JP2016517736A5 - - Google Patents

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マイクロパルスグリッドパターンレーザ治療及び方法
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本出願は、2013年4月18日出願の米国特許出願第61/813585号「Micropulse Grid Pattern Laser Treatment and Methods」に対する優先権を主張する。本出願はまた、2011年10月19日出願の米国仮特許出願第61/549036号「Grid Pattern Therapeutic Treatment」に対する優先権を主張する、2012年10月19日出願の米国特許出願第13/656332号「Micropulse Grid Pattern Laser Treatment and Methods」の一部継続出願でもあり、これらの出願の開示全体は、参照により、あらゆる目的のために、本出願に完全に記載されているかのように本出願に援用される。
治療用レーザはしばしば、眼の様々な状態の治療に使用される。例えば、このようなレーザを用いて治療できる具体的な状態のタイプは、糖尿病網膜症である。糖尿病網膜症は、糖尿病の合併症によるものである網膜への損傷である。糖尿病網膜症は、治療しないままにすると最終的に失明につながり得る。糖尿病網膜症は典型的には、微小血管性の網膜の変化によるものである。例えば糖尿病によって誘発される影響は眼の組織を損傷する場合があり、これは血液網膜関門の形成を変化させて、網膜血管の透過性を上昇させる場合がある。このような状態の治療において、1つ又は複数の光ビームを眼の中及び/又は網膜組織上に配向して、組織の光凝固を引き起こし、これによって眼血管を微細に焼灼し、及び/又は血管成長を防止して、様々な治療上の便益を誘発してよい。レーザ光凝固は、網膜症の初期段階のために一般に使用される。
しかしながら、レーザ光凝固治療の提供において、眼窩、黄斑といった眼の感受性組織の損傷を回避することが重要である。特定の例では、これらの領域のうちの1つ又は複数に対する損傷を確実に回避しながら、上記領域の付近の組織を治療することが望まれる場合がある。従来のレーザ光凝固技術では、上述のような感受性組織に対する損傷を確実に回避するか又は確実に大幅に低減しながら、上記組織の付近の領域を治療するための、最適な解決策は提供されない。従って、糖尿病網膜症といった眼の様々な状態を治療するための、改良されたレーザ光凝固法に対して、当該技術分野において需要がある。
本明細書に記載の本発明の実施形態は、患者の眼の組織及び/又は他の領域を治療するためのシステム及び方法を提供する。手技は、1つ又は複数の光ビーム(例えばレーザ)を用いて光凝固を発生させ、これによって眼血管を微細に焼灼し、及び/又は血管成長を防止して、様々な治療上の便益を誘発することを伴ってよい。このような手技を用いて、糖尿病網膜症、黄斑浮腫及び/又は眼の他の状態を治療し得る。一態様によると、患者の眼を治療するための方法が提供される。この方法は、治療ビームのための複数の標的位置を画定するステップを含んでよい。複数の標的位置は、第1の位置、第2の位置、複数の中間位置を含んでよい。各標的位置は、患者の眼の組織を治療するための治療部位に対応してよい。本方法はまた、複数の標的位置それぞれにおいて眼の組織に治療ビームからの第1のパルスを送達するステップ、及び各第1のパルスの送達中にビームが固定されるように、複数の治療位置間で増分的に治療ビームを走査するステップを含んでよい。本方法は更に、治療ビームが第1の位置と第2の位置との間で追加の回数だけそれぞれ増分的に走査される際に、複数の治療位置それぞれにおいて眼の組織に治療ビームからの追加の個数のパルスを送達して、眼の組織の追加の治療を提供するステップを含んでよい。各パルスの幅は、眼組織の従来の光凝固の誘発を回避しながら、各標的位置に配向されるパルスの総数を、上記位置において治療的治癒反応の光活性化を誘発するのに十分なものとすることができる程度に、十分に短いものであってよい。
本方法は更に、眼組織上の複数の標的位置を画定するために眼組織上に照準ビームを配向するステップを含んでよい。各標的位置に送達されるパルス間の時間間隔は、第1の位置から第2の位置までの治療ビームの走査の期間と略等しくてよい。このような実施形態では、上記時間間隔は、標的位置の総数と、各パルスの平均幅と、隣接する標的位置間の治療ビームの移動の平均期間との積であってよい。上記時間間隔は約1900マイクロ秒超であってよい。
いくつかの実施形態では、各標的位置における治療ビームに関するデューティサイクルは、約9%以下であってよいが、使用されるデューティサイクルは、実施される具体的な治療に応じて変化してよく、約5%以下のデューティサイクルがより一般的である。いくつかの実施形態では、治療ビームが複数の治療位置間で増分的に走査される際のパルスの各送達は、治療サイクルを含んでよく、また本方法は更に、眼の組織を治療するために約10〜約10000の治療サイクルを提供するステップを含んでよい。あるサイクル中の各パルスは、眼組織上に標的位置の視覚的パターンを提供できるよう、各標的位置に十分に短い幅で送達されてよい。各パルスの幅は約50〜150マイクロ秒であってよい。
別の態様によると、患者の眼に治療処置を提供するためのシステムは:治療ビーム経路に沿って治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;治療ビーム経路に沿って配置され、患者の眼の組織に沿って治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び走査デバイスに連結されたプロセッサを含んでよい。プロセッサは(例えばメモリデバイスに記憶された命令によって):A)治療ビームのために、眼組織に対する複数の標的位置を画定するステップ;B)治療ビームが関連位置に固定されている際に、治療ビームからのパルスを、複数の標的位置それぞれにおいて眼組織上に送達するステップ;C)複数の標的位置の間で治療ビームを増分的に走査するステップ;並びにD)複数の標的位置それぞれにおいて治療ビームからの複数の追加のパルスを送達するために、ステップB)及びC)を反復するステップを実行するよう構成又は命令されてよい。複数の標的位置は、第1の位置、第2の位置、複数の中間位置を含んでよく、治療ビームは第1の位置と第2の位置との間で走査されてよい。各パルスの幅は、眼組織の従来の光凝固の誘発を回避しながら、各標的位置に配向されるパルスの総数を、上記位置において治療的治癒の光活性化を誘発するのに十分なものとすることができる程度に、十分に短いものであってよい。
本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、本システムは、照準ビーム経路に沿って照準ビームを伝導するよう構成された照準ビーム源を含んでよい。このような実施形態では、走査デバイスは、照準ビームを眼組織に沿って走査することによって、眼組織上の複数の標的位置を画定してよい。各標的位置に送達されるパルス間の時間間隔は、第1の位置と第2の位置との間の複数の標的位置の間の治療ビームの増分的な走査の期間と略等しくてよい。プロセッサは更に、約10〜約10000サイクルのマイクロパルス治療を提供するよう構成してよい。走査デバイス及び/又は治療若しくは照準ビーム源は、アダプタデバイス内に配置してよく、このアダプタデバイスは、眼科的測定機器と着脱可能に連結でき、また光ビーム源と光学的に連結できる。
別の実施形態では、患者の眼に治療処置を提供するためのシステムは:治療ビーム経路に沿って治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;治療ビーム経路に沿って配置され、患者の眼の組織に沿って治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び走査デバイスに連結されたプロセッサを含んでよい。プロセッサは(例えばメモリデバイスに記憶された命令によって):A)治療ビームのために、眼組織に対する複数の標的位置を画定するステップであって、上記標的位置は第1の位置、第2の位置及び複数の中間位置を含む、ステップ;B)治療ビームからのパルスを、複数の標的位置それぞれにおいて眼組織上に送達するステップ;C)複数の標的位置をビームで同時に照明するために、第1の位置と第2の位置との間の複数の標的位置の間でビームを増分的に走査するステップ;並びにD)複数の標的位置それぞれにおいて治療ビームからの複数の追加のパルスを送達して、複数の標的位置をビームで同時に照明するために、ステップB)及びC)を反復するステップを実行するよう構成又は命令されてよい。本明細書に記載されているように、各パルスの幅は、眼組織の従来の光凝固の誘発を回避しながら、各標的位置に配向されるパルスの総数を、上記位置において治療的治癒の光活性化を誘発するのに十分なものとすることができる程度に、十分に短いものであってよい。
添付の図面と併せて本発明を説明する。
図1Aは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Bは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Cは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Dは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Eは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Fは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図1Gは、眼科撮像機器が境界画定型治療処置を提供できるようにするた めに上記眼科撮像機器に連結してよいアダプタの斜視図である。 図2Aは、眼科撮像機器に連結された図1A〜1Gのアダプタの図である 。 図2Bは、眼科撮像機器に連結された図1A〜1Gのアダプタの図である 。 図2Cは、眼科撮像機器に連結された図1A〜1Gのアダプタの図である 。 図2Dは、眼科撮像機器に連結された図1A〜1Gのアダプタの図である 。 図2Eは、眼科撮像機器に連結された図1A〜1Gのアダプタの図である 。 図3は、本発明のある実施形態による、治療処置を提供するためのシステム のブロック図である。 図4A、図4B、図4Cは、図3のシステムと共に使用してよいディスプレ イインタフェースのブロック図である。 図5Aは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療境界を示す。 図5Bは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療パターンを示す 。 図5Cは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療パターンを示す 。 図5Dは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療パターンを示す 。 図5Eは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療パターンを示す 。 図5Fは、境界画定型治療処置のために使用してよい治療パターンを示す 。 図6Aは、図5Aの治療境界内に送達されるレーザ光を示す。 図6Bは、図5Bの治療パターンに対して送達されるレーザ光を示す。 図6Cは、図5Cの治療パターンに対して送達されるレーザ光を示す。 図6Dは、図5Dの治療パターンに対して送達されるレーザ光を示す。 図6Eは、図5Eの治療パターンに対して送達されるレーザ光を示す。 図6Fは、図5Fの治療パターンに対して送達されるレーザ光を示す。 図7Aは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図7Bは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図7Cは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図7Dは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図7Eは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図7Fは、ある治療パターン内にレーザ光を順次送達するプロセスを示す 。 図8は、患者の網膜の特徴部分又は組織に隣接して位置決めされた治療パタ ーンを示す。 図9Aは、治療手技中に治療レーザの連続的な移動を補償するために使用 できる、治療レーザの横長楕円形プロファイルを示す。 図9Bは、治療手技中に治療レーザの連続的な移動を補償するために使用 できる、治療レーザの縦長楕円形プロファイルを示す。 図9Cは、治療手技中に治療レーザの連続的な移動を補償するために使用 できる、治療レーザの縦長楕円形プロファイルを示す。 図10Aは、治療処置手技において使用され得る網膜画像を示す。 図10Bは、治療処置手技において使用され得るプロファイルを示す。 図10Cは、治療処置手技において使用され得るマップを示す。 図11Aは、3行×3列に配列された9個の治療位置のアレイを備える 治療パターンに対して実施される、マイクロパルス治療の図である。 図11Bは、3行×3列に配列された9個の治療位置のアレイを備える 治療パターンに対して実施される、マイクロパルス治療の図である。 図12Aは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Bは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Cは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Dは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Eは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Fは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Gは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。 図12Hは、マイクロパルス治療を提供する際に使用できる、他の治療 パターン又は治療スポット配置を示す。
添付の図面において、同様の構成部品及び/又は特徴部分は同様の参照符号標識を有してよい。更に、同一のタイプの様々な構成部品は、複数の同様の構成部品及び/又は特徴部分を区別する文字を参照符号の後に付けることによって区別され得る。第1の参照符号標識のみを本明細書において使用する場合、その説明は、添字に関係なく、同一の第1の参照符号標識を有する複数の同様の構成部品及び/又は特徴部分のいずれの1つに対して適用可能である。
以下の確実な説明は単に例示的な実施形態を提供するものであり、本開示の範囲、適用可能性又は構成を制限することを意図したものではない。寧ろ例示的実施形態の確実な説明は、当業者に、1つ又は複数の例示的実施形態を実装することを可能にする説明を提供する。添付の請求項に記載されているような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、機能及び要素の配置に様々な変更を加えてよいことを理解されたい。
本発明の実施形態は、患者の眼の網膜及び/又は他の領域を治療するためのシステム及び方法を提供する。手技は、1つ又は複数の光ビーム(例えばレーザ)を用いて光凝固を発生させ、これによって眼血管を微細に焼灼し、及び/又は血管成長を防止して、様々な治療上の便益を誘発することを伴ってよい。このような手技を用いて、糖尿病網膜症、黄斑浮腫及び/又は眼の他の状態を治療し得る。いくつかの実施形態では、光凝固は、網膜に現れる一連の複数の視認可能なスポットを発生させる場合がある。他の実施形態では、一連の短幅光パルス(例えば5〜15マイクロ秒)は、標的網膜組織の温度上昇を制限することによって網膜色素上皮層のみに熱的影響を制限するための各パルス間の熱緩和時間遅延を伴って、網膜組織に送達されてよい。このような短幅パルス(本明細書ではマイクロパルスとも呼ぶ)は、網膜上に現れる視認可能なスポットを発生させず、結果として発生する全体としての組織の損傷が少なくなり得る。
網膜組織を治療する及び/又は凝固させるために送達される治療光(即ちレーザ光)は、循環する幾何学的形状のパターンを含み得る所定の治療境界内に、治療レベルで送達され得る。治療境界は、その中に治療レベルの治療光が配向され、その外側には治療光が実質的に配向されないか、又は反射光、入射光等の場合等のように副治療レベルで提供される、領域を画定してよい。従って治療境界は、その中では治療処置が提供され、その外側では治療処置が提供されないか又は最小限しか提供されない、領域を画定してよい。治療境界及び/又はパターンは、治療するべき領域を表示するために、患者の眼の網膜表面上に投射及び/又は画定してよい。治療境界は、治療処置を受けないか又は最小限しか受けない網膜の領域を画定又は区別できるため、治療境界の周縁部は、網膜の感受性組織及び/又は治療処置が望まれていないいずれの部分に隣接して位置決めされてよく、これにより、感受性組織又は領域が治療処置を受けない又は最小限しか受けないことを保証する。屈折、光の散乱等によって治療境界の外側の組織にある程度の治療光が入射し得るものの、このような光は最小限であり、治療境界の外側の組織に対して最小限の影響しか有しないことを理解されたい。従って本発明の実施形態は、治療処置を受けることになる網膜の領域と、治療処置を受けない領域とを決定するための、正確な制御を提供する。
治療境界の周縁部は、治療境界のそれ以外の部分に沿っており、網膜のマップ若しくは画像及び/又は網膜自体を画定してユーザインタフェース上に表示してよく、これによって、治療処置を提供する外科医又はユーザが、治療領域の外部境界に気付くことができる。治療領域の外部境界が表示されるため、外科医は、感受性組織又は他の領域を治療しないか又は最小限しか治療しないことを保証しながら、感受性組織及び/又は他のいずれの領域に近接して治療領域を当接させる又は配置することができる。
いくつかの実施形態では、治療パターンは、取り囲まれた境界又はパターンの代わりに、又はこれらに加えて、複数の照準スポットのアレイを含む。照準スポットのアレイは、本明細書に記載されているように患者の網膜上に画定してよく、治療ビームは、照準スポットのうちの1つ又は複数に対して同軸に点灯又は送達してよい。
治療境界及び/又は治療パターンは、1つ又は複数の照準ビームを用いて、網膜表面上に画定及び/又は投射してよい。照準ビームは、レーザビーム又は他のいずれのタイプの光ビーム(例えば高出力発光ダイオード(LED)によって生成されたビーム)であってよい。本明細書では照準ビームを一般に照準レーザと呼んでよいが、レーザ以外の光ビームを使用してよいことを理解されたい。照準ビームは、網膜組織を損傷しない低強度レーザ光ビームであってよい。いくつかの実施形態では、照準ビームの波長は約600nm(ナノメートル)〜約700nmであり、より一般には約650nmである。照準ビームはレーザダイオードによって提供してよく、網膜組織上に、網膜組織を治療するために使用される治療レーザの入射スポットよりも実質的に小さい入射スポット又は断面を有してよい。あるいはいくつかの実施形態では、照準レーザの代わりに又は照準レーザに加えて、照準ビームを高出力発光ダイオード(LED)によって提供してよい。照準ビームは患者の網膜上又はディスプレイインタフェース若しくは網膜の画像で走査されてよく、これによって治療境界及び/又はパターンをトレースするか又はその輪郭を描画して、治療境界及び/又はパターンを外科医に対して視覚的に表示する。網膜表面上に画定又は投射された治療境界及び/又はパターンは、カメラによってキャプチャして、ディスプレイインタフェース上で外科医又は他のユーザに対して表示してよい。
1つ又は複数の治療ビームパルス又は照射量を、網膜組織を治療するために、治療境界及び/又はパターン内に送達してよい。本明細書では治療ビームを一般に治療レーザと呼んでよいが、照準ビームと同様に、高出力発光ダイオード(LED)からの高強度光ビームといった他の光ビームを使用してよいことを理解されたい。治療パルス又は照射量は、走査デバイスが治療境界内において治療ビームの軸を連続的に走査している際に送達してよく、及び/又は走査デバイスが治療境界内において複数の特定の位置間で治療ビームの軸を順次移動させる際に送達してよい。循環する幾何学的形状を有する治療パターンを伴う実施形態では、1つ又は複数の治療ビームパルスを、上記複数の幾何学的形状のうちのいくつか又はそれぞれの中で送達してよい。ある具体的実施形態では、単一の治療ビームパルスを、上記幾何学的形状それぞれの概ね幾何学的中心において送達してよい。入射ビーム光の断面(例えばレーザビームスポット)は、上記幾何学的形状と概ね同一のサイズであってよい。いくつかの実施形態では、治療ビーム(例えばレーザビーム)の波長は約400nm〜約600nmであってよく、より一般には約520nm〜560nmであってよい。
治療処置(境界画定型治療処置とも呼ばれる)は、スリットランプ等の眼科撮像機器上に設置されて上記眼科撮像機器と共に動作するよう構成されたアダプタによって提供してよい。このアダプタは、レーザ送達機器といった既存の治療ビーム源と共にも動作してよい。外部コントローラ又はコンピュータシステムは、アダプタ及びレーザ送達機器と通信可能に連結されてよく、これによって網膜組織上に治療境界及び/又はパターンを画定して、上記治療境界/パターン内に治療ビームを送達する。アダプタ及び/又はコントローラにより、既存のスリットランプ及びレーザ送達機器は、上記アダプタ及び/又はコントローラがなければスリットランプ及びレーザ送達機器が送達できない、本明細書に記載の境界画定型治療処置を提供できる。
本発明の実施形態はまた、網膜撮像及び/又はトラッキングを用いて本明細書に記載の治療処置(例えば境界画定型治療処置)又は別の治療処置を提供する方法及びシステムを記載している。治療処置及び/又は治療境界は、患者の網膜の網膜画像又はモデルに対してプログラム及び/又は記録してよい。治療処置を実施するシステムは、網膜画像又はモデル及びプログラムされた治療処置又は治療境界を参照して、治療処置を提供するために患者の網膜の位置又は領域を決定してよい。続いてこのシステムは、治療処置を自動的に開始するか、又は調査、調整及び/若しくは処置続行の認証のために、治療境界/パターン及び対応する網膜治療領域を外科医に対して表示してよい。システムが、現在の又は過去の治療が完了した後すぐに、追加の治療処置を迅速かつ便利に実施し始めることができるように、複数のこのような治療処置をシステムにプログラムしてよい。提供される治療は、外科医又はユーザによる同時の又は後の検討のために、網膜画像又はモデルに対して記録してよい。例えば、あるパルス又はある照射量の治療ビームを受ける各位置に関して、網膜画像上に治療スポット又は他の印を重畳してよい。重畳されたスポット又は印は、治療処置が提供された網膜の領域の記録であってよい。これは、マイクロパルス手技において等、治療処置の視認可能な影響が網膜組織上に存在しない場合に特に有用であり得る。
網膜画像又はモデルに対して治療処置及び/又は治療境界手技を参照することにより、システムが手技中に患者の目の運動を補償できるようにしてもよい。例えば網膜のトラッキングにより、網膜の実質的になめらかな画像をカメラがキャプチャできるようにしてよく、及び/又はシステムを患者の眼の運動に対して調整して、治療処置を実質的に同一の位置に送達し続けることができるようにしてよい。本発明のいくつかの実施形態を簡単に説明してきたが、図面を参照することにより、追加の態様が明らかになるであろう。
治療処置ハードウェア及び構成部品の実施形態
図1A〜1Gは、スリットランプ等の眼科撮像機器と連結することによって、本明細書に記載の境界画定型治療処置を提供できるように眼科撮像機器を適合させることができる、アダプタの実施形態の斜視図である。図2A〜2Eは、スリットランプ200と連結されたアダプタ100を示す。図1A〜1Cは、アダプタ100の様々な斜視図を提供する。図1D〜1Gはまた、アダプタ100内に格納された様々な構成部品を図示するためにアダプタのフロントカバーが取り外された状態の、アダプタ100の斜視図を提供する。アダプタ100は、一体に連結されたフロントカバー及びバックカバーを有するハウジング102を含む。アダプタ100はまた、アダプタ100を眼科撮像機器(例えばスリットランプ200)と着脱可能に連結する設置部材104も含む。アダプタ100はまた、アダプタ100と眼科撮像機器200との連結を促進する適合用構成部品105も含む。構成部品105は、設置部材104を眼科撮像機器の設置用特徴部分(図示せず)に対して強く圧迫する、回転可能な設置用ノブ103を含んでよい。構成部品105はミラー106も含み、このミラー106はアダプタ100から送達された光を患者の眼に向けて反射し、またこのミラー106は、ある程度の光がカメラ(例えばカメラ360)及び/又は双眼鏡(例えば双眼鏡210)若しくは他の接眼鏡と連結された双眼鏡アダプタ152へと戻るように送達されるよう、透明又は半透明であってよい。構成部品105は更に、アダプタ100及び/又は眼科撮像機器200の回転式調整を可能とするアジャスタバー135を含んでよい。
アダプタ100は更に、外部レーザ送達機器(例えばレーザ送達機器310)の光ファイバケーブルと連結したインタフェース又はポート110を含む。外部レーザ送達機器の光ファイバケーブルは、治療レーザ112をアダプタ100に提供又は送達する。アダプタ100は、治療レーザ112を照準デバイス130(本明細書では走査デバイス又はシステムとも呼ばれる)に向けて反射するミラー136を含む。ミラー136は、穴開きミラー、ハーフミラー、ダイクロイックミラー等であってよく、レンズホルダ上に設置できる。照準デバイス130は、Cambridge Technology(登録商標)製の検流計ベースのスキャナ(一般に「ガルボ(galvo)」と呼ばれる)であってよい。照準デバイス130は、回転可能な要素又はミラー132、134のペアを含み、上記ペアは、要素又はミラー132、134を垂直な軸の周りで回転させるモータの頂上に設置される。各ミラー132、134は1Dビーム偏向を提供してよく、これによりミラーのペアは2Dビーム偏向を提供する。照準デバイス130を用いて、眼に対して治療レーザ112及び/又は他のレーザ(例えば照準レーザ122)を走査し、これによって上記レーザを、眼上の又は眼の中の所望の位置に照準を合わせて点灯できる。例えば照準デバイス130は、照準レーザ122を走査することによって、網膜組織上の治療境界及び/又は治療パターンを画定するため、並びに治療境界/パターン内の治療レーザ112のビームを走査することによって、境界画定型治療処置を提供するために使用してよい。
照準レーザ122は、照準デバイス130に向かってミラー136を通過する。いくつかの実施形態では、アダプタ100は、外部レーザ送達機器又は源(図示せず)から照準レーザ122を受ける別のインタフェース又はポート(図示せず)を含んでよく、上記外部レーザ送達機器又は源は、治療レーザ112を送達するレーザ送達機器と同一であっても、又は異なるユニットであってもよい。他の実施形態では、アダプタ100はハウジング102内にレーザ送達機器又は源120を含む。例えばレーザ送達機器120は、照準レーザ122を提供するレーザダイオード124、又はその代わりに高出力LEDを含んでよい。レーザ送達機器120はまた、メモリデバイス及び/又はプロセッサ等のコンピューティングデバイス126も含んでよく、これは、照準レーザ122の送達を制御するために、外部コントローラ(例えばコントローラ330及び/又は310)と通信可能に連結される。
一実施形態では、照準レーザ122は、治療レーザ112のレーザ経路と実質的に直交するレーザ経路に沿って提供してよい。しかしながら、照準レーザ122及び治療レーザ112のレーザ経路は、照準レーザ122がミラー136を通過した後に位置合わせされるか、又は実質的に同軸となってよい。例えばレーザ経路128は、照準デバイス130から送達されて患者の眼に向けてミラー106から反射されるレーザの経路を図示する。この時点でレーザ経路は同軸に位置合わせされていてよいため、レーザ経路128は、照準レーザ122及び治療レーザ112のうちの一方又は両方に対応してよい。
照準レーザ122は、網膜上の治療境界及び/又はパターンの視認性を改善するために、可視スペクトル内で選択された波長を有してよい。例えばいくつかの実施形態では、照準レーザ122の波長は約600nm〜約700nmであり、より一般には約650nmである。照準レーザ122は眼の網膜及び/又は他の組織を損傷しない低強度ビームであってよい。照準レーザ122はまた、治療レーザ112の入射スポットよりも実質的に小さい入射スポット又は断面を有してよい。いくつかの実施形態では、治療レーザ112もまた可視スペクトル内で選択された波長を有してよいが、不可視波長を用いてもよい。ある具体的実施形態では、治療レーザ112の波長は約400nm〜約600nmであり、より一般には約520nm〜560nmである。治療レーザ112は、眼の網膜及び/若しくは他の組織を凝固させる、並びに/又は他の治療的治癒を提供するために使用してよい。
アダプタ100はまた、治療レーザ112及び/又は照準レーザ122の断面又は入射スポットを増大させるために使用してよい、倍率機構140を含む。倍率機構140は、レーザ経路(例えばレーザ経路128)に沿って、照準デバイス130の遠位に位置決めされる。倍率機構140は、回転可能なレンズホルダ144上に設置された複数のレンズ142を含む。各レンズは、治療レーザ112及び/又は照準レーザ122の断面又は入射スポットを増大又は減少させる、特定の光学的力を有する。レンズホルダ144は、レーザ経路128に沿って所望のレンズを位置決めできるように回転してよい。いくつかの実施形態では、レンズホルダ144は、ハウジング102の外側表面上に位置決めされた制御ノブ146を回転させることによって回転されるが、いくつかの実施形態では、レンズホルダ144を電子的に回転させてよい。
図2A〜2Eは、スリットランプ200と共に設置されたアダプタ100の様々な斜視図であり、上記スリットランプ200は、Haag‐Streit International(登録商標)、Carl Zeiss(登録商標)等によって製造されたもの等の、一般に使用されるいずれのスリットランプであってよい。スリットランプ200は、患者の眼の立体視画像を提供する双眼鏡210を含む。双眼鏡210は、双眼鏡アダプタ152と連結してよい。スリットランプ200はまた、垂直なフレーム部材222、顎部台224及び頭部台226を有する、患者固定フレーム220を含む。図示されていないものの、スリットランプ200はまた、様々なスリットランプの構成部品の機能制御及び/若しくは動作を提供するため並びに/又は治療処置ビームを送達するために使用できる、ジョイスティック及びフットペダルを含んでよい。スリットランプ200及び/又は顎部台224は、様々なサイズの患者に適合できるよう、垂直方向に調整可能であってよい。
図3は、本明細書に記載の治療処置を提供するために使用できる様々な制御の実施形態を示す。具体的には、図3は、光ファイバ324を介して外部レーザ送達機器310と連結されたアダプタ100を示す。光ファイバ324はポート110に接続され、治療レーザ112をアダプタ100に送達する。光ファイバ324は、レーザ送達機器又は源310上の複数の光ファイバポート322のうちの1つと連結してよい。光ファイバポート322は、2つの光ファイバ324をレーザ送達機器310に接続できるようにすることができる。レーザ送達機器310はまた、治療処置に関する設定及び制御を図4A〜4Cに示すように表示するディスプレイインタフェース320(例えばタッチスクリーンインタフェース)も含む。レーザ送達機器310はまた、ユーザがレーザ送達機器の様々な設定を遠隔操作及び調整できるようにする、遠隔制御ユニット326(無線又は有線)も含んでよい。同様に、レーザ送達機器310は、治療処置を実施するために及び/又は治療レーザ112を送達するために操作されるフットペダル340を含んでよい。フットペダル340は、レーザ送達機器310と無線で連結されてよい。レーザ送達機器310の例としては、IRIDEX Corp(登録商標)によって製造されているIQ532、IQ577、Oculight TX等が挙げられる。
レーザ送達機器310は、その従来の状態では境界画定型治療処置を提供できない従来のユニットであってよい。レーザ送達機器310がこの治療を提供できるようにするために、コンピュータシステム330をレーザ送達機器310及び/又はアダプタ100と通信可能に連結してよい。コンピュータシステム330は、レーザ送達機器310と通信するためにレーザ送達機器310の1つ又は複数のポートに差し込まれる、別個のセットトップボックスであってよい。更にコンピュータシステム330は、治療処置を実施するためにコンピュータシステム330を様々な他のシステム又はユニットとインタフェース接続できる、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリデバイスを含んでよい。情報はコンピュータシステム330と、レーザ送達機器310のコンピュータシステム又はプロセッサとの間でルーティングしてよく、これによってコンピュータシステム330は、治療レーザ112の送達を制御し、ディスプレイインタフェース320を介してユーザに情報をグラフィカルに表示する。例えばコンピュータシステム330は、レーザ送達機器310のコントロール(例えばタッチスクリーンコントロール、リモートコントロール326、フットペダル340等)とインタフェース接続してよく、これによってレーザ送達機器310の上記コントロールの調整がコンピュータシステム330の設定及びパラメータを構成又は調整できる。図4A〜4Cに示すように、コンピュータシステム330はディスプレイインタフェース320を制御して、投射されている特定の治療境界/パターンの形状、配向、規模、幾何学的パターン、レーザ強度といった、境界画定型治療処置の様々な設定及び/又は操作を表示してよい。コンピュータシステム330は、(1つ又は複数の命令によって)レーザ送達機器310を制御して、治療レーザ112の複数の照射量を特定のポイント及び特定の時点において送達してよい。例えばコンピュータシステム330は、治療レーザ112のビーム又は照射量が所定の治療境界、治療パターン及び/又は以下に説明するような所定の幾何学的形状内に送達されるように、レーザ送達機器310を制御してよい。同様にコンピュータシステム330は、送達される治療レーザ112が眼の網膜組織を凝固させるか、又は以下に説明するような、パルス間に所定の緩和用間隔を有する外傷性の低い一連の短幅パルス(例えばマイクロパルス)を提供するように、レーザ送達機器310を制御してよい。
要するに、コンピュータシステム330は、外科医又はユーザがコンピュータシステム330と対話して治療処置の様々なパラメータを調整できるようにするために、レーザ送達機器310がコンピュータシステム330のためのパススルー入力及びインタフェースデバイスとして機能するように、レーザ送達機器310と通信可能に連結してよい。コンピュータシステム330はまた、治療レーザ112をアダプタ100に送達するための、レーザ送達機器310の既存のコントロール(例えばフットペダル340、内部ハードウェア構成部品等)と共に機能する。
コンピュータシステム330はまた、様々な照準又は他の機能を実施するために、アダプタ100と通信可能に連結される。例えばコンピュータシステム330は、治療レーザ112及び照準レーザ122を網膜の特定の領域上に照準を合わせるか又は走査するために、照準若しくは走査デバイス130及び/又はレーザ送達機器120を制御してよい。コンピュータシステム330は、治療処置手技中に治療レーザ112及び照準レーザ122をインタリーブしてよい。コンピューティングデバイス330は、治療境界又は治療パターンを網膜上に画定又は投射するために、照準レーザ122の送達を制御し、走査デバイス130を制御する。
いくつかの実施形態では、制御ユニット330は、治療レーザ112がオフに切替えられている間に照準レーザ122をオンに切替えて、治療境界を画定する。続いて制御ユニット330は、治療レーザ112が治療境界内の標的組織において点灯している間に照準レーザ122をオフに切り替える。治療レーザ112の連続する点灯の間に、制御ユニット330は照準レーザ122をオンに切り替えることによって、治療境界又はパターンを網膜上に再画定又は投射してよい。図7A〜7Fに示すように、結果として得られる観察者に対する視覚的効果は、治療境界又はパターン内の標的組織上に治療レーザからの治療スポットが順次点灯されて観察される間、網膜上に治療境界又はパターンが略連続的に出現していることであってよい。マイクロパルスの送達等のいくつかの実施形態では、治療レーザ112が治療境界内で点灯されている間、照準デバイス130は連続的に走査されてよい。
いくつかの実施形態では、別個のユニットとして図示されているものの、レーザ送達機器310及びコンピュータシステム330は単一のユニットに合併され、これによって実質的に全ての制御及び走査が単一のユニットから提供される。更に、以下により詳細に記載するように、コンピュータシステム330は、以下に説明される網膜撮像及びトラッキング特徴を提供するため、並びに治療境界及び/又はパターンをディスプレイインタフェース320等のディスプレイデバイス上に表示するために、カメラ360(例えばCCDカメラ等)と連結されてよい。
コンピュータシステム330はハードウェア及び/又はソフトウェアを備えてよく、これは、本明細書に記載の方法のうちのいくつか又は全て又は1つ若しくは複数を実装するための機械可読プログラム命令又はコードを実行する、1つ又は複数のプログラマブルプロセッサを含む場合が多い。コードは、メモリ(任意に読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、不揮発性メモリ等)及び/又は記録媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、CD、DVD、メモリスティック等)といった有形媒体において実体化される場合が多い。
図4A〜4Cは、ディスプレイインタフェース320上に表示できる様々なディスプレイを示す。治療用の光が治療レーザ112によって網膜組織上に送達されることになる9個の治療領域又は位置の正方形グリッドを含む治療パターン406を表示する、ディスプレイ410が示されている。このグリッドは、このグリッドが治療ボックス又は位置の3×3のアレイ、治療位置の4×4のアレイ、治療位置の5×5のアレイ、又は治療位置のユーザ定義アレイを含むように、コントロール404を用いて調整してよい。ディスプレイ410はまた、様々な設定、制御及び/又はパラメータを設定又は調整するために使用してよいコントロール402A〜402Cも含む。例えばコントロール402Aは、各治療位置内に送達されることになる治療スポットの中点間の間隔を制御するために、即ち換言すると、治療パターンの規模を画定するために使用してよい。コントロール402Bは、網膜に対する治療位置のアレイの配向を制御するために使用してよい。コントロール402Cは、必要な場合にアレイの弧及び/又は曲率半径を制御するために使用してよい。図4Aは、弧及び曲率半径を有しない治療パターン406を示す。図4Cは、治療スポットの3つの行及び6つの列を含む、アーチ状の又は湾曲した治療パターン436を有するディスプレイ430を示す。治療パターン436は、ゼロでない弧(例えば360°)及び曲率半径(例えば2000マイクロメートル)を含み、これによって治療パターン436は湾曲する。ディスプレイ430は同様に、制御ボタン432A〜432C、434を含む。図4Bは、治療レーザ112及び/又は照準レーザ122の様々なパラメータを調整又は設定するために使用できるディスプレイ420を示す。例えば、タッチスクリーンコントロールを含んでよいディスプレイ420のコントロールは、治療レーザ112が点灯される期間422(例えばマイクロ秒間隔)を調整するため、治療レーザ112の電力レベル424(例えばマイクロワット)を調整するため、及び連続する治療レーザの点灯の間の間隔426(例えばマイクロ秒)を調整するために使用してよい。
ディスプレイ420は、従来の光凝固手技とマイクロパルス手技との間で治療レーザ112を調整するために使用してよい。ディスプレイ420はまた、光ファイバ324が接続されることになるポート(例えば322)を選択するコントロールといった、他のコントロール428も含んでよい。上述のように、ディスプレイ320のコントロールはタッチスクリーンコントロールであってよく、又は回転可能若しくは選択可能なタブ若しくはボタンを含んでよい。
治療境界及び/又はパターンの実施形態
図5A〜5Fは、本明細書に記載の治療処置のために使用してよい治療境界及び/又はパターンの様々な実施形態を示す。これらの治療境界/パターンは、照準又は走査レーザ122によって患者の網膜上に投射又は画定してよい。投射又は画定された境界又はパターンをカメラによってキャプチャして、ディスプレイインタフェース320等のディスプレイデバイス上にユーザ又は外科医に対して表示してよい。治療境界/パターンは、その中で治療処置が提供され、かつその外側で治療処置が提供されない領域を画定する。本明細書に記載の治療境界プロセスの1つの利点は、治療領域の境界が明確に画定されることであり、これによって外科医又はユーザは、治療処置が提供される場所及び提供されない場所を正確に知るか又は決定することができる。
図5Aは、その中で1つ又は複数の治療レーザパルス又は照射量が点灯され得る単一の治療領域512を取り囲む、正方形又は矩形の治療境界510を示す。図5Bは、複数の同一サイズの治療正方形又は矩形522のグリッド又はアレイを含む治療パターン520を示す。治療パターン520は、周縁部526及び内部のライン526によって画定される。図5Bは3×3のアレイを図示しているが、いずれのM×Nのアレイを使用してよい。図5Cは、4つの側部を有する複数の幾何学的形状532のアレイを含む、アーチ状の又は湾曲した治療パターン530を示す。各形状532は、対向する直線状側部536と、対向するアーチ状の側部534とを有する。治療パターン530は曲率半径を有してよく、対向する直線状側部536はそれぞれ、中点から放射状に突出してよい。図5Dは、ハニカムパターンに配設された複数の六角形形状542を有する治療パターン540を示す。図5Eは、治療レーザパルス又は照射量が送達されることになる位置を画定する複数の照準スポット552の正方形又は矩形アレイを有する治療パターン550を示す。図5Fは、治療レーザパルス又は照射量が送達されることになる位置を画定する複数の照準スポット562の半円形アレイを有する治療パターン560を示す。
走査又は照準デバイスにより照準レーザ(例えば照準レーザ122)の位置を制御することによって、治療境界、パターン及び/又は幾何学的形状を網膜上に投射又は画定してよく、これにより照準レーザは、網膜組織上に治療境界、パターン及び/若しくは幾何学的形状の輪郭を描画するか若しくは画定し、並びに/又はディスプレイデバイス若しくはインタフェース上に治療パターンを表示できる。照準レーザの位置を複数のパルスそれぞれの間で調節することによって、網膜上に治療境界、パターン及び/又は幾何学的形状を画定するか、又はこれらの輪郭を描画してよい。結果的に得られる視覚的効果は、図5A〜図5Dに示すように網膜上に画定される中実、半中実又はパルス状の治療境界、パターン及び/又は幾何学的形状であってよい。
図5A〜図5Dは、単なる例示を目的としたものであること、及び治療境界/パターンは、循環パターンを含んでも含まなくてもよい幾何学的形状の他の様々なアレイを含んでよいことを理解されたい。
図6A〜図6Fは、治療境界若しくはパターン内で点灯若しくは送達される、又はこれらと同軸に送達される治療レーザを表す治療スポットを示す。治療スポットは、従来の光凝固手技においてと同様に、治療レーザ点灯時に発生する視認可能な組織損傷を表してよく、又はマイクロパルス手技においてと同様に、組織損傷が視認できない場合であっても、治療レーザを点灯した位置を表してよい。図6Aは複数の治療スポット612を示し、これらは、治療レーザ(例えば治療レーザ112)を点灯した又は点灯することになる治療境界510内の位置を表す。同様に、図6Bは、治療パターン520の各治療正方形又は矩形522内で点灯されている治療スポット622を示す。図6Cは、治療パターン530の各幾何学的形状532の中心の実質的に内部で点灯されている治療スポット632を示し、図6Dは、治療パターン540の各六角形形状542の略中心内で点灯されている治療スポット642を示す。図6Cは、アーチ状治療処置が提供される実施形態を示し、図6Dは、治療スポットの間隔がより緊密であるか又は密接している実施形態を示す。図6Dの治療スポットは、隣接する行及び/又は列の治療スポットと重なってよい。図6E、6Fはそれぞれ、治療パターン550、560の照準スポット552、562に対して実質的に同軸に送達される治療スポット652、662を示す。別の実施形態では、大きい円652、662は画定された治療パターンを表してよく、小さいスポット552、562は、各治療パターンの略中心内において点灯又は送達された治療レーザを表してよい。このような実施形態は、画定された治療パターン又は境界が、接触して隣接する幾何学的形状を有する必要はないことを示す。寧ろ幾何学的形状のうちのいくつか又は全ては、1つ又は複数の隣接する幾何学的形状から隔離されてよい。
図6B〜図6Dは、各幾何学的形状内に送達される単一の治療スポットを示すが、いくつかの実施形態では、多数の(例えば2つ、3つ、4つ又は5つ以上)のスポットを幾何学的形状のうちの1つ又は複数内に送達してよい。同様に、各幾何学的形状内に送達される治療スポットの数は変化してよく、これによって追加の治療処置の柔軟性が提供される。
図8は、治療処置が望まれない網膜組織820に隣接して配置された治療パターン又は境界810を示す。治療パターン810は、組織820が治療パターン又は境界の外側となるよう、組織820に隣接して配置される。組織820は、感受性組織、眼の特徴部分(例えば眼窩、黄斑等)及び/又は治療処置が望まれない他のいずれの組織であってよい。上述のように、治療パターン810は網膜上に投射され又は画定され、これによって外科医又はユーザは、治療パターン810の外縁部又は周縁を組織820に隣接して位置決めできる。網膜上への治療パターン810の投射又は画定により、外科医又はユーザは、組織820が治療されないことを保証しながら、治療パターンを組織820に近接して又は組織820から離間して位置決めできる。また、図8に示すように、治療処置(即ち治療スポット830)は治療パターン810内に閉じ込められており、これによって組織820が治療処置を受けないことを保証する。治療パターン810の形状及び/又は治療パターン810のパラメータ(例えば間隔、半径、行又は列の数等)を変更することによって、眼の様々な特徴部分を収容してよい。例えば、図5Cの半円形パターンは、組織820の一部分又は眼窩を包囲するために使用してよい。同様に、図5Dのハニカムパターンは、治療スポットを治療領域内に密に詰め込むために使用してよい。
治療処置手技の実施形態
いくつかの実施形態では、治療レーザを、図6B〜図6Dに示すような各幾何学的形状の略幾何学的中心内で点灯してよい。網膜に入射する治療レーザの治療スポットサイズは、上記幾何学的形状と実質的に等しいサイズであるか、又はこれより僅かに小さくてよい。更に、上述のように、治療レーザの点灯中に照準レーザをオフに切り替えてよく、照準ビームが治療境界又はパターンを画定するか又はその輪郭を描画している際に治療レーザをオフに切り替えてよい。
治療処置パルス又は照射量(例えば図6A〜図6Dに示すスポット)は、治療境界若しくはパターンを通した治療レーザビーム(若しくはより適切には治療レーザビームの軸)の連続的な走査中に送達してよく、又は治療レーザビームは、各標的部位まで順次移動されてよく、そして治療レーザを一時的に停止している間に治療レーザを点灯させてよい。連続走査手技は、マイクロパルス手技が治療レーザに関連する開始及び停止時間を最小化することによって手技時間全体を最小化するために、特に有用であり得る。治療レーザビーム(即ち治療レーザの軸)は、治療レーザビームが指定された終点に到達する、及び/又は治療境界若しくはパターン全体を走査するまで、治療境界/パターンを通して行ごと及び/又は列ごとに連続的に走査されてよい(例えばラスタ走査パターンと同様)。治療レーザは、連続走査中、治療レーザが指定された標的部位それぞれに近接する際に、所定の期間だけ順次又は繰り返し点灯されてよい。治療レーザビームを走査及び連続走査の開始点に再位置決めしてよく、点灯プロセスを繰り返すことによって、既に治療された網膜組織のうちのいくつか又は全てに追加の治療処置を提供してよい(例えば追加の治療処置は、いくつかの又は各標的部位に提供される)。別の実施形態では、治療レーザを各治療位置に停止又は一時停止させて、十分な治療が提供されるまで治療レーザを上記治療位置で繰り返し点灯させてよい。
マイクロパルス手技では、同一の標的部位における治療処置パルス又は照射量間の間隔は、治療中の網膜組織が十分に緩和され、組織の温度が凝固による損傷の閾値を下回ったままとなるよう、十分に長くてよく、これにより組織損傷を最小化できる。マイクロパルス手技の熱的効果は、網膜色素上皮層だけに限局されてよい。いくつかの実施形態では、この緩和間隔又は熱緩和時間の遅延は、約190マイクロ秒以上であってよい。同様に、いくつかの実施形態では、治療レーザの点灯期間(即ち治療パルス又は照射期間)は約5〜15マイクロ秒であり、より一般には約10マイクロ秒である。
各走査及び点灯プロセス(即ち所定の開始点と終点との間)は、マイクロパルス手技の1つのサイクルを構成してよい。マイクロパルス手技は、約10〜10000サイクルを伴ってよい。いくつかの実施形態では、治療レーザは、走査の各サイクル中に9個以上の治療部位で点灯され、各マイクロパルスサイクルは約0.5〜1.5ミリ秒、より一般には約1ミリ秒で完了するが、治療レーザはいずれの数の治療部位で点灯してよく、各サイクルはより短い又はより長いサイクル期間を含んでよいことを理解されたい。更に、所与の治療境界/パターンに対する治療処置手技は、単一の連続走査、又はそれぞれ異なる開始点及び終点を有する数回の連続走査を含んでよい。
ある代替実施形態では、治療レーザは、各標的部位に順次配置されてよく、一連のマイクロパルスは、次の治療部位への移動前に上記標的部位に送達されてよい。各パルスは、特定の期間(例えば約5〜15マイクロ秒、より一般には約10マイクロ秒)だけ点灯されてよく、また各パルスは、標的部位の網膜組織が十分に緩和し、組織の温度が凝固温度を下回ったままとなるよう、十分に長い緩和間隔(例えば約190マイクロ秒以上)を有してよく、これにより組織の損傷を最小化する。短幅パルスは、マイクロパルス手技において公知であるように、治療的治癒の光活性化を誘発又は提供するのに十分なものであり得る。前者のマイクロパルス実施形態は、緩和間隔中に、治療レーザを他の治療部位において点灯でき、これにより全体的な治療時間が最小化されるという利点をもたらす。
マイクロパルス手技はまた、治療レーザビーム(即ち治療レーザの軸)が、各レーザパルス又は照射量間の所定の時間間隔で、連続走査されている際に、一連のパルスを送達してもよく、これにより、隣接する治療スポット間の所定の間隔を提供する。このような手技は、例えば図5B〜図5Dに示すもののような幾何学的形状のアレイを有する治療パターンを使用する場合、及び/又は例えば図5E、5Fに示すもののような照準スポットのアレイを使用する場合に、有益であり得る。所定の時間間隔及びその結果として得られる間隔は、各パルスが、幾何学的形状のうちの1つの中の、各形状の略幾何学的中心内に、及び/又は照準スポットのうちの1つ若しくは複数に亘って、送達されるようなものであってよい。
治療処置手技は、治療処置を網膜の1つの領域に送達し、続いて治療処置を網膜の1つ又は複数の他の領域に送達するステップを伴ってよい。例えば、照準デバイス(例えば照準デバイス130)は、網膜の第1の領域上に第1の治療境界又はパターンを画定して、画定された第1の治療境界又はパターン内に治療処置を送達し、続いて網膜の第2の領域上に第2の治療境界又はパターン(即ち同一の又は異なる境界/パターン)を画定して、画定された第2の治療境界又はパターン内に治療処置を送達してよい。このプロセスを所望の回数だけ繰り返すことによって、治療処置を提供してよい。
図9Aは、連続走査プロセス中に治療レーザの点灯によって得られた細長い治療スポット900を示す。図9Aに対応する治療レーザの治療スポットは、実質的に円形の断面を有してよい。細長いスポットが生じる原因は、治療レーザが点灯プロセス中に連続的に移動することであり得る。従って、マイクロパルス点灯期間が短い(例えば約10マイクロ秒)場合であっても、治療レーザの連続的な移動によって多少の伸長が発生し得る。連続的に移動する治療レーザの影響を最小化するため、組織に入射する治療スポットの断面は、図9Bに示すように治療レーザ経路と直交する方向に横長楕円形又は縦長楕円形になり得る。図9Cに示すように、横長楕円形又は縦長楕円形治療スポット910は、治療レーザビーム又はより適切に言えば治療レーザビームの軸が網膜全体に亘って走査されて一連のパルスが送達される際に、網膜上に、より円形の治療スポット930又は入射光プロファイルを生成するのを容易にする。
網膜マッピング/トラッキングの実施形態
図10A〜図10Cは、本明細書に記載のもの等の治療処置プロセスで使用できる網膜マップ、プロファイル又は画像を伴う実施形態を示す。図10Aは、スリットランプ又は他の眼科撮像機器の1つ又は複数のカメラ(例えばカメラ360)を用いてキャプチャできる、患者の網膜の網膜マップ又は画像1000を示す。上述のように、コンピュータシステム330は、網膜マッピング、撮像及び/又はトラッキング提供するために、カメラ360と通信可能に連結してよい。コンピュータシステム330は、網膜1012の画像1000を生成でき、かつ治療処置によって治療される1つ若しくは複数の治療領域及び/又は1つ若しくは複数の治療パターンを決定する補助となる情報を提供できる、測定デバイスを有してよい。網膜画像1000を参照することによって、ビーム、例えば治療ビーム112を網膜の治療領域に向けて配向してよい。このビームは治療処置を提供できる。治療スポット等の印を、治療領域に対応した位置において網膜画像1000上に重畳して、提供される治療処置を記録してよい。例えば、治療スポット又は他の印を、ビームが点灯される各位置において網膜画像1000上に重畳してよい。重畳された複数の治療スポットは、提供される治療処置を表示してよい。次に、網膜画像を参照することによってビームを網膜の別の治療領域に再位置決めし、第2の治療処置を提供し、及び/又は上述の様式で重畳された治療スポットと共に記録してよい。
いくつかの実施形態では、画像1000に関して治療領域、境界及び/又はパターン1020を参照することによって、治療領域、境界及び/又はパターン1020の位置と画像1000のデータとの関係を確立できる。治療領域、境界及び/又はパターン1020を網膜1012上の特徴部分又は基準位置1010にリンクさせてよく、様々な静脈、動脈、視神経円板、黄斑、網膜の標識又は特徴部分といった上記特徴部分又は基準位置1010を、画像1000中で識別できる。治療領域、境界及び/又はパターン1020の位置確認及び/又は決定と共に、測定デバイス(例えばコンピュータシステム330)は更に、アダプタ100及びスリットランプ200といった治療処置送達システムが使用する治療命令のセットを計算できるプロセッサシステムの少なくとも一部分を含んでよい。
測定デバイス(例えばコンピュータシステム330)並びに/又は治療処置システム(例えばアダプタ100及びスリットランプ200)は、メモリに保存されたソフトウェアと、患者の網膜の撮像及び患者の網膜に対する治療処置(例えば治療レーザ112)の送達、並びに撮像組立体の1つ又は複数の光軸に対する患者の眼の配置又は位置(任意にx方向、y方向及びz方向における並進並びにねじり回転を含む)等を制御するために使用できるハードウェアとを有してよい。例示的実施形態では、コンピュータシステム330(例えば測定デバイス)は特に、カメラ360を用いて撮影した1つ又は複数の画像に基づいて治療領域、境界及び/又はパターン1020を計算し、2つの画像内における患者の眼のずれを測定するようプログラム可能である。更にコンピュータシステム330は、レーザビーム(例えば、治療レーザ112及び/又は照準レーザ122)の光軸に対する患者の眼/網膜の運動又は位置x(t)、y(t)、z(t)及び回転方向を、効果的にはリアルタイムで測定するようプログラムでき、これによってコンピュータシステム330は、患者の眼のリアルタイムの位置上に所望の治療領域、境界及び/又はパターン1020を位置合わせ又は整列させることができる。
治療中に、患者の眼の所望の治療領域、境界及び/又はパターン1020を位置合わせするために、カメラ360によって撮影された患者の網膜からの画像は、共通の座標系を共有するべきである。この共通の座標系は、瞳孔若しくは内側虹彩境界の中心、外側虹彩境界の中心、様々な静脈若しくは動脈の中心、視神経円板若しくは黄斑の中心、他の網膜の標識若しくは特徴部分の中心、又は眼の他のいずれの適切な特徴部分に基づくものであってよい。
図10Bに示すように、治療処置によって治療されることになる1つ又は複数の所望の領域は、第1の網膜画像1000と関連した診断データを参照して決定されてよく、この第1の網膜画像1000は、カメラ360によってキャプチャされ、及び/又は過去に取得されてコンピュータシステム330に入力される。次に、各治療領域に関して使用される境界及び/又はパターン1020を決定してよい。これらの決定は、コンピュータシステム330の助けを借りて若しくはこのような助けなしで外科医により行われてよく、又はいくつかの実施形態では、コンピュータシステム330によって自動的に行われてよい。各治療領域、境界及び/又はパターン1020は同一であってよく、又は異なってよい。
いくつかの実施形態では、次に、1つ又は複数の所望治療領域、境界及び/又はパターン1020をコンピュータシステム330にプログラムしてよい。コンピュータシステム330はカメラ360と共に動作し、患者の網膜と網膜画像1000とを比較することによって、1つ又は複数のプラグラムされた治療領域に対応した患者の網膜1012の領域を決定してよい。いくつかの実施形態では、治療処置手技の直前等にカメラ360によって眼の第2の画像をキャプチャし、2つの画像を処理又は比較して網膜治療位置情報を生成し、次にこの情報を第2の画像に参照させてよい。1つ若しくは複数の治療領域、1つ若しくは複数の境界及び/又は1つ若しくは複数のパターンを、治療処置手技の前に患者の網膜上に重畳し、及び/又はディスプレイインタフェース(例えばタッチスクリーンディスプレイ320)上に表示し、これによって、提供されることになる1つ又は複数の治療及び上記1つ又は複数の治療を受けることになる領域を表示してよい。外科医又はユーザは、上記1つ又は複数の治療処置を評価してよく、所望によっては治療処置のうちの1つ又は複数の特性(例えば配向、規模、境界、パターン等)を修正又は調整してよい。
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム330は、アダプタ100又は治療処置システムの他の構成部品に命令を出すことによって、網膜1012上の治療境界及び/又はパターン1020を画定するために照準レーザビーム(例えば照準レーザ122)を網膜1012の所定の治療領域上に点灯してよい。他の実施形態では、治療境界及び/又はパターンは網膜上に画定されなくてよく、従って照準レーザは不要となり得る。
コンピュータシステム330はまた、レーザ送達機器310又は他の治療処置システム構成部品に命令を出すことによって、治療領域内、並びに/又は照準レーザビームによって画定された治療境界及び/若しくはパターン1020内において、治療レーザビーム(例えば治療レーザ112)を網膜1012に配向してよい。第2のレーザビーム(例えば治療レーザ112)は、所望の治療処置パルス又は照射量1030(例えばマイクロパルス又は他の治療)を、図10Cに示すように画定された治療領域及び/又は治療境界及び/又はパターン1020内の網膜組織に送達してよい。
網膜画像1000は、即座に又は後に参照するためにメモリデバイス及び/又はデータベース内に保存されてよい。上で概説したように、患者が受ける1つ又は複数の治療をトラッキングするために、網膜組織1012に提供された治療処置1030を網膜画像1000上に記録してよい。提供される治療処置の記録は、網膜画像1000に対する治療レーザビーム112の位置(即ちレーザビーム軸の位置)を監視するステップと、治療レーザ112を点灯した際の治療レーザの各位置を記録するステップとを伴ってよい。個々の治療スポット又は位置を網膜画像1000上に記録することによって、治療を受けた領域を表示してよい。このようなマッピング及び記録手技は、治療処置の視認可能な効果が存在せず、よって上記このようなマッピング及び記録手技がなければ過去のマイクロパルス治療を知ることができない場合の、マイクロパルス治療処置手技において、特に有用となり得る。
同様に、1つ又は複数の治療処置セッションに亘って患者に提供される複数の治療処置を、網膜画像1000上にマッピング又は撮像してよい。続いて提供される各治療処置を、網膜画像1000又は第2の網膜画像上に記録してよく、これによって、提供される実際の治療処置を、マッピング又は撮像された治療処置と比較して、患者の全体的治療処置状態をトラッキングするか、又は治療の進展及び上記治療に対する患者の応答を決定してよい。
コンピュータシステム330及びカメラ360はまた、患者の眼の移動に応答して治療処置システム(例えば治療レーザ112及び/又は照準レーザ122)を調整するために使用してよい。例えば、コンピュータシステム330は、カメラ360によって提供される1つ又は複数の他の画像と合わせて網膜画像1000を参照することにより、患者の眼が移動したかどうかを決定してよい。眼の移動に応答して照準レーザ122の位置を調整することで、投射又は画定された治療境界/パターンは網膜に対して正確な配向を維持してよい。同様に、治療レーザ112の位置も調整することによって眼の移動を補償してよく、これにより、調整された治療領域、境界及び/又はパターン内で治療レーザ112を確実に点灯させる。調整は、眼の網膜特徴部分(例えば静脈、動脈、黄斑等)の新たな位置を決定するステップ、網膜特徴部分の新たな位置に基づいて治療境界/パターンの新たな位置を決定するステップ、及びこれに応じて照準デバイス130を調整するステップを含んでよい。カメラ360によってキャプチャされた画像はコンピュータシステム330に提供され、網膜画像1000とリアルタイムで比較されて、眼の移動に基づく治療処置のリアルタイムトラッキング及び調整を提供できる。
連続的治療パターンを投射するステップの実施形態
本明細書に記載しているように、いくつかの実施形態では、マイクロパルス手技を用いて、患者の眼の眼組織(例えば網膜組織、前眼房の組織等)に治療用の光を送達してよい。このようなマイクロパルス治療は典型的には、多数のミリ秒のパルスを数ミリ秒の期間に亘って低いデューティサイクルで送達することを含む。これらの手技は、他の従来の手技とは異なり、損傷を引き起こさない。これらの手技はまた、典型的には、眼組織に対していずれの視認可能な端点を生成しない。走査手技において、パターンが横断されて治療が実施される場合、治療されるポイントの視覚的指示が好ましい場合が多い。
更に、各治療位置において、マイクロパルスバースト間の実用上最大の熱緩和を可能とするために、低いデューティサイクルが望ましい場合が多いため、マイクロパルス治療は、治療位置又はポイントあたりの長い治療時間を必要とし得る。治療される位置又はポイントの視覚的指示を提供しながらマイクロパルスバースト間の熱緩和を増大させるために、マイクロパルス治療ビームを、治療パターンの開始位置に戻る前に、治療パターン内の全ての治療位置に亘って走査してよい。治療用の光を概ね同一の眼標的位置に送達する精度又は再現性を上昇させるために、治療用の光の送達中にビームが各治療位置に固定されるように、治療ビームを複数の標的位置間で増分的に走査してよい。治療ビームが連続的に走査されて治療用の光が送達される実施形態では、光の送達は、走査ミラーのモータ機能の僅かな変動によって、治療位置から僅かに逸れる場合がある。治療用の光の送達中にビームが各治療位置に固定されるように、治療ビームを増分的に走査することによって、比較的高額な走査用ミラー系を使用する必要を排除することもできる。
走査が十分に短い期間で終了した場合、眼組織に向かって配向された治療用の光の視覚的効果は、治療パターンの大半又は全てが眼組織上で視認できるようになることであってよい。換言すると、治療パターンの複数の標的位置は、治療ビームによって眼組織上に略同時に現れることができる。この視覚的効果により、外科医が治療を受けた領域を迅速かつ容易に推定できようにすること、及び/又は後のマイクロパルス治療のために治療ビームを移動させるべき領域を評価できるようにすること等によって、マイクロパルス治療を提供するにあたって外科医をガイドすることができる。更に、治療ビームは、最初の治療位置に戻る前に、全治療パターンを通して治療位置間で増分的に走査されるため、各スポットにおけるマイクロパルスバースト間の熱緩和は、およそフレーム又は治療パターン横断速度まで増大する。この走査手技の便益としては:総治療時間の減少、熱緩和期間の増大、及び走査される治療領域又はパターンの視認性の向上が挙げられる。実施形態の説明を容易にするために、眼組織をこれ以降網膜組織と呼ぶが、本明細書に記載の実施形態は眼の実質的にいずれの組織を治療するために使用してよいことを理解されたい。
走査手技の実施形態を更に例示するために、図11Aは、3行×3列に配列された9個の治療位置のアレイを備える治療パターンに対して実施される、マイクロパルス治療を図示している。この治療を実施するにあたって、治療ビームの走査は第1の治療位置1102aにおいて開始され、治療用の光のマイクロパルスバーストは、治療ビームが第1の治療位置1102aに固定されたままの状態で、第1の治療位置1102aにTuマイクロ秒だけ送達される。次に治療ビームは、第2の治療位置1102bに再位置決め又は走査1104される。治療ビームの移動の期間は約Tmマイクロ秒である。治療用の光のマイクロパルスバーストは、治療ビームが第2の治療位置1102bに固定されたままの状態で、第2の治療位置1102bにTuマイクロ秒だけ送達される。次に治療ビームは、約Tmマイクロ秒の時間内に第3の治療位置に再位置決め又は走査1104される。このプロセスは、治療パターンの9個の治療位置全てに対して繰り返され、その後、約Tmマイクロ秒の時間内に、第1の治療位置へと戻る治療ビームの走査又は再位置決め1104が行われる。
このように、治療パターンの治療位置それぞれを通して治療ビームを増分的に走査し、治療用の光を治療パターンの治療位置それぞれに送達するステップは、フレーム又はサイクルを含む。図11Aは、第1のフレーム又はサイクル1106a、第2のフレーム又はサイクル1106b、n番目のフレーム又はサイクル1106cに対して治療が提供されていることを示す。いくつかの実施形態では、網膜治療プロセス全体は、網膜組織への10〜10000治療サイクルの送達を含んでよい。各フレームの走査は、治療パターンの9個の標的位置のそれぞれ又は殆どが、治療ビームによって患者の眼の眼組織上に同時に照明されるよう、十分に短い期間で完了させてよい。従って、外科医の視点からは、9個の治療位置のアレイ(即ち治療パターン)は、患者の眼の組織上で「律動する(pulse)」ように見えてよい。換言すると、9個の治療パターンは、患者の眼の組織上に同時に及び反復的に照明されるように見えてよい。このようにして、治療パターンは眼組織上に「刻印された(stamped)」ように見えてよい。
単一の治療サイクルの治療時間(Tcycle)は、以下の等式:
cycle=n*(Tu+Tm
によって推定でき、ここでnは治療位置の個数、Tuはマイクロパルス時間又は期間、Tmはスポット間移動時間又は期間である。また、治療ビームは、第1の治療位置に戻る前に全治療パターンを通して増分的に走査されるため、治療時間Tcycleは、各治療位置に関する熱緩和時間に略等しい。全治療プロセスに関する総治療時間(T)は、以下の等式:
T=Nburst*Tcycle 即ち T=Nburst*n*(Tu+Tm
によって推定でき、ここでTcycleは単一のサイクルの治療時間、Nburstは、各治療位置において送達されることになるマイクロパルスバーストの数である(即ちこれは、全治療プロセス中のサイクルの数に等しい)。
他のマイクロパルス治療手技と比較して、上述の治療手技は、全体的な治療時間を有意に減少させる。例えば図11Bは、治療ビームが第1の治療位置1112aに位置決めされ、複数のマイクロパルスバースト(n)が第1の治療位置1112aに送達され、各バーストのパルス時間又は期間はTuであり、間隔又は緩和時間はTiである、マイクロパルス治療を図示する。複数のマイクロパルスバースト(n)が送達された後、治療ビームは第2の治療位置1112bへ走査又は再位置決めされ、ここで複数のマイクロパルスバーストが送達される。このプロセスは、治療パターンの治療位置それぞれに関して繰り返される。
単一の治療位置に関する治療時間(Tpos)は、以下の等式:
pos=Nburst*(Tu+Ti
によって推定でき、ここでNburstは、各治療位置において送達されることになるマイクロパルスバーストの数、Tuはマイクロパルスのパルス時間又は期間、Tiは緩和時間である。治療プロセス(T)に関する総治療時間(T)は、以下の等式:
T=n*(Tpos+Tm) 即ち T=n*(Nburst*(Tu+Ti)+Tm
によって推定でき、ここでTposは単一の治療位置に関する治療時間、nは治療位置の個数、Tmはスポット間移動時間又は期間である。
後者のマイクロパルス手技(即ち別の治療位置に移動する前の、各治療位置におけるマイクロパルス光の送達)と比較した、前者のマイクロパルス手技(即ち増分的走査及びマイクロパルス送達)を使用する際の全体的な利得は、以下の等式:
former=Nburst*n*(Tu+Tm) 即ち Tformer=nNburstu+nNburstm
latter=n*(Nburst*(Tu+Ti)+Tm) 即ちTlatter=nNburstu+nNbursti+nTm
を使用して推定でき、ここでTformerは前者の手技の上述のような推定治療時間であり、
latterは後者の手技の上述のような推定治療時間である。
上述の等式から、治療時間の差は:
nNbursti+nTm>nNburstm
又は共通の変数を消去して:
bursti+Tm>Nburstm
となる。おおよその性能比利得(G)は、以下の等式:
G=Ti/Tm
を使用して推定できる。
要約すると、前者のマイクロパルス手技(即ち増分的走査及びマイクロパルス送達)は、他のマイクロパルス治療手技と比較して、治療時間において有意な利得を提供する。更に、迅速な走査運動及びマイクロパルス治療バーストの時間的短さという特徴によって、治療パターンの視認性(例えば治療パターンの大半又は全ての同時照明)が上昇する。送達されるエネルギは従来のマイクロパルス手技とおおよそ等しくなるが、緩和時間が長くなり、全体の治療時間が短くなる。殆どの治療は、全パターンが、その殆どが投射され連続的に又は同時に照明されたパターンとして現れるように、マイクロパルスバーストの全フレームを送達することになる。この投射されたパターンにより、医師は全走査領域を容易に治療できるようになる。
いくつかの実施形態では、照準ビームを本明細書に記載したように使用して、患者の眼の網膜組織上に治療パターンを画定してよい。このような様式の照準ビームの使用により、外科医が治療ビームで治療される領域を識別するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、治療を提供する前にのみ照準ビームを使用して、網膜上に治療パターンを最初に画定してよい。他の実施形態では、治療ビームの操作中に照準ビームを点灯して、治療パターンを更に画定してよい。
図11Aは、マイクロパルス治療手技のために9個の治療スポットパターン又はアレイを使用することを示しているが、他の実施形態では、他の治療パターンを使用してよいことを理解されたい。図12A〜Hは、マイクロパルス治療を提供するにあたって使用できる他の治療パターン又は治療スポット配置を示す。図12A〜Hに図示されている各パターンに関して、図11A〜Cを参照して上述したような増分的走査マイクロパルス手技(即ち増分的走査及びマイクロパルス送達、これ以降、増分的走査マイクロパルス手技と呼ぶ)を、従来のマイクロパルス手技(即ち別の治療位置に移動する前の、各治療位置におけるマイクロパルス光の送達、これ以降、従来のマイクロパルス手技と呼ぶ)と比較する。この比較を行うにあたって、増分的走査マイクロパルス手技は、約100μs(マイクロ秒)のパルス幅、及び各スポットへの100回のマイクロパルスバーストの送達を有することになる。上述のように、各治療位置のオフ時間又は緩和時間は、全フレーム又は治療パターンを通した治療ビームの走査時間と略等しい。従来のマイクロパルス治療は同様に、オフ時間又は緩和時間が1900μsの約100μsのパルス幅、及び各スポットへの100回のマイクロパルスバーストの送達を有することになる。パルス幅はおおよそ100μsであると考えられるものの、いくつかの実施形態では上記幅は50〜1000μsで変化してよく、ただしより一般にはこの幅は50〜200μs又は50〜150μsで変化する。更に、図11A〜Cに関連して上述したように、図12A〜Hの治療パターン又は治療スポット配置それぞれにおいて、治療ビーム、又はより正確には治療ビームの軸は、各治療スポットへと増分的に移動して、治療ビームが点灯又は送達される際に各治療スポットに固定されてよい。続いて治療ビームは第1の位置へと移動してよく、プロセスは所望の回数だけ繰り返される。
図12Aは、4つの治療スポットのアレイ又はパターン(即ち2×2アレイ)の2D及び3D画像を示す。従来のマイクロパルス手技アプローチ及び上で仮定した値を用いると、手技の総治療時間はおおよそ800ms(ミリ秒)となる。増分的走査マイクロパルス手技アプローチ及び上で仮定した値を用いると、手技の総治療時間はおおよそ200ms、即ち従来のアプローチを用いた場合の時間のおおよそ1/4となる。増分的走査マイクロパルス手技に関するオフ時間又は緩和時間はおおよそ1900μsであり、即ち従来の手技を用いた場合のマイクロパルス間の緩和時間と略同一である。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約5%となる。増分的走査マイクロパルス手技は、マイクロパルス間のオフ時間又は緩和時間がおおよそ同一であるにもかかわらず、従来のマイクロパルス手技よりも遥かに短い治療時間を提供することが明らかである。
図12Bは、9個の治療スポットのアレイ又はパターン(即ち3×3アレイ)の2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ1800msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ450msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ4400μsであり、これは従来の手技を用いた場合のマイクロパルス間の緩和時間の2倍を超える。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約2.2%である。より大きな治療パターン(即ちより多くの治療スポット)に関して議論するとより明らかになるように、より大きなパターンは典型的にはより長い緩和時間につながるものの、従来のマイクロパルス手技より大幅に迅速な治療手技時間が得られる。より長い緩和時間により、網膜組織を緩和させることができ、及び/又は網膜の温度を通常の、手技を行わない温度に近づけることができ、これは最適な治癒及び/又は治療応答を提供できる。更に、より短い治療時間は、患者にとっての傷害及び/又は不快感のリスクを低下させることもできる。
図12Cは、16個の治療スポットのアレイ又はパターン(即ち4×4アレイ)の2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ3200msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ800msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ7900μsであり、これは従来の手技を用いた場合のマイクロパルスバースト間の緩和時間の略4倍である。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約1.25%である。
図12Dは、25個の治療スポットのアレイ又はパターン(即ち5×5アレイ)の2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ5000msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ1250msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ12400μsである。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約0.8%である。
図12Eは、36個の治療スポットのアレイ又はパターン(即ち6×6アレイ)の2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ7200msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ1800msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ17900μsである。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約0.5%である。
図12Fは、49個の治療スポットのアレイ又はパターン(即ち7×7アレイ)の2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ9800msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ2450msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ24400μsである。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約0.4%である。
図12Gは、45°の3重の弧の配置を有する12個の治療スポットのパターンの2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ2400msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ600msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ5900μsである。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約1.6%である。
図12Hは、円形の配置を有する16個の治療スポットのパターンの2D及び3D画像を示す。この治療パターンに関して、従来のマイクロパルス手技はおおよそ3200msの総治療時間を提供する。これとは対照的に、この治療パターンに関して、増分的走査マイクロパルス手技はおおよそ800msの総治療時間、即ち従来のアプローチのおおよそ1/4の時間を提供する。増分的走査マイクロパルス手技のためのオフ時間又は緩和時間はおおよそ7900μsである。増分的走査マイクロパルス手技のデューティサイクルは約1.25%である。上述の手技を実施している間、エネルギは網膜表面を横切るように、比較的波状の様式で流れることができる。
別の実施形態では、増分的走査マイクロパルス手技は上述のスポットパターンを使用してよく、かつ:約200μsのマイクロパルスパルス幅;350μsのスポット間移動期間(即ち平均スポット間移動時間);及び/又は各スポットへのマイクロパルスバーストの50回の送達を含んでよい。上述のように、各治療位置のオフ時間又は緩和時間は、全フレーム又は治療パターンを通した治療ビームの走査時間と略等しくてよい。以下の表1は、増分的走査マイクロパルス手技に関して計算された様々な値(即ちSTAMP時間)を提供し、またこれらの計算された値を、同様の治療パラメータを有する従来のマイクロパルス手技(即ち従来の時間)と比較する。
表1に示すように、より長いマイクロパルスパルス幅を有する増分的走査マイクロパルス手技に関する手技時間は、既に記載した値よりも僅かに高いが、有意に高くはない。しかしながらこの手技に関して、デューティサイクルは顕著に高い。表1はまた、オフ時間又は緩和時間がフレーム時間(即ち治療ビームが治療パターン全体を走査するのにかかる時間)と本質的に等しいことも示す。これらの時間は約200μsだけ変化し、これは予測されるように、マイクロパルスパルス幅に対応する。しかしながら治療時間は、従来のマイクロパルス治療によって提供されるものよりも明らかに低いままである。
いくつかの実施形態では、マイクロパルス治療のデューティサイクルは、治療される状態に応じて変化し得る。例えば典型的な網膜に関する手技では、デューティサイクルは約10%以下であってよいが、5%以下のデューティサイクルがより一般的である。緑内障に関する手技では、デューティサイクルは約15%〜31%となり得る。毛様体扁平部に関する手技では、デューティサイクルは約31%となり得る。実施される手技に応じて、又は1つ若しくは複数の他の条件に応じて、他のデューティサイクルを使用してよい。例えば、本明細書に記載の方法及びシステムと共に、ある範囲のデューティサイクルを使用してよい。デューティサイクルの範囲は0.4〜35%を含んでよいが、5〜15%の範囲がより一般的である。
本明細書に記載のシステムを用いて、増分的走査マイクロパルス手技を提供してよい。例えば一実施形態では、システムは:治療ビーム経路に沿って治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;治療ビーム経路に沿って配置され、患者の眼の網膜に沿って治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び走査デバイスに連結されたプロセッサを含んでよい。プロセッサは(例えばメモリデバイスに記憶された命令によって):A)治療ビームのために、網膜に対する複数の標的位置を画定するステップ;B)治療ビームが関連位置に固定されている際に、治療ビームからのパルスを、複数の標的位置それぞれにおいて網膜上に送達するステップ;C)複数の標的位置の間で治療ビームを増分的に走査するステップ;並びにD)複数の標的位置それぞれにおいて治療ビームからの複数の追加のパルスを送達するために、ステップB)及びC)を反復するステップを実行するよう構成又は命令されてよい。複数の標的位置は、第1の位置、第2の位置、複数の中間位置を含んでよく、治療ビームは第1の位置と第2の位置との間で走査されてよい。
別の実施形態では、システムは:治療ビーム経路に沿って治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;治療ビーム経路に沿って配置され、患者の眼の網膜に沿って治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び走査デバイスに連結されたプロセッサを含んでよい。プロセッサは(例えばメモリデバイスに記憶された命令によって):A)治療ビームのために、網膜に対する複数の標的位置を画定するステップであって、上記標的位置は第1の位置、第2の位置及び複数の中間位置を含む、ステップ;B)治療ビームからのパルスを、複数の標的位置それぞれにおいて網膜上に送達するステップ;C)複数の標的位置を送達されたビームで同時に照明するために、第1の位置と第2の位置との間の複数の標的位置の間でビームを増分的に走査するステップ;並びにD)複数の標的位置それぞれにおいて治療ビームからの複数の追加のパルスを送達するために、ステップB)及びC)を反復するステップを実行するよう構成又は命令されてよい。本明細書に記載されているように、各パルスの幅は、網膜の従来の光凝固の誘発を回避しながら、各標的位置に配向されるパルスの総数を、上記位置において治療的治癒の光活性化を誘発するのに十分なものとすることができる程度に、十分に短いものであってよい。
本明細書に記載するように、いくつかの実施形態では、本システムは、照準ビーム経路に沿って照準ビームを伝導するよう構成された照準ビーム源も含んでよい。このような実施形態では、走査デバイスは、照準ビームを網膜に沿って走査することによって、網膜上の複数の標的位置を画定してよい。プロセッサは更に、約10〜約10000サイクルのマイクロパルス治療を提供するよう構成してよい。走査デバイス及び/又は治療若しくは照準ビーム源は、アダプタデバイス内に配置してよく、このアダプタデバイスは、眼科的測定機器と着脱可能に連結でき、また光ビーム源と光学的に連結できる。
いくつかの実施形態では、外科医が図3、4A〜Cに示すような制御ユニットに入力してよい入力は:電力設定;デューティサイクル選択;治療期間;治療パターンの選択又は入力等を含んでよい。制御ユニットは、外科医が入力したパラメータに基づいて、必要な1つ又は複数の他のパラメータを計算してよい。
いくつかの実施形態を説明したが、本発明の精神から逸脱することなく様々な修正、代替構成及び均等物を使用してよいことは、当業者であれば理解できるであろう。更に、本発明を不必要に不明瞭にするのを回避するために、多数の公知のプロセス及び要素については説明しなかった。従って以上の説明は、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。
値の範囲が提供されている場合、これは、文脈によってそうでないことが明確に規定されていない限り、その範囲の上限と下限との間の中間値も、下限の単位の小数点以下第1位まで具体的に開示されているものとして理解される。言明されている範囲内のいずれの言明されている値又は中間値と、上記言明されている範囲内の他のいずれの言明されている値又は中間値との間の、より狭い範囲もそれぞれ包含される。これらのより狭い範囲の限界値は、独立して上記範囲内に含まれても含まれなくてもよく、また、言明されている範囲内の具体的に排除されるいずれの限界値に応じて、上限及び下限の一方が含まれる、いずれも含まれない、又は両方が含まれる各範囲もまた本発明に包含される。言明されている範囲が限界値のうちの一方又は両方を含む場合、これら含まれた限界値のうちのいずれか一方又は両方を排除した範囲もまた含まれる。
本明細書及び添付の請求項において使用される単数形「ある(a、an)」及び「上記(the)」は、文脈によってそうでないことが明確に規定されていない限り、複数の指示物を含む。従って例えば「あるプロセス(a process)」に関する言及は、複数のこのようなプロセスを含み、「上記デバイス(the device)」に関する言及は、1つ又は複数のデバイス及び当業者に公知のその均等物等を含む。
また、単語「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(includes)」は、本明細書及び添付の請求項において使用される場合、言明されている特徴部分、整数、構成部品又はステップの存在を明示することを意図しているが、1つ又は複数の他の特徴部分、整数、構成部品、ステップ、動作又は群の存在又は追加を排除するものではない。

Claims (8)

  1. 患者の眼に治療処置を提供するためのシステムであって、前記システムは:
    治療ビーム経路に沿って治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;
    前記治療ビーム経路に沿って配置され、前記患者の眼の眼球組織に沿って前記治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び
    前記走査デバイスに連結されたプロセッサ
    を備え、
    前記プロセッサは:
    A)前記治療ビームのために、前記眼球組織に対する複数の標的位置を画定するステップであって、前記複数の標的位置は第1の位置、第2の位置、複数の中間位置を含む、ステップ;
    B)前記治療ビームが関連する前記位置に固定されている際に、前記治療ビームからのパルスを、前記複数の標的位置それぞれにおいて前記眼球組織上に送達し、各前記パルス間に異なる前記標的位置に前記治療ビームを移動させる、ステップ;
    C)前記複数の標的位置の間で前記治療ビームを増分的に走査するステップ;並びに
    D)前記複数の標的位置それぞれにおいて前記治療ビームからの複数の追加のパルスを送達するために、前記ステップB)及びC)を反復するステップ
    を実行するよう構成され、
    各前記パルスの幅は、前記眼球組織の従来の光凝固の誘発を回避できるよう十分に短く、
    各前記標的位置に配向される前記パルスの総数は、前記位置において治療的治癒反応の光活性化を誘発するために十分なものである、システム。
  2. 照準ビーム経路に沿って照準ビームを伝導するよう構成された照準ビーム源を更に備え、
    前記走査デバイスは更に、前記照準ビームを前記眼球組織に沿って走査することによって、前記眼球組織上の前記複数の標的位置を画定するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 各前記標的位置に送達される前記パルス間の時間間隔は、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記複数の標的位置の間の前記治療ビームの増分的な走査の期間と略等しい、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記眼球組織は網膜組織を含む、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記複数の標的位置の間の前記治療ビームの増分的な走査は、治療サイクルを含み、
    前記プロセッサは更に、約10〜約10000の前記治療サイクルを提供するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記走査デバイスは、アダプタデバイス内に配置され、
    前記アダプタデバイスは、眼科的測定機器と着脱可能に連結でき、また前記光ビーム源と光学的に連結できる、請求項1に記載のシステム。
  7. 患者の眼に治療処置を提供するためのシステムであって、前記システムは:
    治療ビーム経路に沿って視認可能な治療ビームを伝導するよう構成された治療ビーム源;
    前記治療ビーム経路に沿って配置され、前記患者の眼の眼球組織に沿って前記治療ビームを走査するよう構成された、走査デバイス;及び
    前記走査デバイスに連結されたプロセッサ
    を備え、
    前記プロセッサは:
    A)前記治療ビームのために、前記眼球組織に対する複数の標的位置を画定するステップであって、前記複数の標的位置は第1の位置、第2の位置、複数の中間位置を含む、ステップ;
    B)前記治療ビームからのパルスを、前記複数の標的位置それぞれにおいて前記眼球組織上に送達し、各前記パルス間に異なる前記標的位置に前記治療ビームを移動させる、ステップ;
    C)前記複数の標的位置が前記ビームによって同時に照明されて現れるように、前記複数の標的位置の間で前記ビームを増分的に走査するステップ;並びに
    D)前記複数の標的位置が前記ビームによって同時に照明されて現れるように、前記複数の標的位置それぞれにおいて前記治療ビームからの複数の追加のパルスを送達するために、前記ステップB)及びC)を反復するステップ
    を実行するよう構成され、
    各前記パルスの幅は、前記眼球組織の従来の光凝固の誘発を回避できるよう十分に短く、
    各前記標的位置に配向される前記パルスの総数は、前記位置において治療的治癒の光活性化を誘発するために十分なものである、システム。
  8. 前記眼球組織は網膜組織を含む、請求項7に記載のシステム。
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