JP2017025761A - 機関制御装置 - Google Patents

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福田 圭佑
Keisuke Fukuda
圭佑 福田
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Abstract

【課題】高価な空燃比センサを用いなくても、ガスインジェクタにおける燃料噴射量のばらつき発生を判定可能な機関制御装置の提供。
【解決手段】機関制御装置100の適用される機関制御装置100には、圧縮天然ガスを燃料として噴射するガスインジェクタ10が設けられている。機関制御装置100は、内燃機関110のクランクシャフト114の回転数を取得することができる。機関制御装置100は、内燃機関110がアイドリング状態にある場合に、クランクシャフト114の回転数の変動が所定の変動閾値Th1を超えたことに基づいて、ガスインジェクタ10の燃料噴射量にばらつきが生じていると判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮天然ガスを燃料として噴射するインジェクタが設けられた内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関において、インジェクタの燃料噴射量にばらつきが生じると、例えば特許文献1に開示されているようなインバランス状態が生じる。こうしたインバランス状態であるか否かを判定するために、特許文献1に開示の判定装置では、排気通路に配設された空燃比センサの検出空燃比を時間について二階微分した値が用いられる。この判定装置に設けられる空燃比センサは、所謂リニアA/Fセンサであり、空燃比の変化に対して、出力電流をリニアに変化させることができる。
特許第5206877号公報
近年、圧縮天然ガスを燃料として使用可能な内燃機関が、主に途上国において普及しつつある。一般に、圧縮天然ガスを噴射するインジェクタでは、気相状態の燃料の漏れを防ぐために、噴孔周囲に形成されるシール面にゴム系の材料が使用される傾向にある。加えて、圧縮天然ガスの潤滑性は、液体燃料の潤滑性よりも低い。故に、燃料噴射の繰り返しに起因するシール面の摩耗が生じ易く、その結果、所定の入力信号に対して噴射される燃料噴射量にばらつきが生じ易くなっている。そのため、特許文献1のような燃料噴射量のばらつきを検出する技術が、重要となる。
しかし、価格競争力が重要視される途上国向けの内燃機関では、一般的に高価とされるリニアA/Fセンサの採用は困難となる。こうした背景から、リニアA/Fセンサによって出力される空燃比の計測結果を用いることなく、燃料噴射量のばらつき発生を判定可能にする技術が強く求められていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、リニアA/Fセンサのような高価な空燃比センサを用いなくても、インジェクタにおける燃料噴射量のばらつき発生を判定可能な機関制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された一つの発明は、圧縮天然ガスを燃料として噴射するインジェクタ(10)が設けられた内燃機関(110)に適用される機関制御装置であって、内燃機関の出力軸(114)の回転数を取得する取得部(71)と、内燃機関がアイドリング状態にある場合に、取得部にて取得される回転数の変動が閾値(Th1)を超えたことに基づいて、インジェクタの燃料噴射量にばらつきが生じていると判定する判定部(75)と、を備える機関制御装置とする。
この発明のような内燃機関では、インジェクタの燃料噴射量にばらつきが生じた場合、内燃機関に供給される圧縮天然ガスの供給量が安定的にアイドリングを行うための供給量からずれる。その結果、アイドリング状態における内燃機関の出力軸の回転数が変動し易くなる。故に判定部は、アイドリング状態での回転数の変動が閾値以上となった場合に、ばらつき発生の判定を実施する。以上によれば、高価な空燃比センサを用いなくても、機関制御装置は、インジェクタにおける燃料噴射量のばらつき発生を判定できる。
また上記目的を達成するため、開示された他の一つの発明は、圧縮天然ガスを燃料として噴射するインジェクタ(10)が気筒(115)毎に設けられた多気筒の内燃機関(110)に適用される機関制御装置であって、内燃機関の出力軸(114)の角速度を取得する取得部(71)と、内燃機関がアイドリング状態にある場合に、取得部にて取得される角速度の気筒間の差が閾値(Th2)を超えたことに基づいて、複数のインジェクタの少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定する判定部(75)と、を備える機関制御装置とする。
この発明のような多気筒の内燃機関において、複数設けられたインジェクタのいずれかに燃料噴射量のばらつきが生じた場合、このインジェクタから圧縮天然ガスが供給される気筒に、空燃比のずれが生じる。その結果、アイドリング状態において、他の気筒とは燃焼状態の異なる気筒が生じる。故に判定部は、アイドリング状態における角速度の気筒間の差が予め設定された閾値以上となった場合に、ばらつき発生の判定を実施する。以上によれば、高価な空燃比センサを用いなくても、機関制御装置は、特定のインジェクタにおける燃料噴射量のばらつき発生を判定できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、本発明の理解を容易にすべく、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
本発明の第一実施形態による機関制御装置が適用される内燃機関の全体構成を示す図である。 機関制御装置の回路構成を示すブロック図である。 機関制御装置の制御回路がプログラムの実行により構築する機能ブロックの詳細を示す図である。 第一実施形態のばらつき補正処理を示すフローチャートである。 第二実施形態のばらつき補正処理を図6と共に示すフローチャートである。 第二実施形態のばらつき補正処理を図5と共に示すフローチャートである。 第三実施形態のばらつき補正処理を示すフローチャートである。 第四実施形態のアイドリング安定化処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。そして、複数の実施形態及び変形例に記述された構成同士の明示されていない組み合わせも、以下の説明によって開示されているものとする。
(第一実施形態)
図1に示す本発明の第一実施形態による機関制御装置100は、内燃機関110に適用され、内燃機関110と共に車両に搭載されている。内燃機関110は、圧縮天然ガス(Compressed Natural Gas,CNG)及びガソリンを燃料として使用可能なバイフューエルタイプの多気筒(例えば直列三気筒)エンジンである。内燃機関110では、運転席の周辺に設けられた燃料切替スイッチ69の操作により、使用される燃料がCNG及びガソリンのうちで切り替えられる。内燃機関110は、これら燃料の少なくとも一方を燃焼室119にて燃焼させることにより、燃料の熱エネルギを動力に変換して出力することができる。
内燃機関110の本体部分は、シリンダブロック111、シリンダヘッド112、ピストン113、及びクランクシャフト114等によって構成されている。シリンダブロック111及びシリンダヘッド112は、複数の気筒115を形成している。各気筒115には、CNG及び霧化されたガソリンの少なくとも一方が空気と混ざり合った混合気として流入可能である。ピストン113は、各気筒115に往復変位可能に収容されており、各気筒115内に燃焼室119を形成している。クランクシャフト114は、ピストン113の往復運動を、回転運動に変換する。燃焼室119にて燃焼する燃料の圧力によってピストン113が押し下げられることにより、クランクシャフト114から動力が出力される。
内燃機関110には、クランク角センサ81、吸排気のカム角センサ82,83、ノックセンサ84、冷却水温センサ85等の種々のセンサが設置されている。各センサ81〜85は、機関制御装置100と電気的に接続されており、計測結果を機関制御装置100へ向けて出力する。尚、図1では、各センサと機関制御装置100との電気的な接続の図示は省略されている。
クランク角センサ81は、シリンダブロック111に取り付けられており、クランクシャフト114の回転角、ひいては回転速度を計測する。吸気カム角センサ82は、シリンダヘッド112に取り付けられており、吸気側のカムシャフトの回転角、ひいては回転速度を計測する。排気カム角センサ83は、シリンダヘッド112に取り付けられており、排気側のカムシャフトの回転角、ひいては回転速度を計測する。ノックセンサ84は、シリンダブロック111に取り付けられており、ノッキングの発生に伴う振動を検出する。冷却水温センサ85は、シリンダブロック111に取り付けられており、シリンダブロック111に設けられた冷却水路を流れる冷却水の温度を計測する。
以上の内燃機関110には、吸気系120、排気系130、点火系140、並びに燃料供給系としての気体燃料供給部30及び液体燃料供給部40、制御系としての機関制御装置100等が設けられている。
吸気系120は、吸気管121、エアクリーナ122、スロットルボディ123、吸気センサ127、及び圧力センサ128等によって構成されている。吸気管121は、シリンダヘッド112に設けられた吸気ポートに、燃料及び空気を供給する吸気流路を形成している。吸気管121には、所定の容積に形成されたコレクタ121aと、コレクタ121aから吸気ポートへ繋がる吸気マニホールド121bとが形成されている。エアクリーナ122は、吸気管121に吸い込まれる吸入空気から塵及び埃等を取り除くフィルタである。
スロットルボディ123は、吸気管121においてエアクリーナ122とコレクタ121aとの間の区間に設けられている。スロットルボディ123は、吸気流路にスロットルバルブ124を位置させている。スロットルバルブ124は、吸入流路の流路面積を増減させるバタフライバルブである。スロットルボディ123は、スロットルバルブ124の開度を制御するスロットルアクチュエータ及びスロットルポジションセンサを有している。スロットルアクチュエータ及びスロットルポジションセンサは、機関制御装置100と電気的に接続されている。スロットルボディ123は、機関制御装置100からの制御信号に基づき、スロットルバルブ124の開度を増減させることにより、燃焼室119に吸入される吸入空気量を調整する。
吸気センサ127及び圧力センサ128は、機関制御装置100と電気的に接続されている。吸気センサ127は、吸気管121においてスロットルボディ123とエアクリーナ122との間の区間に取り付けられている。吸気センサ127は、吸気管121内を流れる吸入空気の流量及び温度を計測し、計測結果を機関制御装置100へ向けて出力する。圧力センサ128は、コレクタ121aに取り付けられている。圧力センサ128は、コレクタ121a内の圧力を計測し、計測結果を機関制御装置100へ向けて出力する。
排気系130は、排気管131、触媒132、及び二つの排気ガスセンサ133,134等によって構成されている。排気管131は、シリンダヘッド112に設けられた排気ポートから、排気ガスを排出する排気流路を形成している。触媒132は、排気管131の内部に収容されている。触媒132は、排気ガスに含まれる有害物質を、酸化反応及び還元反応によって除去する。
排気ガスセンサ133,134は、機関制御装置100と電気的に接続されている。排気ガスセンサ133,134は、排気中の酸素濃度に応じた信号を出力するO2センサである。O2センサは、混合気の空燃比がリッチ側かリーン側かに応じて異なる起電力を発生させる。一方の排気ガスセンサ(上流側排気ガスセンサ)133は、排気管131において触媒132の上流側に配置されている。他方の排気ガスセンサ(下流側排気ガスセンサ)134は、排気管131において触媒132の下流側に配置されている。排気ガスセンサ133,134の出力に基づいて、混合気の空燃比は、触媒132の機能発揮に適した範囲に調整される。
点火系140は、点火回路部141及び点火プラグ142を有している。点火回路部141は、点火コイル及びイグナイタ等によって構成されており、点火プラグ142と接続されている。点火回路部141は、機関制御装置100からの点火信号に基づき、点火プラグ142に印加する高電圧を発生させる。
点火プラグ142は、対向電極を燃焼室119に露出させつつ、シリンダヘッド112に取り付けられている。対向電極間には、点火回路部141から印加される高電圧によって火花放電が生じる。対向電極間に生じた火花が、ピストン113によって圧縮された燃焼室119の混合気に点火し、燃焼を生じさせる。点火プラグ142による点火時期は、機関制御装置100によって制御される。
気体燃料供給部30は、気体燃料であるCNGを、ガスインジェクタ10によって吸気流路に供給する。気体燃料供給部30は、ガスインジェクタ10に加えて、気体燃料タンク31、デリバリパイプ32、燃圧レギュレータ33、気体燃料フィルタ34、燃料圧力センサ35a,35b、遮断弁36a,36b、遮断駆動用リレー37等によって構成されている。
ガスインジェクタ10は、内燃機関110の気筒毎に一つずつ設けられている。ガスインジェクタ10は、燃料ホース11を介して吸気管121の吸気マニホールド121bと接続されている。燃料ホース11は、柔軟性を有するエラストマ等の材料によって細長いパイプ状に形成されている。燃料ホース11は、高い可撓性を有することにより、ガスインジェクタ10の搭載位置及び搭載姿勢の自由度を高めている。
ガスインジェクタ10は、噴孔までのCNGの供給通路を形成する弁ボディと、噴孔を形成する噴孔ボディと、噴孔ボディに対して変位可能に弁ボディに収容される弁体とを有している。弁体は、噴孔ボディと対向するシール面を、噴孔の周囲に押し付けている。噴孔周囲において噴孔ボディと密着して気密を形成しているシール面には、CNGの漏れを防ぐために、弾性変形可能なフッ素ゴムといったゴム系の材料が使用されている。
以上のガスインジェクタ10は、機関制御装置100と電気的に接続されている。パルス状の駆動信号が機関制御装置100からガスインジェクタ10に入力されると、噴孔ボディから弁体が離間する。これにより、噴孔ボディからシール面が離れることで、弁ボディ内のCNGが、噴孔を流通し、燃料ホース11を経由して吸気管121に供給される。ガスインジェクタ10の燃料噴射量は、駆動信号のパルス幅が広がるほど多くなり、パルス幅が狭くなるほど少なくなる。
気体燃料タンク31は、CNGが充填される専用容器である。気体燃料タンク31へのCNGの充填は、例えば車両の運転者によるリッドスイッチ38の操作によって可能になる。気体燃料タンク31は、デリバリパイプ32によってガスインジェクタ10と接続されている。デリバリパイプ32は、気体燃料タンク31に貯留されたCNGをガスインジェクタ10まで流通させる。
燃圧レギュレータ33は、デリバリパイプ32の中間に設けられている。燃圧レギュレータ33は、気体燃料タンク31に貯留された高圧状態(例えば最大20MPa)のCNGを、所定の圧力(例えば0.3〜0.4MPa程度)まで減圧する。気体燃料フィルタ34は、デリバリパイプ32において燃圧レギュレータ33とガスインジェクタ10との間の区間に配置されている。気体燃料フィルタ34は、CNGに混入している異物を除去する。
燃料圧力センサ35a,35bは、デリバリパイプ43内のCNGの圧力を計測する。燃料圧力センサ35a,35bは、機関制御装置100と電気的に接続されており、計測結果を機関制御装置100へ向けて出力する。一方の燃料圧力センサ35aは、デリバリパイプ32において気体燃料タンク31と燃圧レギュレータ33との間の区間に取り付けられている。他方の燃料圧力センサ35bは、デリバリパイプ32において燃圧レギュレータ33とガスインジェクタ10との間の区間に取り付けられている。
遮断弁36a,36bは、デリバリパイプ32におけるCNGの流通を、許容状態及び遮断状態のうちで切り替える常閉式の電磁弁である。一方の遮断弁36aは、気体燃料タンク31の出口部分に設けられている。他方の遮断弁36bは、燃圧レギュレータ33の入口部分に設けられている。遮断駆動用リレー37は、遮断弁36a,36bに通電させることにより、これら遮断弁36a,36bを開弁させる。
液体燃料供給部40は、液体燃料であるガソリンを、ガソリンインジェクタ20によって吸気流路に供給する。液体燃料供給部40は、ガソリンインジェクタ20に加えて、液体燃料タンク41、ポンプモジュール42、デリバリパイプ43、パージバルブ44、及びキャニスタ45等によって構成されている。
ガソリンインジェクタ20は、ガスインジェクタ10と同様に、内燃機関110の気筒毎に少なくとも一つずつ設けられている。ガソリンインジェクタ20は、吸気マニホールド121bに直接的に取り付けられており、ガスインジェクタ10よりも燃焼室119の近くに配置されている。ガソリンインジェクタ20は、吸気ポートへ向けて噴孔からガソリンを噴射する。ガソリンインジェクタ20には、電気的に接続された機関制御装置100からパルス状の駆動信号が入力される。駆動信号のパルス幅を変更することにより、ガソリンインジェクタ20によるガソリンの噴射量が増減される。
液体燃料タンク41は、ガソリンを貯留するための容器である。液体燃料タンク41には、ポンプモジュール42が収容されている。ポンプモジュール42は、ガソリンに所定の吐出圧を加えて吐出する。ポンプモジュール42は、デリバリパイプ43によってガソリンインジェクタ20と接続されている。デリバリパイプ43は、ポンプモジュール42から吐出されたガソリンを、ガソリンインジェクタ20まで流通させる。
パージバルブ44は、吸気管121においてスロットルボディ123のコレクタ121a側に取り付けられている。パージバルブ44は、配管によってキャニスタ45と接続されている。キャニスタ45は、液体燃料タンク41において気化したガソリンを吸着し、大気中への放出を防いでいる。キャニスタ45に吸着されたガソリンは、パージバルブ44の開弁により、負圧を生じさせている吸気管121に吸引され、燃焼室119に供給される。
図1及び図2に示す機関制御装置100は、電源回路61、入力信号処理回路62、駆動信号処理回路63、通信回路64、及び制御回路50等によって構成されている。電源回路61は、例えばDC−DCコンバータを主体に構成されており、車両に搭載されたバッテリ145から供給される電力を、機関制御装置100の各回路へ供給する。入力信号処理回路62は、クランク角センサ81及び各カム角センサ82,83等の内燃機関110に係るセンサ群から出力された計測結果を処理し、制御回路50へ情報を出力する。駆動信号処理回路63は、制御回路50からの指令に基づき、ガスインジェクタ10及びガソリンインジェクタ20への駆動信号、点火回路部141への点火信号、スロットルボディ123への制御信号等を出力する。通信回路64は、車両に搭載された車載通信ネットワーク146の通信バスと接続されている。通信回路64は、車両に搭載された他の車載制御装置から出力される車速等の情報を通信バスから取得すると共に、機関制御装置100の取得した情報を通信バスへ出力する。
図1及び図3に示す制御回路50は、プロセッサ51、RAM52、フラッシュメモリ53、及びこれらを接続するバス等を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。プロセッサ51は、フラッシュメモリ53に記憶されたプログラム等に係る種々の演算処理を実行可能である。RAM52は、プロセッサ51による演算処理の作業領域として機能する。フラッシュメモリ53は、プログラム等の情報を格納する非遷移的実体的記憶媒体である。制御回路50は、プロセッサ51におけるプログラムの実行により、情報取得部71、噴射制御部72、点火制御部73、スロットル制御部74、ばらつき判定部75、インジェクタ特定部76、及び情報記憶部77を機能ブロックとして構築する。
情報取得部71は、各制御部72〜74の制御に必要な情報を入力信号処理回路62及び通信回路64を通じて取得する。具体的に情報取得部71は、クランク角センサ81及び各カム角センサ82,83等の計測結果に基づき、クランクシャフト114の位相、角速度、及び回転数等を取得可能である。情報取得部71は、クランクシャフト114の位相から、複数の気筒115のうちで、燃焼行程にある気筒を特定することができる。加えて情報取得部71は、吸入空気量、冷却水温、スロットルバルブ124の開度、排気ガスがリッチ側及びリーン側のいずれかという情報、吸気温度、吸気圧力、及び車速等を取得可能である。さらに情報取得部71は、アクセルペダルのストローク量を示す情報、及び燃料切替スイッチ69の操作情報等を取得可能である。
噴射制御部72は、駆動信号処理回路63へ出力する指令信号により、複数のガスインジェクタ10によるCNGの噴射と、複数のガソリンインジェクタ20によるガソリンの噴射とを共に制御する。噴射制御部72は、燃料切替スイッチ69の操作情報に基づいて、ガスインジェクタ10及びガソリンインジェクタ20のうちで、作動させるインジェクタを設定する。噴射制御部72は、噴射制御部72にて取得される吸入空気量と、目標とする空燃比に基づき、制御対象となるインジェクタの要求燃料噴射量を算出する。そして噴射制御部72は、各インジェクタの仕様に基づき、算出した要求燃料噴射量を噴射させる駆動信号のパルス幅を設定する。
点火制御部73は、駆動信号処理回路63へ出力する指令信号により、複数の点火プラグ142における火花放電を制御する。点火制御部73は、情報取得部71にて取得されるクランクシャフト114の位相に基づき、圧縮行程から燃焼行程に移行する気筒115の点火プラグ142に火花放電を生じさせる。点火制御部73は、車両及び内燃機関110の状態に合わせて、点火時期を調整可能である。例えば点火制御部73は、MBT(Minimum advance for the Best Torque)に設定していた点火時期を、適宜進角及び遅角させることができる。
スロットル制御部74は、駆動信号処理回路63へ出力する指令信号により、スロットルバルブ124の開度を制御する。スロットル制御部74は、情報取得部71によって取得されるアクセルペダルのストローク量等に基づき、スロットルバルブ124の開度を設定する。またスロットル制御部74は、内燃機関110がアイドリング状態にある場合、アイドリングの安定化に必要な開度にスロットルバルブ124を適宜制御する。
ばらつき判定部75は、情報取得部71にて取得されるクランクシャフト114の回転状態に基づき、いずれかのガスインジェクタ10に燃料噴射量のばらつきが生じているか否かを判定する。燃料噴射量のばらつきとは、例えばガスインジェクタ10の使用に伴うシール面の摩耗により、特定の入力信号に対して噴射される燃料量が変化することを示している。ばらつき判定部75は、噴射制御部72の制御により、内燃機関110がCNGの供給によって稼動しており、且つ、アイドリング状態にある場合に、ばらつき判定を実施する。
インジェクタ特定部76は、ばらつき判定部75によっていずれかのガスインジェクタ10に燃料噴射量のばらつきが生じていると判断された場合に、ばらつきの生じているガスインジェクタ10を特定する。インジェクタ特定部76は、噴射制御部72によって複数のガスインジェクタ10の燃料噴射量を一つずつ順番に変更させることにより、ばらつきの生じているガスインジェクタ10を特定する。
情報記憶部77は、インジェクタ特定部76によってばらつきが発生していると特定されたガスインジェクタ10に関連付けて、燃料噴射量のばらつきを補正するための学習値を記憶する。学習値は、噴射制御部72において、要求燃料噴射量から駆動信号のパルス幅を設定する際に使用される。例えば、駆動信号に対して噴射される燃料噴射量が多くなる側にばらつきを生じていた場合、要求燃料噴射量に基づき設定される駆動信号のパルス幅は、学習値に基づいて狭く補正される。
以上の制御回路50は、複数のガスインジェクタ10に生じた燃料噴射量のばらつきを自己診断し、ばらつきの発生したガスインジェクタ10の燃料噴射量を補正する処理を行う。以下、制御回路50にて実施されるばらつき補正処理の詳細を、図4のフローチャートに基づき、図1,3を参照しつつ説明する。ばらつき補正処理は、車両のイグニッションがオン状態へと切り替えられたこと基づき、制御回路50によって繰り返し開始される。制御回路50は、車両のイグニッションがオフ状態となりまで、ばらつき補正処理の開始を継続する。
S101では、入力信号処理回路62から取得する情報に基づき、内燃機関110がCNGによって稼動している状態であり、且つ、アイドリング状態であるか否かを判定する。S101にて、内燃機関110がガソリンによって稼動している状態であると判定した場合、又はアイドリング状態ではないと判定した場合には、ばらつき補正処理を一旦終了する。一方、S101にて、CNGによる稼動状態、且つ、アイドリング状態であると判定した場合には、S102に進む。
S102では、複数のガスインジェクタ10のいずれかに燃料噴射量のばらつきが生じているか否かを判定する。具体的に、S102における判定では、二つの判定基準が用いられる。
一つ目の判定基準は、所定時間(例えば数秒間)におけるクランクシャフト114の回転数の変動である。クランクシャフト114の回転数の変動が予め設定された所定の変動閾値Th1を超えたことに基づいて、複数のガスインジェクタ10の少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定する。変動閾値Th1は、所定時間内での回転数の標準偏差に基づいて設定されてもよく、又は所定時間内での回転数の下限値と上限値との差に基づいて設定されてもよい。
二つ目の判定基準は、クランクシャフト114における角速度の気筒間の差である。例えばクランクシャフト114が2回転すれば、各気筒115にて1回ずつ燃焼行程が実施される。この期間に生じる角速度の気筒間の差が予め設定された所定の速度閾値Th2を超えたことに基づいて、複数のガスインジェクタ10の少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定する。速度閾値Th2は、変動閾値Th1と同様に、角速度の標準偏差に基づいて設定されてもよく、又は角速度の下限値と上限値との差に基づいて設定されてもよい。
S102にて、クランクシャフト114の回転数の変動が変動閾値Th1以下であり、且つ、角速度の気筒間の差が速度閾値Th2以下であると判定した場合には、ばらつき補正処理を一旦終了する。一方、S102にて、回転数の変動が変動閾値Th1を超えているか、又は角速度の気筒間の差が速度閾値Th2を超えていると判定した場合、ばらつきが発生していると診断し、S103に進む。
S103以降の処理では、複数のガスインジェクタ10の燃料噴射量を一つずつ順番に変更することで、ばらつきが生じているガスインジェクタ10を特定しつつ、発生したばらつきの補正を行う。まずS103では、複数のガスインジェクタ10のうちで、所定の一つについて燃料噴射量の変更を開始し、S104に進む。
S103にて、制御対象として最初に選択されるガスインジェクタ10は、予め設定された気筒115のガスインジェクタ10であってもよく、又は前回のばらつき補正から最も時間が経過しているガスインジェクタ10であってもよい。S103では、制御対象とされたガスインジェクタ10に対して、燃料噴射量を減らす制御が優先的に行われる。具体的に、S103の処理により、噴射制御部72は、駆動信号のパルス幅を所定の下限パルス幅まで徐々に狭めることで、燃料噴射量を漸減させる。その後、噴射制御部72は、駆動信号のパルス幅を所定の上限パルス幅まで徐々に広げることで、燃料噴射量を漸増させる。尚、燃料噴射量を漸増させる処理は、省略可能である。
S104では、S102と実質的に同一の変動閾値Th1及び速度閾値Th2を使用して、S103による燃料噴射量の変更により、クランクシャフト114の回転状態が改善されたか否かを判定する。S104にて、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2未満の状態となった場合、現在制御対象とされているガスインジェクタ10を、ばらつきの生じていたガスインジェクタ10として特定する。そして、複数のガスインジェクタ10の燃料噴射量を順次変更する処理を終了し、S105に進む。
S105では、情報記憶部77に学習値を記憶させ、ばらつき補正処理を一旦終了する。S105にて更新された学習値は、噴射制御部72にて算出される駆動信号のパルス幅に反映される。学習値についてさらに詳記すると、クランクシャフト114の回転状態が改善されたときの駆動信号による燃料噴射量は、S103による燃料噴射量の変更前の駆動信号により、ばらつき発生前のガスインジェクタ10が噴射していた燃料噴射量と概ね同一である。故に、S103にて変更した駆動信号のパルス幅に基づくことにより、ばらつき発生後のガスインジェクタ10について、入力される駆動信号のパルス幅と燃料噴射量との相関関係が、新たに推定され得る。ばらつき発生以前の初期の相関関係を、ばらつき発生後の最新の相関関係に補正するための値が、上述の学習値として取得され、噴射制御部72に格納される。
一方、特定のガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更しても、クランクシャフト114の回転状態が改善されない場合、S104では、回転数の変動が変動閾値Th1を超えているか、又は角速度の気筒間の差が速度閾値Th2を超えていると判定される。このように、ばらつき判定部75のばらつき発生を示す判定が維持された場合、S106に進む。
S106では、ガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更していない気筒115が残っているか否かを判定する。S106にて、全ての気筒115の燃料噴射量を変更し終えたと判定した場合、ばらつき補正処理を一旦終了する。一方、S106にて、燃料噴射量を変更していない気筒115が残っていると判定した場合、S107に進む。
S107では、燃料噴射量を増減させる制御対象を、次の気筒115のガスインジェクタ10に変更し、S104に戻る。S107によれば、S103及び前回のS107により変更されたガスインジェクタ10の燃料噴射量は、変更前の噴射量に戻される。そして、新たに制御対象とされた他の一つのガスインジェクタ10に対し、S103と同様の燃料噴射量を変更する処理が行われる。
ここまで説明した第一実施形態のような内燃機関110では、ガスインジェクタ10の燃料噴射量にばらつきが生じた場合、燃焼室119に供給されるCNGの供給量は、安定的にアイドリングを行うための供給量からずれる。その結果、アイドリング状態におけるクランクシャフト114の回転数が変動し易くなる。故に、ばらつき判定部75は、アイドリング状態での回転数の変動が変動閾値Th1以上となった場合に、ばらつき発生の判定を実施する。
また第一実施形態のような多気筒の内燃機関110では、気筒毎に設けられた複数のガスインジェクタ10のいずれかに燃料噴射量のばらつきが生じた場合、このガスインジェクタ10からCNGを供給される気筒115に、空燃比のずれが生じる。そのため、アイドリング状態において、他の気筒115とは燃焼状態の異なる気筒115が生じる。故に、ばらつき判定部75は、アイドリング状態における角速度の気筒間の差が予め設定された速度閾値Th2以上となった場合に、ばらつき発生の判定を実施する。
これらの判定によれば、リニアA/Fセンサのような高価な空燃比センサを排気系130に用いなくても、機関制御装置100は、ガスインジェクタ10における燃料噴射量のばらつき発生を判定できる。
加えて第一実施形態のように、複数のガスインジェクタ10の燃料噴射量を一つずつ順番に変更すれば、その結果生じるクランクシャフト114の回転数及び角速度の変化から、ばらつきを生じさせていたガスインジェクタ10の特定が可能となる。故に、ばらつき発生の判定だけでなく、ガスインジェクタ10の特定も、高価な空燃比センサを用いることなく実施可能となる。
ここで、ガスインジェクタ10の燃料噴射量をばらつかせる要因は、主にシール面の摩耗である。故にガスインジェクタ10は、駆動信号に対して実際に噴射する燃料量を次第に増加させていく傾向にある。そのため第一実施形態では、制御対象とされたガスインジェクタ10に対し、燃料噴射量を減らす制御が優先的に実施される。以上によれば、機関制御装置100は、特定のガスインジェクタ10に生じたばらつきを補正し、安定的にアンドリングを実施できる駆動信号を、迅速に探り当てることができる。
また第一実施形態では、特定のガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更しても、クランクシャフト114の回転状態が改善しない場合、噴射制御部72は、当該ガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更前の噴射量に戻したうえで、制御対象を切り替える。以上のように、各気筒115のガスインジェクタ10に対するばらつき診断が個別に実施されることにより、機関制御装置100は、ばらつきの発生しているインジェクタを確実に特定することができる。
さらに第一実施形態によれば、特定のガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更することで、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2未満の状態となった場合に、制御対象を順次変更する処理は、終了される。以上の処理によれば、機関制御装置100は、ばらつきの発生していないガスインジェクタ10に対する診断を省き、一連のばらつき補正処理を適切なタイミングで終了させることができる。
また第一実施形態によれば、ばらつきが発生していると特定されたガスインジェクタ10について、燃料噴射量を補正するための学習値が記憶される。故に、噴射制御部72は、学習値を反映することにより、アイドリングとは異なる内燃機関110の運転状態においても、燃料噴射量を最適な値に制御できる。その結果、ガソリンと比較して点火性に劣るCNGの供給時にて、リッチ側への空燃比のずれにより燃焼困難となる事態は、回避され得る。加えて、噴射制御部72が内燃機関110を最適な空燃比にて運転させることによれば、触媒132を確実に機能させることで排気ガスの清浄さが良好に保たれると共に、運転者の感じるドライバビリティも、良好に維持される。
尚、第一実施形態において、情報取得部71が「取得部」に相当し、ばらつき判定部75が「判定部」に相当し、クランクシャフト114が「出力軸」に相当する。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態では、燃料噴射量のばらついているガスインジェクタ10(図1参照)を特定する処理が、第一実施形態とは異なっている。図3に示す制御回路50は、第二実施形態のばらつき補正処理のための機能ブロックとして、噴射制御部272及びインジェクタ特定部276を構築する。
噴射制御部272は、ばらつき判定部75によってばらつきが生じていると判定された場合に、複数のガスインジェクタ10による燃料噴射の態様を一つずつ順番に、複数回の分割噴射に変更する。インジェクタ特定部276は、分割噴射の実施によってクランクシャフト114(図1参照)の回転がさらに不安定な状態となった場合に、分割噴射を実施中のガスインジェクタ10に燃料噴射量のばらつきが生じていると特定する。
次に、制御回路50によって実施される第二実施形態のばらつき補正処理の詳細を、図5及び図6に示すフローチャートに基づき、図1及び図3を参照しつつ説明する。尚、第二実施形態のばらつき補正処理におけるS201及びS202は、第一実施形態のS101及びS102(図4参照)と実質同一であるため、説明を省略する。
S203では、複数のガスインジェクタ10のうちの所定の一つに分割噴射を実施させ、S204に進む。S203により、1回の吸気行程にて所定のガスインジェクタ10がCNGを噴射する噴射回数は、他のガスインジェクタ10の噴射回数(例えば1回)よりも多く設定される。S203では、ばらつきの発生していないガスインジェクタ10であれば、分割後の複数回の噴射によって供給される燃料量が、分割前の通常噴射によって供給される燃料量と実質的に同じとなるよう、噴射制御部272は、分割噴射を制御する。
具体的に、噴射制御部272は、分割噴射を実施させる駆動信号において、複数の台形状となるパルス波形の面積の合計を、通常噴射時のパルス波形の面積と揃えることができる。或いは噴射制御部272は、分割噴射を実施させる駆動信号において、複数の台形状となるパルス波形の上底の長さ(期間)の合計を、通常噴射時のパルス波形の上底の長さ(期間)と揃えることができる。
S204では、分割噴射の実施によってクランクシャフト114の回転がさらに不安定な状態となったか否かを判定する。S204における判定では、S202と同様に、クランクシャフト114の回転数の変動と、角速度の気筒間の差とが、判定基準として用いられる。S204において用いられる変動閾値Th201及び速度閾値Th202は、S202にて用いられる変動閾値Th1及び速度閾値Th2よりも、変動幅の大きい値に設定される。
S204にて、クランクシャフト114の回転数の変動が変動閾値Th201以下であり、且つ、角速度の気筒間の差が速度閾値Th202以下であると判定した場合には、S205に進む。S205では、ガスインジェクタ10による分割噴射を実施していない気筒115が残っているか否かを判定する。S205にて、全ての気筒115にて分割噴射を実施し終えたと判定した場合、ばらつき補正処理を一旦終了する。一方、205にて、分割噴射を実施していない気筒115が残っていると判定した場合、S206に進む。
S206では、分割噴射を実施させる制御対象を、次の気筒115のガスインジェクタ10に変更し、S204に戻る。S206によれば、それまで分割噴射を実施していたガスインジェクタ10の噴射態様は、通常の噴射態様(1回の噴射)に戻される。そして、新たに制御対象とされた他の一つガスインジェクタ10に対し、S203と同様の分割噴射を実施させる処理を行う。
一方、S204にて、回転数の変動が変動閾値Th201を超えているか、又は角速度の気筒間の差が速度閾値Th202を超えていると判定した場合、分割噴射を実施しているガスインジェクタ10にばらつきが生じていると特定し、S207に進む。S207では、特定されたガスインジェクタ10の噴射態様を、それまでの分割噴射から、通常の噴射態様に(1回の噴射)に戻し、S208に進む。
S208では、ばらつきを特定されたガスインジェクタ10に対し、S107(図4参照)と同様に、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2未満の状態となるよう、特定されたガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更する処理が行われる。S208においても、ガスインジェクタ10の燃料噴射量を減らす制御が優先的に行われる。
S209では、S202と実質的に同一の変動閾値Th1及び速度閾値Th2を使用し、S208による燃料噴射量の変更によってクランクシャフト114の回転状態が改善されたか否かを判定する。S209にて、回転数の変動が変動閾値Th1を超えているか、又は角速度の気筒間の差が速度閾値Th2を超えていると判定した場合、S208に戻り、燃料噴射量を変更する制御を継続する。その結果、S209にて、クランクシャフト114の回転が変動閾値Th1未満、且つ、速度閾値Th2未満の状態となったと判定した場合、S210に進む。
S210では、S105(図4参照)と同様に、各閾値Th1,Th2未満の状態となったときのガスインジェクタ10の燃料噴射量に基づき、駆動信号を補正するための学習値を取得する。そして、取得した学習値を情報記憶部77に記憶させ、ばらつき補正処理を一旦終了する。
ここまで説明した第二実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏することにより、リニアA/Fセンサのような高価な空燃比センサを排気系130に用いなくても、ガスインジェクタ10における燃料噴射量のばらつき発生が判定可能となる。
加えて第二実施形態のような分割噴射を実施した場合、例えば1回だけ噴射を行う通常噴射の場合よりも、実際の燃料噴射量は、顕著にばらつくようになる。故に、分割噴射を行う制御により、意図的にアイドリングを不安定化させることが可能となる。その結果、インジェクタ特定部276は、燃料噴射量にばらつきが生じているガスインジェクタ10を、さらに正確に特定できる。
また第二実施形態では、分割噴射による燃料供給量が通常噴射による燃料供給量に合わせられているため、分割噴射を実施しているガスインジェクタ10にばらつきが生じていなければ、アイドリング状態の不安定化は生じ難い。以上によれば、正常なガスインジェクタ10をインジェクタ特定部276が誤って補正対象に特定してしまう事態は、回避され得る。
さらに第二実施形態では、分割噴射中のガスインジェクタ10にばらつきが生じているか否かを判定する各閾値Th201,Th202が、各閾値Th1,Th2よりも不安定な状態を示す値に設定されている。このような各閾値Th201,Th202の設定によれば、インジェクタ特定部276は、燃料噴射量のばらついているガスインジェクタ10を、さらに誤りなく特定できる。
加えて第二実施形態でも、第一実施形態と同様に、ばらつき発生を特定されたガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更する制御により、ばらつきを補正するための学習値が記憶される。故に、噴射制御部272は、アイドリング状態とは異なる運転状態においても、ガスインジェクタ10による燃料噴射量を最適な値に制御して、内燃機関110を安定的に稼動させることができる。尚、第二実施形態では、インジェクタ特定部276が「特定部」に相当する。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態では、燃料噴射量のばらついているガスインジェクタ10(図1参照)を特定する処理が、第一実施形態とは異なっている。図3に示す制御回路50は、第三実施形態のばらつき補正処理のための機能ブロックとして、噴射制御部372及びインジェクタ特定部376を構築する。
噴射制御部372は、ばらつき判定部75によってばらつきが生じていると判定された場合に、CNGの供給により稼働していた内燃機関110(図1参照)を、ガソリンの供給による稼動に切り替える。そうしたうえで、噴射制御部372は、ガソリンインジェクタ20(図1参照)の燃料噴射に添加するかたちで、ガスインジェクタ10による燃料噴射を一気筒ずつ順番に実施させる。
インジェクタ特定部376は、噴射制御部372の制御対象とさた一つのガスインジェクタ10の噴射燃料によって生じるはずの理論上での空燃比の推定ずれ量を算出する。加えてインジェクタ特定部376は、CNGを添加するガスインジェクタ10の添加噴射によって実際に生じた空燃比の実ずれ量を取得する。インジェクタ特定部376は、空燃比の推定ずれ量と実ずれ量との差に基づき、燃料噴射量のばらついているガスインジェクタ10を特定する。
次に、制御回路50によって実施される第三実施形態のばらつき補正処理の詳細を、図7に示すフローチャートに基づき、図1及び図3を参照しつつ説明する。尚、第三実施形態のばらつき補正処理におけるS301及びS302は、第一実施形態のS101及びS102(図4参照)と実質同一であるため、説明を省略する。
S303では、CNGの供給によって稼動していた内燃機関110を、ガソリンの供給による稼動に切り替え、S304に進む。S304では、所定の一つのガスインジェクタ10のみに燃料噴射(添加噴射)を開始させ、S305に進む。S304によれば、他のガスインジェクタ10による燃料噴射は、中断された状態とされる。
S305では、推定ずれ量と実ずれ量との差が予め設定された所定の空燃比閾値Th3を超えているか否かを判定する。S305にて、推定ずれ量と実ずれ量との差が空燃比閾値Th3以下である場合には、S307に進む。一方、S305にて、推定ずれ量と実ずれ量との差が空燃比閾値Th3を超えている場合には、添加噴射の制御対象としているガスインジェクタ10に、燃料噴射量のばらつきが生じていると特定し、S306に進む。
ここで、噴射制御部372は、排気ガスセンサ133の計測信号に基づき、各燃焼室119に供給される混合気の空燃比が所定の空燃比(例えば理論空燃比 約14.7)となるよう、ガソリンインジェクタ20へ出力する駆動信号のパルス幅を調整している。そのため、仮に質量X1のCNGを添加噴射させる駆動信号を所定気筒のガスインジェクタ10に入力した場合、当該気筒のガソリンインジェクタ20のガソリン噴射量は、質量X1のCNGによって生じる空燃比のずれを相殺するよう、質量Y1だけ減らされる。即ち、噴射制御部372は、ガスインジェクタ10による添加噴射を実施する前と比較して、ガソリン噴射量を質量Y1だけ低減させる駆動信号を、ガソリンインジェクタ20に出力するはずである。
しかし、所定気筒のガスインジェクタ10にばらつきが生じていた場合、質量X1のCNGを噴射させる駆動信号を入力しても、当該ガスインジェクタ10は、質量X1+αのCNGを噴射することとなる。その結果、所定気筒のガソリンインジェクタ20から噴射されるガソリン量は、質量X1+αのCNGによって生じる空燃比のずれを相殺するため、質量Y1+βだけ減らされることとなる。その結果、噴射制御部372は、ガスインジェクタ10による添加噴射を実施する前と比較して、実際には、ガソリン噴射量を質量Y1+βだけ低減させる駆動信号を、ガソリンインジェクタ20に出力することとなる。
以上説明した二つの駆動信号のパルス幅の差が、推定ずれ量と実ずれ量との差に係る値となる。そしてS305では、推定ずれ量及び実ずれ量の差が空燃比閾値Th3と比較されることにより、ばらつきを生じさせているガスインジェクタ10が特定される。以上の空燃比閾値Th3は、例えば、ガスインジェクタ10による点火噴射の開始後に規定される所定時間での標準偏差として設定することが可能である。
S306では、ばらつきが生じていると特定されたガスインジェクタ10に対し、推定ずれ量と実ずれ量との差が空燃比閾値Th3未満となるよう、燃料噴射量を変更する処理が行われ、S305に戻る。S306においても、ガスインジェクタ10の燃料噴射量を減らす制御が優先的に行われる。S306による燃料噴射量の変更により、推定ずれ量と実ずれ量との差が空燃比閾値Th3未満となった場合には、S307に進む。
S307では、ガスインジェクタ10による添加噴射を実施していない気筒115が残っているか否かを判定する。S307にて、全ての気筒115で添加噴射を実施し終えたと判定した場合、ばらつき補正処理を一旦終了する。一方、S307にて、添加噴射を実施していない気筒115が残っていると判定した場合、S308に進む。
S308では、添加噴射を実施させる制御対象を、次の気筒115のガスインジェクタ10に変更し、S305に戻る。S308によれば、それまで添加噴射を実施していたガスインジェクタ10は、CNGの噴射を中断させる。そして、新たに制御対象とされた他の一つガスインジェクタ10に対し、添加噴射を開始させる処理を行う。
ここまで説明した第三実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏することにより、高価な空燃比センサを排気系130に用いなくても、ガスインジェクタ10における燃料噴射量のばらつき発生が判定可能となる。
加えて第三実施形態のように、ガスインジェクタ10とガソリンインジェクタ20とが気筒毎に設けられた内燃機関110であれば、ガソリンの供給によってアイドリングを安定化させることが可能である。そうしたうえで、一気筒ずつ順番にガスインジェクタ10による燃料噴射を実施すれば、ガソリンインジェクタ20に要求される要求燃料噴射量の変化から、ガスインジェクタ10の実際の噴射量が推定可能となる。故に、インジェクタ特定部376は、高価な空燃比センサの計測信号を用いなくても、燃料噴射量のばらついているガスインジェクタ10を高精度に特定できる。尚、第三実施形態では、インジェクタ特定部376が「特定部」に相当する。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態では、燃料噴射量のばらつき発生を診断した結果、いずれかのガスインジェクタ10(図1参照)にばらつきが生じていると判定した場合に、アイドリングを安定化させる処理が実施される。こうしたアイドリング安定化処理は、図3の点火制御部73及びスロットル制御部74等の機能によって実現される。以下、制御回路50によって実施されるアイドリング安定化処理の詳細を、図8に示すフローチャートに基づき、図1及び図3を参照しつつ説明する。尚、第四実施形態におけるS401及びS402は、第一実施形態のS101及びS102(図4参照)と実質同一であるため、説明を省略する。
S403では、点火制御部73により、点火時期を例えばMBTよりも遅角させる。加えてS403では、スロットル制御部74により、スロットルバルブ124の開度を僅かに増加させて、吸気管121を各燃焼室119へ向けて流通する吸入空気量を増加させる。噴射制御部72は、吸入空気量の増量に合わせてCNGの噴射量を増加させる。S403の制御において、点火時期の遅角による軸トルクの低下分と、吸入空気量の増量による軸トルクの増加分とが概ね相殺されるよう、点火時期及びスロットル開度は調整される。
S404では、S403の制御により、クランクシャフト114の回転状態が改善されたか否かを判定する。S404における判定では、S402と同様の各閾値Th1,Th2が用いられる。S404にて、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2未満の状態となった場合、アイドリングが安定したと推定し、アイドリング安定化処理を終了する。一方で、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2の少なくとも一方を超えていた場合、S403に戻る。そして、クランクシャフト114の回転が各閾値Th1,Th2未満の状態となるまで、点火時期を遅角させると共に、吸入空気量を増量させる。
ここまで説明した第四実施形態でも、第一実施形態と同様の効果を奏することにより、高価な空燃比センサを排気系130に用いなくても、ガスインジェクタ10における燃料噴射量のばらつき発生が判定可能となる。加えて第四実施形態のアイドリング安定化処理によれば、点火時期の遅角と吸入空気量の増量とが実施される。その結果、ガスインジェクタ10から実際に噴射される燃料噴射量が要求燃料噴射量より多い場合でも、燃焼室119における燃焼は、安定化され得る。以上によれば、ガスインジェクタ10に発生した燃料噴射量のばらつきを補正しなくても、アイドリングを迅速に安定化させることが可能となる。尚、第四実施形態では、点火制御部73及びスロットル制御部74が「アイドル調整部」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態において、プロセッサを主体とする制御回路によって提供されていた機能は、例えば専用の集積回路によって実現されていてもよい。或いは、上述のものとは異なるハードウェア及びソフトウェア、或いはこれらの組み合わせによって、各機能が提供されてよい。
上記第一及び第二実施形態では、特定のガスインジェクタ10の燃料噴射量を変更することで、クランクシャフトの回転が各閾値Th1,Th2以下となった場合、一連のばらつき補正処理は一旦終了されていた。しかし、全ての気筒に設けられたガスインジェクタについて、燃料噴射量を変更する調整が実施されてもよい。
上記第四実施形態では、ばらつきの発生を診断する各閾値(図8 S402参照)と、アイドリングが安定したか否かを判定する各閾値(図8 S404参照)とに、同じ値が用いられていた。しかし、これらの診断及び判定において、制御回路は、互いに異なる値を用いることが可能である。
上記実施形態では、ばらつきの発生を診断する処理(図4 S102等参照)において、回転数の変動及び角速度の気筒間差の両方が用いられていた。しかし、制御回路は、回転数の変動及び角速度の気筒間差のうちの一方のみを用いて、ガスインジェクタにばらつきが発生しているか否かを診断可能である。
上記実施形態における内燃機関は、ガスインジェクタとガソリンインジェクタとを切り替えて使用可能なバイフューエルエンジンであった。しかし、ガスインジェクタ及びガソリンインジェクタのうちで、ガスインジェクタのみが設けられた内燃機関の機関制御装置にも、本発明は適用可能である。さらに、単気筒の内燃機関に設けられる機関制御装置にも、本発明は適用可能である。
上記実施形態では、車両に搭載される内燃機関の機関制御装置に本発明を適用した例を説明したが、本発明の適用対象は、車載される内燃機関の機関制御装置に限定されない。各種輸送機器に搭載される内燃機関及び各種民生用機器に用いられる内燃機関等の機関制御装置にも、本発明は適用可能である。
10 ガスインジェクタ(インジェクタ)、20 ガソリンインジェクタ、71 情報取得部(取得部)、72,272,372 噴射制御部、73 点火制御部(アイドル調整部)、74 スロットル制御部(アイドル調整部)、75 ばらつき判定部(判定部)、76,276,376 インジェクタ特定部(特定部)、77 情報記憶部、100 機関制御装置、110 内燃機関、114 クランクシャフト(出力軸)、115 気筒、Th1 変動閾値(閾値)、Th2 速度閾値(閾値)、Th3 空燃比閾値(閾値)

Claims (17)

  1. 圧縮天然ガスを燃料として噴射するインジェクタ(10)が設けられた内燃機関(110)に適用される機関制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸(114)の回転数を取得する取得部(71)と、
    前記内燃機関がアイドリング状態にある場合に、前記取得部にて取得される回転数の変動が閾値(Th1)を超えたことに基づいて、前記インジェクタの燃料噴射量にばらつきが生じていると判定する判定部(75)と、を備えることを特徴とする機関制御装置。
  2. 前記インジェクタが気筒(115)毎に設けられた多気筒の前記内燃機関に適用される機関制御装置であって、
    前記判定部は、前記取得部にて取得される回転数の変動が前記閾値を超えたことに基づいて、複数の前記インジェクタの少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定することを特徴とする請求項1に記載の機関制御装置。
  3. 圧縮天然ガスを燃料として噴射するインジェクタ(10)が気筒(115)毎に設けられた多気筒の内燃機関(110)に適用される機関制御装置であって、
    前記内燃機関の出力軸(114)の角速度を取得する取得部(71)と、
    前記内燃機関がアイドリング状態にある場合に、前記取得部にて取得される角速度の前記気筒間の差が閾値(Th2)を超えたことに基づいて、複数の前記インジェクタの少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定する判定部(75)と、を備えることを特徴とする機関制御装置。
  4. 前記判定部によって燃料噴射量のばらつきが生じていると判定された場合に、複数の前記インジェクタの燃料噴射量を一つずつ順番に変更する噴射制御部(72)、をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の機関制御装置。
  5. 前記噴射制御部は、前記インジェクタに対して燃料噴射量を減らす制御を優先的に行うことを特徴とする請求項4に記載の機関制御装置。
  6. 前記噴射制御部は、複数の前記インジェクタのうち特定の一つの燃料噴射量を変更しても、ばらつき発生を示す前記判定部の判定が維持される場合には、当該特定のインジェクタの燃料噴射量を変更前の噴射量に戻したうえで、燃料噴射量を変更する制御対象を複数の前記インジェクタのうちの他の一つに切り替えることを特徴とする請求項4又は5に記載の機関制御装置。
  7. 前記噴射制御部は、複数の前記インジェクタのうち特定の一つの燃料噴射量を変更することで、前記出力軸の回転が前記閾値未満の状態となった場合に、複数の前記インジェクタの燃料噴射量を順次変更する処理を終了することを特徴とする請求項4又は5に記載の機関制御装置。
  8. 前記判定部によって燃料噴射量のばらつきが生じていると判定された場合に、複数の前記インジェクタによる燃料噴射の態様を一つずつ順番に、複数回の分割噴射に変更する噴射制御部(272)、をさらに備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の機関制御装置。
  9. 前記噴射制御部は、分割後の複数回の噴射によって供給される燃料量が、分割前の通常の噴射によって供給される燃料量と実質的に同じとなるよう、前記インジェクタによる分割噴射を制御することを特徴とする請求項8に記載の機関制御装置。
  10. 分割噴射の実施によって前記出力軸の回転がさらに不安定な状態となった場合に、分割噴射を実施中の前記インジェクタに燃料噴射量のばらつきが生じていると特定する特定部(276)、をさらに備えることを特徴とする請求項8又は9に記載の機関制御装置。
  11. 前記噴射制御部は、前記出力軸の回転が前記閾値未満の状態となるよう、前記特定部によって特定された前記インジェクタの燃料噴射量を変更することを特徴とする請求項10に記載の機関制御装置。
  12. 前記噴射制御部は、前記分割噴射を分割前の通常の噴射に戻したうえで、前記出力軸の回転が前記閾値未満の状態となるよう、前記特定部によって特定された前記インジェクタの燃料噴射量を変更することを特徴とする請求項11に記載の機関制御装置。
  13. 前記出力軸の回転が前記閾値未満となった場合に、前記インジェクタに入力される駆動信号の補正に用いられる学習値を記憶する情報記憶部(77)、をさらに備えることを特徴とする請求項7又は12に記載の機関制御装置。
  14. 圧縮天然ガスを噴射する前記インジェクタとしてのガスインジェクタと、ガソリンを噴射するガソリンインジェクタ(20)とが前記気筒毎に設けられた多気筒の前記内燃機関に適用される機関制御装置であって、
    複数の前記ガスインジェクタによる圧縮天然ガスの噴射と、複数の前記ガソリンインジェクタによるガソリンの噴射とを共に制御する噴射制御部(372)、をさらに備え、
    前記判定部は、圧縮天然ガスの供給によって前記内燃機関が稼動している場合に、前記ガスインジェクタの燃料噴射量にばらつきが生じているか否かを判定し、
    前記噴射制御部は、前記判定部によって複数の前記ガスインジェクタの少なくとも一つに燃料噴射量のばらつきが生じていると判定された場合に、前記内燃機関をガソリンの供給による稼動に切り替えたうえで、前記ガスインジェクタによる燃料噴射を一気筒ずつ順番に実施させることを特徴とする請求項2又は3に記載の機関制御装置。
  15. 前記噴射制御部の制御対象とされた一つの前記ガスインジェクタの噴射燃料によって生じるはずの空燃比の推定ずれ量と、当該ガスインジェクタによる燃料噴射によって実際に生じた空燃比の実ずれ量との差が閾値(Th3)を超えた場合に、このガスインジェクタに燃料噴射量のばらつきが生じていると特定する特定部(376)、をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の機関制御装置。
  16. 前記噴射制御部は、前記推定ずれ量と前記実ずれ量との差が前記閾値以下となるよう、前記特定部によって特定された前記ガスインジェクタの燃料噴射量を変更することを特徴とする請求項15に記載の機関制御装置。
  17. 前記判定部によって前記燃料噴射量のばらつきが生じていると判定された場合に、アイドリング状態における点火時期を遅角させると共に、前記内燃機関に吸入される吸入空気量を増やすアイドル調整部(73,74)、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の機関制御装置。
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