以下、本発明の実態形態について添付図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る脇用汗取りシート1の表面図であり、図2は図1の脇用汗取りシート1の裏面図である。また、図3は図1の要部の拡大図である。
本実施形態の脇用汗取りシート1は、衣服に貼り付けて使用するタイプのものであり、可撓性を有するシート本体2と、シート本体2の裏面に設けられた粘着部3とを備えている。シート本体2は、少なくとも吸収層20を備える構成のものであるが、吸収層20の裏面側(衣服に貼り付けられる側)に防水層21を備えていることが好ましい。シート本体2は、シート本体2を横断する折り曲げ基準線Lを境界として第1の領域2Aと第2の領域2Bとに分けられている。折り曲げ基準線Lは、本実施形態では、シート本体2の略中央に位置している。
シート本体2は、本実施形態では、滑らかな曲線状に形成された外周縁を有するとともに、外周縁の長手方向と直交する方向の両側にくびれ部5がそれぞれ設けられている。くびれ部5は、第1の領域2Aから第2の領域2Bにかけて内方に向けて緩やかにへこんでいる。両くびれ部5の間には、両くびれ部5を結ぶ直線状の溝部6が設けられており、本実施形態では、この溝部6が折り曲げ基準線Lを構成し、溝部6を境にして上下2つの第1の領域2A,第2の領域2Bに分けられている。溝部6は、例えばシート本体2を衣服に貼り付ける際の袖ぐり部の位置となり、第1の領域2Aが衣服の身頃側に、第2の領域2Bが衣服の袖側に、それぞれ貼り合わされる(以下、「第1の領域2A」を「身頃側領域2A」といい、「第2の領域2B」を「袖側領域2B」という。)。身頃側領域2Aは、袖側領域2Bよりも面積が大きく形成されており、脇の発汗位置に適切に対応可能となっている。なお、本実施形態においては、折り曲げ基準線Lが溝部6によって構成されているが、装着時に曲げ変形を与えた際に自然に折れ曲がる部分など、必ずしも外観上明瞭である必要はなく、身頃側領域2A及び袖側領域2Bは、それぞれ身頃側及び袖側に装着することを意図した領域をいう。また、溝部6(折り曲げ基準線L)の上下の両側には、溝部6から離れる側に凸をなす弧状の屈曲ライン7A,7Bが形成されている。この屈曲ライン7A,7Bでシート本体2の折り曲げが容易となっている。
シート本体2の外周縁において、折り曲げ基準線Lが突き当たる位置には、内方に向けて凹んだ窪み部8が形成されている。本実施形態では、折り曲げ基準線Lの両端側に窪み部8がそれぞれ形成され、2つの窪み部8が対向するように外周縁に形成されている。折り曲げ基準線Lは、2つの窪み部8の間を直線状に延びている。また、シート本体2には、窪み部8からシート本体2の内方に向かって延びる切れ込み9が形成されている。
折り曲げ基準線L(溝部6)の端側に窪み部8が形成されていることで、袖側領域2Bに対して身頃側領域2Aが捻れるように動きやすくなり、かつ身頃側領域2Aに対して袖側領域2Bが捻れるように動きやすくなる。よって、シート本体2を衣服に貼り付ける際にヨレやズレなどが発生するのを防止できるので装着しやすく、また、衣服への貼り付け時のみならず、装着時においても、シート本体2にヨレやズレなどが発生することを防止することができる。なお、上述した窪み部8の外周縁における開口幅L1は、3mm〜30mmの範囲で形成するのが好ましく、5mm〜15mmの範囲で形成するのがさらに好ましい。開口幅L1を3mm以下とすると、シート本体2の製造が困難になる一方、開口幅L1を30mm以上とすると、シート本体2全体の面積が小さくなるため、汗の吸収性能を確保する点から好ましくない。また、シート本体2の全長L3は、70mm〜150mm程度であり、窪み部8の外周縁における開口幅L1はシート本体2の全長L3に対して、2%〜40%程度である。
また、シート本体2が、窪み部8に加えて切れ込み9を有することによって、袖側領域2Bに対して身頃側領域2Aが更に捻れるように動きやすくなり、かつ身頃側領域2Aに対して袖側領域2Bが更に捻れるように動きやすくなる。よって、シート本体2を衣服に貼り付ける際にヨレやズレなどが発生するのを防止できるので更に装着しやすく、また、衣服への貼り付け時のみならず、装着時においても、シート本体2にヨレやズレなどが発生することを更に防止することができる。なお、切れ込み9の長さL2は、3mm〜20mmの範囲で形成するのが好ましく、3mm〜15mmの範囲で形成するのがさらに好ましい。切れ込み9の長さL2を3mm以下とすると、袖側領域2Bに対する身頃側領域2Aの動きやすさ及び身頃側領域2Aに対する袖側領域2Bの動きやすさが確保されないおそれがある一方で、長さL2を15mm以上とすると、切れ込み15を始点としてシート本体2が分断されやすくなるため好ましくない。
吸収層20は、吸水性を有するものであれば特に制限はなく、一般に生理用ナプキン、おしめ、汗取りシート及びおりものシートなどに用いられている、例えば吸水性パルプ、吸水性ポリマーなどの公知の吸収材や、織物、編物、不織布又はパルプ製品などから構成される繊維構造物を用いることができる。なかでも、風合い(肌触り)がよく、吸収性に優れ、かつ吸収層からの素材の脱落が少ない点から、天然繊維及び合成繊維からなる集積体(例えば不織布)を用いることが好ましい。天然繊維としては、コットン、シルク、パルプ、羊毛、麻などがあげられる。このような天然繊維のなかでも、アレルギーなどの接触性皮膚炎が起こりにくく、かぶれにくく、かつ吸収性に優れる点から、(タンパク質系成分でない)コットンやパルプなどのセルロース系繊維が好ましい。また、合成繊維としては、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、エチレン酢酸ビニル繊維、ウレタン繊維、アクリル繊維などが挙げられる。また、レーヨン繊維、アセテート繊維、キュプラなどの半合成繊維、及び各種繊維の混紡品、混繊品を使用することもできる。なかでも、ドライ感、風合い及びヒートシール性の点から、エチレン酢酸ビニル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などの合成繊維又はそれらの複合繊維が好ましい。複合繊維としては、ポリエチレン/ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートを含む)複合繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン複合繊維、エチレン酢酸ビニル/ポリプロピレン複合繊維などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
吸収層20を構成する前記集積体の目付けは、保水量と皮膚への違和感とのバランスの点から考えれば、20g/m2〜150g/m2であるのが好ましく、より好ましくは30g/m2〜100g/m2、さらに好ましくは40g/m2〜70g/m2である。
不織布は、湿式抄紙法、乾式抄紙法、スパンボンド法、メルトブロー法、ラテックス樹脂ボンド法、溶剤ボンド法、スティッチボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法などの方法により製造することができる。なかでもスパンレース法、サーマルボンド法、エアースルー法、エアレイド法、ニードルパンチ法、スパンボンド法などの方法により製造されるのが好ましい。これらの方法では、不織布の風合いをよくすることができ、かつ、接着剤、溶剤を用いないため、肌への安全性を高くすることができる。
防水層21は、吸収層20に吸収された汗の外部への流出を防止するものである。防水層21の材質は、ポリエチレンを用いることが好ましいが、必要に応じて適当な材質、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ナイロン、セロファン、ビニロン、塩化ビニルなどを用いることもできる。また、これらの材質に炭酸カルシウム粉末などの無機物を混練した後に2軸延伸すると、汗は透過させずに水蒸気(空気)は透過させることができるので、ムレなどによる不快感を軽減させることができ、また、炭酸カルシウムなどの無機物を用いない場合において1軸延伸すると、多量の汗をかいた場合でも衣服への汗じみを確実に防ぐことができるので、それぞれ、使用状況に応じて使い分けることが好ましい。また、SMSなどの液不透過性の不織布を用いることもできる。
防水層21の目付けは、吸収層20に吸収された汗の外部への流出を防止すること及び脇用汗取りシート1全体の柔軟性を損なわないことのバランスの点から考えれば、2g/m2〜50g/m2であることが好ましく、より好ましくは10g/m2〜50g/m2、さらに好ましくは20g/m2〜40g/m2である。防水層21の厚みとしては、吸収した汗を透過させないという点から、10μm以上であることが好ましい。
粘着部3に用いられる粘着剤は、衣服などに貼ることができるものであれば特に限定されないが、例えば、水溶性の接着剤(例えばアクリル系水溶性接着剤)や非水溶性接着剤(例えばゴム系ホットメルト、オレフィン系ホットメルト)などの接着剤が挙げられる。なかでも、その他の粘着剤に比べて衣服に対する接着力に優れる点から非水溶性接着剤が好ましく、ゴム系ホットメルトがより好ましい。ゴム系ホットメルトを使用すると、接着部位になじみやすいので、衣服の伸びを拘束することがない(突っ張り感を軽減できる)。粘着部3は、シート本体2の裏面に、間隔をあけて複数設けられていてもよいし、シート本体2の裏面を覆うように設けられていてもよい。
シート本体2の裏面には、衣服への装着時まで粘着部3を保護し、装着時に粘着部3から剥離可能な剥離シート(図示せず)が貼り付けられる。剥離シートは、プラスチックフィルム、繊維製シート、紙などに剥離剤を塗布することで形成され、剥離剤側が粘着部3に貼着される。
上述した本発明に係る脇用汗取りシート1は、剛軟度が40mm以下であり、かつ、厚みが0.6mm以下である。ここで、「厚み」とは、脇用汗取りシート1を構成する全ての層(本実施形態では吸収層20及び防水層21)を重ねた状態での厚みを言い、「剛軟度」とは、脇用汗取りシート1を構成する全ての層を重ねた状態での曲げ剛性のことを言う。「剛軟度」は、値が小さいほど柔軟性に優れている。本出願の発明者が、装着時に違和感がない脇用汗取りシートとはどのような性質を備えた脇用汗取りシートであるのかについて、鋭意研究を重ねた結果、脇用汗取りシートの剛軟度及び厚みが大きく関連していることを見出した。そして、剛軟度及び厚みを、それぞれ所定の値とすることで、脇用汗取りシートを衣服に装着しても、ほとんどその存在を使用者に感じさせることがなく、脇用汗取りシートが衣服に装着されることによる違和感を使用者に与えないことを見出した。そこで、本発明に係る脇用汗取りシート1では、剛軟度及び厚みを、優れた装着感が得られる、40mm以下及び0.6mm以下にすることを特徴とした。
剛軟度は、図4及び図5に示すように、脇用汗取りシート1の各層を構成するシート材を縦(長さ)120mm、横(幅)9mmにカットした試験片10を、高さ3cmの水平台11の水平面12上に、吸水層20を上側に向けかつ短辺を水平台11の先端縁12A(スケールの基線O)に合わせて置いた後、試験片10をゆっくり一定速度で前方に滑らせて、図6に示すように、試験片10の先端が水平台10を載置している水平な床13上に接したときの試験片10の押し出された長さ(水平台11の先端縁12Aから床13の試験片10の先端が接した位置Pまでの距離)dを測定することで、脇用汗取りシート1の長手方向の剛軟度として表される。なお、試験片は、脇用汗取りシート1から採取したもの、あるいは、脇用汗取りシート1の各層を構成するシート材と同質のシート材から採取したもののいずれであってもよい。試験片を脇用汗取りシート1から採取した場合には、粘着部3がないところを採取するあるいは粘着部3を剥がした状態とする。その結果として、測定された剛軟度が、40mm以下となる各シート材で脇用汗取りシート1を構成し、10mm以下となる各シート材で脇用汗取りシート1を構成することがさらに好ましい。また、剛軟度の下限としては、剛軟度が0.3mm以上となる各シート材で脇用汗取りシート1を構成することが好ましい。
脇用汗取りシート1の剛軟度を小さくするための要素としては、脇用汗取りシート1の各層(特に吸収層20)を構成するシート材として例えば不織布を選択する場合には、不織布の目付け、繊度、厚み、素材、製法、熱溶着面積などを挙げることができる。適当な条件のシート材を選択することで、脇用汗取りシート1の剛軟度を小さくすることができる。その結果、脇用汗取りシート1の装着感を良好にすることができる。
また、脇用汗取りシート1の装着感を良好にするためには、厚みが0.6mm以下となるように、各シート材で脇用汗取りシート1を構成し、0.5mm以下となるように、各シート材で脇用汗取りシート1を構成することがさらに好ましい。なお、厚みの下限としては、厚みが0.4mm以上となるように、各シート材で脇用汗取りシート1を構成することが好ましい。
また、上述した本発明に係る脇用汗取りシート1は、その厚み(特に吸収層20の厚み)が従来の脇用汗取りシートと比べて極めて薄いため、その分、単位面積当たりの汗の吸収量(ml/cm2)が低い。よって、本発明に係る脇用汗取りシート1では、吸収した汗の拡散を促し、脇用汗取りシート1の広範囲に汗を拡散させて、広範囲で汗を吸収・保持することができる各シート材で脇用汗取りシート1が構成されている。これにより、脇用汗取りシート1に吸収された汗の逆戻りを解消している。
さらに、本発明に係る脇用汗取りシート1では、吸収・保持した汗の蒸発を促し、脇用汗取りシート1から汗を素早く取り除いて、脇用汗取りシート1を乾かすことができる各シート材で脇用汗取りシート1が構成されている。これにより、脇用汗取りシート1のウェット感による違和感を使用者に与えるのを解消している。
汗の拡散面積(cm2)としては、脇用汗取りシート1の吸収層20に、水(例えば青色に着色した水)を例えばピペットマンを用いて1ml滴下して吸収させた後、3分間放置した後の水の拡散面積が20cm2以上であることが好ましく、25cm2以上であることがより好ましく、29cm2以上であることがさらに好ましい。この範囲内であれば、脇用汗取りシート1に吸収された汗を瞬時に広範囲に行き渡らせることができ、汗の逆戻りの抑制を効果的に達成することができる。なお、上記拡散面積は、吸水層20による水の拡散に影響を与えない、吸水性のない台上に脇用汗取りシート1を載置して測定される。
このように脇用汗取りシート1の汗の拡散面積を良好なものとするためには、例えば、吸収層20を構成するシート材として、繊維密度の高い高繊維密度領域Hと繊維密度の低い低繊維密度領域Lとを含むとともに、図7(a)(b)に示すように、高繊維集積領域Hを格子状あるいは網目状に形成しかつ低繊維集積領域Lを高繊維集積領域H間の隙間に配置した構造、あるいは、図7(c)に示すように、低繊維密度領域Lをシート材全域にわたって千鳥状に配置しかつその他の領域を高繊維集積領域Hとした構造、の不織布を用いることができる。シート材の汗の拡散面積を向上させるためには、シート材全体の繊維密度を大きくする必要があるが、繊維密度を大きくするとシート材の曲げ剛性(剛軟度)の上昇にもつながる。しかし、かかる構造の不織布でシート材を構成すると、高繊維密度領域Hで吸収した汗の素早い拡散を促すとともに、低繊維密度領域Lの存在によりシート材の曲げ剛性(剛軟度)を、脇用汗取りシート1の衣服への装着時にその存在をほとんど使用者に感じさせることがない程度まで抑えることができる。
また、汗の蒸発速度としては、本出願の発明者の調査によると、猛暑環境下(気温36℃、湿度50%)における成人女性の発汗速度が25cm2あたり0.17ml/hであることが確認されている。そのため、脇用汗取りシート1の25cm2あたりの汗の蒸発速度は、0.15ml/hであることが好ましく、特に、成人女性の汗の発汗速度と同じ0.17ml/h以上、さらには0.30ml/h以上であることがより好ましい。この範囲内であれば、例えば、使用者が猛暑環境の中、通勤などで0.5時間〜1時間程度、汗をかいたとしても、その後の冷房環境下での勤務時間中において汗を蒸発させて脇用汗取りシート1を乾燥させることができる。特に蒸発速度が、成人女性の汗の発汗速度と同じ0.17ml/h以上であれば、脇用汗取りシート1を素早く乾燥させることができる。よって、脇用汗取りシート1のウェット感により使用者に与える違和感の抑制を効果的に達成することができる。
なお、上記蒸発速度は、温度36℃かつ湿度50%の条件下で、脇用汗取りシート1の各層を構成するシート材を縦50mm、横50mmにカットした試験片に、生理食塩水0.25mlを例えばピペットマンを用いて滴下して吸収させた後、90分間放置し、その間10分置きに質量変化を測定することで、算出することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明に係る脇用汗取りシートの具体的な態様は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、脇用汗取りシート1が吸収層20及び防水層21の2層構造からなるが、脇用汗取りシート1は少なくとも吸収層20を備えていればよく、上記剛軟度及び厚みを備える限り、何層構造であってもよい。
例えば、吸収層20の防水層21とは反対側の表面に、肌にやわらかく接触しかつ吸収層20を保護する役割を果たす保護層を設けてもよい。このような保護層としては、織物、編物、不織布又はパルプ製品などから構成されるシート状又はフィルム状の繊維構造物を挙げることができる。なかでも、風合い(肌触り)や皮膚への刺激性、吸収性の点から不織布が好ましい。かかる繊維構造物を構成する繊維としては、天然繊維及び合成繊維が挙げられ、これらを単独で、又は組み合わせて所望の性質を有する繊維構造物として使用することができる。天然繊維及び合成繊維としては、吸収層の原料として用いるものと同一の繊維が挙げられる。
保護層に用いられる前記繊維構造物の目付けは、汗の透過性と皮膚への違和感の軽減とのバランスの点を考えれば、10g/m2〜60g/m2であることが好ましく、より好ましくは10g/m2〜50g/m2、さらに好ましくは10g/m2〜30g/m2である。なお、汗の透過性をより高めるために、保護層に複数のスリットや開口などを形成してもよい。
なお、脇用汗取りシート1は、吸収層20及び保護層の2層構造であってもよく、吸収層20のみの1層構造であってもよい。また、保護層と吸収層20との間及び吸収層20と防水層21との間における一方又は双方に、消臭剤や香料を含む層を介在させて、4層以上の構造であってもよい。
なお、脇用汗取りシート1が何層構造であっても、全ての層を重ねた状態で上述の通り剛軟度及び厚みが測定され、全ての層を重ねた状態で前記剛軟度及び厚みを充足する。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。ここでは、2種類の実施例及び4種類の比較例について説明する。なお、実施例1は吸収層及び防水層の2層構造の脇用汗取りシートであり、実施例2は保護層、吸収層及び防水層の3層構造の脇用汗取りシートである。また、比較例1,2,4は吸収層のみの1層構造の脇用汗取りシートであり、比較例3は吸収層及び防水層の2層構造の脇用汗取りシートである。実施例1,2及び比較例1〜4の脇用汗取りシートの各層の素材、厚み及び剛軟度は、表1の通りである。また、各素材の詳細は、表2の通りである。また、脇用汗取りシートの剛軟度の測定方法は、上述した通りである。
脇用汗取りシートの厚みの測定には、株式会社尾崎製作所製の厚み秤(品番:R1−B、加重:7g/cm2, 端子のΦ:30mm)を使用した。各例の脇用汗取りシートを測定サンプル台上に置き、端子で挟んで10秒後の目盛を測定した。
これら実施例1,2及び比較例1〜4の脇用汗取りシートについて、脇用汗取りシートを右脇部分に装着したワイシャツを5人の被験者に着てもらった後、両腕を動かしてもらい、装着中の違和感に対する官能評価を行った。脇用汗取りシートを装着していないワイシャツの左脇側の違和感を「0点」とし、非常に違和感がある場合を「5点」として評価してもらった数値の5人の平均を違和感の官能評価値とした。その評価結果を、表3に示す。
表3に示されているように、厚みが0.6mm以下かつ剛軟度が40mm以下の実施例1,2の脇用汗取りシートを装着した場合には、厚み及び剛軟度のいずれか一方だけが上記数値範囲を満たす比較例2,3の脇用汗取りシートを装着した場合よりも、装着時の違和感に関してかなり高い評価を受けており、さらに、実施例1の脇用汗取りシートのように、厚みが0.5mm以下かつ剛軟度が10mm以下である場合には、さらに高い評価を受けた。
以上の結果から、厚みを0.6mm以下かつ剛軟度を40mm以下とすることで、本発明に係る脇用汗取りシートは、装着時の違和感をほとんど使用者に与えないことが確認された。よって、今までにない優れた装着感を実現できた。