JP2016509074A - 気相重合プロセスにおける樹脂特性の制御 - Google Patents

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Abstract

担持型ホスフィンイミン重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの加工性を劇的に改変するための方法。本方法は、置換又は無置換インデニルリガンド及びホスフィンイミン型リガンドを含むチタンを主体とするホスフィンイミン触媒を使用するときに、エチレンと少なくとも1つのα−オレフィンとの重合中に重合反応器温度を変化させることを包含する。重合温度の上昇は、コポリマーの応力指数の減少につながり、重合温度の低下は、コポリマーの応力指数の増大につながる。

Description

本発明は、気相重合プロセス中に相異なる重合温度の存在下で使用されたときに、相異なる分子量分布、応力指数及びメルトフロー比のエチレンコポリマーを生じさせる、担持型ホスフィンイミン触媒に関する。
エチレンコポリマーの分子量分布及び関連パラメータは、ポリマー加工性に関する重要な予測因子である。一般に、分子量分布の増大は、ポリマー加工性の増大を意味する。しかしながら、ポリマー分子量分布の変化は、光学的特性及び靱性等のポリマー特性にも影響し得る。したがって、加工性は例えばフィルム押出用途における重要なパラメータであるところ、ポリエチレンの分子量分布、応力指数及びメルトフロー比が増大するにつれて、これらがブローンフィルム特性に悪影響を与え得る。例えば、ポリマーの光学的特性、引張強さ及び落槍衝撃特性に悪影響が与えられ得る。さらに、ポリエチレンの加工性及び物性への要求は、相異なるポリマーの使用及び用途において異なり得る。
(任意選択によりコモノマーを用いる)エチレンの気相重合において、流動層反応器システムがしばしば用いられる。一般に、これらの反応器システムは、2つの反応区域を有する反応器、並びに圧縮器及び熱交換器を備える再循環ループを含む。二相系が反応区域において維持されており、反応区域では、成長中のポリエチレン樹脂粒子は、分配器板の中を通って反応器に入り込む気体流の中に懸濁した(すなわち流動体化された)固体である。触媒は注入用ラインを介して注入され、熱交換器は重合反応の熱を取り除く。
概して言えば、所与の触媒系を用いて流動層中で製造されたポリエチレン製品は、重合条件(コモノマー供給原料、反応温度、凝縮性炭化水素濃度等)が軽微なプロセスの変容に晒され得る場合でさえ、信頼性を伴って恒常的に生み出された均一な特性を有することが望ましい。実際、頑健な触媒系は、プロセス条件の変化に過度な影響を受けることなく且つ信頼性を伴って特定の製品を製造することができ、当技術分野において非常に望ましい。しかしながら、このような触媒系には欠点があり、すなわち、ポリエチレン製品が、選定される特定の触媒の選定に縛られる。一般的に、例えば異なる分子量分布を有するポリエチレンを製造するためには、大きく異なるプロセス条件を用いなければならず、又は新しい触媒系を探求しなければならない。非常に多様なプロセス条件を探求する場合、その他の望ましい製品の特質が失われることもあり得るし、又は触媒が商用として許容される水準において働かないこともあり得る。代わりに、新しい触媒の使用により、反応器の操業停止が必要になることもあり得る。
前記の観点から、軽微なプロセス変更に晒された場合に有用な特性を有する差別化された製品を製造することができる、新しい触媒系を見出すことが望ましい。このような触媒系は、米国特許出願第20120252994A1号において最近開示された。用いられた「独特な」触媒系は、シリカに担持された架橋メタロセン触媒を含んでいた。シリカにより担持された(CHSi[(CHH][C]ZrClという特定の触媒が、重合反応器温度が変化した場合に異なるメルトフロー比(MFR:melt flow ratio)を有するポリエチレン製品を製造するために示された。さらに、米国特許第6,936,675号及び米国特許第7,179,876号は、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド又はビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジフルオリド等のビス−シクロペンタジエニルハフノセン触媒を用いた場合、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が重合反応温度を低下させることによって増大し得ることを教示している。
本発明者らは今般、気相反応器中において相異なる分子量分布、応力指数及びメルトフロー比を有するポリエチレンを相異なる重合温度下で生成する、特質的な触媒系を報告する。本発明の触媒系を使用すると、ポリエチレンの加工性という一つの観点と、ポリマーの物性及び光学的特性というまた別の観点とのバランスを調整できるようになる。このような方法により、特定の最終的使用用途向けにエチレンコポリマーの特性を調整できるようになる。
本発明者らは今般、気相重合プロセス中に相異なる重合温度においてインデニルリガンドを含むホスフィンイミン触媒を使用すると、このような触媒を用いて製造されたエチレンコポリマーの分子量分布、応力指数及びメルトフロー比を改変及び制御できるようになることを発見した。
さらに、インデニルリガンドを含むホスフィンイミン触媒を使用すると、反応器の操業停止を必要とすることなく、多様な分子量分布、応力指数及びメルトフロー比を有するエチレンコポリマーの生成が可能になる。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を変化させることによって改変され、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が反応器中の温度を変化させることによって改変され、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)が反応器中の温度を変化させることによって改変され、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を上昇させることによって減少し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が反応器中の温度を上昇させることによって減少し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)が反応器中の温度を上昇させることによって減少し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を低下させることによって増大し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が反応器中の温度を低下させることによって増大し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)を改変するための方法であって、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)が反応器中の温度を低下させることによって増大し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を少なくとも1℃上昇させることによって減少し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニル型リガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を少なくとも1℃低下させることによって増大し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニル型リガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を少なくとも5℃上昇させることによって減少し、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニル型リガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法が提供される。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーの応力指数を少なくとも3%低減するのに十分な量だけ上昇する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーの応力指数を少なくとも3%増大させるのに十分な量だけ低下する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)を少なくとも5%低減するのに十分な量だけ上昇する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーの分子量分布(M/M)を少なくとも5%増大させるのに十分な量だけ低下する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)を少なくとも10%低減するのに十分な量だけ上昇する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、エチレンコポリマーのメルトフロー比(I21/I)を少なくとも10%増大させるのに十分な量だけ低下する。
本発明の一実施形態において、共触媒はアルキルアルミノキサン化合物である。
本発明の一実施形態において、不活性担体はシリカである。
本発明の一実施形態において、α−オレフィンは1−ヘキセンである。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、(1−CCH−Ind)Ti(N=P(t−Bu))Clである。
本発明の一実施形態において、気相反応器は流動層反応器である。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、少なくとも1℃変化する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、少なくとも5℃変化する。
本発明の一実施形態において、気相反応器の温度は、少なくとも10℃変化する。
本発明の一実施形態において、重合触媒は、式:RN((CHOH)((CHOH)(式中、Rは、5個から30個までの炭素原子を任意の場所に有するヒドロカルビル基であり、n及びmは1から20までの整数である)によって表される少なくとも1つの化合物を含む、触媒改質剤をさらに含む。
本発明において、ホスフィンイミンを主体とした重合触媒を用いる気相重合プロセス中に相異なる温度を使用すると、相異なる分子量分布、応力指数及びメルトフロー比(MFR)を有するエチレンコポリマー製品を生じさせる。
改善された加工性を有する(しかし、一般的には耐落槍衝撃性及び光学的特性を犠牲にしている)ポリマーを所望するならば、分子量分布、応力指数又はMFRの増大が一般に必要とされる。
落槍衝撃強さ並びに改善された光学的特性等の改善された物性を有する(しかし、一般的には加工性を犠牲にしている)ポリマーを所望するならば、分子量、応力指数又はMFRの減少が一般に必要とされる。
重合触媒
本発明において、重合触媒は、インデニルリガンド(無置換であってもよいが好ましくは置換されている)を有するホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を最小限度に含む。本発明の一実施形態において、重合触媒は触媒改質剤も含む。
ホスフィンイミン触媒
好ましくは、ホスフィンイミン触媒は、チタン、ハフニウム及びジルコニウムを含む第4族からの遷移金属を主体とする。最も好ましいホスフィンイミン触媒は、最高の酸化状態の第4族金属錯体である。
本明細書において記述されたホスフィンイミン触媒は通例、オレフィンからポリマーを得るために1つ又は複数の共触媒種又は活性化剤種による活性化を必要とする。
ホスフィンイミン触媒は、第3族、第4族又は第5族金属を主体としており、且つ少なくとも1つのホスフィンイミンリガンドを有することを特徴とする化合物(一般的に有機金属化合物)である。ホスフィンイミンリガンドを有し且つエチレン(共)重合に対する触媒活性を呈するあらゆる化合物/錯体は、「ホスフィンイミン触媒」と呼ばれることもある。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(L)(PI)MX(式中、Mは、Ti、Hf、Zrから選択される遷移金属であり、PIはホスフィンイミンリガンドであり、Lはインデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドであり、mは1又は2であり、nは0又は1であり、pは金属Mの原子価によって決定される)によって規定されている。好ましくは、mは1であり、nは1であり、pは2である。
本発明の好ましい実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、例えばインデニルリガンド等、ホスフィンイミン触媒の金属配位圏内の別のリガンドに架橋されていない又は別のリガンドとの架橋を作り出さない、ホスフィンイミンリガンドを有する。
本発明の好ましい実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、例えばホスフィンイミンリガンド等、ホスフィンイミン触媒の金属配位圏内の別のリガンドに架橋されていない又は別のリガンドとの架橋を作り出さない、インデニルリガンドを有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(L)(PI)MX(式中、Mは、Ti、Hf、Zrから選択される遷移金属であり、PIはホスフィンイミンリガンドであり、Lはインデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)によって規定されている。
ホスフィンイミンリガンドは、式:RP=N−(式中、Nは金属に結合しており(Nは窒素であり、Pはリンである)、各Rは、水素原子;ハロゲン原子;無置換である又は1個若しくは複数のハロゲン原子及び/若しくはC1〜20アルキルラジカルによってさらに置換されているC1〜20ヒドロカルビルラジカル;C1〜8アルコキシラジカル;C6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカル(アリールラジカル又はアリールオキシラジカルは、任意選択により無置換であり、又は1個若しくは複数のハロゲン原子及び/若しくはC1〜20アルキルラジカルによってさらに置換されている);アミドラジカル;式:−SiR’(式中、各R’は、水素、C1〜8アルキルラジカル又はアルコキシラジカル、C6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカルからなる群より独立に選択される)のシリルラジカル;並びに式:−GeR’(式中、R’は、上記で規定された通りである)のゲルマニルラジカルからなる群より独立に選択される)によって規定されている。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミンリガンドは、各Rがヒドロカルビルラジカルであるように選定される。本発明の特定の実施形態において、ホスフィンイミンリガンドは、トリ−(第三級ブチル)ホスフィンイミンである(すなわち、式中、各Rは、第三級ブチル(すなわちt−Bu)基である)。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、1個の(上述した)ホスフィンイミンリガンド及びインデニルリガンドである1個のリガンドLを内包する、第4族化合物/錯体である。
本明細書において使用されるとき、インデニルリガンド(又は略して「Ind」)という用語は、η5又はη3結合を介して金属に結合した少なくとも1つの5員環を含む炭素数9の二環式環系を内包する、全芳香族リガンドである。このようなインデニルリガンドは、当技術分野において周知である。「インデニル」又は「インデニルリガンド」という用語は、無置換インデニルリガンド及び一置換又は多置換インデニルリガンドを含む。インデニルリガンドに関する置換基は、C1〜30ヒドロカルビルラジカル(このヒドロカルビルラジカルは、無置換であってもよく、又は例えばハロゲン化物基及び/若しくはヒドロカルビル基によってさらに置換されていてもよく、例えば、適切な置換C1〜30ヒドロカルビルラジカルは、−CH等のペンタフルオロベンジル基である);ハロゲン原子;C1〜8アルコキシラジカル;C6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカル(これらのそれぞれは、例えばハロゲン化物基及び/又はヒドロカルビル基によってさらに置換されていてもよい);無置換である又は最大2個のC1〜8アルキルラジカルによって置換されているアミドラジカル;無置換である又は最大2個のC1〜8アルキルラジカルによって置換されているホスフィドラジカル;式−Si(R’)(式中、各R’は、水素、C1〜8アルキルラジカル又はアルコキシラジカル、C6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカルからなる群より独立に選択される)のシリルラジカル;並びに式−Ge(R’)(式中、R’は、上記で直接規定された通りである)のゲルマニルラジカルからなる群より選択することができる。
無置換であり又は一置換若しくは多置換されているフルオレニルリガンドを含むホスフィンイミン触媒の使用もまた、本発明における使用が企図されており、ここで、フルオレニルリガンドに付いたあらゆる置換基は、インデニルリガンドに関して上記で規定された置換基と同じである。
「過フッ化アリール基」という用語は、当技術分野において良く理解されているように、アリール基中の炭素原子に結合した各水素原子がフッ素原子によって置き換えられていること(例えば、過フッ化フェニル基、又は置換基が式−Cを有すること)を意味する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、単置換又は多置換インデニルリガンド、及び3個の第三級ブチル置換基によって置換されているホスフィンイミンリガンドを有する。
本発明において規定されたインデニルリガンド(又は略して「Ind」)は、以下に提示する番号付与スキームを伴う骨格炭素原子を有し、これによって、置換基の位置を容易に特定することができる。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、及び3個の第三級ブチル置換基によって置換されているホスフィンイミンリガンドを有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、置換基が置換又は無置換アルキル基、置換又は無置換アリール基及び置換又は無置換ベンジル(例えばCCH−)基からなる群より選択される、一置換又は多置換インデニルリガンドを有する。アルキル基、アリール基又はベンジル基に適した置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリール基(例えばベンジル基)、アリールアルキル基及びハロゲン化物基からなる群より選択することができる。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、R−インデニル(ここで、R置換基は、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基又は置換若しくは無置換ベンジル基である)を有する。Rアルキル基、アリール基又はベンジル基に適した置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリール基(例えばベンジル基)、アリールアルキル基及びハロゲン化物基からなる群より選択することができる。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、少なくとも1個の1位置換体(1−R)(式中、置換基Rは、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基又は置換若しくは無置換ベンジル基である)を有するインデニルリガンドを有する。Rアルキル基、アリール基又はベンジル基に適した置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリール基(例えばベンジル基)、アリールアルキル基及びハロゲン化物基からなる群より選択することができる。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、1−R−インデニル(ここで、置換基Rは、インデニルリガンドの1位にあり、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基又は置換若しくは無置換ベンジル基である)を有する。Rアルキル基、アリール基又はベンジル基に適した置換基は、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアリール基(例えばベンジル基)、アリールアルキル基及びハロゲン化物基からなる群より選択することができる。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、1−R−インデニル(ここで、置換基Rは、ハロゲン化物(全/部分)置換アルキル基、ハロゲン化物(全/部分)置換ベンジル基又はハロゲン化物(全/部分)置換アリール基である)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、1−R−インデニル(ここで、置換基Rは、ハロゲン化物(全/部分)置換ベンジル基である)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、1−R−インデニル(ここで、置換基Rは、フッ化物(全/部分)置換ベンジル基である)を有する。
インデニルリガンドに付いて存在する場合、ベンジル基は、無置換であってもよく、又はハロゲン化物原子、好ましくはフッ化物原子によって部分置換若しくは全置換されていてもよい。ベンジル基のアリール基は、それぞれ過フッ化アリール基、2,6(すなわちオルト)フルオロ置換フェニル基、2,4,6(すなわちオルト/パラ)フルオロ置換フェニル基又は2,3,5,6(すなわちオルト/メタ)フルオロ置換フェニル基であってよい。ベンジル基は、本発明の一実施形態において、インデニルリガンドの1位に位置している。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、一置換インデニルリガンド、1−R−インデニル(ここで、置換基Rは、ペンタフルオロベンジル(CCH−)基である)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−R−(Ind))M(N=P(t−Bu))X(式中、Rは、置換若しくは無置換アルキル基、置換若しくは無置換アリール基又は置換若しくは無置換ベンジル基であり、アルキル基、アリール基又はベンジル基に関する置換基は、アルキル置換基、アリール置換基、アルコキシ置換基、アリールオキシ置換基、アルキルアリール置換基、アリールアルキル置換基及びハロゲン化物置換基からなる群より選択され、MはTi、Zr又はHfであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−R−(Ind))M(N=P(t−Bu))X(式中、Rは、アルキル基、アリール基又はベンジル基であり、アルキル基、アリール基及びベンジル基のそれぞれは、無置換であってもよく、又は少なくとも1つのフッ化物原子によって置換されていてもよく、MはTi、Zr又はHfであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−R−(Ind))M(N=P(t−Bu))X(式中、Rは、アルキル基、アリール基又はベンジル基であり、アルキル基、アリール基及びベンジル基のそれぞれは、無置換であってもよく、又は少なくとも1つのハロゲン化物原子によって置換されていてもよく、MはTi、Zr又はHfであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−R−(Ind))Ti(N=P(t−Bu))X(式中、Rは、アルキル基、アリール基又はベンジル基であり、アルキル基、アリール基及びベンジル基のそれぞれは、無置換であってもよく、又は少なくとも1つのフッ化物原子によって置換されていてもよく、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−CCH−Ind)M(N=P(t−Bu))X(式中、MはTi、Zr又はHfであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明の一実施形態において、ホスフィンイミン触媒は、式:(1−CCH−Ind)Ti(N=P(t−Bu))X(式中、Xは活性化可能なリガンドである)を有する。
本発明において、「活性化可能な」という用語は、リガンドXが、プロトノリシス反応によって金属中心Mから開裂し得ること、又は適切な酸性又は求電子性の触媒活性化剤化合物(「共触媒」化合物としても知られる)によって金属中心Mから引き抜かれ得ることのそれぞれを意味しており、これらの例については、以下に記述している。活性化可能なリガンドXはまた、金属中心Mから開裂する又は引き抜かれることになる別のリガンドに転換され得る(例えば、ハロゲン化物は、アルキル基に変換され得る)。いかなる単一の理論にも縛られることは望まないが、プロトノリシス又は引抜き反応は、オレフィンを重合し得る活性な「カチオン性」金属中心を発生させる。
本発明の複数の実施形態において、活性化可能なリガンドXは、水素原子、ハロゲン原子、C1〜10ヒドロカルビルラジカル、C1〜10アルコキシラジカル及びC6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカル(ここで、ヒドロカルビルラジカル、アルコキシラジカル、アリールラジカル又はアリールオキシドラジカルのそれぞれは、無置換であってもよく、又は1つ若しくは複数のハロゲン若しくはその他の基によってさらに置換されていてもよい)、C1〜8アルキルラジカル、C1〜8アルコキシラジカル、C6〜10アリールラジカル又はアリールオキシラジカル、アミドラジカル又はホスフィドラジカルからなる群より独立に選択されるが、ここで、Xはシクロペンタジエニルではない。2個のXリガンドは相互に結合して、例えば置換若しくは無置換ジエンリガンド(すなわち1,3−ジエン)を形成することもでき、又はアセタート基若しくはアセトアミジナート基等の基を内包する非局在化したヘテロ原子を形成することもできる。本発明の好都合な実施形態において、各Xは、ハロゲン化物原子、C1〜4アルキルラジカル及びベンジルラジカルからなる群より独立に選択される。
活性化可能なリガンドの数は、金属の原子価及び活性化可能なリガンドの原子価に依存する。好ましいホスフィンイミン触媒は、最高の酸化状態(すなわち4)の第4族金属を主体とする。特に適切な活性化可能なリガンドは、ハロゲン化物(例えば塩化物)又はヒドロカルビル(例えば、メチル、ベンジル)等、モノアニオン性のものである。
場合によっては、ホスフィンイミン触媒の金属は、最高の酸化状態になっていないこともあり得る。例えば、チタン(III)コンポーネントは、1個の活性化可能なリガンドのみを含有する。
共触媒
本発明において、ホスフィンイミン触媒は、オレフィン重合用の活性な重合触媒系を形成するために、少なくとも1つの活性化剤(又は「共触媒」)と組み合わせて使用される。活性化剤(すなわち共触媒)としては、イオン性活性化剤共触媒及びヒドロカルビルアルミノキサン共触媒が挙げられる。
遷移金属重合触媒を活性化するために使用される触媒活性化剤は、アルキルアルミノキサン及びイオン性活性化剤からなる群より選択される1つ又は複数の活性化剤を含み、任意選択によりアルキル化剤も一緒に含む、任意の適切な活性化剤であってよい。
理論に縛られることを望むわけではないが、アルキルアルミノキサンは、式:
AlO(RAlO)Al (式中、各Rは、C1〜20ヒドロカルビルラジカルからなる群より独立に選択され、mは3から50までである)の錯体アルミニウム化合物であると考えられる。任意選択により、ヒンダードフェノールをアルキルアルミノキサンに添加すると、ヒンダードフェノールが存在する場合には2:1から5:1までのAl:ヒンダードフェノールのモル比をもたらすことができる。
本発明の一実施形態において、アルキルアルミノキサンのRは、メチルラジカルであり、mは10から40までである。
本発明の一実施形態において、共触媒は、メチルアルミノキサン(MAO:methylaluminoxane)である。
本発明の一実施形態において、共触媒は、修飾メチルアルミノキサン(MMAO:modified methylaluminoxane)である。
アルキルアルミノキサンは一般的に、有機金属化合物/錯体中の第4族遷移金属の量に比較して大幅にモル過剰にして使用される。Al:第4族遷移金属のモル比は、10:1から10,000:1までであり、好ましくは約30:1から500:1までである。
アルキルアルミノキサンがアルキル化薬と活性化剤の両方として二重の役割を担うことができることは、当技術分野において周知である。したがって、アルキルアルミノキサン活性化剤は、しばしば、ハロゲン等の活性化可能なリガンドと組み合わせて使用される。
代替的には、本発明の触媒活性化剤は、アルキル化剤(捕捉剤としても働き得る)と、ホスフィンイミン触媒の第4族金属をイオン化することができる活性化剤(すなわちイオン性活性化剤)との組合せであり得る。これに関連して、活性化剤は、1つ若しくは複数のアルキルアルミノキサン及び/又はイオン性活性化剤から選定することができる。
存在する場合、アルキル化剤は、(RMgX 2−p(式中、Xはハロゲン化物であり、各Rは、C1〜10アルキルラジカルからなる群より独立に選択され、pは1又は2である)、RLi(式中、Rは上記で規定された通りである)、(RZnX 2−q(式中、Rは上記で規定された通りであり、Xはハロゲンであり、qは1又は2である)、(RAl 3−s(式中、Rは上記で規定された通りであり、Xはハロゲンであり、sは、1から3までの整数である)からなる群より選択することができる。好ましくは、上記の化合物において、RはC1〜4アルキルラジカルであり、Xは塩素である。市販の化合物には、トリエチルアルミニウム(TEAL:triethyl aluminum)、ジエチルアルミニウムクロリド(DEAC:diethyl aluminum chloride)、ジブチルマグネシウム((Bu)Mg)及びブチルエチルマグネシウム(BuEtMg又はBuMgEt:butyl ethyl magnesium)が挙げられる。MAO又はMMAO等のアルキルアルミノキサン化合物もまた、アルキル化剤として使用され得る。
イオン性活性化剤は、(i)式[R[B(R(式中、Bはホウ素原子であり、Rは環状C5〜7芳香族カチオン又はトリフェニルメチルカチオンであり、各Rは、フッ素原子、無置換である若しくはフッ素原子によって置換されているC1〜4アルキルラジカル若しくはアルコキシラジカル、及び式−−Si−−(R(式中、各Rは、水素原子及びC1〜4アルキルラジカルからなる群より独立に選択される)のシリルラジカルからなる群より選択される3個から5個までの置換基によって置換されている、又は無置換であるフェニルラジカルからなる群より独立に選択される)の化合物、並びに(ii)式[(RZH][B(R(式中、Bはホウ素原子であり、Hは水素原子であり、Zは窒素原子又はリン原子であり、tは2又は3であり、Rは、C1〜8アルキルラジカル、無置換である若しくは最大3個のC1〜4アルキルラジカルによって置換されているフェニルラジカルからなる群より選択され、又は1個のRは窒素原子と一緒になって、アニリニウムラジカルを形成することができ、Rは上記で規定された通りである)の化合物、並びに(iii)式B(R(式中、Rは上記で規定された通りである)の化合物からなる群より選択することができる。
上記の化合物において、好ましくは、Rはペンタフルオロフェニルラジカルであり、Rはトリフェニルメチルカチオンであり、Zは窒素原子であり、RはC1〜4アルキルラジカルであり、又はRは窒素原子と一緒になって、2個のC1〜4アルキルラジカルによって置換されたアニリニウムラジカルを形成する。
遷移金属触媒をイオン化できる化合物の例には、次の化合物が挙げられる:トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ素、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)n−ブチルホウ素、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、ジ−(イソプロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリフェニルホスホニウムテトラ)フェニル)ホウ素、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トロピリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート、トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキスペンタフルオロフェニルボラート、トロピリウムフェニルトリス−ペンタフルオロフェニルボラート、トリフェニルメチリウムフェニル−トリスペンタフルオロフェニルボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)フェニルトリスペンタフルオロフェニルボラート、トロピリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボラート、トリフェニルメチリウムテトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボラート、ベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(1,2,2−トリフルオロエテニル)ボラート、トロピリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラート、トリフェニルメチリウムテトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラート及びベンゼン(ジアゾニウム)テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラート。
ホスフィンイミン触媒をイオン化することができる市販の活性化剤には、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート(「[MeNHPh][B(C]」)、トリフェニルメチリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボラート(「[PhC][B(C]」)及びトリスペンタフルオロフェニルホウ素が挙げられる。
本発明の一実施形態において、イオン性活性化剤化合物は、1:1から1:6までである第4族遷移金属とホウ素とのモル比をもたらす量において、使用することができる。
任意選択により、アルキルアルミノキサンとイオン性活性化剤の混合物を、ホスフィンイミン触媒用の活性化剤として使用することもできる。
不活性担体
本発明において、重合触媒は、好ましくは不活性担体を含む(注記:「担体」及び「不活性担体」という用語は、本発明において相互変換可能に使用される)。本発明の好ましい実施形態において、重合触媒は、不活性担体に担持されたホスフィンイミン触媒を含む。
本発明において使用される不活性担体は、重合触媒と一緒に使用するのに適していると当技術分野において知られた任意の担体であってよい。例えば、担体は、タルク、無機酸化物、無機塩化物、アルミノリン酸塩(すなわちAlPO)及びポリマー担体(例えばポリスチレン等)等、任意の多孔質又は非多孔質担体材料であってよい。したがって、担体には一般に、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、ジルコニア、チタニア、粘土(例えばモントモリロナイト)及びこれらの混合物等の、第2族、第3族、第4族、第5族、第13族及び第14族金属酸化物が挙げられる。
シリカ及び粘土の凝集体等の凝集体担体もまた、本発明における担体として使用され得る。
担体は一般に、か焼された形態において使用される。無機酸化物担体は、例えば、重合触媒と反応する酸性の表面ヒドロキシル基を内包する。使用前に、無機酸化物は、水の除去及び表面ヒドロキシル基の濃度低減のために脱水してもよい。担体のか焼又は脱水は、当技術分野において周知である。本発明の一実施形態において、担体は、200℃超又は300℃超又は400℃超又は500℃超の温度においてか焼される。他の実施形態において、担体は、約500℃から約1000℃までにおいてか焼され、又は約600℃から約900℃までにおいてか焼される。得られた担体は、吸着水を含んでいないものであり得、担体当たり約0.1mmol/gから5mmol/gまでの表面ヒドロキシル含量を有し得、又は0.5mmol/gから3mmol/gまでの表面ヒドロキシル含量を有し得る。シリカ担体中のヒドロキシル基の量は、J.B.Peri及びA.L.Hensley Jr.がJ.Phys.Chem.、72(8)、1968、2926ページにおいて開示した方法に従って測定することができる。
担体材料、特に無機酸化物は一般的に、約10m/gから約700m/gまでの表面積、約0.1cc/gから約4.0cc/gまでの範囲の細孔容積及び約5μmから約500μmまでの平均粒径を有する。より厳密な実施形態において、担体材料は、約50m/gから約500m/gまでの表面積、約0.5cc/gから約3.5cc/gまでの範囲の細孔容積及び約10μmから約200μmまでの平均粒径を有する。より厳密な別の実施形態において、担体材料は、約100m/gから約400m/gまでの表面積、約0.8cc/gから約3.0cc/gまでの範囲の細孔容積及び約5μmから約100μmまでの平均粒径を有する。
担体材料、特に無機酸化物は一般的に、約10オングストロームから約1000オングストローム(Å)までの平均細孔径(すなわち細孔直径)を有する。より厳密な実施形態において、担体材料は、約50Åから約500Åまでの平均細孔径を有する。より厳密な別の実施形態において、担体材料は、約75Åから約350Åまでの平均細孔径を有する。
担体の表面積及び細孔容積は、BET法に従って窒素吸着によって測定することができ、BET法は、当技術分野において周知であり、the Journal of the American Chemical Society、1938、第60巻、309〜319ページにおいて記述されている。
本発明における使用に適したシリカ担体は大きな表面積を有し、非晶質である。単なる例示として、有用なシリカは、W.R.Grace and Companの一部門のDavison CatalystsからSylopol(いずれかの国における登録商標)958、955及び2408の商標で市販されており、Ineos SilicaからES−70Wの商標で市販されてもいる。
粘土鉱物及び無機酸化物を含む凝集体担体は、ペレット化、押出、乾燥又は沈殿、噴霧乾燥、回転式コーティングドラム内でのビーズへの成形等を含む、当技術分野において周知の幾つかの技法を用いて調製することができる。造粒用技法(nodulization technique)もまた使用され得る。粘土鉱物及び無機酸化物を含む凝集体担体を製造するための方法は、粘土鉱物と無機酸化物のスラリーを噴霧乾燥することを含む。粘土鉱物及び無機酸化物を含む凝集体担体を製造するための方法は、米国特許第6,686,306号、米国特許第6,399,535号、米国特許第6,734,131号、米国特許第6,559,090号及び米国特許第6,958,375号において開示されている。
本発明において有用な粘土と無機酸化物との凝集体は、次の特性を有し得る:約20m/gから約800m/gまでの、好ましくは50m/gから約600m/gまでの表面積、約0.15g/mlから約1g/mlまでの、好ましくは約0.20g/mlから約0.75g/mlまでのバルク密度を有する粒子、約30オングストロームから約300オングストローム(Å)までの、好ましくは約60Åから約150Åまでの平均細孔直径、約0.10cc/gから約2.0cc/gまでの、好ましくは約0.5cc/gから約1.8cc/gまでの合計細孔容積及び約4ミクロンから250ミクロン(μm)までの、好ましくは約8ミクロンから100ミクロンまでの平均粒径。
代替的には、担体、例えばシリカ担体は、同時係属中のカナダ特許出願第2,716,772号において教示されているように、Zr(SO・4HO、ZrO(NO及びFe(NOといった種類の1つ又は複数の塩によって処理することができる。別法により化学処理された担体もまた、本発明の触媒及び方法と一緒に使用されることが企図されている。
本発明は、ホスフィンイミン触媒又は触媒系コンポーネントを担持するためのいかなる特定の手順にも限定されない。ホスフィンイミン触媒並びに活性化剤を担体に沈着するための方法は、当技術分野において周知である(触媒を担持する方法の幾つかの非限定的な例に関しては、John Wiley&Sons,Inc.によるthe Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology Copyright(C)2001の中で2002年11月15日にオンライン上で公開された、James H.Clark及びDuncan J.Macquarrieによる「Supported Catalysts」を参照されたく、ホスフィンイミン触媒を担持するための幾つかの非限定的な方法に関しては、米国特許第5,965,677号を参照されたい)。例えば、ホスフィンイミン触媒は、担体材料との共沈によって担体に添加することができる。活性化剤は、ホスフィンイミン触媒の前及び/若しくは後に担体に添加することができ、又はホスフィンイミン触媒と一緒に担体に添加することができる。任意選択により、活性化剤を現場で担持型ホスフィンイミン触媒に添加することもできるし、又はホスフィンイミン触媒を現場で担体に添加することもできるし、又はホスフィンイミン触媒を現場で担持型活性化剤に添加することもできる。ホスフィンイミン触媒は、適切な希釈剤又は溶剤の中にスラリー化又は溶解した後、担体に添加してもよい。適切な溶剤又は希釈剤としては、限定されるものではないが炭化水素及び鉱油が挙げられる。ホスフィンイミン触媒を例えば、固体、溶液又はスラリーの形態において固体担体に添加し、続いて固体形態の活性化剤又は溶液若しくはスラリー状の活性化剤を添加してもよい。ホスフィンイミン触媒、活性化剤及び担体は、溶剤を存在させて混ぜ合わせることもできるし、又は溶剤を存在させずに混ぜ合わせることもできる。
重合プロセス
本発明に適合し得るオレフィン重合プロセスには、本発明に適合し得る任意の種類の公知の反応器を用いる気相プロセスが挙げられる。好ましくは、α−オレフィンを用いたエチレン共重合は気相中で実施され、例えば流動層反応器中で実施される。好ましくは、α−オレフィンを用いたエチレン共重合は、単一の気相反応器中で実施される。
このような反応器は、10,000kPa未満、好ましくは6,000kPa未満、さらにより好ましくは3,000kPa未満の合計圧力において動作し得る。
本発明の一実施形態において、重合プロセスは、連続反応器中で実施される連続プロセスであり、これは、モノマー及び重合触媒コンポーネントが反応器に絶え間なく供給される一方、ポリマー製品、例えばエチレンコポリマーが絶え間なく生成されて反応器から抜き出されることを意味する。流動層反応器は、例えば、連続気相重合用に有用である。このような反応器は、Polymerization Reaction Engineering−Metallocene Catalysts、第21巻 Prog.Polym.Sci.651ページ、1996の中にあるA.E.Hamielecらによる論文において記述されている。流動層反応器中で実施される気相プロセスもまた、特許文献において幅広く記述されている(例えば、米国特許第4,543,399号、米国特許第4,588,790号、米国特許第5,028,670号、米国特許第5,317,036号、米国特許第5,352,749号、米国特許第5,405,922号、米国特許第5,436,304号、米国特許第5,453,471号、米国特許第5,462,999号、米国特許第5,616,661号及び米国特許第5,668,228号を参照されたい)。
一般に、流動層気相重合反応器は、少なくとも一部が気体状になったモノマー及びその他の任意選択によるコンポーネントの流れによって流動体化される、ポリマー及び触媒の「層(bed)」を用いる。層の中を通って流れるモノマー(及び任意選択によるコモノマー(単数又は複数))の重合のエンタルピーにより、熱が発生する。未反応のモノマー及びその他の任意選択による気体状コンポーネントが流動層から出て冷却系と接触すると、この熱が取り除かれる。モノマー及び任意選択によるその他のコンポーネント(凝縮性液体等)を含む冷却されたガス流は次いで、「補充用」モノマーと一緒に重合区域の中を通って再循環して、前回の通過時に重合したものと置き換わる。同時に、ポリマー製品が反応器から抜き出される。当業者ならば理解するであろうが、重合層の「流動体化された後の」性質は、反応熱の均一な分配/混合を助け、これにより、局在化した温度勾配の形成を最小化する。
流動層気相反応器は一般に、エチレン及びコモノマー、例えば1−ヘキセン、1−ブテン又は1−オクテンのうちの少なくとも1つを含む、供給原料流又は「サイクルガス」流を含み、ここで、エチレンとコモノマーの両方が重合反応器の中を通って継続的に流れる。(エチレンに対する)コモノマーの量は、しばしば、反応器に供給されるエチレンの量に対するコモノマーのモル比として表すのが好都合である。エチレン及びコモノマー供給原料流は、反応器からの熱の取り除きを助ける凝縮性炭化水素等のさらなるコンポーネントを含有するのが通例である。
流動層反応器は一般的に、減速区域と流体連通している反応区域を備える。反応区域は、成長中のポリマー粒子及び触媒組成物粒子の層を備え、成長中のポリマー粒子及び触媒組成物粒子は、反応器に入り込んで反応区域を通り抜ける補充用供給原料又は再循環供給原料の中に存在する重合性コンポーネント及びその他の気体状コンポーネントの連続流によって流動体化される。補充用供給原料は、重合性モノマー(例えばエチレン)、コモノマー(例えば適切なα−オレフィン)を含み、「凝縮性炭化水素」もまた含み得る。凝縮性炭化水素は、例えば米国特許第4,543,399号、米国特許第5,405,922号及び米国特許第5,462,999号において記述されているような流動層重合に対する使用が当技術分野において周知である。
流動層は、気体が層の中を浸透することによって生じる、個別に移動する粒子の塊に似ている。反応区域中に存続可能な流動層を維持するためには、層中での気体速度は、流動体化のために必要とされる最低流量を超えていなければならない。一般に、流動層反応区域の高さと直径の比は、約2:1から約5:1の間で変動する。減速区域は、反応区域より大きな内径を有するように設計されており、円錐形に先が細くなった形状であり得る。減速区域は、(反応区域に対する)断面積の増大によってガスの速度を緩やかにする。気体速度が減衰すると、同伴粒子が流動層中に落下し、これにより、反応器から流れ出る同伴粒子の減量が助けられる。流動層反応器の頭上部分から出てくるガスは、再循環ガス流である。再循環流は圧縮器中で圧縮され、次いで熱交換器を通り抜け、熱交換器では、再循環ガスが重合区域に戻ってくる前に熱が取り除かれる。冷却された再循環流は、重合プロセスによって発生した反応の熱を吸収する。一般的に、再循環流は、ガス分配器板の中を通って反応器及び流動層に戻る。ガス導流器もまた、米国特許第4,933,149及び米国特許第6,627,713号において記述されているように、粒子凝集を低減するためにガス導入部に設置することができる。重合触媒は、流動層反応器システムの任意の箇所に、任意の適切な手段又は周知の手段によって付け加えることができる。重合触媒は、本発明の一実施形態において、分配器板より上方(すなわち後方)の流動層反応区域に直接添加される。モノマー及びコモノマーは、ノズルを介した流動層又はサイクルガスラインの中への直接注入等、任意の適切な方法により、重合区域に導入することができる。
本発明の一実施形態において、気相プロセス中の反応器圧力は、大体大気圧から約600psigまでであり得る。別の実施形態において、圧力は、約100psig(690kPa)から約500psig(3448kPa)までの範囲であり得る。さらに別の実施形態において、圧力は、約200psig(1379kPa)から約400psig(2759kPa)までの範囲であり得る。さらに別の実施形態において、圧力は、約250psig(1724kPa)から約350psig(2414kPa)までの範囲であり得る。
気相プロセス中の反応器温度は、上述したように重合の熱に応じて変化し得る。本発明の一実施形態において、反応器温度は、約30℃から約130℃までであり得、この範囲内のすべての数値及びより狭い温度範囲を含み、例えば65℃、70℃、75℃、80℃、85℃及び90℃が挙げられる。本発明のさらなる実施形態において、気相重合プロセス中の反応器温度は、約60℃から約120℃までであり得、又は約70℃から約110℃までであり得、又は約70℃から約100℃までであり得、又は70℃から90℃までであり得、又は75℃から85℃までであり得、又は75℃から90℃までであり得る。
本発明の特許請求の範囲において使用されるときの「重合反応器温度」は、流動層の水準において測定された、又は温度を好都合に測定することができる反応区域若しくは重合反応器の中の流動層内部の任意の場所において測定された温度であり得る。
上述した流動層プロセスは、ポリエチレン及びポリエチレンコポリマー(本明細書中においては「エチレンコポリマー」とも呼ぶ)の調製用に良く適合されている。したがって、モノマー及びコモノマーには、エチレン、並びに無置換である又は最大2個のC1〜6ヒドロカルビルラジカルによって置換されているC3〜12αオレフィン、無置換である又はC1〜4ヒドロカルビルラジカルからなる群より選択される最大2個の置換基によって置換されているC8〜12ビニル芳香族オレフィン、及び無置換である又はC1〜4ヒドロカルビルラジカルによって置換されているC4〜12直鎖状又は環状ジオレフィンが挙げられる。エチレンコポリマーを製造するためにエチレンと共重合し得るα−オレフィンについての説明用の非限定的な例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセン、スチレン、αメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン並びに固定環型環状オレフィン(constrained−ring cyclic olefin)、例えばシクロブテン、シクロペンテン、ジシクロペンタジエンノルボルネン、ヒドロカルビル置換ノルボルネン、アルケニル置換ノルボルネン等(例えば、5−メチレン−2−ノルボルネン及び5−エチリデン−2−ノルボルネン、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプタ−2,5−ジエン)のうちの1つ又は複数が挙げられる。
一実施形態において、本発明は、エチレンだけを含む又は3個から30個までの炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは4個から8個までの炭素原子を有する1つ若しくは複数の線形若しくは分岐状コモノマー(単数又は複数)と組み合わせたエチレンを含む、1つ又は複数のモノマー(単数又は複数)及びコモノマー(単数又は複数)の重合を伴う、重合プロセスを対象としている。本方法は、1つ又は複数のコモノマー、例えばα−オレフィン:プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、スチレン並びに環状及び多環式オレフィン、例えばシクロペンテン、ノルボルネン及びシクロヘキセン又はこれらの組合せと組み合わせたエチレンの重合を伴う、共重合反応には特に良く適している。エチレンと一緒に使用するためのその他のコモノマーには、極性ビニルモノマー、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、ノルボルナジエン等のジオレフィン、並びに、アセチレンモノマー及びアルデヒドモノマーを含むその他の不飽和モノマーを挙げることができる。より高級のα−オレフィン及びポリエン又はマクロマーもまた、使用され得る。好ましくは、コモノマーは、3個から15個までの炭素原子、好ましくは4個から12個までの炭素原子、最も好ましくは4個から10個までの炭素原子を有するα−オレフィンである。
本発明の一実施形態において、エチレンは、3個から10個までの炭素原子を有するαオレフィンと共重合し、エチレンは、反応器に入り込む合計オレフィン供給原料の少なくとも75wt%を占める。
本発明の一実施形態において、エチレンは、3個から10個までの炭素原子を有するαオレフィンと共重合し、エチレンは、反応器に入り込む合計オレフィン供給原料の少なくとも85wt%を占める。
本発明の複数の実施形態において、エチレンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンと共重合する。
本発明の一実施形態において、エチレンは1−ブテンと共重合し、エチレンは、反応器に入り込む合計オレフィン供給原料の少なくとも75重量%(すなわちwt%)を占める。
本発明の一実施形態において、エチレンは1−ヘキセンと共重合し、エチレンは、反応器に入り込む合計オレフィン供給原料の少なくとも75wt%を占める。
本発明の一実施形態において、エチレンは1−ヘキセンと共重合し、エチレンは、反応器に入り込む合計オレフィン供給原料の少なくとも85wt%を占める。
気相流動層重合プロセスは、重合プロセスの開始前に、反応器中にポリマーシード床(polymer seed bed)を採用してもよい。本発明では、触媒改質剤又は任意選択による捕捉剤(以下を参照されたい)によって処理されたポリマーシード床を使用することが企図されている。さらに、本発明の触媒及び方法を使用して得られたポリマー製品自体を、ポリマーシード床の材料として使用してもよい。
凝縮性炭化水素は、米国特許第5,462,999号において記述されているように、反応/再循環システム内の任意の箇所において、反応/再循環システムに導入することができる。
より高い冷却能力、したがってより高い反応器の生産性を得るためには、再循環流の露点を上昇させて凝縮を引き起こし、この結果、流動層から取り除かれる熱をより大幅に増大できるようにすることが、望ましくなり得る。再循環流の露点は、米国特許第4,588,790号及び米国特許第4,543,399号において開示されているように、反応/再循環システムの動作圧力を増大させること、及び/又は凝縮性炭化水素流体の百分率を増大させ、再循環流中の非凝縮性ガスの百分率を低下させることによって増大し得る。
本特許出願の目的に関して、「凝縮性炭化水素」という用語は、重合触媒に対して不活性であり(すなわち、それらが非重合性であり)且つ気相反応器に入り込む流動層再循環流又は流入流に伴う温度及び圧力において凝縮して液体状態になり得る、1つ又は複数の飽和炭化水素を含む。凝縮性炭化水素は、気体状形態になっていてもなっていなくてもよいが、好ましくは、気相反応区域内での温度及び圧力の条件下で気体状の形態である。本発明における使用に適した凝縮性炭化水素の例は、2個から8個までの炭素原子を内包する飽和炭化水素から選択され得る、揮発し易い液体炭化水素である。本発明において使用され得る飽和炭化水素の非限定的な幾つかの具体例は、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン並びにその他の飽和C炭化水素、n−ヘプタン、n−オクタン並びにその他の飽和C及びC炭化水素又はこれらの混合物である。好ましい不活性凝縮性炭化水素は、C及びC飽和炭化水素である。
本発明の一実施形態において、凝縮性炭化水素はイソペンタンである。
触媒改質剤
「触媒改質剤」は、重合触媒に直接又は間接的に添加することができ、重合触媒に添加されたとき又は適当な量の重合触媒の存在下で使用されたときには、重合反応器中の材料のファウリング、シート状付着物形成(sheeting)、温度変移及び静止水位のうちの少なくとも1つを低減、予防若しくは軽減し得、触媒反応速度を改変し得、且つ/又は重合プロセスにおいて得られたコポリマー製品の特性を改変し得る化合物である。
本発明において使用され得る触媒改質剤の非限定的な例は、Kemamine AS−990(商標)、Kemamine AS−650(商標)、Armostat−1800(商標)、ビス−ヒドロキシ−ココアミン、2,2’−オクタデシル−アミノ−ビスエタノール及びAtmer−163(商標)である。
その他の触媒改質剤を本発明において使用してもよく、カルボン酸金属塩(例えば米国特許第7,354,880号、米国特許第6,300,436号、米国特許第6,306,984号、米国特許第6,391,819号、米国特許第6,472,342号及び米国特許第6,608,153号を参照されたい)、ポリスルホン、ポリマー状ポリアミン及びスルホン酸(例えば米国特許第6,562,924号、米国特許第6,022,935号及び米国特許第5,283,278号を参照されたい)等の化合物が挙げられる。例えば欧州特許出願第107,127号において記述されているポリオキシエチレンアルキルアミンもまた、使用され得る。さらなる触媒改質剤には、ステアリン酸アルミニウム及びオレイン酸アルミニウムが挙げられる。触媒改質剤は、OCTASTAT(商標)及びSTADIS(商標)の商標で商用として供給されている。触媒改質剤STADISは、米国特許第7,476,715号、米国特許第6,562,924号及び米国特許第5,026,795号において記述されており、Octel Starreonから入手することができる。STADISは一般に、ポリスルホンコポリマー、ポリマー状アミン及び油溶性スルホン酸を含む。
長鎖アミン系触媒改質剤は、同時係属中のカナダ特許出願第2,742,461号において記述されているように、反応器区域(又は関連したプロセス用設備)に対して重合触媒系とは別にして添加することもできるし、重合触媒系の一部として添加することもできるし、又はこれらの両方を行うこともできる。長鎖アミンは、本明細書中に完全に組み込む同時係属中のカナダ特許出願第2,742,461号において記述されたように、長鎖置換モノアルカノールアミンであってもよく、又は長鎖置換ジアルカノールアミンであってもよい。
本発明の一実施形態において、重合触媒は、式:RN((CHOH)((CHOH)(式中、Rは、5個から30個までの炭素原子を任意の場所に有するヒドロカルビル基であり、n及びmは1から20までの整数である)によって表される少なくとも1つの化合物を含む、触媒改質剤をさらに含む。
任意選択による捕捉剤
任意選択により、捕捉剤が重合プロセスに添加される。本発明は、任意の適切な1つ又は複数の捕捉剤の存在下で実施され得る。捕捉剤は、当技術分野において周知である。
本発明の一実施形態において、捕捉剤は、式:Al(X(X3−n(式中、(X)は、1個から約20個までの炭素原子を有するヒドロカルビルであり、(X)は、1個から約20個までの炭素原子を有する任意のアルコキシド又はアリールオキシド、ハロゲン化物又は水素化物から選択され、nは1以上3以下の数である)を有する有機アルミニウム化合物であり、又は式:R AlO(RAlO)Al (式中、各Rは、C1〜20ヒドロカルビルラジカルからなる群より独立に選択され、mは3から50までである)を有するヒドロカルビルアルミノキサンである。本発明において有用な幾つかの非限定的な好ましい捕捉剤には、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム又はその他のトリヒドロカルビルアルミニウム化合物が挙げられる。
捕捉剤は、任意の適切な量において使用され得るが、単なる非限定的な例示用としては、約20から約2000までの、又は約50から約1000までの、又は約100から約500までのAl:M(ここで、Mは有機金属化合物の金属である)のモル比をもたらす量において存在し得る。一般に、捕捉剤は、重合触媒の前にさらなる活性抑制剤が存在しない状況下で反応器に添加され時間経過と共に0まで減るか、又は継続的に添加される。
任意選択により、捕捉剤は独立に担持され得る。例えば、有機アルミニウム化合物又はヒドロカルビルアルミノキサンによって処理された無機酸化物を重合反応器に添加することができる。担体への有機アルミニウム又はヒドロカルビルアルミノキサン化合物の添加方法は特に規定されておらず、当技術分野において周知の手順によって実施される。
捕捉剤は任意選択により、触媒改質剤を反応器に供給する前又は触媒改質剤を重合触媒(又は1つ若しくは複数の重合触媒コンポーネント)と組み合わせる前に、触媒改質剤に添加してもよい。代替的には、捕捉剤は、重合反応器への経路において触媒改質剤と組み合わせることもできる。
ポリマー
本発明を用いて製造されたポリマー組成物は、最も好ましくは、エチレンと1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンから選択されるαオレフィンとのコポリマーである。
本発明の複数の実施形態において、コポリマー組成物は、コポリマー組成物の重量に基づいてエチレン単位の少なくとも75重量%を占め、又はエチレン単位の少なくとも80wt%を占め、又はエチレン単位の少なくとも85wt%を占め、ここで、残余はα−オレフィン単位である。
平均分子量(例えばM、M及びM)、分子量分布(すなわちM/M)、密度、メルトインデックス(例えばI、I、I21、I10)、メルトインデックス比又はメルトフロー比(例えばI21/I、I21/I)、応力指数又は組成分布幅指数CDBI(composition distribution breadth index)(50)、TREFプロファイル、コモノマー分布プロファイル等のポリマー特性は、以下でさらに規定されており、また、例えば同時係属中のカナダ出願第2,734,167号においても規定されている。
分子量分布、応力指数及びメルトフロー比
エチレンコポリマーの加工し易さと相関することが知られた指数には、下記が挙げられる:
i)数平均分子量M(すなわちM/M)で割った重量平均分子量Mである分子量分布、
ii)Log10[I/I]/Log10[6.48/2.16]として規定されている応力指数及び
iii)メルトインデックスI(すなわちI21/I)で割った高荷重メルトインデックスI21として規定されているメルトフロー比。
本発明において、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)は、重合反応の温度を変化させることによって改変される。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が変化する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%変化する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が減少する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が減少する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が増大する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が増大する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%減少する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%減少する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%減少する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%増大する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%増大する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの分子量分布(M/M)が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%増大する。
本発明において、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数は、重合反応の温度を変化させることによって改変される。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が変化する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%変化する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が低下する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が低下する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が上昇する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が上昇する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%低下する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%低下する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%低下する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%上昇する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%上昇する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーの応力指数が少なくとも1%又は少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%上昇する。
本発明において、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比は、重合反応の温度を変化させることによって改変される。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が変化する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%変化する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃改変すると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%変化する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が減少する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が減少する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が増大する。
本発明の一実施形態において、重合反応器温度を少なくとも1℃又は少なくとも5℃又は少なくとも10℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が増大する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を上昇させると、規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%減少する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度をなくとも5℃上昇させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%減少する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃上昇させると、規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%減少する。
本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を低下させると、規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%増大する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも5℃低下させると、上記で規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%増大する。本発明の複数の実施形態において、重合反応器温度を少なくとも10℃低下させると、規定された重合触媒によって製造されたエチレンコポリマーのメルトフロー比が少なくとも3%又は少なくとも5%又は少なくとも10%又は少なくとも15%又は少なくとも20%又は少なくとも25%増大する。
空気及び水分に敏感な化合物を伴うすべての反応は、標準的なシュレンク及びカニューラの技法を用いて窒素下又はグローブボックス中で実施した。反応溶剤は、Organometallics 1996、第15巻、1518ページにおいてPangbornらが記述した系を用いて精製し、又は活性化された4Åモレキュラーシーブにより貯蔵した直後に使用した。使用されたメチルアルミノキサンは、Albemarleから調達したトルエン中の10%MAO溶液であり、受け取ったままのものを使用した。使用された担体は、W.R.Grace.&Co.から得たシリカSylopol 2408だった。担体を、200℃において2時間空気を用いて流動体化し、続いて600℃において6時間窒素を用いて流動体化することによってか焼し、窒素下で貯蔵した。
g/10分の単位で表されるメルトインデックスIを、2.16キログラムの重りを用いて190℃おいてASTM D1238条件Fに従って、Tinius Olsen Plastomer(モデルMP993)により測定した。6.48キログラムの重りを用いた190℃におけるASTM D1238条件Fに従ったメルトインデックスIを測定し、10キログラムの重りを用いた190℃におけるASTM D1238条件Fに従ったメルトインデックスI10を測定した。g/10分の単位で表される高荷重メルトインデックI21を、21.6キログラムの重りを用いて190℃においてASTM D1238条件Eに従って測定した。メルトフロー比(メルトインデックス比と呼ばれることもある)はI21/Iである。応力指数(S.Ex.:stress exponent)は、Log10[I/I]/Log10[6.48/2.16]として規定されている。
ポリマー密度は、ASTM D1928に従ってグラム毎立方センチメートル(g/cc)において測定した。
、M及びM(g/mol)は、高温ゲル浸透クロマトグラフィーにより、普遍的な校正(例えばASTM−D6474−99)を用いて示差屈折率を検出して測定した。GPCデータは、「Waters 150c」の商標で販売されている機器を用いて、移動相として1,2,4−トリクロロベンゼンを使って140℃において得た。試料は、この溶剤中にポリマーを溶解させることによって調製し、ろ過しないで流した。分子量は、ポリエチレン当量として表されており、ここで、相対標準偏差は、数平均分子量(「M」)については2.9%であり、重量平均分子量(「M」)については5.0%である。分子量分布(MWD)は、数平均分子量M/Mで割った重量平均分子量である。Z平均分子量分布はM/Mである。ポリマー試料溶液(1〜2mg/mL)を、オーブン内で150℃において4時間、ホイール上で回転させながら1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB:1,2,4−trichlorobenzene)中のポリマーを加熱することによって調製した。抗酸化剤2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT:2,6−di−tert−butyl−4−methylphenol)が、酸化による劣化に対してポリマーを安定化するために混合物に添加された。BHT濃度は250ppmだった。試料溶液には、移動相としてTCBを用いる4個のShodexカラム(HT803、HT804、HT805及びHT806)を備え付けたPL220高温クロマトグラフィー装置により、1.0mL/分の流量において、濃度検出器として示差屈折率(DRI:differential refractive index)を使って、140℃においてクロマトグラフィーを行った。BHTを250ppmの濃度において移動相に添加して、酸化による劣化からカラムを保護した。試料注入量は200mLだった。生データをCirrus GPCソフトウェアによって処理した。カラムは、分布の狭いポリスチレン標準物質によって校正した。ポリスチレン分子量は、ASTM規格試験法D6474において記述されたように、マルク−ホウインクの式を用いてポリエチレン分子量に変換した。
コポリマー試料の分岐頻度(すなわち、炭素1000個当たりの短鎖分岐SCB(short chain branching))及び(wt%における)Cコモノマー含量を、ASTM D6645−01方法の通りのフーリエ変換赤外分光法(FTIR:Fourier Transform Infrared Spectroscopy)によって測定した。OMNICバージョン7.2aソフトウェアを装備したThermo−Nicolet 750 Magna−IR Spectrophotometerが測定のために使用された。
分子量の関数としての分岐頻度(したがってコモノマー分布)の測定を、高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)及び溶離液のFT−IRを用いて実施した。公知の分岐含量を有するポリエチレン標準物質、公知の分子量を有するポリスチレン及び炭化水素を、校正のために使用した。エチレンポリマーに関するコモノマー分布対log MW(すなわち、絶対分子量に対してプロットされた炭素1000個当たりのSCBの量)のプロットでは、コモノマー分布の傾向が示されており、また、コモノマー分布の傾きも提示されている。
本発明において、GPC−FTIRクロマトグラフ中のコモノマー分布の傾きは、≧50,000g/モルの絶対分子量(MW)において発生する、SCB/炭素1000個の曲線の部分のみを考慮することによって測定される。最小二乗最良当てはめ分析を適用して、コモノマー分布曲線におけるこの部分に対する直線(y=mx+c)の最良の当てはめを得た(式中、mは当てはめた線の傾きであり、yは炭素原子1000個当たりのコモノマー組み込みであり、xは対数(分子量)である)。
本発明においてCDBI(50)とも呼称される組成分布幅指数CDBIを測定するために、コポリマーに関する溶解度分布曲線を最初に作成する。これは、TREF技法によって取得したデータを用いて達成される。この溶解度分布曲線は、温度に応じて可溶化されるコポリマーの重量分率のプロットである。これは、重量分率対コモノマー含量の累積分布曲線に変換され、累積分布曲線からはCDBI(50)が、コモノマー含量中央値の50%以内のコモノマー含量を中央値の両側において有するコポリマー試料の重量百分率を確定することによって決定される(CDBI(50)の規定に関してはWO93/03093を参照されたい)。90℃から105℃までにおいて溶離するコポリマーの重量百分率は、90℃から105℃までの溶離温度におけるTREF曲線より下の面積を算出することによって決定される。40℃以下及び100℃超において溶離するコポリマーの重量パーセントも同様に測定した。組成物と溶離温度との相関関係を簡略化するという目的のために、すべての画分は、M≧15,000(式中、Mは、画分の数平均分子量である)を有すると仮定される。存在するあらゆる低重量画分は一般に、ポリマーのさまつな部分を表す。本明細書及び添付の特許請求の範囲の残り部分では、すべての画分がCDBI測定においてM≧15,000を有すると仮定するという、この決め事が維持される。
ここにおいて使用された具体的な昇温溶離分別(TREF:temperature rising elution fractionation)方法は次の通りだった。均一なポリマー試料(ペレット化済み、50〜150mg)を、結晶化−TREF装置(Polymer ChAR(商標))の反応器容器に導入した。反応器容器に、20〜40mlの1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を充填し、1〜3時間かけて所望の溶解温度(例えば150℃)に加熱した。次いで溶液(0.5〜1.5ml)を、ステンレス鋼ビーズを充填したTREFカラムに装入した。所与の安定化温度(例えば110℃)における30〜45分の平衡後、ポリマー溶液を、安定化温度から30℃(0.1℃/分又は0.2℃/分)に温度を下げることにより結晶化させた。30℃において30分平衡させた後、結晶化した試料をTCB(0.5mL/分又は0.75mL/分)によって溶離し、30℃から安定化温度まで昇温した(0.25℃/分又は1.0℃/分)。TREFカラムは、運転の終了時に30分溶解温度において清掃した。データは、Polymer ChARソフトウェア、Excelのスプレッドシート及び自社開発したTREFソフトウェアを用いて処理した。
上述したTREF手順は当業者には周知であり、TREFプロファイルの様相、CDBI(50)、40℃以下において溶離するコポリマーのwt%、100℃超において溶離するコポリマーのwt%、90℃から105℃までにおいて溶離するコポリマーのwt%、並びに、溶離強度最大値(溶離ピーク)が発生する温度又は温度範囲を測定するために使用され得る。
コポリマーに関するピーク融点(T)を含む融点及びパーセント結晶度は、10℃/分においてTA Instrument DSC Q1000 Thermal Analyzerを使用して測定される。DSC測定において、室温から200℃まで又はこの逆の加熱−冷却−加熱サイクルをポリマーに適用して、ポリマーに伴う熱加工履歴を最小化する。融点及び結晶度のパーセントは、2回目の加熱のデータからの一次ピーク温度及びDSC曲線より下の合計面積のそれぞれによって決定される。ピーク溶融温度Tは、2つのピークが二峰型のDSCプロファイルにおいて存在する場合、より高い方の温度ピークである(一般的に最大のピーク高さも有する)。
動的機械分析(DMA:Dynamic Mechanical Analysis)
レオロジー測定は、直径25mmの平行板が付いた動的レオメータにより、周波数スイープモードにおいて窒素により完全に遮蔽しながら実施される。ポリマー試料は、抗酸化剤添加剤によって適当に安定化し、次いで、垂直抗力を0に戻るまで確実に減少させるための少なくとも1分の予備加熱用の試験装置に差し入れる。すべてのDMA実験は、10%のひずみ、0.05〜100rad/s及び190℃において実施される。Orchestratorソフトウェアを使用して、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、位相角(δ)、複素弾性率(G)及び複素粘度(η)を含む粘弾性パラメータを測定する。溶融弾性係数G’(G’’=500Pa)は、500Paの基準用G’’値におけるG’値を測定することによって得られる。
発明性のある実施例
触媒の調製
(1−CCH−インデニル)((t−Bu)P=N)TiClの合成
ヘプタン(200mL)中の蒸留したインデン(15.0g、129mmol)に、室温においてBuLi(82mL、131mmol、ヘキサン中の1.6M)を添加した。得られた反応混合物を終夜撹拌した。混合物をろ過し、ろ滓をヘプタン(3×30mL)によって洗浄して、インデニルリチウム(15.62g、収率99%)を得た。インデニルリチウム(6.387g、52.4mmol)を、室温においてトルエン(100mL)中のCCH−Br(13.65g、52.3mmol)の撹拌溶液に5分かけて固体として添加した。反応混合物を50℃に加熱し、4時間撹拌した。生成物混合物をろ過し、トルエン(3×20mL)によって洗浄した。合わせたろ液を乾燥するまで蒸発させて、1−CCH−インデン(13.58g、88%)を得た。撹拌しているトルエン(15mL)中のTiCl.2THF(1.72g、5.15mmol)のスラリーに、室温において固体状(t−Bu)P=N−Li(1.12g、5mmol)を添加した。得られた反応混合物を100℃において30分加熱し、次いで室温に冷却した。((t−Bu)P=N)TiCl(1.85g、5mmol)を含有するこの混合物を、次の反応において使用した。−78℃において冷却した1−CCH−インデン(1.48g、5mmol)のTHF溶液(10mL)に、10分かけてn−ブチルリチウム(3.28mL、5mmol、ヘキサン中の1.6M)を添加した。得られた暗いオレンジ色の溶液を20分撹拌した後、両頭針により、((t−Bu)P=N)TiCl(1.85g、5mmol)のトルエンスラリーに移した。反応混合物の冷却を取り止め、反応混合物をさらに30分撹拌した。溶剤を蒸発させて、黄色ペースト状残留物を得た。固体を80℃においてトルエン(70mL)中に再溶解し、熱ろ過した。トルエンを蒸発させて、純粋な(1−CCH−インデニル)((t−Bu)P=N)TiCl(2.35g、74%)を得た。
Grace Davisonから購入したSylopol 2408シリカを、200℃において2時間空気を用いて流動体化し、続いて600℃において6時間窒素を用いて流動体化することによってか焼した。114.273グラムのか焼したシリカを、620mLのトルエンに添加した。Albemarleから購入した4.5重量%のAlを含有する312.993gのMAO溶液を、シリカスラリーに定量的に添加した。混合物を周囲温度において2時間撹拌した。撹拌速度は、シリカ粒子を崩壊させないようなものにすべきである。2.742グラムの(1−CCH−インデニル)((t−Bu)P=N)TiCl(例1において上記のように調製した)を500mLPyrex(いずれかの国における登録商標)ボトルに量り取り、300mLのトルエンを添加した。金属錯体溶液をシリカスラリーに定量的に添加した。得られたスラリーを周囲温度において2時間撹拌した。Armostat(いずれかの国における登録商標)1800の18.55wt%トルエン溶液21.958gを小さな容器の中に量り取り、シリカスラリーに定量的に移した。得られた混合物をさらに30分撹拌した後、スラリーをろ過すると、透明なろ液が生じた。固体コンポーネントをトルエン(2×150mL)によって洗浄し、次いでペンタン(2×150mL)によって洗浄した。最終生成物を450mtorrから200mtorrの間で真空乾燥し、使用するまで窒素下で貯蔵しておいた。完成した触媒は、淡い黄色から淡いオレンジ色を有していた。触媒には、2.7wt%のArmostatが存在していた。
重合
連続式エチレン/1−ヘキセン気相共重合実験を、56.4L工業用規模反応器(TSR:Technical Scale Reactor)中で連続気相運転において実施した。(TSR反応器の構成の例に関しては、欧州特許出願第659,773A1号を参照されたい)。エチレン重合を、300ポンド毎平方インチゲージ圧(psig:pounds per square inch gauge)の合計動作圧力により75℃〜90℃において運転した。エチレン(C2)における気相組成物及び1−ヘキセン(C6)における気相組成物を、閉ループ型比例−微分−積分制御器により、それぞれ65.0モル%及び0.9〜1.7モル%の値に制御した。水素(H2)をエチレン供給原料に対して0.0008〜0.00144のモル供給比において、重合中に反応器中に計量して入れた。窒素が気相混合物の残り部分を構成していた(約34モル%以下、イソペンタンが存在するかに左右される)。凝縮性炭化水素であるイソペンタン(i−C5)の量は表1において示したように調節されており、また、ガスクロマトグラフィーを用いて測定される、反応器中に存在する重合性コンポーネント及び非重合性コンポーネントの合計モルに対するイソペンタンのmol%(すなわちモルパーセント)(すなわち、百分率として取り扱われる、反応器中に存在するモノマー、コモノマー、水素、窒素及び凝縮性炭化水素の合計モルに対する凝縮性炭化水素の合計モル)として表される。これらの条件における一般的な生成速度は、1時間当たりポリエチレン2.0〜3.0kgである。成長促進層を使用しておき、重合の始動前には、少量のトリエチルアルミニウムTEALによって洗浄して、不純物を捕集しておいた。触媒の導入前に、TEALを反応器から流し出した。触媒は、始動段階中に少量の希TEAL溶液(0.25wt%)と一緒に反応器に供給した。TEALの添加は、所望のポリマー生成速度に到達したらすぐに中止した。代替的には、反応器は、重合始動段階中に触媒供給用ラインだけで(すなわち、最初にTEAL溶液を供給することなく)始動することもできる。重合反応を、コモノマー濃度が低い条件下で開始し、続いてコモノマーとエチレンとの比を徐々に調節して目標ポリマー密度をもたらした。関連する重合データが、表1において提供されている(C6/C2は、反応器へのmol/mol供給比であり、H2/C2は、反応器へのmol/mol供給比である)。得られた樹脂に関するポリマーデータが表2において提供されている。反応器内部の重合反応温度(すなわち反応器温度)は、TSR反応器の反応区域中に約2インチ延び出ている熱電対を用いて測定した。熱電対は、TSR反応器の最上部にある反応器壁に位置していた。

表1及び表2のデータから分かるように、反応器温度が上昇すると、エチレンコポリマー分子量分布(M/M)、応力指数及びMFR(I21/I)の減少が起きる。逆に言うと、反応器温度が低下すると、エチレンコポリマー分子量分布(M/M)、応力指数及びMFR(I21/I)の増大が起きる。場合によっては、分子量分布は、10%超(ポリマー試験番号1と2の比較)又は15%超(ポリマー試験番号5と6の比較)又は25%超(ポリマー試験番号7と8の比較)変化する。場合によっては、応力指数は、3%超(ポリマー試験番号1と2の比較又は3と4の比較)又は約10%(ポリマー試験番号5と6の比較)又は15%超(ポリマー試験番号7と8の比較)変化する。場合によっては、MFRは、15%超(ポリマー試験番号1と2の比較又は3と4の比較)又は25%超(ポリマー試験番号5と6の比較)又は40%超さえ(ポリマー試験番号7と8の比較)変化する。
上記で提供されたデータから、当業者ならば、気相反応器中での本明細書において規定されたインデニルリガンドを有するホスフィンイミン触媒の使用は、重合反応器温度を変化させることだけにより、分子量分布、応力指数及びメルトフロー比等のポリエチレン樹脂特性を簡単に制御できるようにすることを認識する。このような方法は、反応器動作条件を劇的に変更することなく且つ(例えば重合触媒を変更するための)反応器の操業停止を必要とすることなく、相異なるエチレンコポリマー製品を製造できるようにする。
表1及び2において提供されたデータからも分かるように、幾つかの他のエチレンコポリマーのパラメータは温度の変化に影響され、米国特許出願第2012/0316301号において規定された「組成分布」を特徴付けるパラメータを含む。例えば、組成分布幅指数CDBI(50)、TREFフラクトグラム(fractogram)中の90℃から105℃の間において溶離したポリマーの量、GPC−FTIRプロファイルにおいて測定されるコモノマー組み込み対分子量の傾き、メルトインデックスI、及び、動的機械分析(DMA)によって測定される溶融弾性係数(G’’におけるG’=500Pa)はすべて、反応器温度の変化に伴って変化する。
CDBI(50)は、反応器温度の上昇に伴って増大し、反応器温度の低下に伴って低下する。
分子量に対するコモノマー組み込みの傾きは、反応器温度の上昇に伴って減少し、反応器温度の低下に伴って増大する。
TREFフラクトグラム中の90℃から105℃の間において溶離するポリマーの量は、反応器温度の上昇に伴って減少し、反応器温度の低下に伴って増大する。
最後に、溶融弾性係数(G’’におけるG’=500Pa)は、反応器温度の上昇に伴って減少し、反応器温度の低下に伴って増大する。
ポリエチレンを製造するための商用として重要な方法には、気相重合反応器中で担持型触媒系を用いる方法が挙げられる。ポリマー組成物を現場で制御又は操作することができ、且つ触媒を改質しなくてもよい方法が望ましい。本発明は、気相重合プロセス中に相異なる温度において使用されたときに、相異なる分子量分布、応力指数及びメルトフロー比のエチレンコポリマーを生じさせて、容易なポリマー操作を可能にする、担持型ホスフィンイミン触媒に関する。

Claims (10)

  1. ホスフィンイミン触媒、不活性担体及び共触媒を含む重合触媒によって気相反応器中でエチレンをα−オレフィンと重合させることを含む、エチレンコポリマーの応力指数を改変するための方法であって、エチレンコポリマーの応力指数が反応器中の温度を少なくとも1℃変化させることによって改変され、ホスフィンイミン触媒が式:LTi(N=P(t−Bu))X(式中、Lは置換又は無置換インデニルリガンドであり、Xは活性化可能なリガンドである)を有する、上記方法。
  2. 前記温度が、応力指数を少なくとも3%低減するのに十分な量だけ上昇する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記温度が、応力指数を少なくとも3%増大させるのに十分な量だけ低下する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記共触媒が、アルキルアルミノキサン化合物である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記不活性担体がシリカである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記α−オレフィンが1−ヘキセンである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ホスフィンイミン触媒が、(1−CCH−Ind)Ti(N=P(t−Bu))Clである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記気相反応器が流動層反応器である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記温度が少なくとも5℃変化する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記重合触媒が触媒改質剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
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