JP2017015012A - 排気管継手シール体の製造方法 - Google Patents

排気管継手シール体の製造方法 Download PDF

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裕樹 田邉
Hiroki Tanabe
裕樹 田邉
雄二 柳武
Yuji Yanatake
雄二 柳武
直雪 澤本
Naoyuki Sawamoto
直雪 澤本
陵二 濱口
Ryoji Hamaguchi
陵二 濱口
祐太 佐藤
Yuta Sato
祐太 佐藤
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Abstract

【課題】シール性能を高めた排気管継手シール体を簡単に且つ確実に得ることができる排気管継手シール体の製造方法を提供する。【解決手段】排気管継手シール体の製造方法は、テープ状の膨張黒鉛と、この膨張黒鉛よりもテープ面積が小さく且つ耐熱性及び柔軟性のあるテープ状の補強部材とを準備する第1工程S1と、前記テープ状の補強部材の外周縁部が前記テープ状の膨張黒鉛の外周縁部よりも内側に位置するように前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを対向させた状態でこれらを重なり合わせる第2工程S2と、前記テープ状の膨張黒鉛の短手方向を軸方向とする多重巻き状態の筒状体を形成すべく、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛及び前記テープ状の補強部材をこれらのうち前記テープ状の補強部材が内側に位置するようにうず巻き状に巻回する第3工程S3と、前記筒状体を圧縮成形する第4工程S4とを含む。【選択図】図12

Description

本発明は、排気管継手シール体の製造方法に関する。
排気管継手シール体として、膨張黒鉛と、金属線からなる金属メッシュ材とを用いて構成されたガスケットがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のガスケットは、二つの排気管をつなぐための継手で使用される際、シール部を圧縮変形させつつ前記二つの排気管の各々に備えられたフランジに圧接させて、これら両フランジに挟圧されるように構成されている。
前記特許文献1に記載のガスケットの製造方法には、素材準備工程と、複合体形成工程と、筒状体形成工程と、圧縮成形工程とが含まれている。前記素材準備工程においては、テープ状の膨張黒鉛、及び、これを外部から被覆可能な金属メッシュ材を準備する。前記複合体形成工程においては、前記金属メッシュ材が前記膨張黒鉛を囲む長尺帯状の複合体を形成する。
前記筒状体形成工程においては、前記複合体の短手方向を軸心方向とする多重巻き状態の筒状体を形成するために、前記複合体をうず巻き状に巻回する。前記圧縮成形工程においては、所望のガスケットを得るべく、例えば固定型及び可動型を用いて、うず巻き状に巻回された前記複合体からなる前記筒状体を圧縮成形する。
このような前記特許文献1に記載のガスケットの製造方法を採用すれば、前記複合体形成工程において、前記複合体を形成するために、袋状に形成した金属メッシュ材によりテープ状の膨張黒鉛を被覆する作業を行わなければならない。したがって、このガスケットの製造方法は、前記複合体形成工程の複雑化を招くものとなっていた。
しかも、この製造方法により得られるガスケットでは、前記シール部が膨張黒鉛とこれを外部から覆う前記金属メッシュ材とから構成されてしまうので、前記シール部における柔軟性を十分に確保できず、前記シール部を前記フランジに圧接させたとき、この圧接に伴い前記シール部が変形する量(ガスケット潰し量)を前記ガスケットの周方向に関して略均一化させることが困難となっていた。
したがって、前記継手の設置後、一見、前記ガスケットを正常に装着し終えたように見えても、前記シール部におけるガスケット潰し量に比較的大きなバラツキが発生し、これにより、前記ガスケットのシール性能を十分に発揮させることができない場合があった。そのため、前記ガスケットの製造方法によれば、十分なシール性能を保証できないガスケットが製造されるおそれがあった。
特願2014−151747号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、シール性能を高めた排気管継手シール体を簡単に且つ確実に得ることができる排気管継手シール体の製造方法の提供を目的とする。
請求項1に係る発明は、
第1排気管と第2排気管との間をシールするために、前記第1排気管の第1フランジと前記第2排気管の第2フランジとの間に介装され得る排気管継手シール体を製造するための方法であって、
テープ状の膨張黒鉛と、この膨張黒鉛よりもテープ面積が小さく且つ耐熱性及び柔軟性のあるテープ状の補強部材とを準備する第1工程と、
前記テープ状の補強部材の外周縁部が前記テープ状の膨張黒鉛の外周縁部よりも内側に位置するように前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを対向させた状態で、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを重なり合わせる第2工程と、
前記テープ状の膨張黒鉛の短手方向を軸方向とする多重巻き状態の筒状体を形成すべく、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛及び前記テープ状の補強部材をこれらのうち前記テープ状の補強部材が内側に位置するようにうず巻き状に巻回する第3工程と、
前記筒状体を圧縮成形する第4工程とを含むものである。
この構成によれば、前記排気管継手シール体に、前記膨張黒鉛だけを用いて、前記第1排気管の第1フランジに密に圧接可能な前記第1シール部と、前記第2排気管の第2フランジに密に圧接可能な前記第2シール部とを備えることができる。よって、シール性能を高めた前記排気管継手シール体を簡単に且つ確実に得ることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の排気管継手シール体の製造方法において、
前記第3工程が、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを接着する接着工程を含むものである。
この構成によれば、前記第3工程の前に、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とが接着された接着物を得ることができる。したがって、前記第3工程において前記接着物をうず巻き状に巻回する際、前記テープ状の膨張黒鉛に対する前記テープ状の補強部材の位置ズレを防止して、加工精度を上げることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の排気管継手シール体の製造方法において、
前記テープ状の補強部材が、前記テープ状の膨張黒鉛の一部がはいり込む隙間を有し、
前記接着工程において、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを接着するために、前記テープ状の補強部材を前記テープ状の膨張黒鉛に食い込ませるものである。
この構成によれば、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材との接着作業の簡略化を図ることができる。
本発明によれば、シール性能を高めた排気管継手シール体を簡単に且つ確実に得ることができる排気管継手シール体の製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて得られる排気管継手シール体によるシール構造の概略断面図である。 図1の排気管継手シール体の正面図である。 図1の排気管継手シール体の平面図である。 図3のI−I矢視断面図である。 図4の一部拡大図である。 図1の排気管継手シール体の一部拡大模式断面図である。 図1の排気管継手シール体を装着している途中の状態を示す概略断面図である。 (a)は図1の排気管継手シール体における第2シール部の初期状態を示す概略断面図であり、(b)はこの第2シール部の圧縮変形後の状態を示す概略断面図である。 図3の一部拡大図である。 (a)は図1の排気管継手シール体における突起部の初期状態を示す概略断面図であり、(b)はこの突起部に対して第1排気管の端部が作用する状態を示す概略断面図である。 図6の矢印II方向から見た模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る排気管継手シール体の製造方法の流れを示す図である。 図12の排気管継手シール体の製造方法における複合体形成工程の状態を示す模式図である。 図13の複合体形成工程により得られる複合体の、一部拡大図を含む図である。 図12の排気管継手シール体の製造方法における筒状体形成工程の状態を示す図である。 図12の排気管継手シール体の製造方法における圧縮成形工程の状態を示す図である。 図14の複合体の断面図である。 図12の排気管継手シール体の製造方法における別実施形態の複合体形成工程の状態を示す模式図である。 12の排気管継手シール体の製造方法における別実施形態の複合体形成工程により得られる複合体の断面図である。
本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明の一実施形態に係る製造方法を用いて得られる排気管継手シール体によるシール構造の概略側面断面図を示す。以下では、前記排気管継手シール体として、ガスケット1を例に挙げて説明を行う。
図1に示すように、前記ガスケット1は、自動車等の排気管における継手2に使用される。本実施形態において、前記排気管は、前記継手2を介して互いに接合可能な第1排気管3及び第2排気管4を有している。前記第1排気管3及び前記第2排気管4は、それぞれ円筒状の鋼管からなり、接合時には互いの接合部分が同軸心上に位置するように配置される。
前記継手2は、前記ガスケット1によるシール構造を実現しつつ、前記第1排気管3の軸方向一端部(以下、単に端部という)7と、これに所定間隔を隔てて対向する前記第2排気管4の軸方向一端部(以下、単に端部という)8とを接合できるように構成されている。前記継手2は、前記ガスケット1に加え、第1フランジ11と、第2フランジ12と、圧接機構13とを備えている。
前記第1フランジ11は、前記第1排気管3の端部7にこれを外側から囲むように取り付けられている。前記第1フランジ11は、環状を有するものであり、板金材を用いて構成されている。前記第1フランジ11は、第1フランジ面15を前記第2排気管4側に向けることができるように、前記第1排気管3の端部7の外周面からその径方向外側へ突設されている。
本実施形態において、前記第1フランジ11は、第1筒状部17と、第1テーパ部18と、第1当接部19とを有している。前記第1筒状部17は、前記第1排気管3の端部7に外嵌固定されている。前記第1テーパ部18は、前記第1筒状部17から径方向外側へ延出されている。前記第1当接部19は、前記第1テーパ部18から径方向外側へ延出されている。
詳しくは、前記第1筒状部17は、前記第1排気管3の一端面21に対して前記第1排気管3の軸方向他端側へ所定間隔を隔てた位置に配置されている。こうして、前記第1排気管3の端部7が、前記第1筒状部17との固定位置と前記一端面21との間に、前記ガスケット1を外嵌させるための延在部22を含むものとされている。
前記第1テーパ部18は、前記第1筒状部17の軸方向一端側に配置され、前記第1筒状部17から前記第1排気管3の軸方向一端側に向かって漸次拡径するテーパ筒状に形成されている。前記第1テーパ部18は、前記第1フランジ面15の一部をなすテーパ状の内周面(凹状の湾曲面)を有している。この内周面には、前記ガスケット1と圧接可能な第1圧接面23が含まれている。
前記第1当接部19は、前記第1テーパ部18の径方向外側に配置されており、前記第1テーパ部18の径方向最外側部分(軸方向一端部)に連結されている。前記第1当接部19は、前記第1フランジ面15の一部をなす略平坦な面を有している。この面には、前記第2フランジ12と当接可能な第1当接面24が含まれている。
前記第2フランジ12は、前記第2排気管4の端部8にこれを外側から囲むように取り付けられている。前記第2フランジ12は、環状を有するものであり、板金材を用いて構成されている。前記第2フランジ12は、第2フランジ面25を前記第1排気管3側に向けることができるように、前記第2排気管4の端部8の外周面からその径方向外側へ突設されている。
本実施形態において、前記第2フランジ12は、第2筒状部27と、第2テーパ部28と、前記第2当接部29とを有している。前記第2筒状部27は、前記第2排気管4の端部8に外嵌固定されている。前記第2テーパ部28は、前記第2筒状部27から径方向外側へ延出されている。前記第2当接部29は、前記第2テーパ部28から径方向外側へ延出されている。
詳しくは、前記第2筒状部27は、その軸方向一端部が前記第2排気管4の一端面31よりも前記第1排気管3の軸方向一端部7に接近し得るように配置されている。すなわち、前記第2筒状部27の軸方向一端部が、前記第2排気管4の一端面31が前記第2筒状部27の径方向内側に位置するように、前記第2排気管4の端部8に固定されている。
前記第2テーパ部28は、前記第2筒状部27の軸方向一端側に配置され、前記第2筒状部27から前記第2排気管4の軸方向一端側に向かって漸次拡径するテーパ筒状に形成されている。前記第2テーパ部28は、前記第2フランジ面25の一部をなすテーパ状の内周面(凹状の湾曲面)を有している。この内周面には、前記ガスケット1と圧接可能な第2圧接面33が含まれている。
前記第2当接部29は、前記第2テーパ部28の径方向外側に配置されており、前記第2テーパ部28の径方向最外側部分(軸方向一端部)に連結されている。前記第2当接部29は、前記第2フランジ面25の一部をなす略平坦な面を有している。この面には、前記第1フランジ11(前記第1当接面24)と当接可能な第2当接面34が含まれている。
図1に示すように、前記第2当接部29がその第2当接面34で前記第1当接部19の第1当接面24と当接したときには、前記第2テーパ部28が前記第1テーパ部18と所定間隔を隔てて対向する。これにより、前記第1テーパ部18と前記第2テーパ部28との間に、前記延在部22に外嵌した状態の前記ガスケット1を収容可能な収容空間が形成され得るようになっている。
前記ガスケット1は、膨張黒鉛製のガスケット本体41を備えている。前記ガスケット本体41は、テープ状の膨張黒鉛がうず巻状に巻回された後に圧縮成形されることで環状に成形されている。本実施形態において、前記ガスケット1は、前記ガスケット本体41を基にして環状を呈するものであり、前記第1排気管3の端部7(前記延在部22)に密に外嵌可能に形成されている。
そして、前記ガスケット1は、前記第1排気管3の端部7と前記第2排気管4の端部8との間をシールするため、前記第1排気管3の端部7に密に外嵌したうえで、前記ガスケット本体41が前記第1フランジ11の第1テーパ部18と前記第2フランジ12の第2テーパ部28とに挟圧され得るように、これら両フランジ11・12間に介装される構成とされている。
前記圧接機構13は、前記ガスケット1が前記第1排気管3の端部7に密に外嵌した状態で前記第1フランジ11と前記第2フランジ12との間に介装されたとき、前記第1テーパ部18の第1圧接面23と第2テーパ部28の第2圧接面33とが前記ガスケット1を挟圧するように、前記第1フランジ11と前記第2フランジ12とを締結可能に構成されている。
本実施形態において、前記圧接機構13は、ボルト45と、ナット46とを有している。前記ボルト45は、互いに当接する前記第1フランジ11の第1当接部19と前記第2フランジ12の第2当接部29とを貫通することができるように構成されている。前記ナット46は、前記ボルト45に対して締付可能に構成されている。
こうして、前記ガスケット1が前記第1フランジ11と前記第2フランジ12との間に介装された場合、これら両フランジ11・12に前記ボルト45を貫設して前記ボルト45・前記ナット46を締め付けることにより、前記第1圧接面23及び前記第2圧接面33をそれぞれ前記ガスケット1とその一部が圧縮変形するように圧接させ得るようになっている。
次に、前記ガスケット1について詳細に説明する。
図2に、前記ガスケット1の正面図を示す。図3に、前記ガスケット1の平面図を示す。図4に、図3のI−I矢視断面図を簡略化したものを示す。図5に、図4の一部拡大図を示す。図6に、前記ガスケット1の一部拡大模式断面図を示す。
図1、図2、図3、図4、図5及び図6に示すように、前記ガスケット1は、膨張黒鉛51と金属メッシュ材52とを用いて構成されており、前記ガスケット本体41を備えている。なお、前記ガスケット1に関して、前記膨張黒鉛51及び前記金属メッシュ材52は、便宜上、図6において具体的に示し、他の図においては省略している。
前記ガスケット1において、前記ガスケット本体41は、テープ状の膨張黒鉛がうず巻状に巻回された後に圧縮成形されてなる膨張黒鉛製の環状体である。そのため、前記ガスケット1は、図6に示すように、前記膨張黒鉛51からなる膨張黒鉛層51aが前記ガスケット本体41の径方向に関して複数重ねられた断面形状を有するものとなっている。
そのうえで、前記ガスケット本体41の径方向に関して重なり合うように形成された膨張黒鉛層51aの間に、前記金属メッシュ材52が設けられている。前記金属メッシュ材52は、耐熱性を有する補強部材の一例であり、本実施形態においては、前記膨張黒鉛層51aに接触した状態で前記ガスケット本体41の軸方向中途部に配置されている。
前記金属メッシュ材52は、前記ガスケット本体41の軸方向に関して所定幅を有しており、前記膨張黒鉛層51aのうち前記ガスケット本体41の最も径方向外側に位置する最外膨張黒鉛層51aに接触する部分においては、その幅方向両端部52a・52bがそれぞれ前記最外膨張黒鉛層51aにかかる後述の第1シール部53・第2シール部54の内側に連続するように設けられている。
前記金属メッシュ材52は、前記ガスケット本体41の外部(前記ガスケット本体41の径方向外側及び軸方向外側)に露出しないように、前記膨張黒鉛層51aによって囲まれている。なお、前記金属メッシュ材52は、前記ガスケット本体41の周方向に前記膨張黒鉛層51aに沿って切れ目なく延設しているが、前記膨張黒鉛層51aの間の一部領域にのみ設けてもよい。
前記金属メッシュ材52は、金属線がニット編又は袋編み等の所定の編み方(本実施形態においては、ニット編み)で網目状に編まれることにより、隙間を有するようにテープ状に形成された、柔軟性のある部材である。前記金属線としては、所定の線径(太さ)を有する金属線、例えば、0.1〜0.3mm(好ましくは、0.15mm)程度の直径を有するステンレス線が採用され得る。
また、前記ガスケット本体41は、前記第1シール部53と前記第2シール部54とを有している。前記第1シール部53は、圧縮変形しつつ前記第1フランジ11の第1フランジ面15の一部(前記第1圧接面23)と圧接し得るものである。前記第2シール部54は、圧縮変形しつつ前記第2フランジ12の第2フランジ面25の一部(前記第2圧接面33)と圧接し得るものである。
本実施形態において、前記ガスケット本体41は、軸方向一端側及び他端側で先細りする円筒形状を有している。すなわち、前記ガスケット本体41では、軸方向中途部から軸方向一端に向かって漸次縮径するテーパ状の第1外周テーパ部分が軸方向一端側に設けられ、軸方向中途部から軸方向他端側に向かって漸次縮径するテーパ状の第2外周テーパ部分が軸方向他端側に設けられている。
前記第1シール部53は、前記ガスケット本体41の軸方向他端側に設けられるとともに、前記ガスケット本体41の径方向外側に配置されている。具体的には、前記第1シール部53は、前記ガスケット本体41における前記第2外周テーパ部分及びその近傍に設けられている。こうして、前記第1シール部53が、軸方向他端側に向かって先細りとなるシール面を備える構成とされている。
前記第1シール部53は、第1テーパ部分53a、第2テーパ部分53b及び湾曲部分53cを有し、前記第1テーパ部分53a、前記第2テーパ部分53b及び前記湾曲部分53cをそれぞれ圧縮変形させつつ前記第1圧接面23と圧接し得るように構成されている。前記第2テーパ部分53bは、前記第1テーパ部分53aと異なるテーパ角度を有している。
詳しくは、前記第2テーパ部分53bは、前記第1テーパ部分53aと前記湾曲部分53cとの間に配置され、前記第1テーパ部分53aよりも大きなテーパ角度を有するように形成されている。前記湾曲部分53cは、前記第2テーパ部分53bと前記ガスケット本体41の軸方向他端部55との間に配置され、外側に向かって凸となる湾曲形状(R形状)に形成されている。
前記第2シール部54は、前記ガスケット本体41の軸方向一端側に設けられるとともに、前記ガスケット本体41の径方向外側に配置されている。具体的には、前記第2シール部54は、前記ガスケット本体41における前記第1外周テーパ部分及びその近傍に設けられている。こうして、前記第2シール部54が、軸方向一端側に向かって先細りとなるシール面を備える構成とされている。
前記第2シール部54は、第1テーパ部分54a、第2テーパ部分54b及び湾曲部分54cを有し、前記第1テーパ部分54a、前記第2テーパ部分54b及び前記湾曲部分54cをそれぞれ圧縮変形させつつ前記第2圧接面33と圧接し得るように構成されている。前記第2テーパ部分54bは、前記第1テーパ部分54aと異なるテーパ角度を有している。
詳しくは、前記第2テーパ部分54bは、前記第1テーパ部分54aと前記湾曲部分54cとの間に配置され、前記第1テーパ部分54aよりも大きなテーパ角度を有するように形成されている。前記湾曲部分54cは、前記第2テーパ部分54bと前記ガスケット本体41の軸方向一端部56との間に配置され、外側に向かって凸となる湾曲形状(R形状)に形成されている。
ここで、前記第1シール部53及び前記第2シール部54は、共に前記ガスケット本体41にあり、膨張黒鉛のみから形成されている。そのため、前記第1シール部53及び前記第2シール部54は、それぞれ、前記ガスケット本体41の内部に設けられた前記金属メッシュ材52に影響されることなく、前述の圧接に伴い所定量だけ圧縮変形可能となっている。
そのため、前記第1シール部53及び前記第2シール部54は、それぞれ、前記ガスケット1が前記第1排気管3の端部7に外嵌した後で(図7参照)、前記第1フランジ11における前記第1圧接面23及び前記第2フランジ12における前記第2圧接面33と圧接するとき(図1参照)、ガスケット潰し量が周方向にわたって略均一となるように圧縮変形し得るようになっている。
このような構成により、前記継手2の設置のため、前記ガスケット1を前記第1排気管3の端部7に外嵌させながら前記第1フランジ11と前記第2フランジ12とにより挟圧するとき、前記第1シール部53及び前記第2シール部54をそれぞれ前記第1圧接面23及び前記第2圧接面33に前記ガスケット本体41の周方向の略全周にわたって密に圧接させやすくなる。
したがって、前記ガスケット1によるシール性能の向上を図ることができる。しかも、前記ガスケット本体41において前記膨張黒鉛層51aの間に前記金属メッシュ材52を備えるので、前記ガスケット1について十分な強度を確保することが可能となる。また、前記ガスケット1に関して、前記第1排気管3に対する装着容易性(挿入性)を高めることができる柔軟性を得ることもできる。
また、本実施形態においては、図6に示すように、前記ガスケット1は、前記ガスケット本体41の径方向に関して、前記膨張黒鉛層51aと前記金属メッシュ材52とが交互に重なり合う断面形状を有している。すなわち、前記ガスケット本体41の軸心を含む断面視において、前記金属メッシュ材52が、隣り合う前記膨張黒鉛層51a間のいずれにも設けられている。
このような構成により、前記ガスケット1の周方向の略全周わたって、前記膨張黒鉛層51aと前記金属メッシュ材52との積層構造を得ることができる。したがって、前記ガスケット1の強度をさらに高めることができる。なお、ここでは、前記ガスケット1の柔軟性を考慮して、前記膨張黒鉛層51a及び前記金属メッシュ材52の各々の厚さが適宜設定される。
また、本実施形態においては、図6に示すように、前記ガスケット1は、別の金属メッシュ材57をさらに備えている。前記別の金属メッシュ材57は、前記ガスケット本体41の径方向内側に露出するように、前記ガスケット本体41の内周に設けられ、前記複数の膨張黒鉛層51aのうち最も径方向内側に位置する膨張黒鉛層51aと隣接するように配置されている。
前記別の金属メッシュ材57は、前記金属メッシュ材52と同様の構造をもち、これと一体構成されている。前記別の金属メッシュ材57は、前記ガスケット本体41の軸方向外側へ露出しないように、前記膨張黒鉛51に覆われている。そして、前記別の金属メッシュ材57は、前記第1排気管3の端部7への前記ガスケット1外嵌時に当該端部7と接触するように形成されている。
このような構成により、前記ガスケット1と前記第1排気管3の端部7とを装着しやすいものにでき、かつ、その装着作業時に前記ガスケット本体41に欠損が生じるように前記膨張黒鉛51の一部が大きく削り取られることを抑制できる。したがって、前記ガスケット1の装着容易性を高めることができるとともに、前記ガスケット1のシール性能の低下を防止できる。
また、本実施形態においては、図2、図3、図4及び図5に示すように、前記ガスケット本体41における前記第1シール部53と前記第2シール部54との間に、外周部58が設けられている。前記外周部58は、前記膨張黒鉛層51aのうち最も径方向外側に位置する膨張黒鉛層51aにより外部に露出するように形成された部分であり、径方向外側へ突出する突出部分58aを含んでいる。
そして、前記第1シール部53及び前記第2シール部54が、前述のように、それぞれ前記第1フランジ11の第1フランジ面15及び前記第2フランジ12の第2フランジ面25の一部に当接可能な先細り形状の前記シール面を有し、前記外周部58を挟んで対称的な形状(前記ガスケット本体41の軸心と直交し且つ軸方向中央を通る平面に対して対称的な形状)に形成されている。
この構成により、前記第1フランジ11及び前記第2フランジ12の各々の形状に合わせて、前記ガスケット1の第1シール部53を前記第1フランジ11における前記第1圧接面23に確実に強く押し付けることができるとともに、前記ガスケット1の第2シール部54を前記第2フランジ12における前記第2圧接面33に確実に強く押し付けることができる。
したがって、前記ガスケット1によるシール性能が低下することを防止できる。しかも、前記ガスケット1の装着後には、前記ガスケット1の向きにかかわらず、シール性能を確実に発揮させることが可能となる。そのため、前記ガスケット1の装着作業を行う際に、このガスケット1の向きを考慮しなくてもよくなるので、装着容易性をさらに高めることができる。
また、図6に示すように、前記ガスケット1は、前記ガスケット本体41の径方向へ鋭角状に屈曲する屈曲部51bを前記ガスケット本体41に備えている。本実施形態において、前記屈曲部51bは、前記膨張黒鉛層51aのうち前記最外膨張黒鉛層51aを用いて構成されており、前記ガスケット本体41の軸方向中途部に設けられている。
前記屈曲部51bは、前記ガスケット本体41の軸心と直交する断面視で前記最外膨張黒鉛層51aがV字状に屈曲することにより形成されている。こうして、前記屈曲部51bが、前記第1シール部53及び前記第2シール部54にて挟まれるように設けられている。なお、前記屈曲部51bに沿う屈曲部52cが、前記金属メッシュ材52に備えられている。
この構成により、前記ガスケット1が前記第1フランジ11と前記第2フランジ12とに挟圧される際、前記屈曲部51b(さらには前記屈曲部52c)の屈曲による反発力を利用して、前記第1シール部53が前記第1テーパ部18と接触するときの接触面圧、及び、前記第2シール部54が前記第2テーパ部28と接触するときの接触面圧を増加させることが可能となる。よって、前記第1シール部53及び前記第2シール部54に高いシール性を確保することができる。
また、図1、図3、図4、図5及び図9に示すように、前記ガスケット1は、第1凹部61を備えている。前記第1凹部61は、前記第2シール部54の圧接に伴う圧縮変形に従って移動する前記膨張黒鉛51からなる前記ガスケット本体41の一部を受け入れるために、前記第2シール部54の径方向内側に位置するように前記ガスケット本体41の軸方向一端側の内周縁部に設けられている。
前記第1凹部61は、略一定の径方向幅及び軸方向幅を有し、前記ガスケット本体41の内周方向全周にわたって環状(円環状)に延在するように形成されている。前記第1凹部61は、その内面の変位が前記第2シール部54の圧縮変形に伴い発生するように(図8(a)及び(b)参照)、前記第2シール部54をなす膨張黒鉛51と連続的に配置された膨張黒鉛51にて形成されている。
なお、前記第1凹部61の径方向幅は、前記第2シール部54におけるシール性能が損なわれないように、前記ガスケット本体41の径方向幅に対して適宜設定されている。また、前記第1凹部61の軸方向幅は、前記ガスケット本体41の強度が大きく損なわれないように、前記ガスケット本体41の軸方向幅に対して適宜設定されている。
前記第1凹部61の内面には、前記ガスケット本体41の軸心と略直交する平面に含まれる平坦部61aと、前記平坦部61aの径方向外側及び軸方向一端側に位置する傾斜部61bとが備えられている。前記傾斜部61bは、前記第1凹部61で最も前記第2シール部54側に位置しており、前記平坦部61aから軸方向一端側に向かって漸次拡径するように形成されている。
このような構成により、前記ガスケット1が前記第1排気管3の端部7に外嵌した状態で、前記ガスケット本体41が前記第1フランジ11と前記第2フランジ12とに挟圧された場合に、図8に示すように、前記第2シール部54が前記第2フランジ12との圧接により初期形状から圧縮変形する際、径方向内側へ移動する前記ガスケット本体41の一部を前記第1凹部61に収容できる。
したがって、前記第2シール部54の変形の発生した場合であっても、前記ガスケット本体41の内周縁部が前記第1排気管3の端部7に沿って前記第1排気管3よりも軸方向外側へ向かって押し上げられなくなる。そのため、前記第1排気管3における前記ガスケット1の固定位置にかかわらず、前記ガスケット本体41が当該端面21よりも飛び出すことを防止できる。
よって、前記第2シール部54におけるシール性能が損なわれないように、前記第2フランジ12の形状に合わせて、前記第2シール部54をなす前記膨張黒鉛51を十分な量だけ確保することが可能となる。その結果、前記第2シール部54におけるシール性能、ひいては前記ガスケット1によるシール性能を十分に且つ確実に発揮させることができる。
さらに、図1、図4及び図5に示すように、前記ガスケット1は、環状の第2凹部62を備えている。前記第2凹部62は、前記第1シール部53の圧接に伴う圧縮変形に従って移動する前記膨張黒鉛51からなる前記ガスケット本体41の他の一部を受け入れるために、前記第1シール部53の径方向内側に位置するように前記ガスケット本体41の軸方向他端側の内周縁部に設けられている。
詳しくは、前記第2凹部62は、前記第1凹部61と前記ガスケット本体41の外周部58を挟んで対称的に形成されている。こうして、前記第2凹部62の内面に、前記ガスケット本体41の軸心と略直交する平面に含まれる平坦部62aと、前記平坦部62aの径方向外側及び軸方向他端側に位置する傾斜部62bとが備えられている。
このような構成により、前記ガスケット1をその向きを逆にした状態で前記第1排気管3の端部7に外嵌してしまった場合であっても、前記第1凹部61に代えて前記第2凹部62を利用し、前記同様の効果を得ることができる。したがって、前記ガスケット1の装着作業を行う際に、このガスケット1の向きを考慮しなくてもよくなるので、装着容易性を高めることができる。
また、図3、図4、図5及び図9に示すように、前記ガスケット1は、突起部71を備えている。前記突起部71は、前記ガスケット本体41の内周で径方向内側へ突出するように、軸方向の一部に設けられている。そして、前記突起部71は、前記第1排気管3の端部7への外嵌時に前記ガスケット本体41内へ進入する当該端部7に一部を削り取られながら圧接するように構成されている。
本実施形態において、前記突起部71は、複数(3つ)設けられている。これらの複数の突起部71は、前記ガスケット1の周方向に関して所定間隔で配置されている。具体的には、前記複数の突起部71は、略120度間隔で略均等に配置されている。また、前記複数の突起部71は、それぞれ、前記ガスケット1の内周面において軸方向中途部に配置されている。
前記各突起部71は、主として膨張黒鉛を用いて構成されたものであり、前記複数の膨張黒鉛層51aのうち最も径方向内側に位置する膨張黒鉛層51aと一体構成されている。なお、前記各突起部71の表面には前記別の金属メッシュ材57を構成する金属線が重合する部分もあるが、これにより前記各突起部71の露出が大きく阻害されることはない。
前記各突起部71は、前記第1排気管3の端部7への外嵌時に前記ガスケット1内へ進入させる前記第1排気管3の端部7の挿入性が損なわれないように、また、前記各突起部71が挿入中の前記第1排気管3の端部7に当たって一部を削り取られた場合に当該端部7に圧接し得るように、前記ガスケット1の径方向に関して所定の突出量を有している。
このような構成により、図10(a)及び(b)に示すように、前記ガスケット1を前記第1排気管3の端部7に外嵌するために当該端部7を前記ガスケット1内へ進入させる際、前記各突起部71をその一部を削り取った前記第1排気管3の端部7と圧接させ、この端部7に対して前記ガスケット1を抜け止め保持できる。よって、前記ガスケット1の装着容易性を高めることができる。
また、本実施形態においては、前記複数の突起部71が前記ガスケット1の内周面に備えられているので、前記複数の突起部71の各々と前記第1排気管3の端部7とを良好に圧接させて、前記第1排気管3の端部7に対する前記ガスケット1の抜け止め効果を高めることができる。
なお、前記ガスケット1において、前記突起部71は本実施形態においては3つ設けているが、前記ガスケット1内への前記第1排気管3の端部7の挿入性等を考慮した任意の数だけ設けてもよい。
また、本実施形態においては、前記各突起部71は、前記ガスケット本体41の軸方向中途部に位置する頂部71aと、この頂部71aの軸方向他端側(前記第1排気管3の端部7の進入側)に位置する第1傾斜部71bとを有している。前記第1傾斜部71bは、前記各突起部71の突出量が前記頂部71aから軸方向他端側に向かうに従って徐々に小さくなる傾斜状に形成されている。
すなわち、前記各突起部71は、前記ガスケット本体41の軸心を含む断面視において、前記ガスケット本体41の径方向内側へ凸となる台形状(又は円弧状)に形成されている。これにより、前記ガスケット1内への前記第1排気管3の端部7の進入時、前記各突起部71の第1傾斜部71bに当たった後、前記第1排気管3の端部7をその進行方向に円滑に案内することが可能となる。
また、本実施形態においては、図5に示すように、前記各突起部71は、前記ガスケット本体41の軸方向に関して、前記頂部71aに対し前記第1傾斜部71bと反対側に位置する第2傾斜部71cとを有している。前記第2傾斜部71cは、前記各突起部71の突出量が前記頂部71aから軸方向一端側(反進入側)に向かうに従って徐々に小さくなる傾斜状に形成されている。
詳しくは、前記2傾斜部71cは、前記第1傾斜部71bと前記頂部71aを挟んで対称的に形成されている。これにより、外嵌のために前記ガスケット1内へ前記第1排気管3の端部7を逆の向きから挿入してしまった場合であっても、前記第1傾斜部71bに代えて前記第2傾斜部71cを利用し、前記第1排気管の端部の進入を円滑に行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、図11に示すように、前記金属メッシュ材52は、ステンレス線等の金属線78がニット編みで編まれてなる編物から構成されている。詳しくは、前記金属メッシュ材52は、前記金属線78をよこ方向から供給することによりループ52dをたて方向(長手方向)に連綴させる緯編の編物から構成されている。
そして、前記金属メッシュ材52は、前記ガスケット本体41に対して、前記ループ52dが概ね前記ガスケット1の軸方向に膨出しつつ周方向に向かって凸となる膨出形状をもつように設けられている。これにより、前記金属メッシュ材52は、前記ガスケット本体41(前記ガスケット1)に軸方向の弾性力を付与し得るようになっている。
したがって、前記ガスケット1が、前記ガスケット本体41の軸方向両側に配置された前記第1フランジ11の第1テーパ部18と前記第2フランジ12の第2テーパ部28とに挟圧されたとき、前記ループ52dが持つ弾性による反発力を利用して、前記第1シール部53及び前記第2シール部54の各々における接触面圧を維持、つまり、応力の緩和を抑制することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る排気管継手シール体(前記ガスケット1)の製造方法について説明する。
図12に、前記ガスケット1の製造方法の流れを示す。図13に、前記ガスケット1の製造方法における複合体形成工程の状態を示す。図14に前記複合体形成工程により得られる複合体83の、一部拡大図を含む図を示す。図15に、前記ガスケット1の製造方法における筒状体形成工程の状態を示す。図16に、前記ガスケット1の製造方法における圧縮成形工程の状態を示す。
図12に示すように、前記ガスケット1の製造方法には、素材準備工程(第1工程)S1と、複合体形成工程(第2工程)S2と、筒状体形成工程(第3工程)S3と、圧縮成形工程(第4工程)S4とが含まれている。そして、前記素材準備工程S1、前記複合体形成工程S2、前記筒状体形成工程S3及び前記圧縮成形工程S4が、この記載の順に進められるようになっている。
前記素材準備工程S1においては、耐熱性及び柔軟性を有する材料である、テープ状の膨張黒鉛81、及び、このテープ状の膨張黒鉛81よりもテープ面積が小さいテープ状の補強部材を準備する(図13参照)。このテープ状の補強部材は、ここではテープ状の金属メッシュ材82である。なお、前記テープ状の膨張黒鉛81が前記ガスケット本体41をなし、前記テープ状の補強部材が前記ガスケット1の補強部材をなす。
本実施形態において、前記テープ状の膨張黒鉛81及び前記テープ状の金属メッシュ材82は、それぞれ矩形状に形成されている。図13及び図14に示すように、前記テープ状の金属メッシュ材82は、前記テープ状の膨張黒鉛の長手方向長さと同程度の長手方向長さを有し、かつ、前記テープ状の膨張黒鉛81の短手方向幅よりも小さく短手方向幅を有している。
例えば、前記テープ状の膨張黒鉛81は、0.2〜0.3mm程度の厚さを有するように形づくられる。前記テープ状の金属メッシュ材82は、約0.15mmの直径を有する金属線84がニット編みで編まれてなる編物とされ、0.2〜0.3mm程度の厚さを有するよう形づくられる。
前記複合体形成工程S2においては、図13及び図14に示すように、前記複合体83を形成するため、前記テープ状の金属メッシュ材82の外周縁部が前記テープ状の膨張黒鉛81の外周縁部よりも内側に位置するようにこれら両者81・82を対向させた状態で、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82とを重なり合わせる。
前記テープ状の膨張黒鉛81は、短手方向の両側の各々で、その外周縁部が前記テープ状の金属メッシュ材82の外周縁部よりも外側へ飛び出るように設ける。本実施形態においては、前記テープ状の金属メッシュ材82を、前記テープ状の膨張黒鉛81の長手方向に沿って延設しつつ、前記テープ状の膨張黒鉛81の短手方向略中央に配置している。
すなわち、図14に示すように、前記テープ状の膨張黒鉛81の短手方向幅W1とし、前記テープ状の金属メッシュ材82の短手方向幅W2とした場合、前記複合体83において、前記テープ状の膨張黒鉛81がその短手方向両側にそれぞれ前記テープ状の金属メッシュ材82と所定の短手方向幅W3・W4だけ重合しない部分を備えるようにしている。
前記筒状体形成工程S3においては、図15に示すように、前記複合体83の短手方向を軸方向とする多重巻き状態のうず巻き筒状体85を形成すべく、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛81及び前記テープ状の金属メッシュ材82のうち前記テープ状の金属メッシュ材82が内側に位置するように前記複合体83をうず巻き状に巻回する。
前記圧縮成形工程S4においては、前記ガスケット1を得るため、前記うず巻き筒状体85を圧縮成形する。例えば、図16に示すように、前記ガスケット1の形状に対応する固定型86とこの固定型86に対して進退可能な可動型87とを準備し、前記固定型86及び前記可動型87を用いて前記うず巻き筒状体85を圧縮成形する。
具体的には、まず、前記うず巻き筒状体85を前記固定型86において内側固定型88に外嵌させつつこの内側固定型88と外側固定型89との間に設置する。次に、前記可動型87を、矢印90の方向へ移動させて、前記内側固定型88と前記外側固定型89との間に向かって押し込む。こうして、前記うず巻き筒状体85を圧縮成形する。
前記圧縮成形工程S4の終了により、前記膨張黒鉛51、前記金属メッシュ材52及び前記別の金属メッシュ材57を用いて構成された前記ガスケット1を得ることができる。なお、本実施形態においては、前記圧縮成形工程S4が、前記第1凹部61、前記第2凹部62及び前記突起部71を形成すべく、前記うず巻き筒状体85の圧縮成形を適宜行うようになっている。
このような構成により、前記ガスケット1に、前記膨張黒鉛51だけを用いて、前記第1排気管3の第1フランジ11(前記第1圧接面23)に密に圧接可能な前記第1シール部53と、前記第2排気管4の第2フランジ12(前記第2圧接面323)に密に圧接可能な前記第2シール部54とを備え得る。よって、シール性能を高めた前記ガスケット1を簡単に且つ確実に得ることができる。
しかも、前記ガスケット1の内周面においては、前記テープ状の金属メッシュ材82に由来する金属部分を比較的多く露出させやすくなるので、前記第1排気管3の端部7への前記ガスケット1の外嵌時に、前記金属部分により前記ガスケット本体41の内周面を前記第1排気管3の端部7から保護できる。つまり、前記膨張黒鉛51の一部が脱落することを抑制できる。
また、前記ガスケット1の製造方法においては、前記複合体形成工程S2が、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82とを互いに重なり合った状態に接着するための接着工程S3Aを含んでいる。前記接着工程S3Aは、ここでは図17に示すように、前記テープ状の金属メッシュ材82を前記テープ状の膨張黒鉛81に食い込せるものとなる。
詳しくは、図13に示すように、ロール部材91aを含む接着装置91等を用いて、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82とを対向させたものに対してローレット加工を施す。こうして、前記テープ状の金属メッシュ材82の隙間に前記テープ状の膨張黒鉛81の一部をはいり込ませて、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82とを接着する。
この接着物においては、図17に示すように、前記テープ状の金属メッシュ材82は、これをなす前記金属線84の一部を、その直径の約1/2以上の部分がめり込むように前記テープ状の膨張黒鉛81の一方の片面側に食い込ませるようになっている。こうして、前記接着物が、0.4〜0.6mm程度の厚さを有するよう形づくられ得るようになっている。
このような構成により、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82とが接着された前記接着物、即ち前記複合体83を得ることができる。したがって、前記筒状体形成工程S3において前記複合体83をうず巻き状に巻回する際、前記テープ状の膨張黒鉛81に対する前記テープ状の金属メッシュ材82の位置ズレを防止して、加工精度を上げることができる。
前記接着工程S3Aにおいては、前記テープ状の金属メッシュ材82を前記テープ状の膨張黒鉛81に食い込ませるので、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82との接着作業の簡略化を図ることができる。しかも、ここではローレット加工を用いるので、前記テープ状の膨張黒鉛81と前記テープ状の金属メッシュ材82との接着性の向上を容易に実現できる。
また、前記ガスケット1の製造方法においては、前記テープ状の金属メッシュ材82からなる前記テープ状の補強部材に代えて、別のテープ状の補強部材を用いることも可能である。この別のテープ状の補強部材としては、例えば、図18に示すような、筒状の金属メッシュ材93と、これに包囲されたテープ状の膨張黒鉛94とからなるテープ状部材95が挙げられる。
前記テープ状部材95は、前記テープ状の膨張黒鉛81と重なり合わせられることで複合体96を形成する。前記複合体96においては、図19に示すように、前記テープ状部材95は、前記筒状の金属メッシュ材93の一方の片面側をなす金属線98を、その直径の約1/2以上の部分がめり込むように前記テープ状の膨張黒鉛94に食い込ませ得るものとなる。
さらに、前記複合体96においては、図19に示すように、前記テープ状部材95は、前記筒状の金属メッシュ材93の他方の片面側をなす金属線99を、その直径の約1/3の部分がめり込むように前記テープ状の膨張黒鉛94に食い込ませ得るとともに、その直径の約2/3の部分がめり込むように前記テープ状の膨張黒鉛81に食い込ませ得るものとなる。
例えば、前記テープ状部材95は、前記筒状の金属メッシュ材93を約0.15mmの直径を有する金属線がニット編みで編まれてなる編物とされたうえで、これに前記テープ状の膨張黒鉛94を収容することにより0.3〜0.5mm程度の厚さを有するよう形づくられる。こうして、前記複合体96が、0.6〜1.1mm程度の厚さを有するよう形づくられ得る。
この場合には、得られるガスケット1の内周面において、当該ガスケット1の補強部材のうちの、前記筒状の金属メッシュ材93に由来する金属部分の露出を比較的少なくでき、これにより、前記第1排気管3の端部7への前記ガスケット1の外嵌時に、前記第1排気管3の端部7をガスケット本体41内へ進入させるための荷重を低減して、装着容易性の向上を図ることができる。
また、前記筒状の金属メッシュ材93を前記テープ状の膨張黒鉛94で拘束しながら前記ガスケット1の製造を行うことが可能となる。すなわち、前記筒状の金属メッシュ材93を極力偏らせないように保持しながら、前記圧縮成形工程S4を実施できる。よって、前記テープ状部材95(前記別のテープ状の補強部材)を用いて前記ガスケット本体41を有効に補強できる。
1 ガスケット(排気管継手シール体)
3 第1排気管
4 第2排気管
11 第1フランジ
12 第2フランジ
81 テープ状の膨張黒鉛
82 テープ状の補強部材
85 筒状体
95 テープ状の補強部材
S1 第1工程
S2 第2工程
S3 第3工程
S3A 接着工程
S4 第4工程

Claims (3)

  1. 第1排気管と第2排気管との間をシールするために、前記第1排気管の第1フランジと前記第2排気管の第2フランジとの間に介装され得る排気管継手シール体を製造するための方法であって、
    テープ状の膨張黒鉛と、この膨張黒鉛よりもテープ面積が小さく且つ耐熱性及び柔軟性のあるテープ状の補強部材とを準備する第1工程と、
    前記テープ状の補強部材の外周縁部が前記テープ状の膨張黒鉛の外周縁部よりも内側に位置するように前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを対向させた状態で、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを重なり合わせる第2工程と、
    前記テープ状の膨張黒鉛の短手方向を軸方向とする多重巻き状態の筒状体を形成すべく、互いに重なり合う前記テープ状の膨張黒鉛及び前記テープ状の補強部材をこれらのうち前記テープ状の補強部材が内側に位置するようにうず巻き状に巻回する第3工程と、
    前記筒状体を圧縮成形する第4工程とを含むことを特徴とする排気管継手シール体の製造方法。
  2. 前記第3工程が、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを接着する接着工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気管継手シール体の製造方法。
  3. 前記テープ状の補強部材が、前記テープ状の膨張黒鉛の一部がはいり込む隙間を有し、
    前記接着工程において、前記テープ状の膨張黒鉛と前記テープ状の補強部材とを接着するために、前記テープ状の補強部材を前記テープ状の膨張黒鉛に食い込ませることを特徴とする請求項2に記載の排気管継手シール体の製造方法。
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