好適な実施形態の以下の説明は、性質において単に例示的であり、かつ、いかなる点においても本発明、その用途、または使用を制限することは意図されていない。
本発明の原理による例示的な実施形態の説明は、添付図面に関連して読まれることが意図されており、該添付図面は、説明書全体の一部とみなすべきである。本明細書で開示する本発明の実施形態の説明において、方向または方位への任意の言及は、単に説明の便宜が意図されており、かつ、いかなる点においても、本発明の範囲を制限することは意図されていない。「下部」(「上部」(「水平」)「垂直」(「より上方の」)「より下方の」、「上」、「下」、「頂部」および「底部」)、ならびに、その派生語(例えば、「水平に」、「下方へ」、「上方へ」など)などの相対的な用語は、そのときに説明する、または、論じている図面に示す、方位を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、かつ、明示的に当該のようにと指示されていない限り、装置を特定の方位で構築または操作されることを必要とするものではない。「装着された」、「固着された」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」および類似語は、関係を指すものであり、構造体は、別段の明示的な説明がない限り、介在する構造体、ならびに、移動可能または剛性の取り付けつまり関係を介して直接、間接を問わず互いに固定または装着される。更に、本発明の特徴部および利点を、例証する実施形態の参照により例示する。したがって、本発明は、明示的に、単独でまたは特徴部の他の組み合わせで存在し得る特徴部の何らかの可能な非限定的な組み合わせを例示するそのような例示的な実施形態に限定されるべきでなく、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲により定義される。
まず、図1を参照すると、本発明の実施形態による口腔ケア器具100が例示されている。例証する実施形態において、口腔ケア器具100は、手動の歯ブラシの形である。しかしながら、特定の他の実施形態において、口腔ケア器具100は、電動歯ブラシ、舌スクレーパ、歯肉および軟組織清浄剤、ウォータピック、歯間用具、歯磨器、歯係合要素を有する特別設計の取手のついた器具、または、口腔ケアに一般的に使用される任意の他の形式の器具であるなどの他の形を取ることができる。したがって、本明細書で論じる本発明の概念は、口腔ケア器具の特定の形式が特許請求項の範囲に明記されていない限り、任意の形式の口腔ケア器具に適用することができることを理解されたい。
口腔ケア器具は、縦軸A−Aに沿って近位端103から遠位端102に延在する。口腔ケア器具100は、概ね、頭部110と、ネック115と、柄部120とを含む細長い本体101を含む。柄部120は、ユーザが使用中に口腔ケア器具100を保持および操作することができる機構部をもたらす細長い構造体である。柄部120は、前面124と、対向する後面125とを含む。例証する実施形態において、柄部120は、ユーザに違和感がないように様々な輪郭部を有して一般的に示されている。より具体的に言えば、例証する実施形態において、柄部120は、丸くふくらんだ形であり、かつ、近位端103およびネック115近傍でよりも大きい直径を中央領域において有する。具体的には、通常はユーザの母指により握持されると思われる柄部120の領域が、ネック115の幅を上回る幅を有する。もちろん、本発明は、全ての実施形態においてそのように制限されるべきではなく、特定の他の実施形態において、柄部120は、多種多様な形状、輪郭部および構成を取ることができ、該形状、輪郭部および構成のいずれも、特許請求項の範囲にそのように明記されていない限り、本発明を制限するものではない。
例証する実施形態において、柄部120は、例えば、制限はなく、エチレン化合物、プロピレン化合物、ブタジエン化合物、ビニール化合物の重合体および共重合体およびポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル類など、剛性プラスチック材で形成される。もちろん、本発明は、全ての実施形態においてそのように制限されるべきではなく、柄部120は、使用中の柄部120の握持性を高めるために柄部120の部分または全体を覆うように成型される握持部カバーとして熱可塑性エラストマなど弾性材料を含み得る。例えば、通常は使用中にユーザの掌により握持される柄部120の部分は、ユーザに対する違和感の無さを更に増大させるために熱可塑性エラストマまたは他の弾性材料でオーバーモールド成形され得る。
口腔ケア器具100の頭部110は、柄部120に結合され、かつ、前面112と、対向する後面113とを含む。例証する実施形態において、頭部110は、成型、フライス削り、機械加工または他の適切プロセスを使用して単一の単体構造体として柄部120と一体に形成される。しかしながら、他の実施形態において、柄部120および頭部110は、熱溶接または超音波溶接、締まり嵌め組立、継手スリーブ、螺合、接着、または締結具を制限なく含め、当技術分野で既知の任意の適切な技術により作動可能に製造プロセスの後期段階にて接続される別個の構成部として形成され得る。
例証する実施形態において、口腔ケア器具100の頭部110は、前面112から延在する複数の歯クリーニング要素111が設けられる。例証する実施形態において歯クリーニング要素111の全てが同じであるように見えるが、本発明は、全ての実施形態においてそのように制限されるべきではない。例えば、特定の実施形態において、歯クリーニング要素111は、少なくとも1つの螺旋ブラシ毛を含む少なくとも1つのブラシ毛房を含む。単一の螺旋ブラシ毛は、2つ以上のストランド構成部またはストランドを共に絡み合わせることにより形成され、これを図2〜図6を参照して以下で更に詳細に説明する。ブラシ毛房は、 頭部110上に形成された単一の房孔へ位置決めされるブラシ毛の集合体である。各ブラシ毛房は、例えば制限なしに、螺旋ブラシ毛のみ、螺旋ブラシ毛および非螺旋ブラシ毛の組み合わせ、または、非螺旋ブラシ毛のみを含み得る。特定の実施形態において、口腔ケア器具100は、正確に1つの螺旋ブラシ毛および他の非螺旋ブラシ毛を含む1つまたはそれ以上のブラシ毛房、または、螺旋ブラシ毛のみを含む1つまたはそれ以上のブラシ毛房を含み得る。更に他の実施形態において、歯クリーニング要素111は、全て、単独に螺旋ブラシ毛のみで形成されるブラシ毛房として形成され得る。更に、いくつかの実施形態において、歯クリーニング要素111は、単独に非螺旋ブラシ毛のみで形成される一部のブラシ毛房、および、単独に螺旋ブラシ毛のみで形成される一部のブラシ毛房を含み得る。非螺旋ブラシ毛房および螺旋ブラシ毛房は、交互にまたは非交互に(即ち、ブラシ毛房の交互または非交互の横列で)口腔ケア器具100の頭部110上に位置決めされ得る。
少なくとも1つの螺旋ブラシ毛を含む少なくとも1つのブラシ毛房を含むだけでなく、歯クリーニング要素111の残りの正確な構造、パターン、方位、および材料は、特許請求の範囲にその旨の明記がない限り、本発明を制限することはない。したがって、本明細書で使用するとき、「歯クリーニング要素」という用語は、相対的な面接触を介して歯および/または軟質口腔組織(例えば、舌、頬、歯肉など)の汚れ除去、磨き、または、拭いに使用することができる任意の構造体を指すために一般的な意味で使用される。「歯クリーニング要素」の一般的な実施例としては、ブラシ毛房、フィラメントブラシ毛、ファイバブラシ毛、ナイロン剛毛、螺旋ブラシ毛、ゴムブラシ毛、エラストマ突出部、屈曲可能な重合体突出部、その組み合わせおよび/またはそのような材料または組み合わせを含む構造体が制限なく挙げられる。適切なエラストマ材料としては、口腔衛生用具内での使用に適した任意の生体用弾性材料が挙げられる。最適快適感ならびにクリーニングの利点をもたらすために、歯または軟組織係合要素のエラストマ材料は、A8〜A25のショア硬さの範囲の硬度特性を有する。1つの適切なエラストマ材料は、GLS Corporation製造のスチレン―エチレン/ブチレン―スチレンブロック共重合体(SEBS)である。それにもかかわらず、他のメーカ製のSEBS材料または上記硬度範囲内または外の他の材料も使用することができよう。
本発明の歯クリーニング要素111は、当技術分野で既知の任意の方法で頭部110に接続することができる。例えば、ステープル/アンカ、金型内タフティング(in−mold tufting)(IMT)、または、アンカーフリータフティング(anchor free tufting)(AFT)が、クリーニング要素/歯係合要素を取り付けるために使用することができよう。特定の実施形態において、本発明は、ステープル留めブラシ毛、IMTブラシ毛、または、AFTブラシ毛の様々な組み合わせで実践することができる。AFTにおいて、プレートまたは膜が、超音波溶接によりなどブラシ頭部に固定される。ブラシ毛は、プレートまたは膜を通って延在する。プレートまたは膜の片側のブラシ毛の自由端は、クリーニング機能を実行する。プレートまたは膜の反対側のブラシ毛の端部は、所定の位置に固定されるように熱により共に溶融される。任意の適切な形のクリーニング要素が、本発明の広義の実践において使用され得る。あるいは、ブラシ毛は、ブラシ毛の基部が房ブロック内または該ブロックより下方に取り付けられるように房ブロックの適切な開口部を通って延在することにより房ブロックまたは部分に取り付けることができよう。
例証する実施形態において、口腔ケア器具100の頭部110は、その中で形成される複数の房孔(認識不可能)を含む。ブラシ毛の複数の房は、房孔の各々内に位置決めされ、かつ、頭部110に固着される。ブラシ毛の房の各々は、複数のブラシ毛を含み、複数のブラシ毛は、単一ストランドブラシ毛、二重ストランド螺旋ブラシ毛、三重ストランド螺旋ブラシ毛など、または、その様々な組み合わせとすることができる。したがって、ブラシ毛の1つの房は、1つの二重ストランド螺旋ブラシ毛および複数の単一ストランドブラシ毛、または、二重ストランド螺旋ブラシ毛のみ、または、三重ストランド螺旋ブラシ毛のみ、または、単一ストランドブラシ毛、二重ストランド螺旋ブラシ毛および三重ストランド螺旋ブラシ毛の組み合わせを含み得る。更に、単一の房孔は、エラストマクリーニング要素、または、上述した他の形式のクリーニング要素のどれでも満たされ得る。上述のように、1つの実施形態において、少なくとも1つのブラシ毛房は、少なくとも1つの螺旋ブラシ毛を含み、少なくとも1つの螺旋ブラシ毛は、二重、三重、または、その他のストランド螺旋ブラシ毛であり得る。螺旋ブラシ毛の詳細を、図2〜図6を参照して以下で更に詳細に論じる。
本明細書では例示していないが、特定の実施形態において、頭部110は、また、後面113に結合されるか、または、後面113上に位置決めされる軟組織清浄剤を含み得る。本発明と共に使用され、かつ、頭部110の後面上に位置決めされ得る適切な軟組クレンザの実施例が、2006年12月5日に本出願の譲受人に付与されたU.S.Patent No.7,143,462で開示されており、この特許の全体は、参照により本明細書に全体が組み入れられる。特定の他の実施形態において、軟組織クレンザは、突出部を含み得、突出部は、細長い隆起部、突起、または、その組み合わせの形を取ることができる。もちろん、本発明は、そのように制限されるべきではなく、特定の実施形態において、口腔ケア器具100は、いかなる軟組織清浄剤も含み得ない。
図2をここで参照すると、螺旋ブラシ毛200は、本発明の実施形態により例示されている。螺旋ブラシ毛200は、螺旋ブラシ毛200を形成するために共に絡み合う第1のストランド構成部210と、第2のストランド構成部220とを含む。例証する実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220は、各々5回互いに巻回される。しかしながら、本発明は、そのように制限されるべきではなく、より多くのまたはより少ない螺旋/巻きを、螺旋ブラシ毛200を形成するために使用することができる。
例証する実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220は、円柱形成形ストランドであるが、本発明は、そのように制限されるべきではなく、第1および第2のストランド構成部210、220は、図3および図4を参照して以下で更に詳細に説明するように任意の多角形形状とすることができる。更に、特定の実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220の1つは、溝、隆起部、ポケット、または、くぼんだ領域を有し得、溝、隆起部、ポケット、または、くぼんだ領域内に、他のストランド構成部が、図7を参照して以下で更に詳細に論じるように、第1および第2のストランド構成部210、220が共に絡み合うときに配置される。特定の実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220は、螺旋ブラシ毛200を形成するために同時に押出し成形することができる。そのような実施形態において、螺旋ブラシ毛200は、単一繊維であると考えられ得る。他の実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220は、互いとは別々に押出し成形し、その後、螺旋ブラシ毛200を形成するために共に後で捻り合わされることができる。螺旋ブラシ毛200を形成する正確な方法は、特許請求の範囲にその旨の明記がない限り、本発明を制限するべきではない。
2つ以上のストランド構成部は、螺旋ブラシ毛を形成するために共に絡み合うという点における螺旋ブラシ毛形成の性質のために、これらのストランド構成部は、口腔ケア薬剤を含む口腔ケア添加物を収容、貯蔵、あるいは含むように使用することができる。螺旋ブラシ毛を形成するために使用されるストランド構成部の各々は、同じ口腔ケア添加物、異なる口腔ケア添加物を収容することができるか、または、単一の螺旋ブラシ毛を形成する2つ以上のストランド構成部の一方のみが、口腔ケア添加物を含むことができ、一方、2つ以上のストランド構成部の他方は、口腔ケア添加物なしであり得る。したがって、特定の実施形態において、2つ以上の口腔ケア添加物は、単一の螺旋ブラシ毛の異なるストランド構成部上で別々に収容することができ、かつ、螺旋ブラシ毛(または、螺旋ブラシ毛が配置される口腔ケア器具)の使用中に混ざるように作製することができる。2つ以上の口腔ケア添加物の混合は、化学反応がユーザの口腔で行われること、かつ、一部の状況において、第3の口腔ケア添加物または薬剤をユーザの口腔内で第1および第2の口腔ケア添加物の反応により形成すること、のために有益であり得る。
図2を尚も参照すると、特定の実施形態において、第1のストランド構成部210は、第1のプラスチック211と、第1の口腔ケア添加物212とを含み、第2のストランド構成部220は、第2のプラスチック221と、第2の口腔ケア添加物222とを含み、第2の口腔ケア添加物222は、第1の口腔ケア添加物221と異なる。例証する実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220の各々が異なる口腔ケア添加物を含むことを概略的に示すため、第1のストランド構成部210は、第2のストランド構成部220より明るい色として例示されている。異なる口腔ケア添加物を有する第1および第2のストランド構成部210、220は本明細書で説明するが、特定の実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220の各々は、同じ口腔ケア添加物を有し得るか、または、第1および第2のストランド構成部210、220の1つは、口腔ケア添加物なしであり得、一方、第1および第2のストランド構成部の他方は、口腔ケア添加物を有する。
特定の実施形態において、第1のストランド構成部210の形成は、第1のプラスチック211を溶融させて第1の口腔ケア添加物212の粒子を溶融した第1のプラスチック211内に分散させることにより達成される。第1の口腔ケア添加物212の粒子は、それによって第1のプラスチック211に混合され、第1のストランド構成部210は、形成されたとき、第1の口腔ケア添加物212を含むことになる。同様に、第2のストランド構成部220の形成は、第2のプラスチック221を溶解させて第2の口腔ケア添加物222の粒子を溶解した第2のプラスチック221内に分散させることにより達成される。第2の口腔ケア添加物222の粒子は、それによって第2のプラスチック221に混合され、第2のストランド構成部220は、形成されたとき、第2の口腔ケア添加物222を含むことになる。上述したように、第1および第2の口腔ケア添加物212、222は、同じ場合も、異なる場合もあり得る。
冷却すると、第1および第2の溶解したプラスチック211、221は、硬化し、第1および第2の口腔ケア添加物212、222は、それぞれの第1および第2のプラスチック211、221内に収容または分散されることになる。次に、特定の実施形態において、第1および第2のプラスチック211、221は、第1および第2のストランド構成部210、220から、螺旋ブラシ毛200を形成するために同時に押出し成形することができる。あるいは、第1の口腔ケア添加物212を含む第1のプラスチック211は、第1のストランド構成部210に中に形成され、第2の口腔ケア添加物222を含む第2のプラスチック221は、別々に(別個の押出法または現在既知のまたは後で開発された任意の他のブラシ毛ストランド成形法により)第2のストランド構成部220の中に形成され得る。その後、第1および第2のストランド構成部210、220は、螺旋ブラシ毛200を形成するためにより合わすことができる。いずれの場合でも、螺旋ブラシ毛200は、第1および第2のストランド構成部210、220で形成され、該ストランド構成部の各々は、異なる(または同じ)口腔ケア添加物または、薬剤をその中に含む。もちろん、上述したように、2つのストランド構成部210、220の1つは、所望であればその中に口腔ケア添加物を分散させることなく形成され得る。
他の実施形態において、口腔ケア添加物は、粒子の形で溶解したプラスチックに含ませる必要はない。むしろ、他の実施形態においては、口腔ケア添加物は、口腔ケア添加物を上に保持するために触知性を有するストランド構成部または粘着性のある質感で形成することにより、または、溝、出っ張り、孔、くぼみ、または、他の特徴部、および/または、粉体、液体、ジェル、ペースト、または、他の形態の口腔ケア添加物の収容を促進する表面構造、形状、または構成を伴ってストランド構成部を形成することにより、それぞれのストランド構成部に追加することができる。口腔ケア添加物を伴ってその中に螺旋ブラシ毛を形成する方法に関わりなく、以下で更に詳細に説明するように、特に口腔ケア器具100の使用中、口腔ケア添加物212、222は、第1および第2のプラスチック211、222から、および、螺旋ブラシ毛200の第1および第2のストランド構成部210、220から放出可能であり、ユーザに口腔衛生上の利点をもたらす。
更に、特定の実施形態において、口腔ケア添加物は、任意の形態(即ち、粒子、粉体、液体、ジェル、ペーストなど)で、1つまたはそれ以上の担体内に埋め込まれるか、または、収容されるか、または、その他の方法で担持され得る。1つまたはそれ以上の担体は、その後、第1および第2のストランド構成部210、220に形成されるか、収容されるか、または、含まれる。具体的には、第1の口腔ケア添加物212は、第1の担体により担持され得、第2の口腔ケア添加物222は、第2の担体により担持され得る。1つの実施形態において、第1および第2の担体の各々は、1つまたはそれ以上の水溶性高分子であり得る。そのような実施形態において、口腔ケア添加物212、222は、1つまたはそれ以上の水溶性高分子により担持されるか、または、該高分子内に配置されるか、または、該分子内に埋め込まれ得る。その後、水溶性高分子は、上述のように第1および第2のストランド構成部210、220を形成するために使用される溶解したプラスチックに追加することができる。このようにすれば、担体は、第1および第2のストランド構成部210、220を形成するプラスチック材に混合されるか、または、形成されることになり、担体は、口腔ケア添加物を担持する。そのような実施形態において、第1の担体が第1のプラスチック211の融点よりも高い融点を有し、第2の担体が第2のプラスチック221の融点よりも高い融点を有し、担体つまり水溶性高分子は、溶解したプラスチックに追加されたときに構造を維持して口腔ケア添加物をその中に保持するようになっていることが望ましいであろう。プラスチックが冷却および硬化するとき、担体は、その後、プラスチックが個々のストランド構成部に形成されるにつれてプラスチック内に収容または分散され得る。
特定の実施形態において、第1および第2の担体の各々は、第1および第2の口腔ケア添加物212、222をその中に担持するか、含むか、または、封入する1つまたはそれ以上の分解可能なまたは溶解可能なカプセルを含むことができる。カプセルは、口腔ケア器具100の使用中に該カプセル含まれた口腔ケア添加物212、222を放出するために唾液など液体において可溶性であり得る。換言すると、カプセルは、湿気を受けると劣化するので、ユーザの唾液と混合したときに溶解し、内容物を放出する。あるいは、カプセルは、使用中に、ユーザの歯により接触されるか、または、ユーザの歯に擦り付けられるためにその中に含まれた口腔ケア添加物212、222を放出するために破断、裂断、または破裂する脆弱な肉薄な壁部を有し得る。他の実施形態において、第1および第2の担体の各々は、第1および第2の口腔ケア添加物212、222を担持する1つまたはそれ以上の基材を含むことができる。カプセルと同様に、基材は、また、口腔ケア器具100の使用中にその中に含まれた口腔ケア添加物212、222を放出するために溶解または破断し得る。他の実施形態において、第1および第2の担体の一方は、第1の口腔ケア添加物を担持する1つまたはそれ以上のカプセルを含むことができ、第1および第2の担体の他方は、第2の口腔ケア添加物を担持する1つまたはそれ以上の基材を含むことができるか、または、第1および第2の担体の各々は、それぞれの口腔ケア添加物を担持するカプセルおよび基材の組み合わせを含み得る。
口腔ケア添加物を収納するために担体を使用することは、口腔ケア添加物が適切にストランド構成部上に保持され、かつ、口腔ケア器具100の使用中にユーザの口腔に放出されることを確保することを補助し得る。具体的には、担体が水溶性高分子である実施形態において、そのような担体/水溶性高分子は、口腔ケア器具の使用中にユーザの唾液で劣化するか、縮むか、または溶解し、その結果、口腔ケア添加物が担体から、ユーザの口腔に放出される。そのような水溶性高分子の溶解度は、その中に含まれた口腔ケア添加物の全ての即時の放出、または、その中に含まれた口腔ケア添加物の時限式放出を有する螺旋ブラシ毛を作り出すために所望通りに選択することができる。
特定の実施形態において、第1および/または第2の担体は、その中に含まれた口腔ケア添加物の時限式のまたは遅い放出に備えて形成され得、口腔ケア添加物の利点が口腔ケア器具100の多くの使用よりも優ってユーザにより取得することができる。1つの実施形態において、担体は、3ヵ月の期間にわたって劣化し得、口腔ケア添加物全体が歯磨き中にユーザの口腔に放出されてしまうと、ユーザは、歯ブラシを交換する時期であるとわかるようになっている。特定の実施形態において、螺旋ブラシ毛200のストランド構成部は、歯ブラシ交換が必要であることをユーザに視覚的に伝えるためにその中に含まれた口腔ケア添加物が枯渇すると色を変え得る。したがって、螺旋ブラシ毛200は、口腔ケア添加物収容/分注構造体および磨耗インジケータの両方の役目をすることができる。
他の実施形態において、第1のストランド構成部210は、第1の一定期間内に劣化または溶解する第1の担体(即ち、水溶性高分子)を含み得る。第2のストランド構成部220は、第2の期間内に劣化または溶解する第2の担体(水溶性高分子)を含み得る。その結果、第2の担体内の口腔ケア添加物は、第1の担体内の口腔ケア添加物の全体が放出されてしまうまで放出され始めない。したがって、第2の担体は、第1の担体の全体が溶解してしまうまで溶解し始めず、第1の担体は、第2の担体より高い溶解度を有するようになっている。他の実施形態において、第1のおよび/または第2の担体は、第1の使用中に完全に侵食されるか、縮むか、または溶解し得、その中に含まれた口腔ケア添加物の全体は、単回使用中にユーザの口腔に放出されるようになっている。そのような実施形態において、口腔ケア器具100は、使い捨てかまたは単回使用歯ブラシであり得る。
第1および第2の口腔ケア添加物211、221は、ユーザの口腔衛生に利点をもたらす様々な口腔ケア添加物のいずれかであり得る。そのような口腔ケア添加物は、制限なく、蓮の種、蓮華、竹塩、ジャスミン、ハッカ、ツバキ、アロエ、イチョウ、チャノキ油、キシリトール、海塩、ビタミンC、ショウガ、サボテン、重曹、松塩、緑茶、白真珠、黒真珠、木炭粉体、軟玉または翡翠およびAg/Au+を含む。蓮の種は、蓮の種エキスであり、発熱防止および歯肉出血防止の天然薬草である。蓮の華は、蓮の華エキスであり、発熱防止および歯肉出血防止の天然薬草である。竹塩は、竹エキスおよび塩の組み合わせであり、炎症を抑えるために使用され、かつ、抗菌効果を有する。ジャスミンは、ジャスミン花エキスであり、発熱防止、歯肉出血防止の天然薬草、かつ、口を爽やかにする天然薬草である。ハッカは、ハッカ葉エキスであり、発熱防止、抗バクテリア用途の天然薬草、かつ、口を爽やかにする天然薬草である。ツバキは、ツバキ花エキスであり、発熱防止および歯肉出血の防止の天然薬草である。アロエは、アロエ葉エキスであり、炎症を抑える天然薬草であり、かつ、抗菌効果を有する。イチョウは、イチョウ葉エキスであり。炎症を抑える天然薬草であり、かつ、抗菌効果を有する。チャノキ油は、チャノキエキスであり、炎症を抑える天然薬草であり、抗菌効果を有する。キシリトールは、トウモロコシ、サトウキビ、オーク、樺などなどの植物エキスであり、虫歯防止に使用することができる。海塩は、海水エキスであり、炎症を抑えるのに使用され、かつ、抗菌効果を有する。ビタミンCは、食物エキスであり、歯肉出血を防止するために、かつ、酸化防止剤として使用することができる。ショウガは、ショウガエキスであり、炎症を抑える天然植物であり、かつ、抗菌効果を有する。サボテンは、サボテンエキスであり、炎症を抑える天然植物であり、かつ、酸化防止剤として使用することができる。重曹は、化学性製品であり、エナメル保護剤として使用することができる。松塩は、松エキスおよび塩の混合物であり、炎症防止および発熱防止の古い中国の漢方薬である。緑茶は、緑茶葉エキスであり、口臭を防止し、かつ、バクテリア成長を抑制する天然薬草である。白真珠は、一種の真珠の粉体であり、カルシウム吸収作用による歯のホワイトニングおよび歯の健康向上に使用することができる。黒真珠は、歯のホワイトニング、クリーニング、およびシミ除去に使用することができる一種の真珠の粉体である。木炭は、炭化によりオークから作製され、水分調整およびバクテリア成長の低減の一助になる。軟玉(翡翠)は、一種の軟玉粉体であり、歯肉疾患を防止し、かつ、歯肉の循環血液を促進するために使用することができる。Ag/Auは、Ag/Auイオン(即ち、銀/金)に含まれた抗バクテリア添加物であり、細菌成長を抑制するために使用することができる。特定の実施形態において、第1および第2の口腔ケア添加物の各々は、松エキスおよび塩の混合物、茶葉エキス、真珠粉体、軟玉粉体、木炭粉体、および抗菌材料から成る群から選択される。いくつかの実施形態において、口腔ケア添加物は、天然成分である。
特定の実施形態において、第1および第2のストランド構成部210、220の各々は、視覚的な美観をもたらすために、かつ、その特定のストランド構成部上に含まれた口腔ケア添加物に関する情報をユーザに伝えるために異なる色を有し得る。したがって、例えば、螺旋ブラシ毛は、オレンジ風味の口腔ケア添加物を含む第1のストランド構成部と、レモン風味の口腔ケア添加物を含む第2のストランド構成部とを含み得る。そのような実施形態において、それぞれの風味をユーザに視覚的に伝えるために第1のストランド構成部は色が橙色であり、第2のストランド構成部は色が黄色であり得る。同様に、螺旋ブラシ毛は、緑茶エキスを有する第1のストランド構成部と、黒真珠を含む第2のストランド構成部とを含み得る。そのような実施形態において、それぞれの口腔ケア添加物をユーザに視覚的に伝えるために第1のストランド構成部は色が緑色であり、第2のストランド構成部は色が黒色であり得る。同様に、例えば、青の色は、特定のストランド構成部が冷却の三叉神経効果をユーザにもたらすことになることをユーザに知らせるために使用することができる。赤の色は、特定のストランド構成部が血液循環を促進することになる口腔ケア添加物を含むことをユーザに知らせるために使用することができる。紫の色は、特定のストランド構成部が抗炎症口腔ケア添加物などを含むことをユーザに知らせるために使用することができる、等。螺旋ブラシ毛のストランド構成部を色分けすることにより、望ましい視覚的な美学が得られ、ならびに、ユーザまたは消費者に有益である。螺旋ブラシ毛が含まれる口腔ケア器具は、ユーザに様々な着色したストランド構成部が伝えるように意図されるメッセージを知らせるために柄部、頭部、パッケージング上に、または、口腔ケア器具とともに提供される別個の指示/情報シート上に色分けされたキーを含み得る。
特定の実施形態において、上記の口腔ケア添加物の1つまたはそれ以上のどれでも、螺旋ブラシ毛200を形成するために使用される第1および第2のストランド構成部210、220の各々に含めることができる。しかしながら、特定の実施形態において、上記の口腔ケア添加物の1つは、第1のストランド構成部210に含まれ、上記の口腔ケア添加物の第2の口腔ケア添加物は、第2のストランド構成部220に含まれ、上記の口腔ケア添加物の第2の口腔ケア添加物は、上記の口腔ケア添加物の第1の口腔ケア添加物と異なる。特定の実施形態において、第1および第2の口腔ケア添加物は、歯磨き中に第1および第2の口腔ケア添加物の薬剤が共に混ざって、第3の口腔ケア添加物または薬剤を形成するように選択される薬剤を各々有し得る。具体的には、歯磨きの前に、第1の口腔ケア添加物は、第1および第2の口腔ケア添加物は同じ螺旋ブラシ毛200上にあるにも拘わらず、第2の口腔ケア添加物から化学的に隔離されたままになる。これは、第1の口腔ケア添加物は、第1のストランド構成部210内に形成されるか、または、第1のストランド構成部210により担持され、第2の口腔ケア添加物は、第2のストランド構成部220内に形成されるか、または、第2のストランド構成部220により担持されるからである。歯磨き中に、第1および第2のストランド構成部210、220は濡れることになる。これにより、第1の口腔ケア添加物212(または、その一部)を第1のストランド構成部210から放出することができ、第2の口腔ケア添加物222(または、その一部)を第2のストランド構成部220から放出することができる。ある実施形態において、第1および第2の口腔ケア添加物212、222が同時に放出されたとき、それらの口腔ケア添加物内の薬剤は、ユーザの口腔内で混ざって第3の薬剤を形成し得る。
ユーザの口腔内での第1および第2の口腔ケア添加物の混合は、特定の事例において有益であり得る。具体的には、特定の薬剤、薬、麻酔薬、抗菌剤、光沢剤、漂白剤、および他その他の薬剤、物質および薬品は、経時的に効果を失う。したがって、そのような物質を実質的に形成直後に適用することが望ましいであろう。口腔ケア添加物が収容される構造体として螺旋ブラシ毛200のストランド構成部210、220を使用することにより、ユーザの口腔内でのこの混合が促進される。
上述したように、2つの口腔ケア添加物は、ユーザの口腔内で混ざると第3の口腔ケア添加物または薬剤を形成するように選択することができる。使用することができるいくつかの反応は、(1)中和物を形成するために塩基を酸と混在させること、(2)エポキシ樹脂を形成するために基剤を硬化剤と混在させること、(3)ビスフェノアールA(エポキシ樹脂)のジグリシジルエーテルを形成するためにビスフェノールFをエピクロロヒジンと混合すること、(4)過酸化物を形成するために炭酸カルシウムを過酸化水素と混合すること、(5)過酸化物を形成するために水を過酸化水素と混合すること、(6)感度薬剤を形成するために硝酸カリをフッ化スズと混合すること、(7)抗菌剤を形成するためにクロルヘキサジンをシリカと混合すること、(8)抗菌剤を形成するために塩化セチルピリジニウムをシリカと混合すること、(9)抗菌剤を形成するためにトリコルサンをピロ燐酸と混合すること、および、(10)第3の風味を形成するために第1の風味を第2の風味と混合すること、を含む。したがって、歯のホワイトニング、クリーニング、抗菌物質、抗菌剤、味、または、他の所望の効果に既知である様々な口腔ケア添加物/薬剤を形成することができる。
上述のように、第1のストランド構成部210は、第1のプラスチック211で形成され、第2のストランド構成部220は、第2のプラスチック221で形成される。特定の実施形態において、第1および第2のプラスチック211、221の各々は、同じである。そのような実施形態において、第1および第2のプラスチック211、221のいずれも、エッチング液により浸食され得るか、または、第1および第2のプラスチック211、221のいずれも、エッチング液により浸食され得ない。しかしながら、他の実施形態において、第1および第2のプラスチック211、221は、異なる。1つの特定の実施形態において、第1のプラスチック211は、エッチング液により浸食され、第2のプラスチック221は、エッチング液に化学的に強い。更に1つの実施形態において、第1のプラスチック211は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などポリエステルであり、第2のプラスチック221は、ナイロンなどポリアミドである。
もちろん、本発明は、特許請求の範囲にその旨の明記がない限り、第1および第2のストランド構成部210、220を形成するために使用される特定の材料により制限されない。
図3および図4をここで参照すると、第1のストランド構成部310および第2のストランド構成部320は、螺旋ブラシ毛を形成するために絡み合わなかった別個の構造体として例示されている。したがって、図3は、螺旋ブラシ毛を例示せず、むしろ、螺旋ブラシ毛を形成するために共に絡み合わせることができるストランド構成部310、320のみを例示する。この実施形態において、第1および第2のストランド構成部310、320の各々は、六角形の横方向の横断面形状を有する。もちろん、本発明は、そのように制限されるべきではなく、第1および第2のストランド構成部310、320は、所望の通りに任意の多角形形状を取ることができる。第1および第2のストランド構成部310、320は、いくつかの実施形態において同じ多角形形状を有し得、他の実施形態において異なる多角形形状を各々有し得る。
図5Aおよび図5Bを参照すると、螺旋ブラシ毛の概略図が示されている。具体的には、図5Aは第1の端部501と自由端502とを有する螺旋ブラシ毛500(螺旋は明快さのために例示せず)を示す。螺旋ブラシ毛500の自由端502は、丸みを帯びている。図5Bは、第1の端部601と自由端602とを有する螺旋ブラシ毛600(螺旋は明快さのために例示せず)を示す。螺旋ブラシ毛600の自由端602は、テーパ状である。具体的には、螺旋ブラシ毛600は、自由端602を含み、かつ、螺旋ブラシ毛600の自由端602の方に移動すると横断面面積が減少する円錐端部部分603を有する。例証する実施形態において、螺旋ブラシ毛600は、第1の端部601からほぼ螺旋ブラシ毛600の高さの1/3である距離にて先細りし始め、螺旋ブラシ毛600の自由端602は、丸みがあるのではなく尖っている。テーパ部の正確な性質、度合い、量および場所は、特許請求の範囲にその旨の明記がない限り、本発明を制限しない。螺旋ブラシ毛500、600の一方または両方は、上述の口腔ケア器具100上で使用することができ、螺旋ブラシ毛は、所望のクリーニング結果および口当たりを達成するために丸みを帯びたかまたはテーパ状とすることができる。それぞれ、丸みを帯びた自由端およびテーパ状の自由端502、602を有する螺旋ブラシ毛500、600は、所望であれば同じ歯ブラシ頭部上の毛の同じ房または毛の異なる房の一部として使用することができる。
特定の実施形態において、テーパ状の自由端602を有する螺旋ブラシ毛600は、エッチング液により侵食され得るプラスチックから螺旋ブラシ毛600の第1および第2のストランド構成部を形成することにより形成することができる。そのような実施形態において、化学的テーパリングプロセスは、螺旋ブラシ毛600を先細りにするために使用することができる。このプロセスは、第1および第2のストランド構成部の部分を侵蝕して螺旋ブラシ毛600の円錐端部部分603を先細りにするために螺旋ブラシ毛600をエッチング液に浸すことを含む。このようなプロセスにより、円錐形に先細る螺旋ブラシ毛となる。他の実施形態において、ストランド構成部の一方のみは、エッチング液により侵食され得るプラスチック材で形成され得、ストランド構成部の他のストランド構成部は、エッチング液に対して化学的に強くあり得る。このような実施形態において、第1のストランド構成部は、エッチング液に浸されると侵蝕されて先細ることになり、第2のストランド構成部は、エッチング液に浸されると構造を維持することになる。これにより、1つのテーパ状のストランド構成部と、1つの非テーパ状のストランド構成部とを有する単一の螺旋ブラシ毛を作り出すことができる。これは、上述のように、PBTなどのポリエステルから第1のストランド構成部を形成し、ナイロンなどのポリアミドから第2のストランド構成部を形成することにより達成することができる。テーパリングは、化学的テーパリングとして上述されるが、本発明は、そのように制限されない。他の実施形態において、螺旋ブラシ毛600は、当技術分野で既知の任意の手段により、機械的に先細りにすることができる。
図6をここで参照して、本発明の別の実施形態による螺旋ブラシ毛700を説明する。螺旋ブラシ毛700は、螺旋ブラシ毛700を形成するために共に絡み合う第1のストランド構成部710と、第2のストランド構成部720と、第3のストランド構成部730とを含む。特定の実施形態において、第1、第2および第3のストランド構成部710、720、730の各々は、螺旋ブラシ毛700を形成するために同時に押出し成形して共に絡み合わせることができる。第1のストランド構成部710は、第1のプラスチック711および第1の口腔ケア添加物712を含むことができる。第2のストランド構成部720は、第2のプラスチック721および第2の口腔ケア添加物722を含むことができる。第3のストランド構成部730は、第3のプラスチック731および第3の口腔ケア添加物732を含むことができる。特定の実施形態において、第3の口腔ケア添加物732は、第1および第2の口腔ケア添加物712、722と異なり得る。また、第1および第2の口腔ケア添加物712、722は、互いと異なる。したがって、螺旋ブラシ毛700は、3つの異なる口腔ケア添加物を含み、ユーザに3つの異なる利点をもたらし得る。もちろん、本発明は、全ての実施形態において、このように制限されない。特定の他の実施形態において、異なるストランド構成部上の1つまたはそれ以上の口腔ケア添加物は、同じとすることができるか、または、1つまたはそれ以上のストランド構成部は、口腔ケア添加物なしであり得る。第1、第2および第3のストランド構成部710、720、730の各々は、螺旋ブラシ毛200に関して上述した方法で形成することができる。
また、図示していないが、3つ以上のストランド構成部(即ち、4つ、5つ、6つまたはそれ以上のストランド構成部)を有する螺旋ブラシ毛を形成することができる。このストランド構成部の各々は、異なる口腔ケア添加物、または、同じ口腔ケア添加物および異なる口腔ケア添加物の任意の組み合わせを有する。したがって、本明細書で説明する本発明の螺旋ブラシ毛を使用して、多くの異なる口腔ケア添加物をユーザの口腔に同時に投与する/放出することができる口腔ケア器具を作ることができる。異なる2つのストランド構成部(またはより多くのストランド構成部)による螺旋ブラシ毛の組み合わせを同じ口腔ケア器具頭部上で利用することができ、ストランド構成部のそれぞれは、異なる口腔ケア薬剤を有する。例えば、口腔ケア器具は、頭部上で横方向の列に配置された歯クリーニング要素を含み得る。各横方向の列は、螺旋ブラシ毛を含むブラシ毛房を含み得、1つの横方向の列の螺旋ブラシ毛は、互いのまたは各々の隣接する横方向の列の螺旋ブラシ毛と異なる口腔ケア添加物を含む。本明細書で説明する螺旋ブラシ毛の事実上無制限の数の異なる組み合わせが可能である。
図7をここで参照すると、螺旋ブラシ毛800の別の実施形態が例示されている。螺旋ブラシ毛800は、第1のストランド構成部810と、第2のストランド構成部820とを有する。第1および第2のストランド構成部810、820の各々は、第1および第2のストランド構成部810、820の各々がその中に異なる口腔ケア添加物を有することができることを示すために異なるグレイスケールで例示されている。口腔ケア添加物は、上述の方法のどれでも螺旋ブラシ毛800の第1および第2のストランド構成部810、820内に分散させることができる。この実施形態において、螺旋ブラシ毛800は、2つの別個のストランド構成部810、820により形成されることにもかかわらず、滑らかな連続した外面803を有する。具体的には、第1のストランド構成部810は、窪み815が形成され、該窪み内に、第2のストランド構成部820は、鍵と鍵穴のように嵌合する。したがって、第1および第2のストランド構成部810、820は、相補的に成形され、螺旋ブラシ毛800を形成するように同時に押出し成形されたか、または、その他の方法で作製されたとき、螺旋ブラシ毛800は、滑らかな外面815を有する。換言すると、第1および第2のストランド構成部810、820間のシーム816は同じ高さであり、突出部、隆起部などが第1および第2のストランド構成部810、820間の相互接続の領域に存在しない。これは、第1および第2のストランド構成部810、820の相補型形状のために達成され、かつ、特定の実施形態において、第1および第2のストランド構成部810、820を同時に押出し成形することにより、螺旋ブラシ毛800を形成することができる。螺旋ブラシ毛800は、一定の外径を有すると例示されているが、特定の実施形態において、図5Bを参照して上述したように、外径が基部801から先端802まで減少するように先細りにされ得る。
特定の実施形態において、上述の異なる形式の螺旋ブラシ毛の様々な組み合わせを、単一の歯ブラシ頭部上で使用することができる。したがって、図2に示すような2つのストランド構成部を含むねじ形式の螺旋ブラシ毛、図6に示すような3つのストランド構成部を含むねじ形式の螺旋ブラシ毛、および、図7に示すような滑らかな面の螺旋ブラシ毛を、同じ歯ブラシ頭部上で、同じ房孔に、または、異なる房孔に配置することができる。したがって、本明細書で開示する異なる実施形態の様々な組み合わせを、単一の本発明において利用することができる。
更に、本発明を少なくとも1つの螺旋ブラシ毛を有する少なくとも1つのブラシ毛房を有する口腔ケア器具に関して本明細書で説明してきたが、特定の実施形態において、本明細書で説明する本発明のテーマは、螺旋ブラシ毛自体である。したがって、本発明は、単に、共に絡み合う同時に押出し成形された第1および第2のストランド構成部を含む螺旋ブラシ毛とすることができる。ここで、第1のストランド構成部は、第1のプラスチックと、第1の口腔ケア添加物とを含み、第2のストランド構成部は、第2のプラスチックと、第2の口腔ケア添加物とを含み、第2の口腔ケア添加物は、第1の口腔ケア添加物と異なる。
全体に渡り使用されるとおり、範囲内にある、ありとあらゆる値を説明するために、範囲は簡易形として使用されている。範囲内の任意の値は、範囲の末端として選択され得る。更に、全ての引用文献が、全体が参照により本明細書に組み入れられる。本開示の定義および引用文献の定義において食い違いがある場合、本開示が優先される。
本発明を実行する現時点の好適な方法を含む特定の実施例に関して説明してきたが、当業者は、上述したシステムおよび技術の多数の変形例および置換があることを認識するであろう。他の実施形態が利用され得、構造上および機能上の変更が本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。したがって、本発明の意図および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されるように広義に解釈されるべきである。