JP2016509866A - 細胞培養においてアンモニアの生成を制御するための、トリカルボン酸(tca)中間体の使用 - Google Patents

細胞培養においてアンモニアの生成を制御するための、トリカルボン酸(tca)中間体の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法、哺乳動物細胞培養において細胞の生産性を維持又は増加させる方法、哺乳動物細胞培養において細胞の増殖を維持又は増加させる方法、及び細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップを含む、前記方法に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞培養培地及び治療タンパク質を発現するように操作された哺乳動物細胞の増殖方法の分野に関する。
トリカルボン酸(TCA)サイクルは、細胞のエネルギーを生産するために不可欠な経路であると考えられている。この経路は、燃料分子からエネルギーを得るための最終的な共通の経路である。糖、アミノ酸及び脂肪酸は、ATPの形態でエネルギーを得るために、酸化される。
同時に、TCAは、細胞における他の分子を生産するために不可欠な構成要素(building block)を細胞に供給する。特に、脂肪酸、アミノ酸、プリン、ピリミジンの中間体は、細胞増殖及び分裂の間、並びにタンパク質合成の間に、TCAサイクルの幾つかの点から除かれ得る。
TCAサイクルを補充するのに十分な中間体が存在しない場合には、細胞はそれらの中間体を補充するためにアミノ酸を用い得る。これらのアミノ酸の中間体への変換は、第一のステップとして脱アミドを必要とし、これはTCA中間体へのアミノ酸の変換の副産物であるアンモニウムイオン(NH4 +)を有する。細胞による中間体の需要に応じて、アンモニウムイオンは培養培地に蓄積し、有害な効果をもたらし得る。これらのアンモニウムイオンは、阻害濃度で存在する場合、抗体のグリコシル化パターン、細胞の生産性、及び細胞増殖に影響し得る。
有害なレベルのアンモニウムイオン濃度を妨げるために、現在、阻害レベルのアンモニアを有する水性の細胞増殖培地は単純に捨てられ、新鮮な培地に置換されている。これは、滅菌及び新鮮な培地の保管のための追加の設備、並びに新鮮培地における費用のかかる血清の付随的な置換を必要とするため、非効率的である。
したがって、培地の置換を必要とせず、公知の多種多様な既存の細胞株について利用され得る、哺乳動物細胞培養からアンモニア及びアンモニウムイオンを除去する方法が必要とされている。
一態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法であって、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のトリカルボン酸(「TCA」)中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養において細胞の生産性を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップを含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養において細胞増殖を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、TCA中間体組成物を含む細胞培養培地に関する。
図1は、TCAサイクル中間体の用量応答試験に対する実験デザインを示す。 図2は、TCAサイクル中間体相互作用試験のブロック#1に対する実験デザインを示す。 図3は、TCAサイクル中間体相互作用試験のブロック#2に対する実験デザインを示す。 図4は、条件での生存細胞濃度を示し、線は二連の振盪フラスコの平均を示す。 図5は、振盪フラスコ試験における乳酸の蓄積を示す。線は二連の条件の平均を示す。 図6は、試験した全ての条件でのアンモニウム蓄積を示す。線は、試験した各条件での二連の振盪フラスコの平均を示す。 図7は、α−ケトグルタレート及びオキサロ酢酸の培養液への添加に対するアンモニウムの蓄積を示す。線は、試験した各条件での二連の振盪フラスコの平均を示す。 図8は、異なるレベルのTCA中間体で処理した培養液の細胞比生産性を示す。エラーバーは、値の範囲を示す。 図9は、DOEのブロック1及びブロック2において試験した全ての条件についての生存細胞濃度を示す。 図10は、DOEのブロック1及びブロック2において試験した全ての条件についてのアンモニア蓄積プロフィールを示す。 図11は、DOEのブロック1及びブロック2において試験した全ての条件についての最大アンモニア蓄積を示す。 図12は、DOEのブロック1及びブロック2において試験した全ての条件についての最終細胞比生産性を示す。 図12a、12b、及び12cは、対照培養に対するピルベートの用量応答を示す。NH4 +の濃度は用量に依存するが、効果はわずか数日しか続かない。NH4 +の生産は、ピルベートが消費されると再開する(図12b)。図は順番に、(a)生存細胞濃度、(b)培養時間の関数としてのNH4 +の蓄積、及び(c)細胞比NH4 +生産を示す。図(c)において、曲線の傾きは、細胞比生産又は消費速度を示す。 図13a、13b、及び13cは、対照培養に対するα−ケトグルタレートの用量応答を示す。 図14a、14b、及び14cは、対照培養に対するマレートの用量応答を示す。 図15a、15b、及び15cは、対照培養に対するオキサロアセテートの用量応答を示す。 図16a、16b、及び16cは、対照培養に対するフマレートの用量応答を示す。 図17は、対照培養に対するシトレートの用量応答を示す。 図18a、18b、及び18cは、対照培養に対するマレート、ピルベート、α−ケトグルタレート、フマレート、及びオキサロアセテートの用量応答を示す。 図19a、19b、及び19cは、培養液への二つのTCA中間体の添加の効果を示す。 図20a、20b、及び20cは、培養液への三つのTCA中間体の添加の効果を示す。 図21〜22は、一つのTCA中間体の添加についての平均細胞比生産性を示す。 図21と同じ。 図23は、二つのTCA中間体の組み合わせについての平均細胞比生産性を示す。 図24は、三つのTCA中間体の組み合わせについての平均細胞比生産性を示す。
他で定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が関する分野における通常の知識を有する者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で記載されるのと同様又は等価な任意の方法及び材料が本発明の試験のための実施において用いられ得る。本発明の説明及び特許請求の範囲において、以下の用語が用いられる。
本発明が、特定の方法、試薬、化合物、組成物、又は生物学的システムに限定されるものではなく、それがもちろん変更し得ることが理解される。また、本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけであって、限定することを意図するものではないことが理解される。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる単数形の用語は、文脈が他で明示的に指示しない限り、複数の対象を含む。したがって、例えば、「糖」への言及は、二つ以上の糖の組み合わせを含む等である。
量、時間等の測定可能な数値について言及する際に本明細書で用いられる「約」は、特定の値から±20又は±10%、例えば±5%、±1%、及び±0.1%の変動を包含することを意図し、したがって、開示された方法を実施するためにバリエーションが適切である。
一態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法であって、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のトリカルボン酸(「TCA」)中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養において細胞の生産性を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップを含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、哺乳動物細胞培養において細胞増殖を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップ、を含む前記方法に関する。
別の態様において、本発明は、TCA中間体組成物を含む細胞培養培地に関する。
幾つかの実施形態では、TCA中間体は、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、及びオキサロ酢酸である。幾つかの実施形態では、TCA中間体は、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、及びオキサロ酢酸のカリウム又はナトリウム塩である。
幾つかの実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのオキサロ酢酸(又はその塩)を含む。幾つかの実施形態では、オキサロ酢酸(又はその塩)は、約5mM、約15mM、又は約15mMの終濃度で培養に添加された。
一実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのリンゴ酸(又はその塩)を含む。幾つかの実施形態では、リンゴ酸(又はその塩)は、約5mM、約15mM、又は約15mMの終濃度で培養に添加された。
一実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのピルビン酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのピルビン酸(又はその塩)を含む。幾つかの実施形態では、ピルビン酸(又はその塩)は、約15mM、約30mM、又は約45mMの終濃度で培養に添加された。
一実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのα−ケトグルタル酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのα−ケトグルタル酸(又はその塩)を含む。幾つかの実施形態では、α−ケトグルタル酸(又はその塩)は、約15mM、約30mM、又は約45mMの終濃度で培養に添加された。
一実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのフマル酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのフマル酸(又はその塩)を含む。幾つかの実施形態では、フマル酸(又はその塩)は、約15mM、約30mM、又は約45mMの終濃度で培養に添加された。
一実施形態では、TCA中間体組成物は、約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸(又はその塩)及び約0.1mM〜約100mMのピルビン酸(又はその塩)を含む。他の実施形態では、TCA中間体組成物は約3mM〜約45mMのリンゴ酸(又はその塩)及び約3mM〜約45mMのピルビン酸(又はその塩)を含む。
用語「細胞培養培地」及び「培養培地」及び「発酵培地」は、以下のカテゴリーの一以上由来の少なくとも一つの成分を典型的に提供する、哺乳動物細胞を増殖させるために用いられる栄養液を指す:
1)通常グルコース等の炭水化物の形態の、エネルギー源、
2)全ての必須アミノ酸、及び通常20のアミノ酸の基本セット及びシステイン、
3)ビタミン及び/又は低濃度で必要とされる他の有機化合物、
4)遊離の脂肪酸、及び
5)微量元素(微量元素は、典型的に非常に低い濃度、通常マイクロモル濃度の範囲で必要とされる無機化合物又は天然の元素として定義される)。
栄養液は、任意に、以下のカテゴリーのいずれか由来の一以上の成分が補充されていてもよい:
1)ホルモン及び他の増殖因子、例えば、インスリン、トランスフェリン、及び上皮増殖因子等、
2)塩及びバッファー、例えば、カルシウム、マグネシウム、及びホスフェート等、
3)ヌクレオシド及び塩基、例えば、アデノシン、チミジン、及びヒポキサンチン等、並びに
4)タンパク質及び組織加水分解物。
細胞培養培地は、培地があらゆる哺乳動物供給源由来の血清(例えば、ウシ胎児血清「FBS」)を本質的に含まない場合、一般に「血清を含まない」。「本質的に含まない」とは、細胞培養培地が約0〜5%の血清、好ましくは約0〜1%の血清、及び最も好ましくは約0〜0.1%の血清を含むことを意味する。
用語「哺乳動物宿主細胞」、「宿主細胞」、「哺乳動物細胞」等は、適切な栄養及び増殖因子を含む培地において、モノレイヤー培養、又は懸濁培養のいずれかにおかれた場合に、増殖及び生存が可能な哺乳動物由来の細胞株を指す。特定の細胞株についての必須の増殖因子は、例えば、Mammalian Cell Culture, Mather, J. P. ed., Plenum Press, N.Y. (1984)、及びBarnes and Sato, (1980) Cell, 22:649に記載されている様に、過度の実験なしに経験的に容易に決定される。典型的に、細胞は大量の目的の特定の糖タンパク質を発現し、培養培地に分泌することができる。本発明の文脈における好適な哺乳動物宿主細胞の例として、チャイニーズハムスター卵巣細胞、CHO/-DHFR(CHO, Urlaub and Chasin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:4216 (1980)); dp12.CHO細胞 (1985年3月15日に公開されたEP 307,247))、マウスセルトリ細胞((TM4, Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 (1980))、ヒト子宮頸癌細胞(HELA, ATCC CCL 2)、ヒト肺細胞(W138, ATCC CCL 75)、ヒト肝臓細胞(Hep G2, HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562, ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 [1982])、MRC5細胞、FS4細胞が挙げられる。
幾つかの実施形態では、細胞の細胞比生産性もまた、維持される。幾つかの実施形態では、細胞は、CHO細胞、NS0細胞、Sp2/0細胞、COS細胞、K562細胞、BHK細胞、PER.C6細胞、及びHEK細胞からなる群より選択される。幾つかの実施形態では、細胞は、CHO細胞株又はCHO細胞のサブクローン、例えば限定されるものではないが、CHO K1、CHO pro3-、CHO DUXB11及びCHO DG44細胞である。
細胞培養の「増殖期」は、細胞が一般に急速に分裂する、対数細胞増殖の期間(対数期)を指す。この期間、細胞は、ある期間、通常1〜5日間及び細胞増殖が最大化される条件下で、培養される。宿主細胞についての増殖期の決定は、過度の実験を伴わずに、想定される特定の宿主細胞について決定され得る。「期間、及び細胞増殖が最大化される条件下」等は、特定の細胞株について、細胞増殖及び分裂について最適であると決定される培養条件を指す。増殖期の間、細胞は必須の添加物を含む栄養培地において、最適な細胞増殖が特定の細胞株について達成されるように、一般には30℃〜40℃で、好ましくは37℃で、加湿され、制御された大気中で培養される。細胞は約1〜5日の期間、通常2〜3日の間、増殖期に維持される。
細胞培養の「移行期」は、生産期のための培養条件が関与する期間を指す。移行期の間、銅イオン濃度及び温度等の環境因子は、増殖期から生産条件に変更される。
細胞培養の「生産期」は、細胞増殖が定常に達し、又はほぼ一定のレベルで維持される期間を指す。生産期の間、対数細胞増殖は終わり、タンパク質の生産が主要である。この期間の間、培地は一般に継続したタンパク質生産を支持するため、及び所望の糖タンパク質産物を達成するために補充される。
本明細書で用いられる用語「発現」又は「発現する」は、宿主細胞内で起こる転写及び翻訳を指す。宿主細胞における産物遺伝子の発現レベルは、細胞に存在する対応するmRNAの量又は細胞によって生産される産物遺伝子によってコードされるタンパク質の量に基づいて決定され得る。例えば、産物遺伝子から転写されたmRNAは、望ましくはノーザンハイブリダイゼーションによって定量される。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, pp. 7.3-7.57 (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)。産物遺伝子によってコードされるタンパク質は、タンパク質の生物学的活性についてアッセイすることによって、又はタンパク質と反応することができる抗体を用いるウエスタンブロッティング又は放射イムノアッセイ等の、かかる活性とは独立したアッセイを行うことによって、定量され得る。Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, pp. 18.1-18.88 (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)。
本発明の哺乳動物細胞培養は、培養される特定の細胞に好適な培地において調製され得る。Ham's F10(Sigma)、基礎培地(MEM, Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ改変イーグル培地(DMEM, Sigma)等の市販の培地は、代表的な栄養液である。さらに、Ham and Wallace, (1979) Meth. Enz., 58:44; Barnes and Sato, (1980) Anal. Biochem., 102:255; 米国特許番号4,767,704; 4,657,866; 4,927,762; 5,122,469又は4,560,655; 国際公開番号WO 90/03430;及びWO 87/00195(その全ての開示を参照により本明細書に組込む)に記載されている任意の培地が、培養培地として用いられ得る。これらの培地のいずれも、必要であればホルモン及び/又は他の増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、又は上皮増殖因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びホスフェート)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えばゲンタマイシンTM薬剤)、微量元素(マイクロモル濃度の範囲の終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、脂質(例えば、リノール酸又は他の脂肪酸)及びそれらの好適な担体、並びにグルコース又は同等のエネルギー源を補充してもよい。当業者に知られる他の任意の必須サプリメントもまた、適切な濃度で含まれ得る。
特定の実施形態では、哺乳動物宿主細胞はCHO細胞、好ましくは、CHO DUX(DHFR-)又はそれらのサブクローン、例えばCHO K1、CHO pro3-、CHO DG44、CHO DP12細胞であり、好適な培地は、基礎培地成分、例えばDMEM/HAM F-12ベースの処方(DMEM及びHAM F12及び特に血清を含まない培地の組成については、American Type Culture Collection Catalogue of Cell Lines and Hybridomas, Sixth Edition, 1988, pages 346-349の培養培地処方を参照されたい)(米国特許番号5,122,469に記載された培地の処方が、特に適切である)を含み、アミノ酸、塩、糖、及びビタミン等、並びに任意にグリシン、ヒポキサンチン、及びチミジン;組換えヒトインスリン、加水分解ペプトン、例えばプロテアーゼペプトン2及び3、プリマトン(Primatone)HS又はプリマトンRL(Difco, USA; Sheffield, England)又はその等価物;細胞保護剤、例えばプルロニック(Pluronic)F68又はその等価物であるプルロニックポリオール;ゲンタマイシン;及び微量元素等の幾つかの成分の改変された濃度を含む。好ましくは、細胞培養培地は、血清を含まない。
ポリペプチドは、多様な細胞培養条件下で所望のタンパク質を発現する増殖細胞によって生産され得る。例えば、タンパク質の大規模又は小規模な生産にとっての細胞培養手順が、本発明の文脈において潜在的に有用である。手順として、限定するものではないが、例えば、流動層バイオリアクター、ホローファイバーバイオリアクター、回転ボトル培養、又は撹拌タンクバイオリアクターシステムが用いられ得、後の二つのシステムは、マイクロキャリアを用いる又は用いず、代替的にバッチ、フェドバッチ、又は連続モードで実施され得る。
一実施形態では、本発明の細胞培養は、撹拌タンクバイオリアクターシステムにおいて実施され、フェドバッチ培養手順が用いられる。一実施形態では、哺乳動物宿主細胞のフェドバッチ培養及び培養培地は、最初に培養ベッセルに供給され、培養が終わる前に周期的な細胞及び/又は産物の回収をしながら、又はせずに、培養中に、培養に対して追加の培養栄養が連続的に又は別々の増加量において供給される。フェドバッチ培養として、例えば、周期的に全培養(細胞及び培地を含む)が除かれ、新鮮な培地に置換される、半連続式フェドバッチ培養が挙げられる。フェドバッチ培養は、培養プロセスの開始時点で培養ベッセルに、細胞培養のための全ての成分(細胞及び全ての培養栄養を含む)が供給されるシンプルバッチ培養とは区別される。フェドバッチ培養はさらに、プロセスの間培養ベッセルから上清が取り除かれない限りにおいて、灌流培養とは区別される(灌流培養では、細胞は、例えば濾過、カプセル封入、マイクロキャリアへの固着、沈降等により培養に拘束され、培養培地は連続的に又は断続的に導入され、培養ベッセルから取り除かれる)。
さらに、培養の細胞は、熟慮される特定の宿主細胞及び特定の生産計画に好適であり得る任意のスキーム又はルーチンに従って、増殖され得る。したがって、本発明は、単一ステップ又は複数ステップ培養手順を熟慮する。単一ステップ培養では、宿主細胞は培養環境に接種され、本発明のプロセスは、細胞培養の単一の生産期の間に行われる。あるいは、複数段階培養が想定される。複数段階培養では、細胞は多くのステップ又はフェーズにおいて培養され得る。例えば、細胞は第一のステップにおいて又は増殖期培養において培養され得、ここで、おそらく保管から取り除かれた細胞が、増殖及び高い生存性を促進するために好適な培地に接種される。細胞は、新鮮な培地を宿主細胞培養に添加することによって、好適な期間、増殖期に維持され得る。
本発明の他の態様に従って、フェドバッチ又は連続細胞培養条件は、細胞培養の増殖期において哺乳動物細胞の増殖を高めるために工夫される。増殖期において、細胞は増殖を最大化する条件及び期間、増殖される。温度、pH、及び溶存酸素(dO2)等の培養条件は、特定の宿主に用いられるものであり、当業者には明らかであろう。一般には、pHは酸(例えば、CO2)又は塩基(例えば、Na2CO3又はNaOH)」のいずれかを用いて約6.5〜7.5の間のレベルに調整される。CHO細胞等の哺乳動物細胞の培養に好適な温度範囲は、約30〜38℃、及び好適には約37℃であり、好適なdO2は空気飽和度の5〜90%である。
特定の段階において、細胞は、生産期又は細胞培養の段階に接種するために用いられ得る。あるいは、上記の通り、生産期又は段階は、接種又は増殖期又は段階と連続的であり得る。一実施形態では、細胞培養はフェドバッチ細胞培養である。
「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は本明細書において、アミノ酸残基のポリマーを言及するために、互換的に用いられる。ポリペプチドは、天然(組織由来の)起源、組換え又は原核若しくは真核細胞調製物由来の天然発現、又は合成法により化学的に生産されるものであり得る。該用語は、一以上のアミノ酸残基が、対応する天然のアミノ酸の人工的な化学模倣物であるアミノ酸ポリマー、並びに天然のアミノ酸ポリマー及び非天然のアミノ酸ポリマーに適用される。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般的な化学構造とは異なる構造を有するが、天然のアミノ酸と同様の方法で機能する化学化合物を指す。非天然残基は、科学文献及び特許文献において十分に記載されている;天然アミノ酸残基の模倣物として有用なわずかな例示的な非天然成分及びガイドラインが以下に記載される。芳香族アミノ酸の模倣物は、例えば、D-又はL-ナフィルアラニン(naphylalanine);D-又はL-フェニルグリシン;D-又はL-2チエネイルアラニン(thieneylalanine);D-又はL-1,-2,3-又は4-ピレネイルアラニン(pyreneylalanine);D-又はL-3チエネイルアラニン(thieneylalanine);D-又はL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-又はL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-又はL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-又はL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-又はL-p-ビフェニルフェニルアラニン;K-又はL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-又はL-2インドール(アルキル)アラニン;及びD-又はL-アルキルアラニン(alkylalanine)によって置換することによって作製され得、ここでアルキルは置換されたか又は未置換のメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソ-ブチル、2級-イソチル(isotyl)、イソ-ペンチル、又は非酸性アミノ酸であり得る。非天然アミノ酸の芳香環として、例えば、チアゾイル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、及びピリジル芳香環が挙げられる。
本明細書で用いられる「ペプチド」は、本明細書にて具体的に例示されるペプチドの保存的変異であるペプチドを含む。本明細書で用いられる「保存的変異」は、別の生物学的に類似する残基によるアミノ酸残基の置換を意味する。保存的変異の例としては、限定するものではないが、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、システイン、グリシン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、ノルロイシン、又はメチオニン等の一つの疎水性残基を別の疎水性残基で置換すること、又はアルギニンのリジンでの置換、グルタミン酸のアスパラギン酸での置換、若しくはグルタミンのアスパラギンでの置換等の一つの極性残基を別の極性残基で置換すること等が挙げられる。互いに置換可能であり得る中性親水性アミノ酸としては、アスパラギン、グルタミン、セリン、及びスレオニンが挙げられる。「保存的変異」はまた、その置換ポリペプチドに対して産生された抗体が、非置換ポリペプチドとも免疫反応を起こす限り、非置換の親アミノ酸の代わりに置換アミノ酸を用いることも含む。そのような保存的置換は、本発明のペプチドのクラスの定義の範囲内である。本明細書で用いられる「カチオン性」とは、pH7.4にて正味の正電荷を有するいずれのペプチドをも指す。ペプチドの生物活性は、当業者に公知であり、本明細書に記載される標準的な方法によって測定され得る。
タンパク質に関連して用いられる場合、「組換え」は、異種核酸若しくはタンパク質の導入によって、又は天然核酸若しくはタンパク質の変化によって修飾されたタンパク質を示す。
本明細書で用いられる「治療タンパク質」は、哺乳類に投与されて、例えば研究者若しくは医師が求めている組織、系、動物、若しくはヒトの生物学的又は医学的応答を引き起こし得る任意のタンパク質及び/又はポリペプチドを指す。治療タンパク質は、二つ以上の生物学的又は医学的応答を引き起こし得る。さらに、用語「治療有効量」は、そのような量を受けていない対応する対象と比較して、限定するものではないが、疾患、障害、若しくは副作用の治癒、予防、若しくは寛解、又は疾患若しくは障害の進行速度の低下をもたらす、いかなる量をも意味する。この用語はまた、正常な生理学的機能の向上に有効である量、並びに第二の医薬剤の治療効果を向上又は補助する患者の生理学的機能を誘発するのに有効である量もその範囲内に含む。
本明細書において特定される「アミノ酸」残基はすべて、天然のL-配置である。標準的なポリペプチド命名法に従って、アミノ酸残基に対する略号を以下の表に示す。
Figure 2016509866
アミノ酸残基配列はすべて、本明細書において、その左から右への配向が慣例的なアミノ末端からカルボキシ末端への方向である式によって表されることに留意されたい。
別の実施形態では、ポリペプチドは、抗原結合ポリペプチドである。一つの実施形態では、抗原結合ポリペプチドは、可溶性受容体、抗体、抗体断片、免疫グロブリン単一可変ドメイン、Fab、F(ab’)2、Fv、ジスルフィド結合Fv、scFv、閉鎖コンフォメーション(closed conformation)の多重特異性抗体、ジスルフィド結合scFv、又は二重特異性抗体からなる群より選択される。
本明細書で用いられる用語「抗原結合ポリペプチド」は、抗体、抗体断片、及び抗原に結合する能力を有するその他のタンパク質コンストラクトを意味する。
Fv、Fc、Fd、Fab、又はF(ab)2の用語は、これらの標準的な意味で用いられる(例えば、Harlow et al., Antibodies A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, (1988)を参照されたい)。
「キメラ抗体」は、ドナー抗体由来の天然の可変領域(軽鎖及び重鎖)を、アクセプター抗体由来の軽鎖及び重鎖定常領域と合わせて含有する、遺伝子操作された抗体の種類を指す。
「ヒト化抗体」は、非ヒトドナー免疫グロブリン由来のCDRを有し、分子の残りの免疫グロブリン由来部分が、一つ(以上)のヒト免疫グロブリン由来である遺伝子操作された抗体の種類を指す。加えて、フレームワーク支持残基(framework support residues)は、結合親和性を保存するために、改変されてよい(例えば、Queen et al., Proc. Natl. Acad Sci USA, 86:10029-10032 (1989)、Hodgson et al., Bio/Technology, 9:421 (1991)を参照されたい)。好適なヒトアクセプター抗体は、従来のデータベース、例えば、KABAT.RTM.データベース、Los Alamosデータベース、及びSwiss Proteinデータベースより、ドナー抗体のヌクレオチド及びアミノ酸配列に対する相同性によって選択されるものであってよい。ドナー抗体のフレームワーク領域に対する相同性(アミノ酸基準)によって特徴付けられるヒト抗体は、ドナーCDRの挿入のための重鎖定常領域及び/又は重鎖可変フレームワーク領域を提供するのに好適であり得る。軽鎖定常又は可変フレームワーク領域を提供することができる好適なアクセプター抗体は、類似の方法で選択することができる。アクセプター抗体重鎖及び軽鎖が、同じアクセプター抗体に由来する必要はないことには留意されたい。先行技術には、かかるヒト化抗体作製のためのいくつかの方法が記載されており、例えば、欧州特許第0239400A号及び欧州特許第054951A号を参照されたい。
用語「ドナー抗体」は、その可変領域、CDR、若しくはその他の機能性断片、又はそれらのアナログのアミノ酸配列を、第一の免疫グロブリンパートナーへ与え、それによって、改変免疫グロブリンコード領域を提供し、ドナー抗体に特徴的である抗原特異性及び中和活性を有する発現された改変抗体を提供する(モノクローナル及び/又は組換え)抗体を指す。
用語「アクセプター抗体」は、ドナー抗体に対して異種であり、その重鎖及び/若しくは軽鎖フレームワーク領域、並びに/又はその重鎖及び/若しくは軽鎖定常領域をコードするアミノ酸配列のすべて(又はいずれかの部分、しかしいくつかの実施形態では、すべて)を、第一の免疫グロブリンパートナーへ与える(モノクローナル及び/又は組換え)抗体を意味する。特定の実施形態では、ヒト抗体が、アクセプター抗体である。
「CDR」は、免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の超可変領域である、抗体の相補性決定領域アミノ酸配列として定義される(例えば、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 4th Ed., U.S. Department of Health and Human Services, National Institutes of Health (1987)を参照されたい)。免疫グロブリンの可変部分には、3つの重鎖CDR及び3つの軽鎖CDR(又はCDR領域)が存在する。したがって、本明細書で用いられる場合、「CDR」は、3つの重鎖CDRすべて、又は3つの軽鎖CDRすべて(又は、適当な場合、すべての重鎖CDR及びすべての軽鎖CDRの両方)を意味する。抗体の構造及びタンパク質フォールディングは、他の残基が抗原結合領域の一部と見なされることを意味し得、当業者にはそのように理解されるであろう。例えば、Chothia et al., (1989) Conformations of immunoglobulin hypervariable regions、 Nature 342, p 877-883、を参照されたい。
本明細書で用いられる場合、用語「ドメイン」は、タンパク質の残りの部分とは独立した三次構造を有するフォールドされたタンパク質構造を指す。一般的に、ドメインは、タンパク質の別々の機能特性を担っており、多くの場合、タンパク質及び/又はそのドメインの残りの機能を喪失することなく、付加、除去、又は他のタンパク質へ転移され得る。「抗体単一可変ドメイン」は、抗体可変ドメインに特徴的な配列を含むフォールドされたポリペプチドドメインである。従って、それは、完全な抗体可変ドメイン、及び修飾可変ドメイン、例えば、一つ以上のループが抗体可変ドメインに特徴的ではない配列によって置き換えられたもの、又は、切断された、又はN末端若しくはC末端伸長を含む抗体可変ドメイン、並びに少なくとも完全長ドメインの結合活性及び特異性を維持する可変ドメインのフォールドされた断片を含む。
語句「免疫グロブリン単一可変ドメイン」は、異なるV領域又はドメインとは独立して、抗原又はエピトープと特異的に結合する抗体可変ドメイン(VH、VHH、VL)を意味する。免疫グロブリン単一可変ドメインは、他の異なる可変領域又は可変ドメインとのフォーマット(例えば、ホモダイマー又はヘテロマルチマー)として存在し得、ここで、他の領域又はドメインは、単一免疫グロブリン可変ドメインによる抗原結合に必要ではない(すなわち、免疫グロブリン単一可変ドメインは、追加の可変ドメインとは独立して抗原と結合する)。「ドメイン抗体」又は「dAb」は、その用語が本明細書にて用いられる場合、抗原と結合することができる「免疫グロブリン単一可変ドメイン」と同じである。免疫グロブリン単一可変ドメインは、ヒト抗体可変ドメインであり得るが、(例えば、国際公開第00/29004号に開示される)げっ歯類、コモリザメ、及びラクダ科(Camelid)VHHdAb(ナノボディ)等、他の種由来の単一抗体可変ドメインも含む。ラクダ科VHHは、元々軽鎖のない重鎖抗体を産生するラクダ、ラマ、アルパカ、ヒトコブラクダ、及びグアナコを含む種由来である免疫グロブリン単一可変ドメインポリペプチドである。かかるVHHドメインは、本技術分野で利用可能である標準的な技術に従ってヒト化することができ、かかるドメインは、依然として、本発明において「ドメイン抗体」とみなされる。本明細書で用いられる場合、VHは、ラクダ科VHHドメインを含む。NARVは、コモリザメを含む軟骨魚類中にて同定された別の種類の免疫グロブリン単一可変ドメインである。これらのドメインは、新規抗原受容体可変領域(Novel Antigen Receptor variable region)(一般的に、V(NAR)又はNARVと略される)としても知られる。さらなる詳細については、Mol. Immunol. 44, 656-665 (2006)及び米国特許出願第20050043519A号を参照されたい。
用語「エピトープ結合ドメイン」は、異なるV領域又はドメインとは独立して、抗原又はエピトープと特異的に結合するドメインを指し、これは、ドメイン抗体(dAb)、例えばヒト、ラクダ科、又はサメ免疫グロブリン単一可変ドメインであってよい。
本明細書で用いられる場合、用語「抗原結合部位」は、抗原と特異的に結合することができるタンパク質上の部位を意味し、これは、単一ドメイン、例えばエピトープ結合ドメインであり得、又はこれは、標準的な抗体上で見ることができる対となったVH/VLドメインであってもよい。本発明のいくつかの態様では、一本鎖Fv(ScFv)ドメインは、抗原結合部位を提供することができる。
用語「mAbdAb」及び「dAbmAb」は、本発明の抗原結合タンパク質を指すために本明細書で用いられる。これら2つの用語は、互換的に用いられ得、本明細書で用いられる場合、同じ意味を有することを意図している。
実施例1−材料及び方法/実験デザイン
幾つかのTCAサイクル中間体を用量応答実験のために商業的入手性に基づいて選択し、酸又はその塩をSigma Aldrichから購入し、本試験において用いるためのストック溶液供給物を調製した。選択した化合物は、ピルビン酸、クエン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、リンゴ酸(又はその塩)、及びオキサロ酢酸(ナトリウム塩は利用可能でない)であった。
オキサロ酢酸及びリンゴ酸を5 mM、10 mM及び15mMの終濃度で培養液に添加した。試験したTCA中間体の残りを、15 mM、30 mM及び45 mMの終濃度で培養液に添加した。図1は、試験したTCAサイクル化合物及びその経路における位置を要約したものである。表1は、本試験における振盪フラスコの実施条件及び用量応答試験のための供給スケジュールを要約したものである。
対照振盪フラスコを、常に開始した試験の一部として設定した。それらの対照振盪フラスコは、いかなるTCA中間体も添加しないフェドバッチ培養であった。試験したすべての条件を、二連の振盪フラスコにおいて実施した。
Figure 2016509866
実施例2−選択されたTCA中間体への相互作用を試験するための実験のデザイン(DOE)/分析法
全ての選択した成分の相互作用を試験するための実験を、二ブロックで実施した。ブロックのそれぞれを、中間点及び対照振盪フラスコ(いかなる成分も添加しないバッチ培養)を含むようにデザインした。第一のブロックでは、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸及びオキサロ酢酸の相互作用を試験した。第二のブロックでは、ピルビン酸、α−ケトグルタル酸、フマル酸、オキサロ酢酸及びリンゴ酸の相互作用を試験した。図2は、ブロック#1の実験設定を示し、図3は、ブロック#2の実験設定を示す。全ての条件を二連で試験した。振盪フラスコの実施条件を表2に示す。
Figure 2016509866
総細胞濃度(TCC)、生存細胞濃度(VCC)、細胞生存性、代謝物質(グルコース、ラクテート、グルタミン、グルタメート及びアンモニア)濃度、及び容量モル浸透圧濃度を決定するために、振盪フラスコ培養液を一日おきにサンプリングした。マスターサンプルを細胞ベースのアッセイ(TCC、生存性アッセイ)及び無細胞アッセイ(代謝物質濃度、容量モル浸透圧濃度)に分割した。将来の参照のために、バックアップサンプル(無細胞上清)を、マスターサンプルの一部を遠心し、Nuncクリオバイアル(cryovial)に1.8mlずつ等分することによって調製し、次にこれを-70℃で保管した。力価を、0.22μmフィルターでろ過したサンプルについて決定した。
TCC、VCC及び生存性を、トリパンブルー排除法に基づく自動細胞カウンター(ViCell XR, Beckman Coulter)を用いて決定した。サンプルを、細胞計測の前に、等量のプロテアーゼストック溶液及び培養液を用いて、プロテアーゼ(TripLE, Life Technologies, USA)で前処理した。分離させるためのインキュベーションを、穏やかな撹拌下で、37℃で20〜25分間行った。代謝物質を、酵素に基づく電気化学反応によって機能するNova Bioprofile (Nova Bioprofile 400)を用いて測定した。容量モル浸透圧濃度は、凝固点降下法(Advanced Instruments, Model N/A)に基づいて測定した。濾過した無細胞サンプルを、抗体蓄積及び結合活性決定(Biacore)のために、Bioanalytical Developmentグループに送った。
パラメーターの計算
生存細胞濃度の積分(IVC)
生存細胞濃度の積分を、VCCデータを用いて、以下の式に従う台形公式を利用して計算した:
Figure 2016509866
式中、IVCは生存細胞密度(=(106 cells/mL).day)の積分、
tは、培養時間(=日)、
VCCは、生存細胞密度(=106 cells/mL)、
niは、培養を通して採取されたサンプルの数、計算のためにはi=4、
比生産性を、最後に計算したIVC値で割った最後の力価データ点を用いて計算した。
実施例3−用量応答の結果
実験を三つのブロックに分けた。第一のブロックでは、ピルビン酸、クエン酸、α−ケトグルタル酸及びフマル酸を試験した。第二のブロックでは、オキサロ酢酸を試験し、第三のブロックではリンゴ酸を試験した。
図4は、全ての振盪フラスコについての統合した平均VCC結果を示す。クエン酸で処理した全ての培養液は、生存細胞濃度の減少によって示される様に、培養液へのクエン酸の添加の後2日以内に急激に生存性を失った。高濃度(15 mM及び30 mM)で培養液に添加したリンゴ酸もまた、図4で見られるように、培養液の細胞生存性の損失をもたらした。この場合、リンゴ酸の添加は、15mMに続く30mM濃度のリンゴ酸によって誘導される生存性の急速な低下において、用量応答効果を示したが、培養液のリンゴ酸濃度が5mMであった場合には、(対照の振盪フラスコと比べて)生存性の低下は全く示さなかった。
ラクテートの蓄積は、培養液に添加されたTCA中間体のタイプ及び量に依存していた。対照の振盪フラスコは、ラクテート消費期の約7日後にピークに達する低いラクテート蓄積(<1.0 g/L)を示した。
45mMのピルビン酸が培養液に添加された場合、ラクテート蓄積は約3 g/Lに達した。他の全てのTCA中間体は、1 g/L〜2 g/Lのレベルへのラクテートの蓄積に影響を与えた。5mMの終濃度でリンゴ酸を添加した振盪フラスコにおけるラクテート蓄積プロフィールは、対照振盪フラスコで見られたものと同様であった。
アンモニウムプロフィールは、異なるレベルの蓄積を示した。対照条件を試験する振盪フラスコにおけるアンモニア濃度は、9mM近くに達した。図6は、用量応答試験において試験された全ての条件についてのデータを要約している。5日目での45mMの終濃度での培養液へのピルビン酸の添加は、10日目までのアンモニアの消費を誘導した。培養におけるこの時点の後、アンモニア蓄積は再開し、7mMの終濃度に達した。ピルピン酸を30mMで添加した場合、アンモニアの消費効果は8日目までしか続かず、その後アンモニアは8mMまで蓄積した。15mMの終濃度でのピルビン酸の添加は、アンモニアの減少に小さな効果しか有しておらず、培養液は、対照振盪フラスコにおいて見られたものよりもわずかに高いレベルまで蓄積した。
最も優れたアンモニア蓄積の制御をもたらすTCA中間体は、α−ケトグルタル酸及びオキサロ酢酸であった。これらの中間体は、試験した濃度でアンモニア濃度を3mM〜6mMに維持した。図7は、α−ケトグルタル酸及びオキサロ酢酸のアンモニア蓄積への効果を要約している。
TCA中間体の培養液の添加は、最終細胞比生産性にも影響を与えた。対照培養の場合、計算された細胞比生産性の値は平均で31 pg/cell/day(範囲は24〜35 pcd)であり、45mMのピルビン酸で処理した培養液は、〜24 pg/cell/dayへの細胞比生産性の低下を示した。オキサロ酢酸で処理した培養液のみが、アンモニア蓄積レベルの低減を示し、図8に示された細胞比生産性を維持した。全ての他のTCA中間体の添加は、細胞比生産性の低下を示した。
したがって、アンモニアを制御し、細胞比生産性レベルを維持するのに最も優れたTCA中間体は、培養液において5〜15mMの濃度のオキサロ酢酸である。
実施例4−TCA中間体(2〜5)間の相互作用。DOEの結果
用量応答試験から、ピルビン酸、リンゴ酸、オキサロ酢酸、フマル酸、及びα−ケトグルタル酸を相互作用の試験に進めた。中間体のそれぞれの濃度を、用量応答実験の間に反応を示した濃度で選択した。幾つかの場合には、選択した濃度は、用量応答実験中に実際に試験した二つの値の間であった。
全体の試験における振盪フラスコの数によって、実験を二つのブロックに設定した。図2及び図3は、ブロックごとに試験した条件を示す。各ブロックは、(TCA中間体を添加しない)対照条件を含んでいた。
生存細胞濃度は、図9で示すように試験した全ての条件で、同様のピーク値を示した。6日目に観察されたVCCの低下は、培養液の幾つかの希釈が、培養液における所望の終濃度が得られるように生じたため、TCA中間体の添加によって説明される。
アンモニア蓄積の場合には、中間体への反応は、大きな変動を示した。対照条件の培養液は、9mMと同じ程度高いアンモニア蓄積を示し、一方20 mM ピルビン酸、20 mM α-ケトグルタレート、20 mM フマル酸の混合物は、培養の最後に2mMの最も低いアンモニア蓄積を示した。用量応答試験で観察された様に、リンゴ酸及びピルビン酸は、数日間アンモニアの生成を抑制し得、その後アンモニアレベルは、対照培養のレベルと同様の終濃度まで上昇した。図10は、全ての条件のデータを要約している。
図11は、試験した全ての条件のアンモニア蓄積のピークを示す。テキストボックスは、最も低いアンモニア蓄積を有する条件を示す。組み合わせのいくつかは、アンモニア濃度に対する制御を示した。マークを付けた全ての条件は、4mMに近い最大アンモニア濃度を示した(対照でのアンモニア濃度は〜9mM)。
最も低いアンモニア蓄積をもたらす条件を細胞比生産性データにマッピングした場合(図12)、結果はTCA中間体の組み合わせの幾つかが対照に比べて細胞比生産性に負の影響を有することを示している。
試験した全ての条件のうち、5 mM リンゴ酸 / 20 mM ピルビン酸、5 mM リンゴ酸 / 20 mM フマル酸、5 mM リンゴ酸 / 20 mM α−ケトグルタル酸、及び20 mM α−ケトグルタル酸の組み合わせは、細胞比生産性を維持し、アンモニアの生成を制御する。全ての場合において、細胞比生産性は、30 pg/cell/dayに近いレベルで維持された。
実施例5−TCA中間体のさらなる分析実験
図12a、12b及び12cは、対照培養と比べたピルベートの用量応答を示す。NH4 +の濃度は、用量に依存するが、効果はわずか数日しか続かなかった。ピルベートが消費されると、NH4 +の生産は再開する(図12b)。図は、順番に、(a)生存細胞濃度、(b)培養時間の関数としてのNH4 +蓄積、及び(c)細胞比NH4 +生産を示す。図(c)では、曲線の傾きが細胞比生産又は消費速度を示している。
αケトグルタレート(α-KG)の場合には、細胞の分裂は停止するようである(中間体の添加後の平坦なVCC曲線)。試験した全ての濃度において、NH4 +蓄積及び細胞比生産速度が低減した。45mM濃度のα-KGは、培養液のNH4 +生産を低減するのに最も効果的な濃度であるようである(図13c)。
マレートの場合には、用量応答実験は、5mMより高い濃度が細胞に毒性であることを示している。5mM濃度では、図14b及び14cで示す様に、NH4 +蓄積又は生産へのリンゴ酸の明瞭な影響は存在しない。
オキサロアセテートの添加は、細胞の増殖にはいかなる有害な影響もなく(図15a)、10mM及び15mMの濃度では、それは細胞比生産速度及び培養液へのNH4 +蓄積を低減し得た。
培養液へのフマレートの添加は、細胞増殖を低減し(図16a)、NH4 +蓄積及び生産には部分的な効果しか有さなかった。フマレートのより高い用量(30mM及び45mM)が、培養の10日後の培養液におけるアンモニアの生産(及び蓄積)を安定化するために必要である。
シトレートの添加は、培養への有害な効果を有していた。NH4 +蓄積を低減するためのその使用は、避けるべきである。
幾つかの濃度で添加した選択された中間体を用いた第一の実験の結果を確認するために、第二の実験を設定した。この実験では、結果を確かめる際、細胞濃度に対する最小限の効果しか観察されなかった。マレート、オキサロアセテート、及びピルベートの添加は、NH4 +蓄積を部分的に低減し(図18b及び18c)、フマレートの添加は、NH4 +生産及び蓄積の速度を低下させる。α-KGの場合には、図18cはNH4 +が消費されることを示し、これは図18bでも示されている。
図19a〜19cは、二つのTCA中間体の培養への添加の効果を示す。一般に、細胞計測は、対照培養に対して大きな差を示さず、又は連続培養として回収されるため、VCCは大きく影響を受けなかった(図19a)。
NH4 +生産及び蓄積の場合には、二つのTCA中間体の添加がより良いNH4 +制御をもたらすことは明らかであった。図19cから、α-KGを含む組み合わせがより低い細胞比生産速度及び培養液における安定なNH4 +濃度をもたらすことを見出すことができる(黒の点線の近くの曲線)。
図20a〜20cは、3つのTCA中間体の培養液への添加の効果を示す。α-KG/フマレート/OAA及びピルベート/α-KG/OAAの組み合わせについて、この組み合わせの添加後に細胞計測が有意に影響されたことは、その使用を避けるべきであることを示唆している。ピルベート/α-KG/フマレートの組み合わせの場合には、細胞計測への効果はあまり顕著ではなかった。この同じ組み合わせは、NH4 +生産速度の低減及びNH4 +濃度の安定化を示した(それぞれ、図20c及び図20b)。
図21〜24は、一つのTCA中間体(図21及び22)、二つのTCA中間体の組み合わせ(図23)及び三つのTCA中間体(図24)の添加についての平均細胞比生産性を示す。
α-KGは、単独で用いた場合に、NH4 +蓄積を低減する最も効果的なTCA中間体として特定された。しかしながら、それはまた図21及び22で示す様に細胞比生産性の低減(対照に比べて約10〜20%)も示す傾向がある。
TCA中間体の組み合わせの場合には、ピルベート/マレートの組み合わせ(5mM/20mM)は、細胞比生産性を維持する一方で、許容可能なNH4 +の低減を達成した(図19b及びc)。NH4 +蓄積を低減するために用いられ得る多くの可能な組み合わせが存在し、それらは、目的に基づいて評価されるべきである。α-KGを含む組み合わせは、細胞比生産性を犠牲にして、他の組み合わせよりも良く作用すると予想される。
最後に、3つのTCA中間体を含む幾つかの組み合わせもまた、NH4 +蓄積を低減する。

Claims (23)

  1. 哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法であって、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のトリカルボン酸(「TCA」)中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  2. 哺乳動物細胞培養において細胞の生産性を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  3. 哺乳動物細胞培養において細胞増殖を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  4. 細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  5. 細胞比生産性もまた維持される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. TCA中間体組成物が、約3mM〜約45mMのオキサロ酢酸を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 約0.1mM〜約100mMのオキサロ酢酸を含む、細胞培養培地。
  8. 細胞比生産性もまた維持される、請求項7に記載の細胞培養培地。
  9. 約3mM〜約45mMのオキサロ酢酸を含む、請求項7又は8に記載の細胞培養培地。
  10. 哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法であって、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のトリカルボン酸(「TCA」)中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸及び約0.1 mM〜約100mMのピルビン酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  11. 哺乳動物細胞培養において細胞の生産性を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸及び約0.1 mM〜約100mMのピルビン酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  12. 哺乳動物細胞培養において細胞増殖を維持又は増加させる方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸及び約0.1 mM〜約100mMのピルビン酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  13. 細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸及び約0.1 mM〜約100mMのピルビン酸を含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  14. 細胞比生産性もまた維持される、請求項10〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. TCA中間体組成物が、約3mM〜約45mMのリンゴ酸及び約3mM〜約45mMのピルビン酸を含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 約0.1mM〜約100mMのリンゴ酸及び約0.1mM〜約100mMのピルビン酸を含む、細胞培養培地。
  17. 細胞比生産性もまた維持される、請求項16に記載の細胞培養培地。
  18. 約3mM〜約45mMのリンゴ酸及び約3mM〜約45mMのピルビン酸を含む、請求項16又は17に記載の細胞培養培地。
  19. 哺乳動物細胞培養においてアンモニウムイオン濃度を低減する方法であって、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のトリカルボン酸(「TCA」)中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのα−ケトグルタレートを含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  20. 細胞培養において抗体のグリコシル化パターンに対するアンモニウムイオン蓄積の影響を低減する方法であって、アンモニウムイオンの生成が低減され、
    a)細胞培養培地において細胞を増殖させるステップ、及び
    b)細胞培養培地に、有効量のTCA中間体組成物を接触させ又は投与するステップであって、前記TCA中間体組成物が約0.1mM〜約100mMのα−ケトグルタレートを含む前記ステップ、
    を含む、前記方法。
  21. TCA中間体組成物が、約3mM〜約45mMのα−ケトグルタレートを含む、請求項19又は20に記載の方法。
  22. 約0.1mM〜約100mMのα−ケトグルタレートを含む細胞培養培地。
  23. 約3mM〜約45mMのα−ケトグルタレートを含む、請求項22に記載の細胞培養培地。
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