JP2017003348A - 位置推定方法、位置推定装置、及び位置推定プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に適したデバイスフリーパッシブ屋内位置推定の位置推定モデルを低コストで構築することができる位置推定方法、位置推定装置、及び位置推定プログラムを提供する。
【解決手段】分散モデル作成部22が、転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と前記電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、人物が通過位置で通過したときの受信部で受信した電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の第1リンク毎に作成し、転移部24が、複数の第1リンクの分散モデルの中から、分散モデルの特徴が、転移先の環境の第2リンクと類似する第1リンクの分散モデルを選択し、選択した分散モデルを第2リンクの分散モデルに転移させ、学習部26が、第2リンクを人物が通過した場合に人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習し、推定部28が、人物が通過した第2リンクにおける通過位置を推定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、位置推定方法、位置推定装置、及び 位置推定プログラムに係り、特に、電波信号を用いて人物の通過位置を推定する位置推定方法、位置推定装置、及び 位置推定プログラムに関する。
Wi−Fi電波信号を用いた一般的な屋内位置推定技術では、位置推定のである人物が常に電波信号の受信機を持ち歩く必要がある。そのため、この技術は、独居高齢者の見守りのような常に人物の位置を捕捉し続けるようなアプリケーションには向いていない。そこで、近年、電波信号の受信機を身に着けていない人物の位置を推定する技術である屋内位置推定手法デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術の研究が注目されている。
非特許文献1には、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術の学習フェーズにおいて各参照点に人物が立った場合の電波強度を環境内に固定された受信機によって収集する技術が開示されている。この技術における推定フェーズでは、電波強度のベクトルsが与えられた場合に下記(1)式で表されるベイズの定理を用いて条件付確率P(l|s)が最大となる位置を人物の位置lとして推定する。また、条件付確率P(s|l)のモデル化手法として、ガウス分布、ヒストグラム、ガウスカーネルを比較している。
Figure 2017003348
非特許文献2には、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術において、異なる窓幅を持つ時間窓によって電波強度の移動平均及び移動分散を計算し、電波強度の短時間の変化と長期間の変化によって環境内に人物がいるか否かを検出する技術が開示されている。
非特許文献3には、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術において、電波強度の移動平均及び移動分散を計算する手法を実環境において評価し、受信機の数、時間窓のサイズ等の様々なパラメータの影響を調査した結果が開示されている。
非特許文献4には、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術において、ユーザがどの参照点にいるかを決定するために、線形判別分析や非線形判別分析、ユークリッド距離による分類といった判別分類器を用いる技術が開示されている。
非特許文献5には、Matlab内のfastsmooth関数を実行することで電波強度を平滑化し、信号強度のノイズを除去する技術が開示されている。
非特許文献6には、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定技術の近年の研究において、環境の変化に対応するために生の電波強度情報の代わりに電波強度の分散値を用いる技術が開示されている。
Kosba, A. E., Abdelkader, A., & Youssef, M. (2009, December). Analysis of a device-free passive tracking system in typical wireless environments. In New Technologies, Mobility and Security (NTMS), 2009 3rd International Conference on (pp. 1-5). IEEE. Youssef, M., Mah, M., & Agrawala, A. (2007, September). Challenges: device-free passive localization for wireless environments. In Proceedings of the 13th annual ACM international conference on Mobile computing and networking (pp. 222-229). ACM. Seifeldin, M., Saeed, A., Kosba, A. E., El-Keyi, A., & Youssef, M. (2013). Nuzzer: A large-scale device-free passive localization system for wireless environments. Mobile Computing, IEEE Transactions on, 12(7), 1321-1334. Xu, C., Firner, B., Zhang, Y., Howard, R., Li, J., & Lin, X. (2012, April). Improving rf-based device-free passive localization in cluttered indoor environments through probabilistic classification methods. In Proceedings of the 11th international conference on Information Processing in Sensor Networks (pp. 209-220). ACM. Deak, G., Curran, K., Condell, J., & Londonderry, U. K. (2010). Device-free passive localization using RSSI-based wireless network nodes. In PGNeT 2010-The Eleventh Annual Postgraduate Symposium on the Convergence of Telecommunications, Networking and Broadcasting (pp. 241-246). Paul, A. S., Wan, E. A., Adenwala, F., Schafermeyer, E., Preiser, N., Kaye, J., & Jacobs, P. G. (2014, September). MobileRF: A robust device-free tracking system based on a hybrid neural network HMM classifier. In Proceedings of the 2014 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing (pp. 159-170). ACM.
上述したデバイスフリーパッシブ屋内位置推定を行う場合、屋内位置推定モデルを学習するために、位置推定の対象 とする環境(以下、「対象 環境」という。)における様々な場所で人物が学習用データを取得する必要がある。そのため、デバイスフリーパッシブ屋内位置推定を行う際には、システムの導入にかかるコストが大きくなってしまう。
また、人物の家で学習データを収集する際、人物がスマートフォンのような機器に自身の位置座標を幾度も入力する必要があるため、特に人物が高齢者であった場合等には、人物の負担が大きく実用的ではない。また、家具を動かす等により電波信号の送受信機間の電波強度が変化した場合には、電波強度の分散値を計算することでは送受信機間の人の通過を検出することができなくなってしまう。この場合には、人物が学習用データを再度取得する必要がある。そのため、対象 環境が変化した場合においても、位置推定モデルの学習時における人物の負担が軽減されることが望ましい。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、環境に適したデバイスフリーパッシブ屋内位置推定の位置推定モデルを低コストで構築することができる位置推定方法、位置推定装置、及び位置推定プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の位置推定方法は、分散モデル作成部、転移部、学習部、及び推定部を備えた位置推定装置における位置推定方法であって、前記分散モデル作成部が、転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と前記電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、前記人物が前記通過位置で通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の前記第1リンク毎に作成するステップと、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記分散モデルの特徴が、転移先の環境における前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ第2リンクと類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2リンクの前記分散モデルに転移させるステップと、前記学習部が、前記転移された前記第2リンクの前記分散モデルに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過した場合に前記人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習するステップと、前記推定部が、前記転移先の環境における前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記位置推定モデルとに基づいて、前記人物が通過した前記第2リンクにおける前記通過位置を推定するステップと、を含む。
なお、前記学習部が前記位置推定モデルを構築して学習するステップは、前記学習部が、前記転移部により選択された前記第1リンクにおける、前記人物が通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記人物が通過していないときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値とに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過したか否かを判定するための通過判定モデルを学習するステップを更に含むようにしても良い。
また、前記第1リンクは、前記転移元の環境の間取り図に基づいて、前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ前記第1リンクを、壁により区切った複数の第1サブリンクを含み、前記第2リンクは、前記転移先の環境の間取り図に基づいて、前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ前記第2リンクを、壁により区切った複数の第2サブリンクを含み、前記分散モデル作成部が前記分散モデルを作成するステップは、前記複数の第1サブリンク毎に前記分散モデルを作成し、前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記複数の第2サブリンク毎に、前記第2サブリンクと類似する前記第1サブリンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2サブリンクの前記分散モデルに転移させ、前記学習部が前記位置推定モデルを構築して学習するステップは、前記複数の第2サブリンク毎に、前記位置推定モデルを構築して学習するようにしても良い。
また、前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記第1リンクの両端の特徴が前記第2リンクの両端の特徴に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含むようにしても良い。
また、前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記第1リンクにおける前記送信部と前記受信部との間に配置された壁の数が、前記第2リンクにおける前記送信部と前記受信部との間に配置された壁の数に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含むようにしても良い。
また、前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記人物が前記第1リンクを通過した場合の前記電波強度の分散値の分布が、前記人物が前記第2リンクを通過した場合の前記電波強度の分散値の分布に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含むようにしても良い。
本発明の位置推定装置は、転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と前記電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、前記人物が前記通過位置で通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の前記第1リンク毎に作成する分散モデル作成部と、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記分散モデルの特徴が、転移先の環境における前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ第2リンクと類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2リンクの前記分散モデルに転移させる転移部と、前記転移された前記第2リンクの前記分散モデルに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過した場合に前記人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習する学習部と、前記転移先の環境における前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記位置推定モデルとに基づいて、前記人物が通過した前記第2リンクにおける前記通過位置を推定する推定部と、を備える。
本発明の位置推定プログラムは、コンピュータを、上記位置推定方法の各ステップとして機能させるプログラムである。
本発明によれば、環境に適したデバイスフリーパッシブ屋内位置推定の位置推定モデルを低コストで構築することができる、という効果が得られる。
実施形態に係る位置推定装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る位置推定装置の記憶部を示す模式図である。 実施形態に係る第1間取り図の一例を示す模式図である。 実施形態に係る第2間取り図の一例を示す模式図である。 実施形態に係るアクセスポイント及び 受信部を3mの距離だけ離間させて配置した際に、人がアクセスポイント及び 受信部間を通過した時の電波強度の分散値の時系列データの一例を示す模式図である。 実施形態に係る第1間取り図の一例を示す模式図である。 実施形態に係る第2間取り図の一例を示す模式図である。 実施の形態に係る位置推定装置により実行される位置推定処理の全体の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る位置推定装置により実行される前処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る位置推定装置により実行されるモデル作成処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る位置推定装置により実行される転移処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る位置推定装置により実行される学習処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る位置推定装置により実行される推定処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。

以下、図面を参照して、本実施形態に係る位置推定装置を説明する。なお、本実施形態では、建物を対象 環境とすると共に、建物の間取りが変化することにより対象 環境が変化する場合を想定する。以下、変化前の対象 環境を「転移元の環境」といい、変化後の対象 環境を「転移先の環境」という。また、本実施形態では、屋内位置推定によって独居高齢者を見守るアプリケーションを想定し、対象 環境内に1人の人物がいる場合の人物の位置を推定する。
本実施形態に係る位置推定装置10は、図1に示すように、対象 環境内において人物の位置を推定する位置推定処理に必要となる各種情報を不揮発性メモリに記憶する記憶部18を有する。また、位置推定装置10は、電波信号の受信部で受信された電波信号の前処理を行う前処理部20を有する。
また、位置推定装置10は、転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、人物がその通過位置で通過したときの受信部で受信した電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の第1リンク毎に作成する分散モデル作成部22を有する。
また、位置推定装置10は、複数の第1リンク毎に作成した第1リンクの分散モデルの中から、分散モデルの特徴が、転移先の環境における送信部の設置位置と受信部の設置位置とを結んだ第2リンクと類似する第1リンクの分散モデルを選択し、選択した分散モデルを第2リンクの分散モデルに転移させる転移部24を有する。
また、位置推定装置10は、転移された第2リンクの分散モデルに基づいて、第2リンクを人物が通過した場合に人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習する学習部26を有する。なお、学習部26は、転移部24により選択された第1リンクにおける、人物が通過したときの受信部で受信した電波信号の電波強度の分散値と、人物が通過していないときの受信部で受信した電波信号の電波強度の分散値とに基づいて、第2リンクを人物が通過したか否かを判定するための通過判定モデルを学習する。さらに、位置推定装置10は、転移先の環境における受信部で受信した電波信号の電波強度の分散値と、位置推定モデルとに基づいて、人物が通過した第2リンクにおける通過位置を推定する推定部28を有する。
記憶部18には、一例として図2に示すように、電波信号の送信部であるWi−Fiのアクセスポイントと電波信号の受信部との位置関係を含めた転移元の環境の第1間取り図を示す第1間取り図情報18Aが記憶されている。また、記憶部18には、同様に電波信号の送信部であるWi−Fiのアクセスポイントと受信部との位置関係を含めた転移先の環境の第2間取り図を示す第2間取り図情報18Bが記憶されている。
一例として図3に示すように、第1間取り図によると、転移元の環境では、建物30Aの内部に壁34で区切られた複数の部屋32A乃至32Cが設けられている。また、転移元の環境では、建物30Aの中央付近に電波信号の送信部であるWi−Fiのアクセスポイント36が設置されている。さらに、転移元の環境では、アクセスポイント36から送信された電波信号を受信する複数の受信部38A乃至38E(以下、受信部を特定しない場合には、単に受信部38と称する場合がある。)が設置されている。なお、転移元の環境では、アクセスポイント36及び 受信部38Eが部屋32A乃至32Cの外部に設けられ、受信部38Aが部屋32Aに設けられ、受信部38B及び 38Cが部屋32Bに設けられ、受信部38Dが部屋32Cに設けられている。
一例として図4に示すように、第2間取り図によると、転移先の環境では、転移元の環境と同様に、建物30Bの内部に壁34で区切られた複数の部屋32A乃至32Cが設けられている。また、転移先の環境では、転移元の環境と同様に、建物30Aの中央付近に電波信号の送信部であるWi−Fiのアクセスポイント36、及び、受信部38A乃至38Eが設置されている。なお、転移先の環境でも、アクセスポイント36及び 受信部38Eが部屋32A乃至32Cの外部に設けられ、受信部38Aが部屋32Aに設けられ、受信部38B及び 38Cが部屋32Bに設けられ、受信部38Dが部屋32Cに設けられている。
本実施形態では、転移前の環境における建物30Aと転移後の環境における建物30Bとで、内部の部屋32Aの位置が異なる場合を想定している。一例として図3及び図4に示すように、転移元の環境における部屋32Aの位置が、転移先の環境では右方向にずれた位置となっている。本実施形態では、転移元の環境と転移先の環境との異なる点が部屋32Aの位置のみである場合について説明するが、これに限らず、建物30Aと建物30Bとが間取りが全く異なる建物であっても良い。
また、記憶部18には、一例として図2に示すように、位置情報が付加された転移元の環境における受信部38A〜38Eにより観測された電波強度情報である第1電波強度情報18Cが受信部38毎に記憶されている。また、記憶部18には、位置情報が付加されていない転移先の環境における受信部38A〜38Eにより観測された電波強度情報である第2電波強度情報18Dが受信部38毎に記憶されている。さらに、記憶部18には、転移元の環境での人物が対象 環境内にいない時に受信部38A〜38Eにより観測された電波強度情報である第3電波強度情報18E、及び、転移先の環境での人が対象 環境内にいない時に受信部38A〜38Eにより観測された電波強度情報である第4電波強度情報18Fが受信部38毎に記憶されている。
なお、ここでいう位置情報は、対象 環境内を人物が移動した軌跡情報であり、時刻と人物の位置とが対応付けられた情報である。この位置情報から、人物がアクセスポイント36と受信部38との間のどの座標をどの時刻に通過したかが判別される。また、ここでいう電波強度情報は、受信部38で得られた電波強度の時系列データである。
本実施形態に係る位置推定装置10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、後述する位置推定処理プログラム等を含む各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)を備えたコンピュータ装置で構成される。なお、ROMに代えて不揮発性メモリを用いてもよい。また、位置推定装置10を構成するコンピュータは、ハードディスクドライブ又は不揮発性メモリ等の記憶部を備えていてもよい。また、ハードディスクドライブ等の記憶部にCPUが実行するプログラムが記憶されていてもよい。CPUがROMやハードディスク等の記憶部に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、上記のハードウェア資源とプログラムとが協働し、以下に説明する機能が実現される。
また、本実施形態に係る位置推定装置10は、アクセスポイント36に設けられていても良く、アクセスポイントに接続されていても良い。これらの場合には、受信部38は、受信した電波信号の電波強度情報をアクセスポイント36に転送する。そして、位置推定装置10は、アクセスポイント36に転送された電波強度情報と、後述する位置推定モデルとに基づいて、人物の通過位置を受信部38毎に推定する。
以下では、前処理部20による処理段階を前処理フェーズ、分散モデル作成部22による処理段階をモデル作成フェーズ、転移部24による処理段階を転移フェーズ、学習部26による処理段階を学習フェーズ、及び推定部28による処理段階を推定フェーズとする。以下、各フェーズについて詳細に説明する。
[前処理フェーズ]
前処理部20は、受信部38で受信した電波強度情報を取得すると、電波強度の分散値として、電波強度の時系列データを0.1秒毎に平均した平均値を算出する。また、前処理部20は、電波強度の時系列データに窓幅1秒の時間窓を設定し、時間窓毎に、0.1秒毎の平均値に基づいて電波強度の分散値を算出する。また、前処理部20は、時間窓を90%オーバーラップさせつつ時間窓を移動させ、すなわち時間窓を0.1秒分ずつ移動させながら電波強度の分散値を算出する。前処理部20は、このようにして電波強度情報に前処理を行い、干渉等の影響が緩和された電波強度の分散値の時系列データを作成する。なお、分散モデル作成部22、転移部24、学習部26及び推定部28では、前処理部20により前処理が行われた電波強度情報が使用される。また、前処理フェーズは、受信部38A〜38Eの各々から受信した電波強度情報の各々について実行される。
図5に、アクセスポイント36及び受信部38を3mの距離だけ離間させて配置した際に、人物がアクセスポイント36と受信部38との間を通過した時の電波強度の分散値の時系列データを通過位置毎に示した。一例として図5に示すように、電波強度の分散値は、時系列に沿って変化する。
[モデル作成フェーズ]
分散モデル作成部22は、転移元の環境において、アクセスポイント36の設置位置と各受信部38の設置位置とを結んだリンク40A乃至40E(第1リンク)毎に、人物の通過位置と電波強度の分散値との関係を表す分散モデルを作成する。以下、リンクを特定しない場合には、単に「リンク40」と称する場合がある。
一例として図5に示すように、電波強度の分散値は、人物がアクセスポイント36と受信部38との間を通過した場合、通過していない場合と比較して高くなるが、その際、人物の通過位置によって各々異なっていることがわかる。具体的には、人物がアクセスポイント36と受信部38との間の様々な位置を通過した場合、人物がアクセスポイント36又は受信部38に近い位置を通過するほど電波強度が大きくなる。これは、人物がアクセスポイント36と受信部38との間において、アクセスポイント36又は受信部38に近付くほど、受信部38により受信される電波信号が人体によって遮蔽されるためである。そのため、本実施形態では、作成対象 とする分散モデルとして、アクセスポイント36又は受信部38の位置で分散値が最大となる分散モデル、すなわち後述する混合数2の混合ガウス関数を作成する。
また、アクセスポイント36と受信部38との間に壁34が存在する場合、同じリンク40上であっても、壁34で区切られた領域毎に電波強度の分散の特徴が大きく変わってくる。そのため、本実施形態では、一例として図6及び図7に示すように、リンク40上に壁が設けられている場合、リンク40を壁34で区切ったサブ区間であるサブリンク42A1、42A2乃至42E(第1サブリンク)毎に、分散モデルを作成する。以下、サブリンクを特定しない場合には、単に「サブリンク42」と称する場合がある。なお、壁34の配置情報は、上述した第1間取り図及び第2間取り図から得られる。
例えば、図3に示す転移元の環境におけるアクセスポイント36と受信部38Aとの間のリンク40Aについては、図6に示すように、壁34で区切られたサブリンク42A1の分散モデルと、サブリンク42A2の分散モデルとを別個に作成する。一方、図3に示す転移元のアクセスポイント36と受信部38Eとの間のリンク40Eは、壁34で区切られていないため、リンク40Eをそのままサブリンク42Eとする。なお、リンク40上に2つ以上の壁が配置されている場合は、各々の壁で区切られた3つ以上のサブリンク42毎にそれぞれ分散モデルを作成する。
また、図3に示す転移元のリンク40Aと、図4に示す転移先のリンク40Fとは、リンク40の距離及び壁34のリンク40上での配置位置が各々異なっている。従って、図6に示す転移元のリンク40Aが壁34で区切られたサブリンク42A1及び 42A2と、図7に示す転移先のリンク40Fが壁34で区切られたサブリンク42F1及び 42F2は、当然異なったものとなる。
電波強度の分散値v(x)とサブリンク42上の通過位置x[m]との関係を表現する分散モデルとして、下記(2)式で定義される混合数2の混合ガウス関数を用いる。(2)式における通過位置xは、サブリンク42の片端(例えば、アクセスポイント36)から通過位置までの距離であり、l[m]は、サブリンク42の長さである。
Figure 2017003348
転移元の環境で得られる学習データは、上述したように、電波強度の分散値の時系列データ、及び、時刻と人物の位置とが対応付けられた軌跡情報である。本実施形態では、この学習データから、時刻tにおいて人物がサブリンク42上の通過位置xを通過した場合、時刻tを中心にw[秒](例えば、1秒)の時間窓内で最大となる電波強度の分散値を、通過時の電波強度の分散値v(x)とする。そして、通過位置xと通過時の電波強度の分散値v(x)との組み合わせを複数抽出する。
パラメータa1、b1、a2、b2は、通過位置xと通過時の電波強度の分散値v(x)との組み合わせを用いて、公知の手法であるLevenberg-Marquardt法による最小二乗近似を行うことで計算する。なお、Levenberg-Marquardt法に関しては、以下の参考文献1に具体的に開示されている。
[参考文献1] More, J. J. (1978). The Levenberg-Marquardt algorithm: implementation and theory. In Numerical analysis (pp. 105-116). Springer Berlin Heidelberg.
[転移フェーズ]
転移部24は、転移先の環境におけるサブリンク42(第2サブリンク)について、転移元の環境における複数のサブリンク42の中から、分散モデルの特徴が転移先の環境におけるサブリンク42と類似するサブリンク42を選択する。なお、この第2サブリンクは、転移先の環境におけるリンク40B乃至40D、40F(第2リンク)を壁34で区切ったサブ区間であるサブリンク42B1、42B2乃至42E、42F1、42F2(第2サブリンク)である。そして、転移部24は、選択した転移元の環境におけるサブリンク42の分散モデルを、転移先の環境における各々のサブリンク42の分散モデルに転移させる。
ここで、転移元の環境におけるサブリンク42の選択手順を以下に示す。本実施形態では、転移元の環境における全てのサブリンク42の中から、選択の候補とするサブリンクを以下の(1)乃至(3)の手順により絞り込んでいく。以下、転移対象 とする転移先のサブリンク42を転移対象 サブリンクという。
(1)転移元の環境における全てのサブリンク42の中から、転移対象 サブリンクとサブリンク42の両端の特徴が類似した転移元の環境におけるサブリンク42を選択する。例えば、転移対象 サブリンクの両端が受信部38及び 壁34であった場合、転移元の環境における全てのサブリンク42から両端が受信部38及び 壁34であるサブリンク42を選択する。
(2)上記(1)で選択された転移元の環境におけるサブリンク42の中から、そのサブリンク42が属するリンク40内に配置された壁34の数が、転移対象 サブリンクと類似するサブリンク42を選択する。ここで、壁34の数が類似するとは、転移元のサブリンク42の壁34の数と転移対象 サブリンクの壁34の数との差の絶対値が予め定めた閾値以下、例えば1以下であることをいう。例えば、閾値を0とした場合は、転移対象 サブリンクが属するリンク40内に配置された壁の数が1つであった場合、上記(1)で選択されたサブリンク42の中から、配置された壁の数が1つであるリンク40に属するサブリンク42を更に選択する。なお、壁34の配置情報は第1間取り図及び第2間取り図から得られる。
(3)上記(2)で選択された転移元の環境におけるサブリンク42から、下記(a)乃至(c)に示す、サブリンク42同士の類似度を表す基準に従って、転移対象 サブリンクに類似するk個のサブリンク42を選択する。
(a)通過時の分散:2つのサブリンク42において、人物がサブリンク42上を幾度もランダムに通過した際に得られる電波強度の分散値の分布が類似している場合、それらのサブリンク42が持つ分散モデルも類似していると考えられる。言い換えると、類似した分散モデルを持つ複数のサブリンク42からは、サブリンク42上を幾度も通過した際に各々類似する電波強度の分散値が得られる。そこで、本実施形態では、転移元の環境におけるサブリンク42を人物が通過した時の電波強度の分散値の分布と、転移対象 サブリンクを人物が通過した時の電波強度の分散値の分布とを比較する。
ここでは、転移元の環境については、第1電波強度情報18Cによって示される位置情報が付加された電波強度情報について前処理部20が前処理することにより得られた、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。
また、転移先の環境については、第2電波強度情報18Dによって示される位置情報が付加されていない電波強度情報について前処理部20が前処理することにより得られた、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。上述したように、人物がサブリンク42上を通過した時に電波強度の分散値が大きくなることが分かっている。本実施形態では、これを利用し、他の値から大きく外れた値を検知する外れ値検知技術を用い、外れ値と判定された電波強度の分散値を、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値とみなす。そして、位置情報が付加されていない電波強度情報から、人物がサブリンク42上を通過した時に対応する電波強度の分散値を検知する。
なお、本実施形態では、外れ値を検知する際、電波強度の時系列データに対して1秒の時間窓を設定し、電波強度の移動分散を求める。また、求めた移動分散の対数を取って電波強度の平均値及び 分散を求め、求めた平均値及び 分散をパラメータとする正規分布において上位5%となる電波強度の分散値を外れ値とみなす。そして、この外れ値とみなされた電波強度の分散値を、人物がサブリンク42上を通過した時に対応する電波強度の分散値とする。転移先の環境における位置情報が付加されていない電波強度情報が十分な量あれば、転移先の環境におけるサブリンク42の分散モデルと類似した分散モデルを持つ転移元の環境におけるサブリンク42を選択することができる。
転移元の環境におけるサブリンク42を人物が通過した時の電波強度の分散値の分布、及び転移対象 サブリンクを人物が通過した時の電波強度の分散値の分布を、公知の手法であるKLダイバージェンス(Kullback-Leibler divergence)によって比較する。本実施形態では、転移元の環境におけるサブリンク42、及び転移対象 サブリンクのKLダイバージェンスによる比較によって得られたKL情報量を、類似度を表す数値Aとして算出する。なお、KL情報量は、比較対象 の差異又は類似度を表す指標であり、KL情報量が小さくなる程、比較対象 が類似していることを表す。
(b)サブリンク42の長さ:サブリンク42の長さが類似している分散モデルは、分散モデルの形状が類似していると考えられる。そこで、転移元の環境におけるサブリンク42と転移対象 サブリンクの長さの差の絶対値を、転移元の環境におけるサブリンク42と転移対象 サブリンクの長さの類似度を表す数値Bとして算出する。
(c)電波強度:人物が環境内にいない時に得られる電波強度の分散値の分布が類似しているサブリンク42は、サブリンク42上に存在する障害物が類似していると考えられる。そこで、本実施形態では、第3電波強度情報18E及び第4電波強度情報18Fを用いて、人物が環境内にいない時の電波強度の分散値の分布を比較する。転移元の環境において人物が環境内にいない時に得られる電波強度の分散値の分布、及び転移先の環境において人物が環境内にいない時に得られる電波強度の分散値の分布を、上述したKLダイバージェンスによって比較する。本実施形態では、転移元の環境におけるサブリンク42、及び転移対象 サブリンクのKL情報量を、類似度を表す数値Cとして算出する。
本実施形態では、上記(a)乃至(c)で算出した数値A乃至Cを平均が0、分散が1となるように標準化する。また、標準化した値を要素とするベクトルのユークリッド距離を求め、k近傍法(k−NN)によって最も距離が小さいk個の転移元の環境におけるサブリンク42を選択する。これにより、転移先の環境におけるサブリンク42に最も類似するk個の転移元の環境におけるサブリンク42が選択される。そして、k個の転移元の環境におけるサブリンク42の分散モデルのパラメータa1、b1、a2、b2について、ユークリッド距離が近い程、重みが重くなるような重み付き平均を行う。このようにして、転移対象 サブリンクの分散モデルのパラメータa1、b1、a2、b2を算出し、転移対象 サブリンクの分散モデルを作成する。なお、パラメータa1、b1、a2、b2を算出する際には、上記(2)式におけるサブリンクの長さlを、転移対象 サブリンクの長さとする。
[学習フェーズ]
学習部26は、電波強度の分散値から、人物がサブリンク42上を通過したか否かを判定するための通過判定モデル、及び、人物がサブリンク42上を通過した場合に、人物のサブリンク42上の通過位置を推定するための位置推定モデルの学習を行う。
(1)通過判定モデル:転移対象 サブリンクの分散モデルを用いた位置推定モデルを学習する前に、転移対象 サブリンク上を人物が通過したか否かを判定する通過判定モデルをサブリンク42毎に学習する。
本実施形態では、時刻tにおける電波強度の分散値が与えられた時に、アクセスポイント36と受信部38との間のサブリンク42を通過したか否かを分類する2クラスSVM(support vector machine)によって通過判定モデルを学習する。SVMの学習データとしては、転移フェーズで選択された転移元の環境におけるサブリンク42上を人物が通過した通過時の電波強度の分散値と、通過していない非通過時の電波強度の分散値とを与える。
なお、電波強度の分散値は、電波強度情報に対して時刻tを中心にw[秒](例えば、1秒)の時間窓を設定し、設定した時間窓の内部で最大の分散値とする。また、ここでの通過判定モデルでは、転移元の環境における受信部38によって得られる位置情報が付加された電波強度の分散値を用いることで、通過時の電波強度の分散値を取得する。そのため、ここでの通過判定モデルは、転移フェーズにおいて位置情報が付加されていない電波強度情報に対して行った、外れ値検知技術を用いた通過判定の手法とは異なっている。
(2)位置推定モデル:転移対象 サブリンク上に参照点として仮想の通過位置を一定間隔 で複数設定する。また、転移された転移対象 サブリンクの分散モデルを用いて転移対象 サブリンク上の各々の参照点を通過した場合に得られるであろう電波強度の分散値をそれぞれ算出する。本実施形態では、サブリンク42毎にフィンガープリントベースの位置推定モデルを構築し、学習する。すなわち、設定した参照点と転移対象 サブリンクの分散モデルによって算出した各々の参照点を通過した時の電波強度の分散値とをフィンガープリントとして位置推定モデルを構築し、学習する。これにより、分散値を入力した場合に通過位置が出力される位置推定モデルが作成される。本実施形態に係る位置推定モデルでは、k近傍法(k−NN)を用いて、観測された電波強度の分散値に最も電波強度の分散値が近い参照点を人物の通過位置と推定するが、推定方法はこれに限らない。人物がどの参照点にいるかを決定する分類機器を、前述したSMV、又は決定木を用いて学習した位置推定モデルを用いて推定しても良い。
[推定フェーズ]
推定部28には、図1に示すように、転移先の受信部38A〜38Eが受信した電波信号の電波強度情報が入力される。推定部28は、入力された電波強度情報から算出した電波強度の分散値に基づいて、学習フェーズで作成した通過判定モデルによって人物がサブリンク42を通過したと判定された場合、学習フェーズで作成した屋内位置推定モデルによって人物がサブリンク42を通過した通過位置を推定する。時刻tにおいて人物がサブリンク42を通過したと判定された場合、時刻tにおいて得られた電波強度の分散値と学習したフィンガープリントの分散値とのユークリッド距離を求める。
上述したように、サブリンク42の分散モデルは混合数2の混合ガウス関数で表されることから2峰性をもつため、特定の分散値をとる通過位置が2箇所存在する可能性がある。そのため、時刻tにおいて得られた電波強度の分散値に対して最もユークリッド距離が短いフィンガープリントを2つ選び、それぞれの通過位置の座標を時刻tにおける推定座標とする。
なお、複数のサブリンク42において同時刻に人物がサブリンク42を通過したと判定された場合、推定座標はさらに複数存在する。その場合、それぞれの推定座標には、フィンガープリントの電波強度の分散値の、時刻tにおいて得られた電波強度の分散値に対するユークリッド距離の逆数に応じた重み付けを行う。そして、屋内位置推定モデルの推定座標に基づき、非線形システムの状態の推定に利用されるパーティクルフィルタを用いて、対象 とする環境において人物をトラッキングする。
以下、本実施形態で用いるパーティクルフィルタについて説明する。なお、パーティクルフィルタのアルゴリズムは、サンプリング、重み計算、及びリサンプリングの3つのステップによって構成される。
サンプリングでは、移動モデルによって時刻t−1の各パーティクルからp個の新しいパーティクルを生成する。生成されたパーティクルは、それぞれが時刻tに移動していることが推定される位置座標を表す。移動モデルは、2変量正規分布を用い、この2変量正規分布に基づく正規乱数によって新しいパーティクルを生成する。2変量正規分布の平均は、時刻t−1において各パーティクルが持っている速度によって移動した時刻tにおける各パーティクルの位置座標である。2変量正規分布の標準偏差は、上記2変量正規分布の平均の位置座標と時刻t−1におけるパーティクルの位置座標の距離であり、共分散は0である。
重み計算では、時刻tにおいて通過判定モデルによって人物がサブリンク42上を通過したと判定された場合に、屋内位置推定モデルによって推定された推定座標を観測として、尤度関数に基づいて各パーティクルの重みを計算する。基本的には、パーティクルが観測に近いほどパーティクルの重みは大きくなる。なお、屋内位置推定モデルによって人物がサブリンク42上を通過した通過位置の位置座標を推定する際は、時間窓内の電波強度の分散値のうちの最大の分散を用いる。
尤度関数は、平均の位置座標を推定座標とした2変量正規分布の確率密度関数である。各パーティクルの重みは、パーティクルの位置座標における尤度関数の確率密度によって求める。ただし、上述したように、時刻tにおいて推定座標は2つ以上あるため、それぞれの推定座標に与えられた重みによって、各観測の尤度関数から得られたあるパーティクルの重みを重み付き平均し、そのパーティクルの重みとする。その後、全パーティクルの重みの合計が1となるように重みを正規化する。
リサンプリングでは、重みが大きいr個のパーティクルを優先的にランダム性を持たせて保持し、残りのパーティクルを削除する。そして、保持したパーティクルの重み付き平均により得られた位置座標を、時刻tに人物が通過した位置の位置座標とする。パーティクルフィルタでは、上述したサンプリング、重み計算、及びリサンプリングの手順を、1秒の時間窓を移動させながら時間窓毎に繰り返し行う。
次に、図8乃至13を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10の処理動作を説明する。図8は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行される位置推定処理の全体の流れを示すフローチャートである。図9は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行される前処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図10は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行されるモデル作成処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図11は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行される転移処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図12は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行される学習処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。図13は、本実施形態に係る位置推定装置10により実行される推定処理のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
ステップS101では、前処理部20が、第1電波強度情報18C、第2電波強度情報18D、第3電波強度情報18E、及び第4電波強度情報18Fを、記憶部18から取得する。また、分散モデル作成部22が、第1間取り図情報18A及び第2間取り図情報18Bを、記憶部18から取得する。さらに、転移部24が、第1間取り図情報18A及び第2間取り図情報18Bを、記憶部18から取得する。
ステップS103では、前処理部20が、上述した前処理を行う。この前処理は、各受信部38によって各々得られた電波強度情報毎に実行される。図9を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10による前処理について詳細に説明する。
ステップS201では、前処理部20が、第1電波強度情報18Cによって示される電波強度の時系列データについて、予め定めた時間(例えば、0.1秒)毎の電波強度の平均値を算出する。
ステップS203では、前処理部20が、第1電波強度情報18Cによって示される電波強度の時系列データに対して予め定めた時間(例えば、1秒)の時間窓を設定する。本実施形態では、時系列データにおける古い時間帯から、順次0.1秒ずつずらしながら時間窓を設定する。
ステップS205では、前処理部20が、電波強度の時系列データに対して設定した時間窓内の電波強度の分散値を算出する。
ステップS207では、前処理部20が、電波強度の時系列データにおける全ての時間帯について電波強度の分散値が算出されたか否かを判定する。ステップS207で全ての時間帯について電波強度の分散値が算出されていないと判定した場合(S207,N)はステップS203に移行し、全ての時間帯について電波強度の分散値が算出されたと判定した場合(S207,Y)はステップS209に移行する。
ステップS209では、前処理部20が、時間窓内の電波強度の分散値を時系列に対応させることにより、電波強度の分散値の時系列データを作成する。
なお、前処理部20は、第2電波強度情報18D、第3電波強度情報18E、及び第4電波強度情報18Fによって示される各々の電波強度の時系列データについても、ステップS201乃至S209の処理を行い、電波強度の分散値の時系列データを作成する。
次に、図8のステップS105では、分散モデル作成部22が、上述したモデル作成処理を行う。図10を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10によるモデル作成処理について詳細に説明する。
ステップS301では、分散モデル作成部22が、転移元の環境におけるサブリンク42を1つ選択する。本実施形態では、一例として、転移元の環境におけるサブリンク42A1、42A2、サブリンク42B1、42B2、サブリンク42C1、42C2、サブリンク42D1、42D2、サブリンク42Eの順に1つずつ選択する。
ステップS303では、分散モデル作成部22が、時刻と人物の位置とが対応付けられた軌跡情報である位置情報から、ステップS301で選択したサブリンク42上を人物が通過した時刻における人物の通過位置を取得する。
ステップS305では、分散モデル作成部22が、ステップS301で選択したサブリンク42上を人物が通過した時刻における電波強度の分散値を、ステップS303で取得した人物の通過位置に対応付ける。
ステップS307では、分散モデル作成部22が、ステップS301で選択したサブリンク42上を人物が通過した全ての時刻において、電波強度の分散値を人物の通過位置に対応付けたか否かを判定する。ステップS307で全ての時刻において電波強度の分散値を人物の通過位置に対応付けていないと判定した場合(S307,N)はステップS303に移行する。また、ステップS307で全ての時刻において電波強度の分散値を人物の通過位置に対応付けたと判定した場合(S307,Y)はステップS309に移行する。
ステップS309では、分散モデル作成部22が、相互に対応付けられた電波強度の分散値、及び人物の通過位置に基づいて、サブリンク42の分散モデルを作成する。
ステップS311では、分散モデル作成部22が、転移元の環境における全てのサブリンク42について分散モデルを作成したか否かを判定する。ステップS311で全てのサブリンク42について分散モデルを作成していないと判定した場合(S311,N)はステップS301に移行し、全てのサブリンク42について分散モデルを作成したと判定した場合(S311,Y)は本モデル作成処理のサブルーチンの実行を終了する。
次に、図8のステップS107では、転移部24が、上述した転移処理を行う。図11を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10による転移処理について詳細に説明する。
ステップS401では、転移部24が、転移対象 サブリンクの両端の特徴を示す情報を取得する。本実施形態では、サブリンク42の両端が、アクセスポイント36及び 受信部38、アクセスポイント36及び 壁34、壁34及び 受信部38、及び 壁34及び 壁34の何れであるかを示す情報を取得する。
ステップS403では、転移部24が、転移元の環境における複数のサブリンク42から、ステップS401で取得した転移対象 サブリンクの両端の特徴に両端の特徴が類似する転移元の環境におけるサブリンク42を選択する。例えば、転移対象 サブリンクの両端がアクセスポイント36及び 受信部38である場合には、同様にサブリンク42の両端がアクセスポイント36及び 受信部38の転移元の環境におけるサブリンク42を選択する。
ステップS405では、転移部24が、転移対象 サブリンクが属するリンク40内の壁の数を示す情報を取得する。本実施形態では、サブリンク42が属するリンク40内に配置された壁の数を示す情報を取得する。
ステップS407では、転移部24が、選択した転移元の環境における複数のサブリンク42の中から、転移元の環境におけるサブリンク42が属するリンク40内の壁の数が、取得した転移対象 サブリンクが属するリンク40内の壁の数に類似するサブリンク42を選択する。例えば、転移対象 サブリンクが属するリンク40内の壁の数に対する、サブリンク42が属するリンク40内の壁の数の差の絶対値が閾値以下となるサブリンク42を選択する。あるいは、転移対象 サブリンクが属するリンク40内の壁の数の差に対して、サブリンク42が属するリンク40内の壁の数が等しくなるサブリンク42を選択する。
ステップS409では、転移部24が、転移元の環境におけるサブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。ここでは、前処理部20が第1電波強度情報18Cについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を取得する。
ステップS411では、転移部24が、転移対象 サブリンク上を人物が通過した時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。ここでは、前処理部20が第2電波強度情報18Dについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を取得する。この際、上述した外れ値検知技術を用いて、外れ値と判定された電波強度の分散値を、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値とみなして取得する。
ステップS413では、転移部24が、転移元の環境におけるサブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値と、転移対象 サブリンク上を人物が通過した時の電波強度の分散値との類似度を表す数値Aを算出する。本実施形態では、上述したように、数値AをKLダイバージェンスによって算出する。
ステップS415では、転移部24が、転移元の環境におけるサブリンク42の長さと、転移先の環境におけるサブリンク42の長さとの類似度を表す数値Bを算出する。
ステップS417では、転移部24が、転移元の環境におけるサブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。ここでは、前処理部20が第3電波強度情報18Eについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値を取得する。
ステップS419では、転移部24が、転移対象 サブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値を示す情報を取得する。ここでは、前処理部20が第4電波強度情報18Fについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値を取得する。
ステップS421では、転移部24が、転移元の環境におけるサブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値と、転移対象 サブリンク上を人物が通過していない時の電波強度の分散値との類似度を表す数値Cを算出する。本実施形態では、上述したように、数値CをKLダイバージェンスによって算出する。
ステップS423では、転移部24が、算出した数値A乃至Cを標準化した値を要素とするベクトルのユークリッド距離を算出する。
ステップS425では、転移部24が、算出したユークリッド距離が最短のk個の転移元の環境におけるサブリンク42を選択する。
ステップS427では、転移部24が、転移対象 サブリンクの分散モデルのパラメータa1、a2、b1、b2を算出することにより転移対象 サブリンクの分散モデルを作成して、本転移処理プログラムのサブルーチンの実行を終了する。
図8のステップS109では、学習部26が、上述した学習処理を行う。図12を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10による学習処理について詳細に説明する。
ステップS501では、学習部26が、転移元の環境におけるサブリンク42の電波強度情報から、サブリンク42上を人物が通過した通過時の電波強度の分散値を取得する。ここでは、前処理部20が第1電波強度情報18Cについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値を取得する。
ステップS503では、学習部26が、転移元の環境におけるサブリンク42の電波強度情報から、サブリンク42上を人物が通過していない非通過時の電波強度の分散値を取得する。ここでは、前処理部20が第1電波強度情報18Cについて前処理することにより得られた電波強度の分散値の時系列データに基づき、サブリンク42上を人物が通過していない時の電波強度の分散値を取得する。
ステップS505では、学習部26が、通過判定モデルを学習する。
ステップS507では、学習部26が、転移対象 サブリンク上に一定間隔 で複数の参照点を設定する。
ステップS509では、学習部26が、図11のステップS427で作成した分散モデルを用いて、参照点毎に、転移対象 サブリンク上を人物が通過した時の電波強度の分散値を算出する。
ステップS511では、学習部26が、参照点毎に算出した電波強度の分散値を用いて、フィンガープリントベースの屋内位置推定モデルを学習する。
図8のステップS111では、推定部28が、上述した推定処理を行う。図13を参照して、本実施形態に係る位置推定装置10による推定処理について詳細に説明する。
ステップS601では、サンプリングとして、上述した移動モデルにより、時刻t−1におけるパーティクルから、時刻tに移動していることが推定される位置座標に新たなパーティクルを生成する。
ステップS603では、ステップS505で作成した通過判定モデルに基づき、サブリンク42上を人物が通過したか否かを判定する。通過したと判定した場合(S603,Y)はステップS605に移行し、通過していないと判定した場合(S603,N)は本推定処理のサブルーチンの実行を終了する。
ステップS605では、図12のステップS511で作成した屋内位置モデルに基づき、サブリンク42上を人物が通過した時の電波強度の分散値に対応する通過位置の位置座標を、時刻tにおける観測として算出する。
ステップS607では、新たに生成した各パーティクルに、時刻tにおける観測に基づく重み付けを行う。
ステップS609では、リサンプリングとして、重み付けを行ったパーティクルの重みが最大となるr個のパーティクルを保持し、残りのパーティクルを削除する。
ステップS609では、保持したr個のパーティクルについて重み付き平均を算出し、算出した位置座標を、人物が存在する位置の位置座標として出力し、本推定処理のサブルーチンの実行を終了する。
なお、本実施形態に係る位置推定装置10が備えている前処理部20、分散モデル作成部22、転移部24、学習部26、及び 推定部28の各構成は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよび マイクロプロセッサにより実現させるものであっても良い。また、これらの各構成は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、各構成の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、本実施形態に係る位置推定装置10の各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより位置推定処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
以上、この発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
10 位置推定装置
20 前処理部
22 モデル作成部
24 転移部
26 学習部
28 推定部

Claims (8)

  1. 分散モデル作成部、転移部、学習部、及び推定部を備えた位置推定装置における位置推定方法であって、
    前記分散モデル作成部が、転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と前記電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、前記人物が前記通過位置で通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の前記第1リンク毎に作成するステップと、
    前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記分散モデルの特徴が、転移先の環境における前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ第2リンクとに類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2リンクの前記分散モデルに転移させるステップと、
    前記学習部が、前記転移された前記第2リンクの前記分散モデルに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過した場合に前記人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習するステップと、
    前記推定部が、前記転移先の環境における前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記位置推定モデルとに基づいて、前記人物が通過した前記第2リンクにおける前記通過位置を推定するステップと、
    を含む位置推定方法。
  2. 前記学習部が前記位置推定モデルを構築して学習するステップは、前記学習部が、前記転移部により選択された前記第1リンクにおける、前記人物が通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記人物が通過していないときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値とに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過したか否かを判定するための通過判定モデルを学習するステップを更に含む
    請求項1記載の位置推定方法。
  3. 前記第1リンクは、前記転移元の環境の間取り図に基づいて、前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ前記第1リンクを、壁により区切った複数の第1サブリンクを含み、
    前記第2リンクは、前記転移先の環境の間取り図に基づいて、前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ前記第2リンクを、壁により区切った複数の第2サブリンクを含み、
    前記分散モデル作成部が前記分散モデルを作成するステップは、前記複数の第1サブリンク毎に前記分散モデルを作成し、
    前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記複数の第2サブリンク毎に、前記第2サブリンクと類似する前記第1サブリンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2サブリンクの前記分散モデルに転移させ、
    前記学習部が前記位置推定モデルを構築して学習するステップは、前記複数の第2サブリンク毎に、前記位置推定モデルを構築して学習する
    請求項1又は2記載の位置推定方法。
  4. 前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記第1リンクの両端の特徴が前記第2リンクの両端の特徴に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含む
    請求項1又は2記載の位置推定方法。
  5. 前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記第1リンクにおける前記送信部と前記受信部との間に配置された壁の数が、前記第2リンクにおける前記送信部と前記受信部との間に配置された壁の数に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含む
    請求項1又は請求項4の何れか1項記載の位置推定方法。
  6. 前記転移部が前記分散モデルを転移させるステップは、前記転移部が、複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記人物が前記第1リンクを通過した場合の前記電波強度の分散値の分布が、前記人物が前記第2リンクを通過した場合の前記電波強度の分散値の分布に類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択するステップを含む
    請求項1〜5の何れか1項記載の位置推定方法。
  7. 転移元の環境における電波信号を送信する送信部の設置位置と前記電波信号を受信する受信部の設置位置とを結んだ第1リンクにおける人物の通過位置と、前記人物が前記通過位置で通過したときの前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値との関係を示す分散モデルを複数の前記第1リンク毎に作成する分散モデル作成部と、
    複数の前記第1リンク毎に作成した前記第1リンクの前記分散モデルの中から、前記分散モデルの特徴が、転移先の環境における前記送信部の設置位置と前記受信部の設置位置とを結んだ第2リンクと類似する前記第1リンクの前記分散モデルを選択し、選択した前記分散モデルを前記第2リンクの前記分散モデルに転移させる転移部と、
    前記転移された前記第2リンクの前記分散モデルに基づいて、前記第2リンクを前記人物が通過した場合に前記人物の通過位置を推定するための位置推定モデルを構築して学習する学習部と、
    前記転移先の環境における前記受信部で受信した前記電波信号の電波強度の分散値と、前記位置推定モデルとに基づいて、前記人物が通過した前記第2リンクにおける前記通過位置を推定する推定部と、
    を備えた位置推定装置。
  8. コンピュータを、請求項1〜6の何れか1項記載の位置推定方法の各ステップとして機能させるための位置推定プログラム。
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