本発明を実施するための一方法によれば、(透明または反射性の)導電性配線が、半透過の熱伝導性素子(例えば、アルミナ(Al2O3)、透明アルミナ(TPA)、スピネル、サファイア等)上に配置されている。 これをリソグラフィで、あるいは、より好適にはスクリーンプリントで行うことができる。LEDまたは表面実装可能なセラミック基板上のLED(LEDパッケージとも称される)が、半透過の熱伝導性素子上の配線に(例えば、半田付けや導電性接着剤によって)実装される。実装方法は、LEDから透光性の熱伝導性素子に低い耐熱性での接触を確立することが好ましい。LEDが発した光は、熱伝導性半透過素子に向けられ、ここで、光が、熱伝導性の透光性(したがって発光ルミネッセンス)素子を通過して放射される。透光性の熱伝導性素子は、LEDによって生成される熱を放散するために、LED(またはセラミック表面実装基板に実装されたLED)よりも十分に大きな表面積を有する。本発明において実施されるように、LEDによって生成される熱は、熱伝導性の透光性素子および任意の半透過素子のルミネッセンス(発光)表面(複数可)からの対流および放射によって放散され、これにより、かさばって重い付加ヒートシンクが不要になる。
大きな表面積の光透過性または半透過性の熱伝導性材料または素子は、本発明を実施するために必要とされ、したがって、これらの材料のコストを最小限に抑えることが望ましい。発光しかつLEDからの熱を放散する熱伝導性半透過素子に、低コストの材料を使用して自冷式固体光源を製造するための手段が、本明細書に開示されている。透過性より反射性の高い熱伝導性光透過素子または半透過素子を用いて光リサイクリングキャビティを形成することにより、低コストの材料が利用され得ることが示されている。例えば、従来の処理されたアルミナ(Al2O3)は、比較的安価である(1平方インチ当たり10セントより安い)。ただし、これは、比較的薄い厚さ(500ミクロン〜1ミリメートル)であっても、入射光の20%未満の透過率を有して高い反射性があり(色は白)、したがって、LED(複数可)がこれらの材料内または材料によって囲まれている光源のルミネッセンス素子として使用するためには、対象にならないと考えられる。透明度の高いアルミナ(TPA)は、比較するとより高価(1平方インチ当たり50セントより高い)であるが、大部分が表面でフレネル反射することにより、入射光の80%を超える透過率を有することができる。ただし、本発明の実施形態の1つは、本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に一般に参照により援用される、米国特許第7,040,774号明細書および米国特許第6,960,872号明細書に開示されているものと同様に、熱伝導性半透過素子を閉じたエンベロープに配置することであり、これが光リサイクリングキャビティになる。これらの光リサイクリングキャビティを形成するために、より透明でコストのかかる材料から成る半透過の熱伝導性素子を利用することができる一方で、より低コストで反射性の高い(より透明でない)熱伝導性半透明材料(例えば、従来の処理されたアルミナ(Al2O3))をより高価で透明な材料とほとんど同様に利用することができることが判明している。例えば、光リサイクリングキャビティを、83%よりも高い反射率を有するアルミナ96%の6つの薄いシートを用いて形成することができる。本発明において実施されるように、LEDまたは表面実装可能なLEDパッケージ(小型のセラミック基板上に実装されたLED)は、完全に囲まれたキャビティを形成する、主に反射性である半透過の熱伝導性素子の内面に実装される。
これらの主に反射性である熱伝導性の半透明材料のための材料は、比較的安価であるため、アルミナ96%(Al2O3)が好ましい。白色光源を作成する場合は、波長変換材料(蛍光体)は、LEDの発光面上に被覆される。これを、蛍光体キャップ、セラミック蛍光体チップ、またはシリコーンやエポキシのような透明な接着剤コーティングでLED上にコーティングされた蛍光体とすることができる。(キャビティの内側に実装された)LEDから放射され、必要に応じて波長変換された光が、囲まれた光リサイクリングキャビティの反対側に当たると、この場合、半透過の熱伝導性素子は主に反射性であるため、少しの光のみが透過され(例えば、反射率84%のアルミナ素子でわずか16%)、外部表面から放射される。ただし、透過されない光が反射して反対側、およびこのような形成されたキャビティの他の側面に返り、84%の反射光のうちの16%(〜13.4%)が透過して、キャビティの他の表面によって放射される。LED(複数可)によって放射される光の非常に高い割合が、(ボディ色および外観が白の)主に反射性の熱伝導性半透過素子(例えば、アルミナ)を通過し、光源によって放射されるまで、このプロセスが継続する。注目すべきことに、高い反射率の(例えば、アルミナ)素子が17%未満の光学的透過率を有するにもかかわらず、LEDによって放射される光の80%を超える光が、最終的に、エンベロープ(またはエンクロージャ)の白色不透明に見える外観の側面を通って放射されることになる。このアプローチを効率的にする重要なパラメータは、主に反射性である熱伝導性半透過素子(例えば、アルミナ)が低い吸収率を有するが、光を効率的に散乱することである。このため、一般にアルミナセラミック製品に使用される焼結助剤および他の材料の慎重な選択が必要である。これは、一般に、人間の目には、ボディ色として現れる。散乱は、波長依存性ではあるが、必ずしもリサイクリングキャビティの用途で増加した吸収に変換されるわけではない。
光リサイクリングキャビティの先に引用された特許では、効率的なリサイクリング光学システムを作成するために吸収損失が最小化されなければならないことが開示された。本開示では、リサイクリングキャビティは、部分的に反射性(<50%)、および一実施形態ではさらに高い反射性(>50%)の熱伝導性素子を使用して形成される。素子は、散乱を伴う半透過性であってもよいし、80%より高い反射率を有してもよく、さらに、閉じた光リサイクリングキャビティ内のLEDからの高い光抽出効率を達成することができる。一例として、LEDまたはLEDパッケージが実装された薄いアルミナ(Al2O3)面から構成された立方体は、立方体の内側にリサイクリングキャビティを形成する。立方体の面(例えば、アルミナ素子)の内面上の、反射性(例えば、銀)または透明(例えば、インジウムスズ酸化物)の配線は、電気的接続を可能にし、立方体の内面に実装されたLEDおよび/またはLEDパッケージに適用されるように動力を供給する。任意で、ピン、ワイヤ、導電性ビア、フレックス回路などを、外部電力源を介してキャビティ内に電力をもたらすために使用することができる。このアプローチの固有の軽量により、グラム当たり50ルーメンの出力レベル、または白熱灯や蛍光灯のグラム当たりのルーメンを超えるより高い出力レベルが可能になる。キャビティの発光面もまた熱放射面であるため、白熱灯や蛍光灯のように、これらの光リサイクリングキャビティの光源は追加のヒートシンクを必要とせず、これにより、任意の追加のヒートシンク素子が実質的に不要となる。ただし、物理的な出口開口部を開示している、米国特許第6,960,872号明細書に記載されているような光リサイクリングキャビティとは異なり、LEDおよび/またはLEDパッケージが生成した光は、キャビティの側面を構成する熱伝導性半透過素子を通過させることによって(本明細書中に開示されるような)光リサイクリングキャビティから単にエスケープすることができる。この結果、完全に無指向性の光源を作成する閉じたキャビティのすべての外面からの非常に均一な光出力をもたらす。より高い反射率の熱伝導性半透過素子(例えば、アルミナ(Al2O3))は、これらに当たる入射光の10%〜20%のみを透過するため、LEDおよび/またはLEDパッケージから放射された光の大部分は複数回反射され、このようにして、キャビティの側面が部分的に透過性であるリサイクリングキャビティを形成する。このように部分的に透過性の熱伝導性素子を構成するリサイクリングキャビティが、開示されている。
また、固体LEDおよび/またはLEDパッケージをさらに含む同じリサイクリングキャビティが、開示されている。反射性の配線および電力入力手段によって動力を供給されるLEDおよび/またはLEDパッケージを有する部分的に透過性の熱伝導性素子を備えた光リサイクリング光源が、さらに開示されている。アルミナ、配線、ならびにLEDおよび/またはLEDパッケージの吸収損失が十分に低い場合、反射した光線は、閉じたリサイクリングキャビティ内の至る所へバウンスし、最終的に光リサイクリングキャビティから放出される。これを数学的に無限級数としてモデル化することができる。吸収損失が低い場合には、数百ではないとしても数十の反射が、閉じたリサイクリングキャビティ内で発生することができる。これにより高い効率を可能にするだけでなく、閉じた発光キャビティすなわちエンベロープの放射面上に非常に均一な出力分布を作成することもできる。このようにして、本発明の一実施形態では、リサイクリングキャビティの形成により、部分的に透過性の熱伝導性素子に基づく均一な強度の光源を作成する。一定の電圧と電流とで駆動されるキャビティの外側のLED(複数可)自体の生のルーメン出力を測定し、その後、同じ電圧と電流とで駆動されるLED(複数可)を有する光リサイクリングキャビティからの出力を測定することにより、このようなリサイクリングキャビティの効率を測定する。
光リサイクリングキャビティの効率は、キャビティの内面およびキャビティ内の他の素子の反射率の関数である。全内面反射が100%であれば、理論的には、唯一の損失は、エスケープする光、またはLEDまたは配線によって吸収される光である。LEDおよびまたは波長変換材料は、好ましくは、吸収が発生しても、できるだけ高い反射率を有する。LEDまたは波長変換素子に返る入射光は、吸収されるか、波長変換素子の場合にはさらに変換される傾向があるため、その効率に影響を与えることになる。LEDパッケージが、このように形成されたリサイクリングキャビティ内に配置されたときに、LEDパッケージの色温度が数百ケルビンごとに降下するため、これは容易に理解される。このように、本発明の一実施形態では、より高い色温度のLEDパッケージからより低い色温度の光源を作成するために、リサイクリングキャビティが使用される。これは、青色発光LEDと青色をより長い波長に変換する蛍光体キャップを有する上記のように形成されたリサイクリングキャビティで発生する。キャビティ内の波長変換素子に返る青色光がリサイクリングされるため、より多くの青色光が、光のリサイクリングによってより長い波長に変換される。主に反射性である部分的に透過性の熱伝導性素子(例えば、アルミナ(Al2O3))上への入射光は、反射されるか、あるいは放出されることになる。より反射率の高い部分的に透過性の熱伝導性素子(例えば、アルミナ(Al2O3))でさえ、いくつかの波長変換を提供し得ることに留意すべきである。クロムをドープしたサファイア(ルビーレーザ)に非常に類似した方法で、アルミナマトリックス内のクロムイオンを励起する青色波長の光子に起因して、標準的なアルミナ(Al2O3)中の想定外のクロムドーパントが狭帯域赤色光を放射し得ることが分かっている。このように、部分的に透過性の熱伝導性素子にドーパントまたはルミネッセンス素子を追加することも、本発明の実施形態である。
部分的に透過性の熱伝導性素子は、光源に熱放散手段を提供するので、キャビティの内面を含むLEDや蛍光体キャップの面積に比べて、比較的大きな面積の部分的に透過性の熱伝導性素子(例えば、アルミナ(Al2O3))が、必要とされている。LEDが生成する熱を放散するための放射冷却および対流冷却のために十分に大きな外部表面を提供することが必要とされている。これは、キャビティの反射率が、部分的に透過性の熱伝導性半透過素子によって主に決定されることを意味している。アルミナ(Al2O3)は、本明細書に開示されたリサイクリングキャビティの光源を形成するために使用される部分的に透過性の熱伝導性素子のための好ましい材料であるが、低吸収損失、妥当な熱伝導性、および熱安定性を示す複合材料、他のセラミック、多結晶、単結晶材料は、本発明の実施形態である。一例として、ポリシラザンのような低吸収光学ポリマー中の窒化ホウ素(BN)フレークを、部分的に透過性の熱伝導性素子を作成するために使用することができる。また、LEDおよび/またはLEDパッケージがより効率的になるにつれて、部分的に透過性の熱伝導性素子の要件を満たすことができる材料の範囲がより広くなることに、留意されたい。将来的には、より効率的なLEDの出現で、依然として妥当な出力レベルを提供しながら、ガラス(1W/mK)を使用することが可能であり得る。現状のLEDを用いて、主に反射性である部分的に透過性の熱伝導性素子にアルミナ(Al2O3)を使用することにより、20,000ftLを超える表面輝度を有する同型の自冷式光源が達成されている。主に反射性である部分的に透過性の熱伝導性素子のために、高熱伝導性金属を利用することも可能である。多数の小さい穴または穿孔を有する銀コーティングされたまたはめっきされた銅および/またはアルミニウムの薄いストリップまたはシートを使用することにより、光リサイクリングキャビティのための透過率に対する反射率の任意の所望の比率を、素子を通る小さな開口部(穴または穿孔)の密度を調整することによって達成することができる。穿孔は、打ち抜き、ドリル加工、レーザアブレーションなどによって作成され得る。
熱伝導性のルミネッセンス素子は、対流および放射手段がデバイスを冷却するために使用され得るために十分な大きさの領域にわたって、LEDおよびルミネッセンス素子自体に生成された熱を効率的に伝送し、分散することによって、任意の追加のヒートシンク手段の必要性を完全にまたは部分的に排除するために使用され得る。言い換えれば、光を放出する面もまた、対流および放射によりデバイスを冷却する。任意で、熱伝導性のルミネッセンス素子は、LEDによって放射される放射線の一部(0〜100%)の効率的な波長変換を提供することもできる。LEDおよび他の半導体デバイスの電気配線を、熱伝導性のおよび光学的に部分的に透過性の素子上に製造される、不透明および/または透明導電体によって実現することができる。低コストの自冷式固体光源は、プリントされた、30%を超える反射率を有するプリント厚膜銀導体、または必要に応じて、透明導体(例えば、インジウムスズ酸化物または亜鉛酸化物)を有することができる。
また、本発明を、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)ダイと、この少なくとも1つのLEDダイに接合した少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子を備えた自冷式固体光源として定義することができ、熱は、放出された光と基本的に同じ方向に光源から伝達される。具体的には、光は、主に少なくとも1つのルミネッセンス素子を通る方向にLEDダイから放射され、光源で生成した熱は、主に発光の方向と同じ方向に伝達される。熱は、デバイスのヒートシンクを必要とせずに、少なくとも1つのルミネッセンス素子からの放射、伝導、および対流の組み合わせによって光源から放散される。
任意で、ルミネッセンスの熱伝導性素子は、LEDからの放射および/または導波路を介して熱伝導性のルミネッセンス素子により変換された放射の少なくとも一部の光拡散を提供することができる。熱伝導性のルミネッセンス素子は、550nmより長い波長に対して、10cm-1未満のアルファを有する導波路として機能する。この場合、550nmよりも長い発光波長を有するLEDを実装して、熱伝導性のルミネッセンス素子によって冷却することができ、また、このLEDは、熱伝導性のルミネッセンス素子内の導波路を介して発光の少なくとも一部を効率的に拡散する。
InGaNおよびAlInGaPのLEDを有する熱伝導性のルミネッセンス素子は、InGaNスペクトルの少なくとも一部を480〜700nmの波長に変換することができる。480〜700nmの光を放射し、500nm〜700nmの波長に対し10cm-1未満のアルファを示す、単結晶、多結晶、セラミック、および/またはフレーム溶射されたCe:YAG、ストロンチウムチオガレート、または他のルミネッセンス材料を、熱伝導性の固体発光する光拡散素子とすることができる。
InGaNおよびAlInGaPのLEDの実装は、4500K未満の相関色温度で、50L/Wより高い効率、および任意で熱伝導性の光拡散ルミネッセンス素子に基づいて80より大きい演色指数を有する固体拡張領域光源を形成することができる。
本発明の一実施形態は、アルミナ、ALN、スピネル、酸化ジルコニウム、BN、YAG、TAG、およびYAGGなどの材料の1つまたは複数から成る、1W/mKより高い熱伝導率を有するルミネッセンスの熱伝導性半透過素子である。任意で、電気配線は、LEDへの電気的接続を提供するために、ルミネッセンスの熱伝導性半透過素子の少なくとも1つの面に形成されてもよい。
ルミネッセンスの熱伝導性素子は、1W/mKより高い熱伝導率と、0.2より高い放射率を有することができる。自冷式固体光源は、1W/mKより高い熱伝導率および0.2より高い放射率を有する、少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子を有することができる。自冷式固体光源は、50℃より高い平均表面温度および50L/Wより高い発光効率を有することができる。任意で、自冷式固体光源は、50℃より高い平均表面温度および50L/Wより高い発光効率を有することができ、1W/mKより高い熱伝導率および0.2より高い放射率を有する少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子を含む。自冷式固体光源は、自然対流冷却および放射冷却によって、0.3W/cm2より高い効率で放散することができる。
半透過の熱伝導性素子を、結晶成長、焼結、コーティング、溶融性コーティング、射出成形、フレーム溶射、スパッタリング、CVD、プラズマ溶射、溶融接合、およびプレスによる方法で形成することができる。酸化物を実質的に1つの相とプレスおよび焼結させることは、ルミネッセンス粉末に基づく透光性を向上させることになる。代替で、1W/mKより高い熱伝導率と、10cm-1未満のアルファを有する半透過素子を、焼結処理中または焼結処理後に形成される波長変換層でコーティングすることができる。波長変換するおよび非波長変換する、単結晶または多結晶材料を、熱伝導性のルミネッセンス素子として用いることができる。具体的には、TPA(透明な多結晶アルミナ)、スピネル、キュービックジルコニア、石英、および波長変換層を有する他の低吸収性の熱伝導性材料を、これらの材料の製造中または製造後に形成することができる。プレス、押出加工、空間フレーム溶射などの技術により、ニアネットシェイプ成形、すなわち完成品を形成することができる。ディップコーティング、フレーム溶射、融着、蒸着、スパッタリング、CVD、レーザアブレーション、または溶融接合によって、付加的な波長変換層を、これらの材料のいずれかに追加することができる。制御された粒子サイズおよび相により、透光性を向上させることができる。
コーティングがルミネッセンス特性の有無にかかわらず高放射性のコーティングである場合は特に、コーティングは、自冷式光源の環境および/または放射率特性を向上させることができる。単結晶、多結晶、セラミック、コーティング層、またはフレーム溶射されたものを、コーティングとしてもバルク材料としても使用することができ、Ce:YAGは高放射性または環境保護性のコーティングを有する。特に、ポリシロキサン、ポリシラザン、および他の透明な環境保護膜を、LEDの取り付け前または取り付け後のいずれかに、ディップコーティング、蒸着、噴霧、または他のコーティング方法によって適用することができる。付加的な波長変換材料を、これらの保護膜に付加することができるが、この材料は、量子ドット、波長シフタ染料(例えば、Eljen製)、および他の波長変換材料に限定されない。
無線電力伝送素子、パワー調整素子、駆動電子装置、力率調整電子装置、赤外線/無線エミッタ、およびセンサを、自冷式固体光源に組み込むことができる。
自冷式固体光源は、4500K未満の色温度で50L/Wより高い発光効率、および70より大きい演色指数を有することができる。自冷式固体光源は、光源表面領域の0.3W/cm2を超える対流および放射により冷却しながら、40℃より高い表面温度を有することができ、50L/Wより高い発光効率を有することができる。
自冷式固体光源は、4500K未満の色温度で50L/Wより高い発光効率、および青色LEDと赤色LEDの両方を含む85より大きい演色指数を有することができる。500nmより長い波長に対して、10cm-1未満のアルファを有する少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子は、少なくとも1つの青色および500nmより長い発光波長を有する少なくとも1つのLEDを含む自冷式固体光源に使用される。コーティングおよび/または素子の形態での付加的な波長変換材料は、効率と演色指数をさらに向上させることができ、この材料は、非限定的に、蛍光体粉末、蛍光ダイ、波長シフタ、量子ドット、および他の波長変換材料を含む。
固体光源のアスペクト比および形状は、非限定的に、プレート、ロッド、円筒形のロッド、球形、半球状、楕円形、および他の非平坦な形状を含むことができる。ダイの配置により、エッジ効果を軽減し、より均一なエミッタを形成することができる。
追加の散乱、リダイレクト、リサイクリング、および撮像用の素子を、ファーフィールド分布を変更するように設計された固体光源に、取り付けおよび/または近接することができる。追加の素子を、0.1W/mKより高い熱伝導率を有する固体光源に取り付けることができるため、固体光源内に生成された熱を追加の素子および周囲の環境に伝導することによって、追加の冷却が、固体光源に提供される。外部フレームは、機械的支持を提供することができ、固体光源に取り付けられることができ、および/または外部の電気配線を提供することができる。追加の光学素子の有無にかかわらず配置された複数の固体光源が、特定のファーフィールド分布を生成することができる。特に、面とエッジの変形がファーフィールドで軽減されるように、複数の固体光源を、互いに非平行に配置することができる。2mmを超える固体光源の表面間の分離距離により、対流冷却を容易にすることが好ましい。光学素子の実装と追加により、誘引効果による対流冷却を強化することができる。
熱伝導性のルミネッセンス素子は、LEDによって放射される放射線の一部の効率的な波長変換を提供することもできる。任意で、ルミネッセンスの熱伝導性素子は、LEDからの放射および/または熱伝導性のルミネッセンス素子により変換された放射の少なくとも一部の光拡散を提供することができる。
50℃より高い表面温度、および光学的に透過性の熱伝導性素子に実装された半導体デバイスよりも大きな表面積を有する光学的に透過性の熱伝導性素子を含む自冷式固体光源が開示されている。自冷式固体光源が、100℃より高い表面温度、および実装された半導体デバイスの表面積よりも大きな表面積を有する少なくとも1つの光学的に透過性の熱伝導性素子を含むことが、さらに好ましい。自冷式固体光源が、1W/mKより高い平均熱伝導率を有する少なくとも1つの光学的に透過性の熱伝導性のルミネッセンス素子を含むことが、最も好ましい。一例として、4重量%で2%セリウムをドープしたYAGが、噴霧乾燥を用いてアルミナマトリックスに分散されている。粉末は小型にプレスされて、1500℃で8時間、真空焼結され、続いて、これを、アルゴン下で1600℃で4時間、熱間静水圧プレスする。材料は、ダイヤモンドソーにより1/2インチ×1インチの面積であり1mm厚の片に切り分けられる。部品はレーザ加工されて、中に銀ペーストがスクリーンプリントされ焼成された配線溝を形成する。焼成された銀トレースは、その後、表面を平滑形成するためにラップされ、この表面に、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDダイが半田付けされる。2片を一緒に挟むことができるように、ポケットがレーザを用いて切断され、これにより、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDダイを2片のセラミックCe:YAG/アルミナ材料の内側に埋め込むことができる。このようにして、自冷式光源が形成される。ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDは、銀トレースによって電気配線され、セラミックCe:YAG/アルミナ材料に熱的に接続されている。ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDおよびセラミックCe:YAG/アルミナ材料内で生成された熱は、LEDの面積よりも大きい面積にわたって分散される。この例では、1W/cm2より大きな電力密度を放散することができ、一方で、自然対流冷却および放射冷却に基づいて、接合部温度を120℃未満、セラミックCe:YAG/アルミナ材料の表面温度を80℃〜90℃に維持している。このように、1/4インチ×1/2インチの固体光源は、追加のヒートシンクや冷却手段なしに100ルーメンを超える光を放射することができる。
0.3より高い放射率を有する材料は、固体光源の発光面から放射される熱の量を高めるために好ましい。表面温度が200℃未満で0.7より高い放射率を有する材料は、さらに好ましい。表面の放射率が0.8より高い場合、25℃の雰囲気で表面温度50℃で、自然対流係数20W/m2/kを有する自然対流により冷却された表面が、そのエネルギーの約25%を周囲の環境に放射的に伝送することになり、光源表面領域の約0.08W/cm2を放散することができる。表面温度100℃を有する同様の自然対流により冷却された表面は、そのエネルギーの約30%を周囲の環境に放射的に伝送し、表面領域の0.25W/cm2より多くを放散することができる。表面温度150℃を有する同様の自然対流により冷却された表面は、その熱の35%を放射的に伝送し、0.4W/cm2より多くを放散することができる。固体光源が電気から光への変換効率を50%に近づけることができ、一般的なスペクトル変換が300lm/Wであると仮定すると、この手法を用いて、自冷式固体光源は、光源表面領域の1.0cm2毎に75ルーメンを放出することができる。一例として、1/4インチ×1/2インチ×2mm厚の自冷式照明スティックが、100℃未満の表面温度を維持しながら、150ルーメンを超える光を生成することができる。ハイパワーデバイス用の一般的なLED接合部の温度が120℃を超えても、依然として優れた寿命と効率を維持することができる。120℃未満の温度を有する表面では、放射エネルギーの大部分は、8ミクロンより大きい波長の赤外線である。このように、可視スペクトルにおいて実質的に透明であるが赤外線で高い熱放射率を有する、高放射性のコーティング、材料、および表面は、自冷式光源の好ましい実施形態である。
赤外線での物質の放射率は、大きく異なる。ガラスは、約0.95の放射率を有するが、酸化アルミニウムでは、0.5〜0.8とすることができる。ポリイミドなどの有機物は、厚い層ではかなり高い放射率を有することができる。ただし、これは、有機物の低い熱伝導率に起因して、熱の伝達にマイナスの影響を与えることになる。このため、熱伝導率の高い高放射性の材料およびコーティングが好ましい。高放射性の/低可視光吸収のコーティングが、J.R.Grammerによる"Emissivity Coating
s for Low−Temperature Space Radiators",N
ASA Contract NAS 3−7630(1966年9月30日)に記載されている。0.85より高い放射率および0.2より低い吸収率を有するさまざまなケイ酸塩が開示されている。
雰囲気への熱伝達を最大にするために、ルミネッセンスの熱伝導性材料は、局在した半導体および受動デバイス(例えば、LED、ドライバ、コントローラ、抵抗、コイル、インダクタ、キャップなど)によって生成された熱を、熱伝導によって半導体ダイよりも大きな表面領域に効果的に拡散し、その後、生成した熱を対流と放射によって周囲環境に効率的に伝送することができる必要がある。同時に、これらのルミネッセンスの熱伝導性材料は、高いルーメン毎ワット効率および良好な演色を有する自冷式固体光源を作成するために、必要に応じて、LED発光の少なくとも一部を可視スペクトルの別の部分に効率的に変換することも可能である。固体および粉末の両方の形態での従来の波長変換器は、実質的に、LEDダイまたは半導体デバイスと同じサイズである。これにより、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えるが、ストークス損失および他の変換損失に因り、ルミネッセンス素子内で生成した熱を局在化する。現行の固体光源では、約50%の熱がルミネッセンス材料内で生成される。LEDによって放射された励起光の導波路として機能する、低ドーパント濃度を有する熱伝導性のルミネッセンス素子を用いることにより、ルミネッセンスの変換損失により生成した熱を、より大きなボリュームに拡散することができる。加えて、従来のLEDパッケージに見られるような、局部的な点光源ではなく、より分散した光源を生成することができる。このようにして、追加の拡散素子および光学素子の必要性を、排除するかまたは最小限に抑えることができる。このような、ルミネッセンス素子に実装された半導体デバイスよりも大きな表面積を有する半透過性のまたは部分的に透過性のルミネッセンスの熱伝導性素子の使用は、好ましい実施形態である。
本発明のこれらおよび他の実施形態を、以下の図の説明で詳述する。
図1Aは、基板4に実装された従来技術の縦型LEDダイ3を示している。縦型LEDダイ3は、一般に、蛍光体粉末から成る無機/有機マトリックス7でコーティングされ、この蛍光体粉末は、例えばシリコーン樹脂材料内のCe:YAGであるが、これに限定されない。ワイヤボンド2は、縦型LEDダイ3を配線5に電気的に接続するために使用され、その後無機/有機マトリックス7でコーティングされる。縦型LEDダイ3の別の面は、通常、共晶半田や導電性接着剤を介して、配線6に接触している。さらに、レンズ1が、環境的にアセンブリを密封するために基板4に取り付けられ、縦型LEDダイ3からの光抽出を向上させ、デバイスによって放射される光のファーフィールド光学パターンを変更する。この場合、放射光線9は、熱線8の反対方向に実質的に進んでいる。
図1Aの熱回路図に示すように、無機/有機マトリックス7の冷却は、縦型LEDダイ3を通り、配線6を介して基板4に入る熱伝導によって、ほとんど排他的に発生する。ストークス損失および散乱吸収に起因して無機/有機マトリックス7内で生成した熱は、無機/有機マトリックス7のバルク熱伝導率によって決まる熱抵抗によって決定される速度で、縦型LEDダイ3に熱伝導される。簡略化された熱回路図に示すように、無機/有機マトリックス7の平均温度は、熱抵抗R(蛍光体/封入剤)および縦型LEDダイ3の平均温度T2によって決定される。無機/有機マトリックス7内で生成した熱は周囲に放散されるべきであるため、周囲に放散され得る前に、LEDダイ3(RLED)の熱抵抗および基板4(Rパッケージ)を移動させる必要がある。これは、簡略化された熱回路図であり、バルクおよび界面熱抵抗とデバイス内の空間的な変動をひとまとめにしている。しかし、一般的に、無機/有機マトリックス7内で生成した熱は、無機/有機マトリックス7を囲む他の材料(例えば、レンズ)の低い熱伝導率に因り、主に縦型LEDダイ3を通じて放散される必要がある。追加のヒートシンク手段は、金属、複合材料、またはセラミック素子を使用して、表面積をさらに増加させ、周囲への熱の放散を向上させることができるが、熱の流れは、基本的には依然として同じである。レンズ1は、放射光線9の抽出素子として機能するだけでなく、熱線8の障壁としても機能する。一般に、0.1W/m/K未満の熱伝導率を有するシリコーンまたはエポキシ樹脂から構成されることにより、レンズ1は断熱材として機能する。また、レンズ1は、低い放射率に因り、縦型LED3および無機/有機マトリックス7からの熱放射を制限することができる。一般に、この設計は、縦型LED1内の活性領域からの等方性の発光の約50%がデバイス内のいくつかの面から反射されなければならないこと、およびデバイスのファーフィールド出力が実質的に指向性またはランバート反射の性質であることを必要とする。高反射層を使用しても、この手法では、損失メカニズムが示される。これらの追加損失は、光学線が通過しなければならない追加の光路長および裏面電極からの多重反射に関連している。縦型LED1の活性領域で生成された光を抽出するために必要とされる、この追加の光路長および反射は、基本的に、LED自体の吸収損失に基づいてLEDの効率を低下させる。また、無機/有機マトリックス7内で生成された光のかなりの部分が通過し、縦型LED1によって反射される必要がある。縦型LED1は損失のない反射体ではないため、これらの光学線の追加の光路長もまた全体的な効率を低下させる。
図1Bは、従来技術のフリップチップ実装したLED15を示している。半田付けや熱圧縮接合により、コンタクト16および21を介してフリップチップ実装したLED15を基板19上のそれぞれの配線17および18に取り付ける。ルミネッセンス変換器14を、図1Aで説明した無機/有機マトリックスまたは固体発光素子とすることができ、この素子は、例えば、Ce:YAGセラミック、単結晶Ce:YAG、多結晶Ce:YAG、または当該技術分野で知られている他の固体発光材料である。いずれの場合においても、同様の冷却不足が、この設計に当てはまる。ルミネッセンス変換器14のほぼすべての冷却が、フリップチップ実装したLED15を通じて行われなければならない。ここでも、放射光線12は、熱線13と実質的に反対の方向に進み、さらに、フリップチップ実装したLED15の活性領域からの等方性の発光の約50%がデバイス内でリダイレクトされ、このデバイスは、銀のような高価な金属、特殊なコーティング方法、さらにフォトニック結晶の場合などでナノリソグラフィの使用を必要とする。
LEDダイ領域の大部分にわたって高反射性であり、かつ低抵抗のコンタクトを形成するコンタクトの形成は、良好なオーミックコンタクトを形成するために一般に必要とされる温度で、銀の反射率が低下するため、業界にとって大きな課題となっている。この高い光反射率と低い電気抵抗率は、追加費用と効率損失につながる。両方のコンタクトが一方の側からなされなければならないので、一般に、フリップチップコンタクトを使用して作成された空隙に充填するためにアンダーフィル20が使用される。また、レンズ11も、対流および放射の両方によりデバイスの外への熱流に対する障壁を形成している。一般に、フリップチップ実装したダイ15が基板19に実装され配線された後に、ルミネッセンス変換器14は取り付けられる。フリップチップ実装したダイ15とルミネッセンス素子14との間のボンディング層23が、ルミネッセンス素子14をさらに熱絶縁する。一般に、白色のInGaNパワーLEDパッケージの効率が典型的には40%であるが、InGaNパワーLEDのUV/青色チップの示す効率が60%に近づいている。ルミネッセンス変換器14内の損失は、したがって、デバイス内の全損失のかなりの部分を表す。図1Aの無機/有機マトリックスのルミネッセンス変換器の場合には、シリコーンまたはエポキシマトリックスの低い熱伝導率に因り、変換損失が個々の蛍光体粉末内でさらに局在化される。固体材料のより高い熱伝導率に起因して、固体発光変換器14はさらなる横の広がりを有する。両方の例は、一般に、14W/mKの固有の熱伝導率を有するセリウムドープYAGである。ただし、シリコーンマトリックスは、0.1W/mK未満の熱伝導率有し、実質的にすべての蛍光体粉末を取り囲むため、無機/有機マトリックスは、それ自体で、シリコーンまたはエポキシとほぼ同等のマクロ熱伝導率を有する。非常に高い負荷レベルの蛍光体粉末を使用することができるが、より高い散乱に起因する効率損失につながる。
ボンディング層23を介してフリップチップ実装したLED15内に熱伝導されることを除いて、ルミネッセンス変換器14で生成された熱はどこにも行かない。ほとんどの場合、固体発光変換器14は、フリップチップ実装したLED15のエッジから漏れる青色光を対処する追加の漏れ防止コーティング22を必要とする。無機/有機マトリックスは、図1Aで同じ問題を抱えている。図1Aおよび図1Bの両方で、発光面が冷却面と実質的に異なっている。図1Bの熱回路は図1Aと同様であり、ルミネッセンス変換器14で生成された熱は、フリップチップ実装したLED15を通って実質的に放散される。ハイパワーLEDの出現により、デバイス内で生成された熱の大部分を、ルミネッセンス変換器14内に局在化させることができる。この局在は、リモート蛍光体の使用を含むさまざまな解決策につながっている。一般に、ルミネッセンス変換器14の効率は、その平均温度T4が上昇するにつれて低下する。従来技術では、ルミネッセンス変換器14は、平均温度T5を有するフリップチップ実装したLED15を通ってその熱の大部分を放散する。これは、本質的に周囲よりも高い温度である。高効率のデバイスのために、ルミネッセンス変換器14内で生成された熱を低減することができる技術が必要である。
図2Aは、本発明の縦型LED24を示しており、光放射光線26が熱線27と同じ方向に実質的に進む。熱伝導性のルミネッセンス素子25は、縦型LED24により放射された光の少なくとも一部に対して波長変換を提供し、光学および熱拡散素子、抽出手段、ならびに電気配線用の基板として機能する。図2Aでは、保護膜30は、反射性、透過性、部分的に反射性であってもよく、波長および/または偏光に依存している反射率を示す。
ワイヤボンド29は、導電性インクまたは共晶半田を介して配線31に取り付けられたコンタクト34を有するコンタクトパッド33に配線28を接続する。透過性/半透過性のボンディング層32は、熱伝導性のルミネッセンス素子25内へ、および最終的にはデバイスの外への光学的および熱的接続を最大化する。透過性/半透過性のボンディング層32は、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、シリコーン、および他の透過性/半透過性の接着材料から構成され得るが、これに限定されない。透過性/半透過性のボンディング層32は、0.1W/mKより高い熱伝導率を有し、さらに好ましくは、1W/mKより高い熱伝導率を有する。熱伝導性のルミネッセンス素子25は、単結晶ルミネッセンス材料、多結晶ルミネッセンス材料、アモルファスルミネッセンス材料や、サファイア、TPA、窒化物、スピネル、キュービックジルコニア、石英、熱伝導性のルミネッセンスコーティングでコーティングされたガラスなどの熱伝導性の透過性/半透過性材料、および透明/半透明材料と熱伝導性のルミネッセンス材料の複合材料から構成され得るが、これに限定されない。
図2Aでは、放射冷却を高めるために、高放射率層35を熱伝導性のルミネッセンス素子25に適用することができる。さらに、高放射率層35は、特に、抽出素子が熱伝導性のルミネッセンス素子25からの抽出を増加させるために使用される場合に、周囲の空気と熱伝導性のルミネッセンス素子25との間の屈折率整合層として機能することによって抽出効率を高めることもできる。前述の従来技術の熱回路とは異なり、熱伝導性のルミネッセンス素子25で生成された熱の流れが、熱伝導性のルミネッセンス素子25自体の表面から対流冷却および放射冷却を介して周囲に直結している。熱伝導性のルミネッセンス素子25のバルク熱伝導率が、周囲の環境に熱を効果的に伝送するのに十分に大きな領域にわたって、効果的に熱を拡散するのに十分に高い場合に、この直結接続手法を単に効果的に達成することができる。このように、熱伝導性のルミネッセンス素子は、1W/mKより高い平均バルク熱伝導率を有する取り付けられたLEDより大きい表面積を有し、縦型LED24および熱伝導性のルミネッセンス素子25内で生成された熱は、熱伝導性のルミネッセンス素子25の表面から対流および放射によって周囲の環境に実質的に伝送される。高放射率層35は、100℃で0.8より高い放射率、および可視スペクトル全体で0.2未満の吸収率を有するのが、最も好ましい。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子25の放射率が、100℃で0.8より高く、可視スペクトル全体で0.2未満の吸収率を有していてもよい。
図2Bは、透過性/半透過性のボンディング層43を介して熱伝導性のルミネッセンス素子42に実装され、コンタクト41および40を介して熱伝導性のルミネッセンス素子25上の配線44および45に電気的に接続されたフリップチップ実装したLED36を示している。配線44および45は、スクリーンプリント、インクジェットプリント、リソグラフィ手段、またはこれらの他の方法の組み合わせにより形成された厚膜銀導体である。一例として、熱伝導性のルミネッセンス素子42は、その中に銀ペーストをスクリーンプリントおよび焼成した、約5ミクロンの深さのレーザカット溝を含んでもよい。熱伝導性のルミネッセンス素子42の表面は、その後、必要に応じて、配線44および45のための滑らかな表面を作成するためにラップされる。得られた表面は、熱圧縮接合されたダイ、共晶半田と複合したダイレクト・ダイ・アタッチ・ダイ、および他のダイレクトアタッチの接合方法のために、十分に滑らかである。配線44および45は、一般に、400℃よりも高い温度で焼成される。配線44および45は、フリップチップ実装したLED36の幅より小さいまたは大きいライン幅を有する厚膜またはインクジェットの銀トレースである。デバイス内の光学損失を、使用される銀の量を最小化し、配線トレースの幅を最小化し、銀トレースの反射率を最大にすることによって、最小化することができる。あるいは、フリップチップ実装したLED36と熱伝導性のルミネッセンス素子42との間の熱抵抗を、銀の厚さまたは面積の量を増加させることによって最小化することができる。保護膜37は、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、フレーム溶射されたセラミック、および蒸着/CVDコーティングから構成され得るが、これに限定されない。保護膜37の高反射層は任意である。このようにして、小型の指向性の光源を形成することができる。透過性/半透過性のボンディング層は、環境的に短絡したデバイスのための障壁として機能する。すべての高温処理層により層の反射率を最大にした後に、保護膜37における反射体を適用することができる。図2Bに示す熱回路は、図1のデバイスとはるかに異なる熱伝導経路が存在することを、ここでも示している。熱伝導性のルミネッセンス素子42は、デバイスに冷却面を提供するだけでなく、LED36からの光の変換も提供している。デバイスの放射面は、デバイスの冷却面でもある。
図2Cは、熱伝導性のルミネッセンス素子46に実装された横型LED53を示している。図2Aおよび図2Bに示すように、光放射50と熱線51は実質的に同じ方向に進む。この構成では、透過性/半透過性の保護膜48が、デバイスの背面で熱線56と光放射57を接続する。光放射50と光放射57は、発光スペクトル、強度、偏光に関して、互いに同じであっても、異なっていてもよい。添加剤、コーティング剤、およびこれらの組み合わせは、保護膜48内の発光スペクトル、強度、および偏光に影響を与えることができる。配線49および54は、誘電体マトリックス中に導電性材料から構成され得るが、これに限定されない。50%より高い反射率を有する誘電体マトリックス中に導電性材料を形成するために、銀フレークの厚膜ペーストスクリーンを、400℃より高い温度でプリントおよび焼成することができる。ワイヤボンド47および52は、LEDコンタクト56および55をそれぞれ配線49および54に接続する。金のワイヤが好ましいが、ワイヤボンドを、銀、銀でコーティングされた金、ならびにワイヤ、箔、およびテープ状のアルミニウムとすることができる。熱回路図は、デバイスを通る熱の周囲への流れを示している。また、透過性/半透過性の保護膜48は、ルミネッセンス材料を含んでもよい。一例として、透過性/半透過性の保護膜48は、緑色および黄色の発光を赤色に変換するためのEljen社製EJ−284の蛍光色素のような少なくとも1つのルミネッセンス材料を含むHT1500ポリシラザン(Clariant Inc.)のような無機/有機マトリックス材料から構成され得るが、これに限定されない。ルミネッセンスコーティングを、少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子46を含む発光デバイス上に透過性/半透過性の保護膜48を形成するために、ディップコーティング、溶射、インクジェット、および他の堆積技術によって適用することができる。
図3Aは、少なくとも1つのLED61上に熱的および光学的の両方で取り付けられた単一の熱伝導性のルミネッセンス素子60からなる自冷式光源を示している。LED61は、InGaN、GaN、AlGaN、AlinGaP、ZnO、AlN、およびダイヤモンドベースの発光ダイオードから構成され得る。非限定的にInGaNおよびAlinGaPのLEDのような青色および赤色発光ダイオードの両方が、少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子60に光学的および熱的に取り付けられている。LED61と熱伝導性のルミネッセンス素子60によって生成される熱59と発光58は、LED61よりも実質的に大きい面積と体積にわたって広がっている。このように、生成された熱を効果的に周囲の環境に伝送することができる。
単結晶、多結晶、セラミック、およびフレーム溶射された形態でのCe:YAGは、熱伝導性のルミネッセンス素子60のための好ましい材料の選択である。また、ガドリニウム、ガリウム、およびテルビウムから構成されるさまざまな合金やドーパントを使用することができるが、これに限定されない。熱伝導性のルミネッセンス素子60を、500ミクロンより大きい厚さの、EFG法によって成長した単結晶のセリウムドープYAGとすることができ、ここで、セリウムドーパントの濃度は、0.02%〜2%、好ましくは0.02%〜0.2%である。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子60を、任意のポストアニールによりフレーム溶射されたCe:YAGとすることができる。制御された雰囲気下でのLED61に直接、フレーム溶射、HVOF、プラズマ溶射することによって、熱伝導性のルミネッセンス素子60を、形成することができる。LED61を熱伝導性のルミネッセンス素子60に接合させるために中間材料を使用するのではなく、LED61に直接接合させる手法によって、熱伝導性のルミネッセンス素子とLED61との間の熱的および光学的な接続の両方を最大化する。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子60は、ホットプレス、真空焼結、雰囲気焼結、放電プラズマ焼結、フレーム溶射、プラズマ溶射、熱間静水圧プレス、冷間静水圧プレス、鍛造焼結、レーザ核融合、プラズマ核融合、および他の溶融ベースのプロセスのうちの、少なくとも1つの方法を使用して形成されてもよい。熱伝導性のルミネッセンス素子60は、単結晶、多結晶、アモルファス、セラミック、または無機物の溶融複合材料であってもよい。一例として、一緒に混合されたアルミナおよびセリウムドープYag粉末100グラムが、容器に入れられる。粉末のボリューム内で溶融ボールを形成するために、2Kwのファイバレーザを使用して、粉末を一緒に溶融する。このように、粉末は、容器壁からの任意の汚染を排除する溶融ボールのための、るつぼとして機能する。ファイバレーザの使用は、ビームのサイズに応じて約4秒で溶融物の形成を可能にする。まだ溶融状態にある間に、任意で、ボールを、SiCプラテン間でプレートにすることができる。溶融ボールは直径10mmより大きいことが最も好ましく、これにより、二次加工のための溶融材料として十分な作業時間を可能にする。半透過の熱伝導性のルミネッセンス素子60を形成するために、真空焼結、雰囲気焼結、または熱間静水圧プレスを用いて、プレートをさらに処理することができる。ファイバレーザベースの溶融加工の使用は、発光性酸化物、窒化物、および酸窒化物を形成するための好ましい方法であり、ホットプレスまたは真空焼結と比較してエネルギーコストを低減する方法である。レーザベースの溶融プロセスの間の、真空、酸素、水素、アルゴン、窒素、アンモニアを含む制御雰囲気の使用が開示されている。ファイバレーザが好ましいが、熱伝導性のルミネッセンス素子60を形成するために、粉末塊内の溶融塊を形成するために、局部的な化学線を使用することが開示されている。
図3Bは、少なくとも1つのLED64上に取り付けられた少なくとも2つの熱伝導性のルミネッセンス素子62および63からなる自冷式光源を示している。この場合、熱放射64および光放射65の両方が、LED64の両側から拡散され、抽出されることができる。すべての場合において、複数LEDは、並列、直列、反並列、および適切な電気配線を有する3つのすべての組み合わせを可能にする。この場合、光放射65を、デバイスの両側で実質的に同様または異なるものとすることができる。一例として、熱伝導性のルミネッセンス素子62をEFGボトルによって形成された1mm厚の単結晶のセリウムドープYAGとすることができ、後で、19mm×6mmのウエハにスライスされる。スライス面は、高い屈折率のCe:YAG材料からのCe:YAG放射の抽出を高める。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子63は、プレスされ焼結された、Mnをドープしたストロンチウムチオガレートの熱融着層と、ガラスフリットマトリックス内のEuをドープしたストロンチウム硫化カルシウムの層とを有する半透明の多結晶アルミナであってもよい。このようにして、多様な光放射スペクトルを作成することができる。
この特定の場合では、デバイスの両側が、わずかに異なるスペクトルを放射することになる。一般に、不透過性な反射体が、熱伝導性のルミネッセンス素子62と63との間に配置されている場合を除いて、このデバイス内に重要なスペクトルの混合が存在することになる。この構成を、街灯、ウォールウォッシャー、シャンデリア、および他の照明器具に使用することができ、ここで、光放射65の実質的な部分は、2つの別個の方向に発生することが必要とされている。BEF、マイクロオプティクス、サブ波長素子、フォトニック構造のような指向性素子は、熱伝導性のルミネッセンス素子62および/または63のいずれかの光放射65に多かれ少なかれ指向性を加える。
別の例では、一方または両方の熱伝導性のルミネッセンス素子62および/または63のルミネッセンス特性を向上させるために、セリウムドープYAGは、溶射、HVOF、またはプラズマ溶射、およびその後に必要に応じて、アニール、放電プラズマ焼結、マイクロ波焼結、またはHIPされることによって形成される。少なくとも1つのInGaNのLEDおよび少なくとも1つのAlInGaPのLEDが、少なくとも1つのLED64に使用される。
さらに別の例では、高純度の酸化アルミニウムが、半透明反射体を形成する熱伝導性のルミネッセンス素子62のための少なくとも1つのLEDダイ64上に直接フレーム溶射される。フレーム溶射された酸化アルミニウムの放射率は、一般に0.8であり、その表面からの放射冷却を向上させることができる。熱伝導性のルミネッセンス素子63は、スカルメルト法によって形成され、0.1%〜2%のセリウムドーピング濃度を有する領域で、0.7mm厚で面積0.5インチ×1インチのウエハにスライスされた、単結晶Ce:YAGである。この場合、熱伝導性のルミネッセンス素子62は、必ずしもルミネッセンス材料を含む必要はなく、LED64および熱伝導性のルミネッセンス素子62の両方により生成された熱のための拡散反射体および熱拡散素子として機能する。LED64を熱伝導性のルミネッセンス素子62に直接埋め込むことにより、ピックアンドプレース、ダイアタッチメントプロセスおよび材料を排除し、不要な界面を排除することにより熱伝達64と光放射65の両方を最大化することが可能である。付加的なルミネッセンス材料と不透過性反射体を、熱伝導性のルミネッセンス素子62または63のいずれかの内部に配置するかまたはその上にコーティングすることができる。ポケットまたは埋め込み型のダイは、インクジェット、シルクスクリーン印刷、シリンジ分注、およびリソグラフィ手段を含むプリント技術によりダイを陥凹させることができるが、これに限定されない。
図3Cは、追加の冷却手段71および73に熱伝導経路74および79を提供する2つの熱伝導性のルミネッセンス素子72および74を示している。この場合には、熱熱伝導性のルミネッセンス素子72および74は、熱放射76および光放射77を可能にし、また、熱伝導経路74および79を提供する。また、追加の冷却手段71および73は、図2に既に開示された配線手段を介してLED75に電気的接続を提供することができる。1つまたは複数の追加の冷却手段71および73は、デバイスが放散することができる熱の量をさらに高める。一例として、一般的な自然対流係数は20W/m2/kであり、Ce:YAGは、室温付近で放射率0.8を有する。銀の厚膜配線トレース上に半田付けされた4つのダイレクトアタッチLED75を有する2つのCe:YAG72および74から構成される自冷式光源は、約2.3cm2の表面積を有し、このCe:YAGは1/4インチ×1/2インチ×1mm厚の片である。表面温度が約100℃、周囲温度が25℃、および放射率が0.8である場合、約500ミリワットの熱の自然対流冷却および放射冷却を使用して、自冷式光源の表面から熱を放散することができる。500ミリワットのうちの350ミリワットの熱が自然対流冷却によって放散され、150ワットの熱が放射によって放散される。一般に、4000Kのスペクトル出力が、300lm/Wの光学効率を有する。固体光源が、電気から光への変換効率50%を有する場合、500ミリワットの熱が生成されるごとに500ミリワットの光学出力が生成される。1/4インチ×1/2インチの固体光源が約100℃の表面温度で動作する条件下で、追加のヒートシンク手段を必要とせずに、150ルーメンを出力することができる。追加の冷却手段71および73を使用することができ、これにより、対流および放射により周囲に熱を伝送することができるように表面積を増加させることによって、この出力レベルをかなり増加させる。例から容易にわかるように、表面積を増加は、放散することができる熱の量に正比例する。また、電気から光への変換効率は、生成される熱の量に非常に影響を与えることは明らかであり、これは本発明の重要な特性である。従来のLEDパッケージとは異なり、この自冷式固体光源内で生成された光は、デバイスの両側から抽出される。図示のような等方性の抽出は、ランバート抽出よりも論理的に20%高い効率を有する。また、この手法を用いると、熱伝導率が10W/mKより高い場合に、LED75の接合部と熱伝導性のルミネッセンス素子72および74との間の温度差を非常に小さくすることができ、LED75は、周囲の熱伝導性のルミネッセンス素子72および74に対し低熱抵抗であるように取り付けられている。また、冷却手段71および73は、デバイスが異なる外部電源に正しく接続することができるように、物理的に異なっていてもよい。一例として、冷却手段71はピンであってもよく、冷却手段73は、重要な電気配線が形成されるようなソケットであってもよい。あるいは、冷却手段71および73は、外部電源の取り付けを可能にする磁石を含んでもよい。さらにより好ましくは、磁石は、重要な電気配線を形成することができるように、異なる極性を有する。追加の冷却手段71および73は、非限定的に、ヒートパイプ、金属、ガラス、セラミック、窒化ホウ素繊維、炭素繊維、熱分解グラファイト膜、および熱伝導性複合材料を含むことができる。一例として、BNNT社によって提供されるような窒化ホウ素ナノチューブ繊維が、固体シートを形成するために、プレス、冷間静水圧プレス、温感静水圧プレス、および/または熱間静水圧プレスを使用して、剥離した窒化ホウ素フレークでプレスされて、熱的に配線されたスケルトンマトリックスを形成する。窒化ホウ素ナノチューブ繊維は、連続的な熱マトリックスが形成されるように、窒化ホウ素フレークを配線し、窒化ホウ素フレークの表面に結合する。次いで、得られたスケルトンマトリックスに、非限定的に、ポリシラザン、ポリシロキサン、ガラス、シリコーン、および複合材料を形成するための他のポリマー材料を含む、ポリマーまたはポリマーセラミック前駆体を注入することができる。あるいは、窒化ホウ素ナノチューブ繊維は、糸に形成され、布またはフェルトに織られ、次いで熱伝導性の複合材料を形成するために注入されてもよい。代替で、熱伝導率の高い炭素繊維およびフィルムを用いることができるが、窒化ホウ素は、炭素ベースの手法と比較して低い光吸収性のために好ましい。あるいは、吸収損失を低減し、光源からの光をリダイレクトするだけでなく、追加の冷却を提供するために、炭素ベースの追加の冷却手段71および73は、反射層を含んでもよい。また、追加の冷却手段71および73は、熱伝導性のルミネッセンス素子72または74の隣接するエッジ間で、またはこのエッジから放射する光放射77を拡散、反射、または吸収することができる。このように、デバイスのファーフィールド放射を、強度およびスペクトルの両方の観点から調整することができる。追加の冷却手段71および73の熱抵抗が低ければ、追加の冷却手段71および73を用いて表面の冷却面積を倍増することで、ルーメン出力をおおよそ倍増する。
図4Aは、熱伝導性のルミネッセンス素子83内に埋め込まれた少なくとも1つのLED85を示している。熱伝導性のルミネッセンス素子83は、陥凹したLED85を可能にするに十分に深い凹部を有する半透明の多結晶アルミナTPAを形成するために、当該技術分野で知られているような酸化アルミニウムのプレス焼結を介して形成されていてもよい。ルミネッセンスコーティング84は、熱伝導性のルミネッセンス素子83に形成されたポケット内にのみ実質的に存在し得るか、または熱伝導性のルミネッセンス素子83のすべての表面を実質的に覆っていてもよい。
代替で、単結晶、多結晶またはアモルファスの蛍光体、断片、プレート、ロッド、および粒子を、熱伝導性のルミネッセンス素子83内に、またはその上に、融着または接合させることができる。このようにして、熱伝導性のルミネッセンス素子81を高熱伝導性に維持しながら、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えることができる。
一例として、単結晶のYAG片がTPAポケットの底部に光学的および熱的に溶着されるように、1mm×1mmで300ミクロン厚の単結晶Ce:YAG片を、TPAのプレス焼結されたプレートに形成された1.1mm×1.1mm×500ミクロンの深さのポケットに融着接合させ、次いで1700℃で10時間、真空で焼成することができる。LED85を、その後、ポケットの残りの深さに接合させて、局所的に単結晶のCe:YAG片を励起するために使用することができる。依然として高熱伝導性に維持しながら、LED85および単結晶のCe:YAG片からの組み合わさった光放射が、プレス焼結されたTPAによって拡散され抽出され得る。
代替で、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、および他の透明バインダ中のルミネッセンス粉末が、ルミネッセンスコーティング84を覆うことができる。特に、ルミネッセンス粉末、フレーク、ロッド、繊維、およびこれらの予備硬化物を有するポリシラザンや、結合剤のようなルミネッセンスコーティング84中の高温バインダを、熱伝導性のルミネッセンス素子83と少なくとも1つのLED85との間に配置することができる。
高い可視スペクトル透過率、低屈折率、高熱伝導率、およびネットシェイプや最終的な形状のための低処理コストを有する材料は、熱伝導性のルミネッセンス素子83のための好ましい材料である。これらの材料は、非限定的に、TPA、スピネル、石英、ガラス、ZnS、ZnSe、ZnO、MgO、AlON、ALN、BN、ダイヤモンド、およびキュービックジルコニアを含む。特に、プレス焼結によって形成されるスピネルおよびTPAは、ネットシェイプ部分の製造を低コストにする。コーティングまたは接合した素子のいずれかとしてルミネッセンス素子を有する、当該技術分野で知られている透明な歯科用ブレースに見られるような、TPA部分を形成するために使用される技術により、熱伝導性のルミネッセンス素子83を作成することができる。
熱伝導性のルミネッセンス素子83内に陥凹されたLED85を用いて、プリントおよびリソグラフィ方法を使用することができ、これにより、外部電源および/または他のLEDもしくはデバイスに少なくとも1つのLED83を電気配線する。ワイヤボンディングとは異なり、この手法はLEDを配線するロープロファイルメソッドを作成し、これにより、複数のスティックの組立を容易にし、コストを削減する。
一例では、熱伝導性のルミネッセンス素子83を形成するために、LED85は、スピネルの1mm厚のウエハでレーザアブレーションによって形成されたポケット内に接合される。この例では、スピネルは、ルミネッセンス素子または特性を含んでも含まなくてもよい。波長変換の大部分は、ルミネッセンスコーティング84および/または追加のルミネッセンスコーティング82を介して、LED85の周りに局所的に発生する。これにより、必要なルミネッセンス材料の量が最小限に抑えられ、依然として、ルミネッセンス材料の周囲への低熱抵抗を可能にする。また、図4には片側のみが示されているが、冷却ならびにLED85および光源内の任意のルミネッセンス素子からの光分布を向上させるために、光源を、別の光源、ヒートシンク、別の透過性/半透過性の熱伝導性素子に接合することも可能である。LED85は、0.1%〜2%ドープした10ミクロン未満の粒径を有するCe:YAG粉末を含むポリシラザンを用いて、ポケット内に接合される。
透過性/半透過性の誘電体層81は、コンタクトパッド87および86を除く、少なくとも1つのLED85上にインクジェットプリントされる。LED85がTCOベースのコンタクトを使用する場合、TCOの少なくとも一部は、電気的接触を可能にするために、透過性/半透過性の誘電体81によって覆われていない。任意で、追加のルミネッセンスコーティング82を少なくとも1つのLED85にプリントまたは形成することができ、これにより、追加の波長変換およびデバイスからのより均一なスペクトル分布を作成することを可能にする。次いで、透過性/半透過性の誘電体81の硬化前または硬化後のいずれかに、配線80および88を適用することができる。ポリシラザン、ポリシロキサン、ガラスフリット、スピンオンガラス、および有機コーティングは、透過性/半透過性の誘電体81の例であり、好ましくは、コーティングは、300℃より高い温度で透過性を維持することができる。ルミネッセンス素子の有無にかかわらずポリシラザンを含有する配合組成は、追加のルミネッセンスコーティング82、透過性/半透過性の誘電体82、およびルミネッセンスコーティング84のための好ましい材料である。好ましいルミネッセンス素子は、粉末蛍光体、量子ドット、蛍光染料(例えば、Eljen Technologies製の波長シフタ染料)や、ルミネッセンスのフレークおよび繊維である。
LED85への電気的接続は、横型LEDの設計のための配線80および88を介している。高精度の銀の導電性インクのインクジェットプリントおよび/または厚膜銀のスクリーンプリントが、配線80および88を形成する。一例として、LED85用のポケットまで熱伝導性のルミネッセンス素子83上に、厚膜銀ペーストをスクリーン印刷して、焼成する。LED85の短絡を防ぐための方法で、コンタクト87および86だけが露出したままであり、透過性/半透過性の誘電体81がLED85の残りの露出面および熱伝導性のルミネッセンス素子83の少なくとも一部を覆うように、透過性/半透過性の誘電体81はインクジェットプリントされるが、それでも、前の段階で適用された厚膜銀ペースト導体へのアクセスを可能にする。透過性/半透過性の誘電体81および、任意で追加のルミネッセンスコーティング82の硬化後または硬化前に、導電性インクがインクジェットプリントされて、コンタクト86および87に事前に適用された厚膜銀導体を接続する。この手法を用いて、依然とし低抵抗導体を可能にしながら、画像認識と位置合わせ機能を備えたインクジェットシステムの可用性に起因して、位置合わせの問題を克服することができる。一般に、導体のインクジェットプリントは非常に正確であり、50ミクロン以下の線幅でプリントされることができるが、厚さは、通常、長い行の電流搬送能力を制限する、10ミクロン未満に制限されている。この手法を用いて、50ミクロンを超える厚さとすることができる厚膜銀導体を、電流の大部分を運ぶために使用することができ、その後、短絡したインクジェットプリントのトレースを、厚膜銀導体とコンタクト87および86との間の接続をステッチするために使用することができる。この手法を用いて、金のワイヤボンディングを排除することができる。
環境的および/または電気的にデバイスを絶縁するために、透過性/半透過性の保護膜89が、配線80および89ならびに/または透過性/半透過性の誘電体81、追加のルミネッセンスコーティング82、熱伝導性のルミネッセンス素子83の少なくとも一部の上に適用され得る。LEDダイ85上の保護障壁層をLED製造中に形成することができ、これにより、透過性/半透過性の誘電体層81の必要性を容易にするか、あるいは排除して、それぞれコンタクト87および86上への配線89および88の直接プリントを可能にする。触媒インクおよび/または浸漬めっきの技術は、配線89および88のための厚い/低抵抗のトレースの形成を可能にし、厚膜プリントの必要性を排除し、配線全体ためのインクジェットプリントの使用を可能にする。透過性/半透過性の保護膜89に好ましい材料は、ポリシラザン、ポリシロキサン、スピンオンガラス、有機物、ガラスフリット、およびフレーム、プラズマ、HVOFコーティングを含むが、これに限定されるものではない。スピンオンガラスおよび/またはCMPに基づく平坦化技術を、透過性/半透過性の保護膜89に使用することができる。非限定的に、粉末、フレーク、繊維、および量子ドットを含むルミネッセンス素子を、透過性/半透過性の保護膜89、透過性/半透過性の誘電体81、および追加のルミネッセンスコーティング82に組み込むことができる。ルミネッセンス素子を、空間的にまたは均一にこれらの層に分散させることができる。
図4Bは、ルミネッセンス層91が抽出素子を含む透過性/半透過性素子90上に形成されている光源を示している。透過性/半透過性素子90を、サファイア、キュービックジルコニア、YAG(ドープとアンドープ)、ZnO、TAG(ドープとアンドープ)、石英、GGG(ドープとアンドープ)、GaN(ドープとアンドープ)、AIN、酸窒化物(ドープとアンドープ)、オルトシリケート(ドープとアンドープ)、ZnS(ドープとアンドープ)、ZnSe(ドープとアンドープ)、およびYAGG(ドープとアンドープ)のような単結晶材料、多結晶材料、ならびにガラス、セラミックYAG(ドープとアンドープ)、ALON、スピネル、およびTPAのようなアモルファス材料とすることができるが、これに限定されない。一般に、ベルヌーイ、EFG、HEM、チョクラルスキー、CVD、熱水、スカル、およびエピタキシャル手段を介して成長させた単結晶材料を、透過性/半透過性素子90とすることができる。
ルミネッセンス層91は、透過性/半透過性素子90に直接に形成されてもよく、別々に形成されて、その後に透過性/半透過性素子90に接合されてもよい。フレーム溶射、プラズマ溶射、およびHVOFの技術は、ルミネッセンス層91と、透過性/半透過性素子90のいずれかまたは両方を形成することができる。光源は、可視スペクトル全体で10cm-1未満のアルファを有する透過性/半透過性素子90、および400nm〜1200nmで発光する少なくとも1つのルミネッセンス素子を含むルミネッセンス層91を有することができる。ルミネッセンス層91は、透過性/半透過性素子90と0.2以下異なる屈折率を示すことができる。LED99は、InGaN、AlInGaP、ZnO、BN、ダイヤモンド、またはInGaN、AlInGaP、ZnO、BN、もしくはダイヤモンドの組み合わせであってもよい。InGaNとAlInGaPの両方のLEDを、透過性/半透過性素子90とルミネッセンス層91および/またはセリウムドープYAGを含む追加のルミネッセンス層98と組み合わせてLED99のために使用することができ、透過性/半透過性素子90は、サファイア、スピネル、石英、キュービックジルコニア、ALON、YAG、GGG、TPA、またはZnOのうちの少なくとも1つから構成されている。585〜680nmで発光する追加の赤色蛍光体を、ルミネッセンス層91および/または追加のルミネッセンス層98内で使用することができる。これらの素子が、実質的に黒体曲線上にある6500K〜1200Kの平均色温度で発光する自冷式光源を形成するのは、本発明の好ましい実施形態である。自冷式光源は、実質的に黒体曲線上にある4000K〜2000Kの平均色温度で発光することができる。
色や強度変化がファーフィールドで平均化されるように、複数の自冷式光源を、器具、反射体、光学系または照明器具内で使用することができる。器具、反射体、光学系または照明器具内の3つ以上の自冷式光源が、光源からの6インチよりも遠い距離で均一な照明を作成する。透過性/半透過性の誘電体層93は、インクジェットプリント、シルクスクリーンプリントされてもよいし、リソグラフィ手段で形成されてもよいし、可視スペクトル全体で10cm-1未満のアルファを示してもよい。配線95および94は、インクジェット、シルクスクリーン、テンプレート、またはリソグラフィ手段を用いてプリントされてもよい。触媒インクおよび浸漬めっき技術は、導体の厚さを増加させ、それによって抵抗率を低減させる。配線95および94のための、500ミクロン未満のトレース幅と50%より高い反射率を有する銀トレースは、光源内で生成される光の吸収を低減する。本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される、米国特許出願公開第20060284190号明細書に既に開示されているように、LED99上のコンタクト96および97は、横型デバイスに見られるように片側のみにあってもよいし、1つの上部コンタクトと1つの側部コンタクトから構成されてもよい。
図4Cは、熱伝導性のルミネッセンス素子103に実装された、または少なくとも部分的に埋め込まれた、少なくとも1つの縦型LED100を有する自冷式光源を示している。前述のような複合材料、層、単結晶、多結晶、アモルファス、およびこれらの組み合わせを、熱伝導性のルミネッセンス素子103のために使用することができる。この特定の例では、配線101および102が、インクジェット、シルクスクリーン、またはリソグラフィ手段で、熱伝導性のルミネッセンス素子103に直接プリントされて、縦型LED100の側面と接触し得るように、1つの縦型LED100が実装されている。この実施形態では、追加の誘電体が不要になり、本質的に横型デバイスより低いVfを示す縦型LEDデバイスの使用を可能にする。(本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される)米国特許出願公開第20090140279号明細書に記載されているような基板のないLEDは、LED100の好ましい実施形態である。また、ダイレクト・ダイ・アタッチおよびフリップチップ実装した構成を、LED100のために使用することができる。基板のないLEDの場合、InGaNおよび/またはAlInGaPの縦型LED100は、LED100用のTCOコンタクト104および105を有し、配線101および102は、隣接するTCOコンタクト104および105へのオーミックコンタクトを形成する厚膜銀インクである。このようにして、吸収損失が最小限に抑えられ、LED100を製造するためのリソグラフィ工程の必要性が、排除されるかまたは最小化限に抑えられる。自冷式光源は、配線101および102のための厚膜銀トレースを介して接続されたTCOコンタクト104および105を有する少なくとも1つの縦型LED100を含み、この配線101および102は、熱伝導性のルミネッセンス素子103上のTCOコンタクト104および105に直接接合されている。任意に、ボンディング層106は、実装するため、抽出を改善するため、追加のルミネッセンス材料を組み込むため、またはLED100を熱伝導性のルミネッセンス素子103上にまたはその内部に配置するために使用され得る。
図5は、熱伝導性のルミネッセンス素子のさまざまな形状を示している。図5Aは、実質的に平坦なルミネッセンス素子107を示している。厚さは、ドーパント濃度の関数であるが、一般に、0.02%〜10%のセリウムドーピング濃度で均一にドープしたセリウムドープYAGに対し、厚さの範囲は200ミクロン〜2mmである。効果的な熱拡散を発生させるために、ルミネッセンス素子107の表面領域の0.1W/cm2より高い平均電力密度を十分に扱えるように、熱伝導性のルミネッセンス素子107の熱伝導率は、1W/mKより高い必要がある。熱伝導率が低くなる場合、デバイス内部で生成された熱の熱拡散が不十分であるため、自然対流および放射手段によってそれ自体を冷却するための平坦なルミネッセンス素子107の能力が低下する。
図5Bは、非平坦な(半球の)ルミネッセンス素子108を示している。この場合、より高い屈折率の非平坦なルミネッセンス素子108内で導波する、これらの光線のための光抽出を向上させることができる。また、ファーフィールドの強度および波長分布を変更することができる。同じまたは異なる形状の熱伝導性のルミネッセンス素子を有する複数の小さい自冷式光源は、均一または特定のファーフィールドの強度および波長分布を作成する。空気よりも大きな屈折率を有する媒質内で生成された光の抽出は、スネルの法則により全内部反射によって制限される。成形されたルミネッセンス素子108を、ルミネッセンス素子108をエスケープするのに必要な光学線の平均光路長を減少させるために使用することができる。吸収損失が所定の吸収係数(アルファ)で光路長に正比例するので、平均光路長を減少させることは、低減された吸収損失に直接換算される。光学線がルミネッセンス素子108内で生成される空間的位置、ルミネッセンス素子108の屈折率、ルミネッセンス素子108の吸収係数(アルファ)、ルミネッセンス素子108内およびその上でのバルクおよび表面散乱、およびルミネッセンス素子108の幾何学的形状を、抽出効率を最適化するために、当該技術分野で知られているように、すべてモデル化することができる。
図5Cは、実質的に均一な厚さを有する非平坦な(湾曲した)熱伝導性のルミネッセンス素子109を示している。この方法では、ルミネッセンス材料の均一な厚さを維持することによって、抽出を向上させることができる。当該技術分野で知られているような、押し出し、プレス、成形、穿孔、およびフレーム溶射技術が、熱伝導性のルミネッセンス素子のさまざまな形状を製造するために使用されてもよい。
図5Dは、対流冷却を強化し、任意で自冷式光源の発光出力を変更または均質化するために、追加の表面素子を有する非平坦な(矩形鋸歯状の)熱伝導性のルミネッセンス素子110を示している。押し出し、プレス、および成形技術が、熱伝導性のルミネッセンス素子110を形成するために使用されてもよい。
図6Aは、ボンディング層109を介して実装された熱伝導性のルミネッセンス素子107の凹部内に部分的に埋め込まれたLED108を示している。凹部の形成は、レーザ加工、電子ビーム加工、エッチング(化学的および機械的の両方)、プラズマエッチング、成形、および機械加工手段によって行うことができる。300ミクロン未満の厚さを有する部分的に埋め込まれたLED108には、基板のないLEDが使用されてもよい。部分的に埋め込まれたLED108を熱伝導性の波長変換素子107に埋め込むことによって、2つの素子間の熱抵抗を低減することができ、これにより、所定の駆動レベルのためのLEDの接合部温度を低下させる。任意で、部分的に埋め込まれたLEDから熱伝導性のルミネッセンス素子107への発光をさらに接続することができ、これにより、自冷式光源の色温度を変化させる。
図6Bは、ボンディング層111を介して熱伝導性のルミネッセンス素子110上に接合された少なくとも1つのLED112を示している。この場合、ボンディング層111は、LED112の発光波長に対して1W/mKより高い熱伝導率、および10cm-1未満のアルファを示すべきである。
図7は、TCOコンタクトベースのLEDのためのさまざまなプリントされたコンタクトを示している。図7Aは、p層117上のTCO層114上の上部銀ペーストコンタクト113からなる縦型LEDを示している。活性領域116は、p層117とn層115との間にあり、このn層115は、TCOコンタクト118と下部銀ペーストコンタクト119で覆われている。基板のないLEDは、p層117、活性層116、およびn層115から構成された基板のないLED構造でのTCOコンタクト層114および118の両面の成長を可能にする。厚膜高温銀ペーストコンタクト113および119は、TCOコンタクト114および118を有するLEDにプリントされ、さまざまな雰囲気で200℃より高い温度で焼成されることができ、低い光吸収率の、低いVfの、実質的にリソグラフィフリーのLEDデバイスを形成する。
図7Bは、プリントされた/インクジェットプリントされたコンタクト120および125を有する横型デバイスを示している。すべての場合において、n層へのオーミックコンタクトは、妥当なオーミックコンタクトを形成するために、中間のTCO層を含んでも含まなくてもよい。図7Bでは、TCO122は、p層123上に成長している。活性層124は、p層123とn層125との間にある。TCO122は、0.003オームcm未満の抵抗と1000オングストロームより大きい厚さを有する、CVDによって成長したドープZnOである。プリントされたエッチングマスクは、n層125までの工程のエッチングを可能にする。一例として、AlInGaPのLEDのエピ層は、GaAs上に成長してもよい。p層123上にTCO122を有する横型デバイスを形成するために、ウエハをエッチングし、パターン化することができる。プリントされたコンタクト120および125は、TCO122およびn層125の上に形成される。Vfをさらに低減するために、任意で追加のTCO層をn層125から形成してもよい。また、ダイレクト・ダイ・アタッチ・ダイを作成するために、プリントされたコンタクト120および125に共晶半田層を追加することが、開示されている。好ましい実施形態では、AlInGaPのLEDのエピ層は、当該技術分野で知られているAlInGaPとGaAs基板との間の犠牲エッチング層を用いた化学エッチングによって除去される。本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される、米国特許第7592637号、第7727790号、第8017415号、第8158983号、および第8163582号明細書、ならびに米国特許出願公開第20090140279号および第20100038656号明細書に開示されているように、得られたダイレクト・アタッチ・ダイは、GaN基板に接合された追加のウエハであってもよい。
図7Cは、上部コンタクト126ならびに側部コンタクト132および130を有するプリントされたコンタクトを示している。ここでも、TCO127はp層128への低抵抗の透過性のオーミックコンタクトを形成し、活性領域129は、p層128とn層130との間にある。側部コンタクト131および132は、n層130の側壁と接触している。N層130は、10ミクロンより大きい厚さである。さらに好ましくは、n層130の厚さは、50ミクロンより大きく、250ミクロン未満である。
図8は、単一の自冷式光源のファーフィールド分布を変化させるさまざまな方法を示している。図8Aでは、LED136の屈折率、形状、および間隔、波長変換素子133および135、ならびに接着材料137が、光源のファーフィールド分布を決定することになる。ファーフィールド分布は、光学線が出る場所、光学線の量、光学線の方向、および単一の自冷式光源上の特定の空間点を出る光学線のスペクトルによって決定される。図8は、さまざまな反射体、散乱素子、およびディフューザを示しており、これらが、光源から放射される光線の、場所、量、方向、およびスペクトルを変更する。2つの波長変換素子133および135が示されているが、LED136を実装するために1つまたは複数の波長変換素子を使用することができる。複数LED136を、1つの波長変換素子133の1つまたは複数の表面に実装することができる。これらのパラメータに基づいて、放射線は、構造体または光源内に導かれた光から放出されることになる。加えて、エッジ素子134もまた、デバイスの外のファーフィールド分布を変更することができる。エッジ素子134およびボンディング材料137は、半透過性、透過性、不透過性、および/または発光性であってもよい。エッジ素子134およびボンディング材料137のための透明マトリックス内のルミネッセンス粉末は、ファーフィールドの強度分布だけでなく発光スペクトルも変更することができる。
図8Bは、自冷式光源の端部全体がマトリックス138内の散乱素子139で実質的に覆われている自冷式光源を示している。また、散乱素子139およびマトリックス138は、自冷式光源のエッジだけでなく、自冷式光源の他の表面の実質的な部分も包含するように延びていてもよい。このように、自冷式光源のすべての面から放射された光を、ファーフィールドの強度分布を変更するためにリダイレクトすることができる。散乱素子139のためのルミネッセンス材料は、自冷式光源によって放出されたスペクトルの少なくとも一部により励起される。
図8Cは、金属、拡散散乱体、誘電体ミラー、および/または半透明材料から構成されるエッジ方向転換素子140を示しており、これにより、LEDまたは波長変換素子内で生成される光の少なくとも一部が、光線141で示すようにリダイレクトされる。
図8Dは、半透過性、部分的に不透過性、偏向性、および/または発光性とすることができる、外側コーティング142を示している。ファーフィールドの強度、偏光、および波長分布を、ニアフィールドおよびファーフィールドの両方において修正することが可能であり、空間情報を、自冷式光源に加えることができる。一例として、赤色波長が、ろうそくの炎の先端付近でより容易に放出され、青色波長が、ろうそくの炎のベース付近でより容易に放射されるような、ろうそくの炎と同様の形状を有する自冷式光源が、スペクトル可変の外側コーティング142を有していてもよい。このように、ろうそくの炎の空間的な分光特性をより密接に一致させることが可能である。この技術を用いて、追加の光学素子を必要とせずに、多様な装飾的な光源を形成することができる。
別の例では、外側コーティング142を、アルミニウムのような反射性コーティングから構成することができ、その中に開口部がエッチングまたは機械的に形成される。より具体的には、太陽光可読表示灯を、警告、緊急、または警戒の指標として、この技術を用いて形成することができる。外側コーティング142内に円形偏光板を使用することにより、太陽光の読み取りを向上させることができる。あるいは、外側コーティング142を、直接表示され得るかまたは外部の光学系によって表示され得る横断歩道のシンボルを示すためにパターン化することができ、これにより、横断歩道や他の交通関連の用途のための超小型警告サインを作成する。別の例では、700nmより大きい波長に対して自冷式光源の放射率が高められるように、外側コーティング142は、スペクトル選択的な放射率のコーティングから構成されてもよい。自冷式光源の赤外線および遠赤外線放射率を高めることによって、より効率的な光源を実現することができる。図3の例で前述したように、放射冷却は、自冷式光源の冷却のかなりの割合を表している。自冷式光源の表面からの冷却を最大にするために、外側コーティング142に高放射率のコーティングが使用されることが好ましい。0.5よりも大きな放射率を有する外側コーティング142が最も好ましい。最高表面温度に依存して、放射冷却は、光源の放熱の20%〜50%を表すことができる。
図9Aは、媒体143内の光学デバイスのダイ成形の使用を示している。一例として、LED145は、媒体143内に埋め込まれた活性領域146を含んでいる。当該技術分野で知られている光線トレーシング技術を用いる場合、媒体143に伝送される放射線の量を最大にする最適な角度144が存在する。一般に、半導体材料は、高い屈折率を示し、これにより、LED145内で光トラッピングをもたらす傾向がある。図9Aに示すように、最適な角度144は、活性領域146の範囲を定める。
あるいは、図9Bは、表面149、148、および147を示しており、これらは、非正方形または非長方形のダイを形成しながら非直交であってもよい。これらの両方の場合において、LED150内でトラップされた光は、より効率的にダイをエスケープすることができる。ダイ成形の両方の形態を一緒に使用することが好ましい。抽出効率を高めるために、波長変換素子内に埋め込まれたLED150のために非長方形の形状を用いることは、本発明の好ましい実施形態である。
図10Aは、波長変換素子151内のLED152および154の実装方法とボンディング層153および155の使用を示している。ボンディング層153および155は、LED152および154を波長変換素子151の少なくとも1つの表面に、熱的、光学的、および機械的に取り付ける。LED152は、波長変換素子151内に少なくとも部分的に埋め込まれ、これにより、エッジと表面の両方が、ボンディング層153を使用してLED152によって波長変換素子151内に放出される放射線を接続することが可能になる。あるいは、LED154は、ボンディング層155を使用して、波長変換素子151の表面に実質的に接合されている。波長変換素子151が、ウエハ接合、融着接合、または溶融接合を用いて、LED154および152に直接接合可能である場合、ボンディング層55および153が省略されてもよい。
図10Bは、波長変換素子の一般的な透過スペクトル157を示している。青色発光156は、波長変換素子によって吸収され、その後、より長い波長で再度放射されている。赤色発光158は、一般には強く吸収されず、そのため、波長変換素子151が単に導波路であるかのように挙動する。実質的に任意の色の光源を、波長変換素子151内の青色および赤色LEDの適切な組み合わせを適切に選択することによって実現することができる。波長変換は、好ましい実施形態であるが、図10Bは、波長変換素子151が発光することを必要としない自冷式光源を示している。赤色の自冷式光源の場合には、波長変換素子151は、波長変換なしで、LEDを光学的に分散させ、熱的に冷却するために使用されてもよい。あるいは、UV反応性のルミネッセンス材料を、UV LED164または165を有する波長変換素子162に使用することができる。透過スペクトル157は、より短い波長にシフトされ、これにより、蛍光灯光源に見られるように、ホワイトボディ色を呈する自冷式光源を形成することができる。ただし、この波長シフトは、より大きなストークスシフトによる損失によって多少低下した効率によって、相殺される。
図11は、色調整可能な自冷式光源を示しており、この光源は、電気配線168を有する少なくとも1つの波長変換素子162、少なくとも1つの青色LED164、少なくとも1つの赤色LED163、ならびに駆動電子装置165、166、および167を含んでいる。電気配線168は、厚膜プリントされた銀インクである。3つの別々のピン159、160、および161は、赤色LED163からの青色LED164の独立した制御を提供する。ピン159、160、および161を、キーイングを可能にするように物理的に成形することができ、これにより、自冷式光源が外部電源に適切に接続されていることを確実にする。ピン159、160、および161は、実質的に、波長変換素子162の同じ側に示されているが、代替のピン構成の使用は、本発明者らにより予想されている。一般に、外部電気配線を図11に示すピン159、160、および161によって、または非限定的に、波長変換素子162上の、またはこれに接続された、フレックス回路や、電気トレースを含む剛性素子、同軸線、シールドおよび非シールドツイストペア、およびエッジ型コネクタを含む代替の配線手段によって達成することができ、これは、本発明の実施形態である。また、波長変換素子162内のフィードスルーは、機械的、化学的エッチング、レーザ、水噴射、または波長変換素子162の任意の面での任意の前述の電気配線素子に外部配線を形成する他のサブトラクティブ手段によって形成され得る。駆動電子装置165、166、および167は、抵抗、キャップ、およびインダクタによる能動素子および受動素子の両方から構成され得る。このように、光源を励起するために、さまざまな外部駆動入力を使用することができる。一例として、電流源のチップは、波長変換素子162上に実装され、ピン159、160、および161を介して外部電圧源に接続されてもよい。また、当該技術分野で知られているように、典型的な電流源のチップは、電流源チップに流れる電流を設定する外部抵抗を有することができる。外部抵抗は、波長変換素子162に実装されてもよいし、または光源の外側にあり、ピン159、160、および161を介して電流源チップに接続されてもよい。光源内の機能性が増すにつれて、ピンの数を増やすことができる。集積回路を、駆動電子装置165、166、および/または167のために使用することができる。
また、波長変換素子162はまた、LED164および165だけでなく駆動電子装置165、166、および/または167も実質的に冷却する。ピン159、160、および161を、光源の発熱素子から熱を除去するために使用することができる。波長変換素子162は発光性であり、光拡散および自冷式光源内の発熱素子の冷却を提供する。この場合には、UV、紫色、シアン、緑、黄、オレンジ、深い赤色、および赤外線を含む、追加の波長のエミッタが添加され得るが、これに限定されない。
図12は、複数LED171を駆動することができる埋め込まれたアクティブドライバ172を有する自冷式光源を示しており、これらのすべては、実装されて、波長変換素子169によって実質的に冷却される。入力ピン170は、アクティブドライバ172に電力入力を提供するだけでなく、出力も提供することができ、この出力は、非限定的に、光源の温度、周囲の温度、光出力レベル、動き検出、赤外線通信リンク、および調光制御を含む。既に開示されたように、波長変換素子169の透過スペクトルは、より長い波長の低吸収を可能にする。赤外線/無線エミッタとレシーバを、埋め込まれたアクティブドライバ172に統合することができるため、自冷式光源は、部屋、建物、または屋外でのコンピュータ、テレビ、無線デバイスのための通信リンクとしての役割を果たすこともできる。この統合により、追加のワイヤリングやデバイスが不要になる。
図13Aは、LED177のための冷却通路に加えて、波長変換素子173および174から熱178を抽出するための追加の熱伝導経路としての、電気的コンタクト174および175の使用を示している。LED177は、ダイレクトアタッチまたはフリップチップであってもよく、横型、垂直、またはエッジコンタクトのダイであってもよい。一例として、電気的コンタクト174および175は、波長変換素子173と174との間に挟まれた厚さ0.3mmの錫めっきアルミニウム板から構成されてもよい。このように、LED177だけでなく波長変換素子173および174のための電気入力と追加の冷却手段の両方を実現することができる。
図13Bは、ロッド状の波長変換素子182内のLED180を有するロッドベースの光源を示しており、ここで、熱181は、コンタクト178および179への伝導によってさらに抽出される。代替で、所望の強度、偏光、および波長分布を作成するために、半球、ピラミッド、および他の非平坦な形状やCe:YAGが、波長変換素子182のために使用されてもよい。Ce:YAGや球形およびピラミッド形などの他の形状は、体積に対する表面積の比率を最大化するため、材料の可能な最小量を使用しながら、波長変換素子182の表面からの対流冷却および放射冷却が最大化される。一例として、コンタクト178および179は、非限定的に、接着、機械的、半田付け、またはろう付け手段を含む接合方法によって、波長変換素子182に熱的に接合された2mmの銅製ヒートパイプから構成されてもよい。このようにして、追加の冷却が実現され得る。LED180は、表面上または波長変換素子182の内側に実装されてもよい。一例として、LED180は、2つの半球状の波長変換素子182の平坦な表面に実装されてもよい。この2つの半球状の波長変換素子182は、波長変換素子182内に埋め込まれたLED180を有する球状の自冷式光源を形成するために一緒に接合されている。あるいは、LED180は、LED180によって生成される光が一般に半球状の波長変換素子182に接続されるように、半球状の波長変換素子182の球面上に実装されてもよい。任意で、LED180によって放射される光が半球状の波長変換素子182によって発光性のボンディング層上に効果的に接続されているように、半球状の波長変換素子182の平坦な表面は、追加のルミネッセンスコーティングを有していてもよく、このボンディング層は、LED180および半球状の波長変換素子182の裏側の任意のルミネッセンス素子の両方によって放射される光を、反射し、透過し、変換し、または他の方法で放射する。この手法の利点は、LED180が波長変換素子の冷却面付近に実装されていること、高温での混合が可能であること、およびボンディング層が、波長変換素子182にどの程度一致しているかによって光源の角度分布を制御することができること、である。2つの半球状の波長変換素子182を一緒に接合することにより、外部に実装されたLED180を有する球形の光源を形成する。
図14は、少なくとも2つの熱的および/または光学的に分離された区域を有する自冷式光源を示している。LED184を含む導波路183は、導波路186とLED187から障壁185を介して光学的および/または熱的に絶縁されている。2色光源を形成することができる。あるいは、AlInGaPのような温度感受性のLEDを、温度安定性のInGaNのLEDから熱絶縁することができる。導波路183および186は、ルミネッセンス変換を提供してもしなくてもよい。LED184は、サファイアで作られた導波路183に実装されたAlInGaP(赤色)LEDである。LED187は、単結晶Ce:YAGである導波路186上に実装されたInGaNの青色LEDである。障壁185は、熱伝導率の低いアルミナ鋳造材料である。AlInGaPの効率は、60℃を超える接合部温度に対して40%低下し、一方で、InGaNの効率は、同様の接合部温度に対し10%だけ低下することになる。白色光源は、InGaNの高い全体効率からAlInGaPを熱絶縁することによって実現することができる。この手法を用いて、この2つの部分が異なる表面温度で動作する。InGaNのLED187および導波路186は、より高い表面温度で動作し、一方で、AlInGaPのLED184および導波路183は、より低い表面温度で動作する。
図15は、波長変換素子188に実装された青色LED189およびドライバ190を有する赤色LED192を示している。また、電力線191、193、194、および195と、制御線196も示されている。電源線入力191および出力195を介して利用可能な電圧/電流の流れを制御することによって、赤色LED192が制御線196を介して設定される。一般に、ドライバ190は、定電流源または制御線196を介して制御される可変抵抗器とされよう。前述のように、青色LED189は、一般に、温度に関してより安定したInGaNであり、寿命と駆動レベルが一般的なAlInGaPの赤色LED192より高い。一例として、単独のユウロピウムドープ・ストロンチウムチオガレートでコーティングされたTPA、または、波長変換素子188のためのユウロピウムドープ・マグネシウムガレートのような別のガレートを有する混相が、450nmのLED189によって励起される。また、615nmのAlInGaPの赤色LED192は、ドライバ190と共に波長変換素子188に実装される。熱は、波長変換素子188だけでなく、青色LED189および赤色LED192によって放出された放射線によって拡散される。制御線196は、青色LED189の固定出力に比較して赤色LED192への電流を増加させることによって範囲内の光源の色温度を調整するために使用される。追加のLEDおよび他の発光波長を使用することができる。
図16は、一般的な固体光源のための白色光スペクトルを示している。図16Aは、一般に青色LEDおよびCe:YAG蛍光体によって作成される、高い色温度の低CRIのスペクトル197を示している。一般に、スペクトル198に示すように、追加の蛍光体が、色温度を下げるために、赤色コンテンツをさらに追加するために添加される。ただし、この赤色の添加は、一部の青色と、場合により一部の緑色が吸収されることを必要とし、これにより、全体的な効率を低下させる。
図16Bは、青色LED、Ce:YAG蛍光体、および赤色LEDからの典型的なスペクトル199を示している。スペクトル200に示すように、赤色LEDのスペクトルは、付加的である。一般に、図16の両方の方法は、本発明に記載の自冷式光源を形成するために使用される。
図17は、蛍光体とLEDのスペクトルA、B、C、D、およびEを混合することにより形成された高CRIの白色光スペクトル201を示している。示されたスペクトルを生成するために必要とされるデバイスを冷却、機械的実装、環境的保護、および電気配線することに加えて、スペクトル範囲を、本発明に開示された波長変換素子内で混合、拡散、および変換することができる。一例として、スペクトルBを、440nmの青色発光LEDから得ることができ、その出力の一部が、既に開示されたような500nm〜600nmのスペクトルAを形成するための単結晶Ce:YAGのルミネッセンス素子を励起するために使用される。スペクトルCは、シアン量子ドットから構成されてもよく、これもまた、440nmの青色発光LEDの出力の一部を490〜500nmの波長に変換する。スペクトルAの一部を580nm〜700nmの波長に変換するために、スペクトルDは、おそらく、Eljen−284(Eljen Technologies Inc.)のような波長シフタ染料を使用して作成され、スペクトルEは、おそらく、600〜800nmを発光するAlInGaPである赤色LEDである。また、赤外線エミッタまたは変換器が、通信リンク、セキュリティ、およびナイトビジョン用途のために追加されてもよい。
図18は、導波路とルミネッセンスコーティングのさまざまな形状を示している。図18Aは、ルミネッセンスコーティング202を有する加工された熱伝導性の導波路203を示している。一例として、マイクロレンズアレイは、TPAからプレス焼結され、フレーム溶射によってCe:YAGでコーティングされてもよい。図18Bは、高放射性のコーティング205でコーティングされた、EFG法で形成された単結晶Ce:YAGのロッド204を示しており、このコーティング205は、Ce:YAGtp空気の幾何平均に略等しい屈折率を有し、厚さは300オングストロームより厚い。前述の図3の例では、低い表面温度での放射冷却の重要性が開示されている。この例では、放射冷却は、表面の放射率が0.8を超えている限り、放散される熱の合計の30%までを表すことができる。放射率は、光沢のある金属の非常に低い放射率(0.01)からカーボンブラックの表面の非常に高い放射率(0.98)まで、さまざまである。可視スペクトルにも透過性のある高放射性のコーティング205の使用は、最も好ましい。これらには、ケイ酸塩、ガラス、有機物、窒化物、酸窒化物、および酸化物が含まれるが、これに限定されない。また、高放射性のコーティング205が1W/mKより高い熱伝導率を示すことは、さらに好ましい。高放射性のコーティング205の厚さは、1000オングストローム〜5ミクロンの厚さが好適である。また、高放射性のコーティング205は発光性であってもよい。
図19Aは、自冷式光源206と光学系207を示している。光学系207は、反射性、透過性、半透過性、または不透過性であってもよい。装飾的な手段および指向性手段の両方が、光学系として使用されてもよい。当該技術分野で知られている、放物線、楕円、非結像、および他の光学的構成が、光学系として使用されてもよい。特に、光学系207上のプリズム面素子の使用は、本発明の実施形態であり、ここで、自冷式光源206により放射された光の実質的な部分は、元の方向に直交する方向にリダイレクトされる。光学系207は、光源206からの光の一部を下方向にリダイレクトする。光学系207は、ガラス、単結晶、ポリマー、または他の半透過性/透過性材料から構成され得るが、これに限定されない。着色された半透過性/透過性材料は、特定の装飾的または機能的な外観を作成する。一例として、光源206は、装飾ランプを形成するために、オレンジ色のガラス塊に埋め込まれてもよい。ヒートシンクの必要性を排除することにより、光学設計を非常に簡素化し、より多様な反射体および光学素子を可能にする。
代替で、図19Bは、光源208を上下にスライド210させる、外部可動反射体209を示している。この手法を用いて、下向き光の割合を、拡散照明の量に対して調整することができる。ここでも、ヒートシンクの排除と拡張された光源の形成により、照明器具の光学設計が大幅に簡素化される。
図20は、単一の光源のファーフィールド分布を調整する方法を示している。図20Aでは、ファーフィールド分布の強度および波長の両方を、LED214および216を波長変換素子211内にまたはその上に実装する方法によって調整することができる。LED214は、ポケットまたは凹部が波長変換素子211に形成された中の埋め込み式LED214を示している。この埋め込み式LEDは、透過光線212対導波光線213の比率を、実質的に異なる透過光線217対導波光線218の比率を有する表面実装されたLED216に対して変更する。
図20Bでは、光学系220は、光源219の1つより多い表面からの光を抽出する。この場合、光線221は光線が放射された表面に対して略直交方向にリダイレクトされ、光源219の他の表面からの光線と混合される。光学系220は、プリズム、レンズ、放物線、楕円、非球面、または自由な形状であってもよい。
図20Cは、既に開示されているエッジ方向転換素子224を有する埋め込み式閉塞部226での埋め込み式LED225を示している。光線227および223を、波長変換素子222から略直交方向に向けることができる。
図21Aは、ボンディング層229、電気配線層231、および保護性の誘電体層232を使用して、凹部またはポケット228を含む波長変換素子内に接合されたLEDダイ230を示している。一例として、500ミクロン厚のCe:YAGの単結晶ウエハが、ポケットを有するようにレーザ穿孔され、横型LEDダイ230は、このポケット内に配置され、ポリシラザンを用いて接合されている。ポリシラザンは、少なくとも部分的に硬化されている。ポリシロキサンは、横型LEDダイ230の金属コンタクトパッドだけでなく、すべてを覆うように、インクジェットプリント技術を用いてさらにコーティングされている。露出した横型LEDダイ230の金属コンタクトパッドが電気配線層231を介して電気的に配線されるように、導電性インクは、インクジェット、スクリーンプリント、タンポ、またはリソグラフィ手段によってプリントされるが、これに限定されない。ナノ銀、銀ペースト、および他の高反射性のプリント可能な導電性インク、ペースト、またはコーティングが、好ましい導電性インクである。保護性の誘電体層232は、インクジェット、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、および蒸発コーティング手段によって適用されるが、これに限定されない。
図21Bは、導波路234の表面に実装されたLED233を示しており、光線の大部分は、この導波路に効率的に接続していない。図21Cは、導波路236内のポケット内の埋め込み式LED235を示している。光学的および熱的に、より多くの接続が導波路236内に存在する。また、埋め込み式LED235の使用は、図21Aに示すような簡略化された配線を可能にする。さらに、LED233または235からのスペクトルの少なくとも一部を変換するために、ルミネッセンスインサート237が使用されてもよい。この場合、より低コストの材料を、導波路234および236のためにそれぞれ使用することができる。一例として、埋め込み式LED235と略同じ面積を有する、0.2%より高いセリウムドーピング濃度を有する、50ミクロン厚の単結晶Ce:YAGのインサートを、プレス焼結されたTPAの導波路内に挿入することができる。このように、熱伝導性素子の利点を実現しつつ、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えることができ、この熱伝導性素子は、導波路、増加した熱冷却面、およびルミネッセンスインサート237またはLED235より広い領域に広がる光を拡散する光学系を含むが、これに限定されない。セラミック、多結晶、アモルファス、複合材料、およびルミネッセンス材料のプレスされた粉末が、ルミネッセンスインサート237に使用されてもよい。1W/mKより高い熱伝導率を有する導波路236は、ルミネッセンスインサート237と共に機能することができる。LED235は、LEDの1つまたは複数から構成され、このLEDは、少なくとも1つのルミネッセンスインサート237を有する、1W/mKより高い熱伝導率を有する導波路236内のInGaN、AlGaN、および/またはAlInGaPベースのLEDである。
図22は、従来技術の固体光源である。従来のLED光源は基板2210を組み込み、この基板上に、LED2220のためのプリント回路と接合パッドが実装されている。LEDは、蛍光体2230でコーティングされ、かつ透明な封止材または接着剤2240を用いて封入されている。これらの要素2210、2220、2230、および2240は、一般に、LEDパッケージと呼ばれている。パッケージは、ヒートシンク2250に実装され、このヒートシンク2250は、LED2220によって生成される熱を拡散および放散する。米国エネルギー省(DOE)は、LED照明のコストの70%がヒートシンク(30%)とパッケージ(40%)によるものであると推定している。光源を完成させるために、レンズ2260がLEDの上方に取り付けられ、光源から発する光のより均一な分布を得るために、ディフューザ2270が追加される。これらの構成要素のすべては、LED光源に重量、サイズ、コストおよび複雑さを付加する。
米国特許出願公開第20130099264号明細書(本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される)は、ディフューザ、ヒートシンク、およびパッケージを組み合わせることによって、これらの多数の構成要素を除去して1つの構成要素にすることを記載している。図23AのLED2310は、ヒートシンクおよび発光ディフューザとして機能する透光性の熱伝導性半透過素子2320に実装されている。
また、図23Bに示すように、熱伝導性半透過素子2320が、LED2332を他の複数LED2334、2336に、および電気リードまたはコネクタ2340に配線するために、プリント回路2330を含み、これにより、外部電源(不図示)に接続され得る。米国特許出願公開第20130099264号明細書では、LED(複数可)からの光を熱伝導性半透過素子内に接続することによって、どのように光が内部で導波され、そして素子から抽出されるのかが示されている。米国特許出願公開第20130099264号明細書に記載の基本的な教義を実施するために、本発明の実施形態は、低コストの材料が利用され得る方法を示している。
本明細書で実施される光源において、部分的に透過性の熱伝導性素子のためにより多くの表面積を利用する、2つのやむを得ない理由がある。冷却方法は、自然対流および放射である。これらの冷却手段の両方において、冷却速度は、周囲に露出した表面積に正比例している。したがって、周囲に露出した表面積が大きいほど、熱放散の割合が高い。加えて、光源が(人間の目に)非シールドであるか、または陰や照明器具内にない場合、いくつかの用途において所望され得る表面積が大きくなると、光束密度が減少する。大きな表面積を適応するためには、より高い熱伝導性の半透明材料が必要とされる。従来の白熱光源と経済的に競合するには、これらの材料のコストを可能な限り低くすることが必要である。
光学的に透過性であるよりも光学的に反射性が高い安価な熱伝導性の半透明材料を、これらを光リサイクリングキャビティに形成することによって利用できることが判明している。実際には、光リサイクリングキャビティ内に形成されたときに50%を超える反射率(50%未満の透過率)を有する材料は、閉じたキャビティ内に封入されたLEDによって放射される光のうちの50%を超える光を抽出することができることが判明している。このように、本発明の実施形態では、この自冷式光源の光リサイクリングキャビティは、キャビティを形成している透光性の熱伝導性素子の光透過率を超える光抽出効率を有する。
LED2410または表面に実装された複数LEDを有する、図24A内の半透過(光学的に透過性および反射性)の透光性の熱伝導性素子2420(例えば、発光波長に対して低い吸収損失を示す、アルミナ(Al2O3)、TPA、BeO、AlN、BN、および他の熱伝導性セラミック、アモルファス、複合材料、多結晶、配向した多結晶、または単結晶材料が使用される)が、反射性のエンクロージャ2424を形成する光反射体と組み合わさり、少なくとも1つの発光ダイオード2410によって放射される光の大部分をリダイレクトして、透光性の熱伝導性材料(素子)2420に返し、通過させる。ロープロファイルの光源を作成するために、また、材料を最小限に抑えるために、リサイクリングキャビティの厚さ2442を、できる限り薄くすることが好適である。前述の半透明材料の多くは、入射光を同時に反射、透過、および散乱させる。本明細書で使用される「半透過」の用語は、光反射性、透光性、光散乱性、および導波性(光が材料内のかなりの距離を進むことができる)であることが可能な材料を指している。以下に説明するように、透光性の熱伝導性素子を作成する代替の方法として、導波路(例えば、金属)なしで、代替的に反射、透過、または散乱することができるいくつかの材料が存在する。LED2410は、波長変換層または素子の有無にかかわらず、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LED、縦型LED、横型LED、LEDパッケージ、および/またはパッケージ内のLEDのアレイであってもよい。透光性の熱伝導性素子2420のために高温材料を使用することにより、LED2410は、半田付けされ、接着され、溶接され、または他の方法で電気的かつ物理的に取り付けられることが可能になる。また、部分的に反射性および部分的に透光性の熱伝導性素子2420の高温の性質により、850℃を超える温度まで熱伝導性素子2420の表面上に電気配線回路を形成することができる。
光反射体2424は、金属、アルミニウム、反射率の高められたアルミニウムや金属、プラスチック、銀コーティングされたプラスチック、白色プラスチック、セラミック、ガラス、塗装面、硫酸バリウムコーティングされた表面、発泡テフロン(登録商標)や他の低吸収性ポリマー、高い反射率を示す複合材料、充填ポリマーであってもよく、鏡面もしくは拡散反射体、またはこの両方の組み合わせであってもよい。また、光反射体2424は、光と熱の両方を反射するように拡張されてもよい。一般に、デバイスで生成された光と熱の両方が、透光性の熱伝導性素子2420を通って実質的に透過される。光反射体2424に対する熱伝導率は、光源内部で生成された熱の大部分が透光性の熱伝導性素子2420の外面を通って、および外面に放散されるため、透光性の熱伝導性素子2420よりも低くなる可能性がある。このため、White Optics(商標)ポリマーなどの断熱材料を、約0.1W/mKの低い熱伝導率を有する光反射体2424に使用することができる。本発明のさらなる実施形態では、光反射体2424は、部分的に光反射性であり、部分的に透光性である。この場合、反射性および透光性の熱伝導性素子を、光反射体2424に使用することができる。これは、さらに以下に詳述される(例えば、図25)。
また、反射性を高めたコーティングおよび100W/mKより高い平均熱伝導率を有するアルミニウムであるAlanod社のMIRO(商標)を、図24Aの光反射体2424に使用することができる。この場合、生成された熱の一部を、光反射体2424を介して放散するか、または光源の外側実装面に伝送することができる。また、光反射体2424は、光源が取り付けられている熱感受性の表面を保護するための熱障壁として使用されてもよい。このように、光反射体2424の外面上に熱障壁コーティング2445、2446を使用することもまた、本発明の実施形態である。説明したように、一般に、本発明の実施形態は自冷式光源であり、少なくとも1つの発光ダイオード2410が、透光性の熱伝導性素子2420の少なくとも一部に実装され、光反射体2424と組み合わせられ、この光反射体2424は、少なくとも1つの発光ダイオード2410によって放射された光をリサイクルして、透光性の熱伝導性素子2420に返し、通過させる。代替で、大きい発光面積を有する光源を形成するために、複数の透光性の熱伝導性素子を単一の光反射体と組み合わせてもよい。
LED(複数可)2410によって放射される光は、光反射体2424によって反射され、LED2410が実装された透光性の熱伝導性素子2420に入射する。透光性の熱伝導性素子2420への入射光の一部は、透過して散乱し、透光性の熱伝導性素子2420の出力面で放射される。透光性の熱伝導性、および任意で半透過性の素子2420の反射率に起因して、光の一部は、反射して、光反射体2424および透光性の熱伝導性素子2420によって形成されたキャビティ内に返る。低反射率、高透過率の材料(例えば、TPA、スピネル、サファイア、等)が本発明を実施するために使用され得るが、依然として高い光出力効率を達成しながら、より高い反射率(低い透過率)の素子を使用できることが判明している。
LED2410は、プリント配線パッド2422を介して、反射性の半透過の熱伝導性素子2420に実装されている。プリント配線およびパッド2422は、熱伝導性半透過素子上にスクリーンプリントまたはインクジェットプリントすることができる、導電性トレース(金、銀、銅、ITO、等)である。
少なくとも1つの反射性および透光性の熱伝導性素子2420に実装された少なくとも1つの光反射体2424を、その上の入射光の鏡面または拡散反射体とすることができ、これがLED2410の光放射面(複数可)2447に実質的に面している95%を超える高い光反射率の面を有している限り、任意の材料から作成することができ、リサイクリングキャビティの内部は、透光性の熱伝導性素子2420の内側に面する表面(複数可)2431および光反射体2424によって形成されている。ここでも、光反射体2424は熱伝導性である必要はなく、なぜなら、少なくとも1つのLED2410からの熱の大部分は、透光性の熱伝導性素子2420の光および熱放射面2440を通じて放散されるためである。したがって、光反射体2424を、金属、アルミニウム、プラスチック、セラミックなどを含む無数の異なる材料から作成することができる。光反射体2424が、85%より高い反射率を有することが好ましい。光反射体2424は、90%より高い反射率を有することがさらに好ましい。さらに、光反射体2424は、95%より高い反射率を有することが最も好ましい。反射率を、可視波長域に制限することができ、より好ましくは、赤外域も含むように制限することができ、これにより、熱は、透光性の熱伝導性素子2420を通じて周囲にリダイレクトされる。
発光面(複数可)2447が、光反射体2424に面しているか、実質的に方向付けされるように、LED2410は、透光性の熱伝導性素子2420に実装されている。これにより、LED2410は、LED2410から反射性および透光性の熱伝導性素子2420に低い熱インピーダンスを提供する、透光性の熱伝導性素子2420上の金属パッド2422への金属コンタクトを有することが可能になる。反射性および透光性の熱伝導性素子2420の熱伝導率は、熱を横方向に拡散するために重要であり、このため、反射性および透光性の熱伝導性素子2420の外側冷却/発光面2440は、LED2410によって生成された熱を周囲の環境に放散することができる。反射性および透光性の熱伝導性素子2420の外面2440は、このため、光源の主要な熱放射面および冷却面になる。LED2410上の金属コンタクトは、半田付け、熱圧着、導電性接着などによって、反射性および透光性の熱伝導性素子2420上の金属パッド2422に結合されてもよい。これらのコンタクトおよびパッドは、反射性および透光性の熱伝導性素子2420上の配線を介して、LEDへの電気的接触を提供することができる(上記の図23に示す)。LED2410によって放射された光は、サンプル光線2430によって示されており、この光線は、光反射体2424の内面から反射し2432、その後、反射性および透光性の熱伝導性素子2420の内面2431に衝突する。反射性および透光性の熱伝導性素子2420が透過性であるよりも反射性である場合、入射光のわずかな部分だけが、熱伝導性半透過素子2420を通じて透過されおよび散乱され2433、そして放射される2434。透光性の熱伝導性素子がより高い反射率を有する場合、光の大部分は透過されずに反射され2435、光反射体2424に返り、ここで、光は、反射されて2436、再び透光性の熱伝導性素子2420に返る。ここで再び、別のわずかな割合の光2438が、透光性の熱伝導性素子2420を通じて透過され、大部分の光は、再び反射され2439、光反射体2424に返る。ほとんどの光が、透光性の熱伝導性素子2420の外面/発光面2440を通じて透過されて出るまで、このプロセスが継続する。したがって、外面2440は、光源のための発光面、および(前述のように)同時に主要な熱放射(例えば、冷却)面となる。透光性の熱伝導性素子2420の表面上に実装されたLED2410または複数LEDは、光反射体2424と、部分的に光反射体および部分的に光送信機として機能する透光性の熱伝導性素子2420とによって囲まれている。透光性の熱伝導性素子2420の反射率が高くなる(透過率が低くなる)ほどに、リサイクリングキャビティ内の光線の光路長はより混合され、より長くなり、これにより、所与の均一性を作成するように、単位面積当たりに必要とされるLED2410の数を次々に減少させて、所与の均一性を向上させる。LED2410または複数LEDによって放射される光は反射され、そして、反射性および透光性の熱伝導性素子2420に、およびこれを通じてリサイクルされる。光の多くの反射やリサイクリングのために、反射体2424と反射性および透光性の熱伝導性素子2420との間にわずかな距離すなわちギャップ2442が必要とされ、これにより、光源の出力面および放射面にわたって非常に均一な輝度すなわち明るさを提供することが判明している。非常にロープロファイル(薄型)の光源を作成するには、ギャップ2442が8mm未満であることが最も好ましい。ギャップ2442は5mm未満であることが、さらに好ましい。この均一性は、このように形成された光リサイクリングキャビティ内でのリサイクリングの大きな割合に起因する。より高い均一性が、高い反射率を有する材料を反射性および透光性の熱伝導性素子2420に利用することによって得られる。このため、反射性および透光性の熱伝導性素子2420のための好ましい材料は、20%未満のインライン光透過率を有する。これは、通常、不透過性であり、(従来技術の非光リサイクリングシステムにおける)発光素子として使用するのに適していないとみなされる可能性があるが、この材料は、70%や80%を超えるシステム全体の効率を有する本発明の光リサイクリングシステムのために非常に有用である。説明したように、本発明の好ましい実施形態は、光リサイクリングキャビティ2405の一部として機能する少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2420と、放射光2430のための少なくとも1つの発光ダイオード2410であって、この少なくとも1つの発光ダイオード2410が光リサイクリングキャビティ2405内に封入されている発光ダイオード2410と、を含む自冷式固体光源2403であり、前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2420はまた、少なくとも1つの発光ダイオード2410のための光エミッタ2438および冷却素子の両方として機能する。自冷式光源は、少なくとも1つの光反射体2424をさらに含み、この光反射体2424は、前記光リサイクリングキャビティ2405の一部を形成し、前記少なくとも1つの発光ダイオード2410から前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2420に光2430をリダイレクトする。透光性の熱伝導性素子2420を、キャビティ内で利用される発光ダイオード2410または波長変換素子(複数可)(例えば、図24Bの2468)からの発光波長に対して低い吸収損失を示す、反射性の有孔金属、穴のアレイを有する層状複合材料、アルミナ(Al2O3)、TPA、BeO、AlN、BN、および他の熱伝導性セラミック、アモルファス、複合材料、多結晶、配向した多結晶、または単結晶材料のうちの少なくとも1つの材料から構成することができる。主な違いは、リサイクリングキャビティ内で使用されるすべての素子に低吸収性が必要とされること、ならびに反射性および透光性の熱伝導性素子2420が最終的にこれを通じて透過される光に対して非常に低い吸収性またはアルファを呈する必要があることである。アルファは、光源によって放射される波長に対して1cm-1未満でなければならない。色補正を、波長依存性の散乱または吸収のいずれかによって達成することができる。図24Bは、リサイクリングキャビティ内の波長変換素子2468の使用の一実施形態を示している。本実施形態では、少なくとも1つの波長変換素子2468は、前記少なくとも1つの発光ダイオード2458の前記発光面2451と前記透光性の熱伝導性素子2452との間に介在する。図示のように、LED2458によって放射された光は、反射して、透光性の熱伝導性素子2452に入射する前に、波長変換素子を通過しなければならない。本実施形態では、LED2458の発光面2451を覆う波長変換素子2468は、光反射体2450の方向に実質的に面しているように配置されている。透光性の熱伝導性素子2452と反射体2450との間のキャビティギャップ2454を最小化するため、さらに、透光性の熱伝導性素子2452の外側の発光面2453から均一な光放射を生成するために、光リサイクリングキャビティ2455内の光のリサイクリング量を増やす必要がある。この場合、LED2458は、波長変換素子2468で覆われている。波長変換素子2468は、有機または無機バインダ内の粉末、既に開示されているような無機熱伝導性波長変換材料、発光性の薄膜堆積物、バインダ内の量子ドット、または有機または無機バインダ内の染料であってもよい。LED2458からの光放射光線2456は波長変換素子2468を通過し、光線の少なくとも一部は、光放射光線2456がより広いスペクトルを有するように、波長変換素子2468によって、より長い波長域に変換される。放射光線2456は光反射体2450から反射して、反射した光線2459は反射性および透光性の熱伝導性素子2452にリダイレクトされ、ここで、図24Aに開示されたように、一部は反射し、一部は透過することになる。本発明により、リサイクリングキャビティ内で実行される波長変換は、リサイクリングキャビティの外部と比較して、リサイクリングキャビティの内部のLED2458および波長変換素子2468の色温度を低下させることが判明している。これは、LED2458からの放射光線2460の光リサイクリングによるものであり、この光線2460は、(最初の経路で)波長変換素子2468によって部分的にのみ変換され、次いで光反射体2450で反射する2462ことにより、波長変換素子2468に返り、ここで、多くのより短い波長がより長い波長に変換される。光線2462は、光線2464のように散乱および再出現するだけでなく、さらなる波長変換を受ける。この光線2464は、より高い割合で長い波長を有し、次いで、反射光線2466として光反射体2450から反射し、最終的に反射性および透光性の熱伝導性素子2452を透過する。一般に、色温度は、リサイクリングキャビティの内部で波長変換されたLEDによって放出された光に対し、外部より100°K〜300°K低い。
LEDパッケージ(例えば、光出力面上に波長変換素子を有する小さなセラミック基板上に実装されているLED)が使用される場合、パッケージの小領域を使用することによって、(光源がオフまたはオンになっているときに見られる)シャドウイングや他の非均一性を最小限に抑えることが好ましい。1mm2未満のダイサイズを有する、波長変換コーティングを有するダイレクトアタッチ・LEDダイの使用がより好ましい。あるいは、LEDパッケージが、LED2458および波長変換素子2468に使用される場合、1mm未満の高さかつ4mm2未満のパッケージ領域、およびシャドウイングや吸収損失を最小限に抑える高反射性のサブマウントを有するのが、最も好ましい。また、これにより、均一な出力輝度の非常に薄い光源の製造が可能になる。この構成では、LED2458および波長変換素子2468(または任意でLEDパッケージ)は、その発光の大部分が光反射体2450に向けて放射されるように実装されていることに留意すべきである。色補正された波長変換(蛍光体)キャップを有するLEDパッケージ(小さなセラミック表面実装基板に実装されたLED)の使用により、本発明の光源を容易に組み立てることが可能になる。光リサイクリングキャビティ内の間接照明手法は、非常に薄いロープロファイル構成においてホットスポットのない非常に均一な光源を提供する。また、放射面および冷却面が、同じ(共通の)面であるため、付加ヒートシンクのための要件が排除される。一般に、光リサイクリングキャビティ内の光の一部が波長変換素子2468に再度当たるように、LED2458と少なくとも1つの光リサイクリングキャビティとの間に介在する波長変換素子2468を使用することは、本発明の実施形態である。図24Cは、別の実施形態を示しており、ここでは、波長変換素子2472および2480が、光反射体2470の内部または上および/または任意で透光性の熱伝導性半透過素子2478の上にそれぞれ分散している。本実施形態では、LED2476は放射光線2490を放出し、この放射光線2490は、部分的に変換され、光反射体2470上の波長変換素子2472から反射される。反射した光線2492は、既に開示されているように、反射性および透光性の熱伝導性素子2478に当たる。前述のように、ロープロファイルの光源を作成するために、また、材料を最小限に抑えるために、リサイクリングキャビティの厚さ2474を、できる限り薄くする。あるいは、放射光線2488を光反射体2470から反射することができ、反射した光線2486は、波長変換なしで透光性の熱伝導性素子2478に反射される。また、放射光線2484は光反射体2470で反射されてもよく、その後反射した光線2482が波長変換素子2480に当たり、既に開示したように、そこで、光線の一部が透過または反射される。この波長変換素子2472、2480の配置により、これらがLED2476上に実装された場合よりも、波長変換素子の色を維持することになる。上述の波長変換素子の構成のさまざまな組み合わせが可能であることは理解され得る。
図25Aおよび図25Bは、本発明の別の実施形態を示している。6つの薄い反射性/透過性の熱伝導性(任意で半透過)素子が、囲まれた光リサイクリングキャビティ2520を形成している(図25Bでは2575として遠近法で示されている)。これらの反射性/透過性の熱伝導性素子は、任意でより高いすなわち主に反射性(>50%の反射率)または主に透過性(>50%の透過率)であってもよい。一般に、より高い透過率の素子が、わずかに高い効率を有することになる。ただし、より均一かつ安価な光源を製造する一方で、高反射率の素子も、高い光抽出効率を得ることができることが分かった。光子が光リサイクリングキャビティ2520(または2575)の内面に接続するため、抽出が起こる。正確には、光子は、光リサイクリングキャビティ2520を構成する素子の表面またはバルク内で後方散乱されるかまたは透過される。結像または非結像光学システムと異なり、散乱もフレネル反射もリサイクリング光学システム内で光学損失を生成せず、なぜなら、これらが純粋に反射または散乱される場合、システムを出るための別の機会を得るために、光子の固有の能力があるためである。結像または非結像光学システムでは、散乱または反射された光線は、光学システムを出ることができない。リサイクリング光学システムでは、光吸収の存在が、抽出効率の損失の主な要因となる。本発明で説明したようなリサイクリング光学システムを作成するには、光リサイクリングキャビティ2520を構成する素子と光リサイクリングキャビティ2520内の素子が、低い光吸収率を有する必要がある。このように、抽出効率は、少なくとも1つのLED2530によって放出される光の割合として定義され、この光は、光リサイクリングキャビティ2520から周囲の環境へ任意の場所に出る。高い抽出効率は、光リサイクリングキャビティ2520を出る少なくとも1つのLED2530によって放射される光の30%を超えるものとして定義されている。本開示では、光が光リサイクリングキャビティ2520を出て、周囲の環境内に放出されるという意味で、光は素子を通過すると言及されている。多重反射や散乱事象が起こる可能性があるが、最終的に少なくとも1つのLED2530によって放射されたすべての光が、光リサイクリングキャビティ2520を構成する素子を通過するか、または同じ素子によって熱として吸収されて周囲の環境に伝送され、この素子を通じて、光は放出され、すなわち出る。抽出手段は、反射性/透過性(任意で半透過性)の熱伝導性素子2510、2512、2514、2516、2570、および2560の上、内部、または近くに、光吸収率の低い材料、表面特徴、屈折率整合コーティング、制御された結晶粒径を有する光吸収率の低い材料、マイクロ光学素子、反射素子、および部分的な貫通穴を含むが、これに限定されない。立方体の光リサイクリングキャビティ2575が示されているが、反射性および透光性(任意で半透過性)の熱伝導性素子に基づいて光リサイクリングキャビティを形成するために単一素子を使用することも可能であり、この単一素子は、素子内部に実装された少なくとも1つのLED2530を有する中空の球形または単一片の中空エンクロージャである。図25Aは、光リサイクリングキャビティ2520を形成する4つの反射性/透過性(任意で半透過性)の熱伝導性素子2510、2512、2514、および2516を有するキャビティ2520の断面を示している。これらは、図25Bの斜視図にさらに示されており、頂部と底部に反射性および透光性(任意で半透過性)の熱伝導性素子2560および2570を示すことによって、光リサイクリングキャビティ2520がより完全に図示されている。再度、図25Aを参照すると、少なくとも1つのLED2530は、反射性/透過性の熱伝導性素子2510、2512、2514、および2516を使用して形成されたキャビティの少なくとも1つの表面2515に実装されている。少なくとも1つのLED2530は、図25Bにさらに示したようなLED2581および2571を有する光リサイクリングキャビティ2520内の任意の場所に実装されてもよい。
前述の例(図24)のように、少なくとも1つのLED2530から放射される光線2517は、隣接する反射性/透過性の熱伝導性素子2510から反射され2519、透過される2521。LED(複数可)2530が実装されている他の反射性/透過性の熱伝導性素子2512、2514、および2516に反射した光は、その入射光の一部が透過し、一部が反射することになる。ほとんどの光が反射性/透過性の熱伝導性素子2510、2512、2514、および2516を通って透過されるまで、このプロセスが繰り返される。多重反射により、透光性の熱伝導性素子の外部放射面は、非常に均一な輝度を実現することになる。光源の全体的な大きさは、所望の光出力によって決定される。
十分な表面領域が、キャビティ内のLEDによって生成される熱を放散するために必要とされている。120lm/Wの固有の効率を有するLEDが利用され、光リサイクリングキャビティの効率が70%であると仮定すると、光源は、84lm/Wの全体的な効率を有することになる。対流熱伝達係数が0.1ワット/cm2と仮定すると、1000ルーメンの光源は、120cm2または18.6in2の表面領域を必要とすることになる。これは、寸法が1.75インチ辺の比較的小さな立方体を用いて達成され得る。対流熱伝達係数は、高温表面と雰囲気との温度差に正比例する。したがって、より小さなサイズの光源を作るために、より高い表面温度を使用することができる。
放射冷却は、発光面の温度の4乗と周囲温度の4乗との差に比例する。したがって、より高い表面温度を有することは、光源の冷却の速度を増加させるのに非常に好適である。本発明の方法により、LEDは、素子(複数可)の発光面の反対側に直接取り付けられている。結果として、発光面は、LEDのp−n接合部への非常に低い熱抵抗を有することになり、LEDの温度は、光源の発光面の温度付近に保持される。これにより、発光面の温度が最大になるため、光源の放射冷却および対流冷却を最大化する。
一般に、(関連する高い表面積を有する)大きなボリュームは、LED2530の効率を向上させるだけでなく、全体的な信頼性を向上させるのに好適である。本実施形態において、発光面と冷却面は本質的に同一であるので、付加ヒートシンクが必要とされない。追加のヒートシンクの必要性を排除する能力だけでなく、LED2530により生成された熱を任意の駆動電子装置モジュール2540から熱絶縁する能力も、本発明の実施形態である。
駆動電子装置および配線ワイヤに関連する固体光源製品の、多くの障害やリコールがあった。これらの障害は、主にLED2530と駆動電子装置モジュール2540の両方が共有するヒートシンクを使用することによって引き起こされる。本発明で開示された実施形態は、駆動電子装置と光源の完全な熱絶縁を可能にする。このため、(本明細書に説明したような)駆動電子装置モジュール2540と光リサイクリングキャビティ2520の光源から構成された、AC電球が開示されており、駆動電子装置モジュール2540内で生成された熱およびリサイクリングキャビティ2520の光源内で生成された熱は、熱分離手段を用いて冷却される。駆動電子装置モジュールを配線2507によって遠隔に接続することができるため、LEDと駆動電子装置との間の熱伝達が最小である。
本明細書に開示の発光性の光リサイクリングキャビティを形成するために、光学的に高い透過率の(低い反射率の)材料(例えば、サファイア、スピネル、TPA、等)が使用され得るが、低コストの高反射率材料が同様に使用されてもよい。本明細書で使用されるキャビティ(例えば、光リサイクリングキャビティ)は、完全に閉じたまたはほぼ閉じた、略中空のエンクロージャである。一例として、〜84%の反射率(例えば、インライン透過率が約16%)を有するアルミナ96%の6つの薄膜(0.5mm)を使用して、リサイクリングキャビティ2520を形成することができる。この場合、図25に示されたLED2530は、その発光面に色補正された波長変換素子2531を有する1.6mm×1.6mm×0.7mmのLEDパッケージ2530であり、3000°Kの出力色温度を有する。これらは、キャビティ内に面するアルミナ素子の内面に取り付けられている。ただし、このキャビティが、キャビティ内の波長依存散乱により形成されると、色温度は約300°K〜2700°Kだけ低減される。短い青色と緑色の波長は、より高度に散乱され、リサイクリングキャビティ2520内での光路長を増加させる。
代替で、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2530を、白色光源を作成するために使用することができ、ここでの波長変換手段は、LED2530の発光面上に覆われている。これを、蛍光体キャップ、セラミック蛍光体チップ、またはシリコーンやエポキシのような透明な接着剤コーティングでLED2530上にコーティングされた蛍光体とすることができる。代替で、波長変換材料を、リサイクリングキャビティ2530内の他の面に分散および適用することができる。この手法を用いて、色温度を、(例えば、ろうそくの光をシミュレートする)多様な色を形成するように変化させることができる。高い光透過率を有する材料(TPA、スピネル、サファイア、等)は、透光性の熱伝導性素子として使用され得るが、これらの材料は比較的高価である。低コストのセラミックは、不透過性が高く、低い光透過率と高い反射率を有する傾向がある。
ただし、本発明の原則を実施することにより、これらの材料を用いて高い正味の光抽出効率を達成できることが判明している。これらの反射率の高い(84%)材料を使用して、LED2530から放射された、任意で波長変換された光が、光リサイクリングキャビティ2530の反対側に当たり、16%が、特定の要素の外面で放出されることになる。ただし、透過されない光(84%)が反射して反対側、およびキャビティの他の側面に返り、〜13.4%(84%の反射光のうちの16%)が透過して、光リサイクリングキャビティ2520の他の表面によって放射される。LED(複数可)2530によって放射された元の光の非常に高い割合が、白色の反射性(ほとんど不透過性)のアルミナを通過し、光源によって放射されるまで、各反射に対するこの減少サイクルが継続する。注目すべきことに、80%を超える抽出効率が、インライン透過率17%未満のアルミナ(Al2O3)素子を用いて達成されている。一定の電圧と電流でLED(複数可)2530の生のルーメン出力を測定することにより、およびその後、同じ電圧と電流で駆動される(閉じたキャビティ内に封入された)LED(複数可)2530を有する光リサイクリングキャビティ2520からの出力を測定することにより、このような効率を測定することができる。
上述したように、一般に、本発明の好適な実施形態は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)2530と、LED2530が実装された少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2514とを備えた自冷式光源であり、この透光性の熱伝導性素子2514は、LED2530からの熱の大部分が放散される熱放射面2509を有する。理想的には、光源2505は、その熱放射面2509を介して透光性の熱伝導性素子を通過して出るように、LED2530が発した光をリダイレクトするように構成されている。また、少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2514は、光反射体としても機能する。これにより、その上の入射光の一部を反射し、この反射された光は、光リサイクリングキャビティを形成する他の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2516によって反射または透過されることができる。複数の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2414、2516は、前記少なくとも1つの発光ダイオード2530によって放射された光2587をリダイレクトして、前記複数の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2414、2516に返し、通過させるように機能する。図25Aに示されているのは、複数の素子2510,2512、2414、および2516によって形成されたキャビティの断面である。複数の素子2510、2512、2414、2516、2560、および2570によって完全に閉じたエンクロージャを作成するように形成された、完全な光リサイクリングキャビティ2575が、図25Bに示されている。上述のように、光リサイクリングキャビティの閉じたエンクロージャ内に形成された場合に、50%未満の光透過率を有する透光性の熱伝導性素子を利用して、50%を超える光抽出効率を達成することができる。このように、本発明の実施形態では、光リサイクリングキャビティ2575は、光リサイクリングキャビティを形成している複数の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2414、2516、2560、および2570の光透過率を超える光抽出効率を有する。50%を超える反射率、およびより好ましくは80%を超える反射率を有する高反射性の透光性の熱伝導性素子を使用する能力により、自冷式光源を形成するために、低コストの材料を使用することが可能になる。このように、本発明のさらなる実施形態は、50%を超える反射率を有する複数の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2514、2516、2560、および2570から構成された自冷式光源であり、ただし、光リサイクリングキャビティ2575内に封入された少なくとも1つの発光ダイオード2571によって放射された光のうちの50%を超える光が、光リサイクリングキャビティ2575を形成する複数の透光性の熱伝導性素子2510、2512、2514、2516、2560、および2570を通じて抽出される。ここでも、重要な特性は、非常に長い光路長が光源の全体効率を下げることなく可能であるように、リサイクリングキャビティ2520内の吸収損失を最小化することである。図示されていないが、リード、ピン、または無線入力を含む他の配線手段を付加することが、本実施形態に開示されている。非限定的に、アンテナ、IRレーザ通信、およびセンサを含む付加的な機能を、リサイクリングキャビティの光源2520内またはその上に組み込むことができる。自冷式光源は、少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2510、2512、2514、2516、2560、および2570と、光を放射するための少なくとも1つの発光ダイオード(LED)2530とさらに備えることができ、ここで、少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子2510、2512、2514、2516、2560、および2570は、少なくとも1つの発光ダイオード2530の主要な放熱手段として機能し、さらに、少なくとも1つの発光ダイオード2530によって放射された光の少なくとも一部のための光抽出手段として機能する。代替で、自冷式光源は、複数の透光性の熱伝導性素子をさらに備えることができ、少なくとも1つの発光ダイオード2530が複数の透光性の熱伝導性素子の少なくとも1つに実装され、ここで、複数の透光性の熱伝導性素子は、複数の透光性の熱伝導性素子を通じて少なくとも1つの発光ダイオード2530から光を抽出する際に高い効率を有する光リサイクリングキャビティ2520を形成する。
光リサイクリングキャビティの利点は、米国特許第6869206号明細書および米国特許第6960872号明細書に説明されており、(この両方は、本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される)、ここでは、光の輝度の増加または利得が、キャビティ内に高反射率LEDを含む高反射率キャビティを有することによって達成され得ることが示されている。本実施形態では、光のリサイクリングは、(一般に不透過性とみなされる材料を有する)非常に効率的な光源を作成するために使用されるだけでなく、多重反射および高いレベルでの散乱が均一な明るさの光源を作成する。ここでも、リサイクリングキャビティ2520内に作成された長い光路長は、より高い均一性をもたらす。
上記に引用された2つの特許では、光学利得を達成するために、キャビティの出口開口部の領域を超えるようなLEDの表面領域が必要とされている。この場合、LEDは、一般に低い反射率を有するが、キャビティを構成する他の材料より広い表面領域を有するため、キャビティの効率を低下させる。本発明では、物理的な出口開口部が存在しない。出口開口部は、実質的に、リサイクリングキャビティの光源2520の外面全体である。
本発明の設計によれば、キャビティを構成する透光性の熱伝導性素子は、LEDからの熱を放散するためにキャビティ内のLEDよりもはるかに大きな面積を有している。上記の例では、均質な材料が、反射性/透過性の透光性の熱伝導性素子を形成するために使用される。あるいは、非均質な反射性/透過性の熱伝導性素子を同様に用いてもよい。
一例として、主に反射性の透光性の熱伝導性素子として機能する反射性の有孔金属材料を形成するために、反射アルミニウムを、ドリル加工、エッチング、または他の方法で穴のアレイを有するように穿孔することができる。その総面積が反射アルミニウムの表面積の50%未満を表す小さな穴が好ましい。さらに好ましいのは、少なくとも1つの透光性(反射性を有する)の熱伝導性素子2510、2512、2514、および2516を形成するために、穴の領域が、反射アルミニウム(箔の形で可撓性がある)の表面領域の20%未満を覆うことである。本実施形態では、透光性の熱伝導性素子(例えば、図25の2510、2512、2514、2516、または図24の2420)は、反射性の有孔金属材料である。任意で、追加の散乱コーティングまたは層を、反射性の有孔(多孔質)金属(例えば、アルミニウム)素子の片面または両面に追加してもよい。
LED(複数可)2530の表面領域は、リサイクリングキャビティ2520の内部表面積全体に比べて小さくなる。これは望ましいことであり、なぜなら、リサイクリングキャビティ2520の内側の波長変換素子での任意のストークス損失と共に、LED(複数可)2530によって生成された熱2530を放散するために、リサイクリングキャビティ2520を構成する素子の外面が必要とされるためである。セラミックの半透過素子の場合、物理的な出口開口部は存在しない。ただし、光がキャビティの側面を構成する熱伝導性および部分的に反射性の半透過素子2510、2512、2514、および2516を通じて部分的に放射されることによる、リサイクリングキャビティ2520を通じた光抽出がある。
前述のように、その表面にわたって(光をパターン化するために)均等または不均等に分散した微小な穴を有するように穿孔されているか、または均質(例えば、セラミック、アルミナ、等)および非均質材料の両方の組み合わせである、高反射率の金属側面を用いて本発明を代替的に実施すことができる。透光性の熱伝導性素子2510、2512、2514、および2516のような多孔質の可撓性金属箔に基づいた設計により、放熱するルミネッセンス素子として高い熱伝導率の金属を用いて、大きな面積およびフレキシブルな光源を構築することが可能である。任意の例示的な面2560および2570を発光面または非発光面とすることができ、追加の対流冷却用の空気穴は有っても無くてもよい。唯一の要件は、その内面上で高い反射率(>90%)を有することである。多孔質の可撓性金属箔は、必要に応じて、リサイクリングキャビティ2520の内外への空気の流れを可能にするように、または不可能にするように作成され得る。
一般に、光リサイクリングキャビティ2520は、LED(複数可)2530からの光が、大きな面積にわたって広がること、および光リサイクリングキャビティ2520内の任意の波長変換素子と相互作用する複数の機会を有することを可能にする。また、散乱は、より短い波長がより長い波長よりも強く散乱されるような、波長依存性であることに留意すべきである。この結果、波長変換層を含むLEDパッケージが、光リサイクリングキャビティ2520の外部で測定されるLEDパッケージに比べて、光リサイクリングキャビティに含まれているときに、著しく低い色温度を有する光源を作成する。これは、波長変換層に返るより短い波長のリサイクリングを増加させるだけでなく、透光性の熱伝導性素子を通るより短い波長(UVおよび青色)と比較して、より長い波長(緑色、黄色、赤色、赤外)がわずかに高い発光効率を有することに起因している。これら2つの効果に基づいて、色温度を、光リサイクリングキャビティを使用して数百度ケルビン低下させることができる。非均質な手法では、鏡面を、この波長依存性を低減するために使用することができる。したがって、本発明の実施形態では、リサイクリングが、より短い波長の励起(UVおよび青色)層と波長変換層との間の複数の相互作用を可能にするため、本明細書に記載の光リサイクリングキャビティは、必要とされる波長変換材料の量を最小限に抑えながら、より低い色温度の光源を可能にする。
一般に、低光吸収プラスチック(フッ素化ポリマー、ポリシロキサン、ポリシラザン、ハロゲン化ポリマー、非ハロゲン化ポリマー、ポリカーボネート、アクリル、シリコーン、および低光吸収有機物を含む無機/有機複合材料)が好ましい。低吸収強散乱ポリマーフィルムの例は、WhiteOptic(商標)である。このフィルムは、低い吸収損失とホワイトボディ色を呈する一方で、非常に低い熱伝導率を有する。この材料を、LEDを冷却するために使用されていないリサイクリングキャビティの一部に使用することができるが、1W/mKより高い熱伝導率を有する材料が、本発明に開示の熱伝導性半透過素子に好適である。本発明の好ましい実施形態は、複数の透光性の熱伝導性素子がホワイトボディ色を有する自冷式光源である。
一般に、すべての未充填の有機材料は、低い熱伝導率(1W/mK未満で、典型的には0.1W/mK未満)を示し、これを、リサイクリングキャビティ内のLEDで生成された熱を拡散するために効果的に使用することができない。論理的にはこのような低いレベルでLEDを動作し、リサイクリングキャビティ内に数百のLEDを使用し、低熱伝導性材料を使用するが、コストはひどく高くなり得る。ほとんどすべての固体光源において、LED自体が、一般的には全体のコストの50%〜80%に相当する。本発明の目的は、依然として追加のヒートシンク手段を必要とせずに、LEDを最小数にできる材料を開示することである。実験結果に基づいて、透光性の熱伝導性素子には、5W/mKより大きい熱伝導率が好ましく、20W/mKより大きいことが最も好ましい。また、低光吸収を示すほとんどの未充填ポリマーシステムは、一般に、150℃未満、さらには100℃未満の低い使用温度を有する。したがって、200℃を超える温度に耐えることができる強散乱有機材料が好ましく、300℃を超える温度に耐えることができる有機材料がさらに好ましい。高品質の低抵抗配線が、400℃を超える温度で焼成されるワイヤボンディングおよび/またはダイレクト・ダイ・アタッチに対応している。また、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDは、一般に、300℃より高い温度で半田付けされる。低温配線と導電性接着剤を使用することができるが、電気的かつ光学的に性能における大幅なトレードオフが存在する。最後に、ほとんどの未充填の有機材料もまた、可燃性である。このため、アルミニウムや多孔質金属箔などの無機材料が好ましい。ただし、有機/無機複合材料が可能である。
300℃を超える温度に耐えることができる、5W/mKより大きい熱伝導率を有する導電性の無機/有機複合材料の例として、窒化ホウ素を充填したポリシラザンが挙げられ、これは、多孔質の可撓性金属箔の導電性層または無機の熱伝導性透光性素子のいずれかを形成するために使用されてもよく、または光リサイクリングキャビティの少なくとも一面を構成する独立した素子として使用されてもよい。また、他のポリマーバインダも可能であるが、窒化ホウ素を有するポリシラザンの高温性能、光透過性、および互換性は、この無機/有機複合材料を好ましい材料選択とする。充填された熱可塑性複合材料が特に好ましい。
図26Aは、図26Bの斜視図に示される本発明の別の実施形態を示している。少なくとも1つのLED2610が、反射性/透過性の熱伝導管2642の内壁にプリントされた導電性配線2632に取り付けられている。配線2632は、管の壁の内側での挿入およびプリントを可能にするように、特別に設計されたスクリーンプリンタまたはパッドプリンタを用いてプリントされてもよい。また、任意で、配線2632は、管2642の内部に収まるようにロングリーチヘッドやノズルを有する特別に構成されたインクジェットプリンタを使用してプリントされてもよい。一旦プリントされると、導電性インクが堆積し、その後、炉内で硬化または焼成される。配線2632を、金、銀、銅、またはインジウムスズ酸化物(ITO)もしくは酸化亜鉛などの透明伝導体を含む任意の他の適切な電気伝導体とすることができる。このような可視域全体で反射率の高い銀などの材料が、白色光源に好適である。赤色や赤外線源には、金が好適である。少なくとも1つのLED2610または表面実装のLEDパッケージは、その後、管2642の内壁上の配線2632の一部であるパッド上に半田付けされる。また、この操作を、光学的認識によってパッドを配置し、パッド上にLED2610を配置する、適切に設計されたピックアンドプレース機構によって行うことができる。LEDまたはLEDパッケージ2610の発光面は、キャビティ内に内側に向くように取り付けられている。
上述のように、LEDを取り付けるこの方法は間接照明を作成し、これにより均一性を向上させる。LED2610によって放射された光のサンプル光線2620が示されており、主に反射性の半透明の熱伝導管2642の内面に当たっている。この光の一部は透過される2621が、大部分の光は反射され2622、管2642の内側に再度当たって、ここでも、少量が透過され2624、大部分が反射される2626。この反射した部分が光線2626として示され、管2642の内側に再度当たって、少量が透過され2628、大部分が反射される2630。このようにして、すべての光が吸収されるか、または主に反射性(任意で半透過)の透光性の熱伝導管2642の壁を通じて透過されるまで、光は、管2642によって形成された光リサイクリングキャビティの至る所に反射および散乱することを継続する。これにより、管2642の外側に非常に均一な放射面2650が作られる。一般に、十分な混合を得るために、多数のLEDまたはLEDパッケージ2610を管2642の内部に置き、これらを分散させる必要があり、このため、均一な発光パターンが得られる。ただし、内側に面するLEDおよび透光性の熱伝導管2642を用いると、光が透過される前に、十分な反射、バウンス、および散乱があるため、管2642の外面2650全体で非常に均一な輝度が実現される。管は、既に開示された材料(例えば、金属、アルミナ、TPA、等)から作成することができる。
図27A〜図27Gは、主に反射性の透光性の熱伝導性素子が、同時に光源の発光面と放熱面の両方である本発明の異なる実施形態を示している。すべての例において、LEDまたはLEDパッケージ2710は、主に反射性の半透明の熱伝導性素子2720の内壁に実装され、それぞれの場合に、閉じたもしくは大部分が閉じたキャビティ、エンクロージャ、またはエンベロープを形成している。LED2710への配線2730ならびに反射性/透過性の熱伝導性素子2720、2734、2736、および2738の内壁にプリントされた配線2730は、反射性および透光性(および任意で半透過性)の熱伝導性素子2736によって形成されたエンベロープの壁を通過する導電性の貫通穴またはビアまたはピン2740によって接続されている。任意で、側面(熱伝導性の反射性/透過性素子)の1つは別の側面に重なることができ、これにより、側面の内面にプリントされた配線をキャビティの外側に露出することになる。このため、側面の貫通穴またはビアが不要になる。
図27Aでは、立方体または直方体構造が示されている。図27Bでは、球形が示されている。この例では、少なくとも1つのLED2721が、球形の光リサイクリングキャビティ内で配線2722および2725に半田付けされている。外部ピン2724および2723が、配線2722および2725をそれぞれ接続している。このようにして、単一の透光性の熱伝導性素子を、光リサイクリングキャビティを形成するために使用することができる。本発明の実施形態では、透光性の熱伝導性素子は、光エミッタとしてだけでなく、これらに実装された少なくとも1つのLED2721のための冷却素子としても機能する。図27Cでは、球形を、12面体構造によって近似することができる。本発明の原理を用いて、図27Dに示すように、大小の平坦な光パネルを構成することもできる。また、例えば図27Fで、さまざまな美的な形状を作成することができ、ここでは、火炎形状がろうそくの炎の外観をシミュレートするように形成されている。図27Gは、ピラミッド状の光源を形成するために利用することができる本発明を示している。また、図27Hでは、エジソンの白熱電球を模倣した電球を、本発明の教示を用いて作成することができる。一般に、本発明の好ましい実施形態は、光リサイクリングキャビティ2720の一部として機能する少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子と、放射光のための少なくとも1つの発光ダイオード2721であって、この少なくとも1つの発光ダイオード2721が光リサイクリングキャビティ2720内に封入されている発光ダイオード2721と、を含む自冷式光源であり、少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子はまた、前記少なくとも1つの発光ダイオード2721のための光エミッタおよび冷却素子の両方として機能する。
示されたすべての構成において、均質または非均質材料のいずれかを、透光性の熱伝導性素子2720のために使用することができる。多様なボディ色および/またはパターンを、機能的および/または美的理由のために、部分的に反射性および部分的に透光性の熱伝導性素子2720の外面上に作成することができる。前述のように、発光する自冷式の光リサイクリングキャビティを形成するために多くの方法が存在する。最も基本的なものは、少なくとも1つのLEDを有する閉じたキャビティすなわちエンベロープの形態で単一の熱伝導性の透光性素子を備えて形成され、このLEDは、エンベロープの内面に実装され、熱的に接触している。LEDは、小さなワイヤを通じてまたはエンベロープすなわちキャビティを貫通することによってLEDに接続された外部電源によって、電力を供給され得る。
図28は本発明のさらに別の実施形態を示しており、ここで、多色LED2810が、光反射性および透光性の熱伝導性素子2832、2834、2836、2838、2840、および2842によって形成された光リサイクリングキャビティエンベロープ2820の内部で利用されている。多色LED2810と本発明の教示を用いることにより、光源を作成することができ、これにより、自然光スペクトル内の任意の色に調整することができる。多くの反射により、エンベロープ(キャビティ)を出る前に光が発生し、異なる色の十分な波長混合が達成されるため、均一な色と明るさが、光リサイクリングキャビティ/エンベロープ2820の外側の放射面のすべてに見られる。
また、配線回路2854および2856は、光リサイクリングキャビティエンベロープ2820内にあり、外部コンタクト2850および2852に個別にまたは一緒に多色LED2810を接続することができる。図示のように、最も好適な配線は、使用される金属材料のコストに起因して、薄いトレースである。5ミクロン未満の粗さRMSを有する表面粗さの小さい銀厚膜ペーストが最も好ましい。一例として、Hereaus社の銀厚膜ペーストCL80−9364が挙げられ、これは、Cree社により製造されるDA−500などのダイレクトアタッチ・LEDダイ2810の使用を可能にする。ダイレクトアタッチされたダイおよび/または半田付けされたLEDパッケージ2810は、ワイヤボンディングコストを削減するため、好ましい実施形態である。一般に、高反射率および高導電率の材料が、配線回路2854および2856のために好適である。典型的なトレース幅は100ミクロンであり、一般に、必要とされる電流と距離に応じて、5ミクロンまたはそれ以上の厚みを有する。外部コンタクト2850および2852は、導電性エポキシ、半田付け、超音波接合、タブボンディング、機械的手段、および当該技術分野で知られている他の接続手段を使用して、配線回路2854および2856に取り付けることが可能である。外部コンタクト2850および2852のためのフレックス回路の使用が開示されているが、非限定的にピン、クリップ、パッド、ストリップ、および他の機械的な接触手段を含む他の手段が開示されている。
好ましい実施形態では、外部コンタクト2850および2852が光リサイクリングキャビティエンベロープ2820の外面上の単純な金属化パッドであるように、光リサイクリングキャビティエンベロープ2820の内面の外側に配線回路2854および2856を延長する。配線回路2854および2856のこれらの手法と特性は一般的であり、この開示の他の実施形態によってこれを利用することができる。光反射性および透光性の熱伝導性素子2832、2834、2836、2838、2840、および2842を同時に物理的に保持するために、接着剤、クリップ、半田付け、機械的手段、および融合プロセスを使用することも開示されている。また、好ましい実施形態では、配線回路2854および2856は、組み立てのための半田付け接合部も設けている。一旦形成されると、本実施形態では、点灯したときに実質的にホワイトボディ色を維持しながら、多様な色を作成することができる。前述のように、追加の半導体デバイスと素子は、単なるLED以外に、光リサイクリングキャビティエンベロープ2820内および/またはその上に組み込まれてもよい。
加えて、配線回路2854および2856は、RFIDおよび他の通信およびセンサ応用のためにアンテナを形成するために使用され得る。また、配線回路2854および2856は、外部コンタクト2850および2852が不要である外部変調エネルギー源への誘導的または容量的接続を作成するために使用されてもよい。追加の機能をこれらの自冷式光源に組み込むことができ、この機能は、RFID検出、煙検出、周囲温度検出、RFエミッタ、ストロボ光源、光データリンク、モーションセンサ、および無線通信を含むが、これに限定されない。
照明は、事実上すべての占有スペースで必要とされるため、センサ、通信、およびセキュリティ機能が、光源に統合されるのは当然である。同時に光反射性および透光性の熱伝導性素子2832、2834、2836、2838、2840、および2842を低コストのアルミナで構成する場合は特に、光源内にこれらの追加機能を統合するための理想的な基板を設ける。これらの光源の強散乱のホワイトボディ色により、カメラやセンサなどのセキュリティ機能を隠すことが可能になる。一例として、外面的に同一の光源が店舗内の別の場所での動きを検出しながら、店舗からの出口でRFIDタグを照合するような、本発明に基づく光源を店主が購入することもあり得る。このように、照明やセキュリティは、同じ素子でも、コストを削減し、セキュリティを隠し、および審美性を改善することになる。配線回路2854および2856と、外部コンタクト2850および2852は、図示のように単一の回路であってもよいし、多重回路であってもよい。追加の機能に、LED2810と別々に、および並行して電力を供給することができる。
前の例および実施形態では、ほとんど閉じた光リサイクリングキャビティすなわちエンベロープを形成した。図29は、自冷式光源2910が開いた頂部2920と底部2930を有する、本発明の別の実施形態を示している。これにより、空気は、複数の透光性の熱伝導性素子2940、2942、2944、および2946の両側で流れることが可能であり、LED2950へのさらなる冷却を生成する。この手法を用いて、光リサイクリングキャビティ2910を形成する複数の透光性の熱伝導性素子2940、2942、2944、2946、2920、および2930から構成される自冷式光源は、空気が前記光リサイクリングキャビティ2910を通って流れることを可能にするだけでなく、前記複数の透光性の熱伝導性素子2940、2942、2944、2946、2920、2930を通過せずに光が逃げることを防ぐように、構成されている。
図29は、上端部キャップ2970と底端部キャップ2980を示しており、これらは、空気が煙突の冷却効果を生成しながら(キャビティすなわちエンベロープの内側で)下から上に流れることを可能にし、一方で、光がリサイクリングキャビティ2990内に実質的に反射して返るように配置されている。本目的は、空気がキャビティを通じて流れることを可能にし、キャビティの内側のLEDによって放射される光が、透光性の熱伝導性素子を通過せずに逃げることを防ぐことである。代替で、上端部キャップ2970および/または底端部キャップ2980は、空気の流れを可能にするために本質的に多孔質であってもよい。ただし、大抵の場合、ほとんど閉じたエンベロープは、より構造的な剛性を提供し、製造が容易であることが好ましい。これにより、光源の製造を容易にすることができる。反射性および透過性の熱伝導性素子によって形成された光リサイクリングキャビティすなわちエンベロープを、必要に応じて密閉することができ、あるいは、空気の圧力をキャビティすなわちエンベロープの内側で周囲の気圧と等しくすることを可能にするように、小さな開口部を設けることができる。
本発明は、固体光源の発光面が光源を冷却するためにも使用される固体光源を作成する。このような自冷式光源は、好ましくは、対流冷却および放射冷却の両方を最大化するために、LED接合部に近い温度の発光面を有することになる。発光面が十分な熱伝導性を示す材料で構成されることにより、小さいが局所化されたLEDダイまたは小さな熱伝導性基板に実装されたLEDからの熱が、LEDを効果的に冷却するのに十分に大きな領域にわたって拡散することができる。本発明では、これが、比較的高い熱伝導率の透光性の任意で反射性や任意で拡散性の素子を使用して、大きなボリュームにわたって生成された熱を拡散することによって達成され、これにより、半導体デバイスよりも広い表面領域にわたる伝導により半導体デバイス(例えば、LED)で生成された熱を拡散する。放射冷却および対流冷却は、高放射率または高放射率コーティングを有する材料を選択することによって、および広い表面領域を利用することによって最大化され、より高い表面温度は、自冷式光源の外面に発熱部品(例えば、LED)を効率的に連結することによって生成される。また、本発明の実施形態は、光リサイクリングキャビティ内に形成された自冷式光源であり、ここでは、閉じたキャビティから逃げた光または抽出された光のみが、キャビティの壁を通過し、発光性のキャビティの外側の放熱面によって放出される。キャビティの壁または側面を、光の反射および透過を示し、高い熱伝導性を示す任意の素子または材料によって製造することができる。これらは、光透過率の高いおよび低い、両方のセラミックを含む。また、本発明の教示により、比較的高い光反射率(したがって、低い光透過率)を有する材料を使用することができ、これにより、複数の小さな開口部を有する低コストのセラミック、さらには有孔金属の使用を可能にする。
例えば、透光性の熱伝導性素子の材料として80%より高い反射率(および20%未満のインライン光透過率)を有するアルミナを使用することで、これらの材料から作られた閉じた光リサイクリングキャビティからの非常に高い抽出効率を達成することができることが示された。完全に閉じた光リサイクリングキャビティの内部のLEDによって放射される光の70%および場合によっては80%を超える光が、これらの熱伝導性材料によって抽出され、放出されることができることが示された。これらの高反射性のセラミック材料を使用することのさらなる利点は、これらがホワイトボディ色を有することである。このため、光源がオフ状態にあるときには、非常に美的に好ましい外観を有する。これは、点灯していないときには黄色に見える多くの市販の固体光電球とは対照的である。
本発明の重要な特性は、米国特許第7040774号明細書(本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に一般に参照により援用される)に開示されたものと同様の効率的なリサイクリングキャビティの形成である。光リサイクリング光学キャビティでは、複数のバウンスまたは反射を意図的に発生させている。キャビティが十分に低い光吸収損失を有する材料を用いて形成されている場合は、効率を非常に高くすることができる。本発明は、光リサイクリング光学キャビティの形成を開示しており、ここでは、少なくとも一部の光リサイクリングキャビティは、部分的透過性(光学的に半透過)の熱伝導性素子で構成されている。これは、光吸収が最小化される場合に、一般に不透明とみなされる材料を効率的なエミッタを形成するために用いることができるという認識に基づいている。この発見の重要性は、ホワイトボディ色のアルミナ(例えば、Al2O3 96%)などの低コストの材料が、波長変換の有無にかかわらず、半透過の熱伝導性エミッタとして機能することができるということにある。ホワイトボディ色あるいはオフホワイトボディ色の光源を形成する能力は、美的およびマーケティングの両方の観点から重要である。消費者は、白熱灯や蛍光灯との親しみやすさにより、多くの用途にホワイトボディ色またはオフホワイトボディ色の光源を好む。このため、光を放射していないときにホワイトボディ色またはオフホワイトボディ色を有する熱伝導性のルミネッセンス素子が好ましい。穴のアレイを有する反射体などの非均質な熱伝導性のルミネッセンス素子が使用される場合、多様なボディ色やパターンを含むようにこれをさらに拡張することができる。また、さまざまな美的外観を作成するために、テクスチャおよび他の外面処理を使用することも、本発明の実施形態である。特に、その環境(例えば、ランプシェード、天井タイル、等)と一致、または美的にコントラストまたはブレンドする熱伝導性のルミネッセンス素子の形成は、本発明の実施形態である。一般に、熱伝導性のルミネッセンス素子のために多様なボディ色を作成する能力は、本発明の好ましい実施形態である。
本発明を特定の実施形態および例と併せて説明してきたが、多くの代替、修正、および変形が上述の説明に照らして明らかとされることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内に含まれるこのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図されている。
本明細書に記載されたすべての要素、部品、およびステップは、好ましくは含まれている。当業者に明らかであるように、これらの要素、部品、およびステップのいずれかが、他の要素、部品、およびステップによって置換されても完全に削除されてもよいことを理解されたい。
大まかに言えば、この文書は、LEDから放射された光が素子の放熱面から出てくるように向けられる、熱伝導性半透過素子に熱的に接触しているLEDを有する固体光源を開示している。熱伝導性半透過素子は、光リサイクリングキャビティを形成するために反射体と共に配置されるか、または組み合わされる。キャビティの内側のLEDによって放射された光は、LEDによって放射される光の非常に高い割合が最終的に透過されて、均一かつ全方向に放射されるまで、継続的に反射されリサイクルされるため、キャビティを形成する熱伝導性半透過素子の外面が発光するようになる。同時に、LEDからの熱が、キャビティの素子の外側のルミネッセンス面に導電して、キャビティは光源を放射冷却および対流冷却することにより、かさばる追加のヒートシンクが不要になる。
概念
本書面は、少なくとも以下の概念をさらに開示する。
概念1
光を照射するための少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子と、
を備え、
前記少なくとも1つの発光ダイオードが前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子に実装され、前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が熱放射面を有し、これを通じて前記少なくとも1つの発光ダイオードからの熱の大部分が放散され、
前記熱放射面を通じて、前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子を通過して出るために、前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された光をリダイレクトするように構築されている、自冷式光源。
概念2
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、光反射体としても機能する、概念1に記載の自冷式光源。
概念3
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、半透過性である、概念1または2に記載の自冷式光源。
概念4
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、反射性の有孔金属材料である、概念1乃至3に記載の自冷式光源。
概念5
前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された光の大部分をリダイレクトして前記透光性の熱伝導性素子に返し、通過させるために、反射性のエンクロージャをさらに備えている、概念1乃至4に記載の自冷式光源。
概念6
複数の透光性の熱伝導性素子をさらに備え、
前記複数の透光性の熱伝導性素子は、前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された光をリダイレクトして前記複数の透光性の熱伝導性素子に返し、通過させるために機能する、概念1乃至5に記載の自冷式光源。
概念7
前記少なくとも1つの発光ダイオードの前記発光面と前記透光性の熱伝導性素子との間に介在する、少なくとも1つの波長変換素子をさらに備えている、概念1乃至6に記載の自冷式光源。
概念8
前記透光性の熱伝導性素子の少なくとも一部に実装された前記少なくとも1つの発光ダイオードが、光反射体と組み合わせられ、前記光反射体は、前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された前記光をリサイクルして、前記透光性の熱伝導性素子に返し、通過させる、概念1に記載の自冷式光源。
概念9
前記光反射体が金属の反射体である、概念8に記載の自冷式光源。
概念10
前記光反射体がプラスチックの反射体である、概念8に記載の自冷式光源。
概念11
前記光反射体が、部分的に反射性かつ部分的に透光性である、概念8乃至10に記載の自冷式光源。
概念12
少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子と、
光を放射するための少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
を備え、
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、前記少なくとも1つの発光ダイオードの主要な放熱手段として機能し、さらに、前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された前記光の少なくとも一部のための光抽出手段としても機能する、自冷式光源。
概念13
複数の透光性の熱伝導性素子と、
前記複数の透光性の熱伝導性素子の少なくとも1つに実装された前記少なくとも1つの発光ダイオードと、をさらに備え、
前記複数の透光性の熱伝導性素子が、前記複数の透光性の熱伝導性素子を通じて前記少なくとも1つの発光ダイオードから光を抽出する際に高い効率を有する光リサイクリングキャビティを形成している、概念12に記載の自冷式光源。
概念14
前記光リサイクリングキャビティが、前記光リサイクリングキャビティを形成している前記複数の透光性の熱伝導性素子の前記光透過率を超える光抽出効率を有する、概念13に記載の自冷式光源。
概念15
前記複数の透光性の熱伝導性素子が50%を超える反射率を有するが、前記光リサイクリングキャビティ内に封入された前記少なくとも1つの発光ダイオードによって放射された前記光のうちの50%を超える光が、前記光リサイクリングキャビティを形成する前記複数の透光性の熱伝導性素子を通じて抽出される、概念13または14に記載の自冷式光源。
概念16
前記光リサイクリングキャビティを形成する前記複数の透光性の熱伝導性素子が、空気が前記光リサイクリングキャビティを通って流れることを可能にするだけでなく、前記複数の透光性の熱伝導性素子を通過せずに光が逃げることを防ぐように構成されている、概念13乃至15に記載の自冷式光源。
概念17
前記複数の透光性の熱伝導性素子が、ホワイトボディ色を有する、概念12乃至16に記載の自冷式光源。
概念18
光リサイクリングキャビティの一部として機能する少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子と、
放射光のための少なくとも1つの発光ダイオードと、
を備え、
前記少なくとも1つの発光ダイオードが前記光リサイクリングキャビティ内に封入されており、
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、前記少なくとも1つの発光ダイオードのための光エミッタおよび冷却素子の両方として機能する、自冷式光源。
概念19
前記光リサイクリングキャビティの一部を形成し、前記少なくとも1つの発光ダイオードから前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子に光をリダイレクトする、少なくとも1つの光反射体をさらに含む、概念18に記載の自冷式光源。
概念20
前記少なくとも1つの透光性の熱伝導性素子が、使用されている発光波長に対して低い吸収損失を示す、反射性の有孔金属、穴のアレイを有する層状複合材料、アルミナ(Al2O3)、TPA、BeO、AIN、BN、および他の熱伝導性セラミック、アモルファス、複合材料、多結晶、配向した多結晶、または単結晶材料のうちの少なくとも1つの材料を含む、概念18または19に記載の自冷式光源。
[添付資料A]
配線を含む熱伝導性のルミネッセンス素子に基づく固体光源
先願への参照
この仮出願は、参照により本明細書に援用される、2011年8月11日に出願された米国仮特許出願第61/574925号の利益を主張する、2012年8月10日に出願された米国特許出願第13/572608号の利益を主張する一部継続出願である。
背景技術
本発明は、対流冷却および放射冷却の両方を提供する、熱伝導性のルミネッセンス素子上または内部に実装されたLEDに基づく固体光源に関する。また、低コストの自冷式固体光源を、LEDおよび他の半導体デバイスの電気配線を統合することによって実現することができる。熱伝導性のルミネッセンス素子は、対流および放射手段がデバイスを冷却するために使用され得るために十分な大きさの領域にわたって、LEDおよびルミネッセンス素子自体によって生成された熱を効率的に伝送し、分散することによって、任意の追加のヒートシンク手段の必要性を完全にまたは部分的に排除するために使用され得る。
短い波長の光子をより長い波長の光子に変換するためのシンチレータとして、固体発光セラミックプレートが、Bornによる米国特許第4849639号明細書に開示されている。Bornは、固体エミッタからの狭帯域の発光を広帯域可視光源に変換するために、このセラミックプレートを使用することを開示していない。
CeYagセラミック、単結晶、および粉末の形態は、ベル研究所や他の機関で、レーザロッド内へのフラッシュランプ出力の効率的な接続のための青色波長を黄色波長に変換するために、1970年代初期から使われてきた。ここでも、青色UVの固体エミッタを広帯域白色光源に変換するためにこれらの材料を使用することが開示されていない。
透明および半透明の発光YAGセラミックの形成はCusanoによる米国特許第4421671号明細書、およびGreskovichによる米国特許第4466930号明細書に開示されている。シンチレータ、CRTフェースプレート、およびX線スクリーンとしてこれらの材料を使用することが開示されているが、固体照明での使用については開示されていない。
固体の波長変換素子が、セラミック、単結晶、複合材料、および層状固体材料である自冷式固体光源を形成するために固体の波長変換素子を使用することが、Zimmermanによる米国特許第7285791号明細書に開示されている。Zimmermanは、固体光源を形成するために固体の波長変換素子を使用することを、米国特許第7804099号明細書に開示している。高放射率表面の使用は開示されていない。
Mueller−Machらによる米国特許第6696703号明細書は、LEDダイ上に薄膜蛍光体を直接堆積させることを開示している。ただし、堆積した薄膜蛍光体は、比較的弱い波長変換効率を有する。高温アニール工程が、適切に蛍光体を活性化するために必要とされている。このアニール工程は、LEDの半導体層に損傷を与えることができる。また、ほとんどの薄膜蛍光体の吸収断面積は小さく、特に青色やそれに近い紫外線(UV)の励起が、一般的には固体照明内で使用される。LED上にルミネッセンス材料の十分に厚い層を直接作成することは、ほとんどの場合、経済的でも、実用的でもない。LEDダイに蛍光体を直接堆積させる別の欠点は、堆積した蛍光体層内で生成された光の大部分が、全内部反射によりトラップされ得るということである。したがって、最適な蛍光体(例えば、十分な量の、最小限の後方散乱、および最大光抽出を含む)を効率的に使用することができるように、LEDパッケージ内で高性能蛍光体を利用するための方法が必要とされている。また、LED半導体層に損傷を与えることなく、高効率の蛍光体を製造するための方法も必要とされている。加えて、高放射率は開示されていない。
蛍光体の別の重要な側面は、特性およびデバイス全体の効率に関する。蛍光体は、一般に、量子効率およびストークスシフト損失の点で特徴づけられる。一例として、粉末蛍光体層は、ガラス表面上に堆積され、励起される。ルミネッセンスは、励起エネルギーの関数として測定され、その結果は、通常、既知の量子効率の標準蛍光体と比較される。ストークスシフトに伴う損失を差し引くことができ、その結果は、固有の量子効率であり得る。この方法の特性により、後方散乱光、コーティングの厚さのばらつき、および光トラッピングのようないくつかの問題が存在する。蛍光体粉末の場合には、生成された光の大部分は、それらの実質的に球状の性質および材料自体の上または中に配置された散乱中心に起因して、蛍光体粒子からエスケープすることができる。蛍光体粉末の効率を測定する主な問題は、厚い試料からの光の後方散乱である。ただし、堆積した蛍光体膜または成長した蛍光体ブールに対して、蛍光体の効率を測定する課題は、光抽出に影響される。蛍光体で生成された光の大部分を、全内部反射により材料自体の内部にトラップすることができる。全内部反射の問題を解決するために、さまざまな粗面化技術および成形手法を含むいくつかの手法が使用されてきた。これらの場合には、全体的な効率は、変換効率と同程度の抽出手段の関数になる。堆積した蛍光体膜は、関連する指標と損失を伴う2次基板材料に関してさらなる複雑さを有する。
Mayerらによる米国特許第6565770号明細書は、可撓性基板上に作成した後、基板を曲げることによって機械的に除去することができる、薄い干渉顔料フレークを説明している。議論の2色性反射体は、金銭に基づくセキュリティ強化と他の装飾的な光学効果において使用されている。ルミネッセンス材料の使用が検討されているが、安全保障マーク用のUV照射のような特定の光学的効果の形成に関連している。LEDや他の発光素子の出力効率を向上させるための説明は、議論されず、効率的な固体発光素子を形成するために蛍光体層を励起源と統合することに基づいたデバイスは、開示されていない。
また、プラズマディスプレイで使用するためのフレーク状の蛍光体の使用は、Aokiらによる米国特許第6667574号明細書によって議論されているが、ここでも、この特許は、固体照明用途またはその出力を高めるための方法への参照を欠いている。また、プラズマディスプレイの作成、またはお金や装飾品のマーキングには大きな面積が一般に必要とされるため、上記の2つの用途には非常にコストがかかる。これらの波長変換材料の性能を最大にするために、高温処理が好ましい。
Mueller−Machらによる米国特許第6630691号明細書は、薄い単結晶蛍光体基板を開示しており、この上にLED構造がエピタキシャル成長技術により製造される。しかし、単結晶蛍光体基板は高価であり、LED構造の成長を可能にする適切な格子整合を有する単結晶蛍光体基板を探すことは、困難であり得る。
Ngらによる米国特許出願公開第20050006659号明細書は、予め形成された透明キャップの一部としてLEDの出力面上に配置された単結晶蛍光体の平面シートを開示している。ただし、単結晶蛍光体シートは、エピタキシャルプロセスによって成長されるか、または蛍光体材料のバルク単結晶からスライスされる必要がある。このため、単結晶蛍光体シートは、最も実用的な用途のためにあまりにも高価である。多結晶蛍光体の平面シートは、米国特許出願公開第20050006659号明細書に開示されていない。蛍光体シートの放熱性を向上させるためにLEDの表面に単結晶蛍光体の平面状シートを直接接着することも開示されていない。
白熱電球のような従来の光源とは異なり、LEDは、それ自体で効果的に冷却することはできない。このため、追加のヒートシンク手段または冷却手段が、過熱を防止するために必要とされている。また、これにより、輸送費や材料費に係る光源だけでなく、これらの光源を使用する備品も、コストを増大させる。一般的には、追加のヒートシンク手段を必要とせずにLEDを使用することを可能にする物品および手段が必要とされている。
効果的に小型の半導体デバイスを冷却するために、半導体デバイスの接合部または活性領域と雰囲気との間の温度差を最小限にすることが望ましい。また、半導体デバイスが生成する熱を雰囲気に放散するために必要とされる表面積を最小にすることが望ましい。高熱伝導性材料を、非常に広い領域にわたって熱を分散するために使用することができるが、これらの高熱伝導性材料は、かなりの重量およびコストを付加することになる。従来のLEDデバイスでは、配線のいくつかの層は、LEDダイと最終的な光源との間に存在する。照明器具メーカーは、歴史的に、これらの器具に構成要素をワイヤボンド、フリップチップ実装、またはさらに半田付けする必要がなかったが、その能力を有していなかったため、この手法が使用されている。また、白熱電球などの光源を定期的に交換する必要性が、ソケットやピンベースのコネクタのような多様なクイックチェンジ配線につながっている。軽量の自冷式固体光源は、器具メーカーに重要な利益を提供することになる。例えば、白熱電球は非常に軽量でありながら1000ルーメンを超える光を生成し、わずか50グラムの重量であるため、単純なピンとソケットを使用して所定の位置に容易に保持されることができる。一般的なLED光源の場合、そうではない。ヒートシンクの付加重量およびLEDパッケージとヒートシンクとの間に低抵抗の熱接続の必要性により、複雑な複数レベルの配線の使用が必要となる。軽量で、追加のヒートシンク手段または冷却手段を必要とせずに多様な照明器具に容易に組み込まれているLED光源が必要とされている。
当業者に知られているように、蛍光体の変換は、一般に、太陽や白熱スペクトルにより厳密一致するように、LEDの狭帯域発光を広げるために使用される。これは、通常、有機マトリックス中に混合される蛍光体粉末によって行われる。この従来の手法を使用して、蛍光体粉末中に生成された熱は、有機マトリックスによって周囲から熱絶縁される。
例えば、InGaNの青色LEDは、蛍光体粉末を含有する薄い有機層でルーチン的にコーティングされている。有機材料は、一般に、シリコーンまたはエポキシで構成されている。LEDの効率と束密度が増加するにつれて、より多くの熱損失が、蛍光体粉末に局在する。残念ながら、ルミネッセンス層の熱伝導率は、一般に約0.1W/m/Kである有機マトリックス材料の熱伝導率によって決定される。一般的には、50ミクロン厚のコーティングの有機ルミネッセンス層が、蛍光体粉末と有機マトリックス材料との間の屈折率差によって作成される高い散乱損失を妨げる。逆に、十分な蛍光体粉末が、より短い波長の励起をより長い波長の放射に変換するために使用される必要があり、これは、一般に、有機マトリックス材料の割合に対する蛍光体粉末の割合の比である充填レベルによって制御される。蛍光体粉末の低い充填レベルは、熱伝導率を低減し、より高い充填レベルは、散乱損失に因るコーティングの厚さを制限する。
一般に、低い熱伝導マトリックス中にある間に、LEDはもちろんのこと、蛍光体粉末からかなりの量の熱を除去することは困難である。蛍光体粉末が熱くなるにつれて、ルミネッセンス効率は、一般的に低下する。このルミネッセンス効率の悪さは、蛍光体粉末をLEDからさらに遠くに移動させることにより、蛍光体粉末の熱負荷を軽減し、これにより粉末の単位面積当たりの束密度を低下させるような、遠隔蛍光体アプローチの開発に拍車をかけているただし、この遠隔蛍光体アプローチは、光源の大きさや必要とされる蛍光体粉末の量を増加させ、LEDの周りに熱障壁を形成し、大容量の光源を作成する。
また、有機系は、有機系を定義するC−H結合の光安定化により、青色およびUV放射に影響を受けやすい。強烈なソラリゼーションの下での特に透明な光学系の光安定化は、温室内および他の屋外用途での透明な有機物(プラスチック)の長期使用を制限した。太陽定数は、約1000W/m2であり、この10%未満がC−H結合を光科学的に攻撃するのに十分短い波長を有する。固体照明用途での一般的な青色LEDは、最大1W/mm2を出力することになり、実質的に放出されたすべての波長が、有機材料のC−H結合にマイナスの影響を与えることが可能である。これらの照射レベルは、温室用フィルムが経験するよりも4桁高い束密度を示す。したがって、無機溶液は、熱伝導率および光安定の観点で有機溶液よりも望ましい。
すべての波長変換材料および半導体デバイスは、温度に依存する効率曲線を呈する。熱のロールオフが、約150℃のCe:YAGに対して発生する。代替で、AlInGaPの赤色ダイオードおよびInGaNの青色ダイの両方が、100℃を超える接合部温度のような一部のロールオフを呈する。このように、固体照明システム内で生成された熱は、可能な限り低い熱抵抗経路を使用して周囲の環境に伝送されることが重要となる。自然対流冷却の場合には、自然対流熱伝達係数、表面の面積、および周囲の空気すなわち雰囲気に対する表面の温度によって、周囲の環境(空気)に伝送することができる熱の量を決定する。
また、接合部温度と放射面との温度差が、照明デバイスの十分に大きい高放射率の表面領域上で最小化される場合、放射冷却は、固体照明デバイスの冷却に寄与することができる。熱を周りに移動させるか、あるいは光源の体積および重量を実質的に増加させるために、強制の対流冷却、ヒートパイプ、さらには液体冷却のような解決策が提案されている。結果として、これらの解決策は、非常に低いルーメン/グラムの光源をもたらす。
歴史的には、前述のように光源自体を冷却している。白熱灯や蛍光管の場合には、光源を囲むガラスエンベロープ、およびフィラメントまたはアーク自体が、対流および放射によって生成された余剰熱を伝送する。白熱電球のガラスエンベロープは、150℃を超えることができ、ハロゲン石英エンベロープは、数百℃を超えることが可能である。放射パワーを、温度の4乗のスケールとする。25℃の雰囲気で、表面温度50℃を有する自然対流により冷却された表面は、そのエネルギーの約5%を周囲の環境に放射的に伝送することになる。表面温度100℃を有する自然対流により冷却された表面は、そのエネルギーの20%を周囲の環境に放射的に伝送することができる。ハイパワーデバイス用の一般的なLED接合部の温度が120℃を超えても、依然として優れた寿命と効率を維持することができる。120℃未満の温度を有する表面では、放射エネルギーの大部分は、8ミクロンより大きい波長の赤外線である。
赤外線での物質の放射率は、大きく異なる。ガラスは、約0.95の放射率を有するが、酸化アルミニウムでは、0.23程度の低さであってもよい。ポリイミドなどの有機物は、厚い層ではかなり高い放射率を有することができる。ただし、これは、有機物の低い熱伝導率に起因して、熱の伝達にマイナスの影響を与えることになる。
雰囲気への熱伝達を最大にするために、ルミネッセンスの熱伝導性材料は、局在した半導体および受動デバイス(例えば、LED、ドライバ、コントローラ、抵抗、コイル、インダクタ、キャップなど)によって生成された熱を、熱伝導によって半導体ダイよりも大きな表面領域に効果的に拡散し、その後、生成した熱を対流と放射によって周囲環境に効率的に伝送することができる必要がある。同時に、これらのルミネッセンスの熱伝導性材料は、高いL/W効率および良好な演色を有する自冷式固体光源を作成するために、LED発光の少なくとも一部を可視スペクトルの別の部分に効率的に変換する必要がある。
LEDおよび一般的な固体光源内の蛍光体材料内で生成された熱が、伝導手段によって、通常、アルミニウムや銅で作られたはるかに大きなヒートシンクに伝送される。LED接合部とヒートシンクとの温度差を、40〜50℃とすることができる。雰囲気とヒートシンク温度との温度差は、LEDの接合部温度の前述の制約により、通常は非常に小さい。この小さな温度差により、多くの放射冷却が排除されるだけでなく、効果的にLEDを冷却するのに十分な表面積を提供するために、ヒートシンクをかなり大きくかつ重くする必要がある。このヒートシンクの付加重量は、輸送、設備のためのコストを増加させ、いくつかの場合においては、包括的な適用に対して安全上のリスクをもたらす。
また、理想的には、白熱灯、ハロゲン、ナトリウム、および蛍光光源のような固体光源の発光面は、光源を冷却するために使用され得る。このような冷却式光源は、対流冷却および放射冷却の両方を最大化するために、LED接合部に近い温度の発光面を有することになる。発光面は十分な熱伝導性を示す材料で構成されるべきであり、これにより、小さいが局所化されたLEDダイからの熱が、LEDを効果的に冷却するのに十分に大きな領域にわたって拡散することができる。
従来の白熱、ハロゲン、および蛍光光源とは異なり、固体光源は、一般に耐燃性ではないか、あっても、クラス1またはクラスAの建築基準法の要件に準拠している。火災の危険性には、間接(ランプ/器具が炎にさらされている)と直接(ランプ/器具自体が炎を生成している)の2つのタイプがある。従来の固体ランプや器具は、燃やすことができる有機材料が大量に使用されているため、間接および直接火災の脅威の両方をもたらすことができる。
LEDダイは、可燃性ではない窒化物またはAlInGaPのような無機材料を用いて作られているにもかかわらず、これらのLEDダイは、一般に、有機材料を用いてパッケージ化されるか、または主に有機材料を含む器具に実装される。有機LEDやOLEDは、主に有機物であり、また燃やした場合に遊離することができるルテニウムのような重金属などの有害物質が含まれている。これらの材料の燃焼から発生する煙は有毒であり、煙の吸入による火災での死亡の主要な原因の1つである。白熱灯や蛍光灯の照明器具は、一般に、特に建築基準法の要件を満たすように設計されたシートメタル部品および使用ガラスや難燃性プラスチックで構成されている。
一例として、固体パネル照明は、一般に、アクリルやポリカーボネートの導波路で構成されており、LEDの線形アレイを使用したエッジ点灯式である。数パウンドのアクリルが各器具に存在し得る。天井にこれらの器具を組み込むことにより、火災の危険性が増加する原因となり得る。他のトロッファ設計は、最近のLED反射板設計に見られるようにディフューザおよび反射体として機能するように大きな有機薄膜に依存している。火災時には、これらの有機材料は、煙や増加した火炎伝播速度に起因して、消防士と居住者に重大なリスクをもたらす。多くの場合、蛍光灯や白熱灯の用途のために開発されたより難燃性のポリマーを作成するために一般に使用される難燃性添加剤は、導波路および透光性デバイスの光学特性にマイナスの影響を与える。クラス1またはクラスAの規格を、これらの有機材料によって満たすことができない。このため、光透過性材料のための別の規格UL94が、商業設備において使用される。従来の固体光源においてこれらの有機材料を大量に使用することにより、焼成している構造体に遭遇する条件にさらされたとき、煙や火炎拡散傾向に起因して、消防士と居住者へのリスクが非常に増大する。吊り天井を有する典型的な商業設備では、照明器具などの表面積の10%が含まれている。天井タイルは、具体的には、居住者と吊り天井の上のプレナムとの間の防火障壁として機能するように設計されている。照明器具は、炎が天井タイルをバイパスするための経路を提供することによって、この防火障壁の有効性を損なう。この理由のために、白熱灯や蛍光灯器具も、一般に、天井のプレナム側に追加の耐火性カバーを有することが必要とされている。これらの防火エンクロージャは、コストを増加させ、天井のプレナム側から照明器具を効果的に冷却する能力を排除する。ほとんどの固体反射板が裏面冷却に依存していることを考えると、これらの防火エンクロージャは、LEDダイにより高い動作温度をもたらし、固体光源のための直接火災の危険性を実際に増加させる。固体照明器具内の多量の有機物は、炎に間接的または直接的にさらされると、火炎拡散に直接寄与することができる。
したがって、火災の際に居住者と消防士へのリスクを低減することができ、固体電球による何らかの欠点に関連する直接火災の危険性を最小化する、クラス1に評価される固体照明のための解決策が必要とされている。
固体電球の最近のリコールは、それ自体に直接火災の危険性がある固体光源に基づくリスクをさらに示している。このリコールでは、駆動電子装置が過熱され、次いで、光源の他の有機材料で発火している。
高熱や、さらに直接炎にさらされたときに、燃焼または発火しない固体光源が必要とされている。
既存の白熱灯や蛍光灯の照明器具は、理想的な解決策が、無機材料を使用して器具の大部分を構成すること、および光源のグラム当たりのルーメンを最大化することであることは、この数十年わたってわかっている。一般的な白熱光源は、グラム当たり30ルーメンを超えて放射し、光源が対流冷却および放射冷却の両方に基づいて自冷式である。従来の固体電球は、グラム当たり5ルーメン未満を放射し、LEDおよび駆動電子装置によって生成された熱を周囲の環境に伝送するためのヒートシンク手段を必要とする。白熱灯や蛍光灯の電球でグラム当たりのルーメン出力が高いことは、間接的および直接的に燃焼するための材料をより少なくすることに直接つながる。また、固体電球では、駆動電子装置および光源は同じ冷却経路を有し、このため、駆動電子装置で生成された熱は、LEDによって生成された熱に追加される。LEDから加えられた熱は、駆動電子装置の温度を上昇させ、逆の場合も同じである。リコールでは、この結果、固体光源に使用される有機材料が発火し、大惨事となった。使用される大量の有機材料と組み合わせて駆動電子装置およびLEDからの熱の接続により、ポリマー・コンデンサなどの部品が過熱および燃焼したときに、直接火災の危険性が発生する。長年の努力に基づいて、白熱灯や蛍光灯の光源は、まさに上記の理由のための有機系材料から離れた。
固体照明業界は、効率を向上させるだけでなく、間接的または直接的に火災の危険性を示さない、グラム当たりのルーメン出力が高い固体光源を開発する必要がある。
また、商用の光の用途は、耐震、音響、および美的な要件の対象となっている。耐震基準は、吊り天井が地震条件に耐えることを必要とし、ごく最近では、これらと同じ要件がテロ攻撃に対処するために使用されている。一般的には、照明器具を、これらの重量とサイズのために、吊り天井の用途において、頭上のデッキとは別に吊り下げておく必要がある。
吊り天井に組み込むおよび認定することができる固体照明のための解決策が必要とされている。
音響に関して、吊り天井は、前述の防火障壁と同様に障壁を形成することにより、ノイズレベルを減衰させる。天井タイルまたはグリッドワークに直接組み込むことはできないため、ここでも、照明器具は、天井タイルによって作成された障壁を損なう。
天井の音響性能を低下させない固体光源が必要とされている。
最後に、照明は、機能的なだけでなく美的である。市場調査によると、反射板は、機能的であるが、美的観点から望ましいものではない。
したがって、美的に好ましい多様な設計を提供する固体光源が必要とされている。
吊り天井は、商業、オフィス、および小売スペースでは大きな割合を占めている。この特定の用途では、2フィート×2フィートと2フィート×4フィートのグリッドが、天井から吊り下げられ、音響/装飾のタイルは、T字型のグリッド片によって吊り下げられている。照明は、一般に、T字型のグリッド片に同様に吊り下げられている2フィート×2フィートまたは2フィート×4フィートの反射板であった。反射板は、吊り天井の上のACバスラインに配線されている。各反射板は、シートメタル筐体、ドライバ、光源、ならびに反射性および拡散性の素子で構成されている。また、固体反射板の場合、追加のヒートシンク手段または冷却手段が、各反射板に組み込まれてもよい。建築基準法に準拠するために、ほとんどの器具は、吊り天井の上のプレナム空間から照明器具を隔離する、追加の火災用収納筐体を必要とする。一般に、標準的な反射板は、2フィート×2フィートに対して1立方フィート、および2フィート×4フィートに対して2立方フィートの最小ボリュームを必要とする。一般的なルーメン出力は、2フィート×2フィートの反射板で2000ルーメン、および2フィート×4フィートで4000ルーメンである。多くの場合、照明器具の位置は、領域全体に均一な照明が必要とされていなくても望ましくなくても、規則的な間隔で置かれている。これは、設置された後に反射板を再配置することに伴う困難やコストにより決められる。これは、関連するエネルギー損失を伴う過剰な照明をもたらす。
容易に再配置することができ、技術の進歩に伴い改良するか変更することができる、吊り天井のための、軽量な拡散性および指向性の照明器具が必要とされている。
昨今、Armstrong社は、24VDCのDC FlexZoneグリッドシステムを導入した。T字型のグリッド片は、24VDC接続を、グリッド片の上部と底部の両方に設ける。24VDCの可用性により、固体照明のための独立したドライバや安定器が不要になる。ドライバの排除または簡素化により、特に自冷式固体光源が採用されている例での、非常に軽量かつ低容量の照明器具が可能になる。軽量かつ低容量であることは、原料の使用量、取り付けコスト、入庫コスト、および輸送コストを直接低減することにつながる。固定された金属筐体を排除し、これをArmstrong社のDC FlexZoneシステムのような電気的なグリッドシステムに直接取り付ける、モジュラ式の交換可能な光学および照明素子に置き換えることにより、コストを、器具自体に対してだけでなく、照明の変化に関連するコストに対しても、減少させることができる。20億平方フィート近くの、商業および小売の吊り天井空間が、毎年、改造され、または作成されている。
この空間をより柔軟に再度構成することができる方法が必要とされている。
現行の器具は、耐震の建築基準法による重量とサイズの制約のために、建物のデッキに追加のサポートを必要としている。
必要に応じて、エンドユーザが器具を調整および再配置することができるように、グリッドに耐震認定することができる、フィールド設置可能およびユーザ交換可能な照明器具が必要とされている。
現行の要件の下では、照明への任意の変更は、天井パネルの除去を必要とし、器具が再配置され得る前に、最小限の追加の支持ワイヤが建物のデッキに設置されなければならない。変更のための追加コストに加えて、天井の再検査が必要な場合もある。
再認定および外部での作業を必要とすることなく、エンドユーザによって容易に調整することができる軽量で堅牢な照明が必要とされている。
照明モジュールの重量を評価する際には、グラム当たりのルーメンの概念を利用すると有用である。照明器具のグラム当たりのルーメンを低減することは、材料費および取扱費を削減するため、製造コスト、輸送コスト、およびストレージコストに大きな影響を与える可能性がある。また、吊り天井のグリッドに直接取り付けることができ、一般に反射板タイプの光源に必要とされる追加の支持構造を必要とせずに耐震基準を満たす器具が可能である。
また、美的に好ましい、グラム当たりのルーメン出力が高い照明器具が必要とされている。
多くの用途では、照明が存在するが、それ自体に注意を向けるべきではない。これは、天井の他の部分から離れて直接注意を向ける反射板の場合ではない。
したがって、吊り天井の用途での上記の必要性に対処する軽量かつ小型の照明器具が必要とされている。
ここでも、照明モジュールの厚さは、美的な設備に直接影響を与える。既存のライン状の固体光源は、LEDによって放射された光を拡散するために、大きな混合チャンバを必要とし、これにより、これらの光源の深さを劇的に増加させる。照明パネルのモジュールが、天井面の近くに発光面を有し、下にある部屋やオフィス空間に突出しないために、光源モジュールの主要部分は、吊り天井に陥凹する必要がある。
帯電グリッドに取り付け可能である10mmより薄い厚さのロープロファイル、または薄い照明パネルが必要とされている。
理想的には、これらの照明パネルは、エンドユーザにより設備されているオフィス空間側からフィールド交換可能であり(およびカスタムインストーラを必要とせず)、美的かつモノリシックかつ均一な外観を呈することが可能である。基本的に、理想的な吊り天井の照明システムは、美的観点から天井に「見えなくする」ことになる。
最後に、クラス1またはクラスAの基準を満たすか超えることができ、耐震要件を満たすことができ、音響基準を満たすことができ、および、美的に好ましい方法で商業的な照明用途に容易に組み込まれることができる固体光源が必要とされている。
本発明は、これらの問題を克服する自冷式固体光源を開示している。
発明の概要
本発明は、熱伝導性のルミネッセンス素子上または内部に実装されたLEDに基づく固体光源に関する。熱伝導性のルミネッセンス素子は、発光面から対流冷却および放射冷却の両方を用いてLEDの冷却の大部分を提供する。不透明および/または透明導電体に基づく、LEDおよび他の半導体デバイスの電気配線が、低コストの自冷式固体光源を作成する。低コストの自冷式固体光源は、プリントされた、30%を超える反射率を有するプリント厚膜銀導体を有することができる。
簡単に言えば、そして一般的に、本発明の自冷式光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)ダイ、および少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子を備えている。ルミネッセンス素子は、電気配線を含み、前記LEDダイによって放射される光の少なくとも一部を異なる波長範囲に変換する波長変換器として、前記LEDダイによって放射される光のための光導波路として、および大きな断面領域にわたって前記LEDダイが生成する熱を拡散する熱拡散素子としての、複数の機能を実行する。最後に、ルミネッセンス素子は、光源からの出射光の最適な接続のための高放射率層を設けている。
熱伝導性のルミネッセンス素子は、対流および放射手段がデバイスを冷却するために使用され得るために十分な大きさの領域にわたって、LEDおよびルミネッセンス素子自体によって生成された熱を効率的に伝送し、分散することによって、任意の追加のヒートシンク手段の必要性を完全にまたは部分的に排除するために使用され得る。言い換えれば、光を放出する面もまた、対流および放射によりデバイスを冷却する。また、熱伝導性のルミネッセンス素子は、LEDによって放射される放射線の少なくとも一部の効率的な波長変換を提供する。
また、本発明を、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)ダイと、この少なくとも1つのLEDダイに接合した少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子を備えた自冷式固体光源として定義することができ、熱は、放出された光と基本的に同じ方向に光源から伝達される。具体的には、光は、主に少なくとも1つのルミネッセンス素子を通る方向にLEDダイから放射され、光源で生成した熱は、主に発光の方向と同じ方向に伝達される。熱は、デバイスのヒートシンクを必要とせずに、少なくとも1つのルミネッセンス素子からの放射、伝導、および対流の組み合わせによって光源から放散される。
任意で、ルミネッセンスの熱伝導性素子は、LEDからの放射および/または導波路を介して熱伝導性のルミネッセンス素子により変換された放射の少なくとも一部の光拡散を提供することができる。熱伝導性のルミネッセンス素子は、550nmより長い波長に対して、10cm-1未満のアルファを有する導波路として機能する。この場合、550nmよりも長い発光波長を有するLEDを実装して、熱伝導性のルミネッセンス素子によって冷却することができ、また、このLEDは、熱伝導性のルミネッセンス素子内の導波路を介して発光の少なくとも一部を効率的に拡散する。
InGaNおよびAlInGaPのLEDを有する熱伝導性のルミネッセンス素子は、InGaNスペクトルの少なくとも一部を480〜700nmの波長に変換することができる。480〜700nmの光を放射し、500nm〜700nmの波長に10cm-1未満のアルファを示す、単結晶、多結晶、セラミック、および/またはフレーム溶射されたCe:YAG、ストロンチウムチオガレート、または他のルミネッセンス材料を、熱伝導性固体発光光拡散素子とすることができる。
InGaNおよびAlInGaPのLEDの実装は、4500K未満の相関色温度で、50L/Wより高い効率、および任意で熱伝導性の光拡散ルミネッセンス素子に基づいて80より大きい演色指数を有する拡張領域の固体光源を形成することができる。
本発明の一実施形態は、アルミナ、ALN、スピネル、酸化ジルコニウム、BN、YAG、TAG、およびYAGGなどの材料の1つまたは複数から成る、1W/m/Kより高い熱伝導率を有するルミネッセンスの熱伝導性半透過素子である。任意で、電気配線は、LEDへの電気的接続を提供するために、ルミネッセンスの熱伝導性半透過素子の少なくとも1つの面に形成されてもよい。
ルミネッセンスの熱伝導性素子は、1W/m/Kより高い熱伝導率と、0.2より高い放射率を有することができる。自冷式固体光源は、1W/m/Kより高い熱伝導率および0.2より高い放射率を有する、少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子を有することができる。自冷式固体光源は、50℃より高い平均表面温度および50L/Wより高い発光効率を有することができる。任意で、自冷式固体光源は、50℃より高い平均表面温度および50L/Wより高い発光効率を有することができ、1W/m/Kより高い熱伝導率および0.2より高い放射率を有する少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子を含む。自冷式固体光源は、自然対流冷却および放射冷却によって、0.3W/cm2未満で放散することができる。
ルミネッセンスの熱伝導性素子を、結晶成長、焼結、コーティング、溶融性コーティング、射出成形、フレーム溶射、CVD、プラズマ溶射、溶融接合、およびプレスによる方法で形成することができる。酸化物を実質的に1つの相とプレスおよび焼結させることは、ルミネッセンス粉末に基づく透光性を向上させることになる。代替で、1W/m/Kより高い熱伝導率と、10cm-1未満のアルファを有する半透過素子を、焼結処理中または焼結処理後に形成されるルミネッセンス層でコーティングすることができる。発光性および非発光性の両方の、単結晶または多結晶材料を、熱伝導性のルミネッセンス素子とすることができる。具体的には、TPA(透明な多結晶アルミナ)、スピネル、キュービックジルコニア、石英、およびルミネッセンス層を有する他の低吸収性の熱伝導性材料を、これらの材料の製造中または製造後に形成することができる。プレス、押出加工、空間フレーム溶射などの技術により、ニアネットシェイプ成形、すなわち完成品を形成することができる。ディップコーティング、フレーム溶射、融着、蒸着、スパッタリング、CVD、レーザアブレーション、または溶融接合によって、付加的なルミネッセンス層を、これらの材料のいずれかに追加することができる。制御された粒子サイズおよび相により、透光性を向上させることができる。
コーティングがルミネッセンス特性の有無にかかわらず高放射性のコーティングである場合は特に、コーティングは、自冷式光源の環境および/または放射率特性を向上させることができる。単結晶、多結晶、セラミック、コーティング層、またはフレーム溶射されたものを、コーティングとしてもバルク材料としても使用することができ、Ce:YAGは高放射性または環境保護性のコーティングを有する。特に、ポリシロキサン、ポリシラザン、および他の透明な環境保護膜を、LEDの取り付け前または取り付け後のいずれかに、ディップコーティング、蒸着、噴霧、または他のコーティング方法によって適用することができる。付加的なルミネッセンス材料を、これらの保護膜に付加することができるが、この材料は、量子ドット、ルミネッセンス染料(例えば、Eljen製の波長シフタ染料)、および他のルミネッセンス材料に限定されない。
ワイヤレス電力伝送素子、パワー調整素子、駆動電子装置、力率調整電子装置、赤外線/無線エミッタ、およびセンサを、自冷式固体光源に組み込むことができる。
自冷式固体光源は、4500K未満の色温度で50L/Wより高い発光効率、および70より大きい演色指数を有することができる。自冷式固体光源は、40℃より高い表面温度で、光源表面領域の0.3W/cm2を超える対流および放射により冷却し、50L/Wより高い発光効率を有することができる。
自冷式固体光源は、4500K未満の色温度で50L/Wより高い発光効率、および青色LEDと赤色LEDの両方を含む85より大きい演色指数を有することができる。500nmより長い波長に対して、10cm-1未満のアルファを有する少なくとも1つのルミネッセンスの熱伝導性素子は、少なくとも1つの青色および500nmより長い発光波長を有する少なくとも1つのLEDを含む自冷式固体光源に使用される。コーティングおよび/または素子の形での付加的なルミネッセンス材料は、効率と演色指数をさらに向上させることができ、この材料は、非限定的に、蛍光体粉末、蛍光ダイ、波長シフタ、量子ドット、および他の波長変換材料を含む。
固体光源のアスペクト比および形状は、非限定的に、プレート、ロッド、円筒形のロッド、球形、半球状、楕円形、および他の非平坦な形状を含むことができる。ダイの配置により、エッジ効果を軽減し、より均一なエミッタを形成することができる。追加の散乱、リダイレクト、リサイクリング、および撮像用の素子を、ファーフィールド分布を変更するように設計された固体光源に、取り付けおよび/または近接することができる。追加の素子を、0.1W/m/Kより高い熱伝導率を有する固体光源に取り付けることができるため、固体光源内に生成された熱を追加の素子および周囲の環境に伝導することによって、追加の冷却が、固体光源に提供される。外部フレームは、機械的支持を提供することができ、固体光源に取り付けられることができ、および/または外部の電気配線を提供することができる。追加の光学素子の有無にかかわらず配置された複数の固体光源が、特定のファーフィールド分布を生成することができる。特に、面とエッジの変形がファーフィールドで軽減されるように、複数の固体光源を、互いに非平行に配置することができる。2mmを超える固体光源の表面間の分離距離により、対流冷却を容易にすることが好ましい。光学素子の実装と追加により、誘引効果による対流冷却を強化することができる。
本発明では、半導体デバイスが実装されている熱伝導性のルミネッセンス素子が使用されており、対流手段および放射手段の両方によって、半導体デバイスおよび熱伝導性のルミネッセンス素子自体によって生成された熱を周囲の環境に効果的に伝送するために、十分に低い熱抵抗を有する十分な領域にわたって効果的に熱を分散する。本発明では、光を放出する面が、対流および放射によりデバイスを冷却する。
また、熱伝導性のルミネッセンス素子は、LEDによって放射される放射線の少なくとも一部の効率的な波長変換を提供する。任意で、ルミネッセンスの熱伝導性素子は、LEDからの放射および/または熱伝導性のルミネッセンス素子により変換された放射の少なくとも一部の光拡散を提供することができる。熱伝導性のルミネッセンス素子は、550nmより長い波長に対して、10cm-1未満のアルファを有する導波路として機能する。この場合、550nmよりも長い発光波長を有するLEDを、熱伝導性のルミネッセンス素子によって実装して冷却することができ、また、このLEDは、熱伝導性のルミネッセンス素子内の導波路を介して発光の少なくとも一部を効率的に拡散する。
50℃より高い表面温度、および光学的に透過性の熱伝導性素子に実装された半導体デバイスよりも大きな表面積を有する光学的に透過性の熱伝導性素子を含む自冷式固体光源が開示されている。自冷式固体光源が、100℃より高い表面温度、および実装された半導体デバイスの表面積よりも大きな表面積を有する少なくとも1つの光学的に透過性の熱伝導性素子を含むことが、さらに好ましい。自冷式固体光源が、1W/m/Kより高い平均熱伝導率を有する少なくとも1つの光学的に透過性の熱伝導性素子を含むことが、最も好ましい。一例として、4重量%でのセリウムを2%ドープしたYAGが、噴霧乾燥を用いてアルミナマトリックスに分散されている。粉末は小型にプレスされて、1500℃で8時間、真空焼結され、続いて、これを、アルゴン下で1600℃で4時間、熱間静水圧プレスする。材料は、ダイヤモンドソーで1mmの厚さおよび1/2インチ×1インチの面積に切り分けられる。部品はレーザ加工されて、中に銀ペーストがスクリーンプリントされ焼成された配線溝を形成する。焼成された銀トレースは、その後、表面を平滑形成するためにラップされ、この表面に、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDダイが半田付けされる。2片を一緒に挟むことができるように、ポケットがレーザを用いて切断され、これにより、ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDダイを2片のセラミックCeYag/アルミナ材料の内側に埋め込むことができる。このようにして、自冷式光源が形成される。ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDは、銀トレースによって電気配線され、セラミックCeYag/アルミナ材料に熱的に接続されている。ダイレクト・ダイ・アタッチ・LEDおよびセラミックCeYag/アルミナ材料内で生成された熱は、LEDの面積よりも大きい面積にわたって分散される。この例では、1W/cm2より大きな電力密度を放散することができ、一方で、自然対流冷却および放射冷却に基づいて、接合部温度を120℃未満、セラミックCeYag/アルミナ材料の表面温度を80〜90℃に維持している。このように、1/4インチ×1/2インチの固体光源は、追加のヒートシンクや冷却手段なしに100ルーメンを超える光を放射することができる。
0.3より高い放射率を有する材料は、固体光源の面で放射される熱の量を高めるために好ましい。表面温度が200℃未満で0.7より高い放射率を有するのが、さらに好ましい。表面の放射率が0.8より高い場合、25℃の雰囲気で表面温度50℃で、自然対流係数20W/m2/kを有する自然対流により冷却された表面が、そのエネルギーの約25%を周囲の環境に放射的に伝送することになり、光源表面領域の約0.08W/cm2を放散することができる。表面温度100℃を有する同様の自然対流により冷却された表面は、そのエネルギーの約30%を周囲の環境に放射的に伝送し、表面領域の0.25W/cm2より多くを放散することができる。表面温度150℃を有する同様の自然対流により冷却された表面は、その熱の35%を放射的に伝送し、0.4W/cm2より多くを放散することができる。固体光源が電気から光への変換効率を50%に近づけることができ、一般的なスペクトル変換が300lm/Wであると仮定すると、この自冷式固体光源へのアプローチにより、光源表面領域の1.0cm2毎に75ルーメンを放出することができる。一例として、1/4インチ×1/2インチ×2mm厚の自冷式照明スティックが、100℃未満の表面温度を維持しながら、150ルーメンを超える光を生成することができる。ハイパワーデバイス用の一般的なLED接合部の温度が120℃を超えても、依然として優れた寿命と効率を維持することができる。120℃未満の温度を有する表面では、放射エネルギーの大部分は、8ミクロンより大きい波長の赤外線である。このように、可視スペクトルにおいて実質的に透明である、高放射性のコーティング、材料、および表面は、自冷式光源の好ましい実施形態である。
赤外線での物質の放射率は、大きく異なる。ガラスは、約0.95の放射率を有するが、酸化アルミニウムでは、0.5〜0.8であってもよい。ポリイミドなどの有機物は、厚い層ではかなり高い放射率を有することができる。ただし、これは、有機物の低い熱伝導率に起因して、熱の伝達にマイナスの影響を与えることになる。このため、熱伝導率の高い高放射性の材料およびコーティングが好ましい。高放射性の/可視光吸収の低いコーティングが、J.R.Grammerによる"Emissivity Coatings
for Low−Temperature Space Radiators",NA
SA Contract NAS 3−7630(1966年9月30日)に記載されている。0.85より高い放射率および0.2より低い吸収率を有するさまざまなケイ酸塩が開示されている。
雰囲気への熱伝達を最大にするために、ルミネッセンスの熱伝導性材料は、局在した半導体および受動デバイス(例えば、LED、ドライバ、コントローラ、抵抗、コイル、インダクタ、キャップなど)によって生成された熱を、熱伝導によって半導体ダイよりも大きな表面領域に効果的に拡散し、その後、生成した熱を対流と放射によって周囲環境に効率的に伝送することができる必要がある。同時に、これらのルミネッセンスの熱伝導性材料は、高いL/W効率および良好な演色を有する自冷式固体光源を作成するために、LED発光の少なくとも一部を可視スペクトルの別の部分に効率的に変換する必要がある。固体および粉末の両方の形態での従来の波長変換器は、実質的に、LEDダイまたは半導体デバイスと同じサイズである。これにより、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えるが、ストークス損失および他の変換損失に因り、ルミネッセンス素子内で生成した熱を局在化する。現行の固体光源では、約50%の熱がルミネッセンス材料内で生成される。LEDによって放射された励起光の導波路として機能する、低ドーパント濃度を有する熱伝導性のルミネッセンス素子を用いることにより、ルミネッセンスの変換損失により生成した熱を、より大きなボリュームに拡散することができる。加えて、従来のLEDパッケージに見られるような、局部的な点光源ではなく、より分散した光源を生成することができる。このようにして、追加の拡散素子および光学素子の必要性を、排除するかまたは最小限に抑えることができる。このような、ルミネッセンス素子に実装された半導体デバイスよりも大きな表面積を有するルミネッセンスの熱伝導性素子の使用は、好ましい実施形態である。
LEDおよび一般的な固体光源内の蛍光体材料内で生成された熱が、伝導手段によって、通常、アルミニウムや銅で作られたはるかに大きなヒートシンクに伝送される。LED接合部とヒートシンクとの温度差を、40〜50℃とすることができる。著しい温度降下がLED接合部とヒートシンク表面から発生することを考えると、雰囲気とヒートシンク温度との温度差は通常は非常に小さい。この小さな温度差により、多くの放射冷却が排除されるだけでなく、効果的にLEDを冷却するのに十分な表面積を提供するために、ヒートシンクをかなり大きくかつ重くする必要がある。ヒートシンクが大きいほど、LED接合部とヒートシンクフィンの表面との間の温度降下が大きくなる。このため、ヒートパイプおよび能動冷却が使用され、これにより、温度降下を減少させるか、より小さいヒートシンクのボリュームを使用することができるように対流冷却を増大させる。一般に、ヒートシンクの付加重量および/または能動冷却は、輸送、設備のためのコストを増加させ、いくつかの場合においては、包括的な適用に対して安全上のリスクをもたらす。
また、理想的には、白熱灯、ハロゲン、ナトリウム、および蛍光光源のような固体光源の発光面は、光源を冷却するために使用され得る。このような冷却式光源は、対流冷却および放射冷却の両方を最大化するために、LED接合部に近い温度の発光面を有することになる。発光面は十分な熱伝導性を示す材料で構成されるべきであり、これにより、小さいが局所化されたLEDダイからの熱が、LEDを効果的に冷却するのに十分に大きな領域にわたって拡散することができる。本発明では、ルミネッセンス素子内で生成された熱をより大きなボリュームにわたって拡散すること、使用される半導体デバイスで生成された熱を半導体デバイスより大きな表面領域にわたって伝導によって拡散する熱伝導性のルミネッセンス素子を使用すること、および高放射率コーティング、増加した表面領域、および自冷式光源の表面への効率的な熱の接続によって生成される高い表面温度によって放射冷却および対流冷却を最小化すること、によってこれを達成することができる。
前述のように、不燃性の固体光源が必要とされている。有機物の火災の危険性を減らすための技術は、火炎拡散や煙に起因してクラス1またはクラスAの要件を満たすことができないだけでなく、材料の光学特性を低下させる。本開示は、無機材料と、不燃性である自冷式固体光源におけるそれらの使用に言及している。これらの光源は、火災中に炎を拡散させ、煙を増加させることに寄与しないだけでなく、連続する火災の保守、音響、および天井のブレイク数を排除および/または低減することにより美的な吊り天井を可能にする。グラム当たりの高ルーメン出力によって画定される光源の軽量な性質は、吊り天井の上、天井から、または天井内での、光源の直接取り付け、吊り下げ、および埋め込みを可能にする。これにより、吊り天井との耐震認定が可能になり、追加の支持ワイヤが不要になる。支持ワイヤの除去は、オフィス空間内のユーザが、必要に応じて、照明を変更、修正、交換、あるいは移動させることを可能にする。また、ユーザが、磁石、クリップ、および他の解放可能な形態で、グリッドや、天井タイルや、グリッドおよび/もしくは天井タイル内に取り付けられたまたは埋め込まれたパワーグリッドに電気的および物理的に接続することを可能にする。
また、リサイクリングキャビティまたは凹部を形成するための天井タイルの外側の層またはスクリムの使用が開示されており、このキャビティまたは凹部を、発光面と冷却面が実質的に同じである自冷式光源との接合部で使用することができる。一般に、発光面/冷却面は、オフィス空間内の雰囲気に直接露出されているため、開示された自冷式の固体照明器具は、プレナム側ではなくオフィス空間側にその熱の大部分を伝送する。プレナム空間でのドライバへの電気的および物理的接続は、プッシュピン接続、埋め込まれたトレース、表面トレース、および他の配線手段によって発生する。
図面の簡単な説明
[図1A]光放射が実質的に熱除去の反対方向である場合の、従来技術のフリップチ
ップ実装した縦型LEDパッケージの側面と熱回路を示す図である。
[図1B]光放射が実質的に熱除去の反対方向である場合の、従来技術のフリップチ
ップ実装した縦型LEDパッケージの側面と熱回路を示す別の図である。
[図2A]本発明の熱伝導性のルミネッセンス素子を用いた自冷式固体光源の側面お
よび配線を、熱回路と共に示す図である。
[図2B]本発明の熱伝導性のルミネッセンス素子を用いた自冷式固体光源の側面お
よび配線を、熱回路と共に示す別の図である。
[図2C]本発明の熱伝導性のルミネッセンス素子を用いた自冷式固体光源の側面お
よび配線を、熱回路と共に示すさらに別の図である。
[図3A]本発明の複数ダイを有する自冷式固体光源の側面図である。
[図3B]本発明の複数ダイを有する別の自冷式固体光源の側面図である。
[図3C]本発明の複数ダイを有するさらに別の自冷式固体光源の側面図である。
[図4A]本発明の一タイプのLEDダイ用のルミネッセンスの熱伝導性素子上にプ
リントされた電気配線の側面図である。
[図4B]本発明の別のタイプのLEDダイ用のルミネッセンスの熱伝導性素上にプ
リントされた電気配線の側面図である。
[図4C]本発明のさらに別のタイプのLEDダイ用のルミネッセンスの熱伝導性素
上にプリントされた電気配線の側面図である。
[図5A]本発明の波長変換素子の形状の側面図である。
[図5B]本発明の波長変換素子の別の形状の側面図である。
[図5C]本発明の波長変換素子のさらに別の形状の側面図である。
[図5D]本発明の波長変換素子のさらに別の形状の側面図である。
[図6A]本発明の波長変換素子にLEDを実装する一形態の側面図である。
[図6B]本発明の波長変換素子にLEDを実装する別の形態の側面図である。
[図7A]本発明のLEDダイ上のプリント配線の側面図である。
[図7B]本発明の別のLEDダイ上のプリント配線の側面図である。
[図7C]本発明のさらに別のLEDダイ上のプリント配線の側面図である。
[図8A]本発明の自冷式光源のための環境シールの側面図である。
[図8B]本発明の自冷式光源のための別の環境シールの側面図である。
[図8C]本発明の自冷式光源のためのさらに別の環境シールの側面図である。
[図8D]本発明の自冷式光源のためのさらに別の環境シールの側面図である。
[図9A]本発明の強化された両面抽出のためのダイ成形の側面図である。
[図9B]本発明の強化された両面抽出のための別のダイ成形の側面図である。
[図10A]本発明の波長変換素子の側面図である。
[図10B]本発明の波長変換素子での青色ダイおよび赤色ダイを示すグラフである
。
[図11]本発明の3端子の自冷式光源の上面図である。
[図12]本発明の統合されたドライバを有する自冷式光源の上面図である。
[図13A]本発明の追加の冷却手段を有する自冷式光源の側面図である。
[図13B]本発明の追加の冷却手段を有する自冷式光源の斜視図である。
[図14]本発明の熱絶縁部分を有する自冷式光源の上面図である。
[図15]本発明の青色ダイおよび赤色ダイに対して別々の駆動方式を有する自冷式
光源の上面図である。
[図16A]本発明の減色性赤色蛍光体および加色性赤色LEDのグラフである。
[図16B]本発明の減色性赤色蛍光体および加色性赤色LEDの別のグラフである
。
[図17]本発明のシアン色LEDおよび黄色LEDを有する自冷式光源からのスペ
クトルのグラフである。
[図18A]本発明のルミネッセンスコーティングを有する形状の側面図である。
[図18B]本発明のルミネッセンスコーティングを有する形状の斜視図である。
[図19A]本発明の自冷式光源用の光学系の側面図である。
[図19B]本発明の自冷式光源用の別の光学系の側面図である。
[図20A]本発明の自冷式光源のファーフィールドの光学パターンを変更する手段
の側面図である。
[図20B]本発明の自冷式光源のファーフィールドの光学パターンを変更する別の
手段の側面図である。
[図20C]本発明の自冷式光源のファーフィールドの光学パターンを変更するさら
に別の手段の側面図である。
[図21A]本発明の発光パッチの発生源と、導波材料を用いたその使用を示す図で
ある。
[図21B]本発明の発光パッチの発生源と、導波材料を用いたその使用を示す別の
図である。
[図21C]本発明の発光パッチの発生源と、導波材料を用いたその使用を示すさら
に別の図である。
[図22]従来技術の照明ストリップの側面図である。
[図23]従来技術の導波路の照明パネルの側面図である。
[図24]発光面と冷却面が実質的に同一面である自冷式照明ストリップの側面図で
ある。
[図25]発光/冷却面の熱伝導率に対するダイ温度を示すグラフである。
[図26]吊り天井の設備の側面図である。
[図27]吊り天井のグリッドに取り付けされている自冷式の不燃性照明ストリップ
の側面図である。
[図28A]反射体スクリムの有無にかかわらず吊り天井の天井タイルに組み込まれ
た自冷式の不燃性照明パネルの側面図である。
[図28B]リサイクリングキャビティを形成するスクリム層に埋め込まれた自冷式
光源の側面図である。
[図29]吊り下げられた自冷式パネル照明の側面図である。
[図30]吊り天井での自冷式照明ストリップの耐震設備の側面図である。
[図31]吊り天井での自冷式照明パネルの音響設備の側面図である。
[図32A]ランバート反射をリサイクリングする自冷式照明ストリップの側面図で
ある。
[図32B]熱伝導性半透過素子を有する、ランバート反射をリサイクリングする自
冷式照明ストリップの側面図である。
[図32C]熱伝導性半透過素子および反射体を有する、ランバート反射をリサイク
リングする自冷式照明ストリップの側面図である。
[図32D]導波素子を有する、ランバート反射をリサイクリングする自冷式照明ス
トリップの側面図である。
[図33]リサイクリング自冷式光源における反射率に対する効率を示すグラフであ
る。
[図34]自冷式光源上の装飾的なオーバーレイの側面図である。
[図35A]反射体キャビティおよび熱伝導性半透過素子を有する、リサイクリング
自冷式光源の側面図である。
[図35B]ルミネッセンスの熱伝導性半透過素子を有する、リサイクリング自冷式
光源の側面図である。
[図35C]熱伝導性半透過素子および波長変換コーティング/素子を有する、リサ
イクリング自冷式光源の側面図である。
[図35D]リサイクリングキャビティを有していない自冷式光源の側面図である。
[図36]プッシュピンコネクタと自冷式光源の側面図である。
[図37]自冷式光源のためのスクリムオーバーレイの側面図である。
図面の詳細な記載
図1Aは、基板4に実装された従来技術の縦型LEDダイ3を示している。縦型LEDダイ3は、一般に、蛍光体粉末から成る無機/有機マトリックス7でコーティングされ、この蛍光体粉末は、例えばシリコーン樹脂材料内のCe:YAGであるが、これに限定されない。ワイヤボンド2は、縦型LEDダイ3を配線5に電気的に接続するために使用され、その後無機/有機マトリックス7でコーティングされる。縦型LEDダイ3の別の面は、通常、共晶半田や導電性接着剤を介して、配線6に接触している。さらに、レンズ1が、環境的にアセンブリを密封するために基板4に取り付けられ、縦型LEDダイ3からの光抽出を向上させ、デバイスによって放射される光のファーフィールド光学パターンを変更する。この場合、放射光線9は、熱線8の反対方向に実質的に進んでいる。
図1Aの熱回路図に示すように、無機/有機マトリックス7の冷却は、縦型LEDダイ3を通り、配線6を介して基板4に入る熱伝導によって、ほとんど排他的に発生する。ストークス損失および散乱吸収に起因して無機/有機マトリックス7内で生成した熱は、無機/有機マトリックス7のバルク熱伝導率によって決まる熱抵抗によって決定される速度で、縦型LEDダイ3に熱伝導される。簡略化された熱回路図に示すように、無機/有機マトリックス7の平均温度は、熱抵抗R(蛍光体/封入剤)および縦型LEDダイ3の平均温度T2によって決定される。無機/有機マトリックス7内で生成した熱は周囲に放散されるべきであるため、周囲に放散され得る前に、LEDダイ3(RLED)の熱抵抗および基板4(Rパッケージ)を移動させる必要がある。これは、簡略化された熱回路図であり、バルクおよび界面熱抵抗とデバイス内の空間的な変動をひとまとめにしている。しかし、一般的に、無機/有機マトリックス7内で生成した熱は、無機/有機マトリックス7を囲む他の材料(例えば、レンズ)の低い熱伝導率に因り、主に縦型LEDダイ3を通じて放散される必要がある。追加のヒートシンク手段は、金属、複合材料、またはセラミック素子を使用して、表面積をさらに増加させ、周囲への熱の放散を向上させることができるが、熱の流れは、基本的には依然として同じである。レンズ1は、放射光線9の抽出素子として機能するだけでなく、熱線8の障壁としても機能する。一般に、0.1W/mK未満の熱伝導率を有するシリコーンまたはエポキシ樹脂から構成されることにより、レンズ1は断熱材として機能する。また、レンズ1は、低い放射率に因り、縦型LED3および無機/有機マトリックス7からの熱放射を制限することができる。一般に、この設計は、縦型LED1内の活性領域からの等方性の発光の約50%がデバイス内のいくつかの面から反射されなければならないこと、およびデバイスのファーフィールド出力が実質的に指向性またはランバート反射の性質であることを必要とする。高反射層を使用しても、この手法では、損失メカニズムが示される。これらの追加損失は、光学線が通過しなければならない追加の光路長および裏面電極からの多重反射に関連している。縦型LED1の活性領域で生成された光を抽出するために必要とされる、この追加の光路長および反射は、基本的に、LED自体の吸収損失に基づいてLEDの効率を低下させる。また、無機/有機マトリックス7内で生成された光のかなりの部分が通過し、縦型LED1によって反射される必要がある。縦型LED1は損失のない反射体ではないため、これらの光学線の追加の光路長もまた全体的な効率を低下させる。
図1Bは、従来技術のフリップチップ実装したLED15を示している。半田付けや熱圧縮接合により、コンタクト16および21を介してフリップチップ実装したLED15を基板19上のそれぞれの配線17および18に取り付ける。ルミネッセンス変換器14を、図1Aで説明した無機/有機マトリックスまたは固体発光素子とすることができ、この素子は、例えば、Ce:YAGセラミック、単結晶Ce:YAG、多結晶Ce:YAG、または当該技術分野で知られている他の固体発光材料である。いずれの場合においても、同様の冷却不足が、この設計に当てはまる。ルミネッセンス変換器14のほぼすべての冷却が、フリップチップ実装したLED15を通じて行われなければならない。ここでも、放射光線12は、熱線13と実質的に反対の方向に進み、さらに、フリップチップ実装したLED15の活性領域からの等方性の発光の約50%がデバイス内でリダイレクトされ、このデバイスは、銀のような高価な金属、特殊なコーティング方法、さらにフォトニック結晶の場合などでナノリソグラフィの使用を必要とする。
LEDダイ領域の大部分にわたって高反射性であり、かつ低抵抗のコンタクトを形成するコンタクトの形成は、良好なオーミックコンタクトを形成するために一般に必要とされる温度で、銀の反射率が低下するため、業界にとって大きな課題となっている。この高い光反射率と低い電気抵抗率は、追加費用と効率損失につながる。両方のコンタクトが一方の側からなされなければならないので、一般に、フリップチップコンタクトを使用して作成された空隙に充填するためにアンダーフィル20が使用される。レンズ11は、また、対流および放射の両方によりデバイスの外への熱流に対する障壁を形成している。一般に、フリップチップ実装したダイ15が基板19に実装され配線された後に、ルミネッセンス変換器14は取り付けられる。フリップチップ実装したダイ15とルミネッセンス素子14との間のボンディング層23が、ルミネッセンス素子14をさらに熱絶縁する。一般に、白色のInGaNパワーLEDパッケージの効率が典型的には40%であるが、InGaNパワーLEDのUV/青色チップの示す効率が60%に近づいている。ルミネッセンス変換器14内の損失は、したがって、デバイス内の全損失のかなりの部分を表す。図1Aの無機/有機マトリックスのルミネッセンス変換器の場合には、シリコーンまたはエポキシマトリックスの低い熱伝導率に因り、変換損失が個々の蛍光体粉末内でさらに局在化される。固体材料のより高い熱伝導率に起因して、固体発光変換器14はさらなる横の広がりを有する。両方の例は、一般に、14W/m/Kの固有の熱伝導率を有するセリウムドープYAGである。ただし、シリコーンマトリックスは、0.1W/m/K未満の熱伝導率有し、実質的にすべての蛍光体粉末を取り囲むため、無機/有機マトリックスは、それ自体で、シリコーンまたはエポキシとほぼ同等のマクロ熱伝導率を有する。非常に高い負荷レベルの蛍光体粉末を使用することができるが、より高い散乱に起因する効率損失につながる。
ボンディング層23を介してフリップチップ実装したLED15内に熱伝導されることを除いて、ルミネッセンス変換器14で生成された熱はどこにも行かない。ほとんどの場合、固体発光変換器14は、フリップチップ実装したLED15のエッジから漏れる青色光を対処する追加の漏れ防止コーティング22を必要とする。無機/有機マトリックスは、図1Aで同じ問題を抱えている。図1Aおよび図1Bの両方で、発光面が冷却面と実質的に異なっている。図1Bの熱回路は図1Aと同様であり、ルミネッセンス変換器14で生成された熱は、フリップチップ実装したLED15を通って実質的に放散される。ハイパワーLEDの出現により、デバイス内で生成された熱の大部分を、ルミネッセンス変換器14内に局在化させることができる。この局在は、リモート蛍光体の使用を含むさまざまな解決策につながっている。一般に、ルミネッセンス変換器14の効率は、その平均温度T4が上昇するにつれて低下する。従来技術では、ルミネッセンス変換器14は、平均温度T5を有するフリップチップ実装したLED15を通ってその熱の大部分を放散する。これは、本質的に周囲よりも高い温度である。高効率のデバイスのために、ルミネッセンス変換器14内で生成された熱を低減することができる技術が必要である。
図2Aは、本発明の縦型LED24を示しており、光放射光線26が熱線27と同じ方向に実質的に進む。熱伝導性のルミネッセンス素子25は、縦型LED24により放射された光の少なくとも一部に対して波長変換を提供し、光学および熱拡散素子、抽出手段、ならびに電気配線用の基板として機能する。図2Aでは、保護膜30は、反射性、透過性、部分的に反射性であってもよく、波長および/または偏光に依存している反射率を示す。
ワイヤボンド29は、導電性インクまたは共晶半田を介して配線31に取り付けられたコンタクト34を有するコンタクトパッド33に配線28を接続する。透過性/半透過性のボンディング層32は、熱伝導性のルミネッセンス素子25内へ、および最終的にはデバイスの外への光学的および熱的接続を最大化する。透過性/半透過性のボンディング層32は、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、シリコーン、および他の透過性/半透過性の接着材料から構成され得るが、これに限定されない。透過性/半透過性のボンディング層32は、0.1W/m/Kより高い熱伝導率を有し、さらに好ましくは、1W/m/Kより高い熱伝導率を有する。熱伝導性のルミネッセンス素子25は、単結晶ルミネッセンス材料、多結晶ルミネッセンス材料、アモルファスルミネッセンス材料や、サファイア、TPA、窒化物、スピネル、キュービックジルコニア、石英、熱伝導性のルミネッセンスコーティングでコーティングされたガラスなどの熱伝導性の透過性/半透過性材料、および透明/半透明材料と熱伝導性のルミネッセンス材料の複合材料から構成され得るが、これに限定されない。
図2Aでは、放射冷却を高めるために、高放射率層35を熱伝導性のルミネッセンス素子25に適用することができる。さらに、高放射率層35は、特に、抽出素子が熱伝導性のルミネッセンス素子25からの抽出を増加させるために使用される場合に、周囲の空気と熱伝導性のルミネッセンス素子25との間の屈折率整合層として機能することによって抽出効率を高めることもできる。前述の従来技術の熱回路とは異なり、熱伝導性のルミネッセンス素子25で生成された熱の流れが、熱伝導性のルミネッセンス素子25自体の表面から対流冷却および放射冷却を介して周囲に直結している。熱伝導性のルミネッセンス素子25のバルク熱伝導率が、周囲の環境に熱を効果的に伝送するのに十分に大きな領域にわたって、効果的に熱を拡散するのに十分に高い場合に、この直結接続手法を単に効果的に達成することができる。このように、熱伝導性のルミネッセンス素子は、1W/m/Kより高い平均バルク熱伝導率を有する取り付けられたLEDより大きい表面積を有し、縦型LED24および熱伝導性のルミネッセンス素子25内で生成された熱は、熱伝導性のルミネッセンス素子25の表面から対流および放射によって周囲の環境に実質的に伝送される。高放射率層35は、100℃で0.8より高い放射率、および可視スペクトル全体で0.2未満の吸収率を有するのが、最も好ましい。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子25の放射率が、100℃で0.8より高く、可視スペクトル全体で0.2未満の吸収率を有していてもよい。
図2Bは、透過性/半透過性のボンディング層43を介して熱伝導性のルミネッセンス素子42に実装され、コンタクト41および40を介して熱伝導性のルミネッセンス素子25上の配線44および45に電気的に接続されたフリップチップ実装したLED36を示している。配線44および45は、スクリーンプリント、インクジェットプリント、リソグラフィ手段、またはこれらの他の方法の組み合わせにより形成された厚膜銀導体である。一例として、熱伝導性のルミネッセンス素子42は、その中に銀ペーストをスクリーンプリントおよび焼成した、約5ミクロンの深さのレーザカット溝を含んでもよい。熱伝導性のルミネッセンス素子42の表面は、その後、必要に応じて、配線44および45のための滑らかな表面を作成するためにラップされる。得られた表面は、熱圧縮接合されたダイ、共晶半田と複合したダイレクト・ダイ・アタッチ・ダイ、および他のダイレクトアタッチの接合方法のために、十分に滑らかである。配線44および45は、一般に、400℃よりも高い温度で焼成される。配線44および45は、フリップチップ実装したLED36の幅より小さいまたは大きいライン幅を有する厚膜またはインクジェットの銀トレースである。デバイス内の光学損失を、使用される銀の量を最小化し、配線トレースの幅を最小化し、銀トレースの反射率を最大にすることによって、最小化することができる。あるいは、フリップチップ実装したLED36と熱伝導性のルミネッセンス素子42との間の熱抵抗を、銀の厚さまたは面積の量を増加させることによって最小化することができる。保護膜37は、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、フレーム溶射されたセラミック、および蒸着/CVDコーティングから構成され得るが、これに限定されない。保護膜37の高反射層は任意である。このようにして、小型の指向性の光源を形成することができる。透過性/半透過性のボンディング層は、環境的に短絡したデバイスのための障壁として機能する。すべての高温処理層により層の反射率を最大にした後に、保護膜37における反射体を適用することができる。図2Bに示す熱回路は、図1のデバイスとはるかに異なる熱伝導経路が存在することを、ここでも示している。熱伝導性のルミネッセンス素子42は、デバイスに冷却面を提供するだけでなく、LED36からの光の変換も提供している。デバイスの放射面は、デバイスの冷却面でもある。
図2Cは、熱伝導性のルミネッセンス素子46に実装された横型LED53を示している。図2Aおよび図2Bに示すように、光放射50と熱線51は実質的に同じ方向に進む。この構成では、透過性/半透過性の保護膜48が、デバイスの背面で熱線56と光放射57を接続する。光放射50と光放射57は、発光スペクトル、強度、偏光に関して、互いに同じであっても、異なっていてもよい。添加剤、コーティング剤、およびこれらの組み合わせは、保護膜48内の発光スペクトル、強度、および偏光に影響を与えることができる。配線49および54は、誘電体マトリックス中に導電性材料から構成され得るが、これに限定されない。50%より高い反射率を有する誘電体マトリックス中に導電性材料を形成するために、銀フレークの厚膜ペーストスクリーンを、400℃より高い温度でプリントおよび焼成することができる。ワイヤボンド47および52は、LEDコンタクト56および55をそれぞれ配線49および54に接続する。金のワイヤが好ましいが、ワイヤボンドを、銀、銀でコーティングされた金、ならびにワイヤ、箔、およびテープ状のアルミニウムとすることができる。熱回路図は、デバイスを通る熱の周囲への流れを示している。また、透過性/半透過性の保護膜48は、ルミネッセンス材料を含んでもよい。一例として、透過性/半透過性の保護膜48は、緑色および黄色の発光を赤色に変換するためのEljen社製EJ−284の蛍光色素のような少なくとも1つのルミネッセンス材料を含むHT1500ポリシラザン(Clariant Inc.)のような無機/有機マトリックス材料から構成され得るが、これに限定されない。ルミネッセンスコーティングを、少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子46を含む発光デバイス上に透過性/半透過性の保護膜48を形成するために、ディップコーティング、溶射、インクジェット、および他の堆積技術によって適用することができる。
図3Aは、少なくとも1つのLED61上に熱的および光学的の両方で取り付けられた単一の熱伝導性のルミネッセンス素子60からなる自冷式光源を示している。LED61は、InGaN、GaN、AlGaN、AlinGaP、ZnO、AlN、およびダイヤモンドベースの発光ダイオードから構成され得る。非限定的にInGaNおよびAlinGaPのLEDのような青色および赤色発光ダイオードの両方が、少なくとも1つの熱伝導性のルミネッセンス素子60に光学的および熱的に取り付けられている。LED61と熱伝導性のルミネッセンス素子60によって生成される熱59と発光58は、LED61よりも実質的に大きい面積と体積にわたって広がっている。このように、生成された熱を効果的に周囲の環境に伝送することができる。
単結晶、多結晶、セラミック、およびフレーム溶射された形態でのCe:YAGは、熱伝導性のルミネッセンス素子60のための好ましい材料の選択である。また、ガドリニウム、ガリウム、およびテルビウムから構成されるさまざまな合金やドーパントを使用することができるが、これに限定されない。熱伝導性のルミネッセンス素子60を、500ミクロンより大きい厚さの、EFG法によって成長した単結晶のセリウムドープYAGとすることができ、ここで、セリウムドーパントの濃度は、0.02%〜2%、好ましくは0.02%〜0.2%である。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子60を、任意のポストアニールによりフレーム溶射されたCe:YAGとすることができる。制御された雰囲気下でのLED61に直接、フレーム溶射、HVOF、プラズマ溶射することによって、熱伝導性のルミネッセンス素子60を、形成することができる。LED61を熱伝導性のルミネッセンス素子60に接合させるために中間材料を使用するのではなく、LED61に直接接合させる手法によって、熱伝導性のルミネッセンス素子とLED61との間の熱的および光学的な接続の両方を最大化する。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子60は、ホットプレス、真空焼結、雰囲気焼結、放電プラズマ焼結、フレーム溶射、プラズマ溶射、熱間静水圧プレス、冷間静水圧プレス、鍛造焼結、レーザ核融合、プラズマ核融合、および他の溶融ベースのプロセスのうちの、少なくとも1つの方法を使用して形成されてもよい。熱伝導性のルミネッセンス素子60は、単結晶、多結晶、アモルファス、セラミック、または無機物の溶融複合材料であってもよい。一例として、一緒に混合されたアルミナおよびセリウムドープYag粉末100グラムが、容器に入れられる。粉末のボリューム内で溶融ボールを形成するために、2Kwのファイバレーザを使用して、粉末を一緒に溶融する。このように、粉末は、容器壁からの任意の汚染を排除する溶融ボールのための、るつぼとして機能する。ファイバレーザの使用は、ビームのサイズに応じて約4秒で溶融物の形成を可能にする。まだ溶融状態にある間に、任意で、ボールを、SiCプラテン間でプレートにすることができる。溶融ボールは直径10mmより大きいことが最も好ましく、これにより、二次加工のための溶融材料として十分な作業時間を可能にする。半透過の熱伝導性のルミネッセンス素子60を形成するために、真空焼結、雰囲気焼結、または熱間静水圧プレスを用いて、プレートをさらに処理することができる。ファイバレーザベースの溶融加工の使用は、発光性酸化物、窒化物、および酸窒化物を形成するための好ましい方法であり、ホットプレスまたは真空焼結と比較してエネルギーコストを低減する方法である。レーザベースの溶融プロセスの間の、真空、酸素、水素、アルゴン、窒素、アンモニアを含む制御雰囲気の使用が開示されている。ファイバレーザが好ましいが、熱伝導性のルミネッセンス素子60を形成するために、粉末塊内の溶融塊を形成するために、局部的な化学線を使用することが開示されている。
図3Bは、少なくとも1つのLED64上に取り付けられた少なくとも2つの熱伝導性のルミネッセンス素子62および63からなる自冷式光源を示している。この場合、熱放射64および光放射65の両方が、LED64の両側から拡散され、抽出されることができる。すべての場合において、複数LEDは、並列、直列、反並列、および適切な電気配線を有する3つのすべての組み合わせを可能にする。この場合、光放射65を、デバイスの両側で実質的に同様または異なるものとすることができる。一例として、熱伝導性のルミネッセンス素子62をEFGボトルによって形成された1mm厚の単結晶のセリウムドープYAGとすることができ、後で、19mm×6mmのウエハにスライスされる。スライス面は、高い屈折率のCe:YAG材料からのCe:YAG放射の抽出を高める。あるいは、熱伝導性のルミネッセンス素子63は、プレスされ焼結された、Mnをドープしたストロンチウムチオガレートの熱融着層と、ガラスフリットマトリックス内のEuをドープしたストロンチウム硫化カルシウムの層とを有する半透明の多結晶アルミナであってもよい。このようにして、多様な光放射スペクトルを作成することができる。
この特定の場合では、デバイスの両側が、わずかに異なるスペクトルを放射することになる。一般に、不透過性な反射体が、熱伝導性のルミネッセンス素子62と63との間に配置されている場合を除いて、このデバイス内に重要なスペクトルの混合が存在することになる。この構成を、街灯、ウォールウォッシャー、シャンデリア、および他の照明器具に使用することができ、ここで、光放射65の実質的な部分は、2つの別個の方向に発生することが必要とされている。BEF、マイクロオプティクス、サブ波長素子、フォトニック構造のような指向性素子は、熱伝導性のルミネッセンス素子62および/または63のいずれかの光放射65に多かれ少なかれ指向性を加える。
別の例では、一方または両方の熱伝導性のルミネッセンス素子62および/または63のルミネッセンス特性を向上させるために、セリウムドープYAGは、溶射、HVOF、またはプラズマ溶射、およびその後に必要に応じて、アニール、放電プラズマ焼結、マイクロ波焼結、またはHIPされることによって形成される。少なくとも1つのInGaNのLEDおよび少なくとも1つのAlInGaPのLEDが、少なくとも1つのLED64に使用される。
さらに別の例では、高純度の酸化アルミニウムが、半透明反射体を形成する熱伝導性のルミネッセンス素子62のための少なくとも1つのLEDダイ64上に直接フレーム溶射される。フレーム溶射された酸化アルミニウムの放射率は、一般に0.8であり、その表面からの放射冷却を向上させることができる。熱伝導性のルミネッセンス素子63は、スカルメルト法によって形成され、0.1%〜2%のセリウムドーピング濃度を有する領域で、0.7mm厚で面積0.5インチ×1インチのウエハにスライスされた、単結晶Ce:YAGである。この場合、熱伝導性のルミネッセンス素子62は、必ずしもルミネッセンス材料を含む必要はなく、LED64および熱伝導性のルミネッセンス素子62の両方により生成された熱のための拡散反射体および熱拡散素子として機能する。LED64を熱伝導性のルミネッセンス素子62に直接埋め込むことにより、ピックアンドプレース、ダイアタッチメントプロセスおよび材料を排除し、不要な界面を排除することにより熱伝達64と光放射65の両方を最大化することが可能である。付加的なルミネッセンス材料と不透過性反射体を、熱伝導性のルミネッセンス素子62または63のいずれかの内部に配置するかまたはその上にコーティングすることができる。ポケットまたは埋め込み型のダイは、インクジェット、シルクスクリーン印刷、シリンジ分注、およびリソグラフィ手段を含むプリント技術によりダイを陥凹させることができるが、これに限定されない。
図3Cは、追加の冷却手段71および73に熱伝導経路74および79を提供する2つの熱伝導性のルミネッセンス素子72および74を示している。この場合には、熱熱伝導性のルミネッセンス素子72および74は、熱放射76および光放射77を可能にし、また、熱伝導経路74および79を提供する。また、追加の冷却手段71および73は、図2に既に開示された配線手段を介してLED75に電気的接続を提供することができる。1つまたは複数の追加の冷却手段71および73は、デバイスが放散することができる熱の量をさらに高める。一例として、一般的な自然対流係数は20W/m2/kであり、Ce:YAGは、室温付近で放射率0.8を有する。銀の厚膜配線トレース上に半田付けされた4つのダイレクトアタッチLED75を有する2つのCe:YAG72および74から構成される自冷式光源は、約2.3cm2の表面積を有し、このCe:YAGは1/4インチ×1/2インチ×1mm厚の片である。表面温度が約100℃、周囲温度が25℃、および放射率が0.8である場合、約500ミリワットの熱の自然対流冷却および放射冷却を使用して、自冷式光源の表面から熱を放散することができる。500ミリワットのうちの350ミリワットの熱が自然対流冷却によって放散され、150ワットの熱が放射によって放散される。一般に、4000Kのスペクトル出力が、300lm/Wの光学効率を有する。固体光源が、電気から光への変換効率50%を有する場合、500ミリワットの熱が生成されるごとに500ミリワットの光学出力が生成される。1/4インチ×1/2インチの固体光源が約100℃の表面温度で動作する条件下で、追加のヒートシンク手段を必要とせずに、150ルーメンを出力することができる。追加の冷却手段71および73を使用することができ、これにより、対流および放射により周囲に熱を伝送することができるように表面積を増加させることによって、この出力レベルをかなり増加させる。例から容易にわかるように、表面積を増加は、放散することができる熱の量に正比例する。また、電気から光への変換効率は、生成される熱の量に非常に影響を与えることは明らかであり、これは本発明の重要な特性である。従来のLEDパッケージとは異なり、この自冷式固体光源内で生成された光は、デバイスの両側から抽出される。図示のような等方性の抽出は、ランバート抽出よりも論理的に20%高い効率を有する。また、この手法を用いると、熱伝導率が10W/mKより高い場合に、LED75の接合部と熱伝導性のルミネッセンス素子72および74との間の温度差を非常に小さくすることができ、LED75は、周囲の熱伝導性のルミネッセンス素子72および74に対し低熱抵抗であるように取り付けられている。また、冷却手段71および73は、デバイスが異なる外部電源に正しく接続することができるように、物理的に異なっていてもよい。一例として、冷却手段71はピンであってもよく、冷却手段73は、重要な電気配線が形成されるようなソケットであってもよい。あるいは、冷却手段71および73は、外部電源の取り付けを可能にする磁石を含んでもよい。さらにより好ましくは、磁石は、重要な電気配線を形成することができるように、異なる極性を有する。追加の冷却手段71および73は、非限定的に、ヒートパイプ、金属、ガラス、セラミック、窒化ホウ素繊維、炭素繊維、熱分解グラファイト膜、および熱伝導性複合材料を含むことができる。一例として、BNNT社によって提供されるような窒化ホウ素ナノチューブ繊維が、固体シートを形成するために、プレス、冷間静水圧プレス、温感静水圧プレス、および/または熱間静水圧プレスを使用して、剥離した窒化ホウ素フレークでプレスされて、熱的に配線されたスケルトンマトリックスを形成する。窒化ホウ素ナノチューブ繊維は、連続的な熱マトリックスが形成されるように、窒化ホウ素フレークを配線し、窒化ホウ素フレークの表面に結合する。次いで、得られたスケルトンマトリックスに、非限定的に、ポリシラザン、ポリシロキサン、ガラス、シリコーン、および複合材料を形成するための他のポリマー材料を含む、ポリマーまたはポリマーセラミック前駆体を注入することができる。あるいは、窒化ホウ素ナノチューブ繊維は、糸に形成され、布またはフェルトに織られ、次いで熱伝導性の複合材料を形成するために注入されてもよい。代替で、熱伝導率の高い炭素繊維およびフィルムを用いることができるが、窒化ホウ素は、炭素ベースの手法と比較して低い光吸収性のために好ましい。あるいは、吸収損失を低減し、光源からの光をリダイレクトするだけでなく、追加の冷却を提供するために、炭素ベースの追加の冷却手段71および73は、反射層を含んでもよい。また、追加の冷却手段71および73は、熱伝導性のルミネッセンス素子72または74の隣接するエッジ間で、またはこのエッジから放射する光放射77を拡散、反射、または吸収することができる。このように、デバイスのファーフィールド放射を、強度およびスペクトルの両方の観点から調整することができる。追加の冷却手段71および73の熱抵抗が低ければ、追加の冷却手段71および73を用いて表面の冷却面積を倍増することで、ルーメン出力をおおよそ倍増する。
図4Aは、熱伝導性のルミネッセンス素子83内に埋め込まれた少なくとも1つのLED85を示している。熱伝導性のルミネッセンス素子83は、陥凹したLED85を可能にするに十分に深い凹部を有する半透明の多結晶アルミナTPAを形成するために、当該技術分野で知られているような酸化アルミニウムのプレス焼結を介して形成されていてもよい。ルミネッセンスコーティング84は、熱伝導性のルミネッセンス素子83に形成されたポケット内にのみ実質的に存在し得るか、または熱伝導性のルミネッセンス素子83のすべての表面を実質的に覆っていてもよい。代替で、単結晶、多結晶またはアモルファスの蛍光体、断片、プレート、ロッド、および粒子を、熱伝導性のルミネッセンス素子83内に、またはその上に、融着または接合させることができる。このようにして、熱伝導性のルミネッセンス素子81を高熱伝導性に維持しながら、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えることができる。
一例として、単結晶のYAG片がTPAポケットの底部に光学的および熱的に溶着されるように、1mm×1mmで300ミクロン厚の単結晶Ce:YAG片を、TPAのプレス焼結されたプレートに形成された1.1mm×1.1mm×500ミクロンの深さのポケットに融着接合させ、次いで1700℃で10時間、真空で焼成することができる。LED85を、その後、ポケットの残りの深さに接合させて、局所的に単結晶のCe:YAG片を励起するために使用することができる。依然として高熱伝導性に維持しながら、LED85および単結晶のCe:YAG片からの組み合わさった光放射が、プレス焼結されたTPAによって拡散され抽出され得る。
代替で、ガラスフリット、ポリシロキサン、ポリシラザン、および他の透明バインダ中のルミネッセンス粉末が、ルミネッセンスコーティング84を覆うことができる。特に、ルミネッセンス粉末、フレーク、ロッド、繊維、およびこれらの予備硬化物を有するポリシラザンや、結合剤のようなルミネッセンスコーティング84中の高温バインダを、熱伝導性のルミネッセンス素子83と少なくとも1つのLED85との間に配置することができる。
高い可視スペクトル透過率、低屈折率、高熱伝導率、およびネットシェイプや最終的な形状のための低処理コストを有する材料は、熱伝導性のルミネッセンス素子83のための好ましい材料である。これらの材料は、非限定的に、TPA、スピネル、石英、ガラス、ZnS、ZnSe、ZnO、MgO、AlON、ALN、BN、ダイヤモンド、およびキュービックジルコニアを含む。特に、プレス焼結によって形成されるスピネルおよびTPAは、ネットシェイプ部分の製造を低コストにする。コーティングまたは接合した素子のいずれかとしてルミネッセンス素子を有する、当該技術分野で知られている透明な歯科用ブレースに見られるような、TPA部分を形成するために使用される技術により、熱伝導性のルミネッセンス素子83を作成することができる。
熱伝導性のルミネッセンス素子83内に陥凹されたLED85を用いて、プリントおよびリソグラフィ方法を使用することができ、これにより、外部電源および/または他のLEDもしくはデバイスに少なくとも1つのLED83を電気配線する。ワイヤボンディングとは異なり、この手法はLEDを配線するロープロファイルメソッドを作成し、これにより、複数のスティックの組立を容易にし、コストを削減する。
一例では、熱伝導性のルミネッセンス素子83を形成するために、LED85は、スピネルの1mm厚のウエハでレーザアブレーションによって形成されたポケット内に接合される。この例では、スピネルは、ルミネッセンス素子または特性を含んでも含まなくてもよい。波長変換の大部分は、ルミネッセンスコーティング84および/または追加のルミネッセンスコーティング82を介して、LED85の周りに局所的に発生する。これにより、必要なルミネッセンス材料の量が最小限に抑えられ、依然として、ルミネッセンス材料の周囲への低熱抵抗を可能にする。また、図4には片側のみが示されているが、冷却ならびにLED85および光源内の任意のルミネッセンス素子からの光分布を向上させるために、光源を、別の光源、ヒートシンク、別の透過性/半透過性の熱伝導性素子に接合することも可能である。LED85は、0.1%〜2%ドープした10ミクロン未満の粒径を有するCe:YAG粉末を含むポリシラザンを用いて、ポケット内に接合される。
透過性/半透過性の誘電体層81は、コンタクトパッド87および86を除く、少なくとも1つのLED85上にインクジェットプリントされる。LED85がTCOベースのコンタクトを使用する場合、TCOの少なくとも一部は、電気的接触を可能にするために、透過性/半透過性の誘電体81によって覆われていない。任意で、追加のルミネッセンスコーティング82を少なくとも1つのLED85にプリントまたは形成することができ、これにより、追加の波長変換およびデバイスからのより均一なスペクトル分布を作成することを可能にする。次いで、透過性/半透過性の誘電体81の硬化前または硬化後のいずれかに、配線80および88を適用することができる。ポリシラザン、ポリシロキサン、ガラスフリット、スピンオンガラス、および有機コーティングは、透過性/半透過性の誘電体81の例であり、好ましくは、コーティングは、300℃より高い温度で透過性を維持することができる。ルミネッセンス素子の有無にかかわらずポリシラザンを含有する配合組成は、追加のルミネッセンスコーティング82、透過性/半透過性の誘電体82、およびルミネッセンスコーティング84のための好ましい材料である。好ましいルミネッセンス素子は、粉末蛍光体、量子ドット、蛍光染料(例えば、Eljen Technologies製の波長シフタ染料)や、ルミネッセンスのフレークおよび繊維である。
LED85への電気的接続は、横型LEDの設計のための配線80および88を介している。高精度の銀の導電性インクのインクジェットプリントおよび/または厚膜銀のスクリーンプリントが、配線80および88を形成する。一例として、LED85用のポケットまで熱伝導性のルミネッセンス素子83上に、厚膜銀ペーストをスクリーン印刷して、焼成する。LED85の短絡を防ぐための方法で、コンタクト87および86だけが露出したままであり、透過性/半透過性の誘電体81がLED85の残りの露出面および熱伝導性のルミネッセンス素子83の少なくとも一部を覆うように、透過性/半透過性の誘電体81はインクジェットプリントされるが、それでも、前の段階で適用された厚膜銀ペースト導体へのアクセスを可能にする。透過性/半透過性の誘電体81および、任意で追加のルミネッセンスコーティング82の硬化後または硬化前に、導電性インクがインクジェットプリントされて、コンタクト86および87に事前に適用された厚膜銀導体を接続する。この手法を用いて、依然とし低抵抗導体を可能にしながら、画像認識と位置合わせ機能を備えたインクジェットシステムの可用性に起因して、位置合わせの問題を克服することができる。一般に、導体のインクジェットプリントは非常に正確であり、50ミクロン以下の線幅でプリントされることができるが、厚さは、通常、長い行の電流搬送能力を制限する、10ミクロン未満に制限されている。この手法を用いて、50ミクロンを超える厚さとすることができる厚膜銀導体を、電流の大部分を運ぶために使用することができ、その後、短絡したインクジェットプリントのトレースを、厚膜銀導体とコンタクト87および86との間の接続をステッチするために使用することができる。この手法を用いて、金のワイヤボンディングを排除することができる。
環境的および/または電気的にデバイスを絶縁するために、透過性/半透過性の保護膜89が、配線80および89ならびに/または透過性/半透過性の誘電体81、追加のルミネッセンスコーティング82、熱伝導性のルミネッセンス素子83の少なくとも一部の上に適用され得る。LEDダイ85上の保護障壁層をLED製造中に形成することができ、これにより、透過性/半透過性の誘電体層81の必要性を容易にするか、あるいは排除して、それぞれコンタクト87および86上への配線89および88の直接プリントを可能にする。触媒インクおよび/または浸漬めっきの技術は、配線89および88のための厚い/低抵抗のトレースの形成を可能にし、厚膜プリントの必要性を排除し、配線全体ためのインクジェットプリントの使用を可能にする。透過性/半透過性の保護膜89に好ましい材料は、ポリシラザン、ポリシロキサン、スピンオンガラス、有機物、ガラスフリット、およびフレーム、プラズマ、HVOFコーティングを含むが、これに限定されるものではない。スピンオンガラスおよび/またはCMPに基づく平坦化技術を、透過性/半透過性の保護膜89に使用することができる。非限定的に、粉末、フレーク、繊維、および量子ドットを含むルミネッセンス素子を、透過性/半透過性の保護膜89、透過性/半透過性の誘電体81、および追加のルミネッセンスコーティング82に組み込むことができる。ルミネッセンス素子を、空間的にまたは均一にこれらの層に分散させることができる。
図4Bは、ルミネッセンス層91が抽出素子を含む透過性/半透過性素子90上に形成されている光源を示している。透過性/半透過性素子90を、サファイア、キュービックジルコニア、YAG(ドープとアンドープ)、ZnO、TAG(ドープとアンドープ)、石英、GGG(ドープとアンドープ)、GaN(ドープとアンドープ)、AIN、酸窒化物(ドープとアンドープ)、オルトシリケート(ドープとアンドープ)、ZnS(ドープとアンドープ)、ZnSe(ドープとアンドープ)、およびYAGG(ドープとアンドープ)のような単結晶材料、多結晶材料、ならびにガラス、セラミックYAG(ドープとアンドープ)、ALON、スピネル、およびTPAのようなアモルファス材料とすることができるが、これに限定されない。一般に、ベルヌーイ、EFG、HEM、チョクラルスキー、CVD、熱水、スカル、およびエピタキシャル手段を介して成長させた単結晶材料を、透過性/半透過性素子90とすることができる。
ルミネッセンス層91は、透過性/半透過性素子90に直接に形成されてもよく、別々に形成されて、その後に透過性/半透過性素子90に接合されてもよい。フレーム溶射、プラズマ溶射、およびHVOFの技術は、ルミネッセンス層91と、透過性/半透過性素子90のいずれかまたは両方を形成することができる。光源は、可視スペクトル全体で10cm-1未満のアルファを有する透過性/半透過性素子90、および400nm〜1200nmで発光する少なくとも1つのルミネッセンス素子を含むルミネッセンス層91を有することができる。ルミネッセンス層91は、透過性/半透過性素子90と0.2以下異なる屈折率を示すことができる。LED99は、InGaN、AlInGaP、ZnO、BN、ダイヤモンド、またはInGaN、AlInGaP、ZnO、BN、もしくはダイヤモンドの組み合わせであってもよい。
InGaNとAlInGaPの両方のLEDを、透過性/半透過性素子90とルミネッセンス層91および/またはセリウムドープYAGを含む追加のルミネッセンス層98と組み合わせてLED99のために使用することができ、透過性/半透過性素子90は、サファイア、スピネル、石英、キュービックジルコニア、ALON、YAG、GGG、TPA、またはZnOのうちの少なくとも1つから構成されている。585〜680nmで発光する追加の赤色蛍光体を、ルミネッセンス層91および/または追加のルミネッセンス層98内で使用することができる。これらの素子が、実質的に黒体曲線上にある6500K〜1200Kの平均色温度で発光する自冷式光源を形成するのは、本発明の好ましい実施形態である。自冷式光源は、実質的に黒体曲線上にある4000K〜2000Kの平均色温度で発光することができる。
色や強度変化がファーフィールドで平均化されるように、複数の自冷式光源を、器具、反射体、光学系または照明器具内で使用することができる。器具、反射体、光学系または照明器具内の3つ以上の自冷式光源が、光源からの6インチよりも遠い距離で均一な照明を作成する。透過性/半透過性の誘電体層93は、インクジェットプリント、シルクスクリーンプリントされてもよいし、リソグラフィ手段で形成されてもよいし、可視スペクトル全体で10cm-1未満のアルファを示してもよい。配線95および94は、インクジェット、シルクスクリーン、テンプレート、またはリソグラフィ手段を用いてプリントされてもよい。触媒インクおよび浸漬めっき技術は、導体の厚さを増加させ、それによって抵抗率を低減させる。配線95および94のための、500ミクロン未満のトレース幅と50%より高い反射率を有する銀トレースは、光源内で生成される光の吸収を低減する。本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される、米国特許出願公開第20060284190号明細書に既に開示されているように、LED99上のコンタクト96および97は、横型デバイスに見られるように片側のみにあってもよいし、1つの上部コンタクトと1つの側部コンタクトから構成されてもよい。
図4Cは、熱伝導性のルミネッセンス素子103に実装された、または少なくとも部分的に埋め込まれた、少なくとも1つの縦型LED100を有する自冷式光源を示している。前述のような複合材料、層、単結晶、多結晶、アモルファス、およびこれらの組み合わせを、熱伝導性のルミネッセンス素子103のために使用することができる。この特定の例では、配線101および102が、インクジェット、シルクスクリーン、またはリソグラフィ手段で、熱伝導性のルミネッセンス素子103に直接プリントされて、縦型LED100の側面と接触し得るように、1つの縦型LED100が実装されている。この実施形態では、追加の誘電体が不要になり、本質的に横型デバイスより低いVfを示す縦型LEDデバイスの使用を可能にする。(本出願の譲受人に譲渡され、参照により援用される)米国特許出願第20090140279号明細書に記載されているような基板のないLEDは、LED100の好ましい実施形態である。また、ダイレクト・ダイ・アタッチおよびフリップチップ実装した構成を、LED100のために使用することができる。基板のないLEDの場合、InGaNおよび/またはAlInGaPの縦型LED100は、LED100用のTCOコンタクト104および105を有し、配線101および102は、隣接するTCOコンタクト104および105へのオーミックコンタクトを形成する厚膜銀インクである。このようにして、吸収損失が最小限に抑えられ、LED100を製造するためのリソグラフィ工程の必要性が、排除されるかまたは最小化限に抑えられる。自冷式光源は、配線101および102のための厚膜銀トレースを介して接続されたTCOコンタクト104および105を有する少なくとも1つの縦型LED100を含み、この配線101および102は、熱伝導性のルミネッセンス素子103上のTCOコンタクト104および105に直接接合されている。任意に、ボンディング層106は、実装するため、抽出を改善するため、追加のルミネッセンス材料を組み込むため、またはLED100を熱伝導性のルミネッセンス素子103上にまたはその内部に配置するために使用され得る。
図5は、熱伝導性のルミネッセンス素子のさまざまな形状を示している。図5Aは、実質的に平坦なルミネッセンス素子107を示している。厚さは、ドーパント濃度の関数であるが、一般に、0.02%〜10%のセリウムドーピング濃度で均一にドープしたセリウムドープYAGに対し、厚さの範囲は200ミクロン〜2mmである。効果的な熱拡散を発生させるために、ルミネッセンス素子107の表面領域の0.1W/cm2より高い平均電力密度を十分に扱えるように、熱伝導性のルミネッセンス素子107の熱伝導率は、1W/m/Kより高い必要がある。熱伝導率が低くなる場合、デバイス内部で生成された熱の熱拡散が不十分であるため、自然対流および放射手段によってそれ自体を冷却するための平坦なルミネッセンス素子107の能力が低下する。
図5Bは、非平坦な(半球の)ルミネッセンス素子108を示している。この場合、より高い屈折率の非平坦なルミネッセンス素子108内で導波する、これらの光線のための光抽出を向上させることができる。また、ファーフィールドの強度および波長分布を変更することができる。同じまたは異なる形状の熱伝導性のルミネッセンス素子を有する複数の小さい自冷式光源は、均一または特定のファーフィールドの強度および波長分布を作成する。空気よりも大きな屈折率を有する媒質内で生成された光の抽出は、スネルの法則により全内部反射によって制限される。成形されたルミネッセンス素子108を、ルミネッセンス素子108をエスケープするのに必要な光学線の平均光路長を減少させるために使用することができる。吸収損失が所定の吸収係数(アルファ)で光路長に正比例するので、平均光路長を減少させることは、低減された吸収損失に直接換算される。光学線がルミネッセンス素子108内で生成される空間的位置、ルミネッセンス素子108の屈折率、ルミネッセンス素子108の吸収係数(アルファ)、ルミネッセンス素子108内およびその上でのバルクおよび表面散乱、およびルミネッセンス素子108の幾何学的形状を、抽出効率を最適化するために、当該技術分野で知られているように、すべてモデル化することができる。
図5Cは、実質的に均一な厚さを有する非平坦な(湾曲した)熱伝導性のルミネッセンス素子109を示している。この方法では、ルミネッセンス材料の均一な厚さを維持することによって、抽出を向上させることができる。当該技術分野で知られているような、押し出し、プレス、成形、穿孔、およびフレーム溶射技術が、熱伝導性のルミネッセンス素子のさまざまな形状を製造するために使用されてもよい。
図5Dは、対流冷却を強化し、任意で自冷式光源の発光出力を変更または均質化するために、追加の表面素子を有する非平坦な(矩形鋸歯状の)熱伝導性のルミネッセンス素子110を示している。押し出し、プレス、および成形技術が、熱伝導性のルミネッセンス素子110を形成するために使用されてもよい。
図6Aは、ボンディング層109を介して実装された熱伝導性のルミネッセンス素子107の凹部内に部分的に埋め込まれたLED108を示している。凹部の形成は、レーザ加工、ビーム加工、エッチング(化学的および機械的の両方)、プラズマエッチング、成形、および機械加工手段によって行うことができる。300ミクロン未満の厚さを有する部分的に埋め込まれたLED108には、基板のないLEDが使用されてもよい。部分的に埋め込まれたLED108を熱伝導性の波長変換素子107に埋め込むことによって、2つの素子間の熱抵抗を低減することができ、これにより、所定の駆動レベルのためのLEDの接合部温度を低下させる。任意で、部分的に埋め込まれたLEDから熱伝導性のルミネッセンス素子107への発光をさらに接続することができ、これにより、自冷式光源の色温度を変化させる。
図6Bは、ボンディング層111を介して熱伝導性のルミネッセンス素子110上に接合された少なくとも1つのLED112を示している。この場合、ボンディング層111は、LED112の発光波長に対して1W/m/Kより高い熱伝導率、および10cm−1未満のアルファを示すべきである。
図7は、TCOコンタクトベースのLEDのためのさまざまなプリントされたコンタクトを示している。図7Aは、p層117上のTCO層114上の上部銀ペーストコンタクト113からなる縦型LEDを示している。活性領域116は、p層117とn層115との間にあり、このn層115は、TCOコンタクト118と下部銀ペーストコンタクト119で覆われている。基板のないLEDは、p層117、活性層116、およびn層115から構成された基板のないLED構造でのTCOコンタクト層114および118の両面の成長を可能にする。厚膜高温銀ペーストコンタクト113および119は、TCOコンタクト114および118を有するLEDにプリントされ、さまざまな雰囲気で200℃より高い温度で焼成されることができ、低い光吸収率の、低いVfの、実質的にリソグラフィフリーのLEDデバイスを形成する。
図7Bは、プリントされた/インクジェットプリントされたコンタクト120および125を有する横型デバイスを示している。すべての場合において、n層へのオーミックコンタクトは、妥当なオーミックコンタクトを形成するために、中間のTCO層を含んでも含まなくてもよい。図7Bでは、TCO122は、p層123上に成長している。活性層124は、p層123とn層125との間にある。TCO122は、0.003オームcm未満の抵抗と1000オングストロームより大きい厚さを有する、CVDによって成長したドープZnOである。プリントされたエッチングマスクは、n層125までの工程のエッチングを可能にする。一例として、AlInGaPのLEDのエピ層は、GaAs上に成長してもよい。p層123上にTCO122を有する横型デバイスを形成するために、ウエハをエッチングし、パターン化することができる。プリントされたコンタクト120および125は、TCO122およびn層125の上に形成される。Vfをさらに低減するために、任意で追加のTCO層をn層125から形成してもよい。また、ダイレクト・ダイ・アタッチ・ダイを作成するために、プリントされたコンタクト120および125に共晶半田層を追加することが、開示されている。好ましい実施形態では、AlInGaPのLEDのエピ層は、当該技術分野で知られているAlInGaPとGaAs基板との間の犠牲エッチング層を用いた化学エッチングによって除去される。本願として本出願の譲受人に譲渡され、本明細書に参照により援用される、米国特許第7592637号、第7727790号、第8017415号、第8158983号、および第8163582号明細書、ならびに米国特許出願第20090140279号および第20100038656号明細書に開示されているように、得られたダイレクト・アタッチ・ダイは、GaN基板に接合された追加のウエハであってもよい。
図7Cは、上部コンタクト126ならびに側部コンタクト132および130を有するプリントされたコンタクトを示している。ここでも、TCO127はp層128への低抵抗の透過性のオーミックコンタクトを形成し、活性領域129は、p層128とn層130との間にある。側部コンタクト131および132は、n層130の側壁と接触している。N層130は、10ミクロンより大きい厚さである。さらに好ましくは、n層130の厚さは、50ミクロンより大きく、250ミクロン未満である。
図8は、単一の自冷式光源のファーフィールド分布を変化させるさまざまな方法を示している。図8Aでは、LED136の屈折率、形状、および間隔、波長変換素子133および135、ならびに接着材料137が、光源のファーフィールド分布を決定することになる。ファーフィールド分布は、光学線が出る場所、光学線の量、光学線の方向、および単一の自冷式光源上の特定の空間点を出る光学線のスペクトルによって決定される。図8は、さまざまな反射体、散乱素子、およびディフューザを示しており、これらが、光源から放射される光線の、場所、量、方向、およびスペクトルを変更する。2つの波長変換素子133および135が示されているが、LED136を実装するために1つまたは複数の波長変換素子を使用することができる。複数LED136を、1つの波長変換素子133の1つまたは複数の表面に実装することができる。これらのパラメータに基づいて、放射線は、構造体または光源内に導かれた光から放出されることになる。加えて、エッジ素子134もまた、デバイスの外のファーフィールド分布を変更することができる。エッジ素子134およびボンディング材料137は、半透過性、透過性、不透過性、および/または発光性であってもよい。エッジ素子134およびボンディング材料137のための透明マトリックス内のルミネッセンス粉末は、ファーフィールドの強度分布だけでなく発光スペクトルも変更することができる。
図8Bは、自冷式光源の端部全体がマトリックス138内の散乱素子139で実質的に覆われている自冷式光源を示している。また、散乱素子139およびマトリックス138は、自冷式光源のエッジだけでなく、自冷式光源の他の表面の実質的な部分も包含するように延びていてもよい。このように、自冷式光源のすべての面から放射された光を、ファーフィールドの強度分布を変更するためにリダイレクトすることができる。散乱素子139のためのルミネッセンス材料は、自冷式光源によって放出されたスペクトルの少なくとも一部により励起される。
図8Cは、金属、拡散散乱体、誘電体ミラー、および/または半透明材料から構成されるエッジ方向転換素子140を示しており、これにより、LEDまたは波長変換素子内で生成される光の少なくとも一部が、光線141で示すようにリダイレクトされる。
図8Dは、半透過性、部分的に不透過性、偏向性、および/または発光性とすることができる、外側コーティング142を示している。ファーフィールドの強度、偏光、および波長分布を、ニアフィールドおよびファーフィールドの両方において修正することが可能であり、空間情報を、自冷式光源に加えることができる。一例として、赤色波長が、ろうそくの炎の先端付近でより容易に放出され、青色波長が、ろうそくの炎のベース付近でより容易に放射されるような、ろうそくの炎と同様の形状を有する自冷式光源が、スペクトル可変の外側コーティング142を有していてもよい。このように、ろうそくの炎の空間的な分光特性をより密接に一致させることが可能である。この技術を用いて、追加の光学素子を必要とせずに、多様な装飾的な光源を形成することができる。
別の例では、外側コーティング142を、アルミニウムのような反射性コーティングから構成することができ、その中に開口部がエッチングまたは機械的に形成される。より具体的には、太陽光可読表示灯を、警告、緊急、または警戒の指標として、この技術を用いて形成することができる。外側コーティング142内に円形偏光板を使用することにより、太陽光の読み取りを向上させることができる。あるいは、外側コーティング142を、直接表示され得るかまたは外部の光学系によって表示され得る横断歩道のシンボルを示すためにパターン化することができ、これにより、横断歩道や他の交通関連の用途のための超小型警告サインを作成する。別の例では、700nmより大きい波長に対して自冷式光源の放射率が高められるように、外側コーティング142は、スペクトル選択的な放射率のコーティングから構成されてもよい。自冷式光源の赤外線および遠赤外線放射率を高めることによって、より効率的な光源を実現することができる。図3の例で前述したように、放射冷却は、自冷式光源の冷却のかなりの割合を表している。自冷式光源の表面からの冷却を最大にするために、外側コーティング142に高放射率のコーティングが使用されることが好ましい。0.5よりも大きな放射率を有する外側コーティング142が最も好ましい。最高表面温度に依存して、放射冷却は、光源の放熱の20%〜50%を表すことができる。
図9Aは、媒体143内の光学デバイスのダイ成形の使用を示している。一例として、LED145は、媒体143内に埋め込まれた活性領域146を含んでいる。当該技術分野で知られている光線トレーシング技術を用いる場合、媒体143に伝送される放射線の量を最大にする最適な角度144が存在する。一般に、半導体材料は、高い屈折率を示し、これにより、LED145内で光トラッピングをもたらす傾向がある。図9Aに示すように、最適な角度144は、活性領域146の範囲を定める。
あるいは、図9Bは、表面149、148、および147を示しており、これらは、非正方形または非長方形のダイを形成しながら非直交であってもよい。これらの両方の場合において、LED150内でトラップされた光は、より効率的にダイをエスケープすることができる。ダイ成形の両方の形態を一緒に使用することが好ましい。抽出効率を高めるために、波長変換素子内に埋め込まれたLED150のために非長方形の形状を用いることは、本発明の好ましい実施形態である。
図10Aは、波長変換素子151内のLED152および154の実装方法とボンディング層153および155の使用を示している。ボンディング層153および155は、LED152および154を波長変換素子151の少なくとも1つの表面に、熱的、光学的、および機械的に取り付ける。LED152は、波長変換素子151内に少なくとも部分的に埋め込まれ、これにより、エッジと表面の両方が、ボンディング層153を使用してLED152によって波長変換素子151内に放出される放射線を接続することが可能になる。あるいは、LED154は、ボンディング層155を使用して、波長変換素子151の表面に実質的に接合されている。波長変換素子151が、ウエハ接合、融着接合、または溶融接合を用いて、LED154および152に直接接合可能である場合、ボンディング層55および153が省略されてもよい。
図10Bは、波長変換素子の一般的な透過スペクトル157を示している。青色発光156は、波長変換素子によって吸収され、その後、より長い波長で再度放射されている。赤色発光158は、一般には強く吸収されず、そのため、波長変換素子151が単に導波路であるかのように挙動する。実質的に任意の色の光源を、波長変換素子151内の青色および赤色LEDの適切な組み合わせを適切に選択することによって実現することができる。波長変換は、好ましい実施形態であるが、図10Bは、波長変換素子151が発光することを必要としない自冷式光源を示している。赤色の自冷式光源の場合には、波長変換素子151は、波長変換なしで、LEDを光学的に分散させ、熱的に冷却するために使用されてもよい。あるいは、UV反応性のルミネッセンス材料を、UV LED164または165を有する波長変換素子162に使用することができる。透過スペクトル157は、より短い波長にシフトされ、これにより、蛍光灯光源に見られるように、ホワイトボディ色を呈する自冷式光源を形成することができる。ただし、この波長シフトは、より大きなストークスシフトによる損失によって多少低下した効率によって、相殺される。
図11は、色調整可能な自冷式光源を示しており、この光源は、電気配線168を有する少なくとも1つの波長変換素子162、少なくとも1つの青色LED164、少なくとも1つの赤色LED163、ならびに駆動電子装置165、166、および167を含んでいる。電気配線168は、厚膜プリントされた銀インクである。3つの別々のピン159、160、および161は、赤色LED163からの青色LED164の独立した制御を提供する。ピン159、160、および161を、キーイングを可能にするように物理的に成形することができ、これにより、自冷式光源が外部電源に適切に接続されていることを確実にする。ピン159、160、および161は、実質的に、波長変換素子162の同じ側に示されているが、代替のピン構成の使用は、本発明者らにより予想されている。一般に、外部電気配線を図11に示すピン159、160、および161によって、または非限定的に、波長変換素子162上の、またはこれに接続された、フレックス回路や、電気トレースを含む剛性素子、同軸線、シールドおよび非シールドツイストペア、およびエッジ型コネクタを含む代替の配線手段によって達成することができ、これは、本発明の実施形態である。また、波長変換素子162内のフィードスルーは、機械的、化学的エッチング、レーザ、水噴射、または波長変換素子162の任意の面での任意の前述の電気配線素子に外部配線を形成する他のサブトラクティブ手段によって形成され得る。駆動電子装置165、166、および167は、抵抗、キャップ、およびインダクタによる能動素子および受動素子の両方から構成され得る。このように、光源を励起するために、さまざまな外部駆動入力を使用することができる。一例として、電流源のチップは、波長変換素子162上に実装され、ピン159、160、および161を介して外部電圧源に接続されてもよい。また、当該技術分野で知られているように、典型的な電流源のチップは、電流源チップに流れる電流を設定する外部抵抗を有することができる。外部抵抗は、波長変換素子162に実装されてもよいし、または光源の外側にあり、ピン159、160、および161を介して電流源チップに接続されてもよい。光源内の機能性が増すにつれて、ピンの数を増やすことができる。集積回路を、駆動電子装置165、166、および/または167のために使用することができる。また、波長変換素子162はまた、LED164および165だけでなく駆動電子装置165、166、および/または167も実質的に冷却する。ピン159、160、および161を、光源の発熱素子から熱を除去するために使用することができる。波長変換素子162は発光性であり、光拡散および自冷式光源内の発熱素子の冷却を提供する。この場合には、UV、紫色、シアン、緑、黄、オレンジ、深い赤色、および赤外線を含む、追加の波長のエミッタが添加され得るが、これに限定されない。
図12は、複数LED171を駆動することができる埋め込まれたアクティブドライバ172を有する自冷式光源を示しており、これらのすべては、実装されて、波長変換素子169によって実質的に冷却される。入力ピン170は、アクティブドライバ172に電力入力を提供するだけでなく、出力も提供することができ、この出力は、非限定的に、光源の温度、周囲の温度、光出力レベル、動き検出、赤外線通信リンク、および調光制御を含む。既に開示されたように、波長変換素子169の透過スペクトルは、より長い波長の低吸収を可能にする。赤外線/無線エミッタとレシーバを、埋め込まれたアクティブドライバ172に統合することができるため、自冷式光源は、部屋、建物、または屋外でのコンピュータ、テレビ、無線デバイスのための通信リンクとしての役割を果たすこともできる。この統合により、追加のワイヤリングやデバイスが不要になる。
図13Aは、LED177のための冷却通路に加えて、波長変換素子173および174から熱178を抽出するための追加の熱伝導経路としての、電気的コンタクト174および175の使用を示している。LED177は、ダイレクトアタッチまたはフリップチップであってもよく、横型、垂直、またはエッジコンタクトのダイであってもよい。一例として、電気的コンタクト174および175は、波長変換素子173と174との間に挟まれた厚さ0.3mmの錫めっきアルミニウム板から構成されてもよい。このように、LED177だけでなく波長変換素子173および174のための電気入力と追加の冷却手段の両方を実現することができる。
図13Bは、ロッド状の波長変換素子182内のLED180を有するロッドベースの光源を示しており、ここで、熱181は、コンタクト178および179への伝導によってさらに抽出される。代替で、所望の強度、偏光、および波長分布を作成するために、半球、ピラミッド、および他の非平坦な形状や断面が、波長変換素子182のために使用されてもよい。断面や球形およびピラミッド形などの他の形状は、体積に対する表面積の比率を最大化するため、材料の可能な最小量を使用しながら、波長変換素子182の表面からの対流冷却および放射冷却が最大化される。一例として、コンタクト178および179は、非限定的に、接着、機械的、半田付け、またはろう付け手段を含む接合方法によって、波長変換素子182に熱的に接合された2mmの銅製ヒートパイプから構成されてもよい。このようにして、追加の冷却が実現され得る。LED180は、表面上または波長変換素子182の内側に実装されてもよい。一例として、LED180は、2つの半球状の波長変換素子182の平坦な表面に実装されてもよい。この2つの半球状の波長変換素子182は、波長変換素子182内に埋め込まれたLED180を有する球状の自冷式光源を形成するために一緒に接合されている。あるいは、LED180は、LED180によって生成される光が一般に半球状の波長変換素子182に接続されるように、半球状の波長変換素子182の球面上に実装されてもよい。任意で、LED180によって放射される光が半球状の波長変換素子182によって発光性のボンディング層上に効果的に接続されているように、半球状の波長変換素子182の平坦な表面は、追加のルミネッセンスコーティングを有していてもよく、このボンディング層は、LED180および半球状の波長変換素子182の裏側の任意のルミネッセンス素子の両方によって放射される光を、反射し、透過し、変換し、または他の方法で放射する。この手法の利点は、LED180が波長変換素子の冷却面付近に実装されていること、高温での混合が可能であること、およびボンディング層が、波長変換素子182にどの程度一致しているかによって光源の角度分布を制御することができること、である。2つの半球状の波長変換素子182を一緒に接合することにより、外部に実装されたLED180を有する球形の光源を形成する。
図14は、少なくとも2つの熱的および/または光学的に分離された区域を有する自冷式光源を示している。LED184を含む導波路183は、導波路186とLED187から障壁185を介して光学的および/または熱的に絶縁されている。2色光源を形成することができる。あるいは、AlInGaPのような温度感受性のLEDを、温度安定性のInGaNのLEDから熱絶縁することができる。導波路183および186は、ルミネッセンス変換を提供してもしなくてもよい。LED184は、サファイアで作られた導波路183に実装されたAlInGaP(赤色)LEDである。LED187は、単結晶Ce:YAGである導波路186上に実装されたInGaNの青色LEDである。障壁185は、熱伝導率の低いアルミナ鋳造材料である。AlInGaPの効率は、60℃を超える接合部温度に対して40%低下し、一方で、InGaNの効率は、同様の接合部温度に対し10%だけ低下することになる。白色光源は、InGaNの高い全体効率からAlInGaPを熱絶縁することによって実現することができる。この手法を用いて、この2つの部分が異なる表面温度で動作する。InGaNのLED187および導波路186は、より高い表面温度で動作し、一方で、AlInGaPのLED184および導波路183は、より低い表面温度で動作する。
図15は、波長変換素子188に実装された青色LED189およびドライバ190を有する赤色LED192を示している。また、電力線191、193、194、および195と、制御線196も示されている。電源線入力191および出力195を介して利用可能な電圧/電流の流れを制御することによって、赤色LED192が制御線196を介して設定される。一般に、ドライバ190は、定電流源または制御線196を介して制御される可変抵抗器とされよう。前述のように、青色LED189は、一般に、温度に関してより安定したInGaNであり、寿命と駆動レベルが一般的なAlInGaPの赤色LED192より高い。一例として、単独のユウロピウムドープ・ストロンチウムチオガレートでコーティングされたTPA、または、波長変換素子188のためのユウロピウムドープ・マグネシウムガレートのような別のガレートを有する混相が、450nmのLED189によって励起される。また、615nmのAlInGaPの赤色LED192は、ドライバ190と共に波長変換素子188に実装される。熱は、波長変換素子188だけでなく、青色LED189および赤色LED192によって放出された放射線によって拡散される。制御線196は、青色LED189の固定出力に比較して赤色LED192への電流を増加させることによって範囲内の光源の色温度を調整するために使用される。追加のLEDおよび他の発光波長を使用することができる。
図16は、一般的な固体光源のための白色光スペクトルを示している。図16Aは、一般に青色LEDおよびCe:YAG蛍光体によって作成される、高い色温度の低CRIのスペクトル197を示している。一般に、スペクトル198に示すように、追加の蛍光体が、色温度を下げるために、赤色コンテンツをさらに追加するために添加される。ただし、この赤色の添加は、一部の青色と、場合により一部の緑色が吸収されることを必要とし、これにより、全体的な効率を低下させる。
図16Bは、青色LED、Ce:YAG蛍光体、および赤色LEDからの典型的なスペクトル199を示している。スペクトル200に示すように、赤色LEDのスペクトルは、付加的である。一般に、図16の両方の方法は、本発明に記載の自冷式光源を形成するために使用される。
図17は、蛍光体とLEDのスペクトルA、B、C、D、およびEを混合することにより形成された高CRIの白色光スペクトル201を示している。示されたスペクトルを生成するために必要とされるデバイスを冷却、機械的実装、環境的保護、および電気配線することに加えて、スペクトル範囲を、本発明に開示された波長変換素子内で混合、拡散、および変換することができる。一例として、スペクトルBを、440nmの青色発光LEDから得ることができ、その出力の一部が、既に開示されたような500nm〜600nmのスペクトルAを形成するための単結晶Ce:YAGのルミネッセンス素子を励起するために使用される。スペクトルCは、シアン量子ドットから構成されてもよく、これもまた、440nmの青色発光LEDの出力の一部を490〜500nmの波長に変換する。スペクトルAの一部を580nm〜700nmの波長に変換するために、スペクトルDは、おそらく、Eljen−284(Eljen Technologies Inc.)のような波長シフタ染料を使用して作成され、スペクトルEは、おそらく、600〜800nmを発光するAlInGaPである赤色LEDである。また、赤外線エミッタまたは変換器が、通信リンク、セキュリティ、およびナイトビジョン用途のために追加されてもよい。
図18は、導波路とルミネッセンスコーティングのさまざまな形状を示している。図18Aは、ルミネッセンスコーティング202を有する加工された熱伝導性の導波路203を示している。一例として、マイクロレンズアレイは、TPAからプレス焼結され、フレーム溶射によってCe:YAGでコーティングされてもよい。図18Bは、高放射性のコーティング205でコーティングされた、EFG法で形成された単結晶Ce:YAGのロッド204を示しており、このコーティング205は、Ce:YAGtp空気の幾何平均に略等しい屈折率を有し、厚さは300オングストロームより厚い。前述の図3の例では、低い表面温度での放射冷却の重要性が開示されている。この例では、放射冷却は、表面の放射率が0.8を超えている限り、放散される熱の合計の30%までを表すことができる。放射率は、光沢のある金属の非常に低い放射率(0.01)からカーボンブラックの表面の非常に高い放射率(0.98)まで、さまざまである。可視スペクトルにも透過性のある高放射性のコーティング205の使用は、最も好ましい。これらには、ケイ酸塩、ガラス、有機物、窒化物、酸窒化物、および酸化物が含まれるが、これに限定されない。また、高放射性のコーティング205が1W/mKより高い熱伝導率を示すことは、さらに好ましい。高放射性のコーティング205の厚さは、1000オングストローム〜5ミクロンの厚さが好適である。また、高放射性のコーティング205は発光性であってもよい。
図19Aは、自冷式光源206と光学系207を示している。光学系207は、反射性、透過性、半透過性、または不透過性であってもよい。装飾的な手段および指向性手段の両方が、光学系として使用されてもよい。当該技術分野で知られている、放物線、楕円、非結像、および他の光学的構成が、光学系として使用されてもよい。特に、光学系207上のプリズム面素子の使用は、本発明の実施形態であり、ここで、自冷式光源206により放射された光の実質的な部分は、元の方向に直交する方向にリダイレクトされる。光学系207は、光源206からの光の一部を下方向にリダイレクトする。光学系207は、ガラス、単結晶、ポリマー、または他の半透過性/透過性材料から構成され得るが、これに限定されない。着色された半透過性/透過性材料は、特定の装飾的または機能的な外観を作成する。一例として、光源206は、装飾ランプを形成するために、オレンジ色のガラス塊に埋め込まれてもよい。ヒートシンクの必要性を排除することにより、光学設計を非常に簡素化し、より多様な反射体および光学素子を可能にする。
代替で、図19Bは、光源208を上下にスライド210させる、外部可動反射体209を示している。この手法を用いて、下向き光の割合を、拡散照明の量に対して調整することができる。ここでも、ヒートシンクの排除と拡張された光源の形成により、照明器具の光学設計が大幅に簡素化される。
図20は、単一の光源のファーフィールド分布を調整する方法を示している。図20Aでは、ファーフィールド分布の強度および波長の両方を、LED214および216を波長変換素子211内にまたはその上に実装する方法によって調整することができる。LED214は、ポケットまたは凹部が波長変換素子211に形成された中の埋め込み式LED214を示している。この埋め込み式LEDは、透過光線212対導波光線213の比率を、実質的に異なる透過光線217対導波光線218の比率を有する表面実装されたLED216に対して変更する。
図20Bでは、光学系220は、光源219の1つより多い表面からの光を抽出する。この場合、光線221は光線が放射された表面に対して略直交方向にリダイレクトされ、光源219の他の表面からの光線と混合される。光学系220は、プリズム、レンズ、放物線、楕円、非球面、または自由な形状であってもよい。
図20Cは、既に開示されているエッジ方向転換素子224を有する埋め込み式閉塞部226での埋め込み式LED225を示している。光線227および223を、波長変換素子222から略直交方向に向けることができる。
図21Aは、ボンディング層229、電気配線層231、および保護性の誘電体層232を使用して、凹部またはポケット228を含む波長変換素子内に接合されたLEDダイ230を示している。一例として、500ミクロン厚のCe:YAGの単結晶ウエハが、ポケットを有するようにレーザ穿孔され、横型LEDダイ230は、このポケット内に配置され、ポリシラザンを用いて接合されている。ポリシラザンは、少なくとも部分的に硬化されている。ポリシロキサンは、横型LEDダイ230の金属コンタクトパッドだけでなく、すべてを覆うように、インクジェットプリント技術を用いてさらにコーティングされている。露出した横型LEDダイ230の金属コンタクトパッドが電気配線層231を介して電気的に配線されるように、導電性インクは、インクジェット、スクリーンプリント、タンポ、またはリソグラフィ手段によってプリントされるが、これに限定されない。ナノ銀、銀ペースト、および他の高反射性のプリント可能な導電性インク、ペースト、またはコーティングが、好ましい導電性インクである。保護性の誘電体層232は、インクジェット、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットコーティング、ロールコーティング、および蒸発コーティング手段によって適用されるが、これに限定されない。
図21Bは、導波路234の表面に実装されたLED233を示しており、光線の大部分は、この導波路に効率的に接続していない。図21Cは、導波路236内のポケット内の埋め込み式LED235を示している。光学的および熱的に、より多くの接続が導波路236内に存在する。また、埋め込み式LED235の使用は、図21Aに示すような簡略化された配線を可能にする。さらに、LED233または235からのスペクトルの少なくとも一部を変換するために、ルミネッセンスインサート237が使用されてもよい。この場合、より低コストの材料を、導波路234および236のためにそれぞれ使用することができる。一例として、埋め込み式LED235と略同じ面積を有する、0.2%より高いセリウムドーピング濃度を有する、50ミクロン厚の単結晶Ce:YAGのインサートを、プレス焼結されたTPAの導波路内に挿入することができる。このように、熱伝導性素子の利点を実現しつつ、ルミネッセンス材料の量を最小限に抑えることができ、この熱伝導性素子は、導波路、増加した熱冷却面、およびルミネッセンスインサート237またはLED235より広い領域に広がる光を拡散する光学系を含むが、これに限定されない。セラミック、多結晶、アモルファス、複合材料、およびルミネッセンス材料のプレスされた粉末が、ルミネッセンスインサート237に使用されてもよい。1W/m/Kより高い熱伝導率を有する導波路236は、ルミネッセンスインサート237と共に機能することができる。LED235は、LEDの1つまたは複数から構成され、このLEDは、少なくとも1つのルミネッセンスインサート237を有する、1W/m/Kより高い熱伝導率を有する導波路236内のInGaN、AlGaN、および/またはAlInGaPベースのLEDである。
図22は、従来技術のLED照明ストリップを示している。エンクロージャ2202は、一般に、サブマウント2208、LEDダイ2206、および封入レンズ2204から構成されたLEDパッケージを含んでいる。エンクロージャ2202の内部は、反射性である。LEDダイ2206およびディフューザ/レンズ素子2200によって放射される光は、ディフューザ/レンズ素子2200の出力面で空間的に均一な出力を混合および形成するために、個々のLEDパッケージからの光に対して十分な距離を置いて配置されている。熱は、LEDパッケージからエンクロージャ2202を通ってヒートシンク2210に抽出される。一般に、生成された熱の大部分は、ディフューザ/レンズ素子2200を通る、発光の逆方向に移動する。実用的な観点から、LEDパッケージ間の距離は最小距離であり、ディフューザ/レンズ素子2200は、均一性を得るためにLEDパッケージから離れている必要がある。この構成では、ディフューザ/レンズ素子2200は、一般に有機物であり、エンクロージャ2202およびヒートシンク2210は、充填された有機物であってもよい。特に、ディフューザ/レンズ素子2200は、火炎への曝露下で可燃性であるアクリルまたはポリカーボネートである。残念ながら、当該技術分野で知られている火炎拡散および煙を低減させる技術は、これらの材料の光透過率および光吸収損失にマイナスの影響を与える。
図23は、従来技術のパネル照明に基づく導波路を示している。この場合、導波路2305は、一般に、アクリルとポリカーボネートから構成されている。この構成では、可燃性材料の量がさらに多く、2フィート×2フィートと2フィート×4フィートの反射板に見られるような大きな導波路を形成するために、最大数ポンドの有機物を使用することができる。この構成では、透過率および低散乱または低損失などの必要とされる光学特性は、さらに厳しく、ここでも、従来の難燃性技術の使用を否定している。LEDパッケージ2313からの光は、反射体2308を用いて導波路2305に接続される。LEDパッケージ2313によって生成された熱は、ヒートシンク2310(通常は外側の金属フレームまたはベゼル)によって放散される。後部の反射体2304、抽出素子2306、先端の反射体2302、および上部のディフューザ2300は、上部のディフューザ2300を介して導波路2305内に直接光に使用される。一般に、反射体とディフューザは、すべて有機物であり、火気にさらされた際の火炎拡散と煙の発生をさらに高める。一般に、大面積の有機膜、有機光導波路、有機反射膜、およびLEDパッケージ内の有機成分の使用は、構造内での火災時の消防士と居住者へのリスクを増加させる。アクリルのような多くの有機物は、煙だけでなく、燃焼時に有毒で有害な化学物質を放出する。不燃性の固体光源が必要とされている。
図24は、発光面と冷却面が実質的に同一面である不燃性の自冷式光源の側面図を示している。熱伝導性半透過素子2400は、先に著者らが説明したように、1W/m/Kより高い熱伝導率を有する。この特定の実施形態では、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2414は、熱伝導性半透過素子2400にプリントおよび焼成された導電性トレースである配線2402に半田付けされている。熱伝導性半透過素子2400は、一般に、非限定的にアルミナ、サファイア、Yag、GGG、スピネル、および他の無機高熱伝導性材料のような無機材料であり、この無機材料は、可視波長範囲にわたって1cm-1未満の損失、1W/m/Kより高い熱伝導率を示し、炎にさらされたときに不燃性である。あるいは、ポリシラザン/hBNなどのガラス複合材料や不燃性の有機/無機複合材料が、使用されてもよい。炎にさらされた際に不燃性の残留物に変換する傾向に基づいて、ポリシラザンだけでなく、他のシロキサンが使用されてもよい。LEDダイ2414および波長変換層2416によって生成された熱は、熱伝導性素子2400を通じて伝導され、追加のヒートシンク手段を必要とせずに、周囲の環境に伝送される。熱伝導性半透過素子2400の厚さは、100ミクロン〜5mmであり、500ミクロン〜1mmが好ましい。低レベルの散乱により、より厚い熱伝導性半透過素子2400の使用が可能になる。ただし、この特定の構成では、吸収損失が低い場合、アルミナ94%〜100%などの、高い散乱性を有する熱伝導性半透過素子2400を使用することができる。このため、アルミナを着色しない焼結助剤が好ましい。また、キャビティの反射体2412は、80%を超える反射率、より好ましくは90%を超える反射率を有するべきである。先願で著者らが開示したように、本実施形態で形成されているリサイクリングキャビティの効率は、リサイクリングキャビティ内のすべての要素の光損失の減少に直接関連している。このため、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2414は80%を超える反射率を有するべきであり、配線2402は80%を超える反射率を有するべきであり、波長変換層2416は、吸収を最小限に抑えるために可能な限り低い損失を有するべきである。一般に、各反射に関する損失が最小である限り、これらのリサイクリングシステムでの散乱を非常に高くすることができる。典型的な光学線は、熱伝導性半透過素子2400を通るリサイクリングキャビティを励起する前に、40を超える反射を行うことができる。ブロッキング層2404は、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2414および/または波長変換層2416からの光が、リサイクリングキャビティに最初に入らずに熱伝導性半透過素子2400を通過することを妨げる。また、追加の配光要素2410が、リサイクリングキャビティ内の光路長を増加させることにより、熱伝導性半透過素子2400から出る光の空間的均一性を改善するために使用され得る。LEDダイ2414を直接接続するための電源は、外部のパワーリード2408および2406に順番に取り付ける配線2402によって動力を供給される。外部のパワーリード2408および2406は、フレックス回路、ピン、ワイヤ、絶縁ワイヤ、磁気コンタクト、および他の物理的接触手段であり得るが、これに限定されない。キャビティの反射体2412は、Alanodなどのコーティングされた金属であることが好ましい。一般に、無機材料の使用は、不燃性の自冷式光源を作成するために好ましい。
図25は、図24で前述した熱伝導性半透過素子のための2つの異なる熱伝導率の、ダイへの入力ワットに対するLEDダイの温度を示している。LEDダイは、破線2504で示すように最大動作温度Tmaxを有する。1W/m/Kを有するガラスのような低熱伝導性材料が使用される場合、Tmaxは、局在した層の厚さにかかわらず、非常に低い入力ワットに達する。これは、近接した大量のLEDダイの使用、または低い駆動レベルにつながる。熱伝導性半透過素子が、代わりにアルミナなどの30W/m/Kの熱伝導率を有する材料からなる場合、曲線2502が測定され、依然としてTmax未満のダイ温度を維持しながら、非常に高い駆動レベルを使用することができる。これにより、LEDダイ間の間隔を増加し、最大温度の限界を超えずに各LEDダイの高い駆動レベルを可能にする。
図26は、一般的な吊り天井を示している。天井タイル2606は、グリッド2603によりアンカ2602およびワイヤ2604を介してデッキ2600から吊り下げられている。プレナム空間2608は、天井タイル2606の上かつデッキ2600の下の領域である。オフィス空間2609は、天井タイル2606の下かつ床2612の上にある。居住者または消防士2610は、一般にオフィス空間2609を占有している。火は、プレナム空間2608またはオフィス空間2609のいずれかで伝播する可能性がある。ダクト工事、配電、ネットワーク、および防火は、一般には、プレナム空間2608にある。一般に、音響、美的、および防火のための吊り天井でのブレイクの数およびサイズを最小限に抑えることが望ましい。反射板などの既存の照明器具は、吊り天井の連続性を壊す。大抵の建築基準法では、反射板および缶照明は、プレナム空間2608で防火エンクロージャ内に収容されている必要がある。残念ながら、ほとんどの固体照明器具は、プレナム空間2608内で発生する冷却に依存している。防火エンクロージャの使用は、プレナム空間2608への熱の伝達を大幅に妨げる。理想的には、美的、火災、および音響の観点から、任意の照明器具は吊り天井の連続性を壊さず、オフィス空間側2609からそれ自体を冷却することが可能である。さらにより好ましくは、照明器具は、グリッド2603および/または天井タイル2606に審美的に溶け込むことであり、そして、器具が吊り天井と耐震認定されることができ、追加のワイヤ2604が必要とされないように、軽量であることである。高いルーメン/グラムの自冷式光源の使用は、これらの同時の要求を満たすための手段として開示されている。最も好ましいのは、これらの照明器具は不燃性であることであり、これにより、消防士/居住者2610へのリスクをさらに低減させる。
図27は、磁気コンタクト2706を介してグリッド2700の24VDCに取り付けられた自冷式リサイクリング固体光源2704を示している。導体2708は、誘電体2710を介してグリッド2700に取り付けられている。当該技術分野で知られているように、外部配線(不図示)は導体2708および2709を24VDC電源(不図示)に接続している。典型的な例は、Armstrong社のFlexZoneである。自冷式リサイクリング固体光源2704を、ACまたは他のDC電圧で実行するように適合させることができるため、本実施形態は、24VDCの電力グリッドに限定されるものではない。天井タイル2702のオフィス空間側を自冷式リサイクリング固体光源2704の発光面と本質的に同一平面にすることができるように、自冷式リサイクリング固体光源2704は5mm未満の厚さを有することが好ましい。これにより、吊り天井へのよりモノリシックな外観を作成する。さらに好ましくは、オフ状態での発光面のボディ色が、天井タイル2702のボディ色および質感と一致していることである。グリッド2700は、アンカ2714およびワイヤ2716を介してデッキ2712に取り付けられている。
図28Aは、天井タイル2802に陥凹した自冷式固体光源を示している。本実施形態では、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2803が、ここでも、熱伝導性半透過素子2808に取り付けられ、リサイクリングキャビティが、反射体2801によって形成されている。波長変換層2805は、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2803に適用され、これにより、必要とされる波長変換材料の量を低減し、波長変換層2805が外部のボディ色に与える影響を最小限に抑える。なぜなら、天井タイルは誘電体であり、一般に容易に穿孔されるためである。プッシュピンコンタクト2810が示されている。自冷式固体光源を、外側のスクリム層2800と実質的に同一平面であるように、天井タイル2802の陥凹したポケットに押し込むことができる。プッシュピンコンタクトは、電気的接続を提供するだけでなく、自冷式固体光源を天井タイル2802に取り付ける。天井タイル2802のプレナム側で、クリップ2804は、自冷式固体光源をさらに支持している。ピアスイヤリングが所定の位置に保持されるのと同様の方法で、所定の位置に光源をロックするため、さらにパワーリード2806および2812を介して電気入力を提供するために、クリップ2804を使用することができる。熱の大部分は、発光面によってオフィス空間側に伝送されているので、天井の連続性を壊すことなく、自冷式固体光源を冷却することができる。
図28Bは、スクリム層2828がリサイクリングキャビティを作成するために形成されている、埋め込まれた自冷式光源を示している。この場合、ダイレクトアタッチ・LEDダイ2824、波長変換層2826、およびプッシュピンコンタクト2832が取り付けられている熱伝導性半透過素子2822は、天井タイル2820およびスクリム層2828に形成された凹部を単に覆っている。また、プッシュピンコンタクト2832を、リード2816および2814を介して電力供給されるクリップ2818によって接続し、支持することができる。この場合、スクリム層2828は、少なくとも自冷式固体光源のリサイクリングキャビティを形成する領域内で高反射性であることが好ましい。また、光源の美的および光学的性能を向上させるために、ベゼルやマイクロルーバのような多様な追加素子を使用することができる。本実施形態では、ほとんどのスクリム層2828の高反射性を利用することによって、キャビティの反射体が不要になる。
図29は、吊り天井内に吊り下げられた自冷式の照明器具2916を示している。ケーブル2914および2918は、パワーリード2912および2910をそれぞれ含むグリッド2920および2910にそれぞれ取り付けられている。ケーブル2914および2918は、吊り下げられた自冷式の照明器具2916に物理的支持および電気入力の両方を提供する。代替で、パワーリード2912および2910は、ケーブル2914および2918を用いて天井タイル2908を通ることができる。グラム当たりのルーメン出力が50ルーメンを超えるため、2000ルーメンの吊り下げられた自冷式の照明器具2916は、わずか40グラムの重さとなり、これは、支持するグリッドまたは天井タイルの物理的能力の範囲内である。これにより、照明設計者のための柔軟性が向上する。反射板のような従来の照明器具とは異なり、照明にこの手法を用いると、実質的には落下の危険性がない。これは、照明器具が吊り天井から落下する場合の火災の際に、特に消防士/居住者2924への重要なリスクとなり得る。美的には、ワイヤ2904、アンカ2902によってデッキ2900に支持されている吊り天井は、プレナム空間2906に、空気ダクト、配線、および防火手段を隠している。消防士/居住者2924の視界は、吊り天井、床2922、および壁によって画定されるオフィス空間である。
図30は、耐震吊り天井の設備における自冷式固体光源の使用を示している。地震の際に、デッキ3000、床3006、ならびに壁3002および3004は、互いに対して移動し、グリッド3034と、デッキ3008に取り付けられたアンカ3030を介して係留されたワイヤ3032によって支持されている天井タイル3010とから構成される吊り天井に応力を加える。また、吊り天井を、支持体3020および3022を用いてそれぞれ壁3004および3002に取り付けることができる。グリッド支持の自冷式固体光源3012はグリッド3034に取り付けられているが、埋め込まれた自冷式固体光源3014は、天井タイル3010に取り付けられるか、または内部に埋め込まれている。どちらの場合においても、自冷式固体光源は、低熱質量を有するため、および吊り天井にブレイクを形成しないため、グリッド3034または天井タイル3010のいずれかの緩衝機能および支持機能を妨げない。天井の連続性により、照明が大幅に異なる可能性があっても、2つの異なる吊り天井設備が全く同じに地震に対応することが可能である。これにより、吊り天井の地震対応を損なうことなく、居住者は照明を適応させることができる。
図31は、天井タイル3020を有する自冷式固体光源3112を含み、グリッド3106に自冷式固体光源3110を含んでいる吊り天井を示している。この手法を用いると、吊り天井の音響対応が照明器具によって損なわれない。従来の設備では、天井タイル3108が反射板によって置き換えられているため、ノイズ緩衝での大きなブレイクが発生せず、緩衝効果は小さいか、全くない。これにより、床3116と吊り天井との間で音波がバウンスするため、居住者3114に対するノイズレベルが増加する。実際に吊り天井内のすべてのブレイクを排除することによって、最大数の天井タイル3108および3110を使用することができるため、オフィス空間内のノイズレベルを低減することができる。また、より連続した吊り天井が形成される場合、アンカ3102を介してデッキ3100に係留されたワイヤ3104によって画定されるプレナム空間内のノイズは、オフィス空間および居住者3114に対して低減される。一般に、吊り天井がより連続していると、音響ノイズは少なくなり、居住者3114に対する火災リスクは低下する。
図32Aは、ダイレクトアタッチ・LEDダイ3204が実装されている熱伝導性半透過素子3202を備えたリサイクリング自冷式光源を示している。ダイレクトアタッチ・LEDダイ3204は、波長変換層3206でさらにコーティングされている。リサイクリングキャビティは反射素子3200を介して形成され、冷サイクリングキャビティで生成された光線は、熱伝導性半透過素子3202を介してエスケープする。リサイクリングキャビティの長さに沿って光線をリダイレクトする追加の方向転換素子3208を用いて、均一性をさらに向上させることができる。特に、リサイクリングキャビティ内の光線の光路長を増加させるために、円錐形、ピラミッド形、または尖形の方向転換素子3208を使用することができ、これにより、熱伝導性半透過素子3202を出る光線の空間的均一性を次々と向上させる。方向転換素子3208は、個別の部品やシートであってもよいし、反射体3200に直接形成されてもよい。熱の大部分は熱伝導性半透過素子3202の表面を介して雰囲気に伝送されるため、金属または反射性の無機物が反射体3200に好まれるが、3M社のESRのような多層反射体、金属コーティングされた膜、hBNフレークを含むポリシラザンなどの拡散反射膜、ならびに他の無機および/または有機反射体を含む任意の材料で、実際に反射体3200を形成することができる。90%を超える反射率を有する反射体が最も好ましい。金属およびセラミックなどの不燃性材料が好ましい。
図32Bは、反射体3224によって作成されているリサイクリングキャビティへの出力として熱伝導性半透過素子3220を含む自冷式固体光源を示している。ここでも、ダイレクトアタッチ・LEDダイ3228は、波長変換層3229によってより長い波長に部分的に変換された青色光を放射する。先の参照出願に著者らが開示しているように、波長変換層3229の配置またはさらにその排除が、同様に開示されている。また、単一色の自冷式光源および多色の自冷式光源が、この手法を用いて構築され得る。また、配線(不図示)を、ダイレクトアタッチ、フリップチップ、ワイヤボンド、または他の接続方法のために使用することができるため、ダイレクトアタッチ・LED3228が好ましい実施形態であるが、さまざまなLEDダイおよびLEDパッケージを使用することができる。本実施形態では、散乱素子3226が、熱伝導性半透過素子3220を出る光線の空間的均一性を調整するために使用される。
図32Cは、リサイクリングキャビティを示しており、ここで、反射体3332は、熱伝導性半透過素子3330を通って出る光をリダイレクトするように形成されている。ここでも、ダイレクトアタッチ・LEDダイ3336および波長変換層3338は、反射体3332によって形成されたリサイクリングキャビティ内に光を放射する。熱伝導性半透過素子3330を通って出る光をリサイクリングキャビティ内で空間的にリダイレクトするために、追加の散乱素子3334および方向転換素子3340を使用することができる。また、方向転換素子3334は、リサイクリングキャビティの組み立て後に反射体3332内の穴を通じて方向転換素子3334を挿入することによって、均一性を調整する能力を示している。代替で、どのように、いつ光線がリサイクリングキャビティを逃げるかを制御するために、不透明または半透明の反射素子を、方向転換素子3340のための熱伝導性半透過素子に空間的にプリントすることができる。一例として、ドットパターンを形成するために熱伝導性半透過素子3330を空間的に横切る小さなドットの反射性銀をプリントするために、銀厚膜配線材料を使用することができる。
図32Dは、追加の導波素子3352を有するリサイクリング自冷式光源を示している。この構成では、ダイレクトアタッチ・LEDダイ3356および波長変換素子は、これらの熱を熱伝導性半透過素子3346に伝達するが、放射された光線の大部分が導波路3352内で捕捉されるように、導波路3352への接続が発生する。導波路3352からの抽出が、抽出素子3354および3357に起因して発生する。抽出素子3357は、導波路3352と熱伝導性半透過素子3346との間の屈折率整合ドットとして単純であってもよい。反射体3350は、光源内のリサイクリングを向上させるためにさらに使用され、導波路3352とは別であってもよいし、導波路3352上に形成されていてもよい。
図33は、著者らによって先に開示されたような、リサイクリングキャビティの効率に対する反射率の重要性を示すグラフである。LEDダイのような点光源を均一な拡散出力に変換するために発生する必要がある多数のバウンスに起因して、LEDダイ、配線、反射体で、および/または熱伝導性半透過素子内の任意の損失を最小限に抑える必要がある。先の参照出願に著者らが開示しているように、80%を超える反射率を有するLEDダイ、80%を超える反射率を有する反射体、および80%を超える反射率を有する配線の使用が好ましい。本明細書に開示された熱伝導性半透過素子は、アルミナ、サファイア、yag、ガラス、YSZ、gggなどの低吸収損失材料、および他の光学的に低吸収材料であることが最も好ましい。一般に使用されるインライン透過率の数値は、光損失の良好な指標ではないことに留意すべきである。これらのリサイクリングキャビティの光源は複数のバウンスを可能にするため、白色または不透明であるアルミナなどの高散乱材料を、実際に非常に効率的な照射窓とすることができる。重要な問題は、インライン透過率ではなく、光吸収損失である。アルミナAl2O3は可視スペクトル全体を通して非常に低い光吸収率を有するが、不適切な焼結助剤を使用する場合、吸収損失を増大させることができる。したがって、高純度の材料が好ましく、これは、本質的に、アモルファス、多結晶、または単結晶であっても、なくてもよい。同じことが有機材料についても同様であり、高い多孔性を有するテフロン(登録商標)膜が、100%近くに生成され得る一部の最も高い拡散反率を有する。この効果は、これらの材料のための可視領域全体にわたる低い光吸収率によるものである。先の参照出願に著者らが開示したように、複合材料を、ポリシラザンおよびhBNを有する場合と同様に、低い吸収率とするこができる。一般に、可視領域全体にわたって、その透明状態で0.1cm(−1)より低い吸収損失を有する材料が、熱伝導性半透過素子ために好適である。
図34は、熱伝導性半透過素子3402にプリントされた、または他の方法で形成された装飾要素3404を示している。ここでも、リサイクリング自冷式光源は、反射体3400を使用して形成されている。装飾要素3404は、パターン、テクスチャ、および他の美的要素を加える、塗料、ラッカー、溶融ガラス、または他のコーティングを含んでもよい。アルミナ等の無機材料は、熱伝導性半透過素子3402に好適であるため、グレイジングなどの高温処理工程が可能である。また、これらの高温処理工程では、妥当な熱伝導率をさらに有するガラスや他の無機物のような材料が使用される傾向がある。熱伝導性半透過素子3402上のコーティングによって、または直接エンボス加工によって、テクスチャを加えてもよい。
図35Aは、反射体キャビティ3500およびLEDダイ3508が実装されている熱伝導性半透過素子3502を備えたリサイクリング自冷式光源を示している。波長変換素子3504および3506は、図示のように形成され得る。この構成では、UV LEDダイが好適であり、波長変換素子3504および3506に使用される蛍光体は、ホワイトボディ色を有することができる。代替で、光源の外部ボディ色は、蛍光体、量子ドット、および特定のボディ色を有する他の波長変換材料を選択することによって修正することができる。吊り天井のような設備によりモノリシックな均一性のある外観を作成することが望ましい場合、ボディ色は、光源の重要な美的属性である。
図35Bは、熱伝導性半透過素子3512がルミネッセンスである、リサイクリング自冷式光源を示している。先の参照出願に著者らが開示しているように、セラミック、コーティングされた、および単結晶の形態で、多様な材料を使用することができる。LEDダイ3514は、熱伝導性半透過素子3512を実装し、リサイクリングが、反射体3510に起因して発生する。
図35Cは、熱伝導性半透過素子3522上に形成された、または実装された別個の波長変換コーティング/素子3524を示している。図示のように、LEDダイ3526に対するこれらの2つの素子の相対位置は、変更または使用されてもよい。反射体3520はリサイクリングキャビティを形成している。
図35Dは、リサイクリングキャビティを有していない自冷式光源を示している。本実施形態では、熱伝導性半透過素子3530によって物理的にサポートされ、配線され(不図示)、および冷却されるLEDダイ3532からの発光が、波長変換層3534を部分的にのみ照らす。この手法を用いて、多様な光学効果を形成することができ、これにより、冷却および発光面を1つの要素に統合することによって、ヒートシンクを除去する柔軟性を説明する。
図36は、天井タイル3608のためのプッシュピンコネクタを示している。自冷式固体光源3614は、2つの剛性ピン3618および3616を含んでいる。天井タイル3608は誘電体であり、容易に穿孔される傾向があるため、剛性ピン3618および3616を、スクリム層3610および天井タイル3608を通じて容易にプレスすることができる。パワーリード3602および3600への電気コネクタとして追加的に機能することができるクリップ3604および3606を介して、追加の取り付け支持を行うことができる。グラム当たりのルーメン出力が高いこれらの自冷式固体光源3614は、このタイプの設備を可能にする。美的要素3612を同様に追加することができる。不燃性材料の使用は、美的要素3612のために好適である。代替で、自冷式固体光源3614のための凹部を作成するために、スクリム層3610を形成することができる。任意で、天井タイル3608を移動させずに表側の除去を可能にするために、磁気コネクタ3632および3630が使用されてもよい。
図37は、スクリム層3708の下で天井タイル3700内に埋め込まれた自冷式固体光源を示している。この構成では、熱伝導性半透過素子からの熱をオフィス空間の雰囲気に抽出することができるように、妥当な多孔性または熱伝導性を有する半透明スクリムが好ましい。先に開示したように、LEDダイ3706および反射体3702からの熱は、ここでもリサイクリングキャビティを作成するために使用される。この構成では、電気配線3710および3712を、同様に、スクリム層3708の下に埋め込むことができる。これにより、従来の照明器具に取って代わる照光式天井タイルが作成される。
本発明を特定の実施形態および例と併せて説明してきたが、多くの代替、修正、および変形が上述の説明に照らして明らかとされることは、当業者には明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の趣旨および範囲内に含まれるこのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図されている。
開示の要約
対流冷却および放射冷却の両方を提供する、熱伝導性のルミネッセンス素子上または内部に実装されたLEDに基づく固体光源である。低コストの自冷式固体光源は、LEDおよび他の半導体デバイスの電気配線を統合することができる。熱伝導性のルミネッセンス素子は、対流および放射手段がデバイスを冷却するために使用され得るために十分な大きさの領域にわたって、LEDおよびルミネッセンス素子自体によって生成された熱を効率的に伝送し、分散することによって、任意の追加のヒートシンク手段の必要性を完全にまたは部分的に排除することができる。