図1に示すように、ヘテロジーニアスネットワーク構成では、マクロセルエリア内に多数の小セルが配置されるが、マクロセルエリア内に多数のスモールセルSを配置する場合、ネットワークコストに対するキャパシティを考慮して、スモールセルSを設計することが求められている。ネットワークコストとしては、例えば、ネットワークノードやバックホールリンク等の設置コスト、セルプランニングや保守対応等のオペレーションコスト、ネットワーク側の消費電力等が挙げられる。またスモールセルSには、キャパシティ以外の要求として、移動端末装置側の省消費電力化やランダムセルプランニングのサポートが求められている。
本発明は、図2A、Bに示す2種類のヘテロジーニアスネットワークにそれぞれ適用可能である。
図2Aに示すHetNet構成は、マクロセルMとスモールセルSとが同一のキャリア(周波数F0)で運用される。3GPPにおいて、HetNetにおけるセル間干渉制御(eICIC:enhanced Inter-Cell Interference Coordination)技術が検討された。その結果、時間領域のeICICについて合意されている。時間領域(サブフレーム単位)での干渉コーディネーションはシングルキャリアでも適用可能である。Almost blank subframe(データを送信しないサブフレーム)もしくはMBSFN subframeを無送信区間として利用し、干渉の低減が図られる。
図2Bに示すHetNet構成では、マクロセルMとスモールセルSが別周波数(F1,F2)で運用される。マクロセルMとスモールセルSとを別周波数(F1,F2)で運用するためには、LTE-Aに規定されるキャリアアグリゲーションを用いることができる。Rel-10においては、既存システム(LTE)のシステム帯域を1単位とする複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を束ねて広帯域化するキャリアアグリゲーションが規定されている。図2Bに示すHetNet構成は、スモールセルSにおいて従来のセルIDの概念がない,ユーザデータの伝送に特化した無線インタフェース(NCT:New Carrier Type)を適用するコンセプトである。図2Bに示すHetNet構成は、制御信号を伝送するC(Control)-planeとユーザデータを伝送するU(User)-planeをそれぞれマクロセルMおよびスモールセルSで別々にサポートする。特にマクロセルMを既存のLTEの周波数帯(例えば2GHz帯)、スモールセルSをマクロセルMより高い周波数帯(例えば3.5GHz帯)で運用することにより、移動局(UE:User Equipment)の移動に対する高い接続性を保持しつつ、広い帯域幅を用い、マクロセル/スモールセル間で干渉が生じない高速通信が実現できる。更に、セル固有の信号(CRS等)を除去したNCTの適用により、セルプラニングの簡易化、Energy saving、CoMP(Coordinated Multi-Point)技術等の柔軟な適用といった多くのメリットが得られる。また,マクロセルMはC-planeおよびU-planeを共にサポートし、近くにスモールセルの存在しないUEの伝送品質を実現する。
図2Bに示すHetNet構成では、マクロセルとスモールセルとの間で要求の違いや構成の相違点が考えられる。マクロセルは帯域幅が限定されるため、周波数利用効率が非常に重要である。これに対して、スモールセルは帯域幅を広く取り易いので、広い帯域幅を確保できればマクロセルほど周波数利用効率の重要性は高くない。マクロセルは車等の高いモビリティにも対応する必要があるが、スモールセルは低いモビリティに対応すればよい。マクロセルはカバレッジを広く確保する必要がある。一方で、スモールセルはカバレッジを広く確保することが好ましいが、カバレッジの不足分はマクロセルでカバー可能である。
また、マクロセルは上下リンクの電力差が大きく、上下リンクが非対称になっているが、スモールセルは上下リンクの電力差が小さく、上下リンクが対称に近付けられている。さらに、マクロセルは、セル当たりの接続ユーザ数が多く、セルプランニングもされているため、トラヒックの変動が小さい。これに対し、スモールセルでは、セル当たりの接続ユーザ数が少なく、セルプランニングがされていない可能性もあるので、トラヒックの変動が大きい。このように、スモールセルは、マクロセルと最適な要求条件が異なっているので、スモールセルに特化した無線通信方式を設計する必要がある。
スモールセル用の無線通信方式は、省消費電力化やランダムセルプランニングに起因した干渉を考慮すると、トラヒックが無い場合には無送信にする構成が望ましい。このため、スモールセル用の無線通信方式は、限りなくUE-specificな設計が想定される。したがって、スモールセル用の無線通信方式は、LTEにおけるPSS/SSS(Primary Synchronization Signal/Secondary Synchronization Signal)、CRS(Cell-specific Reference Signal)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等を使用せず、ePDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel)、DM−RS(Demodulation−Reference Signal)をベースとして設計されることが想定される。
ここで、ePDCCHは、PDSCH領域(データ信号領域)内の所定周波数帯域をPDCCH領域(制御信号領域)として使用するものである。PDSCH領域に割り当てられたePDCCHは、DM−RSを用いて復調される。なお、ePDCCHは、FDM型PDCCHと呼ばれてもよいし、UE−PDCCHと呼ばれてもよい。また、スモールセルの無線通信方式では、既存のキャリアとは異なる新たなキャリアが用いられるが、この新たなキャリアは追加キャリア(Additional carrier)と呼ばれてもよいし、拡張キャリア(extension carrier)と呼ばれてもよい。
スモールセルの無線通信方式では、既存(Rel-8/9/10/11LTE)のmeasurement信号とは異なるmeasurement信号が検討されている。このような新しいmeasurement信号を規定した場合においても、システムでは既存のmeasurement信号が使用されるので、システムにおいて新しいmeasurement信号と既存のmeasurement信号とが共存することになる。このような環境においては、新しいmeasurement信号の使用を効率良く移動局やスモールセルを構成する基地局に通知する必要がある。
本発明者等は、移動端末装置のアクセス候補として多数のスモールセルが存在するネットワーク構成において、新しいmeasurement信号と既存のmeasurement信号とが共存する場合に、どのようにしてmeasurement信号(基準信号)を測定して測定レポート(MEASUREMENTレポート)をネットワーク側(マクロ基地局又はローカル基地局)へ通知するかといった技術的課題に着目し、本発明に至った。
すなわち、本発明の骨子は、マクロセルを形成するマクロ基地局装置と、このマクロ基地局装置と通信リンクを介して接続されマクロセル内にスモールセルを形成する複数のローカル基地局装置と、マクロ基地局装置との間ではマクロセル用の無線通信方式で通信可能であり、各ローカル基地局装置との間ではスモールセル用の無線通信方式で通信可能である移動端末装置と、を備える通信システムにおいて、マクロ基地局装置は、マクロ基地局装置と移動端末装置との間で使用される第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号を移動端末装置又はローカル基地局装置に送信することにより、新しいmeasurement信号の使用を移動端末装置に通知して、スモールセルに特化した高効率なスモールセル無線アクセスを実現することである。
ここで、マクロ基地局装置と移動端末装置との間で使用される第1measurement信号(既存のmeasurement信号)とは、例えば、RSRP、RSRQ、RSSI、CQI、PMI、RI等を測定するための信号である。また、ここでは、セルサーチに使用する同期信号も第1measurement信号に含める。また、第2measurement信号とは、前記スモールセル基地局装置が送信する基準信号であり、例えば、次の信号を組み合わせた信号等が挙げられる。
・Rel-8LTEの同期信号
・Rel-8LTEの同期信号と同一又は異なる系列を用いて、時間/周波数/空間方向に異なる位置で多重した信号
・プライマリ同期信号とセカンダリ同期信号を異なるスロットに多重した信号
・スモールセル用のDISCOVERY SIGNAL(スモールセル基地局装置が送信する基準信号)(例えば、Rel-8LTEの同期信号に比較して、送信周期が長い信号、あるいは、送信単位当りの無線リソース量が大きい信号)
・既存の参照信号(CSI−RS,CRS,DM−RS,PRS,SRS)、又は、その無線リソースの一部(例えば、1ポートのCRSを5msec周期で送信する信号)
なお、DISCOVERY SIGNALは、例えば、PDCH(Physical Discovery Channel)、BS(Beacon Signal)、DPS(Discovery Pilot Signal)と呼ばれても良い。また、マクロセルを構成する基地局装置のことを「マクロ局」と呼び、スモールセルを構成する基地局装置のことを「ローカル局」と呼ぶこととする。
本発明の通信システムにおいては、マクロ局と移動局との間で使用される第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号を移動局又はローカル局通知する方法として以下の2つの方法がある。この通知方法について図3を用いて説明する。
(第1通知方法)
第1通知方法は、制御信号を移動局に通知する方法である。第1通知方法においては、マクロ局30と移動局(UE)10との間で使用される第1measurement信号(既存のmeasurement信号)と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)をマクロ局30から移動局10に通知する(図3Aにおける送信a)。この制御信号は、RRCシグナリングや報知信号等のハイヤレイヤシグナリングを用いて準静的に通知しても良く、PDCCH信号(下り制御情報)等を用いて動的に通知しても良い。
また、第1通知方法において、ローカル局20から移動局10に対して送信を行う場合においては、マクロ局30が、第1measurement信号(既存のmeasurement信号)と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)を予めローカル局20に送信するようにしても良く(図3Aにおける送信b)、スモールエリア内において、第2measurement信号が送信されることを予め設定しておいても良い。
(第2通知方法)
第2通知方法は、制御信号をローカル局20に通知する方法である。第2通知方法においては、マクロ局30が、第1measurement信号が送信される又は第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第2制御信号)を予めローカル局20に送信する(図3Aにおける送信c)。この制御信号は、RRCシグナリングや報知信号等のハイヤレイヤシグナリングを用いて準静的に通知しても良く、PDCCH信号(下り制御情報)等を用いて動的に通知しても良い。また、この制御信号は、X2シグナリングのような基地局間シグナリングを用いて通知しても良い。
このような通知方法を採用することにより、ローカル局20は必要に応じて第2measurement信号を用いて測定してその測定結果をフィードバックすることができ、スモールセルに特化した高効率なスモールセル無線アクセスを実現することができる。
また、本発明の通信システムにおいては、移動局10でmeasurement信号を用いて測定した測定結果(measurement report)をフィードバックする方法として以下の2つの方法がある。
(第1フィードバック方法)
第1フィードバック方法においては、移動局10は、基地局(マクロ局30、ローカル局20)から通知された制御信号に基づいて、measurement信号を用いて測定した測定結果をフィードバックする。このフィードバックは、マクロ局30に直接行っても良く、ローカル局20を経由してマクロ局30に行っても良く、ローカル局20に行っても良い。
上記第1通知方法のように、第1measurement信号(既存のmeasurement信号)と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)が通知されている場合(図3Bにおける送信d)には、移動局10は、ローカル局20から第2measurement信号を受信し(図3Bにおける送信e)、この第2measurement信号を用いて測定した測定結果をマクロ局30にフィードバックする(図3Bにおける送信f)。例えば、ローカルエリア用のDISCOVERY SIGNALが送信されていることを示す制御信号が通知された場合には、移動局10は、ローカルエリア用のDISCOVERY SIGNALを用いた測定結果をフィードバックする。
また、ローカル局20から移動局10に対して送信を行う場合においては、マクロ局30が、第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)を予めローカル局20に送信し(図3Bにおける送信g)、移動局10は、ローカル局20から第2measurement信号を受信し(図3Bにおける送信h)、この第2measurement信号を用いて測定した測定結果を、ローカル局20を経由してマクロ局30にフィードバックする(図3Bにおける送信i、送信j)。なお、この第2measurement信号を用いて測定した測定結果は、移動局10から直接マクロ局30にフィードバックしても良い。
(第2フィードバック方法)
第2フィードバック方法においては、移動局10で第2measurement信号をブラインド検出して第2measurement信号が送信されていることを推定し、ブラインド検出できた場合に、第2measurement信号を用いて測定した測定結果をフィードバックする。第2のフィードバック方法によれば、measurement信号を識別できる制御信号を送信する必要がないので、通信のオーバーヘッドを小さくすることが可能となる。なお、第2フィードバック方法は、第2通知方法の場合に効果的に適用することができる。
例えば、マクロ局30が、第1measurement信号が送信される又は第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第2制御信号)を予めローカル局20に送信し(図3Bにおける送信k)、移動局10は、マクロ局30から第1measurement信号を受信すると共に(図3Bにおける送信l)、ローカル局20から第2measurement信号を受信し(図3Bにおける送信m)、この第1measurement信号を用いて測定した測定結果及び第2measurement信号を用いて測定した測定結果を、ローカル局20を経由してマクロ局30にフィードバックする(図3Bにおける送信n、送信o)。なお、この第1measurement信号を用いて測定した測定結果及び第2measurement信号を用いて測定した測定結果は、移動局10から直接マクロ局30にフィードバックしても良い。
上記第1及び第2フィードバック方法において、移動局は、第1measurement信号を用いて測定した測定結果及び第2measurement信号を用いて測定した測定結果をフィードバックしても良い。この場合において、第1measurement信号を測定した測定結果及び第2measurement信号を測定した測定結果のうち、品質の良い測定結果を送信するようにしても良い。これにより、より品質の高い測定結果をフィードバックすることが可能となる。なお、第1measurement信号を用いて測定した測定結果及び第2measurement信号を用いて測定した測定結果をフィードバックする場合、どちらのmeasurement信号を用いて測定した測定結果であるかを示す識別情報もフィードバックする。この識別情報は、測定結果と別にフィードバックしても良く、測定結果と共にフィードバックしても良い。
ここで、本実施の形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。
図4は、本実施の形態に係る無線通信システムのシステム構成の説明図である。図4に示す無線通信システムは、マクロセルを形成するマクロ局と、マクロ局と通信リンクを介して接続され、マクロセル内にスモールセルを形成する複数のローカル局と、マクロ局との間ではマクロセル用の無線通信方式で通信可能であり、各ローカル局との間ではスモールセル用の無線通信方式で通信可能である移動局と、を備えた通信システムである。
なお、図4に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム或いは、SUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域を1単位とする複数の基本周波数ブロックを一体としたキャリアアグリゲーションに対応している。また、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれても良い。
図4に示すように、無線通信システム1は、マクロセルC1をカバーするマクロ局30と、マクロセルC1内に設けた複数のスモールセルC2をカバーする複数のローカル局20とを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、多数の移動端末装置10が配置されている。移動端末装置10は、マクロセル用及びスモールセル用の無線通信方式に対応しており、マクロ局30及びローカル局20と無線通信可能に構成されている。
移動局10とマクロ局30との間は、マクロセル用周波数(例えば、低周波数帯)を用いて通信される。移動局10とローカル局20との間は、スモールセル用周波数(例えば、高周波数帯)を用いて通信される。また、マクロ局30及び各ローカル局20は、有線接続又は無線接続されている。
マクロ局30及び各ローカル局20は、それぞれ図示しない上位局装置に接続され、上位局装置を介してコアネットワーク50に接続される。なお、上位局装置には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、ローカル局20は、マクロ局30を介して上位局装置に接続されてもよい。
なお、各移動局10は、LTE端末及びLTE−A端末を含むが、以下においては、特段の断りがない限り移動局として説明を進める。また、説明の便宜上、マクロ局30及びローカル局20と無線通信するのは移動局であるものとして説明するが、より一般的には移動局も固定端末装置も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。また、ローカル局20及びマクロ局30は、マクロセル用及びスモールセル用の送信ポイントと呼ばれてもよい。なお、ローカル局20は、光張り出し基地局装置であってもよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
ここで、LTEシステムにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクの通信チャネルは、各移動局10で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とを有する。PDSCHにより、ユーザデータ及び上位制御情報が伝送される。PDCCH(Physical Downlink Control Channel)により、PDSCHおよびPUSCHのスケジューリング情報等が伝送される。PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)により、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)により、PUSCHに対するHARQのACK/NACKが伝送される。
上りリンクの通信チャネルは、各移動局10で共有される上りデータチャネルとしてのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とを有する。このPUSCHにより、ユーザデータや上位制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、ACK/NACK等が伝送される。
図5を参照して、移動局10の全体構成について説明する。移動局10は、送信系の処理部として、フォーマット選択部101、上り信号生成部102、上り信号多重部103、ベースバンド送信信号処理部104、105、送信RF回路106、107を備えている。移動局10は、マクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる第1制御信号及び第2measurement信号を受信し、第2measurement信号を用いて測定して測定結果を得て、この測定結果をマクロ局30又はローカル局20に送信する。また、移動局10は、第1measurement信号を受信し、第1measurement信号を用いて測定して測定結果を得て、第1measurement信号を測定した測定結果及び第2measurement信号を測定した測定結果をマクロ局30又はローカル局20に送信する。
フォーマット選択部101は、マクロセル用の送信フォーマットとスモールセル用の送信フォーマットを選択する。上り信号生成部102は、上りデータ信号及び参照信号を生成する。上り信号生成部102は、マクロセル用の送信フォーマットの場合、マクロ局30に対する上りデータ信号及び参照信号を生成する。また、上り信号生成部102は、スモールセル用の送信フォーマットの場合、ローカル局20に対する上りデータ信号及び参照信号を生成する。
上り信号多重部103は、上りリンク信号として上り送信データと、上り参照信号とを多重する。また、上り信号多重部103は、上りリンク信号として、既存のmeasurement信号である第1measurement信号の測定結果(MEASUREMENTレポート)及び/又は新しいmeasurement信号である第2measurement信号の測定結果(MEASUREMENTレポート)を、他の上りリンク信号と多重する。上り信号多重部103は、フィードバック先がマクロ局30である場合、多重した上りリンク信号をベースバンド送信信号処理部104に出力する。マクロ局30に対する上り信号は、ベースバンド送信信号処理部104に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、上り信号は、送信RF回路106を通り、送信系と受信系との間に設けたデュプレクサ108を介してマクロセル用の送受信アンテナ110から送信される。マクロセル用の送受信系では、デュプレクサ108によって同時送受信が可能となっている。
また、上り信号多重部103は、フィードバック先がローカル局20である場合、多重した上りリンク信号をベースバンド送信信号処理部105に出力する。ローカル局20に対する上り信号は、ベースバンド送信信号処理部105に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、上り信号は、送信RF回路107を通り、送信系と受信系との間に設けた切替スイッチ109を介してマクロセル用の送受信アンテナ111から送信される。スモールセル用の送受信系では、切替スイッチ109によって送受信が切替られている。
なお、本実施の形態では、マクロセル用の送受信系にデュプレクサ108を設け、スモールセル用の送受信系に切替スイッチ109を設ける構成としたが、この構成に限定されない。マクロセル用の送受信系に切替スイッチ109を設けても良く、スモールセル用の送受信系にデュプレクサ108を設けても良い。また、マクロセル用及びスモールセル用の上り信号は、送受信アンテナ110、111から同時に送信されても良く、送受信アンテナ110、111を切り替えて別々に送信されても良い。
また、移動局10は、受信系の処理部として、受信RF回路112、113、ベースバンド受信信号処理部114、115、制御情報受信部116、MEASUREMENT信号受信部117、MEASUREMENT信号測定部118、下り信号測定・復調・復号部119、120を備えている。
マクロ局30からの下り信号は、マクロセル用の送受信アンテナ110で受信される。この下り信号は、デュプレクサ108及び受信RF回路112を介してベースバンド受信信号処理部114に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。
制御情報受信部116は、少なくともマクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号(既存のmeasurement信号)と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)を受信する。制御情報受信部116は、制御信号に含まれる制御情報をMEASUREMENT信号受信部117に出力する。
MEASUREMENT信号受信部117は、制御情報受信部116からの制御情報において、第2measurement信号が送信されることが認識されると、ベースバンド受信信号処理部115から第2measurement信号を受信する。MEASUREMENT信号受信部117は、第2measurement信号をMEASUREMENT信号測定部118に出力する。
MEASUREMENT信号測定部118は、第2measurement信号を用いてMEASUREMENTを行う。MEASUREMENT信号測定部118は、その測定結果を上り信号多重部103に出力する。そして、この測定結果は、ベースバンド送信信号処理部104、送信RF回路106及びデュプレクサ108を介してローカル局20又はマクロ局30にフィードバックされる。
一方、マクロセルの下りデータ信号及びスモールセルの下りデータ信号は、下り信号測定・復調・復号部119に出力され、下り信号測定・復調・復号部119において復号(デスクランブル)及び復調される。このとき、下り信号測定・復調・復号部119において、少なくともマクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号(既存のmeasurement信号)を用いてMEASUREMENTを行う。下り信号測定・復調・復号部119は、その測定結果を上り信号多重部103に出力する。そして、この測定結果は、ベースバンド送信信号処理部104、送信RF回路106及びデュプレクサ108を介してローカル局20又はマクロ局30にフィードバックされる。
第1measurement信号と第2measurement信号を共に受信する場合については、下り信号測定・復調・復号部119で第1measurement信号を用いてMEASUREMENTを行って、その測定結果を選択部120に出力し、MEASUREMENT信号測定部118で第2measurement信号を用いてMEASUREMENTを行って、その測定結果を選択部120に出力する。選択部120においては、第1measurement信号を用いた測定結果と第2measurement信号を用いた測定結果を比較し、品質が高い方の測定結果のみをベースバンド送信信号処理部104、送信RF回路106及びデュプレクサ108を介してローカル局20又はマクロ局30にフィードバックしても良い。
移動局10においては、下り信号測定・復調・復号部119で第2measurement信号をブラインド検出して第2measurement信号が送信されていることを推定し、ブラインド検出できた場合に、第2measurement信号を用いて測定した測定結果をフィードバックするようにしても良い。
なお、上記制御信号は、例えば、報知情報やRRCシグナリング等のハイヤレイヤシグナリング)やPDCCH(下り制御情報)で受信される。
ローカル局20からの下り信号は、スモールセル用の送受信アンテナ111で受信される。この下り信号は、切替スイッチ109及び受信RF回路113介してベースバンド受信信号処理部115に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。
また、マクロセル及びスモールセルの下り信号は、送受信アンテナ110、111から同時に受信されても良く、送受信アンテナ110、111を切り替えて別々に受信されても良い。
図6を参照して、マクロ局30の全体構成について説明する。マクロ局30は、送信系の処理部として、制御情報生成部201、下り信号生成部202、下り信号多重部203、ベースバンド送信信号処理部204、送信RF回路205を備えている。マクロ局30は、マクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる第1制御信号を移動局10又はローカル局20に送信する。また、マクロ局30は、第1measurement信号が送信されること又は第2measurement信号が送信されることを識別できる第2制御信号をローカル局20に送信する。
制御情報生成部201は、マクロセル制御情報として、マクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号(既存のmeasurement信号)と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第1制御信号)及び/又は第1measurement信号が送信される又は第2measurement信号が送信されることを識別できる制御信号(第2制御信号)を生成する。制御情報生成部201は、制御信号を伝送路インタフェース211に出力し、ローカル局20に出力すると共に、下り信号多重部203に出力する。制御情報生成部201は、第1制御信号を下り信号多重部203に出力し、第2制御信号をローカル局20に出力する。
第1制御信号は、下り信号多重部203、ベースバンド送信信号処理部204、送信RF回路205及びデュプレクサ206を介して移動局10に送信される。一方、第2制御信号は、RRCシグナリングや報知信号等のハイヤレイヤシグナリングを用いても良く、PDCCH信号(下り制御情報)等を用いても良く、X2シグナリングのような基地局間シグナリングを用いても良い。PDCCH信号(下り制御情報)等を用いる場合には、第2制御信号は、下り信号多重部203、ベースバンド送信信号処理部204、送信RF回路205及びデュプレクサ206を介して移動局10に送信される。
下り信号生成部202は、下りデータ信号及び下り参照信号を生成する。下り信号多重部203は、マクロセル制御情報と、マクロセルの下りリンク信号として下りデータ信号と、下り参照信号とを多重する。移動局10に対するマクロセルの下りリンク信号は、ベースバンド送信信号処理部204に入力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、下りリンク信号は、送信RF回路205を通り、送信系と受信系との間に設けたデュプレクサ206を介して送受信アンテナ207から送信される。
また、マクロ局30は、受信系の処理部として、受信RF回路208、ベースバンド受信信号処理部209、上り信号復調・復号部210を備えている。
移動局10からの上りリンク信号は、送受信アンテナ207で受信され、デュプレクサ206及び受信RF回路208を介してベースバンド受信信号処理部209に入力される。ベースバンド受信信号処理部209では上り信号にデジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。上りデータ信号は、上り信号復調・復号部210に入力され、上り信号復調・復号部210において復号(デスクランブル)及び復調される。上り信号には、MEASUREMENTレポート(測定結果)が含まれる。
図7を参照して、ローカル局20の全体構成について説明する。なお、ローカル局20は、移動局10の直近に配置されているものとする。ローカル局20は、制御情報受信部301を備えている。また、ローカル局20は、送信系の処理部として、下り信号生成部302、MEASUREMENT信号生成部303、下り信号多重部304、ベースバンド送信信号処理部305、送信RF回路306を備えている。
制御情報受信部301は、伝送路インタフェース312を介して、マクロ局30からマクロセル制御情報を受信する。ここでは、マクロセル制御情報として、第2制御信号が受信される。制御情報受信部301は、制御信号をMEASUREMENT信号生成部303に出力する。
下り信号生成部302は、下りデータ信号(PDSCH)、下り参照信号、下り制御信号(ePDCCH)を生成する。MEASUREMENT信号生成部303は、制御情報受信部301から出力された制御信号に基づいて第2measurement信号を生成する。
下り信号多重部305は、下り送信データと、下り参照信号と、下り制御信号とを多重する。移動局10に対する第2measurement信号を含む下りリンク信号は、ベースバンド送信信号処理部305に出力され、デジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の下り信号の場合には、逆高速フーリエ変換(IFFT: Inverse Fast Fourier Transform)により周波数領域の信号から時系列の信号に変換され、サイクリックプレフィックスが挿入される。そして、下りリンク信号は、送信RF回路306を通り、送信系と受信系との間に設けた切替スイッチ307を介して送受信アンテナ308から送信される。なお、切替スイッチ307の代わりにデュプレクサを設けてもよい。
ローカル局20は、受信系の処理部として、受信RF回路309、ベースバンド受信信号処理部310、上り信号復調・復号部311を備えている。
移動局10からのスモールセルの上りリンク信号は、スモールセル用の送受信アンテナ308で受信され、切替スイッチ307及び受信RF回路309を介してベースバンド受信信号処理部310に入力される。ベースバンド受信信号処理部310では上り信号にデジタル信号処理が施される。例えば、OFDM方式の上り信号の場合には、サイクリックプレフィックスが除去され、高速フーリエ変換(FFT: Fast Fourier Transform)により時間系列の信号から周波数領域の信号に変換される。上りデータ信号は、上り信号復調・復号部311に入力され、上り信号復調・復号部311において復号(デスクランブル)及び復調される。移動局10がローカル局20へMEASUREMENTレポートを通知する場合は、上りリンク信号から第1measurement信号の測定結果及び/又は第2measurement信号の測定結果が復号される。
なお、ローカル局20は、必要に応じて、第1measurement信号の測定結果及び/又は第2measurement信号の測定結果をマクロ局30に送信する。
以上のように、本実施の形態に係る無線通信システム1によれば、マクロ局30が、マクロ局30と移動局10との間で使用される第1measurement信号と異なる第2measurement信号が送信されることを識別できる第1制御信号を移動局に送信し、移動局10において、第1制御信号及び第2measurement信号を受信し、第2measurement信号を用いて測定して測定結果を得て、測定結果をマクロ局30又はローカル局20に送信するので、新しいmeasurement信号の使用を移動局10に通知して、スモールセルに特化した高効率なスモールセル無線アクセスを実現することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されず、様々変更して実施することが可能である。例えば、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、上記説明におけるシグナリング方法、処理部の数、処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。