以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<システムの概要>
まず、本実施の形態に係る入退管理装置を含む入退管理システムの概要について説明する。
図1は、本実施の形態に係る入退管理装置を含む入退管理システムの概要を示す図である。
図1に示すように、入退管理システム100は、管理対象エリア110について、管理対象エリア110への人120の進入を管理するシステムである。
入退管理システム100は、管理対象エリア110の入り口130に位置する人120に対してID認証を行い、ID認証が成功した場合にのみ、通常は閉鎖されている入り口130の扉140を開放する。
ここで、ID認証とは、人120が所持する端末(図示せず)のID情報に基づいて、その人120が管理対象エリア110への進入権限を有する権限者であるか否かを判定する事である。
人120が所持する端末は、権限者に割り当てられた文字列等のID情報を保持している。本実施の形態において、かかる端末は、ICカードであるものとする。ICカードは、扉140付近に設置されたカードリーダ(図示せず)に対して、保持するID情報を無線により送信する。入退管理システム100の入退管理装置300は、カードリーダが受信したID情報に基づいてID認証行い、ID認証が成功した場合、上述の通り扉140を開放する。
すなわち、どの人120も、ID認証が成功しなければ管理対象エリア110に進入する事ができないようになっている。
ところが、上述の通り、ICカードをカードリーダに近付けるICカード操作は手間が掛かる。一方で、ICカード操作なしにID情報を読み取るためには、カードリーダの通信距離を数m程度に長くする必要がある。すると、カードリーダは、管理対象エリア110に進入する意思のある人(以下「進入希望者」という)1201が入り口130に来たときだけでなく、管理対象エリア110に進入する意思がない人(以下「進入非希望者」という)1202が入り口130を通り掛かったときにも、扉140を開放するおそれがある。
そこで、入退管理システム100は、入り口130を所定の位置から撮影して得られる撮影画像に、比較的大きく人120の顔が映し出されているか否かに基づいて、進入希望者の有無を判定し、入り口130の開閉状態を制御する。
このために、入退管理システム100は、管理対象エリア110の入り口130を所定の位置から撮影するカメラ150と、カメラ150の撮影画像に対して顔検出を行う顔検出装置200とを有する。そして、入退管理システム100は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク160を介して、顔検出装置200から、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを示す顔情報を取得すると共に、カードリーダを使用して上記ID認証を行う、入退管理装置300を有する。入退管理装置300は、ID認証の結果および顔検出の結果に基づき、通信ネットワーク160を介して、入り口130の(つまり扉140の)扉開閉状態を制御する。
カメラ150は、例えば、扉140の近傍において、扉140に向かって歩いて来る人120の顔を略正面から撮影する位置および向きで設置される。このようなカメラ150の撮影画像に映し出される人120の顔の状態は、その人120が進入希望者であるか否かに応じて異なってくる。
図2は、撮影画像の例を示す図である。図2Aおよび図2Bは、進入非希望者が入り口130に位置する場合の撮影画像の例を示す図である。図2Cは、進入希望者が入り口130に位置する場合の撮影画像の例を示す図である。
進入非希望者520の顔は、通常、撮影画像510において検出され難い。これは、進入非希望者520は、通常、図2Aに示すように扉140に対して顔を向けていないためである。また、扉140に対して顔を向けていたとしても、図2Bに示すように、進入非希望者520の顔画像521は、通常、撮影画像510全体に対して非常に小さい。これは、進入非希望者520の扉140からの距離は、比較的遠いためである。
これに対し、進入希望者530は、通常、扉140に対して顔を向けた状態で、扉140に向かって近付いていく。したがって、進入非希望者520の顔画像531は、図2Cに示すように、撮影画像510全体に対して比較的大きいサイズとなる。
すなわち、扉140に顔を向けて近付いていく人120が入り口130に位置する場合にのみ、つまり、進入希望者530が入り口130に位置する場合にのみ、カメラ150の撮影映像には比較的大きな顔画像が映し出される事になる。
このように、入退管理システム100は、カメラ150を用いた顔検知(顔画像のサイズの検知)を併用する事により、ICカード操作を特に必要とすることなく、管理対象エリア110への進入の意思に応じた的確な入退管理を実現する事ができる。
<システムの構成>
次に、入退管理システム100の構成について説明する。
図3は、入退管理システム100の構成の一例を示すシステム構成図である。
図3において、入退管理システム100は、第1〜第N(Nは2以上の整数)の管理対象エリア1101〜110Nのそれぞれについて、人の進入を管理する。なお、入退管理システム100が管理する管理対象エリア110は、1つのみであってもよい。
入退管理システム100は、管理対象エリア110毎に、カメラ150、扉140、カードリーダ141、および扉制御装置142を有する。また、入退管理システム100は、1つまたは複数の管理対象エリア110に対応して、顔検出装置200、入退管理装置300、およびパーソナルコンピュータ(PC)400を有する。
なお、各管理対象エリア110のカメラ150、カードリーダ141、および扉制御装置142、並びに、入退管理装置300、顔検出装置200、およびパーソナルコンピュータ400は、通信ネットワーク160により通信可能に接続されている。
カメラ150は、上述の通り、管理対象エリア110の入り口を所定の位置から撮影するカメラである。カメラ150は、撮影した画像を、顔検出装置200へ送信する。カメラ150は、例えば、扉140の近傍の、人の顔の平均的な高さの位置に、管理対象エリア110の外側(入り口側)に向けて設置され、入り口の映像を撮影する。なお、カメラ150の画角(ズーム状態)は、本実施の形態では固定である。
扉140は、管理対象エリア110の入り口に設けられており、管理対象エリア110に進入する人が通過する部分である。扉140は、例えば、電子錠が付いた扉、あるいは、自動ドアである。
カードリーダ141は、扉140の近傍に配置され、権限者に配布されたICカード121が近付いたとき、当該ICカード121が保持するID情報を読み取る。そして、カードリーダ141は、取得されたID情報を、入退管理装置300へ送信する。
なお、ICカード121は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)タグを内蔵し、カードリーダ141からの電波(ビーコン)を受けてID情報を無線送信する。この場合、ICカード121は、BLE端末であり、カードリーダ141は、BLEビーコンを送信する事により、その応答としてID情報からカードリーダ141を受信する。
この場合、カードリーダ141の通信距離は、約2.5m〜約50mである。したがって、カードリーダ141は、ICカード操作が行われなくても、入り口に位置する各ICカード121からID情報を取得することが可能である。
扉制御装置142は、入退管理装置300から送信される扉制御情報を受信し、受信された扉制御情報に従って、扉140の開閉(開放/閉鎖)を制御する。
なお、扉140の開放とは、扉140の電子錠を開錠する事や、自動ドアとしての扉140を開ける事を含む。また、扉140の閉鎖とは、扉140の電子錠を施錠する事や、自動ドアとしての扉140を閉める事を含む。また、扉制御装置142は、通常状態において、扉140を閉鎖させているものとする。
顔検出装置200は、カメラ150から受信した映像に対して、映像に含まれる人の顔を検出し、検出された顔の画像(以下「顔画像」という)の大きさを検出する。そして、顔検出装置200は、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを示す顔情報を、入退管理装置300へ送信する。顔検出装置200の構成については後述する。
なお、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かの判定は、顔検出装置200で行ってもよいし、入退管理装置300で行ってもよい。本実施の形態では、かかる判定は、顔検出装置200で行われるものとする。
入退管理装置300は、顔検出装置200から送信される顔情報を受信する。そして、入退管理装置300は、顔情報が、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを示すことを条件としてID認証を行い、ID認証が成功した事を条件として入り口130の扉140を一時的に開放する。
例えば、入退管理装置300は、扉140を一時的に開放する事を指示する扉制御情報を、扉制御装置142へ送信する。また、入退管理装置300は、ID認証が成功しない場合、扉140の開放を指示する扉制御情報を送信しないという処理を行う事により、扉140が閉鎖された状態を継続させる。
また、入退管理装置300は、扉140を開放した時や、権限者が所持する端末に割り当てられたID情報(以下「許可ID情報」という)以外のID情報が取得される等、所定のイベントが発生したとき、当該イベントの発生を通知する通知情報を、パーソナルコンピュータ400へ送信する。入退管理装置300の構成については後述する。
パーソナルコンピュータ400は、管理者が使用する情報出力装置であり、例えばモニタやスピーカを含む。パーソナルコンピュータ400は、入退管理装置300から通知情報を受信したとき、警告情報の表示および/または警告音の出力等の所定の処理を行う。
なお、顔検出装置200、入退管理装置300、およびパーソナルコンピュータ400は、それぞれ、管理対象エリア110毎に情報を処理する。
このような入退管理システム100は、ハンズフリーのID認証手続きを権限者に対して提供し、ID認証の成功により当該権限者に対して管理対象エリア110への扉140を開放することができる。そして、入退管理システム100は、入り口130に設置したカメラ150の撮影画像に、所定の大きさの顔画像が含まれるときに限定して、かかるID認証を行うことができる。すなわち、入退管理システム100は、ID認証による扉140の開放を、入り口130に進入希望者が位置する場合に制限することができる。これにより、入退管理装システム100は、より簡単で的確な入退管理を実現する事ができる。
なお、入退管理システム100は、扉140の近傍の異なる位置に、複数のカメラ150を設置してもよい。そして、入退管理システム100は、所定の大きさの顔画像が少なくとも1つのカメラ150の撮影映像に含まれる場合、または、所定の複数のカメラ150の撮影映像に含まれる場合に、進入希望者が入り口130に位置することに対応する処理を行ってもよい。
<各装置の構成>
次に、顔検出装置200および入退管理装置300の構成について説明する。
図4は、顔検出装置200の構成の一例を示すブロック図である。
図4において、顔検出装置200は、顔検出側通信部210、顔情報格納部220、および顔検出部230を有する。
顔検出側通信部210は、通信ネットワーク160に接続する通信インタフェースであり、通信ネットワーク160を介してカメラ150、入退管理装置300、およびパーソナルコンピュータ400等と通信可能に接続する。
顔情報格納部220は、顔を含む画像から、当該顔を検出するための顔検出情報を格納する。顔検出情報は、例えば、多数の顔画像のサンプルから得られた顔のガボール特徴量や、目や口等の各顔部品の画像パターン等、顔画像の特徴を表す情報である。
また、顔情報格納部220は、カメラ150の撮影画像から顔が検出されたときに、当該顔が進入希望者のものであるか否かの判断基準となる、顔画像の大きさを示す顔大きさ基準情報を格納する。
顔大きさ基準情報は、例えば、撮影画像における、両目(両目頭、瞳中心等)といった顔部品の間の距離、顔の幅および長さの平均値、あるいは顔領域の面積等、撮影画像における顔画像の大きさを定義する情報である。顔大きさ基準情報が定義する顔画像の大きさは、例えば、カメラ150の設置位置から所定の距離(例えば2m)の範囲内に位置する人の顔画像の大きさに対応している。かかる所定の距離の範囲は、例えば、進入希望者は必ず進入するが、進入非希望者はほとんど進入しない範囲である。
なお、顔大きさ基準情報が定義するパラメータは、顔検出情報を用いた顔検出処理の過程において取得されるパラメータであってもよい。例えば、瞳の画像パターンを用いたパターンマッチングにより顔画像を検出する場合、左右の瞳の撮影画像における位置が取得される。この場合、顔大きさ基準情報は、左右の瞳中心の間隔を示す情報とすることが考えられる。
顔情報格納部220が格納する顔検出情報および顔大きさ基準情報は、例えば、顔情報格納部220が備えるモニタ、キーボード、およびマウス等のユーザインタフェース(図示せず)を介して管理者により設定されてもよいし、パーソナルコンピュータ400から遠隔で設定されてもよい。
顔検出部230は、顔検出側通信部210を介してカメラ150から撮影映像を受信し、顔情報格納部220の顔検出情報を用いて、受信された撮影映像から顔を検出する。
更に、顔検出部230は、カメラ150から撮影映像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを判定する。すなわち、顔検出部230は、検出された顔の顔画像の大きさが、顔情報格納部220の顔大きさ基準情報が示す顔画像の大きさ(以下「顔大きさ閾値」という)以上であるか否かの判定(以下、適宜「顔大きさ判定」という)を行う。
図5は、顔検出部230による顔大きさ判定の様子の一例を示す図である。
図5に示すように、ある撮影画像540から、人550の顔が検出されたとする。顔検出部230は、検出された顔の顔画像551の撮影画像540における大きさが、顔大きさ基準情報560が示す、撮影画像540に対する顔画像561の大きさ以上であるか否かを判定する。例えば、顔検出情報が示す顔大きさ閾値が、左右の瞳中心の間隔である場合、顔画像551の、左の瞳中心が映し出されている位置と、右の瞳中心が映し出されている位置との間隔が、顔大きさ閾値との比較の対象となる。なお、顔大きさ基準情報560は、必ずしも顔画像のデータを含むものではない。
そして、図4の顔検出部230は、かかる顔大きさ判定の結果を示す顔情報を生成し、顔検出側通信部210を介して入退管理装置300へ送信する。
なお、顔検出部230は、顔情報の入退管理装置300への送信を、撮影映像に所定の大きさの顔画像が含まれると判定する毎に行ってもよいし、2秒毎というように定期的に行ってもよい。また、顔検出部230は、撮影映像および顔検出の結果(顔大きさ判定の結果)を示す情報を、顔検出側通信部210を介して逐次パーソナルコンピュータ400へ送信してもよい。
また、顔検出部230は、撮影映像に所定の大きさの顔画像が含まれると判定した場合にのみ、その旨を示す顔情報を送信してもよい。
このような構成を有する顔検出装置200は、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを判定し、その判定結果を示す顔情報を、入退管理装置300へ送信することができる。
図6は、入退管理装置300の構成の一例を示すブロック図である。
図6において、入退管理装置300は、入退管理側通信部310、顔情報取得部320、ID情報格納部330、ID認証部340、および扉制御部350を有する。
入退管理側通信部310は、通信ネットワーク160に接続する通信インタフェースであり、通信ネットワーク160を介してカードリーダ141、扉制御装置142、顔検出装置200、およびパーソナルコンピュータ400等と通信可能に接続する。
顔情報取得部320は、顔検出装置200から送信される顔情報を、入退管理側通信部310を介して受信する。そして、顔情報取得部320は、受信された顔情報を、ID認証部340へ出力する。
ID情報格納部330は、許可ID情報を格納する。ID情報格納部330が格納する許可ID情報は、例えば、ID情報格納部330が備えるユーザインタフェース(図示せず)を介して管理者により設定されてもよいし、パーソナルコンピュータ400から遠隔で設定されてもよい。
ID認証部340は、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを示す顔情顔情報が入力されたことを条件として、入退管理側通信部310を介して、カードリーダ141に対しID情報の取得および返信を要求する。そして、ID認証部340は、カードリーダ141から送信されたID情報を、入退管理側通信部310を介して受信し、受信されたID情報に基づいて、入り口130に位置する人に対するID認証を行う。
より具体的には、ID認証部340は、ID情報格納部330を参照して、受信されたID情報が許可ID情報のいずれかに一致するか否かを判定する。またID認証部340は、一致する許可ID情報が存在する場合、ID認証を成功とし、一致する許可ID情報が存在しない場合、ID認証を失敗とする。
そして、ID認証部340は、ID認証が成功した場合、その旨を示す認証成功情報を扉制御部350へ出力する。なお、ID認証部340は、ID認証が成功したID情報を含めた認証成功情報を、入退管理側通信部310を介してパーソナルコンピュータ400へ送信してもよい。また、ID認証部340は、ID認証が失敗した場合、その旨を示す認証失敗情報を、扉制御部350に出力したり、パーソナルコンピュータ400へ送信してもよい。
扉制御部350は、認証成功情報が入力されたとき、扉140の開放を指示する扉制御情報を、入退管理側通信部310を介して扉制御装置142へ送信する。なお、扉制御部350は、認証失敗情報が入力されたとき、扉140の一定期間の閉鎖を指示する扉制御情報を、入退管理側通信部310を介して扉制御装置142へ送信してもよい。
なお、パーソナルコンピュータ400は、例えば、認証成功情報や認証失敗情報を受信したとき、受信した情報の内容を示すテキスト情報を、モニタに表示する。
このような構成を有する入退管理装置300は、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを条件としてID認証を行い、ID認証が成功したときに、入り口130の扉140を開放させることができる。
なお、顔検出装置200および入退管理装置300は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ、および通信回路をそれぞれ有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行する事により実現される。
このような構成を有する入退管理システム100によれば、単にID認証の成否だけではなく、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かに基づいて、入り口130(扉140)の開閉状態を制御することができる。これにより、入退管理システム100は、ICカード操作を特に必要とせずに、より簡単に、管理対象エリアへの進入の意思に応じた的確な入退管理を実現することができる。
<入退管理装置の動作>
次に、入退管理装置300の動作について説明する。
図7は、入退管理装置300の動作の一例を示すフローチャートである。入退管理装置300は、例えば、管理対象エリア110の入り口130に誰もいない時点で、以下に説明する動作を開始する。
ステップS1100において、顔情報取得部320は、顔検出装置200から、顔情報を受信したか否かを判定する。
顔情報取得部320は、顔情報を受信した場合(S1100:YES)、処理をステップS1200へ進める。また、顔情報取得部320は、顔情報を受信していない場合(S1100:NO)、処理を後述のステップS1600へ進める。
ステップS1200において、ID認証部340は、受信された顔情報に基づいて、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを判定する(顔大きさ判定)。
ID認証部340は、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれる場合(S1200:YES)、処理をステップS1300へ進める。ID認証部340は、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれない場合(S1200:NO)、処理を後述のステップS1600へ進める。
なお、顔検出装置200が、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれる場合にのみ顔情報を送信する場合、入退管理装置300は、顔情報の受信をもって(S1100:YES)、処理をステップS1300へ進めてもよい。
ステップS1300において、ID認証部340は、カードリーダ141に対してID情報の無線による取得を指示し、カードリーダ141からID情報を受信する。
ステップS1400において、ID認証部340は、受信されたID情報が、許可ID情報であるか否かを判定する。
ID認証部340は、受信されたID情報が許可ID情報である場合(S1400:YES)、処理をステップS1500へ進める。また、ID認証部340は、受信されたID情報が許可ID情報ではない場合(S1400:NO)、処理を後述のステップS1600へ進める。
ステップS1500において、ID認証部340は、管理対象エリア110の入り口130に進入希望者が位置すると判定する。その結果、扉制御部350は、扉140を所定の時間(例えば5秒)だけ開放させる事を指示する扉制御情報を送信する。なお、所定の時間が経過した後の扉140の閉鎖は、扉制御部350が閉鎖を指示する扉制御情報を扉制御装置142へ送信する事により行ってもよいし、扉制御装置142が自律的に行ってもよい。
なお、ステップS1500に処理が進んでいない場合、つまり、管理対象エリア110の入り口130に進入希望者が位置すると判定されていない場合、扉制御部350は、扉140の開放を指示する扉制御情報を送信せず、扉140は閉鎖されたままとなる。
そして、ステップS1600において、顔情報取得部320は、管理者操作等により、管理対象エリア110への人の進入を管理する処理の終了を指示されたか否かを判定する。
顔情報取得部320は、処理の終了を指示されていない場合(S1600:NO)、処理をステップS1100へ戻す。また、顔情報取得部320は、処理の終了を指示された場合(S1600:YES)、一連の処理を終了する。
このような動作により、入退管理装置300は、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれる毎に、つまり、進入希望者が扉140に近付く毎に、ID認証を行うことができる。そして、入退管理装置300は、ID認証が成功したときに、入り口130の扉140を開放させることができる。
<システムの動作>
次に、入退管理システム100の動作について説明する。
図8は、入退管理システム100の動作の一例を示すシーケンス図である。ここでは、主要な動作に絞って説明を行う。
管理対象エリア110の入り口に人が位置し(S2010)、その人の顔を含む撮影映像がカメラ150から送信されると(S2020)、顔検出装置200の顔検出部230は、当該撮影映像に含まれる顔を検知し、その顔画像が所定の大きさ以上か否かを判定する(S2030)。そして、顔検出部230は、顔画像が所定の大きさ以上である場合、その旨を、顔情報の送信により入退管理装置300に通知する(S2040)。
かかる通知を受けた入退管理装置300は、ID認証部340において、ID情報を取得する旨の指示を、カードリーダ141に対して行い(S2050)、ID情報(タグ情報)の読み込みを行わせる(S2060)。そして、ID認証部340は、ID情報の通知をカードリーダ141から受けると(S2070)、取得されたID情報についてID認証を行い(S2080)、ID認証が成功した場合、扉制御部350を介して扉140を一時的に開放させる(S2090)。
このような動作により、入退管理システム100は、より簡単で的確な入退管理を実現する事ができる。
<本実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態に係る入退管理システム100は、入退管理装置300を有する。この入退管理装置300は、管理対象エリア110の入り口130に位置する人が所持する端末から無線により取得されたID情報に基づいて、入り口130に位置する人が管理対象エリア110への進入権限を有する人であるか否かを判定する、ID認証を行うID認証部340を有する。また、入退管理装置300は、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを示す、顔情報を取得する顔情報取得部320を、更に有する。そして、入退管理装置300は、ID認証の結果および顔情報に基づいて、入り口130の開閉状態を制御する扉制御部350を有する。
これにより、本実施の形態に係る入退管理システム100は、より簡単で的確な入退管理を実現する事ができる。
また、本実施の形態に係る入退管理システム100は、入り口130を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを条件として、ID情報の取得およびID認証を行う。
これにより、本実施の形態に係る入退管理システム100は、不必要な無線通信およびID認証処理を低減することができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、入退管理システム100は、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かによらずに、ID情報の取得およびID認証を行ってもよい。この場合、入退管理装置300は、例えば、ID認証が成功し、更に、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれる事を条件として、扉140を開放させる。
図9は、入退管理システム100の動作の他の例を示すシーケンス図であり、図8に対応するものである。
カードリーダ141は、例えば、周期的にビーコンを送信する。これにより、入り口130に人120が進入する毎に(S3010)、その人120が所持するICカード121からID情報(タグ情報)の読み込みを行い(S3020)、読み込まれたID情報を、入退管理装置300のID認証部340へ通知する(S3030)。ID認証部340は、受信したID情報についてID認証を行い(S3040)、ID認証が成功したことを条件として、顔検出装置200の顔検出部230に対して、顔大きさ検知要求を行う(S3050)。
顔検出部230は、かかる要求を受け、カメラ150から取得される映像(S3060)に基づいて、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かの判定、つまり、所定の大きさの顔画像の検知を行う(S3070)。そして、顔検出部230は、例えば、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを示す顔情報を、入退管理装置300のID認証部340へ送信する(S3080)。
ID認証部340は、カメラ150の撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれることを示す顔情報を受信すると、扉制御部350を介して扉140を一時的に開放させる(S3090)。
このような動作の場合、入退管理システム100は、不必要な撮影、顔検出処理、および顔画像の大きさについての判定処理を低減することができる。
また、顔検出装置200の顔検出部230は、所定の大きさ以上の顔のみを、検出の対象としてもよい。例えば、顔検出部230は、所定の大きさ以上の顔を含む多数のサンプル画像と、所定の大きさ以上の顔を含まない多数のサンプル画像とから学習された識別器を用いることにより、所定の大きさ以上の顔のみを検出の対象とすることができる。
また、入退管理システム100は、顔認証を併用して、セキュリティを強化してもよい。すなわち、顔検出装置200は、例えば顔検出部230において、検出された顔のそれぞれについて、その顔が権限者の顔であるか否かを判定し、権限者の顔であることを条件として、顔画像の大きさの判定および顔情報の送信を行う。
この場合、顔情報格納部220は、撮影映像に含まれる顔画像が権限者の顔の画像であるか否かを判定するための顔認証情報を、権限者の顔毎に当該権限者の許可ID情報と対応付けて格納する必要がある。顔認証情報は、例えば、顔の幅と左右の目尻の間の距離と左右の口角の間の距離との比率等、権限者の顔の特徴を表す情報である。
また、この場合、入退管理システム100は、更に、ID認証により入り口130に位置すると判定された権限者と、顔認証により入り口130に位置する進入希望者であると判定された権限者とが一致するか否かに応じて、入り口130の開閉状態を制御してもよい。
かかる判断は、顔検出装置200で行ってもよいし、入退管理装置300で行ってもよい。入退管理装置300で行う場合、顔検出装置200の顔検出部230は、例えば、顔認証が成功した権限者を示す情報を、顔情報に含めて送信する。そして、入退管理装置300のID認証部340は、顔認証が成功した権限者と、ICカード121から取得されたID情報に対応する権限者とが一致することを条件として、ID認証成功とする。
また、カメラ150の撮影画像から検出された顔画像の大きさと、所定の大きさとを比較する処理は、入退管理装置300で行ってもよい。この場合、入退管理装置300が顔検出装置200から取得する顔情報は、顔画像の大きさを示し、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを間接的に示す情報となる。
また、カメラ150は、ズーム機能を搭載し、画角を変更可能なものであってもよい。この場合、顔検出部230は、カメラ150からズーム値を示す情報を取得し、ズーム値に応じて、進入希望者か否かの判定基準となる顔画像の大きさを変更する必要がある。例えば、顔情報格納部220は、カメラ150のズーム値毎に、カメラ150の設置位置から所定の距離の範囲内に位置する人の顔画像の大きさに対応した、顔大きさ基準情報を格納する。そして、顔検出部230は、カメラ150のズーム値に対応する顔大きさ基準情報を使用する。
また、入退管理装置300は、撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるにもかかわらず、権限者のID情報が取得されない場合、不審者が管理対象エリア110の入り口130に位置することを示す異常通知情報をパーソナルコンピュータ400へ送信してもよい。
また、入退管理システム100は、管理対象エリア110の出口に、入り口130と同様の設備を配置し、管理対象エリア110からの退出を希望する権限者に対して、入り口130と同様に、フリーハンドでの扉の開放を実現してもよい。
また、権限者に割り当てられたID情報を保持する端末は、ICカードに限定されるものではない。かかる端末は、例えば、携帯電話機等、携帯可能な各種無線通信端末であってもよいし、光や音等の電波以外の無線通信によりID情報を出力するものであってもよい。
また、顔検出装置200および入退管理装置300は、上述の通り、管理対象エリア110毎に顔検出およびID認証を行う事が望ましい。
また、入退管理装置300の部分は、入退管理装置300の他の部分と、物理的に離隔して配置されていてもよい。この場合、離隔した各部分は、互いに通信を行うための通信回路を備える必要がある。
また、顔検出装置200の少なくとも一部と、入退管理装置300の少なくとも一部は、一体的に構成されていてもよい。例えば、入退管理装置300の顔情報取得部320は、顔検出装置200の顔検出部230の機能を有し、顔検出および顔画像のサイズの判定を行う事により顔情報を取得してもよい。
また、入退管理装置300は、顔ではなく、撮影映像に含まれる、頭部、手のひら、身体全体等、身体の他の部分の画像の大きさに基づいて、進入希望者が入り口130に位置しているか否かを判定してもよい。
例えば、顔情報取得部320は、入り口を所定の位置から撮影した撮影画像に、所定の大きさの手のひらの画像が含まれるか否かを示す情報を取得する。そして、扉制御部350は、ID認証の結果と、撮影画像に所定の大きさの手のひらの画像が含まれるか否かに基づいて、入り口130の開閉状態を制御する。
<本開示のまとめ>
本開示に係る入退管理装置は、管理対象エリアの入り口に位置する人が所持する端末から無線により取得されたID情報に基づいて、前記入り口に位置する人が前記管理対象エリアへの進入権限を有する人であるか否かを判定する、ID認証を行うID認証部と、前記入り口を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを示す、顔情報を取得する顔情報取得部と、前記ID認証の結果および前記顔情報に基づいて、前記入り口の開閉状態を制御する扉制御部と、を有する。
なお、上記入退管理装置において、前記所定の大きさは、前記所定の位置から所定の距離の範囲内に位置する人の顔画像の大きさに対応していてもよい。
また、上記入退管理装置は、前記撮影画像に対して顔検出を行う顔検出装置と通信を行う通信部、を有し、前記顔情報取得部は、前記通信部を介して、前記顔検出装置から前記顔情報を取得してもよい。
また、上記入退管理装置において、前記ID認証部は、前記撮影画像に前記所定の大きさの顔画像が含まれる事を条件として、前記ID認証を行い、前記扉制御部は、前記ID認証が成功した事を条件として、前記入り口を一時的に開放してもよい。
また、上記入退管理装置において、前記ID認証部は、前記撮影画像に前記所定の大きさの顔画像が含まれる事を条件として、前記入り口に位置する人が所持する端末のID情報を無線により取得してもよい。
また、上記入退管理装置において、前記顔情報取得部は、前記ID認証が成功した事を条件として、前記顔情報を取得し、前記扉制御部は、前記撮影画像に前記所定の大きさの顔画像が含まれる事を条件として、前記入り口を一時的に開放してもよい。
本開示の入退管理方法は、管理対象エリアの入り口に位置する人が所持する端末から無線により取得されたID情報に基づいて、前記入り口に位置する人が前記管理対象エリアへの進入権限を有する人であるか否かを判定する、ID認証を行うステップと、前記入り口を所定の位置から撮影した撮影画像に所定の大きさの顔画像が含まれるか否かを示す、顔情報を取得するステップと、前記ID認証の結果および前記顔情報に基づいて、前記入り口の開閉状態を制御するステップと、を有する。