつきにくく、画像の単純な輝度値ヒストグラムからフィラー含浸率を求めることがより困難であるが、そのような場合にも、本評価方法により定量評価が可能となる。
本実施形態に係るフィラーの含浸率の評価方法および評価装置40を以下に説明する。
図3は、本実施形態に係るフィラーの含浸率の評価装置40の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る評価装置40は、樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物10を含浸させた織布20における、フィラーの含浸率の評価装置である。評価装置40は、画像取得部410、内部領域抽出部420、二値化部430、繊維面積取得部440、および含浸率算出部450を備える。画像取得部410は、樹脂組成物10を含浸させた織布20の、少なくとも一つのヤーン220を含む断面画像を取得する。内部領域抽出部420は、断面画像のうち、複数の繊維240とヤーン220の内部に含浸した樹脂組成物10とが占めるヤーン220の内部領域を抽出する。二値化部430は、内部領域を、複数の繊維240とフィラーおよび樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、フィラーおよび樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する。繊維面積取得部440は、複数の繊維240が占める面積を示す情報を取得する。含浸率算出部450は、第1輝度が占める面積から複数の繊維240が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する。以下に詳しく説明する。
評価装置40は、記憶部400をさらに備える。画像取得部410は、樹脂組成物10を含浸させた織布20の断面画像をたとえば記憶部400から取得する。
図4は、樹脂組成物10を含浸させた織布20の断面画像の例を示す図である。本図は、図2において破線で示した領域90の断面画像に相当する。
記憶部400には、樹脂組成物10を含浸させた織布20の断面画像が記憶されている。断面画像は例えば、樹脂組成物10を含浸させた織布20を切断し、露出させた断面を電子顕微鏡で撮影することで準備し、記憶部400に保持させておくことができる。また、記憶部400には、断面画像においてヤーン220内部のうち複数の繊維240が占める面積を示す情報を保持させておくことができる。複数の繊維240が占める面積を示す情報は、経糸のヤーン222と緯糸のヤーン224とのそれぞれについて、同一または異なる値を保持させておいても良い。
画像取得部410は、樹脂組成物10を含浸させた織布20の、少なくとも一つのヤーン220を含む断面画像を取得する(画像取得工程S10)。画像取得部410は、たとえば記憶部400に記憶された断面画像を読み出して取得できる。なお、電子顕微鏡で撮影した断面画像を、図示しない入力部から、画像取得部410に直接入力する様にしても良い。
図4の断面画像は、経糸のヤーン222の長さ方向に垂直な断面を電子顕微鏡で撮影した画像である。断面画像は、フィラー含浸率の測定対象とする領域である対象領域を少なくとも含み、断面画像が示す領域の大きさはたとえば600μm×400μmである。評価の精度向上のため、断面画像はできるだけ高倍率の画像であることが好ましい。
本図の断面画像は、1つ以上の経糸のヤーン222を含んでいる。当該断面画像において、経糸のヤーン222の断面は破線で示したような木の葉型、楕円型をしており、経糸のヤーン222の内部領域には複数の繊維240の円形の断面が見られる。なお、1つのヤーン220を含む断面画像とは、1つのヤーン220を構成する全ての繊維240の断面を含む画像をいう。本図には経糸のヤーン222が含まれる。一方、緯糸のヤーン224は、それを構成する全ての繊維240が断面画像に含まれるとはいえない。本実施形態に係る評価方法では、断面画像に当該全ての繊維240の断面が含まれたヤーン220について、フィラーの含浸率が評価される。そして、内部領域とは、断面画像に全ての繊維240の断面が含まれたヤーン220、および当該ヤーン220の内部に含浸された樹脂組成物10からなる領域をいう。以下では、本図を用いて経糸のヤーン222のフィラー含浸率を評価する例について説明する。
本図において、経糸のヤーン222の上部には緯糸のヤーン224が帯状に現れている。緯糸のヤーン224は長さ方向が断面画像に直交していないため、緯糸のヤーン224に含まれる繊維240の断面は楕円状をしている。各繊維240の間、およびヤーン220の上下には樹脂組成物10が充填されている。本図の断面画像は、樹脂組成物10が占める領域および繊維240が占める領域からなる。さらに、樹脂組成物10が占める領域は、樹脂材料が占める領域およびフィラーが占める領域からなる。また、繊維240が占める領域は経糸のヤーン222の繊維240が占める領域と、緯糸のヤーン224の繊維240が占める領域からなる。本図において、繊維240はガラス繊維、フィラーはシリカからなり、これらは同種素材である。そのため、繊維240の断面と、樹脂組成物10に含まれるフィラーが占める領域とは互いに輝度が近くなっている。一方、樹脂材料と繊維240およびフィラーとは異種素材であるため、輝度が異なり、樹脂材料が占める領域の輝度は低くなっている。
図5は、内部領域抽出工程S20を説明するための図である。内部領域抽出部420は、画像取得部410が取得した断面画像のうち、複数の繊維240と含浸した樹脂組成物10とが占める経糸のヤーン222の内部領域を抽出する(内部領域抽出工程S20)。内部領域抽出部420は、たとえば、経糸のヤーン222の輪郭近似図形96を示す情報に基づいて内部領域を抽出することができる。ここで、輪郭近似図形96は、経糸のヤーン222の内部領域の輪郭を近似する近似図形である。図5(a)は、断面画像に輪郭近似図形96として楕円を配置した図である。内部領域抽出部420は、断面画像に配置された輪郭近似図形96の外側の領域をマスキングし、輪郭近似図形96の内側の領域を内部領域として抽出する。そして内部領域内の輝度分布を示す内部領域抽出画像を生成する。図5(b)は、内部領域抽出画像の例である。本図において、マスキングされた領域は黒く塗りつぶされている。
輪郭近似図形96は、例えば、楕円、長方形、菱形、六角形等の図形、もしくは任意に描画された図形であり得る。内部領域抽出部420は、たとえば、ユーザーが断面画像に対応させて入力した、輪郭近似図形96を示す情報を、取得して用いることができる。輪郭近似図形96を示す情報には、図形の形状、位置、大きさを示す情報が含まれる。ここで、輪郭近似図形96を楕円とすれば、経糸のヤーン222の輪郭をより良く近似でき、ユーザーに依存したずれも小さくできる。
本実施形態に係る内部領域抽出工程S20の方法では、繊維240の領域を検出する必要が無いため容易であり、誤検出による誤差が生じない。また、繊維240の領域を検出する精度に依存せず、フィラー含浸率を得られる。
次いで、二値化部430は、内部領域抽出部420から内部領域抽出画像を取得する。そして、内部領域抽出画像を、複数の繊維240とフィラーおよび樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、フィラーおよび樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する(二値化工程S30)。たとえば、内部領域抽出画像において、繊維240とフィラーとの輝度が近く、樹脂材料の輝度のみが明確に異なるような場合、繊維240およびフィラーが占める領域を第1輝度とし、樹脂材料が占める領域を第2輝度とする。一方、繊維240と樹脂材料の輝度が近く、フィラーの輝度のみが明確に異なるような場合には、繊維240および樹脂材料が占める領域を第1輝度とし、フィラーが占める領域を第2輝度とする。上述の様に、繊維240とフィラーが同種素材からなる場合には、繊維240とフィラーとの輝度が近くなり、繊維240と樹脂材料が同種材料からなる場合には、繊維240と樹脂材料の輝度が近くなる。
二値化工程S30では、内部領域の輝度値ヒストグラムに基づき、モード法を用いて二値化することができる。具体的には、輝度値ヒストグラムの二つのピーク間の極小値を閾値とする。そして、たとえば内部領域抽出画像の内、閾値よりも輝度の高い領域を第1輝度とし、閾値よりも輝度の低い領域を第2輝度として二値化画像を生成する。なお、繊維240が占める領域を第1輝度とすれば良く、閾値よりも高い領域を第2輝度とし、閾値よりも輝度の低い領域を第1輝度としてもよい。たとえば無機物であるフィラーおよび繊維240と、有機物である樹脂材料とを用いた場合や、無機物であるフィラーと、有機物である樹脂材料および繊維240とを用いた場合、輝度値ヒストグラムに明確な双峰性が得られるため、モード法を用いて容易に二値化することができる。そして、二値化部430は内部領域抽出画像の内、第1輝度が占める面積および第2輝度が占める面積をそれぞれ算出する。なお、二値化部430では、二値化した各領域の面積が得られれば良く、必ずしも二値化した画像を生成する必要は無い。
繊維面積取得部440は、複数の繊維240が占める面積を示す情報を取得する(繊維面積取得工程S40)。繊維面積取得部440は、記憶部400にあらかじめ保持された複数の繊維240が占める面積を示す情報を読み出すようにしてもよいし、ユーザーが入力した当該情報を取得するようにしても良い。複数の繊維240が占める面積を示す情報は、たとえばひとつのヤーン220に含まれる繊維240の断面積の総和を示す情報であっても良いし、1つの繊維240の断面積および1つのヤーン220に含まれる繊維240の数を示す情報であっても良い。複数の繊維240が占める面積を示す情報は、織布20の繊維240の径やヤーン220を構成する繊維240の本数、密度等の情報に基づいて得られる。または、評価に先立って同種の織布20の断面を観察して求めることができる。
含浸率算出部450は、第1輝度が占める面積から複数の繊維240が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する(含浸率算出工程S50)。具体的にはまず、含浸率算出部450は二値化部430から第1輝度が占める面積を示す情報および第2輝度が占める面積を示す情報をそれぞれ取得する。また、含浸率算出部450は繊維面積取得部440から、複数の繊維240が占める面積を示す情報を取得する。そして、含浸率算出部450は、第1輝度が占める面積から、内部領域に含まれる繊維240の断面積の総和を差し引いた値を算出する。第1輝度の領域が、フィラーおよび繊維240が占める領域である場合、当該差し引いた値は、フィラーの面積とみなせる。一方、第1輝度の領域が、樹脂材料および繊維240が占める領域である場合、当該差し引いた値は、樹脂材料の面積とみなせる。このようにして、第1輝度が占める面積、第2輝度が占める面積、および複数の繊維240が占める面積に基づいて、フィラー、樹脂材料、および繊維240の面積がそれぞれ得られる。
繊維240が占める面積は、フィラーや樹脂材料の状態が変わっても、変わらない値である。よって、この様な方法で、容易に精度良く、フィラー含浸率を評価できる。
そして、含浸率算出部450は、内部領域の内、樹脂組成物10が占める面積をS、フィラーが占める面積をSflとしたとき、たとえばSfl/S×100(%)で表される値をフィラー含浸率として算出する。樹脂組成物10が占める面積をSは、フィラーが占める面積と樹脂材料が占める面積の和である。
なお、フィラーの含浸率の定義は、Sfl/S×100(%)に限定されず、たとえば、経糸のヤーン222の内部領域の全面積に対するフィラーが占める領域の面積であっても良いし、断面画像全体の面積に対するフィラーが占める領域の面積であっても良い。
なお、本実施形態では、経糸のヤーン222の長さ方向に垂直な断面画像に基づきフィラー含浸率を評価する例について説明したが、代わりに、緯糸のヤーン224の長さ方向に垂直な断面画像に基づき、同様の方法で緯糸のヤーン224でのフィラー含浸率を評価しても良い。また、断面画像は、必ずしもいずれかのヤーン220に垂直である必要は無い。断面画像がヤーン220の長さ方向に垂直でない場合には、繊維240の断面形状は楕円になる。そこで、繊維240の径と、当該長さ方向と断面のなす角との関係から、当該楕円の面積を算出し、繊維240が占める面積を算出すればよい。
なお、断面画像には複数のヤーン220が含まれていても良い。この場合、含浸率算出部450は、複数のヤーン220の内部領域に含まれる繊維240が占める合計面積を、当該ヤーン220の数に合わせて算出し、第1輝度が占める面積から差し引くようにすればよい。そして、複数の経糸のヤーン222または複数の緯糸のヤーン224の平均値としてフィラー含浸率を算出することができる。もしくは、内部領域抽出工程S20において断面画像に含まれる複数のヤーン220のうち、1つのヤーン220の内部領域のみを抽出して、フィラー含浸率を算出しても良い。
なお、含浸率算出工程S50の前に二値化工程S30および繊維面積取得工程S40が行われればよく、繊維面積取得工程S40の行われるタイミングは特に限定されない。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。
本実施形態に係る評価方法によれば、フィラーの含浸率の定量評価が可能となる。
また、本実施形態に係る評価方法によれば、ヤーンの内部に入り込んだフィラーを含めた含浸率の評価が可能である。
樹脂組成物を含浸させた織布では、フィラーを含浸させる条件等に依存してフィラー充填率が大きく異なり、予測も難しい。また、ヤーンごとの状態のバラツキも無視できない。本願の実施形態に係る評価方法によれば、このような対象に対して、客観的で定量的な評価が可能であり、比較検討等に有益である。
また、本実施形態に係る評価方法は、短時間で、かつ客観的な定量評価ができる。
また、繊維とフィラーとが同種素材である場合にもそれらを互いに区別してフィラー含浸率を評価できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る評価方法はおよび評価装置40は、以下に説明する点を除き、第1の実施形態に係る評価方法はおよび評価装置40と同じである。
本実施形態に係る内部領域抽出工程S20は、断面画像のうち、少なくとも一部の繊維240が占める領域をマスキングする繊維領域マスキング工程S22を含む。
また、本実施形態に係る内部領域抽出工程S20は、繊維領域マスキング工程S22の後に、ヤーン220の外部領域をマスキングする外部領域マスキング工程S24をさらに含む。そして、外部領域マスキング工程S24では、マスキングされた繊維240が占める領域を膨脹収縮処理する。以下に詳細を説明する。
図6は、本実施形態に係る内部領域抽出工程S20のフローであり、図7は本実施形態に係る内部領域抽出部420の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る内部領域抽出部420は繊維領域マスキング部422および外部領域マスキング部424を備える。
繊維領域マスキング部422は断面画像のうち、少なくとも一部の繊維240が占める領域をマスキングする。具体的には、繊維領域マスキング部422は、ヤーン220の外郭に位置する繊維240を少なくともマスキングする。そして、外部領域マスキング部424は、マスキングされた繊維240が占める領域を膨脹収縮処理する。
図8(a)は、繊維領域マスキング工程S22において繊維240が占める領域がマスキングされて得られた画像の例である。本図では、経糸のヤーン222の外郭に位置する繊維240、すなわち、経糸のヤーン222の輪郭を形成する繊維240のみがマスキングされている。本図において、マスキングされた領域は黒く塗りつぶされている。
繊維領域マスキング工程S22では、ユーザーが断面画像における繊維240が占める領域を判断し、個々に指定し、当該指定に係る情報を繊維領域マスキング部422が取得してマスキングすることができる。
次いで、外部領域マスキング部424は、マスキングされた領域を膨脹収縮処理する。そうすることで、マスキングされた繊維領域の間隙が埋まり、経糸のヤーン222の輪郭線が得られる。
膨脹収縮処理では、具体的には、繊維領域をN回膨脹させ、N回収縮する。Nの値は、特に限定されないが、たとえば5である。外部領域マスキング工程S24に膨脹取縮処理を用いることで、繊維240の直径、位置、粗密等のばらつきの程度に依存せず、精度良く経糸のヤーン222の外部領域をマスキングできる。
なお、外部領域マスキング工程S14は、膨脹収縮処理を用いる方法の代わりに、外郭にある繊維240の中心点を連結する方法や、エネルギー最小化関数を利用して繊維領域に基づき経糸のヤーン222の輪郭を検出する方法(スネーク法)を用いて行うことができる。
図8(b)は、外部領域マスキング工程S24においてマスキングされた繊維領域が膨脹収縮処理されて得られた画像の例である。
この様にして得られた輪郭線の外側を経糸のヤーン222の外部領域としてマスキングすることにより、内部領域抽出画像が得られる。
なお、本実施形態では、経糸のヤーン222の長さ方向に垂直な断面画像に基づきフィラー含浸率を評価する例について説明したが、緯糸のヤーン224の長さ方向に垂直な断面画像に基づき、同様にフィラー含浸率を評価しても良い。また、断面画像は、必ずしもいずれかのヤーン220に垂直である必要は無い。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、以下の作用および効果が得られる。
本実施形態に係る評価方法によれば、より正確なヤーンの輪郭に基づき、内部領域を抽出でき、評価できる。また、全ての繊維の領域をマスキングする必要がないため、短時間で容易に評価できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る評価方法はおよび評価装置40は、以下に説明する点を除き、第2の実施形態に係る評価方法はおよび評価装置40と同じである。
本実施形態において、繊維領域マスキング工程S22は例えば以下の様に行うことができる。本実施形態に係る評価方法では、断面画像中の全ての繊維240がマスキングされる。
本実施形態の評価方法は、経糸のヤーン222内の繊維240の断面形状が円形であり、その直径がおよそ一様である場合、特に有効である。繊維240の長さ方向に直交する断面の断面画像において、既知の繊維240の径に基づく基準範囲内の大きさの円形を、繊維240が占める領域として認識することができる。ここで、繊維240の検出には誤検出が含まれる場合があるが、経糸のヤーン222の外部領域のマスキングを目的とするため、高い精度は必要ない。
本実施形態において、断面画像には、経糸のヤーン222を構成する繊維240の長さ方向に直交する断面が含まれ、繊維領域マスキング工程S22では、基準範囲内の直径を有する円を繊維領域としてマスキングする。このような方法を用いれば、緯糸のヤーン224を構成する繊維240は、断面画像において円形を成さないためマスキングされず、経糸のヤーン222の繊維240のみを選択的にマスキングすることができる。
記憶部400には、繊維領域マスキング工程S22にて用いる基準範囲が記憶されている。繊維領域マスキング部422は、記憶部400から基準範囲を取得する。もしくは、図示しない入力部に使用者が入力した基準範囲を繊維領域マスキング部422が取得する様にしても良い。繊維240の基準範囲とは、たとえばd×0.9以上d×1.1以下で表される範囲である。ここで、dは対象の織布20における、繊維240の直径の平均値である。繊維240の直径の平均値は、たとえば、断面画像から求めた値でも良いし、織布20等のデータシートに基づく値であっても良い。なお、基準範囲はこれに限定されず、断面画像に映し出された繊維240の状態や、必要なマスキングの精度等に応じて適宜定めて入力するようにしても良い。
また、繊維領域マスキング部422は、取得した断面画像において、輝度の変曲点を構成要素の境界線として抽出する。そして、境界線が閉曲線を成して構成する図形の周囲長Lと面積Sを算出し、4πS/L で表される円形度が基準値以上の場合、その図形を円と判定する。次いで、円と判定された図形の内、直径が基準範囲内にある円を繊維240の輪郭と判定し、その円の内部を繊維領域としてマスキングする。ここで、円形度の基準値は記憶部400に記憶された値を繊維領域マスキング部422が読み出して取得するようにしても良いし、図示しない入力部に使用者が入力した基準値を繊維領域マスキング部422が取得する様にしても良い。円形度の基準値はたとえば0.9である。
なお、本実施形態では、経糸のヤーン222の長さ方向に垂直な断面画像に基づきフィラー含浸率を評価する例について説明したが、緯糸のヤーン224の長さ方向に垂直な断面画像に基づき、同様にフィラー含浸率を評価しても良い。
なお、本実施形態に係る繊維領域マスキング工程S22では、繊維240の断面形状が円形である例について説明したが、これに限定されず、断面形状に応じ、公知の画像認識方法を用いて繊維領域マスキング工程S22を行うことができる。
次に、本実施形態の作用および効果について説明する。本実施形態においては第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。加えて、以下の作用および効果が得られる。
本実施形態に係る評価方法によれば、より正確なヤーンの輪郭に基づき、内部領域を抽出でき、評価できる。また、本実施形態に係る評価方法によれば、ユーザーへの依存が少ないため、短時間でより客観的な評価が可能である。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
10 樹脂組成物
20 織布
220 ヤーン
222 経糸のヤーン
224 緯糸のヤーン
240 繊維
40 評価装置
400 記憶部
410 画像取得部
420 内部領域抽出部
422 繊維領域マスキング部
424 外部領域マスキング部
430 二値化部
440 繊維面積取得部
450 含浸率算出部
90 領域
96 輪郭近似図形

Claims (9)

  1. 樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価方法であって、
    前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
    前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得工程と、
    前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出工程と、
    前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化工程と、
    前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得工程と、
    前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出工程と、
    を含む、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  2. 請求項1に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記フィラーと前記複数の繊維は同種素材からなる、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  3. 請求項1または2に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記内部領域抽出工程は、前記断面画像のうち、少なくとも一部の前記繊維が占める領域をマスキングする繊維領域マスキング工程を含む、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  4. 請求項3に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記繊維領域マスキング工程では、前記ヤーンの外郭に位置する前記繊維を少なくともマスキングする、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  5. 請求項3または4に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記内部領域抽出工程は、前記繊維領域マスキング工程の後に、前記ヤーンの外部領域をマスキングする外部領域マスキング工程をさらに含み、
    前記外部領域マスキング工程では、マスキングされた前記繊維が占める領域を膨脹収縮処理する、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記内部領域の内、前記樹脂組成物が占める面積をS、前記フィラーが占める面積をSflとしたとき、Sfl/S×100(%)で表される値を前記フィラー含浸率として算出する、
    フィラーの含浸率の評価方法。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のフィラーの含浸率の評価方法において、
    前記二値化工程では、モード法を用いて二値化する、フィラーの含浸率の評価方法。
  8. 樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価装置であって、
    前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
    前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得部と、
    前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出部と、
    前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化部と、
    前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得部と、
    前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出部と、
    を備える、
    フィラーの含浸率の評価装置。
  9. 樹脂材料とフィラーとを含有する樹脂組成物を含浸させた織布における、前記フィラーの含浸率の評価装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
    前記織布は、それぞれが複数の繊維からなる複数のヤーンにより構成され、
    コンピュータを
    前記樹脂組成物を含浸させた前記織布の、少なくとも一つの前記ヤーンを含む断面画像を取得する画像取得手段、
    前記断面画像のうち、前記複数の繊維と前記ヤーンの内部に含浸した前記樹脂組成物とが占める、前記ヤーンの内部領域を抽出する内部領域抽出手段、
    前記内部領域を、前記複数の繊維と前記フィラーおよび前記樹脂材料のいずれか一方とが占める領域を示す第1輝度と、前記フィラーおよび前記樹脂材料の他方が占める領域を示す第2輝度とに二値化する二値化手段、
    前記複数の繊維が占める面積を示す情報を取得する繊維面積取得手段、および
    前記第1輝度が占める面積から前記複数の繊維が占める面積を引いた値に基づいて、フィラーの含浸率を算出する含浸率算出手段、
    として機能させるための、
    コンピュータプログラム。
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