JP2017023449A - 活動量推定装置、活動量推定方法、プログラム、モデル生成装置、及びモデル生成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサ2により検出された生体の動きを示すセンサ信号に基づいて、生体の動きの特徴量を算出する特徴量算出部と、所定の動きの特徴量と、所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて生成された回帰学習モデルを用いることにより、特徴量算出部により算出された生体の動きの特徴量に基づいて、生体の動きに対応する活動量を推定する活動量推定部と、を備える活動量推定装置20が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明の一実施形態に係る活動量推定システム1は、予めモデル生成装置10により所定の動き、および医学的に算出された所定の動きに対応する身体活動量に基づいて生成された回帰学習モデルを活動量推定装置20に適用させ、センサ2により検出された生体の動きに基づいて活動量推定装置20により生体の身体活動量を推定するシステムである。以下、活動量推定システム1の概要について説明する。
センサ2は、図1に示すように、部屋の天井等に設置される非接触型のセンサである。センサ2は、いわゆる人感センサであってもよい。例えば、センサ2は、例えば、検出エリアである部屋の屋内に向けて、光、電磁波、または音波等の放射波を放射し、生体(例えば図1においては被験者P)により反射された反射波を受信する電波センサであってもよい。上記電波センサは、例えばドップラーセンサであってもよい。このとき、反射波の周波数は、物体の振動等の運動により生じるドップラー効果により、放射波の周波数から変化する。センサ2は、放射波の周波数と反射波の周波数との差分の周波数を有する信号を生成する。上記センサ2による信号の生成について、詳しくは後述する。センサ2は、生成した信号を、モデル生成装置10、または活動量推定装置20のいずれかに出力する。
活動量測定デバイス3は、生体の身体の動きによる身体活動量を測定する装置である。ここで、本明細書において身体活動量とは、METs(METabolic equivalents:代謝当量)値と呼ばれる安静時の何倍の代謝が行われているかを示す値である。具体的には、METs値は、安静時の酸素摂取量を基準とする様々な動作や運動における酸素摂取量によって定められる値である。酸素摂取量に基づくMETs値の算出方法は、例えば、S.Glass,G.B.Dwyer,“ACSM's Metabolic Calculations Handbook”,Lippincott Williams & Wilkins,2007等の公知文献に開示されている。活動量測定デバイス3は、例えば、生体の酸素摂取量を測定可能な呼気ガス分析計であってもよい。呼気ガス分析計は、人物に装着されるマスクおよびチューブ等を通して体内に供給される酸素流量等に基づいて酸素摂取量を測定する装置である。これにより、人物が摂取する酸素摂取量から直接METs値を算出することが可能となる。つまり、文献等には記載されていないような動きや、体格の異なる人物の動きに対応するMETs値を、酸素摂取量から直接算出することができる。これにより、生成される回帰学習モデルによる活動量推定処理の精度が向上する。また、活動量測定デバイス3は、例えば、生体の一部に装着される活動量算出器であってもよい。活動量算出器は、加速度センサ等により人物の移動、昇降、または姿勢を推定し、推定結果に応じて活動量を算出する装置である。これにより、容易に人物の身体の運動による身体活動量を計測することが可能である。
モデル生成装置10は、所定の生体の動きのモデル生成処理に用いられる装置である。モデル生成装置10は、例えば、ネットワーク上の一または複数の情報処理装置によって実現されてもよい。より具体的には、モデル生成装置10は、サーバやPC(Personal Computer)等により実現されてもよい。モデル生成装置10は、所定の生体の動きに由来する信号をセンサ2から取得するとともに、所定の生体の動きに対応する身体活動量を活動量測定デバイス3から取得する。そして、モデル生成装置10は、各所定の生体の動きの信号と各生体の動きに対応する身体活動量とに基づいて回帰学習モデルを生成する。生成された回帰学習モデルは、活動量推定装置20において用いられる。
活動量推定装置20は、生体の動きに対応する身体活動量の推定処理に用いられる装置である。活動量推定装置20は、例えば、ネットワーク上の一または複数の情報処理装置によって実現されてもよい。より具体的には、活動量推定装置20は、サーバやPC等により実現されてもよい。活動量推定装置20は、センサ2により検出された生体の動きに由来する信号と、モデル生成装置10により生成された回帰学習モデルとを用いることにより、生体の動きに対応する身体活動量を推定する。また、活動量推定装置20は、例えば、不図示の通信部を介して、身体活動量の推定結果を有線または無線により外部装置等に送信することが可能である。これにより、上記外部装置において、身体活動量の推定結果を用いた処理を行うことが可能となる。身体活動量の推定結果を用いた処理により、例えば、被験者Pの消費カロリーの算出することが可能となる。なお、身体活動の推定結果を用いた処理については、上記のような外部装置ではなく、活動量推定装置20本体において行うことも可能である。
以下、本発明の第1の実施形態に係るモデル生成装置10、および活動量推定装置20について説明する。
(1)構成
図2は、本発明の第1の実施形態に係るモデル生成装置10の構成例を示すブロック図である。図2を参照すると、モデル生成装置10は、信号取得部110、活動量取得部120、信号・活動量DB(データベース)121、フィルタ部130、特徴量算出部140、モデル生成部150、および回帰学習モデルDB151を備える。モデル生成装置10は、センサ2により検出される既知の所定の動きに由来する信号から算出される特徴ベクトルから構成される特徴空間と、活動量測定デバイス3より測定される上記所定の動きに対応する身体活動量とを組とする複数のデータから、回帰学習モデルを生成する。生成された回帰学習モデルは、活動量推定装置20において用いられる。以下、本実施形態に係るモデル生成装置10について説明する。
信号取得部110は、不図示の通信部または入力部等を介して、センサ2から出力される信号データを取得する。本実施形態において、センサ2はドップラーセンサである。センサ2から出力される信号データは、時系列のデジタル信号からなるデータであり、I成分であるI(n)とQ成分であるQ(n)の2成分を有する。信号取得部110は、取得した信号データ(I(n)、Q(n))を信号・活動量DB121に出力する。
活動量取得部120は、不図示の通信部または入力部等を介して、活動量測定デバイス3から出力される身体活動量データを取得する。身体活動量データには、活動量測定デバイス3により測定されたMETs値等が含まれる。METs値の測定時間は、上述したセンサ2による生体の動きの検出時間のうち、最後の数分間であってもよい。これは、上述したように、生体の動きが安定した状態における活動量を測定するためである。活動量取得部120に出力される身体活動量データには、測定時間における時系列のMETs値が含まれていてもよいし、測定時間におけるMETs値の平均値や中間値等の統計量が含まれていてもよい。活動量取得部120は、取得したMETs値等の身体活動量データを、信号・活動量DB121に出力する。
信号・活動量DB121は、信号取得部110より取得した信号データ、および活動量取得部120より取得した身体活動量データを格納するデータベースである。データベースは複数のデータリストを有し、データリストは複数のデータセットにより構成される。図3は、信号・活動量DB121に格納されている信号・活動量データリストの一例を示す図である。図3を参照すると、信号・活動量データリスト100には、信号取得部110より取得した所定の動きに由来する信号データのデータファイル(dataA1.txt、dataA2.txt、・・・、dataB7.txt)、および活動量取得部120より取得した、所定の動きに対応する身体活動量データ(METs値)が、ID、サンプル、および動作とともにデータセットとして記憶されている。IDは、取得された信号データおよび身体活動量データの組ごとに割り振られるインデックスである。サンプルは、信号データおよび身体活動量データの取得のために所定の動きを行った人物を示す名称や識別子等である。被験者の数は特に限定されない。動作は、人物が実施した所定の動きであり、一のデータリストに複数の所定の動きが設定され得る。図3に示した信号・活動量データリスト1000においては、ID1〜7には人物Aによる複数の所定の動きに係る信号データファイルおよびMETs値が、ID8〜14には人物Bによる複数の所定の動きに係る信号データファイルおよびMETs値が、それぞれ記憶されている。動作には、「寝る演技」等の安静状態や、「ジョギング」等の激しい運動状態などの様々な動きが含まれている。また、動作には、「字を書く」等の四肢部の動きや、「体幹部ストレッチ」等の体幹の動きが含まれている。
フィルタ部130は、信号・活動量DB121から取得したデータリストに含まれている信号データにフィルタ処理を実施する。データリストに含まれている信号データには、生体の動きとは無関係の、高周波成分のノイズが多く含まれている。そのため、フィルタ部130は、LPF処理を実施することにより、これらのノイズを除去または低減する。
特徴量算出部140は、フィルタ部130から取得したデータリストに格納されているLPF処理後の信号データの特徴量を算出する。ここで、特徴量とは、信号データの波形に基づいて算出される特徴量である。例えば、特徴量には、信号データの波形の振幅や波形の周波数成分などにより算出される特徴量が含まれる。本実施形態においては、以下に説明するような複数の特徴量が算出され得る。なお、特徴量を算出するために用いられる信号データは、I’(n)またはQ’(n)のいずれかであってもよい。また、I’(n)およびQ’(n)の両方の特徴量が算出されてもよい。以降、特徴量の算出に用いられる信号データをAmp(n)と表記する。
特徴量算出部140は、特徴量として、単位区間における信号データAmp(n)の波形のゼロ交差数を算出してもよい。ゼロ交差数は、生体の身体全体の動きを反映する特徴量である。図4は、信号データAmp(n)の波形のゼロ交差数について説明するための図である。図4に丸印で示したように、ゼロ交差数は、信号データAmp(n)の波形が、単位区間Taにおいてゼロ値と交差する回数である。具体的には、ゼロ交差数は、時刻nを先頭とする単位区間TaにおけるA個のデータのうち、下記式(9)を満たすiの数である(ただし、i=n〜n+A−1)。単位区間Taは、例えば1秒間であってもよく、その場合、Aは100(つまり、センサ2から出力される時系列デジタル信号データのサンプリング周波数=100Hz)であってもよい。
特徴量算出部140は、特徴量として、単位区間における信号データAmp(n)の波形のピーク数を算出してもよい。ここで、ピークとは、波形の極大または極小を意味する。ピーク数は、生体の四肢等による細かな動きを反映する特徴量である。図5は、信号データAmp(n)の波形のピーク数について説明するための図である。図5に丸印で示したように、ピーク数(図5の場合は波形が極大となる数)は、信号データAmp(n)の波形が、単位区間Taにおいて極大を示す回数である。具体的には、ピーク数は、時刻nを先頭とする単位区間TaにおけるA個のデータのうち、下記式(10)を満たすiの数である(ただし、i=n〜n+A−1)。
特徴量算出部140は、複数の連続する単位区間における信号データAmp(n)のゼロ交差数の分布に基づいて特徴量を算出してもよい。ゼロ交差数の分布は、生体の身体全体の動きの安定度(同一の動きを持続しているか否か)を反映する特徴量である。具体的には、特徴量算出部140は、特徴量として、複数の連続する単位区間における信号データAmp(n)のゼロ交差数の分散、または標準偏差の値を算出してもよい。図6は、信号データAmp(n)の波形の複数のゼロ交差数の分布について説明するための図である。図6に示した丸印は、信号データAmp(n)のゼロ値との交差点である。図6に示したように、対象区間TLには、L個の単位区間Taが含まれている。各々の単位区間に含まれる信号データAmp(n)のゼロ交差数は、zero(l)という値として算出される(ただし、l=1〜L)。Lの値は、例えば30であってもよい。特徴量算出部140は、算出されたzero(l)の分布から、ゼロ交差数の分散zero_var(n)またはゼロ交差数の標準偏差zero_std(n)を、下記式(12)または式(13)を用いて算出する。なお、特徴量算出部140は、ゼロ交差数の分散zero_var(n)または標準偏差zero_std(n)のいずれかを特徴量f3として算出してもよいし、両者をそれぞれ信号データAmp(n)の特徴量として採用してもよい。なお、Lの数は、分散および標準偏差の値を算出するために十分なサンプル数であることが好ましい。例えば、Lは、30であってもよい。Taが1秒である場合、TLは30秒となる。
特徴量算出部140は、複数の連続する単位区間における信号データAmp(n)のピーク数の分布に基づいて特徴量を算出してもよい。ピーク数の分布は、生体の四肢等による細かな動きの安定度を反映する特徴量である。具体的には、特徴量算出部140は、特徴量として、複数の連続する単位区間における信号データAmp(n)のピーク数の分散、または標準偏差の値を算出してもよい。特徴量f3と同様に、L個の単位区間Taを含む対象区間TLにおける、各々の単位区間に含まれる信号データAmp(n)のピーク数は、peak(l)という値として算出される(ただし、l=1〜L)。特徴量算出部140は、算出されたpeak(l)の分布から、ピーク数の分散peak_var(n)またはピーク数の標準偏差peak_std(n)を、下記式(14)または式(15)を用いて算出する。なお、特徴量算出部140は、ピーク数の分散peak_var(n)または標準偏差peak_std(n)のいずれかを特徴量f4として算出してもよいし、両者をそれぞれ信号データAmp(n)の特徴量として採用してもよい。
特徴量算出部140は、単位区間における信号データAmp(n)の時間差分の分布に基づいて特徴量を算出してもよい。ここで、時間差分とは、信号データAmp(n)における、Amp(n)とAmp(n−1)の差分dv(n)を意味する。時間差分dv(n)は、連続する時刻間における振幅の変化量であり、生体の動きの大小を反映する特徴量である。図7は、信号データAmp(n)の時間差分について説明するための図である。図7(a)には信号データAmp(n)の波形が示されており、図7(b)には、信号データAmp(n)の時間差分データdv(n)=Amp(n)−Amp(n−1)の波形が示されている。特徴量算出部140は、単位区間Taにおける時間差分データdv(n)の分布に基づいて特徴量を算出する。具体的には、特徴量算出部140は、特徴量として、単位区間Taにおける時間差分データAmp’(n)の分散または標準偏差の値を算出してもよい。時間差分データdv(n)の分散dv_var(n)および標準偏差dv_std(n)は、下記式(16)および式(17)を用いて算出される。なお、特徴量算出部140は、時間差分データdv(n)の分散dv_var(n)または標準偏差dv_std(n)のいずれかを特徴量f5として算出してもよいし、両者をそれぞれ信号データAmp(n)の特徴量として採用してもよい。
特徴量算出部140は、特徴量として、信号データAmp(n)の平均周波数を算出してもよい。平均周波数は、生体の身体の動きの速さを反映する特徴量である。平均周波数faveは、下記式(21)により算出される。
特徴量算出部140は、特徴量として、信号データAmp(n)の最大振幅スペクトルmax(Pn)を示す周波数インデックスを算出してもよい。最大振幅スペクトルは、生体の身体の特徴的な動きを反映する。
特徴量算出部140は、信号データAmp(n)のフーリエ係数系列N/2をR等分した各周波数帯(ビン)の平均パワーに基づいて特徴量を算出してもよい。図8は、信号データAmp(n)の周波数領域におけるビン、およびビンにおける平均パワーを説明するための図である。図8に示すように、フーリエ係数系列N/2において、R等分された周波数帯(ビン)の平均パワーが、bin(1)、bin(2)、・・・、bin(R)としてヒストグラム状に示されている。Rのビンサイズは、ナイキスト周波数(fs/2)の10分の1から20分の1程度であることが好ましい。これにより、信号データAmp(n)に含まれるノイズによる最大振幅スペクトルの誤検出を抑制することができる。特徴量算出部140は、複数のbin(r)(r=1〜R:ビン番号)のうち最大となる平均パワーを示すビン番号を、特徴量f8として算出する。なお、bin(r)は、下記式(22)により算出される。
モデル生成部150は、特徴量算出部140から出力された特徴行列Fと、信号・活動量DB121の信号・活動量データリストに含まれるM個の動作に対応する身体活動量からなる身体活動量ベクトルYとを組とするデータに基づいて、回帰学習モデルを生成する。具体的には、まず、モデル生成部150は、J個の特徴行列F(j)からなる特徴空間を生成し、特徴空間と、J個の身体活動量ベクトルY(j)=[Y1,・・・,YM]Tとを組とするデータに基づいて回帰学習モデルを生成する。なお、身体活動量の値は対応するシナリオごとに割り振られるので、同一のシナリオ(つまり信号データ)に対応する身体活動量ベクトルY(j)の構成は、jの値によらず同一である。
回帰学習モデルDB151は、モデル生成部150より出力された回帰学習モデルを記憶するデータベースである。回帰学習モデルDB151には、例えば、上記式(24)〜式(26)により生成された回帰学習モデルのサポートベクタ行列s、重みベクトルc、閾値b、およびガウシアン型カーネル関数の係数σ等が記憶される。回帰学習モデルDB151には、一または複数の回帰学習モデルが記憶されてもよい。例えば、後述する活動量推定装置20により推定される生体の種類や、生体の動きの種類に応じた回帰学習モデルが回帰学習モデルDB151に記憶されてもよい。
図9は、本発明の第1の実施形態に係るモデル生成装置10の動作例を示すフローチャートである。図9を参照すると、モデル生成装置10は、まずセンサ2より信号データを、また、活動量測定デバイス3より身体活動量データを取得し、これらのデータから信号・活動量データリストを生成する(S100)。そして、モデル生成装置10は、信号・活動量データリストを用いて、回帰学習モデルを生成する(S200)。以下、上記の2つの処理について、順に説明する。
(1)構成
図12は、本発明の第1の実施形態に係る活動量推定装置20の構成例を示すブロック図である。図12を参照すると、活動量推定装置20は、信号取得部210、信号DB211、フィルタ部220、特徴量算出部230、活動量推定部240、回帰学習モデルDB241、出力制御部250、および活動量履歴DB251を備える。
信号取得部210は、不図示の通信部または入力部等を介して、センサ2から出力される信号データを取得する。取得した信号についてリアルタイムに活動量推定処理を実施する場合は、信号取得部210は、取得した信号データをフィルタ部220に出力する。また、取得した信号データについて事後的に活動量推定処理を実施する場合は、信号取得部210は、信号DB211に取得した信号データを出力してもよい。
フィルタ部220は、信号取得部210、または信号DB211から取得した信号データにフィルタ処理を実施する。フィルタ部220により実施されるフィルタ処理は、モデル生成装置10のフィルタ部130と同様に、LPF処理であってもよい。この場合、LPF処理は、IIRフィルタによるものであってもよい。IIRフィルタについては、上述したIIRフィルタと同一であるので、説明を省略する。フィルタ部220は、LPF処理がされた信号データを、特徴量算出部230に出力する。
特徴量算出部230は、フィルタ部220から取得した信号データの特徴量を算出する。特徴量算出部230が算出する特徴量は、モデル生成装置10の特徴量算出部140により算出される特徴量と同一である。例えば、特徴量算出部230は、信号データの波形の時間領域または周波数領域におけるゼロ交差数やピーク数等を特徴量として算出する。これらの特徴量の具体的な算出方法については、上述した特徴量算出部140による算出方法と同一であるため、説明を省略する。
活動量推定部240は、特徴量算出部230から取得した特徴ベクトルF(k)と、回帰学習モデルDB241に記憶されている一の回帰学習モデルを用いて、センサ2により検出された生体の身体の動きに対応する活動量を推定する。回帰学習モデルDB241に記憶されている回帰学習モデルは、モデル生成装置10により生成された回帰学習モデルである。活動量推定部240は、例えば、下記式(28)に示される活動量推定のための関数に特徴ベクトルF(k)を代入することにより得られるz(k)の値を、活動量推定値として算出する。なお、下記式(28)に示される関数g(xi,k,σ)は、上記式(27)に示されるカーネル関数である。
回帰学習モデルDB241は、モデル生成装置10により算出された少なくとも一の回帰学習モデルを記憶する。回帰学習モデルDB241は、モデル生成装置10の回帰学習モデルDB151に記憶されている回帰学習モデルの一部または全部を記憶する。回帰学習モデルDB241に記憶されている回帰学習モデルは、活動量推定部240に出力される。活動量推定部240に出力される回帰学習モデルの種類については、活動量推定装置20のユーザ、製造者、または管理者などにより、自由に選択される。例えば、活動量推定装置20が用いられる環境や、被験者の特性等に適した回帰学習モデルが選択されてもよい。なお、回帰学習モデルDB241に記憶されている回帰学習モデルは、不図示の入力部または通信部を介して、適宜追加、変更、または削除され得る。
出力制御部250は、活動量推定部240から出力された活動量推定値z(k)を、活動量履歴DB251や、他のデバイス等に出力する制御を行う。出力制御部250は、例えば、活動量推定値z(k)を、逐次的に活動量履歴DB251に記憶する制御を行ってもよい。また、出力制御部250は、活動量推定値z(k)を、不図示の表示部を実現するディスプレイ等に表示させる制御を行ってもよい。さらに、出力制御部250は、活動量推定値z(k)を、不図示の通信部を介して、他の情報端末等に出力する制御を行ってもよい。出力制御部250は、活動量推定値z(k)を、テキスト、画像、音声等のあらゆるデータ形式に変換して出力する制御を行う。
図13は、本発明の第1の実施形態に係る活動量推定装置20の動作例を示すフローチャートである。まず、信号取得部210は、センサ2が検出した生体の動きに由来する信号を信号データとして取得する(S301)。信号取得部210は、取得した信号データを信号DB211、またはフィルタ部220に出力する。
ここまで、図1〜図13を用いて、本発明の第1の実施形態について説明した。本発明の第1の実施形態によれば、モデル生成装置10は、複数の所定の動きの特徴量と所定の動きに対応する身体活動量とを組とする複数のデータに基づいて、SVR等による回帰学習モデルを生成する。そして、活動量推定装置20は、モデル生成装置10により生成された回帰学習モデルを用いて、センサ2により検出された生体の身体の動きに対応する身体活動量を推定する。かかる構成において、センサ2により検出された生体による任意の動きに対しても、その動きに対応する身体活動量を直接推定することができる。例えば、複数の動きが組み合わさったような動きをセンサ2が検出した場合、その動きの特徴量を算出し、回帰学習モデルを用いてどのような動きと類似しているかを回帰的に分析することにより、上記動きに対応する身体活動量を推定することができる。よって、生体の身体の動きに対応する身体活動量の推定精度をより向上させることができる。
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態では、活動量推定装置20が、活動量推定値を用いて被験者の消費エネルギーを算出する構成をさらに備える。本発明の第1の実施形態においては、活動量推定装置20は活動量推定値を出力値として出力する制御を行う。しかし、身体活動量は専門的な数値であるため、被験者は、自己の動きによる活動の成果について直感的に理解することができない。そこで、本実施形態に係る活動量推定装置20は、推定された活動量推定値から、被験者の消費エネルギーを算出する構成をさらに備える。かかる構成により、被験者は、自己の動きによる活動の成果について、消費エネルギーという指標により把握することができる。以下、第2の実施形態に係る活動量推定装置20について説明する。
(1)構成
図14は、本発明の第2の実施形態に係る活動量推定装置20の構成例を示すブロック図である。図14を参照すると、活動量推定装置20は、信号取得部210、信号DB211、フィルタ部220、特徴量算出部230、活動量推定部240、回帰学習モデルDB241、出力制御部250、活動量履歴DB251、消費エネルギー算出部260、および体重データ取得部270を備える。本実施形態に係る信号取得部210、信号DB211、フィルタ部220、特徴量算出部230、活動量推定部240、回帰学習モデルDB241、出力制御部250、および活動量履歴DB251は、第1の実施形態に係る各構成要素と同一の機能を有するので、説明を省略する。以下、消費エネルギー算出部260、および体重データ取得部270について説明する。
消費エネルギー算出部260は、活動量推定部240により推定された活動量推定値z(k)に基づいて、被験者の消費エネルギーを算出する。ここで、活動量推定値z(k)はMETs値であり、消費エネルギーは、消費カロリーである。時刻kにおける単位時間あたりの消費カロリー時系列データEc(k)[kcal/h]は、下記式(30)を用いて算出される。
体重データ取得部270は、消費エネルギー算出部260において消費カロリー時系列データEc(k)の算出に用いられる被験者の体重データを取得する。体重データ取得部270は、不図示の入力部または通信部を介して、被験者の体重データを取得する。例えば、体重データ取得部270は、体重計等の測定デバイスにより測定された体重の値を被験者が入力することにより体重データを取得してもよい。また、活動量推定装置20が上記測定デバイスと有線または無線により接続されている場合、体重データ取得部270は、上記測定デバイスから被験者の体重データを通信により取得してもよい。また、体重データ取得部270は、不図示の記憶部に記憶されている被験者の体重データを取得してもよい。体重データ取得部270は、取得した体重データを消費エネルギー算出部260に出力する。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る活動量推定装置20の動作例を示すフローチャートである。まず、信号取得部210は、センサ2が検出した生体の動きに由来する信号を信号データとして取得する(S401)。信号取得部210は、取得した信号データを信号DB211、またはフィルタ部220に出力する。
ここまで、図14、および図15を用いて、本発明の第2の実施形態について説明した。本発明の第2の実施形態によれば、活動量推定装置20は、推定した身体活動量に基づいて、被験者の消費エネルギーを算出する。かかる構成において、被験者は、自己の動きによる活動結果を、消費エネルギーという指標で把握することができる。
以上、本発明の各実施形態に係る活動量推定システム1について説明した。次に、図16を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図16は、本開示の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、上記の実施形態におけるモデル生成装置10、および活動量推定装置20を実現しうる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
2 センサ
3 活動量測定デバイス
10 モデル生成装置
20 活動量推定装置
110、210 信号取得部
120 活動量取得部
130、220 フィルタ部
140、230 特徴量算出部
150 モデル生成部
240 活動量推定部
250 出力制御部
260 消費エネルギー算出部
270 体重データ取得部
Claims (16)
- センサにより検出された生体の動きを示すセンサ信号に基づいて、前記生体の動きの特徴量を算出する特徴量算出部と、
所定の動きの特徴量と、前記所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて生成された回帰学習モデルを用いることにより、前記特徴量算出部により算出された前記生体の動きの特徴量に基づいて、前記生体の動きに対応する活動量を推定する活動量推定部と、
を備える活動量推定装置。 - 前記回帰学習モデルは、サポートベクタ回帰により生成される回帰学習モデルであり、
前記活動量推定部は、前記サポートベクタ回帰により生成される前記回帰学習モデルを構成するサポートベクタと、前記生体の動きの特徴量とを用いて、前記生体の動きに対応する活動量を算出する、請求項1に記載の活動量推定装置。 - 前記所定の動きに対応する活動量は、生体により前記所定の動きを行う際に計測される前記生体の酸素摂取量に基づいて決定される、請求項1または2に記載の活動量推定装置。
- 前記特徴量算出部は、前記センサ信号の波形に基づいて前記特徴量を算出する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- 前記特徴量算出部は、所定区間における前記センサ信号の波形のゼロ交差数を用いて前記特徴量を算出する、請求項4に記載の活動量推定装置。
- 前記特徴量算出部は、所定区間における前記センサ信号の波形のピーク数を用いて前記特徴量を算出する、請求項4または5に記載の活動量推定装置。
- 前記特徴量算出部は、前記センサ信号の波形をフーリエ変換することにより得られる前記センサ信号の振幅スペクトルを用いて前記特徴量を算出する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- 前記特徴量算出部は、前記センサ信号の振幅の変化に基づいて前記特徴量を算出する、請求項4〜7のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- 前記所定の動きは、前記生体の体幹部の動き、または前記生体の四肢部の各々の動きの少なくともいずれかを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- 前記活動量推定部により推定された前記生体の動きに対応する活動量、および前記生体の体重に基づいて、前記生体の消費カロリーを算出する消費エネルギー算出部をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- 前記センサはドップラーセンサである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の活動量推定装置。
- センサにより検出された生体の動きを示すセンサ信号に基づいて、前記生体の動きの特徴量を算出するステップと、
所定の動きの特徴量と、前記所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて生成された回帰学習モデルを用いることにより、前記生体の動きの特徴量に基づいて、前記生体の動きに対応する活動量を推定するステップと、
を含む活動量推定方法。 - コンピュータを、
センサにより検出された生体の動きを示すセンサ信号に基づいて、前記生体の動きの特徴量を算出する特徴量算出部と、
所定の動きの特徴量と、前記所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて生成された回帰学習モデルを用いることにより、前記特徴量算出部により算出された前記生体の動きの特徴量に基づいて、前記生体の動きに対応する活動量を推定する活動量推定部と、
として機能させるためのプログラム。 - センサにより検出された生体による所定の動きを示すセンサ信号に基づいて、前記所定の動きの特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記所定の動きの特徴量と、前記所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて回帰学習モデルを生成するモデル生成部と、
を備えるモデル生成装置。 - 前記所定の動きに対応する活動量は、前記生体により前記所定の動きを行う際に計測される前記生体の酸素摂取量に基づいて決定される、請求項14に記載のモデル生成装置。
- センサにより検出された生体による所定の動きを示すセンサ信号に基づいて、前記所定の動きの特徴量を算出するステップと、
前記所定の動きの特徴量と、前記所定の動きに対応する活動量とを組とする複数のデータに基づいて回帰学習モデルを生成するステップと、
を含むモデル生成方法。
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