JP2016513971A - B型肝炎ウイルスワクチン - Google Patents
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Abstract
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料を提供する。例えば、ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードする核酸分子、そのようなポリペプチドを含むウイルス様粒子、本願明細書に提供された1つまたは複数のポリペプチドを含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数の核酸分子を含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数のウイルス様粒子を含むワクチン調製物、ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導するための方法が提供される。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/785,838号の恩典を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の部分として考慮される。(且つ本出願の開示において参照によって組み入れられる。)
本出願は、2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/785,838号の恩典を主張する。先行出願の開示は、本出願の開示の部分として考慮される。(且つ本出願の開示において参照によって組み入れられる。)
背景
1.技術分野
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料に関する。例えば、本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答の産生を誘導する条件下で哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得るワクチン(例えば、核酸ワクチン、ウイルス様ワクチン、およびポリペプチドワクチン)を提供する。
1.技術分野
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料に関する。例えば、本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答の産生を誘導する条件下で哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得るワクチン(例えば、核酸ワクチン、ウイルス様ワクチン、およびポリペプチドワクチン)を提供する。
2.背景情報
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝臓の炎症性疾患を引き起こすヘパドナウイルスである。世界人口の約3分の1が人生で一時感染し、約3億5000万人が慢性保菌者である。ウイルスは、感染性の血液または体液への曝露によって伝染され得る。急性疾患は、肝臓の炎症、嘔吐、黄疸、まれに死亡を生じる。慢性B型肝炎感染は、硬変および肝臓癌を生じ得る。
B型肝炎ウイルス(HBV)は、肝臓の炎症性疾患を引き起こすヘパドナウイルスである。世界人口の約3分の1が人生で一時感染し、約3億5000万人が慢性保菌者である。ウイルスは、感染性の血液または体液への曝露によって伝染され得る。急性疾患は、肝臓の炎症、嘔吐、黄疸、まれに死亡を生じる。慢性B型肝炎感染は、硬変および肝臓癌を生じ得る。
概要
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答の産生を誘導する条件下で哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得るワクチン(例えば、核酸ワクチン、ウイルス様ワクチン、およびポリペプチドワクチン)、ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法を提供する。
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答の産生を誘導する条件下で哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得るワクチン(例えば、核酸ワクチン、ウイルス様ワクチン、およびポリペプチドワクチン)、ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法を提供する。
本明細書に記載のように、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはそのような配列と少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の同一性を有する配列)を有するポリペプチドが産生され、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生する能力を有するワクチン調製物に製剤化され得る。そのようなワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに曝露される前に、哺乳動物に投与され得る。そのような場合において、投与されるワクチン調製物は、B型肝炎ウイルス感染に対する保護の増加を提供し得る。いくつかの場合において、そのようなワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに感染された後に、哺乳動物(例えば、急性B型肝炎ウイルスまたは慢性B型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物)に投与され得る。そのような場合において、ワクチン調製物の投与は、B型肝炎ウイルス感染を治療するために使用され得る。例えば、本明細書に提供されるワクチン調製物のB型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物への投与は、B型肝炎ウイルス負荷の減少、B型肝炎ウイルス感染の症状の重症度の減少、肝硬変の程度の減少、肝細胞癌の発生率の減少、または肝臓からのB型肝炎ウイルスのクリアランスを生じ得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチド(例えば、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列と少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチド)は、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生する能力を有するワクチン調製物として使用され得るウイルス様粒子に製剤化され得る。そのようなウイルス様粒子を含むワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに曝露される前に、哺乳動物に投与され得る。そのような場合において、投与されるウイルス様粒子を含むワクチン調製物は、B型肝炎ウイルス感染に対する保護の増加を提供し得る。いくつかの場合において、本明細書に提供されるウイルス様粒子を含むワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに感染された後に、哺乳動物(例えば、急性B型肝炎ウイルスまたは慢性B型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物)に投与され得る。そのような場合において、ウイルス様粒子を含むワクチン調製物の投与は、B型肝炎ウイルス感染を治療するために使用され得る。例えば、本明細書に提供されるウイルス様粒子を含むワクチン調製物のB型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物への投与は、B型肝炎ウイルス負荷の減少、B型肝炎ウイルス感染の症状の重症度の減少、肝硬変の程度の減少、肝細胞癌の発生率の減少、または肝臓からのB型肝炎ウイルスのクリアランスを生じ得る。
また本明細書に記載されるように、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはそのような配列と少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の同一性を有する配列)を有するポリペプチドをコードする核酸分子が得られ、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与された場合、コードされたポリペプチドを発現し、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生する能力を有する核酸ワクチン調製物に製剤化され得る。そのような核酸ワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに曝露される前に、哺乳動物に投与され得る。そのような場合において、投与される核酸ワクチン調製物は、B型肝炎ウイルス感染に対する保護の増加を提供し得る。いくつかの場合において、そのような核酸ワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに感染された後に、哺乳動物(例えば、急性B型肝炎ウイルスまたは慢性B型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物)に投与され得る。そのような場合において、核酸ワクチン調製物の投与は、B型肝炎ウイルス感染を治療するために使用され得る。例えば、本明細書に提供される核酸ワクチン調製物のB型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物への投与は、B型肝炎ウイルス負荷の減少、B型肝炎ウイルス感染の症状の重症度の減少、肝硬変の程度の減少、肝細胞癌の発生率の減少、または肝臓からのB型肝炎ウイルスのクリアランスを生じ得る。
B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生する本明細書に提供されるワクチン調製物を使用する能力を有することは、臨床医が、患者にB型肝炎ウイルス感染に対する保護の増加を提供することを可能にする。加えて、本明細書に提供されるワクチン調製物は、臨床医がB型肝炎ウイルスに以前に感染された患者を治療することを可能にする。
概して、本明細書の一つの局面は、SEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一(例えば、少なくとも98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:12に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチドを特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:14に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:18に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一(例えば、少なくとも98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:20に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:22に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一(例えば、少なくとも98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一(例えば、少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:26に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一(例えば、少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:28に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:30に示されるアミノ酸配列と少なくとも94%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:32に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:34に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:36に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:38に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:40に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一(例えば、少なくとも98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:42に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:44に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:46に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一(例えば、少なくとも96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:48に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一(例えば、少なくとも97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:50に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:52に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一(例えば、少なくとも94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:54に示されるアミノ酸配列と少なくとも92%同一(例えば、少なくとも93、94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:56に示されるアミノ酸配列と少なくとも86%同一(例えば、少なくとも87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
他の局面において、本明細書は、SEQ ID NO:58に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一(例えば、少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%同一)であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド特徴とする。
上記の25段落に記載されるポリペプチドの任意の1つは、ポリペプチドが哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含み得る。いくつかの場合において、上記の25段落に記載されるポリペプチドの任意の1つは、第二のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドであり得る。第二のアミノ酸配列は、GST、FLAG、GFP、およびc-mycからなる群より選択されるタグをコードし得る。第二のアミノ酸配列は、GM-CSF、IL-2、およびIL-12からなる群より選択されるサイトカインをコードし得る。ポリペプチドは実質的に純粋であり得る。ポリペプチドは単離されたポリペプチドであり得る。
他の局面において、本明細書は、上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つまたは複数のポリペプチドを含む、ウイルス様粒子を特徴とする。ウイルス様粒子は、前記群より選択される1つのポリペプチドを含み得る。ウイルス様粒子は、前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なるポリペプチドを含み得る。ウイルス様粒子は、哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含み得る。
他の局面において、本明細書は、上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つまたは複数のポリペプチドを含む、ワクチン調製物を特徴とする。ワクチン調製物は、前記群より選択される1つのポリペプチドを含み得る。ワクチン調製物は、前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なるポリペプチドを含み得る。ワクチン調製物は、哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含み得る。ワクチン調製物は、アジュバントを含み得る。アジュバントは、アルミニウムベースの化合物、モンタニド(Montanide)ISA 51、モンタニドISA 720、およびCpGオリゴデオキシヌクレオチドからなる群より選択され得る。アジュバントは、ミョウバンまたはAl2O3を含み得る。
他の局面において、本明細書は、上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含む、核酸分子を特徴とする。核酸分子は、核酸配列に機能的に連結されるプロモーター配列を含み得る。核酸分子はベクターを含み得る。ベクターはプラスミドであり得る。ベクターはウイルスベクターであり得る。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、およびワクシニアウイルスベクターからなる群より選択され得る。
他の局面において、本明細書は、1つまたは複数の核酸分子を含む、ワクチン調製物を特徴とする。核酸分子は、上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含む。核酸分子は、核酸配列に機能的に連結されるプロモーター配列を含み得る。核酸分子はベクターであり得る。ベクターはプラスミドであり得る。ベクターはウイルスベクターであり得る。ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、およびワクシニアウイルスベクターからなる群より選択され得る。ワクチン調製物は、前記群より選択される1つのポリペプチドをコードする核酸配列を含む、核酸分子を含み得る。ワクチン調製物は、前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なるポリペプチドをコードする核酸配列を含む、1つまたは複数の核酸分子を含み得る。ワクチン調製物は、ワクチン調製物が哺乳動物に投与され、ポリペプチドが哺乳動物内で発現された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含み得る。ワクチン調製物は、アジュバントを含み得る。アジュバントは、アルミニウムベースの化合物、モンタニドISA 51、モンタニドISA 720、およびCpGオリゴデオキシヌクレオチドからなる群より選択され得る。アジュバントは、ミョウバンまたはAl2O3を含み得る。
他の局面において、本明細書は、哺乳動物内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する方法を特徴とする。方法は、哺乳動物にワクチン調製物を投与する段階を含む。ワクチン調製物は、以下を含む:(a)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチド、(b)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチドを含む、1つもしくは複数のウイルス様粒子、または(c)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含む、1つもしくは複数の核酸分子。哺乳動物はヒトであり得る。哺乳動物は、B型肝炎ウイルスに以前に感染されていないヒトであり得る。哺乳動物は、B型肝炎ウイルスに急性感染されたヒトであり得る。哺乳動物は、B型肝炎ウイルスに慢性感染されたヒトであり得る。免疫応答は、抗B型肝炎ウイルス抗体の産生を含み得る。方法は、ワクチン調製物の哺乳動物への投与段階の後に、哺乳動物に第二のワクチン調製物を投与する段階を含み得、第二のワクチン調製物が、B型肝炎ウイルス抗原を含み得る。方法は、ワクチン調製物の哺乳動物への投与段階の後に、哺乳動物に第二のワクチン調製物を投与する段階を含み得、第二のワクチン調製物が、(a)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチド、(b)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチドを含む、1つもしくは複数のウイルス様粒子、または(c)上記の25段落に記載のポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含む、1つもしくは複数の核酸分子を含み得る。
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の業者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。本発明を実施するために、本明細書に記載されたものと同様または同等の方法および材料を使用することができるが、適した方法および材料を以下に記載する。本明細書に引用される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の文献は、参照により組み入れられる。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が制御する。加えて、材料、方法、および実施例は、単に説明のためのものであり、限定することを意図しない。
本発明の1つまたは複数の態様の詳細は、添付の図面および以下の記載において示される。本発明の他の特徴、目的、および利点は、該記載、図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
詳細な説明
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードする核酸分子、そのようなポリペプチドを含むウイルス様粒子、本願明細書に提供された1つまたは複数のポリペプチドを含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数の核酸分子を含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数のウイルス様粒子を含むワクチン調製物、ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導するための方法を提供する。
本明細書は、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を産生するための方法および材料を提供する。例えば、本明細書は、ポリペプチド、そのようなポリペプチドをコードする核酸分子、そのようなポリペプチドを含むウイルス様粒子、本願明細書に提供された1つまたは複数のポリペプチドを含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数の核酸分子を含むワクチン調製物、本願明細書に提供された1つまたは複数のウイルス様粒子を含むワクチン調製物、ならびに哺乳動物(例えば、ヒト)内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導するための方法を提供する。
本明細書に記載のように、本明細書に提供されるポリペプチドは、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を含むように設計され得る。そのようなポリペプチドは、哺乳動物内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導するために使用され得る。いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に示されるアミノ酸配列を有し得、表1に示されるように、SEQ ID NO:2、4、6、および8に対して同一性を有し得る。
(表1)示された親クローンと同一である示されたクローンのアミノ酸残基のパーセンテージ
a:提供されたSEQ ID NO:は、示されたクローン番号のアミノ酸配列のためのものである。
b:SEQ ID NO:2は、ヒト親クローンのアミノ酸配列である。
c:SEQ ID NO:4は、ウーリーモンキー親クローンのアミノ酸配列である。
d:SEQ ID NO:6は、ヒト/ウッドチャック親クローンのアミノ酸配列である。
e:SEQ ID NO:8は、チンパンジー/テナガザル親クローンのアミノ酸配列である。
a:提供されたSEQ ID NO:は、示されたクローン番号のアミノ酸配列のためのものである。
b:SEQ ID NO:2は、ヒト親クローンのアミノ酸配列である。
c:SEQ ID NO:4は、ウーリーモンキー親クローンのアミノ酸配列である。
d:SEQ ID NO:6は、ヒト/ウッドチャック親クローンのアミノ酸配列である。
e:SEQ ID NO:8は、チンパンジー/テナガザル親クローンのアミノ酸配列である。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、単離されたポリペプチドであり得る。ポリペプチドに関して本明細書で使用される「単離された」との用語は、(a)そのようなポリペプチドが通常、天然で関連するタンパク質と関連しないポリペプチド、または(b)天然で生じないかもしくは存在しないポリペプチドを意味する。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、実質的に純粋なポリペプチドであり得る。ポリペプチドに関して本明細書で使用される「実質的に純粋な」との用語は、他のポリペプチド、脂質、糖質、および核酸を実質的に含まないポリペプチド調製物を意味する。いくつかの場合において、実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも60%純粋であるか、または化学的に合成されたポリペプチドであり得る。実質的に純粋なポリペプチドは、少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%純粋であり得る。典型的には、実質的に純粋なポリペプチドは、非還元ポリアクリルアミドゲル上で単一の主要なバンドを生じるであろう。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、アミノ酸配列が1つまたは複数の位置(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の位置)に変異(例えば、置換、付加、または欠失)を含むことを除き、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に示されるアミノ酸配列を含み得る。そのような変種配列、例えば、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に示されるアミノ酸配列に関連する1つまたは複数のアミノ酸置換を有するものは、本明細書に記載のように、調製され改変され得る。例えば、本明細書に提供されるポリペプチドは、アミノ酸配列が1つまたは複数の位置(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の位置)に保存的または非保存的アミノ酸置換を含むことを除き、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に示されるアミノ酸配列を含み得る。いくつかの場合において、アミノ酸置換は、(a)置換の場所におけるペプチド骨格の構造、(b)特定の部位での分子の電荷もしくは疎水性、または(c)側鎖のかさ(bulk)を維持することに対する影響において、著しくは異ならない置換を選択することによって行われ得る。例えば、天然の残基を側鎖の性質に基づき分けることができる:(1)疎水性アミノ酸(メチオニン、アラニン、バリン、ロイシン、およびイソロイシン);(2)中性の親水性アミノ酸(システイン、セリン、およびトレオニン);(3)酸性アミノ酸(アスパラギン酸およびグルタミン酸);(4)塩基性アミノ酸(アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、リジン、およびアルギニン);(5)鎖の配向に影響するアミノ酸(グリシンおよびプロリン);ならびに(6)芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、およびフェニルアラニン)。これらの群内で行われる置換を保存的置換であると考えることができる。置換の非制限的な例には、アラニンからバリンの置換、アルギニンからリジンの置換、アスパラギンからグルタミンの置換、アスパラギン酸からグルタミン酸の置換、システインからセリンの置換、グルタミンからアスパラギンの置換、グルタミン酸からアスパラギン酸の置換、グリシンからプロリンの置換、ヒスチジンからアルギニンの置換、イソロイシンからロイシンの置換、ロイシンからイソロイシンの置換、リジンからアルギニンの置換、メチオニンからロイシンの置換、フェニルアラニンからロイシンの置換、プロリンからグリシンの置換、セリンからトレオニンの置換、トレオニンからセリンの置換、トリプトファンからチロシンの置換、チロシンからフェニルアラニンの置換、および/またはバリンからロイシンの置換が含まれるが、これらに限定されない。
さらに、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58に示されるアミノ酸配列内の任意の位置で行われ得る保存的置換の例は、表2に示されるものを含むが、これらに限定されない。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドを作製するために使用されるアミノ酸配列は、1つまたは複数の非保存的置換を含み得る。非保存的置換は、典型的に、上記のクラスの1つのメンバーを他のクラスのメンバーに変更することを伴う。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、参照配列(例えば、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、または58)に対して少なくとも90%(例えば、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%)の配列同一性を有するアミノ酸配列を有し得る。配列同一性%は、整列化されたアミノ酸配列(同定されたアミノ酸配列に対して整列化された標的アミノ酸配列)において、一致する位置の数を決定すること、一致する位置の数を同定されたアミノ酸配列のアミノ酸(例えば、SEQ ID NO:10)の数で割ること、および100を掛けることによって計算される。一致する位置は、同一のアミノ酸が整列化されたアミノ酸配列における同一の位置で生じる位置を意味する。配列同一性%は、核酸配列に対して決定され得る。
配列同一性%は、標的アミノ酸配列と同定されたアミノ酸配列(例えば、SEQ ID NO:10)とを、Geneiousソフトウエアプラットフォームにおいて提供されるClustalWアライメントツール(version 6.05, Biomatters Ltd, Auckland, New Zealand)を用いて決定される。
任意の適した方法が、本明細書に提供されるポリペプチドを得るために使用され得る。例えば、アフィニティクロマトグラフィおよびHPLC、ならびにポリペプチド合成技術などの通常のポリペプチド精製技術が使用され得る。加えて、任意の適した材料が、本明細書に提供されるポリペプチドを得るために供給源として使用され得る。例えば、本明細書に提供される特定のポリペプチドを過剰発現するように操作された培養細胞(例えば、本明細書に提供される核酸分子を含むように設計された細胞系)は、本明細書に提供されるポリペプチドを産生するために使用され得る。そのような細胞は、原核細胞(例えば、大腸菌(E. coli)細胞、枯草菌(Bacillus subtilis)細胞、またはシュードモナス(Pseudomonas)属の細胞などの細菌細胞)、または真核細胞(例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)細胞、ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)細胞もしくはピキア・パストリス(Pichia pastoris)細胞などの酵母細胞、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)細胞(例えばシュナイダー2またはシュナイダー3細胞)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)細胞などの昆虫細胞、ならびにCHO、HEK 293、MRCもしくはPER-C6細胞などの哺乳類細胞)であり得る。いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、ポリペプチドがアフィニティマトリクス上で捕捉されるアミノ酸配列を含むように設計され得る。例えば、c-myc、ヘマグルチニン、ポリヒスチジン、Flag(商標)タグ(Kodak)、Strep-Tag、V5、またはVSV-Gなどのタグが、ポリペプチド精製を助けるために使用され得る。そのようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチドのどこかに単独で挿入され得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドは、融合ポリペプチドであり得る。そのような融合ポリペプチドは、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)に加えて、1つもしくは複数の追加のアミノ酸配列を含み得る。追加のアミノ酸配列は、上記のようなタグ、GFPもしくはルシフェラーゼなどのマーカー、アルカリホスファターゼもしくはGSTなどの酵素、またはGM-CSF、IL-2もしくはIL-12などのサイトカイン、またはIP-10、MCP-3もしくはRANTESなどのケモカインのアミノ酸配列であり得る。
本明細書はまた、本明細書に提供されるポリペプチドをコードする核酸分子を提供する。本明細書で使用される「核酸」との用語は、cDNA、ゲノムDNA、合成(例えば、化学合成)DNAを含む、RNAおよびDNAの両方を含む。核酸は、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖の場合、核酸は、センス鎖またはアンチセンス鎖であり得る。加えて、核酸は、環状または直鎖状であり得る。
核酸に関して本明細書で使用される「単離された」との用語は、それが由来する生物またはウイルスの天然のゲノムにおいて(一方は5'末端、一方は3'末端で)直接連続的である配列の両方と、直接連続的ではない、天然の核酸を意味する。例えば、単離された核酸は、限定されないが、任意の長さの組換えDNA分子であり得、ただし、天然のゲノムにおいてその組換えDNA分子に通常直接隣接することが見出される核酸配列の1つは、除去されるかまたは存在しない。したがって、単離された核酸は、限定されないが、他の配列と無関係に別々の分子として存在する組換えDNA(例えば、PCRまたは制限エンドヌクレアーゼ処理によって産生されるcDNAまたはゲノムDNA断片)、ならびにベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス)中、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み入れられている組換えDNAを含む。加えて、単離された核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の部分である組換えDNA分子を含みうる。
核酸に関して本明細書で使用される「単離された」との用語はまた、非天然の核酸配列が天然では見られず、天然のゲノム中の直接連続的である配列を有しないことから、任意の非天然の核酸を含む。例えば、操作された核酸などの非天然の核酸が、単離された核酸であると見なされる。操作された核酸は、通常の分子クローニングまたは化学核酸合成技術を用いて作製され得る。単離された非天然の核酸は、他の配列とは独立していてもよく、またはベクター、自己複製プラスミド、ウイルス(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、もしくはヘルペスウイルス)中、または原核生物もしくは真核生物のゲノムDNA中に組み入れられていてもよい。加えて、非天然の核酸は、ハイブリッドまたは融合核酸配列の部分である核酸分子を含み得る。
例えば、cDNAもしくはゲノムライブラリーまたはゲノムDNA制限消化物を含むゲル切片内の何億もの他の核酸分子中に存在する核酸が、単離された核酸と見なされることはないことは、当業者に明らかであろう。
本明細書に提供される核酸分子(例えば、単離された核酸分子)は、本明細書に提供される任意のポリペプチドをコードし得る。例えば、本明細書に提供される核酸分子は、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を有するポリペプチドをコードし得る。そのような核酸分子の例は、限定されないが、SEQ ID NO:9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、29、31、33、35、37、39、41、43、45、47、49、51、53、55、または57に示される核酸配列を有する核酸分子を含む。いくつかの場合において、本明細書に提供される核酸分子は、特定の種の細胞におけるコードされたポリペプチドを発現するために、コドン最適化され得る(例えば、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、真菌細胞、藻類細胞、哺乳類細胞、またはヒト細胞における発現のためのコドン最適化)。例えば、SEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする、本明細書に提供される核酸分子は、SEQ ID NO:9に示される核酸配列のコドン最適化バージョンを含み得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供される核酸分子はベクターであり得る。ベクターは、挿入されたセグメントの複製をもたらすように他のDNAセグメントが挿入され得るプラスミド、ファージ、ウイルス、またはコスミドなどのレプリコンであり得る。「発現ベクター」は、1つまたは複数の発現制御配列を含むベクターである。「発現制御配列」は、他の配列(例えば、他のDNA配列)の転写および/または翻訳を制御または調節する配列(例えば、DNA配列)である。
発現ベクターにおいて、本明細書に提供される核酸分子(例えば、本明細書に提供されるポリペプチドをコードする核酸)は、1つまたは複数の発現制御配列に機能的に連結され得る。本明細書で使用されるような、「機能的に連結される」とは、発現制御配列が、対象となるコード配列の発現を効果的に制御するように、遺伝子構築物中に組み入れられることを意味する。発現制御配列の例は、プロモーター、エンハンサー、および転写終結領域を含む。プロモーターは、DNA分子の領域(典型的には、転写開始点(一般的には、RNAポリメラーゼIIの開始部位の近く)の上流の100〜500ヌクレオチド以内)から構成される発現制御配列である。プロモーター制御下のコード配列を得るために、ポリペプチドの翻訳読み枠の翻訳開始部位が、プロモーターの下流の1〜約50ヌクレオチドの間に配置され得る。エンハンサーは、時間、位置、およびレベルに関して特異的な発現を提供する。プロモーターとは異なり、エンハンサーは、翻訳部位から様々な距離で配置される場合に機能し得る。エンハンサーもまた、翻訳開始部位から下流に配置され得る。コード配列は、RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写することができ、その後、コード配列によってコードされるポリペプチドに翻訳され得る場合に、細胞内で発現制御配列に「機能的に連結」されており、発現制御配列の「制御下」にある。
適した発現ベクターは、限定されないが、例えば、バクテリオファージ、バキュロウイルス、タバコモザイクウイルス、ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、およびアデノ関連ウイルスに由来するプラスミドおよびウイルスベクターを含む。多数のベクターおよび発現システムが、Invitrogen/Life Technologies(Carlsbad, CA)などの会社から市販されている。
発現ベクターは、発現された核酸配列のその後の操作(例えば、精製または局在化)を容易にするために設計されたタグ配列を含み得る。緑色蛍光タンパク質(GFP)、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、ポリヒスチジン、c-myc、ヘマグルチニン、またはFlag(商標)タグ(Kodak, New Haven, CT)配列などのタグ配列は、コードされたポリペプチドとの融合物として発現される。そのようなタグは、カルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかを含むポリペプチドの任意の場所に挿入され得る。
本明細書に提供される核酸分子は、限定されないが、通常の分子クローニングおよび化学核酸合成技術を含む任意の適した方法を用いて得られ得る。例えば、PCRは、本明細書に提供される核酸分子と類似性を有する核酸配列を含む核酸を得るために使用され得、通常の変異誘発技術は、得られた核酸中に所望のヌクレオチド付加、欠失、置換、またはそれらの組み合わせを導入するために使用され得る。PCRは、標的核酸がU.S. Patent No. 4,683,195に記載されものと類似の方法およびそこに記載された手順のその後の改変において増幅される手順または技術を意味する。一般的に、対象領域またはそれを超えた領域の末端からの配列情報は、増幅される潜在的鋳型の反対鎖に対して配列中で同一または類似であるオリゴヌクレオチドプライマーを設計するために使用される。PCRを使用して、核酸配列が、RNAまたはDNAから増幅され得る。例えば、核酸配列は、全細胞RNA、全ゲノムDNA、およびcDNA、ならびにバクテリオファージ配列、プラスミド配列、ウイルス配列などから、PCR増幅によって単離され得る。鋳型の供給源としてRNAを使用する場合、逆転写酵素が、相補的DNA鎖を合成するために使用され得る。
本明細書はまた、本明細書に提供されるポリペプチドの1つまたは複数を含むウイルス様粒子を提供する。例えば、本明細書に提供されるウイルス様粒子は、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を有するポリペプチドを含むように設計され得る。いくつかの場合において、単一のウイルス様粒子は、2つ以上の異なる本明細書に提供されるポリペプチドを含み得る。例えば、本明細書に提供される単一のウイルス様粒子は、SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドとSEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの両方を含み得る。異なるポリペプチドのコレクションを有するウイルス様粒子を作製するために使用され得るポリペプチドの他の組み合わせは、限定されないが、表3において示されるものを含む。
任意の適した方法が、本明細書に提供されるウイルス様粒子を作製するために使用され得る。例えば、本明細書に提供されるウイルス様粒子は、他で記載された方法を使用して作製され得る。例えば、酵母細胞内でHB含有VLPを製造するための方法を記載しているU.S. Patent No. 4,803,164;トランスジェニック植物内でHB含有VLPを製造するための方法を記載しているU.S. Patent No. 6,551,820;およびチャイニーズハムスター卵巣細胞または正常肝臓細胞内でHB含有VLPを製造するための方法を記載しているEuropean Patent Application No. EP0241021 A2を参照のこと。
本明細書はまた、哺乳動物内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導するためのワクチン調製物を提供する。いくつかの場合において、本明細書に提供されるワクチン調製物は、本明細書に提供されるポリペプチドの1つまたは複数を含み得る。例えば、本明細書に提供されるワクチン調製物は、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を有するポリペプチドを含むように設計され得る。いくつかの場合において、単一のワクチン調製物は、2つ以上の異なる本明細書に提供されるポリペプチドを含み得る。例えば、本明細書に提供される単一のワクチン調製物は、SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドとSEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの両方を含み得る。異なるポリペプチドのコレクションを有するワクチン調製物を作製するために使用され得るポリペプチドの他の組み合わせは、限定されないが、表4において示されるものを含む。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるワクチン調製物は、本明細書に提供される核酸分子の1つまたは複数を含み得る。例えば、本明細書に提供されるワクチン調製物は、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を有するポリペプチドをコードする核酸配列に機能的に連結されたプロモーターを有する核酸ベクターを含むように設計され得る。いくつかの場合において、単一のワクチン調製物は、2つ以上の異なる本明細書に提供される核酸分子を含み得る。例えば、本明細書に提供される単一のワクチン調製物は、SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現するように設計された核酸ベクターとSEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを発現するように設計された核酸ベクターの両方を含み得る。異なるベクターのコレクションを有するワクチン調製物を作製するために使用され得るベクターの他の組み合わせは、限定されないが、表5において示されるものを含む。いくつかの場合において、単一の核酸ベクターは、2つまたはそれ以上の本明細書に提供されるポリペプチドをコードし得る。例えば、単一の核酸ベクターは、表4において示されるポリペプチドの組み合わせをコードするように設計され得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるワクチン調製物は、本明細書に提供されるウイルス様粒子の1つまたは複数を含み得る。例えば、本明細書に提供されるワクチン調製物は、SEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列(またはSEQ ID NO:10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、もしくは58に示されるアミノ酸配列に対して少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%同一であるアミノ酸配列)を有するポリペプチドを含むウイルス様粒子を含むように設計され得る。いくつかの場合において、単一のワクチン調製物は、2つ以上の異なる本明細書に提供されるウイルス粒子を含み得る。例えば、本明細書に提供される単一のワクチン調製物は、SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むウイルス様粒子とSEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むウイルス様粒子の両方を含み得る。異なるウイルス様粒子のコレクションを有するワクチン調製物を作製するために使用され得るウイルス様粒子の他の組み合わせは、限定されないが、表6において示されるものを含む。
任意の適した方法が、本明細書に提供されるワクチン調製物(例えば、本明細書に提供されるポリペプチドワクチン、核酸ワクチン、またはウイルス様ワクチン)を製剤化するために使用され得る。例えば、本明細書に提供されるポリペプチドワクチン、本明細書に提供される核酸ワクチン、または本明細書に提供されるVLPワクチンは、1つまたは複数のアジュバントを含むように製剤化され得る。アジュバントは、本明細書に提供されるポリペプチドなどの特定の抗原に対する免疫応答を増強することができる免疫学的化合物であり得る。適したアジュバントは、限定されないが、ミョウバン、ならびに様々な業者から入手可能な他のアルミニウムベースの化合物(例えば、Al2O3)を含む。例えば、REHYDRAGEL(登録商標)アジュバントは、Reheis Inc.(Berkeley Heights, NJ)から入手可能である。REHYDRAGEL(登録商標)アジュバントは、結晶性アルミニウム水酸化物に基づくものであり、大きな表面積(約525 m2/g)を有する結晶性粒子を含む水和ゲルである。それらのAl2O3含有量は、典型的には、約2%〜約10%の範囲である。例えば、Rehydragel LGは、約6%のAl2O3含有量を有し、わずかな撹拌で容易に流動する。Rehydragel LGはまた、1.58のタンパク質結合能(すなわち、1 mgのAl2O3当たり1.58 mgのウシ血清アルブミン結合)、0.02%のナトリウム含有量、0.28%の塩化物含有量、検出不能な硫酸塩、3 ppm未満のヒ素レベル、15 ppm未満の重金属含有量、pH 6.5、および1090 cpの粘度を有する。Rehydragel LGは、Al(OH)3を生じるようにポリペプチド溶液(例えば、PBS中のポリペプチド)と組み合わされ得る。いくつかの場合において、Brenntag Stinnes Logisticsから得られる、ALHYDROGEL(商標)、アルミニウムヒドロキシゲルアジュバント(Alhydrogel 1.3%、Alhydrogel 2.0%、またはAlhydrogel「85」)が使用され得る。
いくつかの場合において、モンタニドISA 51は、本明細書に提供されるワクチン調製物中に含まれ得る。MN51(MONTANIDE(登録商標)Incomplete SEPPIC Adjuvant(ISA)51)およびMN720は、Seppic(Paris, France)から市販されている。MN51は、鉱物油溶液(Drakeol 6 VR)中にマンニドオレエート(MONTANIDE(登録商標)80、アンヒドロマンニトールオクタデセノアートとしても知られる)を含む。MONTANIDE(登録商標)80は、1の最大酸価、164〜172のけん化値、89〜100のヒドロキシル価、67〜75のヨウ素価、2の最大過酸化物価、20 ppm未満の重金属価、0.35%の最大水含有量、9の明度、および約300 mPasの25℃での粘度を有する、透明な液体である。油(例えば、鉱物油、植物油、スクアラン、スクアレン、またはエステル)と関連するMONTANIDE(登録商標)は、MONTANIDE(登録商標)ISAとして知られる。Drakeol 6 VRは、医薬品グレードの鉱物油である。Drakeol 6 VRは、不飽和または芳香族炭化水素を含まず、かつ36.2〜36.8のA.P.I.重力、0.834〜0.838の25℃での比重、59〜61 SSUまたは10.0〜10.6センチストークの100oFでの粘度、1.458〜1.463の25℃での屈折率を有し、最小酸試験よりも良好、360 nmでの蛍光に関して陰性であり、可視の懸濁物質に関して陰性であり、0〜15oFのASTM流動試験値を有し、295oFの最小ASTM引火点を有し、ならびに軽油に対する全てのRN要求および紫外線吸収を満たす。MN51は、約8〜12%のアンヒドロマンニトールオクタデセノアートおよび約88〜92%の鉱物油を含む。
使用され得る他の免疫刺激成分は、限定されないが、サポニンと呼ばれる植物ベースの化合物のファミリーのメンバーを含むソープバークツリー(Soap bark tree)(キラヤ(Quillaja)種)からの植物抽出物を含む。
本明細書に提供されるワクチン調製物に含まれ得る他のアジュバントは、限定されないが、コレステロールおよびサポニンなどの成分を含み得る免疫刺激複合体(immuno-stimulating complex(ISCOM))を含む。例として、限定されないが、ISCOMATRIX(商標)およびMATRIX-M(商標)が含まれる。ISCOMマトリクスは、調製され、Cu2+に複合化され得る。FCA、FIA、MN51、MN720、およびAl(OH)3などのアジュバントは、Seppic, Difco Laboratories(Detroit, MI)およびSuperfos Biosector A/S(Vedbeak, Demark)などの会社から市販されている。
他の免疫刺激成分は、限定されないが、ムラミルジペプチド(例えば、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン;MDP)、モノホスホリル-リピドA(MPL)、N-ホルミル-Met-Leu-Pheなどのトリペプチドを含むホルミルメチオニン、または細菌リポポリサッカリドを含む。そのような化合物は、例えば、Sigma Chemical Co.(St. Louis, MO)およびRIBI ImmunoChem Research, Inc.(Hamilton, MT)から市販されている。いくつかの場合において、アジュバントは、フロイント完全アジュバントまたはフロイント不完全アジュバントであり得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供される核酸ワクチン調製物は、アジュバントを欠如するように製剤化され得る。例えば、本明細書に提供される核酸ワクチン調製物は、如何なるアジュバントも含むことなく、本明細書に提供されるポリペプチドをコードする核酸分子を含むように設計され得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるポリペプチドワクチン、本明細書に提供される核酸ワクチン、または本明細書に提供されるVLPワクチンは、サイトカイン、ケモカイン、モノクローナル抗体、またはB7などの共刺激分子などの他の成分を含むように製剤化され得る。
本明細書はまた、本明細書に提供されるワクチン調製物を調製する方法を提供する。そのような方法は、本明細書に提供されるポリペプチド、本明細書に提供されるVLP、または本明細書に提供される核酸ベクターの量を、適した量の生理学的緩衝液(例えば、PBS)中に懸濁させることを含み得る。その後、ポリペプチド、VLP、または核酸ベクターは、任意で、適した量のアジュバント/免疫刺激化合物と組み合わされ得る。組み合わせる工程は、例えば、撹拌、振盪、ボルテックス、またはシリンジに取り付けられた針を介して前後に通過させることを含む、任意の適した方法により達成され得る。
本明細書に提供されるワクチン調製物は、十分な単位用量が多数の注入のために得られるように、バッチにおいて調製され得る(例えば、多数の哺乳動物内への注入、または同じ哺乳動物内への多数の注入)。本明細書に提供されるワクチン調製物の「単位用量」は、一度に哺乳動物に投与されるワクチン調製物の量を意味する。本明細書に提供されるワクチン調製物の単位用量は、B型肝炎ウイルスに対して免疫応答を誘導するのに十分なポリペプチド、VLP、または核酸分子の量を含み得る。例えば、本明細書に提供されるワクチン調製物の単位用量は、約0.1μg〜約1g(例えば、1μg、10μg、15μg、25μg、30μg、50μg、100μg、250μg、280μg、300μg、500μg、750μg、1mg、10mg、15mg、25mg、30mg、50mg、100mg、250mg、280mg、300mg、500mg、750mg、またはそれ以上)のポリペプチド、VLP、または核酸分子を含み得る。ウイルスベクターを含むワクチン調製物の場合、ワクチン調製物の単位用量は、約103〜1010(例えば、103、104、105、106、107、108、109、または1010)ウイルス粒子またはプラーク形成単位の力価を有し得る。
本明細書はまた、B型肝炎ウイルスに対して哺乳動物(例えば、ヒト)内で免疫応答を誘導するための方法を提供する。例えば、本明細書に提供される1つもしくは複数のポリペプチドワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数の核酸ワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数のVLPワクチン、またはそれらの組み合わせが、B型肝炎ウイルスに対して免疫応答を誘導するために、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得る。いくつかの場合において、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答は、本明細書に提供される1つもしくは複数の核酸ワクチンの投与の後に、B型肝炎ウイルス抗原を含むワクチンまたは本明細書に提供される1つもしくは複数のポリペプチドワクチンを投与することによって誘導され得る。例えば、ワクチンID番号 9101をヒトに投与し、1〜30日後に、ワクチンID番号 8105をそのヒトに投与し得る。いくつかの場合において、ワクチンID番号 9101を投与し、20〜60日後に、ワクチンID番号 7101を投与し得る。いくつかの場合において、ワクチンID番号 9109を投与し、30〜120日後に、ワクチンID番号 7106を投与し得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるワクチン調製物は、B型肝炎ウイルス感染に対して哺乳動物の耐性を増加させる予防ワクチンとして送達され得る。例えば、明細書に提供される1つもしくは複数のポリペプチドワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数の核酸ワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数のVLPワクチン、またはそれらの組み合わせが、B型肝炎ウイルスに感染していないヒトに投与され得る。
いくつかの場合において、本明細書に提供されるワクチン調製物は、哺乳動物がB型肝炎ウイルスに感染した後に、哺乳動物を治療するために使用され得る(例えば、急性B型肝炎ウイルスに感染した哺乳動物、または慢性B型肝炎ウイルスに感染した哺乳動物)。例えば、本明細書に提供される1つもしくは複数のポリペプチドワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数の核酸ワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数のVLPワクチン、またはそれらの組み合わせが、B型肝炎ウイルスに急性感染または慢性感染したヒトに投与され得る。本明細書に提供されるワクチン調製物のB型肝炎ウイルスに感染された哺乳動物への投与は、B型肝炎ウイルス負荷の減少、B型肝炎ウイルス感染の症状の重症度の減少、肝硬変の程度の減少、肝細胞癌の発生率の減少、または肝臓からのB型肝炎ウイルスのクリアランスを生じ得る。
本明細書はまた、B型肝炎ウイルス抗原を含むワクチンを受容するために、哺乳動物(例えば、ヒト)をプライミングする方法を提供する。例えば、本明細書に提供される1つもしくは複数のポリペプチドワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数の核酸ワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数のウイルスワクチン、本明細書に提供される1つもしくは複数のVLPワクチン、またはそれらの組み合わせが、B型肝炎ウイルスに対して増強された免疫応答を生じるためにその哺乳動物をプライミングするために、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与され得る。一旦プライミングされると、哺乳動物は、B型肝炎ウイルス抗原を含むワクチン(例えば、「Engerix」)、または本明細書で提供されるワクチン調製物で処置され得る。
本明細書に提供されるワクチン調製物は、任意の適した方法を用いて投与され得る。例えば、投与は、例えば、局所(例えば、経皮もしくは鼻腔内)、肺(例えば、粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくはガス注入)、経口、または非経口(例えば、皮内、皮下、筋肉内もしくは腹膜内注入による、または静脈内点滴による)であり得る。投与は、急速であってもよく(例えば、注入による)、またはある期間にわたって行ってもよい(例えば、徐放性製剤の遅い注入または投与による)。いくつかの場合において、核酸ワクチンは、筋肉内で送達され、1〜90日(例えば、1〜90日、1〜80日、1〜70日、1〜60日、1〜50日、5〜90日、10〜90日、20〜90日、5〜75日、10〜75日、10〜50日、20〜50日、25〜50日、または30〜60日)後に、アジュバントを含むVLPワクチンを送達され得る。
本発明は、以下の実施例においてさらに記載されるが、これは特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 - シャフルされたB型肝炎表面抗原の産生
肝炎エンベロープタンパク質のpreS2およびS領域をコードする親DNA配列は、ヒト、チンパンジー、テナガザル、ウーリーモンキー、およびウッドチャックの肝炎ウイルスに由来し、以下のようにして得た。
肝炎エンベロープタンパク質のpreS2およびS領域をコードする親DNA配列は、ヒト、チンパンジー、テナガザル、ウーリーモンキー、およびウッドチャックの肝炎ウイルスに由来し、以下のようにして得た。
aywサブタイプに対応するヒトHBVのpreS2+Sエンベロープ配列(GenBank(登録商標)アクセッション番号J02203; GI番号329640)は、pCAG-M-Kanと呼ばれるプラスミドベクターからPCRによって増幅された。この得られたDNAの核酸配列はSEQ ID NO:1に示され、SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列を有するB型肝炎表面抗原ポリペプチドをコードする。
ウーリーモンキーエンベロープ(preS2+S)配列(GenBank(登録商標)アクセッション番号AF046996; GI番号3150070)は、オリゴヌクレオチド遺伝子アセンブリによって合成された(Stemmer et al., Gene, 164(1):49-53 (1995))。この得られたDNAの核酸配列はSEQ ID NO:3に示され、SEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列を有するB型肝炎表面抗原ポリペプチドをコードする。
ハイブリッドエンベロープ遺伝子は、ヒトHBVのpreS2配列(adw2サブタイプ; GenBank(登録商標)アクセッション番号X02763; GI番号59418)およびウッドチャック肝炎ウイルスのS配列(株WHV8; GenBank(登録商標)アクセッション番号J04514; GI番号336146)を組み合わせることによって設計された。遺伝子は、オリゴヌクレオチド遺伝子アセンブリによって合成された。この得られたDNAの核酸配列はSEQ ID NO:5に示され、SEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列を有するB型肝炎表面抗原ポリペプチドをコードする。
テナガザル(GenBank(登録商標)アクセッション番号U46935; GI番号1814218)とチンパンジー肝炎(GenBank(登録商標)アクセッション番号D00220; GI番号163838595)のpreS2+S エンベロープタンパク質の間のアミノ酸配列の相違は、最小であった。したがって、単一の親遺伝子の複合体は、対応するヒト配列に関連するチンパンジーおよびテナガザル配列における全アミノ酸変化の合計を含む、オリゴヌクレオチド遺伝子アセンブリによって合成された。このチンパンジー-テナガザル配列の複合体の合成の過程において、197位のアミノ酸でメチオニンの代わりにイソロイシンの導入を生じる変異が、野生型チンパンジーおよびテナガザル配列において見出された。この得られたDNAの核酸配列はSEQ ID NO:7に示され、SEQ ID NO:8に示されるアミノ酸配列を有するB型肝炎表面抗原ポリペプチドをコードする。
B型肝炎抗原(HBsAg)ライブラリーのためのワークフローは、以下のようにして行った。オリジナルライブラリーは、上記の4つの親配列(SEQ ID NO:1、3、5、および7)のDNAse処理を用いて生成された。4つの親配列のシャフリングは、DNase Iで消化された遺伝子断片をアセンブリすることによって達成された。基本的に、各親遺伝子断片は、2つのベクタープライマー(Pre-for-1(+):
;およびPre-rev-2(-):
)と共に、組換えサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)を用いたPCR反応においてプラスミドから作製された。PCRは、95℃を1分間、60℃を1分間、および72℃を2分間の30サイクルで行われた。増幅された産物は、ゲル電気泳動で精製され、DNase Iで25 bp〜100 bpの範囲の断片に消化され、ゲル中でさらに精製された。これらの断片および3つの「a」エピトープに制限された(constrained)プライマーは、混合され、Taq/Pfu(9:1)ポリメラーゼと共に、25サイクルのPCR反応(96℃を30秒間、40℃を30秒間、および72℃を30秒間)の2ラウンドにおいて、アセンブルされた。アセンブリ反応において、「a」配列取り込み%は、それらの分子量に基づきDNase Iで消化された遺伝子断片に対する制限された「a」オリゴの割合を調整することによって制御された(図1)。アセンブルされたHB組換え体は、Taqポリメラーゼ(Qiagen)によって、2つのネステッドプライマー
と共に、30サイクルのPCR(95℃を30秒間、55℃を30秒間、および72℃を1分間)においてレスキューされた。その後、シャフルされたHB断片は、EcoR I/Asp718で消化され、ゲル中で精製され、標準のクローニング手順を用いてEcoR I/Asp718-cut pMKanベクター中にクローニングされた。
;およびPre-rev-2(-):
)と共に、組換えサーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)を用いたPCR反応においてプラスミドから作製された。PCRは、95℃を1分間、60℃を1分間、および72℃を2分間の30サイクルで行われた。増幅された産物は、ゲル電気泳動で精製され、DNase Iで25 bp〜100 bpの範囲の断片に消化され、ゲル中でさらに精製された。これらの断片および3つの「a」エピトープに制限された(constrained)プライマーは、混合され、Taq/Pfu(9:1)ポリメラーゼと共に、25サイクルのPCR反応(96℃を30秒間、40℃を30秒間、および72℃を30秒間)の2ラウンドにおいて、アセンブルされた。アセンブリ反応において、「a」配列取り込み%は、それらの分子量に基づきDNase Iで消化された遺伝子断片に対する制限された「a」オリゴの割合を調整することによって制御された(図1)。アセンブルされたHB組換え体は、Taqポリメラーゼ(Qiagen)によって、2つのネステッドプライマー
と共に、30サイクルのPCR(95℃を30秒間、55℃を30秒間、および72℃を1分間)においてレスキューされた。その後、シャフルされたHB断片は、EcoR I/Asp718で消化され、ゲル中で精製され、標準のクローニング手順を用いてEcoR I/Asp718-cut pMKanベクター中にクローニングされた。
HB「a」ループは、主要な中和エピトープであり、B型肝炎ウイルス感染に対する保護的な中和抗体を誘導する。この配列を保存するために、「a」エピトープに制限されたライブラリーが作製された。アセンブリ反応において、個々の「a」エピトープに制限されたプライマーは、3つの濃度、0.5:1、1:1、および2:1で、DNase Iで消化された親HB断片と混合された。シャフリング反応における「a」エピトーププライマーの取り込みは、アセンブルされたHB断片のBsrB I制限酵素消化によって同定された。割合は、BsrB Iで消化されたプラスミドDNA試料に関してさらに評価された。0.5:1の割合は約30%の取り込みを示し、1:1の割合および2:1の割合は両方とも60〜65%の取り込みを示した。プラスミドクローンのシークエンス解析は、3つの制限された「a」エピトープが、同様に取り込まれたことを示した。
「a」ループに制限されたプライマー
30ヌクレオチドのヒト「a」ループ1配列はコンスタントに保持され、チンパンジー/テナガザル(チボン)、ウーリーモンキー(WM)、またはウッドチャック(WD)の関連するHB遺伝子に由来する各側の15ヌクレオチドに隣接された(図2)。プライマーは、チンパンジー/テナガザルハイブリッド(SEQ ID NO:7)、ウーリーモンキー(SEQ ID NO:3)、およびヒト/ウッドチャックハイブリッド(SEQ ID NO:5)におけるヒトHBの「a」制限(constrained)エピトープのために設計された。
30ヌクレオチドのヒト「a」ループ1配列はコンスタントに保持され、チンパンジー/テナガザル(チボン)、ウーリーモンキー(WM)、またはウッドチャック(WD)の関連するHB遺伝子に由来する各側の15ヌクレオチドに隣接された(図2)。プライマーは、チンパンジー/テナガザルハイブリッド(SEQ ID NO:7)、ウーリーモンキー(SEQ ID NO:3)、およびヒト/ウッドチャックハイブリッド(SEQ ID NO:5)におけるヒトHBの「a」制限(constrained)エピトープのために設計された。
スクリーニング
ライブラリーからのクローンは、発現のための免疫蛍光アッセイ(IFA)を用いたタンパク質発現に対してスクリーニングされた。簡単に言うと、BioRobot 9600によって調製されたDNAが、製造者(Qiagen)によって記載されるように96ウエルフォーマットでSuperFect(商標)トランスフェクション試薬を用いて、Cos-7細胞(ATCC #CRL-1651)にトランスフェクトされた。トランスフェクションの48時間後に、細胞はパラホルムアルデヒドで固定され、ヤギ抗HB抗体(Dako #B0560)で染色され、その後、FITC結合ウサギ抗ヤギ免疫グロブリン(Dako #P0449)で染色された。FITC陽性細胞は蛍光顕微鏡下で可視化された。陽性のIFAシグナルを生成したクローンは、単一マウスにシャフルされた1クローンを注入する、プラスミドDNAの直接筋肉内注入によってマウスにおいてスクリーニングされた。抗体応答は、有効な臨床キット(Sanofi Diagnostics からのMonolisa anti-HBs 3.0 ELISA、またはAbbott LaboratoriesからのAUSAB EIA ELISAのいずれか)を用いて、および(Seradyn recombinant HBsAg #ABH0705)から得られたHBsAgの市販調製物、または野生型aywもしくはadw2 preS2ペプチド(Seradynによってカスタム合成された)を用いた標準的なELISAアッセイによって、測定された(図3)。
ライブラリーからのクローンは、発現のための免疫蛍光アッセイ(IFA)を用いたタンパク質発現に対してスクリーニングされた。簡単に言うと、BioRobot 9600によって調製されたDNAが、製造者(Qiagen)によって記載されるように96ウエルフォーマットでSuperFect(商標)トランスフェクション試薬を用いて、Cos-7細胞(ATCC #CRL-1651)にトランスフェクトされた。トランスフェクションの48時間後に、細胞はパラホルムアルデヒドで固定され、ヤギ抗HB抗体(Dako #B0560)で染色され、その後、FITC結合ウサギ抗ヤギ免疫グロブリン(Dako #P0449)で染色された。FITC陽性細胞は蛍光顕微鏡下で可視化された。陽性のIFAシグナルを生成したクローンは、単一マウスにシャフルされた1クローンを注入する、プラスミドDNAの直接筋肉内注入によってマウスにおいてスクリーニングされた。抗体応答は、有効な臨床キット(Sanofi Diagnostics からのMonolisa anti-HBs 3.0 ELISA、またはAbbott LaboratoriesからのAUSAB EIA ELISAのいずれか)を用いて、および(Seradyn recombinant HBsAg #ABH0705)から得られたHBsAgの市販調製物、または野生型aywもしくはadw2 preS2ペプチド(Seradynによってカスタム合成された)を用いた標準的なELISAアッセイによって、測定された(図3)。
最も免疫原性のクローンは、マウスのより大きな群においてさらに解析された(図37)。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中100μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、10匹の6週齢C57BL/6マウスは、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり10μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。処置の4週間後に、Sanofi Monolisa anti-HBSキットによって測定された(mIU/mLで各群に対してGMT±SEMとして上記に発現された)ように、血清は抗HBsAgレベルについて解析された。クローン6101、6102、6103、6104、6105、6106、6107、6108、6109、もしくは6111、または野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を受容したマウスに対して力価が計算された。第一回目のライブラリーからのクローン6103、6104、6105、6107、または6111を注入されたマウスは、プラスミド対照を含む野生型B型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を注入されたマウスよりも、著しく高い力価を生じた(図37)。
これらの結果に基づき、10個のクローン(クローン6101、6102、6103、6104、6105、6106、6107、6108、6109、および6111)が選択され、その後、第二回目のライブラリーを作製するためにシャフルされた。このライブラリーは既に述べたようにスクリーニングされ(IFAおよびマウス免疫化)、免疫原性クローンは、より大きな群の動物において選択され、さらに解析された(図39)。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中100μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、10匹の6週齢C57BL/6マウスは、麻酔され、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり10μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。処置の4週間後に、Sanofi Monolisa anti-HBSキットによって測定された(国際単位で各群に対してGMT±SEMとして上記で発現された)ように、血清は抗B型肝炎抗体レベルについて解析された。クローン6201、6202、6204、6205、6208、6209、6210、6212、6213、もしくは6215、または野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を受容したマウスに対して力価が計算された。クローン6201、6202、6204、6205、6208、6209、6210、6212、6213、または6215を注入されたマウスは、プラスミド対照を含む野生型B型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を注入されたマウスよりも、著しく高い力価を生じた(図38)。
図4〜32には、オリジナルの4つの親の核酸およびアミノ酸配列(図4〜7)、第一回目のシャフリングから選択された10個のクローンの核酸およびアミノ酸配列(図8〜17)、および第二回目のシャフリングから選択された15個のクローンの核酸およびアミノ酸配列(図18〜32)が示されている。親のおよびシャフルされたDNAおよびタンパク質配列のアライメントは、ベクターNTI ver 6.0のAlignXコンポーネント内のClustal Wアルゴリズムを用いて得られた。これらは図33および図34にそれぞれ示される。図8〜32に示されるクローンのためのアミノ酸変更の概要は、タンパク質の様々な領域の表示と共に、図35に示される。この作業において使用されるベクターのヌクレオチド配列および構成要素の位置は、図36に示される。
クローンのうち2つ(クローン6101および6111)を除くすべては、ヒトHBVエンベロープタンパク質の主要抗原決定基(「a-ループ」と呼ばれる)が、シャフリング反応の間にコンスタントに保持された、シャフルされたライブラリーから得られた。これは、この配列がコンスタントに保持されたクローンを生成するためシャフリング反応において特定のオリゴヌクレオチドを含むことによって達成された。いくつかの得られたクローンは、シャフリング反応において使用された親のいずれかにおいて見出されなかった自然突然変異(野生型配列のアミノ酸183位でアラニンの代わりにプロリン)のために、その全体においてこの保存されたa-ループを保持しなかった。
追加の信頼性のあるデータを得るため、3つの第一回目のクローン(6104、6105、および6108)および5つの第二回目のクローン(6202、6204、6205、6212、および6215)が、1クローン当たり30匹のマウスの群を免疫化するために使用された実験を行った。この実験において、初回のシャフリング反応に使用された各親のエンベロープ配列を発現する4つのプラスミドが使用された(図39においてHBV、WM、CH、およびWDと呼ばれる)。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中100μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、30匹の6週齢C57BL/6マウスは、麻酔され、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり10μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。処置の4週間後に、Abbott AUSZYME ELISAによって測定された(国際単位で各群に対してGMT±SEMとして上記で発現された)ように、血清は抗B型肝炎抗体レベルについて解析された。第一回目のライブラリー(6104、6105、および6108)、第二回目のライブラリー(6202、6204、6205、6212、および6215)、ならびにオリジナルシャフリング反応からの親(野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)、ウーリーモンキー肝炎エンベロープ遺伝子(WM)、チンパンジー/テナガザル肝炎エンベロープ遺伝子(CH)、およびウッドチャック肝炎エンベロープ(WD))からのDNAクローンを受容したマウスに対して力価が計算された。マウスの他の群は、野生型HBV遺伝子配列に由来する1μgの市販のB型肝炎組換えタンパク質ワクチン(Engerix-B, SmithKline Beecham)を注入された。
クローン6104、6105、6108、6202、6204、6205、6212、および6215を注入されたマウスは、プラスミド対照を含む野生型B型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を含むオリジナル親クローンを注入されたマウスよりも、著しく高い力価を生じた(図39)。アルミニウムで免疫賦活化された野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子からの精製タンパク質を含む市販のタンパク質ワクチンは、それ自身による遺伝子のDNA 注入と比較して、優れた力価を生じた(「HBV」に対して「Engerix」を比較)。市販のワクチン(Engerix)で得られた力価は、クローン6104、6105、6202、6204、6205、6212、および6215に超された。
クローン6104、6105、6108、6202、6204、6205、6212、および6215は、野生型B型肝炎表面抗原に対して応答するため免疫系をプライミングするための能力に対してさらに解析された。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中100μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、20匹の6週齢C57BL/6マウスは、麻酔され、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり10μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。初回のDNA免疫化の3週間後に、各群における10匹のマウスが、エンドトキシン不含PBS中で4倍に希釈された(最終濃度5μg/mL)1μgの市販のB型肝炎組換えタンパク質ワクチン(Engerix-B, SmithKline Beecham)を腹腔内注入された。タンパク質注入の2週間後に、Abbott AUSZYME ELISAによって測定された(国際単位で各群に対してGMTとして上記で発現された)ように、全マウスからの血清は、抗B型肝炎抗体レベルについて解析された。DNAクローン6104、6105、6108、6202、6204、6205、6212、もしくは6215、4つの親クローンのうち1つ、または無関係の遺伝子配列を含む骨格DNAプラスミドを受容したマウスに対して力価が計算された。
クローン6202、6204、6205、6212、および6215は、B型肝炎タンパク質に対して応答するため免疫系をプライミングするために、野生型B型肝炎エンベロープタンパク質遺伝子よりも優れていた(図40)。この改良されたプライミングは、野生型クローンを受容したマウスと比較して、シャフルされたクローンを受容したマウスにおいて、タンパク質注入後に著しく大きなメモリー応答が観察されたことによって示された(図40におけるHBVの黒色バーと6104、6105、6108、6202、6204、6205、6212、および6215の黒色バーを比較)。DNAプライム(灰色バー)を受容したのみの群の相対力価は、以前の実験で見られた関係と非常に類似していたが(図37参照)、ブースト後の力価は、この関係は維持しなかった。プロフィールのこの変化は、高いメモリー応答が、単に初回の注入によって産生されたより高い力価の単純なブーストによるのではなく、むしろ、第二の曝露に対して応答する免疫系の能力を増強することができるシャフルされた遺伝子の局面が存在することを示す可能性があることを示した(6205の灰色バーと黒色バーに対して6202の灰色バーと黒色バーを比較)。
別の実験において、クローン6102、6103、6104、6105、6108、6205、6212、および6213が、非近交系マウスの集団において試験された。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中1000μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、10匹の6週齢非近交系Swiss Websterマウスは、麻酔され、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり100μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。処置の4週間後に、Abbott AUSZYME ELISAによって測定されたように、血清は抗B型肝炎抗体レベルについて解析された。クローン6102、6103、6104、6105、6108、6205、6212、もしくは6213をそれぞれ受容した10匹のマウスの群、または野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)をそれぞれ受容した10匹のマウスの2つの群に対して、力価が計算された。クローン6103、6105、6108、6205、6212、および6213を注入されたマウスの群は、プラスミド対照を含む野生型B型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を注入されたマウスの群よりも、高い%の血清転換マウスおよび/または高い抗HBsAg力価を示した(図41)。この非近交系マウスの集団は、正常の集団に見られる異種性をより正確に反映する。この環境における野生型クローンより優れたシャフルされたクローンの能力は、シャフルされたクローンが、ヒト集団のような他の非近交系集団における野生型配列より優れている可能性があることを示唆する。
別の実験において、クローン6104および6105が、非応答マウスの集団において試験された。簡単に言うと、精製されたDNA(Aldevron LLC, Fargo, ND)は、滅菌PBS中1000μg/mLの最終濃度に希釈された。各試験群のために、10匹の6週齢B10Mマウスは、麻酔され、各脚筋肉の前脛骨筋中に50μLのDNA溶液(1匹のマウス当たり100μgのDNA総量)で筋肉内に注入された。処置の4週間後に、後眼窩法によって血清が回収され、その後、マウスは、第二の用量のDNAを受容した。第二の処置の3週間後に、血清が回収された。Abbott AUSZYME ELISAによって測定された(国際単位で各群に対してGMT±SEMとして発現された)ように、抗B型肝炎抗体のレベルは、単回処置の後の血清(図42の灰色バー)および2用量の後の血清(図42の黒色バー)の両方に対して決定された。DNAクローン6104および6105および野生型ヒトB型肝炎エンベロープ遺伝子(HBV)を受容したマウスに対して力価が計算された(図42)。
シャフルされたクローン6104および6105は、典型的にはB型肝炎抗原に対して応答しないマウス株において、強力な免疫応答を刺激することができた。これらの結果は、B10M非応答株のマウスが、HBsAgに対しても応答しない慢性感染されたヒトのサブセットと類似している可能性があるため、特に興味深いものであった。この応答の欠如を解消するためのシャフルされたクローンの能力は、本明細書に提供されるシャフルされたクローンが慢性B型肝炎に対する治療剤として使用され得ることを実証する。
別の実験において、ワクチン調製物(ワクチンID番号9106)を形成するために、5つのクローン(6202、6204、6205、6212、および6215)が、同量中で混合され、滅菌PBS中1mg/mL DNAの最終濃度に希釈された。5匹の6週齢C57BL/6マウスが麻酔され、50μLのDNA溶液が、1匹のマウス当たり100μgのDNA総量で各前脛骨筋内に注入された。注入は、3週間間隔で追加で3回繰り返された。いくつかの場合において、2つのDNA注入のみが、エレクトロポレーションを用いて行われた。マウスは最終注入の6日後に殺され、脾臓が採取され、単細胞懸濁液が調製された。遺伝子型AまたはDのHBsAg の配列をカバーするペプチドプールは、細胞を刺激するために使用された。インターフェロンγを発現するCD8+ T細胞の数およびインターフェロンγを発現するCD4+ T細胞の数は、細胞内サイトカイン染色およびフローサイトメトリーによって決定された。脾臓細胞は、未処理マウスの同齢群から単離され、同刺激および解析プロトコールを受けた。
ワクチンID番号9106でワクチン接種されたマウスは、未処置マウスにおいて検出された細胞の数と比較して、遺伝子型AまたはDのHBsAgペプチドで刺激された後にインターフェロンγを発現するCD8+ T細胞の数の増加およびインターフェロンγを発現するCD4+ T細胞の数の増加を示した(図43〜48)。
他の態様
本発明は、詳細な説明と共に記載されるが、先の記載は例示することを意図しており、特許請求の範囲によって規定される発明の範囲を限定することを意図しないことは理解されるであろう。他の局面、利点、および改変は、特許請求の範囲内である。
本発明は、詳細な説明と共に記載されるが、先の記載は例示することを意図しており、特許請求の範囲によって規定される発明の範囲を限定することを意図しないことは理解されるであろう。他の局面、利点、および改変は、特許請求の範囲内である。
Claims (63)
- SEQ ID NO:10に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:12に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:14に示されるアミノ酸配列と少なくとも96%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:16に示されるアミノ酸配列と少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:18に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:20に示されるアミノ酸配列と少なくとも93%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:22に示されるアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- SEQ ID NO:26に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
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- SEQ ID NO:58に示されるアミノ酸配列と少なくとも89%同一であるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
- 哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含む、請求項1〜25のいずれか一項記載のポリペプチド。
- 第二のアミノ酸配列を含む融合ポリペプチドである、請求項1〜26のいずれか一項記載のポリペプチド。
- 前記第二のアミノ酸配列が、GST、FLAG、GFP、およびc-mycからなる群より選択されるタグをコードする、請求項27記載のポリペプチド。
- 前記第二のアミノ酸配列が、GM-CSF、IL-2、およびIL-12からなる群より選択されるサイトカインをコードする、請求項27記載のポリペプチド。
- 実質的に純粋である、請求項1〜29のいずれか一項記載のポリペプチド。
- 単離されたポリペプチドである、請求項1〜29のいずれか一項記載のポリペプチド。
- 請求項1〜29記載のポリペプチドからなる群より選択される1つまたは複数のポリペプチドを含む、ウイルス様粒子。
- 前記群より選択される1つのポリペプチドを含む、請求項32記載のウイルス様粒子。
- 前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なるポリペプチドを含む、請求項32記載のウイルス様粒子。
- 哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含む、請求項32記載のウイルス様粒子。
- 請求項1〜29記載のポリペプチドからなるポリペプチドの群より選択される1つまたは複数のポリペプチドを含む、ワクチン調製物。
- 前記群より選択される1つのポリペプチドを含む、請求項36記載のワクチン調製物。
- 前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なるポリペプチドを含む、請求項36記載のワクチン調製物。
- 哺乳動物に投与された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含む、請求項36記載のワクチン調製物。
- アジュバントを含む、請求項36記載のワクチン調製物。
- 前記アジュバントが、アルミニウムベースの化合物、モンタニド(Montanide)ISA 51、モンタニドISA 720、およびCpGオリゴデオキシヌクレオチドからなる群より選択される、請求項40記載のワクチン調製物。
- 前記アジュバントが、ミョウバンまたはAl2O3を含む、請求項41記載のワクチン調製物。
- 請求項1〜29記載のポリペプチドからなる群より選択されるポリペプチドをコードする核酸配列を含む、核酸分子。
- 前記核酸配列に機能的に連結されるプロモーター配列を含む、請求項43記載の核酸分子。
- ベクターである、請求項43記載の核酸分子。
- 前記ベクターがプラスミドである、請求項45記載の核酸分子。
- 前記ベクターがウイルスベクターである、請求項45記載の核酸分子。
- 前記ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、およびワクシニアウイルスベクターからなる群より選択される、請求項45記載の核酸分子。
- 請求項43〜48記載の核酸分子からなる群より選択される1つまたは複数の核酸分子を含む、ワクチン調製物。
- 前記群より選択される1つの核酸分子を含む、請求項49記載のワクチン調製物。
- 前記群より選択される2つ、3つ、4つ、または5つの異なる核酸分子を含む、請求項49記載のワクチン調製物。
- 前記ワクチン調製物が哺乳動物に投与され、前記ポリペプチドが哺乳動物内で発現された場合、B型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する能力を含む、請求項49記載のワクチン調製物。
- アジュバントを含む、請求項49記載のワクチン調製物。
- 前記アジュバントが、アルミニウムベースの化合物、モンタニドISA 51、モンタニドISA 720、およびCpGオリゴデオキシヌクレオチドからなる群より選択される、請求項53記載のワクチン調製物。
- 前記アジュバントが、ミョウバンまたはAl2O3を含む、請求項54記載のワクチン調製物。
- 哺乳動物にワクチン調製物を投与する段階を含む、哺乳動物内でB型肝炎ウイルスに対する免疫応答を誘導する方法であって、該ワクチン調製物が、
(a)請求項1〜29記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチド、
(b)請求項32〜35記載のウイルス様粒子からなる群より選択される1つもしくは複数のウイルス様粒子、または
(c)請求項43〜48記載の核酸分子からなる群より選択される1つもしくは複数の核酸分子
を含む、方法。 - 前記哺乳動物がヒトである、請求項56記載の方法。
- 前記哺乳動物が、B型肝炎ウイルスに以前に感染されていないヒトである、請求項56記載の方法。
- 前記哺乳動物が、B型肝炎ウイルスに急性感染されたヒトである、請求項56記載の方法。
- 前記哺乳動物が、B型肝炎ウイルスに慢性感染されたヒトである、請求項56記載の方法。
- 前記免疫応答が、抗B型肝炎ウイルス抗体の産生を含む、請求項56記載の方法。
- 前記ワクチン調製物の哺乳動物への投与段階の後に、該哺乳動物に第二のワクチン調製物を投与する段階を含み、該第二のワクチン調製物が、B型肝炎ウイルス抗原を含む、請求項56記載の方法。
- 前記ワクチン調製物の哺乳動物への投与段階の後に、該哺乳動物に第二のワクチン調製物を投与する段階を含み、該第二のワクチン調製物が、
(a)請求項1〜29記載のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチド、
(b)請求項32〜35記載のウイルス様粒子からなる群より選択される1つもしくは複数のウイルス様粒子、または
(c)請求項43〜48記載の核酸分子からなる群より選択される1つもしくは複数の核酸分子
を含む、請求項56記載の方法。
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