JP2016518837A - 肝細胞癌において分子標的治療の感受性を増加させるための分析方法 - Google Patents

肝細胞癌において分子標的治療の感受性を増加させるための分析方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法を提供する。本発明によって、ソラフェニブによる治療に対する感受性とFGFR1との間に関連性があることが見出された。したがって、任意に他のバイオマーカー(すなわち、VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF、EGFRおよび/またはmTOR)のmRNA発現の分析と組み合わせて、FGFR1のmRNA発現を分析することによって、ソラフェニブを用いた分子標的治療を行う前に、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者とソラフェニブによる治療に対して抵抗性を持つ患者とを選別することができる。

Description

本発明は、肝細胞癌において分子標的治療の感受性を増加させるための分析方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法に関する。
肝細胞癌(HCC)は、原発性肝悪性腫瘍として最もよく見られる癌である。HCCは、世界的に6番目に多い癌であり、世界における癌死の原因の第3位となっている(Yang JD, et al., (2010) Nat Rev Gastroenterol Hepatol 7: 314 448-458)。多くの分子標的薬が、HCCに対する緩和治療や補助治療としての臨床試験に進んでいる(Villanueva A, et al., (2011) Gastroenterology 140: 316 1410-1426)。マルチキナーゼ阻害薬であるソラフェニブは、2つの無作為化比較試験において全生存期間および無増悪期間の統計的有意な中程度の改善が示され、進行HCCの第一選択療法として承認された(Llovet JM, et al., (2008) N Engl J Med 359: 378-390およびCheng AL, et al., (2009) Lancet Oncol 10: 25-34)。また、ソラフェニブとの併用療法または補助療法として他の分子標的薬も試験されている(Zhu AX (2012), Semin Oncol 39: 493-502.およびHuynh H (2010) Biochem Pharmacol 80: 550-560)。しかし、ソラフェニブを包含する現在の分子標的薬の効果は、かなり限定的であることが当技術分野でよく知られている。ソラフェニブを用いた第III相臨床試験での奏効率はかなり低く、わずか2.3%〜3.30%に留まっている(Villanueva A, et al., (2012) Clin Cancer Res 18: 1824-1826)。
バイオマーカーは、様々な癌の診断や予後診断、治療法の選択(therapeutic decision making)に使用されることが増えており、癌の管理に対する考え方を根本的に変えつつある。臨床においてバイオマーカーを使用すると患者の階層分類が容易となり、ひいては特定の薬物からより良好な転帰を得やすくなる。HER2標的化モノクローナル抗体であるトラスツズマブは、免疫組織化学的検査(IHC)やHER2遺伝子増幅による評価でHER2 3+の過剰発現を示す転移性乳癌患者に有効である(Vogel CL, et al., (2002) J Clin Oncol 20: 719-726)。また、EGFRのキナーゼドメインに活性化変異を有する非小細胞肺癌患者は、EGFR阻害薬であるゲフィチニブに対して目覚ましい臨床応答を示す(Lynch TJ, et al., N Engl J Med 350: 2129-2139)。標的治療が有効であり得る分子サブタイプに個々の腫瘍を階層分類するこのような分子レベルでの分類は、実用的な分子サブタイピングとして報告されている(West L, et al., PLoS One 7: e31906.およびVidwans SJ, et al., PLoS One 6: e18257)。
本発明者らは、特定の遺伝子(すなわち、VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、EGFR、c-RAF、mTOR、およびFGFR1)のmRNA発現をバイオマーカーとしたクラスター分析によりHCC患者を階層分類することによって、分子標的薬の一つであるソラフェニブを用いた治療に感受性を持つ患者を選択できることを見出した。特に、ソラフェニブによる治療に対する感受性とFGFR1との間に関連性があることが新たに見出された。したがって、任意に他のバイオマーカー(すなわち、VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF、EGFRおよび/またはmTOR)のmRNA発現の分析と組み合わせて、FGFR1のmRNA発現を分析することによって、ソラフェニブを用いた分子標的治療を行う前に、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者とソラフェニブによる治療に対して抵抗性を持つ患者とを選別することができる。
したがって、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、FGFR1をバイオマーカーとして使用すること、またはVEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF、EGFRおよび/もしくはmTORとFGFR1との組み合わせをバイオマーカーとして使用すること含む分析方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i)肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および(ii)肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法が提供される。
一実施形態において、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための上記分析方法であって、(i')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量および配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、ならびに(ii')肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比;および肝細胞癌組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法が提供される。
別の一実施形態において、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための上記分析方法であって、(i'')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、ならびに(ii'')肝細胞癌組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法が提供される。
さらにまた別の一実施形態において、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i''')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織において、配列番号1〜7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および(ii''')mRNA発現量の合計を算出することを含む分析方法が提供される。
本発明の上記分析方法において、上記mRNA発現量は、リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応によって測定してもよい。
特定の遺伝子(すなわち、VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、EGFR、c-RAF、mTOR、およびFGFR1)のmRNA発現をバイオマーカーとしたクラスター分析によりHCC患者を階層分類することによって、分子標的薬の一つであるソラフェニブを用いた治療に感受性を持つ患者を選択できることが本発明により見出された。また、上記7種のマーカー遺伝子の発現量の合計を利用することを含む腫瘍組織のみを用いた分析で、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を選択できることが本発明により見出された。特に、ソラフェニブによる治療に対する感受性とFGFR1との間に関連性があることが新たに見出された。したがって、任意に他のバイオマーカー(すなわち、VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF、EGFRおよび/またはmTOR)のmRNA発現の分析と組み合わせて、FGFR1のmRNA発現を分析することによって、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を選択することができる。
130名の患者のHCC組織および同じ患者に由来する非腫瘍組織における、ソラフェニブの有効性と関連することが知られている4種のマーカー遺伝子(VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF)のmRNA過剰発現の頻度を示す。 腫瘍組織および同じ患者に由来する非腫瘍組織におけるマーカー遺伝子の発現量をBCLCステージ(A:早期、B:中間期、C:進行期)に従って示す。図2において、A〜GはそれぞれVEGFR2(A)、PDGFRβ(B)、c-KIT(C)、c-RAF(D)、EGFR(E)、mTOR(F)、およびFGFR1(G)の発現量を示す。 130名のHCC患者由来の腫瘍組織と同じ患者に由来する非腫瘍組織において7種のマーカー遺伝子の発現量を測定したときの、非腫瘍組織と比較した腫瘍組織における過剰発現の頻度を示す。 130名のHCC患者由来の腫瘍組織と同じ患者に由来する非腫瘍組織において7種のマーカー遺伝子の発現量を測定したときの、BCLCステージごとに非腫瘍組織と比較した腫瘍組織における過剰発現の頻度を示す。 マーカー遺伝子の発現パターンに従って階層的クラスター分析を行い、患者をクラスター化した結果を示す。 ソラフェニブを投与した23名の患者由来のサンプルにおける、マーカー遺伝子発現パターンとソラフェニブの有効性との関連性を示す。 ソラフェニブを投与した23名の患者から得られたNTBS値のインタラクティブドットダイアグラム(A)、およびNTBS値から得られたROC(受信者動作特性)曲線(B)を示す。
本明細書において「ソラフェニブ」とは、下記化学式1の化合物を意味し、薬学的に許容されるその塩、例えばp-トルエンスルホン酸塩を含む。
「ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者」とは、ソラフェニブの投与により奏功(すなわち腫瘍縮小効果(tumor response))を示す肝細胞癌患者を意味する。「腫瘍縮小効果(tumor response)」とは、Llovet JM, et al. (2008) Sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma. N Engl J Med 359:378-390で定義されたRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)による完全奏功(complete response)、部分奏功(partial response)または安定(stable disease)を意味する。
「肝細胞癌組織」および「正常組織」とは、肝細胞癌患者の肝細胞癌組織およびその周囲の非腫瘍組織から、例えば生検などにより体外に採取された組織サンプルを意味する。臨床では一般に、肝細胞癌の診断および/または治療レジメンの確立のために、腫瘍組織およびその周囲の正常組織を患者から採取し、その組織検査を行う。したがって、「肝細胞癌組織」および「正常組織」とは、例えば臨床での組織検査などを目的として、患者から体外に採取された組織サンプルを意味する。
本発明者らは、ソラフェニブの非常に低い奏効率(約3%)を改善するため、HCC患者由来の組織サンプルにおいて様々な標的バイオマーカーの発現パターンの分析(階層的クラスター分析を含む)を行った。その結果、驚くべきことに、ソラフェニブによる治療に対する感受性とFGFR1との間に関連性があることが本発明によって見出されたが、このような関連性は過去の文献では報告されていない。すなわち、腫瘍組織におけるFGFR1遺伝子(配列番号1の遺伝子)のmRNA発現量が正常組織よりも低い患者は、ソラフェニブによる治療に対して高い抵抗性を示し、このことによって治療有効性が顕著に低くなっていることが新たに見出された。したがって、正常組織でのFGFR1(配列番号1の遺伝子)のmRNA発現量と肝細胞癌組織でのFGFR1(配列番号1の遺伝子)のmRNA発現量の比を分析することによって、ソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つ患者を事前に選別することができ、それによってソラフェニブによる治療に対する奏効率を大幅に上昇させることができる。
したがって、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i)肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および(ii)肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法を提供する。本発明の上記分析方法において、正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比(腫瘍/非腫瘍の比)が2よりも大きい場合、その患者をソラフェニブによる治療に対して抵抗性が低い患者、すなわち、ソラフェニブによる治療に対する感受性が高い患者として分類することができる。
また、本発明者らは、FGFR1(配列番号1の遺伝子)に加えて、VEGFR2(配列番号2の遺伝子)、PDGFRβ(配列番号3の遺伝子)、c-KIT(配列番号4の遺伝子)、c-RAF(配列番号5の遺伝子)、EGFR(配列番号6の遺伝子)、およびmTOR(配列番号7の遺伝子)について階層的クラスター分析を行った。その結果、FGFR1(配列番号1の遺伝子)の分析と組み合わせて、このような遺伝子に対する分析を行うことによって、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ肝細胞癌患者をより高効率に選択できることが見出された。したがって、一実施形態において、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量および配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、ならびに(ii')肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比;および肝細胞癌組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法を提供する。この実施形態において、(1)正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比(腫瘍/非腫瘍の比)が2よりも大きく;(2)正常組織での配列番号2〜5からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号2〜5からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比が2よりも大きく;かつ(3)正常組織での配列番号6および7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号6および7の1種以上の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比が2未満である場合、その患者をソラフェニブによる治療に対する抵抗性が低い患者、すなわちソラフェニブによる治療に対する感受性が高い患者として分類することができる。
また、配列番号2〜7の遺伝子のうち、配列番号3、4、6および7の遺伝子が、配列番号1の遺伝子と組み合わせて分析するための遺伝子としてより好ましいことが見出された。したがって、別の一実施形態において、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i'')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および(ii'')肝細胞癌組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法を提供する。この実施形態において、(1)正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比が2よりも大きく;(2)正常組織での配列番号3および4の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号3および4の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比が2よりも大きく;かつ(3)正常組織での配列番号6および7の遺伝子のmRNA発現量に対する肝細胞癌組織での配列番号6および7の遺伝子のmRNA発現量の比であるT/N比が2未満である場合、その患者をソラフェニブによる治療に対する抵抗性が低い患者、すなわちソラフェニブによる治療に対する感受性が高い患者として分類することができる。
また、腫瘍組織のみを用いた分析でソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を選択できることが見出され、この分析は、新規パラメータであるNTBS(Nexavar Treatment Benefit Score)を利用することを含む。NTBSは、上記7種のマーカー遺伝子の発現量の合計である。すなわち、NTBS値は、配列番号1〜7のマーカー遺伝子それぞれのmRNA発現量(2-ΔCT)の合計である。したがって、さらに別の一実施形態において、本発明は、肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、(i''')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織において、配列番号1〜7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および(ii''')mRNA発現量の合計を算出することを含む分析方法を提供する。この実施形態において、肝細胞癌組織での配列番号1〜7の遺伝子のmRNA発現量の合計(すなわち、NTBS値)が、閾値(例えば、0.0758)よりも大きい場合、好ましくは0.1よりも大きい場合、その患者をソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者として分類することができる。
本発明の上記分析方法において、上記mRNA発現量は、生命工学分野で使用される通常の方法、例えば、リアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(リアルタイムRT-PCR)によって測定してもよい。リアルタイムRT-PCRは、各遺伝子に対して適切なプライマーセットを使用して行ってもよい。プライマーセットは、公知のプライマーセットであってもよく、または通常の方法に従って製造されたものであってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
1.実験方法
(1)患者、材料および方法
肝細胞癌(HCC)組織および同じ患者に由来する非腫瘍性肝組織は、1998年〜2006年の間に、韓国のアジュ大学校病院およびサムスンメディカルセンターで原発性HCCの治療的切除を受けた130名の患者からインフォームドコンセントの下で入手した。実験プロトコルは、各病院の治験審査委員会(Institutional Review Board)によって承認された。表1は、本研究において調査した130名のHCC患者の人口統計的特性の要約である。本発明者らは、以前に報告されている基準に従ってBCLCステージおよびEdmondson-Steiner分類を使用した(Forner A, et al., (2010) Semin Liver Dis 30: 61-74. 346;およびEdmondson HA, et al., (1954) Cancer 7: 462-503)。
<2>RNA抽出、cDNA合成、およびリアルタイムRT-PCR
販売元の指示に従ってRNeasy Mini kit(Qiagen社製、ドイツ)を使用し、HCC組織およびその周囲の正常組織から全RNAを抽出した。得られた全RNA抽出物をBioanalyzer 2100(Agilent Technologies社製、USA)を用いて定量分析した。抽出の際、DNase IでRNA抽出物を処理することによって汚染物質(すなわち、ゲノムDNA)を除去した。それぞれの全RNA(4μg)を、1μM oligo d(T)18プライマー(Genotech社製、韓国)2μlと70℃で7分間反応させた後、氷上で5分間冷却した。酵素混合物[0.1M DTT(Duchefa社製、オランダ)2μl、10×逆転写酵素緩衝液 2μl、2mM dNTP 5μl、200U/μl MMLV 逆転写酵素 1μl、および40U/μl RNase阻害剤(Enzynomics社製、韓国)1μl;総量11μl]をそれぞれのRNA含有混合物に対して準備した。この酵素混合物をRNA含有混合物に加えた。得られた混合物を42℃で90分間インキュベートした後、80℃で10分間インキュベートして逆転写酵素を不活性化した。ジエチルピロカーボネート(DEPC)で処理した水を混合物に加えて、最終容量400μlのcDNA含有溶液を得た。得られた溶液を定量的リアルタイムRT-PCRに使用した。
リアルタイムRT-PCRは、以前の報告(Kwon JH, et al., (2010) Clin Cancer Res 16: 350 5511-5521)に従って行った。すなわち、販売元の指示に従いPRISM 7900HT(Applied Biosystems社製、USA)を使用して各cDNAサンプルのリアルタイムRT-PCRを行い、遺伝子マーカーを検出した。リアルタイムRT-PCRは、2×TaqMan Gene Expression Master Mix(Applied Biosystems社製、USA)5μl、5μMセンスプライマー1μl、5μMアンチセンスプライマー1μl、1μMプローブ(Genotech社製、韓国)1μl、およびcDNA 2μl(対照群の場合、同じ容量の水)を含有する溶液(総量10μl)を使用して行った。95℃で10分間初期変性を行った後、95℃で15秒間の変性および60℃で1分間の伸長のサイクルで増幅を行った。上記プライマーおよびプローブは、Primer Express 3.0(Applied Biosystems社製、USA)を用いて製造した後、5’末端および3’末端にそれぞれFAMおよびTAMRAを標識した。各マーカー遺伝子の発現を3連で測定した後、5種の参照遺伝子(B2M、GAPDH、HMBS、HPRT1、およびSDHA)のmRNAレベルの平均値を差し引くことによって参照遺伝子による補正を行った。各マーカー遺伝子のCT(閾値に達するサイクル数)を測定した。ΔCT値(マーカー遺伝子のCT−参照遺伝子の平均CT)から、各マーカー遺伝子のmRNA発現量を2-ΔCTとして算出した。各マーカー遺伝子のプライマーおよびプローブを以下の表2に示す。
<3>NTBS(Nexavar Treatment Benefit Score)の算出
腫瘍組織のみを用いてソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を選択できるかどうかを評価するため、本発明者らは、腫瘍組織における7種のマーカー遺伝子の発現量に基づいた新規のパラメータであるNTBS(Nexavar Treatment Benefit Score)を導入した。NTBS値は、以下の式によって算出した。
NTBS = GVEGFR2 + GPDGFRβ + Gc-KIT + Gc-RAF + GEGFR + GmTOR + GFGFR1
式中、GVEGFR2、GPDGFRβ、Gc-KIT、Gc-RAF、GEGFR、GmTOR、およびGFGFR1は、腫瘍組織におけるそれぞれのマーカー遺伝子のmRNA発現量(2-ΔCT)を表す。
<4>統計分析
本研究における統計分析は、オープンソースの統計プログラミング環境Rを用いて行った。各遺伝子の2-ΔCT値を箱ひげ図で示し、腫瘍組織と非腫瘍組織との差の有意性をスチューデントのt検定を用いて評価した。遺伝子発現と臨床病理学的変数との関連性を、χ2検定およびFisher's exact testsを用いて評価した。腫瘍組織とその周囲の非腫瘍組織における2-ΔCT値のfold differenceを用いて、アップレギュレートされた遺伝子発現、変化しなかった遺伝子発現、またはダウンレギュレートされた遺伝子発現を評価した。患者を階層分類するため、2-ΔCT値のT/N比(腫瘍/非腫瘍)の階層的クラスター分析を行った。
2.試験結果
(1)ソラフェニブの有効性に関連したマーカー遺伝子のmRNA過剰発現の頻度
多くの種類の癌において、マーカー遺伝子の発現は正常に制御されないことが分かっている。これを踏まえ、本発明者らは、130名の患者のHCC組織および同じ患者に由来する非腫瘍組織において4種のマーカー遺伝子(すなわち、ソラフェニブの有効性に関連することが知られている遺伝子、VEGFR2、PDGFRβ、c-KITおよびc-RAF)のmRNA過剰発現を調査した。結果を図1に示した。腫瘍組織における各マーカー遺伝子の発現量(2-ΔCT)が非腫瘍組織の2倍またはそれ以上である場合、過剰発現されているとみなした。
図1に示すように、患者の80.0%が4種のマーカー遺伝子のうち少なくとも1種のマーカー遺伝子の過剰発現を示した。患者の21.54%は1種のマーカー遺伝子のみの過剰発現を示し、患者の23.1%は2種のマーカー遺伝子の過剰発現を示し、患者の18.5%は3種のマーカー遺伝子の過剰発現を示し、患者の16.9%は4種すべてのマーカー遺伝子の過剰発現を示した。この結果から、ソラフェニブの有効性は、ソラフェニブの有効性に関連することが以前から知られている上記マーカー遺伝子の過剰発現のみでは判断できないことが示唆される。したがって、本発明者らは、上記マーカー遺伝子(VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF)に加えて、様々なマーカー遺伝子の発現を分析し、その階層的クラスター分析を行った。その結果、ソラフェニブによる治療に対する有効性プロファイルおよび安全性プロファイルが異なる患者をクラスター化するためには、上記マーカー遺伝子(VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAF)だけでなく、さらに3種のマーカー遺伝子(EGFR、mTOR、FGFR1)を分析する必要があることが確認された(データ示さず)。
(2)7種のマーカー遺伝子の発現の特性分析
7種のマーカー遺伝子の発現量(2-ΔCT)を、箱ひげ図法により非腫瘍組織(NT)および腫瘍組織(T)において分析した。さらに、各BCLCステージ(A:早期、B:中間期、C:進行期)でのマーカー遺伝子の発現量を非腫瘍組織および腫瘍組織(T)において分析した。腫瘍組織と非腫瘍組織との間での各マーカー遺伝子の発現の差の有意性をスチューデントのt検定を用いて評価し、P値が<0.05である場合に統計的に有意であるとみなした。結果を図2に示す。図2において、A〜GはそれぞれVEGFR2(A)、PDGFRβ(B)、c-KIT(C)、c-RAF(D)、EGFR(E)、mTOR(F)およびFGFR1(G)の発現量を示す。
VEGFR2の場合(図2A)、全患者の腫瘍組織における発現は非腫瘍組織と比べてアップレギュレートされていたが、その差は統計的に有意ではなかった。しかし、BCLCステージAの患者の腫瘍組織において発現量は有意に高かった。また、BCLCステージBおよびCの患者の腫瘍組織においても発現量は高かったが、統計的有意差は見られなかった。
PDGFRβの場合(図2B)、その発現は、非腫瘍組織よりも全患者の腫瘍組織ならびにBCLCステージA、BおよびCの患者の腫瘍組織すべてにおいて有意に高かった。
c-KITの場合(図2C)、その発現は、非腫瘍組織よりも全患者の腫瘍組織ならびにBCLCステージAおよびBの患者の腫瘍組織において有意に高かった。また、BCLCステージCの患者の腫瘍組織でも発現量は非腫瘍組織よりも高かったが、統計的有意差は見られなかった。
c-RAFの場合(図2D)、その発現は、非腫瘍組織よりも全患者の腫瘍組織ならびにBCLCステージA、BおよびCの患者の腫瘍組織すべてにおいて有意に高かった。
EGFRの場合(図2E)、全患者の腫瘍組織における発現量は非腫瘍組織よりも有意に高かった。しかし、BCLCステージ別では発現量が有意に高かったのは、BCLCステージAの患者の腫瘍組織のみであった。BCLCステージBの患者の腫瘍組織においても発現量は高かったが、統計的有意差は見られなかった。また、BCLCステージCの患者の腫瘍組織における発現量は低かったが、統計的有意差は見られなかった。
mTORの場合(図2F)、その発現は、非腫瘍組織よりも全患者の腫瘍組織ならびにBCLCステージA、BおよびCの患者の腫瘍組織すべてにおいて有意に高かった。
FGFR1の場合(図2G)、その発現は、非腫瘍組織よりも全患者の腫瘍組織ならびにBCLCステージA、BおよびCの患者の腫瘍組織すべてにおいて低かったが、統計的有意差は見られなかった。
(3)7種のマーカー遺伝子の発現頻度の特性分析
本発明者らは、130名のHCC患者由来の腫瘍組織およびその周囲の非腫瘍組織において7種のマーカー遺伝子の発現量を測定し、非腫瘍組織と比較したときの腫瘍組織における過剰発現の頻度を調査した。結果を図3に示す。図3において、赤色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2倍またはそれ以上であった患者を表し、緑色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2分の1以下であった患者を表し、黒色は、非腫瘍組織と比較したときの腫瘍組織における発現が2分の1より大きく2倍未満であった患者、すなわち、有意差がないと見られた患者を表す。EGFR mRNAレベルは、腫瘍の35.4%でアップレギュレートされ、腫瘍の47.7%で変化が見られなかった。VEGFR2は、腫瘍の42.3%でアップレギュレートされ、39.2%で変化が見られず、18.5%でダウンレギュレートされていた。PDGFRβは、高い割合(61.5%)の腫瘍でアップレギュレートされていた。FGFR1では、患者の40%で発現に変化が見られず、患者の35.4%が発現のダウンレギュレーションを示したのに対し、患者のわずか24.6%が腫瘍においてFGFR1のアップレギュレーションを示した。mTORは、半数の腫瘍でアップレギュレートされていたことが見出された。
また、本発明者らは、130名のHCC患者由来の腫瘍組織およびその周囲の非腫瘍組織において7種のマーカー遺伝子の発現量を測定し、BCLCステージごとに非腫瘍組織と比較したときの腫瘍組織における過剰発現の頻度を検討した。結果を図4に示す。図4において、赤色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2倍またはそれ以上であった患者を表し、緑色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2分の1以下であった患者を表し、黒色は、非腫瘍組織と比べたときの腫瘍組織における発現が2分の1より大きく2倍未満であった患者、すなわち、有意差がないと見られた患者を表す。EGFRのアップレギュレーションは、BCLCステージAにおいて腫瘍の41.9%で観察されたが、ステージが進むとその割合は17.6%に減少し、進行期腫瘍ではEGFRのダウンレギュレーションが顕著に見られた(35.3%)。VEGFR2のアップレギュレーションと腫瘍ステージとの関連性はEGFRと類似していた。PDGFRβのアップレギュレーションは、BCLCステージAにおいては腫瘍の66.2%、BCLCステージBにおいては腫瘍51.3%、およびBCLCステージCにおいては腫瘍の64.7%で観察された。FGFR1レベルは、腫瘍ステージに関係なく、腫瘍の約20%でアップレギュレートされていた。mTORは、全ステージを通して約半数の腫瘍でアップレギュレートされていた。
(4)マーカー遺伝子発現と臨床的特徴との関連性
HCCにおけるバイオマーカー遺伝子の発現に関するさらなる洞察を得るために、これらの遺伝子のmRNAレベルと臨床病理学的特徴との関連性を調査した。EGFRのmRNA高発現とBCLCステージとの間には相関関係が見られた(p=0.049、表3および表4)。腫瘍の分化度(Edmondson分類)は、EGFRの発現およびVEGFR2の発現と有意に関連しており(それぞれp=0.003およびp=0.004)、これによって、高分化HCCではEGFRおよびVEGFR2が高レベルに発現される傾向があることが示された。EGFRは、単発腫瘍で有意に過剰発現されていた(P=0.001)。
(5)階層的クラスター分析
本発明者らは、患者をクラスター化するための階層的クラスター分析を行った。結果を図5に示す。各マーカー遺伝子の発現量(2-ΔCT)から、非腫瘍組織におけるマーカー遺伝子の発現量に対する腫瘍組織におけるマーカー遺伝子の発現量の比(すなわち、腫瘍/非腫瘍)を算出した。図5において、赤色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の4倍またはそれ以上であった患者を表し、暗赤色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2倍またはそれ以上であった患者を表し、黒色は、非腫瘍組織と比べたときの腫瘍組織における発現が2分の1より大きく2倍未満であった患者、すなわち、発現量に有意差がなかった患者を表し、暗緑色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の2分の1以下であった患者を表し、緑色は、腫瘍組織における発現が非腫瘍組織の4分の1以下であった患者を表す。肝細胞癌のステージを示すBCLCステージにおいて、Aは早期HCC(青色)を表し、Bは中間期HCC(緑色)を表し、Cは進行期HCC(赤色)を表す。図5において、行は個々の標的分子を意味し、列は130名の個々の患者を意味する。患者を一次的にBCLCステージごとに分類した後、標的分子の発現比(腫瘍/非腫瘍)に従ってクラスター化した。
図5に示したように、BCLCステージおよびマーカー遺伝子に従って130名の患者を特定のクラスターに分類できることが分かる。すなわち、BCLCステージAにおいて7種のマーカー遺伝子すべてを過剰発現している患者は「患者グループaI」に分類することができ、BCLCステージAにおいて5種のマーカー遺伝子(VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、c-RAFおよびFGFR1)を過剰発現しているが、2種の遺伝子(EGFRおよびmTOR)の発現が低下している患者は「患者グループaII」に分類することができ、BCLCステージAにおいて7種のマーカー遺伝子すべての発現が低下している患者は「患者グループaIII」に分類することができる。BCLCステージBおよびCの患者も、BCLCステージAと同様に分類することができる。したがって、階層的クラスター分析を行うことによって、患者におけるバイオマーカーの発現が異なれば、分子標的薬(例えばソラフェニブ)に対する有効性プロファイルおよび安全性プロファイルも異なってくると予測することができる。
(6)ソラフェニブ投与患者における感受性アッセイ
ソラフェニブを投与した23名の患者由来のサンプルを用いて、7種のマーカー遺伝子発現パターンとソラフェニブの有効性との関連性を分析した。図5の階層的クラスター分析結果において、BCLCステージごとの一次的な分類をせずに標的分子の発現比(腫瘍/非腫瘍)に従ってクラスター化を行った後、得られたクラスタリング結果に対応させて23名のソラフェニブ投与患者(i〜xxiii)を配置した(図6)。23名のソラフェニブ投与患者のうち、患者「viii, x, xi」のみがソラフェニブによる治療に対して感受性を示し、すなわち、Llovet JM, et al. (2008) Sorafenib in advanced hepatocellular carcinoma. N Engl J Med 359: 378-390で定義されたRECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)による部分奏功(partial response)を示した。残りの20名の患者は、ソラフェニブによる治療に対して感受性を示さなかった。
23名のソラフェニブ投与患者を感受性反応の有無に基づいて上記階層的クラスター分析結果に対応させて配置すると、腫瘍組織においてFGFR1遺伝子(配列番号1の遺伝子)のmRNA発現が低下していた患者(すなわち、患者i〜vii、ix、およびxii〜xxiii)がソラフェニブによる治療に対して感受性を示さなかったことが分かる。したがって、HCC腫瘍組織におけるFGFR1遺伝子のmRNA発現量が正常組織よりも高い場合[すなわち、FGFR1遺伝子のT/N(腫瘍/非腫瘍)比が2よりも大きい場合]、ソラフェニブによる治療に対する抵抗性が低い患者として、すなわちソラフェニブによる治療に対する感受性が高い患者として分類することができる。ソラフェニブとFGFR1遺伝子との関連性に関する報告はなされていないため、これは非常に驚くべき結果である。
また、FGFR1遺伝子のmRNA発現の分析と組み合わせて、ソラフェニブの標的遺伝子として知られているVEGFR2(配列番号2の遺伝子)、PDGFRβ(配列番号3の遺伝子)、c-KIT(配列番号4の遺伝子)およびc-RAF(配列番号5の遺伝子)のmRNA発現、ならびに/またはソラフェニブ耐性遺伝子として知られているEGFR(配列番号6の遺伝子)およびmTOR(配列番号7の遺伝子)のmRNA発現を分析することによって、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者をより効率的に選択することができる。例えば、(1)FGFR1遺伝子のT/N比が2よりも大きく、(2)VEGFR2、PDGFRβ、c-KIT、およびc-RAFからなる群から選択される1種以上の遺伝子のT/N比が2よりも大きく、かつ(3)EGFRおよびmTORからなる群から選択される1種以上の遺伝子のT/N比が2未満である場合、ソラフェニブによる治療に対して抵抗性が低い患者として、すなわちソラフェニブによる治療に対して感受性が高い患者として分類することができる。
図6の結果から、分析した遺伝子のうち、PDGFRβ(配列番号3の遺伝子)、c-KIT(配列番号4の遺伝子)、EGFR(配列番号6の遺伝子)およびmTOR(配列番号7の遺伝子)がFGFR1遺伝子と組み合わせて分析するための遺伝子としてより好ましいことが分かる。したがって、例えば、(1)FGFR1遺伝子のT/N比が2よりも大きく、(2)PDGFRβおよびc-KITのT/N比が2よりも大きく、かつ(3)EGFRおよびmTORのT/N比が2未満である場合、ソラフェニブによる治療に対して抵抗性が低い患者として、すなわちソラフェニブによる治療に対して感受性が高い患者として分類することができる。
(7)ソラフェニブ投与患者におけるNTBS値に基づいた感受性アッセイ
さらに、本発明者らは、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を腫瘍組織のみを用いて選択することができるかどうかを評価した。23名のソラフェニブ投与患者それぞれの腫瘍組織における7種のマーカー遺伝子のmRNA発現量に基づいてNTBS値を算出した。結果を図7(A)および以下の表5に示す。
図7(A)において、Sは、ソラフェニブによる治療に対して感受性を示す患者(すなわち、患者viii、xおよびxi)から得られたNTBS値を表し、Rは、ソラフェニブによる治療に対して感受性を示さない患者(すなわち、患者i〜vii、ixおよびxii〜xxiii)から得られたNTBS値を表す。これらのNTBS値から得られたROC(受信者動作特性)曲線を図7(B)に示す。ROC曲線の分析から算出された閾値は0.0758であった。これらの結果から、このパラメータ、すなわち、NTBSを用いて、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者を選択できることが分かる。すなわち、NTBS値が閾値(すなわち、0.0758)よりも大きい場合、好ましくは0.1よりも大きい場合、ソラフェニブによる治療に対して感受性を持つ患者として分類することができる。

Claims (5)

  1. 肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、
    (i)肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および
    (ii)肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む分析方法。
  2. (i')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1の遺伝子のmRNA発現量および配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、ならびに
    (ii')肝細胞癌組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1の遺伝子のmRNA発現量の比;および肝細胞癌組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号2〜7からなる群から選択される1種以上の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む、請求項1に記載の分析方法。
  3. (i'')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織と正常組織において、配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、ならびに
    (ii'')肝細胞癌組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量と正常組織での配列番号1、3、4、6および7の遺伝子のmRNA発現量の比を求めることを含む、請求項1に記載の分析方法。
  4. 肝細胞癌の患者がソラフェニブによる治療に対して感受性または抵抗性を持つかどうかを決定するための分析方法であって、
    (i''')肝細胞癌の患者から体外に採取された肝細胞癌組織において、配列番号1〜7の遺伝子のmRNA発現量を測定すること、および
    (ii''')mRNA発現量の合計を算出することを含む分析方法。
  5. 前記mRNA発現量がリアルタイム逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応によって測定される、請求項1〜4のいずれかに記載の分析方法。
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