JP2017020988A - コンクリートの強度推定方法及び養生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄筋コンクリート部材の強度の推定方法であって、コンクリート供試体を追従養生するときに、当該供試体を均等に加熱できるものを提供する。
【解決手段】
温度センサがコンクリート内部に埋設されるように型枠内へコンクリートを打設する工程と、型枠内のコンクリートを養生し、鉄筋コンクリート部材Mを形成する工程と、コンクリート供試体Sを、当該鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴を有するように温度管理をしながら追従養生させる工程と、上記コンクリート供試体の2つの端面を被挟持面P、Pとして挟持手段で挟み付け、コンクリート供試体の強度試験を行う工程とからなる。通電手段20によりコンクリート供試体の被挟持面全体に均等に通電してコンクリート供試体を加熱、鉄筋コンクリート部材とコンクリート供試体とが同じ温度履歴を持つように、温度センサの出力に応じて通電量を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリートの強度推定方法及び養生装置に関する。
プレキャストコンクリート等の工場では、強度発現を促進して製造・出荷を早めるために蒸気養生やオートクレーブ養生による加熱を行う。工場では部材コンクリートの強度管理のために、部材と同じコンクリートで製作し部材と同じ養生をした円柱供試体の圧縮強度を確認している。
しかしながら、部材厚が大きな柱や梁部材では中心部の中心履歴が表面付近の温度履歴や円柱供試体の温度履歴と大きく異なるために、強度も異なるから、部材と同一の養生をした供試体の圧縮強度を部材コンクリートの中心付近との圧縮強度と同等とみなせない。
プレキャストコンクリートに係るものではないが、特許文献1は、トンネルなどの工事現場で打設したコンクリートの温度を測定し、同じ温度履歴を持つようにコンクリート供試体を養生(水中養生)し、この供試体の圧縮強度試験を行うことを開示している。
特開平11−271301 特公昭50−5729
コンクリートの部材の製造工程では効率性の向上のためにコンクリートの打込みから硬化後に脱型するまでの期間や所要の品質が得られるまでの養生期間の短縮が求められている。近年では注水から3時間程度で脱型・吊り上げが可能な程度の硬度に到達し得る速硬コンクリートも開発されている。しかしながらこれらのコンクリートは製造管理時に、個々のコンクリート部材が実際に所要の強度に到達しているか否かは確認しなければ判らない。
特許出願人の行った試験では、短時間に所定の温度まで加熱して養生を完了することを想定した場合には、鉄筋コンクリート部材と通常の直径100mmで高さ200mmの円柱状のコンクリート供試体を同じ場所に置いて同時に外部から熱を加えるという従来の方法の場合には、鉄筋コンクリート部材の内部の温度(図10のTv(b1)〜Tv(b3)参照)と、直径100mmで高さ200mmの円柱状のコンクリート供試体の温度(図10のTv(b1)〜Tv(b3)参照)には大きな違いが生じてしまい、温度管理が難しいということが判った。これは、外部から加熱する際、寸法が大きい鉄筋コンクリート部材は、熱容量が大きいので、温度が上がりにくく、また、コンクリート供試体の表面と中央部との間に温度差を生じる。一方、直径100mmで高さ200mmの小さな形状で熱容量の小さいコンクリート供試体は、外部からの加熱とともに温度が上がり、この温度が上がることで水和反応が一気に進展し、加熱温度(図10のTr)よりも高い温度になっていると考えられる。従来の方法では温度条件が異なるため、当然、セメントの水和反応の進行が異なってくる。結果として強度発現も全く違ったものになることから、従来の方法では精度よく強度管理することが容易ではない。
水中養生や蒸気養生の代わりに、水を含む養生中のコンクリートへ通電し、ジュール熱により加熱する電気養生も知られている。特許文献2は、縦向きの電極板と鉄製仕切り板とを交互に配列した構造物の側面と底面とを閉塞して、電極板と仕切り板との間にコンクリートを流し込み、電気養生してプレキャストコンクリート版を製造する技術を開示する。しかしながら特許文献2は、電気養生を追従養生による強度推定方法に適用することを開示しておらず、その際に如何なる装置・方法をとればよいのかを何も示唆していない。
本発明の第1の目的は、鉄筋コンクリート部材の強度の推定方法であって、当該部材に対して追従してコンクリート供試体の温度を追従養生するときに、当該供試体を均等に加熱できるものを提供することである。
本発明の第2の目的は、鉄筋コンクリート部材のうち特に応力の作用が大きい部位の強度をピンポイントに推定できる、鉄筋コンクリート部材の推定方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、速硬性のコンクリートを使用して蒸気養生したときにコンクリート部材の吊り上げが可能となる時期を精度よく決定できる、鉄筋コンクリート部材の推定方法を提供することである。
本発明の第4の目的は、鉄筋コンクリート部材に対してコンクリート供試体の温度を精度よく追従させることができる、養生装置を提案することである。
第1の手段は、コンクリートの強度推定方法であり、
鉄筋コンクリート部材打設用の型枠の内部の適所に温度センサを設置して、当該温度センサがコンクリート内部に埋設されるように型枠内へコンクリートを打設する工程と、
型枠内のコンクリートを養生し、鉄筋コンクリート部材を形成する工程と、
当該コンクリートと同等に配合されたコンクリートを用いて作成したコンクリート供試体を、当該鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴を有するように温度管理をしながら追従養生させる工程と、
上記コンクリート供試体の2つの端面を被挟持面として挟持手段で挟み付け、コンクリート供試体の強度試験を行う工程とからなり、
コンクリート供試体の強度試験の結果から鉄筋コンクリート部材の強度を推定する方法であって、
上記温度管理は、通電手段により、コンクリート供試体の被挟持面全体に均等に通電してコンクリート供試体を加熱することにより行い、鉄筋コンクリート部材とコンクリート供試体とが同じ温度履歴を持つように、上記温度センサの出力に応じて、通電手段への通電量を制御するようにしている。
本手段では、鉄筋コンクリート部材に対してコンクリート供試体の追従養生により、当該鉄筋コンクリート部材の強度を推定する方法を提案しており、養生の手法として電気養生を用いるものである。すなわち、コンクリート供試体が有する2つの被挟持面に対して均等に通電をするようにしている。具体的は、柱状の空洞(型穴14)内の上側及び下側に底板乃至蓋板を兼ねる電極板を設置し、それら電極板全体を通じて通電すればよい。
「鉄筋コンクリート部材」とは、一つの型枠を用いて一度に成形されるコンクリート製成形物という程度の意味であり、プレキャストコンクリートの他、現場打ちのコンクリートも該当する。鉄骨鉄筋コンクリート部材、プレストレストコンクリート部材等も含まれる概念である。
第2の手段は、第1の手段を有し、
上記鉄筋コンクリート部材をプレキャスト部材とするとともに、このプレキャスト部材には操作用治具の基端側のインサート部が埋め込まれており、そのインサート部付近に上記温度センサを埋設している。
本手段は、図5に示すようにプレキャスト部材に操作用治具Jの基端側のインサート部j1を埋め込み、このインサート部j1の付近に第1温度センサ5を埋設することを提案する。“インサート部の付近に埋設する”とは、プレキャスト部材を吊り上げてストックヤード等への移動(操作)する際に、インサートが引っ張られ、コンクリートが引き抜かれるのを押さえるように抵抗しているので、インサート付近のコンクリートの強度発現の状態を把握しておくことが重要という意味である。このときに応力が生じる位置に操作用治具Jを設け、強度の発現状態を把握することが求められるので、第1温度センサ5を、できる限りインサート部j1の近傍に設ける意味である。吊り上げると部材に曲げ応力が生じる。曲げ応力が大きくなるのは、吊り上げの支点となるインサートの位置(上面)と、インサートとインサートの中間の位置の下面(底面)となる。因みに、このような個所として部材表面から5〜30mmの表層部に設けても、好適に実施できる。具体的には発明の詳細な説明で述べる。
第3の手段は、第1の手段又は第2の手段を有し、
上記鉄筋コンクリート部材の養生期間中に温度センサの出力データを記録し、この記録に基づいて、コンクリート供試体の温度履歴を鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴を再現されるようにしている。
本手段では、鉄筋コンクリート部材の養生期間中に温度センサから出力された温度データの記録に基づいて、鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴をコンクリート供試体に与えて養生させ、強度の推定を行うことを提案している。この方法では、事前に強度の発現状態を推定する場合にも有効であるので、鉄筋コンクリート部材の養生作業とコンクリート供試体の養生作業とを必ずしも同時並行して行う必要がない。
第4の手段は、養生装置であり、
鉄筋コンクリート部材への埋設用の温度センサと、
養生中のコンクリートを通電により加熱できるように形成した、コンクリート供試体の養生槽と、
温度センサの出力に応じて、養生槽の通電量を制御するコントローラと、
を具備し、
上記養生槽は、表面の一部に開口面を有する型穴を設けた筐体と、その開口面を塞ぐ蓋と、を具備し、
型穴の底面側と開口面側とにそれら各面のほぼ全体に亘る電極板を介して型穴内のコンクリート供試体へ通電することができる通電手段を備えている。
本手段は、図1及び図4に示すように、温度センサ5、6と養生槽10とコントローラ2とを具備する養生装置を提案している。養生槽10は、型穴14の底面側と開口面側とにそれら各面のほぼ全体に亘る電極板22、24を配置し、これら電極板22、24を介して型穴内のコンクリート供試体へ通電するようにしている。
第5の手段は、第4の手段を有し、
上記筐体の表面に複数の型穴を設け、相互の型穴相互で熱の干渉がないように断熱処理を行うとともに、各型穴の両電極板を、電源に対して並列的に接続している。
本手段では、複数の型穴14同士の間で熱干渉が生じないように断熱処理をしている。このように構成することのメリットは、次の通りである。
第1に、一般の100〜200Vの電源で複数の供試体を同じ条件で通電し加熱養生することができる。
第2に、同じ加熱条件の供試体が作成できるので、3時間後に試験をして所要の強度が満足できていなかった場合、例えば、その15分後用、30分後用の供試体を作成し、それぞれに全く同じ履歴で加熱養生された供試体として見做し、これらを用いて圧縮強度を評価することができる。
因みに、上記段落において「〜(時間又は分)後用」とあるのは、圧縮強度試験では、その都度、供試体Sは破壊されるので、再利用ができず、よって、鉄筋コンクリート部材M毎に「〜用」とした同じ履歴で加熱養生される供試体Sを必要に応じて、数本用意して静置するという意味である。図4はその場合の態様である。また云うまでもなく、第2温度センサ6を埋設してある供試体Sは、後述する一組の最後に圧縮強度試験することになる。
第1の手段に係る発明によれば、コンクリート供試体の被挟持面全体に均一に通電するから、均等に加熱することができ、正確に部材温度を追従することができるため、より精度の高い品質管理が可能となる。
第2の手段に係る発明によれば、プレキャスト部材に埋め込まれたインサート部の近くに温度センサを埋設したから、インサート部付近の強度を特に確認できる。
第3の手段に係る発明によれば、鉄筋コンクリート部材に埋設した温度センサで観察した温度履歴を記憶するから、後日その温度履歴を再現して追加養生を行うことができる。
第4の手段に係る発明によれば、コンクリート供試体に均一に通電し、加熱することができる。
第5の手段に係る発明によれば、並列的に接続したので通電量を適切に(例えば適切な通電条件により)コントロールできる。
本発明の実施形態に係るコンクリートの強度推定方法に使用する養生装置及び養生槽の適用例を示す全体図である。 図1の適用例で用いられる鉄筋コンクリート部材を示す図であり、同図(a)は当該部材を正面方向から説明図、同図(b)は当該部材を側面方向から見た説明図である。 図1の適用例で使用する本発明の養生装置の斜視図である。 図3の養生装置の主要部の縦断面図である。 図1の適用例で使用した鉄筋コンクリート部材の断面図である。 図5に示す鉄筋コンクリート部材を吊り上げる様子を示す説明図である。 図3の養生装置を利用して作製されたコンクリート供試体の強度試験の様子を示す説明図である。 鉄筋コンクリート部材とコンクリート供試体とを同時並行で成形し強度発現を確認する場合の手順を示すフローチャートである。 実験に使用した供試体(同図(a)に示す鉄筋コンクリート部材及び同図(b)に示すコンクリート供試体)における温度測定箇所を示す図である。 図9の供試体を使用して供試体の温度の時間変化を実験した結果を示すグラフである。 図9の供試体を養生時間と温度との関係を示すグラフであり、同図(a)は気中温度養生の場合の関係、同図(b)はジュール加熱養生の場合の関係を示す。 図9の供試体を用いて養生の種類と圧縮強度との関係を試験した結果を示すグラフであり、同図(a)は空気温度養生の場合を、同図(b)は気中温度養生及び上記ジュール熱養生の場合をそれぞれ示している。
以下、図1から図7に基づいて本発明の実施形態に係るコンクリートの強度推定方法、並びに、コンクリートの養生設備(養生装置を含む)を説明する。説明の都合上、まず養生設備に関して説明する。
養生施設は、プレキャスト鉄筋コンクリート部材である鉄筋コンクリート部材Mの養生を行うための養生室Rと、コンクリート供試体Sの養生を行うための養生装置とからなる。なお、鉄筋コンクリート部材M、コンクリート供試体Sをそれぞれ部材、供試体と云う場合がある。
養生室Rは、密閉された空間内で図示しない型枠内にコンクリートを打ち込み、加熱・保温して養生させ、鉄筋コンクリート部材として取り出すことができるように構成されている。養生の手法としては、蒸気養生その他の公知の技術を採用すればよい。コンクリートの種類は、例えば速硬コンクリート、特に少量の速硬性混和剤と加熱養生を併用して注水後の3時間程度で脱型・吊り上げが可能な速硬コンクリートとすることができる。鉄筋コンクリート部材を吊り上げる吊り上げ手段(図示せず)を配置して、底盤から移動することができるように構成する。
プレキャスト鉄筋コンクリート部材にコンクリートを打設するときには、図示しない型枠内に鉄筋を配筋しておき、その中にコンクリートを打設し、養生を行うとよい。また鉄筋コンクリート部材Mには、図5に示す操作用治具Jの基端側を埋め込んでおくとよい。操作用治具Jは、主に鉄筋コンクリート部材Mを吊り上げるために用いられ、図示例の場合には、コンクリート内へ埋め込まれるインサート部j1と、このインサート部j1に対してねじ止めされる治具の本体j2とで形成される。図示例のインサート部は、略J字形のアンカーに形成しているが、その構造は適宜変更することができる。
養生装置は、コントローラ2と、温度測定手段4と、養生槽10とで構成している。
コントローラ2は、後述の第1温度センサ5で測定された、養生室R内の鉄筋コンクリート部材Mに応じて養生槽10内のコンクリート供試体Sへの通電量を制御し、養生期間中の鉄筋コンクリート部材の温度履歴をコンクリート供試体Sに再現できるように構成している。具体的には、後述の第2温度センサ6で測定されたコンクリート供試体Sの温度をコントローラにフィードバッグして、コンクリート供試体Sの温度を、目標値(鉄筋コンクリート部材Mの温度)に近づけるように構成すればよい。
なお、好適な一実施例として、コントローラ2は、図示しない記録装置を有し、養生室R内の鉄筋コンクリート部材Mの温度履歴を記録して、後で温度履歴の記録に基づいてコンクリート供試体Sの強度試験を行うようにできるようにしてもよい。
温度測定手段4は、鉄筋コンクリート部材Mの温度を測定するための第1温度センサ5と、コンクリート供試体Sの温度を測定するための第2温度センサ6とを含む。図示例では、第1温度センサ5及び第2温度センサ6は、それぞれ電気的に上記コントローラ2に結線(接続)されている。図示例では実線で示す電線で接続しているが、その構造は適宜変更することができる。
第1温度センサ5は、熱電対とすることが好適であるが、必ずしも、この構成には限定されない。第1温度センサ5は、鉄筋コンクリート部材Mの内部のうち強度を推定したい部位に設置する。図面では、簡単のために一個の熱電対を描いているが、必要に応じて複数個所に設けることができる。また、インサート部のアンカー先端の表面から深さは、吊り上げる際に部材の曲げ応力が最大となる位置の近傍に設けても好適に実施できる。
好適な図示例では、操作用治具Jのインサート部付近に埋設しているが、その理由を述べる。インサートの許容引き抜き耐力Pは、インサート先端から45°の角度でコーン破壊すると仮定して得られる上面の投影面積Aと、コンクリートの圧縮強度σを用いて、P=a×A×√σ(aは係数)で表され、最もコンクリートの圧縮強度発現の低いインサート先端付近の圧縮強度で判断しておけば安全側の評価ができることに基づく。
プレキャスト部材を吊り上げる際には、部材に曲げが生じる。部材厚の薄い板状部材の場合は、インサートの引き抜きよりも、部材の曲げによって、所要の強度発現が決まることが多い。具体的には、インサートの引き抜きに堪えるための耐力を満足するためのコンクリートの圧縮強度よりも、必要な曲げ強度から算出される最大引張縁応力をコンクリートの圧縮強度に換算した値の方が高いことが多い。このような場合は、第1温度センサ5を曲げモーメントが最大となる位置の部材表面に設けて強度発現を確認すると良い。安全側に評価するためには部材表面から5〜30mmに設けると良い。
上記第2温度センサ6は、図4の図示例では、コントローラ2にフィードバックするために、3本の供試体Sを一組として供試体Sに埋設されているが、鉄筋コンクリート部材Mの一つの第1温度センサ5に対し、少なくとも一か所に埋設すれば、好適に実施できる。第2温度センサ6の位置に関しては、図9の実施例でさらに説明する。
なお、ここで追従養生の考え方を簡単に説明する。
(1)鉄筋コンクリート部材Mを、温度の均質性が保障される程度に小さい複数の仮想エリアに分割して、そのエリアの全部又は一部に温度センサを埋め込む。そして温度センサを埋め込んだエリア毎に、各コンクリート供試体を用意して、エリア内のコンクリート部分の温度に追従するようにする。
図2に示す例では、直方体の鉄筋コンクリート部材Mの縦・横・奥行方向に点線でそれぞれ3分割した例を示す。もっとも、これは追従制御の概念を説明するために挙げた事例であり、実際の鉄筋コンクリート部材の形状などに応じて、第1温度センサ5の埋め込み箇所は適宜選択することができる。
(2)そしてコンクリート供試体Sが鉄筋コンクリート部材Mと同じ温度履歴を有するようにしておき、鉄筋コンクリート部材Mの養生がある程度進んだ段階でコンクリート供試体Sを養生槽10から取り出すことで強度の推定を行う。
(3)鉄筋コンクリート部材M中の一つのエリアに対して同時進行で複数のコンクリート供試体Sの追従養生を行い、鉄筋コンクリート部材Mの養生期間の或る段階で一つのコンクリート供試体Sの強度試験を行い、必要な強度に足りなければ、さらに鉄筋コンクリート部材Mの養生を続けて、次の段階でさらに強度試験を行うということを繰り返すとよい。
養生槽10は、一つ又は複数のコンクリート供試体Sを通電により加熱するとともに、温度状態を制御できるように構成している。本実施形態において、養生槽10は、筐体12と、蓋18とからなる。
筐体12は、上面側に開口面Aを有する複数の有底の型穴14を設けている。本実施形態では、型穴14の内面には上面及び下面開放の筒体16を嵌め込んでいる。具体的には、筒体16は、底面が金属製、側面が絶縁体(例えばプラスチックなどの合成樹脂)でできている型枠であって、この筒体16にコンクリートを打設(充填)して供試体Sを作成した後に、この供試体を型穴14に静置する。筒体の周面と型穴の内面との間には空気層を設けるようにしてもよい。底面側の金属面を電線26と接続することで後述の第1電極板22とし、上面側には第2電極板24を取付け、さらに蓋18で覆うことにより、追従養生における養生槽10の準備が終了する。型穴同士の間には熱の干渉を生じないように断熱材を適用するとよい。
型穴14内には第1電極板22及び第2電極板24が配置され、これら両電極の間に供試体Sが静置される。これら両電極に接するコンクリート供試体Sの上面及び下面が強度圧縮試験における被挟持面P、Pとなる。
好適な図示例では上記筐体12の上面に複数の型穴14を行列状に配置している。例えば鉄筋コンクリート部材M上のn個の測定点について強度を推定するときには、筐体12の上面にはn列に亘って型穴14を配置するとよく、また各測定点毎にm回の強度試験を可能とするときには、各行毎にm個の型穴14を形成するとよい。
蓋18は、上記型穴14の開口面Aを閉塞できる構造であればどのようなものでもよい。図示例では、型穴14の上部内に着脱可能に嵌合させている。蓋18は断熱材で形成するとよい。
通電手段20は、各型穴14の底面側に設置した第1電極板22及び型穴14の開口面A側に配置した第2電極板24を有する。第1電極板22及び第2電極板24は、電線26を介して交流電源に接続されている。好適な図示例では、蓋18を導電材料で形成し、蓋18から起立する端子26aを介して接続するようにしている。
これら第1電極板22及び第2電極板24は、型穴14を底面及び開口面Aの全体をカバーするサイズに形成し、コンクリート全体に均等に交流を通電できるように設ける。なお、図示例では、第1電極板22の外周部を上記筒体16の下端部に付設した内向きフランジの上に載せて、固定している。
上記通電手段20は、筐体12上面に設けた型穴14のうち鉄筋コンクリート部材Mの同じ測定点に対応する同じ列に配置された型穴14の第1電極板22及び第2電極板24に対して、並列接続するように設ける。
次に本発明による鉄筋コンクリート部材の養生方法とともに当該部材の強度の推定方法を説明する。まず鉄筋コンクリート部材の養生作業とコンクリート供試体の養生作業とを同時並行する場合の手順を、図8を用いながら説明する。
(1)コンクリートの打ち込み前の準備
養生室Rに置かれた型枠内に鉄筋を配筋するとともに、必要により、操作用治具Jのインサート部j1を設置する。インサート部を設置する方法としては、コンクリート打設前の鉄筋コンクリート部材M上面に操作用治具Jを設置する場合は、例えば、この鉄筋コンクリート部材Mを挟む姿勢で両側面に位置する型枠の上端に仮の支持部材(図示しない)を掛け渡し、その支持部材に操作用治具Jを取付けておくことで好適に実施できる。
また型枠内部のうち強度を測定するべき箇所に第1温度センサ5を設置し、この第1温度センサ5を、コントローラ2に接続する。
例えば、図5に示すように、インサート部であるアンカーの先端(図示例では)下端に第1温度センサである熱電対を貼り付けることができる。
また同図に示すように、この先端と同じくらいの深さで2つのインサート部j1同士の中間位置に第1温度センサ5を設けてもよい。この場合には、図示しない鉄筋などに第1温度センサを取り付けることができる。
また図示はしないが、鉄筋コンクリート部材が梁部材のような長尺部材であって、曲げにより部材の強度が決定されるときには、長手方向の両側に設けた2つのインサート部j2の中間位置であって部材の下面寄りに第1温度センサを設けるとよいが、インサート部j2の位置の曲げモーメントが最大となる場合には上面寄りに設けるとよい。本来の温度センサの設置位置は応力が最も大きくなる表面であるが、安全のために表面よりやや部材内に入った位置(30mm程度)で温度を測定することが望ましい。
なお中間位置であって部材の下面寄りに第1温度センサを設ける方がより良い理由は次の通りである。すなわち、曲げモーメントは、一般的に部材の上面では吊上げのインサート位置が大きくなり、部材の下面ではインサートとインサートの中間が大きくなるからである。なお、どの位置が最大になるかは、部材の形状とインサートの設置位置、設置数によって、適宜に決める。
(2)コンクリートの打ち込み
上記鉄筋コンクリート部材用の型枠内にコンクリートを打設する。
本実施形態では、速硬コンクリートに適用する場合について解説するが、本発明は他の種類のコンクリートに適用しても構わない。養生の種類としては、速硬コンクリートの場合には蒸気養生を用いるが、通常のコンクリートで強度の高いものや断面の大きな部材などでは蒸気養生を行うとは限らない。
また鉄筋コンクリート部材Mの強度を測定しようとする箇所のそれぞれについて養生槽10の筒体内に同種類のコンクリートを充填して、必要個数のコンクリート供試体Sを作製する。
(3)コンクリートの養生
上記型枠にコンクリートを打設した後に養生室に高温蒸気を供給し、鉄筋コンクリート部材Mとして必要な強度を生ずるまで蒸気養生を行う。
高温蒸気により型枠内のコンクリートの温度が上昇すると、第1温度センサ5により検知され、コントローラ2へ送信されて温度履歴として記録されるとともに、その温度の測定値に応じて通電手段20を介してコンクリート供試体Sへ通電される。通電手段20の第1電極板22及び第2電極板24を通じて筒体16内のコンクリート全体にほぼ均一に通電されるため、ほぼ一様にジュール熱が発生する。これにより、コンクリート供試体Sの温度を鉄筋コンクリート部材Mの温度に的確に追従させることができる。
なお、コンクリート供試体S内の温度が第2温度センサ6により測定され、コントローラ2にフィードバッグされ、温度制御に利用されるのであるが、上述の如くコンクリート供試体Sの局部的な温度差が少ないので、制御の精度が高まる。
(4)コンクリートの強度試験の実施
そこで養生工程の開始からある程度の時間が経過した後に養生槽10から一つのコンクリート供試体Sを取り出して、圧縮強度試験を行う。図7に示すようにコンクリート供試体Sを台の上に載せ、載荷試験機を用いて、コンクリート供試体Sの被挟持面P、Pを上下両側から挟持し、コンクリート供試体Sが破壊されるまで圧力を加える。この圧縮強度試験の結果から、曲げ強度や引張強度、付着強度等が公知の計算式で導き出すことができる。具体的には、計画段階で、インサートからコーン破壊しないための所要の圧縮強度と、曲げひび割れが生じないための曲げ強度を圧縮強度に換算し、最も高い圧縮強度とその位置を決定しておく。製造時にはこの箇所について熱電対をセットして、その箇所の圧縮強度を確認すれば良い。測定された強度が所要値に達しないときには、鉄筋コンクリート部材Mの養生を継続し、所要値に達したときには養生を終了する。
(5)鉄筋コンクリート部材の脱型
養生工程が終了した後には、操作用治具Jの本体j2をインサート部j1へ取り付け、操作用治具Jをフック手段Fに引っ掛ける。そうして鉄筋コンクリート部材Mを吊り上げて、移動するとよい。
なお、上記の方法では、鉄筋コンクリート部材とコンクリート供試体との養生を並行して行っていたが、鉄筋コンクリート部材の温度履歴をコントローラに記録して、この記録に基づいて、鉄筋コンクリート部材の養生とは独立して、コンクリート供試体を養生し、鉄筋コンクリート部材の養生期間の各段階の強度を推定することもできる。
鉄筋コンクリート部材の養生とは独立して、コンクリート供試体を養生する工程を行う場合について説明する。こうした作業は例えばコンクリートの調合を決定する段階で必要となる。コンクリート強度発現は、コンクリートの調合(組成物であるセメント、水、骨材等の調合割合)、加熱温度や加熱期間等の養生条件により決まるので、必要な圧縮強度を得るための調合条件と加熱養生条件(温度、養生時間)を決定する必要がある。これを事前に検討する場合には、同時ではなく事前に検討することが必要で、過去の記録等に基づく温度履歴で養生した供試体を使って強度発現状態を評価し、コンクリートの調合を決定することになる。
以下、図9から図12に基づいて本発明を行う前提となる事実及び本発明の効果確認のために行った実験に関して説明する。
図9は、鉄筋コンクリート部材Mを長手方向から見た形状(図9(a)参照)、及び、コンクリート供試体Sを正面方向から見た形状(図9(b)参照)をそれぞれ示している。これらを供試体として蒸気雰囲気の中で加熱して温度変化を測定した。
鉄筋コンクリート部材Mは、図面中の高さが530mm、左右の幅が520mmの、全体として梁形状のものであり、養生槽中に配置した。鉄筋コンクリート部材Mには、縦断面の中心線に沿って、さらにその断面の中心点(O)の位置a1、上面から100mmの位置a2、及び上面から30mmの位置a3にそれぞれ第1温度センサ5を埋設している。
コンクリート供試体Sは、高さが200mm、径が100mmのサイズの柱状であり、封緘した状態でさらに類似の加熱条件とするために一方向から加熱できるように他の周囲を断熱材で覆った養生槽に入れたもの(Tp2)と、封緘した状態で蒸気雰囲気中にそのまま置いたもの(Tp1)との2種類を用意した。それぞれのコンクリート供試体に、その中心線に沿って、中心位置(b1)、上面から30mmの位置(b2)、下面から30mmの位置(b3)にそれぞれ第2温度センサ6を埋設している。
図10は、蒸気雰囲気で供試体として、蒸気供給器への注水を開始してからの時間と各供試体の内部の測定点での温度の変化とを示している。図中、Trは、蒸気雰囲気の温度、T(a1)、T(a2)、T(a3)は、養生槽に入れた鉄筋コンクリート部材Mの各測定点での温度、T(b1)、T(b2)、T(b3)は、周囲を断熱材で覆った養生槽に入れ鉄筋コンクリート部材と同じ養生槽に入れたコンクリート供試体(Tp2)の各測定点での温度、T(b1)、T(b2)、T(b3)は、蒸気雰囲気中に置いたコンクリート供試体(Tp1)の各測定点での温度である。T(b1)、T(b2)、T(b3)は、注水後の早い段階で上昇している。
すなわち、封緘したコンクリート供試体をそのままの状態で鉄筋コンクリート部材とともに蒸気養生を行う方法では、コンクリート内部の温度上昇が実部材に対して早く、到達温度も高いため、部材のコンクリート強度を正確に評価できないと考えられる。これにより、養生時間が短い場合に単に蒸気養生で温度の管理を行うことは難しいことがわかる。
上記の実験において養生3時間でコンクリート供試体Tp1、Tp2を取り出し、強度試験を行った。その結果を図12(a)に白棒で示す。Tp1は高温の温度履歴を受けており、圧縮強度も大である。実際の部材で発現している圧縮強度よりも、かなり高く評価されていることが、容易に推察できる。
これに対してTp2は、圧縮強度が1N/mm程度と小さかった。これは、供試体の上下での温度勾配が大きいため、養生温度の低い供試体下部の影響を受けたものと推察される。この結果は、コンクリート供試体を本願発明により均一な温度とすることで圧縮強度の局部的なばらつきを抑制できることを示していると解釈できる。
次に養生方法として、気中温度養生及びジュール加熱養生とを対比する試験を行った。鉄筋コンクリート部材の上面から30mmの温度履歴を参考に温度プログラムを設定した。
気中温度養生ではチャンバー内に封緘した供試体を静置し、温度雰囲気を前記鉄筋コンクリート部材の上面から30mmの温度履歴に制御した。ジュール加熱養生は図3の装置を用いて、供試体端部に電極を取り付けて交流電流を流して加熱する。供試体中央の温度が前記鉄筋コンクリート部材の上面から30mmの温度履歴になるように制御した。また供試体設置後に周囲を断熱材で覆い、外部温度の影響が少なくなるようにした。なお、全て材齢1時間で養生を開始した。供試体としては、図9(b)に示す供試体Sには直径が100mmで高さ200mmの円柱供試体を用いて、上面から30mmの位置(b2)、上面から100mmの位置で横方向の中心線に沿って側面からそれぞれ10mmの位置(b5)、30mmの位置(b4)、50mmの位置(b1)、下面から30mmの位置(b3)に温度センサを設置した。なお、コントローラ2にフィードバックするための第2温度センサ6は位置(b1)に設置しており、この位置が当該第2温度センサ6の設置場所として好適である。しかしながら、図11の結果から明らかなように温度履歴がほぼ同一の値で推移しているので、供試体Sの内部でコントローラ2にフィードバックするための第2温度センサ6の位置を変更しても好適に実施できる。
図11(a)は、気中温度養生におけるコンクリート供試体の温度の変化を、図11(b)は、ジュール加熱養生におけるコンクリート供試体の温度の変化をそれぞれ示している。
気中温度養生では、プログラムされた温度履歴に対して加熱初期、例えば養生開始から0.5時間後では10℃程度の低い値を示している。これに対して、ジュール加熱ではプログラムされた温度履歴とほぼ同じ温度履歴となっている。
この実験により養生3時間の段階でコンクリート供試体Sを取り出し、圧縮強度試験を行った結果を図12(b)に黒棒で示す。気中温度養生に比べてジュール加熱養生の方が圧縮強度に優れていることが判った。この理由として、プログラムされた温度履歴とほぼ同じ温度履歴となっているジュール加熱養生に比べ、気中温度養生は特に加熱初期に10℃程度低い値の温度履歴を受けて養生されており、その結果2N/mm程度の低い圧縮強度となっている。このことから、ジュール加熱養生では、吊上げ時に確認したい部位の温度を測定すれば、温度履歴を精度よく再現することができ、鉄筋コンクリート部材の強度が精度よく評価できるのである。
以上述べたことは発明の単に一つの実施形態である。プレキャストコンクリート以外の本発明の以外の本発明の実施形態としては、例えば建設現場でコンクリートの型枠を外すときに強度が5N/mm以上出ていることを確認したうえで外したり、コンクリートの湿潤養生を計画供用期間の級に応じて10〜15N/mm発現するまで継続するルールが日本建築学会の建築工事標準仕様書・同解説「鉄筋コンクリート工事JASS 5等で定められており、こういった場合の強度推定に用いることができる。これまでは、現場で直径が100mmで高さ200mmの供試体を気中養生しておき、この供試体を用いて圧縮強度を評価することが一般的に行われている。しかし、供試体と実部材では温度履歴が異なり、一般的に供試体のほうが温度は低いので圧縮強度が小さくなり、安全側とはいえるものの正確な強度推定方法ができていなかった。本発明の技術はそういう場合にも適用できる。
さらに、本発明の技術的な意義に反しない範囲で、さまざまな実施形態の変更が可能であると理解されるべきである。
2…コントローラ 4…温度測定手段
5…第1温度センサ(熱電対) 6…第2温度センサ(熱電対)
10…養生槽 12…筐体 14…型穴 16…筒体(断熱筒)
16a…内リブ 16b…内向きフランジ 18…蓋
20…通電手段 22…第1電極板 24…第2電極板
26…電線 26a…端子片
A…開口面 F…フック手段 J…操作用治具 j1…インサート部材 j2…本体
M…鉄筋コンクリート部材 R…養生室 S…コンクリート供試体

Claims (5)

  1. 鉄筋コンクリート部材打設用の型枠の内部の適所に温度センサを設置して、当該温度センサがコンクリート内部に埋設されるように型枠内へコンクリートを打設する工程と、
    型枠内のコンクリートを養生し、鉄筋コンクリート部材を形成する工程と、
    当該コンクリートと同等に配合されたコンクリートを用いて作成したコンクリート供試体を、当該鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴を有するように温度管理をしながら追従養生させる工程と、
    上記コンクリート供試体の2つの端面を被挟持面として挟持手段で挟み付け、コンクリート供試体の強度試験を行う工程とからなり、
    コンクリート供試体の強度試験の結果から鉄筋コンクリート部材の強度を推定する方法であって、
    上記温度管理は、通電手段により、コンクリート供試体の被挟持面全体に均等に通電してコンクリート供試体を加熱することにより行い、鉄筋コンクリート部材とコンクリート供試体とが同じ温度履歴を持つように、上記温度センサの出力に応じて、通電手段への通電量を制御するようにしたことを特徴とする、
    コンクリートの強度推定方法。
  2. 上記鉄筋コンクリート部材をプレキャスト部材とするとともに、このプレキャスト部材には操作用治具の基端側のインサート部が埋め込まれており、そのインサート部付近に上記温度センサを埋設したことを特徴とする、
    請求項1記載のコンクリートの強度推定方法。
  3. 上記鉄筋コンクリート部材の養生期間中に温度センサの出力データを記録し、この記録に基づいて、コンクリート供試体の温度履歴を鉄筋コンクリート部材と同じ温度履歴を再現されるようにしたことを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載のコンクリートの強度推定方法。
  4. 鉄筋コンクリート部材への埋設用の温度センサと、
    養生中のコンクリートを通電により加熱できるように形成した、コンクリート供試体の養生槽と、
    温度センサの出力に応じて、養生槽の通電量を制御するコントローラと、
    を具備し、
    上記養生槽は、表面の一部に開口面を有する型穴を設けた筐体と、その開口面を塞ぐ蓋と、を具備し、
    型穴の底面側と開口面側とにそれら各面のほぼ全体に亘る電極板を介して型穴内のコンクリート供試体へ通電することができる通電手段を備えたことを特徴とする、養生装置。
  5. 上記筐体の表面に複数の型穴を設け、相互の型穴相互で熱の干渉がないように断熱処理を行うとともに、各型穴の両電極板を、電源に対して並列的に接続したことを特徴とする、請求項1記載の養生装置。
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