JP2016531554A - 被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法及びキット - Google Patents

被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法及びキット Download PDF

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Abstract

本発明は、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法及びキットに関する。特に、本発明は、被験者から得られたサンプル中において、ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを決定することからなる工程を含む、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法に関する。

Description

発明の分野:
本発明は、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法及びキットに関する。
発明の背景:
潰瘍性大腸炎(UC)は、直腸から始まり一般的に近位に連続的に広がっていく、大腸粘膜の特発性で慢性の炎症性腸疾患(IBD)である。診療では炎症性腸疾患患者の20〜30%の大腸炎は、通常の内視鏡検査、放射線検査及び病理組織検査の基準に基づいて、クローン病(CD)又は潰瘍性大腸炎として分類することができないが、この区別は、特に大腸切除が議論される場合には、治療法の選択を誘導するのに重要であり得る。同様に、血清学的マーカー(好中球に対する自己抗体[ANCA、pANCA]及び抗微生物抗体[ASCA、抗OmpC抗体、抗I2抗体、及び抗CBir1抗体])の感度は、クローン病と潰瘍性大腸炎を区別するには依然として不十分である。他方で、炎症性腸疾患の病因及び再燃の原因は依然として大部分は不明であり、潰瘍性大腸炎の特異的バイオマーカーも早期診断を評価するために必要とされる。現在までに、厳密に特異的なバイオマーカーを選択するのは依然として困難である。
潰瘍性大腸炎の正確な原因は不明であるが、喫煙、生体異物、食事、及び微生物因子をはじめとするいくつかの環境因子が関与している。炎症性腸疾患に対する環境の影響の最も明白な例は喫煙(CS)である。喫煙は、潰瘍性大腸炎及びクローン病に対して著しく反対の作用を及ぼす[1]。タバコの使用はクローン病についての重要なリスク因子であるが、潰瘍性大腸炎患者は非喫煙者であることが多く、禁煙は潰瘍性大腸炎の発症リスクを高め、このことは、明確に異なる機序が、各型の炎症性腸疾患の病気発生の根底にあるという概念を支持する。しかし、潰瘍性大腸炎に対する喫煙の防御機序は依然として不明瞭である。
ヒトの生体異物代謝酵素の機構が、環境曝露からの主要な保護因子である[2]。肝臓は解毒のための主要な臓器であるが、大腸上皮細胞は管腔内の環境因子を解毒する等価な能力を有する[3、4]。有害な管腔内の物質を解毒できないことは、潰瘍性大腸炎の病気発生の重要な因子と見られる場合がある。例えば、大腸炎の動物モデルの僅かなデータ[5、6]及び潰瘍性大腸炎患者の以前の研究[7]並びに炎症性腸疾患患者におけるその他の研究[3、4、8、9、10]は、解毒酵素の欠乏が、大腸炎の惹起及び進行に関与し得ることを示唆する。しかし、環境曝露に対する上皮バリアの弱い応答性をもたらす解毒系の多層的な変化の概念に関するこれらの研究によって与えられる情報は限られており、殆どの場合、少数の遺伝子が関与している。
発明の要約:
本発明は、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法及びキットに関する。特に、本発明は特許請求の範囲によって定義される。
発明の詳細な説明:
エビデンスは、生体異物の代謝が炎症性腸疾患(IBD)において役割を果たし得ることを示唆する。潰瘍性大腸炎(UC)患者の非活動的な大腸サンプル中における解毒機構をコードする244個の遺伝子の全体的な発現プロファイルを、健康な対照及びクローン病(CD)患者と比較して研究した。本発明者らは、潰瘍性大腸炎患者において有意に脱調節された一連の65個の解毒遺伝子を同定した。それらの中の30%及び63%が、それぞれ対照群及び潰瘍性大腸炎の活動的な喫煙群において逆転して発現されていた。
したがって、本発明の第一の目的は、i)被験者から得られたサンプル中において、ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを決定する工程、ii)工程i)で決定された発現レベルを基準値と比較する工程、並びにiii)
− 工程i)で決定された発現が、ADH6、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1L1、ALDH7A1、CBR3、CES1、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、MGST2、UGT2B17、ABCC1、SLC28A3、SLC29A1、SLC38A1及びSLC38A5からなる群より選択された各遺伝子について基準値より高い場合、又は
− 工程i)で決定された発現が、ADH4、ADHFE1、ALDH1A3、AOX1、BCHE、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、INMT、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された各遺伝子について基準値より低い場合
被験者が潰瘍性大腸炎を患うと結論付ける工程からなる工程を含む、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法に関する。
「サンプル」という用語は、粘膜細胞を含む、患者の大腸から得られた任意のサンプルを意味する。該サンプルは、インビトロでの評価の目的のために得られる。特定の実施態様では、サンプルは、患者の大腸において実施された内視鏡下生検から得られる。前記の内視鏡下生検材料は、大腸の様々な領域から採取され得る。別の特定の実施態様では、サンプルは、患者の大腸の炎症が起こっていない粘膜から単離され得る。結果として、本発明による方法の侵襲性は、患者を麻酔する必要性がないか、又は患者の腸を空にする必要がなく、比較的少ない。
本明細書において使用される「ADH4」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルコールデヒドロゲナーゼ4(クラスII)、piポリペプチドをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ADH6」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルコールデヒドロゲナーゼ6(クラスV)をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ADHFE1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ヒドロキシ酸オキソ酸トランスヒドロゲナーゼ(EC11.99.24)をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「AKR1A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルドケト還元酵素ファミリー1、メンバーA1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「AKR7A2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルドケト還元酵素ファミリー7、メンバーA2(アフラトキシンアルデヒド還元酵素)をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ALDH1A3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1ファミリー、メンバーA3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ALDH1L1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルデヒドデヒドロゲナーゼ1ファミリー、メンバーL1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ALDH7A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルデヒドデヒドロゲナーゼ7ファミリー、メンバーA1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「AOX1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アルデヒドオキシダーゼ1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「BCHE」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ブチリルコリンエステラーゼをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CBR3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、カルボニル還元酵素3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CES1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、カルボキシルエステラーゼ1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CYP1B1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チトクロムP450、ファミリー1、サブファミリーB、ポリペプチド1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CYP2E」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チトクロムP450、ファミリー2、サブファミリーE、ポリペプチド1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CYP2W1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チトクロムP450、ファミリー2、サブファミリーW、ポリペプチド1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CYP4F11」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チトクロムP450、ファミリー4、サブファミリーF、ポリペプチド11をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「CYP51A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チトクロムP450、ファミリー51、サブファミリーA、ポリペプチド1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ESD」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、エステラーゼDをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「KCNAB2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、電位依存性カリウムチャネル、shaker関連サブファミリー、βメンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「COMT」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、カテコール−O−メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「GSTA4」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、グルタチオンS−トランスフェラーゼα4をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「GSTP1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、グルタチオンS−トランスフェラーゼpi1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「INMT」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、インドールエチルアミンN−メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「MGST2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ミクロソームグルタチオンS−トランスフェラーゼ2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SULT2A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、スルホトランスフェラーゼファミリー、サイトゾル、2A、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)選択性、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「TPMT」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、チオプリンS−メチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「UGT1A4」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ1ファミリー、ポリペプチドA4をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「UGT1A9」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ1ファミリー、ポリペプチドA9をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「UGT2B7」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ2ファミリー、ポリペプチドB7をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCA1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCA2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーA(ABC1)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCB1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーB(MDR/TAP)、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCC1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCC10」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー10をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCC5」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー5をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCC6」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーC(CFTR/MRP)、メンバー6をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ABCG2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATP結合カセット、サブファミリーG(WHITE)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ATP7A」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ATPアーゼ、Cu++輸送、アルファポリペプチドをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC1A3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー1(グリア型高親和性グルタミン酸輸送体)、メンバー3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC7A5」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー7(L型アミノ酸輸送体軽鎖)をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC10A2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー10(ナトリウム/胆汁酸共輸送体)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC15A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー15(オリゴペプチド輸送体)、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC15A2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー19(チアミン輸送体)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC19A2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー19(チアミン輸送体)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC19A3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー19(チアミン輸送体)、メンバー3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC22A3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー22(有機陽イオン輸送体)、メンバー3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC28A3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー28(濃縮型ヌクレオシド輸送体)、メンバー3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC29A2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー29(拡散型ヌクレオシド輸送体)、メンバー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC38A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー38、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC38A5」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー38、メンバー5をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLC47A1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリアファミリー47(多剤及び毒素の排出)、メンバー1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLCO2B1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリア有機陰イオン輸送体ファミリー、メンバー2B1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「SLCO4C1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、溶質キャリア有機陰イオン輸送体ファミリー、メンバー4C1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「ARNT」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、アリール炭化水素受容体核内輸送体をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「FOXO1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、フォークヘッドボックスO1をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「HIF3A」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、低酸素誘導因子3、αサブユニットをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「NCOA2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、核内受容体コアクチベーター2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「NCOR2」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、核内受容体コリプレッサー2をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「NR1H3」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、核内受容体サブファミリー1、グループH、メンバー3をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「NR3C1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、核内受容体サブファミリー3、グループC、メンバー1(糖質コルチコイド受容体)をコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「PPARD」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体δをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「PPARGC1A」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ、コアクチベーター1αをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「RARB」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、レチノイン酸受容体βをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「RXRB」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、レチノイドX受容体βをコードする遺伝子を指す。
本明細書において使用される「THRB」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、甲状腺ホルモン受容体βをコードする遺伝子を指す。
実施態様によっては、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子の発現レベルが決定される。
当業者は、遺伝子の発現レベルを決定するための適切な方法を容易に選択し得る。
典型的には、遺伝子の発現レベルは、mRNAの量を決定することによって決定され得る。mRNAの量を決定するための方法は当技術分野において周知である。例えば、サンプル(例えば患者から調製された細胞又は組織)中に含まれる核酸をまず、標準的な方法に従って、例えば、溶解酵素又は化学溶液を使用して抽出するか、あるいは、製造業者の説明書に従って核酸結合樹脂によって抽出する。その後、抽出されたmRNAをハイブリダイゼーション(例えばノザンブロット分析、インサイツハイブリダイゼーション)及び/又は増幅(例えばRT−PCR)によって検出する。
他の増幅法としては、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写増幅法(TMA)、鎖置換型増幅法(SDA)、及び核酸配列ベース増幅法(NASBA)が挙げられる。
少なくとも10個のヌクレオチドを有し、かつ関心対象のmRNAに対して配列相補性又は相同性を示す核酸は本明細書においてハイブリダイゼーションプローブ又は増幅プライマーとして有用性を見出す。このような核酸は同一である必要はないが、典型的には同等なサイズの相同領域に対して少なくとも約80%同一、より好ましくは85%同一、さらにより好ましくは90〜95%同一であると理解される。特定の態様では、ハイブリダイゼーションの検出のために、検出可能な標識などの適切な手段と組み合わせて核酸を使用することが有利であろう。
典型的には、核酸プローブは、例えば、開示されたプローブを使用して標的核酸分子の検出を可能とする1つ以上の標識を含む。インサイツハイブリダイゼーション手順などの様々な適用では、核酸プローブは標識(例えば検出可能な標識)を含む。「検出可能な標識」は、サンプル中のプローブ(特に結合した又はハイブリダイズしたプローブ)の存在又は濃度を示す検出可能なシグナルを発生させるために使用することのできる分子又は材料である。したがって、標識された核酸分子は、サンプル中の標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)(これに、標識された独特で特異的な核酸分子が結合するか又はハイブリダイズする)の存在又は濃度の指標を与える。1つ以上の核酸分子(例えば、開示された方法によって作製されたプローブ)と会合した標識を直接的に又は間接的に、のいずれかで検出することができる。標識は、光子(ラジオ周波数、マイクロ波周波数、赤外線周波数、可視周波数、及び紫外線周波数の光子を含む)の吸収、放出及び/又は散乱を含む、任意の公知の機序又はまだ発見されていない機序によって検出することができる。検出可能な標識としては、着色した、蛍光の、リン光の、及び発光した分子及び材料、ある物質を別の物質へと変換して検出可能な差をもたらす触媒(例えば酵素)(例えば、無色な物質を着色した物質へと変換又はその逆によって、あるいは、沈降物を生じるか又はサンプルの濁度を増加させることによって)、抗体結合相互作用によって検出することのできるハプテン、並びに常磁性及び磁性の分子又は材料が挙げられる。
検出可能な標識の具体例としては、蛍光分子(又は蛍光色素)が挙げられる。数多くの蛍光色素が当業者には公知であり、例えば、Life Technologies(以前はInvitrogen)から選択することができ、例えば、The Handbook-A Guide to Fluorescent Probes and Labeling Technologiesを参照されたい。核酸分子(例えば独特で特異的な結合領域)に付着(例えば化学的にコンジュゲート)させることのできる具体的なフルオロフォアの例は、Nazarenko et al.の米国特許第5,866,366号に提供され、例えば4−アセトアミド−4’−イソチオシアネートスチルベン−2,2’ジスルホン酸、アクリジン及び誘導体、例えばアクリジン及びアクリジンイソチオシアネート、5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS)、4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5ジスルホネート(ルシファーイエローVS)、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリンおよび誘導体、例えばクマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(クマリン151);シアノシン;4',6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI);5',5” −ジブロモピロガロール−スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7−ジエチルアミノ−3−(4'−イソチオシアナートフェニル)−4−メチルクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸;4,4’−ジイソチオシアネートジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸;4,4’−ジイソチオシアネートスチルベン−2,2’−ジスルホン酸;5−[ジメチルアミノ]ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、塩化ダンシル);4−(4’−ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアネート(DABITC);エオシンおよび誘導体、例えばエオシン及びエオシンイソチオシアネート;エリスロシンおよび誘導体、例えばエリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネート;エチジウム;フルオレセイン及び誘導体、例えば5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)及びQFITC Q(RITC);2’,7’−ジフルオロフルオレセイン(オレゴングリーン(登録商標));フルオレスカミン;IR144;IR1446;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4−メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;フェノールレッド;B−フィコエリスリン;o−フタルジアルデヒド;ピレン及び誘導体、例えばピレン、酪酸ピレン、及び酪酸スクシンイミジル1−ピレン;リアクティブレッド4(Cibacronブリリアントレッド3B−A);ローダミン及び誘導体、例えば6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンB塩化スルホニル、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、ローダミングリーン、スルホローダミンB、スルホローダミン101及びスルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド);N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);テトラメチルローダミン;テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC);リボフラビン;ロゾール酸及びテルビウムキレート誘導体である。他の適切なフルオロフォアとしては、約617nmで発光するチオール反応性ユーロピウムキレート(Heyduk and Heyduk, Analyt. Biochem. 248:216-27, 1997; J. Biol. Chem. 274:3315-22, 1999)、並びに、GFP、リサミン(商標)、ジエチルアミノクマリン、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、4,7−ジクロロローダミン及びキサンテン(Lee et al.の米国特許第5,800,996号に記載)及びその誘導体が挙げられる。当業者に公知の他のフルオロフォア、例えば、Life Technologies (Invitrogen; Molecular Probes (Eugene, Oreg.))から入手できるもの、例えば、ALEXA FLUOR(登録商標)系の色素(例えば、米国特許第5,696,157号、第6,130,101号及び第6,716,979号に記載)、BODIPY系の色素(ジピロメテンボロンジフルオリド色素、例えば、米国特許第4,774,339号、第5,187,288号、第5,248,782号、第5,274,113号、第5,338,854号、第5,451,663号及び第5,433,896号に記載)、カスケードブルー(米国特許第5,132,432号に記載のスルホン化ピレンのアミン反応性誘導体)及びマリーナブルー(米国特許第5,830,912号)なども使用することができる。
上記の蛍光色素の他に、蛍光標識は、蛍光ナノ粒子、例えば半導体ナノ結晶、例えばQUANTUM DOT(商標)(例えば、Life Technologies (QuantumDot Corp, Invitrogen Nanocrystal Technologies, Eugene, Oreg.)から得られる;また、米国特許第6,815,064号;第6,682,596号;及び第6,649,138号も参照)であってもよい。半導体ナノ結晶は、サイズ依存性の光学的及び/又は電気的特性を有する微細粒子である。半導体ナノ結晶が一次エネルギー源で照射されると、エネルギーの二次放出が、半導体ナノ結晶に使用される半導体材料のバンドギャップに相当する周波数で起こる。この放出は、特定の波長の色光又は蛍光として検出され得る。様々なスペクトル特徴を有する半導体ナノ粒子が、例えば、米国特許第6,602,671号に記載されている。例えば、Bruchez et al., Science 281 :20132016, 1998; Chan et al., Science 281:2016-2018, 1998;及び米国特許第6,274,323号に記載の技術によって、半導体ナノ結晶を、様々な生物学的分子(dNTP及び/又は核酸を含む)又は基質へとカップリングさせることができる。様々な組成の半導体ナノ結晶の形成が、例えば、米国特許第6,927,069号;第6,914,256号;第6,855,202号;第6,709,929号;第6,689,338号;第6,500,622号;第6,306,736号;第6,225,198号;第6,207,392号;第6,114,038号;第6,048,616号;第5,990,479号;第5,690,807号;第5,571,018号;第5,505,928号;第5,262,357号及び米国特許公開公報第2003/0165951号並びにPCT公開公報第99/26299号(1999年5月27日公開)に開示されている。その異なるスペクトル特徴に基づいて同定可能である別々の半導体ナノ結晶集団を生成することができる。例えば、その組成、サイズ、又はサイズと組成に基づいて、異なる色の光を放出する半導体ナノ結晶を生成することができる。例えば、本明細書において開示されたプローブにおける蛍光標識として適している、サイズに基づいて異なる波長の光(565nm、655nm、705nm、又は800nmの発光波長)を放出する量子ドットがLife Technologies (Carlshad, Calif.)から入手可能である。
追加の標識としては、例えば、放射性同位体(例えば3H)、金属キレート剤、例えばGd3+のような放射性又は常磁性金属イオンのDOTA及びDPTAキレート剤、及びリポソームが挙げられる。
核酸分子と共に使用することのできる検出可能な標識としては、酵素、例えばセイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、又はβ−ラクタマーゼも挙げられる。
あるいは、酵素を金属組織学的検出構想に使用することができる。例えば、銀インサイツハイブリダイゼーション(SISH)手順は、ハイブリダイズしたゲノム標的核酸配列の同定及び場所決定のための金属組織学的検出構想を含む。金属組織学的検出法は、アルカリホスファターゼなどの酵素を、水溶性金属イオン及び酸化還元不活性な酵素の基質とを組み合わせて使用することを含む。基質は、酵素によって酸化還元活性な作用物質へと変換され、酸化還元剤は金属イオンを還元して、検出可能な沈降物の形成を引き起こす(例えば、米国特許出願公開公報第2005/0100976号、PCT公開公報第2005/003777号、及び米国特許出願公開公報第2004/0265922号を参照)。金属組織学的検出法はまた、水溶性金属イオン、酸化剤、及び還元剤と共にオキシドレダクターゼ酵素(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)を使用して、ここでも検出可能な沈降物を形成することを含む(例えば、米国特許第6,670,113号参照)。
開示された方法を使用して作製されたプローブは、核酸の検出のために、例えばISH手順(例えば、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、発色性インサイツハイブリダイゼーション(CISH)、及び銀インサイツハイブリダイゼーション(SISH))又は比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)に使用され得る。
インサイツハイブリダイゼーション(ISH)は、中期又は間期染色体調製物の状態で標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)を含有するサンプル(例えばスライド上に載せられた細胞又は組織サンプル)を、標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)に特異的にハイブリダイズすることができるか又は特異的である標識プローブと接触させることを含む。スライドを場合により前処理して、例えば均一なハイブリダイゼーションを妨害する可能性のあるパラフィン又は他の材料を除去することができる。サンプル及びプローブをどちらも、例えば、加熱することによって処理して二本鎖核酸を変性させる。プローブ(適切なハイブリダイゼーション緩衝液中で調合)及びサンプルを、ハイブリダイゼーションが起こる(典型的には平衡に達する)ことを可能とする条件下及び十分な時間かけて合わせる。染色体標調製物を洗浄して過剰なプローブを除去し、染色体標的の特異的標識の検出を標準的な技術を使用して実施する。
例えば、ビオチニル化プローブを、フルオレセイン標識アビジン又はアビジン−アルカリホスファターゼを使用して検出することができる。蛍光色素の検出のために、蛍光色素を直接的に検出することができるか、又は、サンプルを、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートアビジンと共にインキュベートすることができる。必要であれば、FITCシグナルの増幅を、ビオチンにコンジュゲートさせたヤギ抗アビジン抗体と共にインキュベーション、洗浄、及びFITCコンジュゲートアビジンと2回目のインキュベーションによって行なうことができる。酵素活性による検出のために、サンプルを、例えばストレプトアビジンと共にインキュベートし、洗浄し、ビオチンにコンジュゲートさせたアルカリホスファターゼと共にインキュベートし、再度洗浄し、事前に平衡化することができる(例えばアルカリホスファターゼ(AP)緩衝液中で)。インサイツハイブリダイゼーション手順の一般的な説明については、例えば、米国特許第4,888,278号を参照されたい。
FISH、CISH及びSISHについての数多くの手順が当技術分野において公知である。例えば、FISHを実施するための手順は、米国特許第5,447,841号;第5,472,842号;及び第5,427,932号;並びに例えば、Pir1kel et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 83:2934-2938, 1986; Pinkel et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 85:9138-9142, 1988;及びLichter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 85:9664-9668, 1988に記載されている。CISHは、例えば、Tanner et al., Am. .1. Pathol. 157:1467-1472, 2000及び米国特許第6,942,970号に記載されている。追加の検出法が米国特許第6,280,929号に提供されている。
数多くの試薬及び検出構想を、FISH、CISH及びSISH手順と併せて使用し、感度、解像度、又は他の望ましい特性を改善させることができる。上記に考察されているようにフルオロフォア(蛍光色素及びQUANTUM DOTS(登録商標)を含む)で標識されたプローブを、FISHを実施すれば直接的に光学的に検出することができる。あるいは、プローブを、非蛍光分子、例えばハプテン(例えば以下の非制限的な例:ビオチン、ジゴキシゲニン、DNP、及び様々なオキサゾール、ピラゾール、チアゾール、ニトロアリール、ベンゾフラザン、トリテルペン、尿素、チオ尿素、ロテノン、クマリン、クマリン系の化合物、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン系の化合物、及びその組合せ)、リガンド又は他の間接的に検出可能な部分を用いて標識することができる。その後、このような非蛍光分子で標識されたプローブ(及びそれらが結合する標的核酸配列)を、サンプル(例えばプローブが結合する細胞又は組織サンプル)を、標識された検出試薬、例えば選択されたハプテン又はリガンドに特異的な抗体(又は受容体、又は他の特異的な結合対)と接触させることによって検出することができる。検出試薬を、フルオロフォア(例えばQUANTUM DOT(登録商標))又は別の間接的に検出可能な部分を用いて標識しても、あるいは、フルオロフォアで標識され得る1つ以上の追加の特異的結合物質(例えば二次抗体又は特異的抗体)と接触させてもよい。
他の例においては、プローブ又は特異的な結合物質(例えば抗体、例えば一次抗体、受容体、又は他の結合物質)を、蛍光発生性又は発色性組成物を検出可能な蛍光シグナル、発色シグナル、又は別様に検出可能なシグナル(例えばSISHにおける検出可能な金属粒子の沈着のように)へと変換することのできる酵素を用いて標識する。上記に示されているように、酵素を、リンカーを介して直接的に又は間接的に、関連プローブ又は検出試薬に付着させることができる。適切な試薬(例えば結合試薬)及び化学物質(例えばリンカー及び付着用化学物質)の例は、米国特許出願公開公報第2006/0246524号;第2006/0246523号、及び第2007/0117153号に記載されている。
標識されたプローブ−特異的結合物質の対を適切に選択することによって、1回のアッセイで(例えば、1つの細胞又は組織サンプル上で、あるいは、2つ以上の細胞又は組織サンプル上で)複数の標的核酸配列(例えばゲノム標的核酸配列)の検出を容易にするマルチプレックス検出構想を作製することができる。例えば、第一標的配列に対応する第一プローブを、ビオチンなどの第一ハプテンで標識することができ、一方、第二標的配列に対応する第二プローブをDNPなどの第二ハプテンで標識することができる。サンプルをプローブに曝した後、サンプルを第一の特異的結合物質(この場合、第一フルオロフォア、例えば585nmで発光する例えばスペクトルの明確に異なる第一のQUANTUM DOT(登録商標)で標識されたアビジン)及び第二の特異的結合物質(この場合、第二フルオロフォア(例えば705nmで発光する例えばスペクトルの明確に異なる第二のQUANTUM DOT(登録商標))で標識された抗DNP抗体又はその抗体フラグメント)と接触させることによって、結合したプローブを検出することができる。追加のプローブ/結合物質の対を、他のスペクトル的に明確に異なるフルオロフォアを使用してマルチプレックス検出構想に加えることができる。直接的及び間接的な数多くの変法(1工程、2工程又はそれ以上)を想定することができ、その全てが開示されたプローブ及びアッセイの脈絡において適切である。
プローブは、典型的には、10〜1000、例えば10〜800、より好ましくは15〜700、典型的には20〜500のヌクレオチド長の一本鎖核酸を含む。プライマーは、典型的には、増幅しようとする関心対象の核酸に完全に又はほぼ完全に一致するように設計された、10〜25ヌクレオチド長のより短い一本鎖核酸である。プローブ及びプライマーは、それらがハイブリダイズする核酸に対して「特異的」であり、すなわち、それらは好ましくは高ストリンジェンシーなハイブリダイゼーション条件下(最も高い融解温度Tm、例えば50%ホルムアミド、5×又は6×SCCに相当する。SCCは0.15M NaCl、0.015M クエン酸Naである)でハイブリダイズする。
上記の増幅法及び検出法に使用された核酸プライマー又はプローブは、キットとしてまとめられていてもよい。このようなキットは、共通プライマー及びモレキュラープローブを含む。好ましいキットはまた、増幅が起こったかどうかを決定するのに必要な成分も含む。キットはまた、例えば、PCR緩衝液及び酵素;正の対照配列、反応制御プライマー;並びに特異的配列を増幅及び検出するための説明書も含み得る。
特定の実施態様では、本発明の方法は、卵丘細胞から抽出された全RNAを準備する工程、及び、該RNAを増幅及び特異的プローブへのハイブリダイゼーションに、より特定すると定量又は半定量RT−PCRを用いてかける工程を含む。
別の好ましい実施態様では、発現レベルは、DNAチップ分析によって決定される。このようなDNAチップ又は核酸マイクロアレイは、基質(これはマイクロチップ、スライドガラス、又はミクロスフィアのサイズのビーズであり得る)に化学的に付着させた様々な核酸プローブからなる。マイクロチップは、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖、シリカ、又はシリカをベースとした材料、カーボン、金属、無機ガラス、又はニトロセルロースから構成され得る。プローブは、約10〜約60塩基対であり得るcDNA又はオリゴヌクレオチドなどの核酸を含む。発現レベルを決定するために、場合によりまず逆転写にかけられた試験被験者からのサンプルを標識し、ハイブリダイゼーション条件においてマイクロアレイと接触させると、マイクロアレイ表面に付着させたプローブ配列に相補的である標的核酸間で複合体が形成される。その後、標識されたハイブリダイズした複合体を検出することができ、定量又は半定量することができる。標識は、様々な方法によって、例えば放射性標識又は蛍光標識を使用することによって成し遂げられ得る。マイクロアレイハイブリダイゼーション技術の多くの変法が、当業者には入手可能である(例えば、Hoheisel, Nature Reviews, Genetics, 2006, 7:200-210による概説を参照されたい)。
実施態様によっては、nCounter(登録商標)分析システムを使用して内因性遺伝子発現を検出する。nCounter(登録商標)分析システムの基本は、アッセイしようとする各核酸標的に割り当てられた独特なコードである(国際特許出願公開公報第WO08/124847号、米国特許第8,415,102号及びGeiss et al. Nature Biotechnology. 2008. 26(3): 317-325;その内容は各々その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。コードは、アッセイしようとする各標的に対して独特なバーコードを作り出す、正しく並べられた一連の発色蛍光スポットから構成される。各DNA又はRNA標的に対して一対のプローブ、すなわちビオチニル化キャプチャープローブ及び蛍光バーコードを有するレポータープローブが設計される。このシステムはまた本明細書においてナノレポーターコードシステムと称される。各標的について特異的なレポーター及びキャプチャープローブが合成される。レポータープローブは、第一シグナルを構成する光を放出する1つ以上の標識モノマーが付着している少なくとも第一標識付着領域;第二シグナルを構成する光を放出する1つ以上の標識モノマーが付着している、第一の標識付着領域と重なっていない少なくとも第二の標識付着領域;及び、第一の標的特異的配列を含むことができる。好ましくは、各々の配列特異的レポータープローブは、1つのみの遺伝子にハイブリダイズすることのできる標的特異的配列を含み、場合により、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの標識付着領域を含み、該付着領域は、少なくとも第三シグナル、又は少なくとも第四シグナルをそれぞれ構成する光を放出する1つ以上の標識モノマーを含む。キャプチャープローブは、第二の標的特異的配列;及び第一のアフィニティタグを含み得る。実施態様によっては、キャプチャープローブはまた、1つ以上の標識付着領域を含んでいてもよい。好ましくは、レポータープローブの第一の標的特異的配列及びキャプチャープローブの第二の標的特異的配列は、検出しようとする同じ遺伝子の異なる領域にハイブリダイズする。レポータープローブ及びキャプチャープローブを全て1つのハイブリダイゼーション混合物、すなわち「プローブライブラリー」にプールする。1回の多重ハイブリダイゼーション反応において、各標的の相対量が測定される。該方法は、腫瘍サンプルをプローブライブラリーと接触させることを含み、よってサンプル中の標的の存在はプローブ対−標的複合体を作り出す。その後、複合体を精製する。より具体的には、サンプルをプローブライブラリーと合わせ、溶液中でハイブリダイゼーションが起こる。ハイブリダイゼーション後、三者間でハイブリダイズした複合体(プローブ対及び標的)を、キャプチャープローブ及びレポータープローブ上に存在する普遍的な配列に対して相補的なオリゴヌクレオチドに連結された磁気ビーズを使用して2工程手順で精製する。この二重精製プロセスは、大過剰の標的特異的プローブを用いてハイブリダイゼーション反応を完了に導くことを可能とするが、該プローブは最終的に除去されるので、よってサンプルの結合及び造影に干渉しない。全てのハイブリダイゼーション後の工程は、カスタム化されたリキッドハンドリングロボット(Prep Station, NanoString Technologies)でロボット操作される。精製された反応液を典型的には、サンプルカートリッジの個々のフローセルにPrep Stationによって沈着させ、キャプチャープローブを介してストレプトアビジンでコーティングされた表面に結合させ、レポータープローブを引き延ばすために電気泳動にかけ、そして固定する。処理後、サンプルカートリッジを、完全自動化画像撮影装置及びデータ収集装置(Digital Analyzer, NanoString Technologies)に移す。各サンプルを画像撮影し、その標的に対するコードが検出された回数を計測することによって、標的の発現レベルを測定する。各サンプルについて、約10mm2の結合表面を示す、典型的には600個の視野(FOV)を画像撮影する(1376×1024ピクセル)。典型的な画像密度は、多重度、サンプルインプットの量、及び標的の総量に依存して、1視野あたりに計測された100〜1200個のレポーターである。データは、1つのサンプルあたり、1つの標的あたりの計数を列挙したシンプルなスプレッドシートフォーマットで出力される。このシステムをナノレポーターと共に使用することができる。ナノレポーターに関するさらなる開示を、国際公開公報第WO07/076129号及び第WO07/076132号、及び米国特許公開公報第2010/0015607号及び第2010/0261026号に見出すことができ、その内容はその全体が参照により本明細書に組み入れられる。さらに、核酸プローブ及びナノレポーターという用語は、国際公開公報第WO2010/019826号及び米国特許公開公報第2010/0047924号(これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載の合理的に設計された(例えば合成配列)を含み得る。
遺伝子の発現レベルは、絶対的な発現レベル又は標準化された発現レベルとして表現され得る。典型的には、発現レベルは、その発現を、関連していない遺伝子、例えば構成的に発現されているハウスキーピング遺伝子の発現と比較することによって、遺伝子の絶対的な発現レベルを修正することによって標準化される。標準化のために適した遺伝子としては、ハウスキーピング遺伝子、例えばアクチン遺伝子ACTB、リボソーム18S遺伝子、GUSB、PGK1、及びTFRCが挙げられる。この標準化により、あるサンプル、例えば患者のサンプルと、別のサンプルの、又は異なる入手源に由来するサンプル間の比較が可能となる。
遺伝子の発現レベルを決定するための他の方法としては、該遺伝子によってコードされるタンパク質の量の決定を含む。
このような方法は、サンプルを、サンプル中に存在するマーカータンパク質と選択的に相互作用することのできる結合対と接触させることを含む。結合対は、一般的に抗体であり、これはポリクローナルでもモノクローナルでもよいが、好ましくはモノクローナルである。結合対はまたアプタマーであってもよい。
タンパク質の存在を、標準的な電気泳動技術及び免疫診断技術、例えばイムノアッセイ、例えば競合、直接反応、又はサンドイッチ型アッセイを使用して検出することができる。このようなアッセイとしては、ウェスタンブロット;凝集検査;酵素標識及び媒介イムノアッセイ、例えばELISA;ビオチン/アビジン型アッセイ;ラジオイムノアッセイ;免疫電気泳動;免疫沈降法などが挙げられるがこれらに限定されない。反応は一般的に、顕現標識、例えば蛍光、化学発光、放射能、酵素標識、若しくは色素分子、又は、抗原とそれと反応する抗体若しくは抗体群との間の複合体の形成を検出するための他の方法を含む。
前記のアッセイは一般的に、抗原−抗体複合体が結合している固相支持体からの、液相中の結合していないタンパク質の分離を含む。本発明の実施に使用することのできる固相支持体としては、基質、例えばニトロセルロース(例えば膜又はマイクロタイターウェルの形状);ポリ塩化ビニル(例えばシート又はマイクロタイターウェル);ポリスチレンラテックス(例えばビーズ又はマイクロタイタープレート);フッ化ポリビニリデン;ジアゾ化ペーパー;ナイロン膜;活性化ビーズ、磁気反応性ビーズなどが挙げられる。
より特定すると、ELISA法を使用することができ、マイクロタイタープレートのウェルは、試験しようとするタンパク質に対する抗体でコーティングされている。その後、マーカータンパク質を含有している又は含有していることが疑われる生物学的サンプルを、コーティングされたウェルに加える。抗体−抗原複合体の形成を可能とするに十分なインキュベーション期間の後、プレート(群)を洗浄して、結合していない部分を除去することができ、検出可能なように標識された二次結合分子を加えた。二次結合分子を、あらゆる捕捉されたサンプルマーカータンパク質と反応させ、プレートを洗浄し、二次結合分子の存在を当技術分野において周知の方法を使用して検出する。
あるいは、免疫組織化学的(IHC)方法が好ましくあり得る。IHCは具体的に、インサイツでサンプル又は組織標本中の標的を検出する方法を提供する。サンプルの全体的な細胞完全性はIHCにおいて維持され、よって関心対象の標的の存在及び場所の両方の検出が可能となる。典型的にはサンプルをホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、染色のために切断して切片とし、続いて光学顕微鏡により検査する。現在のIHCの方法は、直接的な標識又は二次抗体をベースとした若しくはハプテンをベースとした標識のいずれかを使用する。公知のIHCシステムの例としては、例えば、EnVision(商標)(DakoCytomation)、Powervision(R)(Immunovision、スプリングデール、AZ)、NBA(商標)キット(Zymed Laboratories Inc.、サウスサンフランシスコ、CA)、HistoFine(R)(ニチレイ社、東京、日本)が挙げられる。
特定の実施態様では、組織切片(例えば卵丘細胞を含むサンプル)を、関心対象の遺伝子によってコードされるタンパク質に対して指向される抗体と共にインキュベーションした後に、スライド又は他の支持体上に載せ得る。その後、適切な固相支持体上に積載されたサンプルの顕微鏡検査を行ない得る。顕微鏡写真の作製のために、サンプルを含む切片を、スライドガラス又は他の平坦な支持体上に載せて、関心対象のタンパク質の存在を選択的に染色することによって強調させ得る。
それ故、IHCサンプルは、例えば、(a)卵丘細胞を含む調製物、(b)固定及び包埋された該細胞、並びに(c)該細胞サンプル中の関心対象のタンパク質の検出を含み得る。実施態様によっては、IHC染色手順は、組織を切断及びトリミング、固定、脱水、パラフィン浸潤、薄片へと切断、スライドガラス上へと積載、ベーキング、脱パラフィン化、再水和、抗原賦活、ブロッキング工程、一次抗体のアプライ、洗浄、(場合により適切な検出可能な標識に結合させた)二次抗体のアプライ、洗浄、対比染色、及び顕微鏡による検査などの工程を含み得る。
実施態様によっては、本発明の方法はさらに、i)miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAの発現レベルを決定する工程、ii)工程i)で決定された発現レベルを基準値と比較する工程、並びにiii)
−工程i)で決定された発現が、miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR185、miR196a、miR324−3p及びmiR−146b−5pからなる群より選択された各miRNAの基準値より高い場合、
−工程i)で決定された発現が、miR150、miR−181d、miR−182、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR−146a、miR−142−3p、miR−142−5p及びmiR−328からなる群より選択された各miRNAの基準値より低い場合、
被験者が潰瘍性疾病を患うと結論付ける工程からなる工程を含み得る。
「miRNA」という用語は、一般的に21〜22ヌクレオチド長の成熟したマイクロRNA(ノンコーディング小型RNA)分子を指すが、19〜23ヌクレオチド長も報告されている。miRNAは各々、より長い前駆体のRNA分子(「前駆体miRNA」:プリmiRNA及びプレmiRNA)からプロセシングされる。プリmiRNAは、タンパク質をコードしていない遺伝子から転写されるか、又はタンパク質コード遺伝子(イントロン又はノンコーディングエキソン内)に包埋されている。「前駆体miRNA」は、不完全な塩基対を形成している基部を含有するヘアピン構造へと折り畳まれ、ドローシャ及びダイサーと呼ばれる2つのリボヌクレアーゼIII型エンドヌクレアーゼによって動物において触媒される2つの工程でプロセシングされる。プロセシングされたmiRNAは典型的には基部の部分である。プロセシングされたmiRNA(「成熟miRNA」とも呼ばれる)は、特定の標的遺伝子(群)の転写後抑制(ダウンレギュレーション)を行なう大きなリボ核タンパク質複合体(miRISC)へと構築される。本発明に関する全てのmiRNAはそれ自体公知であり、それらの配列はデータベースhttp://www.mirbase.org/cgi-bin/mirna_summary.pl?org=hsaから公に入手可能である。本発明のmiRNAは表Aに列挙されている:
Figure 2016531554
実施態様によっては、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAの発現レベルが決定される。
本明細書において使用される「基準値」という用語は、健康な被験者集団における遺伝子又はmiRNAについて決定された値を指す。「健康な被験者」は、潰瘍性疾病、より好ましくは炎症性腸疾患を患っていない被験者を示す。典型的には基準値は、最適な感度及び特異性、すなわちベネフィット/リスクのバランスを得るために選択される(偽陽性及び偽陰性の臨床結果)。例えば、最適な感度及び特異性(よって基準値)を、試験被験者コホートから得られた実験データに基づいた受信者動作特性(ROC)曲線を使用して決定することができる。
一旦被験者が、潰瘍性大腸炎であると診断されれば、以下からなる群より選択された少なくとも1つの化合物で処置することができる:
− 鎮痛薬:モルヒネ、フェンタニル、ヒドロモルフォン、オキシコドン、コデイン、アセトアミノフェン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、トラマドール、ベンラファキシン、フルピルチン、メペリジン、ペンタゾシン、デキストロモラミド、ジピパノン;
− 抗生物質−アミノグリコシド系(例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、及びパロモマイシン)、カルバペネム系(例えばエルタペネム、ドリペネム、イミペネム、シラスタチン、及びメロペネム)、セファロスポリン系(例えばセファドロキシル、セファゾリン、セファロチン、セファレキシン、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セフェピム及びセフトビプロール)、グリコペプチド系(例えばテイコプラニン、バンコマイシン及びテラバンシン)、リンコサミド系(例えばクリンダマイシン及びリンコマイシン(incomysin))、リポペプチド(例えばダプトマイシン)、マクロライド系(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、及びスペクチノマイシン)、モノバクタム系(例えばアズトレオナム)、ニトロフラン系(例えばフラゾリドン及びニトロフラントイン)、ペニシリン系(例えばアモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ペニシリンV、ピペラシリン、テモシリン、及びチカルシリン)、ペニシリン合剤(例えばアモキシシリン/クラブラン酸、アンピシリン/スルバクタム、ピペラシリン/タゾバクタム、及びチカルシリン/クラブラン酸)、ポリペプチド系(例えばバシトラシン、コリスチン及びポリミキシンB)、キノロン系(例えばシプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ナリジクス酸、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、グレパフロキサシン、スパルフロキサシン、及びテマフロキサシン)、スルホンアミド系(例えばマフェニド、スルホンアミドクリソイジン、スルファセタミド、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルホンアミド(sulfanamide)、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、及びトリメトプリム−スルファメトキサゾール)、テトラサイクリン系(例えばデメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、及びテトラサイクリン)、抗ミコバクテリア化合物(例えば、クロファジミン、ダプソン、カプレオマイシン、サイクロセリン、エタンブトール、エチオナミド、イソニアジド、ピラジナミド、リファンピシン(リファンピン)、リファブチン、リファペンチン、及びストレプトマイシン)、及びその他、例えば、アルスフェナミン、クロラムフェニコール、ホスホマイシン、フシジン酸、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、プラテンシマイシン、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファキシミン、チアンフェニコール、チゲサイクリン、及びチニダゾール;
− 抗体−抗TNF抗体、例えばインフリキシマブ(レミケード(登録商標));
− 抗凝固剤−ワーファリン(クマジン(登録商標))、アセノクマロール、フェンプロクモン、アトロメンチン、フェニンジオン、ヘパリン、フォンダパリヌクス、イドラパリヌクス、リバーロキサバン、アピキサバン、ヒルジン、レピルジン、ビバリルジン、アルガトロバン、ダビガトラン、キシメラガトラン、バトロキソビン、ヘメンチン;
− 抗炎症剤−ステロイド、例えば、ブデソニド、非ステロイド系抗炎症剤、例えばアミノサリチル酸(例えばスルファサラジン、メサラミン、オルサラジン、及びバルサラジド)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(COX−2阻害剤、例えばロフェコキシブ、セレコキシブ)、ジクロフェナク、エトドラク、ファモチジン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、イブプロフェン、インドメタシン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、サルサラート、スリンダク、トルメチン;
− アミノサリチル酸−スルファサラジン、例えばメサラジン(5−アミノサリチル酸、メサラミン、又は5−ASAとしても知られる)。商標名の製剤としては、アプリソ、アサコール、ペンタサ、メザバント、リアルダ、フィバサ(Fivasa)、ロバサ(Rovasa)及びサロフォーク、スルファサラジン(アザルフィジンとしても知られる)、バルサラジド(コラザル又はコラジド(Colazide)(英国)としても知られる)、オルサラジン(ジペンタムとしても知られる)が挙げられる。
− 免疫抑制剤−メルカプトプリン、副腎皮質ステロイド、例えばデキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾロン、及びプレドニゾロン、アルキル化剤、例えばシクロホスファミド、カルシニューリン阻害剤、例えばシクロスポリン、シロリムス、及びタクロリムス、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(IMPDH)、例えばミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、及びアザチオプリン、並びに、レシピエントの体液性免疫応答を変化させずに細胞性免疫を抑制するように設計された薬剤、例えば様々な抗体(例えば、抗リンパ球グロブリン(ALG)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、モノクローナル抗T細胞抗体(OKT3))、及び放射線照射。アザチオプリンは、商標名アザサン(登録商標)でSalix Pharmaceuticals, Inc.から現在入手可能であり;メルカプトプリンは、商標名プリントール(登録商標)でGate Pharmaceuticals, Inc.から現在入手可能であり;プレドニゾン及びプレドニゾロンは、Roxane Laboratories, Inc.から現在入手可能であり;メチルプレドニゾロンはファイザーから現在入手可能であり;シロリムス(ラパマイシン)は、商標名ラパミューン(登録商標)でWyeth-Ayerstから現在入手可能であり;タクロリムスは、商標名プログラフ(登録商標)で藤沢から現在入手可能であり、シクロスポリンは、商標名サンディミュン(登録商標)でノバルティスから、及び商標名ジェングラフ(登録商標)でアボットから現在入手可能であり;IMPDH阻害剤、例えばミコフェノール酸モフェチル及びミコフェノール酸は、商標名セルセプト(登録商標)でロシュから、及び商標名マイフォーティック(登録商標)でノバルティスから現在入手可能であり;アザチオプリンは、商標名イムラン(登録商標)でグラクソスミスクラインから現在入手可能であり;抗体は、商標名オルソクローン(登録商標)でOrtho Biotechから、商標名シムレクト(登録商標)(バシリキシマブ)でノバルティスから、商標名ゼナパックス(登録商標)(ダクリズマブ)でロシュから現在入手可能である。
− グアニル酸シクラーゼ―C受容体アゴニスト又は腸分泌促進物質、例えばリンゼス(登録商標)で販売されているリナクロチド
− スルホラファン、グアナベンズ、及びサルブリナール。
これらの様々な薬剤は、市販されている薬物剤形に添付された処方情報に明記されているような、その標準的な又は一般的な投与量に従って使用することができる。
さらなる目的は、ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子に特異的な少なくとも1つの核酸を有する固相支持体を含むチップに関する。
実施態様によっては、チップの固相支持体は、2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子に特異的な一連の核酸を有する。
実施態様によっては、チップの固相支持体は、miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAに特異的な少なくとも1つの特定の核酸を有する。
実施態様によっては、チップの固相支持体は、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAに特異的な一連の核酸を有する。
したがって、このようなチップ(又は核酸マイクロアレイ)は、支持体(マイクロチップ、スライドガラス又はミクロスフィアのサイズのビーズであり得る)に化学的に付着させた様々な核酸プローブからなる。マイクロチップは、ポリマー、プラスチック、樹脂、多糖、シリカ、又はシリカをベースとした材料、カーボン、金属、無機ガラス、又はニトロセルロースから構成され得る。プローブは、約10〜約60塩基対であり得るcDNA又はオリゴヌクレオチドなどの核酸を含む。発現レベルを決定するために、場合によりまず逆転写にかけられた試験被験者からのサンプルを標識し、ハイブリダイゼーション条件においてマイクロアレイと接触させると、マイクロアレイ表面に付着させたプローブ配列に相補的である標的核酸間で複合体が形成される。その後、標識されたハイブリダイズした複合体を検出することができ、定量又は半定量することができる。標識は、様々な方法によって、例えば放射性標識又は蛍光標識を使用することによって成し遂げられ得る。マイクロアレイハイブリダイゼーション技術の多くの変法が、当業者には利用可能である(例えば、Hoheisel, Nature Reviews, Genetics, 2006, 7:200-210による概説を参照されたい)。
本発明のさらなる目的は、ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを決定するための手段を含むキットに関する。
実施態様によっては、前記キットは、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子の発現を決定するための手段を含む。
実施態様によっては、前記キットはさらに、miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAのレベルを決定するための手段を含む。
実施態様によっては、前記キットは1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAの発現レベルを決定するための手段を含む。
例えば、前記キットは、遺伝子又はmiRNA中の標的配列を増幅するためのプライマーセットを含み得る。特定の実施態様では、プライマーセットは遺伝子又はmiRNAを増幅するためのプライマーセット(正方向及び逆方向プライマー)を含む。特定の実施態様では、該キットはさらに、本明細書に記載の1つ以上の標準化遺伝子などの少なくとも1つの標準化遺伝子を増幅するためのプライマーセットを含む。さらに、該キットは、本明細書に記載の検出プラットフォームと関連してこれを含む、各標的配列を検出するための少なくとも1つのプローブ(例えばTaqMan(商標))を含み得る。
キットは容器を含み得、各々の容器は、様々な1つ以上の試薬(時には濃縮形で)、例えば作成済みのマイクロアレイ、緩衝液、適切なヌクレオチド三リン酸(例えばdATP、dCTP、dGTP、及びdTTP;又はrATP、rCTP、rGTP及びUTP)、逆転写酵素、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、及び1つ以上のプライマー複合体(例えば、RNAポリメラーゼと反応性のプロモーターに連結された適切な長さのポリ(T)又はランダムプライマー)を有する。一連の説明書も典型的には含まれ得る。
実施態様によっては、前記キットは複数の試薬を含み得、その各々は標的核酸又はタンパク質に特異的に結合することができる。標的タンパク質との結合に適した試薬としては、抗体、抗体誘導体、抗体フラグメントなどが挙げられる。標的核酸(例えばゲノムDNA、mRNA、スプライシングされたmRNA、cDNAなど)との結合に適した試薬としては、相補的核酸が挙げられる。例えば、核酸試薬は、基質に固定された(標識された又は標識されていない)オリゴヌクレオチド、基質に結合していない標識されたオリゴヌクレオチド、PCRプライマー対、分子ビーコンプローブなどを含み得る。
実施態様によっては、前記キットは遺伝子発現レベルを検出するのに有用な追加の成分を含み得る。例えば、該キットは、相補的核酸をアニーリングさせるのに適した、又は抗体が特異的に結合するタンパク質と該抗体との結合に適した液体(例えばSSC緩衝液)、1つ以上のサンプル区画、発現レベルを検出するための説明を与える資料などを含み得る。
実施態様によっては、プライマーの1つ以上は「鎖状」である。「鎖状」プライマーは一本鎖分子であり、プライマーが内部二本鎖を形成するような同じオリゴヌクレオチド内の別の領域に相補的である、例えば少なくとも3、4又は5つの連続したヌクレオチドの短い領域を典型的には含まない、オリゴヌクレオチドを指す。実施態様によっては、逆転写に使用するためのプライマーは、標的RNAの5’末端の少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個以上の連続ヌクレオチドの領域に対して相補的である塩基配列を有する、3’末端の少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個以上の連続ヌクレオチドの領域を含む。実施態様によっては、該キットはさらに、標的RNAから逆転写されたcDNAの増幅のための1つ以上の鎖状プライマー対(「正方向プライマー」及び「逆方向プライマー」)を含む。したがって、実施態様によっては、正方向プライマーは、標的RNAの5'末端の少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個、例えば少なくとも8個、例えば少なくとも9個、例えば少なくとも10個の連続ヌクレオチドの領域の塩基配列に対して相補的である塩基配列を有する少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個、例えば少なくとも8個、例えば少なくとも9個、例えば少なくとも10個の連続ヌクレオチドの領域を含む。さらに、実施態様によっては、逆方向プライマーは、標的RNAの3'末端の少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個、例えば少なくとも8個、例えば少なくとも9個、例えば少なくとも10個の連続ヌクレオチドの領域の塩基配列に対して相補的である塩基配列を有する少なくとも4個、例えば少なくとも5個、例えば少なくとも6個、例えば少なくとも7個、例えば少なくとも8個、例えば少なくとも9個、例えば少なくとも10個の連続ヌクレオチドの領域を含む。
実施態様によっては、前記キットは、検出可能な物質にコンジュゲートさせた本発明の遺伝子の各々のタンパク質産物に対する一連の抗体、及び使用説明書を含む。該キットは、マーカータンパク質又は該タンパク質のフラグメントに特異的に結合する、抗体、抗体誘導体、又は抗体フラグメントを含み得る。このようなキットはまた、複数の抗体、抗体誘導体、又は抗体フラグメントを含み得、このような複数の抗体物質は、マーカータンパク質又は該タンパク質のフラグメントに特異的に結合する。
実施態様によっては、前記キットは、抗体、例えば標識された抗体又は標識可能な抗体、及び、生物学的サンプル中のタンパク質を検出するための化合物又は物質;サンプル中のタンパク質の量を決定するための手段;サンプル中のタンパク質の量を標準と比較するための手段;並びに使用説明書を含み得る。このようなキットは、単一のタンパク質又はエピトープを検出するために供給され得るか、あるいは、例えば抗体検出アレイにおいて複数のエピトープの中の1つを検出するように設計され得る。核酸アレイのためのアレイが本明細書において詳細に記載され、類似の方法が抗体アレイのために開発されている。
当業者は、バイオマーカーの発現を決定するために、多くの検出剤を使用することができることを理解しているだろう。例えば、バイオマーカーのRNA産物を検出するために、プローブ、プライマー、相補的ヌクレオチド配列、又はRNA産物にハイブリダイズするヌクレオチド配列を使用することができる。バイオマーカーのタンパク質産物を検出するために、タンパク質産物に特異的に結合するリガンド又は抗体を使用することができる。
当業者は、検出剤を標識することができることを理解しているだろう。標識は好ましくは、検出可能なシグナルを直接的に又は間接的にのいずれかで発生することができる。例えば、標識は、放射線不透過性又は放射性同位体、例えばH、14C、32P、35S、123I、125I、131I;蛍光(フルオロフォア)若しくは化学発光(発色団)化合物、例えばフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、又はルシフェリン;酵素、例えばアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、又はセイヨウワサビペルオキシダーゼ;造影剤;あるいは金属イオンであり得る。
前記キットはまた、一連の基準値及び/又は使用説明書を含むことができる。さらに、該キットは付属的な物質、例えば検出剤及び/又は緩衝液若しくは安定化剤を保存又は輸送するための容器を含むことができる。
本発明は、以下の図面及び実施例によってさらに説明されるだろう。しかし、これらの実施例及び図面はいずれにしても本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
実施例:
材料及び方法
患者及び生検材料
ヒト上行結腸生検材料を、ボージョン病院IBD消化器科(IBD Gastroenterology Unit, Hopital Beaujon)から入手した。プロトコールは地域倫理委員会(CPP-Ile de France IV No. 2009/17)に従い、書面によるインフォームドコンセントを、登録前に全ての患者から得た。潰瘍性大腸炎患者の臨床特徴を補足表1に示した。19人の非喫煙潰瘍性大腸炎患者及び3人の喫煙潰瘍性大腸炎患者、8人の非喫煙対照及び8人の喫煙対照、並びに20人のクローン病患者(10人がクローン性回結腸炎、10人がクローン性結腸炎)を選択し、この試験に含めた。患者の全ての診断は、古典的な臨床特徴だけでなく、放射線、内視鏡及び組織学的所見にも基づいた。全ての生検材料は、冒されていない右大腸で拾い上げ、大腸に沿った解毒酵素の発現のばらつきを回避した。冒されていない領域は、顕微鏡/内視鏡及び組織学的検査による炎症の兆候が全くない粘膜領域と定義された。組織標本の転写プロファイルを保存するために、生検標本をRNA抽出まで直ちに−80℃に保った。
全mRNAの単離及び逆転写
全mRNAを、RNAble(登録商標)キット(Eurobio Courtaboeuf、フランス)を使用してヒト上行結腸から抽出した。RNAをND-1000 NanoDrop分光光度計(NanoDrop technologies Inc.、フランス)によって定量し、全mRNAの完全性をAgilent 2100バイオアナライザによって確認した。全mRNA(1μg)をモロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(M-MLV RT)キット(Invitrogen, Carlsbad、CA、米国)を使用して製造業者のプロトコールに従ってcDNAへと変換した。逆転写をサーマルサイクラー(Mastercycler(登録商標)、エッペンドルフ、ドイツ)を使用して成し遂げた。
定量PCR
リアルタイム定量PCRを、Lightcycler 480システム(ロシュ、フランス)を使用してSYBR Green(Mastermix plus for SYBR(登録商標)アッセイNo ROX、Eurogentec、米国)を用いて実施した。サイクリング条件は以下の通りであった:95℃で10分間、その後、95℃で15秒間、65℃で1分間を50サイクル、その後、95℃で5秒間、及び55℃で1分間。50サイクルの後、40℃での融解曲線(10分間)を描いた。融解曲線をLightcycler(登録商標)480遺伝子走査ソフトウェアを用いて分析した。標的遺伝子の得られたサイクル閾値(Ct)を、TATAボックス結合タンパク質(TBP)などのハウスキーピング遺伝子のそれに対して標準化した。2−ΔΔCt法を使用して標的遺伝子の誘導倍数を計算した。ヌクレオチド配列は文献[1〜5]から入手したか、又はプライマー設計ツール(NCBI Primer-Blast)を使用して自社で設計した。
統計学的分析
統計学的分析を、Prism Version 5.0(GraphPad software, Inc.、サンディエゴ、CA)を使用して実施した。マンホイットニー検定を使用して、群間の統計学的有意性を決定した。潰瘍性大腸炎喫煙患者のサンプルは限られているので、この群に適した試験は全くない。数値はp<0.05の場合に統計学的に差があると判断された。結果は平均値±SEMとして提示される。クラスタリングをdChipソフトウェアを使用して実施した。
結果:
潰瘍性大腸炎(UC)は、直腸から始まり一般的に近位に連続的に広がっていく、大腸粘膜の特発性で慢性の炎症性腸疾患(IBD)である。潰瘍性大腸炎の正確な原因は不明であるが、喫煙、生体異物、食事、及び微生物因子をはじめとするいくつかの環境因子が関与している。炎症性腸疾患に対する環境の影響の最も明白な例は喫煙(CS)である。喫煙は、潰瘍性大腸炎及びクローン病に対して著しく反対の作用を及ぼす[1]。タバコの使用はクローン病についての重要なリスク因子であるが、潰瘍性大腸炎患者は非喫煙者であることが多く、禁煙は潰瘍性大腸炎の発症リスクを高め、このことは、明確に異なる機序が、各型の炎症性腸疾患の病気発生の根底にあるという概念を支持する。しかし、潰瘍性大腸炎に対する喫煙の防御機序は依然として不明瞭である。
ヒトの生体異物代謝酵素の機構が、環境曝露からの主要な保護因子である[2]。肝臓は解毒のための主要な臓器であるが、大腸上皮細胞は管腔内の環境因子を解毒する等価な能力を有する[3、4]。有害な管腔内の作用物質を解毒できないことは、潰瘍性大腸炎の病気発生の重要な因子と見られる場合がある。例えば、大腸炎の動物モデルの僅かなデータ[5、6]及び潰瘍性大腸炎患者の以前の研究[7]並びに炎症性腸疾患患者におけるその他の研究[3、4、8、9、10]は、解毒酵素の欠乏が、大腸炎の惹起及び進行に関与し得ることを示唆する。しかし、環境曝露に対する上皮バリアの弱い応答性をもたらす解毒系の多層的な変化の概念に関するこれらの研究によって与えられる情報は限られており、殆どの場合、少数の遺伝子が関与している。
ここで、本発明者らは、潰瘍性大腸炎患者の冒されていない大腸粘膜の生体異物解毒能の包括的かつ総合的な研究を実施して、この組織の環境侵襲に対する感受性及び病気発生におけるその関与のより良い理解を可能とした。本発明者らは主に、潰瘍性大腸炎における喫煙の有益な防御効果が一部には、解毒酵素の発現に対するその調節効果によって説明することができるかどうかを調べた。
ヒト消化管に発現されることが知られている[3]、第1相及び第2相の生体異物代謝酵素(XME)をはじめとする244個の解毒酵素、輸送体、及び核内受容体、及び転写因子の遺伝子発現を、qRT−PCRによって、19人の潰瘍性大腸炎患者及び8人の健康対照の右大腸で拾い上げた個々の炎症の起こっていない大腸生検材料において定量した(補足表1及び2)。結果は、3つの異なる亜群(XME、ABC又はSLC輸送体、及び核内受容体)に割り当てられた65個の遺伝子が、健康被験者と比較して潰瘍性大腸炎患者において有意に脱調節されていたことを示した(変化倍数>|1、5|、P値<0.05)。これらの遺伝子の中で、70%(45/65)がダウンレギュレートされていた(補足表2)。本発明者らは、他の亜群である解毒遺伝子と比較して、転写因子及び核内受容体の特異的ダウンレギュレーションを認めた(フィッシャーの正確検定P=0.003)(補足表2)。遺伝子機能予測ツールGenemania(http://genemania.org/)を使用して、本発明者らは、そのいくつかが炎症性腸疾患及び動物モデルにおいて脱調節されていることが知られている[5、10、11、12、13]、芳香族炭化水素受容体AhR(補因子ARNT、NCOA2、NCOR2、NR3C1、及び一連の下流標的遺伝子ABCB1、ABCG2、ALDH1A3、ALDH7A1、AOX1、COMT、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、INMT、UGT1A4、UGT1A9、SULT2A1、SLC7A5を含む)及びプレグナンX受容体PXR/NR1I2経路(ABCB1/MDR1、ABCC1、SULT2A1)、及び脂肪酸代謝(すなわちPPARs、NR1H3又はLXR、RXR)に属する協調的に調節されている遺伝子の様々な脱調節されたクラスターを同定した。
階層的クラスタリング分析は、65個の解毒遺伝子発現プロファイルの類似性に基づいて潰瘍性大腸炎患者(P=0.02)及び対照患者(P=0.009)を明瞭に分ける2つの明確に異なるクラスターを同定した。解毒遺伝子発現プロファイルを次に、20人のクローン病患者(10人の回結腸炎患者及び10人の結腸炎患者)の炎症を起こしていない大腸粘膜において分析した。クローン病患者及び健康対照は、遺伝子プロファイルから統計的に分離不可能であり、65中15個の遺伝子のみが、潰瘍性大腸炎患者において類似した発現プロファイルを示した(補足表3)。これらのデータは、潰瘍性大腸炎患者の冒されていない大腸上皮粘膜における解毒遺伝子発現の特異的な脱調節を指摘した。
潰瘍性大腸炎に対する喫煙の防御効果に関して、本発明者らは、9人の喫煙対照及び9人の非喫煙対照の大腸粘膜における65個の解毒遺伝子発現に対する喫煙の調節効果を調べた。興味深いことに、本発明者らは、65中28個の遺伝子が、対照において喫煙によって差次的にアップ又はダウンレギュレートされたことを見出した。これらの遺伝子の中には、15個のXME(CYP1B1、CYP2W1、TPMT、SULT2A1を含む)、7個の輸送体(ABCC1、SLC15A2、SLC47A1を含む)並びに6個の核内受容体及び転写因子(HIF3A、NCOA2、PPARD、PPARGC1A、RARB、NR1H3)がある。興味深いことに、その大半(71%、20/28)は、潰瘍性大腸炎患者において逆転して発現されていた(補足表4)。これらのデータは明瞭に、喫煙がそれ自体大腸の解毒遺伝子発現に影響を及ぼし得、潰瘍性大腸炎に対する喫煙の影響に関する新たな道を提供するという考えを支持する。しかし、この観察は、解毒機構において何らかの脱調節を示す炎症性腸疾患ではない患者にのみ関する。潰瘍性大腸炎患者に対する喫煙の効果を直接的に評価することは興味深いように思われた。本発明者らは、喫煙再開後に臨床的、内視鏡的に及び組織学的に寛解している3人の潰瘍性大腸炎患者の稀な大腸生検材料を得る機会を得た(補足表1)。少数の患者が本発明者らの統計的検出力を損ねたが、無活動潰瘍性大腸炎を有する喫煙患者における65個の脱調節された遺伝子の発現を定量した。異なる群(非喫煙対照及び喫煙対照と、潰瘍性大腸炎患者)間の遺伝子発現レベルの類似性及び差異が、主成分分析によって示された。この分析は、喫煙潰瘍性大腸炎患者と喫煙対照患者との間の遺伝子発現レベルにおいて高度の類似性を明らかとする。この結果は、喫煙が、喫煙対照群と潰瘍性大腸炎群とを集めると、潰瘍性大腸炎患者の大腸において改変された解毒遺伝子発現を強力に逆調節することを示唆する。興味深いことに、潰瘍性大腸炎に見られる65中40個の脱調節遺伝子が喫煙によって逆転して発現され、対照群において観察されたのと類似した発現レベルに到達した(補足表4)。輸送体ファミリーに属するこれらの中の多くの遺伝子が喫煙曝露によって誘導された。ABC及びSCL輸送体は、毒性化合物及びその代謝物の分泌を通して大腸上皮を保護して、組織防御において重要な役割を有する。同様に、解毒酵素及び輸送体をはじめとする、生体異物応答系の重要な調節因子である、核内受容体及び転写因子は、喫煙によって強力にアップレギュレートされた。1つの仮説は、大腸において喫煙によって誘導された増加した毒性は、解毒遺伝子の発現を活性化することができるのであろうというものであり得る。この活性化は、大腸粘膜が内因性又は外因性化学物質をより良好に支持しかつ解毒することを可能とする、防御的な閾値発現レベルを達成するのだろう。
結論すると、本発明者らは、潰瘍性大腸炎患者の炎症の起こっていない大腸粘膜における生体異物解毒系の特異的な脱調節を同定し、潰瘍性大腸炎のより良い診断を助け得る潰瘍性大腸炎の明瞭な遺伝子サインを確立した。興味深いことに、本発明者らは、喫煙が解毒遺伝子の発現を調節し、生体異物及び管腔内物質の大腸での解毒に必須である遺伝子発現のこのような脱調節を標準に戻すことを助け得ることを発見した。そうした遺伝子についての潰瘍性大腸炎における病態生理学的関連性は実際に、本発明者らの研究室において探究され、喫煙を模倣した潰瘍性大腸炎療法を開発するための有望な新規な標的を開拓する。
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参考文献:
本出願全体を通して、様々な参考文献が、本発明が属する技術分野の最新技術を記載する。これらの参考文献の開示は、本開示への参照により本明細書に組み入れられる。
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Claims (12)

  1. i)被験者から得られたサンプル中において、ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを決定する工程、ii)工程i)で決定された発現レベルを基準値と比較する工程、並びにiii)
    − 工程i)で決定された発現が、ADH6、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1L1、ALDH7A1、CBR3、CES1、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、MGST2、UGT2B7、ABCC1、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1及びSLC38A5からなる群より選択された各遺伝子について基準値より高い場合、又は
    − 工程i)で決定された発現が、ADH4、ADHFE1、ALDH1A3、AOX1、BCHE、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、INMT、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された各遺伝子について基準値より低い場合
    被験者が潰瘍性大腸炎を患うと結論付ける工程からなる工程を含む、被験者における潰瘍性大腸炎を診断するための方法。
  2. 1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子の発現レベルを決定する、請求項1の方法。
  3. i)miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAの発現レベルを決定する工程、ii)工程i)で決定された発現レベルを基準値と比較する工程、及びiii)
    − 工程i)で決定された発現が、miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR185、miR196a、miR324−3p及びmiR−146b−5pからなる群より選択された各miRNAについて基準値より高い場合、
    − 工程i)で決定された発現が、miR150、miR−181d、miR−182、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR−146a、miR−142−3p、miR−142−5p及びmiR−328からなる群より選択された各miRNAについて基準値より低い場合には
    被験者は潰瘍性疾病を患うと結論付ける工程からなる工程をさらに含む請求項の方法。
  4. 1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAの発現レベルを決定する、請求項3の方法。
  5. ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子に特異的な少なくとも1つの核酸を有する固相支持体を含むチップ。
  6. チップの固相支持体が、2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子に特異的な一連の核酸を有する、請求項5のチップ。
  7. チップの固相支持体が、miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAに特異的である少なくとも1つの特異的な核酸を有する、請求項5のチップ。
  8. チップの固相支持体が、1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAに特異的な一連の核酸を有する、請求項7のチップ。
  9. ADH4、ADH6、ADHFE1、AKR1A1、AKR7A2、ALDH1A3、ALDH1L1、ALDH7A1、AOX1、BCHE、CBR3、CES1、CYP1B1、CYP2E1、CYP2W1、CYP4F11、CYP51A1、ESD、KCNAB2、COMT、GSTA4、GSTP1、INMT、MGST2、SULT2A1、TPMT、UGT1A4、UGT1A9、UGT2B7、ABCA1、ABCA2、ABCB1、ABCC1、ABCC10、ABCC5、ABCC6、ABCG2、ATP7A、SLC1A3、SLC7A5、SLC10A2、SLC15A1、SLC15A2、SLC19A2、SLC19A3、SLC22A3、SLC28A3、SLC29A2、SLC38A1、SLC38A5、SLC47A1、SLCO2B1、SLCO4C1、ARNT、FOXO1、HIF3A、NCOA2、NCOR2、NR1H3、NR3C1、PPARD、PPARGC1A、RARB、RXRB及びTHRBからなる群より選択された少なくとも1つの遺伝子の発現レベルを決定するための手段を含むキット。
  10. 1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25;26;27;28;29;30;31;32;33;34;35;36;37;38;39;40;41;42;43;44;45;46;47;48;49;50;51;52;53;54;55;56;57;58;59;60;61;62;63;64又は65個の遺伝子の発現を決定するための手段を含む、請求項9のキット。
  11. miR15a、miR26a、miR29a、miR29b、miR30c、miR126、miR127−3p、miR−142−3p、miR−142−5p、miR−146a、miR−146b−5p、miR150、miR−181d、miR−182、miR185、miR196a、miR199a−3p、miR199a−5p、miR199b−5p、miR−203、miR223、miR−299−5p、miR320a、miR324−3p及びmiR−328からなる群より選択された少なくとも1つのmiRNAのレベルを決定するための手段をさらに含む、請求項9のキット。
  12. 1;2;3;4;5;6;7;8;9;10;11;12;13;14;15;16;17;18;19;20;21;22;23;24;25個のmiRNAの発現レベルを決定するための手段を含む、請求項11のキット。
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