本特許出願は2013年9月17日に出願された米国特許出願第61/883,701号「スキンの層を越える分子のデリバリ(DELIVERY,配達、以下同じ)のための装置及び方法」の優先権とその利益を主張する。ここにその全体の参照によって本出願に組み込まれている。
経皮からのデリバリは局所化され、非侵襲的であり、及び、持続性があってドラッグ及びその他の分子のリリース(release,投与)がコントロールされる可能性を有している。加えて、経皮ドラッグデリバリは、初回通過代謝を避け、ドラッグが循環系システムに到達する前のドラッグの濃縮を減少させている。加えて、経皮吸収は、消化管炎症のリスクを最小化し、苦痛及びその他非経口投与に纏わる不平を最小化する。
経皮デリバリは、しかし、分子がスキンをパススルーすることを要求する。図1は、スキン100の複層を描いている。スキン100の外層は角質層(以下で「SC」と表す)102である。SC102は、死んだ扁平のケラチンに富んだ細胞であり、通称、角質細胞と呼ばれている。これらの密度の高いセルは、細胞間脂質の複雑な混合物−すなわち、セラミド、遊離脂肪酸、コレステロール及びコレステロール硫酸に囲まれている。分子がSCを渡る主な拡散パスは細胞間と思われる。残りのスキン層は、表皮(生存可能な表皮)104、真皮106及び皮下組織108である。
スキン100にはバリア性があり、すなわち高い親油性のSC102があって分子がスキンに貫通するのを妨げているから、経皮からは僅か少量のコンパウンドがデリバリ可能であるに止まる。その結果、ダルトン分子量(以下で、MWと記す)500以下に制限されている。典型的な皮膚科セラピー、経皮全身セラピー又はワクチンを目的とするときには、しばしば、医薬用途のイノベーティブなコンパウンドの開発はMW500ダルトン以下に制限されている。加えて、皮膚を渡るドラッグの輸送はほとんど、非常に遅く、定常状態の流れに至るまでにラグ時間が、何時間もかかる。治療効果があがる効果的なドラッグレベルは、したがって、皮膚への浸透を人工的にエンハンスするのが難しい。
スキンバリア機能を可逆的に折り合いをつける試みの際に、幾多の化学的、物理的にエンハンスするテクニックが開発されてきた。これらの試みは、パッシブ及びアクティブのメソッドに分類されてよい。
経皮ドラッグデリバリのパッシブメソッドは、軟膏、クリーム、ジェル及びパッシブパッチテクノロジーのようなキャリヤの使用を含む。加えて、他のパッシブメソッドとして、バリアに人工的なダメージを与え、例えば、約100−200ミクロンの深さを有する小孔を形成するマイクロニードルのようにアクティブな実体によってスキンへの浸透可能とするメソッドがある。これらのメソッドを使用して、デリバー可能とされる物質の量は、限られている、というのは、スキンのバリア性は基本的には変わってはいないからである。
経皮ドラッグデリバリシステムをエンハンスするアクティブなメソッドには、外部エネルギーの使用を含み、運転力を作用し及び/又はSCバリア抵抗を減少させる使用を含み、スキンへのドラッグ分子の浸透をエンハンスするメソッドがある。イオン注入及びエレクトロポレーション(Electroporation、以下同じ)の二つは、アクティブ経皮ドラッグデリバリメソッドに慣用されるメソッドである。
イオン注入は、電流の適用によってドラッグを電荷チャージしスキンへの浸透を増加するプロセスである。デリバーされるコンパウンドの量は、チャージされたパスに直接比例する;i.e 適用電流、電流適用継続時間及びアクティブ電極コンパートメントに接触するスキンの表面域に依存する。イオン注入の利点は、向上された開始時間及びより終了時間−それは、一旦、電流がスイッチオフされたら、コンパウンドのさらなる輸送は発生しないところにある。
イオン注入を使用してドラッグをデリバリすると、ドラッグと同じチャージの電極下でドラッグが適用され、リターン電極は反対にチャージされて体表面に配される。患者の痛みのレベル以下の電流が適切な時間課される。チャージは互いに反発するから、電流は、ドラッグお表面組織への浸透を増加し、SCの構造を変えることはない。イオン注入は、ドラッグを主にスキン内の現存する通路、毛包や汗腺を通じて輸送する。イオン注入は、典型的には、長時間にわたりローレベルのデリバリが望まれるときに、典型的には使用される。イオン注入は、比較的低い経皮電圧(<100V)を使用する。
イオン注入を通ずるドラッグの経皮吸収は、ドラッグの濃度、ドラッグの極性、ドナー溶液のPH、イオン競合、イオン強度、電極の極性等に影響される。イオン注入は、スキン上の電極の使用によって安全上の問題が生じ、患者に不快な思いをさせたり、筋肉の収縮、苦痛及び時としてスキンにダメージを負わせやけどすらさせるという結果にもなる可能性もある。
エレクトロポレーションは、経皮ドラッグデリバリのためのメソッドであって、スキンに高電圧パルスの作用から成る。負荷される高電圧には、二つの役割がある。一つには、ドラッグの浸透をエンハンスする通路を作り、二つには、チャージされた分子が新たに作られたパスを通るようにドライブする電気力を供給する。エレクトロポレーションは、通常、単ラメラのリン脂質二重細胞膜に使用される。しかし、スキンのエレクトロポレーションは、SCが複層ラメラ、リン脂質の脂質二分子膜、生体細胞でなくとも、使用可能であることが実証された。
スキンのエレクトロポレーションは高い経皮電圧(〜100V又はそれ以上、通常は >100V)を要求する。経皮エレクトロポレーションでは、所定のスキンへの電流パルスの負荷による電圧降下がSCに渡って生成する。この電圧分布はSCへ電気ブレークダウン(エレクトロポレーション)を起こさせる。もしも、負荷パルスの電圧が約75から100Vの電圧しきい値を超えれば、マイクロチャネル又は”ローカル輸送領域”がSCのブレークダウン箇所に生成される。
DNA導入は、エレクトロポレーションのもっとも慣用される使用法である。独立した細胞のエレクトロポレーションは、以下の用途に使用されてきた(1)酵母、抗体及び他の細胞内の分析評価のためのバイオケミカル試薬の導入;(2)多数の小細胞の存在の中から1サイズの細胞の選択的なバイオケミカル負荷;(3)ウィルス及び他の粒子の導入;(4)無毒条件下での細胞キリング(killing);及び(5)マクロ分子膜の細胞膜への挿入。
電極のスキン/組織への接触の現出とこのようなスキン/組織へ電流のデリバリは患者に不快、筋肉の収縮、苦痛及び時としてスキンへの損傷と火傷をもたらす。加えて、エレクトロポレーションはしばしば数時間を要し、例えば6−24時間を要し、ドラッグ又は他の分子の経皮処方量を増加させる。
US特許No.8,455,228「帯電スチームを使用し直接デリバリ及びエレクトロポレーションを促進する方法」は、次のように記述する、「本発明に係る方法及び装置は電場を使用してターゲット分子の電気化学的ポテンシャルを調整するのに有効であり、そこでは、分散輸送メカニズムによりターゲット分子の組織の中へ及び/又は越えての分子輸送を提供する」。‘228発明は、ベッセル内及び複数のアプリケータに収納され十分なチャージを保持する誘電特性を備える第一の実施形態を開示している。’228発明には、いくつかの欠陥がある。第一に、それは、分極又はチャージされる可能性のある分子を要求し、第二に、それは、エレクトロポレーションアプリケータを要求し。第三に、プロセス中に分子がプラズマに接触し、分子構成を変性し反対の結果を生む。
‘228発明は、インナーチャンバーのまわりの接地リングとプラズマジェットを利用する第二の実施形態を開示する。この開示は、インナーチャンバー内の液体中に浮遊される細胞を含む装置に関係し、細胞内への取り込みを促進し;又は、皮内にプラスミド(plasmid)を注射し、注射した部位をプラズマに晒すというものである。
US特許公開公報No.2014/0188071は、物質をスキンに適用しその同じ領域にプラズマを適用する方法を開示する。‘071公報は、ドラッグ、水等を保持するオープンセルフォームを開示し、当該オープンセルフォームを通してプラズマ処理をする。オープンセルフォームを通してプラズマ処理し、ドラッグをプラズマと接触することは、ドラッグの分子構造を変更し、望ましくない副作用を発生させ、及び/又はドラッグを非有効化する原因となる。
US特許公開公報No.2012/0288934は、プラズマジェット及びアクティブな実体がプラズのガス流と共にスキンに適用されプラズマによって開口されたバリア入口を通り活細胞の領域へと輸送される発明を開示する。プラズマジェットのガス流で活実体を処理して、活実体の分子構造を変え、望ましくない副作用、及び/又は、活実体を非有効化する。
図2は、経皮デリバリシステム200の一実施形態を描く実施例であり、スキン220に孔を開けスキン220内の、開孔を通じ、分子をデリバリし又は移動する。一実施形態に係る経皮デリバリシステム200は、高電圧チューブ形電極202及びホウケイ酸ガラス管204を含む非プラズマジェネレータ201を含む。プラズマジェネレータ201は、浮き電極誘電体バリア放電(DBD)プラズマ”ジェット”206を生成するプラズマジェネレータである。
プラズマジェネレータ201は、ガス供給215を含む。実施例のガスとして、プラズマジェットを供給するのに使用されるものには、He, He + O2, N2, He + N2, Ar, Ar + O2, Ar + N2,の類が含まれる。ガスは液体溶液から気化で発生するものも使用可能である。気化された液体は、水、エタノール、有機溶剤及びその類が含まれてよい。これらの気化された液体は、添加剤が配合されてもよい。気化された液体と添加剤は、ガスと共に使用され、多様な濃度で使用可能であり、あるいは、ガスを使用しなくてもよい。プラズマジェネレータ201はパワーサプライ(図示しない)を含む。パワーサプライは高電圧源であり、多数の異なる波形をとり、例えば、コンスタント電圧、立ち上がり、立下り、パルス、ナノ秒パルス、マイクロ秒パルス、矩形、正弦波、ランダム波、同相、異相あるいはその類である。いくつかの実施形態では、パワーサプライはマイクロ秒パルスパワーサプライであった。プラズマ206は、交番極性パルス電圧の負荷により生成された。電圧は、運転周波数50Hzから3.5kHzのとき、パルス幅(width、以下同じ)約1−10μの間であり、立ち上がり時間5V/ns,電圧密度0.1−10W/cm2で、振幅約〜20kV(ピーク−to−ピーク)であった。運転中、プラズマジェット206は、スキン220とは非接触にある。
プラズマは電場がスキンに到達可能とし、電荷を蓄積して電圧ポテンシャルをスキンにわたり高め、細胞内穿孔、細胞外穿孔をもたらす。ここで開示される実施形態システムでは、プラズマジェット206作動ガスはヘリウムの流量レート3slm(standard liters per minute、リットル/毎分)であった;動作周波数は、パルス幅1μs及びデューティサイクル100%の下で3500HZであった。ジェットノズルとスキンの空隙は5mmに保たれた。ヘリウムガスの使用はプラズマ温度を下げ、空気に比して、スキン220との作動距離を増加させた。上述のプラズマポレーション(Plasmaporation)は、プラズマ電極が組織または扱われる実体に非接触であるから非侵襲である。
細胞内穿孔については、液体脂質二重膜の膜間電圧が少なくとも約0.2Vに達する。膜間電圧は脂質二重膜を帯電し、急な、局所的な膜内の構造再配置を起こさせ、水が満たされた膜構造への変化を起こさせ、膜を貫通させ”水の流路”又は細孔を形成する。水流路又は細孔は、イオン及び分子の輸送を総じて増加する。膜間電圧は、主膜に最小半径約およそ1nmの”細孔”を生成するを考えられている。加えて、負荷される電場は急激な極性変化をもたらし、機械的に非拘束の細胞膜(懸垂小嚢及び細胞)を変形し、電解液伝導率によって支配されているイオンの帯電再配分を起こさせる。
プラズマジェット206を生成させるのに使用される電気パルスは、細胞間穿孔を起こさせる。SC、約15−25μm厚である、はスキンの部分では最も電気抵抗が高い。プラズマジェット206を生成するのに使用される電気パルスの負荷は、経皮電圧範囲で約50Vと約100Vの間に上がるが、これは、SC内でマルチラメラ二重膜の細孔を生じさせる。これらのレベルの負荷経皮電圧では、株細胞の汗管、毛包の細胞内壁で穿孔も発生する。
プラズマ源を対象領域から取り除くと同時に、細孔は再び閉じる傾向にあり、このようにプロセスは可逆的である。いくつかの孔はしばらくの延長時間の間は開いたままに残り、その間に分子は細胞膜をクロスして拡散可能である。いくつかの膜では、細孔は約5分程度内開いたままであることが発見されている。実験例は、10kDaデキストラン分子が0−約5分以内の処理時間内にプラズマ処置領域は、SC内の開孔を通り輸送された。5分後、10kDa分子は、もはやSCをパススルーしなかった。
電気パルスがスキンに負荷されると、吸収エネルギーが局所熱として発生しスキンにダメージを与え得る。50J/cm2よりも大なるエネルギーがスキンにそのまま付加されると二度の熱傷の結果となり、下にあるそのままのスキンに熱ダメージを与える。この問題の解決法の一つには、短い継続時間(duration、以下同じ)のパルスを繰り返し与えるものがあり、これは同量のエネルギーでも、そうしない場合にはダメージを起こさせるものを局所的な熱発生を起こさせずにスキンダメージも起こさせずに、転送可能となる。いくつかの実施形態では、素肌に付加されるエネルギーは、約25J/cm2以下であり、いくつかの実施形態では、素肌に付加されるエネルギーは、約10J/cm2以下であり、いくつかの実施形態では、素肌に付加されるエネルギーは、約5J/cm2以下であり、いくつかの実施形態では、素肌に付加されるエネルギーは、約3J/cm2以下である。しかし、外傷の処置では、エネルギーは増加してもよく、例えば、500J/cm2でも熱傷を発生させない。いくつかの実施形態では、500J/cm2の範囲のエネルギーは、凝血に使用されることもある。
加えて、スキンへのダメージは局所プラズママイクロ−放電から生じることもあり、これは”ストリーマ(streamers)”として知られ、不均一な電場で発生する。この問題は、均一な電場の生成で解決できるだろう。いくつかの実施形態では、プラズマジェネレータ201に供給されるガスとしてヘリウムガスが使用される。ヘリウムの使用は均一なプラズマ場を提供し得てストリーマをミニマイズすることがディスカバーされている。加えて、ナノ秒パルスパワーサプライはより均一なプラズマ場を提供し、したがって、痛み、及び/又はスキンへの可能性のあるダメージを減ずる。また、スキンダメージは、パワーレベル、周波数、パワーサプライのデューティサイクル及びパルス継続時間を下げること、及び、プラズマ電極と処置対象のスキンとの隙間を増加することによって回避可能である。
プラズマポレーションを発生させるプラズマ処置後に、プラズマジェネレータ装置206がオフにされると、多層ラメラシステムの水流路がしばらくの間開通のままに残り、これは最大約数分から数時間のこともある。
他のタイプのプラズマジェネレータが経皮デリバリシステムに使用されることもあり、例えば、ナノ秒パルスDBDプラズマ、マイクロ秒パルスDBDプラズマ、正弦DBDプラズマ、抵抗性バリア放電プラズマ、表面DBDプラズマ、2−D又は3−DアレイのDBDプラズマジェットで連続モード又は1−100%の範囲にコントロールされたデューティサイクルの処理条件でされる、の類のようなものである。ここで重要なことは、すべてのプラズマジェネレータが使用されて成功裏に細孔を誘導しているわけではないことであり、これを記しておく。熱プラズマ、グライダーアークプラズマ放電、DCホローカソード(hollow cathode)放電、正負コロナジェネレータ及びプラズマトロンジェネレータは、プラズマジェネレータの例であり、プラズマポレーションでの使用では適当でない。このようなプラズマジェネレータは誘導電流を流すが、熱ダメージ、筋肉収縮及びペインをを起こすか、あるいは、処置対象の実体に十分な電荷をチャージせず、負荷される電場がないか又は非常に弱く、したがって細孔を誘導できない。
好適なプラズマジェネレータは支配電流を有し、低パワー及び/又は高周波数の変位電流である。変位電流は電流密度の単位を有し、誘導電流が有するように関連付けされる電磁場を有するが、しかし、それは、移動電荷の電流ではなく、むしろ、時間に応じて変化する電場である。電場は、スキンに非接触の絶縁電極によってスキンに付加される。電極は、絶縁されているから、スキンに接触していないから、エレクトロポレーションに関連する熱ダメージ、筋肉収縮及びペインを起こさせるスキンへの誘導電流のフローはない。
より大きな処置エリアについては、電極は複数のプラズマジェットから構成され又はより大きなエリアのフラット電極(図示しない)が使用される場合もある。より複雑な構成の3D表面の場合には、コントロールされたプラズマモジュール(図示しない)が静止しているターゲットのまわりを動き、あるいは、プラズマに晒されている表面が可動ステージの置かれてもよい。いくつかの実施形態では、一又は複数のプラズマジェット、あるいは、一又は複数のターゲットエリアをプラズマプルーメ(plume)又はジェットに晒すように動くようにプログラムされているロボットアームに取り付け可能となっている。
加えて、いくつかの実施形態では、プラズマジェネレータ201は、バイオ分子/ドラッグデリバリシステムに一体化されてよく、分子は、処置エリアに無針注射器、蒸発、スプレー及び又はミストによって輸送可能である。いくつかの実施形態では、これは、表面の前処置をアシストすることも可能である。
いくつかの実施形態では、プラズマ温度を下げ、プラズマポレーションの次にスキン浸透をエンハンスすることが本質的な場合には、He, Ar, Ne, Xeの類、又はイナートガスにO2 及びN2のような他のガスを少量のパーセン(0.5%-20%)で使用して、混合ガスには気化された以下の水、DMSO,エタノール、イソプロピル、アルコール、n−ブタノール添加剤の類を加えたり、加えなかったり、したものを含む気化液体を混合し、気化非プラズマを生成することが有益である。
図3は、もう一つの経皮デリバリシステム300を描く。経皮デリバリシステム300はプラズマジェネレータ301を含む。プラズマジェネレータ301は電極302に第一端で接続されている高電圧ワイヤ303及び第二端で高電圧パワーサプライ(図示しない)に接続されている。好適な高電圧サプライが上述されている。いくつかの実施形態では、パワーサプライはナノ秒パルスパワーサプライである。プラズマ306は、ナノ秒継続時間パルスの交番極性パルス電圧を負荷して生成する。負荷電圧はパルス幅、約40−500ns(シングルパルス20kHzまで)、立ち上がり時間0.5−1kV/ns及びパワー密度0.01−100W/cm2で振幅約〜20kV(ピークtoピーク)である。誘電バリア304が高電圧電極302の下方に配置されている。加えて、高電圧電極302はハウジング305内に配置されている。プラズマジェネレータ301は非熱誘電バリア放電(DBD)ジェネレータである。プラズマ306はプラズマジェネレータ301によって生成される。図3は、スキン320をも含む。スキン又は組織は第二の電極として振る舞い、接地されたり又は浮接地されてもよい。プラズマ306はスキン320とは非接触である。ここで開示されている例示的実験結果では、スキン320はブタのスキンである。
ダイレクトプラズマ306は、交番極性パルス電圧を電極302に加えて生成された。加圧電圧はパルス幅約1−10μs(100Hzから30kHz)の間を有し約20kV(ピーク−to−ピーク)の振幅であった。パワーサプライ(図示しない)は変動電圧の変動周波数のパワーサプライであった。1mm厚保のクリアクオーツスライドが絶縁バリア304を生成するものとして使用され、電極302を覆っている。電極302は2.54cm径の銅電極であった。絶縁バリア304とブタのスキン320との間の放電ギャップは約4mm±1mmであった。いくつかの実験では、パルス波形は振幅約22kV(ピーク−to−ピーク)であり、約9μsの継続時間、立ち上がり時間5V/nsであった。放電パワー密度は約0.1W/cm2から2.08W/cm2の間であった。プラズマ処置ドーズは、単位J/cm2で、プラズマ放電パワー密度にプラズマ処置継続時間を乗じることによって計算された。
加えて、インダイレクトプラズマ406がプラズマジェネレータ401で生成された。プラズマジェネレータ401はプラズマジェネレータ301に類似しているが、プラズマジェネレータ401は、プラズマ406をフィルタするメタルメッシュ330を含む点で異なる。メタルメッシュ300は帯電イオン注入及び電子がパススルーすることを防ぎ、中性種がパススルーしスキンに接触することを可能とする。中性種は”アフターグロー”と云われることもある。
図5は、また、もうひとつの経皮デリバリシステム500の実施形態を描く。図6は経皮デリバリシステム500の電極の平面図である。経皮デリバリシステム500は多数のDBDジェットを含む。例示的経皮デリバリシステム500は、ハニカム形のDBDジェットのアレイを有し;しかし。多くの他の構成が使用可能で、リニア、トライアングル、スクエア、ペンダゴン、ヘキサゴン、オクトゴン等の構成である。
DBDジェットは、ガラス管504A, 504B, 504C, 504D, 504E, 504F 及び504Gを有する。メタル電極502は、各々の対応するガラス管504A, 504B, 504C, 504D, 504E, 504F, 及び504Gを受ける多数の円筒形開口502A, 502B, 502C, 502D, 502E, 502F, 及び502Gを含む。オプションとして、複数のメタル電極が使用されてもよい。メタル電極502は、ショックを防止する絶縁被覆(図示しない)を有してもよい。メタル電極502は、上述のような高電圧源に接続されている。
DBDジェットは、第一の端に位置されているガスフロー入口を有し、プラズマジェット516A, 516B, 516C, 516D, 516E, 516F 及び 516Gを一方出口に有する。上述のように、ガスは、例えば、He, Ar, Ne, Xe, エアー, He+エアー, Ar+エア, Ne+エアー, Xe+エアー又はその類である。加えて、各ガラス管504A, 504B, 504C, 504D, 504E, 504F 及び 504Gは、ガラス管に沿って位置され、気化液添加剤を受ける入口508A, 508B, 508C, 508D, 508E, 508F, 及び 508Gを有する。これらの入口は、電極502の上方又は下方に位置されている。実施例の経皮デリバリシステム500はスキンを接地電極として利用する。
多様な実験がここに記述され、いくつかの経皮デリバリシステム実施形態では、図2に関連して記述されたダイレクトプラズマジェネレータ201を使用し、いくつかの例では、図3に関連して記述されたダイレクトプラズマジェネレータ301を使用し、そして、いくつかの例では、図4に関連して記述されたインダイレクトプラズマジェネレータを使用した。
図2及び図3の実施形態では、スキン220は、エネルギーエレクトロン、正負イオンを含む中性及び帯電種を含むプラズマ206に晒されている。同様に、プラズマジェネレータ301について、電子放電が絶縁バリア304とスキン320の間、それは、スキンを直接にエネルギーエレクトロン、中性反応種及び正負のイオンを含む放電粒子に晒されているところで発生した。
プラズマジェネレータ401で生成されたインダイレクトプラズマは、高電圧電極とスキンの間に位置されて接地された銅メッシュ(ワイヤー径0.011''及び開口サイズ0.052''の16x16メッシュサイズ)を利用したが、帯電粒子が露出されたスキン表面に接触しないようになっている。
[実験結果]
多数の実験が行われ、実験結果及び手順はブタのスキンのプラズマ処置に依り蛍光色素によってタグ付けされたデキストラン分子、あるいは、蛍光色素によってタグ付けされたタンパク又は蛍光色素でタグ付けされたナノ粒子を、スキン層を通って輸送した。多様なサイズのデキストラン分子がプラズマを使用し、異なるサイズ、極性及び物理化学的性質の分子の経皮デリバリの可視化をデモンストレーションした。
ブタのスキン、耳の後ろと腹からの角質層(SC、stratum corneum)そのままが使用され、フル厚さ(うす切りされていない)ものと分厚(うす切りされた)スキン両方を含むものだった。スキンはー80℃に処置の日まで保持された。処置日にスキンは室温に解凍され保湿ボックスに1時間保持された。プラズマ処置に先立ってヘアークリッパーで毛が除かれ、スキンはシェーブされた。スキンは石鹸で洗われ、ペーパータオルで軽く叩いて乾かされた。耳の後ろからのスキンは、1''X1''片に切断され、腹からのスキンは2''X2''片に切断された。スキン片は、濡れたペーパータオルの上で定湿度の維持されている保湿ボックスに保持された。
リジン固定可能の蛍光色素でタグ付けされた分子量3,10,40及び70kDaのデキストラン分子も使用された。デキストランは自身ではスキンを通り自由に拡散できず、ここで権利が主張され、記載されているプラズマ誘導穿孔(plasma-induced poration )("plasmaporation")プロセスの方法及び装置を確認するためのプローブとして使用された。各実験では、デキストラン分子は脱イオン水で濃度5mg/mlで再構成された。
いくつかの実験では、ブタのスキンは非熱DBDプラズマで、暫くの時間、最大約3分間処置され、以下のプラズマパワーソースパラメータが変更された。:周波数(Hz)が約100と約3500Hzの間で変更され、パルス継続時間は約1と約10μsの間で変更され;デューティサイクルは約1から約100%まで変更され、そして処置時間は約0.5から約3分の間の範囲で処置された。
いくつかの実験では、デキストラン懸濁液の40μLがプラズマ処置後直ちにスキンに塗られた。いくつかの実験では、スキンは約1分間プラズマ処置され、その後デキストラン溶液の塗布があり、それからターゲット領域はさらに約1分間プラズマ処置された。いくつかの実験では、デキストラン溶液がスキンに塗られデキストラン溶液に暗室で15,30,45又は60分相互作用下に置かれた。
処置後、コントロールサンプル及びプラズマ処置サンプルから5−10mmのパンチ生検が得られた。生検 は直ちに10%中性緩衝ホルマリン中に浸され、それから4℃に保存された。生検 は、組織学的解析のための準備がされ、パラフィン床に固定されヘマトキシリンとエオシン(H&E)染色又はクライオスタット切り出しがされた。10μmスライスがスキンの表面に垂直に得られ、顕微鏡スライドのガラス上にマウントされた。モルフォロジ解析と浸透解析がEVOS倒立型蛍光顕微鏡(AMG Microscope)上で実行された。
実験結果は、ブタのスキンそのままに非プラズマによって誘導された細孔をその下のスキンに目に見えた熱ダメージなしに行ったことをデモンストレートした。加えて、3kDaのデキストラン分子(1nm、流体力学半径)が平均深さ500μmまでスキンをパススルーしたエビデンスがある。デキストラン10kDaの分子(2nm流体力学半径)に平均深さ200μmに亘る。これら及びより詳細の結果は下表1に提供されている。
表1の第2列は使用されたプラズマ源のタイプが示されている。第3列はデキストラン分子の分子量を示す。第4列から第6列は、その特定の実験のためのプラズマジェネレータ用パワーサプライのセッティングを特定する。第7列は、時間(何らかの)、処置エリアが、デキストラン分子の溶液がその処置領域に塗られる前にプラズマに晒されていた時間を示す。同様に、第8列は、時間(何らかの)、処置エリアが、デキストラン分子の溶液がその処置領域に塗られた後にプラズマに晒されていた時間を示す。同様に、第9列は、プラズマ処置後に処置領域に溶液が残された時間量を示し、そして、第10列は、デキストラン分子のスキン内の平均浸透深さを示す。
図2の、DBDジェットプラズマジェネレータの例を、ヘリウムガスをインプットとして使用した例は、”He DBDジェット”として識別される。図3に描かれたDBDジェットプラズマジェネレータは”エアーDBD”として識別される。
SCの平均深さは、約10μmと20μmの間である。したがって、すべての上記実験結果は、プラズマポレーションはSC、これは経皮デリバリに対する主たるバリアであるが、SCを通した分子のデリバリを成功裏に行ったことをデモンストレートした。
加えて、He DBDジェットのパルス継続時間の減少は、スキンへの浸透深さの増加という結果となった。プラズマ周波数の増加もスキンへの浸透深さの増加という結果となった。デューティサイクルの増加も同様にスキンへの浸透深さの増加という結果となった。短時間のプラズマ処置時間(1分のオーダーの)がスキンへのより深い浸透をもたらすことがディスカバーされた。加えて、高い分子量のデキストランは増加させた浸透深さが、より長いパルス継続時間で観察された。
さらに、プラズマ処置のためのDBDジェットプラズマジェネレータの使用は、平均して、レギュラーDBDを使用してプラズマを生成するプラズマジェネレータよりもより深い浸透をもたらす。加えて、より長いパルス継続時間及びより短いデューティサイクルのレギュラーDBD電極を有するプラズマジェネレータによって生成されるプラズマを使用すると、浸透深さは、表皮に限られる。したがって、目的の分子の浸透深さは、プラズマ処置パラメータを変えることによって、結果が示され、例えば、使用されるプラズマジェネレータのタイプ、デューティサイクル、パルス継続時間、プラズマ処置時間及びスキンへの塗布時間等である。
プラズマ処置の前又は後の目的の分子の塗布は、プラズマ暴露の同じような時間後には同じような浸透深さという結果が得られた。このように、反応性に富む分子、ドラッグ又はワクチンの適用に先立ってプラズマを処置することは、新しく生成された孔を通じて、、反応性に富む分子、ドラッグ又はワクチンの活性を失わせることなく、プラズマ又は関連する電場のために反応性に富む分子、ドラッグ又はワクチンの浸透を可能とする。
以下の表2は、プラズマポレーションを使用しスキンを通じデリバーされた分子量のコンパウンドの実施リストを示す。コンパウンドのチャージ(帯電)も表に含まれている。
上記テーブルにリストされている分子のいくつかは、500ダルトン以下の分子量をもつものがあり、プラズマポレーションなしに経皮デリバリに好適であるものもあるが、プラズマポレーションは分子の処方量のスピード及び効率を増加し、又は、面倒なジェル又はクリームの必要性を減ずる可能性がある。
加えて、プラズマポレーションは、SCと通り表皮内へアルブミンをデリバーするのに使用されてもよい。実験結果は、緑色蛍光(蛍光染めは標準の蛍光イメージテクニックによって目的の分子の探知を可能とする)に染められたアルブミン(66kDa)がスキンをプラズマで処置することによって経皮的にデリバーできたことを示した。いくつかの実験では、様々なパルスで200nsと20kVの電源セットが使用された。3つの(3)パルス、5パルス及び10パルスがスキンに適用され、すべてSCの浸透という結果を得、10パルスは3パルスよりもより深くアルブミンをデリバーした。他のセットの実験では、スキンが電源セット200nsと5パルスを異なる電圧で処置された。10(10)kV,15kV及び20kVが使用された。アルブミンは、すべての電圧でスキンを浸透し、20kVで最も深い浸透結果を得た。加えて、100nsと30秒のセットの電源を用いる処置の異なる周波数セットでは、異なる浸透深さの結果を得た。500Hz,1000Hz及び5000Hzでは、すべて、表皮への浸透の結果を得、最も高い周波数で最も深い浸透の結果であった。実験では、アルブミンは主として、約75と100μmの間の深さまでの表皮に局所化されるという結果を得た。
加えて、プラズマポレーションはIgG(ヒト免疫グロブリンG)蛍光染めされてSCを通過して表皮や真皮内へデリバーするのに使用される。実験は、IgG(115kDa)は、経皮的にスキンをマイクロ秒パルスのプラズマで処置することによってデリバー可能であるという結果を示した。いくつかの実験では、電源セット200nsと5μsで30秒間様々な周波数でスキン処理され、IgGはスキンへ60分の保持時間適用された。500Hz,1500Hz及び3500Hzのすべてで表皮への浸透結果を得、最も高い周波数で最も深い浸透結果だった。いくつかの実験では、電源セット200nsと3500Hzが様々なパルス継続時間で30秒間のスキン処置に使用され、IgGがスキンへ60分の保持時間の間適用された。1μs、3μs及び5μsパルスが使用され、すべて表皮へ浸透し、最も高い周波数で最も深い浸透の結果を得た。したがって、μ秒パルスのプラズマによって生成された部分のIgGのデリバリ深さは、PD(スキンへのプラズマ処置後に分子の適用が行われる)モードではプラズマ周波数に比例し、一方で、PDP(スキンへのプラズマ処置後に分子の適用が行われそれから2回目のスキンへのプラズマ処置がされる)モードでは、パルス継続時間に強く依存した。PDPモードは、IgGのスキンへの浸透がPDモードよりも深くエンハンスする。実験は、IgGは主として表皮に局在化されるが、400と600μmの間の真皮に強いシグナルが観察された。
表3は、スキンへ適用される外用ドラッグリストを示す。これらの外用ドラッグは、ジェル又はクリームで塗られることもある。いくつかの実験メソドロジーでは、これらのドラッグはプラズマポレーション後に、面倒なジェル又はクリームなしに塗られてもよい。加えて、プラズマポレーションはドラッグの処方量をデリバーする時間を減らすことも可能である。その上、プラズマ処置後にコンパウンドを塗ることは、外用ドラッグを、構成を変更せずにSCへの速やかな浸透を可能とする。ここで開示された方法は、化学的構成を変更するものではないから、新しいドラッグ又はコンポジションとしてFDAの承認を得ることは、必要でない場合もあり、あるいは、承認スピードが早い可能性がある。加えて、外用ドラッグは、ジェル又はクリームなく(又はより少量のジェル又はクリーム)で塗られることも可能である、加えて、吸収率が増加するからより少量のドラッグで済む。
表4は、現在、経皮的なドラッグデリバリシステムとして、プラズマポレーションがより短時間で、又は、面倒なクリームやジェルの必要なしに使用されるとするドラッグのリストである。上記で記述された表3に関するベネフィットは、表4のリストにも適用される。
プラズマポレーションは、多くの他の実践的な適用がある。いくつかの実施形態では、プラズマポレーションは、サニタイザ、抗菌剤、手術前の洗浄剤やその類への浸透増加に使用されてもよい。サニタイザ、抗菌剤、出術前洗浄剤は以下の表5に示される。
抗菌剤の浸透増加は、例えば、スキンの深層にいる望ましくないバイ菌の殺菌効果と駆除率を増加する。加えて、ある抗菌剤は細胞壁を貫通するのに長い時間がかかる;しかし、プラズマポレーションは浸透率を増加し、殺菌時間を加速する。
プラズマポレーションは、アクネを処置するのにも使用されてよい。プラズマポレーションは、既存の詰まった毛穴も穴の内周もオープンし感染域を殺菌する。第二に、プラズマポレーションは、抗菌剤と他のアクネ薬が孔に入るのを可能とする。したがって、重大な副作用がある薬を服用するよりも、むしろ、プラズマポレーションが副作用なしに使用され得る。加えて、プラズマ処置は、毎日使用される必要もなく、既定の間隔で使用されてもよく、週一度、週二、三度のような頻度でアクネ処置するのに使用してもよい。いくつかの実施形態では、プラズマ処置は、定期的に処置されるだけでよい。
プラズマポレーションは、孔を開けて化粧品関係の物質を導入するのに使用されてよく、例えば、コラーゲン、BOTOX(登録商標)又は他の皺を減らすフィラーのような物質である。表6は、プラズマポレーションで好適に使用される化粧品の例である。
プラズマポレーションは、保湿剤の吸収率を向上するのに使用されてもよく、そこでは、完全に吸収されなかった保湿剤の”タック(tack)”を最小化する。通常スキンに入ろうとしないヘヴィモイスチャライザ(Heavy Moisturizers, 強い保湿剤)がプラズマポレーション後にはそうなる。ヘヴィモイスチャライザのプラズマポレーションで使用する好適例は、下表7に見られる。
いくつかの実施形態では、スキンは、スキンpH、保湿レベル、温度、電解液濃度の類を一時的に前もって変更し整えておくのもよい。前処理は、孔形成による活性成分の浸透をスキンを傷めずに速く深い浸透の最大化を促す。
いくつかの実施形態では、プラズマポレーションのみ、又は、手洗い溶液とのコンビネーションで使用されて表面活性剤のスキン浅部への浸透を達成するのに使用されてもよく、より効果的なスキンに付着し埋め込まれた土のリリース及び除去が可能となる。表面活性剤の実施例は、以下の表8に作成されている。
加えて、プラズマポレーションは、化学的にさほど強くない界面活性剤、及び/又は、低濃度及び容量のものが使用されてもよい。あまり強くない界面活性剤コンパウンドの実施例は、以下の表9に示される。
いくつかの実施形態では、プラズマポレーションは、相乗的な浸透活性を達成するために、抗菌剤、化粧品成分、ワクチン、又はドラッグを含む、刺激性の低いスキンエンハンサーとのコンビネーションで使用されてもよい。ケミカルエンハンサーの例は、ジメチルスルホキシド、エーゾーン(azone)、ピロリドン類、ラウリン酸、尿素、オレイン酸、エタノール、リポソームを含む。実施例のケミカル浸透エンハンサーは、下表10に示めされている。
上述のように、プラズマポレーションはよく使用される外用ドラッグをスキンへ速く導入するのに使用されることもある。よく使用される外用ドラッグをスキンへ速く導入することの利点は、きつい処方濃度を維持できること、適度な吸収のために外用ドラッグを他の面倒なジェルのようなコンパウンドと混合する必要をなくすことも含む。そのメソドロジーは、追加のFDAの承認の必要を不要としたり、又は、承認スピードを早くしたりするという結果に至る可能性がある。
加えて、いくつかの実施形態では、スキン浸透パフォーマンスとスキンの安全性の最適パランスを達成するように設計された抗酸化剤がプラズマポレーションの間に、かえって免疫反応を引き起こしたり、又は、突然変異の損傷を生存表皮内の細胞のDNAに引き起こしたりする過投与を避け、プラズマに含まれる酸化剤の効果をなくすようにデリバーされる。
非熱プラズマガス、電場及びケミカル酸化剤を時間軸で可変調整するプログラム制御されたコンビネーションによってスキン又はバイオフィルムの最適結果を得る処置を実現できる。
上記の分子に関して多くの実施方法の例があるが、類似の分子量又は同等の直径を持つ粒子は、スキン層を越えて運搬される可能性がある。いくつかの実施形態では、例えば、銀のナノ粒子及び他のメタル又はポリマーナノ粒子のようなナノ粒子は、スキンの孔から運ばれ、そこで反応することが可能である。銀、銅及び他のメタルは細胞溶解や細胞伝達の阻害を誘引することが知られている。ナノ粒子の形態での銀と他のメタルの導入は、微生物との反応に利用できる表面積を増加する。加えて、目的の分子、ワクチン、又はドラッグをプラズマポレーション後にカプセル化するナノ粒子は、これらの分子をコントロールされた深さへの浸透を可能とし、コントロールされた長期間に亘り、活性物質のスキンの特定領域へのリリースをもたらす。量子ドット、ナノチューブ及びその類のナノ粒子は、約2と約400ナノメーターの間の直径を有するが、プラズマポレーションを使用しスキンを越えて運搬が可能である。
追加の実験では、3kDaデキストラン分子の浸透深さは負荷電圧の直接デューティサイクルに直接比例することが発見された。
実験は、ヘリウムDBDプラズマジェットを5mmのプラズマとスキン表面との隙間で使用し実施された。スキンは、30秒間、3500Hzのμ秒パルス電源でプラズマ処置された。チャート1に見られるように、負荷電圧のパルス継続時間を増加は、デキストラン浸透深さの増加の結果となる。
もうひとつの実験は、プラズマ処置後のナノ粒子の浸透を示した。生体外のブタ−スキンがナノ秒幅電源を用いプラズマ処置された。50ナノメートル染色シリカナノ粒子の水溶液100μlが処置域に15分から1時間の間塗られた。クライオスタット処理スライドイメージ用細胞診が採取された。固定パルス継続時間、固定処置時間で、プラズマ周波数が増加するにつれて浸透深さが増加することが発見された。固定周波数、固定処置時間で、プラズマのパルス継続時間が増加するにつれて浸透深さが増加する。固定周波数、固定パルス継続時間で、プラズマの処置時間が増加するにつれて浸透深さが増加する。15秒のプラズマ処置がナノ粒子を175μmの深さに運び、1kHzで30秒の処置がナノ粒子を約222μmの深さに運搬可能である。
チャート2同様、チャート3でわかるように、負荷パルス数が増加するにつれて、処置分子の浸透深さは増加するに至った。処置分子の容量増加は、はじめは、浸透深さの増加の結果となり、それから、天井を打つ結果となる。同様に、処置分子の濃度を増加することによって、浸透深さの増加は、ある深さまでの増加が観察され、それから天井を打つ。浸透深さは、処置パルス継続時間及びパルス処置周波数に直接依存する。加えて、不連続のナノ秒継続時間パルスの処置は、連続処置と同様又はよりよい結果であることが発見された。パルス継続時間の減少又は、周波数の増加及び/又はデューティサイクルの増加は、スキンへの浸透深さを増加する。より長時間のパルス継続時間は、浅い浸透深さの結果であった。驚くことに、より短時間の処置時間がより深いスキンへの浸透深さとなった。
実施形態は、スキンを使用して例示されたが、すべての記載された実施形態は、どのような組織、上皮組織;粘膜上皮組織;筋肉組織;結合組織;臓器の内外層で同等にうまく働く。
本発明は、ここに記載された実施形態に例示されたが、実施形態は、かなり詳細に記述される一方で、出願人は、添付されたクレームの範囲をいかようにも限定又は制限する意図はない。追加の利点及び変形は当業者に自明であろう。したがって、発明は、より広い態様で、特定の詳細に、機器や実施例に示され記述された代表例に限定されるものではない。したがって、出願人の一般的な発明概念の精神とスコープから乖離せず、このような詳細から離れることも可能である。