JP2017020940A - 遠心式回転機械の動特性測定装置 - Google Patents

遠心式回転機械の動特性測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁力発生器の大型化を抑制するとともに、ロータの動特性の測定精度を高めることのできる遠心式回転機械の動特性測定装置、及び、この動特性測定装置を備える遠心式回転機械を提供する。【解決手段】動特性測定装置20は、羽根車12,13を磁力で加振する磁力発生器21と、磁力発生器21により加振されている羽根車12,13の軸方向の振動変位を測定する変位測定装置23と、磁力発生器21を回転軸11の軸方向に移動させる移動装置22と、移動装置22を駆動する移動装置駆動部を含む制御装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、遠心式回転機械の動特性測定装置に関する。
遠心圧縮機等の従来の遠心式回転機械は、回転軸の軸端部に羽根車が取り付けられて成るロータを備える。このような遠心式回転機械においては、羽根車に作用する流体の励振力に起因してロータが自励振動する場合があり、ロータが自励振動した場合には、遠心式回転機械を適切に駆動できないため運転を停止させる必要がある。このような事態を回避するため、従来から、遠心式回転機械の設計段階において動特性測定装置により減衰比等のロータの動特性が測定され、想定される運転条件においてロータが自励振動を起こしにくくなるようにロータが設計されている。
このような動特性測定装置として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1の動特性測定装置は、羽根車の背面側に間隔をあけて配置されて、羽根車を磁力で加振する磁力発生器、磁力発生器を駆動する加振制御器、回転軸の振動を検出する振動センサ、及び、加振制御器からの加振信号と振動センサからの振動信号とに基づきロータの減衰比等の動特性を算出する演算装置を備える。
特開2014−102117号公報
ところで、遠心式回転機械が駆動しているときに、ロータにスラスト荷重が作用するため、ロータが回転軸の軸方向に変位する。このため、磁力発生器と羽根車との間隔が狭すぎた場合、磁力発生器と羽根車とが接触する虞がある。磁力発生器と羽根車とが接触した場合、ロータの動特性を測定することができない。
一方、磁力発生器を羽根車の背面から十分離れた位置に配置した場合、ロータが回転軸の軸方向に変位しても、磁力発生器と羽根車とが接触することを回避することができる。しかし、磁力発生器と羽根車の背面との間隔を広くすると、磁力発生器が羽根車に付与できる加振力が小さくなるため、羽根車に十分な加振力を付与できない。また、羽根車に十分な加振力を付与するために磁力発生器の出力を高めようとすると、磁力発生器の大型化を招きかねない。
本発明は、磁力発生器の大型化を抑制するとともに、ロータの動特性の測定精度を高めることを主たる目的としている。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置は、回転軸の軸端部に羽根車が取り付けられて成るロータを備えた遠心式回転機械の動特性測定装置であって、前記羽根車を磁力で加振する磁力発生器と、前記磁力発生器により加振されている前記羽根車の軸方向の振動変位を測定する変位測定装置と、前記磁力発生器を少なくとも前記回転軸の軸方向の移動成分をもって移動させる移動装置と、前記移動装置を駆動する移動装置駆動部を含む制御装置とを備える。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、変位測定装置により測定された羽根車の軸方向の振動変位に基づき、移動装置駆動部が移動装置を駆動することにより磁力発生器を回転軸の軸方向に移動させることができるため、磁力発生器と羽根車とのギャップを適切なギャップに変更することができる。したがって、磁力発生器の大型化を抑制するとともに、磁力発生器による羽根車に対する加振力を大きくすることができ、ロータの動特性の測定精度を高めることができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記制御装置は、前記変位測定装置により測定される前記磁力発生器により加振されている前記羽根車の軸方向の振動変位と、前記磁力発生器の磁力特性とから、動特性測定中に前記磁力発生器と前記羽根車とが接触すると予想されるギャップの時間平均値である最小必要平均ギャップを算出するとともに、この最小必要平均ギャップよりも大きいギャップの範囲である許容範囲を算出する演算部をさらに有し、前記移動装置駆動部は、動特性測定中の前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップの時間平均値である平均ギャップが前記許容範囲に含まれるように前記移動装置を駆動する。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、移動装置駆動部は、動特性測定中の平均ギャップが許容範囲に含まれるように移動装置を駆動するため、平均ギャップが最小必要平均ギャップ以上のギャップに維持される。このため、動特性測定中に磁力発生器と羽根車とが接触する虞がより低減される。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記磁力発生器の磁力特性は、前記磁力発生器と前記羽根車または前記羽根車と同一の材質でできた試験部材とのギャップと、前記磁力発生器による前記羽根車に対する磁力との関係を表すものであり、前記演算部は、前記磁力発生器により前記羽根車を加振したときの前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップの時間平均値を平均ギャップとし、この平均ギャップを複数点サンプリングし、このサンプリングされた複数の平均ギャップにおける加振中の前記羽根車の軸方向の振動変位を前記変位測定装置により測定し、測定された前記軸方向の振動変位と前記磁力発生器の磁力特性とから前記羽根車の前記平均ギャップに対する軸方向の振動変位曲線を求め、この軸方向の振動変位曲線から羽根車の軸方向の振動変位と前記平均ギャップとが等しくなる平均ギャップを求め、求められた平均ギャップを前記最小必要平均ギャップとし、前記最小必要平均ギャップに余裕値を見込んだギャップの範囲を前記許容範囲として算出する。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、複数の平均ギャップにおける加振中の羽根車の軸方向の振動変位についての測定値を基に許容範囲が算出されるため、許容範囲の算出精度が高められる。このため、動特性測定中に磁力発生器と羽根車とが接触する虞がより低減される。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記演算部は、前記最小必要平均ギャップに対し定数を乗算することにより前記許容範囲を算出する。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、許容範囲が最小必要平均ギャップに対し定数を乗算することにより算出された範囲に設定されるため、動特性測定中に磁力発生器と羽根車とが接触する虞がより低減される。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記演算部は、前記複数の平均ギャップにおける前記軸方向の振動変位と前記磁力発生器の磁力特性とから、前記羽根車の軸方向の振動変位が前記平均ギャップと等しくなる値を最小二乗法から求めるとともに、そのときの最大予測値及び最小予測値を算出し、前記最大予測値と前記最小予測値との差分、及び、前記最小二乗法から求められた平均ギャップに基づき前記許容範囲を算出する。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、最大予測値と最小予測値との差分、及び、最小二乗法から求められた平均ギャップを考慮して許容範囲を算出するため、許容範囲が過度に大きいギャップの範囲になりにくい。このため、ロータの動特性の測定精度をより高めることができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記移動装置駆動部は、前記磁力発生器により前記羽根車を加振しているときは、前記移動装置を駆動しないように構成されている。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、磁力発生器により羽根車を加振しているときは移動装置が駆動されないため、平均ギャップが許容範囲に維持されやすい。このため、ロータの動特性の測定精度を高精度に維持することができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記移動装置駆動部は、動特性測定の開始前又は動特性測定の終了時に、前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップが前記磁力発生器と前記羽根車とが接触し得ないギャップである退避ギャップとなるように前記移動装置を駆動する。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、動特性測定の開始前又は動特性測定の終了時に、磁力発生器と羽根車とのギャップが退避ギャップとなるように移動装置が駆動されるため、起動したロータに対して想定される最大のスラスト荷重が作用する場合であっても、磁力発生器と羽根車との接触の虞を解消することができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記制御装置は、前記磁力発生器を駆動する磁力発生器駆動部を有し、前記磁力発生器駆動部は、前記磁力発生器による前記羽根車の加振中に前記羽根車が軸方向に移動した場合には、前記磁力発生器の加振動作を停止させるように構成されている。
この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、磁力発生器により加振中の羽根車が軸方向に移動した場合に磁力発生器の加振動作を停止させるため、動特性測定精度を高精度に維持するとともに、磁力発生器と羽根車との接触の虞を解消することができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記移動装置は、電圧又は磁気により伸縮する伸縮素子を駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした。この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、簡易な構成の移動装置を形成することができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記移動装置は、モータで駆動される送りねじを駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした。この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、簡易な構成の移動装置を形成することができる。
上記課題を解決する遠心式回転機械の動特性測定装置において、前記移動装置は、流体圧力で駆動されるシリンダを駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした。この遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、簡易な構成の移動装置を形成することができる。
本発明にかかる遠心式回転機械の動特性測定装置によれば、磁力発生器の大型化を抑制するとともに、ロータの動特性の測定精度を高めることができる。
実施の形態1に係る遠心圧縮機及び動特性測定装置を模式的に示す模式図。 同遠心圧縮機の羽根車に対する磁力発生器及び変位測定装置の配置を示す模式図。 その他の実施の形態の遠心圧縮機の羽根車に対する磁力発生器及び変位測定装置の配置を示す模式図。 実施の形態1の動特性測定装置の電気的構成を示すブロック図。 ギャップと磁力との関係を示すグラフ。 同動特性測定装置により測定された平均ギャップと羽根車の軸方向の振動変位との関係を示すグラフ。 同遠心圧縮機のロータの動特性の処理手順の一例を示すフローチャート。 実施の形態2に係る動特性測定装置により測定された平均ギャップと羽根車の軸方向の振動変位との関係を示すグラフ。 実施の形態3に係る動特性測定装置の磁力発生器及び移動装置を模式的に示す模式図。 実施の形態4に係る動特性測定装置の磁力発生器及び移動装置を模式的に示す模式図。 磁力発生器の配置の変形例を示す模式図。 磁力発生器の配置の変形例を示す模式図。 磁力発生器の配置の変形例を示す模式図。 磁力発生器の配置の変形例を示す模式図。 磁力発生器の配置の変形例を示す模式図。
(実施の形態1)
図1に示される遠心式回転機械の一例である遠心圧縮機1は、ガスを圧縮するギヤ内蔵型の圧縮機であり、回転軸11の軸端部に羽根車12,13が取り付けられて成るロータ10を備える。
回転軸11の軸方向の中央には、ピニオンギヤ2が取り付けられており、ピニオンギヤ2は、ピニオンギヤ2よりも大径のギヤ(図示略)と噛み合わせられている。この大径のギヤの回転がピニオンギヤ2を介して回転軸11に伝達され、回転軸11及び羽根車12,13が回転する。
回転軸11の軸方向におけるピニオンギヤ2の両隣りには、回転軸11を支持する一対の軸受3が取り付けられている。回転軸11の軸方向における軸受3と羽根車12,13との間には、圧縮ガスの漏れを防止するシール4が取り付けられている。羽根車12,13の材質は、磁気吸引力が作用する磁性体、又は、渦電流が発生する良導電体であることが好ましい。磁性体の一例としては、鉄及び磁性を有するステンレス等が挙げられる。良導電体の一例としては、アルミニウム合金及び銅等が挙げられる。
以上のように構成された遠心圧縮機1においては、羽根車12,13に作用する圧縮ガスの励振力に起因してロータ10が自励振動する場合がある。ロータ10が自励振動した場合には、遠心圧縮機1を適切に駆動できないため、遠心圧縮機1の運転を停止させる必要がある。このような事態を回避するため、遠心圧縮機1の設計段階において、動特性測定装置20によりロータ10の減衰比等の遠心圧縮機1の動特性が測定され、想定される運転条件範囲において、ロータ10が自励振動を起こしにくくなるようにロータ10が設計される。
図1及び図2に示されるように、動特性測定装置20は、左右の羽根車12,13を磁力で加振する8個の磁力発生器21、磁力発生器21を回転軸11の軸方向に移動させる8個の移動装置22、及び、磁力発生器21により加振されている羽根車12,13の軸方向の振動変位を測定する8個の変位測定装置23を有する。なお、羽根車13の背面13A側の磁力発生器21、移動装置22、及び、変位測定装置23の配置は、羽根車12の背面12A側の配置と同様であるため、これらの説明及び図示を省略する。
磁力発生器21は、例えば、鉄心にコイルが巻かれて成る電磁石であり、羽根車12の外周部の背面12Aと面する位置に4個配置されている。4個の磁力発生器21は、鉄心の軸方向と回転軸11の軸方向とが平行となるように、回転軸11の回転方向RAに90°ずつの間隔をあけて配置されている。なお、磁力発生器21は、羽根車13の外周部の背面13Aと面する位置にも羽根車12側と同様に4個配置されており、羽根車12の背面12A側に配置されている4個の磁力発生器21と羽根車13の背面13A側に配置されている4個の磁力発生器21とは、回転軸11の軸方向において対向している。
移動装置22は、例えば、伸縮性の圧電素子であり、各磁力発生器21にそれぞれ取り付けられている。移動装置22は、羽根車12,13側の端部がそれぞれ対応する磁力発生器21に接続されている一方、反対側の端部がロータ10を覆うケーシング(図示略)に固定されている。移動装置22は、制御装置30(図4参照)から供給される電圧に応じて回転軸11の軸方向に伸縮することにより、接続されている磁力発生器21の先端と羽根車12,13の背面12A,13Aとのギャップを変更する。なお、移動装置22は、伸縮性の圧電素子と接続された磁力発生器21をガイドレールに沿って移動させる構成のいわゆるインチワーム式のアクチュエータとして構成することもできる。
変位測定装置23は、例えば、渦電流式変位センサであり、ロータ10を覆うケーシング(図示略)に固定されている。変位測定装置23は、回転軸11の回転方向RAに90°ずつの間隔をあけて配置されている。また、変位測定装置23は、対応する磁力発生器21に対して回転軸11の回転方向RAに20°ずれた位置に配置されている。変位測定装置23の磁力発生器21に対する配置は、例えば図3に示されるように、変位測定装置23を対応する磁力発生器21に対して羽根車12の径方向の内方に配置するようにしてもよい。
図4に示されるように、動特性測定装置20は、さらに、磁力発生器21、及び、移動装置22の動作を制御する制御装置30と、磁力発生器21による加振中の回転軸11の振動を検出する一対の振動センサ51,52とを備える。なお、図4においては、図面簡略化のため、8個の磁力発生器21、8個の移動装置22、及び、8個の変位測定装置23のうち、それぞれ2個ずつを図示している。
制御装置30は、磁力発生器駆動部31、演算部32、移動装置駆動部33、及び、記憶部34を有する。
磁力発生器駆動部31は、作業者が操作部41を操作することにより選択した加振モードに応じた加振信号を8個の磁力発生器21に増幅して出力して磁力発生器21を駆動する。磁力発生器駆動部31による磁力発生器21の駆動方法は、例えば、加振周波数を変化させていくスイープ加振、又は、衝撃的な入力を羽根車12,13に加えるインパルス加振等が挙げられる。また、加振モードとしては、例えば、特許文献1に記載の剛体モード、曲げモード、後ろ回りモード、前回りモード、後ろ回り剛体モード、前回り剛体モード、後ろ回り曲げモード、及び、前回り曲げモードを選択することができる。
剛体モードは、回転軸11の曲がりが比較的小さい振動を再現するモードであり、剛体モードにおいては、回転軸11の両端は回転しながら反対向きに振動する。
曲げモードは、回転軸11の曲がりが比較的大きい振動を再現するモードであり、曲げモードにおいて回転軸11の両端は、回転しながら同じ向きに振動する。
後ろ回りモードは、回転軸11の振れ回りが回転軸11の回転方向とは反対方向となる振動を再現するモードである。
前回りモードは、回転軸11の振れ回りが回転軸11の回転方向と同方向となる振動を再現するモードである。
後ろ回り剛体モードは、後ろ回りモードによる回転軸11の振動と剛体モードによる回転軸11の振動とを合わせたモードである。前回り剛体モードは、前回りモードによる回転軸11の振動と剛体モードによる回転軸11の振動とを合わせたモードである。後ろ回り曲げモードは、後ろ回りモードによる回転軸11の振動と曲げモードによる回転軸11の振動とを合わせたモードである。前回り曲げモードは、前回りモードによる回転軸11の振動と曲げモードによる回転軸11の振動とを合わせたモードである。
各加振モードにおける磁力発生器21の駆動態様は特許文献1と同様であるため説明を省略する。また、加振モードとしては、上述した8つのモードの他に磁力発生器21の個数及び駆動態様を変更することにより、様々なモードを設定することができる。
磁力発生器駆動部31は、これら各加振モードに応じて出力した加振信号の情報である加振情報を演算部32に出力する。また、これら各加振モードに応じて振動している回転軸11の振動は、回転軸11の周囲に互いに直角に設置された一対の振動センサ51,52により検出される。振動センサ51,52は、例えば、渦電流式変位センサであり、検出した振動情報を演算部32に出力する。
演算部32は、磁力発生器駆動部31からの加振情報、及び、振動センサ51,52からの振動情報に基づき、例えば特許文献1に記載されている周波数解析及びモード解析を行い、ロータ10の動特性を算出するとともに、その算出結果をディスプレイ42に表示させる。ロータ10の動特性の一例は、ガス動力等の遠心圧縮機1の負荷に対する減衰比の変化である。また、ロータ10の動特性の別の一例は、遠心圧縮機1の駆動時間に対する減衰比の変化である。
また、演算部32は、変位測定装置23により測定される、磁力発生器21により加振されている羽根車12,13の軸方向の振動変位、及び、磁力発生器21の磁力特性から最小必要平均ギャップdlimを算出する。最小必要平均ギャップdlimは、動特性測定中に磁力発生器21と羽根車12,13とが接触すると予想されるギャップの時間平均値である。演算部32は、動特性測定中の磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップの時間平均値である平均ギャップdが最小必要平均ギャップdlimよりも大きいギャップの範囲である許容範囲に含まれるように移動装置22を駆動する移動信号を移動装置駆動部33に出力する。
移動装置駆動部33は、演算部32からの移動信号に基づき、移動装置22に供給する電圧を制御して磁力発生器21を軸方向に移動させる。記憶部34は、演算部32の演算に必要な情報、及び、演算部32の様々な演算結果を記憶する。
図5及び図6を参照して、最小必要平均ギャップdlim、及び、許容範囲の算出方法について説明する。
最小必要平均ギャップdlimの算出に際して、まず、磁力発生器21の磁力特性の測定試験が実施される。磁力特性の測定試験は、磁力発生器21と羽根車12,13と同一の材質の部材(以下では「試験部材」)とのギャップdと、ギャップdに対する磁力発生器21の磁力Fmとの関係を測定する試験である。
磁力特性の測定試験においては、試験部材と磁力発生器21とのギャップdを変化させ、各ギャップdのときに試験部材に作用している磁力を、例えば、試験部材に取り付けられたロードセルで測定する。
以上のような磁力特性の測定試験が実施されることにより、以下の式(1)が算出され、例えば、図5に示される磁力特性を示すグラフが得られる。
Fm=f(d)…式(1)
次に、演算部32は、所定の運転条件にて回転し、かつ任意の加振モードで加振されている羽根車12,13と磁力発生器21との平均ギャップdを複数点サンプリングする。変位測定装置23は、このサンプリングされた複数の平均ギャップdにおける羽根車12,13の軸方向の振動変位Vを測定する。
図6に示されるように、複数点サンプリングする平均ギャップdは、例えば、平均ギャップdx、平均ギャップdxよりも小さい平均ギャップdy、及び、平均ギャップdyよりも小さい平均ギャップdzである。平均ギャップdx〜dzは、所定の運転条件にて回転し、かつ加振されている羽根車12,13が軸方向に変位しても羽根車12,13と接触しないと想定される比較的大きいギャップである。記憶部34は、平均ギャップdx〜dzに対応する羽根車12,13の軸方向の振動変位Vを対応付けて記憶する。
演算部32は、羽根車12が加振されず、かつ、所定の運転条件で回転している羽根車12の軸方向の振動変位V0、及び、定数aを用いて、加振されている羽根車12の軸方向の振動変位Vを表す以下の式(2)を算出する。
V=a・f(d)+V0…式(2)
次に、演算部32は、式(1)及び式(2)に基づく以下の式(3)、又は、最小二乗法に基づき、定数aを算出する。
a=(V−V0)/Fm…式(3)
演算部32は、算出した定数aに基づき、図6に示される軸方向の振動変位曲線を算出する。
演算部32は、図6に示される軸方向の振動変位曲線から羽根車12,13の軸方向の振動変位Vと平均ギャップdとが等しくなる平均ギャップを最小必要平均ギャップdlimとして算出する。さらに、演算部32は、この最小必要平均ギャップdlimに余裕値を見込んだギャップの範囲を動特性測定中の平均ギャップdの許容範囲として設定する。演算部32は、例えば、最小必要平均ギャップdlimに定数を乗算して、最小必要平均ギャップdlim×1.1〜最小必要平均ギャップdlim×1.2を許容範囲として算出する。なお、許容範囲の算出に際して最小必要平均ギャップdlimに乗算する定数は、任意の値を選択できる。
図7を参照して、本実施の形態に係る動特性測定装置20の作用とともにロータ10の動特性の測定手順の一例について説明する。
動特性の測定は、上述した各加振モードに対応する最小必要平均ギャップdlim及び許容範囲が予め算出された状態で行われる。
まず、作業者が、操作部41を操作することにより任意の加振モードが選択されると、演算部32は、ステップS10において、移動装置駆動部33に出力した移動信号の履歴から軸方向における変位測定装置23と対応する磁力発生器21との相対位置を算出する。また、演算部32は、動特性測定の開始前に、算出した相対位置、及び、変位測定装置23により測定された羽根車12,13とのギャップから、全ての磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップが退避ギャップ以上か否かを判定する。退避ギャップは、遠心圧縮機1が起動したときにロータ10に対して想定される最大のスラスト荷重が作用しても羽根車12,13と磁力発生器21とが接触しないギャップである。演算部32は、少なくとも1つの磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップが退避ギャップ未満であると判定したとき、移動信号を移動装置駆動部33に出力する。
ステップS11において、移動装置駆動部33は、移動信号に基づき、退避ギャップ未満である磁力発生器21に供給する電圧を制御することにより移動装置22を駆動して、全ての磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップが退避ギャップ以上となるように磁力発生器21の軸方向の位置を変更する。
一方、演算部32は、ステップS10において、全ての磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップが退避ギャップ以上であると判定したとき、例えばディスプレイ42に「測定可能」と表示させる。そして、ステップS12において作業者は遠心圧縮機1を起動させる。遠心圧縮機1が起動することにより、羽根車12,13が振動して回転軸11の軸方向に変位する。
ステップS13において、演算部32は、磁力発生器21と羽根車12,13との平均ギャップdを算出する。
ステップS14において、演算部32は、算出した平均ギャップdが許容範囲に含まれるか否かを判定する。演算部32は、ステップS14において、磁力発生器21と羽根車12,13との全ての平均ギャップdの少なくとも1つが許容範囲に含まれていないと判定したとき、移動信号を移動装置駆動部33に出力する。
ステップS15において、移動装置駆動部33は、移動信号に基づき、平均ギャップdが許容範囲に含まれていない磁力発生器21に供給する電圧を制御して平均ギャップdが許容範囲に含まれるように磁力発生器21を軸方向に移動させる。
ステップS16において、演算部32は、全ての移動装置22に供給する電圧を一定に維持する固定信号を移動装置駆動部33に出力する。移動装置駆動部33は、固定信号が入力されたことに基づき、全ての移動装置22に供給する電圧を一定に維持して全ての磁力発生器21の軸方向の位置を固定する。
ステップS17において、磁力発生器駆動部31は、選択されている加振モードに応じた加振信号を磁力発生器21に出力する。これにより、ロータ10の動特性の測定が開始される。すなわち、動特性測定の開始時とは、磁力発生器駆動部31が加振信号を磁力発生器21に出力したときを示す。
ところで、遠心圧縮機1は、動特性測定中のロータ10に作用するスラスト荷重が、起動時に作用したスラスト荷重からさらに変化する場合がある。この場合、動特性測定中、すなわち、磁力発生器21による加振中にロータ10が軸方向に移動する場合がある。このため、演算部32は、ステップS18において、変位測定装置23の測定結果より、加振中の磁力発生器21と羽根車12,13との最も小さいギャップである最小ギャップが許容範囲に含まれるか否かを判定する。
最小ギャップが許容範囲に含まれないとき、ロータ10が軸方向に移動して羽根車12,13の位置が動特性測定の開始時よりも磁力発生器21に接近している可能性が高い。このため、演算部32は、ステップS18において、少なくとも1つの磁力発生器21に対応する最小ギャップが許容範囲に含まれないと判定したとき、ステップS19において、磁力発生器駆動部31に加振停止信号を出力する。これにより、磁力発生器21による羽根車12,13の加振動作が停止され、ロータ10の動特性の測定が中断される。
一方、演算部32は、ステップS18において、全ての磁力発生器21に対応する最小ギャップが許容範囲に含まれていると判定したとき、ステップS20において、動特性の測定が終了したか否かを判定する。
演算部32は、例えば、選択されている加振モードごとに設定されている加振時間が経過し、かつ、作業者からロータ10の回転速度等の遠心圧縮機1の運転条件を変更する旨の要求がなされていないことに基づき動特性の測定が終了したと判定する。演算部32は、動特性の測定が終了したと判定したとき、ステップS21において、磁力発生器駆動部31に加振停止信号を出力する一方、ディスプレイ42に「測定終了」と表示させる。これにより、磁力発生器21による羽根車12,13の加振動作が中止され、ロータ10の動特性の測定が終了する。そして、ステップS22において、作業者は、遠心圧縮機1を停止させる。
一方、演算部32は、ステップS20において、例えば、作業者からロータ10の回転速度等の遠心圧縮機1の運転条件を変更する旨の要求がなされていることに基づき、動特性の測定が終了していないと判定する。
演算部32は、ステップS20において、動特性の測定が終了していないと判定したとき、ステップS23において、移動装置駆動部33への固定信号の出力を停止する。これにより、磁力発生器21の固定が解除され、磁力発生器21が軸方向に移動可能となる。また、作業者は、ロータ10の回転速度等の遠心圧縮機1の運転条件を変更するとともに動特性の測定を継続する。
本実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)移動装置駆動部33により移動装置22が磁力発生器21を回転軸11の軸方向に移動させることができるため、磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップを適切に変更することができる。したがって、磁力発生器21の大型化を抑制するとともに、磁力発生器21による羽根車12,13に対する加振力を大きくすることができ、ロータ10の動特性の測定精度を高めることができる。
(2)移動装置駆動部33は、動特性測定中の平均ギャップdが許容範囲に含まれるように移動装置22を駆動するため、動特性測定中の平均ギャップdが最小必要平均ギャップdlim以上のギャップに維持される。このため、動特性測定中に磁力発生器21と羽根車12,13とが接触する虞がより低減される。
(3)複数の平均ギャップdx〜dzにおける加振中の羽根車12,13の軸方向の振動変位についての測定値を基に許容範囲が算出されるため、許容範囲の算出精度が高められる。このため、動特性測定中に磁力発生器21と羽根車12,13とが接触する虞がより低減される。
(4)許容範囲が最小必要平均ギャップdlimに対し定数を乗算することにより算出された範囲に設定されるため、動特性測定中に磁力発生器21と羽根車12,13とが接触する虞がより低減される。
(5)磁力発生器21により羽根車12,13を加振しているときは、演算部32が移動装置駆動部33に固定信号を出力するため、移動装置22が駆動されない。これにより、許容範囲が一定の範囲に維持されるため、ロータ10の動特性の測定精度を高精度に維持することができる。
(6)動特性測定の開始前に、磁力発生器21と羽根車12,13とのギャップが退避ギャップとなるように移動装置22が駆動されるため、起動したロータ10に対して想定される最大のスラスト荷重が作用する場合であっても、磁力発生器21と羽根車12,13との接触の虞を解消することができる。
(7)最小ギャップが許容範囲に含まれないと判定したとき、すなわち、ロータ10が軸方向に移動して羽根車12,13の位置が磁力発生器21に接近している可能性が高いときに磁力発生器21の加振動作を停止させるため、動特性の測定精度を高精度に維持するとともに、磁力発生器21と羽根車12,13との接触の虞を解消することができる。
(8)移動装置22は、電圧により伸縮する伸縮素子を駆動源として磁力発生器21を軸方向に移動可能としたため、移動装置22の構成を簡易な構成とすることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態2の動特性測定装置20は、実施の形態1の演算部32の許容範囲の算出方法を変更したものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明し実施の形態1と同一の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図8に示されるように、本実施の形態の演算部32は、図8の実線で示される第1振動変位曲線、図8の破線で示される第2振動変位曲線、及び、図8の一点鎖線で示される第3振動変位曲線を算出する。
第1振動変位曲線は、平均ギャップdを複数サンプリングした場合における、最小二乗法により算出された定数aを用いたものである。
第2振動変位曲線は、上記式(3)に基づき算出した定数aのうちの最も大きい定数aを用いたものである。
第3振動変位曲線は、上記式(3)に基づき算出した定数aのうちの最も小さい定数aを用いたものである。
演算部32は、第1振動変位曲線から羽根車12,13の軸方向の振動変位Vと平均ギャップdとが等しくなる最小必要平均ギャップdlimを算出する。
また、演算部32は、第2振動変位曲線から羽根車12の軸方向の振動変位Vと平均ギャップdとが等しくなる最大予測値としての必要平均ギャップdmaxを算出する。
また、演算部32は、第3振動変位曲線から羽根車12の軸方向の振動変位Vと平均ギャップdとが等しくなる最小予測値としての必要平均ギャップdminを算出する。
演算部32は、必要平均ギャップdmaxと必要平均ギャップdminとの差分Δdを算出し、許容範囲を、最小必要平均ギャップdlim+差分Δd〜最小必要平均ギャップdlim+定数A×差分Δdの範囲として算出する。なお、定数Aは、1よりも大きい数である。
実施の形態2に係る動特性測定装置20は以上のように構成されているので、実施の形態1に係る効果(1)〜(3)、及び、(5)〜(8)に準じた効果を奏するとともに、さらに次の効果を奏することができる。
(9)差分Δd、及び、最小二乗法から求められた最小必要平均ギャップdlimを考慮して許容範囲を算出するため、許容範囲が過度に大きいギャップの範囲になりにくい。このため、ロータ10の動特性の測定精度をより高めることができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
実施の形態3に係る動特性測定装置20は、実施の形態1の移動装置22を変更したものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図9に示されるように、本実施の形態に係る移動装置300は、ロータ10のケーシング(図示略)に固定されているモータ310、モータ310の出力軸に接続されている送りねじ320、及び、送りねじ320に螺合されるとともに、磁力発生器21が取り付けられているナット330を有する。さらに、移動装置300は、ナット330の下面に取り付けられたガイド340、及び、回転軸11(図1参照)の軸方向に沿って延び、ガイド340の移動経路を形成するレール350を有する。
移動装置駆動部33(図4参照)は、モータ310と電気的に接続され、演算部32からの移動信号に基づき、モータ310に供給する電力を制御する。
本実施の形態の動特性測定装置20の作用について、移動装置300を羽根車12側に配置される移動装置として適用した例について説明する。
演算部32からの移動信号に基づき移動装置駆動部33は、モータ310に電力を供給することによりモータ310の出力軸が一方に回転し、ナット330、及び、ガイド340が羽根車12に接近する方向にレール350上を移動する。これにより、ナット330に取り付けられた磁力発生器21も羽根車12に接近する方向に移動するため、磁力発生器21と羽根車12とのギャップが小さくなる。
一方、演算部32からの移動信号に基づき移動装置駆動部33は、モータ310に電力を供給することによりモータ310の出力軸が他方に回転し、ナット330、及び、ガイド340が羽根車12から離間する方向にレール350上を移動する。これにより、ナット330に取り付けられた磁力発生器21も羽根車12から離間する方向に移動するため、磁力発生器21と羽根車12とのギャップが大きくなる。
なお、本実施の形態の移動装置300を羽根車13側に配置される移動装置として適用することもできる。
実施の形態3に係る動特性測定装置20は以上のように構成されているので、実施の形態1に係る効果(1)〜(7)に準じた効果を奏する。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
実施の形態4に係る動特性測定装置20は、実施の形態1の移動装置22を変更したものである。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一の構成要素には、実施の形態1と同一の符号を付してその説明を省略する。
図10に示されるように、本実施の形態に係る移動装置400は、ロータ10のケーシング(図示略)に固定されているシリンダ410、シリンダ410の内部を往復動するピストン420、及び、ピストン420と磁力発生器21とを連結するピストンロッド430を有する。また、シリンダ410の壁部には、ピストン420により区画されたシリンダ410の内部の空間に空気を供給する一対のチューブ441,442を有する。
移動装置駆動部33(図4参照)は、演算部32からの移動信号に基づき、シリンダ410に供給する空気の流量を調節する。
本実施の形態の動特性測定装置20の作用について、移動装置400を羽根車12側に配置される移動装置として適用した例について説明する。
移動装置駆動部33は、演算部32からの移動信号に基づきチューブ441を介してシリンダ410に空気を供給する一方、チューブ442を介してシリンダ410の内部から空気を排出する。これにより、ピストン420が羽根車12に接近する方向に移動するため、磁力発生器21と羽根車12とのギャップが小さくなる。一方、移動装置駆動部33は、演算部32からの移動信号に基づきチューブ441を介してシリンダ410から空気を排出する一方、チューブ442を介してシリンダ410の内部に空気を供給する。これにより、ピストン420が羽根車12から離間する方向に移動するため、磁力発生器21と羽根車12とのギャップが大きくなる。なお、本実施の形態の移動装置400を羽根車13側に配置される移動装置として適用することもできる。
実施の形態4に係る動特性測定装置20は以上のように構成されているので、実施の形態1に係る効果(1)〜(7)に準じた効果を奏する。
(変形例)
上記の各実施の形態に関する説明は、本発明に従う遠心式回転機械の動特性測定装置、及び、この動特性測定装置を備える遠心式回転機械が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う遠心式回転機械の動特性測定装置、及び、この動特性測定装置を備える遠心式回転機械は、例えば以下に示される上記の各実施の形態の変形例、及び、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
・実施の形態1において、最小必要平均ギャップdlimの算出においてサンプリングする平均ギャップdの数は、1つ、2つ、又は、4つ以上とすることもできる。サンプリングする平均ギャップdの数が1つの場合、演算部32は、式(3)に基づき、定数aを算出する。
・実施の形態2において、最小必要平均ギャップdlimの算出においてサンプリングする平均ギャップdの数は、2つ、又は、4つ以上とすることもできる。
・実施の形態1において、移動装置22は、磁気により伸縮する伸縮素子を用いることもできる。
・実施の形態1において、変位測定装置23は、静電容量式変位計又はファイバセンサを用いることもできる。
・各実施の形態において、羽根車12,13を加振するための磁力発生器21の個数は、発生させたい振動の態様に応じて任意の個数とすることができる。
・各実施の形態において、移動装置駆動部33は動特性測定の終了時に、磁力発生器21が退避ギャップとなるように移動装置22を駆動するようにしてもよい。
・各実施の形態において、動特性測定装置20は、遠心ポンプ又は遠心送風機等の遠心式回転機械のロータの動特性を測定してもよい。
・各実施の形態において、磁力発生器21は、羽根車12(または羽根車13)の外周部の背面12Aと面する位置に限定されず、外周部以外の背面12Aと面する位置に配置してもよい。さらには、例えば、磁力発生器21を図11A〜図11Eに示す各位置に配置することも可能である。なお、以下では、羽根車12に対応する磁力発生器21の配置について説明しているが、羽根車13に対応する磁力発生器21の配置についても同様である。
・例えば、図11A、Bに示すように、磁力発生器21を、羽根車12の背面12Aとは反対側の面、すなわち、圧縮対象のガスの流入側の面(以降、「表面12B」と称する)に面するように、軸方向と略平行に配置してもよい。なお、表面12Bには、軸方向に直交する平面部分(図11Bで符号を付した部分)だけではなく、外周部の傾斜面または湾曲面(図11Aで符号を付した部分)も含まれる。
・例えば、図11C〜Eに示すように、磁力発生器21を、羽根車12の径方向外側に配置してもよい。このとき、図11C、Dのように、磁力発生器21を径方向と略平行に配置してもよいし、図11Eのように、磁力発生器21を軸方向に対して斜めに配置してもよい。
・各実施の形態においては、移動装置22は、磁力発生器21を軸方向に移動させるもの、すなわち、軸方向の移動成分のみをもって移動させるものとした。しかしながら、移動装置22は、少なくとも軸方向の移動成分をもって移動させるものであれば、例えば、磁力発生器21を軸方向に対して斜めに移動させるもの、すなわち、軸方向の移動成分と径方向の移動成分とをもって移動させるものとしてもよい。
1…遠心圧縮機(遠心式回転機械)
10…ロータ
11…回転軸
12…羽根車
12A…背面
13…羽根車
13A…背面
20…動特性測定装置
21…磁力発生器
22…移動装置
23…変位測定装置
30…制御装置
31…磁力発生器駆動部
32…演算部
33…移動装置駆動部
300…移動装置
400…移動装置

Claims (11)

  1. 回転軸の軸端部に羽根車が取り付けられて成るロータを備えた遠心式回転機械の動特性測定装置であって、
    前記羽根車を磁力で加振する磁力発生器と、
    前記磁力発生器により加振されている前記羽根車の軸方向の振動変位を測定する変位測定装置と、
    前記磁力発生器を少なくとも前記回転軸の軸方向の移動成分をもって移動させる移動装置と、
    前記移動装置を駆動する移動装置駆動部を含む制御装置とを備える
    遠心式回転機械の動特性測定装置。
  2. 前記制御装置は、前記変位測定装置により測定される前記磁力発生器により加振されている前記羽根車の軸方向の振動変位と、前記磁力発生器の磁力特性とから、動特性測定中に前記磁力発生器と前記羽根車とが接触すると予想されるギャップの時間平均値である最小必要平均ギャップを算出するとともに、この最小必要平均ギャップよりも大きいギャップの範囲である許容範囲を算出する演算部をさらに有し、
    前記移動装置駆動部は、動特性測定中の前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップの時間平均値である平均ギャップが前記許容範囲に含まれるように前記移動装置を駆動する
    請求項1に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  3. 前記磁力発生器の磁力特性は、前記磁力発生器と前記羽根車または前記羽根車と同一の材質でできた試験部材とのギャップと、前記磁力発生器による前記羽根車に対する磁力との関係を表すものであり、
    前記演算部は、前記磁力発生器により前記羽根車を加振したときの前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップの時間平均値を平均ギャップとし、この平均ギャップを複数点サンプリングし、このサンプリングされた複数の平均ギャップにおける加振中の前記羽根車の軸方向の振動変位を前記変位測定装置により測定し、測定された前記軸方向の振動変位と前記磁力発生器の磁力特性とから前記羽根車の前記平均ギャップに対する軸方向の振動変位曲線を求め、この軸方向の振動変位曲線から羽根車の軸方向の振動変位と前記平均ギャップとが等しくなる平均ギャップを求め、求められた平均ギャップを前記最小必要平均ギャップとし、前記最小必要平均ギャップに余裕値を見込んだギャップの範囲を前記許容範囲として算出する
    請求項2に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  4. 前記演算部は、前記最小必要平均ギャップに対し定数を乗算することにより前記許容範囲を算出する
    請求項3に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  5. 前記演算部は、前記複数の平均ギャップにおける前記軸方向の振動変位と前記磁力発生器の磁力特性とから、前記羽根車の軸方向の振動変位が前記平均ギャップと等しくなる値を最小二乗法から求めるとともに、そのときの最大予測値及び最小予測値を算出し、前記最大予測値と前記最小予測値との差分、及び、前記最小二乗法から求められた平均ギャップに基づき前記許容範囲を算出する
    請求項3に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  6. 前記移動装置駆動部は、前記磁力発生器により前記羽根車を加振しているときは、前記移動装置を駆動しないように構成されている
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  7. 前記移動装置駆動部は、動特性測定の開始前又は動特性測定の終了時に、前記磁力発生器と前記羽根車とのギャップが前記磁力発生器と前記羽根車とが接触し得ないギャップである退避ギャップとなるように前記移動装置を駆動する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  8. 前記制御装置は、前記磁力発生器を駆動する磁力発生器駆動部を有し、
    前記磁力発生器駆動部は、前記磁力発生器による前記羽根車の加振中に前記羽根車が軸方向に移動した場合には、前記磁力発生器の加振動作を停止させるように構成されている
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  9. 前記移動装置は、電圧又は磁気により伸縮する伸縮素子を駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  10. 前記移動装置は、モータで駆動される送りねじを駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
  11. 前記移動装置は、流体圧力で駆動されるシリンダを駆動源として前記磁力発生器を軸方向に移動可能とした
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の遠心式回転機械の動特性測定装置。
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