JP2017003526A - 農作物判定システム - Google Patents

農作物判定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2017003526A
JP2017003526A JP2015120296A JP2015120296A JP2017003526A JP 2017003526 A JP2017003526 A JP 2017003526A JP 2015120296 A JP2015120296 A JP 2015120296A JP 2015120296 A JP2015120296 A JP 2015120296A JP 2017003526 A JP2017003526 A JP 2017003526A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crop
value
evaluation
nitrate ion
processing means
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015120296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6362570B2 (ja
Inventor
武広 幕田
Takehiro Makuta
武広 幕田
野田 博行
Hiroyuki Noda
博行 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MAKUTA AMENITY KK
Original Assignee
MAKUTA AMENITY KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MAKUTA AMENITY KK filed Critical MAKUTA AMENITY KK
Priority to JP2015120296A priority Critical patent/JP6362570B2/ja
Publication of JP2017003526A publication Critical patent/JP2017003526A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6362570B2 publication Critical patent/JP6362570B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

【課題】農作物の硝酸イオン含有量を考慮しつつRGB各成分に基づいてより適正な評価ができる農作物判定システムを提供する。
【解決手段】
農作物判定システムは、農作物の可視画像を撮像する撮像手段11と、農家1において農作物の硝酸イオン含有量を測定する濃度測定手段と、農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段20とを備える。評価手段20は、画像データから算出されたRGBの各成分の平均値及び農作物の硝酸イオン含有量データに対して、予め設定されたRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値から評価値を付与する。
【選択図】図1

Description

本発明は、契約関係にある農家で収穫された農作物を遠隔的に評価する農作物判定システムに関する。
従来、収穫された農作物を、その画像データに基づいて評価するシステムが知られている(下記特許文献1参照)。このシステムでは、画像データの背景色がその参照値と等しくなるように画像データ全体の色調を補正して規格化し、規格化された画像データから背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を有する領域が対象領域として切り出される。
そして、切り出された対象領域についてRGBの各成分の平均値を算出し、予め設定されたRGBの各成分の理想値と比較して評価値が付与される。理想値は、予め農作物を破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、Brix値と、味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値との一部又は全部と、RGBの各成分の平均値との相関関係に基づいて設定される。
これによれば、光源、その光の照射装置、透過光を計測するための集光器や光学テーブル等が不要であるため、農作物を評価場所(例えば、選果場)に集めて判定を行う必要はない。したがって、近年注目されている農作物のサプライチェーンマネージメント(農作物を作り手である契約関係にある農家から直接、売り手である店舗へ供給することによる高鮮度・高付加価値農作物の安定供給システム。以下、SCMシステムという)等に適用することができる。
特許第5386753号公報
しかしながら、SCMシステムによる農作物の供給をより促進させるためには、農作物をより的確に評価するために、上記のRGBの各成分の理想値をより適正な値に設定する必要がある。一方、農作物に含まれる硝酸イオンの含有量も甘味や旨味、苦みやえぐ味などに影響することが知られている。
そこで、本発明は、農作物の硝酸イオン含有量を考慮しつつRGB各成分に基づいてより適正な評価ができる農作物判定システムを提供することを目的とする。
第1発明の農作物判定システムは、農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
前記農作物の硝酸イオン含有量を測定する硝酸イオン測定手段と、
前記撮像手段及び前記硝酸イオン測定手段により得られた前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
前記評価手段は、
前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
前記第3処理手段により得られたRGBの各成分の平均値及び前記硝酸イオン測定手段により得られた硝酸イオン含有量データに対して、予め設定されたRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値から評価値を付与する第4処理手段とを備えることを特徴とする。
第1発明によれば、光源、その光の照射装置、透過光を計測するための集光器や光学テーブル等が不要となる。硝酸イオン測定手段としては、市販の安価な測定装置を用いることができる。したがって、システム自体が簡易で導入コストが嵩むということもない。
一方で、撮像された可視画像は、明るさや色合いが不均一となるため、これらを同一の判定基準により判定することは困難であるところ、評価手段は、第1処理手段により画像データの色調を規格化すると共に、第2処理手段が対象領域を切り出すことで、反射部分等を取り除くことができ、第3及び第4処理手段によりRGBの各成分に基づく同一の評価基準で判定を行うことができる。
また、第4処理手段による評価値の付与に際しては、硝酸イオン含有量の理想値も評価の基礎とされるので、RGBの各成分のみに基づいて評価を行う場合よりも正確に評価値の付与を行うことができる。したがって、農作物の硝酸イオン含有量を考慮しつつRGB各成分に基づいてより適正な評価ができる農作物判定システムを実現することができる。
第2発明の農作物判定システムは、第1発明において、前記農作物のサンプルを破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、該サンプルのBrix値と、該サンプルについて味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値との一部又は全部に基づいて、前記RGBの各成分及び前記硝酸イオン含有量の理想値を設定する理想値設定手段を備えることを特徴とする。
第2発明によれば、予め破壊試験による農作物のアミノ酸含有量と、Brix値と、味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値との一部又は全部に基づいて、RGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を設定することで、農作物の種類、さらには、その収穫時期や生育時の気象条件等から最適なRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を設定することができ、かかる最適な理想値に基づいて、農作物を評価場所に集めることなく、簡易かつ確実に農作物を評価することができる。
第3発明の農作物判定システムは、
農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
前記農作物の硝酸イオン含有量を測定する硝酸イオン測定手段と、
前記撮像手段及び前記硝酸イオン測定手段により得られた前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
前記評価手段は、
前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
前記農作物について、そのアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値等の味覚値からなるグループから選択される1又は2以上の値を、前記評価値に対応する値として予測する予測手段とを備え、
前記予測手段は、前記第3処理手段により得られたRGBの各成分の平均値及び前記硝酸イオン測定手段により得られた硝酸イオン含有量データと、予め前記農作物と同種類の農作物のサンプルについて測定された前記RGBの各成分の平均値、硝酸イオン含有量、及び前記グループから選択される1又は2以上の値とに基づいて前記予測を行うものであることを特徴とする。
これによれば、当該農作物についてその硝酸イオン含有量をも考慮して予測されるアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値等の味覚値の一部又は全部の値に対応する評価値を得ることができる。したがって、農作物の硝酸イオン含有量を考慮しつつRGB各成分に基づいてより適正な評価ができる農作物判定システムを実現することができる。
第4発明の農作物判定システムは、第1〜第3のいずれかの発明において、該農作物判定システムは、契約関係にある農家で収穫された農作物を遠隔的に評価するものであり、前記撮像手段による撮像及び前記硝酸イオン測定手段による硝酸イオン含有量の測定は、該農家において行われ、前記評価手段は、該農家から送信された前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データに基づいて該農作物に対する評価値を作成するものであることを特徴とする。
これによれば、契約農家において収穫された農作物の撮像画像及び硝酸イオン含有量が、評価手段に送信され、評価手段によりその農作物の評価値が付与される。そのため、農作物を一箇所に集める必要がないので、農作物判定システムを、産地直送や農作物のSCMシステムなど高鮮度・高付加価値農作物の安定供給システムにも適用することができる。
第5発明の農作物判定システムは、農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた前記農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
前記評価手段は、
前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
前記第3処理手段により算出されたRGBの各成分の平均値に対して、予め設定されたRGBの各成分の理想値から評価値を付与する第4処理手段と、
前記農作物のサンプルを破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、該サンプルのBrix値と、該サンプルの味認識装置で測定された旨味コク値を除く味覚値との一部又は全部、並びに該サンプルについて測定したRGBの各成分の平均値及び硝酸イオン含有量に基づいて、前記RGBの各成分の理想値を設定する理想値設定手段とを備え、
前記理想値設定手段は、前記サンプルを前記硝酸イオン含有量に基づくクラスタ分析により複数のグループに分け、グループ毎に前記RGBの各成分の理想値を設定するものであり、
前記第4処理手段は、前記農作物に対応する前記グループの前記RGB各成分の理想値に基づいて前記評価値の付与を行うものであることを特徴とする。
第5発明によれば、農作物のサンプルについて、硝酸イオン含有量に基づいて分けられたグループ毎にRGB各成分の理想値が設定される。そして、評価対象の農作物について、対応するグループのRGB各成分の理想値に基づいて評価値の付与が行われる。
この場合、グループ毎に、サンプルのRGB各成分の平均値とBrix値とに基づき、RGB各成分の平均値を説明変数、Brix値を目的変数として重相関分析を行うと、農作物の全サンプルについて同様の分析を行う場合に比べて、精度の高い回帰式が得られることが、本発明者らの研究により判明している。なお、農作物の硝酸イオン含有量とBrix値との相関性が高いことも判明している。
一方、グループ毎に、サンプルのRGB各成分の平均値と旨味コク値とに基づき、RGB各成分の平均値を説明変数、旨味コク値を目的変数として重相関分析を行う場合には、全サンプルについて同様の分析を行う場合に比べて、回帰式の精度が低下することが、本発明者らの研究により判明している。なお、硝酸イオン含有量と旨味コク値との相関性が無いことも判明している。
このため、Brix値については、グループ毎の分析結果に基づいて、グループ毎の精度の高い理想値を設定することができる。また、アミノ酸含有量及び味覚値(塩味、苦味雑味、苦味等)は、旨味コク値を除き、硝酸イオン含有量と高い相関性を有する。
したがって、アミノ酸含有量と、旨味コク値を除く味覚値については、Brix値の場合と同様に、全サンプルについて分析を行うよりもグループ毎に分析を行う方が、良好な分析結果が得られると考えられる。したがって、かかる分析結果に基づき、RGB各成分の理想値の設定は、グループ毎に、アミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値を除く味覚値の一部又は全部に基づいて、高い精度で行うことができる。
したがって、第4処理手段は、農作物の硝酸イオン含有量を考慮しながら、評価対象の農作物に対し、これに対応するグループの理想値に基づき、より適正な評価値を付与することができる。なお、評価対象の農作物がどのグループに対応するかは、該農作物について測定された硝酸イオン含有量データや、該農作物を生産した農家が生産する同種類の作物について予め調査されて記録されている硝酸イオン含有量の範囲などに基づいて決定することができる。
第6発明の農作物判定システムは、
農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により得られた前記農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
前記評価手段は、
前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
前記農作物について、そのアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値を除く味覚値からなるグループから選択される1又は2以上の値を、前記評価値に対応する値として予測する予測手段とを備え、
前記予測手段は、前記農作物と同種類の作物のサンプルをその硝酸イオン含有量に基づくクラスタ分析により複数のグループに分け、該農作物に対応するグループのサンプルについて予め測定された前記RGBの各成分の平均値又はこれに加えて硝酸イオン含有量、及び前記グループから選択される1又は2以上の値と、前記第3処理手段により算出されたRGBの各成分の平均値又はこれに加えて該農作物の硝酸イオン含有量データとに基づいて前記予測を行うものであることを特徴とする。
これによれば、評価対象の農作物について、その硝酸イオン含有量をクラスタ分析により考慮しつつ予測されるアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値を除く味覚値の一部又は全部の値に対応する評価値を得ることができる。したがって、農作物の硝酸イオン含有量を考慮しつつRGB各成分に基づいてより適正な評価ができる農作物判定システムを実現することができる。
第7発明の農作物判定システムは、第5又は第6発明において、該農作物判定システムは、契約関係にある農家で収穫された農作物を遠隔的に評価するものであり、前記撮像手段による撮像は該農家において行われ、前記評価手段は、該農家から送信された前記農作物の画像データに基づいて該農作物に対する評価値を作成するものであることを特徴とする。
これによれば、契約農家において収穫された農作物の撮像画像が、評価手段に送信され、評価手段によりその農作物の評価値が付与される。そのため、農作物を一箇所に集める必要がないので、農作物判定システムを、産地直送や農作物のSCMシステムなど高鮮度・高付加価値農作物の安定供給システムにも適用することができる。
第8発明の農作物判定システムは、第4又は第7発明において、前記評価手段により作成された評価値を当該農作物の画像データと一体として、前記農家に送信する評価送信手段を備えることを特徴とする。
第8発明によれば、評価手段により作成された評価値をその農作物の画像データと一体としてその農家に送信することで、農作物を評価場所に集めることなく、当該契約関係にある農家にどのような生産を行った農作物の評価値が高いのかを認識させることができる。
農作物判定システムの全体的な構成を示す斜視図である。 農作物の味覚を主成分Aと主成分Bで表した場合の各成分に寄与する味構成要素の寄与の度合いを示す図である。 図2の各味構成要素を対象として重回帰分析を行う際に用いられるデータの一例を示す図である。 図3のサンプルについて、硝酸イオン含有量とBrix値との関係を示す図である。 図3のサンプルについて、硝酸イオン含有量と旨味コク値との関係を示す図である。 図3のサンプルについて、Brix値とグルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量との関係を示す図である。 図3のサンプルについて、硝酸イオン含有量と塩味との関係を示す図である。 図3のサンプルについて、硝酸イオン含有量と苦味雑味との関係を示す図である。 図3のサンプルについて、硝酸イオン含有量と苦味との関係を示す図である。 図10Aは、図3のサンプルのR、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図10Bは、図3のサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図10Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図11Aは、図3のサンプルのNO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図11Bは、図3のサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図11Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図12Aは、図3のサンプルのR、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図12Bは、図3のサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図12Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図13Aは、図3のサンプルのNO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図13Bは、図3のサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図13Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図14Aは、図3のサンプルの一部のR、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図14Bは、該サンプルの一部について重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図14Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図15Aは、図3のサンプルの一部のNO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図15Bは、該サンプルの一部について重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図15Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図16Aは、図3のサンプルの一部のR、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図16Bは、該サンプルの一部について重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図16Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図17Aは、図3のサンプルの一部のNO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図17Bは、該サンプルの一部について重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図17Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 農作物判定システムにおける処理内容を示すフローチャートである。 図19Aは、農作物判定システムにおけるきゅうりの撮像画像データを規格化する処理を示す説明図であり、図19Bは、該画像データから対象領域を切り出す処理を示す説明図である。 図20Aは、農作物判定システムにおけるほうれん草の撮像画像データを規格化する処理を示す説明図であり、図20Bは、該画像データから対象領域を切り出す処理を示す説明図である。 農作物判定システムにおける判定内容を示す説明図である。 本発明の別の実施形態における理想値設定手段でなされるクラスタ分析において作成されるデンドログラム(樹形図)を示す図である。 デンドログラムにおいて分けられた各クラスタの規模等を示す図である。 図24Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのR、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図24Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図24Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図25Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのNO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列を示す図、図25Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図25Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図26Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのR、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図26Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図26Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。 図27Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのNO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列を示す図、図27Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについて重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す図、図27Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す図である。
図1に示す本実施形態の農作物判定システムは、契約関係にある農家1で収穫された農作物を遠隔的に評価するシステムであって、農家1側に設けられた硝酸イオン測定手段10と、撮像手段11と、ネットワークを介して農家1と空間的に離れた位置に設けられたコントローラ2とを備える。
硝酸イオン測定手段10としては、市販の硝酸イオンメータ、例えばHORIBA社のコンパクト硝酸イオンメータを用いることができる。撮像手段11は、可視画像を撮像する可視カメラであって、一般的なデジタルカメラや携帯電話11´に搭載された可視カメラであってもよい。
コントローラ2は、評価手段20と、理想値設定手段25と、評価データベース26と、履歴データベース27とを備える。評価手段20は、撮像手段11により撮像され、農家1から送信された農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する手段であって、第1処理手段21と、第2処理手段22と、第3処理手段23と、第4処理手段24とを備える。
第1処理手段21は、画像データの色調を規格化する第1処理を実行する。第2処理手段22は、第1処理手段21により規格化された画像データから対象領域を切り出す第2処理を実行する。第3処理手段23は、第2処理手段22により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する。
第4処理手段24は、第3処理手段23により算出されたRGB成分の各平均値に対して、予め設定されたRGBの各成分の理想値から評価値を付与する。なお、第1処理手段21〜第4処理手段24の処理内容の詳細は後述する。
理想値設定手段25は、予め各種の農作物(例えば、きゅうり、小松菜、レタス、キャベツ、トマト、ほうれん草、りんご等)を破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、Brix値と、味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値との一部又は全部と、RGBの各成分の平均値と、該農作物について測定された硝酸イオン含有量との相関関係から当該農作物のRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を設定する。
具体的には、農作物毎に、例えば破壊試験のアミノ酸含有量やBrix値、味認識装置で測定される旨味コク値等の味覚値と、RGB各成分の平均値及び硝酸イオン含有量との関係を求め、これらの一部又は全部から基準値を決定し、その基準値をもとに多変量解析によりRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値が決められる。多変量解析として、例えば、重回帰分析を用いることができる。
図2は、農作物の味覚を主成分Aとしてのおいしさと、主成分Bとしてのこく(濃厚感)で表した場合の各成分に寄与するBrix値や旨味コク等の味構成要素の寄与の度合いを示す。図2では、アミノ酸に属するグルタミン酸及びアスパラギン酸(Glu+Asp)、Brix値、旨味コク、塩味、苦味雑味、苦味、硝酸イオン(NO )について、おいしさ及びこくに対する寄与の度合いが示されている。
図2のように、図2で示される各味構成要素は、農作物のおいしさ及びこくに寄与する度合いが高い。したがって、農作物を味覚の観点から評価するためには、図2の各味構成要素を対象として重回帰分析を行うのが好ましいと考えられる。
図3は、農作物を評価するための重回帰分析に用いられるデータの一例として、各地の複数の農家1で収穫された25の小松菜のサンプルA〜Zについて測定した各種のデータを示す。サンプルA〜Zには、1つの農家1で収穫された複数のサンプルも含まれる。例えばサンプルK、Lは1つの農家1で収穫されたサンプルである。
測定したサンプルのデータには、硝酸イオン含有量(ppm)、Brix値(%)、RGB各成分の平均値と、苦味雑味、苦味、旨味コク及び塩味の味覚センサによる測定値と、グルタミン酸及びアスパラギン酸の含有量とが含まれる。各データの値は、それぞれ「NO 」、「Brix」、「R」、「G」、「B」、「苦味雑味」、「苦味」、「旨味コク」、「塩味」並びに「Glu+Asp」の欄に示されている。以下、これらの欄名は、対応するデータの変数をも表わすものとする。
図4、図5、図7〜図9は、図3の各サンプルのデータにおける硝酸イオン含有量と各味構成要素との関係を示す。各図中には、回帰線、回帰式及び決定係数(R2)により、当該関係における相関性の程度が示されている。図4ではBrix値、図5では旨味コク、図7では塩味、図8では苦味雑味、図9では苦味との関係が示されている。図6は、グルタミン酸とアスパラギン酸(Glu+Asp)との関係を示している。
硝酸イオン含有量は、図5のように旨味コクとの相関性は低いが、図4、図7〜図9のように、Brix、塩味、苦味雑味、苦味との関係では良好な又は強い相関性を有する。したがって、RGB各成分の理想値に加え、硝酸イオン含有量の理想値を考慮することにより、第4処理手段24が付与する評価値の精度を向上できることが期待される。
図10Aは、図3のサンプルのR、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。図10Aに示すように、BrixとR、G、Bとはさほど良好な相関性を有していない。
図10Bは、図3のサンプルについてR、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図10B中の「R」は重相関係数であり、決定係数の平方根に等しい。0から1の間の値をとり、1に近いほど分析の精度が高いことを示す。「修正R」は、サンプルサイズに対する説明変数の数の割合が多くなるほど重相関係数の値は過大評価されやすいため、この点を調整した重相関係数である。
「R2乗」は、決定係数であり、0から1の間の値をとり、1に近いほど分析の精度が高いことを意味する。「修正R2乗」は、説明変数の数が増えるほど決定係数も大きくなるので、説明変数の数を考慮して修正した決定係数である。回帰式の評価には「修正R2乗」を用いるのがよい。
「ダービンワトソン比」は、誤差項間(実測値と理論値との差)の自己相関の有無を判別するための指標であり、0以上4以下の値をとり、2前後であれば自己相関なしと判断できる。なお、重回帰分析では誤差項間に自己相関がないことを仮定している。「AIC」(赤池情報量基準)は、その値が小さいほど、回帰式の精度が高いことを表し、回帰式間で相対的に精度を比較するために用いられる。
図10Bからわかるように、図3のR、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合、得られる回帰式の精度は、さほど高くない。
図10Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。図10Cの「偏回帰係数」は、回帰式における各説明変数の係数及び定数項の値である。「標準誤差」は、偏回帰係数の推定誤差である。「標準偏回帰係数」は、データを標準化して重回帰分析を行った場合の偏回帰係数であり、各説明変数の目的変数への影響度を比較するのに用いられる。
「F値」、「t値」、「P値」は、偏回帰係数の有意性を検定するための値である。例えば、t値の絶対値が2より小さいとき、目的変数に影響しないと判断される。「判定」の欄には、P値に基づき、有意性があると判定された場合には「*」、より高い有意性がある場合には「**」が記載される。
図10Cから、変数R、Gには、高い有意性があり、変数B、定数項は有意性がないことがわかる。
図11Aは、図3のサンプルについてのNO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。図11Aに示すように、BrixとR、G、Bとはさほど良好な相関性を有していないが、BrixとNO とは良好な負の相関性を有する。
図11Bは、図3のサンプルについて、NO 、R、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図11Bに示すように、重相関係数R、修正R、R2乗、修正R2乗の値から、回帰式の精度は良好であることがわかる。ダービンワトソン比は2の近傍であり、実測値と理論値との差には自己相関がない。また、AIC(赤池情報量基準)は、図10Bの場合よりかなり小さいので、回帰式の精度が図10Bの場合よりも高いことがわかる。
図11Cは、回帰式に含まれる説明変数及び定数項についての偏回帰係数等を示す。図11Cに示すように、定数項のt値は2以下であり、目的変数への影響はない。また、「判定」の欄より、NO とRが有意であることがわかる。
上記の図10A〜図11Cから、R、G、Bを説明変数として目的変数Brixを予測する場合よりも、R、G、B及びNO を説明変数として目的変数Brixを予測する方が、良好にBrixを予測できることがわかる。特に、図10Bにおける決定係数(修正R2乗)は、0.2249であるのに対し、図11Bにおける決定係数(修正R2乗)が0.6456であることから、NO を説明変数に加えることによって、Brixを予測するための回帰式の精度が格段に向上することがわかる。
したがって、理想値設定手段25は、Brixに基づいて理想値を決定する際には、R、G、B及びNO を説明変数として予測される目的変数Brixが理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定することにより、高い精度で理想値の決定を行うことができる。
図12Aは、図3におけるR、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図12Bは、R、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図12Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図13Aは、図3におけるNO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図13Bは、NO 、R、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図13Cは、回帰式の回帰係数等を示す。
図12A〜図13Cに示すように、旨味コクを目的変数とする場合、図10A〜図11CのBrixを目的変数とする場合よりも、決定係数が小さく、回帰式の精度が劣ることがわかる。しかし、図12A〜図13Cの場合も、図10A〜図11Cの場合と同様に、NO を説明変数に加えることにより、決定係数等が向上しており、回帰式の精度を向上させることができる。
したがって、理想値設定手段25は、旨味コクに基づいて理想値を決定する際にも、R、G、B及びNO を説明変数として予測される目的変数旨味コクが理想の値となるようにして、R、G、B及びNO の理想値を決定するのが好ましい。
図14Aは、図3における11の小松菜のサンプルA〜J、W、Xについて、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。サンプルA〜J、W、Xは、1つの農家1で収穫されたものである。図14Bは、そのサンプルについて、R、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図14Cは、この回帰式の偏回帰係数等を示す。
図15Aは、図3のサンプルA〜J、W、Xについて、NO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。図15Bは、サンプルA〜J、W、Xについて、NO 、R、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図15Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図14A〜図15Cにおける決定係数等の値から、上記1つの農家1のサンプルA〜J、W、Xに基づいてBrixを予測する場合においても、R、G、Bを説明変数として目的変数Brixを予測するよりも、R、G、B及びNO を説明変数として目的変数Brixを予測する方が、良好にBrixを予測できることがわかる。
したがって、この場合も、理想値設定手段25は、R、G、B及びNO を説明変数として予測される目的変数Brixが理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定する。
図16Aは、図3のサンプルA〜J、W、Xについて、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図16Bは、サンプルA〜J、W、Xについて、R、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図16Cは、その回帰式の回帰係数等を示す。
図17Aは、図3のサンプルA〜J、W、Xについて、NO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図17Bは、サンプルA〜J、W、Xについて、NO 、R、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図17Cは、該回帰式の回帰係数等を示す。
図16A〜図17Cにおける決定係数等の値から、上記1つの農家1のサンプルA〜J、W、Xに基づいて旨味コク値を予測する場合においても、R、G、Bを説明変数として目的変数旨味コクを予測するよりも、R、G、B及びNO を説明変数として、目的変数旨味コクを予測する方が、良好に旨味コクを予測できることがわかる。
したがって、この場合も、理想値設定手段25は、R、G、B及びNO を説明変数として予測される目的変数旨味コクが理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定するのが好ましい。
このように、理想値設定手段25は、Brixや旨味コクに基づいて農作物の評価を行う場合、Brixや旨味コクが理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定する。すなわち、回帰式の説明変数R、G、B及びNO の値として、目的変数Brixや旨味コクが理想の値となるような値を、R、G、B及びNO の理想値として採用する。
また、Brixや旨味コク以外の他の味構成要素についても、図7〜図9のように硝酸イオン含有量との相関性が高いので、これらの味構成要素を目的変数として得られる予測値が理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定するのが好ましいと考えられる。
また、R、G、B及びNO の理想値を決定する際には、各味構成要素(Brix、旨味コク等の味覚値、アミノ酸含有量など)のいずれか1つがその理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定してもよいし、複数の味構成要素が図3の主成分Aによるおいしさと、主成分Bによる濃厚感とを理想の状態とさせるような理想の値となるようにR、G、B及びNO の理想値を決定してもよい。
なお、このようにBrix値や味認識装置による旨味コク等の測定値に基づいてRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を設定することに代えて又は加えて、官能検査等による検査結果に基づいて、RGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を決定又は補正してもよい。
図1に戻り、評価データベース26は、各種農作物(例えば、きゅうり、小松菜、レタス、キャベツ、トマト、ほうれん草、りんご等)を破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、brix値と、味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値と、当該農作物のRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値の過去のデータ(気象条件、収穫時期等を含む)を記憶する記憶手段である。
履歴データベース27は、評価手段20により評価された各種農作物の評価値(気象条件、収穫時期等の付加情報を含む)の履歴を記憶する記憶手段である。
なお、本実施形態において、コントローラ2を構成する処理手段21〜27は、それぞれCPU、ROM、RAM等のハードウェアにより構成され、これらの処理手段21〜27が、それぞれ共通のハードウェアによって構成されていてもよく、これらの一部又は全部が異なるハードウェアによって構成されていてもよい。
また、撮像手段11とコントローラ2との間は、撮像手段11から画像データの読み込みを行うパーソナルコンピュータ12を介して、インタネット等のネットワークにより接続されている。また、撮像手段を備えた携帯電話11´の場合には、無線通信により基地局13を介して、ネットワークによりコントローラ2と接続されている。
硝酸イオン測定手段10による測定結果は、キーボードによりパーソナルコンピュータ12に入力され、パーソナルコンピュータ12によりコントローラ2に送られる。硝酸イオン測定手段10を、パーソナルコンピュータ12及びネットワークを介してコントローラ2に接続し、測定結果を直接コントローラ2に送るようにしてもよい。
次に、図18を参照して、以上のように構成された農作物判定システムにより契約関係にある農家で収穫された農作物を評価する方法について説明する。
まず、コントローラ2は、撮像手段11,11´により撮像された画像データが送付されるとその画像データに添付された付加情報から、画像データの農作物の種類を認識する(図18/STEP11)。
ここで、画像データに添付された付加情報は、農家1が画像データをコントローラ2に送付する際に記載する情報であって、例えば、画像データの農作物の種類、農法(有機農法)、収穫日時、収穫条件(樹熟、早熟など)などの情報である。また、この付加情報には、当該農作物の硝酸イオン含有量(ppm)が含まれる。硝酸イオン含有量は、農家1において、硝酸イオン測定手段10により測定される。
なお、画像データに農作物の種類に関する付加情報を添付せずに、画像データに基づいて、その画像データの農作物の形状からパターンマッチング等により農作物の種別を判定して認識するようにしてもよい。
次に、コントローラ2は、STEP11で認識された農作物の種類に対応したRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値を評価DB26から読み出す(図18/STEP12)。
ここで、読み出されたRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値は、そのまま評価手段20による画像データの評価に用いてもよいが、ユーザにより補正処理が施されるようにしてもよい。例えば、生産地やその年の気象条件等を考慮して理想値を補正することで、より最適な理想値を設定して現実に即した評価が可能となる。
次に、評価手段20の第1処理手段21は、画像データの色調を規格化する第1処理を実行する(図18/STEP21)。
具体的には、図19A又は図20Aに示すように、もともと黒の統一した背景の下で撮像された農作物の撮像画像の背景色(黒色)がその参照値と等しくなるように、画像全体の色調を補正して規格化する。
また、評価精度の向上のためには、農作物の撮像画像の背景色(黒色)の輝度がその参照値と等しくなるように、画像全体の輝度を補正して規格化してもよい。
次に、評価手段20の第2処理手段22は、画像データから対象領域を切り出す第2処理を実行する(図18/STEP22)。
具体的には、図19Bの斜線部分又は図20Bで示すように、画像データから、背景色(黒色)以外で、同じ色調の領域を、対象物である農作物(きゅうり又はほうれん草)の領域として抽出する。このとき、抽出される同じ色調の領域には、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調を同じ色調の領域として抽出してもよく、色調のばらつき等を考慮してユーザが所定の所定範囲の色調を指定するようにしてもよい。
これにより、対象領域のうちで反射等による高輝度領域や陰となった低輝度領域を除いて対象領域を切り出すことができる。
なお、第2処理手段22による処理に加えて又は代えて、ユーザが対象領域を手動で指定して、対象領域を切り出すようにしてもよい。
次に、評価手段20の第3処理手段23は、切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値であるRGB平均値を算出する(図18/STEP23)。
ここで、第3処理手段23は、STEP23で切り出された対象領域のRGB平均値として、この領域内の各ドットのRGB値(R、G、Bそれぞれの輝度が0以上、255以下の整数)の平均値を算出する。
次いで、第4処理手段24は、STEP23で算出されたRGB平均値及び付加情報に含まれる硝酸イオン含有量に対して、STEP12で読み出されたRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値に基づく評価値を付与する(図18/STEP24)。
具体的には、図21に示すように、STEP23で算出されたRGB平均値は、同じ農作物であっても、産地、生産方法や収穫時期等により、理想値とは異なる分布を示す。
図21において、理想値は、R成分(約640nm)ではRGB平均値が170で、G成分(約540nm)ではRGB平均値が140であるのに対して、A〜Dに示す産地・農法等の異なる実際のきゅうりやほうれん草では、理想値ほどRGB平均値は低くならず、例えばR成分ではA〜Dの順に理想値から外れている。
また、理想値のB成分(約440nm)ではRGB平均値が220であるのに対して、AとBは、理想値に近いものの、C、Dは、理想値ほどRGB平均値は高くならず、理想値から外れている。
そこで、第4処理手段24は、例えば、RGBの各成分について、平均値が理想値に等しい場合を100点として、理想値から所定の第1範囲内を80点、さらに第1範囲外の第2範囲内を60点、第2範囲外の第3範囲内を40点、それ以外を0点として、3成分の総合評価(300点満点)を行う。
さらに、第4処理手段24は、付加情報に含まれる当該農作物の硝酸イオン含有量と、読み出された硝酸イオン含有量の理想値とを比較し、その差分に応じて、同様に点数付けを行い、これを上記の3成分の総合評価の点数に加算することにより当該農作物についての評価値を得る。
なお、この評価値は一例であり、農作物の種類によっては、RGBの3成分のいずれかに重み付けをしたり、硝酸イオン含有量に重み付けをしたりして評価してもよく、いずれかの成分及び硝酸イオン含有量に基づいて評価をしてもよい。
次いで、コントローラ2は、第4処理手段24により付与された評価値を履歴データベース27に格納する(図2/STEP31)。このとき、コントローラ2は、評価値と併せて、農家1から送信された画像データに添付された付加情報(農作物の硝酸イオン含有量、種類、農法(有機農法)、収穫日時、収穫条件など)を一体として格納する。
これにより、事後的に履歴データベース27に格納された評価情報を、農作物の硝酸イオン含有量、種類、農法、収穫時期、収穫条件に分けて、統計的な処理等が可能となり、より付加価値の高い農作物を生産するための有益な資料を得ることができる。
次に、コントローラ2は、STEP24により付与された評価値を、対応する画像データと一体として、その農家1へ送信し、一連の処理を終了する(図2/STEP32)。これにより、農作物を評価場所に集めることなく、当該契約関係にある農家1にどのような生産を行った農作物の評価値が高いのかを認識させることができる。
農家1における評価値の出力は、パーソナルコンピュータ12によって行うことができる。出力の形態としては、画面上への表示に加えて音声による出力を伴うようにしてもよい。出力される評価値としては、上記のような点数の他、「金」、「銀」、「銅」などの評価の程度に応じたクラスを示すものが考えられる。あるいは、「非常に甘い」、「甘い」、「苦い」、「渋い」、「辛い」、「濃厚でコクがある」等のような味覚をそのまま表現したものであってもよい。
また、そのような表示の代わりに、又はそのような表示に加えて、評価値に応じた図形、例えば笑顔、渋い顔等を併せて出力たり、金色、銀色等の図形を出力するようにしてもよい。また、評価値に応じて大きさが異なる図形を表示してもよい。
以上が、本実施形態の農作物判定システムにより契約関係にある農家1で収穫された農作物を評価する方法の詳細であり、かかる農作物判定システムによれば、農作物を一箇所に集める必要がないため、産地直送や農作物のSCMシステムなど高鮮度・高付加価値農作物の安定供給システムにも適用することができ、簡易かつ確実に農作物を評価することができる。
また、第4処理手段24による評価値の付与に際しては、硝酸イオン含有量の理想値も評価の基礎とされるので、RGBの各成分のみに基づいて評価を行う場合よりも正確に評価値の付与を行うことができる。
図22は、本発明の別の実施形態に係る農作物判定システムおける理想値設定手段でなされるクラスタ分析において作成されるデンドログラム(樹形図)を示す。このデンドログラムでは、図3のサンプルについてNO (硝酸イオン含有量)の値をサンプル間の距離として各クラスタに分類している。横軸は結合距離であり、縦軸はデータ番号である。データ番号1、2、3、・・・、25は、図3におけるサンプルA、B、C、・・・、Zに対応する。
図23は、このデンドログラムにおいて、2500をボーダーラインとして設定することにより分けられたクラスタ1〜4についての規模(そのクラスタに属するサンプルの数)、NO 、R、G、Bの平均値を示す。
図24Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのR、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。図24Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについてR、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図24Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図10A〜図10Cと図24A〜図24Cとを比較すると、R、G、B及びBrixについては、図3の全サンプルを対象とするよりも、クラスタ1及び2に属するサンプルのみを対象とする方が、重相関分析の精度が高いことがわかる。
図25Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのNO 、R、G、B及びBrix間の相関係数を示す相関行列である。図25Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについてNO 、R、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図25Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図11A〜図11Cと図25A〜図25Cとを比較すると、NO 、R、G、B及びBrixについては、図3の全サンプルを対象とするよりも、クラスタ1及び2に属するサンプルのみを対象とする方が、重相関分析の精度がやや高いことがわかる。また、図3の全サンプルを対象とするよりも、クラスタ1及び2に属するサンプルのみを対象とする方が、NO よりもRの値がBrixに与える影響が大きくなることがわかる。
特に、図10Bにおける決定係数(修正R2乗)は、0.2249であるのに対し、図24Bにおける決定係数(修正R2乗)が0.5150であることから、NO を説明変数に加えなくても、クラスタ1及び2のサンプルのみを対象として分析を行うことにより、Brixを予測するための回帰式の精度が格段に向上することがわかる。
図26Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのR、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図26Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについてR、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図26Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図12A〜図12Cと図26A〜図26Cとを比較すると、修正R2乗の値が図12Bでは0.1969、図26Bでは0.1248であることから、R、G、B及び旨味コクについては、図3の全サンプルを対象とするよりも、クラスタ1及び2に属するサンプルを対象とする方が、重相関分析の精度がやや低いことがわかる。
図27Aは、クラスタ1及び2に属するサンプルのNO 、R、G、B及び旨味コク間の相関係数を示す相関行列である。図27Bは、クラスタ1及び2に属するサンプルについてNO 、R、G、Bを説明変数、旨味コクを目的変数として重相関分析を行った場合の回帰式の精度を表す各種指標を示す。図27Cは、回帰式の偏回帰係数等を示す。
図13A〜図13Cと図27A〜図27Cとを比較すると、修正R2乗の値が図13Bでは0.2226、図27Bでは0.0963であることから、NO 、R、G、B及び旨味コクについては、図3の全サンプルを対象とするよりも、クラスタ1及び2に属するサンプルを対象とする方が、重相関分析の精度がかなり低いことがわかる。
以上の図10A〜図13C及び図24A〜図27Cの結果から、Brixに基づいて評価値を得る場合には、NO (硝酸イオン含有量)の値をサンプル間の距離としてクラスタに分類してから、分類された各クラスタ内でR、G、Bを説明変数、Brixを目的変数として重相関分析を行うことにより、図24A〜図24Cのように、精度の高い重相関分析の結果が得られる。この結果は、図25A〜図25CのNO を説明変数に含む場合よりも修正R2乗がやや小さいが、十分高い精度を示しているといえるので、この結果に基づいて、R、G、B各成分についての十分適正な理想値が得られることがわかる。
したがって、Brixについての評価値を得る場合には、上記のNO を用いたクラスタ分析と、R、G、Bを説明変数、Brixを目的変数とした重相関分析とを併用することによって、十分適正な評価値を得ることができる。
一方、旨味コク値に基づいて評価値を得る場合には、逆に、クラスタ分析を伴うと、重相関分析の精度が低下する。このため、クラスタ分析を行わずに全サンプルを対象として13A〜図13CのようにNO 、R、G、Bを説明変数、旨味コク値を目的変数として重相関分析を行い、その結果に基づいてNO 、R、G、Bの理想値を設定するのが好ましい。
他方、旨味コク値を除く味覚値及びアミノ酸含有量(Glu+Asp)については、Brix値の場合と同様に、硝酸イオン含有量との高い相関性を有する(図6〜図9参照)ので、全サンプルについて分析を行うよりもグループ毎に分析を行う方が、良好な分析結果が得られると考えられる。
したがって、アミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値を除く味覚値の一部又は全部に基づいて評価値を付与する場合には、硝酸イオン濃度の理想値を設定しなくても、上記のグループ毎にRGB各成分の理想値を設定することにより、この理想値に基づいて適正な評価値を付与することができると考えられる。
本実施形態において、以上説明したこと以外の点については、上記図1〜図21の実施形態の場合と同様である。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば、実施形態においては、農作物として、小松菜を評価した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、きゅうり、ほうれん草、トマト、りんごなどの種々の青果物のほか、花や観葉植物等の草木に適用してもよい。
また、実施形態では、理想値設定手段25により、Brix又は旨味コクに基づいて、RGB各成分及び窒素含有量の理想値又はRGB各成分の理想値を設定する場合について説明したが、他の味構成要素であるアミノ酸含有量(Glu+Asp)や、これらの味構成要素の2以上の組合せに基づいて理想値を設定するようにしてもよい。
また、味構成要素である味覚値には酸味や渋みが含まれる。これらの味覚値も硝酸イオンとある程度の相関性を有するので、理想値設定手段による理想値の設定に際し、Brixなどの場合と同様にして参酌することができる。
また、上述の実施形態においては、評価手段20は、農家1から画像データ等が送られた農作物を評価する際に、第4処理手段24により、その画像データ等に基づくRGB各成分の平均値及び硝酸イオン含有量と、その農作物について理想値設定手段25により予め設定されたRGB各成分の平均値及び硝酸イオン含有量の理想値とを比較して評価値を決定している。しかし、第4処理手段24に代えて、次のような予測手段を採用し、これにより農作物の評価値に対応する値を予測し、この予測値に基づいて評価値を決定するようにしてもよい。
この予測手段は、例えば、上記と同様の重相関分析によって回帰式を取得し、これによりBrix値や旨味コク値を予測するものである。すなわち、予測手段は、農家1から画像データが送信された農作物について、そのアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値等の味覚値からなるグループから選択される1又は2以上の値を、評価値に対応する値として予測する。この予測は、第3処理手段23により算出されたRGBの各成分の平均値及び農家1から送信された農作物の硝酸イオン含有量データと、図3に示したような予め該農作物と同種類の農作物のサンプルについて測定されたRGBの各成分の平均値、硝酸イオン含有量、及び前記グループから選択される1又は2以上の値とに基づいて行われる。
この場合、評価手段20は、例えば、予測手段により当該農作物のBrix値として高い値が予測された場合、当該農作物については「甘い」との評価値を付与し、低い値が予測された場合、「甘くない」との評価値を付与することができる。
ただし、この場合も、上記の硝酸イオン含有量を用いたクラスタ分析により複数のグループに分けて分析を行う場合には、説明変数としてNO (硝酸イオン含有量)を用いずに、RGB各成分の平均値を用いれば十分であるが、旨味コク値については適切な予測値を得ることはできない。
また、上述のように、アミノ酸含有量、Brix値、旨味コク値等の値を、評価値に対応する値として予測し、評価値を表示する場合には、アミノ酸含有量、Brix値、旨味コク値等の評価対象項目毎に評価値を表示することができる。具体的には、評価対象項目毎の評価値を、棒グラフや円グラフ等の各種グラフで表示したり、評価対象項目毎に、その評価値とともに、又はこれに代えて、評価値を示すような笑顔、渋い顔等の図形等を表示したりするようにしてもよい。
1…農家、2…コントローラ、10…硝酸イオン測定手段、11…撮像手段、11´…携帯電話、20…評価手段、21…第1評価手段、22…第2評価手段、23…第3評価手段、24…第4評価手段、25…理想値設定手段、26…評価データベース、27…履歴データベース。

Claims (8)

  1. 農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
    前記農作物の硝酸イオン含有量を測定する硝酸イオン測定手段と、
    前記撮像手段及び前記硝酸イオン測定手段により得られた前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
    前記評価手段は、
    前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
    前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
    前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
    前記第3処理手段により得られたRGBの各成分の平均値及び前記硝酸イオン測定手段により得られた硝酸イオン含有量データに対して、予め設定されたRGBの各成分及び硝酸イオン含有量の理想値から評価値を付与する第4処理手段とを備えることを特徴とする農作物判定システム。
  2. 請求項1記載の農作物判定システムにおいて、前記農作物のサンプルを破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、該サンプルのBrix値と、味認識装置で測定された旨味コク値等の味覚値との一部又は全部に基づいて、前記RGBの各成分及び前記硝酸イオン含有量の理想値を設定する理想値設定手段を備えることを特徴とする農作物判定システム。
  3. 農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
    前記農作物の硝酸イオン含有量を測定する硝酸イオン測定手段と、
    前記撮像手段及び前記硝酸イオン測定手段により得られた前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
    前記評価手段は、
    前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
    前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
    前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
    前記農作物について、そのアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値等の味覚値からなるグループから選択される1又は2以上の値を、前記評価値に対応する値として予測する予測手段とを備え、
    前記予測手段は、前記第3処理手段により得られたRGBの各成分の平均値及び前記硝酸イオン測定手段により得られた硝酸イオン含有量データと、予め前記農作物と同種類の農作物のサンプルについて測定された前記RGBの各成分の平均値、硝酸イオン含有量、及び前記グループから選択される1又は2以上の値とに基づいて前記予測を行うものであることを特徴とする農作物判定システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の農作物判定システムにおいて、該農作物判定システムは、契約関係にある農家で収穫された農作物を遠隔的に評価するものであり、前記撮像手段による撮像及び前記硝酸イオン測定手段による硝酸イオン含有量の測定は、該農家において行われ、前記評価手段は、該農家から送信された前記農作物の画像データ及び硝酸イオン含有量データに基づいて該農作物に対する評価値を作成するものであることを特徴とする農作物判定システム。
  5. 農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により得られた前記農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
    前記評価手段は、
    前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
    前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
    前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
    前記第3処理手段により算出されたRGBの各成分の平均値に対して、予め設定されたRGBの各成分の理想値から評価値を付与する第4処理手段と、
    前記農作物のサンプルを破壊した破壊試験のアミノ酸含有量と、該サンプルのBrix値と、該サンプルの味認識装置で測定された旨味コク値を除く味覚値との一部又は全部、並びに該サンプルについて測定したRGBの各成分の平均値及び硝酸イオン含有量に基づいて、前記RGBの各成分の理想値を設定する理想値設定手段とを備え、
    前記理想値設定手段は、前記サンプルを前記硝酸イオン含有量に基づくクラスタ分析により複数のグループに分け、グループ毎に前記RGBの各成分の理想値を設定するものであり、
    前記第4処理手段は、前記農作物に対応する前記グループの前記RGB各成分の理想値に基づいて前記評価値の付与を行うものであることを特徴とする農作物判定システム。
  6. 農作物の可視画像を統一した背景色の下で撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段により得られた前記農作物の画像データから該農作物に対する評価値を作成する評価手段とを備え、
    前記評価手段は、
    前記画像データの背景色がその参照値と等しくなるように、前記画像データ全体の色調を補正して規格化する第1処理手段と、
    前記第1処理手段により規格化された前記画像データから、背景色以外の領域の色調の平均値から所定範囲の色調、或いは所定の所定範囲の色調を対象領域として切り出す第2処理手段と、
    前記第2処理手段により切り出された対象領域のRGBの各成分の平均値を算出する第3処理手段と、
    前記農作物について、そのアミノ酸含有量、Brix値、及び旨味コク値を除く味覚値からなるグループから選択される1又は2以上の値を、前記評価値に対応する値として予測する予測手段とを備え、
    前記予測手段は、前記農作物と同種類の作物のサンプルをその硝酸イオン含有量に基づくクラスタ分析により複数のグループに分け、該農作物に対応するグループのサンプルについて予め測定された前記RGBの各成分の平均値又はこれに加えて硝酸イオン含有量、及び前記選択される1又は2以上の値と、前記第3処理手段により算出されたRGBの各成分の平均値又はこれに加えて該農作物の硝酸イオン含有量とに基づいて前記予測を行うものであることを特徴とする農作物判定システム。
  7. 請求項5又は6に記載の農作物判定システムにおいて、該農作物判定システムは、契約関係にある農家で収穫された農作物を遠隔的に評価するものであり、前記撮像手段による撮像は該農家において行われ、前記評価手段は、該農家から送信された前記農作物の画像データに基づいて該農作物に対する評価値を作成するものであることを特徴とする農作物判定システム。
  8. 請求項4又は7に記載の農作物判定システムにおいて、
    前記評価手段により作成された評価値を当該農作物の画像データと一体として、前記農家に送信する評価送信手段を備えることを特徴とする農作物判定システム。
JP2015120296A 2015-06-15 2015-06-15 農作物判定システム Active JP6362570B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015120296A JP6362570B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 農作物判定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015120296A JP6362570B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 農作物判定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017003526A true JP2017003526A (ja) 2017-01-05
JP6362570B2 JP6362570B2 (ja) 2018-07-25

Family

ID=57754192

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015120296A Active JP6362570B2 (ja) 2015-06-15 2015-06-15 農作物判定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6362570B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020176976A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 マクタアメニティ株式会社 追熟度判定装置
JP2021073925A (ja) * 2019-11-11 2021-05-20 直政 鈴木 農作物の育成上の管理・点検方法
JP2021089179A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 マクタアメニティ株式会社 追熟度判定装置

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000354475A (ja) * 1999-04-14 2000-12-26 Ito En Ltd 植物汁の製造方法及び植物汁並びに植物汁含有飲食物
JP2006240662A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Hitachi Chemical Industries Co Ltd 出荷野菜の含有成分量表示方法
JP2006329674A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Keio Gijuku 味の測定方法並びにそのための味覚センサー及び味測定装置
WO2010140632A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 日本山村硝子株式会社 水耕栽培における高機能性植物体の生産方法
JP5386753B2 (ja) * 2010-12-02 2014-01-15 マクタアメニティ株式会社 農作物判定システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000354475A (ja) * 1999-04-14 2000-12-26 Ito En Ltd 植物汁の製造方法及び植物汁並びに植物汁含有飲食物
JP2006240662A (ja) * 2005-03-02 2006-09-14 Hitachi Chemical Industries Co Ltd 出荷野菜の含有成分量表示方法
JP2006329674A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Keio Gijuku 味の測定方法並びにそのための味覚センサー及び味測定装置
US20090234196A1 (en) * 2005-05-23 2009-09-17 Keio University Method of taste measuring, taste sensosr therefor and taste measuring apparatus
WO2010140632A1 (ja) * 2009-06-03 2010-12-09 日本山村硝子株式会社 水耕栽培における高機能性植物体の生産方法
JP5386753B2 (ja) * 2010-12-02 2014-01-15 マクタアメニティ株式会社 農作物判定システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
株式会社堀場製作所: "LAQUA [水質計測総合サイト]", [ONLINE], JPN6017050069, 19 February 2015 (2015-02-19), ISSN: 0003711650 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020176976A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 マクタアメニティ株式会社 追熟度判定装置
JP2021073925A (ja) * 2019-11-11 2021-05-20 直政 鈴木 農作物の育成上の管理・点検方法
JP2021089179A (ja) * 2019-12-03 2021-06-10 マクタアメニティ株式会社 追熟度判定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6362570B2 (ja) 2018-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Walsh et al. The uses of near infra-red spectroscopy in postharvest decision support: A review
US10839503B2 (en) System and method for evaluating fruits and vegetables
EP3679348B1 (en) System and method for evaluating fruits and vegetables
Anderson et al. Technologies for forecasting tree fruit load and harvest timing—from ground, sky and time
Fallovo et al. Leaf area estimation model for small fruits from linear measurements
Grossetete et al. Early estimation of vineyard yield: site specific counting of berries by using a smartphone.
CN108760655B (zh) 一种苹果味觉图谱信息可视化方法
WO2020152157A1 (en) Information processing apparatus, electronic device and method
JP6362570B2 (ja) 農作物判定システム
JP6238216B1 (ja) 農作物判定システム
Colvin et al. Development of a digital analysis system to evaluate peanut maturity
US20220252568A1 (en) Means and methods for scoring vegetables and fruits
JP2015077113A (ja) 植物判定装置、植物判定方法、及びプログラム
KR102309568B1 (ko) 이미지 기반 작물 생육정보 자동계측 시스템
Bonfante et al. Terroir analysis and its complexity: This article is published in cooperation with Terclim 2022 (XIVth International Terroir Congress and 2nd ClimWine Symposium), 3-8 July 2022, Bordeaux, France.
Ferrara et al. Ripeness prediction in table grape cultivars by using a portable NIR device
CN114527082A (zh) 甜玉米种子萌发预测方法及装置
Iswari Fruitylicious: Mobile application for fruit ripeness determination based on fruit image
Yue et al. An evaluation of US strawberry producers trait prioritization: Evidence from audience surveys
JP4993558B2 (ja) 農作物特定方法及び農作物特定装置
JP5386753B2 (ja) 農作物判定システム
Martínez Vega et al. A sampling approach for predicting the eating quality of apples using visible–near infrared spectroscopy
KR20180055718A (ko) 작물의 수확 시기 예측 장치
Walsh et al. Monitoring fruit quality and quantity in mangoes
JP2004147539A (ja) 果樹の成育状態評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170927

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170927

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171220

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180612

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180626

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6362570

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150