JP2016510854A - ガスタービンの耐久性のためのホットストリーク整列方法 - Google Patents

ガスタービンの耐久性のためのホットストリーク整列方法 Download PDF

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Abstract

ガスタービンエンジンの耐久性を改善するためにホットストリークを整列させる方法は、 燃料ノズル(26)を有する燃焼器(16)において燃料及び空気を点火し、これにより燃焼ガスのホットストリーク(23)を生成するステップと、ステータノズルベーン(46)の前縁(50)にホットストリークの照準を定めるステップと、前記前縁に隣接した前記ステータノズルベーン上に配置される1又はそれ以上の冷却孔を設けるステップと、前記前縁に隣接した前記ベーン及び前記1又はそれ以上の冷却孔に冷却空気を通過させるステップと、前記燃焼ガスと前記冷却空気を混合して、下流側の構成要素において前記燃焼ガスの温度を制限するステップと、を含むことができる。【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、高温ガスを高圧タービン内に排出する燃焼器内に燃料ノズルを有するガスタービンエンジンに関する。より詳細には、本発明の実施形態は、1つおきの第1段ノズルベーンと円周方向に整列され且つ非整列ベーンにおいて冷却空気の使用量を少なくすることができる燃焼ガスホットストリークに関連するものを含む。
ガスタービンエンジンにおいて、空気は、圧縮機において加圧されて燃料ノズルを有する燃焼器において燃料と混合され、これにより高温燃焼ガスを発生し、該燃焼ガスは、タービン段を通って下流側に流れる。これらのタービン段は、燃焼ガスからエネルギーを抽出する。流れ方向で、高温ガスは、第1段ステータノズルと、ディスク及び複数のタービンブレードを含むロータ組立体とを備えた高圧タービンに流入する。更に詳細には、高圧タービンは、最初に、第1段ステータノズルにおいて燃焼器から高温燃焼ガスを受け取り、該第1段ステータノズルは、第1ロータディスクから半径方向外向きに延びる高圧タービンロータブレードの列を通って下流側に燃焼ガスを配向する。2段タービンにおいて、第2段ステータノズルは、第1段ブレードの下流側に位置付けられ、その後に、第2ロータディスクから半径方向外向きに延びる第2段タービンブレードの列が続く。ステータノズルは、隣接する下流側タービンブレードにおいて抽出を最大限にするように高温燃焼ガスを転回させる。
第1及び第2のロータディスクは、対応するロータシャフトによって圧縮機に接合され、作動中に圧縮機に動力を供給するようにする。タービンエンジンは、複数段のステータ及びロータを含むことができ、ここで、一般にベーンと呼ばれる固定翼形部が、一般にブレードと呼ばれる回転翼形部の間でエンジンの軸方向に間隔を置いて配置される。2段高圧タービンの後に多段低圧タービンが続き、該低圧タービンは通常、飛行中に航空機に動力を供給するための典型的なターボファン航空機構成において、圧縮機から上流側に配置されるファンに第2のシャフトにより接合される。
燃焼ガスがタービン段を通って下流側に流れると、そこからエネルギーが抽出されて、燃焼ガスの圧力が低下する。燃焼ガスは、発電及び船舶用途でタービン出力シャフトに動力を供給するため、又は航空機用途において推力を提供するのに使用される。
より具体的には、燃焼器は、燃料を送給して燃焼室において安定した火炎を得るような圧縮空気の混合手法を可能にするあらゆる数の燃焼器燃料ノズルを含む。燃焼ガスが流出する燃焼器出口において、温度プロファイルは、高温ゾーンと低温ゾーンとが存在することを示すことになる。高温ゾーンは、一般にホットストリークと呼ばれる。ホットストリークは通常、第1段高圧タービンノズルに対して燃焼器の周りに不規則に配列される。しかしながら、ホットストリークの照準設定は、燃料ノズルとステータベーンの整数比に対して行うことができる。このような配列において、ホットストリークは、ノズル構造を形成する材料に対する損傷を制限するようベーン間のノズルセグメントの開放領域に照準を定めることができる。このような損傷には、酸化、熱機械疲労、及び耐久性の相応の低下を挙げることができる。この耐久性の低下は、交換頻度の増大につながり、タービンエンジン運用者にとって高コストとなる。
一部のエンジンは、例えば、単一部品として形成された環状リングであるステータノズル組立体を含む。他のエンジンは、環状アレイで配列される複数のステータノズルセグメントによりアニュラスとして形成されたタービンステータノズル組立体を含む。ノズルセグメントは各々、内側バンド、外側バンド、及びこれらの間に延びるベーンを含む。ベーンは、中空であり、圧縮機から加圧空気の一部を受け、これは作動中にベーンを冷却するのに使用される。
従来技術に関して問題が2つある。第1に、ホットストリークがベーン間を遮られずに通過できる点であり、ホットストリークは、タービン冷却用に提供される空気と限定的にしか混合せずに、第1段ステータノズルの下流側にある構成要素に到達することになる。このことは、下流側の構成要素の損傷につながる可能性がある。第2に、現行の設計は、冷却空気に関する問題に対処しておらず、具体的には、冷却空気の使用量を低減すること、すなわち、タービンエンジンにおける冷却空気の使用に起因した制御損失を低減する継続的な要求に対処していないことである。
上記の段落で分かるように、第1段ノズルの下流側の構成要素に対する損傷を制限しながら、ホットストリークの混合を改善した設計に対する要求がある。加えて、第1段ステータノズル及びタービンブレードを含むタービン構成要素並びに多段組立体を含む実施形態の耐久性を向上させる必要性がある。
これまで、このような冷却空気の一部を利用して、ガスタービンエンジンのエミッション削減又は他の有利な機能を改善することができるように、ホットストリークが直接衝突しないベーンでの冷却ガスの使用量を低減する要求は満たされていない。本発明の実施形態は、これら全ての要求及びそれ以上に対処する。
米国特許出願公開第2009/266080A1号明細書
本発明の実施形態の一部の態様によれば、タービンエンジン燃焼器から流出するホットストリークと交互する第1段タービンステータノズルとを整列させる方法が教示される。
本発明の実施形態の一部の態様によれば、ガスタービンエンジンが複数の燃焼器燃料ノズルを利用し、これに隣接して高圧タービンが複数の第1段ステータノズルを含む構造が教示される。燃焼器の燃料ノズル及び燃焼器出口は、交互する第1段ステータノズルベーンの前縁と整列され、その結果、1つおきの第1段ステータベーンにおける冷却空気とホットストリークの混合の増大が達成されるようになる。整列した第1段ステータノズルにおけるホットストリークガスと冷却空気との混合が増大すると、ホットストリークは、従来設計及び本発明の実施形態の構築前と比べて、多段タービンの下流側ブレード及びノズルベーンに対する悪影響が低減される。加えて、本発明の実施形態の構造により、第1段ステータノズルベーンに対する冷却空気の低減が可能となり、冷却空気の低減により、タービンエンジンにおける効率の向上、耐久性の改善、及び/又はエミッションの改善を可能とすることができる。
更に、代替の実施形態では、ステータノズルベーンの前縁に対するホットストリークを緩和して、冷却空気とホットストリークを混合することによって、第1段ステータノズルの冷却が向上した構造が提供される。
上記で概説した特徴の全ては、単に例証として理解すべきであり、本発明のより多くの特徴及び対象物が、本明細書の開示から得ることができる。従って、この発明の概要の非限定的な解釈は、本明細書、請求項、これらと共に含まれる図面全体をより詳細に読むことなく理解されるはずである。
本発明の上述した及び他の特徴及び利点、並びにこれらを実現する方法は、添付図面と共に以下の実施形態の説明を参照することによって明らかになり、ノズル特徴要素がより良好に理解されるであろう。
ガスタービンエンジンの概略側断面図。 第1段タービンノズルを通過する高温の排出ガスの概略側面図。 例示的な第1段ステータノズルの斜視図。 第1段ノズルに向かって見た燃焼器ノズルにおけるガスタービンエンジンの軸方向断面図。
次に、その1つ又はそれ以上の実施例が図面に例示されている提示された実施形態について詳細に説明する。各実施例は、説明の目的で提供され、本開示の実施形態を限定するものではない。実際に、本開示の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、種々の修正形態及び変形形態を本実施形態において実施できることは、当業者であれば理解されるであろう。例えば、1つの実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用して更に別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、このような修正形態及び変形形態を添付の請求項及びその均等物の範囲内にあるものとして保護することが意図される。
本発明の実施形態は、例えば、航空、発電、産業、又は船舶用の燃焼器が燃料を燃焼させるガスタービンエンジンに適用される。具体的には、燃焼器の燃料ノズルは、燃料を吐出し、該燃料が燃焼器の前部で燃焼して、高温の燃焼ガスが燃焼から出て高圧タービンに流入する。本発明の構造及び方法は、ホットストリークを第1段ノズルベーンの前縁と整列させて、第1段ノズルにおいて冷却空気とのホットストリークの混合を改善し、隣接する非整列の第1段ノズルベーンにおける冷却空気の使用量を低減するようにする。結果として、第1段ノズル及び下流側のタービン構成要素における酸化及び熱機械疲労の問題が軽減される。本明細書で使用される場合、ホットストリーク又は複数のホットストリークは、ホットストリークの中心ゾーンが最も高温である高温のガスを指す。
図1〜4を参照すると、ガスタービンの耐久性のためのホットストリーク整列の実施形態の特定の特徴要素が図示され記載されている。本発明の実施形態は、ホットストリークを1つおきの第1段ステータノズルベーンの前縁と整列させる。加えて、ホットストリークを第1段ステータノズルの前縁と整列させて、非整列ノズルベーンでの冷却空気の使用量を低減し、その結果、冷却空気をガスタービンエンジンの他の場所で用いることを可能にする方法が教示される。
最初に、図1を参照すると、空気入口端部12、圧縮機14、燃焼器16、及び多段タービン18を有するガスタービンエンジン10の概略側断面図が示される。ガスタービン10は、航空機、発電、産業、船舶又は同様のものに用いることができる。ガスタービン10は、エンジン軸線24の周りに軸対称であり、種々の構成要素がその周りを回転するようになる。用途によっては、エンジン入口端部12は、代替として、ファンではなく多段圧縮機を含むことができる。作動時には、空気がエンジン10の空気入口12を通って流入し、少なくとも1つの圧縮段を移動して、ここで空気圧が増大して燃焼器16に送られる。圧縮された空気が燃料と混合され燃焼して、高温の燃焼ガスをもたらし、該燃焼ガスが、燃焼器から多段タービン18に向けて流出する。多段タービン18において、高温燃焼ガスからエネルギーが取り出されてタービン18のブレードの回転を生じさせ、その結果、シャフトの回転が生じ、該シャフトは、エンジンの前方に向けて通過しており、タービン設計に応じて、1又はそれ以上の圧縮機段14、ターボファン18又は入口ファンブレードの回転を継続させる。
本開示は、燃焼器16と多段タービン18との間の相互接続を含む。高温燃焼ガスは、タービン18を通って燃焼器16の外に延びる矢印22(図2を参照)で示される。高温燃焼ガスは、円周方向の流れにわたって均等な温度プロファイルを有することが望ましい。しかしながら、高温燃焼ガス22は通常、ホットストリーク23(図4を参照)を有し、多くの場合は燃焼ガス22の領域の中心にある。このホットストリーク23は、高温燃焼ガス22の他の領域よりも高温である。ホットストリーク23は、金属疲労及び同様のものなどのモードにより少なくとも高圧タービン構成要素に損傷を与える可能性がある。
図2を再度参照すると、燃焼器16及びタービン第1段20の概略側面図が示される。側面図において、環状アレイの燃焼器又は燃焼ゾーン16のうちの1つが、中心軸線24から離間して示されている。燃焼器16は、燃料ノズル26からの燃料入力部を含み、供給燃料を圧縮空気と混合したとき及び更に点火したときにここから火炎が放出される。
軸方向で燃焼器16と対向して、ステータノズル40及びロータ組立体32を含む第1段タービン20がある。ロータ組立体32は、ロータ又はディスク36に接続され且つそこから半径方向に延びる複数のブレード34を含み、ロータ又はディスク36は、中心軸シャフト24の周りを回転する。例示的な実施形態は、ガスタービンエンジン10の中心線24の周りに環状アレイで燃焼器16に対向して配置されたノズルセグメント40から構成されるステータノズル40を提供する。各タービンステータノズルセグメント40は、外側バンド42、内側バンド44、及び外側バンド42と内側バンド44との間に延びる少なくとも1つのベーン46を有する。例示の実施形態において、ステータノズルは、2つのベーン46を含む1又はそれ以上のノズルセグメント40から構成されている。内側及び外側バンド44,42は、湾曲して中心線24の周りに弓形セグメントを形成し、複数のノズルセグメント40が、環状リングを定め、これによりエンジン10内で中心線24の周りにステータノズルを形成するようになる。ベーン46は、略半径方向に延びて湾曲し、第1段タービンブレード34においてエネルギー抽出が最大となるよう高温燃焼ガス22を配向する。
例示的な実施形態によれば、図3を参照し、高温燃焼ガス22は、燃焼器16から移動して、ノズルベーン46の前縁50に照準を定め、又は該前縁50と整列される。ノズルベーン46の各々は、冷却空気のフィルム層を生成して、ベーン並びに内側及び外側バンドに冷却を提供する複数の冷却孔を含む。冷却孔の使用により、高温ガス22によるノズル40に加わる高温及び他の応力作用に起因した固定ステータノズルの故障が抑制される。
ホットストリーク23が少なくとも1つのベーン46の前縁50に照準が定められている場合、燃焼ガス22は、ベーン46と特異的に係合し、ステータノズル40を通って、ノズルベーン46におけるアパーチャを外向きに通過する冷却空気と混合されることになる。ノズルベーン46の表面上で燃焼ガス22と混合すると、高温燃焼ガス22の下流側作用が低減され、下流側のステータノズル40及び下流側のタービンブレード34に対する材料損傷が制限される。
図3に示した例示的な実施形態の斜視図は、弓形内側バンド44、弓形外側バンド42、及びこれらの間に延びるベーン46のペアを含む、ステータノズルセグメント40を示している。前縁50は、本明細書で記載される選択的整列によりホットストリーク23を受けるステータノズル40の部分を示すための基準として描かれている。各ノズルベーン46は、中空であり、正圧側面54、前縁50、高湾曲セクション56、及び正圧側面54の反対側にある負圧側面58を含む。正圧側面54は、後縁60まで延び、ここで正圧側面54と負圧側面58とが合一する。ステータノズルセグメント40は、ベーン46を含み、該ベーンは、並びに内側及び外側バンド44,42上に冷却空気のフィルム(薄膜)を生成する1又はそれ以上の冷却孔を有する。冷却空気は、ノズル40の材料温度がシステムに恒久的損傷を生じることになるレベルまで上昇するのを抑制する。ノズルベーン46の領域における冷却空気は、冷却空気孔の数を増減することにより、及び/又は冷却孔の流れ面積又は流量に関する大きさを変えることにより調整することができる。
図4を参照すると、ホットストリーク23をノズルベーン46の前縁50と整列させることにより、第1段冷却空気は、ホットストリーク23が隣接するベーン46間を通過できるのではなく、ホットストリーク23とより効率的に混合することになる。その結果、下流側構成要素に対するホットストリーク23の衝突が低減されることになる。図4は、以下で記載される実施形態において区別されるものとしてベーン46a及び46bを示している点に留意されたい。ベーンが一般的に記載される際には、ベーン46a及び46b全体としてベーン46を構成する。
ノズルセグメント40に関するより詳細について、各ノズルベーン46は、高温燃焼ガス22の流入路を定める前縁50と、高温燃焼ガス22の流出路を定める後縁60とを有する。圧縮空気をノズル40を通って外面に沿って配置された1又はそれ以上の冷却孔から外に流れるように圧送することにより、ベーン46の外面に沿って冷却空気の層が生成される。この流れは、高温燃焼ガス22の温度に対してノズルベーン46の外面を冷却し、これによりノズル40上の高温に起因した疲労損傷を抑制する。冷却空気はまた、燃焼器16から生成されたホットストリーク23を緩和する。
幾つかの実施形態は、第1段タービンノズルベーン46の前縁50がホットストリーク23を分散させて、ノズル40からの冷却空気の流れとの混合を生じさせるように、ホットストリーク23が、前縁50に照準を定め又は前縁50と整列されるような実施形態を含む。代替の実施形態は、高温燃焼ガス22が隣接するノズルベーン46間を遮られずに通過するのを抑制され、これによりホットストリーク23がガスタービン10の下流側構成要素と直接係合するのが阻止されるような実施形態を含む。
図4を再度参照すると、ステータノズル40の詳細部の斜視図が示される。図4の図面は、燃焼器16から出る高温ガス22の流れに対して示されている。限定ではなく例証の目的で、ステータノズルセグメント40のペアが例示されており、ここではステータノズル40を通って(図2を再度参照して)タービン18のロータ組立体32に向かって後方を見ている。例示的な実施形態は、2つのベーン46a,46bを提供し、各ベーンは、単一のステータノズルセグメント40上に配置されている。以下の詳細な説明で分かるように、代替の実施形態は、ベーン46a,46bの他の配列及び物理量を提供する。燃焼器16の燃料ノズル26は、燃焼器16(図2を参照)の流出口と連動して、第1のベーン46aに直接照準を定めることができ、或いは、第2のベーン46b又はこれらのベーンの間の任意の点に照準を定めることができ、このような照準設定は、何らかの特定の実施形態を生成する際に必要に応じてユーザにより選択される。図4に示された例示の第1のベーン46aは、ホットストリーク23を受け入れ、整列ベーン46aと呼ばれる。ホットストリーク23を受け入れない隣接するベーン46bは、非整列ベーン46bと呼ばれる。整列ベーン46a及び非整列ベーン46bの配列の結果として、非整列ベーン46bは、ホットストリーク23の直接流れ経路外に選択的に配置されるので、必要な冷却空気が少ない。このようにして提供される実施形態は、選択的冷却の実施形態と呼ばれる。これらの非整列ノズルベーン46bにて必要とされる冷却空気の量を低減することにより、このような選択的冷却の実施形態の実施例は、本発明の実施形態を含まない従来設計に比べて、ガスタービンエンジン10の他部品により多くの量の冷却空気を提供する。
より詳細には、ホットストリーク23は、対向する第1段ステータノズル40の選択された翼形部ベーン46の前縁に照準設定される。整列は、整列ベーン46aの前縁50上のホットストリーク23(図4で点描で示される)の位置により示される。最高温度領域の最外端が整列ベーン46aと完全には重ならないこともあり得るが、実施形態は、ホットストリーク23の中心点が整列した第1段ステータノズルベーン46aに配向されているような実施形態を含む。この整列ベーン46aにおいて、冷却空気は、ベーン46aを覆う冷却空気のフィルムを形成する。この冷却空気のフィルムは、ホットストリーク23と混合されて、ホットストリーク23の温度を低下させ、燃焼排出ガス22の流れにわたってより均等な温度分布を生成する。
向きに関する更なる詳細事項として、ホットストリーク23は、整列ベーン46aの中心にて半径方向に整列される。しかしながら、ホットストリーク23の中心は、前縁50の中心にある必要はなく、幅広い実施形態において、前縁50に沿っているように選択された他の何れかの位置に存在することができる。加えて、代替形態では、ホットストリーク23は、内側バンド及び外側バンド44,42が延びる方向として例示された円周方向に整列される。この円周方向の整列は、ノズルセグメント40の数に対する燃焼器16の燃料ノズル26の数に基づいている。タービンエンジン10は、必要とされる数の燃料ノズル26を有することができる。例示的な実施形態では、総数が12個の燃料ノズル26が燃焼器16内に配置され、エンジン10の軸線24に対して円周方向に離間して配置される。代替形態として、燃料ノズル26がエンジン10の周りに均一な間隔で配列されるものが挙げられる。12個の燃料ノズル26を含む上記の実施例において、合計360度をエンジンの周りに燃料ノズルの数(この実施例では12個)で除算すると、燃料ノズル26の均一な間隔において、1つの燃料ノズルがエンジンの周りに30度毎になることが分かる。更に、本明細書の実施形態の説明に関連した、一般にはエンジン10内での数学的計算について、燃料ノズル26に対するベーン46a,46bの比を導出するために、燃料ノズル26の総数をステータノズル40のベーン46の数で除算する実施形態が提供される。更なる詳細及びこの比の実施例については以下を参照されたい。燃料ノズル26の軸方向の反対側には、ベーン46の前縁50がある。実施形態として、各燃焼器16出口から流出する流れにより生じるホットストリーク23が、対向する翼形部又はベーン46に直接衝突する実施形態が挙げられる。
各燃焼器ノズル26は、ノズルベーン46と整列し、これにより整列したノズルベーン46にわたる高温燃焼ガス22の流れを提供する。実施形態の構成は、1又はそれ以上の非整列ベーン46bが整列ベーン46aの間に配置されるものを含む。このような構成において、一部の高温燃焼ガス22が非整列ノズル46bの上を移動するが、このような燃焼ガス22は、整列ベーン46aの上を移動するガス22よりも低温である。従って、非整列ノズル46bにて必要とされる冷却空気は少なくなる。このため、実施形態として、利用可能な冷却空気の総量及び本発明の実施形態を利用していない従来技術の設計に対して、ベーン46bを冷却するために比例的に少ない量の空気が提供され、ベーン46aにおける冷却要求に適合するよう比例的により多くの量の空気を提供することが可能となる実施形態が挙げられる。
例示的な実施形態において、燃焼器16の燃料ノズル26を第1段タービンステータノズル40の前縁50と整列させて、ホットストリーク23を前縁50に直接照準設定することにより、疲労及び酸化が制限される構造が提供される。これらの前縁50に角度が付けられたベーン46a,46bの表面は、複数のアパーチャを有し、該アパーチャは、冷却空気を提供して第1段ノズル40においてホットストリーク23と混合させ、下流側でのホットストリーク23の起こり得る悪影響を更に制限する。結果として、実施形態では、下流側のタービン構成要素は、本発明の実施形態を利用していない従来設計に優る耐久性を有している。代替の実施形態では、整列ベーン46aの前縁50に沿ったホットストリーク23の連続した混合及び冷却が提供される。
ホットストリーク23の事前整列は、数値流体力学(CFD)を介して実施される。本発明によれば、限定ではないが、エンジン試験、リグ試験及び同様のものなどの実験的決定を含む、様々な技術を利用することができる。これらの何れかは、整列ベーン46aとのホットストリーク23の円周方向整列を決定する際に役立つことができる。燃料及び空気の混合に起因して、ホットストリーク23は、燃料ノズル又は燃焼器16のノズル26との直接整列している場合もあれば、又は整列していない場合もある。しかしながら、計算モデル及び解析を行うと、燃焼ガス22のプロファイルのホットストリーク23の最も高温の部分は、第1段ノズルの前縁50と整列される。
一部の実施形態によれば、ホットストリーク23は、ステータノズルベーン46の前縁50によって緩和される。限定ではなく実施例として、タービンエンジン10は、環状に配列され且つ互いに離間して配置されたN個の燃料ノズル26を有する燃焼器16を含む。タービン10は、N個の燃料ノズル26から下流側で軸方向に整列されたN個の第1段固定ベーン46を有するN個のステータノズル40を含む。タービン10は更に、第1段固定ベーン46aの下流側に複数の第1段回転ブレード34を含む。N個の整列した第1段固定ベーン46aの前縁50は、ガス22の流れが第1段固定ベーン46aにあるステータノズル40に到達したときに燃料ノズル26及び燃焼器16からホットストリーク23を受け取る。加えて、M個の隣接する非整列ベーン46bが、N個の整列した第1段固定ベーン46aの各々の間に配置される。ホットストリーク23は、N個の整列した第1段固定ベーン46aに衝突し、N個の第1段固定ベーン46aを通過する冷却空気と混合する。特定のノズルベーン46aを整列させることによって、非整列ノズルベーン46bにおいて減少した量の冷却空気を利用することができる。実施形態として、燃料ノズル26に対する整列したベーン46a及び非整列ベーン46bの比でベーン46が設けられる実施形態が挙げられる。これらの実施形態において、Nは、整列ベーン46aの総数を指し、Mは、非整列ベーン46bの総数を指している。実施形態として、総数N個の整列ベーン46aが燃料ノズル26の総数(同じN)に等しい実施形態が挙げられる。同時に、比は、燃料ノズル26に対して(N+M):Nの形態で表される。限定ではなく実施例として、燃料ノズル26に対するベーン46a,46bの比は、(N+M):Nが1:1、2:1、3:1又はそれ以上の整数比で表され、ここで更なる実施例において、各非整列ベーン46bに対して1つの整列したベーン46aを有するエンジン10は、整数比2:1を有することになる。
実施形態として、N個の燃料ノズル26とN個の整列した第1段ベーン46aとを有するガスタービンエンジン10においてベーン46a,46bの耐久性を改善する方法は、N個の燃料ノズル26と対向して円周方向及び軸方向に第1段ベーン46aの翼形部を整列させるステップと、N個の第1段ベーン46aの前縁50において冷却空気によりホットストリーク23を緩和するステップと、M個の非整列第1段ベーン46bに対する冷却空気を低減するステップと、ガスタービンエンジン10の交互する構成要素に対する冷却空気を増大させるステップと、を含む、実施形態が挙げられる。上述のように、実施形態として、燃料ノズル26に対する整列ベーン46a及び非整列ベーン46bの比でベーン46a,46bが設けられる実施形態が挙げられる。これらの実施形態において、Nは、整列ベーン46aの総数を指し、Mは、非整列ベーン46bの総数を指している。実施形態として、総数N個の整列ベーン46aが燃料ノズル26の総数(同じN)に等しい実施形態が挙げられる。同時に、比は、燃料ノズル26に対して(N+M):Nの形態で表される。限定ではなく実施例として、燃料ノズル26に対するベーン46a,46bの比は、(N+M):Nが1:1、2:1、3:1又はそれ以上の整数比で表される。
本発明の複数の実施形態を本明細書で説明し例示してきたが、当業者であれば、本明細書で記載される機能を実施し及び/又は本明細書で記載される結果及び/又は利点のうちの1又はそれ以上を得るために他の様々な手段及び/又は構造が想定され、このような変形及び/又は修正形態の各々は、本明細書で記載される実施形態の本発明の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、本明細書で記載される全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は例証を意味しており、実際のパラメータ、寸法、材料、及び構成は、本発明の教示が利用される1又は複数の特定の用途によって決まることになることは当業者には容易に理解されるであろう。当業者であれば、単に通常の実験を利用して本明細書に記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識又は確認することができるであろう。従って、上記の実施形態は単に例証として提示されており、本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、具体的に記載され特許請求されたものとは別の方法で実施できることを理解すべきである。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、製品、材料、キット及び/又は方法に向けられている。これに加えて、このような特徴、システム、製品、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾していない場合、2つ以上のこのような特徴、システム、製品、材料、キット及び/又は方法の何れかの組み合わせは、本開示の発明の範囲内に含まれる。
実施例を用いて、最良の形態を含む実施形態を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること及びあらゆる包含の方法を実施することを含む、本発明の装置及び/又は方法を実施することを可能にする。これらの実施例は、網羅的なものではなく、或いは、開示された厳密なステップ及び/又は形態に本開示を限定することを意図するものではなく、上述の教示に照らして多くの修正形態及び変形形態が実施可能である。本明細書で記載される特徴要素は、どのようにも組み合わせることができる。本明細書で記載される方法のステップは、物理的に実施可能なあらゆる順序で実施することができる。
本明細書で定義され使用される全ての定義は、辞書の定義、引用により組み込まれる文献における定義、及び/又は定義される用語の通常の意味に対して規定していると理解すべきである。本明細書及び特許請求の範囲において使用される不定冠詞「a」及び「an」は、明示的にそうでないことを示していない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されたい。本明細書及び特許請求の範囲において使用される表現「及び/又は」は、そのように結合された要素の「何れか又は両方」、すなわちある場合では結合的に存在し、他の場合では選言的に存在する要素を意味するものと理解すべきである。
また、そうでないと明確に示されていない限り、1つよりも多いステップ又は行為を含む請求項に記載される何れの方法においても、本方法のステップ又は行為の順番は、方法のステップ又は行為が記載される順番に必ずしも限定されない点を理解されたい。
請求項並びに上述の明細書において、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「包含する」、「伴う」、「保持する」、「〜から構成される」などの全ての移行句は、オープンエンドであり、すなわちこれらを含むが限定されないことを意味するものと理解すべきである。「〜からなる」、「〜から基本的になる」という移行句のみが、それぞれクローズド又はセミクローズドの移行句とすべきである。
10 ガスタービンエンジン
12 空気入口端部
14 圧縮機
16 燃焼器
18 多段タービン
24 エンジン軸線

Claims (20)

  1. ガスタービンエンジンの耐久性を改善するためにホットストリークを整列させる方法であって、
    燃料ノズル(26)を有する燃焼器(16)において燃料及び空気を点火し、これにより燃焼ガスのホットストリーク(23)を生成するステップと、
    ステータノズルベーン(46)の前縁(50)にホットストリークの照準を定めるステップと、
    前記前縁に隣接した前記ステータノズルベーン上に配置される1又はそれ以上の冷却孔を設けるステップと、
    前記前縁に隣接した前記ベーン及び前記1又はそれ以上の冷却孔に冷却空気を通過させるステップと、
    前記燃焼ガスと前記冷却空気を混合して、下流側の構成要素において前記燃焼ガスの温度を制限するステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記燃料ノズルに対する前記ベーンの比が少なくとも2:1であり、2:1の比において、前記ベーンは、整列したベーン(46a)と非整列ベーン(46b)とから構成されるペアでステータノズル(40)内に配置され、前記ホットストリークが、前記整列したベーンに直接照準設定され、前記非整列ベーンには直接照準設定されず、前記ベーンに前記冷却空気を通過させるステップが更に、前記整列したベーン及び前記非整列ベーンに前記冷却空気を通過させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記整列したステータノズルベーン上には、前記非整列ベーンよりも多くの冷却空気流を提供するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記整列したノズルベーン上には、前記非整列ベーンよりも多くの冷却孔を設けるステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記ホットストリークの中心点を前記前縁に配向するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記ホットストリークの中心点が前記前縁の中心にある、請求項5に記載の方法。
  7. 前記ホットストリークの中心点が、前記前縁の中心から離間している、請求項6に記載の方法。
  8. 前記冷却空気を通過させるステップが更に、前記整列したステータノズルベーン及び前記非整列ステータノズルベーンの両方を通過し並びにそれらの上を移動する空気の薄膜を提供するステップを含む、請求項2に記載の方法。
  9. 前記ステータノズルの選択的冷却の利用を実施するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  10. 前記選択的冷却によって他のエンジン構成要素における冷却を増大させるステップを更に含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記選択的冷却によって前記非整列ベーンにおける冷却空気の使用を低減するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記燃料ノズルを前記整列したベーンと半径方向に整列させるステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  13. 前記燃料ノズルを前記整列したベーンと円周方向に整列させるステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  14. 前記整列したベーンに提供される前記冷却空気に対して前記非整列ベーンにおける前記冷却空気を低減するステップを更に含む、請求項2に記載の方法。
  15. タービンエンジン(10)であって、
    環状に配列され且つ互いに離間して配置されたN個の燃料ノズル(26)を有する燃焼器(16)と、
    前記燃焼器から下流側にあるステータノズル(40)と、
    を備え、前記ステータノズルが更に、前記N個の燃料ノズルと軸方向に整列された且つ下流側にあるN個のステータベーン(46)を含み、
    前記タービンエンジン(10)が更に、前記ステータノズルの整列したステータベーン(46a)の下流側に複数の第1段回転ブレード(34)を備える、タービンエンジン(10)。
  16. 前記燃焼器内で高温ガスが燃料ノズル(26)から前記燃焼器の出口を通って流れて、これにより前記ステータノズルに衝突し、前記N個の整列したステータベーンの前縁がホットストリークを受け取る、請求項15に記載のタービンエンジン。
  17. M個の非整列ステータベーン(46b)が前記N個の整列したステータベーンに隣接し且つ各々の間に配置される、請求項16に記載のタービンエンジン。
  18. 前記ホットストリークが前記N個の整列したステータベーンに衝突し、前記ホットストリークが、前記整列したベーンを通過する冷却空気と混合されて、これにより特定のステータノズルベーンを整列させる、請求項15に記載のタービンエンジン。
  19. 前記特定のノズルベーンを整列させることにより、前記非整列ノズルベーンにおいて必要とされる冷却空気の量が減少することになる、請求項18に記載のタービンエンジン。
  20. N個の燃焼器(16)内に配置されたN個の燃料ノズル(26)とN個の整列した第1のタービンベーン(46a)とを有するガスタービンエンジン(10)においてベーンの耐久性を改善する方法であって、
    前記N個の燃料ノズルと対向して円周方向及び軸方向に前記第1段ベーンの翼形部を整列させるステップと、
    前記N個の整列した第1段ベーン(46a)の前縁(50)において前記燃焼器から流出する高温ガスのホットストリーク(23)を冷却空気により緩和し、これによりM個の非整列の第1段ベーン(46b)に対する冷却空気を低減するステップと、
    前記ガスタービンエンジンの交互する構成要素に対する冷却空気を増大させるステップと、
    を含む、方法。
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