JP2016519606A - 生体インピーダンスを使用した脳の生理学的パラメータの測定 - Google Patents

生体インピーダンスを使用した脳の生理学的パラメータの測定 Download PDF

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Abstract

脳病変の検出及び/又は監視を行うための装置及び方法が開示される。一実施形態では、少なくとも1つのプロセッサを含む脳血行動態測定装置が開示される。少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つのセンサを介して被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号を受信し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動から脳血液量の変化を決定し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動による頭蓋内圧の変化を決定し、脳血液量の変化、頭蓋内圧の変化、およびコンプライアンスインジケータに基づいて平均頭蓋内圧を推定するように構成されている。【選択図】図7

Description

関連出願
本願は、2013年4月12日に出願された米国仮特許出願第61/811,199号明細書の米国特許法第119(e)条の下での優先権の利益を主張するものであり、この仮特許出願の全体を参照により本明細書に援用する。
技術分野
本開示は、特に、脳病変の検出及び/又は監視を行うメカニズムを記載する。
脳病変は、一時的な脳損傷、永久的な脳損傷、又は死亡につながるおそれがある。脳病変の例としては、虚血性及び出血性脳卒中、外傷性脳損傷(TBI)、及び血管痙攣が挙げられる。これらの脳病変の症状は多くの場合、頭蓋内圧(ICP)の増大を含む。例えば、脳組織が損傷する場合、損傷した組織は浮腫及び出血を生じさせることがあり、これらは両方ともICPを増大させる。脳の更なる損傷を回避するために、圧力プローブを頭蓋空間内に挿入することによってICPを監視することができる。これは通常、頭蓋骨(通常影響を受けていないエリア)に穴を開け、開けられた穴を通してプローブを挿入し、ナットを用いてプローブを頭蓋骨に固定することを伴うか、又はカテーテルを頭皮に通すことによる侵襲的な処置である。この侵襲的な方法は通常、プローブを健康な脳組織又は脳室に挿入することに関係するリスクと、侵襲的なプローブによる感染のリスクとを伴う。
非侵襲的な方法及び装置を使用して、ICPと、脳卒中、外傷、及び脳の機能に影響を及ぼす可能性がある他の状況の診断に関して臨床的に有用であることができる追加の頭蓋内生理学的パラメータとを測定し監視することができる。これらのパラメータは、例えば、脳血液量、脳血流、脳かん流圧、血管脳自動調節能機能、及び脳浮腫状態を含むことができる。
ICP及び追加の頭蓋内生理学的パラメータを監視又は検出する一方法は、プローブを脳脊髄液又は柔組織内に物理的に挿入すること、血管造影、コンピュータ断層血管造影(CTA)、かん流コンピュータ断層撮影(PCT)、経頭蓋ドップラー超音波(TCD)、陽電子放出断層撮影(PET)、並びに磁気共鳴撮像(MRI)及び血管造影(MRA)を含むことができる。ICP及び追加の頭蓋内生理学的パラメータを検出又は監視する非侵襲的な方法によっては、例えば、CT、PCT、PET、及び/又はMRI処置を実行する機械を必要とするものがある。場合によっては、連続監視の欠如、これらの機械のコスト、それらの限られた可動性、及び/又はそれらの使用毎の大きな費用が、頭蓋内生理学的特性の定期的、連続、又は頻繁な監視が望ましいことがある状況での有用性を制限するかもしれない。
上記説明は、一般的な背景を提供するための単なる例であり、記載され、特許請求されるシステム、方法、装置、及び特徴の様々な実施形態の限定ではない。
例示的な開示実施形態は、生体インピーダンスを表すインピーダンスプレチスモグラフィ(IPG)信号を受信しかつ解析するための装置および方法を含む。さらに詳しくは、例示的な開示実施形態は、信号を受信しかつ解析し、生理学的脳状態を推定するための情報を出力するための装置を含む。
本開示と一致する一実施形態では、脳血行動態測定装置を提供する。脳血行動態測定装置は、少なくとも1つのセンサを介して被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号を受信し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動から脳血液量の変化を決定し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動による頭蓋内圧の変化を決定し、少なくとも1つの信号の静的部分からコンプライアンスインジケータを決定し、脳血液量の変化、頭蓋内圧の変化、およびコンプライアンスインジケータに基づいて平均頭蓋内圧を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
本開示と一致する別の実施形態では、脳血行動態測定装置を提供する。脳血行動態測定装置は、被検者の頭部の第1部分に配置された第1電極対に少なくとも1つの信号を送信し、被検者の頭部の第2部分に配置された第2電極対から少なくとも1つのIPG信号を受信し、被検者の頭部の第1部分および第2部分に対応する少なくとも1つのクロスIPG波形をIPG信号から抽出し、少なくとも1つのクロスIPG波形の変化に基づいて平均ICPを推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
本開示と一致するさらに別の実施形態では、脳血行動態測定装置を提供する。脳血行動態測定装置は、被検者の頭部に装着するように構成された担持体に取り付けられた少なくとも1対の電極に信号を送信し、被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つのインピーダンスプレチスモグラフィ信号を受信し、かつインピーダンスプレチスモグラフィ信号を用いて脳または血液脳関門の少なくとも一方の損傷レベルを推定するように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
本開示と一致するさらに別の実施形態では、脳血行動態測定装置を提供する。脳血行動態測定装置は、少なくとも1対の電極を介して被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号を受信し、被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号から少なくとも1つのインピーダンス波形を抽出し、かつ少なくとも1つのインピーダンス波形に基づいて血管痙攣の発生を決定するように構成された、少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、説明と共に、本明細書に記載される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
図1は、開示された実施形態による例示的なIPG測定装置の図表現を提供する。 図2は、脳大動脈の図表現を提供する。 図3は、開示された実施形態による、被験者の脳内の例示的な生体インピーダンス信号経路の図表現を提供する。 図4は、開示された実施形態による、IPG測定装置のハードウェアの図表現を提供する。
図5aは、例示的な頭蓋内圧波形の図表現を提供する。図5bは、開示された実施形態による、頭蓋内圧波形に同時に記録される、例示的なインピーダンス大きさ波形の図表現を提供する。図5cは、健康な脳の頭蓋内圧波形に同時に記録される、例示的なインピーダンス位相波形の図表現を提供する。
図6aは、正常な状態の健康な脳から得られた頭蓋内圧波形の図表現を提供する。 図6bは、病変のある脳から得られた頭蓋内圧波形の図表現を提供する。 図6cは、上昇した頭蓋内圧状態の脳から得られた頭蓋内圧波形の図表現を提供する。 図6dは、高レベルの浮腫又は流体の蓄積を有する脳から得られた頭蓋内圧波形の図表現を提供する。
図7は、脳コンプライアンス曲線を図で示す。 図8は、呼吸周期中の頭蓋内圧及び動脈圧の拡張期値を示すグラフである。
図9は、例示的な組織生体インピーダンスモデルを示す。 図10は、浮腫歴の例示的グラフを示す。
図11は、血管痙攣を経験している患者から記録されたIPG波形を示す。 図12は、血管痙攣治療を受けた後の患者から記録されたIPG波形を示す。
以下において、添付図面への参照と共に、例示的な実施形態を詳細に参照する。場合によっては、同じ参照符号が、図面及び以下の説明全体を通して、同じ又は同様の部分を参照するために使用される。これらの実施形態は、当業者が開示された実施形態を実施することができるようにするのに十分に詳細に説明され、開示された実施形態の範囲から逸脱せずに、他の実施形態を利用することができ、変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定の意味で解釈されるべきではない。
別途定義される場合を除き、本明細書において使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、実施形態が関係する分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載される方法及び材料と同様又は均等な方法及び材料を、実施形態の実施又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料について以下に説明する。矛盾する場合には、定義を含め、本特許明細書が優先される。さらに、材料、方法、及び例は、単なる例示であり、必ずしも限定を意図されない。
開示される例示的な実施形態は、生体インピーダンスを表すインピーダンスプレチスモグラフィ(IPG)信号を受信しかつ解析するための装置及び方法を含むことができる。より詳細には、例示的な実施形態は、信号を受信しかつ解析し、生理学的な脳の状態を推定するための情報を出力する装置を含むことができる。本開示による幾つかの実施形態では、推定される生理学的な脳の状態は、ICPに関連付けられた状態を含むことができる。幾つかの実施形態では、推定される生理学的な脳の状態は、ICPの平均値に関連付けられた状態であることができる。
本明細書において使用される場合、「ICPの平均値」という用語は、心拍よりも長い時間間隔にわたって測定される頭蓋内圧の平均レベルを指す。幾つかの実施形態では、ICPの平均値は、拍動成分又は動的成分が平均化されるように、心拍の整数分に対応する時間間隔にわたって測定される頭蓋内圧の平均レベルを指す。ICPの平均値が測定される時間値は、1回の心拍と同じくらい短くてもよく、又は何分若しくは何時間にわたって引きのばしてもよい。実際に、ICPの平均値はそれ自体が動的であることができる。浮腫の発生、流体の蓄積、及び患者の意識のような要因に起因して、例えば、1分にわたって測定されるICPの平均値は、数時間又は数日の過程にわたって変化することができる。ICPの平均値のこれらの変化は、約30分〜数時間又は数日の範囲の時間尺度で特徴付けることができる。
ICPは、脳血流による影響を受ける脳血液量(CBV)と、浮腫状態(すなわち、細胞内/細胞外流体の蓄積)と、脳脊髄液(CSF)量とを含む幾つかの要因に基づいて決定することができる。したがって、幾つかの実施形態では、ICPは、CBV、浮腫状態、及び/又はCSF量の決定を通して推定し監視することができる。本明細書に開示される例示的な装置及び方法は、IPGの使用を通してCBV、浮腫状態、及びCSF量を監視し、推定し、決定する手段を説明する。
インピーダンスプレチスモグラフィ(IPG)を使用して、ICPを測定することができる。ICPのIPG測定では、患者の頭皮、首、及び/又は胸部の外側に配置される電極を使用して、電流を患者に流し、生じる電圧を測定することができる。インピーダンスプレチスモグラフィ(IPG)測定装置を使用して、患者の右半球及び左半球又は頭部の異なる部位又は患者の体の他の部分に関連付けられた2組の生じる電圧を測定することができる。IPG測定装置は、駆動電流と、生じる電圧を比較して、患者の頭部の生体インピーダンス測定を決定することができる。ICPは、かかる生体インピーダンス測定によって少なくとも部分的に決定されることができる。
本開示による実施形態は、非侵襲性の頭蓋内生理学的パラメーターのための測定装置を含むことができる。一つの例示的実施形態では、IPG測定装置は、例えば、追加の機能要素を担持又は収容する、ヘッドセット、ヘッドバンド、又は他の枠組み要素等の支持要素を含むことができる。組み込むことができる更なる構造体としては、電極、回路、プロセッサ、センサ、ワイヤ、送信器、受信器、並びに電気信号の取得、処理、送信、受信、及び解析に適する他の装置を挙げることができる。IPG測定装置は、留め具、接着剤、及び被験者の身体への取り付けに役立つ他の要素を更に含むことができる。本明細書において使用される場合、頭蓋内生理学的測定装置は、そのような全ての特徴を含む必要はない。
図1は、例示的なIPG測定装置100の図表現を提供する。この例示的な装置100は、ヘッドセット120を介して被験者の頭部に固定された電極110を含むことができる。電極110は、ワイヤ131を介して脳かん流モニタ130に接続することができる(又は代替的に、ワイヤレス接続を含むことができる)。
本開示による例示的な幾つかの実施形態では、頭蓋内生理学的測定装置は、動作を実行するように構成される少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。本明細書において使用される場合、「プロセッサ」という用語は、1つ又は複数の入力に対して論理演算を実行する電気回路を含むことができる。例えば、そのようなプロセッサは、1つ又は複数の集積回路、マイクロチップ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、中央演算処理装置(CPU)の全て若しくは部分、グラフィックス処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は命令の実行若しくは論理演算の実行に適する他の回路を含むことができる。少なくとも1つのプロセッサは、動作を実行する命令へのアクセスが提供される場合、動作を実行する命令がプログラムされる場合、動作を実行する命令を含む場合、又は他の様式で、動作を実行する命令を実行可能にされる場合、動作を実行するように構成することができる。少なくとも1つのプロセッサには、プロセッサに永久的若しくは一時的に保持される情報を通して直接的に、又はプロセッサがアクセスするか、若しくはプロセッサに提供される命令を通して、そのような命令を提供することができる。プロセッサに提供される命令は、情報キャリア、例えば、機械可読記憶装置又は任意の有形のコンピュータ可読媒体に有形に具現された命令を含むコンピュータプログラムの形態で提供することができる。コンピュータプログラムは、コンパイル型言語又はインタプリタ型言語を含め、任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラム又は1つ若しくは複数のモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくは計算環境での使用に適する他のユニットとしてを含め、任意の形態で展開することができる。少なくとも1つのプロセッサは、関連する命令を実行する専用ハードウェア、汎用ハードウェア、又はこれら両方の組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、IPG信号を受信して解釈するタスクのために専用化されたハードウェアを含むことができる。これらの実施形態は、以下に一層詳細に記述される。少なくとも1つのプロセッサは、統合された通信インタフェースを含むこともでき、又は通信インタフェースは、少なくとも1つのプロセッサとは別個に離れて含むことができる。少なくとも1つのプロセッサは、その機能を実行する命令が記憶されたメモリロケーション又は記憶装置への接続を通して、専用機能を実行するように構成することができる。
IPGセンサの例示的実施形態は、様々な構成を含むことができる。IPGセンサは、交流電流を送達するように構成された少なくとも1つの電極と、結果的に生じる電圧を測定するように構成された少なくとも1つの電極とを含むことができる。一部の実施形態では、IPGセンサは、電流送達用の2つの電極と、電圧測定用の2つの電極とを含むことができる。一部の実施形態では、少なくとも1つの電圧受取り電極および少なくとも1つの電流送達電極の一部または全部を同一物理的構造に含めることができる。すなわち、単一の物理的電極が、電圧受取り電極および電流送達電極の両方として機能することができる。電圧測定電極は特定の電流送達電極に関連付けることができる。電流送達電極に関連付けられる電圧測定電極は、その特定の電流送達電極によって送達された電流に関連付けられる電圧を測定するように構成することができる。一部の実施形態では、関連付けられた電極は、患者における相互に極めて近接した位置または実質的に同一位置に配置することができる。他の実施形態では、関連付けられた電極は、患者における相互に離れた位置に配置することができる。
幾つかの開示された実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、信号を受信するように構成することができる。本明細書において使用される場合、信号は、任意の時間変化数量又は空間変化数量を含むことができる。信号を受信することは、ワイヤ又は回路等の導電手段を通して、ワイヤレス送信された信号の受信を通して、及び/又はメモリに記憶された信号等の、先に記録された信号の受信を通して、信号を取得することを含むことができる。信号を受信することは、信号受信の分野で既知の他の方法を更に包含することができる。
被験者の脳に関連付けられた1つ又は複数のIPG信号を受信しかつ解析するように構成される、図1に概略的に示される少なくとも1つのプロセッサ160を、例示的なIPG測定装置100の一部として、脳かん流モニタ130に含めることができる。プロセッサ160は、本明細書に記載される信号解析方法のうちの全て若しくは幾つかを実行するように構成することができ、又はそれらの機能のうちの幾つかは別個のプロセッサによって実行することができる。プロセッサ160は、フィルタリング、ノイズ除去等の当業者に既知の任意の一般的な信号処理タスクを実行するように構成することもできる。プロセッサ160は更に、本明細書に記載の信号解析技法に固有の事前処理タスクを実行するように構成することができる。そのような事前処理タスクは、動きアーチファクト等の信号アーチファクトの除去を含むことができるが、それに限定されない。
プロセッサ160は、図1の例示的なヘッドセット120に含まれる1つ又は複数の電極110から信号を受信するように構成することができる。電極110は、実施態様に応じて、単一で、対で、又は他の適切なグループ化で配置することができる。例示的なヘッドセット120上の電極は、IPG信号を取得するように構成することができる。IPG信号は、例えば、脳の右半球及び左半球に対応する頭部の右側及び左側に配置される2つのセンサセクション150によって測定することができる。1つのみのセンサセクション150が図1に示されるが、被験者の頭部の反対側も同様の電極構成を含むことができる。それに加えて、各センサセクション150は、前部電流電極111及び前部電圧電極112という一対の前部電極と、後部電流電極114及び後部電圧電極113という一対の後部電極とを含むことができる。対間の距離は、頭蓋内生理学的条件の特定の側面が満たされるように調整することができる。図1に示される電極構成は、適する電極構成の単なる一例である。追加の実施形態は、追加又は代替として、例示的なヘッドセット120の異なるエリアに配置されるより多数又はより少数の電極110を含むことができる。他の実施形態は、例示的なヘッドセット120と比較して、被験者の頭部の異なるエリアに達するように、代替形状のヘッドセット上に構成される電極110を含むことができる。
電極110の対は、電流出力電極及び電圧入力電極を含むことができる。例えば、前部電流電極111及び前部電圧電極112が電極対を形成することができる。一実施形態では、出力電流を、脳かん流モニタ130によって生成し、前部電流電極111と後部電流電極114との間に流すことができる。出力電流は、一定振幅であり、1KHz〜1MHzの範囲の安定した周波数の交流電流(AC)信号を含むことができる。出力電流に起因して生じる入力電圧を、前部電圧電極112と後部電圧電極113との間で測定することができる。入力電圧は、出力電流と同じ周波数で測定することができる。出力電流信号、例えば、測定信号と、入力電圧信号、例えば、応答信号との比較を使用して、被験者のインピーダンス波形を抽出することができる。より詳細には、生体インピーダンスの大きさは、出力電流振幅信号に対する入力電圧信号振幅の比率として計算することができ、生体インピーダンスの位相は、出力電流信号が入力電圧信号にリードする位相差として計算することができる。追加のインピーダンス成分は、必要に応じて、出力電流信号及び入力電圧信号から、又は生体インピーダンスの大きさ及び位相から計算することができる。
1つの例示的実施形態では、4つのIPGセンサを患者に取り付けることができ、各センサは4つの電極を含む。1つのIPGセンサは患者の頸部または胸部に取り付けることができ、頭蓋空間内に流入する血液から信号を取得しかつ提供することができる。この信号は基準として使用することができる。第2のIPGセンサは頭皮の上部に取り付けることができ、頭蓋腔から出ていく血液からの頭蓋の上部に近接する脳運動に相関する信号を取得しかつ提供することができる。加えて、1つのIPGセンサは患者の頭部の各側部に取り付けることができ、脳の各半球に対し、頭蓋腔の内部の脳運動、血液量、ならびに大動脈および/または脳組織内部の血流量に対応する信号を取得しかつ提供することができる。
IPG信号は、2つ以上のAC周波数での出力電流を含むこともできる。出力電流は、例えば、1KHz〜1MHzの範囲の1組の予め定義された周波数及び振幅を含むことができ、周波数の全て又は周波数範囲の一部において測定電圧を検出する。
頭部、より詳細には脳に流入出する血液及び流体の流れは、電極110によって測定されるIPG信号によって特徴付けられる頭蓋生体インピーダンスを変化させることができる。生体インピーダンスの変化は、頭部及び脳内の血液量及び血圧並びに脳内の他の流体の量及び圧力に相関付けることができる。心周期、呼吸周期、及びICP徐波周期は、脳内の血液及び他の流体の両方の量及び圧力に影響する。一般に、血液及び他の流体は、頭部に見られる組織と比較した場合、比較的低いインピーダンスを有するため、血液量又は流体量が高いと、インピーダンスの大きさは低くなる。脳内の異なる血液及び流体の量及び圧力に関連付けられたインピーダンス変化は、脳インピーダンスの周波数応答を変動させることもある。異なる周波数での生体インピーダンス測定値を比較することにより、血行動態学的特性を示す更なる情報を提供することができる。
例示的なヘッドセット120は、追加の1つ又は複数のセンサ140等の、生体インピーダンス測定値を補強するか、又は生体インピーダンス測定値の他に測定を実行する装置又は要素を更に含むことができる。一実施形態では、追加のセンサ140は、例えば、生体インピーダンス信号測定と併せて、又は生体インピーダンス信号測定への代替として、フォトプレチスモグラフィ(PPG)測定を実行する発光ダイオード141及び光検出器142を含むことができる。例示的なヘッドセット120は、信号処理又は他の用途用の様々な回路170を更に含むことができ、脳かん流モニタ130又は他のロケーションにデータを無線で送信する能力を含むことができる。追加の実施形態では、脳かん流モニタ130をヘッドセット120に統合することができる。図1の例に示されているが、追加のセンサ140及び回路170は省略可能である。
例示的なヘッドセット120は、電極110を患者の頭部に接続し、包含し、固定する様々な手段を含むことができる。例えば、ヘッドセット120は2つ以上の別個のセクションを含むことができ、これらの別個のセクションを接続して、患者の頭部を囲むループ又はバンドを形成する。バンド、留め具、電極ホルダ、配線、フックアンドループコネクタストリップ、バックル、ボタン、締め具等を含め、任意のこれらの態様は、患者の頭部に合うように調整可能であることができる。例示的なヘッドセット120の部分は、実質的に可撓性であることができ、又は例示的なヘッドセット120の部分は、実質的に非可撓性であることができる。例えば、例示的な装置120の電極包含部は、特に、患者の頭部の特定の解剖学的位置に電極110を実質的に固定するために、実質的に非可撓性であることができる。追加又は代替として、例示的なヘッドセット120を患者の頭部に保持するバンド又はコネクタ等の他の部分は、実質的に可撓性であってもよく、弾性であってもよく、且つ/又は取り付け具を形成してもよい。
例示的なヘッドセット120の任意の部分は、患者の解剖学的構造の固有又は特定の部分に合うように特に設計、形状形成、又は作成することができる。例えば、例示的なヘッドセット120の部分は、患者の耳の近傍、周囲、又は耳に隣接して適合するように作成することができる。例示的なヘッドセット120の部分は、こめかみ、額に適合するように、且つ/又は電極110を特定の解剖学的位置又は他の位置に位置決めするように特に設計、形状形成、又は作成することができる。例示的なヘッドセット120の部分は、電極110(又は包含される他の装置)が、患者の頭部又は脳内の血液及び流体の流れの特性を検出する特定の位置に存在するような形状を有することができる。そのような血流の例は、血管が脳内にあるか、それとも脳に供給するかに関係なく、血液を頭部及び/又は脳に提供する動脈及び血管等の本明細書において考察される任意の血管で生じることができる。
例示的なヘッドセット120は、患者の快適性及び/又は患者への付着性を改善するのに適する特徴を含むことができる。例えば、例示的なヘッドセット120は、患者の皮膚への通気を可能にする穴を装置に含むことができる。例示的なヘッドセット120は、パッド、クッション、安定化装置、毛皮、発泡フェルト、又は患者の快適性を増大させる任意の他の材料を更に含むことができる。
上述したように、例示的なヘッドセット120は、電気装置又は電極包含装置への追加又は代替として、生体インピーダンスを測定する1つ又は複数の追加のセンサ140を含むことができる。例えば、追加のセンサ140は、患者のあるエリアからPPGデータを取得するように構成される1つ又は複数の構成要素を含むことができる。追加のセンサ140は、任意の他の適する装置を含むことができ、図1に示される単一のセンサに限定されない。追加のセンサ140の他の例としては、局部温度を測定する装置(例えば、サーモカプラ、温度計等)及び/又は他の生体測定を実行する装置、及び患者の動き及び配置を測定する装置(例えば、加速度計及び/又は傾角計)が挙げられる。
例示的なヘッドセット120は、任意の適する形態の通信機構又は装置を含むことができる。例えば、ヘッドセット120は、別の装置、解析装置、及び/又はコンピュータにデータ、命令、信号、又は他の情報を無線で通信するか、又は受信するように構成することができる。適する無線通信方法は、無線周波数、マイクロ波、及び光学通信を含むことができ、Bluetooth(登録商標)、WiFi等の標準プロトコルを含むことができる。これらの構成への追加又は代替として、例示的なヘッドセット120は、別の装置、解析装置、及び/又はコンピュータにデータ、命令、信号、又は他の情報を通信するか、又は受信するように構成されるワイヤ、コネクタ、又は他の導管を更に含むことができる。例示的なヘッドセット120は、任意の適するタイプのコネクタ又は接続能力を更に含むことができる。そのような適するタイプのコネクタ又は接続能力は、任意の標準コンピュータ接続(例えば、ユニバーサルシリアルバス接続、ファイアワイヤ接続、Ethernet(登録商標)、又はデータ伝送を可能にする任意の他の接続)を含むことができる。そのような適するタイプのコネクタ又は接続能力は、更に又は代替として、例示的な装置100又は他の装置及び用途用に構成される専用ポート又はコネクタを含むことができる。
図2は、脳血管200の主要特徴の図表現を提供する。図2の脳血管は、脳の下部から見たものであり、ページの上が被験者の前部を表す。脳201への血液は、首を通る4本の大動脈から供給される。太い2本は、首の前部にある左右内頸動脈(ICA)210である。椎骨動脈(VA)220が、首の後部に配置され、結合して脳底動脈(BA)230を形成する。内頸動脈及び脳底動脈は、後交通動脈(図示せず)及び前交通動脈(図示せず)によって接続されて、ウィリス輪(COW)を形成する。理想的な患者では、COWは、供給動脈のうちの1つ又は複数が閉塞した場合であっても脳201に血液を供給することができる、結ばれた動脈網である。
血液を脳201に供給する大動脈は、中大脳動脈(MCA)240、前大脳動脈(ACA)250、及び後大脳動脈(PCA)260である。
図3は、被験者の脳201内の例示的なインピーダンス信号経路310の図表現を提供する。例示的な構成は、左右脳半球のそれぞれを通る複数の信号経路310を示す。複数の信号経路は、ヘッドセット120を介して被験者の頭部に固定された電極110間に延びる。血液は比較的低いインピーダンスを有するために、信号経路310のインピーダンスは、経路に沿った血液の有無によって影響を受けることができる。信号経路310のうちの少なくとも幾つかは、脳血管に一致することができる。したがって、脳201内の血管の圧力、血流、又は量、及び/又はCSF量等の血行動態学的特性を示す信号属性を測定することができる。したがって、生体インピーダンスの変化は、脳201内の圧力、血流、又は血液量、及び/又はCSF量の変化を示すことができる。図3に示される信号経路310は、信号経路310の全体エリアに存在することができる無限数の経路のうちの少数の経路のみを表す。
本開示による幾つかの実施形態では、被験者の脳に関連付けられたIPG信号は、少なくとも左半球IPG信号及び右半球IPG信号を含むことができる。本明細書において使用される場合、左半球IPG信号又は右半球IPG信号は、関連付けられた脳の側のインピーダンス特性を反映するIPG信号を含むことができる。左半球のインピーダンス特性は、被験者の頭部の右側の位置から取得することができ、その逆も同様であるため、左右半球IPG信号は、頭部両側から取得することができる。被験者の脳の特定の側に関連するIPG信号は、例えば、頸動脈が配置される被験者の首等の他の位置から、又は脳の前部及び後部から取得することもできる。
本開示による実施形態によれば、IPG波形を使用して、ICP、より詳細には平均ICPを決定することができる。上述したように、ICPは、3つの一般的な頭蓋内関連要因:CBV、浮腫状態、及びCSF量によって影響を受けることがある。ICPは、心周期、呼吸周期、及び脳血流の自然な血管脳自己調整能に対応するICP徐波周期を含むがこれらに限定されない身体の幾つかの周期的パラメータによる影響も受けることがある。これらの3つの要因は、異なる時間尺度でICPに影響することがある。ICP信号での最高周波数変動には、心周期及び心拍によって誘導される動脈圧変化を関連付けることができる。より低い周波数では、呼吸周期及び胸腔内圧への対応する変化の影響をICPで検出することができる。さらに低い周波数では、数十秒〜数分のオーダの周期を有するICP徐波又はプラトー波は、血管脳自己調整能メカニズムの反応時間尺度に対応する。ICP徐波は、約20秒〜数分の周期を有する圧力変動である。ICP徐波には、血管脳自己調整能メカニズムによって生じる生理学的脳変化を関連付けることができる。
図4は、本開示の例示的実施形態と一致する脳灌流モニタ130の追加的特徴を示す。
スイッチングユニット180は、IPG信号を取得するようにヘッドセット120の電極構成を再編成するために使用することができる。例えば、前頭部電圧および電流電極対110は、前頭部IPG信号を提供するために使用することができ、後部電圧および電流電極対110は、頭蓋内IPG信号を提供するために使用することができる。左右配置および前頭/後部配列は、スイッチングユニット180によって電子的にまたは機械的に切り替えることができる。スイッチングユニット180はプロセッサ160の一部として含めることができ、あるいは別個のユニットとすることができる。別の実施例では、センサ内の電流送達電極または電圧測定電極は役割を交換することができる。さらに別の実施例では、特定の電圧測定電極に関連付けられた電流送達電極は切り替えることができる。さらに別の実施例では、異なるセンサ内の電極は、新しいまたは異なる機能を実行するように、例えば患者の異なる場所からの電流送達または電圧測定を構成するように設計することができる。一般的に、IPG測定装置は、装置内に含まれるいずれかの電極が、それがどのセンサに含まれるかに関係なく、装置内に含まれるいずれかの他の電極に関連してここで企図された機能を実行することが可能になるように構成することができる。
電極は、非常に高いレートでスイッチングし、数ミリ秒に1回の頻度でスイッチングするように構成することができ、一度に数秒間または数分間、単一の役割を果たすように構成することができる。
スイッチングを通して、IPG測定装置は異なるセンサ構成および位置からデータを得ることができ、それは、従来の固定されたセンサまたは電極と比較して、患者の脳状態に関する追加情報を提供することができる。
一部の実施形態では、IPG測定装置130は、2つ以上のハードウェア信号チャネルを利用してIPG信号を受信するように構成することができる。一部のそのような実施形態では、例えば各測定で異なる交流電流周波数を使用することによって、複数のIPG信号を同時に測定することができる。この技術を用いて、各測定から得られた電圧信号は、その対応電流に関してハードウェア信号チャネルの1つによって復調することができる。
他の実施形態では、IPG測定装置130は、上述の通り、複数のハードウェア信号チャネルにIPG信号を送達するために、異なる構成の作動センサ間で規則的に切り替えるように構成することができる。各構成は、複数の信号チャネルに送達しかつ複数の信号チャネルによって解析するためにそこから信号を得ることのできる1対の作動センサによって規定することができる。
各IPGセンサにおける弱め合う干渉を最小化または防止するために交流電流を各センサに異なる周波数で送達することができる。さらなる実施形態では、IPG測定装置130は、関連付けられた電流送達電極から電圧測定電極によって受信された信号だけでなく、非関連電流送達電極の電圧測定電極によって受信された信号、すなわちクロス信号をも解析することができる。
クロス信号またはクロスIPG信号は、第1電極対を使用して被検者の頭部または脳に電流を通し、かつ第2電極対を使用して被検者の頭部または脳に誘起される電圧を測定することによって、得ることができる。例えば頭部の各側部に配置された1対の電圧および電流センサを含む半球状構成のセンサでは、頭部の片側に誘起された電圧を反対側で駆動された電流によって測定するクロス信号は、電流が一方の半球から他方の半球へ電流が経頭蓋的に伝わるときに、中心脳領域からの情報を提供することができる。
一部の実施形態では、交流電流は、測定の全期間で、少なくとも2つの固定周波数の間で、またはある周波数範囲にわたって連続的に、変動する周波数で送達することができる。異なる周波数で受信したデータの比較は、患者の間で異なるかあるいは個々の患者で徐々に変化する臨床パラメータの1つ以上により、周波数に対するデータの依存性を識別することによって測定を較正するために使用することができる。
本開示によれば、少なくとも1つのプロセッサによって受信されたいずれかの信号から、1つ以上の波形を抽出することができる。抽出される波形は、例えばインピーダンス成分およびそれらの経時変化を表す波形を含むことができる。インピーダンス成分は、例えばインピーダンスの大きさおよび位相、またはインピーダンスの抵抗成分およびリアクタンス成分を含むことができる。抽出される波形はまた、これらの成分の様々な組合せによって特徴付けることもできる。本書で使用する場合、波形は、それが信号から導出される場合、またはそれが信号を用いて決定される場合、IPG信号から「抽出される」とみなすことができる。
本書に記載する通り、少なくとも1つのプロセッサ160は、ソフトウェアベースおよびハードウェアベース両方の解析構成要素を含むことができる。一部の実施形態では、信号受信および波形抽出を実行するための例示的システムは、1つ以上のハードウェアベースのプロセッサによって実現することができる。すなわち、一部の実施形態では、信号受信ステップおよび波形抽出ステップは、デジタル信号プロセッサ(DSP)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)のような、信号処理用に特別に設計された専用プロセッサによって実行することができる。DSPまたはFPGAは、ソフトウェアプログラミングを介してではなく、ハードウェア構成を介して、以下の方法のステップを実現するように構成することができるので、ソフトウェアベースの方法よりずっと高いレートでデータを処理することが可能である。そのような高い処理レートは、本書に記載するIPG信号のような複素信号を、信号の受信と略同一レートで実時間で処理することを可能にする。本書で使用する場合、信号処理に関連して用語「実時間」とは、外部プロセスに遅れずについていくように充分に速く行われる信号の処理を指す。したがって、測定される物理的信号の変化を、その後に迅速に、5秒未満以内、3秒未満以内、1秒未満以内、0.5秒未満以内、100ミリ秒未満以内、50ミリ秒未満以内、またはそれより速く、出力データに反映させることができる。信号の受信と処理された信号の出力との間に小さい待ち時間が存在することがあるが、実時間信号処理の1つの結果は、未処理データのバックログを蓄積することなく、それによりデータが受信されるのと略同一レートで処理済みデータを出力する能力がもたらされることである。上述の通り、IPG測定装置は複数のハードウェア信号チャネルを含むことができる。ハードウェア信号チャネルは、送信構成要素181と受信構成要素182とを含むことができる。図4は、スイッチングユニット180(それはハードウェア信号チャネルが送受信する電極対を交互に切り替えるように制御することができる)を介して入力/出力線131に接続された、単一のハードウェア信号チャネルを示す。入力/出力線131は、信号をヘッドセット装置120に往復搬送することができる。IPG測定装置130は、必要に応じて任意の数のハードウェア信号チャネルを含むことができると理解される。
送信構成要素181は、1Hzから1MHzの間の周波数範囲に対応する連続正弦波、方形波、またはいずれかの他の周期的連続波の電子信号を出力するように構成することができる。システムはさらに、新しい時間区間に切り替えるまでの時間区間に単一周波数を出力するように構成することができ、時間区間は数ミリ秒から数分まで長さが変動することがある。送信構成要素181はまた、幾つかの周波数の信号を出力のために一度に一緒に多重化するように構成することもできる。
送信構成要素181は、例えば連続正弦波を提供する位相同期ループ回路構成、およびデジタル信号プロセッサ(DSP)またはフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)で処理されたソース信号を受信し、かつアナログ電子信号を出力するデジタルアナログ変換器を含め、所望の周波数で電子信号を出力するためのいずれかの適切な回路または部品構成を使用することができる。送信構成要素181は、電流源の使用を介して一定の交流電流を出力し、かつ一定の交流電圧を出力するように構成することができる。送信構成要素181から出力される電子信号は、IPG測定を達成するために、IPGセンサの少なくとも1つの電極に送達することができる。
IPG装置の受信構成要素182は、以下の通り、IPG信号のI(同相)成分およびQ(直交)成分を得るためにアナログおよびデジタルハードウェアにより実現することができる。ハードウェア信号チャネル用の受信構成要素182は、少なくとも1つのアナログデジタル変換器を含むことができる。第1アナログデジタル変換器183は、少なくとも1つの電圧測定電極によって測定された電圧を受け取ることによって、生理学的信号を受信するように構成することができる。一部の実施形態は、少なくとも1つの電流送達電極からの電流に対応する電流信号を受け取るように構成された、第2アナログデジタル変換器184を含むことができる。電流信号は、少なくとも1つの電流送達電極における電流に対応する電圧を有することができる。少なくとも1つの電流送達電極における電流は、例えば電流計によって、または電流が直列に流れる既知の抵抗器における電圧降下を測定することによって、測定することができる。一部の実施形態では、患者に印加される電流に関連付けられる信号は、患者に誘起される電流の測定を必要とすることなく、送信構成要素181のデジタルソースから直接デジタルで得ることができる。受信構成要素は、必要に応じて任意の数のアナログデジタル変換器を含むことができる。
電圧信号および電流信号を受信すると、ハードウェア信号チャネルの受信構成要素182は、例示的に次の通り、インピーダンスZの絶対値を決定することができる。アナログデジタル変換器183、および含まれる場合にはアナログデジタル変換器184(および含めることのできるいずれかの他のアナログデジタル変換器)は、アナログ電圧および電流信号を5MHzもの高いレートでサンプリングすることができ、かつ18から24ビットの間の分解能を有することができる。変換されたデジタル電圧信号およびデジタル電流信号は次いで、受信構成要素の処理部185によって受信することができる。受信構成要素182の処理部185は、上述の通り、FPGAまたはDSPを含むことができる。次いでデジタル電流信号に、位相シフトがゼロ度の純粋な正弦波I0(すなわち正弦波)およびI0に対し90度の位相シフトを持つ第2の純粋な正弦波Q0(すなわち余弦波)を実時間で乗算することができる。これらの乗算はIC0およびQC0をもたらす。同様の乗算は受信デジタル電圧信号に対して実行され、IV0およびQV0がもたらされる。
これらの乗算は原信号を2つの部分に分割する効果を有し、その第1部分は同相部Iを表し、第2部分は位相がIから90度ずれた直交部Qを表す。結果的に得られた信号もまた2つのスペクトル成分を有し、第1成分は試験周波数の約2倍であり、第2成分はゼロに近い。ゼロに近いスペクトル成分は、試験信号が被検者の身体を通過するときの試験信号の変調に対応する。
次に、IC0、QC0、IV0、およびQV0は、身体の変調に対応する部分を残して、高周波成分を除去するために低域通過フィルタリングすることができる。このステップもまた、処理部の専用ハードウェアによって実時間で実行することができる。
受信構成要素182の処理部185によって実行される最終ステップは、信号間引きを含むことができる。IC0、QC0、IV0、およびQV0信号は、抽出波形Ic、Qc、Iv、およびQvをもたらすように、20Hzから1kHzの間のサンプリングレートまで間引くことができる。これらの低いサンプリングレートは、ソフトウェア処理により適している。間引かれた抽出電流および電圧波形lc、Qc、Iv、およびQvは次いで、ソフトウェア命令に基づいてさらなる処理を実行するように構成された少なくとも1つの第2プロセッサ、例えばCPUによって受信することができる。信号の同相部分および直交部分を表すこれらの波形は、組織インピーダンスを表す複素インピーダンス波形Zを決定するために使用することができる。抽出波形を解析するために利用される方法に関するさらなる詳細は以下に記載する。
上述の通り、IPG信号はICPレベルを決定するために使用することができる。これは図5a〜図5cに関連して示すことができる。図5a〜図5cで、インピーダンスの大きさ波形502および位相波形503は、ICP信号501内の特性と相関する特性を例証する。図5aは、例示的ICP信号501のグラフ表現を提示する。図5bは、ICP信号501と同時に記録された例示的なインピーダンスの大きさ波形502のグラフ表現を提示する。図5cは、ICP信号501と同時に記録された例示的なインピーダンスの位相波形503のグラフ表現を提示する。
例えば、3つの信号は全て、第1ピークP1(410)および第2ピークP2(420)の特性を例証する。呼吸周期に関連付けられる平均ICPの立ち上がりおよび立下りもまたICP信号501に見ることができる。平均ICPの立ち上がりおよび立ち下がりと同時に起きるのは、その信号内のP2(420)の高さの同様の立ち上がりおよび立ち下がりである。インピーダンスの大きさ波形502およびインピーダンスの位相波形503はまた、ICP信号波形501に示すように、平均ICPの立ち上がりおよび立ち下がりと同時に起きるP2(420)の高さの立ち上がりおよび立ち下がりをも例証する。こうして、例えばインピーダンスの大きさ波形502内またはインピーダンスの位相波形503内のP2(420)の高さの変動から、平均ICPについての情報を得ることができる。これらの特性は、波形501、502、および503を見るだけで容易に認識できるので、単に例示を目的として詳述する。後でさらに詳述する通り、追加の解析技術を通して、インピーダンスの大きさ波形502内またはインピーダンスの位相波形503内で追加の特性を識別することができる。
図5a〜図5cに示す通り、IPG波形はICP波形の変化に緊密に追従し、ICP波形との強い類似性を示す。IPGの振幅および位相波形は両方とも、ICPの変化との強い相関を示す。
測定されたIPG波形は、IPG電流が流れる組織の血液量の相対的変化による変化、および追加の血行動態パラメータによる変化を示す。血液量は心周期中に瞬時血圧および血流量に従って変動し、この変化は心周期のIPG波形によって捕捉することができる。臨床テストでは、IPG波形の動的成分は、ICP波形の動的成分と良好に相関する。しかし、IPG波形は組織血液量、機械的脳脈動、およびCSFの拍動性の相対変化を測定するので、生理学的較正の助けを借りてICPの平均値を決定するためには、IPG波形の動的成分の追加的解析が必要である。
ICP波形の動的成分、およびそれらの測定IPGの類似物もまた、それらのスペクトル特性によって分類することができる。最も高速の脈動性を持つ最高周波数の信号は、心臓複合波から生じる。各心拍動は脳への血流を駆動し、測定されるICPに影響する。より低い周波数では、信号は呼吸によって変調される。呼吸は頸静脈への圧力を変化させ、それは次に、血液が脳から流出するために必要な圧力を変化させ、測定ICPに影響する。さらに低い周波数では、血管脳自動調節能(CAR)メカニズムの反応時間スケールに対応する徐波が存在する。身体、および特に脳は、血管拡張および血管収縮のようなメカニズムを通して血流特性を調整し、そのような変化は、作用するまで数十秒から最小で数十分掛かる。
本開示と一致する一部の実施形態では、平均ICPを推定することは、ICP波形またはその代表的なIPG波形の動的成分を除去するか、または正規化することを含むことができる。心臓複合波、呼吸周期、および脳自動調節能メカニズムに対応するICP波形の拍動特性の相対振幅に対して調整した後、ICPの平均値が残る。ICP波形に基づいて平均ICP値を決定するために必要な調整から、ICP波形に対応するIPG信号に基づいて平均ICP値を決定するために必要な調整を決定することができる。上述したファクタは全て、患者の頭蓋状態を監視するのに有用であることができる。
上述の通り、心周期、呼吸周期、および脳自動調節能の徐波周期のような様々な自然プロセスは、脳内の血液および他の流体の両方の量および圧力に影響する。これらは、図6〜図9に関連してよりよく理解することができる。
図6a〜図6dは、従来の侵襲的計測を通して得られたICP波形を示す。図6aに示すICP波形401は、正常な状態の健康な脳から得られたICP波形のグラフ表現を提示し、ICPは‐1から2.5mmHgの範囲である。第1ピーク(P1)410は、この波形における第2ピーク(P2)420より著しく高い。加えて、信号波形は高い粗度によって特徴付けられる。
図6bに示すICP波形402は、病変のある脳から得られたICP波形のグラフ表現を提示し、ICPは35から60mmHgの範囲である。ICP波形402では、P1(410)は、ずっと高いP2(420)によって隠されるので、見えない。加えて、信号波形の粗度は非常に低い。すなわち、ほんのわずかな特徴的な形状を有するだけである。
図6cに示すICP波形403は、上昇したICP状態の脳から得られたICP波形のグラフ表現を提示し、ICPは12から21mmHgの範囲である。この図では、P2(420)はP1(410)よりわずかに高く、かつ粗度は依然として高い。
図6dは、高レベルの浮腫又は流体の蓄積を有する脳のICP波形601を示す。示されるICP波形では、P2 420の高さは、健康な脳で予期されるレベルと比較して大きな増大を示す。したがって、P2 420の高さは、脳内の浮腫レベルの指標であることができる。上述したように、浮腫レベルは、ICP増大に対する寄与要因であり、したがって、P2 420の高さの増大は、脳内のICP平均値の増大を示すことができる。
これらのICP波形で明らかな特性は、被検者の脳の状態によって変化する、例えば、第2ピーク(P2)420に対する第1ピーク(P1)410の比率は、信号間で異なる。健康な脳では、P1(410)はP2(420)より著しく高い。病変のある脳では、P2(420)は、P1(410)が隠され曖昧になるまで、高さおよび幅が拡張される。最後に、上昇ICP脳では、P1(410)はP2(420)より低い。したがって、P2に対するP1の比率は、ICPの平均値と相関するインジケータである。これらの波形で明らかな別の実施例として、各ICP波形の粗度は、平均ICPの増大に伴って低減する。波形の粗度は、波形内の識別可能な変動の頻度を計る。P1とP2との比率およびICP波形の粗度は、図8a〜図8cに示す通り、ICP波形の識別可能な例示的特性である。
信号が特定の閾値(例えば最小値と最大値の平均)より高い期間と、複合波の持続時間(1を心拍数で割ったものに等しい)との間の関係と定義することのできる心臓複合波の凹部もまた、ICPの平均値を示すことができる。健康な脳では、図6aから分かる通り、凹部比率は小さいが、病変のある脳では、図6bから分かる通り、凹部比率はより大きい。凹部比率は、ICPの平均値と相関する臨床パラメータである。
ピークツーピーク(P2P)測定値もまた、ICPの平均値を示すことができる。ICP波形における各心臓複合波に対し、ピークツーピーク測定値は、最大値と最小値との差として定義することができる。ICP信号における心臓複合波は、心臓拍出量(CSV)と定義される、各心拍で脳内に入る血液の量に対応する。CBFはある期間の、例えば1分間のGSVの和に等しいので、CSVおよび脳血流量(CBF)は相互連結される。したがって、ICP信号における心臓複合波のピークツーピーク測定値もまた、ICPの平均値と良好に相関する。上記は、平均ICP値を示すことができる、ICP信号内で識別することのできる例示的特性を表すに過ぎない。
本開示による幾つかの実施形態では、脳コンプライアンス曲線での作用位置を、抽出波形に基づいて推定することができる。上述したように、平均ICPを決定するには、ICP波形又は代表的なIPG波形での拍動特性の相対振幅に関する正規化又は調整が必要であることがある。ICP波形(又は代表的なIPG波形)の相対測定値と、ICP波形の平均値との相関は、脳のコンプライアンス曲線の理解を通して決定することができる。脳のコンプライアンス曲線は、脳の容積と圧力との関係として理解することができる。
図7は、脳コンプライアンス曲線701を示す。脳容積は、脳組織の容積、脳血液量(CBV)、及び脳脊髄液(CSF)を含む。脳容積の速い変化は主に、CBV及びCSFの変化によって引き起こされることができる。図7が示すように、脳容積(x軸)が増大するにつれて、脳容積の小さな変化が、ICPのますます大きな変化に相関する。したがって、CSV及びCSFが、連続した心臓複合波間であまり大きく変動しない限り、ICP波形のピークツーピーク測定値の変動のサイズは、脳コンプライアンス曲線701での作用位置を示すことができ、この位置は更に、ICPの平均値に相関することができる。例えば、ICPの高いピークツーピーク測定値は高いCBVを示すことができ(図7のB−B’に対応する)、一方、ICPの低いピークツーピーク測定値は、低いCBVを示すことができる(図7のA−A’に対応する)。これは図4aにおいても見ることができ、図4aでは、ICPピークツーピーク測定値は3.5mmHgである。したがって、ICPのピークツーピーク測定値は、ICPの平均値の指標であることができる。対応する量の変化の同時インジケータがあるときには、ICPのピークツーピーク測定値は、ICPの平均値の特に有用な指標であることができる。
さらに、単一の心拍複合波中のICP波形のピークツーピーク測定値は、CSF維持機能の指標でもあることができる。上述したように、CSF量維持は、平均ICPを決定する要因の中にある。場合によっては、医師は、CSF維持を患者に対して実行する。しかし、CSFが臨床医によって人工的に維持されない場合、ICP波形のピークツーピーク測定値は、CSF維持機能を示すことができる。CSFが、低CSF可用性又はCSF流の遮蔽に起因して、脳から流出することができない状況では、CSFを保持する脳は比較的大きな脳容積を有し、したがって、コンプライアンス曲線で更に右になるため、ICP波形に対する血流変動の影響はより大きい。
本開示による幾つかの実施形態では、患者の呼吸周期に関連付けられたインピーダンス波形から抽出される波形特性を利用して、脳コンプライアンス曲線での作用位置を推定することができる。呼吸周期に関連付けられたICP波形の特性は、ICPの平均値を決定するに当たっても有価値であることができる。呼吸は、胸腔内圧の変化を生じさせる。吸入は胸郭内圧を増大させ、したがって、頸静脈への外圧を増大させ、それにより、脳からの血液の流出が低減し、それにより、CBV、ひいてはICPを増大させる。バルサルバ法中にとられるICP測定値がこれを示す。バルサルバ法では、患者は、閉塞した気道に逆らって息を吐こうとすることにより、胸郭内圧を増大させることができる。バルサルバ法中、測定ICPは、CBVの増大に起因して、30mmHgより上の値まで増大することができる。
図8は、呼吸周期中のICP及びABPの拡張期値を示す。図8では、呼吸調節の影響は、ICP波形と動脈圧(ABP)波形との比較において見ることができる。示されるグラフでの各下向きスパイクは、心周期の拡張期部分でのICP又はABP測定値である。示されるように、最小ICP及びABPは、呼吸周期の過程にわたる周期的パターンを示す。最小ICP及びABPは、呼吸周期の呼気フェーズ中に最低点に達する。図8に示されるように、ICP及びABP(ICP−P2P_R及びABP−P2P_Rのそれぞれ)の呼吸ピークツーピーク測定値の呼吸調節はそれぞれ、1.5mm及び2mmに等しい。
上述したように、ICPを通してコンプライアンス曲線での脳の作用位置を測定することは、安定したCSVによって促進することができる。しかし、患者によっては、連続した心周期間のCSVは、ICPを通してコンプライアンス曲線作用位置の正確な測定を可能にするのに十分に安定していないことがある。呼吸周期は、CSVから独立してICPに影響するため、コンプライアンス曲線での脳の位置を示す捕足測定値を提供することができる。従来通りに測定することができるABPを使用して、この補足測定値を提供することができる。ICPは、血流に関連する要因(CBV)並びに血流に関連しない要因(例えば、CSFレベル及び浮腫レベル)によって寄与されるため、ICPとABPとの比較は、これらの影響を分けるのに役立つことができる。したがって、呼吸周期にわたる血圧の変化と、同じ呼吸周期にわたるICPの変化との差は、コンプライアンス曲線での脳の作用位置を示すことができる。これは以下のように数学的に記述することができる。
CC−R=(ICP−P2P−R)−(ABP−P2P−R)
を定義する。CC−Rは、コンプライアンス曲線での脳の作用位置を示す測定値である。したがって、動脈圧の呼吸ピークツーピーク測定値を、頭蓋内圧の呼吸ピークツーピーク測定値から差し引くことで、コンプライアンス曲線での脳の作用位置を示す測定値が生成される。
さらに、ピーク吸気とピーク呼気での心拍複合波中のピークツーピークICP測定値の比率を利用して、ABP信号を用いる較正を通して、現在のコンプライアンス曲線作用位置を示すことができる。
本開示による幾つかの実施形態では、脳自己調節能、又は徐波周期に関連付けられたICP波形の特性を使用して、ICPの平均値を決定することができる。例えば、圧力反応性指数(PRX)が、脳自己調節能メカニズムの機械的な機能に相関付けられた測定値であり、したがって、ICPの平均値に相関付けることができる。
図5a〜図5cに関連して上述した通り、IPG信号(および抽出されたIPG波形)はICP信号と良好に相関する。したがって、例えば処置の侵襲性が高すぎるため、または時間がかかる処理であるため、直接測定ICPデータが得られない状況では、IPG測定値を使用して、上述したICP波形の様々な成分を推定し、様々な脳パラメータを決定することができる。
IPG波形の解析において、高拍動性成分、例えば、心臓複合波及び呼吸調整と、低拍動性成分、例えば、脳自己調節能徐波及び浮腫発生とは、4つ全ての測定値:I(t)、Q(t)、|Z(t)|、φ(t)で見ることができる。
次に、IPG信号の波形には、スペクトル解析及びモード分解技法等の様々な技法を関連付けて、様々な時間尺度で波形を解析することができる。例えば、心周期、呼吸周期、又は徐波周期等の異なる生理学的プロセスに関連付けられた波形を、モード分解技法を使用して、適切な生理学的プロセスに関連付けられていない周波数で生じる信号要素をなくして、IPG信号から抽出することができる。次に、上述した病変指標に関して波形を解析し、波形を使用して、ICPの平均値及び波形複合波を非侵襲的に抽出することができる。解析のための波形は同様に、ABP信号及びECG信号等の他のタイプの信号から抽出することもできる。
平均ICP値の測定に関して上述した指標、例えば、P1/P2関係、粗度、凹性測定値、P2P測定値、CSF機能、浮腫指標、及び脳自己調節能状態は、IPG波形:I(t)、Q(t)、|Z(t)|、φ(t)のそれぞれ及び/又はこれらの波形から抽出される特性を使用して測定又は決定することができる。例示的な測定方法は、以下に一層詳細に記述される。
本開示と一致する一部の実施形態では、プロセッサは、IPG信号から決定された脳血液量の変化、IPG信号から決定されたICPの変化、およびIPG信号の静的部分からのインジケータに基づいて、IPG信号から平均ICPを推定するように構成することができる。IPGデータからICP値を決定するこの方法は、IPGデータ信号のピークツーピーク測定値およびコンプライアンス曲線を利用することができ、次のように実行することができる。
図7に示すコンプライアンス曲線は、数学的に次のように定義することができる。すなわち、ICP=Αebv。ここで、ICPは平均ICPであり、Αおよびbは患者の状態に基づいて変動する静的パラメータを表し、Vは全脳容積を表す。Αおよびbはコンプライアンス曲線を記載するファクタであるため、それらをコンプライアンスインジケータと呼ぶこともできる。本書で使用する場合、「静的パラメータ」とは、心拍動より遅い変化率を持つパラメータを指す。すなわち、静的パラメータは不変ではなく、心周期と同様の率で変化するパラメータより相対的に遅い速度で変化する。平均ICP、Α、b、およびvの間の関係の数学的探索は、上述したピークツーピーク測定値がICPの良好な推定値をもたらす理由を実証する。コンプライアンス曲線を定義する方程式を微分すると、dICP/dV=b*ICPとなる。式中、dVおよびdICPは、IPG信号における動的心成分から推定することができ、bはIPG信号の静的成分から推定することができる。bを推定するのに有用な静的成分は、例えば信号の静的実部または虚部の平均値のみならず、頭囲、年齢、および性別などのような患者に対応する追加の定数ファクタをも含むことができ、したがってbは、IPG信号の静的部分および外部ファクタから決定されるコンプライアンスインジケータを表すことができる。
脳容積の他の成分はCBVと同一時間スケールで変化しないので、脳容積の変化を表すdVは、心拍毎のCBVの変化と良好に相関する。前述の通り、血流量の増加は、IPG信号の虚部より実部に対してより強力に影響する傾向がある。したがって、CBVの変化は、IPG信号の抵抗部分または実部と良好に相関する。頭蓋内圧の変化を表すdICPは、心拍毎に発生する組織の変形と相関する。IPG信号のリアクタンス部分または虚部は、脳組織の変化に関連付けられる。したがって、dVおよびdICPは両方ともIPG信号から推定することができる。dVはまたIPG信号の虚部とも相関し、かつdICPはIPG信号の実部と相関し、したがって、IPG信号のいずれか一方または両方の部分を利用して、これらのパラメータの両方を推定することができる。dVおよびdICPは両方とも、心周期にわたるIPGのピークツーピーク値から推定することができる。
代替的に、CBVの変化は、MCAのような重要な脳動脈に対応する半球信号を通して測定することができ、かつ圧力の変化(dICP)は、毛細血管の反応性に対応する半球横断信号、すなわちクロス信号を通して測定することができる。dVは半球横断IPG信号とも相関することができ、dICPは半球IPG信号とも相関することができ、したがってIPG信号の一方または両方を利用して、これらのパラメータの両方を推定することができる。dVおよびdICPは両方とも、心周期にわたるIPGのピークツーピーク値から推定することができる。
年齢、性別、頭囲、身長、体重、外傷性脳障害の有無、外科的処理の有無、出血の有無、浮腫の有無、脈拍数、および障害側のような様々な患者の状態は全て、より動的な成分が除去された後、IPG信号の静的成分から推定することのできる静的パラメータbの値に影響することがある。一部の実施形態では、これらの患者の状態は、インジケータbの推定を補助するために使用される。dV、dICP、およびbの推定により、方程式dP/dV=b*ICPは次いでICPの推定値をもたらす。
本開示の実施形態は、血行動態学的パラメータを測定する追加の手段を提供することができる。例えば、本開示による幾つかの実施形態では、心臓拍出量(CSV)をIPGデータから測定することができる。インピーダンスの絶対値|Z(t)|の変化は、脳内部の血液量の変化に対応することができる。各心臓複合波内で、これらの変化は、心拍毎に脳に入る血液量であるCSVに対応することができる。CBFは、定義により、時間期間(例えば1分間)にわたるCSVの和であるため、この測定値はCBFにも直接関連する。
本開示による幾つかの実施形態では、ICPの平均値は、平均動脈圧及びCSVから推定することができる。心臓複合波の周波数において、ICPの変化は主に、脳に入る血液に起因し、したがって、IPG波形の|Z(t)|に良好に相関する。脳に入る血液の量は脳かん流圧(CPP)に依存し、これは、CBFに脳血管抵抗(CVR)を乗算したものに等しい。脳血管抵抗は、更に詳細に後述するように、インピーダンス波形の位相変化から推定することができる。したがって、CPPはCSV及びCVRから推定することができる。CPPはICPにも相関することができる。すなわち、ICP=平均動脈圧(MAP)−CPPである。したがって、連続動脈血圧(ABP)データを使用して、例えば、大腿動脈から測定される平均動脈圧を決定し、インピーダンスのIPG絶対値からCSVを測定し、IPG波形位相からCVRを測定することにより、ICPの平均値を推定することができる。
上述したように、平均ICPは、コンプライアンス曲線での作用位置の推定値に基づいて推定することもできる。上述した方法に加えて、そのような推定は、インピーダンス位相情報の解析を通して浮腫レベルを推定することによって支援することができる。インピーダンス位相の変化は、脳血管抵抗の変化に相関する。これは少なくとも部分的に、インピーダンス位相がIPG波形のリアクタンス成分によって大きく決まることに起因し、このリアクタンス成分は、血流の変化よりも強く、組織構造の変化を反映する。したがって、脳動脈が幾何学的形状の変更、例えば、拡張、伸縮、硬化、及び軟化を受け、したがって、CVRに影響する場合、これらの変化は、インピーダンス波形の位相部分において反映される。
心拍毎に変化するのが血液量のみであり、その間、血管がいかなる幾何学的形状変化も受けない状況では、IPG信号の位相部分が受ける影響の大きさは、IPG信号の振幅部分よりも小さくなることがある。これは、脳組織の変化に起因するICPレベルの増大に対応する、血管に対する外部からの高い圧力が存在するシナリオに対応することができる。これとは対照的に、バルサルバ法中、ICPが呼吸の影響に起因して増大する場合、各心拍複合波でのφ(t)のピークツーピーク測定値は、|Z(t)|のピークツーピークよりもはるかに急速に、ICPの増大に伴って低減する。すなわち、脳組織変化によって生じるICP増大中のIPG波形の位相部分のピークツーピーク測定値と比較した、バルサルバ法によって生じるICP増大中のIPG波形の位相部分のピークツーピーク測定値は、波形の位相部分が、脳組織変化によって生じるICP増大と、呼吸の影響によって生じるICP増大とに別様に反応することを示す。
したがって、本開示による幾つかの例示的な実施形態では、脳コンプライアンス曲線での作用位置は、呼吸周期に関連付けられたインピーダンス波形の位相部分から推定することができる。ピーク呼気での心臓複合波中のφ(t)のピークツーピークを測定するとともに、ピーク吸気での心臓複合波中のφ(t)のピークツーピーク並びにABP及びIPG振幅の呼吸調節のピークツーピーク値を測定することにより、コンプライアンス曲線での作用位置を抽出することができる。
幾つかの例示的な実施形態では、φ(t)と|Z(t)|との相関は、平均ICPレベルの指標であることができる。健康な患者では、脳は柔軟であり、血液流入に起因する変化には、血管の幾何学的形状の変化が付随する。したがって、φ(t)と|Z(t)|とのタイミング相関は、低ICPでは、健康な組織では比較的低く、一方、より高いレベルのICPでは、2つの信号はより同期することができる。より高いレベルのICPでは、圧力の増大に起因して血管が硬化する場合、血流の拍動性(|Z(t)|で測定される)に起因する血管への任意の変化(φ(t)で測定される)は、血流拍動と血管変化とのラグがより短い状態で発生する可能性がより高い。
さらに別の例示的実施形態では、平均ICPは、クロスIPG信号データの解析から直接推定することができる。例示的ヘッドセット120のような担持体は、第1電極対を被検者の頭部の第1部分に取り付け、かつ第2電極対を被検者の頭部の第2部分に取り付けるように使用することができる。一部の実施形態では、第1電極対および第2電極対に対し、別個の担持体を使用することができる。少なくとも1つのプロセッサは、電流信号のような信号を第1電極対に送信し、かつ電圧信号のようなIPG信号を第2電極対から受信するように構成することができる。クロスIPG波形は受信信号から抽出することができ、クロスIPG波形の変化は平均ICPを推定するために使用することができる。したがって、クロスIPG波形は、頭部の第1部分および第2部分の両方に対応することができる。頭部の第1部分および第2部分は、例えば左脳半球に対応する左側および右脳半球に対応する右側を表すことができ、かつその逆も可能である。
一部の実施形態では、第2のIPG信号から抽出された第2のIPG波形は、平均ICPを決定する際にクロスIPG波形を増強するために使用することができる。すなわち、電圧および電流電極対が相互に間隔を置いて配置される頭部の2つの部分から得られるクロスIPG波形に加えて、頭部の電流電極の近くに電圧電極が配置される頭部の単一部分から得られる標準IPG波形は、ICPを決定する際にクロスIPG波形を増強することができる。
第2のIPG波形は幾つかの方法で得ることができる。例えば、各センサに電圧電極および電流電極が含まれる追加のセンサ対は、第2信号を送信し、かつ第2のIPG信号を受信するように頭部に配置することができる。他の実施形態では、第1電極対は、クロスIPG信号を生成するための第1信号および標準IPG波形を生成するための第2信号の両方を送信するように動作することができる。これらの実施形態では、追加の電圧電極対は、頭部の第1電極対に近い位置に配置することができる。さらに他の実施形態では、頭部の第1位置に配置された第1電極対は、少なくとも1つの信号および少なくとも1つの第2信号の両方として機能し、頭部の第2部分の電極によってクロスIPG信号として受信され、頭部の第1部分の電極によって標準IPG信号として受信される、単一の信号を送信することができる。さらに別の実施形態では、第1または第2電極対の一方は、クロスIPG信号を生成することに加えて、少なくとも1つの第2信号を送信し、かつ少なくとも1つのIPG信号を受信するように使用することができる。上記の電極の組合せは完璧なリストを構成するものではなく、他の適切な組合せを使用してクロスIPG信号および標準IPG信号を生成することができる。
他の実施形態では、動脈血圧信号および/または非侵襲性血圧信号を使用して、第1クロスIPG波形を増強することができる。
I/Q及び振幅/位相解析法に加えて、パラメータの抽出前のデータの任意の適する数学的処理を利用することができる。すなわち、S=関数(I,Q,振幅,位相)であるような信号Sを使用することができ、式中、関数は、静的パラメータに基づくか、又はデータに従って計算される適応的パラメータに基づく数学的操作を含むことができる。したがって、数学的操作法は、記録されたデータに従って変更することができる。
本開示と一致する一部の実施形態では、コンプライアンス曲線における作用位置を決定するだけでなく、他の脳パラメータを決定するためにも有用である浮腫レベルについても、複数の周波数でI(t)、Q(t)、|Z(t)|、φ(t)を測定することによって推定することができる。組織の生体インピーダンスは、図9に示されるように、第2の抵抗素子及びキャパシタに並列する第1の抵抗素子としてモデリングすることができる。第1の抵抗素子RECF901は、細胞外液の抵抗を表すことができ、第2の抵抗素子RICF902は、細部内液の抵抗を表すことができ、キャパシタCMEM903は、細胞膜のキャパシタンスを表すことができる。インピーダンスが単一の周波数で測定される場合、回路を単一のインピーダンスとして解析することができる。しかし、インピーダンスが測定される周波数の変化は、抵抗の挙動を変化させずに、キャパシタの挙動を変化させる。したがって、複数の周波数においてインピーダンスデータを解析することにより、各回路素子の値の幅広い像を得ることができる。生体インピーダンス回路キャパシタは、細胞膜によって生み出される影響に対応することができ、第1の抵抗素子は、細胞外液によって生み出される影響(例えば、血管原性浮腫)に対応することができ、第2の抵抗素子は、細胞内液によって生み出される影響(例えば、細胞毒性浮腫)に対応することができる。
数学的に、図9の回路は以下のように表すことができ、
Z(w)=RECF*[RICF/(jwCMEMICF+1)]
式中、wは周波数を表す。複数の周波数において組織インピーダンスを測定し、各周波数において波形I(t)、Q(t)、|Z(t)|、φ(t)のそれぞれから拍動性パラメータ及び非拍動性パラメータを抽出して、複数の式を生成することができる。これらの式を解くことにより、細胞外液の抵抗であるRECF901、細胞内液の抵抗であるRICF902、及び細胞膜キャパシタンスであるCMEM903の推定値を提供することができる。これらの要因から、脳浮腫のレベルを推定することができる。浮腫は脳容積に寄与する要因の中にあるため、浮腫の推定値は、コンプライアンス曲線での脳の作用位置の推定値に寄与することができる。浮腫の推定値は、以下にさらに述べられるように、他の脳状態を診断するための値を提供することもできる。
浮腫レベルを決定する方法は、次のように動作することができる。時分轄多重化技術を使用して、電流を非常に短い期間に10KHz〜1MHzの範囲の周波数で送達することができる。各周波数で、約50個の波長の電流を送達することができる。各周波数は0.5〜2ミリ秒の期間測定することができる。前記範囲の周波数は典型的な生理学的変化よりずっと短い時間スケールで送達されかつ測定されるので、複数の周波数のインピーダンス測定が略同時に行われ、生理学的変化を捕捉することができる。
IPG解析を通して生成される浮腫の推定値は、様々な種類の脳浮腫の推定時に値を提供することもできる。脳浮腫は、外傷性脳障害(TBI)後の死亡率および罹患率において、最も重要なファクタの1つである。一般的に、脳浮腫は主に2つの種類、すなわち細胞毒性浮腫および血管原性浮腫に分けることができる。
細胞毒性浮腫は、脳細胞透過性の変化の結果発生することがある。この過程で細胞外液が脳細胞内に浸透し、脳細胞を膨張させ、最終的に死なせる。この過程は通常、頭蓋内圧(ICP)の大きい増大を伴い、脳ヘルニアおよび死を導くことがある。血管原性浮腫は、細胞外液の量の増加およびしたがってICPの潜在的な増加をもたらす、血液脳関門の損傷の結果発生する。
虚血性脳卒中の患者では、細胞毒性浮腫が優位を占める傾向がある。TBI患者では、二次損傷の様々な段階で、血管原性浮腫および細胞毒性浮腫の両方が現れることがある。各ステージで優位を占める形の浮腫を決定することは、患者の適切な治療を決定するために不可欠である。
上述の通り、ある範囲の周波数でIPG信号を印加することは、脳浮腫レベルを推定するために利用することができる。加えて、2種類の浮腫を鑑別し、各種類の脳浮腫の状態を推定するために、上述した技術を使用することもできる。生体物質および特に脳組織は、上述の通り、コンデンサCMEMと並列の単一の抵抗器RECF、および別の抵抗器RICFによってモデル化することができ、ここでRECFは細胞外液、CMEMは細胞膜、RICFは細胞内液に対応する。細胞内液および細胞外液は良導体として働くので、RICFおよびRECFに対し決定された値の変動は、浮腫の検出のみならず、浮腫の種類の決定をも可能にすることができる。
例えば浮腫が存在しない場合、過度の細胞内液および細胞外液の欠如は電気の伝導を難しくするので、RICFおよびRECFは両方とも比較的高い値を有することができる。細胞毒性浮腫の場合、追加的な細胞内液の存在のため、RICFが低下する。血管原性浮腫の場合、追加的な細胞外液の存在のため、RECFが低下する。
データは、図10に示すように、患者の現在の状態および患者の浮腫歴の状態を示す2軸グラフに提示することができる。点(0,0)付近の三角形は健康な領域に対応する。湾曲した矢印は、主に細胞毒性浮腫のある患者が、血管原性浮腫が優位を示す状況になるまでのシナリオを例示する。
少なくとも2つの周波数を使用する上記技法は、浮腫を超える追加の頭蓋内血行動態学的パラメータについての有価値な情報を提供することができる。被験者の身体の異なる構成要素、例えば、血液、CSF、脳、及び白質は、異なるインピーダンススペクトル属性を有する。2つ以上の周波数において取得される任意の2つ以上のインピーダンス信号から波形パラメータを抽出することにより、異なる脳構成要素の生理学的波形を取得することができる。さらに、異なる周波数での事象のタイミング、例えば、インピーダンス位相の収縮期部分が最大の傾きに達するときを比較することにより、高い正確性で組織の生理学的波形を抽出することができる。したがって、例えば、ICPレベル、浮腫状態、脳自己調節能機能、脳かん流、及びCSF排出を含む複数の頭蓋内血行動態学的パラメータを推定することができる。
本開示によるIPG測定装置の例示的な実施形態は、表示装置、アラーム、送信器、及び患者情報を医療関係者に伝える他の適する手段を含む。本明細書において考察される様々な生理学的パラメータ及び脳血行動態学的パラメータを測定し、様々な手段を通して医療関係者に報告することができる。例えば、IPG測定装置は、測定又は決定された任意のパラメータを表示する画面を含むことができる。IPG測定装置は、電子メール、ウェブサイト、又は他のネットワークにより促進される方法を介して、患者の状態を医療関係者に通知する無線又は有線ネットワーク能力を含むことができる。
IPG測定装置は、例えば、平均ICP値を連続して報告することにより、及び/又は長い時間間隔(例えば、6時間、1日、又は1週間)にわたるICP値の傾向表示を与えることにより、現在の患者の状態を医療関係者に通知するように構成することができる。幾つかの例示的な実施形態では、IPG測定装置は、簡略化された様式でパラメータ値を決定し報告するように構成することができる。例えば、IPG測定装置は、例えばアラームを介して、平均ICPが特定の閾値(例えば、20mmHg)を超え、危険又は心配な患者の状態を示すか否かを判断し報告するように構成することができる。IPG測定装置は、例えば、ICPが15mmHg未満の場合には、安全な状態を示す緑色光を表示し、ICPが15mmHg〜25mmHgである場合には、潜在的に有害であるか、又はエスカレートしつつある状態を示す黄色光を表示し、ICPが25mmHgを超える場合には危険な状態を示す赤色光を表示することにより、範囲内の平均ICP値を決定し報告するように構成することもできる。同様に、簡略化されたパラメータ決定及び報告方法を、本明細書において考察される任意のパラメータに適用することもできる。
本開示と一致する一部の実施形態では、IPG信号から抽出されたインピーダンス波形の解析を使用して、脳血管痙攣の診断および監視を行うことができる。脳血管痙攣、脳血管の収縮は、出血性卒中または動脈瘤を患った後の被検者に頻繁に発生する。血管痙攣はかなりの脳損傷を引き起こす潜在的可能性を有するが、検出することが困難である。第一に、卒中自体に対する血管痙攣のタイミングは予測不能である。血管痙攣は、卒中から数時間後ないし数日後までのどこでも発生することがある。第二に、血管痙攣は脳損傷がすでに発生してしまうまで、外面的な症状を生じないことがある。血管痙攣はニモトップのような血管拡張剤により容易に治療することができるが、そのような治療には、血管痙攣の検出に成功する必要がある。
血管痙攣を患っている患者のインピーダンス波形は、健康な患者のそれとの相違を示す。これらの相違は、本書に記載した装置および方法を通して、血管痙攣を検出し、診断し、かつ監視するために使用することができる。図11は、血管痙攣を経験した患者から記録されたIPG波形を示す。この患者は、動脈瘤のため最初に入院してから5日後に血管痙攣を経験した。チャート1101はECGを表し、チャート1102はインピーダンス振幅を表し、チャート1103はインピーダンス位相を表す。インピーダンスチャート1102および1103において、暗色の線は右半球を表し、明色の線は左半球を表す。チャート1103では、左半球のインピーダンス位相の特定のパラメータ(明色の線)は、右半球(暗色の線)に対して遅延することが分かる。例えば、各心周期の最大の勾配は、各心周期のピーク値と同様に、後で生じる。したがって、右半球の信号から抽出された右半球のインピーダンス波形の特性と、左半球の信号から抽出された左半球のインピーダンス波形の対応する特性との間のタイミング差を使用して、血管痙攣を決定することができる。これらのパラメータなどを使用して、血管痙攣を検出することができる。
図12は、ニモトップの投与から3分後に行われた同一患者からの記録を示す。チャート1201はECGを表し、チャート1202はインピーダンス振幅を表し、チャート1203はインピーダンス位相を表す。インピーダンスチャート1202および203において、暗色の線は右半球を表し、明色の線は左半球を表す。チャート1203から分かるように、左右半球のインピーダンス位相波形間のタイミング差は、ニモトップの投与後に、より一定になる。
IPG装置は、IPG信号からインピーダンス波形を抽出するために使用することができ、かつ抽出された波形のパラメータに基づいて、被検者の血管痙攣の検出、診断、および監視を行うことができる。
本開示と一致する別の実施形態は、救急外傷性脳損傷モニタを含む。野戦病院、救急車、救急救命室、およびスポーツ競技のような多くの状況で、CTおよび/またはMRIのような撮像技術を適用することのできる、より専門的な施設に患者を搬送する前に、初期診断段階で脳損傷レベルの早期診断を得ることは重要である。
そのような早期診断はトリアージュに、すなわちどの患者を即座に搬送すべきであり、他のどの患者が脳損傷を受けていないかを決定するのに役立つ。IPGを利用する、脳灌流モニタ130のような診断モニタは、脳または血液脳関門(BBB)の少なくとも一方における損傷の有無を決定するために使用することができる。脳またはBBBの損傷の有無が決定されると、IPG測定装置は、外傷性脳損傷(TBI)のレベル(例えば無し、軽度、中程度、重症)、および脳またはBBBの損傷のレベルまたは程度を推定することができる。
そのような診断モニタは、信号処理および被検者から得られたIPGデータの解析を実行するように構成された、本書に記載するような少なくとも1つのプロセッサを含むことができる。IPGデータは、1つ以上の電流送達電極および1つ以上の電圧感知電極の使用を通して得ることができる。様々な電極構成が適切なIPG測定結果を提供することができる。一実施形態では、頭部の片側に1対の電流送達/電圧検知電極が提供され、第2対が頭部の反対側に提供される。含まれるプロセッサは、電極に信号を送信し、かつ被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つのIPG信号を受信することができる。
プロセッサは、IPG信号から少なくとも1つの心拍動波形を抽出し、かつIPG信号から少なくとも1つの静的値波形を抽出するように構成することができる。プロセッサは心拍動波形から、前述のような少なくとも1つの動的パラメータを、例えばピークツーピーク測定、立ち上がり時間測定、またはIPG信号の心拍動波形に関連付けられるいずれかの他のパラメータを抽出することができる。プロセッサは、ピークツーピーク測定などのような、静的波形に関連して本書に記載したいずれかのパラメータを含め、少なくとも1つの静的パラメータを静的値波形から抽出することができる。プロセッサは、例えば本書に記載した様々な技術を使用して、得られたIPG信号の抽出された動的および静的パラメータを解析しかつ比較して、TBIのレベルまたは脳もしくはBBBの少なくとも一方の損傷のレベルを推定することができる。IPG信号のパラメータは脳の半球間で比較することができ、IPG信号のパラメータは予め定められた値と比較することができ、IPG信号のパラメータは、同一IPG信号からの追加パラメータと比較することができる。
表1は、TBIの診断のための例示的パラメータ比較を示す。示されているのは被検者の頭部の両側から得られた静的IPG値である。表に示す通り、TBIを患っている患者は、より低い値の静的IPGインピーダンスを示し、片側性TBIの患者は典型的には、右側および左側の測定値の間に不等性を示す。したがって、静的IPG値の測定は、TBIを迅速かつ非侵襲的に診断するための貴重な情報を提供することができる。本書に記載する他の測定は、同様に貴重な情報を提供することができる。
一部の実施形態では、本開示と一致するTBIモニタは、電極の配置のために被検者の頭部に取り付けるように構成された、ヘッドセット装置120のような担持体を含むことができる。TBIモニタの担持体はまた、例示的ヘッドセット装置120に関連して記載したより多数または少数の電極対を含むこともできる。本開示のTBIモニタは、例えば脳灌流モニタ130の大きさを低減し、かつ脳灌流モニタ130が充電式バッテリを介して電力を受け取ることを可能にすることによって、携帯可能に構成することができる。
IPG波形解析を通してICPを決定する、本明細書に提示される方法が、提示される例に限定されないことが当業者には理解されるだろう。例えば、解析方法の多くは、単独で、又はIPG信号から取得されるデータと併せて使用される場合、ICPの推定を支援することができるABP信号又はECG信号内の特徴及び特性の識別にも等しく適する。
この開示はIPG信号の解析例を提示しているが、少なくとも1つの頭蓋生体インピーダンス測定を特徴とするどの信号でも、この開示の広範な原理に従って評価することができる。本開示における例示的な方法および技術は、頭蓋内圧の推定に関して提供されているが、これらの方法および技術は、いずれかの頭蓋内血行動態パラメータの推定に使用または適用することができる。さらに、記載した頭蓋内血行動態パラメータの検知、診断、および監視のための開示実施形態の実施形態の使用の開示は、単なる例示にすぎない。広義には、開示した実施形態は、本書に記載した原理を使用して検出可能ないずれかの生理学的脳状態の検出、診断、監視、および/または治療に関連して使用することができる。その趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者には代替的実施形態が明らかになるであろう。したがって、開示実施形態の範囲は、上述した説明によってではなく、添付する特許請求の範囲によって規定される。

Claims (23)

  1. 少なくとも1つのセンサを介して被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号を受信し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動から脳血液量の変化を決定し、少なくとも1つの信号に基づいて心拍動による頭蓋内圧の変化を決定し、少なくとも1つの信号の静的部分からコンプライアンスインジケータを決定し、かつ脳血液量の変化、頭蓋内圧の変化、およびコンプライアンスインジケータに基づいて平均頭蓋内圧を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む、脳血行動態測定装置。
  2. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、半球信号から前記脳血液量の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、半球横断信号から前記頭蓋内圧の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  4. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの信号の実成分から前記脳血液量の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  5. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの信号の虚成分から前記頭蓋内圧の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの信号のピークツーピーク測定値から前記頭蓋内圧の変化および前記脳血液量の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  7. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記少なくとも1つの信号の静的部分および患者の状態から前記コンプライアンスインジケータを決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  8. 前記患者の状態は、年齢、性別、頭囲、体重、外傷性脳損傷の有無、外科的処置の有無、出血の有無、浮腫の有無、脈拍数、および損傷側のうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つの信号はインピーダンスプレチスモグラフィ信号に対応する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、インピーダンスプレチスモグラフィ信号および少なくとも1つの動脈血圧信号から前記脳血液量の変化を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
  11. 被検者の頭部の第1部分に装着するように構成された担持体に取り付けられた第1電極対に信号を送信し、被検者の頭部の第2部分に装着するように構成された担持体に取り付けられた第2電極対から少なくとも1つのインピーダンスプレチスモグラフィ信号を受信し、被検者の頭部の第1部分および第2部分に対応する少なくとも1つのクロスインピーダンスプレチスモグラフィ波形をインピーダンスプレチスモグラフィ信号から抽出し、かつクロスインピーダンスプレチスモグラフィ波形の変化に基づいて平均頭蓋内圧を推定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む、脳血行動態測定装置。
  12. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、少なくとも1つの第2信号を前記第1部分または前記第2部分から前記前記頭部の1つの部分に送信し、少なくとも1つの第2のIPG信号を前記頭部の前記1つの部分から受信し、前記少なくとも1つの第2のIPG信号から少なくとも1つのIPG波形を抽出し、かつ前記少なくとも1つのクロスIPG波形および前記少なくとも1つのIPG波形の変化に基づいて、前記平均ICPを推定する
    ように構成されている、請求項11に記載の装置。
  13. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、動脈血圧信号を受信し、かつ少なくとも1つのクロスインピーダンスプレチスモグラフィ波形および前記動脈血圧信号の変化に基づいて、前記平均頭蓋内圧を推定するように構成されている、請求項11に記載の装置。
  14. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、非侵襲性血圧信号を受信し、かつ前記少なくとも1つのクロスインピーダンスプレチスモグラフィ波形および前記非侵襲性血圧信号の変化に基づいて、前記平均頭蓋内圧を推定するように構成されている、請求項11に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記頭部の前記第1部分に配置された前記第1電極対に前記少なくとも1つの第2信号を送信し、かつ前記頭部の前記第1部分に配置された第3電極対から前記少なくとも1つの第2信号を受信するように構成されている、請求項12に記載の装置。
  16. 被検者の頭部に装着するように構成された担持体に取り付けられた少なくとも1対の電極に信号を送信し、被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つのインピーダンスプレチスモグラフィ信号を受信し、かつインピーダンスプレチスモグラフィ信号を用いて脳または血液脳関門の少なくとも一方の損傷レベルを推定するように構成されている、少なくとも1つのプロセッサを含む、脳血行動態測定装置。
  17. 前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記インピーダンスプレチスモグラフィ信号から少なくとも1つの心拍動波形を抽出し、前記インピーダンスプレチスモグラフィ信号から少なくとも1つの静的値波形を抽出し、前記心拍動波形を特徴付ける少なくとも1つの動的パラメータを抽出し、前記静的値波形を特徴付ける少なくとも1つの静的パラメータを抽出し、かつ前記少なくとも1つの動的パラメータと前記少なくとも1つの静的パラメータとの間の比較に基づいて、脳または血液脳関門のうちの少なくとも1つに対する損傷のレベルを推定するように構成されている、請求項16に記載の装置。
  18. 前記少なくとも1対の電極は、第1電流送達電極および第1電圧感知電極を含む第1電極対と、第2電流送達電極および第2電圧感知電極を含む第2電極対とを含む、請求項16に記載の装置。
  19. 前記第1電極対は前記被検者の頭部の右側に接触するように前記担持体に配設され、かつ前記第2電極対は前記被検者の頭部の左側に接触するように前記担持体に配設されている、請求項16に記載の装置。
  20. 少なくとも1対の電極を介して被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号を受信し、被検者の脳に関連付けられる少なくとも1つの信号から少なくとも1つのインピーダンス波形を抽出し、かつ少なくとも1つのインピーダンス波形に基づいて血管痙攣の発生を決定するように構成されている、少なくとも1つのプロセッサを含む、脳血行動態測定装置。
  21. 前記少なくとも1つのインピーダンス波形はインピーダンス振幅およびインピーダンス位相を含む、請求項20に記載の装置。
  22. 前記少なくとも1つの信号は、前記被検者の脳の右半球からの右半球信号と、前記被検者の脳の左半球からの左半球信号とを含む、請求項20に記載の装置。
  23. 血管痙攣は、右半球信号から抽出された右半球インピーダンス波形および左半球信号から抽出された左半球インピーダンス波形から抽出された特性間のタイミング差に基づいて検出される、請求項20に記載の装置。
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