JP2016515407A - Ecm移植組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

記載されているのは、糖と混合された粒状細胞外マトリクス組織を含む医療用組成物および方法である。このような医療用組成物の乾燥した形態は、向上した再水和特性を示すことができる。本明細書に記載の医療用組成物および製品は、特に、傷の修復のような、病気のおよび/または損傷した組織の治療に使用される。関連する製造方法および使用方法も記載されている。

Description

関連出願の参照
本願は、その全体が本明細書に引用により援用される2013年3月15日に出願され「ECM IMPLANT COMPOSITIONS AND METHODS(ECM移植組成物および方法)」と題された米国仮特許出願第61/802,113号の利益を主張する。
背景
本発明は、一般的には医療用組成物の分野に属し、具体的な側面では細胞外マトリクス材料を組込んだ医療用組成物に関する。
さらに、背景として、医療用グラフティング、細胞培養、およびその他の関連用途に使用するための、さまざまな細胞外マトリクス(extracellular matrix)(ECM)材料が提案されている。たとえば、小腸、胃、または膀胱組織から得た粘膜下組織を含む、医療用グラフトおよび細胞培養材料が提案されている。米国特許4,902,508、4,956,178、5,281,422、5,554,389、6,099,567、および6,206,931参照。たとえば米国特許6,379,710では、肝臓基底膜から得た医療用材料も提案されている。また、羊膜から得たECM材料(たとえば米国特許4,361,552および6,576,618参照)および腎被膜から得たECM材料(2003年1月9日公開のPCT国際特許出願WO03/002165参照)が、医療用途および/または細胞培養用途として提案されている。加えて、インディアナ州ウェスト・ラファイエットにあるクック・バイオテック社は現在、SURGISIS(登録商標)、STRATASIS(登録商標)、およびOASIS(登録商標)という商標の下で、小腸粘膜下組織を基にしてさまざまな医療用製品を製造している。
ある応用例では、医療用材料から流動組成物が形成され、これが特定の病気の治療に向けられたさまざまな成分とともに使用されている。たとえば、米国特許6,206,931には、細胞外マトリクス材料から流動組成物を形成すると記載されている。このような流動組成物は、典型的には注射可能なグラフトとして使用するためにゲル状に形成される。同様に、PCT国際特許出願WO05/020847は、ゲルとして形成されFGF−2等の生理活性成分を含むECM材料を開示している。このゲル材料は、粒状ECM材料も含み得る。この材料は、生理活性をゲルに与えるよう機能し得るおよび/または組織内殖のための骨格材料の役割を果たし得る追加材料を提供すると示唆されている。
多種多様な医療用途に使用することが可能なさらなる医療用組成物および製品が今もなお必要である。本発明は、このような医療用組成物および製品ならびにこれらの調製方法および使用方法を提供する。
概要
ある局面において、本開示は、粒状ECM組織材料を含む成形可能な医療用組成物に関する。成形可能な組成物は、たとえば形状保持であるが成形可能なパテ材料であってもよい。
本明細書におけるいくつかの実施形態は、コラーゲン性細胞外マトリクス(ECM)材料の粒状物を含み、向上した再水和特性を有する医療用組成物を提供する。本開示のいくつかの形態に従うと、このような医療用組成物は、粒状ECM組織と、糖、好ましくはフルクトースとを含む。この組成物は乾燥形態であるが水性媒体に対して濡れ性を有し、この組成物は乾燥多孔体の形態であってもよい。適量の水性媒体に対するこのような濡れ性によって、形状保持であるが成形可能なパテ材料を形成することができる。このようなパテ材料は、フルクトースおよび/またはその他の糖の水溶液によって相互に滑動可能な関係で結合された粒状ECM組織の粒子を含み得る。
本開示の他の実施形態は、病気のまたは損傷した組織の治療のための材料を調製する方法を提供する。一形態において、この方法は、粉砕細分した細胞外マトリクス材料の粒状物とフルクトース等の糖と液体とを含む材料の混合物を乾燥し、好ましくは多孔体を形成することを含む。この乾燥ステップは上記混合物の凍結乾燥を含み得る。
他の実施形態において、本開示は、病気のまたは損傷した組織を治療するための材料を調製する方法を提供する。この方法は、粒状ECM組織と糖、好ましくはフルクトースとを含む乾燥体を再水和することを含む。一形態において、この再水和は、乾燥体を水性媒体に接触させることを含む。水性媒体は、いくつかの実施形態において、たとえば血清または多血小板血漿を含む血液または血液分画物を含み得る。ある実施形態において、上記材料の、血液または血液分画物は、ヒト対象等の意図された被移植対象にとって、自己由来であっても同種であってもよい。ある発明の変形に従うと、この方法はさらに、上記材料を被移植対象の病気のまたは損傷した組織に適用することを含む。
さらに他の実施形態において、本開示は、粒状ECM組織と、糖(好ましくはフルクトース)と、水性媒体とを含むパテを提供する。このパテは、望ましくは形状保持であるが成形可能である。このパテは、フルクトースおよび/またはその他の糖の水溶液によって相互に滑動可能な関係で結合された粒状ECM組織の粒子を含み得る。水性媒体は、いくつかの実施形態において、たとえば血清または多血小板血漿を含む血液または血液分画物を含み得る。上記材料の、血液または血液分画物は、使用されるとき、ヒト対象等の意図された被移植対象にとって、自己由来であっても同種であってもよい。
本明細書に開示される方法または製品組成物のうちのいずれかに従うと、以下の追加特徴のうちの1つ以上が含まれ得る。
(a)粒状ECM組織は、粒状ECM組織の供給源組織から保持されている少なくとも1つの成長因子を含み得る。
(b)方法または製品は、病気のおよび/または損傷した組織、たとえば傷または皮膚の潰瘍の治療のためのものである。
(c)粒状ECM組織は、腸粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、または小腸粘膜下組織(small intestinal submucosa)(SIS)等の、粘膜下組織を含む。
(d)方法または製品は、フルクトースを組成物中の唯一の糖として組込んでもよく、または、フルクトースは他の1つ以上の糖と組合わせて使用してもよい。
(e)粒状ECM組織および糖は、本明細書に開示されるいずれかの粒状ECM組織と糖の比率で含まれ得る。
(f)パテ材料は、本明細書に開示される、粒状ECM組織、糖、および/または水性媒体の比または組成レベルのうちのいずれかを有し得る。
その他の実施形態ならびに本発明の実施形態の特徴および利点は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
本開示の乾燥体の一実施形態の斜視図である。 装置の包装の一形態を含む本開示の乾燥体の一実施形態の斜視図である。 フルクトース濃度ごとの再水和時間をグラフで示す。 フルクトース濃度ごとの血清取込みデータをグラフで示す。
選択された実施形態の説明
次に、本開示の原理の理解を促すために、図面に示される実施形態を参照し、その説明のために特定の用語を使用する。しかしながら、それによって請求項の範囲を限定することを意図しているのではないことが理解されるであろう。また、示されている装置に対する代案および変形ならびに本明細書に示される開示の原理のさらに他の応用に、本開示の関連技術における当業者は通常想到すると考えられることが、理解されるであろう。
上記開示のように、本開示の局面は、患者の病気のまたは損傷した組織を治療するための新たな方法および材料に関する。ある局面において、本開示は、粒状ECM組織と、糖、好ましくはフルクトースとを含む材料に関する。以下で説明するように、粒状ECM材料を含む組成物に相当な量の糖を加えると、結果として再水和時間が加速され粒状物が取込む水性媒体が増すことが見出されている。
粒状ECMを調製するのに使用されるECM組織は、典型的にはコラーゲン性材料である。たとえば、適切なコラーゲン性ECM材料は、粘膜下組織、腎被膜、真皮コラーゲン、硬膜、心膜、大腿筋膜、漿膜、腹膜、または、肝臓基底膜を含む基底膜層を含む、コラーゲン性ECM材料を含む。患者の軟組織内で結合組織シートとして発生し、かつ、このようなシートとして分離できる、これらまたは他のECM材料が好ましい。これらの目的に適した粘膜下組織を含有するECM材料は、たとえば、腸粘膜下組織(たとえば小腸粘膜下組織)、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、および子宮粘膜下組織を含むECMを含む。本発明において有用な粘膜下組織を(場合によっては他の関連する組織とともに)含むコラーゲン性ECM材料は、このような組織供給源を収集し、平滑筋層、粘膜層、および/または組織供給源内で生じるその他の層からの、粘膜下組織含有マトリクスを、層状に剥離することによって得ることができる。本発明において有用な材料のうちのいくつかおよびそれら材料の分離と加工に関するその他の情報については、たとえば米国特許4,902,508、5,554,389、5,993,844、6,206,931、および6,099,567を参照すればよい。
本発明で使用される粘膜下組織を含有するまたはその他のECM組織は、好ましくは、たとえばクック社への米国特許6,206,931に記載されているように高度に純化される。よって、好ましいECM材料のエンドトキシンレベルは、1グラム当たり約12エンドトキシン単位(EU)未満、より好ましくは1グラム当たり約5EU未満、最も好ましくは1グラム当たり約1EU未満である。加えて、粘膜下組織またはその他のECM材料の汚染微生物数が、1グラム当たり約1コロニー形成単位(CFU)未満、より好ましくは1グラム当たり約0.5CFU未満であることが好ましい。真菌レベルも同様に低いことが望ましく、たとえば1グラム当たり約1CFU未満、より好ましくは1グラム当たり約0.5CFU未満である。核酸レベルは、好ましくは約5μg/mg未満、より好ましくは約2μg/mg未満、ウィルスレベルは、好ましくは1グラム当たり約50プラック形成単位(PFU)未満、より好ましくは1グラム当たり約5PFU未満である。米国特許6,206,931で教示されている粘膜下組織または他のECM組織の上記およびその他の特性は、本発明で使用されるECM組織の特徴となり得る。
いくつかの局面において、本発明で使用される、分離された粘膜下組織またはその他のECM結合組織層の典型的な層厚さは、完全に水和したときにおいて約50〜約250ミクロンの範囲であり、より典型的には完全に水和したときにおいて約50〜約200ミクロンの範囲である。しかしながら、これ以外の厚さの分離層も得られて使用されてもよい。これら層厚さは、組織供給源として使用される動物の種類および年齢によって異なり得る。また、これら層厚さは、動物供給源から得られる組織の供給源によって異なり得る。
使用されるECM組織層は、望ましくは、非ランダムに配向されたコラーゲンおよび/またはエラスチン等の構造繊維タンパク質を含む供給源組織からの構造マイクロアーキテクチャを保持する。このような非ランダムなコラーゲンおよび/またはその他の構造タンパク質繊維は、ある実施形態において、引張り強さに関して非等方性でありしたがって1方向において少なくとも1つの他の方向の引張り強さと異なる引張り強さを有するECM組織を提供することができる。処理されて粒状ECM組織になったとき、この構造マイクロアーキテクチャのうちの少なくとも一部は、個々の粒子のままであってもよい。
粒状ECM組織は、移植または適用されたECM組織が再吸収されたときに患者の新たな組織の形成を促進する再構築可能材料であることが好都合である。粒状ECM材料は、血管新生特性を示して細胞侵入および内殖を促進することができる。
粒状ECM組織材料は、1つ以上の生理活性因子を含み得る。適切な生理活性因子は、ECM組織の供給源組織に由来する1つ以上の生理活性因子を含み得る。たとえば、粘膜下組織またはその他のECM組織材料は、塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF−2)、形質転換成長因子β(TGF−β)、表皮成長因子(EGF)、軟骨由来成長因子(CDGF)、および/または血小板由来成長因子(PDGF)等であるがこれらに限定されない、1つ以上の天然成長因子を保持し得る。同様に、粘膜下組織またはその他のECM材料は、タンパク質、糖たんぱく質、プロテオグリカン、およびグリコサミノグリカン等であるがこれらに限定されない、その他の天然生理活性因子を保持し得る。たとえば、ECM材料は、天然ヘパリン、ヘパリン硫酸、ヒアルロン酸、フィブロネクチン、サイトカイン等を含み得る。このように、一般的に言えば、粒状粘膜下組織またはその他の粒状ECM組織材料は、細胞の形態、増殖、成長、およびタンパク質または遺伝子発現における変化等の細胞応答を、直接的または間接的に引起す、1つ以上の生理活性成分を保持し得る。
本発明で使用される粒状ECM材料は典型的に、最も一般的には乾燥重量で約80重量%以上のコラーゲンで構成される、豊富なコラーゲンを含むであろう。天然由来ECM材料は典型的に、非ランダムに配向された、たとえば概ね単軸または多軸であるが規則的に配向された繊維として発生する、コラーゲン繊維を含む。ECM材料は、処理されて天然生理活性成分を保持するとき、これら因子を、コラーゲン繊維間、上、および/または中で固体として散在しているものとして保持し得る。本発明で使用するのに特に望ましい天然由来のECM材料は、相当な量のこのような散在した非コラーゲン性の固体を含むであろう。これら非コラーゲン性固体は、適切に染色した状態で光顕微鏡検査を行なうことによって容易に確かめることができる。このような非コラーゲン性固体は、ある発明の実施形態におけるECM材料の乾燥重量の相当な割合を構成する可能性がある。たとえば、本発明のさまざまな実施形態において、この割合は、約1重量%以上、約3重量%以上、および約5重量%以上である。
相対的により開かれたマトリクス構造(すなわちより高い多孔性)を有する再構築可能なECM材料は、相対的により閉じられたまたは崩れたマトリクス構造を有するものとは異なる材料特性を示すことができる。たとえば、相対的により開かれたマトリクス構造を有するECM材料は一般的に、相対的により閉じられたマトリクス構造を有するものよりも、軟質であり移植部位に適合し易い。また、再構築可能な材料の中および/または周囲の組織成長速度および量は、繊維芽細胞等の患者の組織形成成分の注入および支援のための材料のマトリクス構造において使用できるオープンスペースの量を含む、多数の要素の影響を受ける可能性がある。したがって、より開かれたマトリクス構造は、再構築可能な材料の中および/または周囲で患者の組織をより速くかつ場合によってはより多く成長させることができ、このことは、患者組織による材料のより速い再構築につながり得る。
粒状ECM材料は、典型的には多孔性である。ECM材料の多孔度はある程度、処理技術によって制御できる。たとえば、ECM材料の多孔度を、材料を圧縮しながら乾燥する、たとえば、粉砕細分前に出発材料であるECM層または成形された粒状物を圧縮しながら乾燥することにより、減じることができる。一方、比較的多孔度が高いECM材料は、ECM材料を、凍結乾燥によって、たとえばフリーズドライまたは蒸発冷却技術によって乾燥することにより、調製することができる。このような多孔度を減じるまたは多孔度を維持するまたは多孔度を増す技術を用いて、特定用途に望ましい多孔度レベルの粒状ECM材料を提供することができる。
本発明で使用される粘膜下組織含有またはその他のECM材料はまた、血管新生特性を示し得るものであり、したがって、この材料で治療した被移植体における血管新生を誘導するのに効果的であり得る。この点について、血管新生は、体が新たな血管を作ることにより組織へ血液供給量を増すプロセスのことである。したがって、血管新生材料は、被移植体の組織と接触すると、この材料に新たな血管を形成することを促進または助長する。生体材料移植に反応したインビボ血管形成を測定する方法は、最近開発されたものである。たとえば、このような方法の1つは、粘膜下組織移植モデルを用いて、材料の血管新生特性を求める。C. Heeschen et al., Nature Medicine 7 (2001), No. 7, 833-839参照。蛍光微小血管造影技術と組合されると、このモデルは、生体材料の中への血管新生の定量的測定および定性的測定双方を提供することができる。C. Johnson et al., Circulation Research 94 (2004), No. 2, 262-268。
さらに、このような天然生理活性成分を含めることに加えてまたはその代わりに、組換技術またはその他の方法(たとえばDNA等の遺伝物質)によって合成で作られたもの等の非天然生理活性成分を、ECM材料に組込んでもよい。これら非天然生理活性成分は、ECM組織内で自然発生するものに対応するがおそらくは異種のものである、天然由来のまたは組換技術で作られたタンパク質であってもよい。これら非天然生理活性成分はまた、医薬物質であってもよい。たとえば、材料に追加し得る実例としての医薬物質は、たとえばヘパリンである抗凝固剤、抗生物質、抗炎症剤、たとえばトロンビン、フィブリノゲン等である血液凝固因子等の血栓促進物質などを含む。このような非天然生理活性成分は、ECM材料の中および/または上に、適切なやり方で、たとえばいくつかの例を挙げると、表面処理(たとえば吹付け)および/または含浸(たとえば浸漬)によって、組込むことができる。また、これら物質は、ECM材料に、処置直前の製造前工程で、または材料を患者に適用している間またはその後に、適用すればよい。
本明細書における局面で使用される粒状ECM材料は、治療される患者にとって、異種であっても、同種であっても、自己由来であってもよい。同様に、本明細書の組成物に組込まれる追加材料は、動物由来であってもよく、治療される患者にとって異種であっても同種であっても自己由来であってもよい。ある局面において、ヒト患者の治療に用いられる組成物は、ヒト患者にとって自己由来または同種であるヒト材料と上記組成物内で組合された、異種粒状ECM組織(たとえば、ブタ、ウシ、またはヒツジ由来)を含む。
この粒状体に関しては、粒状体は、上述のようにより大きな脱細胞化されたECM結合組織層材料を、細断する、裂く、粉砕する、そうでなければ粉砕細分して粒状体を形成することにより、形成することができる。たとえば、低温粉砕またはフライス削り作業を用いてより大きな層から粒状ECM組織材料を形成することができる。これら粉砕細分プロセスは、ECM組織層のランダムな破片を形成することができる。粒状ECM組織の粒径は異なり得る。好ましい局面において、粒状ECM組織の平均粒径は、約20ミクロン〜約500ミクロン、より好ましくは約50ミクロン〜約400ミクロンの範囲にある。この開示の組成物に組込まれた粒状ECM組織は、粉砕細分によって調製された、分画されていない粒子集団であってもよく、または、粉砕細分によって調製された、粒子集団の分画物であってもよい。このような分画物は、たとえば、スクリーニングまたはふるい分け等の従来技術によって得られたものであってもよい。
上記開示のように、本発明の組成物はまた(少なくとも1つの)糖を含む。糖は、たとえば、フルクトースもしくはグルコースのような単糖であってもよく、または、スクロースのような他の糖であってもよい。これらのまたはこれら以外の単糖類または二糖類が好ましく、特にフルクトースが好ましい。このような糖は、粉末として一般的に市場で入手可能(米国薬局方(USP)グレードを含む)であり、本明細書ではこの形態で少なくとも出発材料としてまたは本明細書における乾燥組成物に組込まれる材料として使用することができる。フルクトースは、本明細書における乾燥組成物またはパテの糖成分に含まれるかまたは糖成分として含まれることが好ましく、乾燥組成物またはパテ組成物に含まれる糖の少なくとも50%、糖の少なくとも75%、糖の少なくとも90%、糖の少なくとも99%、または糖すべてまたは実質的にすべてを構成し得る。
本明細書に開示される乾燥組成物にフルクトースのような糖を組込むことにより、再水和速度を改善できるだけでなく、組成物の水性媒体(たとえば血清、血液、生理食塩水、水)取込みを増すことができる。これに加えてまたはこれに代えて、フルクトースおよび/またはその他の糖を組込むことにより、乾燥組成物のおよび乾燥組成物から調製したパテの物理特性を改善することもできる。たとえば、糖と粒状ECM組織とを含む乾燥体は、粒状ECM組織しか含まない対応する乾燥体よりも、脆さの程度を低くすることができ、かつ、接触から始まる表面崩壊を起こしにくくすることができる。同様に、形状保持に優れているが成形可能なパテは、糖と粒状ECM組織とを含む材料の水和から得られるのであって、粒状ECM組織しか含まない対応する材料の水和から得られるのではない。
本明細書における乾燥組成物を調製するには、糖と、粒状ECM材料と、乾燥組成物に含まれるべき他の成分とを、適切なやり方で混合すればよい。例示として、粒状ECM材料を糖と場合によっては他の乾燥成分と乾式混合することにより、または、上記成分のうちの1つ以上の溶液または懸濁液を別の溶液または乾燥材料と合わせることにより、上記材料を混合物になるように形成すればよい。乾燥体組成物を調製する場合は、混合された材料を、水または別の適切な液体で水和しながら乾燥状態にする、好ましくは凍結乾燥することによって、乾燥体を形成することができる。この乾燥は水和した混合物を金型または型に入れて行なうことによって、最終的にはこの金型または型によって与えられた輪郭を有する一様に成形された乾燥体を得ることができる。乾燥体は望ましくは多孔性である。ある非限定の実施形態に従うと、組成物乾燥体は、球形、タブレット形、長方形/長円形、または円筒形であってもよい。好ましい実施形態において、乾燥体は円盤として成形される。いくつかの形態において、本明細書の乾燥体の重量は約0.5g〜5gである。ある好ましい形態において、乾燥体の重量は約1g〜約3gである。このような乾燥体を、本明細書に記載のような液体による水和によって、形状保持であるが成形可能なパテに形成することができる。いくつかの形態において、乾燥体は滅菌される。このようにして乾燥体を医療用包装の中に滅菌状態で封入することにより、医療用製品を提供することができる。
生体適合性液体を含むさまざまな水性媒体またはその他の材料を、本明細書におけるパテ組成物の調製に使用することができる。適切な水性媒体の例は、水、生理食塩水、血液または血液分画物、血清、多血小板血漿、血清アルブミン、骨髄、骨髄分画物、患者または別の対象から分離された細胞含有(幹細胞含有を含む)調製物、および、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline)(PBS)を含むが、これらに限定されない。これら媒体を相互に組合わせたものまたはこれら媒体を他の適切な液体媒体と組合わせたものを使用してもよい。本明細書における乾燥材料と組合わせることができる水性またはその他の媒体は、非液体成分を含み得るものの、本明細書に示される調製されたパテ組成物の内容液を提供する液体成分を含むことが、理解されるであろう。
本発明のパテ組成物は、所望の物理的性質をパテに与えるための、粒状ECM組織と糖と液体との適切な比率、および、パテ組成物におけるこれら成分の適切な総レベルを有し得る。好ましいパテ組成物は、形状保持であるが、力を加えることによって新たな形状に成形可能である。またさらに、好ましいパテは、変形したときに亀裂を形成することなく元の連続材料マトリクスを保ちながら流れて新たな形状になるよう、粘着性を示すことができる。ECM粒状物および糖などの固体成分については、特に指定しない限り、本明細書に示す比率および百分率は乾燥重量に基づいて表わしている。
ある局面において、パテ中の、全固体に対する液体の重量比は、約3:1〜約7:1、または約4:1である。これに加えてまたはこれに代えて、パテ中の、粒状ECM組織に対する液体の重量比は、約5:1〜約10:1、または約6:1である。これに加えてまたはこれに代えて、パテ中の、糖(2つ以上の糖が含まれるときは糖の総量で表わされる)に対する粒状ECM組織の重量比は、約10:1〜約1:1、約5:1〜約1:1、約3:1〜約1:1、または約2:1(粒状ECM組織と糖とのこれら重量比は、乾燥組成物、たとえば本明細書の乾燥体にも適用される)とすることができる。
これらの成分の全組成物レベルに関し、パテを構成する液体は、約70重量%〜約90重量%、または約75重量%〜約85重量%、または約80重量%であってもよい。これに加えてまたはこれに代えて、パテを構成する粒状ECM組織は、約5重量%〜約20重量%、または約10重量%〜約15重量%、または約13重量%であってもよい。これに加えてまたはこれに代えて、パテを構成する糖は、約2重量%〜約10重量%、または約5重量%〜約8重量%、または約6重量%〜約8重量%であってもよい。
パテは、液体、粒状ECM組織、および糖以外の材料を含み得ることが理解されるであろう。しかしながら、好ましい形態の、上記液体、粒状ECM組織、および糖は、さまざまな実施形態において、パテの少なくとも約70重量%、パテの少なくとも約80重量%、パテの少なくとも約90重量%、パテの少なくとも約95重量%、パテの少なくとも約99重量%、またはパテの重量のすべてまたは実質的にすべてを構成する。これに加えてまたはこれに代えて、好ましい実施形態の、本明細書における乾燥体またはその他の乾燥組成物について、粒状ECMおよび糖は、さまざまな実施形態において、乾燥組成物の少なくとも約70重量%、乾燥組成物の少なくとも約80%、乾燥組成物の少なくとも約90%、乾燥組成物の少なくとも約95%、乾燥組成物の少なくとも約99%、または、乾燥組成物の重量のすべてまたは実質的にすべてである。
乾燥組成物および/またはパテ組成物に含まれ得る他の材料は、例として、上記説明で同定された生理活性成分、テトラデシル硫酸ナトリウム等の硬化剤、たとえば骨粒子、ミネラル除去された骨マトリクス粒子、リン酸カルシウム粒子、セラミック粒子、細胞(幹細胞を含むがこれに限定されない)、骨形成粒子またはその他の物質を含むその他の骨格材料および/または生理活性材料などを含む。これら材料は、適切なやり方でパテに含まれていればよく、たとえば、再水和すべき乾燥組成物の中の材料として、または再水和媒体に溶かされたまたは懸濁された材料として、または成形されたパテに別途加えられた材料として、パテに含まれていればよい。
いくつかの形態において、この開示は、滅菌された上記組成物、または、このような組成物の滅菌を含む方法に関する。滅菌は、たとえば酸化エチレンによる滅菌および/または放射線による滅菌、たとえばガンマ線または電子ビームによる滅菌を含む、いずれか適切なやり方で行なえばよい。
以下の説明は、図面に示される実施形態の説明である。開示されているこれら特定の実施形態が、本明細書でこれまでに開示されている組成または技術の特徴のうちのいずれかを含み得ること、同様に、これまでに開示されている組成物および方法が、図面に示されているかまたは図面との関連で具体的に説明されたいずれかの特徴を含み得ることが、理解されるであろう。
次に図1を参照すると、開示されている乾燥組成物のいくつかの形態に従う乾燥体100が示されている。いくつかの形態において、乾燥体100は、フルクトースおよび/または別の糖と混合された粒状ECMの混合物を含む多孔質複合材料101を含む。いくつかの形態において、乾燥体100は実質的に平坦であり少なくとも平坦面110と端面112とを有する。
ある発明の変形に従うと、本開示の乾燥体100は、図2に示されるように滅菌容器で包装してもよい。いくつかの形態において、容器200はトレイまたはソーサである。ある形態において、この容器はポリスチレンまたは滅菌に適した他のいずれかの材料を含む。いくつかの形態において、トレイは滅菌可能な医療用包装パウチ300の中に密閉してもよい。本明細書における局面では、図2に具体的に示されるもの以外の、これも乾燥体100または本明細書に記載の他のいずれかの発明組成物を滅菌状態で密封する、医療用包装を使用し得ることが、理解されるであろう。
いくつかの形態において、本開示はまた、病気のおよび/または損傷した組織を治療するための材料を調製する方法に関する。ある実施形態において、この方法は、細胞外マトリクス粒状物とフルクトースとを含む乾燥体を得ることを含む。いくつかの形態において、乾燥体は概ね上記の通りである。開示されている方法のある実施モードに従うと、乾燥体は、たとえば本明細書に記載の水性媒体で再水和されてペーストを形成する。乾燥体の再水和によって形成された組成物は、治療する対象組織に適した粘度を有していればよい。
さらに他の実施形態において、本明細書に記載のパテ組成物は、ヒトまたは動物患者等の患者に、たとえば病気のおよび/または損傷した組織を治療するために適用される。この組成物は、たとえば注射、分散、注入、充填、圧縮、パッキング、および/または植付けを含む、いずれか適切な技術によって適用すればよい。治療対象の病気のまたは損傷した組織は、皮膚のような軟組織および硬組織、筋肉、体壁組織、結合組織、靭帯、腱、骨などを含む、このようなさまざまな組織のうちのいずれかであればよい。例示として、いくつかの形態では、パテを組織表面に強制的に接触させてこの組織に合うようにし修復を促してもよく、この修復は、患者の新たな組織の成長を含み得る。ある好ましい治療では、パテは、患者の皮膚の開いた傷に、たとえば糖尿病性潰瘍、火傷、またはそれ以外の皮膚の厚みの一部または全体の傷等の皮膚潰瘍に適用される。
本明細書に開示された実施形態およびその特徴と利点の一層の理解を促すために、以下の具体的な実施例を提供する。これら実施例は本質的に例示であって限定ではないことが理解されるであろう。
実施例1
細胞外マトリクス粒状物の再水和時間
凍結させた粒状細胞外マトリクス組織(粉砕細分した小腸粘膜下組織)を出発材料として準備した。この凍結させた粒状物を1つ当たり10gの部分に分割し解凍した。50mg、100mg、200mg、または500mgのD−フルクトースUSPを、水和した粒状ECM組織の各10gの部分(乾燥重量で約1gの粒状ECM組織に等しい)に加えた。これら組合された材料を、2つのルアーロックシリンジによって前後に混合し、3.5”×3.5”×1”のポリスチレン計量ボートに供給した。次に、この混合物を計量ボート内で凍結乾燥することにより、平坦な乾燥した多孔体を作成した。
この乾燥体を、1xリン酸緩衝食塩水中で6mLの4%BSAを用いて再水和した。金属製のスパチュラを必要に応じて用いて試料を操作し流体中に沈めた。タイマーを用いて、流体を加えた時点から試料が完全に再水和された時点までに経過した時間を測定した。再水和は、粘着性の形状保持ボールを形成する能力によって証明された。再水和アッセイの結果は図3で報告されている。例示として、500mgのフルクトースを含有する試料の平均再水和時間は1:46であり、フルクトースなしの制御試料の平均再水和時間は3:05であった。
実施例2
細胞外マトリクス粒状物の血清取込み
実施例1と同様に調製した乾燥体を、最初に、実施例1で説明したように1xPBS中で6mLの4%BSAを用いて再水和した。再水和したものに、試料が粘着形状を保持できなくなるまで、追加の流体を1mLずつ加えた。各試料がその粘着形状を失う前に取込むことができた流体の総量を記録した。血清取込みアッセイの結果は図4で報告されている。例示として、200mgのフルクトースを含有する試料は、平均9.6mLの流体を吸収しながら粘着性を保つことができたが、フルクトースなしの制御試料が吸収した流体は平均9.4mLであった。
本発明を説明する文脈において(特に以下の請求項の文脈において)使用されている用語である「1つの(a、an)」、「この(the)」、および類似する指示語は、本明細書で特に明記しない限りまたは明らかに文脈と矛盾しない限り、単一のものおよび複数のもの双方を含むと解釈されねばならない。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書で特に明記しない限り、その範囲に含まれる個々の値を個別に示すための簡略方法を意図しているに過ぎず、個々の値は、本明細書において個別に記載された場合と同じように明細書に含まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書で特に明記しない限りまたは明らかに文脈と矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行できる。本明細書で使用されているいずれかもしくはすべての例または例示を示す表現(たとえば「等(such as)」)は、本発明をより明らかにすることを意図しているに過ぎず、特に請求項に記載しない限り本発明の範囲を限定しない。本明細書の表現は請求項に記載されていない要素が本発明の実施に不可欠であることを示すものではないと理解されねばならない。
本明細書で引用されているすべての刊行物および特許出願は、あたかも個々の刊行物または特許出願が各々引用により援用されることが具体的かつ個別に示されるごとく、本明細書に引用により援用される。さらに、本明細書に記載の理論、動作機構、証拠、または発見はいずれも、本発明の理解を一層高めるためのものであって、本発明をこのような理論、動作機構、証拠、または発見に限定することを意図したものでは全くない。本発明を図面およびこれまでの記載において詳細に示し説明してきたが、これは例示であって限定ではないとみなされるべきものであり、選択された実施形態のみが示され説明されており本明細書においてまたは以下の請求項によって定められる発明の範囲に含まれるすべての均等物、変更、および変形の保護が望まれていることが理解される。

Claims (48)

  1. 材料を調製する方法であって、
    粒状細胞外マトリクス組織と糖と液体とを含む材料の混合物を乾燥して乾燥体を形成することを含む、方法。
  2. 前記乾燥は凍結乾燥を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物を金型に入れることをさらに含み、前記乾燥は前記混合物を前記金型に入れた状態で行なわれる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記乾燥体の質量は約0.5g〜約5gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記粒状細胞外マトリクス組織は粘膜下組織を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記粘膜下組織は、腸粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、または小腸粘膜下組織(SIS)を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記乾燥体を滅菌することをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記糖はフルクトースを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記糖は少なくとも50%のフルクトースで構成される、請求項8に記載の方法。
  10. 粒状ECM組織と糖との重量比は、約10:1〜約1:1、または約5:1〜約1:1、または約3:1〜約1:1である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 患者を治療するための材料を調製する方法であって、
    粒状細胞外マトリクス組織と糖との混合物を含む乾燥体を再水和することを含む、方法。
  12. 前記再水和は、形状保持であるが成形可能なパテを形成するのに十分な程度行なわれる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記再水和は、水性媒体を前記乾燥体と合わせることを含む、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記水性媒体は、血液もしくは血液分画物であるかまたはこれらを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記血液もしくは血液分画物は、前記材料で治療される対象にとって自己由来のものである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記水性媒体は血清であるかまたは血清を含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記水性媒体の体積は5ml〜約10mlである、請求項13〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記材料を患者に投与することをさらに含む、請求項11〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 粒状細胞外マトリクス(ECM)組織と糖とを含む混合物を含む医療用組成物。
  20. 前記混合物は乾燥した多孔体に存在する、請求項19に記載の医療用組成物。
  21. 前記乾燥した多孔体は凍結乾燥された材料である、請求項20に記載の医療用組成物。
  22. 粒状ECM組織と糖の重量比は、約10:1〜約1:1、または約5:1〜約1:1、または約3:1〜約1:1である、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  23. 前記組成物は形状保持であるが成形可能なパテである、請求項19〜22のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  24. 前記混合物は、質量が約0.5g〜約5gの乾燥した多孔体に存在する、請求項19〜22のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  25. 前記粒状細胞外マトリクス組織は粘膜下組織を含む、請求項19〜24のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  26. 前記粘膜下組織は、腸粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、または小腸粘膜下組織(SIS)を含む、請求項25に記載の医療用組成物。
  27. 前記糖はフルクトースを含む、請求項19〜26のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  28. 前記粒状細胞外マトリクス組織は、前記細胞外マトリクス組織の供給源組織から保持されている少なくとも1つの天然成長因子を含む、請求項19〜27のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  29. 皮膚の傷の治療のための、請求項19〜28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 皮膚の潰瘍の治療のための、請求項29に記載の組成物。
  31. 前記乾燥体の質量は約0.5g〜約5gである、請求項1または2に記載の方法。
  32. 前記粒状細胞外マトリクス組織は粘膜下組織を含む、請求項1または2に記載の方法。
  33. 前記粘膜下組織は、腸粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、または小腸粘膜下組織(SIS)を含む、請求項1または2に記載の方法。
  34. 前記乾燥体を滅菌することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  35. 前記糖はフルクトースを含む、請求項1または2に記載の方法。
  36. 前記糖は少なくとも50%のフルクトースで構成される、請求項35に記載の方法。
  37. 粒状ECM組織と糖との重量比は、約10:1〜約1:1、または約5:1〜約1:1、または約3:1〜約1:1である、請求項1または2に記載の方法。
  38. 前記水性媒体は血清であるかまたは血清を含む、請求項14に記載の方法。
  39. 前記水性媒体の体積は5ml〜約10mlである、請求項13に記載の方法。
  40. 前記材料を患者に投与することをさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
  41. 前記組成物は形状保持であるが成形可能なパテである、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  42. 前記混合物は質量が約0.5g〜約5gの乾燥した多孔体に存在する、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  43. 前記粒状細胞外マトリクス組織は粘膜下組織を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  44. 前記粘膜下組織は、腸粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、胃粘膜下組織、または小腸粘膜下組織(SIS)を含む、請求項43に記載の医療用組成物。
  45. 前記糖はフルクトースを含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  46. 前記粒状細胞外マトリクス組織は、前記細胞外マトリクス組織の供給源組織から保持されている少なくとも1つの天然成長因子を含む、請求項19〜21のいずれか一項に記載の医療用組成物。
  47. 皮膚の傷の治療のための、請求項19〜21のいずれか一項に記載の組成物。
  48. 皮膚の潰瘍の治療のための、請求項47に記載の組成物。
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