JP2016536761A - 標的化した質量分析 - Google Patents

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Abstract

質量分析計は、初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するイオン源と、イオン源によって生成されたイオンに由来する複数の第1のイオン試料を受け取り、複数の第1のイオン試料の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定する、イオン源の下流にある補助イオン検出器と、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するための、イオン源の下流にある質量分析器と、補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値に基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立する出力段と、を備える。

Description

本発明は、質量分析計、及び質量分析、特にタンデム質量分析の方法に関する。
複合混合物の標的化した質量スペクトル分析は、従来、三連四重極質量分析計を使用して行われてきた。これらの計器においては、前駆イオンの質量対電荷比範囲は、第1の四重極質量分析器によって選択される。前駆イオンは、ガスを充填した衝突セルにおいてフラグメント化され、次に、特定のフラグメントが第2の四重極質量分析器によって選択される。これが、目的とする前駆及び対応するフラグメントイオンのみをフィルタリングで取り出すことを可能にする。四重極質量分析器は、こうして、標的が分かってはいるが他の分析物と比較して非常に低いレベルで存在する場合に、標的化した分析のためのロバストな定量方法を提供する。
四重極分析器は、それらの動作性質に起因して、透過させられるために狭域の質量対電荷(m/z)比のイオンのみを受け付ける。このm/z比域は、ときに50%超となる効率で透過させられ、単一イオン感受性を持つ二次電子倍増管(SEM)を使用して検出されるが、全ての他のm/zのイオンは、分析器ロッド上で失われる。この無駄の多い動作は、複数の標的化合物を限られた時間内に分析することが望ましい場合に、迅速な定量分析を妨げる。四重極質量分析器は、あるm/zから別のものへと飛ばなければならず、その有効デューティサイクルは極めて低い(標的の数に応じて0.1%〜10%)。
更なる困難が、分子干渉に起因して、四重極系誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)中での分析物の元素分析における正確な定量に関して存在する。
三連四重極質量分析計に対する代替物は既知である。例えば、全ての前駆体からの全てのフラグメントの同時取得を実行して、単一の高分解能、高質量正確度のスペクトルを提供することができる。次いで、標的のm/z比のイオンの探索をその後実行することができる。オービタルトラップ技術を使用する分析器(例えば、Thermo Fisher Scientific製造のOrbitrap(商標)として市販される質量分析器)、Fourier Transform Ion Cyclotron Resonance(FT−ICR)分析器、及び飛行時間(TOF)に基づく分析器が、本用途のための精密質量分析器の例として考えられる。
しかしながら、かかる精密質量分析器は、現代の標的化した分析実験に対しては重大な限界を有する。例えば、直交加速度TOF分析器のための検出限界及びダイナミックレンジは、検出用電子機器の低い透過率及び限界に起因して、三連四重極分析計中のものに著しく劣る。一方で、オービタルトラップ系分析器(及び、FT−ICRまたは静電トラップなどの、イメージ電流検出を利用する任意の他の分析器)は、イメージ電流検出によって制限される感度、電荷容量によって制限されるダイナミックレンジ、及び数十から数百ミリ秒間各過渡電流を検出する必要性によって制限されるスピードまたはデューティサイクルを有する。妥協案として、精密質量分析器と四重極質量フィルタとの組み合わせが、狭いm/z隔離がもたらす減少したダイナミックレンジのものと組み合わせた全フラグメント検出の利点を可能にする。
両方の高分解能手法について、質量ピーク強度の変動係数(CV)を最小化したいという要望により、現代のガスクロマトグラフィー(GC)または超高性能液体クロマトグラフィー(UHPLC)において可能な狭い(0.5〜2秒幅)ピークにわたる測定点の数が制限される。既存のかかるシステムの例は、「New Trends in Fast Liquid Chromatography for Food an Environmental Analysis」,Nunez et al(Journal of Chromatography A,1228(2012)p.298−323)中で考察されている。これらの困難を克服することは、本領域において課題となったままである。
この背景に対抗して、本発明は、第1の態様において、初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するように配置されたイオン源と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する複数の(一連の)第1のイオン試料を受け取り、かつ第1の複数のイオン試料の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定するように配置される、補助イオン検出器と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するように配置される、質量分析器と、補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値に基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立するように構成される、出力段と、を備える、質量分析計を提供する。
第2の態様においては、初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するように配置されるイオン源と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する第1のイオン試料を受け取り、かつ第1のイオン試料に対するイオン電流を決定するように配置される、補助イオン検出器と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するように配置される、質量分析器と、補助イオン検出器によって決定されるイオン電流に基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立するように構成される、出力段と、を備える、質量分析計が提供され得る。以下に記載する種々の追加的な特徴は、第1の態様を参照して記述されるが、それらは第2の態様にも同等に適用可能であってよい。
両態様に従い、存在量測定値は、質量分析器によって生成された質量スペクトルデータと補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値との組み合わせに基づいて確立され得るため、質量スペクトルデータは、例えば、確立された存在量測定値に影響するために使用してもよい。加えてまたはあるいは、質量スペクトルデータを使用して、イオン電流測定値から分子干渉を除去するように、補助検出器の上流にある反応セルへの反応ガスの添加を制御してもよい。
この手法は、比較的高い分解能の分析器を使用した比較的ゆっくりとした標的化分析が、イオン源の下流に位置する電子増倍管などの独立した補助検出器(及び任意選択で質量フィルタ)を使用して分析物イオンを検出することによって、補完及び強化され得るという理解に基づき得る。補助イオン検出器は、任意選択で、質量分析器の上流にある。好ましくは、補助検出器は、質量フィルタリングしたイオンビームを検出する。
低質量分解能(高時間分解能)補助検出器からのデータは、次に、具体的にはデコンボリューションまたは最良あてはめ(ベスト・フィッティング)によって高質量分解能データを改善するために使用することができる。質量分析器からの高質量分解能データは、典型的には、低時間分解能で提供される。故に、補間、デコンボリューション、または最良あてはま手法は、特に、各質量分析スキャンに対する複数のイオン電流測定値の使用により可能となる。有利にも、補助イオン検出器は、質量分析器よりも高い絶対感度を有する。
補助イオン検出器は、ある期間(任意選択で、所定の期間)にわたって複数のイオン電流を提供するように構成されてもよい。質量分析器は、有利にも、同一期間にわたって単一セットの質量スペクトルデータを生成するように配置される。次に、出力段が、その期間中に生成された質量スペクトルデータとその期間中に決定された複数のイオン電流との組み合わせに基づいて存在量測定値を確立するように、構成され得る。故に、補助イオン検出器は、単一質量スペクトルに対する質量分析器からの質量スペクトルデータの生成と同一の時間的尺度内の複数の測定値を提供し得る(つまり、分析物イオンに対する質量分析を完了する)。補助イオン検出器は、質量分析器が単一質量スペクトルに対して質量スペクトルデータを生成するのと同一の期間で、少なくとも3、5、10、20、25、30、50、100、200、500、または1000個のイオン電流をもたらし得る。
別の意味では、補助イオン検出器は、質量分析器の質量分析の平均頻度より高いイオン電流測定の平均頻度を有するように構成されると、有利にも考えることができる。換言すると、補助イオン検出器は、平均して、質量分析器が質量スペクトルデータを提供する(つまり、質量分析を完了する)よりも頻繁に、イオン電流測定値をもたらし得る。
また更なる意味では、補助イオン検出器は、複数のイオン電流測定値(平均(average)値、平均(mean)値、中央(median)値、最頻(mode)値、最大値、または最小値であってもよい)を、それらの間に時間間隔をおいて決定するように構成されると考えることができる。次に、質量分析器は、複数のイオン電流測定間の時間間隔よりも長いある継続時間にわたって第2のイオン試料の質量分析を実行するように構成されてもよい。この意味では、補助イオン検出器が、質量分析器が質量スペクトルデータを提供する(つまり、質量分析を完了する)よりも素早くイオン電流測定値をもたらし得ると理解し得る。
任意選択で、質量分析計は、補助イオン検出器の上流(及び好ましくは質量分析器の下流)に配置される質量フィルタを更に備える。質量フィルタは、有利にも、イオン源によって生成されたイオンを受け取り、かつ減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させるように構成される。減少した範囲は初期範囲よりも狭い。次に、第1及び第2のイオン試料が、質量フィルタによって透過させられたイオンから導出され得る。
好ましくは、質量分析計は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流に位置する衝突セルを更に備える。この場合、質量分析計は、タンデム質量分析計であってもよい。有益にも、衝突セルは、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部からフラグメントイオンを生成するように配置される。衝突セルは、質量分析器の上流または下流であってもよいため、イオン源から質量分析器までの主要イオン経路中、イオン源と質量分析器との間の分岐イオン経路中、または質量分析器の下流にある、例えば「行き止まり(dead−end)」構成の経路中にあってもよい。
一部の実施形態では、質量分析計は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流に位置するイオン光学系を更に備える。有利にも、イオン光学系は、質量分析器の上流に位置する。イオン光学系は、受け取ったイオンの経路を、受け取ったイオンが第1のモードにおいて補助イオン検出器に向けて方向付けられるように、選択的に制御するように構成されてもよい。これは、多数の異なるやり方で実装され得る。任意選択で、イオン光学系は、受け取ったイオンが第1の方向でイオン光学系に進入し、かつ第1のモードにおいて、第2の方向で補助イオン検出器へと方向付けられるように構成され、第2の方向は第1の方向と異なる。好ましくは、第2の方向は第1の方向と直交する。この場合、補助イオン検出器は、変換ダイノードと、二次電子倍増管(または別の型のイオン検出器)とを備えてもよい。変換ダイノードは、第2の方向に沿ってイオン光学系の第1の側部上に位置してもよい。次に、二次電子倍増管(または他の型のイオン検出器)は、第1の側部と反対側のイオン光学系の第2の側部上に位置してもよい。有利にも、二次電子倍増管(または他の型のイオン検出器)は、変換ダイノードから二次電子を受け取るように構成され得る。
好ましい実施形態では、イオン光学系は四重極イオンガイドを備える。四重極イオンガイドは、4本の棒電極を備え、4本の棒電極の各々の外径が、4本の棒電極間の間隙のいずれよりも小さいことが好ましい。
実施形態では、イオン光学系は、受け取ったイオンの経路を、受け取ったイオンが第2のモードにおいて補助イオン検出器以外のイオン光学装置に向けて方向付けられるように、選択的に制御するように更に構成される。一部の実施形態では、補助イオン検出器以外のイオン光学装置は衝突セルである。他の実施形態では、補助イオン検出器以外のイオン光学装置は質量分析器である。いずれの場合でも、イオン光学系は、受け取ったイオンが第1の方向でイオン光学系に進入し、かつ第2のモードにおいて、第1の方向に方向付けられるように構成されることが好ましい。
一部の実施形態では、イオン光学系にて受け取られたイオンは、イオン源によって生成されたイオンである(つまり、いかなるフラグメント化もされていないが、質量選択は実行されている場合がある)。他の実施形態では、質量分析計は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流及びイオン光学系の上流に位置し、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部からフラグメントイオンを生成するように配置される、衝突セルを更に備える。次に、イオン光学系にて受け取られたイオンは、衝突セルにおいて生成されたフラグメントイオンであってもよい。
かかるイオン光学系を使用しない実施形態が提供されてもよい。例えば、補助イオン検出器は、質量分析器の下流に位置してもよい。次に、質量分析器は、受け取られたイオンの質量分析のために構成される第1のモードにおいて、または受け取られたイオンを補助イオン検出器へと方向付けるように構成される第2のモードにおいて、選択的に動作するように構成され得る。例えば、これは、質量分析器が飛行時間型である場合に可能であり得る。
任意選択で、質量分析計は、質量分析器の上流に位置するイオン貯蔵装置を更に備える。イオン貯蔵装置は、質量分析器による分析のためにイオンを受け取り、受け取ったイオンを貯蔵し、かつ貯蔵したイオンの少なくとも一部を質量分析器へと放出するように構成され得る。好ましくは、イオン貯蔵装置は、入力方向でイオンを受け取るように、かつ入力方向とは異なる出力方向でイオンを放出するように配置される。より好ましくは、出力方向は入力方向と直交する。最も好ましくは、イオン貯蔵装置は湾曲トラップである。これは、質量分析器がオービタルトラップ型である場合に特に有利である。
好ましくは、質量分析器は高分解能質量分析器である。高分解能質量分析器は、例えば、質量400で、50000、70000、または100000超の分解能(RP)を有してもよく、超高分解能質量分析器は、例えば、質量400で、150000、200000、または240000RP超を有し得る。精密質量分析器は、例えば、外部較正をもって3ppm未満の正確度を有するものと理解され得る。任意選択で、質量分析器は、飛行時間型、オービタルトラップ型、及びFourier Transform Ion Cyclotron Resonance(FT−ICR)型のうちの1つを含む。
好ましい実施形態では、出力段は、補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値に基づいて質量分析器によって生成された質量スペクトルデータを調整することによって、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を提供するように構成される。
出力段は、有利にも、補助イオン検出器出力と質量スペクトルデータとを組み合わせて、検出されたイオンについての1つ以上の改善された存在量測定値を確立するように構成される。任意選択で、第1及び第2のイオン試料は両方とも、イオンの同一セットの試料である。次に(しかし場合によっては他のケースにおいても)、補助イオン検出器は、イオンのセットに対して1つ以上の総イオン電流測定値、及び好ましくはイオンのセットに対して複数の総イオン電流測定値を決定するように構成されてもよい。このようにして、出力段は、イオンのセットに対して複数の存在量測定値を確立するように構成され得、各存在量測定値は、例えば、質量スペクトルデータが対象とする全範囲のサブセットである質量対電荷比の範囲に対する、質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる。有利にも、出力段は、複数の総イオン電流測定値の各々に対して、イオンのセットに対する複数の存在量測定値を確立するように構成され得、各存在量測定値は、質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる。好ましくは、各存在量測定値は、総イオン電流測定値のうちの少なくとも1つ(及び好ましくは複数の総イオン電流測定値)に基づいて、質量スペクトルデータの対応する部分を調整することによって確立される。出力段は、デジタル論理、プロセッサ、またはコンピューターによって実装されることが好ましい。
このプロセスを更にとってもよい。一部の実施形態では、質量分析器は、ある測定期間にわたって質量スペクトルデータの複数のセットを生成するように配置される。次に、補助イオン検出器は、生成される質量スペクトルデータの各セットに対して、複数のイオン電流測定値を決定するように構成されてもよい。出力段は、続いて有益にも、それにより複数の存在量測定値を確立するように構成され、各存在量測定値は、質量スペクトルデータの対応するセットに関連する。
複数のイオン電流測定値及び質量スペクトルデータは、同一期間にわたって生成されたイオンに関連し得る。加えてまたはあるいは、出力段は、次に、複数のイオン電流測定値を使用して、その期間にわたる質量スペクトルデータをデコンボリューションするように構成されてもよい。
一部の実施形態では、複数または一連の第1のイオン試料のうちの少なくとも1つ(または1つのみしかない場合は第1のイオン試料)は、第2のイオン試料と同一の範囲の質量対電荷比を有する。他の実施形態では、第1のイオン試料の全てが、組成において第2のイオン試料と異なってもよい。
有利な実施形態では、イオン源は、経時的に複数の試料を受け取るように構成される。複数の試料は、クロマトグラフ機器を使用して生成され得る。例えば、これらの試料は、GC、HPLC、またはUHPLCシステムなどの上流クロマトグラフィーシステムから提供されてもよい。受け取った各試料に対して、イオン源は、対応する時間に対応するイオンを生成するように構成され得る。
実施形態は、元素分析において、及び特に誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)において、特定の用途を有し得る。質量分析計は、したがって、元素質量分析計であり得る。イオン源は、したがって、元素イオンを生成することが好ましい。質量分析計は、したがって、ICP質量分析計であってもよく、ここで、イオン源は誘導結合プラズマトーチを備えてもよい。かかるイオン源は、試料の原子化及びイオン化を引き起こすのに十分に高い温度をもたらすことが可能である。典型的には、5000K超の温度がイオン源において使用される。本明細書に記載の質量分析計及び方法は、それにより、例えば原子質量範囲が3〜250の元素の決定を可能にする。
一部の実施形態では、出力段は、複数のイオン電流測定値を使用して、質量クロマトグラフピークをデコンボリューションするように構成される。加えてまたはあるいは、出力段は、経時的に、複数の試料の各々に対して、少なくとも1つの存在量測定値(及び好ましくは複数の存在量測定値)を確立するように構成されてもよい。例えば、これがデコンボリューションをもたらす。出力段が、複数の試料の各々に対して複数の存在量測定値を提供するように構成され得る場合、各存在量測定値は、対応する試料に対する(例えば、質量スペクトルデータが対象とする全範囲のサブセットである質量対電荷比の範囲に対する)質量スペクトルデータの一部分と関連付けられ得る。
1つのかかる実施形態では、質量フィルタ、衝突(フラグメント化)セル、及び質量分析器を備えるタンデム質量分析計が提供される。二次電子倍増管(SEM)は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流に設置され、それらがタンデム質量分析に使用されないときには、m/z比(△)の範囲内のイオンを検出するように配置され得る。倍増管は、高分解能質量分析器よりもはるかに高い時間分解能でこの範囲△にわたる総イオン電流(TIC)を定量し、一方で後者は、範囲△内の分解された成分の各々のゆっくりとした定量を提供する。これらのデータの適合化により、検出器の各々から個別によりも高い充実度で、分解された要素の各々に対する時間依存性をデコンボリューションすることが可能となり得る。
本発明がとる手法は自動利得制御(AGC)とは異なり、これは、AGCが質量分析器によって処理されたイオンの性質に実際に影響するのに対して、本手法は、イオン電流測定値、及び好ましくは補助イオン検出器によって決定された測定値を使用して、質量スペクトルデータからの存在量測定値を調整するためである。しかしながら、質量分析器は、第1のイオン試料に対して決定されたイオン電流に基づいて、第2のイオン試料におけるイオンの存在量を調整するように更に構成されてもよい。換言すると、AGCは、本発明と共に追加的に実装することができる。
一部の実施形態では、質量分析計は、質量フィルタ、イオン貯蔵装置、及び制御器を更に備える。制御器は、第1の範囲の質量対電荷比のイオンを選択するように質量フィルタを制御し、第1の範囲の質量対電荷比のイオンに対するイオン電流を決定するように補助イオン検出器を制御し、イオン貯蔵装置中に第1の範囲の質量対電荷比のイオンを蓄積するようにイオン貯蔵装置を制御し、かつ閾値量の第1の範囲の質量対電荷比のイオンがイオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、選択、決定、及び蓄積を繰り返すように構成され得る。次に、制御器は、イオン貯蔵装置中に貯蔵されたイオンを質量分析するように、質量分析器を制御するように更に構成されてもよい。具体的には、この分析は、イオン貯蔵装置が閾値量の第1の範囲の質量対電荷比のイオンを貯蔵するときに実行され得る。
任意選択で、制御器は、第2の範囲の質量対電荷比のイオンを選択するように質量フィルタを制御し、第2の範囲の質量対電荷比のイオンに対するイオン電流を決定するように補助イオン検出器を制御し、イオン貯蔵装置中に第2の範囲の質量対電荷比のイオンを蓄積するようにイオン貯蔵装置を制御し、かつ閾値量の第2の範囲の質量対電荷比のイオンがイオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、選択、決定、及び蓄積を繰り返すように構成される。制御器は、イオン貯蔵装置が閾値量の第1の範囲の質量対電荷比のイオンと閾値量の第2の範囲の質量対電荷比のイオンとを貯蔵するときに、イオン貯蔵装置中に貯蔵されたイオンを質量分析するように、質量分析器を制御するように構成されてもよい。
一部の実施形態では、質量分析計は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流にある衝突セル、及び制御器を更に備える。制御器は、イオン源によって生成されたイオンの第1の部分に対するイオン電流を決定するように補助イオン検出器を制御し、イオン源によって生成されたイオンの第1の部分を質量分析するように質量分析器を制御し、かつイオン源によって生成されたイオンの第2の部分をフラグメント化するように衝突セルを制御し、それによりフラグメントイオンを生成し、かつフラグメントイオンを質量分析するように質量分析器を制御するように、構成されることが好ましい。
別の態様では、本発明は質量分析のある方法において見出されてもよく、この方法は、イオン源にて初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成することと、イオン源によって生成されたイオンに由来する複数の(一連の)第1のイオン試料の各々に対して、イオン源の下流に位置する補助イオン検出器にて、対応するイオン電流測定値を決定することと、イオン源の下流に位置する質量分析器にて、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料に質量分析を実行し、それにより質量スペクトルデータを生成することと、質量分析器によって生成された質量スペクトルデータと補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値との組み合わせに基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立することと、を含む。
また更なる態様では、本発明は、質量分析のある方法によって提供されてもよく、この方法は、イオン源にて初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成することと、イオン源の下流に位置する補助イオン検出器にて、イオン源によって生成されたイオンに由来する第1のイオン試料に対するイオン電流を決定することと、イオン源の下流に位置する質量分析器にて、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料に質量分析を実行し、それにより質量スペクトルデータを生成することと、質量分析器によって生成された質量スペクトルデータと補助イオン検出器によって決定されたイオン電流との組み合わせに基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立することと、を含む。第1及び第2の質量分析計の態様と同様に、以下に記載する種々の追加的な特徴は、上記の第1の方法の態様を参照して記述されるが、それらは第2の方法の態様にも同等に適用可能であってよい。
複数のイオン電流を決定するステップは、ある期間にわたって行われる。好ましい実施形態では、質量分析を実行するステップは、同一期間にわたって単一セット(のみ)の質量スペクトルデータを生成することを含み得る。存在量測定値を確立するステップは、したがって、同一期間中に決定生成された、質量スペクトルデータと複数のイオン電流との組み合わせに基づいて、存在量測定値を確立することを含み得る。
任意選択で、イオン電流測定の平均頻度は、質量分析の平均頻度よりも高い。加えてまたはあるいは、複数のイオン電流測定値(平均(average)値、平均(mean)値、中央(median)値、最頻(mode)値、最大値、または最小値であってもよい)は、それらの間に時間間隔をおいて決定され、質量分析を実行するステップは、複数のイオン電流測定間の時間間隔よりも長い継続時間にわたって行われてもよい。
実施形態では、本方法は、質量フィルタにて、イオン源によって生成されたイオンをフィルタリングし、それにより、減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させることを更に含み、減少した範囲は、初期範囲よりも狭い。次に、第1及び第2のイオン試料が、質量フィルタによって透過させられたイオンから導出され得る。
任意選択で、本方法は、第1または第2の態様の質量分析計に関して記述した機能的特徴のうちのいずれかに対応するステップを更に含んでもよい。これらのうちの一部を以下に明確に記述し、発展させる。例えば、本方法は、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部をフラグメント化することを更に含んでもよい。次に、1つ以上のイオン電流測定値を決定するステップは、イオン源によって生成されたイオンの1つ以上の第1の部分の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定することを含み得る。加えてまたはあるいは、質量分析を実行するステップは、イオン源によって生成されたイオンの第1の部分を質量分析することを含んでもよい。加えてまたはあるいは、フラグメント化するステップは、フラグメントイオンを生成するように、イオン源によって生成されたイオンの第2の部分をフラグメント化することを含んでもよい。フラグメント化されていない(前駆)イオンは、したがって、生成されたイオンの第1の部分と見なされてもよく、フラグメントイオンは、生成されたイオンの第2の部分に由来し得る。加えてまたはあるいは、本方法は、フラグメントイオンに質量分析を実行することを更に含んでもよい。
一部の実施形態では、本方法は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流にあるイオンの経路を、イオンが第1のモードにおいて補助イオン検出器に向けて方向付けられるように、選択的に制御することを更に含む。イオンを補助イオン検出器に向けて方向付けるステップは、任意選択で、例えば直交の方向変化を引き起こすことによってイオンの方向を変化させることを含む。本方法は、イオン源(及び任意選択で、質量フィルタ)の下流にあるイオンの経路を、イオンが第2のモードにおいて衝突セルまたは質量分析器などの別のイオン光学装置に向けて方向付けられるように、選択的に制御することを更に含んでもよい。次に、イオンを第2のモードにおいて別のイオン光学装置に向けて方向付けるステップは、それらの方向を変化させずにイオンの経路を制御することを含み得る。
一部の実施形態では、本方法は、質量分析器の上流に位置するイオン貯蔵装置中に、質量分析器による分析のためのイオンを貯蔵することと、貯蔵したイオンの少なくとも一部を質量分析器へと放出することとを更に含む。次に、イオンをフィルタリングするステップは、質量フィルタにて、第1の範囲の質量対電荷比のイオンを選択することを含み得る。イオン電流を決定するステップは、第1の範囲の質量対電荷比のイオンに対するイオン電流を決定することを含んでもよい。イオンを貯蔵するステップは、第1の範囲の質量対電荷比のイオンをイオン貯蔵装置中に蓄積することを含んでもよい。本方法は、閾値量の第1の範囲の質量対電荷比のイオンがイオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、選択、決定、及び蓄積ステップを繰り返すことを更に含み得る。質量分析を実行するステップは、イオン貯蔵装置中に貯蔵されたイオンを質量分析することを含み得る。
任意選択で、本方法は、質量フィルタにて第2の範囲の質量対電荷比のイオンを選択することと、補助イオン検出器にて第2の範囲の質量対電荷比のイオンに対するイオン電流を決定することと、イオン貯蔵装置中に第2の範囲の質量対電荷比のイオンを(任意選択で、貯蔵された第1の範囲の質量対電荷比のイオンと共に)蓄積することと、閾値量の第2の範囲の質量対電荷比のイオンがイオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、第2の範囲の質量対電荷比のイオンについて、選択、決定、及び蓄積ステップを繰り返すこととを更に含む。質量分析を実行するステップは、イオン貯蔵装置が閾値量の第1の範囲の質量対電荷比のイオンと閾値量の第2の範囲の質量対電荷比のイオンとを貯蔵するときに、イオン貯蔵装置中に貯蔵されたイオンを質量分析することを含んでもよい。
好ましくは、存在量測定値を確立するステップは、補助イオン検出器によって決定されたイオン電流に基づいて、質量分析器によって生成された質量スペクトルデータを調整することを含む。
一部の実施形態では、第1及び第2のイオン試料は両方とも、イオンの同一セットの試料である。次に(しかし任意選択で他の場合において)、イオン電流を決定するステップは、イオンのセットに対する1つ以上の総イオン電流測定値(及び好ましくは複数のイオン電流測定値)を決定することを含んでもよく、それにより、存在量測定値を確立するステップは、1つ以上の総イオン電流測定値の各々に対して、イオンのセットに対する複数の存在量測定値を確立することを含み、各存在量測定値は質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる。例えば、各存在量測定値は、総イオン電流測定値のうちの少なくとも1つに基づいて質量スペクトルデータの対応する部分を調整することによって確立されてもよい。
質量分析を実行するステップは、ある測定期間にわたって質量スペクトルデータの複数のセットを生成することを含み得る。次に、複数のイオン電流測定値を決定するステップは、生成される質量スペクトルデータの各セットに対する複数のイオン電流測定値を決定することを含んでもよい。結果として、存在量測定値を確立するステップは、複数の存在量測定値を確立することを含んでもよく、各存在量測定値は、質量スペクトルデータの対応するセットに関連する。
複数のイオン電流測定値及び質量スペクトルデータは、有利にも、同一期間にわたって生成されたイオンに関連する。次に、存在量測定値を確立するステップは、複数のイオン電流測定値を使用して、その期間にわたる質量スペクトルデータをデコンボリューションすることを含み得る。
実施形態では、イオン源にてイオンを生成するステップは、経時的に複数の試料を受け取ることと、受け取った各試料に対して、対応するイオンを生成することとを含み得る。任意選択で、本方法は、クロマトグラフィーを使用して複数の試料を生成することを更に含んでもよい。どちらの場合でも、存在量測定値を確立するステップは、複数の試料の各々に対して少なくとも1つの存在量測定値を確立することを含み得る。好ましくは、少なくとも1つの存在量測定値を確立するステップは、複数の試料の各々に対して複数の存在量測定値を確立することを含み、各存在量測定値は、対応する試料に対する質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる。
本明細書に記載の技法のうちの1つ以上の可能性のある別の利点は、イオン電流測定値が、質量スペクトルデータを使用してデコンボリューションまたは分解され得、それにより、補助検出器からのより正確な存在量測定値がもたらされ得ることである。イオン電流測定値は、干渉からの寄与を除去するために質量スペクトルデータを使用して分解することができる。具体的には、本明細書に記載するような分析計または方法を使用して得られたデータを使用して、(例えば、質量フィルタによって選択されるような)目的とする質量範囲(単数または複数)内で干渉を分解することができる。これは、例えば、ICP−MSなどの元素分析において、用途を有する。
好ましい実施形態では、補助イオン検出器から得られた測定されたイオン電流は、質量分析器から得られた質量スペクトルデータから決定された目的の元素に起因する電流の分担に従って調整される。高分解能質量スペクトルデータは、目的とする元素のイオン及び干渉のイオンを分解することができる。具体的には、質量分析器からの質量スペクトルデータが、イオン電流の所与の分画が目的とする元素ではなく干渉(例えば分子干渉)から生じることを測定する場合には、目的とする元素は、イオン電流の残分(つまり、測定されたイオン電流から干渉に起因する分画を引いたもの)に相当する。目的とする元素の存在量測定値は、したがって、このように修正されて、より正確な定量を提供することができる。対照的に、四重極装置などの従来のICP−MS質量分析器のみの使用は、不正確な測定をもたらし得る。
別の用途では、質量スペクトルデータのかかる使用は、それが、分子干渉が総イオン電流の所与の分画を、例えば、20%以上、30%以上、40%以上、または50%以上超過する質量スペクトルデータから確立される場合に特に、反応セル(補助検出器及び質量分析器の上流)への反応ガスの添加を誘発して、分子干渉と反応させるために使用することができる。一連四重極計器における従来の反応セルは、多数の桁分干渉を減衰させる必要性に起因して、イオン電流の著しい減衰(例えば、3〜10倍)をもたらし得る。本明細書に開示の技法のうちの1つ以上における高分解能質量分析器の使用は、この要件を減少させる。加えてまたはあるいは、この使用は、反応セルの必要性を除去し得るか、またはこの使用は、反応セルにおいて信頼性のある減衰制御を提供することで、例えば、ガス密度及び反応速度、並びに結果としてイオン損失などの量の制御を可能にし得る。故に、特にイオン電流測定値から分子干渉を除去するために、質量スペクトルデータを使用して反応セルへの反応ガスの添加を制御し得る。
また別の態様では、本発明は、ある質量分析計において見出されてもよく、この質量分析計は、初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するように配置されたイオン源と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する複数の第1のイオン試料を受け取り、かつ複数の第1のイオン試料の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定するように配置される、補助イオン検出器と、イオン源の下流に位置し、イオン源によって生成されたイオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するように配置され、質量スペクトルデータを使用して、イオン電流測定値から分子干渉を除去するように、補助検出器の上流にある反応セルへの反応ガスの添加を制御する、質量分析器と、補助イオン検出器によって決定されたイオン電流測定値に基づいて、イオン源によって生成されたイオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立するように構成される、出力段と、を備える。
本方法は、第1のイオン試料(単数または複数)に対して決定された少なくとも1つのイオン電流測定値に基づいて、第2のイオン試料におけるイオンの存在量を調整することを更に含み得る。そのため、AGCを加えて実装してもよい。
本発明は種々の方法で実践してもよく、これからそのいくつかを、例示目的のみで、添付の図面を参照して、説明する。
本発明に従う質量分析計の対応する実施形態を実装するための構成要素の様々な配置を例解する模式図である。 図1の質量分析計における使用のための偏向光学の第1の視図を図式的に示す。 図2Aの偏向光学の第2の視図を図式的に示す。 図1に示す第1の実施形態に従う第1の質量分析計実装の模式図を例解する。 図1に示す実施形態に基づく第2の質量分析計実装の模式図を例解する。 図1に示す第3の実施形態に従う質量分析計実装の模式図を例解する。 データのデコンボリューションを例解する、本発明に従う質量分析計からの例示的結果を示す。 模擬実施例の混合物における元素及び干渉成分の規定相対量の表を示す。 図7に示すような模擬実施例の混合物及び量1のArを示す総括スペクトルを示す。 m/z40領域周辺の図8の拡大部分を示す。 m/z54領域周辺の図8の拡大部分を示す。 m/z56領域周辺の図8の拡大部分を示す。 m/z57領域周辺の図8の拡大部分を示す。 m/z58領域周辺の図8の拡大部分を示す。
まず図1を参照して、質量分析計の対応する実施形態を実装するための構成要素の様々な配置を例解する模式図を示す。3つの実施形態を示し、各実施形態は、イオン源10、質量フィルタ20、任意選択の衝突セル30、質量分析器40、データ取得システム50、及び補助イオン検出器60を備える。補助イオン検出器60は、典型的には、二次電子倍増管(SEM)である。データ取得システム50は、本発明の出力段として理解されてもよい。
各実施形態では、イオンは、イオン源10から質量フィルタ20を通して導入される。イオンのうちの少なくとも一部は、衝突セル30によってフラグメント化され、フラグメントは、データ取得システム50を持つ高分解能質量分析器40において分析される。追加の補助イオン検出器60は、質量フィルタ20の下流にある側部経路上に位置する。補助イオン検出器60の位置は、様々な実施形態の間で異なる。補助イオン検出器60の位置は、以下のうちの1つであってもよい。
a)衝突セル30の前、質量フィルタ20のすぐ下流の位置。この位置は、前駆イオンの総イオン電流(TIC)の直接測定を可能にする。しかしながら、このTICは、フラグメント(フラグメントを用いる場合)の総イオン電流とは著しく異なる可能性がある。また、イオンを直線軌跡から補助検出器60につながる側部経路へと急速に切り替えるためには、精緻なイオン光学システムが必要とされ得る。
b)衝突セル30と高分解能分析器40との間の位置。この位置は、フラグメント(フラグメントを用いる場合)のTICの直接測定を可能にし、これは、データ取得システム50の出力とより良好に適合し得る。しかしながら、上記の選択肢a)のように、これも、補助イオン検出器60に向けた偏向を可能にするために、精緻なイオン光学システムを必要とし得る。
c)衝突セル30及び高分解能分析器40の下流の位置。この位置は、補助イオン検出器60へとイオンを偏向させるために精巧なイオン光学システムを必要とすることなく、フラグメントに対するTICの直接測定を可能にする。代わりに、イオンは単純に、分析器40へと偏向されないとき、システム全体を通過することが可能であり得る。
上述のように、第1及び第2の実施形態(それぞれa及びbと標識する)は、イオンを補助イオン検出器60に向けて迂回させるために偏向光学を必要とし得る。次に図2を参照して、図1に示す質量分析計の実施形態における使用のための偏向光学の図式描写を示す。偏向光学の第1の視図を図2Aに示す。図2Aの偏向光学の第2の視図を図2Bに示す。これは、A−Aと標識した線を通した断面を示す。図1に示すものと同一の要素を図2に示す場合は、同じ参照番号を使用した。質量フィルタ20は出口開口部21を有する。質量フィルタ20は、ロッド22、23、24、及び25を持つ四重極装置である。補助イオン検出器は、SEM61及び変換ダイノード62を備える。
イオンが開口部21を通って四重極質量フィルタ20を出るとき、イオンは、衝突セル30及び/または質量分析器40(この図には示さない)に向けてRF専用四重極イオンガイドロッド22〜25によって輸送される。好ましくは、ロッド22〜25に適用される電位のRF周波数は、2〜5MHzである。更に、ロッド外径は、ロッド間の間隙よりも小さいことが好ましい。
SEM61に向けた偏向のために、RFのスイッチを急速に切り、ロッド22及び23は、イオン極性と同一の極性(例えば、陽イオンについては+300V)の直流を受け取る。ロッド24及び25は、イオン極性と反対の極性(例えば、陽イオンについては−300V)の直流を受け取る。これは、イオン極性と反対の極性(例えば、−2000V)の高直流電圧にバイアスされているSEM61へとイオンを迂回させる。適当なスイッチング電子機器の例は、米国7,498,571号中で見出され得る。
分子イオンを検出しようとする場合は、後段加速を使用することが好ましい。例えば、これは、変換ダイノード62へとSEM61の方向と反対方向(図2の上方向)にイオンを偏向させることによって達成してもよい。次に、当該技術分野で既知のように、得られた二次イオンまたは電子をSEM61に向けて輸送するために、直流電場を利用することができる。
次に図3を参照して、図1に示す第1の実施形態に従う第1の質量分析計実装の模式図を例解する。図1a)に示す実施形態は、衝突セル30が必要でない状況に特に好適であり得る。例えば、これは、誘導結合プラズマ(ICP)源と、四重極質量フィルタ20、及びオービタルトラップまたはTOF技術に基づく質量分析器とを組み合わせる計器において該当し得る。かかる実施形態を図3に示す。
この実装は、ICPトーチ11、コーン12、スキマー13、イオン光学系14、衝突セル15、湾曲トラップ(Cトラップ)41、オービタルトラップ質量分析器42、及びイオン光学系43を備える。制御イオン光学系70も、質量フィルタ20の下流に提供される。
質量フィルタ20は、狭い範囲の質量対電荷比にあるイオンを隔離する四重極装置である。これらは、制御イオン光学系70を通してCトラップ41へと透過させられる。断続的に(例えば、20分毎)、これらのイオンは、正確な定量のために、制御イオン光学系70によって補助イオン検出器(図示せず)に偏向される。補助イオン検出器は、例えば図2に示す設計に従い、制御イオン光学系70中に位置してもよい。イオンを選択する任意の他の手段、例えば、ドリフト管、示差イオン移動度フィルタ、飛行時間フィルタ、磁気セクター、または任意の型のイオントラップを、代替的または追加的に使用し得る。
Cトラップ41は、長期間にわたってイオンを蓄積する。したがって、これを使用して、複数域の質量対電荷比(質量フィルタ20によって選択される)からのイオンを貯蔵することができる。これらのイオンは、分析のため、Cトラップ41から、イオン光学系43を通り、オービタルトラップ分析器42へと放出される。オービタルトラップ分析器42の分析サイクルは、他の期間と比べて比較的長く、例えば、100〜300ミリ秒である。故に、イオンは、オービタルトラップ分析器42が各サイクルにおける検出に対して準備ができるまで、Cトラップ41中に蓄積される。
この手法を使用して得られたデータは、目的とする質量範囲(単数または複数)内で干渉を分解するために使用することができる。測定したイオン電流は、高分解能質量スペクトルを用いて得られた目的とする元素の分担に従って調整される。例えば、10原子質量単位の質量範囲にわたるTICが10±1%イオン/秒と測定され、一方でオービタルトラップ質量分析器が、このTICの20%±1%が分子干渉から生じることを測定する場合には、目的とする元素は、80%±1%に相当し、それらの正しい強度は8×10±1.4%であると測定する。換言すると、四重極質量分析器のみの使用は、誤解を招く精度ではあるが、20%不正確な測定値を付与したはずである。高分解能質量分析器の存在により、結果として精度のわずかな低下はあり得るが、正確度の改善が可能となる。
別の例は以下で説明され得る。分子干渉が、例えば50%以上で優位を占めることが確立される場合、このことは、反応ガスを光学反応セル15に添加して分子干渉を反応させる誘因となり得る。反応ガスは、ヘリウム、水素、またはこれらの混合物であってもよい。一連四重極計器における従来の反応セルは、イオン電流の著しい損失(3〜10倍)をもたらす。このことは、多数の桁分干渉を減衰させる必要性に起因する。高分解能質量分析器の存在は、この要件を減少させる。それはこうして、組み合わせたいずれの干渉とも同じ桁の強度を持つ分析物信号を提供するのに十分となり得る。それはまた、信頼性のある減衰制御を提供し、故に、反応速度、ガス密度、及び結果としてイオン損失の減少を可能にし得る。
図1a)及び1b)に示す実施形態は、オービタルトラップ、FT−ICR、及び静電トラップ型の高分解能質量分析器との使用に最も適当であり、これは、それらが長い貯蔵時間を必要とするためである。更に、図1c)に示す実施形態は、これらの型の質量分析器を使用する実装に重要である。しかしながら、フライスルー中のトラッピング電位を慎重に減少させることにより、これらの質量分析器を第3の実施形態とも使用することが可能となり得る。
次に図4を参照して、図1に示す実施形態に基づく第2の質量分析計実装の模式図を示す。しかしながら、図1に示す実施形態とは異なり、以下で説明するように、任意選択の衝突セルの場所は変更される。これまでの図中のものと同一の要素を示す場合は、同じ参照番号を使用した。これまでの図において示さず図4において示す唯一の構成要素は、衝突セル31である。
イオン源10において生成されたイオンは質量フィルタ20に通され、制御イオン光学系70の一部としての補助イオン検出器(図示せず)を使用して、TIC測定値を提供する。質量フィルタ20によって透過させられた一部のイオンは、行き止まり反応セルまたは衝突セル31へとCトラップ41を真っ直ぐ通過する。これは貯蔵装置として作動することができるが、一部の状況においてはフラグメント化セルとしても作動することができる。Cトラップ41中に貯蔵されたイオンは、イオン光学系43を通してオービタルトラップ質量分析器42へと選択的に放出され得る。データ取得システム50は、オービタルトラップ質量分析器42に結合されて、検出イメージ電流出力を得る。
この設計は、GC、HPLC、またはUHPLCなどの迅速な分離手段に接続されたタンデムオービタルトラップ系質量分析計に好ましい実施形態である。補助イオン検出器を使用して、クロマトグラム上に中間点を提供することができる。
次に図5を参照して、図1に示す第3の実施形態に従う質量分析計実装の模式図を例解する。以前のように、これまでの図中で使用したものと同一の要素を示す場合は、同じ参照番号を用いた。この実施形態は、直交加速度TOF(oaTOF)質量分析器に基づくタンデム質量分析にとって好ましい。レンズ光学44、直交加速器45、検出器46、及び少なくとも1つのイオンミラー47も提供される。
高分解能oaTOFは、レンズ光学44によって衝突セル30にインターフェースで接続される。oaTOF質量分析器は、最大10〜30kHzの繰り返し数でイオンパケットのパルスを発することができるが、例えば、その低い透過率(0.2%から数パーセント)のせいで、十分な統計を取得するためにはスペクトルの長い付加が必要となる。典型的には、かかる質量分析器は、数マイクロ秒のフローに等しいイオンビームの一部分のみのパルスを発し、直交加速器45は次に、それまでに放出されたイオンが分析器全体からなくなるまで、イオンを最充填される。これには最大数百マイクロ秒かかり得る。したがって、イオンは、次のパルスまで、自由に直交加速器45を通過し、かつ検出器60(好ましくは上記のように後段加速を持つもの)によって検出される。この手法を使用すると、検出器60を使用して、質量分析器に到着する全イオンの最大50〜70%を検出し得る。換言すると、それは、検出器46と比較して同一の統計的な精度に達するのに5〜10倍少ない時間を要してもよい。
この第3の実施形態の設計は、例えば、検出器がイオン経路の終点で衝突セルの後方に位置する場合に、図4の計器と共に実装され得る。
ここで図6を参照して、クロマトグラフピークをサンプリングするために使用される本発明に従う質量分析計からの例示的な出力結果を示す。これを使用して、データのデコンボリューションを例解する。デコンボリューションのプロセスには、補助イオン検出器と質量分析器との両方からの入力を使用する。この実施例では、質量分析器の高分解能検出器は、補助イオン検出器(例えば、SEM)よりも6倍遅い。換言すると、補助イオン検出器は、6倍迅速にピークをサンプリングする。結果として、質量分析器の高分解能検出器は、クロマトグラフピークを過少にサンプリングする。それでも、補助イオン検出器からの測定値を利用して、デコンボリューションは、ピーク形状の復元を可能にし、それを定量により好適にする。
補助イオン検出器の出力(総イオン電流を示す)を図6a)において時間に対して描出する。図6a)において黒点で標識した点の各々について、質量スペクトル(質量分析器の出力)を図6b)に示す。最大3つのピーク(1、2、及び3と表示する)を各質量スペクトルにおいて標識する。第1のピーク1は太い実線で標識し、第2のピーク2は細い実線で標識し、第3のピーク3は細い点線で標識する。ピーク形及びピーク下面積のより良好な定義を可能にする、第1のピーク1、第2のピーク2、及び第3のピーク3に対するイオン電流を示すデコンボリューションした痕跡を次に図6c)において示す。後者は、注入した試料の量と直接的に連携し得る。図6b中の質量スペクトルからのピーク強度のみを使用した場合、それは異なるピーク形状及び正確度のより低い定量につながり得る。
デコンボリューションの質は、クロマトグラフピークモデルの質、ピーク形状の再現性、及び下線を引いたピークの信号対雑音(S/N)比に依存し得る。大部分の実際的事例がクロマトグラフピークの統合を認めることが予測される。結果として、定量分析の正確度は、補助イオン検出器の導入を考慮すると、著しく改善され得る。かかるデコンボリューションは、ピークが溶出するときにリアルタイムで実行することができるが故に、条件の、例えば、補助イオン検出器か質量分析器かのいずれかによるイオンのサンプリングの時間的な点の、データ依存的変化を可能にすることも予測される。
多数の数学的方法を使用して、デコンボリューションを改善させることができる。これらとしては、マルチスケールモデル化法、異なるノルム(例えば、L2またはHuberノルム)による最良あてはめ法、及び信号処理(ピラミッド表現及びエッジ検出を含む)におけるスケールスペース理論を挙げることができる。
ここで図7〜13を参照して、模擬実施例を記載し、どのように、イオン電流測定値が質量スペクトルデータを使用してデコンボリューションされるかまたは分解されて、それにより特定のイオン種または目的とする元素に対する補助検出器からのより正確な存在量測定値をもたらすのかを例解する。具体的には、実施例は、どのように質量スペクトルデータを使用して干渉からイオン電流への寄与を除去することができるのかを示す。補助検出器のみを使用した場合、または低分解能質量スペクトルデータのみが利用可能であった場合、観察されたイオン電流測定値は、目的とするイオン種だけでなく、目的とするイオン種と同一または類似の質量の干渉イオン種も表す。本明細書に記載の1つ以上の技法を使用して、補助イオン検出器から得られた測定されたイオン電流は、質量分析器から得られた高分解能質量スペクトルデータから決定された目的の元素に起因する電流の分担に従って調整される。
記載する実施例は、ステンレス鋼試料におけるカルシウム及び他の主要な元素の決定をシミュレーションする。試料イオンは、例えば図3に示すように、ICP−MS分析計によって発生及び分析され得る。
図7を参照して、模擬実施例の混合物における元素及び干渉成分の規定相対量の表を示す。示す量は本発明の例解のためのみであるため、それらは、元素に対する典型的なピーク強度を表すわけではない。システムはまず、(500k、かかる分解能は十分にOrbitrap(商標)などのオービタルトラップ質量分析器に対して可能な範囲内である)にて研究する。総括スペクトルを図8に示す。スペクトルは、進入したときの混合物(図7を参照のこと)及び量1のArを示す。
ピークをひとつひとつ拡大すると、m/z40領域を拡大する図9では、ピークが1つではなく2つあること、及び比Ar:Ca=1:1であることが見出され得る。しかしながら、質量40でのCaの定量は、500kの分解能でさえも困難であり得る。実測定では、ArピークはCaよりも数桁高くてもよく、このことは、可能性のあるダイナミックレンジ問題に加えて、Caが、Arピークの尾においてほんのわずかな特徴として現れ得ることを意味する。m/z42及び44でのピーク(図8に示す)は不撹乱Caピークであり、40Caと比較したこれらの低い相対的存在量(2%)にもかかわらず、ここがCaを観察及び/または定量すべきところである。
本明細書に開示の技法のうちの1つ以上を使用して干渉から分解され得る他の元素ピークを、図8、及び10〜13を参照して示す。m/z50では、クロム(50Cr)は、36Ar14Nからの可能性のある干渉を有する。m/z52では、クロムは、34Ar18Oからの非常に少ない干渉を有し、これは、この事例では小さく見えるが、この同位体に対して痕跡レベルでCrを決定しよう試みる場合には重大となり得る。m/z53では、クロムは、ArN及びArOの更に小さい干渉をもって現れる。m/z54では、Cr、Fe、及び40Ar14Nの小さいピークがある(図10を参照のこと)。m/z55は、40Ar15Nである。m/z56は、ArO及びCaOの干渉を持つFe(主要同位体)である。明確に見ることができる通り、互いから2つの干渉を分解することが、500kの分解能全てを必要とする一方で、Feからの両干渉の分離は、はるかに低い分解能で可能となるであろう(図11を参照のこと)。m/z57は、40Ar17O(及び40Ca17O、図12を参照のこと)の干渉を持つFeであり、m/z58は、NiとCaO及びArOの干渉とを持つFe(干渉)である(図13を参照のこと)。
スペクトルは、本明細書に記載の技法のうちの1つ以上の利益なしでは、鋼中の鉄のような一般的で「単純な」元素でさえも、干渉なしで測定することは困難であることを示す。
ここまで特定の実施形態を説明してきたが、当業者であれば、変形及び改変が可能であることを理解するであろう。例えば、アバランシェダイオード、マイクロチャネル及びマイクロスフェアプレート、チャネルトロン、並びに類似の型の検出器などの型の検出器を、SEM以外に補助イオン検出器として使用し得る。実践において既知のように、Cトラップ41以外の型の外部貯蔵装置を使用し得る。
当該技術分野で既知のように、補助イオン検出器(SEMなど)を自動利得制御(AGC)のために追加で使用し得ることに留意されたい。イオン電流に応じて、質量分析器の充填時間を、オービタルトラップ質量分析器の上流での後続の蓄積、またはoaTOF実施形態ではレンズ光学44での透過のために調整してもよい。例えば国際特許公開第2012/160001号(本発明と共同所有権を有する)で説明されているように、同一の検出サイクルにおけるAGCとTICの分析測定との組み合わせは特に有利であり得る。
上記の特定の実装の一部には特定の質量分析器を使用したが、一部の事例では、別の型の質量分析器を代用し得ることが認識され得る。同様に、実施形態における構成の一部は、別の実施形態における構成の別の部分と組み合わせ得ることが理解されるであろう。例えば、図3のICP源及びインターフェース構成は、図4の行き止まり衝突セルまたは図5のoaTOF質量分析器と共に用いてもよい。
トラップ分析器の事例においては特に、2つの検出器(補助イオン検出器及び質量分析器の検出器)の交互的操作は、高分解能質量分析器の多重充填と組み合わせることができる。異なる質量域間で四重極質量フィルタを切り替えることにより、補助イオン検出器は、十分なイオン統計が得られるまで、各質量域についてのTIC情報を取得することができる。典型的には、これは、最大1000または10000個程度のイオン数であり得る。次に、イオンは、十分な充填時間の間、上記の実施形態におけるCトラップ41及び/または行き止まり衝突セル31などの下流のイオン貯蔵装置に方向付けられ得、これらは既に貯蔵されたイオンと共に蓄積され得る。続いて、次の質量域が選択され、貯蔵されたイオンの検出に対して質量分析器の準備ができるまで、このプロセスが繰り返される。次に、合計した(つまり多重化した)イオン集団が質量分析器中に注入され、次のサイクルが開始される。質量分析器によって生成されたスペクトルにおける各質量域は、次に、補助イオン検出器からの対応するTIC読み取り値に関連付けられ、これは、定量、干渉の除去、またはその両方のために使用され得る。
かかる操作のモードに対する更なる可能性のある用途は、ペプチド及びタンパク質の標的化した定量においてである。この事例では、補助イオン検出器は、高時間分解能で前駆イオンのTICを測定することができ、一方で質量分析器は、不純物または干渉の分担を決定することができる(完全MSスキャンにおいて)。これは、次に、複数の予測されたフラグメントの検出により、目的とする前駆体の存在を確定し得る(衝突セルにおけるフラグメント化を使用するMS/MSスキャンモードにおいて)。かかる手法により、フラグメントの信号対騒音比が5未満であり、クロマトグラフピーク幅が1秒を下回る場合であっても、数パーセントの係数変動が可能となる。
任意の数の更なる質量分析またはイオン発生、及びプロセス段階を、図1に示す模式図の任意の項目に付加することができる。これは、当該技術分野で既知のように、可能性のあるイオン経路の逆転またはループ化も含む。

Claims (80)

  1. 質量分析計であって、
    初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するように配置されたイオン源と、
    前記イオン源の下流に位置し、前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する複数の第1のイオン試料を受け取り、かつ前記複数の第1のイオン試料の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定するように配置される、補助イオン検出器と、
    前記イオン源の下流に位置し、前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ前記第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するように配置される、質量分析器と、
    前記質量分析器によって生成された前記質量スペクトルデータと、前記補助イオン検出器によって決定された前記イオン電流測定値との組み合わせに基づいて前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立するように構成される、出力段と、
    を備える、前記質量分析計。
  2. 前記補助イオン検出器が、ある期間にわたって前記複数のイオン電流測定値を提供するように構成され、前記質量分析器が、前記ある期間にわたって単一セットの質量スペクトルデータを生成するように配置される、請求項1に記載の前記質量分析計。
  3. 前記補助イオン検出器が、前記質量分析器の質量分析の平均頻度より高い、イオン電流測定の前記平均頻度を有するように構成される、請求項1または請求項2に記載の前記質量分析計。
  4. 前記補助イオン検出器が、前記複数のイオン電流測定を、それらの間に時間間隔をおいて決定するように構成され、前記質量分析器が、前記複数のイオン電流測定間の前記時間間隔より長い継続時間にわたって、前記第2のイオン試料の質量分析を実行するように構成される、請求項3に記載の前記質量分析計。
  5. 前記補助イオン検出器の上流に配置され、前記イオン源によって生成されたイオンを受け取り、かつ減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させるように構成され、前記減少した範囲が、前記初期範囲よりも狭い、質量フィルタを更に備え、
    前記第1及び第2のイオン試料が、前記質量フィルタによって透過させられた前記イオンに由来する、請求項1〜4のいずれかに記載の前記質量分析計。
  6. 前記イオン源の下流に位置する衝突セルを更に備える、請求項1〜5のいずれかに記載の前記質量分析計。
  7. 前記衝突セルが、前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部からフラグメントイオンを生成するように配置される、請求項6に記載の前記質量分析計。
  8. 前記イオン源の下流に位置し、受け取ったイオンの経路を、前記受け取ったイオンが第1のモードにおいて前記補助イオン検出器に向けて方向付けられるように、選択的に制御するように構成された、イオン光学系を更に備える、請求項1〜7のいずれかに記載の前記質量分析計。
  9. 前記イオン光学系が、前記受け取ったイオンが第1の方向で前記イオン光学系に進入し、かつ前記第1のモードにおいて、第2の方向で前記補助イオン検出器へと方向付けられるように構成され、前記第2の方向が前記第1の方向と異なる、請求項8に記載の前記質量分析計。
  10. 前記第2の方向が前記第1の方向と直交する、請求項9に記載の前記質量分析計。
  11. 前記補助イオン検出器が、変換ダイノード及び二次電子増倍管を備え、前記変換ダイノードが、前記第2の方向に沿って前記イオン光学系の第1の側部上に位置し、前記二次電子倍増管が、前記第1の側部と反対側の前記イオン光学系の第2の側部上に位置して、前記変換ダイノードから二次電子を受け取るように構成される、請求項10に記載の前記質量分析計。
  12. 前記イオン光学系が四重極イオンガイドを備える、請求項8〜11のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  13. 前記四重極イオンガイドが4本の棒電極を備え、前記4本の棒電極の各々の外径が、前記4本の棒電極間の間隙のいずれよりも小さい、請求項12に記載の前記質量分析計。
  14. 前記イオン光学系の下流に位置する衝突セルを更に備え、
    前記イオン光学系が、前記受け取ったイオンの前記経路を、前記受け取ったイオンが第2のモードにおいて前記衝突セルに向けて方向付けられるように、選択的に制御するように更に構成される、請求項8〜13のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  15. 前記イオン光学系が、前記受け取ったイオンの経路を、前記受け取ったイオンが第2のモードにおいて前記質量分析器に向けて方向付けられるように、選択的に制御するように更に構成される、請求項8〜13のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  16. 前記イオン光学系が、前記受け取ったイオンが第1の方向で前記イオン光学系に進入し、かつ前記第2のモードにおいて、前記第1の方向に方向付けられるように構成される、請求項14または請求項15に記載の前記質量分析計。
  17. 前記イオン光学系にて受け取った前記イオンが、前記イオン源によって生成された前記イオンである、請求項8〜16のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  18. 前記イオン源の下流及び前記イオン光学系の上流に位置し、前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部からフラグメントイオンを生成するように配置される、衝突セルを更に備え、
    前記イオン光学系にて受け取った前記イオンが、前記衝突セルにおいて生成された前記フラグメントイオンである、請求項8〜16のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  19. 前記補助イオン検出器が、前記質量分析器の下流に位置する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  20. 前記質量分析器が、受け取ったイオンの質量分析のために構成される第1のモードにおいて、または受け取ったイオンを前記補助イオン検出器へと方向付けるように構成される第2のモードにおいて、選択的に動作するように構成される、請求項19に記載の前記質量分析計。
  21. 前記質量分析器が飛行時間型である、請求項19または請求項20に記載の前記質量分析計。
  22. 前記質量分析器の上流に位置し、前記質量分析器による分析のためにイオンを受け取り、前記受け取ったイオンを貯蔵し、かつ前記貯蔵したイオンの少なくとも一部を前記質量分析器へと放出するように構成される、イオン貯蔵装置を更に含む、請求項1〜21のいずれかに記載の前記質量分析計。
  23. 前記イオン貯蔵装置が、入力方向でイオンを受け取るように、かつ前記入力方向とは異なる出力方向でイオンを放出するように配置される、請求項22に記載の前記質量分析計。
  24. 前記出力方向が前記入力方向と直交する、請求項21に記載の前記質量分析計。
  25. 前記イオン貯蔵装置が湾曲トラップである、請求項24に記載の前記質量分析計。
  26. 前記質量分析器が高分解能質量分析器である、請求項1〜25のいずれかに記載の前記質量分析計。
  27. 前記質量分析器が、飛行時間型、オービタルトラップ型、静電トラップ、及びFourier Transform Ion Cyclotron Resonance(FT−ICR)型のうちの1つを含む、請求項1〜26のいずれかに記載の前記質量分析計。
  28. 前記出力段が、前記補助イオン検出器によって決定された前記イオン電流測定値に基づいて前記質量分析器によって生成された前記質量スペクトルデータを調整することによって、前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部と関連付けられる前記存在量測定値を提供するように構成される、請求項1〜27のいずれかに記載の前記質量分析計。
  29. 前記第1及び第2のイオン試料が、イオンの同一セットの試料であり、前記補助イオン検出器が、前記イオンのセットに対する複数の総イオン電流測定値を決定するように構成され、それにより、前記出力段が、前記複数の総イオン電流測定値の各々に対して、前記イオンのセットに対する複数の存在量測定値を確立するように構成され、各存在量測定値が前記質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる、請求項1〜28のいずれかに記載の前記質量分析計。
  30. 各存在量測定値が、前記総イオン電流測定値のうちの少なくとも1つに基づいて前記質量スペクトルデータの前記対応する部分を調整することによって確立される、請求項29に記載の前記質量分析計。
  31. 前記質量分析器が、ある測定期間にわたって質量スペクトルデータの複数のセットを生成するように配置され、前記補助イオン検出器が、生成される質量スペクトルデータの各セットに対して複数のイオン電流測定値を決定するように構成され、それにより前記出力段が複数の存在量測定値を確立し、各存在量測定値が質量スペクトルデータの対応するセットに関連する、請求項1〜30のいずれかに記載の前記質量分析計。
  32. 前記複数のイオン電流測定値及び前記質量スペクトルデータが、同一期間にわたって生成されたイオンに関連し、前記出力段が、前記複数のイオン電流測定値を使用して、前記期間にわたる前記質量スペクトルデータをデコンボリューションするように構成される、請求項1〜31のいずれかに記載の前記質量分析計。
  33. 前記複数の第1のイオン試料のうちの少なくとも1つが、前記第2のイオン試料と同一の範囲の質量対電荷比を有する、請求項1〜32のいずれかに記載の前記質量分析計。
  34. 前記イオン源が、経時的に複数の試料を受け取り、かつ受け取った各試料に対して、対応するイオンを生成するように構成され、前記出力段が、前記複数の試料の各々に対して、少なくとも1つの存在量測定値を確立するように構成される、請求項1〜33のいずれか一項に記載の前記質量分析計。
  35. 前記出力段が、前記複数の試料の各々に複数の存在量測定値を提供するように構成され、各存在量測定値が、前記対応する試料に対する前記質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる、請求項32に記載の前記質量分析計。
  36. 前記複数の試料が、クロマトグラフ機器を使用して生成される、請求項34または請求項35に記載の前記質量分析計。
  37. 前記出力段が、前記複数のイオン電流測定値を使用して、質量クロマトグラフピークをデコンボリューションするように構成される、請求項36に記載の前記質量分析計。
  38. 前記質量分析器が、前記第1のイオン試料に対して決定された前記イオン電流に基づいて、前記第2のイオン試料における前記イオンの存在量を調整するように更に構成される、請求項1〜37のいずれかに記載の前記質量分析計。
  39. 質量フィルタと、
    イオン貯蔵装置と、
    制御器であって、第1の範囲の質量対電荷比のイオンを選択するように前記質量フィルタを制御し、前記第1の範囲の質量対電荷比の前記イオンに対するイオン電流を決定するように前記補助イオン検出器を制御し、前記イオン貯蔵装置中に前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンを蓄積するように前記イオン貯蔵装置を制御し、かつ閾値量の前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンが前記イオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、選択、決定、及び蓄積を繰り返すように構成され、前記イオン貯蔵装置中に貯蔵された前記イオンを質量分析するように前記質量分析器を制御するように更に構成される、制御器と、を備える、請求項1〜38のいずれかに記載の前記質量分析計。
  40. 前記制御器が、第2の範囲の質量対電荷比のイオンを選択するように前記質量フィルタを制御し、前記第2の範囲の質量対電荷比の前記イオンに対するイオン電流を決定するように前記補助イオン検出器を制御し、前記イオン貯蔵装置中に前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンを蓄積するように前記イオン貯蔵装置を制御し、かつ閾値量の前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンが前記イオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、選択、決定、及び蓄積を繰り返すように更に構成され、前記制御器が、前記イオン貯蔵装置が前記閾値量の前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンと前記閾値量の前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンとを貯蔵するときに、前記イオン貯蔵装置中に貯蔵された前記イオンを質量分析するように前記質量分析器を制御するように構成される、請求項39に記載の前記質量分析計。
  41. 前記イオン源の下流にある衝突セルと、
    制御器であって、前記イオン源によって生成された前記イオンの第1の部分に対するイオン電流を決定するように前記補助イオン検出器を制御し、前記イオン源によって生成された前記イオンの前記第1の部分を質量分析するように前記質量分析器を制御し、かつ前記イオン源によって生成された前記イオンの第2の部分をフラグメント化するように前記衝突セルを制御し、それによりフラグメントイオンを生成し、かつ前記フラグメントイオンを質量分析するように前記質量分析器を制御するように構成される、制御器と、
    を更に備える、請求項1〜40のいずれかに記載の前記質量分析計。
  42. 前記補助イオン検出器が、前記質量分析器よりも高い絶対感度を有する、請求項1〜41のいずれかに記載の前記質量分析計。
  43. 前記イオン源が元素イオンを生成する、請求項1〜42のいずれかに記載の前記質量分析計。
  44. 前記イオン源が誘導結合プラズマトーチを備える、請求項43に記載の前記質量分析計。
  45. 前記イオン電流測定値が、前記質量スペクトルデータを使用して分解される、請求項1〜44のいずれかに記載の前記質量分析計。
  46. 前記イオン電流測定値が、干渉からの寄与を除去するために前記質量スペクトルデータを使用して分解される、請求項45に記載の前記質量分析計。
  47. 前記イオン電流測定値が、前記質量スペクトルデータから決定された目的とする元素に起因する前記電流の分担に従って調整される、請求項45または46に記載の前記質量分析計。
  48. 前記分析計が誘導結合プラズマ質量分析計である、請求項45〜47のいずれ一項に記載の前記質量分析計。
  49. 前記質量スペクトルデータを使用して、前記イオン電流測定値から分子干渉を除去するように、前記補助検出器の上流にある反応セルへの反応ガスの添加を制御する、請求項1〜48のいずれかに記載の前記質量分析計。
  50. 質量分析計であって、
    初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成するように配置されたイオン源と、
    前記イオン源の下流に位置し、前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する複数の第1のイオン試料を受け取り、かつ前記複数の第1のイオン試料の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定するように配置される、補助イオン検出器と、
    前記イオン源の下流に位置し、前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する第2のイオン試料を受け取り、かつ前記第2のイオン試料の質量分析によって質量スペクトルデータを生成するように配置され、前記質量スペクトルデータを使用して、前記イオン電流測定値から分子干渉を除去するように、前記補助検出器の上流にある反応セルへの反応ガスの添加を制御する、前記質量分析器と、
    前記補助イオン検出器によって決定された前記イオン電流測定値に基づいて前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立するように構成される、出力段と、
    を備える、前記質量分析計。
  51. 前記補助イオン検出器の上流に配置され、前記イオン源によって生成されたイオンを受け取り、かつ減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させるように構成され、前記減少した範囲が、前記初期範囲よりも狭く、前記第1及び第2のイオン試料が、前記質量フィルタによって透過させられた前記イオンに由来する、前記質量フィルタを更に備える、請求項50に記載の前記質量分析計。
  52. 質量分析の方法であって、
    イオン源にて初期範囲の質量対電荷比を有するイオンを生成することと、
    前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する、複数の第1のイオン試料の各々に対して、前記イオン源の下流に位置する補助イオン検出器にて対応するイオン電流測定値を決定することと、
    前記イオン源の下流に位置する質量分析器にて、前記イオン源によって生成された前記イオンに由来する、第2のイオン試料に質量分析を実行し、それにより質量スペクトルデータを生成することと、
    前記質量分析器によって生成された前記質量スペクトルデータと、前記補助イオン検出器によって決定された前記イオン電流測定値との組み合わせに基づいて前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部と関連付けられる存在量測定値を確立することと、
    を含む、前記方法。
  53. 複数のイオン電流を決定するステップが、ある期間にわたって実行され、前記質量分析を実行するステップが、前記ある期間にわたって単一セットの質量スペクトルデータを生成することを含む、請求項52に記載の前記方法。
  54. 前記イオン電流測定の平均頻度が、前記質量分析の平均頻度よりも高い、請求項52または53に記載の前記方法。
  55. 前記複数のイオン電流測定が、それらの間に時間間隔をおいて決定され、前記質量分析を実行する前記ステップが、前記複数のイオン電流測定間の前記時間間隔より長い継続時間にわたって行われる、請求項54に記載の前記方法。
  56. 質量フィルタにて、前記イオン源によって生成されたイオンをフィルタリングし、それにより、減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させる、フィルタリングすることを更に含み、前記減少した範囲が、前記初期範囲よりも狭く、
    前記第1及び第2のイオン試料が、前記質量フィルタによって透過させられた前記イオンに由来する、請求項52〜55のいずれか一項に記載の前記方法。
  57. 前記イオン源によって生成された前記イオンの少なくとも一部をフラグメント化することを更に含む、請求項52〜56のいずれか一項に記載の前記方法。
  58. 前記複数のイオン電流測定値を決定するステップが、前記イオン源によって生成された前記イオンの複数の第1の部分の各々に対して、対応するイオン電流測定値を決定することを含み、
    前記質量分析を実行するステップが、前記イオン源によって生成された前記イオンの第1の部分を質量分析することを含み、
    前記フラグメント化するステップが、フラグメントイオンを生成するように、前記イオン源によって生成された前記イオンの第2の部分をフラグメント化することを含み、かつ
    前記方法が、前記フラグメントイオンに質量分析を実行することを更に含む、請求項57に記載の前記方法。
  59. 前記イオン源の下流にある前記イオンの経路を、前記イオンが第1のモードにおいて前記補助イオン検出器に向けて方向付けられるように、選択的に制御することを更に含む、請求項52〜58のいずれか一項に記載の前記方法。
  60. 前記イオンを前記補助イオン検出器に向けて方向付けるステップが、前記イオンの前記方向を変化させることを含む、請求項59に記載の前記方法。
  61. 前記イオンの前記方向を変化させることが、直交の方向変化を引き起こすことを含む、請求項60に記載の前記方法。
  62. 前記イオン源の下流にある前記イオンの経路を、前記イオンが第2のモードにおいて衝突セルまたは質量分析器に向けて方向付けられるように、選択的に制御することを更に含む、請求項59〜61のいずれか一項に記載の前記方法。
  63. 前記第2のモードにおいて前記イオンを衝突セルまたは質量分析器に向けて方向付けるステップが、前記イオンの前記経路を、それらの方向を変化させずに制御することを含む、請求項62に記載の前記方法。
  64. 前記質量分析器の上流に位置するイオン貯蔵装置中に、前記質量分析器による分析のためのイオンを貯蔵することと、
    前記貯蔵されたイオンの少なくとも一部を前記質量分析器へと放出することと、を更に含む、請求項52〜63のいずれか一項に記載の前記方法。
  65. 前記イオンをフィルタリングするステップが、前記質量フィルタにて、第1の範囲の質量対電荷比のイオンを選択することを含み、
    前記イオン電流を決定するステップが、前記第1の範囲の質量対電荷比の前記イオンに対するイオン電流を決定することを含み、
    前記イオンを貯蔵するステップが、前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンを前記イオン貯蔵装置中に蓄積することを含み、
    前記方法が、閾値量の前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンが前記イオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、前記選択、決定、及び蓄積ステップを繰り返すことを更に含み、
    前記質量分析を実行するステップが、前記イオン貯蔵装置中に貯蔵された前記イオンを質量分析することを含む、請求項64に記載の前記方法。
  66. 前記質量フィルタにて、第2の範囲の質量対電荷比のイオンを選択することと、
    前記補助イオン検出器にて、前記第2の範囲の質量対電荷比の前記イオンに対するイオン電流を決定することと、
    前記イオン貯蔵装置中に前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンを蓄積することと、
    閾値量の前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンが前記イオン貯蔵装置中に貯蔵されるまで、前記第2の範囲の質量対電荷比の前記イオンについて、前記選択、決定、及び蓄積ステップを繰り返すことと、を更に含み、
    前記質量分析を実行するステップが、前記イオン貯蔵装置が前記閾値量の前記第1の範囲の質量対電荷比のイオンと前記閾値量の前記第2の範囲の質量対電荷比のイオンとを貯蔵するときに、前記イオン貯蔵装置中に貯蔵された前記イオンを質量分析することを含む、請求項65に記載の前記方法。
  67. 前記存在量測定値を確立する前記ステップが、前記補助イオン検出器によって決定された前記イオン電流に基づいて、前記質量分析器によって生成された前記質量スペクトルデータを調整することを含む、請求項52〜66のいずれか一項に記載の前記方法。
  68. 前記第1及び第2のイオン試料が両方とも、イオンの同一セットの試料であり、前記複数のイオン電流測定値を決定するステップが、前記イオンのセットに対する総イオン電流を決定することを含み、それにより、前記存在量測定値を確立する前記ステップが、前記複数の総イオン電流測定値の各々に対して、前記イオンのセットに対する複数の存在量測定値を確立することを含み、各存在量測定値が前記質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる、請求項52〜67のいずれか一項に記載の前記方法。
  69. 各存在量測定値が、前記総イオン電流測定値のうちの少なくとも1つに基づいて前記質量スペクトルデータの前記対応する部分を調整することによって確立される、請求項68に記載の前記方法。
  70. 前記質量分析を実行するステップが、ある測定期間にわたって質量スペクトルデータの複数のセットを生成することを含み、前記複数のイオン電流測定値を決定するステップが、生成される質量スペクトルデータの各セットに対する複数のイオン電流測定値を決定することを含み、前記存在量測定値を確立するステップが、複数の存在量測定値を確立することを含み、各存在量測定値が質量スペクトルデータの対応するセットに関連する、請求項52〜69のいずれか一項に記載の前記方法。
  71. 前記複数のイオン電流測定値及び前記質量スペクトルデータが、同一期間にわたって生成されたイオンに関連し、前記存在量測定値を確立するステップが、前記複数のイオン電流測定値を使用して、前記期間にわたる前記質量スペクトルデータをデコンボリューションすることを含む、請求項52〜70のいずれか一項に記載の前記方法。
  72. 前記イオン源にてイオンを生成する前記ステップが、
    経時的に複数の試料を受け取ることと、
    受け取った各試料に対して、対応するイオンを生成することと、を含み、
    前記存在量測定値を確立するステップが、前記複数の試料の各々に対して少なくとも1つの存在量測定値を確立することを含む、請求項52〜70のいずれか一項に記載の前記方法。
  73. 前記少なくとも1つの存在量測定値を確立するステップが、前記複数の試料の各々に対して複数の存在量測定値を確立することを含み、各存在量測定値が、前記対応する試料に対する前記質量スペクトルデータの一部分と関連付けられる、請求項72に記載の前記方法。
  74. クロマトグラフィーを使用して前記複数の試料を生成することを更に含む、請求項72または請求項73に記載の前記方法。
  75. 前記第1のイオン試料に対して決定された前記イオン電流に基づいて、前記第2のイオン試料における前記イオンの存在量を調整することを更に含む、請求項52〜74のいずれか一項に記載の前記方法。
  76. 前記イオン源が元素イオンを生成する、請求項52〜75のいずれか一項に記載の前記方法。
  77. 前記質量スペクトルデータを使用して、前記イオン電流測定値を分解することを更に含む、請求項76に記載の前記方法。
  78. 前記イオン電流測定値が、干渉からの寄与を除去するために前記質量スペクトルデータを使用して分解される、請求項77に記載の前記方法。
  79. 前記イオン電流測定値が、前記質量スペクトルデータから決定された目的とする元素に起因する前記電流の分担に従って調整される、請求項78に記載の前記方法。
  80. 質量フィルタにて、前記イオン源によって生成されたイオンをフィルタリングし、それにより、減少した範囲の質量対電荷比を有するイオンを透過させることを更に含み、前記減少した範囲が、前記初期範囲よりも狭く、前記第1及び第2のイオン試料が、前記質量フィルタによって透過させられた前記イオンに由来する、請求項77〜79のいずれか一項に記載の前記方法。
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