次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。以下、本実施形態について説明するが、本実施形態は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態では、近接無線通信技術の一例として、NFCを用いた場合について説明している。しかしながら、近接無線通信技術に含まれる他の規格を用いた場合についても本発明を適用することが可能である。
本実施形態は、NFCタグを一例とする近距離無線通信タグと通信を行うNFCアンテナを一例とする通信手段を内蔵する情報処理装置に関する。本実施形態では、内蔵するNFCアンテナの位置情報が表示される。表示された位置情報を参照してユーザ等により情報処理装置のNFCアンテナがNFCタグに翳される。NFCアンテナとNFCタグとが所定の位置関係になると、情報処理装置は近距離無線通信を開始するための信号をNFCタグから受信したか否かを判断する。
近距離無線通信を開始するための信号を受信したと判断すると、近距離無線通信を確立するための信号をNFCタグから受信したか否かを判断する。
さらに、近距離無線通信を確立するための信号を受信したと判断すると、情報処理装置とNFCタグとの間の通信を実行する。本実施形態について、以下の図面を用いて詳細に解説する。
まず、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるRFID(NFC)の基本的な概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるRFID(NFC)の基本的な概略構成について説明するブロック図である。
NFCリーダ/ライタ11は、スマートフォンやタブレットPC等、NFC機能が搭載された情報端末装置である。NFCタグ21は、RF(Radio Frequency)I/F(Interface)211と、コントローラ212と、SEC(Security)213と、通信バッファ214と、メモリ215と、を備える。コントローラ212は、NFCタグ21全体を制御する。通信バッファ214は、NFCリーダ/ライタ11とのデータのやり取りを行う。メモリ215は、データを保持する記録媒体である。SEC213は、データ暗号化等のセキュリティを確保する機能を備える。
NFCリーダ/ライタ11とNFCタグ21とは、アンテナを利用した電磁誘導により起電力を発生して通信を行う。NFCリーダ/ライタ11からは常時磁界が発せられており、NFCタグ21のパッシブタグに近接することにより電磁誘導が発生し、NFCタグ21側に起電力が発生する。発生した起電力によりNFCタグ21が動作し、必要に応じてデータを送信する。NFCタグ21は、例えば、通信に必要な認証データ(ID等)や、機器間の通信を可能にする情報(アドレスやセキュリティデータ等)を格納している。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるNFCによる通信方法について説明する。図2は、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるNFCによる通信方法について説明する図である。
基本的にはNFCリーダ/ライタ11がマスタ機器となり、すべての通信を制御する。NFCタグ21はスレーブ機器となり、マスタ機器からのアクセスに則って応答する。NFCタグ21はパッシブタグと呼ばれ、マスタ機器からの要求に応えるだけであり、自分から動作を起こすことはない。磁界はマスタ機器から発せられる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置の概略構成について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置としての情報端末51の概略構成を示すハードウェアブロック図である。
図3に示すように、情報端末51は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)501と、ROM(Read Only Memory)502と、RAM(Random Access Memory)503と、通信部504と、操作部505と、表示部506(表示手段の一例)と、インタフェース部507と、加速度センサ508と、バス509と、を備えている。CPU501は、情報端末51全体を制御する。ROM502やRAM503等の記憶部は、各種データ、各種プログラム、および、後述する内蔵するNFCアンテナの位置情報等を格納する。CPU501は、ROM502に格納された制御プログラムをロードし、情報端末51の動作によって得た様々なデータをRAM503に展開する。通信部504は、アンテナを用いた通常の無線通信、および、近接無線通信を行う。
操作部505は、ユーザが情報端末51に対して指示を与えるキーボード、マウス等である。表示部506は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される。なお、操作部505は、表示部506のタッチパネルディスプレイに設けられたソフトウェアキーであっても良い。インタフェース部507は、マイク、スピーカ等である。加速度センサ508は、加速度を検出することにより、自装置の傾き(角度)を検出可能なセンサ(検出手段)である。傾き(角度)を検出できるセンサであれば加速度センサ以外のセンサを用いてもよい。バス509は、CPU501、ROM502、RAM503、通信部504、操作部505、表示部506、インタフェース部507、および、加速度センサ508を接続する。
CPU501は、各種信号の受信を判断する機能、および、表示部506に対する情報の表示を制御する機能など、本実施形態の各機能を実現する。CPU501は、例えば、NFCアンテナ(通信手段の一例)とNFCタグとが所定の位置関係にあるとき、通信を開始するための開始信号をNFCタグから受信したか否かを判断する機能(第2の判断手段)を備える。またCPU501は、通信を確立するための確立信号をNFCタグから受信したか否かを判断する機能(第1の判断手段)を備える。またCPU501は、NFCアンテナの位置情報を表示部506に表示する機能(表示制御手段)を備える。
このように、本実施形態の各機能は、CPU501にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現することができる。これらの機能を、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるNFCの通信方法の概要について説明する。図4は、本実施形態に係る情報処理装置に用いられるNFCの通信方法の概要について説明する図である。
情報端末51はNFCリーダ/ライタ11が搭載されているものであり、マスタ機器を意味する。ステップS301の処理において、情報端末51はNFCタグ21へ向けてREQ(Request)を送信する。NFCタグ21がREQを受信すると、ステップS302の処理においてNFCタグ21はATQ(ACK)信号を応答する。このとき、情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための信号(開始信号)を受信したと判断する。
その後、情報端末51は、NFCタグ21を選択するため、ステップS303の処理においてATTRIB信号を送信する。NFCタグ21は、ステップS304の処理においてATTRIB応答を送信し、NFCタグ21の情報を渡す。NFCタグ21の情報がやり取りされ、NFCタグ21が確定される。このとき、情報端末51は、NFCタグ21と通信を確立するための信号(確立信号)を受信したと判断する。そして、ステップS305の処理において、情報端末51は書き込みコマンドをNFCタグ21に送信する。
書き込みコマンドがNFCタグ21で認識されると、ステップS306の処理において、NFCタグ21は書き込みコマンドに対するレスポンス(書き込みコマンドレスポンス)を返す。データを読み出す場合は、ステップS307の処理において、情報端末51はNFCタグ21へ向けて読み出しコマンドを発行する。NFCタグ21は、ステップS308の処理において、読み出しコマンドに対して読み出しコマンドレスポンスを返して、データを送信する。一連のデータの書き込み、読み出しは、基本的に上記説明した流れで行われる。
情報端末51は、何時でも通信できるよう、常時磁界を発生させている。NFCは近接無線通信規格であり、通信距離は一般的に10cm以内といわれている。通信距離は情報端末毎に異なっており、通信環境にも影響されるが、3〜4cm程度が主流である。通信距離は、情報端末側が発生する磁界の強さに起因する。
したがって、NFCタグとの通信をスムーズに行うためには、電磁誘導が起こり易くなるよう、情報端末のアンテナの位置とNFCタグのアンテナの位置とが極力合うように翳す必要がある。しかし、スマートフォンやタブレットPCは、NFCアンテナの位置を明示しているわけではないので、ユーザは、NFCタグに対して情報端末をどのように翳して良いのかが分からない。適当に翳したとしても、情報端末のアンテナとNFCタグのアンテナとの位置合わせが上手くいかないと通信が開始せず、情報端末を移動させながら両者の位置が合う場所を探す必要がある。
また、情報端末毎にNFCアンテナの位置や大きさは異なっており、仮にアンテナの位置を探したとしても簡単には見つからず、結局通信ができないことになり、ユーザにとって非常に使い勝手が悪くなる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナの位置と大きさの違いについて説明する。図5−1〜図5−4は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナの位置と大きさの違いについて説明する図である。
図5−1は、筐体の表面の略下半分の中央付近(A)1箇所にNFCアンテナが搭載されているスマートフォンの例である。図5−2は、筐体の裏面の最下部(B)1箇所にNFCアンテナが搭載されているスマートフォンの例である。
図5−3は、筐体の表面の略中央より下部(C)1箇所にNFCアンテナが円形状に搭載されているスマートフォンの例である。図5−4は、筐体の裏面の上半分の複数箇所(D)にNFCアンテナが搭載されているスマートフォンの例である。このように、情報端末51のNFCアンテナはメーカー毎、機種毎に位置や大きさが異なって搭載されている。
NFCタグ21が情報端末51と略等しい大きさのアンテナを有していれば、情報端末51の如何なる場所にNFCタグ21を翳しても、NFC通信を高い確率で行うことが可能であると考えられる。しかしながら、NFCタグ21を搭載する機器には実装面積に制約があり、NFCタグ21のアンテナを極端に大きくすることは現実的には困難である。
また、NFCタグ21を搭載する機器には金属が使用されている場合が多く、金属は無線通信に影響を与えるため、アンテナの面積をそれほど大きくすることはできない。よって、アンテナ面積が小さいNFCタグ21に対し、NFCアンテナが様々な位置に搭載され得る情報端末51を翳した場合でも、両者の位置合わせが簡単にでき、通信を開始できるようにすることが、ユーザビリティの向上に繋がる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるアプリケーションプログラムによってNFCアンテナの位置を表示する状態について説明する。図6は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるアプリケーションプログラムによってNFCアンテナの位置を表示する状態について説明する図である。このアプリケーションプログラムは、NFCアンテナの位置情報を表示部506に表示する機能(表示制御手段)の一例である。
図6に示す符号Eは、NFCアンテナの位置をユーザに対して提示するアプリケーションプログラムによってNFCアンテナの位置を表示した状態の一例である。NFCアンテナの位置を表示するアプリケーションプログラムが起動すると、スマートフォンやタブレットPCの表示部に、その情報端末に搭載されているNFCアンテナの位置が表示される。
スマートフォンやタブレットPCは、NFCアンテナが略機器の裏面に実装されている場合が多い。したがって、表示の仕方としては、機器裏面のアンテナ搭載位置を表示することになる。また、アンテナが配置される範囲も機器によって異なるので、アンテナの中心位置の表示だけでなく、その範囲を表示するようにすると、NFCタグとのアンテナの位置合わせがより簡単になり、使い勝手が良くなると考えられる。
例えば、図6では、符号Eで示した領域にNFCアンテナが搭載されている。アンテナの位置や実装範囲は機種固有の情報であるので、使用機種に合わせたアプリケーションプログラムが実装されることになる。
アンテナの位置を表示するアプリケーションプログラムの起動は、情報端末51のNFCリード/ライトのアプリケーションソフトウェアを立ち上げた時に起動させる方法や、情報端末51をNFCタグ21に翳した時に起動させる方法等、様々な方法が考えられる。以下、アンテナの位置を表示するアプリケーションプログラムを起動するタイミング及びアンテナ表示の方法等について述べる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの基本的な動作について説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの基本的な動作について説明するフロー図である。
スマートフォンやタブレットPC等の情報端末51がNFCを使用する場合、まず、ステップS601の処理において、情報端末51は、インストールされているNFCアプリケーションを起動する。NFCアプリケーションの起動と同時に、情報端末51は、インストールされているNFCアンテナ位置情報アプリケーションを立ち上げる。そうすると、ステップS602の処理において、情報端末51のNFCアンテナの位置が表示される。なお、NFCアンテナ位置情報アプリケーションは、起動のトリガとなる条件によって、起動するようにしても良い。
ステップS603の処理において、ユーザが表示されたアンテナ位置情報にしたがって、情報端末51をNFCタグ21に翳す動作を行うと、通信が開始される。NFCタグ21と情報端末51とが、図4で説明したREQ送信、ATQ応答のやり取りを行い、通信を行う準備ができると、NFC通信の実行が開始される。無事にデータのやり取りが行われた後、ステップS604の処理において、通信が終了する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作について説明する。図8は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作について説明するフロー図である。
情報端末51がNFCを使用する場合、ステップS701の処理において、情報端末51は、インストールされているNFCアプリケーションを起動する。ステップS702の処理においてユーザ等により情報端末51がNFCタグ21に翳された後、ステップS703の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。
タグ情報を読み取れた(ステップS703:Y)と判断すると、ステップS706の処理において、情報端末51は、直ぐにタグ情報を認識してデータ通信を開始する。所定のデータのやり取りがなされた後、ステップS707の処理においてデータ通信が終了する。
一方、情報端末51をNFCタグ21に翳したが、アンテナの位置が合わないため電磁誘導が発生しない等の理由により、タグ情報を一度で読み取れない(ステップS703:N)と判断すると、ステップS704の処理へ移行する。ステップS704の処理では、情報端末51は、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムを起動する。
ステップS705の処理において、ユーザ等により、そのアンテナ位置情報を頼りに再度情報端末51がNFCタグ21に翳されることによりステップS706の処理へ移行し、データ通信の実行が開始される。無事にデータ通信が完了するとステップS707の処理においてデータ通信が終了する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作の他の例について説明する。図9は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作について説明するフロー図である。
上記のように情報端末51は、自装置の傾き(角度)を検出可能な加速度センサ508を内蔵している。加速度センサ508は、主として、情報端末51本体の向きを検出し、表示装置に表示する画像を縦表示にするか横表示にするかといった判断を行うのに利用されている。本実施形態は、この加速度センサ508を利用し、NFCタグ21に翳される際の情報端末51本体の傾き(角度)が所定の角度で傾いていることを判断することで、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムを起動する。
ステップS801の処理において、情報端末51は、インストールされているNFCアプリケーションを起動する。情報端末51は、ステップS802の処理において、加速度センサ508を起動する。なお、加速度センサ508は常時稼動してもよい。その後、ステップS803の処理において、情報端末51は、情報端末51の傾き状態を加速度センサ508により計測する。ステップS804の処理において、情報端末51は、NFCタグ21に翳されたか否かを判断する。
なお、この傾き状態の計測において、所定の角度を規定することにより、情報端末51が傾いていると判断するようにしても良い。また、そもそもステップS801の処理において、NFCアプリケーションを起動した時点でNFC機能を利用しているものと考えられるので、僅かな角度でも傾きが計測されれば、NFCタグ21に翳されたと判断するようにしても良い。
NFCタグ21に翳されていない(ステップS804:N)と判断すると、ステップS803の処理へ戻り、情報端末51は、引き続き加速度センサ508による情報端末51の傾き状態の計測を継続する。NFCタグに翳された(ステップS804:Y)と判断すると、ステップS805の処理へ移行し、情報端末51は、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムを起動する。
その後、ステップS806の処理において、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの表示にしたがってユーザ等によりアンテナ位置が調整される。情報端末51は、NFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。NFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したと判断すると、ステップS807の処理において、情報端末51は、データ通信の実行を開始する。無事にデータ通信が完了するとステップS808の処理においてデータ通信が終了する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作の他の例について説明する。図10は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムの起動タイミングの動作について説明するフロー図である。
NFC機能を利用する際、情報端末51にインストールされているNFCアプリケーションが起動されずに、情報端末51本体が、そのままNFCタグに翳される場合がある。そのとき、タグ情報を読み取れなかった場合に、情報端末51側のNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムが起動され、アンテナ位置合わせが行われる。
ステップS901の処理において、インストールされているNFCアプリケーションを起動しないで情報端末51がNFCタグ21に翳される。ステップS902の処理において、情報端末51は、NFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
一度で読み取れた(反応した)とき(ステップS902:Y)、ステップS907の処理へ移行し、そのままデータ通信の実行が開始される。そして、所定のデータ読み取り後に、ステップS908の処理においてデータ通信が終了する。
情報端末51をNFCタグ21に翳したが一度で読み取れなかったとき(ステップS902:N)、ステップS903の処理において、情報端末51は、NFCタグ21から何らかの反応があったか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
これは、情報端末51をNFCタグ21に翳した際に、電磁誘導が発生し、情報のやり取りをしようとしたが、データを上手く読み取れない場合があるためである。すなわち、アンテナの位置合わせができておらず、NFCタグ21を起動するだけの十分な電力を発生することができなかった場合に相当する。
NFCタグ21から反応があった(ステップS903:Y)と判断すると、ステップS904の処理へ移行する。ステップS904の処理では、アンテナの位置合わせをやり直すために、情報端末51は、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムを起動する。ステップS906の処理において、ユーザ等により再度アンテナ位置が調整される。これにより、NFCタグ21と通信を確立するための確立信号がNFCタグ21から受信できるようになる。
したがって、アンテナの位置合わせを何度も行う必要がなく、短時間でデータ通信の開始が可能になる。ステップS907の処理においてデータ通信の実行が開始される。無事にデータ通信が完了するとステップS908の処理においてデータ通信が終了する。
NFCタグ21から反応がない(ステップS903:N)と判断すると、ステップS905の処理へ移行し、ユーザ等によりアンテナの位置が探索され、翳し直しが行われる。そして、ステップS902の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明する。図11は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。図8のステップS705の処理において、情報端末51をNFCタグ21に翳したとき、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かの判断以後の処理を追加している。
図11のステップS1001からステップS1005、ステップS1010からステップS1011の各処理は、図8のステップS701からステップS705、ステップS706からステップS707の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
情報端末51のNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置合わせを行うことによりデータ通信を行い易くなるが、アンテナの位置を合わせた場合でも、一度でデータを上手く読み取れない場合もある。その場合、アンテナ位置情報アプリケーションプログラムが、アンテナ位置の表示態様を変更可能とする。これにより、ユーザが、情報端末51のアンテナの位置を認識し易くなり、ユーザによるアンテナの位置合わせを誘導することが可能となる。その一つの方法として、アンテナの位置の表示色の強度や表示輝度を段階的に変更するやり方が考えられる。
ステップS1006の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
タグ情報を読み取れた(ステップS1006:Y)と判断すると、ステップS1010の処理へ移行する。タグ情報を読み取れない(ステップS1006:N)と判断すると、ステップS1007の処理へ移行する。ステップS1007の処理では、情報端末51は、NFCアンテナ位置の表示色の強度を段階的に変えることによって強調し、ステップS1008の処理へ移行する。
ステップS1008の処理において、情報端末51は、アンテナ位置の表示色の設定が最強段階であるか否かを判断する。最強段階でない(ステップS1008:N)と判断すると、ステップS1006の処理へ移行し、再び、情報端末51は、NFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。最強段階である(ステップS1008:Y)と判断すると、ステップS1009の処理へ移行する。
ステップS1009の処理において、情報端末51は、NFCアンテナ位置の表示色の強度を最初の表示色の段階に戻した後、ステップS1006の処理へ移行し、再び、NFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。なお、ステップS1007の処理においては、NFCアンテナの表示色の強度を都度変更する方法、NFCアンテナの位置を点滅させる方法、および、点滅毎に表示色の強度を変更する方法等、様々な方法が考えられる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作の他の例について説明する。図12は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。
図12では、図11のステップS1006の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れない(ステップS1006:N)と判断した後の処理を変更している。図12のステップS1101からステップS1106、ステップS1110からステップS1111の各処理は、図11のステップS1001からステップS1006、ステップS1010からステップS1011の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
ステップS1106の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れない(ステップS1106:N)と判断すると、ステップS1107の処理へ移行する。ステップS1107の処理において、情報端末51は、アンテナの位置を、表示輝度を段階的に変えることで強調する処理を行い、ステップS1108の処理へ移行する。
ステップS1108の処理において、情報端末51は、表示輝度の設定が最大の段階であるか否かを判断する。輝度設定が最大の段階でない(ステップS1108:N)と判断すると、ステップS1106の処理へ移行し、再び、情報端末51はNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。最強段階である(ステップS1108:Y)と判断すると、ステップS1109の処理へ移行する。ステップS1109の処理において、情報端末51は、NFCアンテナ位置の表示輝度を最初の段階に戻した後、ステップS1106の処理へ移行し、再び、NFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。
このように、図12では、図11で説明した表示色の強度の変更に代えて、アンテナ位置の表示輝度を変更している。アンテナの位置を合わせた場合でも、一度でデータを上手く読み取れない場合もある。その場合、アンテナ位置情報アプリケーションプログラムが、アンテナ位置の表示輝度を変える。これにより、ユーザが、情報端末51のアンテナの位置を認識し易くなり、ユーザによるアンテナの位置合わせを誘導することが可能となる。また、一度で反応しなくても、その後アンテナ位置を探している最中に、NFCタグ21と情報端末51のアンテナの位置が近づいてくると、表示輝度を上げるという方法も考えられる。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作の他の例について説明する。図13は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。図9のステップS806の処理において、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムにしたがってアンテナ位置を調整した後の処理を追加している。
図13のステップS1201からステップS1206、及びステップS1211からステップS1212の各処理は、図9のステップS801からステップS806、及びステップS807からS808の各処理と同じである。また、図13のステップS1208からステップS1210の処理は、図11のステップS1007からステップS1009の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
ステップS1207の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。タグ情報を読み取れた(ステップS1207:Y)と判断すると、ステップS1211の処理へ移行する。タグ情報を読み取れない(ステップS1207:N)と判断すると、ステップS1208の処理へ移行する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作の他の例について説明する。図14は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。図9のステップS806の処理において、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムにしたがってアンテナ位置を調整した後の処理を追加している。
図14のステップS1301からステップS1306、及びステップS1311からステップS1312の各処理は、図9のステップS801からステップS806、及びステップS807からS808の各処理と同じである。また、図14のステップS1308からステップS1310は、図12のステップS1107からステップS1109の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
ステップS1307の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
タグ情報を読み取れた(ステップS1307:Y)と判断すると、ステップS1311の処理へ移行する。タグ情報を読み取れない(ステップS1307:N)と判断すると、ステップS1308の処理へ移行する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作の他の例について説明する。図15は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。図10のステップS906の処理において、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムにしたがってアンテナ位置を調整した後の処理を追加している。
図15のステップS1401からステップS1405、ステップS1407の各処理は、図10のステップS901からステップ904、ステップS906、及びステップS905の各処理と同じである。図15のステップS1411からステップS1412の各処理は、図10のステップS907からS908の各処理と同じである。また、図15のステップS1408からステップS1410の各処理は、図11のステップS1007からステップS1009の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
ステップS1406の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
タグ情報を読み取れた(ステップS1406:Y)と判断すると、ステップS1411の処理へ移行する。タグ情報を読み取れない(ステップS1406:N)と判断すると、ステップS1408の処理へ移行する。
次に、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作の他の例について説明する。図16は、本実施形態に係る情報処理装置に搭載されるNFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムによってアンテナの位置表示を明確にする動作について説明するフロー図である。図10のステップS906の処理において、NFCアンテナ位置情報アプリケーションプログラムにしたがってアンテナ位置を調整した後の処理を追加している。
図16のステップS1501からステップS1505、ステップS1507の各処理は、図10のステップS901からステップ904、ステップS906、及びステップS905の各処理と同じである。図16のステップS1511からステップS1512の各処理は、図10のステップS907からS908の各処理と同じである。また、図16のステップS1508からステップS1510の各処理は、図12のステップS1107からステップS1109の各処理と同じなので、詳細な説明は省略する。
ステップS1506の処理において、情報端末51がNFCタグ21のタグ情報を読み取れたか否かを判断する。例えば情報端末51は、NFCタグ21と通信を開始するための開始信号、及びNFCタグ21と通信を確立するための確立信号をNFCタグ21から受信したか否かを判断する。
タグ情報を読み取れた(ステップS1506:Y)と判断すると、ステップS1511の処理へ移行する。タグ情報を読み取れない(ステップS1506:N)と判断すると、ステップS1508の処理へ移行する。
なお、上記実施形態においては、情報端末51が内蔵するNFCアンテナの位置情報は、ROM502、RAM503等の記憶部に予め格納されているという条件で説明を行っている。しかしながら、インストールされているNFCアプリケーションを起動する際や、表示部506にNFCアンテナの位置情報を表示させる際に、図示しないネットワークを介して外部に設けられた他の機器から取得するようにしても良い。
本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムは、ROM502等に予め組み込まれて提供される。
本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(Compact Disk Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録してコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるように構成してもよい。
さらに、本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施形態にかかる情報処理装置で実行されるプログラムは、コンピュータを上述した情報処理装置の各部として機能させうる。このコンピュータは、CPU501がコンピュータ読取可能な記憶媒体からプログラムを主記憶装置上に読み出して実行することができる。
上記説明したように、本実施形態では、NFCタグと情報端末とがNFCにより通信する際、情報端末に搭載されたNFCアンテナの位置が簡単に分かるので、どこに情報端末を翳せば良いかが直ぐに分かる。また、情報端末側のNFCアンテナの位置を気にすることなくNFC通信を開始できるので、ユーザの利便性を向上することができる。
本実施形態によれば、より容易に近距離無線通信を行うことが可能な情報処理装置及びプログラムが得られる。
以上、これまで本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の実施形態は上述した実施形態に限定されるものではない。すなわち、他の実施形態、追加、変更、削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、何れの態様においても本発明の作用効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。