JP2017014966A - 発電設備監視システム、計測装置、発電設備監視方法、およびプログラム - Google Patents

発電設備監視システム、計測装置、発電設備監視方法、およびプログラム Download PDF

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秀雄 宮内
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知喜 興津
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Abstract

【課題】導入が容易な発電設備監視システム、計測装置、発電設備監視方法、およびプログラムを提供する。【解決手段】発電設備監視システム1は、計測装置2と、判定装置3とを備えている。この発電設備監視システム1の監視対象である発電設備4は、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を回転子442に含んでいる。この発電設備4は、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを電力供給路52に出力するように構成されている。計測装置2は、電力変換器51と界磁巻線53との間を電気的に接続する界磁側電路54における電流波形を計測する。判定装置3は、計測装置2で計測された電流波形を用いて、発電設備4における回転子442に動力を与える回転ブロック41の異常の有無を判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、一般に発電設備監視システム、計測装置、発電設備監視方法、およびプログラムに関する。
従来、振動センサを用いて、風力発電装置のような発電設備の異常の有無を検知する発電設備監視システム(風力発電装置の状態監視装置)が提案されている(たとえば特許文献1参照)。特許文献1に記載の風力発電装置は、タワーの上部に設置されたナセルと、ブレードが取り付けられた回転体(ロータヘッド)とを有しており、回転体には、ナセルの内部に導入される主軸が接続されている。主軸は、出力軸に発電機が接続される増速機の入力軸に連結されている。
特許文献1に記載の発電設備監視システムは、主軸用の軸受の機械的な振動を検出する振動センサ、および風力発電装置に生じる機械的な振動を検出する振動センサを備えている。この発電設備監視システムは、これらの振動センサの出力を用いて、軸受の異常や、タワーの機械強度(剛性)の低下などを監視する。これらの振動センサは、たとえば圧電素子を用いた加速度センサによって構成され、風力発電装置で生じる機械的な振動を検出するために、振動の発生場所の近傍、つまりナセルの内部またはナセルの近傍に設けられる。
特開2015−72006号
しかし、上述したような従来の発電設備監視システムでは、振動センサを、振動の発生場所の近傍に設置する必要がある。したがって、たとえば風力発電装置の場合には、ナセルなどの高所に振動センサを設置する必要があるため、振動センサの設置に非常に手間がかかり、発電設備監視システムの導入の妨げとなっている。
本発明は上記事由に鑑みてなされており、導入が容易な発電設備監視システム、計測装置、発電設備監視方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の形態の発電設備監視システムは、電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置と、前記計測装置で計測された前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定する判定装置とを備えることを特徴とする。
第2の形態の発電設備監視システムは、第1の形態において、前記発電設備は、風力によって回転する風車を前記回転ブロックに含み、前記風車を回転可能に支持するナセルと、前記ナセルを支持するタワーとを備える風力発電設備であることを特徴とする。
第3の形態の発電設備監視システムは、第2の形態において、前記計測装置は、前記タワー内に設置され前記電流波形を計測するセンサを有することを特徴とする。
第4の形態の発電設備監視システムは、第1〜3のいずれかの形態において、前記判定装置は、前記電流波形の周波数解析結果に基づいて、前記異常の有無を判定するように構成されていることを特徴とする。
第5の形態の発電設備監視システムは、第4の形態において、前記判定装置は、前記電流波形の高調波成分に基づいて、前記異常の有無を判定するように構成されていることを特徴とする。
第6の形態の発電設備監視システムは、第1〜5のいずれかの形態において、前記判定装置は、前記計測装置から前記電流波形を表す波形データを取得する取得部と、前記取得部で取得された前記波形データを解析し、判定条件に従って前記異常の有無を判定する解析部と、前記解析部の判定結果を出力する出力部とを有することを特徴とする。
第7の形態の発電設備監視システムは、第6の形態において、前記判定装置は、前記取得部で取得された前記波形データを複数記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数の波形データに基づいて前記判定条件を更新する更新部とをさらに有することを特徴とする。
第8の形態の発電設備監視システムは、第7の形態において、前記判定装置は、互いにデータを伝送する第1装置と第2装置とを含んでおり、前記記憶部は前記第1装置に設けられ、前記解析部は前記第2装置に設けられていることを特徴とする。
第9の形態の発電設備監視システムは、第1〜8のいずれかの形態において、前記発電設備は、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機を複数有し、前記計測装置は、前記電流波形を計測するセンサを複数有し、前記複数のセンサは、前記複数の発電機に一対一に対応して設けられており、前記判定装置は、前記複数の発電機の各々について、前記複数のセンサのうち対応するセンサで計測された前記電流波形を用いて、前記異常の有無を判定するように構成されていることを特徴とする。
第10の形態の発電設備監視システムは、第1〜9のいずれかの形態において、前記計測装置は、前記発電設備の運転中において、定期的に前記電流波形を前記判定装置に出力するように構成されていることを特徴とする。
本発明の計測装置は、電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定するために、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測することを特徴とする。
この計測装置において、前記発電設備は、風力によって回転する風車を前記回転ブロックに含み、前記風車を回転可能に支持するナセルと、前記ナセルを支持するタワーとを備える風力発電設備であることが好ましい。
この計測装置は、前記タワー内に設置され前記電流波形を計測するセンサを有することが好ましい。
本発明の発電設備監視方法は、電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置から前記電流波形を取得し、前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、コンピュータを、電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置から前記電流波形を取得し、前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定する判定装置として機能させる。
本発明は、界磁側電路の電流波形に基づいて、発電設備で生じる機械的な振動を検出することなく回転ブロックの異常の有無を判定するので、従来例のように振動センサを用いる場合とは異なり、振動の発生場所の近傍に計測装置を設置する必要がない。したがって、本発明の発電設備監視システムは、従来例に比べて導入が容易になる、という利点がある。
実施形態に係る発電設備監視システムの基本構成を示すブロック図である。 実施形態に係る発電設備監視システムの具体的構成を示すブロック図である。 図3Aは異常ありの場合の電流波形の周波数スペクトルを示すグラフ、図3Bは異常なしの場合の電流波形の周波数スペクトルを示すグラフである。 実施形態に係る発電設備監視システムの適用例を示す概略図である。 図4に示す適用例における発電設備監視システムの動作を示すシーケンス図である。
(1)概要
本実施形態に係る発電設備監視システムは、回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電設備の監視に用いられる。この種の発電設備としては、たとえば風の力で風車を回転させる風力発電設備、水の力によって発電用水車を回転させる水力発電設備、蒸気や燃焼ガスによってタービンを回転させる火力発電設備および原子力発電設備などがある。他に、地熱発電設備、揚水発電設備、波力発電設備などもある。本実施形態では、風力発電設備の監視に用いられる発電設備監視システムを発電設備の例とする。
この種の発電設備は、回転子を回転させて電気エネルギーを発生させるため、回転子に動力を与える回転ブロックを備えている。ここでいう回転ブロックは、回転体(風力発電設備の場合は風車)と、回転体の回転に関連する部品(たとえば軸や軸受、歯車など)とを含む。この発電設備は、回転ブロックに含まれる少なくとも1つの部品の経年劣化等に起因して、回転ブロックに異常が生じる可能性がある。そして、回転ブロックに異常がある状態で発電設備が運転を続けていると、損傷の拡大などにより、発電設備の深刻な損傷につながる可能性もある。そこで、本実施形態の発電設備監視システムは、監視対象となる発電設備について回転ブロックの異常の有無を判定することにより、発電設備の状態を監視する。
この発電設備監視システムで回転ブロックに異常があると判定された場合、ユーザは、発電設備に深刻な損傷が発生する前に、発電設備のメンテナンス(点検および補修を含む)などの対策をとることができる。すなわち、この発電設備監視システムによれば、ユーザは、発電設備の損傷の予兆を検知し、実際に発電設備に深刻な損傷が発生するより前に適切な対策をとることで、損傷の拡大などを防止可能である。ここでいうユーザは、たとえば発電設備の運営や管理を行う事業主であって、企業等の組織であってもよいし、個人であってもよい。
本実施形態の発電設備監視システム1は、図1に示すように、計測装置2と、判定装置3とを備えている。この発電設備監視システム1の監視対象である発電設備(ここでは風力発電設備)4は、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を回転子442に含んでいる。この発電設備4は、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを電力供給路52に出力するように構成されている。計測装置2は、電力変換器51と界磁巻線53との間を電気的に接続する界磁側電路54における電流波形を計測する。判定装置3は、計測装置2で計測された電流波形を用いて、発電設備4における回転子442に動力を与える回転ブロック41の異常の有無を判定する。
なお、ここでいう回転ブロック41の異常は、回転ブロック41に関する異常全般を含んでおり、回転体410自体の異常(変形、破損等)の他、たとえば主軸や軸受、増速機などの異常も含んでいる。回転ブロック41の異常の具体例については、下記「(2.3)回転ブロックの異常」の欄で説明する。
要するに、本実施形態の発電設備監視システム1は、発電設備4における界磁巻線53と電力変換器51との間(界磁側電路54)で計測される電流波形を、回転ブロック41の異常の有無の判定に用いている。すなわち、発電設備4は、回転ブロック41から与えられる動力により回転子442が回転しているので、回転ブロック41に異常があれば、回転子442に設けられている界磁巻線53を流れる電流にも何らかの異常の兆候が表れることになる。そこで、本実施形態の発電設備監視システム1は、界磁巻線53に流れる電流を界磁側電路54の電流波形として監視し、この電流波形に表れる異常の兆候から、回転ブロック41の異常の有無を判定する。なお、ここでいう界磁側電路54の電流波形とは、界磁巻線53と電力変換器51との間、つまり界磁側電路54に流れる電流の波形を意味する。
この構成によれば、発電設備監視システム1は、発電設備4で生じる機械的な振動を検出することなく、回転ブロック41の異常の有無を判定することができる。つまり、本実施形態の発電設備監視システム1においては、回転ブロック41の異常の有無は、界磁側電路54の電流波形に基づいて判定できる。
したがって、本実施形態の発電設備監視システム1では、電流波形を計測するためのセンサを界磁側電路54に設置するだけでよく、従来例のように振動センサを用いる場合とは異なり、振動の発生場所の近傍に計測装置2を設置する必要がない。たとえば風力発電設備の場合には、電流波形を計測するためのセンサを地上付近に設置することができ、ナセル42(図2参照)の近傍(内部)などの高所に振動センサを設置する従来例に比べて、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。とくに、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を備える発電設備4には通常、ナセル42を支持するタワー43(図2参照)内に界磁側電路54が備わっている。そのため、既存の界磁側電路54を利用することで、既存の発電設備4を監視対象とする場合でも簡単に発電設備監視システム1を導入可能である。
(2)詳細
以下、本実施形態の発電設備監視システム1について詳しく説明する。ただし、以下に説明する発電設備監視システム1は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(2.1)発電設備について
以下ではまず、本実施形態の発電設備監視システム1の監視対象である発電設備4について説明する。
本実施形態では、発電設備4は、図2に示すように複数枚のブレード415を有する風車を回転体410として備えた、プロペラ形の風力発電設備である。この発電設備4は、回転体410の他に、回転体410を回転可能に支持するナセル42と、ナセル42を支持するタワー43とを備えている。ナセル42は、タワー43の上端部に取り付けられることで、地上数十メートル程度の高所に設置される。ナセル42内には、回転体410と共に回転ブロック41を構成する主軸411、軸受412、増速機413、およびブレーキ装置414が設けられている。さらに、ナセル42内には発電機44が設けられている。
図2の例においては、回転体410は、複数枚のブレード415、およびハブ416を有している。複数枚(ここでは3枚)のブレード415は、ハブ416を中心にして放射状に配置されており、ハブ416によって主軸411と連結されている。主軸411は、ナセル42内の軸受412にて回転可能に支持され、増速機413の入力軸に連結されている。増速機413の出力軸はブレーキ装置414を介して発電機44に接続されている。これにより、複数枚のブレード415に風を受けて回転体410が回転すると、回転体410の回転が増速機413にて増速されて発電機44へ伝達される。
発電機44は、図1に示すように、固定子(ステータ)441と回転子(ロータ)442とを有している。固定子441には電機子巻線が含まれており、回転子442には界磁巻線53が含まれている。固定子441の電機子巻線には電力供給路52が電気的に接続されている。界磁巻線53は、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続されている。電力変換器51は、BTB(Back To Back)方式のインバータからなる。ここで、電力供給路52と界磁巻線53との間の電路のうち、電力変換器51から見て界磁巻線53側の電路、つまり電力変換器51と界磁巻線53との間の電路が界磁側電路54となる。なお、界磁側電路54はスリップリングを含んでいる。
本実施形態では一例として、発電機44は二次励磁誘導発電機(DFIG:Doubly Fed Induction Generator)である。この発電機44は、界磁巻線53に流す電流を電力変換器51にて制御して可変速度運転を行うことで、電力系統7と同じ周波数(たとえば50〔Hz〕)の電圧を電力供給路52へ出力する。電力変換器51は、回転子442の回転速度(回転数)が同期速度未満である場合(次同期動作)、電力供給路52から界磁巻線53へ電力を供給する。一方、回転子442の回転速度が同期速度以上である場合(超同期動作)、電力変換器51は、界磁巻線53から電力供給路52へ電力を供給する。
上記構成の発電機44においては、回転子442がブレーキ装置414を介して増速機413の出力軸に接続されており、増速機413の出力軸が回転することにより、固定子441に対して相対的に回転する。回転子442が回転することで、固定子441の電機子巻線に接続されている電力供給路52には、発電機44から電力(電気エネルギー)が出力される。言い換えれば、発電機44は、回転ブロック41(回転体410、主軸411、増速機413、およびブレーキ装置414)から与えられる動力により回転子442が回転し、このときの回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して出力する。
電力変換器51は、タワー43の下部においてタワー43内に設置されている。界磁側電路54は、タワー43内を通して、ナセル42内の発電機44と、電力変換器51との間を電気的に接続している。なお、ここでは電力系統7としてU相、V相、W相の三相交流を想定しており、電機子巻線および界磁巻線53は各々、三相交流に対応して3個ずつ設けられている。また、電力供給路52および界磁側電路54についても、各々、三相交流に対応した三線式の被覆電線からなる。
発電機44には、電力供給路52によって系統連系設備6が電気的に接続されている。電力供給路52は、タワー43内を通して、ナセル42内の発電機44と、地上に設置された系統連系設備6との間を電気的に接続している。これにより、発電設備4で発電された電力は、電力供給路52を通して系統連系設備6へと送られることになる。言い換えれば、発電機44には、電力供給路52を介して系統連系設備6という「負荷」が電気的に接続されている。
なお、この発電設備4においては、風向きおよび風速を計測する風向・風速計がナセル42に設けられており、風向きや風速に応じた制御を行っている。つまり、発電設備4は、たとえばヨー駆動装置にて風向きに応じてナセル42を水平面に沿って回転させることにより、風向きに追従して効率的な発電を行う。また、発電設備4は、風速に応じてブレード415の取付角(ピッチ角)を変化させることにより、発電機44の出力(電力)を定格値に制御する。
(2.2)系統連系設備について
系統連系設備6は、発電設備4を電力系統7に連系させるための設備である。ここでは一例として、系統連系設備6はトランス61を備えている。電力供給路52はトランス61の一次巻線に電気的に接続されている。トランス61の二次巻線は電力系統7に電気的に接続されている。発電設備4の出力は、電力系統7の電圧および周波数に合わせて電力系統7に出力される。なお、系統連系設備6は、解列器を含む保護装置を備えていてもよい。
(2.3)回転ブロックの異常
上記「(2.1)発電設備について」の欄で説明した構成の発電設備4においては、回転ブロック41に、たとえば以下に説明するような異常が生じる可能性がある。
すなわち、発電設備4は、回転ブロック41に含まれる部品の経年劣化等に起因して、回転ブロック41に異常が生じる可能性がある。とくに風力発電設備のように自然エネルギーを利用して回転体410が回転する発電設備では、回転体410に作用する力の向きや大きさが変化しやすいため、経年劣化は避けられない問題である。
たとえば、風力発電設備において下から上に向かって突風が吹いた(吹き上がった)場合、回転体410には主軸411を傾ける向きの力が作用し、主軸411が軸受412をこじるようにして軸受412にストレスが掛かることになる。このようなストレスが繰り返し軸受412に掛かることで、軸受412が転がり軸受であれば、フレーキングによる損傷を生じることがある。なお、ここでいうフレーキングとは、転がり疲れによって転動面や軌道面に生じる剥離等である。
軸受412にフレーキングが生じると、軸受412で発生する損失が大きくなるので、発電設備4の発電効率が低下する。それだけでなく、このような状態で発電設備4が運転を継続していると、主軸411が傾いてミスアライメントが生じ、たとえば増速機413の歯車にずれが生じて歯車同士がこすれ、歯車に欠けや傷等の損傷を生じる可能性がある。このような損傷は、増速機413だけでなく、ブレーキ装置414や発電機44でも生じ得る。
要するに、回転ブロック41に何らかの異常(たとえば軸受412のフレーキング)がある状態で、発電設備4が運転すると、発電設備4の発電効率が低下するだけでなく、損傷の拡大などにより、発電設備4の深刻な損傷につながる可能性もある。そこで、本実施形態の発電設備監視システム1は、回転ブロック41の異常の有無を判定し判定結果をユーザに報知することにより、回転ブロック41の異常を早期にユーザに認識させる。
(2.4)発電設備監視システムの構成
まず、本実施形態の発電設備監視システム1の基本構成について図1を参照して説明する。
本実施形態では、計測装置2は、センサ21および信号処理部25を有している。センサ21は、たとえばCT(Current Transformer)センサなどの電流センサである。このセンサ21は、発電設備4のタワー43(図2参照)内に設置されており、界磁側電路54の電流波形を計測する。信号処理部25は、センサ21に電気的に接続されており、センサ21の出力を受けて、センサ21で計測された電流波形を表す波形データを生成する。
ここで、センサ21は、三相交流に対応した3線式の界磁側電路54の少なくとも1本に取り付けられていればよい。すなわち、界磁側電路54のいずれか1本にのみセンサ21が取り付けられていてもよいし、界磁側電路54の3本全てにセンサ21が取り付けられていてもよい。
判定装置3は、コンピュータを主構成とする。判定装置3は、界磁側電路54の電流波形を表す波形データを計測装置2から取得し、この波形データを解析することで、判定条件に従って回転ブロック41の異常の有無を判定する。
ところで、本実施形態における発電機44においては、上述したように、回転子442の回転速度が同期速度未満であるときの次同期動作と、回転子442の回転速度が同期速度以上であるときの超同期動作との、2種類の動作がある。そして、次同期動作と超同期動作とでは電力変換器51を通過する電力の向きが逆になる。本実施形態では、判定装置3は、基本的には電力供給路52から界磁巻線53へ電力が供給される次同期動作時における界磁側電路54の電流波形を用いて、回転ブロック41の異常の有無を判定する。ただし、判定装置3は、界磁巻線53から電力供給路52へ電力が供給される超同期動作時における界磁側電路54の電流波形を用いて、回転ブロック41の異常の有無を判定してもよい。
次に、本実施形態の発電設備監視システム1の具体的構成について図2を参照して説明する。
本実施形態においては、発電設備監視システム1を構成する計測装置2と判定装置3とは、インターネットなどのネットワーク8に接続されており、互いに通信可能に構成されている。そのため、判定装置3は、計測装置2で計測された電流波形を、ネットワーク8を介して取得することができる。判定装置3は、計測装置2から取得した電流波形を用いて、発電設備4における回転ブロック41の異常の有無を判定する。ネットワーク8には、ユーザの管理下にある管理サーバ91が接続されている。本実施形態では、ユーザは発電設備4の運営や管理を行う事業主であって、企業等の組織である。
ここではまず、計測装置2について説明する。計測装置2は、センサ21と、第1通信ユニット22と、第2通信ユニット23と、ゲートウェイ24とを有している。以下では、信号処理部25(図1参照)の機能はセンサ21に含まれていることとする。
センサ21は、界磁側電路54を流れる電流を計測し、その電流波形を計測する。センサ21は、タワー43内のうち、電力変換器51に近いタワー43下部に設置されている。言い換えれば、センサ21は地上付近に設置されている。センサ21は、第1通信ユニット22と電気的に接続されており、計測した電流波形を表す波形データを、第1通信ユニット22に出力可能に構成されている。なお、センサ21としては、種々のセンサを適用可能であるが、たとえばクランプ式のセンサ等、界磁側電路54の接続を解除することなく界磁側電路54に後付け可能な構成であることが好ましい。
第1通信ユニット22は、第2通信ユニット23との間で、互いにデータを伝送可能に構成されている。第1通信ユニット22と第2通信ユニット23との間の通信は、たとえば920〔MHz〕帯の特定小電力無線など、電波を伝送媒体に用いた無線通信により実現される。ただし、第1通信ユニット22と第2通信ユニット23との間の通信方式は、この例に限らず、たとえば通信事業者が提供する3G(第3世代)回線等の携帯電話網(キャリア網)を用いた通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
ゲートウェイ24は、第2通信ユニット23と電気的に接続されている。さらに、ゲートウェイ24は、いわゆるモバイルルータのように、通信事業者が提供する3G(第3世代)回線等の携帯電話網(キャリア網)を通してネットワーク8としてのインターネットに接続する機能とを備えている。ただし、ゲートウェイ24は、この構成に限らず、携帯電話網を通さずにネットワーク(インターネット)8に接続される構成であってもよい。
上述した構成により、計測装置2では、センサ21で計測された電流波形が、波形データとして第1通信ユニット22および第2通信ユニット23を介してゲートウェイ24に送信される。ゲートウェイ24は、取得した波形データを、ネットワーク8を介して判定装置3に送信する。なお、ゲートウェイ24は、第1通信ユニット22および第2通信ユニット23を介してセンサ21から取得(収集)したデータ(波形データ)を保存するデータロガーとしての機能を有している。
本実施形態では、計測装置2は、発電設備4の運転中において、定期的に電流波形を判定装置3に出力するように構成されている。ここでいう発電設備4の運転中は、発電設備4において回転体410が回転することにより所定の下限値以上の電力が生成されている状態である。具体的には、発電設備4には発電設備4が運転中か否かを表す状態信号を出力する機能がある。計測装置2は、この状態信号を発電設備4から受信し、発電設備4が運転中である期間に限り、電流波形を判定装置3に出力する。ここで、計測装置2は、所定の計測周期(たとえば4時間)で電流波形の計測を行い、計測開始時点で発電設備4が運転中であれば、電流波形を判定装置3に出力する。
計測周期は、センサ21のタイマにて計時されていてもよいし、ゲートウェイ24のタイマにて計時されてもよい。ゲートウェイ24のタイマで計測周期を計時する場合には、管理サーバ91にてゲートウェイ24にアクセスすることにより、計測周期が遠隔で設定(変更)可能となる。
なお、計測装置2の動作電力は、電力系統7から供給されていてもよいし、発電設備4から供給されていてもよい。
次に、判定装置3について説明する。判定装置3は、取得部31と、解析部32と、出力部33と、記憶部34と、更新部35とを有している。
取得部31は、計測装置2から電流波形を表す波形データを取得する。ここでは、取得部31は、ネットワーク8を介して計測装置2のゲートウェイ24から波形データを取得するように構成されている。取得部31が取得する波形データは、電流波形に対し圧縮等を除いて加工が施されておらず、電流波形そのものを表す生データである。ここでは、所定時間(たとえば数秒から1分程度)にセンサ21にて計測された電流波形が、1つの波形データを構成する。本実施形態では、波形データは一例として1相につき200〔Kbyte〕程度のwavファイルである。
解析部32は、取得部31で取得された波形データを解析し、判定条件に従って(回転ブロック41の)異常の有無を判定する。本実施形態では、判定装置3は、電流波形の周波数解析結果に基づいて、(回転ブロック41の)異常の有無を判定する。具体的には、解析部32は、波形データに対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を施すことにより、電流波形の周波数スペクトルを求める。そして、解析部32は、この周波数スペクトルを解析し、判定条件に従って異常の有無を判定する。
ここで、解析部32で用いられる判定条件としては、予め定められた固定条件と、随時更新される変動条件とがある。解析部32が固定条件と変動条件とのいずれの判定条件を用いて判定を行うかは、たとえばユーザからの指示に従って、任意に設定される。
出力部33は、解析部32の判定結果を出力する。ここでは、出力部33は、ネットワーク8を介して管理サーバ91へ判定結果を送信するように構成されている。出力部33が出力する判定結果は、少なくとも回転ブロック41の異常の有無を表すデータであり、たとえば異常の発生箇所や異常のレベル(異常の度合い)、対策などを表すデータを含んでいてもよい。なお、ここでいう判定結果の出力には、判定結果の提示(表示、音声出力、印刷など)や通知などを含む。
また、記憶部34は、取得部31で取得された波形データを複数記憶する。ここでいう複数の波形データは、1つのセンサ21で複数回計測することによって得られた複数の波形データであってもよいし、複数のセンサ21で計測することによって得られた複数の波形データであってもよい。さらに、複数のセンサ21で複数回計測することによって得られた複数の波形データであってもよい。センサ21が複数あることについては、下記「(2.6)発電設備監視システムの適用例」の欄で説明する。
更新部35は、記憶部34に記憶された複数の波形データに基づいて判定条件を更新する。つまり、解析部32で用いられる判定条件(変動条件)は、記憶部34に記憶された複数の波形データに基づいて更新部35にて随時更新される。言い換えれば、解析部32での判定のためのアルゴリズムは、機械学習により自動的に生成されることになる。複数のセンサ21で複数回計測することによって得られた多数の波形データが記憶部34に記憶されている場合には、これら多数の波形データ、いわゆるビッグデータに基づいて、判定条件が自動的に更新されることになる。
上述した構成により、判定装置3では、計測装置2で計測された電流波形を用いて、発電設備4における回転ブロック41の異常の有無を判定することができ、その判定結果を管理サーバ91に出力できる。したがって、管理サーバ91においては、回転ブロック41の異常の有無の判定結果をユーザに提示することが可能となる。その結果、ユーザは、発電設備に深刻な損傷が発生する前に、発電設備のメンテナンス(点検および補修を含む)などの対策をとることができる。
また、解析部32で用いられる判定条件(変動条件)は、更新部35にて自動的に更新されるので、この変動条件を解析部32が適用することによって、判定装置3での判定精度の向上を図ることができる。すなわち、様々なシチュエーションで得られた複数の波形データが反映されることで、判定条件として、より適当な条件が用いられることになるので、固定条件のように予め決められている判定条件を用いる場合に比べると、判定精度が向上する。
(2.5)判定装置の判定動作
次に、回転ブロック41の異常の有無を判定するための判定装置3の動作について、もう少し詳しく説明する。
ここでは、解析部32での高速フーリエ変換により、たとえば図3Aおよび図3Bに示すような電流波形の周波数スペクトルが得られた場合を想定する。図3Aおよび図3Bでは、横軸が周波数、縦軸が強度を表しており、図3Aが異常ありの場合、図3Bが異常なしの場合を表している。
このように、回転ブロック41に異常が生じると、電流波形に何らかの変化が生じるため、判定装置3はこの変化を検出することで、異常の有無を判定することが可能である。具体的には、解析部32は、図3Bに示すような正常時(異常なし時)の周波数スペクトルをテンプレートとして用い、テンプレートマッチングにより異常の有無を判定できる。この場合、解析部32は、実際に得られた周波数スペクトルと、テンプレートとの対比を行い、その一致度が所定値以上であれば異常なしと判定し、一致度が所定値未満であれば異常ありと判定する。
また、解析部32は、テンプレートマッチングに限らず、たとえば波形データまたは周波数スペクトルから特徴量を抽出し、この特徴量に基づいて異常の有無を判定してもよい。一例として、判定装置3は、電流波形の高調波成分に基づいて、(回転ブロック41の)異常の有無を判定することも可能である。この場合、解析部32は、たとえば特定の高調波成分が所定の閾値未満であれば異常なしと判定し、閾値以上であれば異常ありと判定する。
ここで、解析部32は、異常ありと判定する場合、異常のレベル(異常の度合い)まで評価する構成であってもよい。つまり、たとえば1〜99の99段階で異常のレベルを評価することで、解析部32は、軽度の異常と重度の異常とを区別して判定することができる。異常のレベルは、得られた周波数スペクトルとテンプレートとの一致度などに応じて決定される。
なお、判定装置3は、回転ブロック41の異常の有無の判定に、計測装置2で計測された電流波形を用いればよい。ここで挙げた判定のアルゴリズムは一例に過ぎず、具体的な判定のアルゴリズムについては適宜設定可能である。
(2.6)発電設備監視システムの適用例
(2.6.1)構成
次に、上述したような発電設備監視システム1の具体的な適用例について、図4を参照して説明する。
図4の例では、判定装置3は、互いにデータを伝送する第1装置11と第2装置12とを含んでいる。そして、判定装置3を構成する取得部31、解析部32、出力部33、記憶部34、および更新部35は、第1装置11と第2装置12とに分散して設けられている。ここでは、少なくとも記憶部34は第1装置11に設けられ、解析部32は第2装置12に設けられている。第1装置11には、記憶部34の他に、取得部31および出力部33が設けられている。第2装置12には、解析部32の他に、更新部35が設けられている。
これにより、第1装置11は、判定装置3の機能のうち、波形データの蓄積、および判定結果の出力(提示、通知)の機能を担うことになる。さらに、第1装置11は、ユーザを識別するためのユーザID(identification)や、ログデータを管理する機能を有している。一方、第2装置12は、判定装置3の機能のうち、波形データの解析、回転ブロック41の異常の有無の判定、および判定条件の更新の機能を担うことになる。すなわち、判定装置3の機能は第1装置11と第2装置12とに分散して実装されており、第1装置11と第2装置12とが協働することによって判定装置3が実現される。
本実施形態では、第1装置11および第2装置12は、それぞれクラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されている。さらに詳しく説明すると、第1装置11は「A国」に設置・構築されたパブリッククラウド、第2装置12は「B国」に設置・構築されたプライベートクラウドである。つまり、判定装置3は、パブリッククラウドとプライベートクラウドとを組み合わせた、いわゆるハイブリッドクラウドにて実現される。ここでいう「A国」は、発電設備4が設置された国であって、ユーザの属する国でもある。一方、「B国」は、「A国」とは別の国である。つまり、第1装置11と第2装置12とは異なる国に設置されているが、インターネットからなるネットワーク8を通じて互いに通信可能である。ここで、第1装置11は、記憶部34を含む関係上、第2装置12に比べてストレージ容量の大きなクラウドが用いられる。
また、第1装置11は、計測装置2との間で暗号化されていない状態のデータ、つまり平文を用いて通信を行う。同様に、第1装置11は、第2装置12との間でも、平文を用いて通信を行う。これにより、法令などによって平文の使用が義務付けられている国・地域であっても、第1装置11の運用が可能となる。したがって、たとえば「A国」で平文の使用が義務付けられているとしても、第1装置11の運用が可能となる。ただし、暗号化されたデータを用いた通信が許容されている国・地域においては、この限りではなく、第1装置11は、暗号化された状態のデータを用いて通信してもよい。
また、図4の例では、発電設備4は、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nを有している。複数基の風力発電装置401,402,403,…40nの各々は、「(2.1)発電設備について」の欄で説明した発電設備4と同様に、固定子441および回転子442を具備する発電機44を有している。つまり、図4の例における発電設備4は、回転子442のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電機44を複数有している。
複数基の風力発電装置401,402,403,…40nは「発電設備群」を構成する。「発電設備群」を構成する複数基の風力発電装置401,402,403,…40nは、たとえば数十〔m〕〜数〔km〕の間隔で設置されている。
さらに、計測装置2は、複数のセンサ211,212,213,…21nを有している。複数のセンサ211,212,213,…21nの各々は、「(2.4)発電設備監視システムの構成」の欄で説明したセンサ21と同様に、界磁側電路54を流れる電流を計測し、その電流波形を計測する。
ここで、複数のセンサ211,212,213,…21nは、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nに一対一に対応して設けられている。言い換えれば、複数のセンサ211,212,213,…21nは、複数の(風力発電装置401,402,403,…40nの)発電機44(図1参照)と一対一に対応して設けられている。つまり、複数のセンサ211,212,213,…21nは、それぞれ対応する風力発電装置401,402,403,…40nにおける界磁側電路54に取り付けられている。複数のセンサ211,212,213,…21nは「センサ群」を構成する。なお、図4では、複数のセンサ211,212,213,…21nが、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nとそれぞれ界磁側電路54を介して接続されているが、これは両者の対応関係を模式的に表しているに過ぎない。実際には、複数のセンサ211,212,213,…21nは、複数基の風力発電装置401,402,403,…40n内において、それぞれ界磁側電路54に取り付けられる。
複数のセンサ211,212,213,…21nの各々には、第1通信ユニット22(図2参照)が接続されている。ゲートウェイ24には、第2通信ユニット23(図2参照)が1台接続されている。これにより、「センサ群」を構成する複数のセンサ211,212,213,…21nとゲートウェイ24との間において、多対一の通信が可能になる。
したがって、複数のセンサ211,212,213,…21nで計測された波形データは、複数のセンサ211,212,213,…21nの各々に接続された第1通信ユニット22から第2通信ユニット23に送信され、1台のゲートウェイ24に集約される。このようにして、計測装置2は、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nにて計測された波形データを、1台のゲートウェイ24にて収集する。
ここで、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nの個々を特定するための識別子が予め設定されており、複数のセンサ211,212,213,…21nの各々には、対応する風力発電装置の識別子が対応付けられている。さらに、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nの各々には、識別子に加えて、それぞれの運営や管理を行う事業主のユーザIDが対応付けられている。これにより、発電設備監視システム1は、ユーザIDに基づき、ユーザに対し、ユーザ自らが運営、管理する風力発電装置401,402,403,…40nの異常の有無の情報を、提示することが可能である。
ここで、判定装置(第1装置11および第2装置12)3は、複数の発電機44の各々について、複数のセンサ211,212,213,…21nのうち対応するセンサで計測された電流波形を用いて、異常の有無を判定するように構成されている。すなわち、本実施形態においては、判定装置3は、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nの各々について、回転ブロック41の異常の有無を個別に判定することができる。この場合、判定装置3の出力部33は、少なくとも回転ブロック41の異常の有無に加え、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nのうちの判定の対象としている風力発電装置を特定する情報(識別子)を、判定結果として出力する。
また、図4の例においては、管理サーバ91に接続可能なモニタ92および携帯端末93が設けられている。モニタ92および携帯端末93は、ユーザの管理下にあり、管理サーバ91に接続することで、管理サーバ91のユーザインタフェースとして機能する。したがって、管理サーバ91は、判定装置3の判定結果を受けた場合に、この判定結果をモニタ92や携帯端末93に表示させることにより、判定結果をユーザに提示することができる。ここで、モニタ92や携帯端末93には、判定装置3の判定結果だけでなく、記憶部34に記憶されている波形データなども表示可能である。なお、携帯端末93は、管理サーバ91との間で無線通信可能な情報端末であり、たとえばスマートフォン、タブレット端末等である。
また、図4の例では、判定装置(第1装置11および第2装置12)3の保守、管理を行うための保守端末94が設けられている。保守端末94は、第1装置11および第2装置12の各々との間で通信可能に構成されている。保守端末94はネットワーク8を介して第1装置11および第2装置12に接続されていてもよいし、専用回線を介して第1装置11および第2装置12に接続されていてもよい。保守端末94は、発電設備監視システム1を運営する管理者によって管理されており、判定装置(第1装置11および第2装置12)3との通信により、判定装置3の各種設定の変更や、ユーザ(ユーザID)の登録や変更などを行う。また、保守端末94は、判定装置3の判定結果等、判定装置3の動作状態を確認する機能も有している。
(2.6.2)動作
次に、図4に示すように構成された発電設備監視システム1の動作について、図5を参照して説明する。
この発電設備監視システム1では、計測装置2は、定期的に電流波形を計測し、この電流波形を表す波形データをゲートウェイ24から、ネットワーク8経由で判定装置3の第1装置11に送信する(S1)。このとき、計測装置2は、複数のセンサ211,212,213,…21nの各々で計測された電流波形をゲートウェイ24にてバッファリングし、第1装置11に送信する。また、波形データには、複数基の風力発電装置401,402,403,…40nのうち計測対象の風力発電装置を特定する情報(識別子)が、補足データとして付加されている。
第1装置11は、ゲートウェイ24から波形データを受信すると、この波形データを記憶部34に蓄積する(S2)。このとき、第1装置11は、波形データを、風力発電装置401,402,403,…40nごとに、時系列に沿って記憶する。第1装置11にて記憶された波形データは、自動的に消去されることはなく、保守端末94にて所定の操作がなされるまで記憶部34に残ることになる。さらに、第1装置11は、波形データをネットワーク8経由で第2装置12に送信する(S3)。
第2装置12は、第1装置11から波形データを受信すると、解析部32にて、この波形データを解析し、回転ブロック41の異常の有無の判定を行う(S4)。このとき、第2装置12は、波形データと、波形データの解析により得られた解析データとをストレージに一時的に記憶し、基本的には、判定結果が出た時点でストレージ上の波形データおよび解析データを自動的に消去する。ただし、第2装置12は、異常あり、との判定結果が得られた場合には、更新部35にて判定条件の更新に用いるため、波形データおよび解析データを消去せずに一定期間保持する。つまり、第1装置11に記憶される多数のデータ(ビッグデータ)のうち、発電設備4の損傷の予兆となるデータに関しては、第2装置12に保存することにより、更新部35での判定条件の更新に用いられる。第2装置12は、判定結果をネットワーク8経由で第1装置11に送信する(S4)。
第1装置11は、第2装置12から判定結果を受信すると、出力部33にて、判定結果を出力するための電子メールを作成する(S6)。ここで、第1装置11は、Webサーバとして、判定結果を表すWebページを提供する。そのため、電子メールには、インターネット上の判定結果を表すWebページのURL(Uniform Resource Locator)が含まれている。第1装置11は、作成した電子メールを通知メールとして、ネットワーク8経由で管理サーバ91へ送信する(S7)。
管理サーバ91は、通知メールを受信すると、モニタ92や携帯端末93へ通知メールを転送する。これにより、ユーザにおいては、モニタ92や携帯端末93を操作することで、通知メール内のURLより、判定結果を表すWebページにアクセス可能となる。ユーザが、URLにアクセスすると、管理サーバ91から第1装置11にリクエストが送信される(S8)。その結果、モニタ92や携帯端末93のWebブラウザ機能により、Webページ上の判定結果が閲覧可能になる。つまり、この場合、管理サーバ91は、モニタ92や携帯端末93と、ネットワーク8との間に、Webアクセス制御を行うプロキシ(Proxy)サーバとして機能する。
(2.7)故障率曲線
本実施形態の発電設備監視システム1では、軸受412のフレーキングのように、正常に発電設備4が使用されているうちに回転ブロック41に生じる経年劣化を、回転ブロック41の異常として判定の対象としている。そのため、本実施形態の発電設備監視システム1は、たとえば竜巻による回転ブロック41の破損など、突発的に生じる損傷については、回転ブロック41の異常と判定しない。この点について、以下に詳しく説明する。
本実施形態では、解析部32は、機械の時間経過に伴う故障率の変化を表す故障率曲線、いわゆるバスタブ曲線に従って、異常の有無を判定する。すなわち、バスタブ曲線によれば、稼働開始時点からの経過時間によって、初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期の3つの期間に分けられる。そこで、解析部32は、異常ありとの判定結果を、初期故障期および摩耗故障期でのみ有効にし、偶発故障期においては、異常ありとの判定結果を無効とするように構成されていてもよい。または、解析部32は、偶発故障期においては、初期故障期および摩耗故障期に比べて異常の有無を判定するための閾値を高く設定し、異常ありと判定しにくくなるように構成されていてもよい。なお、発電設備4の現在の状態が、初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期のいずれに該当するかについては、解析部32で異常ありと判定される頻度、および異常のレベルによって判断することが可能である。
(3)効果
以上説明した本実施形態の発電設備監視システム1によれば、界磁巻線53に流れる電流を界磁側電路54の電流波形として監視し、この電流波形に表れる異常の兆候から、回転ブロック41の異常の有無を判定する。そのため、発電設備監視システム1で回転ブロック41に異常があると判定された場合、ユーザは、発電設備4に深刻な損傷が発生する前に、発電設備4のメンテナンス(点検および補修を含む)などの対策をとることができる。すなわち、この発電設備監視システム1によれば、ユーザは、発電設備4の損傷の予兆を検知し、実際に発電設備4に深刻な損傷が発生するより前に適切な対策をとることで、損傷の拡大などを防止可能である。言い換えれば、発電設備監視システム1では発電設備4の損傷を予測しているので、ユーザは、発電設備4の保守、管理を計画的に行うことができる。その結果、発電設備4の深刻な損傷による発電設備4の運転停止を回避可能となり、発電設備4の稼働率の向上にも寄与する。
しかも、この発電設備監視システム1では、発電設備4で生じる機械的な振動を検出することなく、回転ブロック41の異常の有無を判定することができる。つまり、本実施形態の発電設備監視システム1においては、回転ブロック41の異常の有無は、界磁側電路54の電流波形に基づいて判定できる。
したがって、本実施形態の発電設備監視システム1では、電流波形を計測するためのセンサ21を界磁側電路54に設置するだけでよく、従来例のように振動センサを用いる場合とは異なり、振動の発生場所の近傍に計測装置2を設置する必要がない。そのため、本実施形態の構成によれば、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。
また、回転ブロック41の異常の有無の判定に界磁側電路54の電流波形が用いられることで、電力供給路52の電流波形を用いた判定と比較して判定精度が向上する、という利点がある。すなわち、電力供給路52に電気的に接続される負荷(発電設備4を含む)、またはトランス61を介して電力供給路52に接続された電力系統7の影響で、電力供給路52上にノイズが生じることがある。界磁側電路54は電力変換器51と界磁巻線53との間の電路であるから、界磁側電路54と電力供給路52との間には電力変換器51が介在し、界磁側電路54は電力変換器51を介して電力供給路52に接続されることになる。そのため、電力供給路52上のノイズは直接的には界磁側電路54に影響せず、界磁側電路54の電流波形は電力供給路52上のノイズの影響を受けにくい。したがって、本実施形態の構成によれば、電力供給路52上のノイズが判定結果に影響しにくく、電力供給路52の電流波形を用いた判定と比較して判定精度が向上する。
また、本実施形態のように、発電設備4は、風力によって回転する風車(回転体410)を回転ブロック41に含み、風車を回転可能に支持するナセル42と、ナセル42を支持するタワー43とを備える風力発電設備であることが好ましい。この構成によれば、電流波形を計測するためのセンサ21を地上付近に設置でき、ナセル42の近傍(内部)などの高所に振動センサを設置する従来例に比べて、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。とくに、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を備える発電設備(風力発電設備)4には通常、タワー43内に界磁側電路54が備わっている。そのため、既存の界磁側電路54を利用することで、既存の発電設備4を監視対象とする場合でも簡単に発電設備監視システム1を導入可能である。さらに、センサ21自体のメンテナンスが容易である、という利点もある。
さらにこの場合において、計測装置2は、タワー43内に設置され電流波形を計測するセンサ21を有することが好ましい。この構成によれば、発電設備(風力発電設備)4自体のメンテナンスのために、通常、人の出入りが容易な構造であるタワー43内に、センサ21が設置されるので、発電設備監視システム1の導入が容易になる。なお、ここでいうタワー43内とはタワー43の内部であればよく、たとえばタワー43内に配置された配電盤内であってもよいし、地上に限らず地下(地中)であってもよい。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、センサ21はタワー43の外部に設置されてもよい。
また、本実施形態のように、判定装置3は、電流波形の周波数解析結果に基づいて、異常の有無を判定するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、判定装置3は、電流波形に対し、高速フーリエ変換などの周知の演算処理を施すことにより、異常の有無を判定することができる。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、判定装置3は、周波数解析結果以外の情報から異常の有無を判定してもよい。
とくに、判定装置3は、電流波形の高調波成分に基づいて、異常の有無を判定するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、回転ブロック41の異常の影響が出やすい高調波成分から異常の有無を判定するため、異常の有無の判定精度が高くなる。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、判定装置3は、高調波成分以外の成分から異常の有無を判定してもよい。
また、本実施形態のように、判定装置3は、計測装置2から波形データを取得する取得部31と、取得部31で取得された波形データを解析し、判定条件に従って異常の有無を判定する解析部32と、判定結果を出力する出力部33とを有することが好ましい。この構成によれば、解析部32で用いられる判定条件を変更することで、異常の有無の判定精度の向上を図ることができる。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、たとえば取得部31、解析部32、および出力部33の少なくとも1つが省略されていてもよい。
この場合、本実施形態のように、判定装置3は、取得部31で取得された波形データを複数記憶する記憶部34と、記憶部34に記憶された複数の波形データに基づいて判定条件を更新する更新部35とをさらに有することが好ましい。この構成によれば、解析部32で用いられる判定条件が、更新部35にて自動的に更新されるので、異常の有無の判定精度の向上を図ることができる。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、記憶部34および更新部35は省略されていてもよい。
さらにこの場合、本実施形態のように、判定装置3は、互いにデータを伝送する第1装置11と第2装置12とを含んでおり、記憶部34は第1装置11に設けられ、更新部35は第2装置12に設けられていることが好ましい。この構成によれば、ストレージ容量を大きく確保する必要があるのは、記憶部34を含む第1装置11についてのみでよく、第2装置12のストレージ容量を小さくできる。しかも、判定条件(判定のためのアルゴリズム)など、秘匿性の高いプログラムは第2装置12で実行されるので、第2装置12にプライベートクラウドを用いるなど、第2装置12のセキュリティを高くすることで、デッドコピーを防ぐことができる。この場合に、第1装置11については平文を用いることにより、法令などによって平文の使用が義務付けられている国・地域であっても、第1装置11の運用が可能となる。
また、本実施形態のように、発電設備4は、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機44を複数有し、計測装置2は、電流波形を計測するセンサ(211,212,213,…21n)を複数有することが好ましい。この場合、判定装置3は、複数の発電機44の各々について、対応するセンサ21で計測された電流波形を用いて、異常の有無を判定する。この構成によれば、発電設備監視システム1は、1台の判定装置3にて、複数の発電機44、つまり風力発電設備の場合には複数基の風力発電装置401,402,403,…40nの異常の有無を一元管理することができる。また、電流波形に基づいて判定条件を自動更新する場合には、監視対象の発電機44が多くなるほど、判定条件の確度が向上するという利点もある。ただし、この構成は発電設備監視システム1に必須の構成ではなく、計測装置2は、電流波形を計測するセンサ21を1つだけ有していてもよい。
また、本実施形態のように、計測装置2は、発電設備4の運転中において、定期的に電流波形を判定装置3に出力するように構成されていることが好ましい。この構成によれば、そもそも電流波形から異常の有無を判定することができない発電設備4の停止中にあっては、計測装置2から判定装置3への電流波形の出力が行われないため、計測装置2と判定装置3との間の通信トラフィックの無駄な増加を抑制できる。
さらにまた、本実施形態の計測装置2は以下のように構成される。計測装置2は、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を回転子442に含み、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを電力供給路52に出力する構成の発電設備4に用いられる。計測装置2は、発電設備4における回転子442に動力を与える回転ブロック41の異常の有無を判定するために、電力変換器51と界磁巻線53との間を電気的に接続する界磁側電路54における電流波形を計測する。この計測装置2によれば、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。
(4)発電設備監視方法、およびプログラム
電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を回転子442に含む発電設備4の監視にあたり、以下の発電設備監視方法を採用することで、専用の判定装置3を用いなくても上記発電設備監視システム1と同等の機能を実現できる。この発電設備4は、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを電力供給路52に出力するように構成されている。
すなわち、発電設備監視方法は、上記発電設備4に用いられ、電力変換器51と界磁巻線53との間を電気的に接続する界磁側電路54における電流波形を計測する計測装置2から電流波形を取得する。さらに、この発電設備監視方法は、電流波形を用いて、発電設備4における回転ブロック41の異常の有無を判定する。
この発電設備監視方法によれば、専用の判定装置3を用いなくても本実施形態の発電設備監視システム1の判定装置3と同等の機能を実現でき、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。
また、判定装置3がコンピュータを主構成とする場合、コンピュータのメモリに記録されるプログラムは、コンピュータを判定装置3として機能させるためのプログラムである。ここでいう判定装置3は、上記発電設備4に用いられ、電力変換器51と界磁巻線53との間を電気的に接続する界磁側電路54における電流波形を計測する計測装置2から電流波形を取得する。さらに、この判定装置3は、電流波形を用いて、発電設備4における回転ブロック41の異常の有無を判定する。
このプログラムによれば、専用の判定装置3を用いなくても本実施形態の発電設備監視システム1の判定装置3と同等の機能を実現でき、発電設備監視システム1の導入が容易になる、という利点がある。
(5)変形例
本実施形態に係る発電設備監視システム1の監視対象は、以下の構成の発電設備4であればよい。つまり、監視対象の発電設備4は、電力変換器51を介して電力供給路52に電気的に接続された界磁巻線53を回転子442に含み、回転子442の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを電力供給路52に出力する構成であればよい。そのため、監視対象は風力発電設備に限らず、たとえば水力発電設備や、火力発電設備、原子力発電設備、地熱発電設備、揚水発電設備、波力発電設備などが、発電設備監視システム1の監視対象であってもよい。
また、第1装置11および第2装置12の各々は、クラウド(クラウドコンピューティング)に限らず、たとえばサーバ等のコンピュータによって実現されていてもよい。さらに、判定装置3は、第1装置11と第2装置12とを含んでいればよく、判定装置3の機能は3台以上の装置に分散されていてもよい。さらにまた、判定装置3は、第1装置11と第2装置12とを含む構成に限らず、判定装置3の機能は1台の装置で実現されていてもよい。
また、判定装置3の各機能の第1装置11および第2装置12への割り当ては、上述した例に限らず、たとえば出力部33が第1装置11ではなく第2装置12にあってもよい。この場合、解析部32での判定結果は、第1装置11に返されることなく、第2装置12の出力部33から出力されることになる。
また、計測装置2は、発電設備4の運転中に定期的に電流波形を判定装置3に出力する構成に限らず、発電設備4の運転中以外にも、つまり発電設備4の運転中および停止中の両方において、電流波形を判定装置3に出力するように構成されていてもよい。さらに、計測装置2は、電流波形を定期的に出力する構成に限らず、ユーザからの計測要求を受けて、計測要求への応答として電流波形を判定装置3に出力するように構成されていてもよい。この場合、たとえばユーザが携帯端末93に対して所定の操作を行うことにより、管理サーバ91から計測装置2に計測要求が送信され、この計測要求をトリガにして、計測装置2が電流波形を計測して判定装置3へ送信する。
また、計測装置2は、発電設備4が運転中か否かを、発電設備4から出力される状態信号により判断する構成に限らず、たとえばセンサ21の出力にて判断する構成であってもよい。
また、発電設備監視システム1は、たとえば竜巻による回転ブロック41の破損など、突発的に生じる損傷についても、回転ブロック41の異常と判定するように構成されていてもよい。この場合、出力部33は、突発的に生じる損傷と、軸受412のフレーキングのように、正常に発電設備4が使用されているうちに回転ブロック41に生じる経年劣化とを、区別して提示することが好ましい。
1 発電設備監視システム
11 第1装置
12 第2装置
2 計測装置
21,211,212,213,…21n センサ
3 判定装置
31 取得部
32 解析部
33 出力部
34 記憶部
35 更新部
4 発電設備(風力発電設備)
41 回転ブロック
410 回転体(風車)
42 ナセル
43 タワー
44 発電機
442 回転子
51 電力変換器
52 電力供給路
53 界磁巻線
54 界磁側電路

Claims (15)

  1. 電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置と、
    前記計測装置で計測された前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定する判定装置とを備える
    ことを特徴とする発電設備監視システム。
  2. 前記発電設備は、風力によって回転する風車を前記回転ブロックに含み、前記風車を回転可能に支持するナセルと、前記ナセルを支持するタワーとを備える風力発電設備である
    ことを特徴とする請求項1に記載の発電設備監視システム。
  3. 前記計測装置は、前記タワー内に設置され前記電流波形を計測するセンサを有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の発電設備監視システム。
  4. 前記判定装置は、前記電流波形の周波数解析結果に基づいて、前記異常の有無を判定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発電設備監視システム。
  5. 前記判定装置は、前記電流波形の高調波成分に基づいて、前記異常の有無を判定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の発電設備監視システム。
  6. 前記判定装置は、
    前記計測装置から前記電流波形を表す波形データを取得する取得部と、
    前記取得部で取得された前記波形データを解析し、判定条件に従って前記異常の有無を判定する解析部と、
    前記解析部の判定結果を出力する出力部とを有する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の発電設備監視システム。
  7. 前記判定装置は、
    前記取得部で取得された前記波形データを複数記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記複数の波形データに基づいて前記判定条件を更新する更新部とをさらに有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の発電設備監視システム。
  8. 前記判定装置は、互いにデータを伝送する第1装置と第2装置とを含んでおり、
    前記記憶部は前記第1装置に設けられ、
    前記解析部は前記第2装置に設けられている
    ことを特徴とする請求項7に記載の発電設備監視システム。
  9. 前記発電設備は、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機を複数有し、
    前記計測装置は、前記電流波形を計測するセンサを複数有し、
    前記複数のセンサは、前記複数の発電機に一対一に対応して設けられており、
    前記判定装置は、前記複数の発電機の各々について、前記複数のセンサのうち対応するセンサで計測された前記電流波形を用いて、前記異常の有無を判定するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発電設備監視システム。
  10. 前記計測装置は、前記発電設備の運転中において、定期的に前記電流波形を前記判定装置に出力するように構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の発電設備監視システム。
  11. 電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定するために、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する
    ことを特徴とする計測装置。
  12. 前記発電設備は、風力によって回転する風車を前記回転ブロックに含み、前記風車を回転可能に支持するナセルと、前記ナセルを支持するタワーとを備える風力発電設備である
    ことを特徴とする請求項11に記載の計測装置。
  13. 前記タワー内に設置され前記電流波形を計測するセンサを有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の計測装置。
  14. 電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置から前記電流波形を取得し、
    前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定する
    ことを特徴とする発電設備監視方法。
  15. コンピュータを、
    電力変換器を介して電力供給路に電気的に接続された界磁巻線を回転子に含み、前記回転子の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、当該電気エネルギーを前記電力供給路に出力する構成の発電設備に用いられ、前記電力変換器と前記界磁巻線との間を電気的に接続する界磁側電路における電流波形を計測する計測装置から前記電流波形を取得し、
    前記電流波形を用いて、前記発電設備における前記回転子に動力を与える回転ブロックの異常の有無を判定する判定装置
    として機能させるためのプログラム。
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