本発明の実施形態の特定の細部について陸上車両を減速させ、使用不能にし、動かなくすると共に/或いはその運動を制限する器具を参照して以下に説明する。本発明の他の実施形態は、この項で説明する形態、コンポーネント、特徴又は手順とは異なる形態、コンポーネント、特徴又は手順を有しても良い。したがって、当業者であれば、それに応じて理解されるように、本発明は、追加の要素を備えた他の実施形態を有することができ又は本発明は、図示すると共に図を参照して以下に説明する要素のうちの幾つかが省かれた他の実施形態を有することができる。
概観
本発明は、陸上車両の空気タイヤ、エアレスタイヤ、無端軌道、又は別の路面係合トラクション装置を使用不能にするためにストラップを配備(展開)したり引っ込めたりする装置及び方法に関する。本発明の或る特定の実施形態は、引き込み形態から伸長形態に引かれる関節連結ストラップを含むのが良い。好ましくは、火工装置が発射体を発射し、この発射体は、関節連結ストラップを伸長形態に伸長させる。本発明の或る特定の他の実施形態は、圧縮ガス、ガス発生器により生じる圧力、弾性要素、又は再充電なしで多数回にわたって発火する(本明細書では、「発火する」は、「動作又は機能を開始する」の意である)ことができる他形式の潜在的エネルギー源によって配備されるストラップを含むのが良い。ストラップは、スパイク、鉄菱、装薬、又は上方に突き出て車両のタイヤを穿通して空気タイヤからの空気の放出を可能にするよう構成された他の物体を含む。
別の実施形態では、本発明は、更に、路面を横切ってセグメントを直線形態に配備する装置及び方法に関する。セグメントは、各々、1組のタイヤスパイク、ペネトレータ又は車両がセグメントを横切って走行する際に車両に取り付けられたタイヤを穴あけするよう構成された他の物体を含むのが良い。各セグメントは、これらセグメントを配備時に直線又は伸長形態で端と端とを突き合わせた状態で配置することができる仕方で互いに連係され又は連結されるのが良い。また、セグメント相互間の連結部により、セグメントを装置が保管されているとき又は違ったやり方で配備されていないときに積み重ね形態、折り畳み形態又は引っ込み形態で収容し又は収納することができる。
タイヤスパイクは、タイヤとの衝突時に少なくとも1つのスパイクがタイヤと係合状態になってセグメントから取り外されるような仕方でセグメント内に配置されるのが良い。加うるに、タイヤスパイクは、中心が中空であるよう円筒形の形に作られるのが良い。このようにすると、スパイクがタイヤの中に嵌まり込んだ状態になると、タイヤは、タイヤの中空中心を介して急激にデフレートすることになる。スパイクは、接触時にタイヤを容易に穴あけするよう鋭利であるように端が切断されるのが良い。このように、スパイクは、先端部を備えたクイルとして形作られる場合がある。タイヤとの係合の可能性を最大にするために、スパイクは、両端が鋭利に作られるよう両面クイルとして形作られるのが良い。
本装置は、配備時に少なくとも1つのセグメントとタイヤの衝突を検出するセンサを有するのが良い。本装置は、更に、最初の衝突後、セグメントが部分的に引っ込められるよう構成されるのが良い。本装置は、セグメントの直線形態を部分的に引っ込めて異なるセグメント又は一セグメント内の異なる領域が路面を横切って位置して車両の後輪の1組のタイヤに接触する可能性を増大させる。このように、車両は、その前輪と後輪の両方のタイヤがタイヤ内に嵌まり込んだままの互いに異なるスパイクによって穴あけされる可能性が多分にある。
序
図1は、本発明の実施形態としての器具10に接近している陸上車両の概略斜視図である。初動対応要員、法執行役人、軍隊兵員又は他の保安要員は、器具10を用いて陸上車両を減速させ、使用不能にし、動かなくすると共に/或いはその運動を制限することができる。陸上車両の例としては、自動車、トラック、軌道車両、例えばブルドーザ又は戦車、又は空気タイヤ、空気なしタイヤ、無端軌道、又は陸上車両を加速し、舵取りし、又は支持する他の路面係合トラクション装置を用いた任意他の車両が挙げられる。「路面」という用語は、改良済み道路、砂利、砂、ダート等を含む自然の又は人工のテレーンを意味する場合がある。図1は、自動車Cが改良済み道路Rに対して空気タイヤTによって支持され、舵取りされると共に/或いは加速されている状態を示している。
本発明の或る特定の実施形態は、器具10を標的車両、例えば自動車Cの予想経路に配備する。非配備状態の器具10は、路面上に、例えば、道路R上に又はその脇に配置され、次に武装状態に配備される。例えば、器具10は、器具10の配備を予期して電源を利用できるようにすることによって武装状態に配備できる。器具10は、標的車両が器具10に接近しているときに標的車両の予想経路を横切って配備され、例えば伸長される。器具10は、標的車両が短い距離遠ざかって位置しているとき、例えば100フィート(30.48m)以内にあるときに配備されるのが良い。これにより、運転手への器具10の存在の警告を回避することができ、かくして、標的車両が器具10上を首尾良く走行する可能性が高くなる。同様に、器具10を遠隔的に又は自動的に配備することにより、運転手が器具10に気付き又は器具10上を走行するのを回避する回避行為を取る可能性を低くすることができる。また、器具10を遠隔的に配備することにより、器具オペレータ(図示せず)は、標的車両から遠ざかり、それにより車両がオペレータに衝突する恐れを減少させ又はなくすことができる。
種々の実施形態についての詳細な説明
図2A〜図2Dは、器具10を非配備又は非展開形態(図2A)、武装形態(図2B及び図2C)、及び配備形態(図2D)で示す概略斜視図である。図2Aは、非配備形態にある器具10を保管し、輸送すると共に/或いは取り扱うためのハウジング20を有する本発明の実施形態を示している。具体的に説明すると、ハウジング20は、ボックス形形態をなして頂部分20b及び前部分20cに結合された底部分20aを有するのが良い。幾つかの実施形態では、弾薬箱形態を用いるのが良い。ハウジング20(図2B)を開くと共に/或いは別の行為、例えばスイッチを引き外すことにより、器具10を武装状態にすることができる。図2Cは、ハウジング20が開かれた状態の本発明の実施形態によるストラップパッケージ30、インフレーション器具40、レトラクタ器具60、及び電源70、例えばバッテリパックを示す部分透視図である。いったん武装されると、器具10は、いつでも配備できる状態にある。標的車両が器具10に接近しているとき、ストラップパッケージ30を配備し(図2C)、ストラップパッケージ30が標的車両の予想経路中に展開され又は巻き出されるようにする。本発明の一実施形態によれば、ハウジング20の寸法は、非配備形態(図2A)では、例えば、幅が約8インチ(20.32cm)、高さが約14インチ(35.56cm)、長さが約28インチ(71.12cm)であるのが良い。器具10の重さは、約40ポンド(18.14kg)であるのが良く、ハウジング20は、弾薬箱と同様なオリーブグリーンに塗装されるのが良く又は道路のそば又は側と溶け合う任意他の色に塗装されるのが良い。別の実施形態では、ハウジング20の寸法は、高さが約20インチ(50.80cm)、幅が13インチ(33.02cm)、長さが7インチ(17.78cm)であるのが良く、総重量は、25ポンド(11.34kg)であるのが良い。この実施形態に関し、配備状態の器具10の長さは、約18フィート(5.94m)であるのが良い。
図3Aは、器具10を配備する前における本発明の実施形態としてのインフレータ器具40及びレトラクタ器具60を含むストラップパッケージ30の斜視図である。ストラップパッケージ30は、交互に位置する第1及び第2の継手によって回動可能に結合された複数枚のプレート32(10枚のプレート32a〜32jが図3Aに示されている)を含む。個々の第1の継手34(4つの第1の継手34a〜34dが図3Aに示されている)は、隣り合うプレート32相互間に単一のピボット軸線を有し、個々の第2の継手36(5つの第2の継手36a〜36eが図3Aに示されている)は、隣り合うプレート32相互間のリンクによって互いに隔てられた2つの別々のピボット軸線を有する。図3Aに示されている実施形態によれば、第2の継手36aは、プレート32a,32bを互いに回動可能に結合し,第1の継手34aは、プレート32b,32cを互いに回動可能に結合し、第2の継手32bは、プレート32c,32dを互いに回動可能に結合し、第1の継手34bは、プレート32d,32eを互いに回動可能に結合し、第2の継手36cは、プレート32e,32fを互いに回動可能に結合し,第1の継手34cは、プレート32f,32gを互いに回動可能に結合し、第2の継手36dは、プレート32g,32hを互いに回動可能に結合し,第1の継手34dは、プレート32h,32iを互いに回動可能に結合し、第2の継手36eは、プレート32i,32jを互いに回動可能に結合している。したがって、ストラップパッケージ30は、関節連結された一連のプレート32及び継手34,36を有する。第2の継手36は、変形例として、単一のピボット軸線を備えた「短い」プレートとして見えても良く、かかる個々のピボット軸線は、短いプレートを隣の「長い」プレート32に結合する。
図3Aに示されているストラップパッケージ30の非配備又は積み重ね形態は、互いに重ね合わされたプレート32a〜32jを有する。特に、プレート32jは、プレート32iの上に位置し(これらは、第2の継手36eによって互いに離隔されている)、プレート32iは、プレート32hの上に直接位置し(これらは、第1の継手34dによって互いに結合されている)、プレート32hは、プレート32gの上に位置し(これらは、第2の継手36dによって互いに離隔されている)、プレート32gは、プレート32fの上に直接位置し(これらは、第1の継手34cによって互いに結合されている)、プレート32fは、プレート32eの上に位置し(これらは、第2の継手36cによって互いに離隔されている)、プレート32eは、プレート32dの上に直接位置し(これらは、第1の継手34bによって互いに結合されている)、プレート32dは、プレート32cの上に位置し(これらは、第2の継手36bによって互いに離隔されている)、プレート32cは、プレート32bの上に直接位置し(これらは、第1の継手34aによって互いに結合されている)、プレート32bは、プレート32aの上に位置している(これらは、第2の継手36aによって互いに離隔されている)。第2の継手36によって提供されている離隔に起因してプレート32相互間の空間は、以下に詳細に説明するようにプレート32に結合されたペネトレータを受け入れる。
プレート32及び/又は第2の継手36は、適当に強固であり且つ軽量であるガラス繊維波形プラスチック又は厚紙、木製又は別の材料から成るのが良い。例えば、G10は、樹脂中に浸軟されていて、非常に強く圧縮されて焼成されたガラス繊維の層の極めて耐久性の高い製品である。さらにG10は、水分又は液体に対して不浸透性であり、気候が変化しても物理的に安定している。プレート32は、標的車両のタイヤを穿通するスパイク、鉄菱、装薬等を送り出すのに適したプラットホームとなる。したがって、プレート32の寸法形状は、ばらばらの又は不安定な路面、例えば砂の上に適当な支持体となるよう選択されるのが良い。例えば、厚さ1/32インチ(0.79mm)G‐10で作られた6インチ(15.24cm)×17.5インチ(44.45cm)のプレートは、適当なプラットホームとなることができる。プレート32の寸法は又、ストラップパッケージ30が配備形態においてどれほど遠くまで延びるかに影響を及ぼす場合があり、例えば、プレート32が短いと、その結果として、短いストラップパッケージ30が配備される場合がある。
インフレータ器具40は、第2の継手36により提供される離隔に起因してプレート32相互間の空間内にこれ又受け入れられるインフレート可能なブラダ42(2つのインフレート可能なブラダ42a,42bが図4に示されている)を有する。インフレータ器具40は、圧力源44、例えば加圧ガスシリンダ、ガス発生器、アキュムレータ等及び圧力源44をブラダ42に結合するマニホルド46を更に有する。ブラダ42は、プレート32に取り付けられており、これらブラダは、加圧源44によるインフレートに応答して膨張してストラップパッケージ30を配備する。本発明の或る特定の実施形態は、プレート32に沿って長さ方向に取り付けられた管状ブラダ42を有し、ストラップパッケージ33の積み重ね形態ではブラダ42が一時的に第1及び第2の継手34,36のところに折り目が付けられる。したがって、各ブラダ42は、マニホルド46に結合されたブラダ42の端のところで始まって順次インフレートされるのが良い一連のチャンバを画定している。各チャンバをインフレートさせると、膨張中のブラダは、上に位置するプレート32に隣接したところで、積み重ね関係を解き、例えば展開、巻き出又は違ったやり方で配備し始め、ついには、ブラダ42は、ほぼ完全に膨張し、ストラップパッケージが例えば図2Cに示されているように配備される。第1及び第2の継手34,36のピボット軸線は、ストラップパッケージ30を一平面内での配備に拘束し、例えばストラップパッケージ30を配備しているときにストラップ30によるその長手方向軸線回りの捩りを最小限に抑え又はなくすのを助けることができる。
インフレータ器具40は、接近中の車両を検出し、そしてストラップパッケージ30を自動的に配備するセンサ(図示せず)を更に有するのが良い。適当なセンサの例としては、磁気センサ、距離センサ、又は接近中の車両を検出し、車両が器具10に到達する前にストラップパッケージ30を配備することができる任意他の装置が挙げられる。インフレータ器具40は、代替的に又は追加的に、ストラップパッケージ30を手動で配備する遠隔作動装置(図示せず)を有することができる。センサ及び/又は遠隔作動装置は、ワイヤにより、ワイヤレスで又は「配備信号」を器具10に伝える別の通信システムによって器具10に結合されるのが良い。ワイヤレス通信技術の例としては、電磁伝送(例えば、無線周波)及び光伝送(例えば、レーザ又は赤外線)が挙げられる。
図3Bは、本発明の実施形態としての多放出低温ガスインフレータ器具400の略図である。図3Bに示されているインフレータ器具400は、圧縮ガス、例えば窒素をアキュムレータタンク420に供給する高圧リザーバ410を有している。圧縮ガスの供給は、高圧リザーバ410とアキュムレータタンク420を結合する供給ライン416に沿って供給弁412及び/又は圧力調整器414によって制御できる。供給弁412は、高圧リザーバ410から供給ライン416を通る圧縮ガスの流れを供給し又は遮断することができる。本発明の或る特定の実施形態によれば、高圧リザーバ410は、約50立方インチ(in3)(819cm3)の容積を有するのが良く、かかる高圧リザーバを当初、約3,000psi(平方インチ当たりのポンド)まで加圧するのが良い。アキュムレータタンク420は、高圧リザーバ410の容積よりも少ない、これとほぼ同じ、又はこれよりも多い容積を有することができる。例えば、本発明の特定の実施形態は、これよりも僅かに大きい容積、例えば約62in3(1,016,2cm3)を有するアキュムレータタンク420を有するのが良く、圧力調整器414は、アキュムレータタンク420を比較的低い圧力、例えば約600psiまで加圧するよう調整されるのが良い。一般に、アキュムレータタンク420の容積及び圧力は、ブラダ42の容積及びストラップパッケージ30をブラダ42により配備する所望の時間に関連付けられるのが良い。例えば、配備圧力及び容積が多いと、ストラップパッケージ30を配備するのに要する時間を短くすることができ、これに対し、配備圧力及び容積が少ないと、ストラップパッケージ30の制御された配備を可能にすることができる。計器418が高圧リザーバ410内の圧力を指示するよう高圧リザーバ410と供給弁412との間で供給ライン416に結合されるのが良い。或る特定の他の実施形態は、異なるガス又はガスの混合物を用いることができ、異なる容積のリザーバ又はタンクを有することができ、固定式の又は調節可能な圧力調整器を有することができ且つ/或いは異なる圧力を利用することができる。
アキュムレータタンク420の下流側で供給ライン416に結合されたドレン弁422が供給ライン416を大気に向かって開くことによってアキュムレータタンク420内の残留圧力を除くことができる。計器424がアキュムレータタンク420内の圧力を指示するよう供給弁412とドレン弁422との間で供給ライン416に結合されるのが良い。
ストラップパッケージ30を配備するための圧縮ガスは、配備ライン430に沿って流れることができ、配備ライン430は、供給アキュムレータタンク420とマニホルド46を結合している。配備弁432がストラップパッケージ30への圧縮ガスの流れを制御するために供給アキュムレータタンク420とマニホルド46との間で配備ライン430に沿って配置されている。本発明の或る特定の実施形態によれば、配備弁432は、約15ミリメートルオリフィスを備えると共に1500psi圧力能力を備えた0.5インチ(1.7cm)NPT常閉ソレノイド弁を含むのが良く、かかる弁を直流信号、例えば24ボルトで作動させることができる。ストラップパッケージ30を配備するための信号が配備弁432のソレノイドを付勢し、それによりアキュムレータタンク420内の圧縮ガスが配備ライン430及びマニホルド46を通ってブラダ42に流れることができ、それによりストラップパッケージ30が配備される。配備弁432の下流側で配備ライン430に結合されると共に/或いはマニホルド46に結合されたベント弁440がブラダ42内の圧縮ガスを大気に逃がすことができる。本発明の特定の実施形態によれば、ベント弁440は、約1.2ミリメートルオリフィスを備えた0.125インチ(0.3175cm)NPT常閉ソレノイド弁を含むのが良く、かかる弁も又、24ボルト直流電流信号によって作動させることができる。ブラダ42をガス抜きするための信号が、例えばレトラクタ器具60の作動前及び/又は作動中、ベント弁440のソレノイドを付勢してブラダ42内のガスを大気に放出する。
図3Cは、本発明の実施形態としてのレトラクタ器具600の斜視図である。レトラクタ器具600は、電気式、空気圧式、機械式(例えば、弾性要素、例えばトーションばねによる)又は違ったやり方の動力式であるのが良い。図3Cに示されているレトラクタ器具600は、トルク源610、例えば電気モータ、トルク増倍器620、例えば減速歯車装置、トルクリミッタ630、例えば摩擦板スリップクラッチ、カップリング640、及び一方向クラッチ650、例えばドローンカップ針状クラッチ軸受を有する。1つ又は2つ以上のブラケット660(2つのブラケット660a,660bが図3Cに示されている)がレトラクタ器具600をハウジング20に対して支持するのが良い。レトラクタ器具600の或る特定の実施形態は、毎分3000回転で定格された60〜80ワット直流電流電気モータ610及び6:1の比の遊星歯車減速装置620を有するのが良い。カップリング640は、駆動トルクを駆動プーリ62に伝えてケーブル64を駆動プーリ62に巻き付けるための鋼製マンドレルであるのが良い。ドローンカップ針状クラッチ軸受の一例は、オハイオ州カムデン所在のザ・チムケン・カンパニー(The Timken Company)によって製造された部品番号RC‐081208である。一方向クラッチ650は、カップリング640と駆動プーリ62との間に介在して設けられるのが良い。したがって、トルク源610を作動させると、一方向クラッチ650が掛かり、それにより駆動プーリ62が駆動されると共にケーブル64が駆動プーリ62に巻き付けられてストラップパッケージ30が引っ込められる。さらに、一方向クラッチ650により、駆動プーリ62は、一般的に自由に回り、それにより例えばストラップパッケージ30が配備されているときにケーブル64を繰り出すことができる。
器具10の制御のためのエレクトロニクスは、配備をトリガする少なくとも2つのオプション、即ち、(1)ワイヤレス周波数作動式ボタン(“FOB”)及び/又は(2)ワイヤード制御箱を含むのが良い。本発明のオプション1の実施形態は、ハウジング20内に設けられた3チャンネル303MHzワイヤレス無線周波ボード(例えば、カリフォルニア州カマリロ所在のアプライド・ワイヤレス・インコーポレイテッド(Applied Wireless, Inc.)により製造されているモデル番号RCR303A)及びハウジング20とは別体であって遠隔に配置されるのが良い3ボタンFOB(例えば、これ又アプライド・ワイヤレス・インコーポレイテッドによって製造されているキー・チェーン・トランスミッタ(Key Chain Transmitter )KTX303Ax)を含むのが良い。他の幾つかの実施形態は、LINX RXM-418-LR418MHz 受信機、CMD-KEY#-418-S5 送信機、及びLINX LICAL-DEC-MS001複合機(この複合機は、送信機によって送られた暗号化ディジタルストリングを複合する)を用いる。ワイヤレス送信は、別の近くのユニットとのクロストークの可能性をなくすために24ビットで複合されるのが良い(1670万の固有アドレスを考慮に入れている)。本発明のオプション2の実施形態は、ハウジング20とは別体であって遠隔に配置できるがケーブルを介して電気的に結合された状態のままである制御箱を含むのが良い。両方のオプションを器具10に組み込むと、ストラップパッケージ30の配備を制御するバックアップを得ることができる。
図3Dは、本発明の実施形態としてのインフレータ器具400及びレトラクタ器具600を制御する電子回路500の略図である。図3Dに示されている電子回路500は、電源70、例えば24ボルト直流電流電池及び器具10をON/OFF(オン/オフ)にするシステムスイッチ510を含む。電子回路500は、システムスイッチ510の設定に基づいて器具10の状態を示す第1の表示器512及び電源70の電圧を示す第2の表示器514を更に含むのが良い。マイクロプロセッサ520がワイヤレス無線周波ボード510(即ち、オプション1)及び/又は補助手持ち形制御箱540(即ち、オプション2)から入力信号、例えば“FIRE(発火)”及び“RETRACT(引っ込み)”を受け取り、出力信号を(a)配備弁432のためのソレノイドコイル550、(b)ベント弁440のためのソレノイドコイル560及び/又は(c)トルク源610のためのモータ巻線570に送る。
電子回路500は、作動イベントのタイミング及び制御を取り扱うための回路を更に含むのが良い。かかる回路は、例えばワイヤード制御箱540により提供される電圧(例えば、約14〜17ボルト直流電流)と配備弁432及び/又はベント弁440を作動させるのに必要な電圧(例えば、約24ボルト直流電流)に差がある場合に有用な場合がある。この他の回路は、ワイヤレス無線周波ボード530(即ち、オプション1)及び/又はワイヤード制御箱540(即ち、オプション2)のいずれかから各イベントのためのオペレータ入力に基づいて動作する。
図3Eは、本発明の実施形態としての制御パネル700を示す部分平面図である。制御パネル700は、ハウジング20に結合されるのが良く、この制御パネルは、高圧リザーバ410内の圧力を指示する計器418、アキュムレータタンク420内の圧力を指示する計器424、電源70の電圧を示す第2の表示器514、システムスイッチ510、システムスイッチ510の設定に基づいて器具10のON/OFF状態を示す第1の表示器512、高圧リザーバ410からの圧縮ガスの流れを供給し遮断するための供給弁412を操作するノブ412a、及び例えば器具10を保管する際にアキュムレータタンク420内の残留圧力を除いてインフレータ器具400をパージするためにドレン弁422を操作するノブ422aを含むのが良い。
図4は、配備された後のストラップパッケージ30の一部分の詳細図である。標的車両が配備された状態のストラップパッケージ30上又はこれを越えて駆動すると、標的車両のタイヤは、ペネトレータ50、例えば中空スパイク、刺、フック又は空気タイヤを穿通してこれをデフレートさせる他の器具に当たることになる。プレート32上のペネトレータ50の数及び分布状態は、所望に応じて様々であって良いが、ペネトレータ50の数を増大させると共に/或いはペネトレータ50相互間の相対間隔を減少させることは、標的車両のタイヤのうちの少なくとも1本が突き刺される可能性を増大させると考えられる。
ペネトレータ50は、代替的に又は追加的に、1つ又は2つ以上の装薬(図示せず)を有するのが良い。これら装薬、例えば成形装薬、例えば直線形状の装薬は、空気タイヤ、空気なしタイヤ、無端軌道、及び/又は陸上車両の路面係合トラクション装置のトレッド又は他のコンポーネントを破断させ又は違ったやり方で切り裂くのに適している。かかる装薬は、例えば上述したようにストラップパッケージ30の配備に続く標的車両の重量の検出に応答してトリガされるのが良い。本発明のペネトレータ50の或る特定の実施形態は、個々のプレート32に沿って延びる独立した成形装薬及び/又は細長い直線形状の装薬を含むのが良い。さらに、ペネトレータ50は、スパイクと装薬の組み合わせを含むのが良い。作動にあたり、標的車両と係合したペネトレータ50だけがアクティブな状態になり、例えば、スパイクがピックアップされ、装薬が爆発するなどする。
本発明の或る特定の実施形態は、空気タイヤを穴あけしてデフレートさせる中空スパイクを含むのが良い。タイヤのうちの1本又は2本以上をデフレートさせることにより、車両は、制御困難な状態になることができ、例えば、舵取りのために用いられるタイヤをデフレートさせると、標的車両の操縦能力を制限し又は阻止することができると共に/或いは標的車両を駆動するために用いられるタイヤをデフレートさせると、加速又は制動を制限し又は阻止することができる。中空スパイクをこれらスパイクがタイヤに接触して穿通した後、プレート32上のスパイクホルダ(図4には示されていない)から引き抜くことができる。次に、中空スパイクは、タイヤ内の空気を逃がし出すことができる。空気が逃げ出る速度は、中空スパイクを通る空気流が妨げられない場合には比較的迅速である場合があり、又は中空スパイク内に弁又は他のフローレストリクタ(図示せず)が設けられている場合には比較的遅い場合がある。
図3C及び図4を参照すると、レトラクタ器具60は、ケーブル64を巻き込む駆動プーリ62を有する。レトラクタ器具60は、電気式、空気圧式、機械式(例えば、弾性要素、例えばトーションばねによる)又は違ったやり方の動力式であるのが良い。ケーブル64は、代替的に又は追加的に、モノフィラメントライン、テープ、又はストラップパッケージ30を図2に示されている配備形態から引っ込める別の適当な可撓性張力器具を含むことができる。本発明の或る特定の実施形態は、図2Bに示されている積み重ね形態においてプレート32及び第2の継手36に沿って走行するケーブル64を含む。ケーブル64は、一端がウィンチ62に固定され、プレート32に設けられた穴66(例えば、場合によっては、グルメット(図示せず)によって内張りされている)を通って延び、そして他端がプレート32jに固定されている。穴66は、第1の継手34の近くに配置されるのが良い。したがって、ケーブル64は、ストラップパッケージ30の配備を妨害することはなく、プレート32を配備する前のプレート32の積み重ね形態に類似している引っ込み形態に引き寄せる。引っ込み形態と積み重ね形態の差は、ウィンチ62が引っ込み形態においてケーブル64を巻き込んでいることにある。レトラクタ器具60は、例えば標的車両が器具10上を走行したが追跡車両が器具10を走行する前に又は標的車両が器具10上を走行することなく自動配備後に所定の期間が経過した後を含む様々な環境下においてストラップパッケージ30を図2Cに示されている配備形態から引っ込めるために用いられる。本発明のレトラクタ600の或る特定の実施形態は、ケーブル64を自由に巻き出すことができるクラッチ、ロック解除機構体、及び/又は一方向クラッチ650を有するのが良く、その結果、プレート32を再び積み重ねることができると共にケーブル64を次の再配備のために再び引き締めることができる。本発明の或る特定の他の実施形態によれば、ケーブル64を引っ込み形態で切断する切断器具を含むのが良い。これは、レトラクタ60が補助的配備に続いて器具10を引っ込めることができない場合であっても、器具10の補助的配備を可能にする。
図5A及び図5Bは、フォームスパイクプロテクタ70を含む器具10の断面図である。ストラップパッケージ30を配備するには、尖ったペネトレータ50を備えたプレート32を投げることが必要である。フォームプロテクタ70は、ペネトレータ50との偶発的な接触を減少させ又は阻止することができる。図5Aは、ペネトレータ50をほぼ収納するようプレート32に結合されたフォーム、例えば発泡ポリスチレン(EPS)のブロックを含む実施形態を示している。フォーム、例えばEPSは、これらが軽量であり、しかもフォームが標的車両によって容易に押し潰されるのでペネトレータ50がタイヤを刺し通すのをそれほど邪魔しないので、適当な材料である。同様な特性を備えた他の材料及び形態を代替的に又は追加的に用いることができる。図5Bは、フォームプロテクタ70a,70bを互いにインターロック状態にあるフォームプロテクタ70a,70bが第2の継手36の各側で隣接のプレート32に結合された別の形態を示している。図5Aに示されている形態と比較して、図5Bに示されている形態により長いペネトレータ50をプレート32によって支持することができる。上述したように、プレート32は、器具10が締まっていない又は不安定な路面上に配備したときであってもペネトレータ50のための支持プラットホームとなる。
プロテクタ70の追加の利点は、ペネトレータ50をプレート32上に設けられたホルダ52内に保持することにある。したがって、プロテクタ70は、ペネトレータ50が例えば標的車両のタイヤがペネトレータ50のうちの1つ又は2つ以上の上で刺し通される前にホルダ52から時期尚早に外されるのを阻止することができる。本発明の或る特定の実施形態は、プレート32に当てて又はこれと接触関係をなして保持されるペネトレータ50及び/又はホルダ52を含む。ペネトレータ50は、空気タイヤを穿通する刺付き先端部を備えた中空スパイクであるのが良い。この場合、かかるペネトレータ50をホルダ52から引き抜くことができ、それにより、タイヤ内の空気が中空スパイク内部を通って出ることができる。
図6は、スパイクエレクタ80を含む器具10の部分斜視図である。図5Bを参照して説明したように、長いペネトレータ50が望ましいと言える。図6は、ペネトレータ50が例えば、鋭利な先端部から個々のプレート32に回動可能に結合された基部まで延びる中空スパイクを有する本発明の実施形態を示している。ロッド82がプロテクタ70を貫通して延びてペネトレータ50をブラダ42のインフレートに応答して立てることができる。具体的に説明すると、ブラダ42は、ロッド82をスロット84内に押し込んでペネトレータ50を非配備形態における斜めの形態から器具10の配備形態におけるほぼ垂直な形態に動かすことができる。
図7A及び図7Bを更に参照してエレクタ80の動作原理について更に説明する。図7Aに示されている器具10の非配備形態では、ブラダ42は、インフレートされておらず、3つのペネトレータ50は、単一のプレート32に対して斜めに配置されている。具体的に説明すると、ペネトレータ50の各々は、それぞれのピボットブロック88によってプレート32に回動可能に結合されている。プロテクタ70に設けられている個々のポケット86は、例えば非配備形態(図7A)におけるプレート32に対する斜めの形態と配備形態(図7B)におけるプレート32に対するほぼ直角の形態との間でペネトレータ50の動作範囲を定めることができる。代替的に又は追加的に、ピボットブロック88は、プレート32とペネトレータ50の基部との間に配置されたディスクを有するのが良い。ディスクの弾性「ヘア」又はスライバがペネトレータ50を非配備形態に向かって付勢するのが良く、ついには、ロッド82がペネトレータ50を立てる。ブラダ42をインフレートさせることにより、ロッド82がスロット84内に押し込まれ、それによりペネトレータ50は、ピボットブロック88内で回動してその結果、ペネトレータ50の少なくとも一部分が図7Bに示されているようにポケット86の外側に突き出るようになる。したがって、エレクタ80は、器具10の非配備形態ではプロテクタ70によって隠され、器具10の配備形態では露出される長いペネトレータ50の使用を容易にする。本発明の或る特定の他の実施形態は、場合によっては器具10が配備されることに応答して又はウィンチ62により提供される特定の直立動作に起因して、ペネトレータ50を立てると共に/或いは引っ込めるためのテープ又は別の可撓性引っ張り部材(図示せず)を用いることができる。したがって、第1及び第2の継手34,36のところに配置されたヒンジばねがストラップパッケージ30を配備すると共に/或いは可撓性部材を引っ張ってペネトレータ50を立てるための追加のエネルギーを提供することができる。
図8A〜図8Dは、図5Bに示されているフォームプロテクタ70a,70bを覆うカバーを示している。図8A及び図8Cは、それぞれ、カバー90a,90bを備えたインターロック状態のプロテクタ70a,70bの斜視図である。図8B及び図8Dは、それぞれ、カバー90a,90bの断面図である。カバー90は、フォームプロテクタ70に固定されているのが良く、例えばこれにくっつけられているのが良く且つ/或いはプレート32に巻き付いてこれに固定されているのが良い。カバー90は、インフレートされたブラダ42を収容するよう寸法決めされたチャネルを更に有する。カバー90は、成形プラスチック、ファイバテープ又はプロテクタ70を補剛すると共に/或いは外装するのに適した別の材料から成るのが良い。
インフレート可能なストラップパッケージ30の配備は、器具10が使用のために位置決めされた後に行われる。ガス発生器がストラップパッケージ30を配備するための圧力源44として使用されるのが良い。ガス発生器は、オペレータによって作動装置、例えば無線信号発生器又は別の遠隔切り替え装置の使用により遠隔地から作動されるのが良い。変形例として、近接検出器を用いると、標的車両が近接検出器の検出範囲内に入ったときに器具10を作動させてストラップパッケージ30を配備することができる。管状ストラップにガス発生器内で生じたガス又は貯蔵装置から放出されたガスを迅速に充填することによって、インフレート可能なブラダ42及びこれに付随するストラップパッケージ30は、図2Bに示されているような武装位置から図2Cに示されているような配備位置に配備することになる。
作動にあたり、標的車両が器具10を通過することが予想される場所に器具10を配置する。器具10を脇に又は道路上に、バリヤ内又はバリヤ相互間のチェック箇所又は車輪止め箇所、或いは標的車両の予想経路内に位置するどこかの場所に配置するのが良い。本発明の或る特定の実施形態では、器具10が器具10の存在をカモフラージュするよう典型的な環境的特徴部に組み込まれる。標的車両の予想経路内にいったん配置されると、器具10は、近接センサ、無線周波遠隔アクチベータ、ハードワイヤードコントローラ等によって器具を遠隔地から安全に武装することによって配備の準備が整う。変形例として、器具10は、人がハウジング20を開くことにより又はユーザが器具10に設けられているスイッチを引き外すことによって武装されても良い。標的車両が器具10に接近しているとき、ストラップパッケージ30は、例えばオペレータがガス発生器を作動させて管状ブラダ42をインフレートさせる信号を器具に送ることによって配備されることになる。標的車両は、ストラップパッケージ30上を走り、ペネトレータ50は、標的車両の路面トラクション装置、例えばタイヤに当たることになる。しかる後、管状ブラダ42をデフレートさせ、そしてストラップパッケージ30をウィンチ62によって引っ込めるのが良い。したがって、器具10を引っ込めると、追跡中の車両、例えば保安要員の車両は、ストラップパッケージ30及びペネトレータ50上を走ることがないようにすることができる。
次に、本発明の一実施形態の作用を説明する。オペレータは、器具10を開き、そして発火コントローラ(FOB又は補助手持ち形制御箱540)を取り出し、システムスイッチ510をONにしてノブ412aを回して供給弁412を開き、それによりアキュムレータタンク420を加圧する。これにより、加圧ガス、例えば約600psiの窒素を供給タンク410からアキュムレータタンク420に制御された仕方で供給する。オペレータは、アキュムレータタンク420が圧力調整器414によって調整された圧力で平衡状態に達した後、供給弁412を閉じる。このプロセス全体は、約4秒しかかからない。次に、インフレータ器具40を武装する。配備がいったん開始されると、配備弁432は、ブラダ42をインフレートさせ、それによりストラップパッケージ30が配備する。配備弁432は、約2秒間開いたままであるのが良く、その後閉じる。次に、配備されたストラップパッケージ30は、今や配備されており、ストラップパッケージ30上を走行する標的車両に当たり又は標的車両以外の車両に当たるのを回避するよう引っ込められるよう利用できる。レトラクタ器具60の作動は、配備が始まった後、約5秒間阻止されるのが良く、それにより時期尚早な引っ込みが阻止される。
例えば標的車両以外の車両に当たるのを回避するためにストラップパッケージ30を引っ込める場合、ベント弁440を開き、引っ込み又はレトラクタ器具600を例えば約3秒間ONにし、それによりストラップパッケージ30をハウジング20内に引っ込めて戻す。この時点において、インフレータ器具400とレトラクタ器具600の両方を使用不能にするのが良く、そして再起動化するには、必ず電源スイッチをOFFにし、次にONに戻さなければならない。したがって、器具10は、配備されて引っ込められた後、自動安全特徴部を有するのが良い。
ストラップパッケージ30を配備した後、アキュムレータタンク420内には残留圧力、例えば約300psiが存在する場合がある。オペレータは、ノブ422aを回してドレン弁422を開き、それによりこの残留圧力を大気中に逃がすのが良い。本発明の或る特定の実施形態は、器具10の非配備形態では(図2A)圧縮ガスがブラダ42に流れないようにする安全特徴部としてドレン弁422がそのOPEN(開放)設定状態にある状況で保管できる。加うるに、供給弁412を器具10の非配備形態ではそのCLOSED(閉鎖)設定に配置することにより、高圧リザーバ410からの圧力の損失を回避するための予防措置がとられる。本発明の或る特定の実施形態は、高圧リザーバ410としてセルフシール型加圧ボトルを含むのが良い。かかるボトルを高圧リザーバ410からの圧力の損失を回避するための別の予防措置として器具10から切り離すのが良く、例えば器具10からねじ戻して外すのが良い。器具10を保管する際、オペレータは、高圧リザーバ410からの圧力の損失を回避するための予防措置が行われていることを確認するのが良く、そしてシステムスイッチ510をOFFにするのが良い。
次に、図9A〜図9Cを参照して本発明のストラップパッケージ30の一実施形態の作動について説明する。配備挙動を特徴付けることができる幾つかの段階が存在する。図9Aは、初期スタック(積み重ね体)回転を含む第1の段階を示している。支持プレートスタック全体は、第1の段階の際、第1の継手36a回りに回転する。継手36aは、回転中の構造体を整列状態に保つと共にスタックをバランスの取れた状態に保ち、その結果、「面外」又は捩り回転が生じないようにする。図9Bは、スタック回転及び初期発射を含む第2の段階を示している。スタック全体は、引き続き第2の継手36a回りに約45°の角度を超えて回転し、展開方向(Z軸)に沿って「直線」軌道を呈し始める。スタックは今や、プレート32bから「持ち上がり」始める。第1段階の場合と同様、第1及び第2の継手34,36は、回転中の構造体を整列状態に保つと共にスタックをバランスの取れた状態に保ちそれにより「面外」変位を最小限に抑える。図9Bは又、第1の継手34aのところで管状ブラダ42を「捩れないようにして」管状ブラダ42の次の「チャンバ」又はセグメントがインフレートし始めるようになっている状態を示している。図9Cは、スタックの発射を含む第3の段階を示している。スタックは、垂直から数度傾いた状態であるのが良く、かかるスタックは、前方速度及び運動エネルギーを呈している。首尾良く発射が行われた後、第1及び第2の継手34,36は、配備中における自由度が引き続き「面外」又は捩り回転を最小限に抑え又はなくすようにする。配備挙動の次の段階は、スタックがその元のサイズの約半分である場合を含み、プレートの残部を完全配備まで伸長させるのに十分な運動エネルギーがシステム中に存在する。この場合も又、第1及び第2の継手34,36は、路面上に「タッチダウン」したプレートによって「面外」又は捩り回転を最小限に抑え又はなくし続ける。配備挙動の最終段階では、プレート32の全てを完全に伸長させる。配備に続き、ブラダ42をデフレートさせてウィンチ62によりケーブル64を巻き取ることによってストラップパッケージ30を引っ込めるのが良い。弁、電磁ソレノイド、又はブラダ42内に存在するガスを放出するのに適した任意他の装置の手動又は自動的にタイミングが取れた作動によってブラダ42をデフレートさせるのが良い。
次に、図10A及び図10Bを参照して本発明のストラップパッケージ30の別の実施形態の作用について説明する。図10Aは、プレート32を図9A〜図9Cに示されているようにストラップパッケージ30の近位端部30bから押すのではなく、プレート32をストラップパッケージ30の遠位端部30aから引くことによって始まる初期の配備段階を示している。図10Bは、追加のプレート32をストラップパッケージ30の非配備形態に対して積み降ろした後の配備段階を示している。
遠位端部30aに結合された発射体100をストラップパッケージ30の全て又は少なくとも一部分を配備するために砲身140から発射する。発射体100は、単一の一体形塊状体から成っていても良く、或いは、塊状体の集まり、例えばショットの袋から成っていても良い。発射体100の質量及び速度は、好ましくは、発射体100の運動エネルギーが人に対して非致死的であるよう選択される。例えば、発射体100は、約2ポンド(907g)の質量を有するのが良く、そして約70フィート(24.4m)/秒で動くのが良い。
或る特定の実施形態によれば、発射体100は、複数個の小さい質量体、例えばスチールショットを収容した袋、スリーブ又は別の可撓性容器110を有する。可撓性容器内に複数の小さな塊状体を入れた場合の利点は、発射体100が物体に衝突したときの跳ね返り又はリバウンドを最小限に抑え又はなくすことにある。
図11は、管状スリーブ112を有する可撓性容器110の一実施形態を示している。管状スリーブ112は、ポリエステル又はナイロンウェッビングを有するのがよくしかも閉じられた、即ち縫って閉じられた第1の端部112aを有するのが良い。塊状体を収容するポケット114が閉鎖された第1の端部112aと第1の端部112aから離れて設けられた継ぎ目116との間に設けられるのが良い。継ぎ目116は、ポケット114を管状スリーブ112内に形成するのに適した縫い目又は別のクロージャから成るのが良い。連結具118、例えばグルメットが発射体100をストラップパッケージ30の遠位端部30aに結合するために可撓性容器110に設けられるのが良い。連結部118は、好ましくは、可撓性容器110の第2の端部112bの近くに設けられる。
発射体100の別の実施形態は、他の形をした可撓性容器、他の容器材料、又は容器ポケットを形成するのに適した他のクロージャを含むことができる。発射体100は、1つ又は2つ以上の塊状体を収容する硬質容器又は軟質材料と硬質材料の組み合わせから成る塊状体容器を更に有するのが良い。塊状体は又、ストラップパッケージ30の遠位端部30aによって又はこの上に設けられるのが良く、例えば、遠位端部30aは、砲身140内に装入されて発射されるのが良い。
或る特定の実施形態によれば、テザー120が発射体100とストラップパッケージ30を互いに結合するために用いられるのが良い。例えば、ストラップ、ウェブ、コード、チェーン又は別の可撓性リンケージ(リンク装置)は、可撓性容器110に設けられた連結部118とストラップパッケージ30の遠位端部30aのところに設けられたプレート32との間に延びてこれらを互いに結合するのが良い。具体的には図示されていないが、遠位端部30aのところのプレート32は、テザー120を結合するための補強連結部、例えばグルメットを有するのが良い。テザー120の長さは、砲身140の長さの好ましくは2〜5倍である。テザー120は、発射体100とストラップパッケージ30との間のカップリング又は結合部に弾性をもたらす弾性材料から成るのが良い。例えば、テザー120は、バンジーコード、ばね、又は別の弾性カップリングを有するのが良い。テザー120に弾性材料を設けた場合の利点は、発射体100の発射に起因して生じる運動エネルギーを配備状態のストラップパッケージ30上に蓄えると共に分布させることにある。
図12は、図10A及び図10Bに示された配備に従って動作する器具10の実施形態を示している。器具10は、ハウジング20(ハウジングの内部を良好に見ることができるよう側部パネルが取り外されている)及び交換トレー130を有する。ハウジング20は、レトラクタ器具600及び制御パネル700を有している。レトラクタ器具600は、好ましくは、トルクを駆動プーリ62に伝えるカップリングの第1の部分を有する。制御パネル700は、好ましくは、器具10をON/OFFにし又は武装するためのシステムスイッチ510を有する。制御パネル700は、好ましくは、システム10の状態を示す、例えば、器具10が武装されたかどうか、器具10が発火されたかどうかを示し、電源70の電圧を示すなどする表示器512,514のうちの1つ又は2つ以上を更に有する。好ましくは、表示器のうちの1つ512又は514は、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。別の表示器516、例えば別のLCDが制御パネル700を露出させるためにハウジング20を開くことなく器具10の状態を示すようハウジング20の外部に設けられるのが良い。
交換トレー130は、好ましくは、ストラップパッケージ30、駆動プーリ62、電源70、及び砲身140を有する。或る特定の実施形態によれば、トレー130は、例えば発火後に器具10を改修するため又はストラップパッケージ30の特徴又は能力を再構成するため、例えばストラップパッケージ30の長さを変化させるためにハウジング20から分離することができるモジュラーユニットとなる。ロック(図示せず)が交換トレー130をハウジング20に対して解除可能に固定することができる。駆動プーリ62は、トルクをレトラクタ器具600から伝えるための機械的カップリングの第2の部分を有するのが良い。互いに嵌合する電気コネクタ(図示せず)が電源70、レトラクタ器具600、制御パネル700等を電気的に結合するためにハウジング20及び交換トレー130に設けられるのが良い。
砲身140は、交換トレー130に設けられていて、発射体100を上方且つ外方に発射するために器具10のベースに対して角度をなして差し向けられている。器具10のベースに対する砲身140の角度は、固定されても良く、或いは調節可能であっても良い。好ましくは、砲身140の角度は、器具10のベースに対して約30°である。砲身140の寸法は、(1)ハウジング20内で利用できる空間、(2)発射体100のサイズ、又は(3)発射体100を砲身140から発射するのに必要な力を含む種々の基準に基づいて選択されるのが良い。一実施形態によれば、砲身140は、約40ミリメートル(約1・9/16インチ)の内径を有すると共に約150〜400ミリメートル(約6〜16インチ)の長さを有するのが良い。好ましくは、砲身140の長さは、約150〜250ミリメートル(約6〜10インチ)である。
図13は、砲身140及び発射体100を砲身140と一緒に発射する装薬150の実施形態を示している。砲身140は、砲口142から砲尾144まで延びている。砲尾144は、チャンバ146及びノズル148を有する。装薬150は、チャンバ146内に納められている。一実施形態によれば、装薬150は、空包152及び電気起爆剤154を含む。空包152は、好ましくは、代表的には弾薬の実包内に装填された発射薬の量の約1/2を収容した小火器弾薬ケーシング、例えば9ミリメートル、0.357内径(カリバ)等を有する。或る特定の実施形態によれば、「到達距離」又は空包152が発射体100を器具10から発射する距離は、空包152内の発射薬の量を調節することによって調節できる。電気起爆剤154は、好ましくは、撃発火管の代わりに用いられる。したがって、制御パネル700から電気起爆剤154へのFIRE信号は、空包152内の発射薬に点火し、それにより膨張中のガスがノズル148を通過する。ノズル148は、好ましくは、発射体100を砲口142から発射するためのロケットモータの場合のように動作する。他の実施形態によれば、ガス発生器の圧縮ガス又は出力は、発射体100を発射するためにノズル148を通って放出されるのが良い。
発射体100は、好ましくは、砲口142を通って砲身140内に装填される。したがって、テザー120は、発射体100から砲身140に沿って砲口142から出てストラップパッケージ30の遠位端部30aまで延びるのが良い。装弾筒156も又、ノズル148と発射体100との間で砲身140内に装填されるのが良い。装弾筒156は、発射体100の後ろに位置する発射薬ガスを捕捉して発射体100の先に逃げるガスを減少させるために砲身140の砲腔内に締り嵌め状態をなす。したがって、装弾筒156は、装薬150により生じた圧力を、発射体100を発射させる力に変換するのを最大にするよう動作する。好ましくは、装弾筒156は、ポリウレタンカップを含む。装弾筒は、発射体塊状体と組み合わされて2つの機能的部分を単一の部品又は組立体にするのが良い。
図14A及び図14Bは、ストラップパッケージ30の実施形態の細部を示している。プレート32、第1の継手34、及び第2の継手36は、図3Aに示されたものとほぼ同じであるが、図14Aに示されている個々の第1及び第2の継手34,36のピボット軸線は、好ましくは、ピンの互いに反対側に設けられた相互に組み合わされたナックルを有する割り葉状片(split leaf)設計を含む。特に、個々のピボット軸線は、第1の端部160aと第2の端部160bとの間に延びるピン160を含むのが良い。好ましくは、ピン160は、プレート32の幅をほぼ跨ぐ長手方向長さを有する。ピン160の軸方向運動は、ピン160を取り巻くと共にヒンジ162に当接した少なくとも1つのOリング160c(2つが図14Aに示されている)によって制限されるのが良い。互いに組み合わされたヒンジ葉状片162aと162bの対は、好ましくは、各ピン160の端部160a,160bの近くに設けられる。好ましくは、葉状片162a,162bの各々は、複数個のナックル164を含む(図14Aは、各ヒンジ上に全部で4つ設けられる場合、葉状片162a,162bの各々に設けられた2つのナックル164を示している)。葉状片162a,162bの各々は、「長い」プレート32又は「短い」第2の継手36に結合され、例えば溶接され、接着され、結合されるなどされている。本発明の実施形態は、他のヒンジ、例えばプレート32の幅を跨ぐピアノヒンジ、各葉状片162に設けられた単一のナックル、一体ヒンジ又はストラップパッケージ30の各継手のところに設けられた他のほぼ平行なピボット軸線を含むのが良い。
個々のプレート32は、好ましくは、複数のペネトレータ50を送り出すプラットホーム32a、プラットホーム32aと一緒になってポケット32bを形成するカバー90、及びポケット32b内に設けられていてペネトレータ50を差し向けると共にルーズに保持するペネトレータスタンド32cを有する。カバー90の各々を熱可塑性材料、例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)又はポリスチレンで真空成形するのが良く、そして同種又は他の材料から成るのが良いプラットホーム32aに結合され、例えば溶接され、接着され、結合されるなどするのが良い。ペネトレータスタンド32cは、好ましくは、ポケット32b内に嵌まり込むよう寸法決めされると共に/或いは形作られ、かかるペネトレータスタンドは、プラットホーム32aに当接するのが良く又はこれに結合されるのが良い。ペネトレータスタンド32cは、ペネトレータ50をプラットホーム32aに対して例えば比較的垂直に又は斜めの角度をなして差し向ける複数の穴を有する。カバー90は、ペネトレータ50をペネトレータスタンド32c内でこれらの向きを保持するよう寸法決めされると共に/或いは形作られている。
ストラップパッケージ30の長さに沿う個々の第2の継手36は、ケーブル64をレトラクタ器具600まで案内するアイレット36bを備えたタブ36aを有するのが良い。タブ36aは、好ましくは、第2の継手36に結合され、例えば溶接され、接着され、結合などされる。
図15は、本発明の実施形態による全方向性ストラップパッケージ300を示している。ストラップパッケージ300は、ストラップパッケージ300の長さの何割か又は全長に沿って延びる可撓性リンケージ310を有する。可撓性リンケージ310は、例えば、ストラップパッケージ300の遠位端部30aと近位端部30bとの間に延びると共にこれらを結合する例えばストラップ、ウェブ、コード、チェーン又はケーブルを含むのが良い。ストラップパッケージ300は、遠位端部30aから発射体100まで更に延びるのが良く又はテザー120によって発射体100に結合されるのが良い。
ストラップパッケージ300は、可撓性リンケージ310の長さに沿って設けられた複数の区分320を更に有する。例えば、複数の区分320は、ビードのストリングと同様に可撓性リンケージ310に沿って互いに並べられるのが良い。隣り合う区分320相互間に延びる可撓性リンケージ310の部分は、隣り合う区分320を互いに結合する関節連結部となっている。本発明の或る特定の実施形態によれば、個々の区分320の相対的位置は、可撓性リンケージ310の長さに沿って固定されても良く、或いは、区分320は、可撓性リンケージ310の長さに沿って動き、例えば滑るようになっていても良い。本発明の或る特定の実施形態は又、ストラップパッケージ300を引っ込めるために可撓性リンケージ310を用いることができる。例えば、可撓性リンケージ310の近位端部30bは、レトラクタ器具60(例えば、図3C及び図4)に結合されるのが良い。
区分320は、ストラップパッケージ300が配備されると路面上に平らに置かれがちである少なくとも1つの外面を有するよう形作られ又は違ったやり方で構成されるのが良い。例えば、図15に示されているように、個々の区分320は、可撓性リンケージ310の長さに垂直に見た場合に三角形の断面を有するのが良い。したがって、3つの軸線のうちの任意のものについてバランスを取るのではなく、各個々の区分320の3つの表面のうちの1つは、ストラップパッケージ300が配備されたときに路面上に平らに置かれがちである。本発明の或る特定の実施形態によれば、個々の区分320は、好ましい仕方で又は好ましい向きで路面上に位置しがちである他の形状及び/又は形態を有しても良い。例えば、個々の区分320の断面は、三角形ではなく多角形の形をしていても良く、個々の区分320は、可撓性リンケージ310の長さに沿って延びる弧状形態(例えば、バナナの形)等を有しても良い。
個々の区分320は、複数のペネトレータ50を有する。個々のペネトレータ50は、好ましくは、標的車両のタイヤの少なくとも1本がペネトレータ50のうちの少なくとも1つによって刺し通される可能性を増大させるよう区分320内に設けられる。例えば、多角形の形をした区分320の各平坦部は、1つ又は2つ以上のペネトレータ50の基部のための支持プレートとなることができる。したがって、個々の区分320内にはペネトレータ50の複数の相対的向きが存在するのが良く、例えば路面にほぼ垂直な向きのうちの幾つかだけが路面上に位置する区分320の表面に応じて、標的車両のタイヤを刺し通すことができる。路面にほぼ平行に差し向けられた他のペネトレータ50、例えば路面上に位置していない表面によって支持されたペネトレータは、標的車両のタイヤを刺し通すことができない。本発明の或る特定の実施形態は、個々のペネトレータ50の先端部をそのペネトレータ50のための支持面と反対側に位置する断面頂点の内側に当てて設けるのが良い。これは、好ましくは、互いに異なるペネトレータ50の相対的向きを維持すると共にペネトレータ50を個々の区分320内に保持する。
器具10の利点としては、それにより保安要員が危険にさらされるのが回避されるということにある。というのは、器具10は、器具10を定位置に配置することができ、そして次に遠方から配備すると共に/或いは引っ込めることができるからである。かくして、器具10を配置する係員は、標的車両の予想経路から安全な距離を置いたところで器具10から離れることができ、そして標的車両が器具10の配置場所に接近したときに器具10のストラップパッケージ30を配備することができる。したがって、器具10の遠隔配備は、接近中の標的車両の前に手動で投げなければならない従来型スパイクストリップを用いるよりも安全であると言える。
器具10の別の利点は、ストラップパッケージ30が再装填可能であるということにある。具体的に説明すると、プレート32、ペネトレータ50、及び圧力源44を器具10の配備後に再装填することができる。さらに、用いられる器具10の部分しか交換する必要がない。これら部分としては、例えば、フォーム70の潰れた区分、取り去られたペネトレータ50及び/又は使用済みのガス発生器44が挙げられる。
器具10の更に別の利点は、標的車両の下に正確に配置されたかどうかに対して比較的左右されない器具によって陸上車両を減速させ、使用不能にし、動かなくすると共に/或いは陸上車両の運動を制限することができるということにある。さらに、器具10は、最小限のユーザ介入により器具10を配備するために自動的に且つ/或いは遠方から武装してトリガすることができる。
器具10の別の利点は、図10A及び図10Bに示されているように動作するストラップパッケージ30を迅速に、例えば約1秒以下で配備することができ、そして迅速に、例えば約2秒以下で引っ込めることができるということにある。さらに、図10A及び図10Bに示されているように動作する器具10は、ストラップパッケージ30を最高18フィート(5.486m)以上投げることができ、そしてかかる器具は、到達距離を利用可能な最大長さの一部分に制限するよう調節可能である。例えば、調節可能なロック装置がプレート32のうちの1枚又は2枚以上を交換トレー130に対して固定することができ、従って固定されたプレート32が配備されるのを阻止することができる。他の実施形態によれば、ヒンジ162は、ストラップパッケージ30の全て又は一部を放出するための分離可能な特徴部を有するのが良い。例えば、1つ又は2つ以上のヒンジ162とプレート32との間の結合は、所望の最大値を超える力が器具10の残部に対してストラップパッケージ30に作用したときに切れるよう設計された弱体部を有するのが良い。
全方向性ストラップパッケージ300の利点は、ストラップパッケージ300をどのように配備するかとは無関係に、標的車両タイヤを刺し通す可能性を増大させるペネトレータ50を配備することができるということにある。したがって、ストラップパッケージ300は、路面上に位置する個々の区分320の単一の特定の表面を必要とせず、標的車両タイヤを刺し通すために各区分320について複数の向きを効果的にする。全方向性ストラップパッケージ300の別の利点は、可撓性リンケージ310が互いに異なる路面トポグラフィに適合することができるということにある。窪み、隆起部又はレーン相互間又は道路の側に位置する障害物を有する表面をストラップパッケージ300によって覆うことができる。
図16Aは、区分320内におけるスパイク50の配置状態の細部を示している。スパイク50は、三角形区分320の表面にほぼ平行に配置されるのが良い。図示の区分320は、全方向性であるのが良く、即ち、区分320のどの側が路面と接触関係をなすかとは無関係に道路車両のトラクション装置に係合することができる。個々の区分320内におけるスパイクの互いに異なる配置状態を用いることができる。例えば、スパイク50は、3つ目ごとのスパイクが区分320の表面のうちの1つにほぼ平行であるように配置されるのが良い。これにより、路面上に位置する区分の側とは無関係にスパイクの好ましい方向(即ち、接近中の車両の方向)へのスパイクの均等な分布が保証される。区分320のどの表面が路面上に位置しているかとは無関係に好ましくは、接近中の車両に向いた十分な数のスパイクを提供しながら区分320内のスパイクの他の配置状態を用いることができる。例えば、スパイクは、三角形区分のそれぞれの表面に垂直に配置されても良い。
図16Bは、区分320内における個々のスパイク50の断面図である。スパイク50は、フォーム57(斜めの線で示されている)によって所望の向きに保持することができる。スパイク50を所望の向きに保持するために適当な嵌まり合い空間を包装用フォーム57内に作るのが良い。種々の形式のフォーム57を用いることができ、かかる形式としては、例えば、発泡ポリスチレン(EPS)又は包装用フォームが挙げられる。作動にあたり、接近中の車両のタイヤがフォーム57を押し潰し、そしてスパイク50がタイヤを穿通する。スパイク50は、取り外し可能なキャップ51を有するのが良い。接近中の標的車両のタイヤがスパイク50に当たると、キャップ51がスパイクから外れることができ、かくして刺し通されたタイヤから逃げ出る空気のための抵抗が減少する。加うるに、取り外し可能なキャップ51は、区分320の製造費を減少させることができる。スパイク50は、互いに異なる長さに作ることができ、かかる長さとしては、例えば、長さ3インチ(7.62cm)又は1.5インチ(3.81cm)のスパイクが挙げられる。スパイク50は、金属、プラスチック、木材又は適当な硬度の他の材料で作られるのが良い。
図17Aは、区分320を保持するためのスリーブ112を備えたストラップパッケージ300の実施形態を概略的に示している。スリーブ112は、例えばテキスタイル(繊維)又はプラスチック箔で作られるのが良い。区分320は、非拘束状態のままにしておいた場合、配備又は引っ込みの際に互いに集まる傾向を有する場合がある。したがって、ステッチ820をスリーブ112上の適当な場所に設けて個々の区分320をこれらの所定の場所に保持するのが良い。
図17Bは、スリーブ112内に多数の区分320を有するストラップパッケージ300の実施形態を示している。区分320は、ステッチ820(図示せず)によって離隔されるのが良い。ストラップパッケージ300は、発射体100及びテザー120を用いて手動で配備できる。ストラップパッケージ300は又、例えば上述の図10A又は図2C〜図3Eを参照して詳細に説明した配備器具を用いて配備できる。幾つかの引っ込みループ810がストラップパッケージ300の引っ込みを助けるためにスリーブ112に沿って設けられるのが良い。ケーブル、コード又は類似の器具(図示せず)がループ810に通されて以下の図18及び図19を参照して詳細に説明するようにストラップパッケージ300を引っ込めるのを助けるのが良い。幾つかの実施形態では、ストラップパッケージ300をリール(図示せず)に巻き取ることによってストラップパッケージ300を引っ込めることができる。
図18は、2つの互いに連結された区分320の部分図である。案内ブロック831が案内ケーブル836によって区分320に連結されるのが良い。案内ケーブル取り付け部838を用いると、ケーブル836を区分320にしっかりと取り付けることができる。変形例として、案内ケーブル取り付け部838は、区分320を収容したスリーブ(図示せず)に取り付けられても良い。円形案内穴834が図18に示されているが、例えば正方形、長方形、楕円形等を含む他の形状を有する案内穴を用いることができる。さらに、案内ブロック831一個当たり多数の案内穴834を用いることができる。金属、プラスチック、ヘンプ又は布で作られた引っ込みケーブル、コード、チェーン又はワイヤを案内穴834に通して以下の図19を参照して詳細に説明するようにストラップパッケージを引っ込めるのを助けるのが良い。
図19は、案内ブロック831の案内穴に通された引っ込みケーブル840を有するストラップパッケージ300を概略的に示している。引っ込みケーブル840は、発射体100及び/又はテザー120の近くに位置する案内ブロックにしっかりと固定されるのが良い。引っ込みケーブル840は、他の案内ブロック831の案内穴を通って滑ることができる。したがって、ケーブル840を引くことによりストラップパッケージ300をその配備位置から引っ込めることができ、それによりストラップパッケージ300が折り畳まれる。ストラップパッケージ300の図示の実施形態は、各区分320の一方の側に取り付けられた案内ブロック831を有するが、ストラップパッケージに沿う案内ブロックの他の分布状態、例えば、案内ブロック831を3つ目ごと又は4つ目ごとの区分320に取り付けるような形態も又可能である。
図20は、区分320を互いに連結するのに適していると言えるチェーンループ850の実施形態を示している。例えば、隣り合う区分320のチェーンループ850は、1つおきのループ対に通された引っ込みケーブル(図示せず)を用いて互いに連結されるのが良い。残りのチェーンループ850は、1対ずつ互いに連結されるのが良い。ケーブルが1つのチェーンループ850に(好ましくは、発射体100の近くに位置するチェーンループに)固定されると、ケーブルの引っ込みにより、区分320が折り返され、このことは、次の配備のためにストラップパッケージ300を準備し又は配備現場をクリーニングするのを助ける。
図21は、区分320を保管する包装用壜860を概略的に示している。区分320の幾つかの実施形態は、本質的に三角形の断面を有しているので、区分320を図21に示されているように保管することによってスペースの節約を達成することができる。包装用壜860は、ストラップパッケージの配備前及び/又は配備後に使用できる。配備及び/又は引っ込み機構体を包装用壜860に取り付けるのが良い。
図22は、本発明の追加の実施形態としての車両タイヤをデフレートさせる装置のレイアウトを示している。この装置は、この装置が配備されると直線状に配置される複数のセグメント1010を有する。これらセグメントは、リンク1020を互いに結合することによって互いに結合されている。リンクコード1030が端と端とを突き合わせた状態で各セグメント中に嵌められている。各リンクコード1030は、結合リンク1020により別のセグメントのための別のコードに間接的に取り付けられている。リンクコード1030の一端部は、ハウジングの最も近くに位置した状態で配備モジュール1040中に給電するセグメント1100の結合リンク1020に連結されている。配備モジュールは、シフト/引っ込みモジュールを含む。1本のリンクコード1030は、最も遠くに位置するセグメントをショックコード1060に連結している。ショックコード1060は、バラスト1050と最も遠くに位置するセグメント1010との間に取り付けられている。
装置を配備すると、次に路面を横切ってセグメント1010を直線状に配置する。好ましい実施形態では、各セグメント1010の幅及びセグメント1010の個数は、配備されたときに装置が使用されるようになっている路面の幅にこの装置がほぼ等しくなるように選択される。以下に説明するように、セグメントの幅を選択する上での別の検討事項としては、装置を車両に保管され又は少なくとも車両に乗せて輸送されるよう携帯可能に作ることができるということである。
図23は、本発明の実施形態としてのセグメント1010の斜視図である。理解できるように、セグメント1010は、形状が全体として円筒形である。セグメント1010は、2つの端部を有し、これら2つの端部のうちの一方が図面に示されている。セグメント1010の端部のところの断面で示されているように、セグメントは、中空コア断面1220を備えた充填材料1210で構成されている。図示のように、中空コア断面1220は、コアの中央のところ又はその近くに位置するのが良い。図31a及び図31bに示されているように、コード1030は、中空コア断面を通って通されている。充填材料1210は、低密度フォームで作られるのが良い。フォームは、多数の穴1230をセグメント1010の幅を横切って繰り返し配置状態で有する。本発明の実施形態では、穴は、傾斜した互いに平行な線に沿って列として形成されている。各々約4インチ(10.16cm)を置いた状態で複数個の傾斜した列が設けられている。好ましい構成例では、穴は、中空コアに垂直に充填材料1210を完全に貫通して開けられている。したがって、各穴は、充填材料1210を貫通する筒体として形成され、充填材料1210の2つの反対側の表面を完全に2等分している。したがって、各穴の長さは、セグメント1010の側面図で見た断面によって形成される円の直径である。
図24は、本発明の実施形態としてのセグメント1010の断面の別の図である。充填材料1210は、表面のところが保護シース1330で包囲されている。好ましい構成例では、保護シース1330は、充填材料1210を覆う「ソックス」又は「スリーブ」として働く。図示のように、保護シース1330は、複数の穴1230を覆うのが良い。保護シースは、織物で作られるのが良く、しかもセグメントを封入するよう取り付けられるのが良い。
図24は又、2つの例示のスパイク1340,1350を示している。穴1230の各々は、スパイクを備えている。好ましい実施形態では、これらスパイクは、セグメント1010の断面の直径と実質的に同一の長さのものであるよう寸法決めされている。すなわち、スパイクは、各穴の長さにほぼ等しい。図24に示されているように、各スパイクは、各穴1230中に且つ互いに反対側の表面の近くの穴のエッジの近くに嵌まっているが、次に保護シース1330によって覆われている。
各穴にスパイクが埋め込まれる場合、スパイクは、セグメント1010内に繰り返しパターンを形成する。図25a及び図25bは、好ましい実施形態に従ってスパイクのパターンを示している。図25aに示されているように、横から断面で見た場合、スパイクは、好ましくは、充填材料1210の穴の中に30°の角度をなして配置される。穴及びスパイクを30°の角度をなして配置することが好ましく、その結果、例え車両がセグメント1010にどのように接触するとしても、車両のタイヤの表面に垂直に配置されたスパイクが存在することになるということが確かめられた。また、スパイクをこれよりも大きな角度、例えば45°で配置することも可能であり、その結果、少ない数のスパイクが用いられる。しかしながら、30°を超える角度は、車両が垂直に配置されたスパイクを備えていないセグメント1010に接触する恐れを増大させるように思われる。車両タイヤに垂直に配置されたスパイクは、タイヤを刺し通してパンクさせる可能性が最も高い。また、穴及びスパイクを30°未満の角度をなして配置することが可能であるが、これにより、用いられるべきスパイクの数が増大する。多すぎるスパイクが設けられた場合、スパイクは、互いに近すぎるようになり、従って、タイヤは、数個が垂直であってタイヤ表面と接触関係をなす場合であってもスパイクのうちのどれによっても刺し通されない可能性がある。かくして、角度が30°であることが必要ではないが、穴を約30°をなして配置することが、有利であるように思われる。
図25bは、別の見方からのセグメント1020内のスパイクのパターンを示している。図25bは、正面断面図である。理解できるように、このパターンは、セグメントの幅全体にわたって繰り返されている。好ましくは、このパターンは、約4インチ(10.16cm)ごとに繰り返されている。これは、スパイクが到来する車両のタイヤに接触する可能性を増大させるために行われている。パターンが4インチごとに繰り返される必要はない。具体的に説明すると、満足のいく結果は、パターンが約4インチだけの間隔で繰り返された場合に得られる。この場合も又、繰り返し間隔が広すぎる場合、それにより、スパイクがタイヤ表面に垂直に配置された状態でタイヤがセグメントに接触することがない恐れが増大する。それと同時に、間隔が頻繁すぎた状態で繰り返される場合、スパイクは、互いに近くなりすぎる場合があり、その結果、タイヤは、数個が垂直であってタイヤ表面と接触関係をなす場合であってもスパイクのうちのどれによっても刺し通されないことになる。
図26は、本発明の実施形態に従ってセグメント1010内に用いることができる3本のスパイク1500を示している。理解できるように、スパイクは、両端が鋭利なエッジである両面「クイル」の形状に形作られている。スパイクは、好ましくは、スチールで作られる。他の実施形態では、スパイクは、タイヤを穴あけするのに十分な強度のものである他の材料で作られるのが良い。好ましくは、スパイク1500は、中空である。このように、スパイクがいったんタイヤを穴あけすると、空気は、スパイク1500の中空中心を通ってタイヤから迅速に逃げ出ることになる。好ましい実施形態では、スパイクは、3/8インチ(0.95cm)OD×2インチ(5.08cm)に寸法決めされるのが良い。スパイクは又、セルフシールタイヤを迅速に使用不能にするようテフロン(登録商標)被覆されているのが良い。他の実施形態では、スパイクは、片面クイルで作られていても良く、或いは、他形式の鋭利なエッジを備えた状態で作られても良い。スパイクが中空であることは必要ではない。
次に、図27a〜図27dを参照して本装置の作動について説明する。仕舞い形態では、見ることができるのは図27aに示されているような製品ハウジング1600だけである。このハウジングは、エレクトロニクス、電源、通信ハードウェア、エナージェティックス、ニューマティックス、又は車両タイヤを刺し通す際に用いられる他のコンポーネントを含む配備モジュール1040を保管するよう作られているのが良い。仕舞い形態では、結合リンク1020、コード1030、バラスト1050及びショックコード1060を含む全てのセグメント1010も又、製品ハウジング1600内に収納できる。図29aは、ハウジング1600内に配置できる仕舞い形態で折り畳まれると共に積み重ねられた複数のセグメント1010の図である。
システムを用いようとする場合、ハウジング1600を持ち運んで道路の側に置くのが良い。変形例として、ハウジング1600は、永続的に道路の側に置かれても良い。
システムを配備するとき、バラスト1050を強制的にハウジング1600内の配備モジュール1040から突き出し、そして道路を横切って射出される。バラストが突き出されると、バラストは、コード1030をぴんと張った状態に引き、それにより積み重ね状態のセグメント1010が開かれて連結部1020が真っ直ぐにされ、その結果、セグメント1020は、直線形態を取るようになる。バラストを突き出す力に起因して、コード1030は、これが配備モジュール1040に加わる張力を生じさせるよう引かれる。次に、この張力は、ショックコード1060によって吸収され、このショックコードは、引き伸ばし状態になる。ショックコードが必要とされるわけではないが、ショックコードは、好ましい形態ではコード1030の弛みを除くために設けられる。図27bは、装置の配備後の形態を示している。
車両が装置にいったん接近すると、車両の前輪タイヤは、セグメント1010に接触する。各前輪タイヤは、セグメント1010に接触するが、大抵の場合、同一のセグメント1010ではない。車両重量が所与である場合、タイヤは、充填材料1210を潰し、従って、これを実質的に圧縮する。タイヤに垂直又は実質的に垂直に且つこれと接触状態をなして位置した少なくとも1本のスパイクが次にタイヤを穴あけすることになる。充填材料1210を潰す力に起因して、スパイクは、充填材料1210から追い出されてタイヤを穴あけし、そしてタイヤの中に少なくとも部分的に入り込んだ状態になる。次に、スパイクの中空領域により、タイヤは、迅速にデフレートする。約4インチで繰り返すパターンを有するようスパイクをセグメント上に間隔を置いて配置することによって、2本以上のスパイクがタイヤに接触してこれを穴あけし、それによりタイヤがより迅速にデフレートする。
前輪タイヤがいったんセグメント1010上を走行すると、タイヤの続行する運動量は、セグメントを跳ね返して動かす傾向がある。恐らくは、セグメントの受ける力は、セグメントを後方に押す傾向がある。この力が非拘束状態のままである場合、それにより、セグメントは、車両の後輪タイヤに接触するセグメントが存在しないように再位置決め状態になる。バラスト1050及びショックコード1060は、跳ね返り及び運動を最小限に抑えるよう構成されている。好ましい実施形態では、バラストの重さは、約5ポンド(2.27kg)であり、このバラストは、道路を横切ってセグメントを直線状に配置した状態に保つ傾向がある。ショックコード1060は、タイヤ運動に起因して生じる力を吸収するために張力をもたらす。ショックコード1060は、好ましい実施形態では、弾性ゴムで作られる。
前輪タイヤがセグメント1010上を走行した後、車両は、前方の軌道を続行する可能性がある。したがって、後輪タイヤは、前輪タイヤが先に走行した同一の位置でセグメント1010に接近してこの上を走行する傾向がある。スパイクのうちの幾つかはこれらセグメント1010から前輪タイヤ中に突き出されると共に他のスパイクも又取り去られ又は違ったやり方でこれらの位置決め状態が乱されているので、後輪タイヤは、後輪タイヤが前輪タイヤと同一のセグメントに接触した場合にスパイクにより穴あけされる可能性が低い。
したがって、本装置は、セグメントをシフトさせてセグメント1010を再位置決めし、その後車両の後輪タイヤがこれらセグメントに接触するようにする。これは、図27cに示されている。図27bとの比較によって理解できるように、バラスト1050は、実質的に同一の場所に位置したままであるが、ショックコード1060は、コード1030を配備モジュール/ハウジングに向かってシフトさせて戻しているときに引っ張り状態になる。これにより、セグメント1010は、配備モジュールにも向かってシフトする。したがって、前進している車両の後輪タイヤは、互いに異なるセグメント又は同一セグメントの互いに異なる部分に接触し、従って互いに異なるスパイクに接触する可能性が多分にある。
本装置が標的車両のタイヤをデフレートさせた後、本装置のセグメントを道路から取り去ることが重要な場合がある。例えば、標的車両が警察車両によって追跡されている場合、セグメントを道路から取り去って警察車両に対する損傷を防止することが有益である。この目的のため、本装置は、図27dに示されているように、ハウジング1600内に設けられていて、セグメントを道路から引き抜く引っ込みモジュールを更に有する。次に、引っ込めたセグメントを配備モジュールから切り離して交換し、その後、本装置を再び配備のために再び動作可能にする。引っ込みモジュールは、空気圧式レトラクタから作られるのが良い。
図28は、セグメント1010相互間の連結部又は連接手段を詳細に示している。図示のように、コネクタ又は結合リンク1020により、セグメントは、互いに対して曲がることができる。コネクタは、好ましくは、金属で作られ、一端にねじを備えた蹄鉄のように形作られている。この可撓性取り付け手段により、セグメントを図28に示されているように直線状に配置することができ又は図29a、図29b及び図29cに示されているように端と端を突き合わせた状態で折り畳むことができる。この構成では、セグメント及びコードは、ハウジング内に容易に仕舞うことができる。セグメント及びコードは又、本装置のための交換部品として市販でき、交換部品は、仕舞い形態で容易に輸送でき、そして箱又は袋内に包装できる。
図30は、空気圧組立体及びセンサを含む装置を示している。理解できるように、配備/引っ込みモジュール1900は、空気圧引っ込みシリンダに連結され、この空気圧引っ込みシリンダは、コードを引き、従ってセグメントをハウジングに向かって戻すために用いられる。セグメント1010は、セグメント1010内のどこかの場所に配置できるセンサ1920又は複数のセンサを更に含む。各セグメントがセグメントエンクロージャないに配置できる別個のセンサを有する場合、互いに異なるセンサの電気的接続部は、互いにデージーチェーン接続されるのが良い。センサは、セグメント1010の一部分が車両のタイヤとの接触によって潰され又は変形した時点を検出することができる接触センサ又は任意他の装置で作られるのが良い。次に、センサからのこの検出結果を空気プレナム/センサシステム1930にフィードバックし、この空気プレナム/センサシステムにより、空気圧引っ込みシリンダ1910がコード1030を引っ込めてハウジングに向かって戻す。理解できるように、このシステムは、次に、センサ1920によりセグメント1010が後輪タイヤによって潰されたことがいったん検出されると、コード1030を引っ込めてこれを道路から取り出すことができる。これは、セグメント1010が僅かな遅延後に2度目に潰されたことを検出することによって決定できる。
図31a、図31b、図31c及び図31dは、本発明の実施形態としてのセグメントコンポーネントを示している。理解できるように、コード1030は、充填材料1210の中空コア部分内に嵌められており、この充填材料は、保護シース1330によって覆われている。結合リンク1020は、図31cに示されているように3つのリング2010,2020,2030を有し、これらリングは、互いの上に位置し、次に、コード1030は、図31dに示されているようにリングを通って引かれる。次に、コード端部のループを結合リンク1020の蹄鉄形形態とループ状にし、それにより1つのセグメントを次のセグメントに取り付ける。
実施形態についての上述の詳細な説明は、網羅的ではなく、或いは、本発明を上記において開示した形態そのものに限定するものではない。また、周知の構造及び機能は、本発明の実施形態の説明を不必要にぼかすのを避けるために図示されておらず又は詳細には説明されていない。本発明の特定の実施形態及び本発明のための実施例を例示目的で上述したが、当業者には理解されるように種々の均等改造例は、本発明の範囲内で可能である。一例として、本発明の器具の或る特定の実施形態は、他の作動要素、例えば圧力送り出しマニホルド、発火準備状態にして配備するための制御回路、近接検出器、信号受信及び送信回路、及び器具の動作に必要な又は有益な任意他のハードウェア、ソフトウェア又はファームウェアを備えた装置制御ハウジング内に収容されている圧力発生器を含むことが可能である。別の実施例として、器具は、クラムシェル形ブリーフケース又は弾薬箱形ハウジング内に収容可能であり、かかる器具は、マニホルド及びこのマニホルドに連結された圧力発生装置、例えば圧縮ガス又はガス発生器を含む。他の実施形態では、2つ以上のマニホルド及び2つ以上の圧力発生装置又はこれらの任意の組み合わせを本器具内に設けることができる。
別段の明示の要求がなければ、原文明細書及び原文特許請求の範囲全体にわたり、“comprise”(「〜を有する」又は「〜を含む」と訳されている場合が多い),“comprising”等という用語は、排他的又は網羅的な意味ではなく、包括的な意味に、即ち、「〜を含むが、これ(これら)には限定されない」という意味に解されるべきである。加うるに、“herein”(「本明細書では」と訳されている場合が多い)、“above”(「〜の上方に」と訳されている場合が多い)、“below”(「〜の下に」と訳されている場合が多い)及び類似の内包的用語は、明細書で用いられている場合、全体として本明細書を意味するものであり、本明細書の任意特定の部分を示しているわけではない。前後関係が許す場合、単数又は複数を用いた上述の詳細な説明中の用語は、それぞれ複数又は単数を含む場合がある。“or”(「又は」と訳されている場合が多い)という用語は、2つ又は3つ以上のアイテムのリストを参照して、この用語の以下の解釈の全て、即ち、リスト中のアイテムの任意のもの、リスト中のアイテムの全て、及びリスト中のアイテムの任意の組み合わせを含む。
本発明の或る特定の観点を或る特定の請求項の形態で以下に提供しているが、本発明者は、本発明の種々の観点を任意の数の請求項の形態で想定している。したがって、本発明者は、本願の出願後に追加の請求項を追加して本発明の他の観点についてかかる追加の請求項の形態についての手続きを行う権利を保有する。