JP2016508418A - 低温滅菌処理モニタリング用の生物学的インジケータ - Google Patents

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Abstract

滅菌処理の有効性を評価するための物品及び方法が、提供されている。本物品は、内部体積を有する外装容器と、内部体積内に配されている測定可能な生物活性の乾性供給源と、減菌剤化合物を中和するための有効量の乾性薬剤と、を具備し、測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方が、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している。本方法は、物品を第1の減菌剤に曝露させ、任意選択的に第2の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、測定可能な生物活性を検出する工程と、を含む。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年2月26日に出願された米国特許仮出願第61/769,357号の利益を主張するものであり、その内容全体は本明細書において参照により援用されている。
生物学的インジケータ(あるいは「無菌インジケータ」)は、医療計器、ガラス製品などの滅菌に用いられるプロセスをモニタリングする目的で、病院において一般的に使用されているもののような滅菌器の有効性を試験するために使用されるデバイスである。インジケータは、典型的に、微生物の供給源、培養培地、及び生存可能な微生物の存在又は不在を示す検出器を含む。培養培地はまた、微生物の成長を示す濁った懸濁液を生ずるため、検出器として供し得る。実際には、微生物の供給源(典型的には、生存している所定分量の微生物で含浸された吸収紙の細片)に滅菌処理を施す。その後で、微生物を含浸させた細片は、無菌培養培地内に置かれて、所定の時間にわたって適切な温度でインキュベートされる。インキュベーション期間の終了時に、検出器を使用して、滅菌処理後も生存している微生物が存在するかどうかを確認する。一部のインジケータにおいて、微生物の生存は、滅菌が不完全なことを意味し、検出器の色の変化で示される。
滅菌試験プロセスを簡素化し、外部からの汚染が試験結果に影響を及ぼすリスクを最小限に抑える目的から、生物学的インジケータ微生物、培養培地、及び検出器の要素は、生物学的インジケータを非無菌環境に曝露させることなく微生物供給源、培養、及びインジケータの結合を可能にする様式でパッケージ化されていることもある。
低温滅菌処理は、蒸気滅菌処理に使用される温度及び/又は圧力が原因で損傷を受ける可能性のある物体を滅菌する際にしばしば使用される。例えば、酸化エチレン、過酸化水素、又は過酢酸の使用を含む、低温滅菌処理の有効性をモニタリングするための生物学的インジケータが開発されてきた。最近、術者が物体を2つの別々の低温減菌剤に曝露させることのできる滅菌システムが開発された。一方の低温減菌剤は過酸化水素を含み、他方の低温減菌剤はオゾンを含む。
本開示は、概して、滅菌処理の有効性を判定するための生物学的インジケータ物品及び方法に関する。特に、本開示は、1つ以上の低温減菌剤を利用する滅菌処理の有効性を判定するための物品及び方法に関する。滅菌処理に2つの低温減菌剤を使用する場合は典型的に、各減菌剤は、滅菌器内に存在する微生物の数を低減するのに有効な量で使用される。故に、理論的には、減菌剤のうちの1つが、物体を(例えば、物体のルーメン部分において)完全には滅菌できない場合には、他の減菌剤がその物体の滅菌を完了するのに十分でなければならない。低温滅菌処理に使用される第1の分量の第1の減菌剤の有効性を、滅菌処理に使用される第2の分量の第1の減菌剤又は第2の分量の第2の減菌剤の有効性と区別するために使用され得る物品(例えば、生物学的インジケータ)に対するニーズが、調査者に認識されてきた。加えて、滅菌処理の第2の分量の有効性と第1の分量のうちの1つの有効性とを区別する問題に対する解決策が、本発明の物品及び方法により提供される。
好都合にも、本開示の物品は、物体を滅菌するうえで有効な条件下で、第1の分量の別段有効量の過酸化水素(例えば、過酸化水素の蒸気)を利用した滅菌処理に物品を曝した際に、測定可能な生物活性を第1の分量に曝露した結果として別段に生物活性が部分的に又は完全に不活性化される場合でさえも、測定可能な生物活性を、第1の分量の過酸化水素の有害な影響から保護する特徴を備える。
一態様では、本開示は物品を提供する。本物品は、内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、内部体積内に配されている測定可能な生物活性の乾性供給源と、過酸化水素を中和するための有効量の乾性薬剤であって、内部体積内に配されている乾性薬剤と、を含み得る。測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方は、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している。任意の実施形態において、物品は外装容器に連結された密閉部を更に含んでいてもよく、外装容器に連結された密閉部は、外装容器の外側にある環境からの蒸気が内部体積に通過するための通路を形成する。
上記のいずれかの実施形態において、物品は、過酸化水素に対して透過性の層を更に含んでいてもよく、この層が外装容器又は密閉部に連結されており、この層が測定可能な生物活性の供給源と外装容器の外側にある環境との間に介在する。上記のいずれかの実施形態において、層は第2の減菌剤に対して透過性であってもよく、第2の低温減菌剤は過酸化水素以外の低温減菌剤である。上記のいずれかの実施形態において、開口部は蛇行経路を含み得る。上記のいずれかの実施形態において、測定可能な生物活性の供給源は、再生能力を有する酵素活性又は微生物を含み得る。上記のいずれかの実施形態において、測定可能な生物活性の一部は、任意選択的に第1の基質上に配されている第1の被覆物内に配され得る。上記のいずれかの実施形態において、薬剤は、カタラーゼ、チオ硫酸塩、亜硫酸水素塩、及びL−メチオニンからなる群から選択され得る。上記のいずれかの実施形態において、薬剤の一部は、第1の被覆物内に配され得る。
別の態様において、本開示は方法を提供する。本方法は、物品を滅菌チャンバに配置する工程と、第1の分量の第1の減菌剤をチャンバ内に導入する工程と、物品を第1の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、測定可能な生物活性を検出する工程と、を含むプロセスを用いて、物品を加工することを含み得る。第1の分量の第1の減菌剤が、有効量の過酸化水素を含む疑いのある可能性がある。本物品は、内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、内部体積内に配された測定可能な生物活性の乾性供給源と、過酸化水素を中和するための有効量の乾性薬剤であって、内部体積内に配されている、乾性薬剤と、を含み得る。測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方が、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している。任意の実施形態において、本方法は、第2の分量の第2の減菌剤をチャンバ内に導入する工程と、物品を第2の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、を更に含み得る。
本方法のいずれの実施形態でも、第2の分量の第2の減菌剤は、過酸化水素を含む疑いのある可能性があり、第1の分量がチャンバ内に導入された後の所定の時間に、第2の分量がチャンバ内に導入されるか、又は第2の分量の第2の減菌剤に過酸化水素以外の有効量の減菌剤が含まれる疑いのある可能性がある。本方法の上記いずれかの実施形態において、第2の減菌剤は、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、酸化エチレン又はそれらから誘導されたイオンを含み得る。本方法の上記いずれかの実施形態において、測定可能な生物活性を検出する工程は、酵素活性を検出する工程を含む。本方法の上記いずれかの実施形態において、第2の減菌剤の蒸気又はプラズマは、オゾン、過酢酸、酸化エチレン又はそれらから誘導されたイオンを含み得る。
更に別の態様では、本開示は物品を提供する。本物品は、内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、内部体積内に配された測定可能な生物活性の乾性供給源と、減菌剤化合物を中和するための有効量の乾性薬剤であって、有効量が内部体積内に配されている、乾性薬剤と、を含み得る。測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方は、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している。任意の実施形態において、物品は、減菌剤化合物に対して透過性の層を更に含んでいてもよく、この層は外装容器に連結されており、この層は、測定可能な生物活性の供給源と外装容器の外側にある環境との間に介在する。任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源は、再生能力を有する酵素活性又は微生物を含み得る。任意の実施形態において、減菌剤化合物は、過酸化水素を含み得る。
用語「好ましい」及び「好ましくは」とは、特定の状況下で、特定の利益をもたらすことができる、本発明の実施形態を指す。しかしながら、同一又は他の環境下で、他の実施形態も好ましい可能性がある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用でないことを示唆するものではなく、また、本発明の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものでもない。
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換可能に使用される。故に、例えば、「1つの(a)」窓部を含む密閉部は、密閉部が「1つ以上の」窓部を含み得ることを意味すると解釈してよい。
本明細書において用いられている「生物学的インジケータ」即ち「BI」は、生物(例えば、微生物若しくは胞子)及び/若しくはその生物活性(例えば、酵素活性)、又は滅菌処理の有効性をモニタリングする目的に使用される、生物及び/若しくはその生物活性を含む物品を指す。
本明細書において用いられている「セルフコンテインド型の(self-contained)生物学的インジケータ」即ち「SCBI」は、生物及び/又は生物活性の不活性化若しくはその欠乏を検出するうえで必要なコンポーネント(例えば、栄養物、指示試薬)と共に生物学的インジケータとして用いるのに適した生物及び/又は生物活性が含まれる物品を指す。
本明細書において用いられている「低温滅菌処理」は、圧力下にて蒸気で(例えば、約120℃を超える温度の蒸気で)物体を滅菌するのに十分な時間にわたって滅菌対象の物体を蒸気に曝露させる工程に依らない、様々な滅菌処理を指す。低温滅菌処理の非限定例としては、物体を酸化エチレン、過酸化水素、二酸化塩素、グルタルアルデヒド(glutaraldehyde)、ホルムアルデヒド、又はオゾンの組成物に曝露させて滅菌を行う工程に依るプロセスが挙げられる。
用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ又は全てを、若しくは列挙された要素の任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
また本明細書において、端点による数の範囲の列挙には、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、など)が含まれる。
本発明の特徴及び利点は、好適な実施形態の詳細な説明、及び添付の特許請求の範囲を考慮することで理解される。本発明のこれら並びに他の特徴及び利点は、本発明の様々な例示的な実施形態に関連して以下で説明され得る。
上記の本発明の課題を解決するための手段は、本発明の開示されるそれぞれの実施形態又は本発明の全ての実施を説明することを目的としたものではない。以下の図面及び発明を実施するための形態は、実例となる実施形態をより具体的に例示するものである。他の特徴、目的、及び利点は、説明文及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
本開示による物品の実施形態の断面側面図である。 図1の物品の分解図である。 測定可能な生物活性の供給源とそこに配された過酸化水素を中和するための薬剤とを有する基質の2つの実施形態の分解側面図である。 測定可能な生物活性の供給源とそこに配された過酸化水素を中和するための薬剤とを有する基質の2つの実施形態の分解側面図である。 本開示による検出媒体を含む内装容器を有するセルフコンテインド型の生物学的インジケータの実施形態の断面側面図である。 図4の物品の分解図である。
上で特定した図面は、本開示の幾つかの実施形態を示しているが、考察部分で述べているように、他の実施形態も考えられる。いずれのケースでも、本開示は、限定する目的ではなく、説明する目的で本発明を提示する。本発明の原理の範囲及び趣旨に含まれる多数の他の修正及び実施形態が、当業者によって考案され得ることを理解されたい。図は、縮尺どおりに描かれていない場合もある。
本開示の何らかの実施形態が詳細に説明される前に、本発明はその用途で、以下の説明に記載される又は以下の図面に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解すべきである。本発明は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用する語法及び専門用語は、説明を目的としたものであり、発明を限定するものとして見なされるべきでない点が、理解されるべきである。「含む(including)」、「備える(comprising)」、又は「有する(having)」、及びこれらの変化形の使用は、その後に列記される要素及びそれらの均等物、並びに更なる要素を包むものである。別段の指定又は限定がない限り、用語「接続された」及び「結合された」並びにその変化形は、広義で使用され、直接的及び間接的な接続及び結合の両方を包含する。更に、「接続される」及び「結合される」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されない。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、構造的又は論理的な変更がなされてもよいことを理解すべきである。更に、「前方」、「後方」、「上」、「下」といった用語は、各要素の互いに対する関係を説明するためにのみ用いられるものであり、装置の特定の向きを説明すること、装置に必要とされる若しくは求められる向きを指示又は示唆すること、又は本明細書に記載される発明が、使用時にどのように使用、装着、表示、又は配置されるかを特定することを目的とするものでは決してない。
本開示は、概して、滅菌処理の有効性を判定するための方法及び生物学的インジケータ物品に関する。特に、本開示は、物体を過酸化水素(例えば、過酸化水素の蒸気及び/又はプラズマ)に曝露させる工程を含む滅菌処理に関する。加えて、本開示は、過酸化水素及び他の少なくとも1種の低温減菌剤(例えば、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、酸化エチレン)に物体を曝露させる工程を含む滅菌処理に関する。微生物のガスプラズマ滅菌は、その全体が本明細書において参照により援用されている、Shintani et al(GAS PLASMA STERILIZATION OF MICROORGANISMS AND MECHANISMS OF ACTION(REVIEW),2010,Experimental and Therapeutic Medicine,1:731〜738)により説明されている。
物体を2つの異なる低温減菌剤処置を使用するプロセスに曝すことにより、万一低温減菌剤処置のうちの1つが失敗した場合に、更なる保護手段が提供され得る。本開示の物品は、滅菌処理の有効性をモニタリングする目的で、生物学的インジケータ又はセルフコンテインド型の生物学的インジケータとして使用され得る。
滅菌処理の有効性を判定するために使用される生物学的インジケータ及び化学的インジケータは、当該技術分野において周知である。従来の生物学的インジケータでは、生物活性、例えば、自然汚染により存在するであろう殆どの生物よりも、利用される滅菌処理に対して何倍も高い耐性を示す試験生物は、キャリア上に被覆され、そして滅菌される物品と共に減菌器内に置かれる。滅菌サイクルの終了後、キャリアは、何らかの試験生物が滅菌手順後に生き残ったかどうかを判定するために、栄養培地で培養される。検出可能な数の生物の育生には、通常、最小でも24時間を要する。幾つかの所謂「セルフコンテインド型の生物学的インジケータ」(SCBI)は、特許文献(例えば、米国特許第3,846,242号、同第4,717,661号、同第5,073,488号、同第5,223,401号、同第5,418,167号、同第5,739,004号、同第5,795,730号に記載されており、これらの特許はいずれも参照によりその全体が本明細書に援用されている。
加えて、酵素活性は、滅菌処理の有効性を判定する目的にも利用されてきた。その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許第5,073,488号は、滅菌処理用生物学的インジケータとしての酵素(例えば、β−D−グルコシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、ブチラートエステラーゼ、カプリレートエステラーゼリパーゼ、ミリステートリパーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ、バリンアミノペプチダーゼ、キモトリプシン、ホスホヒドロラーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−L−アラビノフラノシダーゼ、N−アセチル−β−グルコサミニダーゼ(N-acetyl-, 8-glucosaminidase)、β−D−セロビオシダーゼ、アラニンアミノペプチダーゼ、プロリンアミノペプチダーゼ、チロシンアミノペプチダーゼ、フェニルアラニンアミノペプチダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、及び脂肪酸エステラーゼ)の有用性について記述している。
複数の化学的に異なる低温減菌剤化合物に物体を曝露させることを含む滅菌処理を、物体に施す際、又は物体を同じ減菌剤化合物(例えば、過酸化水素)に別個に連続して曝露することを含む滅菌処理を物体に施す際に、現在利用可能な生物学的インジケータが、個々の低温減菌剤処置の有効性を見極めるのに適さない場合のあることが、調査者らによって見出されてきた。物体を複数の化学的に異なる低温減菌剤化合物に曝露する状況において、これは、2つ以上の化学的に異なる低温減菌剤の両方が、試験微生物及び/又は生物学的インジケータの酵素活性を個別に不活性化する能力を有し得るためである。故に、生物学的インジケータを第1の減菌剤に曝露させると生物学的インジケータが完全に不活性化されるため、第2の減菌剤に曝露させたときに何らかの滅菌効果があるかどうかを判定することは不可能である。このニーズ(即ち、少なくとも2つの化学的に異なる減菌剤を利用するプロセスにおいて一方の減菌剤の有効性だけを判定できる生物学的インジケータに対するニーズ)を認識することに加えて、このニーズを満たすための物品及び方法もまた、調査者らによって提供されている。
一態様において、本開示は、滅菌処理の有効性を判定するための物品を提供する。本開示に従って製造された物品は、単一の低温減菌剤化合物を利用する滅菌処理に対する生物学的インジケータの耐性を変調するのに使用され得るが、本物品は、2つの異なる(例えば、化学的に異なる)低温減菌剤化合物を利用する低温滅菌処理において或る減菌剤化合物の有効性を判定するうえで特に有用である。
本物品は、内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、内部体積内に配されている測定可能な生物活性の乾性供給源と、減菌剤化合物(例えば、過酸化水素)を中和する目的で内部体積内に配されている有効量の乾性薬剤と、を含む。測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方は、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している。
図1は断面図を示す。図2は本開示による物品100の一実施形態の分解斜視図を示す。物品100は、少なくとも1つの側壁18を有する外装容器10を具備し、この側壁は、内部体積と、開口部14を含む第1の端12と、第2の端16と、を画定している。開口部14は、外装容器10の内部体積と外装容器10の外側にある環境(例えば、ガス環境)との間の流体連通(例えば、蒸気連通)を提供している。任意の実施形態において、開口部14は、本明細書において参照により援用されている米国特許第4,461,837号、及び本願と同一譲受人に譲渡された同時係属の米国特許第4,883,641号(1989年11月28日に発行)に記載されているような細菌不透過性の蛇行経路を含み得る。
図1及び2に示すように、外装容器10は、例えば、直立した円筒形状を含む様々な形状を有し得る。外装容器10は、例えば、ガラス及びプラスチックを含む様々な材料から構成され得る。外装容器10は、例えば、押出又は成形プロセスのように当該技術分野において公知のプロセスを用いて、製作され得る。任意の実施形態において、外装容器10の製作には、液体不透過性、実質的に非ガス吸収性の材料、及び任意選択的に、光学的に透過性の(例えば、半透明又は実質的に透明な)材料が使用され得る。好適な材料の非限定例としては、様々なポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリメチルペンテン、及びポリエステルが挙げられるが、これらに限定されない。物品100が外装容器10の内部に内装容器(後述)を配して構成されている任意の実施形態において、外装容器10が変形されたときに圧力開閉式の内装容器が破裂する程度まで外装容器10が十分に変形し得ることが好ましい。任意の実施形態において、ブレーカインサートデバイス(不図示)が、外装容器10内に含有されていてもよく、このブレーカインサートデバイスは、下方軸方向力が物品100の密閉部40に印加されたときに、内装容器(後述)の破壊を促進すべく作用し得る。そのようなブレーカインサートデバイスは、その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2012/0149094号に教示されている。
任意の実施形態において、物品100は、外装容器10に(例えば、摩擦嵌合で)連結された任意選択的な密閉部40を更に含む。密閉部40は、上面41と垂下側面42とを備える。密閉部40は、環境と容器10の内部体積との間の(例えば、開口部14を介した)蒸気連通を制限する。密閉部40は底面にて開口した中空体を有し、密閉部40の内径は外装容器10の外径にほぼ等しい。そのため、密閉部40は外装容器10の開口部14に摩擦係合し得る。側壁42内には複数の窓部44が切り込まれている。窓部44は、環境と容器10の内部体積との間の(例えば、開口部14を介した)蒸気連通を促進している。故に、外装容器10に連結された密閉部40は、外装容器の外側にある環境からの蒸気又はプラズマが外装容器10の内部体積に通過するための通路を(例えば、窓部44経由で)形成する。任意の実施形態において、外装容器10に連結された密閉部40は、蛇行経路(不図示)を含む通路を形成し得る。
図2の例示されている実施形態は密閉部40の側壁42に窓部44が示してあるが、加えて又は代わりに、密閉部40の上面41が、そこに延在する1つ以上の窓部を有し得ることが想到される(不図示)。
物品100が滅菌されるべき負荷内に置かれると、外装容器10の少なくとも1つの外部側壁18が窓部44を塞がないような方法で、密閉部40が外装容器10内の開口部14上に位置決めされる。そのような位置では、滅菌器内の減菌剤の蒸気又はプラズマが窓部44に貫流して、外装容器10内に入り込む可能性がある。滅菌サイクルの完了時に、密閉部40は、外装容器10を押し下げて、外装容器10の少なくとも1つの側壁18を密閉部40の上面41の内側表面に当接させることにより、外装容器10に完全に係合されてよく、その結果、窓部44が塞がれる。次いで、外装容器10の内側が、外部環境から封鎖される。
任意の実施形態において、物品100は、任意選択的な層20を更に含むものであることが好ましい。層20は、過酸化水素の蒸気及び/又は過酸化水素プラズマに対して透過性である。任意の実施形態において、層20はまた、低温滅菌処理に使用される少なくとも1つの他の減菌剤化合物の蒸気又はプラズマに対して透過性である。任意の実施形態において、層20は、微生物(例えば、細菌、胞子、酵母、及び/又はかび)に対して実質的に非透過性であり得る。少なくとも1つの他の減菌剤の蒸気又はプラズマの非限定例としては、ガスプラズマ(例えば、酸素、窒素、ヘリウム又はアルゴンのプラズマ)、オゾン、過酢酸、及びエチレンオキシドが挙げられる。任意の実施形態において、層20は、例えば、スパンボンドオレフィンシート材料のような不織布シート材料を含み得る。
層20の作製に使用される他の好適な材料としては、綿、ガラスウール、布、ポリプロピレン、レーヨン、ポリプロピレン/レーヨン、ナイロン、ガラス又は他の繊維から作製される不織布ウェブのような繊維質材料、濾紙、ミクロ孔質疎水性及び親水性フィルム、オープンセル型ポリマー製発泡体、並びに米国特許第3,346,464号に記載されているような半透過性プラスチックフィルムが挙げられる。繊維質材料又は発泡材料は、このような材料が殺菌ガスを透過し易いことから好ましい。好ましい層20材料としては、ナイロンウェブ、ミクロ孔質疎水性フィルム、又はガラス繊維不織布ウェブなどの疎水性材料である。特に好ましいのは、Celanese Separattions Products(Charlotte,NC)から「CELGAR K−442ミクロ孔質フィルム」という商標表記で市販されているミクロ孔質疎水性フィルムである。
層20は、測定可能な生物活性の供給源(後述)と外装容器10の外側にある環境との間に介在するように、物品100内に配されている。例えば、層20は、外装容器10の開口部14内に圧入されていてもよいし、(例えば、摩擦嵌合により)適所に保持されていてもよいし、又は層20が開口部14上に延在して、例えば、クランプ、弾性バンド、接着剤、又は密閉部(後述)を含む様々な方法で所定の位置に保持されていてもよい。あるいは、層20は、密閉部40内に圧入されてもよく、あるいは別の方法で密閉部に連結されていてもよい(例えば、不図示の接着剤又はクランプにより)。密閉部40は、例えば摩擦嵌合により外装容器10に連結されていてもよく、それにより、図1及び2に示すように、外装容器10の内部体積と外装容器の外側にある環境との間に層20が位置決めされる。
実質的に、繊維質又は発泡層20は、細菌及び真菌が外装容器10に浸透するのを防ぐフィルタとしての役目を果たし得る。故に、層20の細孔径は、約0.5マイクロメートル以下でなければならない(例えば、寸法約0.5マイクロメートル超の粒子の通過を阻止し得る)。任意の実施形態において、層は、上述した蛇行経路と共に使用され得る。
物品100は、測定可能な生物活性の供給源30を更に含む。測定可能な生物活性の供給源30は、外装容器10の内部体積内に配されている。任意の実施形態において、生物活性の供給源30は、外装容器10内の、層20の少なくとも一部(存在する場合)が生物活性の供給源30と外装容器10の外側にある環境との間に位置付けられる位置に、配されてもよい。故に、開口部14、密閉部40(存在する場合)、及び層20(存在する場合)は、本開示による外装容器10の内部体積内に減菌剤化合物を通すことができるため、外装容器内に配されている測定可能な生物活性の供給源30は、外装容器10の外側にある環境内に存在する減菌剤化合物と蒸気連通する。
本明細書に記載されているように、減菌剤化合物を中和するための薬剤(例えば、過酸化水素を中和するための薬剤)のような緩和因子の不在下では、本開示の任意の物品における測定可能な生物活性は、測定可能な生物活性の供給源30が、減菌剤化合物(例えば、過酸化水素の蒸気又は過酸化水素プラズマ)を含む環境に曝露されたときに、変調(例えば、部分的又は完全な不活性化)を受け易くなる可能性がある。任意の実施形態において、緩和因子の不在下にて、本開示の任意の物品における測定可能な生物活性の供給源30は、減菌剤化合物の蒸気又はプラズマを含む環境に曝露されたときに、不可逆的変調(例えば、部分的又は完全な不活性化)を受け易くなる可能性がある。
加えて、本開示の任意の物品における測定可能な生物活性は、供給源30が過酸化水素以外の少なくとも1つの減菌剤の蒸気又はプラズマ(例えば、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、又は酸化エチレン)を含む環境に曝露されたときに、変調(例えば、部分的又は完全な不活性化)を受け易くなる可能性がある。本開示の任意の物品における測定可能な生物活性の少なくとも一部は、測定可能な生物活性の供給源30を、過酸化水素以外の少なくとも1つの減菌剤の蒸気又はプラズマ(例えば、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、又は酸化エチレン)を含む雰囲気に曝露させることにより、不可逆的に変調される(例えば、部分的に又は完全に不活性化される)ものであることが好ましい。より好ましい実施形態において、測定可能な生物活性の供給源を含む本開示の任意の物品を、過酸化水素以外の減菌剤の蒸気又はプラズマ(例えば、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、又は酸化エチレン)を使用した有効な滅菌処理に曝すことによって、全ての測定可能な生物活性が不可逆的に不活性化される。
任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30は、実質的に乾燥している(例えば、粉末である)。任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30の少なくとも一部(例えば、100%を含む100%までの任意の部分)は、表面上の第1の被覆物(例えば、乾燥被覆物)内に配され得る。任意の実施形態において、第1の被覆物は液体被覆物として表面に塗布されてから、当該技術分野において公知のプロセスを用いて乾燥され得る。測定可能な生物活性の供給源30は、外装容器10内の開口部14と第2の端16との間に配されている。測定可能な活性の供給源30は、外装容器10内の層20(存在する場合)と第2の端16との間で、層20の少なくとも一部が生物活性の供給源30と開口部14との間に位置付けられる位置に、配されるのが好ましい。任意の実施形態においては、生物活性の供給源30が、開口部14から離間した外装容器10内の或る位置に配される(例えば、生物活性の供給源は第2の端16に近接して位置決めされる)ことにより、減菌剤が実質的に外装容器10に貫通して生物活性の供給源30に接触する必要がある。故に、層20は、減菌剤の蒸気又はプラズマ(例えば、過酸化水素の蒸気又はプラズマ)に対して透過性であるため、測定可能な生物活性の供給源30は、外装容器10の外側にある環境の減菌剤の蒸気又はプラズマと蒸気連通している。
任意選択的に、測定可能な生物活性の供給源30は、第1の基質35の表面上に配され得る(例えば、第1の基質35の表面上に被覆される及び/又はその表面に被着される)。第1の基質35は、例えば、シートの形状を取り得る。第1の基質35は、外装容器10の内部に嵌合するような寸法に調整される。第1の基質35は、例えば、金属、ガラス、ガラス繊維、薄膜、不織布材料、ポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル)、又は金属被覆ポリマーを含み得る。幾つかの実施形態において、セルロース材料が滅菌処理に使用される減菌剤化合物のうちの1つ以上と実質的に反応しないという条件で、第1の基質はセルロース材料を含んでいてもよい。
任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30は、再生能力を有する試験微生物(例えば、細菌又は胞子)を含み得る。試験微生物は従来的に、滅菌条件をモニタリングする目的で、生物学的インジケータ(以下、「BI」)に使用される。これらの従来より使用されている試験微生物は、一般に、自然汚染で遭遇する殆どの生物よりも、利用される滅菌処理に対して何倍も高い耐性がある。細菌の胞子は、微生物生命の最も耐性の強い形態として認識されている。滅菌装置、化学品、及びプロセスの滅菌効果を決定するための全ての試験において選択される生物形態である。バシラス(Bacillus)種及びクロストリジウム(Clostridia)種由来の胞子は、飽和蒸気、乾燥熱、γ照射、及び酸化エチレンを利用する滅菌処理をモニタリングする目的で最も一般的に使用される試験微生物である。
任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30は、細菌又は胞子の懸濁液を含み得る。この懸濁液は、第1の基質35上に塗布されて乾燥される。任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30の少なくとも一部(例えば、100%を含む100%までの任意の部分)は、第1の基質35上に配される。あるいは、測定可能な生物活性の供給源は、容器内(例えば、第2の端に近接した容器の壁18、不図示)に直接に配され得る。これらの実施形態において、測定可能な生物活性の供給源は、懸濁液として配されてから、当該技術分野において公知のプロセスを用いて乾燥され得る。
試験微生物(例えば、細菌又は胞子)の測定可能な生物活性は、成長及び複製能力であり得る。故に、幾つかの微生物を直接に又は間接的に測定することにより、生物活性を検出(例えば、測定)し得る。幾つかの実施形態において、成長中の微生物の存在に関連する代謝活性(例えば、有機酸のような代謝副産物)を測定することにより、生物活性が測定され得る。成長中の微生物が有機酸を生成した場合、pHの降下を(例えば、pHの降下時に色を変化させるpHインジケータを使用して)検出することにより、生物活性の検出が可能になる。
代わりに又は加えて、測定可能な生物活性の供給源30は、酵素を含み得る。本発明の実施に有用な酵素は、細胞外及び細胞内の酵素を含み、その活性は、滅菌有効性をモニタリングするのに一般的に使用される少なくとも1つの試験微生物の生存度と相関する。「相関する(correlate)」とは、バックグラウンドに酵素活性を用いることで試験微生物の今後の成長を予測し得ることを意味する。酵素は、試験微生物にとって亜致死的な滅菌サイクル後24時間以内に及び好ましい実施形態においては8時間以内に、酵素用の基質システムと反応するのに十分な活性を維持し、更には試験微生物にとって致死的な滅菌サイクル後に不活性化されるか又は活性が相当に低下するものでなければならない。本開示に従って使用され得る例示的な酵素としては、American Type Culture Collection(Manassas,VA)から「ATCC 8005」及び「ATCC 7953」として市販されているような、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)の胞子由来のα−D−グルコシダーゼ、及び枯草菌(Bacillus atrophaeus)由来のβ−D−グルコシダーゼ(例えば、American Type Culture Collectionから「ATCC 9372」として市販されているもの)が挙げられる。他の好適な酵素及び好適な酵素を同定するための方法は、米国特許第5,073,488号に見出され得る。
測定可能な生物活性の供給源が酵素である任意の実施形態において、測定可能な生物活性の供給源30は、1)適切な微生物から誘導された精製及び/又は単離酵素であってもよいし、2)酵素が常在性であるか又は遺伝工学を介して添加された微生物であってもよいし、又は3)酵素が微生物内に組み入れられるか又は微生物に関連するように、例えば、胞子の形成時に胞子に添加された酵素が胞子内に組み入れられるように、胞子の形成又は成長中に酵素が添加された微生物であってもよい。本発明の実施に有用な酵素の供給源として利用され得る好ましい微生物は、胞子又は植物状態の細菌又は菌類である。特に好ましい酵素供給源としては、例えば、バシラス(Bacillus)、ゲオバチルス(Geobacillus)、クロストリジウム(Clostridium)、ニューロスポラ(Neurospora)、及びカンジダ(Candida)属に由来する微生物の種が挙げられる。
図面を参照すると、本物品は、減菌剤化合物(例えば、過酸化水素)を中和するための薬剤50を更に含む。薬剤50は、物品の内部(例えば、外装容器10の内部体積内)に配されている。過酸化水素は典型的に、水及び酸素への分解によって中和される。本明細書及び添付の特許請求の範囲の中で、過酸化水素に関して互換的に使用される「中和する(neutralize)」及び「分解する(decompose)」は、過酸化水素の不活性化に用いられるプロセスを指す。過酸化水素を中和するのに適した薬剤としては、例えば、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ、及び他の過酸化物を中和する触媒を含む様々な組成物が挙げられる。好ましい組成物はカタラーゼであり、より好ましくは凍結乾燥されたカタラーゼ粉末である。オゾンを中和するための好適な薬剤としては、例えば、チオ硫酸塩、金属イオン(Cu+)、及びニトリルイオンが挙げられる。ホルムアルデヒドを中和するための好適な薬剤としては、例えば、グリシンが挙げられる。グルタルアルデヒドを中和するための好適な薬剤としては、例えば、亜硫酸水素塩化合物が挙げられる(例えば、Susan L.P.Jordan(1996):INACTIVATION OF GLUTARALDEHYDE BY REACTION WITH SODIUM BISULFITE,Journal of Toxicology and Environmental Health,47:3,299〜309、及びH−W Leung(2001)ECOTOXICOLOGY OF GLUTARALDEHYDE:REVIEW OF ENVIRONMENTAL FATE AND EFFECTS STUDIES,Ecotoxicology and Environmental Safety,49:26〜39を参照。これら両方の特許は、本明細書において参照により援用されている)。
任意の実施形態において、減菌剤化合物を中和するための薬剤は、複数の化合物(例えば、亜硫酸水素ナトリウム及びチオ硫酸ナトリウム)を含んでなる乾燥した組成物(例えば、乾練り)を含み得る。複数の化合物が、同じ減菌剤化合物(類)を中和してもよく、かつ/又は、異なる減菌剤化合物(類)を中和してもよい。高濃度の消毒剤を中和するための化合物の液体混合物の使用に関しては、例えば、その全体が本明細書において参照により援用されている、Espigares et al.(EFFICACY OF SOME NEUTRALIZERS IN SUSPENSION TESTS DETERMINING THE ACTIVITY OF DISINFECTANTS,J.Hospital Infection,2003,55:137〜140)に記載されている。
減菌剤化合物を中和するための薬剤50は、任意選択的に、糖、塩、当該技術分野において周知の他の安定剤、又はそれらの組み合わせなどの、安定剤(例えば、粉末)と混合される。安定剤は、触媒の貯蔵寿命を延ばすうえに、使用される粉末の嵩を増大させる。このことが望ましいとされる理由は、本開示の物品に必要とされる高純度薬剤(及び、例えばカタラーゼなどの酵素)がごく僅かであるためである。安定剤は、物品100内での微生物(存在する場合)の成長を妨げないものであることが好ましい。過酸化水素を中和するための他の好適な薬剤としては、チオ硫酸塩、亜硫酸水素塩、及びL−メチオニンが挙げられる。
プラチナ、パラジウム、鉄などの金属触媒はまた、好適な過酸化水素中和剤である。金属触媒は、物品内での微生物(存在する場合)の成長を阻害しないものであることが好ましい。高表面積は、過酸化水素の迅速な中和を促進するうえで望ましくあり得るので、金属触媒の形態として好ましいのは、金属の微粒粉末、又は微粒セラミック粉末上の金属被覆物のいずれかである。
普通であれば全ての生物活性を消失させる又は不活性化するのに十分な減菌剤(例えば、過酸化水素)蒸気又はプラズマを有する環境を利用する典型的な滅菌処理を物品100に施している間、容器10内に配されている薬剤50の量は、測定可能な活性の少なくとも一部を保護する(即ち、消失又は不活性化を防ぐ)うえで十分な減菌剤(例えば、過酸化水素)を中和するのに十分でなければならない。過酸化水素減菌剤を中和するのに使用される薬剤の量は、薬剤と過酸化水素との反応が触媒的に行われる(即ち、薬剤の1分子が過酸化水素の2分子以上と反応する可能性がある)か、化学量論的に行われる(即ち、薬剤の1分子が過酸化水素の1分子のみと反応する可能性がある)かに応じて異なり得る。また、物品に使用される中和剤の量は、その中和剤が使用される過酸化水素滅菌処理に応じて異なり得る。本明細書における実施例は、薬剤の使用可能量に関する手引きになると共に、低温滅菌処理に使用される任意の所与の減菌剤(例えば、過酸化水素)を用いて、任意の所与の薬剤を試験するのに使用され得る簡単な手順を提供している。
任意の実施形態において、減菌剤化合物を中和するための薬剤50は、実質的に乾燥している(例えば、粉末である)。任意の実施形態において、薬剤50の少なくとも一部(例えば、100%を含む100%までの任意の部分)は、表面上の第2の被覆物(例えば、乾燥被覆物)内に配され得る。任意の実施形態において、第2の被覆物は、液体被覆物として表面に塗布された後、当該技術分野において公知のプロセスを用いて乾燥され得る。外装容器10内の層20と第2の端16との間に、薬剤50が配されている。薬剤50は、外装容器10内の、層20の少なくとも一部が薬剤50と開口部14との間に位置付けられる位置に、配されてもよい。故に、層20は、減菌剤(例えば、過酸化水素)蒸気又はプラズマ対して透過性であるため、薬剤50は、外装容器10の外側にある環境内の減菌剤の蒸気又はプラズマと蒸気連通している。
薬剤50は、外装容器10内の様々な位置に配され得る。任意の実施形態において、図3A及び3Bに示すように、薬剤50の少なくとも一部(例えば、100%を含む100%までの任意の部分)は、第1の基質35上に配されている。あるいは、薬剤は、容器内(例えば、第2の端に近接した容器の壁上、不図示)に直接に配され得る。任意の実施形態において、薬剤は懸濁液として配され、その後、当該技術分野において公知プロセスを用いて、乾燥され得る。薬剤50は、測定可能な生物活性の供給源30に近接して外装容器10内に配されるのが好ましい。
任意の実施形態において、薬剤50は、測定可能な生物活性の供給源30と接触して配されている。例えば、図3Aに示すように、測定可能な生物活性の供給源30は、第1の基質35上に第1の被覆物として配されてもよく、薬剤50は供給源30の少なくとも一部に重なり合う第2の被覆物として配されてもよい。あるいは、図3Aに示すように、測定可能な生物活性の供給源30は、第1の基質35上に第1の被覆物として配されてもよく、薬剤50は、第1の被覆物の隣に第2の被覆物として配されてもよい。代替の実施形態(不図示)において、測定可能な生物活性の供給源は、第1の基質上に第1の被覆物として配され、過酸化水素を中和するための薬剤は、第2の基質上に第2の被覆物として配される。任意の実施形態において、第2の基質は、本明細書に記述されている層20を含み得る。これらの実施形態において、第2の被覆物は、層20の、外装容器10の内部体積に対向する表面に塗布され得る。故に、任意の実施形態において、減菌剤を中和するための薬剤50は、後述の開口部14及び密閉部(存在する場合)に近接して配され得る。
任意の実施形態において、物品は、胞子の発芽又は増殖を促進する栄養物(不図示)を更に含み得る。任意の実施形態において、物品は、微生物の成長を示し、かつ/又は測定可能な酵素活性の存在を示すインジケータ(不図示)を更に含み得る。栄養物及び/又はインジケータが、本明細書において上記した第1の被覆物又は第2の被覆物内に配される場合もある。
任意の実施形態において、本開示の物品は、外装容器内に配されている内装容器を更に含み得る。図4及び5は、本開示による内装容器を具備してなる物品200の一実施形態の2つの図が示してある。本明細書に上記されているように、物品200は、外装容器10と層20と密閉部40とを含む。物品200はまた第1の基質35を含み、この第1の基質上には、測定可能な生物活性の供給源(不図示)及び低温減菌剤(例えば、過酸化水素)を中和するための薬剤(両方とも本明細書に上記されている)が配してある。加えて、物品200は、外装容器10内に配されている内装容器60を含む。内装容器60は、外装容器10内の層20と第2の端16との間に配されている。内装容器60には、生物活性の検出を促進する試薬65が含有されている。任意の実施形態において、試薬は、水性液体中に溶解される場合もあれば、又は懸濁される場合もある。
内装容器60には、酵素基質及び/又は水性栄養培地の水溶液が含有され得る。内装容器60の製作に使用される材料は、ガス及び液体に対して不透過性であり、その材料に圧力が印加されると開くことができ(即ち、「圧力開閉式」)、酵素基質及び/又は栄養培地が外装容器10に入り込めるようになる。内装容器60はガラスのような脆い材料であることが好ましく、外装容器10の内部にぴったりと担持され、この外装容器と被着関係にあり、外装容器10が変形されたときに内装容器60を破損又は破砕させるものであることが好ましい。他の実施形態(不図示)において、圧力印加時にプラグを放たせ内装容器の内容が吐出するよう、内装容器をプラグで密閉してもよい。更に他の実施形態(不図示)において、密閉部は、米国特許第4,304,869号に示すようなアンプル圧砕用デバイスを具備していてもよく、密閉部は、密閉部デバイスの底面から垂下するタブを有し、このタブは、密閉部デバイスを押し下げると、アンプルを圧砕する働きをするようになっている。
測定可能な生物活性の供給源が微生物であり、かつ生物活性の検出が微生物の成長を検出する工程を含む実施形態において、試薬は、微生物の胞子の発芽及び/又は微生物の成長を促進する栄養を含んでいてもよい。測定可能な生物活性の供給源が微生物(例えば、発芽した胞子からの微生物)であり、かつ生物活性を検出する工程が微生物の成長を検出することを含む実施形態において、試薬は、生存可能な微生物の検出を促進するためのインジケータ(例えば、pHインジケータ、色原体酵素基質、発蛍光性酵素基質)を含み得る。微生物を含む測定可能な生物活性の供給源を検出するのに用いられる好適な試薬(即ち、栄養物、栄養培地、成長培地、及びインジケータ)は、例えば、米国特許第3,346,464号、同第3,585,112号、同第4,291,122号、同第4,416,984号、同第4,528,268号、同第5,073,488号、及び同第5,223,401号に記載されており、これらの特許はいずれも参照によりその全体が本明細書に援用されている。
測定可能な生物活性の供給源が酵素活性であり、かつ生物活性を検出する工程が酵素活性を検出する工程を含む実施形態において、本開示の試薬は酵素基質を含み得る。酵素活性を含む測定可能な生物活性の供給源を検出するための好適なインジケータとしては、例えば、酸化還元インジケータ、色原体酵素基質、及び発蛍光性酵素基質が挙げられる。本開示による酵素活性を検出するための好適な指示試薬の非限定例は、米国特許第5,073,488号及び同第6,355,448号に開示されており、これらの特許は参照によりその全体が本明細書に援用されている。
別の態様では、本開示は、滅菌処理の有効性を判定する方法を提供する。本方法は、本開示の実施形態のいずれか1つに係る物品を、滅菌処理を用いて処理する工程と、物品の測定可能な生物活性を検出する工程と、を含む。本明細書に記載されているように、本物品は、測定可能な生物活性の乾性供給源と、低温減菌剤化合物(例えば、過酸化水素)を中和するための有効量の乾性薬剤と、を含む。滅菌処理は、物品を滅菌チャンバ内に定置する工程と、第1の分量の第1の減菌剤をチャンバ内に導入する工程であって、第1の分量の第1の減菌剤が有効量の過酸化水素を含む疑いのある、工程と、物品を第1の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、を含む。
滅菌チャンバは、低温滅菌処理の実施に適した任意のチャンバであり得る。好適な滅菌チャンバの非限定例は、低温滅菌処理における酸化エチレン(例えば、米国特許第4,337,223号を参照)、過酸化水素(例えば、その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許第6,953,549号を参照)、及びオゾン(例えば、その全体が本明細書において参照により援用されている米国特許出願公開第2011/0076192号を参照)の使用に関して記述されている。
典型的には、滅菌処理にて物品を加工する工程は、滅菌対象の物品を容器内に入れる工程と、有効量の減菌剤の蒸気又はプラズマ(例えば、第1の減菌剤の蒸気又はプラズマ、あるいは第2の減菌剤の蒸気又はプラズマ)を容器内に導入するか、又はそれを容器内で生成する工程と、それにより、物品を曝露させる環境(例えば、ガス及び/又はプラズマ環境)を容器内に確立する工程と、を含む。物品は、物品を滅菌するための有効量の第1の減菌剤の蒸気又はプラズマに適した条件下にて容器内に保持されることが好ましい。好適な条件は、当業者に認識されるであろう。好適な条件としては、容器に充填される材料の量及び種類、容器の温度、容器内の気圧、容器の相対湿度、物品が容器内に保持される時間の長さ、及び前述の条件のうちの2つ以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
第1の減菌剤は、低温滅菌処理において蒸気及び/又はプラズマとして使用するのに適した任意の減菌剤化合物であってもよく、この減菌剤化合物は、実質的に乾燥形態の物品で提供され得る対応する中和剤が特定される対象の化合物である。好適な第1の減菌剤化合物の非限定例としては、過酸化水素及びオゾンが挙げられる。
本方法は、第1の分量の第1の減菌剤を滅菌チャンバ内に導入する工程を含む。典型的に、チャンバ内に導入された第1の分量は、有効量の減菌剤である疑いがある分量である。本明細書において用いられている「有効量」の減菌剤とは、滅菌チャンバに導入される減菌剤化合物の量を指す(即ち、減菌剤はプラズマ相若しくは蒸気相としてチャンバ内に導入される、及び/又は減菌剤は(例えば、液体若しくは固体として)チャンバ内に導入され、チャンバ内で蒸気相及び/若しくはプラズマ相に変換される)。第1の分量の第1の減菌剤は、典型的なパラメータ(例えば、温度、曝露時間、相対湿度、又は前述したパラメータのうちの任意の2つの組み合わせ)によれば、低温滅菌処理において第1の減菌剤を使用して、生存可能な試験微生物(例えば、減菌剤化合物の作用を受け易い胞子)の数を生物学的インジケータにて少なくとも2log減少となるよう低減するのに十分な量である。
任意の実施形態において、第1の減菌剤は、過酸化水素を含む。有効量の過酸化水素の蒸気又はプラズマを含んだ環境に物品を曝露させる工程を含む滅菌処理は、当該技術分野において公知であり、例えば、米国特許第4,169,123号、同第4,169,124号、同第4,643,876号、及び同第4,756,882号に記載されており、これらの特許はいずれも参照によりその全体が本明細書に援用されている。加えて、商用滅菌器(例えば、Advanced Sterilization Products(ASP)(Irvine,CA)から入手可能なSTERRAD NX滅菌器、STERIS Corporation(Mentor,OH)から入手可能なAMSCO V−PRO 1滅菌器)は、滅菌容器、及び有効量の過酸化水素の蒸気又はプラズマを含む環境に物品を曝露するオートメーション化プログラムを含む。
過酸化水素滅菌処理のためのオートメーション化プログラムの幾つかは、過酸化水素の蒸気(VHP)の濃度が所定値に達するまで(例えば、概して連続的に)VHPを滅菌チャンバに導入する機能を提供する。チャンバ内のVHPの量は、VHPが導入される際のチャンバ内の圧力を測定することにより評価され得る。他のオートメーション化されたプログラムは、少なくとも2つの異なる量の過酸化水素を別個の時間にチャンバ内に導入する機能を提供する。故に、任意の実施形態において、本方法は、過酸化水素を含む第2の分量の第2の減菌剤をチャンバ内に導入する工程を、更に含み得る。第1の過酸化水素導入で有効量をチャンバ内に導入し、以降の過酸化水素注入で、縮合、劣化、及び/又は処置されるべき負荷内に存在する物質(微生物を含む)との相互作用により枯渇した可能性のある蒸気過酸化水素を補充することによって、滅菌処理の有効性が確保される。任意の実施形態において、第2の分量は、有効量の過酸化水素を含む疑いのある可能性がある。
本方法による物品を加工する工程は、物品を第1の減菌剤にしばらくの間曝露させることを含む。物体(例えば、本開示の物品)の汚染を除去するか、又は滅菌するために、プロセスの有効性は、減菌剤の分量(例えば、滅菌チャンバ内の減菌剤の濃度)、物体を減菌剤に曝露する時間の長さに依存し、かつ、例えば、負荷及び/又はチャンバの温度、滅菌チャンバ内に存在する材料の相対湿度、並びに量及び/又は種類(例えば、減菌剤に対する吸収特性)などの他の要因にも依存し得ることを、当業者は認識するであろう。後述の実施例では、典型的なプロセスに対する一般的なガイダンスが提供されているが、当業者に周知のように、パラメータは所望される成果に応じて異なり得る。
先に述べたように、任意の実施形態において、本開示の方法は、第2の分量の第2の減菌剤をチャンバ内に導入する工程を含む。第2の減菌剤は、蒸気若しくはプラズマとしてチャンバ内に導入される場合もあれば、又は代わりに、チャンバ内で蒸気又はプラズマ形態に変換される場合もある。任意の実施形態において、第2の減菌剤は、過酸化水素以外の減菌剤化合物を含む。好適な第2の減菌剤としては、限定されないが、ガスプラズマ、オゾン、二酸化塩素、過酢酸、酸化エチレン又はそれらから誘導されたイオンが挙げられる。本方法の実施形態において、第2の分量は、有効量の第2の減菌剤を含む疑いのある可能性がある。
有効量のオゾンを含んだ環境に物品を曝露させる工程を含む滅菌処理は、当該技術分野において公知であり、例えば、その全体が本明細書において参照により援用される国際公開第92/04057号に記載されている。有効量の蒸気相過酢酸を含んだ環境に物品を曝露させる工程を含む滅菌処理もまた、当該技術分野において公知であり、例えば、その全体が本明細書において参照により援用される国際公開第2012/173756号に記載されている。有効量のガス状酸化エチレンを含んだ環境に物品を曝露させる工程を含む滅菌処理もまた、当該技術分野において公知である(例えば、その全体が本明細書において参照により援用される米国特許第4,337,223号、及び米国特許出願公開第2007/0292305号を参照のこと)。
最近になって、2つの別々のタイプの減菌剤の蒸気及び/又はプラズマに物品を曝露させる機能を有する滅菌器が、開発されている。物品を2つの異なる減菌剤組成物に曝露させる機能を有する例示的な滅菌器は、米国特許出願公開第2011/0076192号に記載されており、この特許はその全体が本明細書において参照により援用されている。商用滅菌器(TS03(Quebec City,Canada)から入手可能な、3M OPTREOZ 125−Z滅菌器、又はその等価物)は、物品を滅菌するために、第1の分量の第1の減菌剤(例えば、蒸気相の過酸化水素)及び第2の分量の第2の減菌剤(例えば、オゾン)を滅菌チャンバ内に導入する機能を有する。故に、本開示に従って滅菌処理を使用して物品を加工する工程は、物品を滅菌容器(例えば、物品を2つの異なる減菌剤に曝露すべく適応された3M OPTREOZ 125−Z滅菌器に類似する滅菌容器)内に配置することを含み得る。
本開示の方法の任意の実施形態に従って、物品が処理された後(例えば、第1の減菌剤及び/又は第2の減菌剤にしばらくの間に曝露された後)、測定可能な活性が検出される。測定可能な活性の検出に使用される手順は、測定可能な生物活性の供給源及び物品内に存在するコンポーネントの性質に応じて異なる。
例えば、測定可能な生物活性の供給源が、生存可能な微生物(例えば、細菌、酵母、又は胞子)を含む場合、測定可能な生物活性を検出する工程は、培養培地を使用して微生物を培養することを含み得る。これらの実施形態において、測定可能な生物活性を検出する工程は、生物活性の供給源をしばらくの間培養培地と接触させてインキュベートすることを含み得る。当業者に認識されるように、インキュベーション温度は、培養対象となる特定の微生物の典型的な要件に従って選択される。例えば、枯草菌(Bacillus atrophaeus)の胞子が37℃付近の温度でインキュベートされ得る一方、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)の胞子は56℃付近の温度でインキュベートされ得る。
(例えば、滅菌処理後に好適な培養培地を物品に添加することにより、又は内装容器を破裂させて内装容器に含有される好適な培養培地及び/又は指示試薬を外装容器に放出させることにより)微生物を本物品内で培養できる。培養培地内の複数の微生物を検出するための様々な方法が、当業者に認識されるであろう。本方法は、色素又は発蛍光性酵素基質を使用して生存可能な微生物に関連する酵素的反応を観測する工程と、色素又は発蛍光性酸化還元インジケータを使用して生存可能な微生物に関連する酸化又は還元反応を観測する工程と、pHインジケータを使用して生存可能な微生物が産生する酸性又は塩基性代謝産物の生成を観測する工程と、を含むが、これらに限定されない。
本発明において有用に用いられる栄養培地のタイプは、当該技術分野に広く知られている。好ましい栄養培地の例は、ダイズカゼイン消化ブロス、液状チオグリコール酸塩、及びデキストローストリプトン(Difco Laboratories,Inc.)の水性溶液である。グルコースを含まない変性トリプシン性ダイズブロスベースは、特に好ましい。汚染を回避するため、通常は、そのような水性栄養培地を内装容器内に格納した後で滅菌する。生存可能な微生物の存在下で色が変化する一般的に知られている微生物成長インジケータが、少なくとも1つの容器内に存在することが好ましい。成長インジケータ材料は、水性栄養培地中で可溶性であり、かつ外装容器の半透明の壁を通して色の変化が容易に観測できるように(微生物の成長時に)水性栄養培地に対し色を付与するものであることが好ましい。加えて、成長インジケータ材料は、酵素変性産物の色又は蛍光に干渉することのないように選択されることが好ましい。本発明において使用され得る成長インジケータ材料は、当該技術分野において周知であり、(ブロモチモールブルー、ブロモクレゾールパープル、フェノールレッドなどのような)pH感受性染料インジケータ、(メチレンブルーなどのような)酸化還元染料インジケータが挙げられる。そのような材料は一般的に、pH、酸化還元電位などの変化といった微生物の成長現象に反応して色の変化を遂げる。
生存可能な微生物に関連する反応を観測する工程は、反応を検出するための器具を使用することを含み得る。生存可能な微生物に関連する反応を観測する工程は、反応生成物(例えば、色素又は発蛍光性生成物)を測定するための器具を使用することを含み得る。任意の実施形態において、測定可能な生物活性を検出する工程は、測定可能な生物活性の不在を検出することを含み得る。
測定可能な生物活性の供給源が酵素活性を含む場合、測定可能な生物活性を検出する工程は、酵素基質システム(例えば、蛍光酵素基質、色素酵素基質、又は発蛍光性酵素基質を含む)を使用して測定可能な生物活性を検出することを含み得る。これらの実施形態において、測定可能な生物活性を検出する工程は、生物活性の供給源をしばらくの間酵素基質と接触させてインキュベートすることを含み得る。
この用途の文脈において、酵素基質システムは、定義上、酵素を介して作用を受けて酵素変性生成物に変換される物質、又は物質の混合物である。概して、酵素変性生成物は、発光性、蛍光性、有色、又は放射性物質である。しかしながら、酵素基質システムは、酵素と反応したときに追加の化合物又は組成物と反応して発光性、蛍光性、有色又は放射性物質を生ずる生成物を生成する、化合物から構成され得る。好ましくは、滅菌時に基質システムがインジケータデバイスに組み込まれていなければならない場合、その基質が、滅菌又はインキュベーション中に検出可能な生成物を自然発生的に分解するものであったり、また検出可能な生成物に転換するものであったりしてはならない。例えば、過酸化水素の蒸気又はプラズマ、及びオゾン蒸気又はプラズマを使用してプロセスをモニタリングするのに使用されるデバイスにおいて、基質システムのコンポーネントは、20℃〜80℃の温度で安定であるべきである。また、好ましくは、酵素基質システムが従来の成長培地に格納されていて、かつ/又はその成長培地と共に使用されていなければならない場合、成長培地に接触しているときに安定であるべきである(例えば、実質的に自然発生的に加水分解しない)。
酵素活性を含む測定可能な生物活性を検出する工程は、(例えば、直接又は間接的に)酵素活性を介して触媒された反応の生成物を観測することを含む。酵素活性を介して触媒された反応の生成物を観測する工程は、生成物を検出するための器具を使用することを含み得る。酵素活性を介して触媒された反応の生成物を観測する工程は、生成物(例えば、明るい有色の生成物、又は蛍光性生成物)を測定するための器具を使用することを含み得る。任意の実施形態において、測定可能な生物活性を検出する工程は、測定可能な生物活性の不在を検出することを含み得る。
本開示の測定可能な生物活性の蛍光性生成物をモニタリングするための好ましい方法は、本開示の物品用に特に設計された(例えば、外装容器に動作可能に連結されるように構成されている)蛍光光度計を使用する。蛍光光度計によって、低レベルの蛍光性生成物及び背景蛍光性(例えば、存在する場合、栄養培地のコンポーネントに起因するもの)又は無蛍光性を視覚的に区別しようとしたときに生じる主観的解釈が排除される。蛍光光度計は、所与のインキュベーション期間内に最小限の量の蛍光性生成物が検出されるように較正され得る。
本発明のデバイスで使えるように設計された特に好ましい蛍光光度計は、物品の外装容器が位置決めされている間環境光を遮り、それにより、外装容器内部にある測定可能な生物活性の供給源が365nm波長の紫外線で照射されるように設計されたチャンバと、460nmの波長領域において結果として生じた任意の蛍光を検出するために使用され得る光ダイオードと、から構成される。蛍光光度計は、閾値量の蛍光が検出されて測定可能な生物活性の存在を識別するように、較正され得る。
本開示の方法は、本明細書に記載されている第1及び第2の減菌剤化合物を利用する滅菌処理に用いられる第2の減菌剤の量の有効性を判定する目的に使用することが可能である。有利なことに、判定は、第1及び第2の減菌剤化合物が同じ化合物であるかそれとも異なる化合物であるかに関係なく可能である。減菌剤化合物(例えば、過酸化水素のような第1の減菌剤化合物)を中和するための薬剤は、測定可能な生物活性の供給源の第1の減菌剤化合物が不活性化される(例えば、部分的に又は完全に不活性化される)のを防ぐ。したがって、物品が第1及び第2の減菌剤化合物の両方に曝露された後で、測定可能な活性が検出された場合(例えば、測定可能な活性の少なくとも一部又は全てが検出された場合)、概して、滅菌処理、及び具体的には第2の減菌剤化合物の分量が、物品を滅菌するうえで有効でなかったと結論付けられ得る。
例示的な実施形態
実施形態Aは、
内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、
内部体積内に配されている測定可能な生物活性の乾性供給源と、
減菌剤化合物を中和するための有効量の乾性薬剤であって、内部体積内に配されている、乾性薬剤と、
を具備する物品であって、測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方が、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している、物品である。
実施形態Bは、外装容器に連結された密閉部を更に含み、その外装容器に連結された密閉部が、蒸気又はプラズマが外装容器の外部環境から内部体積に通過するための通路を形成している、実施形態Aの物品である。
実施形態Cは、過酸化水素に対して透過性の層を更に含み、この層が外装容器又は密閉部連結されており、この層が、測定可能な生物活性の供給源と外装容器の外側にある環境との間に介在する、実施形態A又は実施形態Bの物品である。
実施形態Dは、層が過酸化水素及び第2の低温減菌剤に対して透過性であり、第2の低温減菌剤が過酸化水素以外の低温減菌剤である、実施形態Cの物品である。
実施形態Eは、開口部又は通路が蛇行経路を含む、先行する請求項(preceding claims)のいずれか一項に記載の物品である。
実施形態Fは、測定可能な生物活性が酵素活性を含む、実施形態A〜Eのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Gは、測定可能な生物活性が再生能力を有する微生物である、実施形態A〜Eのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Hは、微生物が内生胞子である、実施形態Gの物品である。
実施形態Iは、第2の減菌剤が、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、及び酸化エチレンからなる群から選択される、実施形態A〜Hのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Jは、測定可能な生物活性の供給源の一部が第1の被覆物内に配されている、実施形態A〜Iのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Kは、物品が第1の基質を更に含み、第1の被覆物が第1の基質上に配されている、実施形態Jの物品である。
実施形態Lは、薬剤が、カタラーゼ、チオ硫酸塩、亜硫酸水素塩、及びL−メチオニンからなる群から選択される、実施形態A〜Kのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Mは、薬剤の一部が第1の被覆物内に配されている、実施形態A〜Lのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Nは、薬剤の一部が第2の被覆物内に配されている、実施形態A〜Mのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Oは、物品が第2の基質を更に含み、第2の被覆物の一部が第2の基質上に配されている、実施形態Nの物品である。
実施形態Pは、層が第2の基質であり、第2の被覆物が第2の基質上又は第2の基質内に配されている、実施形態Oの物品である。
実施形態Qは、第2の被覆物が第1の被覆物に近接している、実施形態N〜Pのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Rは、第2の被覆物の一部が第1の被覆物を覆う、実施形態Qの物品である。
実施形態Sは、微生物の成長を促進するための栄養物を更に含む、実施形態G〜Rのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Tは、測定可能な生物活性の供給源と反応する能力を有するインジケータを更に具備する、実施形態A〜Sのいずれか1つに係る物品である。
実施形態Uは、栄養物又はインジケータが、第1の端と第2の端との間の外装容器内に配された内装容器内に配されている、実施形態S又は実施形態Tの物品である。
実施形態Vは、以下の工程:
物品を滅菌チャンバに配置する工程と、
第1の分量の第1の減菌剤をチャンバ内に導入する工程であって、第1の分量の第1の減菌剤が有効量の過酸化水素を含む疑いのある、工程と、
物品を第1の第2の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、
測定可能な生物活性を検出する工程と、
を含むプロセスを用いて、実施形態A〜Uのいずれか1つに係る物品を加工することを含む方法である。
実施形態Wは、
第2の減菌剤の第2の分量をチャンバ内に導入する工程と、
物品を第2の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、
を更に含む、実施形態Vの方法である。
実施形態Xは、第2の分量の第2の減菌剤が過酸化水素を含む疑いがあり、第1の分量をチャンバに導入した後の所定の時間に、第2の分量をチャンバに導入する、実施形態Wの方法である。
実施形態Yは、第2の分量の第2の減菌剤が、過酸化水素以外の有効量の減菌剤を含む疑いがある、実施形態Wの方法である。
実施形態Zは、第1の分量をチャンバに導入した後で、第2の分量をチャンバに導入する、実施形態Xの方法である。
実施形態AAは、物品を第1の減菌剤に曝露させる工程が、第1の減菌剤の有効性に適した条件下で、物品を第1の減菌剤に曝露させることを含む、実施形態V〜Zのいずれか1つに係る方法である。
実施形態BBは、物品を第2の減菌剤曝露させる工程が、第2の減菌剤の有効性に適した条件下で、物品を第2の減菌剤に曝露させることを含む、実施形態V〜AAのいずれか1つに係る方法である。
実施形態CCは、第2の減菌剤が、ガスプラズマ、オゾン、過酢酸、酸化エチレン又はそれらから誘導されたイオンを含む、実施形態W〜BBのいずれか1つに係る方法である。
実施形態DDは、測定可能な生物活性を検出する工程が、酵素活性を検出する工程を含む、実施形態V〜CCのいずれか1つに係る方法である。
実施形態EEは、測定可能な生物活性を検出する工程が、pH変化を検出する工程を含む、実施形態V〜DDのいずれか1つに係る方法である。
実施形態FFは、
内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、
内部体積内に配された測定可能な生物活性の乾性供給源と、
低温減菌剤化合物を中和するための有効量の乾性薬剤であって、有効量が内部体積内に配されている、乾性薬剤と、
を具備する物品であって、測定可能な生物活性の供給源及び薬剤の両方が、外装容器の外側にある環境と蒸気連通している、物品である。
実施形態GGは、低温減菌剤化合物に対して透過性の層を更に含み、この層が外装容器連結されており、この層が、測定可能な生物活性の供給源と外装容器の外側にある環境との間に介在する、実施形態FFの物品である。
実施形態HHは、開口部が蛇行経路を含む、実施形態FFの物品である。
実施形態IIは、測定可能な生物活性の供給源が酵素活性を含む、実施形態FF〜HHのいずれか1つに係る物品である。
実施形態JJは、測定可能な生物活性の供給源が、再生能力を有する微生物である、実施形態FF〜HHのいずれか1つに係る物品である。
実施形態KKは、低温減菌剤化合物が過酸化水素を含む、実施形態FF〜JJのいずれか1つに係る物品である。
本開示の利点及び実施形態を以降の実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本発明を不当に制限するように解釈されるべきではない。特に記載するか明らかである場合を除き、全ての材料は市販されているか、又は当業者に既知である。
滅菌器システム及び滅菌サイクルパラメータ
後述の実施例に記載されている生物学的インジケータ(BI)は、STERRAD NX滅菌器(Advanced Sterilization Products(ASP)(Irvine,CA)から入手可能)及び3M OPTREOZ 125−Z滅菌器(TS03(Quebec City,Canada)から入手可能)による過酸化水素滅菌を利用して、滅菌サイクルに曝露された。減菌剤濃度及び曝露時間を様々に変えた。STERRAD NX滅菌器においては、BIを標準(「フル」)サイクルに曝露させ、かつ3分の(「半」)サイクルに曝露させた。半サイクルでは、減菌剤(即ち、過酸化水素)の使用量を抑えて、チャンバ内に注入した。3M OPTREOZ 125−Z滅菌器で、一部のBIを、まず過酸化水素を用い次いでオゾンを用いたフル「サイクル2」に曝露させる一方で、一部のBIを11.84Torr(1.58kPa)過酸化水素のみのサイクルに曝露させた。STERRAD NXサイクル及びOPTREOZサイクルの説明は、下掲の表1及び2に記載してある。
Figure 2016508418
Figure 2016508418
(実施例1〜5)
過酸化水素を中和する薬剤としてのカタラーゼが、胞子を過酸化水素滅菌処理に対する曝露から防護する工程に及ぼす影響を、実施例の生物学的インジケータ内部の異なるロケーションにカタラーゼを位置付けることによって、評価した。ウシ肝臓由来のカタラーゼの凍結乾燥粉末(Sigma Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能)を後述の実施例に使用した。市販の3M ATTEST 1274生物学的インジケータ及び3M ATTEST 1292 Rapid Readout生物学的インジケータを、次のようにしてカタラーゼを添加して変性させた:実施例1〜4用にそれぞれ10個の試料の生物学的インジケータ(BI)を調製し、実施例5用に12個の試料を調製した。後述するように実施例1〜5を調製した後で、上掲の表1に記載されているSTERRAD NX滅菌器標準サイクルを施した。下掲の表3に、生物学的インジケータの滅菌結果を陽性/評価済みBIの総数の比として示してある。陽性の結果には、BI内の全ての胞子が過酸化水素減菌剤で消失されるのを防ぐうえで、カタラーゼの酵素活性が有効であったことが示唆してある。
まず3M Company(St.Paul,MN)から入手可能な幾つかの3M ATTEST 1274生物学的インジケータをディスアセンブルして、実施例1に使用する生物学的インジケータ物品を調製した。1274生物学的インジケータのコンポーネントパーツは、開口部を備える外装容器(袖部)と、栄養培地含有の密閉ガラス内装容器(アンプル)及び生物活性を検出するためのインジケータと、そのインジケータに被覆されているゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)胞子含有の小型円形金属クーポンを含んだ第1の基質と、青色のキャップフィルタ材料(即ち、本明細書に上記されているような「層」)と、密閉部と、を備えて構成されていた。加えて、Advanced Sterilization Products(ASP)(Irvine,CA)から入手可能な12407 TYVEK(登録商標)Roll(STERRAD(登録商標)化学的インジケータ付属)のロールからDUPONTブランドTYVEKの1.27cm直径の材料片を切断した。TYVEK材料の円形切断片は、意図的に化学的インジケータを含んでおらず、カタラーゼが配された第2の基質材料として使用されたのみであった。この第2のTYVEK基質は、200μgのカタラーゼ/BIが送達されるように10mg/mLのカタラーゼ水溶液を用いてスパイクした。カタラーゼを用いてスパイクしたTYVEK材料を乾燥させた。実施例1〜5の変性生物学的インジケータは、パーツを再アセンブルすることによって作製された。即ち、まず胞子が被着した第1の基質を外装容器の底面に配置し、次いで栄養培地及び生物活性を検出するためのインジケータを含む内装容器を外装容器内に配置し、その後、カタラーゼを用いてスパイクした第2の基質を外装容器内に配置した。最後に、密閉部を外装容器の開口部上に摩擦嵌合させた。故に、この実施例において、青色のキャップフィルタ材料(即ち、本明細書に記載されているような「層」)を、カタラーゼを用いてスパイクしたTYVEK材料で置き換えた。
別の第2の基質材料を使用したことを除き、実施例1と同様の様式にて実施例2を調製した。12407 TYVEK(登録商標)Roll(STERRAD(登録商標)化学的インジケータ付属)のロールから切断されたTYVEK材料の代わりに、95/5 PP/レーヨンウェブ材料からなる別の不織布ウェブ材料を使用した。95/5 PP/レーヨン材料は、坪量135gsmにてポリプロピレン(単一成分)繊維95%及びLENZING(単一成分)レーヨン繊維5%で製造された毛羽立てた不織布ウェブであり、2ロール(一方は滑らかなロール、他方はおよそ17%ポイントボンドパターンのロール)をカレンダー加工方法で160℃にて毛羽立てた。レーヨン繊維は、LENZING VISCOSE 1.7dtex、39mmの切断長の、明るい生成りレーヨン繊維(Lenzing Fibers;New York,NY)であった。ポリプロピレン繊維は、FIBERVISIONS T−133/HY−Entangle 1.7dtexポリプロピレン繊維(FiberVisions Corporation;Duluth,GA)であった。加えて、3つのレベルのカタラーゼにて実施例2をスパイクし、実施例2−1、2−2及び2−3のそれぞれについて20μg、100μg、及び200μgのカタラーゼ/BIが達成された。カタラーゼを用いてスパイクした第2の基質材料を乾燥させてから、BIを再アセンブルした。
95/5 PP/レーヨンウェブ材料を第2の基質材料として使用して、実施例2と同様な様式にて実施例3を調製した。一方、実施例3では、3M ATTEST 1274 BIのコンポーネントを再アセンブルした。胞子が被着した第1の基質を外装容器の底面に配置し、次いでカタラーゼを用いてスパイクした第2の基質を胞子で被覆された第1の基質上に配置してから、栄養培地を含有した内装容器、及び生物活性を検出するためのインジケータを挿入し、その後、青色のキャップフィルタ材料を挿入した。最後に、密閉部を外装容器に摩擦嵌合させた。故に、実施例3では、胞子にカタラーゼを実施例1及び2よりも近づけて位置付けた。加えて、2つのレベルのカタラーゼにて実施例3をスパイクし、実施例3−1、及び3−2のそれぞれについて20μg、及び200μgのカタラーゼ/BIが達成された。カタラーゼを用いてスパイクした第2の基質を乾燥させてから、BIを再アセンブルした。
胞子で被覆された第1の基質と成長培地及びインジケータが含まれる内装容器との間に、カタラーゼで被覆された第2の基質を位置付けたという点で実施例3と同じ構成にて、実施例4を調製した。しかしながら、3M ATTEST 1274 BIの代わりに3M ATTEST 1292 Rapid Readout生物学的インジケータを使用して実施例4を調製した。3M ATTEST 1292 Rapid Readout生物学的インジケータは、1274 BIと同じ数のコンポーネントを有し、同様な様式にて配向されている。しかしながら、3M ATTEST 1292 Rapid Readout BIにおいてキャップフィルタ材料(即ち、本明細書に上記されているような「層」)は、白色のポリプロピレン(PP)溶融ブロー成形されたウェブ材料である。そのPPウェブフィルタ材料を別の3M ATTEST 1292 Rapid Readout BIから得て、カタラーゼで被覆された第2の基質材料として使用した。この第2の基質材料上に水性カタラーゼ原液をスパイクし、約200μgのカタラーゼ/BIの充填を行い、乾燥させてから、再アセンブルした。
実施例5の調製は、まず幾つかの3M ATTEST 1274生物学的インジケータをディスアセンブルし、次いで第1の金属製基質上に被覆されている胞子の上に水性カタラーゼ原液を直接にスパイクして、室温条件で乾燥させてから、生物学的インジケータを再アセンブルすることにより行った。
参照例1:
参照例1(即ち、実施例1用の対照)は、第2のTYVEK基質材料をカタラーゼでスパイクしないことを除き、実施例1と厳密に同じ方法で調製した。
参照例2:
参照例1の場合と同様に、参照例2で示される対照を、実施例2と全く同様の試料を調製することによって調製したが、ただし第2の95/5 PP/レーヨンウェブ基質材料上にカタラーゼを一切スパイクしなかった。
参照例3
参照例1及び2の場合と同様、参照例3で示される対照を、実施例3と全く同様の試料を調製することによって調製したが、ただし95/5 PP/レーヨンウェブ材料上にカタラーゼを一切スパイクしなかった。
参照例4
上掲の参照例と同様、参照例4で示される対照を、実施例4と厳密に同じ方法で調製したが、ただし第2の基質材料上にカタラーゼを一切スパイクしなかった。
参照例5
上掲の参照例と同様、参照例5で示される対照を、実施例5と厳密に同じ方法で調製したが、ただし第2の基質材料上にカタラーゼを一切スパイクしなかった。
Figure 2016508418
(実施例6〜9)
実施例6〜9では、異なるレベルの様々な過酸化水素中和剤が、過酸化水素滅菌処理に対する胞子の耐性に及ぼす影響を評価した。後述するように、様々な中和剤を添加して、市販の3M ATTEST 1274生物学的インジケータを変性させた。試料のグループ毎に、同様に調製された4つの生物学的インジケータ(BI)を同じ滅菌サイクルに供した。下掲の表4に、実施例6〜9の生物学的インジケータの滅菌結果を陽性/評価済みBIの総数の比として示してある。陽性の結果には、BI内の全ての胞子が過酸化水素減菌剤で消失されるのを防ぐうえで、中和剤が有効であったことが示唆してある。
まず幾つかの3M ATTEST 1274生物学的インジケータをディスアセンブルして、実施例6を調製した。その後、実施例5と同様、水性カタラーゼ溶液の量を直接に金属胞子キャリアクーポン上の胞子にスパイクし、4つのレベルのカタラーゼ:4μg、20μg、50μg、及び100μgカタラーゼ/BIが達成された。カタラーゼ溶液を乾燥させてから、変性3M ATTEST 1274生物学的インジケータを元の構成にて再アセンブルした。参照例6は対照であったため、カタラーゼを一切添加されなかった。
過酸化水素中和剤としてカタラーゼの代わりにチオ硫酸ナトリウムを使用したことを除き、実施例7を実施例6と同じ方法で調製した。チオ硫酸ナトリウム(Na)無水物(98.0%以上)はSigma Aldrich Company(St.Louis,MO)から入手した。4つのレベルのチオ硫酸ナトリウム(20μg、100μg、200μg及び2000μgのチオ硫酸ナトリウム/BI)を胞子上にスパイクした。
過酸化水素中和剤としてカタラーゼの代わりに亜硫酸水素ナトリウムを使用したことを除き、実施例8を実施例6と同じ方法で調製した。試薬グレードの亜硫酸水素ナトリウム(HNaOS)はBDH製であり、VWR(Radnor,PA)から入手した。4つのレベルの亜硫酸水素ナトリウム(20μg、200μg、250μg、及び2500μgの亜硫酸水素ナトリウム/BI)を胞子上にスパイクした。
過酸化水素中和剤としてカタラーゼの代わりにメチオニンを使用したことを除き、実施例9を実施例6と同じ方法で調製した。メチオニン(99.00%)は、Calbiochem,EMD Chemicals(Gibbstown,NJ)から入手したもので、これを500μg/BIにて胞子上にスパイクした。
Figure 2016508418
本明細書に引用する全ての特許、特許出願、及び公開公報、並びに電子的に入手可能な資料の開示内容の全体を、参照により援用する。本出願の開示と本明細書に参照として援用される任意の文書の開示(複数可)との間にいずれの不一致が認められる場合にも、本出願の開示が優先される。上記の詳細な説明及び実施例は、あくまで理解を助ける明確さのために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。本発明は、示され記載された厳密な詳細事項に限定されるべきではないが、それは当業者に対して明らかな変形が特許請求の範囲において規定された本発明の範囲に包含されるからである。
全ての見出しは読者の利便性のためであって、特に指示がない限り、見出しの後に続く文面の意味を制限するために使用しているのではない。
本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な改変を行うことが可能である。これら及び他の実施形態は以下の「特許請求の範囲」に含まれる。

Claims (20)

  1. 内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、
    前記内部体積内に配されている測定可能な生物活性の乾性供給源と、
    過酸化水素を中和するための有効量の乾性薬剤であって、前記内部体積内に配されている、乾性薬剤と、
    を具備する物品であって、前記測定可能な生物活性の供給源及び前記薬剤の両方が、前記外装容器の外側にある環境と蒸気連通している、物品。
  2. 過酸化水素に対して透過性である層を更に含み、前記層が前記外装容器又は前記密閉部に連結されており、前記層が、前記測定可能な生物活性の供給源と前記外装容器の外側にある環境との間に介在する、請求項1に記載の物品。
  3. 前記測定可能な生物活性の供給源が、再生能力を有する酵素活性又は微生物を含む、請求項1又は請求項2に記載の物品。
  4. 前記測定可能な生物活性の供給源の一部が第1の被覆物内に配されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品。
  5. 前記物品が第1の基質を更に含み、前記第1の被覆物が前記第1の基質上に配されている、請求項4に記載の物品。
  6. 前記薬剤が、カタラーゼ、チオ硫酸塩、亜硫酸水素塩、及びL−メチオニンからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の物品。
  7. 前記薬剤の一部が第2の被覆物内に配されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の物品。
  8. 前記物品が第2の基質を更に含み、前記第2の被覆物の一部が前記第2の基質上に配されている、請求項7に記載の物品。
  9. 前記第2の被覆物が前記第1の被覆物に近接している、請求項7又は請求項8に記載の物品。
  10. 前記測定可能な生物活性の供給源と反応する能力を有するインジケータを更に具備する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の物品。
  11. 前記物品を滅菌チャンバ内に配置する工程と、
    第1の分量の第1の減菌剤を前記チャンバに導入する工程であって、前記第1の分量の第1の減菌剤が有効量の過酸化水素を含む疑いのある、工程と、
    前記物品を前記第1の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、
    前記測定可能な生物活性を検出する工程と、
    を含むプロセスを用いて、請求項1〜10のいずれか一項に記載の物品を加工することを含む、方法。
  12. 第2の分量の第2の減菌剤を前記チャンバに導入する工程と、
    前記物品を前記第2の減菌剤にしばらくの間曝露させる工程と、
    を更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の分量の第2の減菌剤が過酸化水素を含む疑いがあり、前記第1の分量を前記チャンバに導入した後の所定の時間に、前記第2の分量を前記チャンバに導入する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2の分量の第2の減菌剤が、過酸化水素以外の有効量の減菌剤を含む疑いがある、請求項12に記載の方法。
  15. 前記第1の分量を前記チャンバに導入した後で、前記第2の分量を前記チャンバに導入する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記測定可能な生物活性を検出する工程が、酵素活性を検出する工程、又はpH変化を検出する工程を含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 内部体積と、開口部を含む第1の端と、第2の端と、を有する外装容器と、
    前記内部体積内に配された測定可能な生物活性の乾性供給源と、
    減菌剤化合物を中和するための有効量の乾性薬剤であって、前記有効量が前記内部体積内に配されている、乾性薬剤と、
    を具備する物品であって、前記測定可能な生物活性の供給源及び前記薬剤の両方が、前記外装容器の外側にある環境と蒸気連通している、物品。
  18. 前記減菌剤化合物に対して透過性の層を更に含み、前記層が前記外装容器に連結されており、前記層が、前記測定可能な生物活性の供給源と前記外装容器の外側にある環境との間に介在する、請求項17に記載の物品。
  19. 前記測定可能な生物活性の供給源が、再生能力を有する酵素活性又は微生物を含む、請求項17又は請求項18に記載の物品。
  20. 前記減菌剤化合物が過酸化水素を含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の物品。
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