JP2017003225A - 熱源制御装置及びそれを用いた熱源システム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱源水の送水温度の調整による省エネルギ化を簡易な装置構成や製作作業で安価に実現する。【解決手段】外気状態と熱源水Wの送水温度との相関を表す相関データCDを記憶する記憶部11と、外気状態データODを取得する外気状態取得部12と、外気状態データODと相関データCDとに基づいて熱源水Wの目標送水温度TTを決定する送水温度決定部13と、熱源水Wの送水温度が目標送水温度TTになるように、熱源21の運転を制御する運転制御部14が備えられ、相関データCDが、熱源水Wを共用する複数の空調機23から選定した代表空調機Xの運転に適した外気状態と熱源水Wの送水温度の相関を表すデータである。【選択図】図1

Description

本発明は、複数の空調機に熱源水を循環供給する熱源を制御する熱源制御装置及びそれを用いた熱源システムに関する。
熱源から複数の空調機に循環供給する熱源水の送水温度については、年間を通して一定の送水温度に維持する方法が最も簡便な方法として知られている。しかしながら、この方法では、中間期等の低負荷時に往き還りの熱源水の温度差がつかず、熱源の運転効率が低効率となり、しかも、年間を通して大半が低負荷運転となるため、非常に無駄なエネルギを消費する問題がある。このような問題は、低負荷時において、冷房時の熱源水の送水温度を高くし、暖房時の熱源水の送水温度を低くすることで、熱源の運転効率を大きく向上させて改善することができる。そこで、施設管理者によっては自らの経験から季節毎で送水温度を変更しているケースもあるが、夏季の低温高湿時等に送水温度を高くしてしまうと、外気除湿が不十分になって内部結露からカビの発生につながる場合もあり、経験則で安易に送水温度を変更するのも好ましくない。
これに対して、特許文献1には、熱源水を共用する設備全体のエネルギ消費量等のシミュレート値を評価関数とし、外気状態及び負荷状態に対する熱源水の送水温度の最適値を演算して最適化制御用データを作成し、この最適化制御用データ等を実際の運転データに即して更新しながら、最新の最適化制御用データに基づき、外気状態や負荷状態に応じた最適な送水温度になるように熱源を制御する熱源制御装置が開示されている。
特開2013−127348号公報
上記従来の技術では、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を適切に行えるものの、設備全体のエネルギ消費量等のシミュレート値を求めるシミュレート処理や、当該シミュレート値を評価関数として最適化制御用データを作成するための演算処理、更には、実際の運転データに基づく更新処理等の多くの複雑な処理が必要になるため、装置構成や製作作業が複雑化し、コストが嵩む不都合があった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、熱源水の送水温度の調整による省エネルギ化を簡易な装置構成や製作作業で安価に実現することができる熱源制御装置及びそれを用いた熱源システムを提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、外気状態と熱源水の送水温度との相関を表す相関データを記憶する記憶部と、
外気状態データを取得する外気状態取得部と、
前記外気状態取得部で取得した前記外気状態データと、前記記憶部に記憶された前記相関データとに基づいて、熱源水の目標送水温度を決定する送水温度決定部と、
熱源水の送水温度が前記送水温度決定部で決定した目標送水温度になるように、熱源の運転を制御する運転制御部が備えられている熱源制御装置であって、
前記相関データが、熱源水を共用する複数の空調機から選定した代表空調機の運転に適した外気状態と熱源水の送水温度の相関を表すデータである点にある。
上記構成によれば、外気状態取得部で外気状態データを取得し、その取得した外気状態データと記憶部に記憶された相関データとに基づいて送水温度決定部が熱源水の目標送水温度を決定し、熱源水の送水温度が目標送水温度になるように運転制御部が熱源の運転を制御するので、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を図ることができる。
しかも、前記相関データが、熱源水を共用する複数の空調機から選定した代表空調機の運転に適した外気状態と熱源水の送水温度の相関を表すデータであるので、各空調機の運転に適した外気状態と熱源水の送水温度の相関を表すデータとするのに比べ、相関データ作成に係る計算式やアルゴリズムを単純化することができ、装置構成や製作作業の簡素化を図ることができる。
したがって、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を簡易な装置構成や製作作業で安価に実現することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記代表空調機として、複数の前記空調機のうちで設計時のピーク負荷に対する運転余裕が最も少ない空調機が選定されている点にある。
上記構成によれば、熱源水の送水温度調整の基礎となる代表空調機が、複数の空調機のうちで設計時のピーク負荷に対する運転余裕が最も少ない空調機であるので、代表空調機以外の空調機の運転に対しても安全を見込んだ状態で熱源水の送水温度調整を実行することができる。
したがって、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を図りながら、各空調機が受け持つ空調対象エリアの環境調整を適切に行うことができる。
本発明の第3特徴構成は、前記代表空調機として、複数の前記空調機のうちで外気を処理対象とする空調機が選定されている点にある。
上記構成によれば、熱源水の送水温度調整の基礎となる代表空調機が、複数の空調機のうちで外気を処理対象とする空調機であるので、熱源水の送水温度調整を外気の処理を優先して実行することができる。そのため、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を図りながら、取り入れ外気の温調処理及び調湿処理を適切に行うことができる。
特に、冷房時においては、このように取り入れ外気の調湿処理(除湿処理)を適切に行うことで、体感温度が下がるために温調負荷を小さくでき、且つ、温調処理(顕熱処理)にも有利な低湿状態に空調対象エリアを保つことができ、その分、空調対象エリアの温調処理を効率化して更なる省エネルギ化を実現することができる。
本発明の第4特徴構成は、前記相関データが、前記代表空調機に適した熱交換コイルの仕様決定に用いた熱交換コイル仕様決定式を利用して作成されている点にある。
上記構成によれば、熱源水の送水温度の調整用の相関データを作成するのに、実際に代表空調機の熱交換コイルの仕様決定に用いた熱交換コイル仕様決定式を利用するので、相関データの作成処理の効率化を図ることができる。
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれかに記載の熱源制御装置を用いた熱源システムであって、
熱源と前記熱源制御装置とが備えられ、施設に設置される空調機のうちから選定された空調負荷が主に外気状態に影響される外気影響下の複数の空調機に対して、前記熱源制御装置の制御下で前記熱源から熱源水を送水するように構成されている点にある。
上記構成によれば、施設に設置される空調機のうち、外気影響下の複数の空調機については、前記熱源制御装置の制御下で前記熱源から熱源水を送水することで、熱源水の送水温度調整による省エネルギ化を図りながら、外気状態に影響される空調負荷の実情に応じて空調対象エリアの環境調整を適切に行うことができる。他方、施設に設置される残りの空調機については、別の熱供給形態を採用する等によって内部発熱等に影響される空調負荷の実情に応じて環境調整を適切に行うことができる。したがって、施設内全体の環境調整を適切に行うことができる。
(a)熱源システムの構成図、(b)施設の構成図 相関データ(冷房モード)の概念図 相関データ(暖房モード)の概念図 熱源制御装置の制御フローを示す図 空調機の運転余裕の判定手法を示す図
本発明に係る熱源制御装置10を用いた熱源システム20の実施形態を図面に基づいて説明する。この熱源システム20は、図1(a)に示すように、熱源21と熱源制御装置10とが主要構成として備えられ、熱源制御装置10による外気状態に応じた制御下において、熱源21と複数の空調機23との間で循環路22を通じて熱源水Wを循環させるように構成されている。
熱源制御装置10は、例えば、コンピュータ等からなり、記憶部11、外気状態取得部12、送水温度決定部13、運転制御部14が備えられ、温度センサ等の熱源送水温度計測手段25で計測する熱源水Wの送水温度STを監視しながら、空調機23に付設した温湿度センサや別途に設置した複合気象センサ等の外気状態計測手段24で計測した外気状態データODに応じた制御指令αを熱源21に出力するように構成されている。
熱源21は、例えば、熱源水Wを加熱する加熱部や熱源水Wを冷却する冷却部を備えたチラー等の冷温水発生機からなり、熱源制御装置10からの制御指令αに応じた運転制御により、熱源水Wの送水温度STを調整するように構成されている。
熱源水Wの供給先となる複数の空調機23の種別や構造は各種のものであってよいが、本実施形態では、外気を処理対象とする外調機23Aと、室内空気を処理対象とするFCU(ファンコイルユニット)23Bとの二種がある場合を例に挙げている。
なお、外調機23Aは、例えば、AHU(エアハンドリングユニット)からなり、取り入れた外気の温度及び湿度を調整した上で室内に導入するように構成されているとともに、FCU23Bは、取り入れた室内空気の温度を調整した上で室内に戻すように構成されている。
また、本実施形態では、熱源制御装置10により外気状態に応じて熱源21を制御することに対して、図1(b)に示すように、施設1内に設置された空調機23のうち、施設1内の外周側エリア1Aに位置する空調機23を、空調負荷が主に外気に影響される外気影響下の複数の空調機23に選定し、これらの外気影響下の空調機23に対して熱源21から熱源水Wを送水(供給)することで、施設1の外周側エリア1Aにおいて、外気状態に影響される空調負荷の実情に応じた環境調整を適切に行うようにしている。
他方、施設1内の中央側エリア1Bに設置された空調機23は、空調負荷が外気よりも内部発熱等に影響される非外気影響下の空調機23とし、これらの非外気影響下の空調機23に対して熱源21とは独立した適宜の熱源(図示省略)から熱を供給することで、内部発熱等に影響される空調負荷の実情に応じた環境調整を適切に行うようにしている。
そして、この熱源システム20では、熱源制御装置10による外気状態に応じた制御下において、複数の空調機23から選定した代表空調機Xの運転に適した目標送水温度TTに熱源水Wの送水温度STを自動的に調整することで、熱源水Wの送水温度STの調整による省エネルギ化を簡易な装置構成で安価に実現している。以下、熱源制御装置10、及び、この熱源制御装置10により実行される制御内容の詳細について説明を加える。
熱源制御装置10の記憶部11には、図2、図3に概念的に示すように、外気状態と熱源水Wの送水温度(候補送水温度CT)の相関を表す相関データCDが記憶されている。図2は冷房モードで用いる相関データCDを示し、図3は暖房モードで用いる相関データCDを示している。なお、この相関データCDは、熱源制御装置10の制御動作開始前に予め作成して記憶部11に記憶されており、熱源制御装置10は作成済みの相関データCDを用いて熱源21を制御する。
当該相関データCDは、両モードにおいて、外気状態を湿り空気線図上で区分した外気状態エリアA〜F(図2(a)、図3(a)参照)の各々に関連付けて、代表空調機Xの運転に適した候補送水温度CT(図2(b)、図3(b)参照)が設定されたデータ構成になっている。このように相関データCDを1つの代表空調機Xの運転に適したデータとすることで、相関データCDの作成処理に要する計算式やアルゴリズムを単純化している。
熱源制御装置10の外気状態取得部12は、図1(a)に示すように、外気状態計測手段24との通信等により外気状態計測手段24から外気状態データODを取得するように構成されている。なお、外気状態データODの取得先や取得方法は如何なるものであってよく、例えば、第三者が運営する気象情報提供サービスや気象情報提供システム等を利用し、第三者から外気状態データODの提供を受けて取得するようにしてもよい。
熱源制御装置10の送水温度決定部13は、記憶部11に記憶された相関データCDを読み出し、外気状態取得部12で取得した外気状態データODと照合する演算形態で、外気状態データODに対応する候補送水温度CTを目標送水温度TTに決定するように構成されている。
熱源制御装置10の運転制御部14は、熱源水Wの送水温度STと目標送水温度TTに応じた運転内容に変更する制御指令αを熱源21に出力することで、熱源水Wの送水温度STが目標送水温度TTになるように熱源21の運転を制御するように構成されている。
具体的には、図4に示すように、この熱源制御装置10は、設定時間毎や設定時刻毎、或いは、施設管理者の操作毎において、外気状態データ取得ステップ♯1、目標送水温度決定ステップ♯2、運転制御ステップ♯3を順次に実行するように構成されている。
まず、外気状態データ取得ステップ♯1において、熱源制御装置10の外気状態取得部12は、外気状態計測手段24で計測した外気状態データODを外気状態計測手段24から取得する。なお、本実施形態では、外気状態データODとして、外気の温度と湿度を取得する。
次に、目標送水温度決定ステップ♯2において、熱源制御装置10の送水温度決定部13は、記憶部11に記憶された相関データCDを読み出し、外気状態データ取得ステップ♯1で取得した外気状態データODが外気状態エリアA〜Fのいずれに該当するかを判定し、判定した外気状態エリアに関連付けられた候補送水温度CTを目標送水温度TTに決定する。
そして、運転制御ステップ♯3において、熱源制御装置10の運転制御部14は、熱源送水温度計測手段25で計測する熱源水Wの送水温度STが、送水温度決定ステップ♯2で決定した目標送水温度TTになるように熱源21の運転を制御する。このようにして、熱源制御装置10は、熱源水Wの送水温度STを外気状態に応じて代表空調機Xの運転に適した目標送水温度TTに自動的に調整する。
次に、熱源制御装置10の記憶部11に記憶された相関データCDの詳細について説明を加える。この相関データCDは、熱源制御装置10の設計時において、熱源水Wを共有する複数の空調機23から代表空調機Xを選定する代表空調機選定ステップと、外気状態毎に代表空調機Xの運転に適した候補送水温度CTを設定する候補送水温度設定ステップとを実行して作成する。
(代表空調機選定ステップ)
この代表空調機選定ステップでは、まず、熱源水Wの供給先の空調機23のうちから外調機23Aを選定する一次選定を行い、その後、一次選定で選定した外調機23Aのうちから運転時のピーク負荷に対する運転余裕が最も小さいものを代表空調機Xとして選定する二次選定を行う。
図5は、二次選定において、運転時のピーク負荷に対する運転余裕の判定手法を示す図である。同図5に示すように、この二次選定では、事前の空調機設計の際に外調機23A毎に設置環境に応じて算出した必要コイル列数Rowcと、空調機設計で実際に決定した決定コイル列数Zとの差(Z−Rowc)をピーク負荷に対する運転余裕とし、この運転余裕が最も小さいものを代表空調機Xに選定する。例えば、図5の例では、運転余裕が最も小さい外調機23Aとして上から二列目の外調機bを代表空調機Xに選定する。
外調機23A毎の必要コイル列数Rowcについては、公知の各種のコイル列数算出式(コイル仕様決定式の一例)で算出可能であるが、本実施形態では、次の(式1)を採用している。
Rowc=1000×qt/(Kf×Δtlm×Af×WSF) (式1)
Rowc:必要コイル列数[本]
Af:コイル正面面積[m](設定値)
WSF:濡れ面係数(設定値)
Kf:伝熱係数(設定値)
Δtlm:対数平均温度差[℃]
qt:空調負荷[kW]
ここで、(式1)で用いる対数平均温度差Δtlmは、以下の(式2)に対し、(式3−1)と(式3−2)を代入して求める。
Δtlm=(Δt−Δt)/(2.3×log10(Δt/Δt)) (式2)
Δt=DB1C−tw2C=DB1C−(tw1C+WTR) (式3−1)
Δt=DB2C−tw1C (式3−2)
DB1C:入口空気乾球温度[℃](設定値:ピーク負荷時)
WB1C:入口空気湿球温度[℃](設定値:ピーク負荷時)
tw1C:熱源水入口温度[℃](設定値:目標値)
WTR:熱源水出入口温度差[℃](設定値:目標値)
tw2C:熱源水出口温度[℃](=tw1C+WTR
DB2C:出口空気乾球温度[℃](設定値:目標値)
WB2C:出口空気湿球温度[℃](設定値:目標値)
また、(式1)で用いる空調負荷(ピーク負荷)qtは、以下の(式4)から求める。
qt=Qr×γa×(ia1−ia2)/3600 (式4)
qt:空調負荷・全熱量[kW]
Qr:所要風量[m/h](設定値)
γa:空気密度[kg/m](設定値)
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
(設定値:DB1CとWB1Cから湿り空気線図で算出した値)
a2:出口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
(設定値:DB2CとWB2Cから湿り空気線図で算出した値)
(候補送水温度設定ステップ)
この候補送水温度設定ステップでは、外気状態を湿り空気線図上で区分した外気状態エリアA〜F(図2(a)、図3(a)参照)を作成するとともに、この外気状態エリアA〜Fの夫々で代表空調機Xの運転に適した熱源水Wの候補送水温度CT(図2(b)、図3(b)参照)を設定する。
外気状態エリアA〜Fは、図2(a)、図3(a)に示すように、湿り空気線図上において、相対湿度限界線LL1、乾球温度限界線LL2、絶対湿度限界線LL3と、送水温度毎の最適な外気状態を示す複数本の外気状態線SLで仕切られたエリアとして構成されている。なお、図3(a)に示す暖房モードの相関データCDでは、暖房運転時における外調機23Aの高温側(乾球温度)での加湿能力を予め見込み、絶対湿度限界線LL3を低温側のみに設定している。
この外気状態線SLは、各種の方法で求めることができるが、本実施形態では、空調機設計に用いた前述のコイル列数算出式(式1)を利用して効率的に求める。
具体的には、まず、前述の(式1)において、実際の代表空調機Xを熱源水Wの送水温度調整の基礎とするため、代表空調機Xの決定コイル列数Zを必要コイル列数Rowcに代入し、更に、コイル正面面積Af、濡れ面係数WSF、伝熱係数Kfを代表空調機Xの必要コイル列数Rowcの算出に用いた設定値とすることで、次の(式5)に示すように、対数平均温度差Δtlmは、空調負荷qtを変数とした関数Aで表すことができる。
Rowc=1000×qt/(Kf×Δtlm×Af×WSF) (式1)
→Δtlm=A(qt) (式5)
Δtlm:対数平均温度差[℃]
qt:空調負荷・全熱量[kW]
また、前述した(式4)において、所要風量Qr、空気密度γa、出口空気比エンタルピーia2を代表空調機Xの必要コイル列数Rowcの算出に用いた設定値とすることで、次の(式6)に示すように、空調負荷qtは、入口空気比エンタルピーia1を変数とした関数Bで表すことができる。
qt=Qr×γa×(ia1−ia2)/3600 (式4)
→ qt=B(ia1) (式6)
qt:空調負荷・全熱量[kW]
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
そして、(式5)と(式6)とを整理すると、次の(式7)に示すように、対数平均温度差Δtlmは入口空気比エンタルピーia1を変数とした関数Cで表すことができる。
Δtlm=C(ia1) (式7)
Δtlm:対数平均温度差[℃]
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
更に、前述の(式2)、(式3−1)、(式3−2)において、出口空気乾球温度DB2Cを代表空調機Xの必要コイル列数Rowcの算出に用いた設定値とすることで、次の(式8)に示すように、対数平均温度差Δtlmは、入口空気乾球温度DB1C、熱源水出入口温度差WTRc、及び、熱源水入口温度tw1Cを変数とした関数Dで表すことができる。
Δtlm=(Δt−Δt)/(2.3×log10(Δt/Δt)) (式2)
Δt=DB1C−tw2C=DB1C−(tw1C+WTR) (式3−1)
Δt=DB2C−tw1C (式3−2)
→Δtlm=D(DB1C,WTR,tw1C) (式8)
Δtlm:対数平均温度差[℃]
DB1C:入口空気乾球温度[℃]
WTRc:熱源水出入口温度差[℃]
tw1C:熱源水入口温度[℃]
また、熱交換コイルを通過する熱源水流量Wc[l/min]を算出する以下の(式9)において、熱源水流量Wcを設定値とすることで、次の(式10)に示すように、熱源水出入口温度差WTRcは、空調負荷qtを変数とした関数Eで表すことができる。
Wc=60×qt/(4.186×WTRc) (式9)
→WTRc=E(qt) (式10)
WTRc:熱源水出入口温度差[℃]
qt:空調負荷・全熱量[kW]
この(式10)と(式6)とを整理すると、次の(式11)に示すように、熱源水出入口温度差WTRcは、入口空気比エンタルピーia1を変数とした関数Fで表すことができる。
WTRc=F(ia1) (式11)
WTRc:熱源水出入口温度差[℃]
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
次に、(式11)と(式8)を整理すると、次の式(式12)に示すように、対数平均温度差Δtlmは、入口空気乾球温度DB1C、入口空気比エンタルピーia1、及び、熱源水入口温度tw1Cを変数とした関数Gで表すことができる。
を求める。
Δtlm=G(DB1C,ia1,tw1C) (式12)
Δtlm:対数平均温度差[℃]
DB1C:入口空気乾球温度[℃]
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
tw1C:熱源水入口温度[℃]
この(式12)と(式7)とを整理すれば、熱源水入口温度tw1Cと、入口空気乾球温度DB1Cと、入口空気比エンタルピーia1との三者の相関を示す(式13)を求めることができる。
C(ia1)=G(DB1C,ia1,tw1C) (式13)
tw1C:熱源水入口温度[℃]
a1:入口空気比エンタルピー[kJ/kg(DA)]
DB1C:入口空気乾球温度[℃]
この(式13)において、例えば1℃毎等で熱源水入口温度tw1Cを変化させることで、熱源水入口温度tw1C(つまり、候補送水温度CT)に応じた入口空気乾球温度DB1Cと入口空気比エンタルピーia1との相関を示す外気状態関係式を求め、これらの外気状態関係式を外気状態線SLとして設定する。なお、例えば、当該外気状態関係式から相対湿度限界線LL1上に外気状態点をプロットし、この外気状態点と比エンタルピーが等しい等比エンタルピー線を外気状態線SLとしてもよい。
そして、図2に示す冷房モードの相関データCDでは、各外気状態線SLに対応する熱源水入口温度tw1Cを、当該外気状態線SLを下限とする外気状態エリアの候補送水温度CTに設定するとともに、図3に示す暖房モードの相関データCDでは、各外気状態線SLに対応する熱源水入口温度tw1Cを、当該外気状態線SLを上限とする外気状態エリアの候補送水温度CTに設定し、相関データCDの作成処理を完了する。
〔別実施形態〕
(1)前述の実施形態では、熱源水Wを共用する空調機23(外調機23A、FCU23B)から外調機23Aを選定した上で、外調機23Aのうちで設計時のピーク負荷に対する運転余裕が最も少ないものを代表空調機Xとする場合を例に示したが、例えば、外調機23AとFCU23Bとを区別せず、熱源水Wを共用する全ての空調機23のうちで設計時のピーク負荷に対する運転余裕が最も少ないものを代表空調機Xとしてもよく、代表空調機Xは設置環境や使用目標等に応じて適宜に選択すればよい。
(2)相関データCDの具体的構成は、前述の実施形態で示した構成に限らず、代表空調機Xの運転に適した外気状態と熱源水Wの送水温度(候補送水温度CT)との相関を表すものであれば種々の構成を採用することができる。また、相関データCDの具体的な作成方法も種々の方法を採用することができる。
(3)前述の実施形態では、熱源制御装置10の制御下で熱源21から熱源水Wを循環供給する空調機23を、施設1内の外周側エリア1Aに位置する空調機23とする場合を例に示したが、施設1内の全ての空調機23にしたり、施設1内の外調機23Aだけにしてもよい。
1 施設
10 熱源制御装置
11 記憶部
12 外気状態取得部
13 送水温度決定部
14 運転制御部
20 熱源システム
21 熱源
23 空調機
23A 外調機
CD 相関データ
OD 外気状態データ
TT 目標送水温度
W 熱源水
X 代表空調機

Claims (5)

  1. 外気状態と熱源水の送水温度との相関を表す相関データを記憶する記憶部と、
    外気状態データを取得する外気状態取得部と、
    前記外気状態取得部で取得した前記外気状態データと、前記記憶部に記憶された前記相関データとに基づいて、熱源水の目標送水温度を決定する送水温度決定部と、
    熱源水の送水温度が前記送水温度決定部で決定した目標送水温度になるように、熱源の運転を制御する運転制御部が備えられている熱源制御装置であって、
    前記相関データが、熱源水を共用する複数の空調機から選定した代表空調機の運転に適した外気状態と熱源水の送水温度の相関を表すデータである熱源制御装置。
  2. 前記代表空調機として、複数の前記空調機のうちで設計時のピーク負荷に対する運転余裕が最も少ない空調機が選定されている請求項1記載の熱源制御装置。
  3. 前記代表空調機として、複数の前記空調機のうちで外気を処理対象とする空調機が選定されている請求項1又は2記載の熱源制御装置。
  4. 前記相関データが、前記代表空調機に適した熱交換コイルの仕様決定に用いた熱交換コイル仕様決定式を利用して作成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱源制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱源制御装置を用いた熱源システムであって、
    熱源と前記熱源制御装置とが備えられ、施設に設置される空調機のうちから選定された空調負荷が主に外気状態に影響される外気影響下の複数の空調機に対して、前記熱源制御装置の制御下で前記熱源から熱源水を送水するように構成されている熱源システム。

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