添付図面に示して一般的に述べる本発明のコンポーネントは、広範な様々な異なる構成で配列され設計される。従って、添付図面に示された適応ミューティングを伴う協調スケジューリングに関するシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の実施形態の以下の詳細な説明は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の選択された実施形態を単に表すものである。
本明細書全体を通じて述べる本発明の特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において適当な仕方で合成される。例えば、本明細書全体にわたり句「ある実施形態」「幾つかの実施形態」又は他の同様の表現を使用することは、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを指す。従って、本明細書全体にわたり句「ある実施形態では」「幾つかの実施形態では」「他の実施形態では」又は他の同様の表現が現れたとき、必ずしもその全てが実施形態の同じグループを指すものではなく、そしてここに述べる特徴、構造又は特性は、1つ以上の実施形態において適当に合成されてもよい。更に、必要に応じて、以下に述べる異なる機能は、互いに異なる順序で及び/又は同時に遂行されてもよい。更に、必要に応じて、ここに述べる機能の1つ以上は、オプションであってもよいし又は合成されてもよい。従って、以下の説明は、本発明の原理、教示及び実施形態を単に表すものとみなすべきで、それに限定されるものではない。
本発明の実施形態は、1つ以上のセルにおいて送信を「ミュート」する技術を使用して1組のセルの中で送信リソースの協調スケジューリングを行って、隣接セルが、ミュートされたリソースの中で顕著なスペクトル効率利得を取得できるUEをスケジュールできるようにすることに関する。「セル」という語は、ユーザ装置が特定の送信器、又は送信器それ自体、或いは長期進化(LTE)技術又は他のネットワーク要素において通常ベースステーションと称されるのでそのセル又は送信器のためのベースステーション、或いはeNodeB(eNB)によりサービスされるワイヤレスサービスエリア表わすために交換可能に使用されることに注意されたい。この点に関して制約はない。
1セットのセル間の干渉及びスケジュール協調について、1つの技術は、1つ以上のセルが、ある組のリソースにおいて送信を「ミュート」して、そのミュートされたリソース内の隣接セルへの干渉を減少させ、且つ隣接セルが、そのミュートされたリソースの中で顕著なスペクトル効率利得を取得できるUEをスケジュールできるようにすることである。セルのセットは、マクロセルのセットであるか、又は異種ネットワークにおいてマクロセルとピコセルを組み合わせたものである。
ミューティングとは、ある送信をターンオフするか又は電力を減少する(低電力化)かのいずれかである。例えば、LTEでは、物理的ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)における送信はターンオフされるが、共通の基準信号又はシステム情報ブロードキャスト(SIB)メッセージのような他の送信は、依然、送信される。更に、ミューティングは、周波数ドメイン(例えば、物理的リソースブロック(PRB)又はリソースブロックグループ(RBG)のサブセット)であってもよいし、又は時間ドメインと周波数ドメインの組み合わせ(例えば、種々のサブフレームにおけるPRB)であってもよい。従って、セルは、セルがミュートされない場合に時間及び周波数リソースより成る「オン期間」を有し、そして残りのリソースは、セルの「オフ期間」である。
ミューティングは、トレードオフであることに注意されたい。隣接セルは、干渉の減少からある程度の容量を取得するが、ミューティングセルは、ある程度の容量をあきらめねばならない。従って、正しい量のミューティングを得るようにミューティングを適応させることが重要である。ミューティングが少な過ぎると、不充分な利益しか与えられず、一方、ミューティングが多過ぎると、不必要な容量ロスを生じさせる。
又、協調スケジューリングは、チャンネルの周波数選択性も利用しなければならない。ミューティングが既定の周波数ドメインパターンで適用される場合には、ミューティングから利益が得られるUEは、周波数選択性フェージングのためにミューティングが適用されるサブ帯域において不充分なチャンネルとなる。従って、セルごとに正しいミューティング「量」を決定するのに加えて、正しいセルが正しいサブ帯域でミュートして、正しいUEを(周波数選択性フェージングに基づき)それらのサブ帯域においてスケジューリングできねばならない。従って、最大効率のために、ミューティング方法にミューティング及び協調スケジューリングスキームをもたせることは、協調スケジューリングがミューティング及び周波数選択性利得の両方を利用する上で助けとなる。
更に、ミューティングの利益を最大にするために、セルがミュートするリソースにおいて、利益が得られる隣接セルは、それ自体、ミュートされないことが望ましい。ミューティングの判断が非常に動的で且つ周波数選択的である場合には、eNB間の協調スケジューリング/ミューティングがミューティング利益のロスを防止することが重要である。又、全ての潜在的な利益がミューティングの利益を決定する上での主要因であり、そしてミューティングするセルは、それに隣接する他のセルに比してミューティングにより良好な正味利益を得ることも望まれる。
以上のアクションに加えて、協調スケジューリング及び干渉に対して有意義に行われるべき別のアクションは、ビームフォーミングを使用することを含む。1つ以上のセルは、適切なビームフォーミング重みを使用して、選択されたリソースセットにおいてそれらの送信を適切にビームフォーミングし、隣接セル内のあるユーザに対して干渉の減少を与えることができる。これは、「協調ビームフォーミング」としても知られている。ミューティングとは対照的に、協調ビームフォーミングは、ビームフォーミングセルがある情報を送信することを許し、一方、ミューティングは、それらのセルがある情報又はいずれかの情報を送信することを防止する。ミューティングと同様に、協調ビームフォーミングは、トレードオフ、即ち干渉を減少するビームフォーミング重みを選択すると、ビームフォーミングセルのスペクトル効率が著しく減少するのを招くこと、も伴う。従って、協調スケジューリング及びミューティングについて上述した同様の事柄が協調ビームフォーミングにも適用される。同様に、実行できる別のアクションは、例えば、ランクの低い送信を実施するように、ある送信モードを制限することである。これは、干渉除去合成(IRC)受信器のようなあるタイプの受信器を使用する他のセルにおいてUEの性能を高める効果を有する。以下の説明では、説明を簡単にするためにミューティングに集中する。しかし、以下の説明は、干渉を協調させるためにセルが取り得る他のいずれの形態のアクションにも等しく適用できることに注意されたい。
以上に鑑み、ある実施形態は、各セルによって使用されるミューティングを適応させる方法を提供する。更に、ある実施形態は、各サブ帯域(又はRBG)において正しいセルがミュートして、ミューティング及び周波数選択性スケジューリング(FSS)利得の両方を利用すると共に、(a)セルがミュートするが潜在的に利益を受ける隣接セルも同じリソースに対してミュートする状態を回避し、及び(b)最も強い正味利益を「局部的」に有するセルがミュートするのを保証することにより、ミューティング利得が最大となるように、ミューティングを適応させる方法を提供する。本発明の実施形態による方法は、あまり複雑でなく、且つ分散化/並列実施を容易にする。
ある実施形態は、各セルにより使用されるミューティングを適応させる方法に向けられる。この方法は、セルのオン期間又はその送信電力を増加(又は減少)することにより得られる利益(又はペナルティ)を表すメトリック(例えば、チャンネル品質及び負荷の組み合わせに基づく)を計算し、そして所与のセルのオン期間の増加(又は減少)、或いは送信(TX)電力の増加(減少)により影響を受ける他の各セルに対するメトリックを計算して、所与のセルがそのオン期間を増加(又は減少)し、或いはそのTX電力を増加(減少)することによる他のセルへのペナルティ(又は利益)を表すことを含む。オン期間を拡張(又は収縮)するか或いはTX電力を増加(減少)するリソース(例えば、時間/周波数リソース)の好ましいセットが決定される。次いで、所与のセルがそのオン期間を増加(又は減少)するか或いはそのTX電力を増加(減少)することによるシステムへの正味利益(又は正味ペナルティ)が計算される。正味利益が正である(又は正味ペナルティが負である)場合には、セルは、そのオン期間を拡張(又は収縮)するか或いはそのTX電力を増加(減少)する。利益及びペナルティのためのメトリックは、異なるQoS要件、異なる無線状態(特定ユーザ装置の無線状態を含む)、異なる負荷、ミュートされたリソースを再使用するための異なる能力、等に基づくものである。
一実施形態によれば、複数のセルが、それらのオン期間を拡張(又は収縮)するか又はそれらのTX電力を増加(減少)するために正の正味利益(又は負の正味ペナルティ)を与える場合には、その正味利益(又は正味ペナルティ)の大きさに基づいて1つ以上のセルが選択される。
拡張(又は収縮)或いは増加/減少に対して選択される厳密な時間及び周波数リソースは、選択されたセルの拡張/収縮或いはTX電力の増加/減少について前記で決定された好ましいリソースセットである。一実施形態では、ミューティングを変化させる判断は、各送信時間インターバル(TTI)で、即ちおそらく、各TTIにおいて特定リソースに対してスケジュールされる特定ユーザに基づき、N個のTTIごとに1回のようなゆっくりした時間スケールで、或いは混雑又は過負荷、又はQoS又は保証/公称ビットレートを満足できないこと、等に関するある状態に遭遇したときに、行うことができる。一実施形態では、ミューティングを変化させる判断は、周波数リソースごとに(例えば、LTEでは、リソース又はリソースブロックグループごとに)別々に行われる。
ミューティングを適応させる判断がなされると、ある時間長さにわたって持続することができる。例えば、ミューティングの期間は、1つのTTIのみ、N個のTTI、或いは混雑又は過負荷状態が静まるまで、等である。ある実施形態では、ミューティングを適応させる判断は、更に、判断が有効になる特定時間を決定するか又は通信することを含む。これは、例えば、リンクに可変通信遅延があるときに、判断が有効になる時間を使用することにより、判断されたミューティングのスタート時間の協調を達成できるように使用される。
又、ミューティングを変更するためのトリガーは、UEの速度のような他のファクタも使用する(UEの速度の分布、又は例えば、高又は中間又は低速度に対応するUEの数、等)。高速度又は中間速度のUEの場合、チャンネルアウェアスケジューリングで周波数ドメインフェージングを適切に利用することはしばしば困難である。というのは、チェンネルフェージングの変化が速過ぎるからである。そのようなUEでは、干渉がミュートされたリソースを使用することが好都合である。というのは、外部ループリンク適応のような、eNBにより使用されるUEのチャンネルフィードバック及び制御ループが、ミュートされたリソース内で達成可能なスペクトル効率を良好に反映できるからである。
図1は、干渉仮説の一例を示す。協調スケジューリングについては、「干渉仮説」は、干渉を協調させる目的でネットワーク内の1つ以上のセルの潜在的状態を表わす。ある実施形態では、あるセルは、「オン」又は「オフ」状態をとる。ある実施形態では、セルは、「オン」又は「オフ」ではなく異なる電力レベルを使用し、一方、他の実施形態では、セルは、あるビームフォーミング重みを使用する。「干渉仮説」は、1つ以上のセルが取るアクションのために隣接セルにおいてユーザ装置により経験される干渉のレベルの指示を与える。又、「干渉仮説」は、「ミューティング組み合わせ」又は「ミューティングシナリオ」又は「ビームフォーミング組み合わせ」等としても様々に知られている。図1に示されたように、セル1の観点から、隣接セクタ(2、3、2’、3’、2”、3”)の各々は、所与の「リソース」(時間/周波数の組み合わせ、例えば、長期進化(LTE)技術では物理的リソースブロック(PRB)又はリソースブロックグループ(RBG))においてオン又はオフである。時間及び周波数において、セル1は、種々の隣接セルのオン/オフの種々の組み合わせを経験する。干渉仮説は、各セルのオン−オフ状態を表わすN−タプルである(例えば、1=オン、2=オン、3=オフ、2’=オフ、3’=オン、2”=オン、3”=オフ)。従って、所与の干渉仮説は、セルのオン/オフ状態に基づいて、特定の時間−周波数リソースにおいて生じると言える。所与のセルによりサービスされる所与のUEの観点から、干渉仮説は、UEから見た干渉のレベルの指示も与える。
セル間の協調は、異なる実施形態において種々の形態をとる。例えば、協調は、干渉仮説の選択、又はある仮説から別の仮説への切り換えの決定、又は1つ以上のセルの状態の決定、或いは1つ以上のセルの状態の変化の決定を伴う。協調は、リソースの特定セットに関して行われる。ある実施形態では、リソースのセットそれ自体が決定される。ある実施形態では、協調は、選択又は決定を適用すべきリソースの数を決定することを含む。又、干渉仮説の選択、又はある干渉仮説から別の干渉仮説への切り換えは、セル間を協調させる目的で行われる1つ以上のアクションとして解釈されてもよい。例えば、セル1がオフであるという仮説の選択は、セル1をミュートするために行われるアクションとして考えられ、一方、セル1がオンであるという仮説の選択は、セル1をミュートしないために行われるアクションとして考えられる。逆に、所与のセル、例えば、セル1をミュートするために行われるアクションは、他のセルの状態が所与のセルをミュートするために行われるアクションにより決定されてもされなくても、干渉仮説の選択の一部分として考えられる。アクションは、リソースのセットに関連するか、又はリソースの量に関連する。仮説の選択又は仮説の決定或いは1つ以上のセルをミュートする(又はその状態を決定する)アクションという語は、交換可能に使用され、そしてこれに関しての制約はない。更に、アクションが所与のセルにより又は所与のセルにおいて行われるか或いは他のネットワーク要素により又は他のネットワーク要素において行われるかに関しても制約はない。
図1には「第1リング」の隣接セルしか示されていないが、更に別の外側サイト(例えば、第2リングの隣接セル)は、特に小さなサイト間距離での展開において、潜在的に、干渉仮説定義の一部分である。
一般的に、セルの適当なセットは、「協調セルのクラスター」の一部分と考えられる。それらは、所与のセルサイトの全てのセル、又は複数のセルサイトからのセル、或いは充分に強い干渉を引き起こす全てのセル、等を含む。ある実施形態では、クラスターは、セルの所定グループを含む。そのようなセルのクラスターの1つの構成は、協調セルの1つのクラスターが協調セルの別のクラスターと重畳しないプロパティ、即ち「非重畳クラスター」として知られている構成を有する。この構成において、セルの2つの協調クラスターは、共通のセルを有していない。典型的に、干渉仮説の選択に対するスケジューリング又は判断は、協調セルの所与のクラスター内のセルの中で協調させられる。ある実施形態では、当該干渉仮説は、次いで、協調クラスター内のセルの干渉状態に制限される。ある実施形態では、ユーザ装置からのフィードバックレポートが、種々の干渉仮説のもとでユーザ装置が経験するチャンネル品質に関する情報を与えるように適当に構成される。ある実施形態では、非重畳クラスターが使用されるとき、UEは、干渉物がUEのサービスセルと同じ協調クラスターの一部分でない場合にその強い干渉物の干渉状態を反映するためにそれらが経験したチャンネル品質を表すフィードバックを与えるように構成されない。
所与のサービングセルからサービスを受けるUEは、所与の干渉仮説のもとで、ある性能、例えば、干渉物の所与のセットがオン又はオフであるときに達成されるチャンネル品質インジケータ(CQI)又はスペクトル効率を達成することができる。あるUEは、最も強い干渉物のオン/オフ状態のみを感知する。そのようなUEの場合、所与の干渉仮説における他の隣接セルの状態は、所与の干渉仮説においてUEにより達成できる性能に対して問題にならない。
ミューティングの候補切り換えは、リソースを現在仮説(h1)から新規仮説(h2)へ切り換えるものとして解釈される。現在、仮説hiに対してリソースρiが使用され、そしてセルcが仮説hiに対して使用されるリソースρiからユニティ関数値Fc(hi;ρi)を得ると仮定する。従って、セルは、現在、ΣiFc(hi;ρi)の合計ユニティ関数値(全ての仮説にわたって加算された)を得る。
リソースのあるスライスΔρに関する仮説がh1からh2へ切り換えられるとき、仮説h1のもとでの正味リソースがρ1−Δρに変化し、そして仮説h2のもとでの正味リソースがρ2+Δρに変化する。従って、セルのユニティは、Fc(h1;ρ1)+Fc(h2;ρ2)からFc(h1;ρ1−Δρ)+Fc(h2;ρ2+Δρ)に変化し、即ち正味変化は、[Fc(h2;ρ2+Δρ)−Fc(h2;ρ2)]−[Fc(h1;ρ1)−Fc(h1;ρ1−Δρ)]となる。それ故、あるセルは、ユニティにおける正味変化が正であるから変化により利益を得るが、他のセルは、正味変化が負であるから「ペナルティ」が課せられる。セルcのユニティの変化は、Δρ[Uc(h2;ρ2)−Uc(h1;ρ1)]と近似され、ここで、関数Ucは、関数Fの勾配である。全体としてセルの協調クラスターの観点から、変化Δρによりクラスターの全てのセルにわたって生じる全利益(又はペナルティ)を考慮するのが有益である。
一実施形態によれば、ミューティング適応は、全てのセルにわたる正味利益が充分に大きく、即ちΣc[Uc(h2)−Uc(h1)]>0(又はある適当な正の値εに対して>ε)のときに、又は利益を受けるセルのセットにわたる総計変化(‘B’で示す)が、ペナルティを受けるセルのセットにわたる総計ペナルティ(‘P’で示す)より充分大きいときに、ミューティングの候補変化が好ましいものとなると規定する。数学的には、これは、[ΣceB(Uc(h2)−Uc(h1))]−[ΣceP(Uc(h1)−Uc(h2))]>0と表される。或いは又、ミューティングの候補変化は、この正味利益が充分に大きい場合、例えば、適当に選択されたεの正の値に対して、[ΣceB(Uc(h2)−Uc(h1))]−[ΣceP(Uc(h1)−Uc(h2))]>εの場合、即ち総計利益から総計ペナルティを差し引いた正味利益が充分大きい場合に、好ましいものとなる。ある実施形態では、総計利益(又はペナルティ)は、通常の和ではなく、重み付けされた和として計算される。これは、例えば、あるセルが他のセルより重要であると考えられるときに、異なるセルに対して異なる重みを使用できるようにする。例えば、マクロセルは、ピコセルより重要と考えてもよく、又はその逆のことも言える。別の例では、あるセルが祭りのような公共重要性の高いイベントからの交通をサポートすることが知られており、次いで、そのようなセルに対する利益(又はペナルティ)には、総計利益(又はペナルティ)を計算するときに高い重みが与えられる。
以下、関数Uは、「ユニティ」と称されるが、Uは、適当なユニティ関数Fの勾配として解釈される。
図2は、一実施形態によるミューティング適応の規範的シナリオを示す。図2に示すように、複数のセル(2、3・・・)があるPRBを使用することを希望し、そしてセル1にそのPRBをミュートさせることを希望する。或いは又、セル2があるPRBを使用することを希望し、そしてセル1にミュートさせることを希望するが、セル3、・・・nも利益を受けることが分かっている。現在仮説h1は、セル2、3、・・・nがオンであり、そしてセル1がオンである。新規仮説h2は、セル1がオフであり、そしてセル2、3、・・・nがオンである。この規範的シナリオでは、h1のもとでのセル1のユーティリティは、U1(h1)であり、そしてh2のもとでは、0である(それがオフであるため)。従って、h1からh2への切り換えによるセル1の利益は、負であり、即ちセル1は、U1(h1)−U1(h2)=U1(h1)のペナルティを有する。しかしながら、セル2、3、・・・nは、セル1のミューティングによる利益を有し、即ちUc(h2)−Uc(h1)>0を有する。この例によれば、ミューティング適応は、セル2、3、・・・nに対する総計利益がセル1に対するペナルティより充分に大きい場合に、即ち全てのセル1、2、3、・・・nにわたって加算された正味利益が正である場合に、採用することができる。
図3は、一実施形態によるミューティング適応の別の規範的なシナリオを示す。図3の例において、セル1は、現在ミュートされているあるPRBを使用することを希望する。そのPRBを現在使用しているセル2、3、・・・nは、セル1の変化によりインパクトを受ける。更なる変化として、セル1は、セル2、3、・・・nにそのPRBをミュートさせることを希望する。現在仮説h1は、セル1がオフであり、2、3、・・・nがオンである。新規仮説は、h2であり、ここでは、セル1がオンであり、2、3、・・・nがオフである。h1のもとでのセル1のユーティリティは、0であり、そしてh2のもとでは、U1(h2)である。従って、h1からh2への切り換えによるセル1の利益は、U1(h2)>0である。セル2、3、・・・nは、そのリソース仮説h1を使用することにより現在受け取るユーティリティUc(h1)に等しいペナルティを有する。この例では、ミューティング適応は、セル1に対する利益がセル2、3、・・・nに対する総計ペナルティより充分に大きい場合に採用することができる。又、セル2、3、・・・nがミュートするとき、他のセルも、セル2、3、・・・nからの干渉の減少により利益を得ることができる。従って、そのようなセルに対する利益は、セル1に対する干渉減少の利益に加えて考えられる。逆に、セル1は、ミュートから非ミュートへ進むので、干渉の増加が他のセルに対して考えられるペナルティを引き起こす。
図4は、一実施形態によりミューティング適応の別の規範的シナリオを示す。図4の例において、セル1は、現在ミューティングしているあるリソース(例えば、LTEでは、物理的リソースブロック又はPRB)を使用することを希望し、そしてセル2にそのリソース(例えば、PRB)をミュートさせることを希望する。この切り換えは、セル1に対する利益及びセル2に対するペナルティを生じる。更に、他のセルは、この切り換えにより影響を受ける。例えば、PRBをミュートすることにより、セル2の他の隣接セル、例えば、図4のセル4も、原理的に、利益を得ることができる。同様に、セル1がそのPRBを使用することにより、PRBを失うセル2だけではなく、セル1の他の隣接セル、例えば、今や干渉増加を受ける図4のセル3についても、ペナルティが生じる。
図4の例では、ミューティングを決定するための正味利益の計算において、これら他のセル各々の利益/ペナルティも明確に考慮される。或いは又、正味利益は、α[U1(h2)−U1(h1)]−β[U2(h1)−U2(h2)]として近似され、ここで、典型的に、α<1であり(システムの観点から、セル1に対する利益は、それが引き起こす干渉増加のために減少され)、及び典型的に、β<1である(システムの観点から、PRBのセル2のロスによるペナルティも減少され、というのは、セル2のミューティングによる他のeNBへの利益が若干あるからである)。h1は、セル1ミュートに対応し、そしてh2は、セル2ミュートに対応するので、以上のことは、単に、α[U1(h2)]−β[U2(h1)]と表現される。
図5は、一実施形態によりミューティング適応の別の規範的シナリオを示す。図5の例において、セル1は、あるリソース(例えば、PRB)において現在ミュートされるが、他のセルのミュートを要求せずに、それを使用することを希望する。この切り換えは、ミュートされたリソース(例えば、PRB)から現在利益を得ている他のセルに干渉インパクトを引き起こし、そのリソース(例えば、PRB)からの「有用性」が低下する。当該仮説は、セル1オンに対応するh2、及びセル1オフに対応するh1である(他の全てのセルの状態は、同じままである)。セル1に対する利益は、U1(h2)であり、そして他の各セルに対するペナルティ(即ち、負の利益)は、セル1からの干渉増加のためUc(h1)−Uc(h2)となる。セル1により干渉されないセルの場合、有用性の変化は0である。この場合も、セル1に対する利益と他の各セルに対する(負の)利益の合計値より成る正味利益は、h1からh2への切り換えがシステムに正味利益を与えるかどうか決定するのに使用される。
ある実施形態において、特定仮説を選択する利益は、現在動作中のある仮説ではなく、基準仮設に対して計算される。例えば、基準仮説は、全てのセルがオン状態にあるというもので、h0と示される。所与のセルcは、全ての当該セルがオン状態にある場合に有用性Uc(h0)を得る。セルcは、あるミューティング仮説h1のもとで有用性Uc(h1)を得る。従って、セルcは、基準仮説に対するその利益をUc(h1)−Uc(h0)として計算する。同様に、所与のセルは、基準仮説に対するペナルティを計算する。例えば、セルcがある仮説h1においてミュート(オフ)状態にある場合には、仮説h1を採用するためのセルcのペナルティがUc(h0)−Uc(h1)として表される。関数Uの定義に基づき、Uc(h1)は、セルcが仮説h1においてオフ状態である場合には0である。従って、セルcのペナルティは、Uc(h0)に等しい。ここに述べるいずれかの実施形態において、利益(又は場合によってはペナルティ)の指示は、基準仮説に対して計算されて表現されることを理解されたい。
ある実施形態によれば、実行可能なミューティングに複数の切り換えが考えられる。複数のセルは、複数の候補仮説h2に対応して、所与の時間−周波数リソースにおいてミューティング状態を切り換えることができ、及び/又はセルのミューティング状態の切り換えは、複数の考えられる候補リソースにおいて行うことができる(即ち、各候補リソースには異なるh1及びh2がある)。この場合、前記メトリックに基づいて1つ以上の候補セル又はリソースを取り上げることにより判断がなされる。例えば、最上位K(ここでは、仮説h2、リソースR)の組み合わせが、当該セル/仮説及びリソースにわたり、利益からペナルティを差し引く正味利益、又は利益対ペナルティの比を表すメトリックの下降順に選択される。所与のミューティング仮説において、2つ以上のセルがミュート状態にあるかもしれないことに注意されたい。即ち、複数のミュートの組み合わせがあり、従って、ある仮説に対する利益及びペナルティの決定が、どの(考えられる複数の)セルがミュートしているかに基づいて計算される。
図6(a)は、本発明の一実施形態による論理的分布アーキテクチャーを伴うシステムの一例を示す。論理的分布アーキテクチャーの例では、ベースステーション(LTEではeNodeB又はeNBとしても知られている)がセルサイトに配置されるか、又はeNBが共通配置される(例えば、BTSホテルに)。前者の場合には、eNBは、典型的に、インターネットプロトコル(IP)ネットワークにより互いに通信することができる。後者の場合には、eNBが、適当な相互接続ネットワーク又はファブリック、例えば、シリアルラピッドIO(sRIOとしても知られている)又はギガビットイーサネット(登録商標)等により相互接続されることも考えられる。図6(a)の例では、セル1、セル2及びセル3の各々は、ローカルミューティングアダプタ600を備えている。各候補仮説の切り換え及び/又はリソースについて、各セルは、それ自身の利益メトリックを計算することができ、そして各セルは、その利益(又は場合によってはペナルティ)を他のセルへ通信することができる。従って、図6(a)の例では、各セル(又はeNB)は、それ自身の利益メトリックを計算し、そして他のセルによりインターフェイスを経て報告された利益/ペナルティメトリックを得る。セル間でのこの情報交換は、最良ミューティング仮説の分散型決定を容易にする。例えば、セル又はeNBは、他のセル又はeNBからそれが受け取った情報及びそれがローカルに有している情報に基づいてそれ自身のオン/オフ状態(又は他のセルのオン/オフ状態)の決定を行うことができる。
一般的に、利益メトリックは、別のセル/eNBがある物理的リソースブロック(PRB)をミュートする場合に、利益を受けるセル/eNBにより得られる利益を指示する。しかしながら、利益メトリックは、一般的に、例えば、チャンネルがどれほど重要であるかのような利益メトリックの重要度を明確に指示できず、これは、別のeNBによるPRBのミューティングから利益を得るものである。例えば、指示された重要度は、PRBのミューティングから利益を得るチャンネルが、データ、制御情報、又はシステム情報のブロードキャスティングに使用されると意図されているかどうかに基づいて異なる。しかし、利益メトリックは、一般的に、チャンネル及び関連利益メトリックがなぜ特別に重要であるかを明確にシグナリングする術がない。
利益メトリックを使用するのに加えて、本発明の実施形態は、ペナルティメトリックも使用することができる。ペナルティメトリックは、セル/eNBがある物理的リソースブロック(PRB)をミュートする場合、又は別のセル/eNBがあるPRBをアンミュートする場合に、ペナルティを課せられるセル/eNBにより得られるペナルティを指示する。利益メトリックは、以下に詳細に述べるが、同様の原理をペナルティメトリックにも適用することができる。
意図された保護チャンネルの重要度上昇を指示する暗示的方法は、利益を受けるeNBが利益メトリックの値を増加するのを許すことである。例えば、チャンネルが重要なチャンネル(例えば、制御チャンネル)である場合には、eNBは、チャンネルが重要であることを指示するために、対応する利益メトリック値を増加することができる。しかしながら、この解決策に伴う1つの欠点は、利益を受けるセル/eNBが、一般的に、実施特有の仕方を使用してチャンネルの重要度を決定し、従って、異なるeNB売主が異なるアルゴリズムを使用するために、決定される重要度にばらつきがあることである。受信側eNBが、同じチャンネルのプライオリティを理解する仕方が異なる場合には、利益メトリックを誤解することがある。
例えば、利益を受けるセルは、チャンネル品質情報(CQI)から利益メトリックが0.7であることを決定するが、PRBが制御チャンネルに使用されようとしている場合には、利益を受けるセルは、その重要度を示すために利益メトリックを0.9として報告する。
しかしながら、別の受信側eNBがそのような利益メトリックを、利益を受けるeNBから受け取ると、受信側eNBは、データチャンネルを通常のデータチャンネルと考える。利益メトリックが高くても、受信側eNBは、依然、データチャンネルをミュートしないと決定する。というのは、PRBが受信側eNBにより重要でないと考えられるからである。
本発明の実施形態は、eNB間協調マルチポイント(CoMP)をサポートするために、例えば、X2シグナリングを経て2つのベースステーション/アクセスノード(例えば、eNB)間に送信される利益メトリック及びプライオリティファクタに向けられる。利益メトリックは、CSI(チャンネル状態情報)を使用して計算され、そしてプライオリティファクタは、この利益メトリックの重要度を定量化するのに使用される。制御チャンネル又はシステム情報ブロックに対応する利益メトリックは、通常データチャンネルに対応する利益メトリックに比して、高い重要度を指示することができる。高い重要度を指示するために、eNBは、高いプライオリティファクタを利益メトリックに関連付けることができる。
本発明の実施形態において、シグナリング設計は、利益メトリック及びプライオリティファクタを同じメッセージに含ませる。例えば、ある実施形態では、利益メトリックは、セット(M、N)として解釈され、ここで、Mは、例えば、CSIにより計算された通常の利益メトリックであり、そしてNは、プライオリティファクタに対応する調整ファクタである。利益メトリックを受け取ると、eNBは、M及びNを一緒に使用して、ミューティングを遂行すべきかどうか決定する。ミューティングを遂行すべきかどうか実際に決定するための詳細なアルゴリズムは、実施特有のものである。
所与のタイプの制御チャンネル(例えば、エンハンスト物理的ダウンリンク制御チャンネル(ePDCCH)又はPDCCH)のためのプライオリティファクタNは、種々のファクタに基づいて動的に変更することができる。例えば、プライオリティファクタは、PDCCH/ePDCCH制御チャンネルの混雑、レンジ拡張の使用、及び/又はデータチャンネル送信のサービス品質特性に基づいて変更することができる。異なるチャンネルタイプは、データ又は制御チャンネル、或いは異なるタイプの制御又は異なるタイプのデータチャンネル、或いは他の異なるタイプのチャンネルを含む。異なるチャンネルタイプの例は、物理的ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)、又は物理的ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)、又はエンハンスト物理的ダウンリンク制御チャンネル(ePDCCH)、又は他の異なるタイプのチャンネルを含む。PDCCH/ePDCCH制御チャンネルの混雑に関して、報告側セルのPDCCH/ePDCCHが混雑状態になった場合には、その場合のミューティングがより重要であるために、プライオリティファクタが高い値にセットされる。レンジ拡張の使用に関して、レンジ拡張が報告側セルで使用される場合には、プライオリティファクタが高い値にセットされる。この場合に、制御チャンネルがレンジ拡張UEに送られる場合には制御チャンネルが保護を必要とし、従って、ミューティングは、高いプライオリティをとらねばならない。制御チャンネルが割り当てを指示するところのデータチャンネル(例えば、PDSCH)送信のサービス品質(QoS)特性に関して、データベアラ(例えば、PDSCH)が遅延に敏感な場合には、ミューティングなしに、UEのPDCCHは、高いエラー率を有し、欠落デッドラインを生じる。従って、ePDCCHを保護するためのミューティングは、より重要であり、従って、プライオリティファクタは、高い値を指示することができる。
ある実施形態において、プライオリティメトリックのシグナリングは、利益メトリックのシグナリングとは独立して遂行することができる。別の実施形態では、プライオリティメトリックのシグナリングは、利益メトリックのシグナリングと一緒に遂行することができる。いずれにせよ、本発明の実施形態では、受信側eNBは、プライオリティメトリック及び利益メトリックの両方を使用して、その応答を決定する。プライオリティメトリックが利益メトリックとは個別にシグナリングされる場合には、プライオリティメトリックは、利益メトリックより相当に長い時間スケールで変更される。例えば、プライオリティメトリックは、2つのeNB間の事前ネゴシエーションで変更される。
図7は、集中型無線リソースマネージメント(C−RRM)ネットワーク要素700を含む論理的集中型アーキテクチャーを伴うシステムの一例を示す。図7の例において、セル1、セル2、及びセル3の各々は、その利益メトリック及びペナルティメトリックを、種々の候補仮説/リソースを経てC−RRMに報告する。C−RRMは、次いで、仮説切り換え及びリソースの決定を行い、そしてその決定結果をセルに通信する。
図8は、一実施形態により、セル2及びセル3があるPRBを使用することを希望し、そしてセル1にそのPRBをミュートさせることを希望するシグナリング図の一例を示す。図8の例に示すように、セル2は、800においてミューティング要求をトリガーする判断を行い、そしてセル3も、同様に、801においてミューティング要求をトリガーする判断を行う。セル2は、810において、ミューティング要求をセル1に送信し、そしてセル3は、815において、ミューティング要求をセル1に送信する。ミューティング要求は、PRB、利益メトリック情報、他のQoS情報、及び提案されたミューティング期間を含む。820において、セル1は、指示されたPRBから当該仮説を決定し、それ自身の利益/ペナルティを決定し、それ自身の及び隣接の利益/ペナルティ、ミューティングの期間、及び他の判断変数、等を使用して正味利益/ペナルティを決定する。次いで、830において、セル1は、ミューティング要求受け容れ(又は拒絶)をセル2へ送信し、そして840において、ミューティング要求受け容れ(又は拒絶)をセル3へ送信する。
図9は、セル2があるPRBを使用することを希望しそしてセル1にそのPRBをミュートさせることを希望し、セル3も利益を受けることが分かっているシグナリング図の規範的実施形態を示す。図9の例に示すように、セル2は、900において、ミューティング要求をトリガーするための判断をなす。セル2は、次いで、910において、例えば、ミューティング要求の一部分として利益メトリックをセル1に報告する。次いで、セル1は、920において、利益を受けることのできる他のセル(例えば、セル3)を決定する。セル1は、930において、セル3から利益メトリックを質問する。940において、セル3は、利益メトリックをセル1に報告する。候補PRBについて、セル1は、950において、それ自身のペナルティメトリックを決定し、それ自身の及び隣接の利益/ペナルティメトリック及び他の判断変数を使用して正味利益/ペナルティメトリックを決定する。セル1に対するペナルティ及び他のセルに対する利益を考慮に入れる正味利益が充分に大きい(又は正である)場合には、セル1は、ミューティング要求を受け容れるよう判断する。その場合に、セル1は、960において、ミューティング要求受け容れメッセージをセル2へ送信し、そして970において、ミューティング指示メッセージをセル3へ送信する。
図10は、セル2があるPRBを使用することを希望しそしてセル1にそのPRBをミュートさせることを希望し、セル3も利益を受けることが分かっているシグナリング図の別の規範的実施形態を示す。この例では、セル2は、100において、利益/ペナルティメトリックをセル1へ周期的に報告し、そしてセル3は、110において、利益/ペナルティメトリックをセル1へ周期的に報告する。セル2は、120において、ミューティング要求をトリガーする判断を行い、そして130において、ミューティング要求をセル1へ送信する。ミューティング要求は、PRB、利益メトリック情報、他のQoS情報、及び提案されたミューティング期間を含む。この例では、セル3は、ミューティング要求を開始しないが、セル3は、セル1のミューティングからも利益を受ける。周期的なレポートにより、セル1は、セル3の潜在的利益を知り、そしてセル3に明確に質問する必要なく、それを判断の要因とすることができる。140において、セル1は、指示されたPRBから当該仮説を決定し、それ自身のペナルティを決定し、それ自身の及び隣接の利益/ペナルティ、ミューティング期間、及び他の判断変数、等を使用して正味利益/ペナルティを決定する。150において、セル1は、選択されたPRB、ミューティング期間、等を含むことを指示するミューティング要求受け容れメッセージをセル2へ送信する。160において、セル1は、選択されたPRB、ミューティング期間、等を含むことを指示するミューティング指示メッセージをセル3へ送信する。
図11は、例えば、負荷が増加したためにセル1がそのミューティングを減少することを希望するが、セル2及び3もその影響を受けるシグナリング図の一例を示す。図11の例では、171において、セル1は、ミューティングの減少を試みるためにトリガーする。175において、セル1は、メトリック情報要求をセル3へ送信し、そして177において、セル2からメトリック情報を要求する。メトリック情報要求は、提案されたミューティング切り換え、候補PRB、他のQoS情報、及び期間を含む。180において、セル2は、そのペナルティメトリックをセル1へ報告し、そして181において、セル3は、そのペナルティメトリックをセル1へ報告する。適当なPRBについて、セル1は、185において、それ自身の利益メトリックを決定し、それ自身の及び隣接の利益/ペナルティメトリックを使用して正味利益/ペナルティメトリックを決定し、そしてミューティングを減少すべきかどうか判断する。186において、セル1は、選択されたPRB、ミューティングの期間、等を含むことを指示するミューティング指示メッセージをセル2へ送信する。同様に、187において、セル1は、選択されたPRB、ミューティングの期間、等を含むことを指示するミューティング指示メッセージをセル3へ送信する。
図12aは、ミューティングを増加又は減少するための明確な要求がないシグナリング図の一例を示す。むしろ、図12aの例では、各セルは、調整を自律的に行う。この実施形態では、セルは、利益/ペナルティ情報を隣接セルと周期的に交換する。例えば、図12aに示すように、セル2は、190において、利益/ペナルティ情報をセル1へ周期的に報告する。セル3は、191において、利益/ペナルティ情報をセル1へ周期的に報告する。セル1も、同様に、192、193において、利益/ペナルティ情報をセル2及び3へ周期的に報告する。194、195及び196において、セル1、2及び3各々は、それ自身の及び他のセルの利益/ペナルティメトリックを使用して正味利益/ペナルティメトリックを決定し、そしてミューティングを自律的に更新する。197において、セル1は、選択されたPRB、ミューティングの期間、等を含むことを指示するミューティング指示メッセージをセル2へ送信する。同様に、198において、セル1は、選択されたPRB、ミューティングの期間、等を含むことを指示するミューティング指示メッセージをセル3へ送信する。正味利益/ペナルティの決定、及びセル1によるその後のミューティングの更新(又はミューティング仮説の選択)は、セル2又はセル3による対応決定と厳密に同時に行う必要がないことに注意されたい。即ち、各セルによる決定は、他のセルとは非同期で進めることができる。従って、セルは、正味利益/ペナルティの計算及びミューティングの更新を行う時間を、他のセルがそれ自身のそのような決定を行う時間とは個別に決定することができる。更に、セルは、正味利益/ペナルティの計算及びミューティングの更新を、1つ以上の隣接セルから利益/ペナルティメトリックを受け取るや否や実行する必要はなく、それらの動作を実行するためのそれ自身の適当な時間を選択することができる。セルがそのミューティング更新(又はミューティング仮説選択)の決定を行うとき、他のセルからどんな情報を受信していても、他のセルからその時点まで使用することができる。ある実施形態では、セルがその更新ミューティングを決定するとき、ミューティング指示メッセージを他のセルへ送信して、そのミューティングを切り換えるための判断をそれらに通知することができる。
前記実施形態の幾つかと同様に、現在ミューティング仮説でスタートしそして別のミューティング仮説h2へ変更するミューティング要求を発生するのではなく、ある実施形態は、所与のセルが、どれほど多くのリソースをミュートすべきか決定する解決策をとる。図12bは、一実施形態によるシグナリング図である。131において、セル2は、それが受ける利益の指示を、セル1がある量のリソースをミュートする場合に送信する。この指示は、利益メトリックリスト(BML)の形態で送信される。その規範的形態は、次の通りである。即ち、{(B1、N1)、(B2、N2)、(B3、N3)、・・・}。ここで、要素は、典型的に、ある順序になっている。従って、リストの第1要素(B1、N1)は、セル1がリソースN1の付加的な断片をミュートする場合に付加的なリソースごとにB1の利益を受け取れることを表す。次の要素(B2、N2)は、セル1が付加的な量の断片N2をミュートする場合に付加的なリソース当たりB2の更なる利益を受け取れることを指示する。同様に、リストの各次々の要素(Bi、Ni)は、セル1がリソースNiの付加的な断片をミュートする場合に付加的なリソースごとにBiの更なる利益を受け取れることを表す。典型的に、リソース当りの利益は、益々多くのリソースがミュートされるにつれて減少し、減少リターンの指示となる。利益メトリックBiは、ここに述べるいずれかの方法を使用して計算される。リスト内の要素の数は、適当に選択される。例えば、充分な数の要素がリストに指示されて、指示されたリソースの合計断片がある望ましいターゲットまで付加されるか、又はリソース当りの利益が適当な量だけ減少するポイントまで付加される。図12bにおいて、セル3も、141で示すように、それ自身の利益メトリックリストを使用して、セル1がミュートする場合にその利益の同様の指示を与えることができる。次いで、セル1は、151で示すように、セル2及びセル3から受け取った利益メトリックリストを考慮して、適当なミュート量を決定する。161において、セル1は、ミューティングに関するその判断を示すミューティング指示をセル2(及び/又はセル3)へ送信することができる。
図22は、セル1が適当なミューティング量を決定する仕方の実施形態を示す。セル1は、セル2、3、及びセル1に対する利益メトリックリストが同様に設けられた他のセルに対する総計利益を表す総計関数ΣBiを構成することができる。対応的に、セル1は、あるリソースをミュートするためのペナルティを被る。典型的に、セル1が被るミュートされるリソース当りのペナルティは、セル1によってミュートされるリソースの断片の非減少関数となる。セル1は、総計利益ΣBiが、セル1が被るペナルティを上回るところのリソースN*の断片をミュートするように選択される。
ある実施形態では、利益メトリックリストは、更に、識別子又は重みのようなサービス品質(QoS)クラスの指示を含む。同様に、セル1は、ミュート量を決定する際に、QoSクラス又は重みをそれ自身のペナルティに関連付ける。一実施形態では、セル1は、例えば、他のセルに対する利益がそれ自身のペナルティより高いQoSについてのものであるかどうか決定する際に、そのような指示を使用する。もしそうであれば、セル1は、ミュートするのが有益であると考える。というのは、高いQoSに対する利益は、低いQoSに対するペナルティを上回るからである。別の実施形態では、セル1は、単純な差ではなく、重みを使用して、他のセルに対する総計利益とそれ自身のペナルティの重み付けされた差を取り上げ、そして重み付けされた差が正であるところの点である最適なミュート量N*を決定する。
ある実施形態では、利益及びペナルティメトリックは、「達成可能な比例公平性(PF)メトリック」に基づいて計算される。この解決策は、ミューティング適応が非GBRユーザ(おそらく非GBR内の異なるQoSクラスを伴う)をターゲットとするときに適している。ここで、GBRという語は、「保証されたビットレート」、即ちeNBがユーザ又はベアラ又はフローに対してあるビットレートを保証するサービス品質クラスを意味する。逆に、非GBRは、ユーザ装置が受信できるビットレートに関して明確な保証がないサービス品質クラスを指す。むしろ、eNBは、ユーザ装置のチャンネル状態情報(CSI)、ユーザ装置が過去に得たスループット、ユーザ又はベアラフローに対するサービス品質(QoS)クラスを表すスケジューリング重み、並びに全体的公平性及び効率の考慮のような種々の基準に基づいてユーザ装置間のリソース割り当てを決定する。比例公平性(PF)スケジューリングアルゴリズムは、異なるユーザに割り当てられるリソースの分布が比例公平性として知られているある公平性基準を満足するのを保証するためにeNBにより典型的に使用されるアルゴリズムである。PFメトリックは、比例公平性スケジューリングアルゴリズム又はその変形を使用するときにeNBにより計算されるメトリックである。PFメトリックは、「ユニティ関数」の勾配を表す。所与の干渉仮説hに使用されるある量のリソースがΔρだけ増加すると、セルの「ユニティ関数値」の正味変化は、(ユニティ関数の勾配)*(Δρ)として表される。セルcのPFメトリックは、前記説明において関数Uc()として使用される。ある実施形態では、例えば、ユーザのデータフローのQoSクラスに対応するサービス品質(QoS)重みを表すのに重みを使用するような重み付けPFメトリックが使用される。
この実施形態によれば、所与の干渉仮説cのもとでのセルcの有用性は、PFメトリックに基づいて次のように計算することができる:Uc(h)=maxu[wuRc、h(u)/T(u)](即ち、干渉仮説hに対してセルcにおける当該ユーザの中の最大重みのPFメトリック)。当該ユーザは、特定の1人のユーザ、提案されたリソースでスケジュールできるセル内のユーザのサブセット(又はおそらくユーザ全員)、及び/又は基線仮説h0に対してその仮説hのもとでのスペクトル効率がスレッシュホールドより高い、即ちRc、h(u)/Rc、h0(u)>スレッシュホールド、のユーザである。wuは、ユーザのQoS重み、例えば、当該ユーザのベアラのQoS重みの和を表す。公平性ファクタβを伴う「一般化されたPFメトリック」については、Uc(h)=maxu[wuRc、h(u)/Tβ(u)]である。Rc、h(u)項は、干渉仮説hのもとでセルcのサービスを受けるリソースのセットに対してユーザが達成できるスペクトル効率を表す。例えば、N個のPRBについて考えると、これは、干渉物のオン/オフの特定の組み合わせのもとでN個のPRBにわたってユーザが達成できるTBSとして計算される。
Uc(h)(及び対応的にRc、h(u))の前記計算は、リソースの特定セットに対して実行されるか、又は全リソースにわたって平均化される。次いで、Uc(h)のこの計算を使用して、利益又はペナルティUc(h2)−Uc(h1)が計算される。先に述べたように、利益又はペナルティは、基準仮説h0、例えば、協調クラスター内の全ての当該セルがオン状態にあるようなミューティング仮説、に対して表現される。表記に関しては、特定のミューティング仮説が使用されるときに達成される(重み付けされ及び一般化された)PFメトリックを表すのにPF’を、そして基準ミューティング仮説h0のもとで達成される(重み付けされ及び一般化された)PFメトリックを表すのにPFを使用する。従って、所与の仮説h2を使用する利益は、基準仮説h0に対してPF’(h2)−PF(h0)又は単にPF’−PFとして表される。
有用性の前記計算に最大値を使用するのではなく、ある実施形態では、当該ユーザの最上位Kの平均値が取り上げられる。更に、前記で使用したPFメトリックベースの有用性は、時間と共にフィルタリング又は平均化されてもよいし、或いは直前のTTIから得られてもよい。
別の実施形態では、利益及びペナルティメトリックは、達成可能なスペクトル効率に基づいて計算することができる。この解決策は、GBR及び非GBRの両トラフィックと共に使用することができる。この実施形態によれば、仮説hのもとでのセルcの「有用性」は、次のように計算される:Uc(h)=maxu[f(wu(Rc、h(u))]。ここで、最大値は、所与の干渉仮説に対するセルc内の当該ユーザにわたるものであり、そしてf()は、単調に増加する関数である。典型的な例では、f(x)=xであり、最大スペクトル効率に対応する。当該ユーザは、特定の1人のユーザであるか、又は提案されたリソースでスケジュールすることのできるセル内のユーザのサブセット(又はおそらくユーザ全員)である。wuは、ユーザのQoS重み、例えば、当該ユーザのベアラのQoS重みの和を表す。Rc、h(u)項は、干渉仮説hのもとでセルcのサービスを受けるリソースのセットに対してユーザが達成できるスペクトル効率を表す。例えば、N個のPRBについて考えると、これは、干渉物のオン/オフの特定の組み合わせのもとでN個のPRBにわたってユーザが達成できるTBSとして計算される。
ある実施形態によれば、Uc(h)(及び対応的にRc、h(u))の前記計算は、リソースの特定セットに対して実行されるか、又は全リソースにわたって平均化される。Uc(h)のこの計算を使用して、利益又はペナルティUc(h2)−Uc(h1)が計算される。
有用性の前記計算に最大値を使用するのではなく、ある実施形態では、当該ユーザの最上位Kの平均値が取り上げられる。更に、前記で使用したスペクトル効率ベースの有用性は、時間と共にフィルタリング又は平均化されてもよいし、或いは直前のTTIから得られてもよい。
別の実施形態によれば、利益及びペナルティメトリックは、リソースを求めて争うユーザ(即ち、資格のあるユーザ)の数及び利用可能なリソースの数に基づいて計算される。従って、所与の仮説のもとで資格のあるユーザがE人いて且つ利用可能なリソースがA個ある場合には、Uc(h)は、E/Aと計算される。仮説がh1からh2へ変化すると、利用可能なリソースのA1からA2への変化が生じる。従って、有用性の正味変化は、Uc(h2)−Uc(h1)=E*(1/A2−1/A1)として表される。
ある実施形態では、資格のあるユーザの数Eではなく、資格のあるベアラの重みの和Wが使用される。その結果、正味利益又はペナルティは、W*(1/A2−1/A1)となる。資格のあるユーザ(又は資格のあるベアラ)は、バッファにデータを有するユーザ(又はベアラ)、或いはバッファにデータを有するユーザのサブセット)である。例えば、資格のあるユーザは、特定の仮説に対応する特定のリソースに対しておそらくスケジュールが得られるユーザのセットである。
利用可能なリソースは、例えば、非GBRトラフィックに利用可能な時間−周波数リソース(例えば、PRB)、或いは特定の仮説のもとで非GBRトラフィックに利用可能な時間−周波数リソースである。前記量は、時間にわたってフィルタリング又は平均化されてもよいし、或いは例えば、直前のTTIにおいて瞬時値がとられてもよいことに注意されたい。
更に別の実施形態によれば、前記実施形態に使用されたメトリックの組み合わせも適用される。例えば、利益及びペナルティメトリックが達成可能なPFメトリックに基づいて計算される実施形態と同様に、セルcの有用性は、Uc、PF(h)=maxu[wu Rc、h(u)/T(u)]として定義され、そして資格のあるユーザ及び利用可能なリソースの数を使用する実施形態と同様に、Uc、SumW(h)=E/Aとして定義される。従って、合成メトリックは、Uc(h)=min(Uc、PF(h)、E/A、Max_value)として定義され、ここで、Max_valueは、メトリックを、ある好都合な上限に制約するのに使用される。例えば、Uc、PF(h)における最大値の計算を、フローが充分に長い期間中進行しているユーザのみに制限するような更なる変形も考えられる。
ある実施形態によれば、セルの利益及びペナルティメトリックは、セル内の全てのユーザにわたる全リソース割り当てではなく、ある特定ユーザの状態に基づく。例えば、利益及びペナルティメトリックが達成可能なPFメトリックに基づいて計算される実施形態の変形として、所与の干渉仮説cのもとでのセルcの有用性は、全てのユーザに対する最大値としてではなく、ある特定のユーザuに対して、PFメトリックに基づいて次のように計算される:Uc(h)=wu Rc、h(u)/T(u)。別の例として、利益及びペナルティメトリックが達成可能なスペクトル効率に基づいて計算される実施形態の変形として、所与の干渉仮説cのもとでのセルcの有用性は、全てのユーザに対する最大値としてではなく、ある特定のユーザuに対して、達成可能なスペクトル効率に基づいて次のように計算される:Uc(h)=f(wu(Rc、h(u))。この計算に対してユーザuは、種々の基準で識別される。例えば、ユーザは、当該仮説に対しスペクトル効率(又はSINR)に充分大きな利得を有し:Rc、h2(u)/Rc、h1(u)>スレッシュホールド、ここで、スレッシュホールドは、スペクトル効率又はSINR利得を得るためにミュートする必要のある隣接セルの数に依存する。或いは又、ユーザは、ある公称ビットレート又は保証ビットレートより小さいビットレート、等を達成してもよい。
別の実施形態によれば、セルの利益及びペナルティメトリックは、セル内のユーザのGBR又は遅延ターゲットを満足できる能力に基づく。例えば、ユーザの実際のスループットと望ましいGBRターゲットスループットとの間の差、或いはユーザが経験する実際の遅延と遅延ターゲットとの間の差に基づく。例えば、メトリックは、wu*[max(0、(TGBR(u)−T(u))]αに基づき、ここで、T(u)は、GBRユーザuの実際のスループットであり、そしてTGBRは、ユーザのターゲットGBRである。或いは又、メトリックは、wu*[Dmax(u)−D(u)]αに基づき、ここで、Dmax(u)は、ユーザuの最大許容遅延(即ち、遅延ターゲット)であり、そしてD(u)は、ユーザに対するパケットの現在経験遅延である。更に別の形態では、利益及びペナルティメトリックは、例えば、(1−ρ)αに基づき、セルのPBR利用に関して定義され、ここで、ρは、セルに使用されるPRBの断片であり、そしてαは、パラメータ(この場合はおそらく負の値)である。特に、ρは、GBR及びシグナリングに使用されるPRBの断片を指す。
別の実施形態では、所与の仮説hのもとでの所与のセルの利益メトリックは、次のように計算される。これは、典型的に、GBRデータフローをターゲットとする。ユーザuがそのGBRターゲットスループット(又は遅延のような他の尺度)を満足することをセルが保証できる場合には、セルは、V(u)のペイオフ値を発生する。値V(u)は、定数であるか、又はフローの遅延ターゲット、フローのQoSクラス又はGBRターゲット値のようなファクタに依存したものである。ターゲットGBRレートに到達するためにユーザuをイネーブルする必要があるリソースの断片をN(u)とする。N(u)は、典型的に、ミューティング仮説に依存する。というのは、ミューティング仮説のもとで経験する干渉は、ユーザが達成するスペクトル効率に影響するからである。従って、ユーザuがターゲットGBRレートを満足できるようにすることによるセルの有用性は、V(u)/N(u)として表される。従って、仮説h1からh2へ切り換えるときに、セルが得る利益は、V(u;h2)/N(u;h2)−V(u;h1)/N(u;h1)と表される。先に述べたように、ある実施形態では、全てのセルがオン状態にあるミューティング仮説のような基準ミューティング仮説h0に対して利益を表すことができる。この場合に、利益は、V(u;h2)/N(u;h2)−V(u;h0)/N(u;h0)と表される。
ある実施形態によれば、ミューティング適応方法は、先ずミュート、次にスケジュール(MFSN)スキームに関連して使用される。MFSNスキームの一般的な特徴は、ミューティングパターン及びそれらの変化が特定TTIにおける特定ユーザのスケジューリングに結び付けられないことを含む。従って、ミューティングが先ず判断され、次いで、ミューティングの知識でスケジューリングが行われる。各セルは、既定の時間−周波数リソース領域においてミューティングでスタートする。隣接セル間のミュートされた時間−周波数リソースのパターンは、各セルのミューティングの最大利益をその隣接セルに許すように食い違いされ/配置される。ミューティングを変更する判断は、周期的に行われるか、或いは混雑/過負荷の始まり、又はQoSを満足できないこと、等のようなある事象でトリガーされて行われる。適応が生じるたびの各セルのミューティング領域の「成長」又は「収縮」は、既定のパターンをたどり、以前のミューティング領域との継続性を最大にすることができる。
MFSNスキームの一般的利益は、サブ帯域ベースでの各UEによるCQI推定がその強い干渉のミューティングパターンを自動的に反映することを含み、即ち各UEのサブ帯域CQIは、弱い干渉のサブ帯域における良好なCQIを指示する。従って、チャンネルアウェアスケジューラは、各UEの最良の干渉サブ帯域を暗示的に考慮するスケジューリング判断を行う。
MFSNスキーマに関連して使用されるこの実施形態によれば、各ミューティング適応判断点において、各セルに対する利益及びペナルティを考慮に入れてミューティングパターン(成長又は収縮)を変更するために1つ以上のセルが取り上げられる。追加又は差し引かれるミュートされたリソースは、典型的に、既定の時間−周波数順序をたどる。ミューティングの所与の候補セルの拡張(又は収縮)に対応する仮説h1及びh2は、既定の時間−周波数順序での追加される(又は差し引かれる)ミュートされたリソースから推測することができる。上述したように、利益及びペナルティメトリックの計算は、追加される(又は差し引かれる)特定リソースに基づくか又はミュートされたリソースの数のみに基づき、おそらく追加されるリソースを使用するUEの特定サブセットに基づくか又は全UEにわたる和/平均値に基づき、及び/又はPFメトリック又は利用可能なPRB当りの重みの和に基づく。
前記実施形態は、周波数ドメインにおけるミューティングのインスタンス生成について述べたが、時間ドメイン又は時間及び周波数の組み合わせドメインにおいてインスタンス生成することも考えられる。時間ドメインでは、測定制約を使用でき、UEは、サブフレームの異なるサブセットに対して個別の測定を報告することが許される。従って、サブフレームのあるサブセット内で周波数ドメインにある形態のミューティングインスタンス生成を有し、そしてサブフレームの別のサブセット内で周波数ドメインに異なる形態のミューティングインスタンス生成を有する。その結果、サブフレームの各サブセット内に存在する仮説のセットは、異なってもよい。UEに対する測定制約サブセットを適宜に構成することにより、サブフレームの各サブセット内におけるミューティング仮説の各セットに対応する測定値を得ることができる。これは、ミューティングを適応させるときに考慮される。例えば、ミューティングの変化は、サブフレームのあるサブセット内のみで行われる。これは、サブフレームごとに行ったり又はタブ帯域の粒度で行ったり等々ではなく、ミューティングの微細な粒度を達成する上で役立つ。
別の実施形態によれば、インスタンス生成は、先ずスケジュール、次にミュート(SFMN)のスキームで遂行される。このSFMNの一般的特徴は、ミューティングパターン及びそれらの変化が典型的に特定のTTIにおける特定のユーザのスケジュールに基づくことを含む。従って、スケジューリングが先ず決定され(ミューティングは全くないという仮定に基づくか又は現在のミューティングに基づいて)、そして新規のミューティング(完全に新規のミューティング、或いは現在ミューティングの成長又は収縮)がスケジューリングの知識で決定される。各セルは、おそらく、既存のミューティングに基づきユーザへの周波数(及び場合によって時間)の指定を決定する。あるユーザがある基準を満足する場合には、それらのユーザに利益を与えるためにミューティングの変更(又は新たなミューティングの要求)が呼び出される。
ミューティング適応がSFMNに関連して使用されるこの実施形態によれば、1人以上のユーザがミューティングの利益を受ける者として選択されると、あるセル(例えば、それらユーザのうちの最も強いK人の隣人)は、上述したように、各セル及びユーザに対する利益及びペナルティを考慮して変更される。計算のための仮説h1及びh2は、次のように決定される:即ち、ミューティングがないと仮定してスケジュール(ユーザへのリソースの割り当て)が決定された場合には、初期の干渉仮説がh1=全セルオンとなり、一方、ターゲット仮説h2は、選択されたユーザのK個の隣接セルがオフであることに対応し;或いはある既存のミューティングパターンを仮定してスケジュールが決定された場合には、初期の仮説がh1=現在ミューティングとなり、そしてターゲットh2は、選択されたユーザのある付加的な隣接セルにおけるある付加的なリソースがオフであることに対応する。
この実施形態では、新たに決定されたミューティングは、ある期間持続する。あるユーザのスケジュール(典型的に、それに基づきミューティング適応がトリガーされた)も、その期間中固定されたままである。提案されたミューティング適応が受け容れられたかどうかに基づき、選択されたユーザの変調及びコード化スキームも、その変更されたミューティングに従って適応される。更に、開始セル(又はミュートされるターゲットセル)におけるリソース割り当ても変更される。他のセルは、変更されたミューティングから利益が得られ、そしてそれらのリソース割り当て又は変調及びコードスキーム選択を、変更されたミューティングの知識に基づいて調整することができる。
別の実施形態は、協調スケジューリングを伴うミューティングのインスタンス生成を含む。この実施形態では、各TTIにおいて、各セルは、そのTTIにおいてスケジューリングするためのPRB使用を推定する。典型的に、これは、全チャンネルアウェアスケジューリングを遂行する前に行われ、この決定をTTIにおいて早期に行えるようにする。PRBの100%未満を使用しようとしていることをセルが推定した場合には、ある数のPRBをミュートすることを他のセルに通知する。セルに対するミュートされるPRBの位置は、セルごとの好ましいパターンに基づいて選択され、これは、セルにわたるミューティングの適切な整列又は食い違いを許す。どのPRBが隣接セルによりミュートされようとしているかのこの通知に基づき、各セル(特に100%のPRBが必要になりつつあるセル)は、ミュートされるPRBを知ってスケジューリングを行うことができる。従って、これは、ミューティングがスケジューリングの前に先ず決定されるが、ミューティングの量それ自体は、どれほど多くのリソースの事前推定がおそらく必要になるかに基づいて計算されるMFSNの変形として考えられる。前記スキームの更に別の変形は、使用/ミューティングの量を決定しそして各TTIにおいて隣接部に通知するのではなく、N個のTTIごとのようなある程度ゆっくりした時間スケールでこれを行うことである。
ある実施形態によれば、ミューティングを変更するためのトリガーは、USの速度、USの速度分布、或いは高又は中又は低速度に対応するUSの数、等の他のファクタも使用する。高速度のUE又は中速度のUEでも、チャンネルアウェアスケジューリングと共に周波数ドメインフェージングを適切に利用することはしばしば困難である。というのは、チャンネルフェードは、急速に変化し過ぎるからである。そのようなUEでは、干渉がミュートされるリソースを使用するのが好都合である。というのは、外部ループリンク適応のようなUEのチャンネルフィードバック及び制御ループが、ミュートされたリソース内の達成可能なスペクトル効率を良好に反映するからである。従って、この実施形態は、ミューティングを変更するための基準を計算するのに種々の速度のUEの数を考慮することができる。例えば、セル内の高速UEの数(又は高速UE対低速UEの比)が増加する場合には、そのセルは、ミュートされたリソース内でそれらのUEを優先的にスケジュールすることを希望する。それ故、セルは、干渉がミュートされるリソースの必要性が大きくなる。対応的に、高速UEの数が減少する場合には、セルは、そのようなUEをスケジューリングするために、干渉がミュートされるリソースの必要性が少なくなる。従って、ミューティングを減少する干渉物に対するセルのペナルティは、減少する。
これらの実施形態では、ミューティング適応要求をトリガーすることになる多数の条件が意図される。例えば、ミューティング適応は、構成可能な周期で周期的にトリガーされる。それに加えて又はそれとは別に、ある事象が発生したとき、例えば、1つ以上のセルにおいて混雑が検出されたときに、ミューティング適応がトリガーされる。例えば、ミューティング適応をトリガーする幾つかの事象は:PRB使用量がスレッシュホールドより大きい;ある数のUEが公称ビットレートを満足しない;(資格のあるUE又はベアラの重みの和)と利用可能なPRBの数との比がスレッシュホールドより高い;セルの「複合利用可能容量」がスレッシュホールドより低い;及び/又はあるQOSクラスの(又は全てのUEにわたる)合計バックログバッファデータがスレッシュホールドより高い;ことを含む。
別の実施形態によれば、ミューティング適応は、ある状態の始まりが検出されたときにトリガーされ、次いで、始めにトリガーされた状態がもはや存在しなくなるまで周期的に繰り返しチェックされる。ミューティング適応は、セルによるか又は別のセルからの明確な要求により、自動的にトリガーすることができる。自律的に、トリガーするとは、あるセルが他のセルからメトリックレポートを周期的に受信するときを指すが、セルそれ自身は、ミューティングの変化が要求されたときをメトリックに基づいて決定する。
又、ある実施形態では、ミューティングの変化量も考慮される。従って、ある実施形態によれば、ミューティングの量は、固定(構成可能な)量だけ変化することができる(例えば、1PRB又は1RBG)。或いは又、ミューティングの量は、有用性の正味利益(例えば、ミューティングの変化量に対応する仮説に基づいて評価される)がもはや充分大きいと言えなくなるまで、変化することができる。他の実施形態では、「ミューティングのターゲット量」が決定され、そしてミューティングのターゲット量に向かってミューティングが増分ステップで適応される。
「ミューティングのターゲット量」を決定する1つの方法は、ミューティングから充分に大きな利得を有するユーザの一部分、即ちUEの合計数の一部分である。この例によれば、C’(u)は、所与のセルがミュートされるときのUEuのスペクトル効率を表し、そしてC(u)は、所与のセルがミュートされないときのUEのスペクトル効率を表す。従って、Tを適当なスレッシュホールドとすれば、C’(u)/C(u)>Tとなるように、N=UEの#が決定される。スレッシュホールドTは、静的であってもよいし又は利益/ペナルティメトリックに関連したものでもよい。そのセルの現在ミュート量がN/Nallより少ない場合には(即ち、Nをユーザの合計数の断片として表す)、ミュートを増加することができ、又はそのセルの現在ミュート量がN/Nallより大きい場合には、ミュートを減少することができる。
又、ある実施形態では、変更されたミュート量を持続すべき期間も考慮される。1つの選択肢として、次の周期的適応が生じるまで、変更されたミューティングを持続してもよい。或いは又、セル内の混雑のようなある状態が生じたときにミューティング適応がトリガーされる場合には、その状態がもはや存在しないか、又はより厳しい状態が検出されるまで、変更されたミューティングを持続することができる。期間は、例えば、ある特定のUEに対するバッファされたデータの量(又はセルの全体的バックログ)に基づく。更に、期間は、ラウンドトリップ時間、又はミューティング適応判断手順を実行するのに必要なレイテンシーに基づき、手順のレイテンシーが数TTIである場合には、適応されるミューティングは、手順のレイテンシーより充分に長い期間中続くように設定される。
ある実施形態は、複数の隣接物のミューティングにも適用することができる。例えば、あるユーザは、それらのサービングセルと、2つの他の干渉セルとの縁にいる。そのようなユーザは、両干渉物がミュートされる場合にのみミューティングから充分な利益を得ることができる。このケースでは、ミューティングを伴う干渉仮説は、複数の干渉物が同時にオフであることに対応する。正味利益及びペナルティの計算は、ミュートされた適切なセルを考慮して、上述したように適用される。
ある実施形態では、最も強い干渉物のミューティングのみのケースを考える(即ち、2つ以上の干渉物が同時にミュートされる利点を取り入れる場合を除く)。この実施形態では、セルAについて、所与の干渉物Bが付加的なリソースをミューティングすることによる利益は、UA(h2)−UA(h1)と書き表すことができる。それ故、UA(h2)−UA(h1)=PF’(A;B)−PF(A)となる。但し、PF’(A)は、干渉物Bがミュートするときに達成できる重み付けされたPFメトリックであり、そしてPF(A;B)は、干渉物Bがミュートしないときに達成できる重み付けされたPFメトリックである。別の形態として、PF’(A;B)(又はPF(A;B))ではなく、Bがミュートされている(又はされていない)ときにAにおいて達成できるスペクトル効率を使用することができる。逆に、セルBの観点から、それが付加的なリソースを使用する場合には、利益PF(B)を得るが、それが付加的なリソースをミュートする場合には、その利益が0となる。この例では、各セルAは、その隣接セルBに、品質PF’(A;B)−PF(A;B)をレポートする。各セルBにおいて、ミューティングの適応についての判断ルールは、次の通りである。ΣA[PF’(A;B)−PF(A;B)]>PF(B)*(1+ε)の場合には、セルBがそのミューティングを量Δだけ増加しなければならず;そしてΣA[PF’(A;B)−PF(A;B)]<PF(B)*(1+ε)の場合には、セルBがそのミューティングを量Δだけ減少しなければならない。その他、ミューティングに変化はない。
ある実施形態は、セルAが、ミュートされている特定の干渉物Bに対してPF’(A;B)をどのように推定するかの選択肢を与える。第1の選択肢は、セルBが既に非ゼロ量だけミュートしている場合は、セルAは、セルBがミュートしているPRBのみにわたり個別のPFフィルタを維持し、そしてそれらPRB内でスケジュールされるUEのPF(最大又は平均のフィルタ)を推定する、というものである。
セルBが何もミュートしないときでも作用する第2の選択肢は、PF’(A;B)=PF(A;B)*maxu(C’(u)/C(u))を推定することであり、ここで、C’(u)は、セルBがミュートされるときにユーザuにより達成されるスペクトル効率であり、そしてC(u)は、セルBがミュートされるときにユーザuにより達成されるスペクトル効率である。maxに代るものは、PF’(A;B)=PF(A;B)*[avgu:C’(μ)/C(μ)>TC’(μ)/C(μ)]である。セット{u:C’(μ)/C(μ)>Tが空である場合には、PF’(A;B)=PF(A;B)であり、即ちPFに利得はない。セルBがあるリソースを既にミュートしている場合には、C’(μ)/C(μ)=1であり、即ちPF’(A;B)=PF(A)を使用するだけである。
セルBが何もミュートしないときも作用する第3の選択肢は、PF(A;B)=Σu w(u)、即ち非ゼロデータを伴うベアラの重みの和、を推定することであり、従って、前記第2の選択肢と同じ計算でPF’(A;B)を推定することである。
別の実施形態は、メトリックをどのように計算して使用するかの変形例をなす。この実施形態では、各セルがセルPF(又はある負荷メトリック)をその隣接セルと交換する。セルPF_A及びセルPF_Bが2つのセルA及びBのセルPFメトリックであると仮定する。従って、この例では、大きなセルPFを伴うセルだけが、小さなセルPFを伴うセルにミュートを行うよう要求する資格がある。更に、ピンポン作用を回避するためにスレッシュホールドを追加することができ:arg−max{セルPF_A、セルPF_B}>arg−min{セルPF_A、セルPF_B}+スレッシュホールド、従って、arg−max{セルPF_A、セルPF_B}は、他のセルをミュートする資格がある。各セルにおいて、この実施形態は、C’/C>TであるUEの断片も見る。但し、Tは、スレッシュホールドであり、C’は、トランスポートブロックサイズ(TBS)であるか又はセルBがミュートされるときのセルAのUEの等価スペクトル効率であるが、Cは、対応するTBSであるか、又はセルBがミュートされないときのスペクトル効率である。セルが最小PFを有する場合に、
−所与のセルは、その全ての隣接セルの中で最小PFを有することが分かった場合に、追加のミューティングを行うことができる。それはセルBであると仮定する。
−全ての隣接セルの中で、セルBは、C’/C>TであるUEの、2番目に最も小さい割合を有するセルを見る。但し、C’は、セルBがミュートされていることを条件とするUEのTBSである。
−セルBの現在ミューティングの割合が前記バレットの数より少ない場合には、セルBは、潜在的にその数までずっとそのミューティングを増加/減少する。或いは、その方向に増分的ステップをとることができる。
セルがその少なくとも2つの隣接セルより小さいPFを有する場合:
少なくとも2つの隣接セルより小さいPFを有するセルは、それ自身より大きなセルPFを有するセルの中で、C’/C>1.5のUEとそのセル内の未ミュートのPRBの数との積の値が2番目に最も小さいセルを取り上げる。次いで、ミューをするセルは、その数のPRBをミュートするか、或いはミュートの量を増分ステップでその点に向けて増加又は減少する。
本発明の更に別の実施形態は、周波数選択性スケジューリング(FSS)利得をどのように利用するかに対処することができる。これは、異なるサブ帯域でユーザが達成できるスペクトル効率を異なるものにする周波数選択性フェージングをユーザ装置の無線チャンネルが経験するときに特に有用である。例えば、ある実施形態は、周波数選択性利得を最大にするためにどのサブ帯域又はPRBをミュートすべきであるか決定し、そしてミュート利得と組み合わせて周波数選択性フェージングを考慮する。
この実施形態によれば、各セルiにおいて潜在的利得が計算される。例えば、各隣接セルj及び各RBGrに対し、セルiは、セルjがRBGrにおいてミュートを行う場合にその潜在的利益B(i、j、r)を計算する。先に述べたように、この利益は、基準ミューティング仮説に対して説明することができる。その結果、これら実施形態は、RBGrにおけるユーザのチャンネル状態、並びにセルjからのユーザの相対的干渉を考慮して、周波数選択性ミューティング利益を与えることができる。
この実施形態では、利益が計算されるところのセルjのセットは、セルの適当なセットS(i)である。利益の計算は、スケジューラがどのように周波数選択性スケジューリング(FSS)を遂行するかに基づき、従って、ミューティング利益の計算は、FSSスケジューラがRGBをUEにどのように割り当てるかに関連したものとなり、そしてミューティング及び周波数選択性利得の両方に投資するのを許す。次いで、セルiは、計算された利益B(i、j、r)をセルj∈S(i)へ送信する:「FSSアウェア利益メトリックリスト」(BML−FSS)。
更に、ペナルティ及び正味利益決定は、各セルjにおいて行うことができる。例えば、セルjは、RBGrごとに利益メトリックリストB(i、j、r)を受け取る。利益情報を所与のセルjに送信するセルのセットは、セルjのセルのセットS(j)と同じでも同じでなくてもよい適当なセルのセットR(j)である。セルjは、RBGrをミュートするためにそれ自身のペナルティP(j、r)を決定する。又、セルjは、セルjがRBGrにおいてミュートする場合にシステムに対する正味利益も決定する。例えば、N(j、r)=Σi∈R(j)B(i、j、r)−P(j、r)である。一実施形態によれば、正味利益が負である場合に、セルjは、RBGrにおいてミュートしない。しかしながら、正味利益が正である場合には、セルjは、RBGrにおいてミュートすることができる。
この実施形態によれば、ミューティングの決定は、次のように遂行される。セルjがRBGrにおいてミュートを行う場合に、R(j)における他のセルの中で、RBGrにおいてミュートを行わねばならない(さもなければ、ミュート利益が失われる)ものは皆無である。同様に、j∈S(i)がミュートを行う場合には、セルiは、ミュートを行ってはならない。又、所与のRBGにおいてミュートを行うセル、例えば、i*は、S(i)における全てのセルの中で(又はR(i)の中で)最大正味利益N(i*、r)をもたねばならない。これを達成するために種々の方法が提案されているが、セル間でメッセージを交換する形態が異なる。
一実施形態によれば、任意のセルiについて、S(i)は、ミューティングでセルiに利益を与えるセルの適当なセットである。典型的に、これらは、セルiの隣接セルであるか、又は送信がセルiと強く干渉するセルである。同様に、任意のセルjについて、R(j)は、セルjのミューティングから利益を受けるセルの適当なセットである。この実施形態では、セルjは、その正味利益を決定するのにR(j)におけるセルの利益を考慮しなければならない。
ある実施形態において、j∈S(i)である場合には、i∈R(j)、即ち対称的関係であるが、これは、他の実施形態において保持する必要がない。一般的に、所与のセルiについて、S(i)及びR(i)は、種々の実施形態において異なることがある。周波数選択性フェージングが重要であるセルでは、セットS(i)及びR(i)は、一般的に、周波数サブ帯域又はRBGごとに異なるが、典型的に、それらは、全てのRBGについて同じである。
この実施形態による一次ミューティング制約は、セルjがミュートを行う場合に、理想的には、任意のセルi∈R(j)も同じリソースにおいてミュートされてはならない、というものである。さもなければ、セルiに対するセルjのミューティングの利益が失われる。同様にこの例では、セルj∈S(i)がミュートを行う場合に、セルiは、ミュートを行ってはならない。しかしながら、j∈S(i)はi∈R(j)を暗示するので、前記2つは、同等となる。
この例では、局部的に最適なミューティングとは、セルiがミュートを行う場合、理想的なセルiは、その「局部的隣接セル」に最大正味利益を持たせるものでなければならないことを意味する。一次ミューティング制約により、iがミュートを行うと選択された場合に、S(i)の他のセルで、ミュートを行うものはなく(同じ意味で、i∈R(j)のようなセルjで、ミュートを行わねばならないものはなく);さもなければ、i以外のセルをミュートするのがよい。換言すれば、iは、iがS(i)における全てのセルの最大正味利益を有する場合にミュートを行わねばならない。
ある実施形態において、S(i)(及びR(i))は、干渉物の「第1リング」、即ちセルiにおけるあるUEに対して最も強い干渉物であるセル、と考えられる。別の実施形態では、S(i)及びR(i)は、セルiにおけるあるUEに対して最も強い又は2番目の強い干渉物であるセル、と考えられる。更に、ある実施形態は、二次ミューティング制約も合体し;セルiの観点から、S(i)における複数のセルは、同じリソースにおいてミュートを行ってはならない。さもなければ、セルiは、全てのミューティングから利益を得ることができず、むしろ、セルiは、それらセルのミューティングの1つから利益が得られるだけとなる。ある実施形態では、S(i)は、セルiにおけるあるUEの最も強い干渉物であるセルだけでなく、それらのセルにおけるあるUEの最も強い干渉物であるセルでも構成される。
図13は、一実施形態による方法の規範的フロー図である。この方法は、1300において、RBGをミュートする正味利益をセルにおいて決定することを含む。次いで、1310において、この方法は、各セルにより、RBGごとの正味利益をその隣接セルに送信することを含む。これは、FSSアウェア正味利益メトリックリスト(NBML−FSS)と考えられる。1320において、この方法は、更に、隣接の適当なセルクラスターにおいてどのセルが最大正味利益を有するかに基づき、(セルにおいて)どのRBGをミュートすべきか決定することを含む。この例では、セルは、正味利益が正でない限りミュートを行わない。ある実施形態では、この方法は、1330において、どの隣接セルが各TTIにどのリソースにおいてミューティングを行うかの知識を使用して、TD/FDスケジューリングをセルにおいてTTIで遂行することを含む。或いは又、決定ステップ1300は、各セルのサブセット又は単一のセルについて遂行され、且つ各RGBのサブセット又は単一のRGBについて実行され、そしてステップ1310での送信は、各セルのサブセット又は単一のセルに対して行われる(ステップ1320及び1330に同じことが適用される)。或いは又、ステップ1330は、各TTIのサブセット又は単一のTTIにおいて行われてもよい。
図14は、一実施形態によるシグナリング図の一例を示す。説明上、一般的に、所与のセルiの協調セットS(i)及びR(i)におけるセルをセルiの隣接セルと称する。これは、セルが物理的に隣接している、或いはハンドオフ又は他の手順を実行するためにセル間に隣接関係がある、ということを必ずしも意味していないと理解されたい。この実施形態では、1400において、セル1、セル2及びセル3は、各々、S(1)、S(2)及びS(3)において、隣接セル(‘nbr’と省略)ごとに各RBGに対して、そのセルがそのRBGをミュートした場合の利益を決定し、そしてnbrごとに利益メトリックリスト(BML−FSS)を計算する:(B1、B2、・・・BN)、但し、N=numRBG。1410において、各セルiは、利益メトリックリスト(BML−FSS)をそのS(i)における他の各セルに通信する。次いで、1420において、各セルは、各RBGに対する正味利益をR(i)におけるnbrの利益及びそれ自身のペナルティに基づいて決定する。1430において、各セルは、正味利益メトリックリスト(NBML−FSS)をその協調クラスター内の他の各セルに通信する。1440において、各セルは、各RBGにおいて誰の正味利益が最大であるかに基づき、各RBGにおいて誰がミュートを行うか決定する。この例では、正味利益が正でない限りセルはミュートされてはならない。1450において、各セルは、どのセルが各RBGにおいてミュートされるかの知識でスケジュールを行う。従って、この実施形態では、所与のセルは、どのセルがどのRBGにおいてミュートを行うか決定することができ、単に所与のセルが所与のRBGにおいてミュートを行うかどうか決定するのではない。
別の実施形態は、利益の非GBR計算を含む。この実施形態では、各セルiにおいて、セルiが、セルjがRBGrに対して潜在的にミュートを行うことによるその利益Bi、j(r)を計算するとき、FSSアウェア利益は、Bi、j(r)=ΔPFi、j(r)=PFi、j(r)−PFi(r)として計算され、但し、PFi、j(r)=セルjがRBGrに対してミュートを行った場合にセルiがRBGrに対して達成できるmaxPFであり(協調クラスター内の他のセルがRBGrに対してミュートを行わないと仮定して)、そしてPFi(r)=協調クラスター内のセルがRBGrに対してミュートを行わない場合にセルiがRBGに対して達成できるmaxPFである。重要な特徴は、利益の計算に使用される「maxPF」が、周波数選択性スケジューリング(FSS)についてスケジューラにより使用される同じ判断ルールに基づく、ことである。従って、ミューティング利益の計算は、FSSスケジューラがRBGをUEにどのように割り当てるかに関連している。これは、ミューティング利得及び周波数選択性スケジューリング利得を得る能力を最大にする。セルiは、セルjのミューティングに対して、RBGごとの利益のリスト:(Bi、j(1)、Bi、j(2)、・・・Bi、j(N))を有し、これは、FSS(BML−FSS)に対する利益メトリックリストである。セルiは、このBML−FSSをそのS(i)における各セルjに送信する。
更に、この実施形態によれば、各セルjにおいて、BML−FSSがそのR(j)における各セルiから受け取られ、そして各セルjは、その隣接セルに対する合計利益、即ちΣi≠j Bi、j(r)を計算する。RBGrごとに、セルjは、それ自身のペナルティ:Pj(r)=RBGrに対してセルjが達成できるmaxPF、を計算する(ミューティングがないと仮定して)。次いで、セルjは、その正味メトリックΔBj(r)=Σi≠j Bi、j(r)−Pj(r)を計算し(RBGごとに1つの値)、これは、正味利益メトリックリスト(NBML−FSS)である。
次いで、どのセルがどのRBGをミュートするか決定される。各セルjは、その正味利益メトリック(全RBGに対する)をそのR(j)における全隣接セルに通信する。各セルiにおいて、正味利益がそのS(i)における全てのセルjから受け取られる(全てのRBGに対して)。セルiは、誰が各RBGに対するmaxであるか決定する:M*(r)=arg maxjΔBj(r)。RBGrに対する最大利益が正である場合には、セルM*(r)がそのRBGに対してミュートを行い;さもなければ、そのRBGに対してミュートが行われない。次いで、セルiは、各RBGに対して誰がミュートを行うかを知ってチャンネルアウェアスケジューリング(FSS)を行うように進む。セルi自身がミュートを行う場合には、セルiは、そのRBGに対して誰もスケジューリングしない。
別の実施形態では、RBGr N(j、r)における各セルjの正味利益の計算は、前記実施形態と同様であるが、どのセルがどのRBGに対してミュートを行うかをどのように決定するかについてある程度の相違がある。この別の実施形態では、どのセルが各TTIに対して各RBGに対して「最大正味利益」を有するか直接決定されない。むしろ、この実施形態では、各セルは、ある時間における各RBGに対するその正味利益を計算し、そしてあるRBGに対するその正味利益が、どんなセルが現在そのRBGをミュートするかについての正味利益より大きい場合には、セルがミューティングを請求する(及び他のセルがミューティングを停止する)。
例えば、各セルiにおいて、セルiの利益Bi、j(r)は、任意の非同期エポック(必ずしもデッドライン境界ではない)における任意の隣接セルjに対して計算される。セルiは、セルjがRBGrに対して潜在的にミュートを行うことによるその利益Bi、j(r)を計算し:Bi、j(r)=ΔPFi、j(r)=PFi、j(r)−PF(r)、但し、PFi、j(r)=セルjがRBGrに対してミュートを行った場合にセルiがRBGrに対して達成できるmaxPFであり(他の隣接セルがRBGrに対してミュートを行わないと仮定して)、そしてPFi(r)=隣接セルがRBGrに対してミュートを行わない場合にセルiがRBGrに対して達成できるmaxPFである。セルiは、セルjのミューティングに対して、RBG当りの利益のリスト:(Bi、j(1)、Bi、j(2)、・・・Bi、j(N))を有し、これは、FSS(BML−FSS)に対する利益メトリックリストである。セルiは、このBML−FSSリストをセルj(デッドライン境界ではない)に送信する。
各セルjにおいて、BML−FSSは、種々の時間にセルjのR(j)における各隣接セルから受け取られる(それらが非同期であるために)。ある非同期時間に、セルjは、各セルから受け取られた最小のBML−FSSに基づきそのR(j)のセルに対する合計利益(即ち、Σi≠j Bi、j(r))を計算する。RBGrごとに、セルjは、それ自身のペナルティを計算する:Pj(r)=RBGrに対してセルjが達成できるmaxPF(ミューティングがないと仮定して)。セルjは、次いで、その正味利益メトリックΔBj(r)=Σi≠j Bi、j(r)−Pj(r)を計算し(RBGごとに1つの値)、これは、正味利益メトリックリスト(NBML−FSS)である。
セルjがまだミューティングをしていない各RBGrに対し、セルjは、その正味利益を、そのS(j)内のどんなセルが現在RBGrをミュートしているかの(既に通知された)正味利益と比較する。RBGrに対するセルjの正味利益>RBGrをミューティングしているセルの最後に通知された正味利益、の場合には、セルjは、RBGrを「請求すべきミューティング権」としてマークする。セルjは、次いで、各RBGrについて、セルjがそのRBGに対するミューティング権を請求するかどうか(1ビット)、及びどのセルjがミューティングを行うかについて(新たに請求されたミューティング又は既に存在するミューティング)、そのRBGに対するセルjの新たな正味利益を指示するメッセージをそのS(j)内の全てのセルに送信する。
各セルiにおいて、各TTIに、セルiは、誰が各RBGに対してミュートを行うかを知ってチャンネルアウェアスケジューリング(FSS)を遂行するように進む。セルiそれ自身がミュートを行う場合には、セルiは、そのRBGに対して誰もスケジュールしない。所与のセル(例えば、セル1)により行われる通信及び決定は、他のセル(例えば、セル2及びセル3)による対応する通信及び決定と厳密に同時に行う必要はないことを理解されたい。例えば、セル1は、セル2及びセル3がそれらの情報をセル1にいつ通信するかについて何ら制約を伴わずに、セル2及びセル3から受け取った最新の情報を使用して、それらのアクションを行う。
図15は、一実施形態によるシグナリング図の一例である。この例では、1500において、セル2がRBGに対するミューティング及び正味利益をセル1及び3に通知する。1510において、セル2は、あるRBGに対してミュートすることを最初に仮定する。1520において、各RBG及びそのS(2)内の各nbrに対し、セル2は、そのセルがそのRBGをミュートした場合の利益を決定し、そして各nbr iに対する利益メトリックリスト(BML−FSS):(B21(1)、B21(2)、・・・B21(N))を形成する。但し、N=numRBGである。次いで、1540において、セル2は、そのBML−FSSをセル1に報告する。同様に、1530において、各RBG及びそのS(3)内の各nbrに対し、セル3は、そのセルがそのRBGをミュートした場合の利益を決定し、そして各nbr iに対する利益メトリックリスト(BML−FSS):(B31(1)、B31(2)、・・・B31(N))を形成する。但し、N=numRBGである。1545において、セル3は、そのBML−FSSをセル1に報告する。
図15の例を続けると、1550において、セル1は、そのR(1)内のセルの利益に基づく各RBGに対する正味利益、及びそれ自身のペナルティを決定する。次いで、1560において、セル1がミュートしていない各RBGに対し、正味利益が、そのRBGを現在ミュートしているセルの正味利益より大きいかどうか(及び正味利益が正であるかどうか)決定する。1570において、セル1は、RBGに対するミューティング及び正味利益をセル2及び3に通知する。セル1、2及び3の各々は、次いで、1580において、誰が各RBGに対してミュートするかを知ってスケジュールを行う。
更に別の実施形態によれば、RBGr N(j、r)に対する各セルjの正味利益の計算は、前記実施形態と同様であるが、どのセルがどのRBGに対してミュートするかをどのように決定するかについてある程度の相違がある。この実施形態では、各セルjは、スレッシュホールドD(j)(又はD(j、r)を有する。RBG N(j、r)に対する正味利益がスレッシュホールドD(j、r)より大きい場合には、セルは、RBGrに対してミュートすることができる。スレッシュホールドD(j、r)は、構成された演算子又は動的に発見された演算子である。動的な発見の1つの形態は、次のものを含む。各セルは、現在D(j、r)を有し、そしてセルは、その正味利益がD(j、r)より大きいことが分かると、RBGrをミュートし、その正味利益を通知するメッセージを他のセルに送信する。他のセルは、そのセルの正味利益を、それらがミュートを希望する場合に越えねばならないD(j、r)として処理する。従って、スレッシュホールドは、どちらのセルが現在ミュートしているかに動的に結び付けられる。従って、この実施形態は、セルが、その局部的隣接部のセルの間で必ずしも最大ネット利益を有していなくても、ミュートを行うことを許す(正味利益がスレッシュホールドより大きい限り)。
上述した実施形態の少なくとも幾つかは、情報の「全交換」を行わねばならないことを暗示している。しかしながら、ある実施形態は、そのように限定されず、ここに述べる方法は、部分的な情報でも機能することができる。例えば、利益メトリックリスト(BML−FSS)が所与の隣接セルに送信されるとき、全てのRBGrを含ませる必要はなく、利益計算が更新されたものだけ送信すればよい。セルjは、その正味利益を決定するときに、そのR(j)セット内の全てのセルから全BML−FSSを得る必要はない。例えば、セルのあるサブセットのみからの受信情報を有する場合には、それらのセルからの更新情報及び他のセルからの最後に知られた情報を使用することができる。情報が著しく古いと、古臭いものとして破棄することができる。同様に、正味利益の決定及びミューティング判断は、全てのRBGにおいて一度に実行する必要はなく、一度に幾つかのRBGに対して実行され、計算負荷を分散させる。
以上に鑑み、前記実施形態は、スケジューラが周波数選択性スケジューリング利得をどのように最大にするかと同期してミューティング判断を選択することによりミューティングの潜在的利益を最大にすることができる。換言すれば、幾つかの実施形態によれば、ミューティング利益の計算は、FSSスケジューラがRBGをUEにどのように割り当てるかに関連され、ミューティング及び周波数選択性利得の両方に投資することを許す。
上述した実施形態の幾つかにおいて、共同最適化が遂行されるところのセルのセット(クラスター、協調クラスター又は協働エリアとして様々に知られている)は、所定のセット{セル1、セル2、・・・セルN}である。これは、この分野での共通の仮定である。ネットワーク内のセルの全セットは、セット{セル1、セル2、・・・セルN}のようなクラスターに区分化されると考えられる。所与のセルは、せいぜい1つのセルクラスターの一部分であり、2つのクラスターが重畳することはない。そのようなクラスターの定義は、非重畳クラスターと称される。
所与のセルkに対するそのようなクラスター定義では、ミューティング仮説の選択の共同最適化は、クラスター内の他のセルがミュートされるときに各セルの利益(又はペナルティ)を考慮して行われる。即ち、セルkが、セルkと同じクラスターの部分でない強力な干渉物を有する場合には、それらの干渉物をミュートすることから考えられる利益は、最適なミューティング判断を決定するときに考慮されない。実際に、セルkの観点から、クラスターの外側の強力な干渉物がミュートされるときのUEのチャンネル状態情報レポート(CSI)は、ミューティング判断の利益又は最適化を決定するために利用することができない。ここで、CSIは、典型的に、セルに対してUEがどんな現在無線チャンネル品質を経験するかセルに通知するためにUEにより送信されるレポートである。UEにより報告されるCSIは、他の幾つかのセルに対してUEが経験する無線チャンネル品質に関する情報も含む。従って、クラスターをセルの非重畳セットとして定義する従来の方法の主たる欠点は、多数のセルに対して、共同最適化を行うときにそれら強力な干渉物が全て考慮されるのではないことである。
これは、図16に示されており、ネットワークにおけるセルのセットは、3つの隣接する3セクターサイトで構成された9個のセルの非重畳クラスターに区分化される。1つのそのようなクラスターが図16に示されている。図16の例から明らかなように、クラスターの「境界」セルは、同じクラスターの一部分である強力な干渉物のサブセットのみとのミューティング最適化に関与する。しかし、それは、著しい数の強力な干渉物を除外する。
セルの非重畳クラスターではなく、クラスターを定義するより柔軟な方法は、所与のセルの観点から協働セルのセットを考慮することであり、即ち、所与のセルが協調すべきセルのセットを考慮することである。従って、セルのクラスターを所与の各セルと関連付けることができる。
図17は、この概念を示すものである。図17には、種々のセルが示されている。実線で接続されて示されたセルは、互いに協調するが、接続されて示されていないセルは、協調しない。実線の円で示された領域は、セル1が協調するセルのセット(即ち、セル1に関連したクラスター)を含むが、破線の円で示された領域は、セル2が協調するセルのセット(即ち、セル2に関連したクラスター)を含む。セル1があるアクションを行うべきかどうか決定すべきときには、セル1に関連したクラスター内のセル間に協調が生じる。協調の目的として、セル1は、セル1に関連したクラスターのセルとメッセージを交換する。対応的に、セル2があるアクションを行うべきかどうか決定すべきときには、セル2に関連したクラスター内のセル間に協調が生じ、セル2は、セル2に関連したクラスターのセルとメッセージを交換する。図DEFにおいて、セル2は、セル2は、セル1に関連したクラスターの一部分であり、一方、セル1は、セル2に関連したクラスターの一部分である。しかしながら、セル1に関連したクラスターには、セル2に関連したクラスターの部分ではない1つ以上のセル、例えば、セル3がある。同様に、セル2に関連したクラスターには、セル1に関連したクラスターの部分ではない1つ以上のセル、例えば、セル8がある。先に述べたように、「セル」という語は、ベースステーション、eNodeB(eNB)、送信器又はネットワーク要素のような種々の語と交換可能に使用される。
(前記セル1又はセル2により)行われるアクションは、リソースの所与のセットに関連している。セル間で交換される協調メッセージも、リソースの所与のセットに関連している。セル1に関連したクラスターは、リソースの所与のセットに関連したアクションを協調させる目的のものであり、従って、セル2に関連したクラスターもそうである。従って、1つ以上のセルによりアクションが行われるリソースの所与のセットにおいて、セルに関連したクラスターは、上述した特徴を有する。換言すれば、リソースの所与のセットに関連する1つ以上のセルによるアクションの協調を考慮した場合に、リソースの所与のセットに関連するアクションを行うために協調させるセルのクラスターは、非重畳ではない。
図17に示す特徴をもつクラスター構成は、リキッドクラスターと称される。あるアクションを行うための協調の目的でリキッドクラスターに関連したセル又は他のネットワーク要素に対して次の特徴を示すことができる。そのようなネットワーク要素は、ネットワーク要素によりアクションを行うことに関連してネットワーク要素の第1セットから協調メッセージを受け取るように構成される。ネットワーク要素によるアクションは、リソースの第1セットに関するものである。ネットワーク要素の第1セットは、第2のネットワーク要素を含む。第2のネットワーク要素は、第2のネットワーク要素によりアクションを行うことに関連してネットワーク要素の第2セットから協調メッセージを受け取るように構成される。第2のネットワーク要素によるアクションも、リソースの第1セットに関するものである。ネットワーク要素の第2セットは、ネットワーク要素を含む。更に、次のうちの少なくとも1つは、真である。即ち、ネットワーク要素の第1セットは、ネットワーク要素の第2セットに含まれない少なくとも1つのネットワーク要素を含むか、又はネットワーク要素の第2セットは、ネットワーク要素の第1セットに含まれない少なくとも1つのネットワーク要素を含む。
これらの特徴により、いずれか1つのセル又はネットワーク要素に関連したリキッドクラスターは、一般的に、別のセル又はネットワーク要素に関連したリキッドクラスターとは異なり、そして2つのセルのリキッドクラスターは、重畳する。セルは、複数の他のセルに関連したリキッドクラスターの一部分である。上述したネットワーク要素によるアクションは、送信をミュートすること、オン期間を変更すること、送信電力を減少すること、送信をビームフォーミングすること、送信モード又はある送信のランクを制約すること、等、の1つを含む。アクションは、更に、クラスターのセルの中からユーザ装置に対する適当な送信点の決定、又は1つ以上のユーザ装置に対するキャリアアグリゲーション、又は負荷バランス、或いはエンハンストセル間干渉協調に使用されるほぼブランクのサブフレームパターンのような干渉協調パターンの適応、等の1つを含む。ネットワーク要素によって受け取られる協調メッセージは、ここに述べる種々の実施形態におけるメッセージ、又は前記アクションの1つに対する協調に関する他のメッセージ、のいずれか1つである。更に、複数のリキッドクラスターが所与のネットワーク要素に関連している。例えば、所与のネットワーク要素が、その所与のネットワーク要素に関連した第1のリキッドクラスター内のセルから第1の協調メッセージを受信する一方、所与のネットワーク要素が、そのネットワーク要素に関連した第2のリキッドクラスター内のセルから第2の協調メッセージを受信するようなアクションの協調も意図される。又、前記リキッドクラスターに関連したネットワーク要素は、協調メッセージを受信するのではなく(又はそれに加えて)、協調メッセージを送信することにも注意されたい。又、協調メッセージを送信する目的で所与のセルに関連したリキッドクラスターであって、協調メッセージを受信する目的で所与のセルに関連したリキッドクラスターとは異なるリキッドクラスターも意図される。更に、協調シーケンスの異なるステップにおいて、セルは、セルに関連した異なるリキッドクラスターと相互作用することがある。更に、単一のセルではなくセルのグループに関連し、前記と実質的に同様の特徴をもつリキッドクラスターも意図される。従って、例えば、一対のネットワーク要素に関連したリキッドクラスターが意図される。そのようなクラスター構成では、一対のネットワーク要素における一方又は両方のネットワーク要素は、一対のネットワーク要素の一方又は両方によりアクションを行うことに関してネットワーク要素の第1セットから協調メッセージを受信するように構成される。一対のネットワーク要素の一方又は両方によるアクションは、リソースの第1セットに関するものである。ネットワーク要素の第1セットは、第2対のネットワーク要素の1つである第2のネットワーク要素を含む。この第2のネットワーク要素は、第2対のネットワーク要素の一方又は両方によりアクションを行うことに関してネットワーク要素の第2セットから協調メッセージを受信するように構成される。第2対のネットワーク要素の一方又は両方によるアクションも、リソースの第1セットに関するものである。ネットワーク要素の第2セットは、一対のネットワーク要素の一方又は両方を含む。更に、次のうちの少なくとも1つは真である。即ち、ネットワーク要素の第1セットは、ネットワーク要素の第2セットに含まれない少なくとも1つのネットワーク要素を含むか、又はネットワーク要素の第2セットは、ネットワーク要素の第1セットに含まれない少なくとも1つのネットワーク要素を含む。
例えば、所与のセルについて、その所与のセルに関連したリキッドクラスターは、その所与のセル内のあるUEの強力な干渉物である全ての隣接セルのセットを含む。強力な干渉物は、最も強力な干渉物、又はある適当なN値について最上位N個の干渉物の1つ、等として識別される。又、所与のセルに関連したリキッドクラスターは、同じ送信周波数又は異なる送信周波数において所与のセルとのカバレージが重畳する隣接セルも含む(例えば、異種ネットワーク展開のケースでは、ピコセル又はマクロセルを含む)。
図18は、ある実施形態によるリキッドクラスターの一例を示す。正六角形格子のセルでは、所与のセルの強力な干渉物は、典型的に、所与のセルを取り巻く6個のセルである。図18の例では、セル1800のリキッドクラスターは、円1801内のセルのセット(即ち、六角形セルグリッドにおけるセル1800及びそれを取り巻く6つの隣接セル)として定義され、これは、セル1805を含む。このリキッドクラスター構成は、ここでは、7セルリキッドクラスターと称される。対応的に、セル1805のリキッドクラスターは、円1810内のセルのセット(即ち、セル1805を取り巻く6つの隣接セル)として定義され、これは、セル1800を含む。従って、各セルは、共同最適化の目的でそれが協調させるところのセルのそれ自身のリキッドクラスターを有する。あるセルのリキッドクラスターは、別のセルのリキッドクラスターと重畳し、そして所与のセルは、複数の他のセルのリキッドクラスターの一部分である。
リキッドクラスターの使用は、非重畳クラスターのケースのように干渉物のサブセットだけではなく、強力な干渉物のいずれかをミュートすることによってセルに対する利益を合体することでミューティング判断を最適化する能力により著しい利益をもたらす。
図19は、リキッドクラスターに関連したセルがミューティング仮説決定の目的で協調を行う実施形態を示す。セル2及び3は、セル1に関連したリキッドクラスターにあり、そしてその各々は、セル1のリキッドクラスターにないセルを含むそれ自身の関連リキッドクラスターを有する。1900において、セル1は、各潜在的なミューティング仮説に対する利益メトリックを決定する。ここで、セル1により考慮される当該潜在的ミューティング仮説は、セル1に関連したリキッドクラスター内の他のセルによるミューティングに対応する。セル1による利益メトリックの決定は、ここに述べるいずれかの実施形態により行われる。1910において、セル1は、特定のセルがミュートを行うという仮説のもとにある場合にそのリキッドクラスター内の各セルにその利益メトリックを通信する。1920において、セル1は、他のセルから受け取られる利益メトリックに基づいてその正味利益を決定すると共に、ミューティングのためにセル1により被るペナルティを決定する。1930において、セル1は、そのリキッドクラスター内の他のセルにその正味利益を通信する。1940において、セル1は、例えば、リキッドクラスター内のセルの中で最大正味利益を有するかどうか決定することにより、それ自身の正味利益、及びそのリキッドクラスター内の他のセルの正味利益に基づき、ミュートを行うかどうか決定する。或いは又、セル1は、単に、それ自身の正味利益が充分に高いかどうか、又はそれ自身の正味利益が正であるかどうかに基づいて、ミュートを行うかどうか決定する。1950において、セル1は、そのミューティングの決定をそのリキッドクラスター内の他のセルに通信する。1960において、セル1は、そのリキッドクラスター内の他のどのセルがミューティングを行うかの知識に基づいてそのユーザ間にリソースを割り当てる。セル1により行われるステップと共に、セル2及び3のような他のセルでも同様のステップが行われる。例えば、1900でのセル1のアクションと同様に、セル2及びセル3も、各潜在的ミューティング仮説に対してそれらの利益メトリックを決定し、ここで、所与のセルにより考慮される潜在的仮説は、そのセルに関連したリキッドクラスター内のセルによるミューティングに対応する。1910でのセル1のアクションと同様に、セル2及びセル3も、それらの利益メトリックをそれらの各リキッドクラスター内の他の各セルに通信し、ここで、再び、所与のセルに送られる利益メトリックが、その所与のセルがミュートされる仮説、等に対して計算される。それらのステップは、セル1及び他のセルにより周波数選択的な仕方で実行されることを理解されたい。例えば、利益及びペナルティメトリックを周波数選択的な仕方で計算することにより、典型的に、UEから受け取られた周波数選択的チャンネル状態情報を使用して、周波数サブ帯域ごとに個別の利益及びペナルティメトリックが決定される。典型的に、このケースでは、セル1によるミューティングの決定は、周波数サブ帯域ごとに別々に行われる。
図20は、一実施形態による装置10の一例を示す。ある実施形態では、装置10は、ネットワーク要素である。例えば、装置10は、非集中型又は集中型ネットワーク要素である。更に、当業者であれば、装置10は、図20に示されていないコンポーネント又は特徴を含むことが理解されよう。図20には、本発明の説明上必要なコンポーネント又は特徴しか示されていない。
図20に示すように、装置10は、情報を処理し及びインストラクション又はオペレーションを実行するためのプロセッサ22を備えている。プロセッサ22は、任意の形式の汎用又は特殊目的プロセッサでよい。図20には、単一のプロセッサ22が示されているが、他の実施形態では、複数のプロセッサが使用される。実際に、プロセッサ22は、例えば、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャーをベースとするプロセッサ、の1つ以上を含む。
装置10は、更に、プロセッサ22によって実行される情報及びインストラクションを記憶するためにプロセッサ22に結合されるメモリ14も備えている。メモリ14は、ローカルアプリケーション環境に適した形式の1つ以上のメモリであり、半導体ベースのメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学的メモリ装置及びシステム、固定メモリ、並びに除去可能なメモリのような適当な揮発性又は不揮発性データストレージ技術を使用して実施される。例えば、メモリ14は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、磁気又は光学的ディスクのようなスタティックストレージ、又は他の形式の非一時的マシン又はコンピュータ読み取り可能な媒体の組み合わせで構成される。メモリ14に記憶されるインストラクションは、プロセッサ22により実行されたときに、装置10がここに述べるタスクを実行できるようにするプログラムインストラクション又はコンピュータプログラムコードを含む。
又、装置10は、信号及び/又はデータを装置10から送信し及び受信するために1つ以上のアンテナ25も備えている。更に、装置10は、情報を送信及び受信するように構成されたトランシーバ28も備えている。例えば、トランシーバ28は、アンテナ25により送信するためにキャリア波形に情報を変調し、及びアンテナ25を経て受信した情報を、装置10の他の要素による更なる処理のために復調する、ように構成される。他の実施形態では、トランシーバ28は、信号又はデータを直接的に送信及び受信することができる。
プロセッサ22は、装置10のオペレーションに関連した機能を遂行し、これは、アンテナ利得/位相パラメータをプリコードし、通信メッセージを形成する個々のビットをエンコード及びデコードし、情報をフォーマットすることを含むが、これに限定されず、そして装置10の全体的制御は、通信リソースの管理に関連したプロセスを含む。
一実施形態では、メモリ14は、プロセッサ22により実行されたときに機能を発揮するソフトウェアモジュールを記憶する。それらモジュールは、例えば、装置10のためのオペレーティングシステム機能を発揮するオペレーティングシステムを含む。又、メモリは、装置10のための付加的な機能を発揮するアプリケーション又はプログラムのような1つ以上の機能的モジュールも記憶する。装置10のコンポーネントは、ハードウェアで実施されるか又はハードウェア及びソフトウェアの適当な組み合わせとして実施される。
ある実施形態では、装置10は、ベースステーション又はアクセスポイントのような非集中型又は集中型ネットワーク要素である。ある実施形態では、装置10は、ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき及び/又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うときにネットワーク要素のセルに対して計算されたインパクト情報を送信し、及び/又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うための要求を送信するように、メモリ14及びプロセッサ22によって制御される。そのアクションは、送信をミュートすること、オン期間を変更すること、送信電力を変更すること、送信をビームフォーミングすること、及び/又は送信モード又は送信のランクを変更することを含む。インパクトは、利益/ペナルティ情報を含む。利益/ペナルティ情報は、アクションのためのリソースの量、アクションのための特定周波数リソースの指示、アクションのための特定周波数サブ帯域リソースの指示、アクションのための特定時間の指示、及び/又はアクションのための期間の指示を含む。ある実施形態では、利益/ペナルティ情報は、特定ユーザ装置に基づいて計算される。ある実施形態によれば、装置10は、計算されたインパクト情報に基づいて正味利益を計算しそして正味利益を第2のネットワーク要素に送信するようにメモリ14及びプロセッサ22により制御される。
別の実施形態では、装置10は、第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき及び/又はネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うときに第2のネットワーク要素のセルに対するインパクト情報を受信し、ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うために第2のネットワーク要素から要求を受信し、及び/又はネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うために中央ネットワーク要素からコマンドを受信するように、メモリ14及びプロセッサ22によって制御されるネットワーク要素である。装置10は、更に、少なくとも受信したインパクト情報、コマンド又は要求の1つに基づいてネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うように、メモリ14及びプロセッサ22によって制御される。
この実施形態によれば、装置10は、アクションを行うために利益/ペナルティを計算し、受信したインパクト情報及び計算された利益/ペナルティ情報に基づいて正味利益を計算し、及び/又は計算された正味利益に基づいてアクションを行うべきかどうか決定するように、メモリ14及びプロセッサ22によって制御されるネットワーク要素である。装置10は、アクションが行われる特定のリソースを決定することによりアクションを行うべきかどうか決定するようにメモリ14及びプロセッサ22により制御される。更に、一実施形態において、アクションを行うべきかどうかの決定は、更に、少なくとも1つの他のネットワーク要素から正味利益情報を受信し、そして計算された正味利益と、少なくとも1つの他のネットワーク要素から受信された正味利益情報との比較に基づいてアクションを行うことを決定する、ことを含む。更に、装置10は、アクションを行う決定の通知を少なくとも1つの他のネットワーク要素に通信するようにメモリ14及びプロセッサ22によって制御される。
別の実施形態では、装置10は、コアネットワーク要素のような集中型のネットワーク要素である。この実施形態によれば、装置10は、第1のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うか又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うときに第1のネットワーク要素のためのセルに対するインパクト情報を第1のネットワーク要素から受信し、及び/又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うための要求を受信するように、メモリ14及びプロセッサ22により制御される。装置10は、更に、受信したインパクト情報及び/又は要求に基づき第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うためのコマンドを送信するようにメモリ14及びプロセッサ22により制御される。インパクト情報は、利益情報、ペナルティ情報、又は正味利益情報の少なくとも1つを含む。
別の実施形態は、ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき及び/又は第2ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うときネットワーク要素のセルに対して計算されたインパクト情報を送信し、及び/又は第2ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行う要求を送信するための送信手段50を備えたネットワーク要素である装置40に向けられる。アクションは、送信をミュートすること、オン期間を変更すること、送信電力を変更すること、及び/又は送信をビームフォーミングすること、を含む。インパクトは、利益/ペナルティ情報を含む。利益/ペナルティ情報は、アクションのためのリソースの量、アクションのための特定周波数リソースの指示、アクションのための特定周波数サブ帯域リソースの指示、アクションのための特定時間の指示、及び/又はアクションのための期間の指示を含む。ある実施形態では、利益/ペナルティ情報は、特定ユーザ装置に基づいて計算される。ある実施形態によれば、装置40は、計算されたインパクト情報に基づいて正味利益を計算するための計算手段51も備え、そして送信手段50は、正味利益を第2のネットワーク要素に送信する。
別の実施形態では、装置40は、第2ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき及び/又はネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき第2ネットワーク要素のセルに対するインパクト情報を受信し、ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うため第2ネットワーク要素から要求を受信し、及び/又はネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うために中央ネットワーク要素からコマンドを受信する受信手段52を備えたネットワーク要素である。装置40は、更に、少なくとも受信したインパクト情報、コマンド、又は要求の少なくとも1つに基づき、ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うためのアクション実行手段53も備えている。
この実施形態によれば、計算手段51は、アクションを行うためのペナルティ/利益を計算し、受信したインパクト情報及び計算したペナルティ/利益情報に基づいて正味利益を計算し、及び/又は計算した正味利益に基づいてアクションを行うべきかどうか決定する。又、装置40は、アクションが行われる特定のリソースを決定することによりアクションを行うべきかどうか決定するための決定手段54も備えている。更に、一実施形態において、アクションを行うべきかどうか決定する決定手段54は、更に、少なくとも1つの他のネットワーク要素から正味利益情報を受信し、そして計算した正味利益と、少なくとも1つの他のネットワーク要素から受信した正味利益情報との比較に基づいてアクションを行うべきかどうか決定する。一実施形態において、送信手段50は、アクションを行う決定の通知を少なくとも1つの他のネットワーク要素に通信する。
別の実施形態では、装置40は、例えば、コアネットワーク要素のような集中型ネットワーク要素である。この実施形態によれば、受信手段52は、第1のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うとき第1のネットワーク要素のセルに対するインパクト情報を第1のネットワーク要素から受信し、及び/又は第2のネットワーク要素のセルに関連したアクションを行う要求を受信する。送信手段50は、次いで、例えば、第2ネットワーク要素のセルに関連したアクションを行うコマンドを、その受信したインパクト情報及び/又は要求に基づいて送信する。インパクト情報は、利益情報、ペナルティ情報、又は正味利益情報の少なくとも1つを含む。
種々の実施形態において、利益/ペナルティ情報及び/又は正味利益情報は、サービス品質特性の指示を含み、及び/又はビームフォーミング係数の指示又はビームフォーミング重み又はビームフォーミング方向指示、等を含む。
ある実施形態では、ここに開示するいずれの方法の機能も、メモリ又は他のコンピュータ読み取り可能な媒体又は有形媒体に記憶されそしてプロセッサにより実行されるソフトウェア及び/又はコンピュータプログラムコードにより実施される。他の実施形態では、機能は、ハードウェアにより実行され、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はハードウェア及びソフトウェアの他の組み合わせを通して実行される。
当業者であれば、上述した本発明は、異なる順序のステップで、及び/又は前記とは異なる構成のハードウェア要素で、実施できることが容易に理解されよう。それ故、本発明は、好ましい実施形態に基づいて説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲内で多数の修正、変更及び別の構造が明らかとなろう。それ故、本発明の範囲及び境界を決定するためには、特許請求の範囲を参照されたい。