以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。ここでは、本発明を、集塵アタッチメントを装着可能なコードレスのハンマドリルに適用した場合を例に、説明を行う。尚、各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。また、各実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、各実施の形態に記載されるすべての特徴やその組み合わせ等は、必ずしも本質的なものであるとは限らない。
まず、本発明の実施の形態に係るハンマドリル及び集塵アタッチメントの構成について、図1(a)、図1(b)及び図2に基づき説明する。図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施の形態に係るハンマドリル及び集塵アタッチメントの外観を示す側面図であり、図1(a)がハンマドリルを示し、図1(b)が集塵アタッチメントを示す。図2は、本発明の実施の形態に係るハンマドリル及び集塵アタッチメントの内部構成を示す側断面図である。ハンマドリル100は、電池パック200及び集塵アタッチメント300を装着可能であり、ドリル刃等の先端工具(不図示)を駆動して穿孔作業を行う工具である。図2は、ハンマドリル100に電池パック200及び集塵アタッチメント300が装着された状態を示す。説明の便宜のため、図面において、図中に示す前を前方向、後を後方向、上を上方向、下を下方向と定義し、後方向から見て右を右方向、左を左方向と定義する。
ハンマドリル100は、図2に示されるように、ハウジング1、工具モータ2、動力伝達機構4及び先端工具着脱機構5を備え、図示せぬ先端工具を先端工具着脱機構5に取り付けた状態で使用される。ハンマドリル100は、動作モードとして、先端工具が回転及び打撃を行う回転打撃モードと、回転のみを行う回転モードと、打撃のみを行う打撃モードとを備えている。
ハウジング1は、ハンマドリル100の外郭をなしており、モータハウジング11と、ギヤハウジング12と、ハンドルハウジング15とから構成される。
モータハウジング11は、例えば樹脂製であり、上下方向に延びる略円筒形状をなしており、工具モータ2を内部に収容する。モータハウジング11の側面には、冷却風を取り込むための吸気口11aと、取り込んだ冷却風を排出するための排気口11bとが、それぞれ形成されている。また、モータハウジング11には、集塵アタッチメント300を装着するためのアタッチメント装着面11dと、装着された集塵アタッチメント300と電気的に接続するための1組の端子11cが設けられる。アタッチメント装着面11dは、本発明のアタッチメント装着部に相当し、端子11cは、本発明の供給手段に相当する。
ギヤハウジング12は、例えば樹脂製であり、筒型形状をなし、前方及び後方がそれぞれ開口する。ギヤハウジング12は、モータハウジング11の上部で、且つハンドルハウジング15の前方に接続される。実施の形態において、ハンドルハウジング15とモータハウジング11とは一体の樹脂部材により形成され、前後方向に併せ面を持つ左右方向に二分割されており、その内部に、モータ2及び制御基板3を収容する。ギヤハウジング12は、動力伝達機構4を内部に収容する。
ギヤハウジング12の内部には、図2に示されるように、シリンダケース13が配置される。シリンダケース13は、鋼材からなり、略円筒形状をなしており、その円筒の軸方向が前後方向と一致するように、ギヤハウジング12の内部に配置される。シリンダケース13の前方には、図示せぬ先端工具を着脱するための先端工具着脱機構5が設けられる。
ハンドルハウジング15は、図1及び図2に示されるように、ハンドル14を有する。ハンドル14は、ユーザがハンマドリル100を使用する際に把持する部分であり、側面視略U字形状をなし、モータハウジング11及びギヤハウジング12の後方に配置される。また、ハンドル14には、図1(a)及び図2に示されるように、工具モータ2の駆動を制御するためのトリガ14aが設けられる。
トリガ14aは、ハンドルハウジング15の内部において制御基板3と電気的に接続される。ユーザがトリガ14aを後方に引くことにより、工具モータ2を始動させる信号が、制御基板3に出力される。また、トリガ14aを引き込む量によって、工具モータ2の回転数を変化させることができる。
ハンドルハウジング15のハンドル14の下部には、電池パック装着面14bが形成される。電池パック装着面14bには、リチウムイオン電池等の複数の電池セルが収容された電池パック200が着脱可能に装着される。電池パック装着面14bは、本発明の電池装着部に相当する。
工具モータ2は、先端工具着脱機構5に装着された先端工具を駆動する駆動源である。工具モータ2は、図2に示されるように、上方に延出する回転軸21を有し、モータハウジング11内に収容されるとともに、回転軸21が鋼材からなるギヤケース16内に位置し、当該回転軸21の軸方向が上下方向と一致するように配置され、回転可能に支承されている。回転軸21の上端には、ピニオンギヤ21aが回転軸21と一体に形成される。ピニオンギヤ21aは、動力伝達機構4に工具モータ2の回転を伝達する。また、回転軸21の基端部には、モータ冷却用のファン22が同軸一体回転するように装着されている。更に、工具モータ2の下方には、後述するインバータ回路等が搭載されるセンサ基板6が配置される。
制御基板3は、ハンドルハウジング15の内部においてハンドル14の前方に配置される回路基板であり、トリガ14aやセンサ基板6等に接続される。制御基板3には、後述する制御回路や降圧用スイッチング素子等が搭載される。
動力伝達機構4は、ベベルギヤ40と、中間軸41と、スリーブ42と、クラッチ機構43と、伝達ギヤ44と、運動変換部45と、シリンダ46と、ピストン47と、打撃子48と、中間子49とにより構成されている。
中間軸41は、図2に示されるように、工具モータ2の回転軸21に略直交するように、ギヤケース16及びギヤハウジング12内において前後方向に一致するように配置され、回転可能に支承されている。中間軸41の後端にはベベルギヤ40が配置され、回転軸21のピニオンギヤ21aに噛合する。ベベルギヤ40は、ピニオンギヤ21aの回転に伴い、中間軸41とともに回転する。
中間軸41の前部にはスリーブ42が設けられている。また、スリーブ42とベベルギヤ40との間には、前方からクラッチ機構43及び運動変換部45が配置される。
スリーブ42は、中間軸41と一体回転可能であり、伝達ギヤ44と噛合している。中間軸41の回転力は、クラッチ機構43を介してスリーブ42に伝達される。伝達ギヤ44は、スリーブ42と噛合するとともに、シリンダ46に固定されていて、スリーブ42の回転をシリンダ46に伝達する。
クラッチ機構43は、中間軸41の回転をスリーブ42及び運動変換部45に伝達する回転打撃モードと、スリーブ42のみに伝達する回転モードと、運動変換部45にのみ伝達する打撃モードとを切り替えている。ハンマドリル100の動作モードは、クラッチ機構43の動作に基づいて切り替わる。
運動変換部45は、回転部45aと、ボール45bと、アーム部45cとを含んで構成される。
回転部45aは、中間軸41と一体回転可能であり、内側に窪んだ溝45dが形成されている。ボール45bは、溝45d及びアーム部45cに形成された受け部45eに係合している。回転部45aが回転すると、ボール45bは溝45dに沿って移動する。これにより、アーム部45cの上端部が前後方向に往復動し、回転部45aの回転運動がアーム部45cの先端部の往復動に変換される。
ピストン47には、アーム部45cの上端部が接続されており、アーム部45cの往復動と連動してシリンダ46内において前後方向に往復運動を行う。シリンダ46は、ピストン47、中間子49を収容する。打撃子48は、略円柱形状であり、ピストン47内に前後方向に摺動可能に設けられている。また、ピストン47には、打撃子48の後端面とピストン47の内周面とによって空気室47aが画成されている。中間子49は、略円柱形状であり、打撃子48の前方に位置している。
先端工具着脱機構5は、ギヤハウジング12の前方に設けられ、先端工具を着脱可能に保持する工具保持部50を備える。
集塵アタッチメント300は、図2に示されるように、ハウジング51、集塵モータ52、スライダ部53及びアダプタ部54を備え、ハンマドリル100に装着されて使用される。集塵アタッチメント300は、ハンマドリル100の先端工具によって生じた粉塵を吸引する機能を有する。
ハウジング51は、例えば樹脂製であり、モータハウジング55と、集塵ハウジング56とから構成される。
モータハウジング55は、側面視略L字形状をなし、集塵モータ52を内部に収容する。モータハウジング55の側面には、排気口55aが形成されている。また、モータハウジング55の上部には、ハンマドリル100のモータハウジング11に形成されたアタッチメント装着面11dに集塵アタッチメント300を装着するための取付部55bが形成される。取付部55bには、取付ボタン55cが設けられる。ユーザは、取付ボタン55cを押圧しながら、ハンマドリル100への集塵アタッチメント300の着脱を行う。
集塵ハウジング56は、上下方向に延びる略円筒形状をなしており、モータハウジング55の前方及びスライダ部53の下方に着脱可能に取り付けられる。集塵ハウジング56は、内部に集塵ケース57を収容する。集塵ケース57は、例えば紙製のフィルタであり、集塵ハウジング56に対して着脱可能に取り付けられ、吸引された粉塵を収容する。
集塵モータ52は、ブラシ付きモータであり、モータハウジング55内に収容され、回転軸52aが前後方向に一致するように配置される。集塵モータ52の回転軸52aの基端部には、集塵用のファン58が同軸一体回転するように装着されている。また、集塵モータ52には、駆動電圧を供給するための1組のリード線52bが接続される。リード線52bの端子52cは、モータハウジング55の取付部55bに形成された図示せぬ孔部から引き出し可能となっている。
スライダ部53は、例えば樹脂製であり、スライダケース53aと、アダプタ装着部53bとから構成される。スライダケース53aは、前後方向に延びる略円筒形状をなしており、集塵ハウジング56の上方に配置される。アダプタ装着部53bは、スライダケース53aの内部に収容可能且つ前方に引出可能であり、前端部にアダプタ部54が装着される。図2では、アダプタ装着部53bは前方に引き出され、最伸長位置に配置されている。アダプタ装着部53bは、集塵アタッチメント300の使用時に引き出され、使用しない時にはスライダケース53aの内部に収容される。
アダプタ部54は、例えば樹脂製であり、スライダ部53の前端部に装着され、上方向に延びる形状をなす。アダプタ部54の上端部は前面視円環形状をなし、集塵アタッチメント300のハンマドリル100への装着時に、ハンマドリル100の先端工具が、アダプタ部54の上端部の円環内を前後方向に通過可能となっている。また、アダプタ部54には、図示せぬ吸引口が形成されている。
次に、集塵アタッチメント300のハンマドリル100への装着について、説明する。集塵アタッチメント300は、ハンマドリル100に対して上下方向に着脱される。ユーザは、集塵アタッチメント300の取付ボタン55cを押圧しながら、取付部55bを、ハンマドリル100のアタッチメント装着面11d上で上方にスライドさせて、集塵アタッチメント300をハンマドリル100に装着する。取付ボタン55cの押圧を解除すると、取付部55bがハンマドリル100のアタッチメント装着面11dに係止される。また、集塵アタッチメント300から引き出された1組の端子52cを、ハンマドリル100の端子11cに挿入して接続する。これにより、集塵アタッチメント300は、ハンマドリル100に電気的に接続される。
集塵アタッチメント300がハンマドリル100に装着されると、図2に示されるように、集塵アタッチメント300のアダプタ部54の上端は、ハンマドリル100の先端工具着脱機構5の前方向に配置される。工具保持部50に先端工具を装着すると、当該先端工具の先端はアダプタ部54の上部を通過して前方に突出することとなる。この状態で、ハンマドリル100は、先端工具を駆動して、穿孔作業等を行う。
集塵アタッチメント300をハンマドリル100から取り外す際には、ユーザは、集塵アタッチメント300の端子52cをハンマドリル100の端子11cから取り外す。そして、ユーザは、取付ボタン55cを押圧しながら、取付部55bをハンマドリル100のアタッチメント装着面11d上で下方にスライドさせる。これにより、取付部55bのアタッチメント装着面11dへの係止状態は解除され、集塵アタッチメント300はハンマドリル100から取り外される。
次に、ハンマドリル100の動作の概略について、説明する。
ユーザがハンドル14を把持し、工具保持部50に保持した先端工具を図示せぬ被穿孔材に押し当てたままトリガ14aを引くと、電池パック200の電力が工具モータ2に供給され、工具モータ2の回転軸21が回転する。回転軸21の回転力は、ピニオンギヤ21a及びベベルギヤ40を介して中間軸41に伝達される。
回転打撃モードでは、中間軸41が回転することで、スリーブ42を介してシリンダ46に回転力が伝達され、シリンダ46及び先端工具着脱機構5が回転する。同時に、中間軸41が回転することで運動変換部45のアーム部45cが前後方向に往復運動を行う。
アーム部45cが往復運動を開始し、アーム部45cに接続されたピストン47が後方に移動すると、空気室47a内の空気が膨張し、圧力が低下する。この際、打撃子48と中間子49との間に画成される空間の圧力は、空気室47aの圧力よりも高いため、打撃子48が後方に移動する。
ピストン47は往復運動により前方に移動し、打撃子48が後方に移動することにより空気室47aの空気は圧縮される。打撃子48は、空気室47aの圧縮された空気が膨張することにより前方に加速される。中間子49は、打撃子48によって打撃され、中間子49を介して先端工具に打撃力が付与される。そして、往復運動によりピストン47が再び後方に移動し、打撃子48は後方に移動する。
このように、アーム部45cが往復運動を行うことにより、ピストン47が往復動し、空気室47a内に空気が圧縮膨張を繰り返す。これにより、打撃子48が前後方向に往復し、中間子49を介して先端工具に打撃力が伝達される。回転打撃モードにおいては、先端工具が回転且つ打撃を行うことにより、被穿孔材を加工する。
回転モードでは、トリガ14aを引くことにより工具モータ2の回転軸21が回転し、回転軸21の回転力は、ピニオンギヤ21a及びベベルギヤ40を介して中間軸41に伝達される。
中間軸41が回転することでスリーブ42及び伝達ギヤ44を介してシリンダ46に回転力が伝達され、先端工具が回転する。このとき、クラッチ機構43は中間軸41の回転を運動変換部45に伝達しないため、アーム部45cは往復運動を行わない。これにより、先端工具には回転力のみが伝達される。
打撃モードでは、トリガ14aを引くことにより工具モータ2の回転軸21が回転し、回転軸21の回転力はクラッチ機構43を介して運動変換部45にのみ伝達される。回転軸21の回転力は、運動変換部45によって往復運動に変換され、シリンダ46に伝達される。
シリンダ46が往復運動することにより、打撃子48及び中間子49を介して先端工具に打撃力のみが伝達される。
次に、集塵アタッチメント300の動作の概略について、説明する。
集塵アタッチメント300は、ハンマドリル100に装着された状態で、集塵モータ52が駆動されると、回転軸52aと共にファン58が回転する。これにより、アダプタ部54に形成された吸引口から、粉塵等を含む空気が吸引される。この空気流は、アダプタ部54の内部を下降し、スライダ部53の内部を後方向に通過した後、下降し、集塵ハウジング56内の集塵ケース57の内部へと導かれる。そして、集塵ケース57により空気と粉塵等とが分離され、粉塵は集塵ケース57内に留まり、空気のみが後方向に導かれ、モータハウジング55の排気口55aから排気される。
続いて、ハンマドリル100及び集塵アタッチメント300の電気的構成について、詳しく説明する。図3は、第1の実施の形態に係るハンマドリル100及び集塵アタッチメント300の電気的構成を示す回路図である。ハンマドリル100は、図3に示されるように、電池パック200及び集塵アタッチメント300と電気的に接続される。
ハンマドリル100の電池パック装着面14bには、14.4V、18V、25.2V、36V等の定格電圧の異なる複数種の電池パックを装着可能である。図3に示される一例では、ハンマドリル100に装着される電池パック200は、電池組201と、電池保護IC202と、プラス端子203と、信号端子204と、マイナス端子205とを備えており、電池パック200は定格電圧が36Vであるものとする。
電池組201は、例えば複数のリチウムイオン電池セルを含んで構成される。電池組201の中で最も電位の低い電池セルのマイナス端子は、マイナス端子205に接続され、最も電位の高い電池セルのプラス端子は、プラス端子203に接続される。
尚、リチウムイオン電池は、1セルあたりの定格電圧は3.6Vであり、大きな出力が得られる一方、電池電圧の変動幅が大きく、出力の大きなハンマドリル100では、長時間継続して穿孔作業を行った場合、電池電圧が大きく低下することが知られている。
電池保護IC202は、電池組201の個々の電池セルの電圧を監視する回路であり、信号端子204に接続される。電池保護IC202は、例えば電池組201を構成する電池セルの何れかが所定の電圧より低い過放電状態になった場合には、信号端子204を介してモータ停止信号を出力する。
ハンマドリル100は、図3に示されるように、プラス端子101、信号端子102、マイナス端子103、端子11c、工具モータ2、インバータ回路7、トリガ14a及び制御部8を含んで構成される。
プラス端子101、信号端子102及びマイナス端子103は、それぞれ、電池パック装着面14b上に設けられる。電池パック200は、プラス端子203、信号端子204及びマイナス端子205が、ハンマドリル100のプラス端子101、信号端子102及びマイナス端子103にそれぞれ接続して、ハンマドリル100に電気的に接続される。
端子11cは、電圧供給用の1組の端子であり、図2に示されるように、モータハウジング11に設けられる。端子11cには、集塵アタッチメント300の1組の端子52cが接続される。
工具モータ2は、本実施の形態では3相のブラシレスモータであり、定格電圧は36Vである。工具モータ2は、回転軸21(図2)及び複数の磁石を備えるロータと、3相のコイルにより構成されるステータとを含んで構成され、工具モータ2のコイルは、インバータ回路7に接続される。工具モータ2は、本発明の第1のモータに相当する。
インバータ回路7は、3相ブリッジ形式に接続された6個のスイッチング素子Q1〜Q6を含んで構成される。ここで、スイッチング素子Q1〜Q6は、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、センサ基板6(図2)に搭載される。6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートは、制御部8に接続され、各ドレイン又は各ソースは、コイルに接続される。インバータ回路7は、スイッチング動作を行うことにより、工具モータ2のコイルに駆動電力を供給する。
トリガ14aは、制御部8とインバータ回路7との間に配置される。ユーザによりトリガ14aが引かれると、トリガ14aからの信号に基づき、制御部8がインバータ回路7への駆動信号の供給を開始する。これにより、インバータ回路7のスイッチング動作及び工具モータ2への駆動電力の供給が開始される。
制御部8は、ギヤハウジング12内の制御基板3に搭載され、本実施の形態では、制御回路81及び降圧用スイッチング素子82を含んで構成される。
制御回路81は、本実施の形態では、マイクロコンピュータとマイクロコンピュータ用の電源を生成する電源生成回路とを含んで構成され、電池パック200からの電池電圧の入力により起動する。制御回路81は、トリガ14aの操作に応じて、工具モータ2の回転方向や回転速度等を制御すべく、コイルへの通電方向及び通電時間を制御する。制御回路81は、インバータ回路7の6個のスイッチング素子Q1〜Q6の各ゲートに接続され、各スイッチング素子Q1〜Q6をオン・オフするための駆動信号を供給する。また、制御回路81は、信号端子102に接続され、電池パック200からモータ停止信号が入力されると、スイッチング素子Q1〜Q6への駆動信号の供給を停止して、工具モータ2を停止する。制御回路81は、本発明の制御手段に相当する。
更に、制御回路81は、電池パック200の電池組201の電池電圧VBを検出する電圧検出回路(不図示)を含んでおり、検出された電池電圧VBに応じて、集塵アタッチメント300への駆動電圧の供給制御を行う。また、制御回路81は、集塵アタッチメント300の集塵モータ52に流れるモータ電流IAを検出する電流検出回路(不図示)を含んでおり、モータ電流IAが所定の電流閾値ITHを超えた場合、集塵モータ52の駆動を停止する。制御回路81は、本発明の電圧検出手段及び電流検出手段に相当する。
降圧用スイッチング素子82は、例えばMOSFETやIGBTであり、電池パック200に接続するマイナス端子103と、集塵アタッチメント300に接続する端子11cとの間に配置される。降圧用スイッチング素子82のゲートは制御回路81に接続され、制御回路81からの駆動信号によりオン・オフされる。
制御回路81は、本実施の形態では、駆動信号としてパルス幅変調信号(PWM信号)を、降圧用スイッチング素子82のゲートに供給する。制御回路81は、PWM信号のパルス幅を変更することにより、電池電圧VBを所望の電圧に降圧する。以下、PWM信号のパルス幅をデューティ比D(%)で表す。つまり、制御回路81は、デューティ比DのPWM信号を、降圧用スイッチング素子82のゲートに供給する。
集塵アタッチメント300は、図3に示されるように、1組の端子52cと、集塵モータ52とを含んで構成される。
端子52cは、ハンマドリル100に設けられた電圧供給用の端子11cに挿入されて接続する。集塵アタッチメント300には、ハンマドリル100から集塵モータ52の駆動電圧が端子52cを介して入力される。
集塵モータ52は、本実施の形態ではブラシ付きモータであり、端子52cを介して入力される駆動電圧に基づき駆動され、ファン58(図2)を回転させる。ここで、集塵アタッチメント300に搭載される集塵モータ52は、ハンマドリル100に搭載される工具モータ2とは異なり、ファン58の回転のためのみに使用されるため、大きな出力は不要である。したがって、集塵モータ52は、工具モータ2よりも小型であり、本実施の形態では、定格電圧が18Vのモータが採用される。集塵モータ52は、本発明の第2のモータに相当する。
ところで、ハンマドリル100の電池パック装着面14bには、上述したように、複数種の電池パックを装着可能であるが、ハンマドリル100の工具モータ2の定格電圧が36Vであることから、通常、定格電圧が36Vの電池パック200が装着される。ハンマドリル100は、この電池パック200の電池電圧を工具モータ2の駆動電圧とすることにより、十分な出力を得ることができる。一方、集塵アタッチメント300の集塵モータ52の定格電圧は18Vであるため、定格電圧が36Vの電池パックの電池電圧を、集塵モータ52の駆動電圧としてそのまま供給した場合、集塵モータ52が破損してしまうことがある。集塵モータ52の破損を防止するためには、例えば、集塵アタッチメント300にも別個に電池パックを装着することや、集塵アタッチメント300内に、ハンマドリル100側から供給された駆動電圧を降圧するための降圧回路と、降圧回路を制御するための制御回路とを設けること等が考えられるが、何れも部品点数の増加につながり、集塵アタッチメント300の大型化やコストの増大といった問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、ハンマドリル100内に降圧用スイッチング素子82を設け、電池電圧を降圧して集塵アタッチメント300に供給することにより、集塵モータ52の破損を防止する。また、一つの制御回路81により、インバータ回路7及び降圧用スイッチング素子82の両方を制御可能とすることにより、部品点数の増加を抑制し、ハンマドリル100及び集塵アタッチメント300の小型化を図る。
図4は、第1の実施の形態に係るハンマドリル100の動作を示すフローチャートである。このフローチャートに沿って、本実施の形態に係るハンマドリル100の動作について、詳しく説明する。
ユーザがハンドル14を把持して、トリガ14aを引くと、トリガ14aから制御回路81へ信号が送られる。この信号を契機に、図4のフローチャートが開始される。制御回路81は、インバータ回路7へ駆動信号を供給して、工具モータ2の駆動を開始する(ステップS101)。これにより、先端工具の駆動が開始される。
工具モータ2の駆動開始後、制御回路81は、所定時間待機する(ステップS102)。本実施の形態では、所定時間は0.2秒である。ここで、制御回路81は、工具モータ2の起動電流と集塵モータ52の起動電流とが同時に発生することを回避するために、工具モータ2の駆動開始後、所定時間の待機を行う。
0.2秒が経過した後、制御回路81は、電池パック装着面14bに装着された電池パック200の電池電圧VBを検出し(ステップS103)、電池電圧VBが18Vより高いか否かを判断する(ステップS104)。ここで、18Vとは、集塵アタッチメント300に搭載される集塵モータ52の定格電圧を意味する。
電池電圧VBが18Vより高い場合(ステップS104:YES)、制御回路81は、降圧用スイッチング素子82に供給するPWM信号のデューティ比Dを、計算式D=18/VB×100(%)に基づき算出し、設定する(ステップS105)。また、電池電圧VBが18V以下の場合(ステップS104:NO)、制御回路81は、D=100(%)に設定する(ステップS106)。
そして、制御回路81は、設定したデューティ比DのPWM信号を、降圧用スイッチング素子82に供給する(ステップS107)。これにより、降圧用スイッチング素子82がオンされ、端子11cを介して、集塵アタッチメント300の集塵モータ52には、駆動電圧VAが供給される。集塵モータ52は、駆動電圧VAの供給に基づきファン58とともに回転を行い、集塵アタッチメント300は、ファン58の風により集塵を開始する。
集塵アタッチメント300への駆動電圧VAの供給を開始すると、制御回路81は、集塵モータ52に流れるモータ電流IAを検出し、電流閾値ITHに達したか否かを判断する(ステップS108)。モータ電流IAが電流閾値ITH未満であり(ステップS108:NO)、電池パック200からのモータ停止信号の入力も無く(ステップS109:NO)、トリガ14aがオンされている場合(ステップS110:YES)、制御回路81は、再度、電池電圧VBの検出を行う(ステップS103)。そして、新たに検出した電池電圧VBに基づき、デューティ比Dの設定を行い、設定されたデューティ比DのPWM信号を、降圧用スイッチング素子82に供給する(ステップS104〜S107)。
トリガがオフされると(ステップS110:NO)、制御回路81は、インバータ回路7への駆動信号の供給を停止して、工具モータ2の駆動を停止する(ステップS111)。同様に、モータ電流IAが電流閾値ITHに達した場合(ステップS108:YES)や、電池パック200から信号端子102を介してモータ停止信号が入力された場合(ステップS109:YES)も、制御回路81は、工具モータ2の駆動を停止する(ステップS111)。
工具モータ2の駆動停止後、制御回路81は、所定時間待機する(ステップS112)。本実施の形態では、所定時間は2秒である。制御回路81が待機する間、工具モータ2の駆動は停止しているが、集塵モータ52の駆動は継続され、集塵アタッチメント300は集塵作業を継続する。
2秒が経過した後、制御回路81は、降圧用スイッチング素子82へのPWM信号の供給を停止する(ステップS113)。これにより、集塵アタッチメント300への駆動電圧VAの供給は停止され、集塵モータ52の駆動が停止される。
上記のように、検出された電池電圧VBに基づいて、降圧用スイッチング素子82に供給されるPWM信号のデューティ比Dが設定される。
ここで、電池電圧VB、デューティ比D及び集塵モータ52に供給される駆動電圧VAの関係について、図5乃至図9を参照して説明する。図5から図8は、それぞれ、電池電圧VBが42V、36V、24V及び21Vの場合に集塵モータ52に供給される電圧の時間変化を示す。また、図9は、電池電圧VBが18V以下の場合に集塵モータ52に供給される電圧の時間変化を示す。
定格電圧が36Vのリチウムイオン電池の電池パック200は、満充電時において、42Vの電池電圧VBを出力可能であることが知られている。制御回路81は、電池電圧VB=42Vを検出すると、PWM信号のデューティ比Dとして、D=43%を設定する。このとき、端子11cを介して集塵モータ52に供給される電圧の時間変化は、図5に示されるような波形となる。すなわち、集塵モータ52に供給される電圧の波形は、最大電圧が42Vで、オン期間43%及びオフ期間57%が交互に出現する矩形波である。このとき、集塵モータ52に供給される電圧の時間平均値は18Vとなる。すなわち、集塵モータ52には、定格電圧と同じ値である駆動電圧VA=18Vが供給されることとなる。
電池パック200を装着してハンマドリル100の駆動を継続すると、電池電圧VBは次第に低下する。制御回路81が、例えば満充電時よりも低い電池電圧VB=36Vを検出すると、満充電時よりも高いデューティ比D=50%を設定する。このとき、端子11cを介して集塵モータ52に供給される電圧の波形は、図6に示されるように、最大電圧が36Vで、オン期間50%及びオフ期間50%が交互に出現する矩形波である。この電圧の時間平均値は18Vとなり、集塵モータ52には、駆動電圧VA=18Vが供給されることとなる。
また、制御回路81が電池電圧VB=24Vを検出すると、更に高いデューティ比D=75%を設定する。このとき、集塵モータ52に供給される電圧波形は、図7に示されるように、最大電圧が24Vで、オン期間75%及びオフ期間25%が交互に出現する矩形波である。この電圧の時間平均値も18Vとなり、集塵モータ52には、駆動電圧VA=18Vが供給されることとなる。
同様に、制御回路81が電池電圧VB=21Vを検出すると、更に高いデューティ比D=86%を設定する。このとき、集塵モータ52に供給される電圧波形は、図8に示されるように、最大電圧が21Vで、オン期間86%及びオフ期間14%が交互に出現する矩形波であり、時間平均値は18Vとなる。集塵モータ52には、駆動電圧VA=18Vが供給されることとなる。
電池電圧VBが更に低下し、制御回路81が電池電圧VB=18Vを検出すると、デューティ比D=100%を設定する。このとき、集塵モータ52には、図9(a)に示されるように、一定値18Vの駆動電圧VAが供給される。
電池電圧VBが18V以下に低下すると、制御回路81は、デューティ比D=100%を設定する。このとき、集塵モータ52には、電池電圧VBに等しい一定の電圧が、駆動電圧VAとして供給される。例えば、電池電圧VB=15Vの場合、図9(b)に示されるように、集塵モータ52には、一定値15Vの駆動電圧VAが供給される。
以上のように、本実施の形態のハンマドリル100では、ハンマドリル100側の工具モータ2とは独立して、集塵アタッチメント300側にも集塵モータ52が設けられるので、工具モータ2の動作状況にかかわらず集塵モータ52の駆動が可能となる。したがって、負荷により工具モータ2の回転数が低下した場合も、集塵モータ52を安定して回転駆動可能となり、良好な作業性を得ることができる。
また、ハンマドリル100本体には、工具モータ2及び工具モータ2の冷却用のファン22のみが搭載され、集塵用のファン58は、集塵モータ52とともに集塵アタッチメント300側に搭載されるので、ハンマドリル100本体の小型化が可能となるとともに、複雑な風路の確保も不要となる。
また、ハンマドリル100に装着された電池パック200が、工具モータ2のみならず集塵モータ52の駆動源ともなるので、集塵アタッチメント300側には電池パックの装着が不要となり、集塵アタッチメント300の小型化も可能となる。また、集塵モータ52の駆動電圧が電池パック200の電池電圧よりも低い場合も、電池電圧を降圧して、適切な駆動電圧を集塵モータ52に供給可能となるので、作業内容に応じたモータ及び電池パックを選択可能となるとともに、高電圧の印加による集塵モータ52の破損等の不具合の発生を防止可能となる。したがって、利便性及び作業性の向上や、集塵アタッチメント300の長寿命化が可能となる。更に、集塵アタッチメント300側には制御回路を設けずとも、ハンマドリル100側の制御回路81により、工具モータ2及び集塵モータ52双方への給電制御が実施されるので、部品点数及びコストの削減が可能となる。
また、本実施の形態のハンマドリル100では、降圧用スイッチング素子82に供給するPWM信号のデューティ比Dを変更することにより、電池電圧の降圧が実施される。したがって、簡易な構成により電池電圧の降圧が可能となり、ハンマドリル100本体の大型化が抑制されるとともに、複雑な制御が不要となる。更に、デューティ比Dは、工具モータ2の駆動中に検出した電池電圧に応じて変更されるので、作業に伴い電池電圧が変動した場合も、適切な駆動電圧が集塵モータ52に供給される。したがって、電池電圧の低下に伴う作業性の低下を抑制可能となる。
また、工具モータ2の駆動開始後、所定時間が経過した後に、集塵モータ52の駆動が開始されるので、起動電流の同時発生に伴う部品の破損を抑制可能となる。したがって、ハンマドリル100の長寿命化が可能となる。更に、工具モータ2の駆動が停止された後、所定時間経過後に、集塵モータ52の駆動が自動的に停止されるので、電池の消耗を抑制して省電力化が可能となるとともに、ハンマドリル100による穿孔作業終了後、所定時間は集塵アタッチメント300による集塵作業が継続されるので、発生した粉塵等を確実に吸引可能となる。
更に、電池パック200からモータ停止信号が入力された場合や、集塵モータ52に流れるモータ電流が所定の電流閾値に達した場合、ハンマドリル100及び集塵アタッチメント300の駆動が停止されるので、電池パック200及び集塵アタッチメント300の長寿命化が可能となる。
次に、第2の実施の形態に係るハンマドリル400及び集塵アタッチメント500について、説明する。第2の実施の形態に係るハンマドリル400は、集塵アタッチメント500の装着を判別するための判別抵抗409を設ける点と、制御部408に降圧回路482を設ける構成とが、第1の実施の形態とは異なる。尚、第1の実施の形態と同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図10は、第2の実施の形態に係るハンマドリル400及び集塵アタッチメント500の電気的構成を示す回路図である。第2の実施の形態に係るハンマドリル400は、図10に示されるように、工具モータ2、インバータ回路7、トリガ14a、制御部408、端子11c、端子401及び判別抵抗409を含んで構成される。
制御部408は、制御基板3(図2)に搭載され、本実施の形態では、制御回路481及び降圧回路482を含んで構成される。
制御回路481は、本実施の形態ではマイクロコンピュータ及び電源生成回路を含んで構成され、電池パック200からの電池電圧の入力により起動し、トリガ14aの操作に応じて、コイルへの通電方向及び通電時間を制御すべく、インバータ回路7に駆動信号を供給する。また、制御回路481は、電池パック200の電池電圧VBを検出する電圧検出回路(不図示)を含んでおり、検出された電池電圧VBに応じて、集塵アタッチメント500への駆動電圧の供給制御を行う。更に、制御回路81は、集塵アタッチメント300の集塵モータ52に流れるモータ電流IAを検出する電流検出回路(不図示)を含んでおり、モータ電流IAが所定の電流閾値ITHを超えた場合、集塵モータ52の駆動を停止する。制御回路81は、本発明の制御手段、電圧検出手段及び電流検出手段に相当する。
降圧回路482は、降圧型チョッパ回路であり、図10に示されるように、スイッチング素子483、チョークコイル484、ダイオード485及びコンデンサ486を備える。降圧回路482は、スイッチング素子483を介して入力される電池電圧VBを降圧して出力する。降圧回路482からの出力は、1組の端子11cを介して集塵アタッチメント300に供給される。つまり、降圧回路482は、電池電圧VBを降圧して、集塵モータ52の駆動電圧VAを出力する。
降圧回路482において、スイッチング素子483は、例えばMOSFETやIGBTであり、そのゲートは制御回路481に接続される。スイッチング素子483は、制御回路481からのPWM信号によりオン・オフされる。
降圧回路482による電圧の降圧率を、ΔV=VA/VB×100(%)と表すと、この降圧率ΔVはスイッチング素子483に供給されるPWM信号のデューティ比Dに等しくなる。すなわち、ΔV=Dである。したがって、制御回路481は、第1の実施の形態と同様に、電池電圧VBが18Vより高い場合には、デューティ比D=18/VB×100(%)に設定し、電池電圧VBが18V以下の場合には、D=100(%)に設定する。
端子401は、集塵アタッチメント300との接続用端子である。本実施の形態では、ハンマドリル400は、1組の端子11cを含む3つの端子11c、11c、401を介して、集塵アタッチメント500と接続する。端子401は、本発明のアタッチメント装着部に相当する。
判別抵抗409は、端子401に接続される。制御回路481は、判別抵抗409に流れる電流を検出することにより、端子401及び端子11cへの集塵アタッチメント500の装着を検出する。判別抵抗409及び制御回路481は、本発明の判別手段に相当する。
集塵アタッチメント500は、図10に示されるように、1組の端子52cと、端子501と、集塵モータ52とを含んで構成される。
端子501は、ハンマドリル400の端子401に接続するための端子である。集塵アタッチメント500は、1組の端子52c及び端子501の3つの端子を介して、ハンマドリル400に電気的に接続する。
次に、本実施の形態に係るハンマドリル400の動作について、説明する。図11は、第2の実施の形態に係るハンマドリル400の動作を示すフローチャートである。
トリガ14aから制御回路481への信号の入力を契機に、図11のフローチャートが開始される。制御回路481は、インバータ回路7へ駆動信号を供給して、工具モータ2の駆動を開始する(ステップS101)。制御回路481は、工具モータ2の駆動開始後、所定時間待機する(ステップS102)。本実施の形態では、所定時間は0.2秒である。
0.2秒が経過した後、制御回路481は、集塵アタッチメント500の装着の有無を判別する(ステップS201)。制御回路481は、判別抵抗409に流れる電流を検出すると、集塵アタッチメント500が装着されていると判別する(ステップS201:YES)。
集塵アタッチメント500が装着されている場合(ステップS201:YES)、制御回路481は、電池パック装着面14bに装着された電池パック200の電池電圧VBを検出し(ステップS103)、電池電圧VBが18Vより高いか否かを判断する(ステップS104)。
電池電圧VBが18Vより高い場合(ステップS104:YES)、制御回路481は、降圧回路482のスイッチング素子483に供給するPWM信号のデューティ比Dを、計算式D=18/VB×100(%)に基づき算出し、設定する(ステップS105)。また、電池電圧VBが18V以下の場合(ステップS104:NO)、制御回路481は、D=100(%)に設定する(ステップS106)。
そして、制御回路481は、設定したデューティ比DのPWM信号を、降圧回路482のスイッチング素子483に供給する(ステップS202)。これにより、スイッチング素子483はオンされ、降圧回路482は、降圧率ΔV=Dで電池電圧VBを降圧し、端子11cを介して、集塵アタッチメント500の集塵モータ52に駆動電圧VA=VB×D/100が供給される。集塵モータ52はファン58とともに回転を開始し、集塵アタッチメント500は集塵を開始する。
集塵アタッチメント500が装着された状態で(ステップS203:YES)、集塵アタッチメント500への駆動電圧の供給中、制御回路481は、集塵モータ52に流れるモータ電流IAを検出し、電流閾値ITHに達したか否かを判断する(ステップS108)。モータ電流IAが電流閾値ITH未満であり(ステップS108:NO)、電池パック200からのモータ停止信号の入力も無く(ステップS109:NO)、トリガ14aがオンされている場合(ステップS110:YES)、制御回路81は、再度、電池電圧VBの検出を行う(ステップS103)。そして、新たに検出した電池電圧VBに基づき、デューティ比Dの設定を行い、設定されたデューティ比DのPWM信号を、降圧回路482のスイッチング素子483に供給する(ステップS104〜S106、S202)。
トリガがオフされた場合(ステップS110:NO)、或いは電池パック200から信号端子102を介してモータ停止信号が入力された場合(ステップS109:YES)、制御回路481は、インバータ回路7への駆動信号の供給を停止して、工具モータ2の駆動を停止する(ステップS111)。工具モータ2の駆動停止後、制御回路481は、所定時間待機した後(ステップS112)、降圧回路482のスイッチング素子483へのPWM信号の供給を停止する(ステップS204)。本実施の形態では、所定時間は2秒である。これにより、工具モータ2の駆動停止から2秒間、集塵モータ52の駆動を継続させた後、集塵アタッチメント500の駆動が停止される。
降圧回路482へのPWM信号の供給中に、集塵アタッチメント500が取り外された場合(ステップS203:NO)、或いはモータ電流IAが電流閾値ITHに達した場合(ステップS108:YES)、制御回路481は、工具モータ2の駆動を継続したまま、降圧回路482へのPWM信号の供給を停止する(ステップS205)。
電池パック200からのモータ停止信号の入力も無く(ステップS206:NO)、トリガ14aがオンされている場合(ステップS207:YES)、制御回路481は、工具モータ2の駆動を継続する。そして、トリガがオフされると(ステップS110:NO)、或いは電池パック200からモータ停止信号が入力されると(ステップS109:YES)、制御回路481は、インバータ回路7への駆動信号の供給を停止して、工具モータ2の駆動を停止する(ステップS208)。
上記のように、降圧回路482により電池電圧VBが降圧され、集塵モータ52に駆動電圧VAが供給される。
以上のように、本実施の形態のハンマドリル400では、降圧回路482が設けられ、電池パック200の電池電圧が実際に降圧されて、集塵アタッチメント300側に供給されるので、定格電圧よりも高い電圧が集塵モータ52に印加されることを確実に防止可能となる。したがって、集塵モータ52の破損を防止して、集塵アタッチメント300の長寿命化が可能となる。
また、集塵アタッチメント300の装着の有無を判別するための判別抵抗409が設けられ、集塵アタッチメント300が装着された場合にのみ、降圧回路482による電池電圧の降圧動作が行われるとともに、工具モータ2の駆動中に、集塵アタッチメント300が取り外された場合、電池電圧の降圧動作が停止されるので、電池の消耗を抑制可能となる。
更に、集塵モータ52に流れるモータ電流が所定の電流閾値に達した場合、工具モータ2の駆動は継続したまま、集塵モータ52の駆動のみが停止されるので、集塵モータ52の破損を防止しつつ、作業効率の低下を抑制可能となる。
尚、本実施の形態では、集塵アタッチメント300が装着されていない場合、工具モータ2の駆動のみを行うが、工具モータ2の駆動中に集塵アタッチメント300が装着された場合、電池電圧の降圧動作及び集塵モータ52への駆動電圧の供給動作を開始するように構成することも可能である。
次に、第3の実施の形態に係るハンマドリル600について、説明する。第3の実施の形態に係るハンマドリル600は、第1の実施の形態に係るハンマドリル100の変形例であり、ブラシ付きモータを工具モータとして搭載する点が、第1の実施の形態とは異なる。尚、第1の実施の形態と同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図12は、第3の実施の形態に係るハンマドリル600及び集塵アタッチメント300の電気的構成を示す回路図である。第3の実施の形態に係るハンマドリル600は、図12に示されるように、工具モータ602、スイッチング素子607、トリガ14a及び制御部608を含んで構成される。
工具モータ602は、本実施の形態ではブラシ付きモータである。工具モータ602は、本発明の第1のモータに相当する。
スイッチング素子607は、例えばMOSFETやIGBTであり、電池パック200に接続するマイナス端子103と、工具モータ602との間に配置される。
制御部608は、制御回路681及び降圧用スイッチング素子82を含んで構成される。
制御回路681は、本実施の形態ではマイクロコンピュータ及び電源生成回路を含んで構成され、電池パック200からの電池電圧の入力により起動し、トリガ14aの操作に応じて、工具モータ602の駆動を制御する。制御回路681は、スイッチング素子607のゲートに接続され、スイッチング素子607に駆動信号を供給することにより、工具モータ602の駆動を制御する。
また、制御回路681は、図12に示されるように、降圧用スイッチング素子82のゲートに接続される。制御回路681は、電池電圧VBを降圧すべく、デューティ比DのPWM信号を、降圧用スイッチング素子82のゲートに供給する。ここで、デューティ比Dは、第1の実施の形態と同様に算出される。
このように構成することにより、第3の実施の形態に係るハンマドリル600は、第1の実施の形態と同様に、電池電圧VBを降圧して、集塵モータ52に駆動電圧VAを供給可能となる。
以上、本発明の実施の形態に基づき説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記した実施の形態では、ハンマドリルは、工具モータの駆動中に、電池パックの電池電圧を繰り返し検出して、降圧率やPWM信号のデューティ比の算出を行っていたが、本発明はこれに限定されない。装着された電池パックの種別を識別することにより、集塵モータへの給電制御を変更することや、電池電圧の検出を工具モータの駆動開始時にのみ実施することも可能である。これにより、デューティ比を固定して集塵モータへの給電制御が可能となる。