本開示は、例えば、石膏ウォールボードなどのセメント質製品を含めた、製品の製造において用いられ得るスラリー分配システムの様々な実施形態を提供する。本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器の実施形態は、例えば、水性発泡石膏スラリーなどにおいて見られる、気相および液相を含有する物などの、多相スラリーを効率的に分配するために製造プロセスにおいて用いてよい。
本開示の原理に従って組み立てられた分配システムの実施形態は、連続的なボード(例えば、ウォールボード)製造プロセス時にコンベヤ上を移動する前進するウェブ(例えば、紙またはマット)上にスラリー(例えば、水性焼石膏スラリー)を分配するために用いてよい。一態様においては、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配システムは、従来型の石膏乾式壁製造プロセスにおいて焼石膏および水を撹拌して水性焼石膏スラリーを形成するように適合されたミキサーに取り付けられる排出導管として、またはその一部として用いてよい。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配システムの実施形態は、均一な石膏スラリーの(幅方向に沿った)より広範な分配を達成することを目的とする。本開示のスラリー分配システムの実施形態は、石膏ウォールボードを製造するために従来的に用いられるWSRおよび相対的により低くかつ相対的により高い粘度を有する物を含めた、WSRの範囲を有する石膏スラリーと共に使用するために適する。さらには、本開示の石膏スラリー分配システムは、非常に大きい泡量を有する発泡石膏スラリーを含めた、水性発泡石膏スラリーなどにおいて、気液相分離の制御を助けるために用いてよい。前進するウェブ上の水性焼石膏スラリーの拡がりは、本明細書に示されて記述されるような分配システムを用いてスラリーを経路指定および分配することにより制御され得る。
本開示の原理によるセメント質スラリー混合および分注アセンブリは、例えば、ボードなどの任意の種類のセメント質製品を形成するために用いてよい。一部の実施形態において、例えば、石膏乾式壁、ポルトランドセメントボードまたは吸音パネルなどのセメント質ボードが形成され得る。
セメント質スラリーは、任意の従来型のセメント質スラリー、例えば、石膏ウォールボード、例えば米国特許出願公開第2004/0231916号に記載されている吸音パネルを含めた吸音パネル、またはポルトランドセメントボードを生成するために一般に用いられる任意のセメント質スラリーであってよい。したがって、セメント質スラリーは、場合によってはセメント質ボード製品を生成するために一般に用いられる任意の添加剤をさらに含んでいてよい。こうした添加剤には、ミネラルウール、連続的なまたは細断されたガラス繊維(ファイバーグラスとも呼ばれる)、パーライト、粘土、バーミキュライト、炭酸カルシウム、ポリエステルおよび紙繊維を含めた構造添加剤(structural additive)、ならびに発泡剤、充填剤、促進剤、糖、例えばリン酸塩、ホスホン酸塩およびホウ酸塩などの増強剤、遅延剤、結合剤(例えば、デンプンおよびラテックス)、着色剤、殺菌剤、殺生物剤、シリコーン系材料(例えば、シラン、シロキサンまたはシリコーン−樹脂マトリックス)などの疎水剤などの化学添加剤が含まれる。これらの一部および他の添加剤の使用の実施例は、例えば、米国特許第6,342,284号、第6,632,550号、第6,800,131号、第5,643,510号、第5,714,001号および第6,774,146号、ならびに米国特許出願公開第2004/0231916号、第2002/0045074号、第2005/0019618号、第2006/0035112号および第2007/0022913号に記述されている。
セメント系材料の非限定的な例には、ポルトランドセメント、ソレルセメント(sorrel cement)、スラグセメント、フライアッシュセメント、カルシウムアルミナセメント、水溶性無水硫酸カルシウム、硫酸カルシウムα−半水和物、硫酸カルシウムβ−半水和物、天然、合成または化学的修飾硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム二水和物(「石膏」、「硬化石膏」または「水和石膏」)およびそれらの混合物が含まれる。一態様において、セメント系材料は、望ましくは硫酸カルシウムアルファ型半水和物、硫酸カルシウムベータ型半水和物および/または無水硫酸カルシウムの形態などの焼石膏を含む。実施形態において、焼石膏は、一部の実施形態においては繊維質であってよく、他においては非繊維質であってよい。焼石膏は、少なくとも約50%のベータ型硫酸カルシウム半水和物を含んでいてよい。他の実施形態において、焼石膏は、少なくとも約86%のベータ型硫酸カルシウム半水和物を含んでいてよい。水の焼石膏に対する重量比は、任意の適した比率であってよいが、当業者なら理解するであろうように、製造時に追い出す必要がある過剰な水がより少なく、それによってエネルギーを節約できるので、より低い比率はより効率的であり得る。一部の実施形態において、セメント質スラリーは、製品に応じたボード生産のために、約2:3など、それぞれ重量で約1:6比から約1:1比の範囲で水および焼石膏を混ぜ合わせることにより調製され得る。
石膏製品などの、本開示の原理によるセメント質製品を調製する方法の実施形態には、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器を用いて前進するウェブ上に水性焼石膏スラリーを分配することが含まれ得る。移動するウェブ上に水性焼石膏スラリーを分配する方法の様々な実施形態が、本明細書に述べられる。
ここで図を参照すると、図1〜3に示される本開示の原理によるスラリー分配器120の実施形態、ならびに図4および5に示される本開示の原理によるスラリー分配器220の別の実施形態がある。図1〜3に示されるスラリー分配器120は、弾性的に可撓性のある材料から組み立てられ、一方で図3および4に示されるスラリー分配器220は、相対的に硬質の材料から作成される。しかしながら、図1〜5におけるスラリー分配器120、220の両方の内部流れ形状は同一であり、図1〜3のスラリー分配器120を考える場合は図5も参照されるべきである。
図1を参照すると、スラリー分配器120は、第1および第2の供給入口124、125を有する供給導管122ならびに分配出口130を含みかつ供給導管128と流体連通する分配導管128を含む。分配導管128の分配出口130のサイズを局所的に変化するように適合された倣いシステム132(図3を参照)も提供され得る。
図1を参照すると、供給導管122は、全体的に長手方向軸または縦方向50に実質的に直交する、横断方向軸または幅方向60に沿って延びる。第1の供給入口124は、第2の供給入口125と隔離された関係にある。第1の供給入口124および第2の供給入口125は、実質的に同じ面積を有するそれぞれの開口134、135を画定する。第1および第2の供給入口124、125の例示される開口134、135は、共に本実施例において例示されるような円形断面形状を有する。他の実施形態において、供給入口124、125の断面形状は、意図される用途および存在するプロセス条件に応じて、他の形態をとってもよい。
第1および第2の供給入口124、125は、第1および第2の供給入口124、125が実質的に機械軸50に対して角度90°で配置されるように、機械交差軸(cross−machine axis)60に沿って互いに対向する関係にある。他の実施形態において第1および第2の供給入口124、125は、異なる手法で縦方向に対して向きを定められていてよい。例えば、一部の実施形態において、第1および第2の供給入口124、125は、縦方向50に対して0°から約135°の角度であってよい。
供給導管122は、第1および第2の進入セグメント136、137ならびに第1および第2の進入セグメント136、137の間に配置される分岐した連結器セグメント139を含む。第1および第2の進入セグメント136、137は、一般には円筒形でありかつそれらが長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57と実質的に平行になるように横断方向軸60に沿って延びる。第1および第2の供給入口124、125は、それぞれ、第1および第2の進入セグメント136、137の遠位端部に配置され、かつそれとともに流体連通する。
他の実施形態において第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の進入セグメント136、137は、横断方向軸60、縦方向50ならびに/または長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57に対して異なる手法で向きを定められていてよい。例えば、一部の実施形態において、第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の進入セグメント136、137は、それぞれ長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57において長手方向軸または縦方向50に対して供給角θで実質的に配置されていてよく、これは縦方向50に対して最大約135°の範囲の角度であり、および他の実施形態においては約30°から約135°の範囲であり、およびさらに他の実施形態においては約45°から約135°の範囲であり、および一層の他の実施形態においては約40°から約110°の範囲である。
分岐した連結器セグメント139は、第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の進入セグメント136、137と流体連通する。分岐した連結器セグメント139は、第1および第2の成形ダクト141、143を含む。供給導管22の第1および第2の供給入口124、125は、それぞれ第1および第2の成形ダクト141、143と流体連通する。連結器セグメント139の第1および第2の成形ダクト141、143は、それぞれ、第1および第2の供給入口124、125からの水性焼石膏スラリーの第1の供給方向190における第1の流れおよび第2の供給方向191における第2の流れを受け取って、水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ190、191を分配導管128内へ向かわせるように適合される。
図5に示されるように、連結器セグメント139の第1および第2の成形ダクト141、143は、それぞれ第1および第2の供給入口124、125と流体連通する第1および第2の供給出口140、145を画定する。それぞれの供給出口140、145は、分配導管128と流体連通する。例示される第1および第2の供給出口140、145のそれぞれは、一般に矩形の内部分147および実質的に円形の側部分149を備える開口142を画定する。円形側部分145は、分配導管128の側壁151、153に隣接して配置される。
実施形態において、第1および第2の供給出口140、145の開口142は、それぞれ、第1の供給入口124および第2の供給入口125の開口134、135の断面積より大きい断面積を有していてよい。例えば、一部の実施形態において、第1および第2の供給出口140、145の開口142の断面積は、それぞれ第1の供給入口124および第2の供給入口125の開口134、135の断面積より大きいから約300%大きい範囲であってよく、他の実施形態においてはより大きいから約200%大きい範囲であってよく、およびさらに他の実施形態においてはより大きいから約150%大きい範囲であってよい。
実施形態において、第1および第2の供給出口140、145の開口142は、それぞれ、第1の供給入口124および第2の供給入口125の開口134、135の水力直径よりも小さい、水力直径(4×断面積/外周)を有していてよい。例えば、一部の実施形態において、第1および第2の供給出口140、145の開口142の水力直径は、それぞれ、第1の供給入口124および第2の供給入口125の開口134、135の水力直径の約80%以下、他の実施形態においては約70%以下、およびさらに他の実施形態においては約50%以下であってよい。
図1に戻って参照すると、連結器セグメント139は、実質的に長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57と平行である。他の実施形態において連結器セグメント139は、横断方向軸60、縦方向50ならびに/または長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57に対して異なる手法で向きを定められていてよい。
第1の供給入口124、第1の進入セグメント136および第1の成形ダクト141は、それぞれ、第2の供給入口125、第2の進入セグメント137および第2の成形ダクト143の鏡像である。したがって、同様に対応する手法で、片方の供給入口の説明はもう一方の供給入口に適用可能であり、片方の進入セグメントの説明はもう一方の進入セグメントに適用可能であり、かつ片方の成形ダクトの説明はもう一方の成形ダクトに適用可能であることが理解されるであろう。
第1の成形ダクト141は、第1の供給入口124および第1の進入セグメント136に流動的に連結される。第1の成形ダクト141は、スラリーの第1の流れ190が第1の供給入口124に進入し、第1の進入セグメント136、第1の成形ダクト141および分配導管128を通って進んで、分配出口130を通ってスラリー分配器120から排出され得るように、分配導管128にも流動的に連結されて、それによって第1の供給入口124と分配出口130とを流動的に連結することを助ける。
第1の成形ダクト141は、実質的に横断方向または幅方向60と平行である、第1の供給流方向190から、実質的に長手方向軸または縦方向50と平行でありかつ実質的に第1の供給流方向190に直交する、出口流方向192に第1のスラリーの流れの方向を変えるように適合された湾曲ガイド面165を画定している正面の外曲面壁157および対向する裏面の内曲面壁158を有する。第1の成形ダクト141は、第1のスラリーの流れが実質的に出口流方向192に移動する分配導管128内に運ばれるように、第1の供給流方向190に移動する第1のスラリーの流れを受け取って、図9に示されるような、方向角αの変更によってスラリー流の方向を変えるように適合される。
使用時、第1の水性焼石膏スラリーの流れは、第1の供給入口124を第1の供給方向190に通り抜け、かつ第2の水性焼石膏スラリーの流れは、第2の供給入口125を第2の供給方向191に通り抜ける。第1および第2の供給方向190、191は、一部の実施形態において長手方向軸50に沿って互いに対して対称であってよい。第1の供給流方向190に移動する第1のスラリーの流れは、最大約135°の範囲の方向角αの変更によってスラリー分配器120内で出口流方向192に方向を変えられる。第2の供給流方向191に移動する第2のスラリーの流れは、最大約135°の範囲の方向角αの変更によってスラリー分配器120内で出口流方向192に方向を変えられる。水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ190、191は、一般には出口流方向192に移動してスラリー分配器120から排出される。出口流方向192は、実質的に長手方向軸または縦方向50と平行であってよい。
例えば、例示される実施形態において、第1のスラリーの流れは、垂直軸55の周りの方向角αの約90度の変更によって幅方向60に沿った第1の供給流方向190から縦方向50に沿った出口流方向192に方向を変えられる。一部の実施形態において、スラリーの流れは、最大約135°の範囲、および他の実施形態においては約30°から約135°の範囲、およびさらに他の実施形態においては約45°から約135°の範囲、および一層の他の実施形態においては約40°から約110°の範囲の垂直軸55の周りの方向角αの変更によって第1の供給流方向190から出口流方向192に方向を変えてよい。
一部の実施形態において、裏湾曲ガイド面165の形状は一般には、例示される実施形態において式Ax2+Bの放物線によって画定され得る、放物面状であってよい。別の実施形態では、裏湾曲ガイド面165を画定するためにより高次の曲線を用いてよく、または代わりに、裏の、内壁158は、それらの端部に向けられて一般には曲面壁を集合的に画定している真っ直ぐまたは直線状のセグメントで構成されている一般には湾曲した形状を有していてよい。加えて、外壁に特有の形状係数を定めるために用いられるパラメータは、スラリー分配器が用いられるであろうプロセスに特有の運転パラメータに依存し得る。
供給導管122および分配導管128の少なくとも1つは、供給導管122から分配導管128に向かう方向の拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を含んでいてよい。第1の進入セグメント136および/または第1の成形ダクト141は、流れの方向に沿って変化してそれを通って移動する第1のスラリーの流れを分配することを助ける横断面を有していてよい。成形ダクト141は、第1のスラリーの流れが第1の成形ダクト141を通り抜ける時に減速するように第1の供給入口124から分配導管128に向かう第1の流れ方向195において増加する流れ断面積を有していてよい。一部の実施形態において、第1の成形ダクト141は、第1の流れ方向195に沿った所定の点において最大流れ断面積を有しかつ第1の流れ方向195に沿ったさらに先の点において最大流れ断面積から減少してよい。
一部の実施形態において、第1の成形ダクト141の最大流れ断面積は、第1の供給入口124の開口134の断面積の約200%以下である。さらに他の実施形態において、成形ダクト141の最大流れ断面積は、第1の供給入口124の開口134の断面積の約150%以下である。なお一層の他の実施形態において、成形ダクト141の最大流れ断面積は、第1の供給入口124の開口134の断面積の約125%以下である。さらに他の実施形態において、成形ダクト141の最大流れ断面積は、第1の供給入口124の開口134の断面積の約110%以下である。一部の実施形態において、流れ断面積は、流量の状況の大きな変化を防止することを助けるために流れ面積が所与の長さに対して所定の量よりも多く変化しないように制御される。
一部の実施形態において、第1の進入セグメント136および/または第1の成形ダクト141は、供給導管122の外壁および/または内壁157、158に向かって第1のスラリーの流れを分配することを助けるように適合された1つまたは複数のガイド流路167、168を含んでいてよい。ガイド流路167、168は、スラリー分配器120の境界壁層の周囲のスラリーの流れを増加するように適合される。
図1および5を参照すると、ガイド流路167、168は、それぞれスラリー分配器120の壁領域に配置された隣接ガイド流路167、168に流れを進める狭窄を画定する供給導管122の隣接部分171より大きい断面積を有するように構成されていてよい。例示される実施形態において、供給導管122は、分配導管128の外壁157および側壁151に隣接する外ガイド流路167ならびに第1の成形ダクト141の内壁158に隣接する内ガイド流路168を含む。外および内ガイド流路167、168の断面積は、第1の流れ方向195において次第により小さい移動になってよい。外ガイド流路167は、実質的に分配導管128の側壁151に沿って分配出口130まで延びていてよい。第1の流れ方向195に直交する方向における第1の成形ダクト141を通る所与の断面位置において、外ガイド流路167は、内ガイド流路168より大きい断面積を有して第1のスラリーの流れを第1の供給方向190における動きの初期の線から外壁157に向かって進路を変えることを助ける。
壁領域に隣接するガイド流路を提供することは、従来型のシステムにおいて低スラリー流の「デッドスポット」が見られる区域であり得る、それらの領域にスラリー流を向けるまたは案内することを助け得る。ガイド流路の用意によってスラリー分配器120の壁領域においてスラリー流を助勢することにより、スラリーがスラリー分配器内部に蓄積することが抑止されて、スラリー分配器120の内部の清浄度が向上し得る。カバーシート材料の移動するウェブを断裂し得る塊にスラリー蓄積が崩壊して入り込む頻度も低減され得る。
他の実施形態において、外および内ガイド流路167、168の相対的なサイズは、スラリー流を調整することを助けて流動安定性を改善しかつ気液スラリー相分離の発生を減少するために変更してよい。例えば、比較的より高粘性であるスラリーを用いる用途では、第1の流れ方向195に直交する方向における第1の成形ダクト141を通る所与の断面位置で、外ガイド流路167は内壁158に向かう第1のスラリーの流れを早めるために内ガイド流路168より小さい断面積を有していてよい。
第1および第2の成形ダクト141、142の内曲面壁158は、交わって分配導管128の進入部152に隣接する頂点175を画定する。頂点175は、連結器セグメント139を実質上分岐させる。それぞれの供給出口140、145は、分配導管128の進入部152と流体連通する。
長手方向軸50に沿った頂点175の位置は、他の実施形態において異なってよい。例えば、第1および第2の成形ダクト141、142の内曲面壁158は、例示されるスラリー分配器120に示されるよりも長手方向軸50に沿って頂点175が分配出口130からさらに離れているように他の実施形態において湾曲が少なくてもよい。他の実施形態において、頂点175は、例示されるスラリー分配器120に示されるよりも長手方向軸50に沿って分配出口130により近くてもよい。
分配導管128は、実質的に長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57と平行でありかつ組み合わせられた第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れを安定性および均一性の向上のために第1および第2の成形ダクト141、142から一般には二次元の流れパターン内へ促すように適合されていてよい。分配出口130は、横断方向軸60に沿って所定の距離を延びる幅ならびに長手方向軸50および横断方向軸60に互いに直交する、垂直軸55に沿って延びる高さを有する。分配出口130の高さは、その幅に比較して小さい。分配導管128は、分配導管128が移動するウェブと実質的に平行になるように形成テーブル上の移動するカバーシートのウェブに対して方向を定めてよい。
分配導管128は、全体的に長手方向軸50に沿って延びかつ進入部152および分配出口130を含む。進入部152は、供給導管122の第1および第2の供給入口124、125と流体連通する。図5を参照すると、進入部152は、供給導管122の第1および第2の供給入口124、125からの第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの両方を受け取るように適合される。分配導管128の進入部152は、供給導管122の第1および第2の供給出口140、145と流体連通する分配入口154を含む。例示される分配入口154は、実質的に第1および第2の供給出口140、145の開口142に相当する開口156を画定する。第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れは、組み合わせられた流れが一般には実質的にウォールボード製造ラインにおける形成テーブル上を移動するカバーシート材料のウェブの動きの線と一直線上であってよい出口流方向192に移動するように分配導管128において組み合わさる。
分配出口130は、進入部152と、したがって供給導管122の第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の供給出口140、145と流体連通する。分配出口130は、第1および第2の成形ダクト141、143と流体連通しかつ組み合わせられたスラリーの第1および第2の流れを出口流方向192に沿ってそこから縦方向50に沿って前進するカバーシート材料のウェブ上に排出するように適合される。
図1を参照すると、例示される分配出口130は一般には、半円形狭端部183、185を備える矩形開口181を画定する。分配出口130の開口181の半円形端部183、185は、分配導管128の側壁151、153に隣接して配置される外ガイド流路167の終端部であってよい。
分配出口130の開口181は、第1および第2の供給入口124、125の開口134、135の面積の和より大きくかつ第1および第2の供給出口140、145の開口142の合計の面積(すなわち、分配入口154の開口156)より小さい面積を有する。したがって、分配導管128の進入部152の開口156の断面積は、分配出口130の開口181の断面積より大きい。
例えば、一部の実施形態において、分配出口130の開口181の断面積は、第1および第2の供給入口124、125の開口134、135の断面積の和より大きいから約400%大きい範囲、他の実施形態においてはより大きいから約200%大きい範囲、さらに他の実施形態においてはより大きいから約150%大きい範囲であってよい。実施形態において、分配出口130の開口181の断面積に対する第1および第2の供給入口124、125の開口134、135の断面積の和の比は、製造ラインのスピード、分配器120によって分配されるスラリーの粘度、分配器120で作成されるボード製品の幅などを含めた1つまたは複数の因子に基づいて変化してよい。一部の実施形態において、分配導管128の進入部152の開口156の断面積は、分配出口130の開口181の断面積より大きいから約200%大きい範囲、他の実施形態においてはより大きいから約150%大きい範囲、およびさらに他の実施形態においてはより大きいから約125%大きい範囲であってよい。
分配出口130は、実質的に横断方向軸60に沿って延びる。分配出口130の開口181は、横断方向軸60に沿って約24インチの幅W1および垂直軸55に沿って約1インチの高さH1を有する(図3も参照)。他の実施形態において、分配出口130の開口181のサイズおよび形状は、変更してよい。
分配出口130は、第1の供給入口124および第2の供給入口125が分配出口130の横断方向中央中間点187から実質的に同じ距離D1、D2に配置されるように横断方向軸60に沿って第1の供給入口124と第2の供給入口125との間の中間に配置される。(図3も参照)。分配出口130は、その形状が、例えば、倣いシステム32などによって、横断方向軸60に沿って変化可能であるように適合されるように弾性的に可撓性の材料から作成してよい。
分配出口130の開口181の幅W1および/または高さH1は、異なる動作条件のために他の実施形態において変化し得ることが企図される。一般には、本明細書に開示されるようなスラリー分配器の様々な実施形態の全体的な寸法は、製造される製品の種類(例えば、製造された製品の厚さおよび/または幅)、使用される製造ラインのスピード、分配器を通るスラリーの堆積の速度およびスラリーの粘度などに応じて拡大または縮小してもよい。例えば、ウォールボード製造プロセスにおいて用いるための、慣例的に54インチ以下の公称幅で提供される、横断方向軸60に沿った、分配出口130の幅W1は、一部の実施形態においては約8から約54インチの範囲内、および他の実施形態においては約8インチから約30インチの範囲内であってよい。他の実施形態において、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器を用いる製造システム上で生成されるパネルの最大公称幅に対する横断方向軸60に沿った、分配出口130の幅W1の比率は、約1/7から約1の範囲、他の実施形態においては約1/3から約1の範囲、さらに他の実施形態においては約1/3から約2/3の範囲、および一層の他の実施形態においては約1/2から約1の範囲であってよい。
分配出口の高さは、一部の実施形態においては約3/16インチから約2インチの範囲内、および他の実施形態においては約3/16インチから約1インチの間であってよい。矩形分配出口を含めた一部の実施形態において、出口開口の矩形高さに対する矩形幅の比は、約4以上、他の実施形態においては約8以上、一部の実施形態においては約4から約288、他の実施形態においては約9から約288、他の実施形態においては約18から約288、およびさらに他の実施形態においては約18から約160であってよい。
分配導管128は、進入部152と流体連通する収束部182を含む。収束部182の高さは、第1および第2の成形ダクト141、143の最大流れ断面積における高さより低くかつ分配出口130の開口181の高さより低い。一部の実施形態において、収束部182の高さは、分配出口130の開口181の高さの約半分であってよい。
収束部182および分配出口130の高さは、分配導管128から分配される水性焼石膏の組み合わせられた第1および第2の流れの平均速度の制御を助けるために協働してよい。分配出口130の高さおよび/または幅は、スラリー分配器120から排出される組み合わせられたスラリーの第1および第2の流れの平均速度を調節するために変更してよい。
一部の実施形態において、出口流方向192は、カバーシート材料の前進するウェブを搬送するシステムの縦方向50および横断する幅方向60によって画定される平面57と実質的に平行である。他の実施形態において、第1および第2の供給方向190、191および出口流方向192は全て、カバーシート材料の前進するウェブを搬送するシステムの縦方向50および横断する幅方向60によって画定される平面57と実質的に平行である。一部の実施形態において、スラリー分配器は、スラリーの流れが、幅方向60の周りを回転することによる実質的な流れ方向転換を受けることなくスラリー分配器120内で第1および第2の供給方向190、191から出口流方向192に方向を変えられるように形成テーブルに対して適合されかつ配されてよい。
一部の実施形態において、スラリー分配器は、スラリーの第1および第2の流れが、幅方向60の周りを約45度以下の角度上を回転することによってスラリーの第1および第2の流れを方向転換することによりスラリー分配器内で第1および第2の供給方向190、191から出口流方向192に方向を変えられるように形成テーブルに対して適合されかつ配されてよい。こうした回転は、一部の実施形態においてスラリーの第1および第2の流れの第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の供給方向190、191が、垂直軸55ならびに機械軸50および機械交差軸60によって形成される平面57に対して垂直オフセット角ωで配置されるようにスラリー分配器を適用することにより達成され得る。実施形態において、スラリーの第1および第2の流れの第1および第2の供給入口124、125ならびに第1および第2の供給方向190、191は、スラリーの流れが機械軸50の周りで方向を変えられて、垂直軸55に沿ってスラリー分配器120内を第1および第2の供給方向190、191から出口流方向192に移動するように0から約60度の範囲内の垂直オフセット角ωで配置されてよい。実施形態において、それぞれの進入セグメント136、137および成形ダクト141、143の少なくとも1つは、機械軸50の周りかつ垂直軸55に沿ったスラリーの方向転換を容易にするように適合されていてよい。実施形態において、スラリーの第1および第2の流れは、実質的に垂直オフセット角ωに直交する軸および/または1つもしくは複数の他の回転軸の周りの方向角αの約45度から約150度の範囲内の変更によって出口流方向192が一般には縦方向50に整列するように第1および第2の供給方向190、191から出口流方向192に方向を変えられてよい。
使用時、第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れは、収束する第1および第2の供給方向190、191における第1および第2の供給入口124、125を通り抜ける。第1および第2の成形ダクト141、143は、スラリーの第1および第2の流れが共に実質的に横断方向軸60と平行である状態から共に実質的に縦方向50と平行である状態へ方向角αを変化させて移動することができるようにスラリーの第1および第2の流れを第1の供給方向190および第2の供給方向191から方向変換する。分配導管128は、石膏ボードを作成する方法においてカバーシート材料のウェブが移動する縦方向50に実質的に一致する長手方向軸50に沿って延びるように位置付けられていてよい。第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れは、組み合わせられた第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れが出口流方向192において分配出口130を全体的に長手方向軸50に沿ってかつ縦方向の方向に通り抜けるようにスラリー分配器120内で組み合わせられる。
図2を参照すると、スラリー分配器支持体100は、スラリー分配器120の支持を助けるために提供されてもよく、これは例示される実施形態において、例えば、PVCまたはウレタンなどの可撓性の材料から作成される。スラリー分配器支持体100は、可撓性スラリー分配器120の支持を助けるために適した硬質材料から作成され得る。スラリー分配器支持体100は、2−ピース構造を含んでいてよい。2つのピース101、103は、支持体100の内部107への容易な接近を可能にするためにその後端部におけるヒンジ105の周りを互いに対して枢動可能であってよい。支持体100の内部107は、スラリー分配器120が支持体100に関して受けることができる動きの量を制限することを助けるためおよび/またはそこを通ってスラリーが流れるであろうスラリー分配器120の内部形状を画定することを助けるために内部107が実質的にスラリー分配器120の外部に一致するように構成されていてよい。
図3を参照すると、一部の実施形態において、スラリー分配器支持体100は、支持を提供しかつ支持体100に取り付けられた倣いシステム132に応答して変形可能である適した弾性的に可撓性のある材料から作成してよい。倣いシステム132は、スラリー分配器120の分配出口130に隣接する支持体100に取り付けてよい。そのようにして設置された倣いシステム132は、ぴったり一致する支持体100のサイズおよび/または形状も変化させることにより分配導管128の分配出口130のサイズおよび/または形状を変化させるように働いてよく、これが今度は、分配出口130のサイズおよび/または形状に影響を及ぼす。
図3を参照すると、倣いシステム132は、分配出口130の開口181のサイズおよび/または形状を選択的に変化するように適合されていてよい。一部の実施形態において、倣いシステムは、分配出口130の開口181の高さH1を調整するために選択的に用いてよい。
例示される倣いシステム132は、プレート90、プレートを分配導管128に固定する複数の取り付けボルト92、およびそこに螺合して固定された一連の調整ボルト94、95を含む。取り付けボルト92は、プレート90をスラリー分配器120の分配出口130に隣接する支持体100に固定するために用いられる。プレート90は、実質的に横断方向軸60に沿って延びる。例示される実施形態において、プレート90は、山形鋼の長さの形態である。他の実施形態において、プレート90は、異なる形状を有していてよくかつ異なる材料を含んでいてよい。さらに他の実施形態において、倣いシステムは、分配出口130の開口181のサイズおよび/または形状を選択的に変化するように適合された他の構成要素を含んでいてよい。
例示される倣いシステム132は、分配出口130の開口181のサイズおよび/または形状を横断方向軸60に沿って局所的に変化するように適合される。調整ボルト94、95は、分配出口130上に横断方向軸60に沿って互いに規則的な、隔離された関係にある。調整ボルト94、95は、分配出口130のサイズおよび/または形状を局所的に変化させるために独立に調整可能である。
倣いシステム132は、スラリー分配器120から分配される組み合わせられた第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの流れパターンを変更するように分配出口130を局所的に変化させるために用いてよい。例えば、中央線調整ボルト95は、分配出口130の横断方向中央中間点187を絞って長手方向軸50から離れた縁部流角を増大して幅方向60における拡がりを促進しかつ幅方向60におけるスラリー流均一性を改善するために締め付けられてよい。
倣いシステム132は、分配出口130のサイズを横断方向軸60に沿って変化させて、新規形状における分配出口130を維持するために用いてよい。プレート90は、プレート90が分配出口130を新規形状に強制する調整ボルト94、95によってなされる調整に応答して調整ボルト94、95によって掛けられる反力に抵抗し得るように適切に強固な材料から作成してよい。倣いシステム132は、分配導管128からのスラリーの流出パターンがより均一になるように分配出口130から排出されるスラリーの(例えば、異なるスラリー密度および/または異なる供給入口速度の結果としての)流れ倣いの変化を一定にすることを助けるために用いてよい。
他の実施形態において、調整ボルトの数は、隣接する調整ボルト間の間隔が変化するように変更してもよい。分配出口130の幅W1が異なる場合などの、他の実施形態において、調整ボルトの数は、所望の隣接するボルト間隔を達成するためにも変更してもよい。さらに他の実施形態において、隣接するボルト間の間隔は、例えば分配出口130の側縁部183、185におけるより大きい局所的に変化する制御を提供するために、横断方向軸60に沿って変更してよい。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、任意の適した材料を含んでいてよい。一部の実施形態において、スラリー分配器は、例えば、倣いシステムを用いて修正される出口のサイズおよび形状を可能にし得る適した材料を含んでいてよい任意の適した実質的に硬質の材料を含んでいてよい。例えば、超高分子量(UHMW)プラスチックなどの適切に硬質のプラスチック、または金属を用いてよい。他の実施形態において、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)またはウレタンを含めた、適した可撓性プラスチック材料などの、可撓性の材料から作成してよい。一部の実施形態において、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、単一の供給入口、進入セグメントおよび分配導管と流体連通する成形ダクトを含んでいてよい。
本開示の原理に従って組み立てられた石膏スラリー分配器は、水性焼石膏スラリーの広幅の分配を提供することを助けて形成テーブル上を移動するカバーシート材料のウェブ上に高粘度/低WSRの石膏スラリーの拡がりを容易にするために用いてよい。石膏スラリー分配システムは、同様に、気−スラリー相分離を制御することを助けるために用いてよい。
本開示の別の態様に従って、石膏スラリー混合および分注アセンブリは、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器を含んでいてよい。スラリー分配器は、水および焼石膏を撹拌して水性焼石膏スラリーを形成するように適合された石膏スラリーミキサーと流体連通して置かれてよい。一実施形態において、スラリー分配器は、石膏スラリーミキサーからの水性焼石膏スラリーの第1の流れおよび第2の流れを受け取って、第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れを前進するウェブ上に分配するように適合される。
スラリー分配器は、当技術分野で周知のように従来型の石膏スラリーミキサー(例えば、ピンミキサー)の排出導管の一部を含んでいてもよく、またはそのように機能してもよい。スラリー分配器は、従来型の排出導管の構成要素と共に使用してもよい。例えば、スラリー分配器は、当技術分野において周知のようなゲート−キャニスター−ブート(gate−canister−boot)設備または米国特許第6,494,609号、第6,874,930号、第7,007,914号および第7,296,919号に記載されている排出導管設備の構成要素と共に用いてよい。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、既存のウォールボード製造システムにおける改装部品として有利に構成され得る。スラリー分配器は、好ましくは従来型の排出導管において用いられる従来型の単一または複数分岐のブート(boot)を置き換えるために用いられ得る。本石膏スラリー分配器は、例えば、遠位分注放出口またはブートの置き換えとして、米国特許第6,874,930号または第7,007,914号に示される物などの既存のスラリー排出導管設備に改装部品として組み込んでもよい。しかしながら、一部の実施形態において、スラリー分配器は、代わりに、1つまたは複数のブート出口に取り付けてもよい。
図4および5を参照すると、スラリー分配器220は、実質的に硬質材料から組み立てられることを除いて図1〜3のスラリー分配器120に類似する。図4および5のスラリー分配器220の内部形状207は、図1〜3のスラリー分配器120の物と類似し、かつ同様の参照符号は同様の構造を示すために用いられる。スラリー分配器207の内部形状207は、減少した気液スラリー相分離を受けるかまたは実質的に気液スラリー相分離を受けずかつ実質的に渦流路を経ることなく、層流の挙動であるそれを通って進む石膏スラリーのための流路を画定するように適合される。
一部の実施形態において、スラリー分配器220は、例えば、倣いシステムを用いて修正される出口130のサイズおよび形状を可能にし得る適した材料を含んでいてよい任意の適した実質的に硬質の材料を含んでいてよい。例えば、UHMWプラスチックなどの、適切に硬質のプラスチック、または金属を用いてよい。
図4を参照すると、スラリー分配器220は、2−ピース構造を有する。スラリー分配器220の上部ピース221は、その中に倣いシステム132を受けるように適合された窪み部227を含む。2つのピース221、223は、スラリー分配器220の内部207への容易な接近を可能にするためにその後端部におけるヒンジ205の周りを互いに対して枢動可能であってよい。取付孔229は、上部ピース221およびその嵌合する下部ピース223の連結を容易にするために提供される。
図6〜8を参照すると、硬質材料から組み立てられた本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器320の別の実施形態が示される。図6〜8のスラリー分配器320は、図6〜8のスラリー分配器320の第1および第2の供給入口324、325ならびに第1および第2の進入セグメント336、337が、長手方向軸または縦方向50に対して約60°の供給角θで配置されることを除いて図4および5のスラリー分配器220と類似する(図7を参照)。
スラリー分配器320は、上部ピース321およびその嵌合する下部ピース323を含めた2−ピース構造を有する。スラリー分配器320の2つのピース321、323は、例えば、それぞれのピース321、323において提供される対応する数の取付孔329を通して留め具を用いることなどによる、任意の適した技術を用いて一緒に固定されてよい。スラリー分配器320の上部ピース321は、その中に倣いシステム132を受けるように適合された窪み部327を含む。図6〜8のスラリー分配器320は、他の観点において図4および5のスラリー分配器220に類似する。
図9および10を参照すると、図6のスラリー分配器320の下部ピース323が示される。下部ピース323は、図6のスラリー分配器320の内部形状307の第1の部分331を画定する。上部ピース323は、図6に示されるように、上部および下部ピース321、323が嵌合される場合に、それらが図6のスラリー分配器320の完全な内部形状307を画定するように内部形状307の対称的な第2の部分を画定する。
図9を参照すると、第1および第2の成形ダクト341、343は、スラリーの第1および第2の流れが、縦方向または長手方向軸50に整列した実質的に出口流方向392に移動する分配導管328内に運ばれるように、第1および第2の供給流方向390、391を移動するスラリーの第1および第2の流れを受け取って、方向角αを変えることによってスラリー流方向を変えるように適合される。
図11および12は、図6のスラリー分配器320と共に用いるためのスラリー分配器支持体300の別の実施形態を描写する。スラリー分配器支持体300は、例えば、金属などの、適切に硬質の材料から組み立てられた上部および底部支持プレート301、302を含んでいてよい。支持プレート301、302は、任意の適した手段によって分配器に固定されていてよい。使用時、支持プレート301、302は、移動するカバーシートを支持および搬送するコンベヤアセンブリを含む機械ライン上の場所にスラリー分配器320を支持することを助けてよい。支持プレート301、302は、コンベヤアセンブリのどちらかの側に置かれた適切な支柱に取り付けられてよい。
図13および14は、上部および底部支持プレート311、312も含む、図6のスラリー分配器320と共に用いるためのスラリー分配器支持体310のさらに別の実施形態を描写する。上部支持プレート311における切欠き313、314、318は、支持体310をそれが無い場合よりも軽量化して、例えば、取り付け締め具に適応するそれらの部分などの、スラリー分配器320の部分へのアクセスを提供し得る。図13および14のスラリー分配器支持体310は、他の観点において図11および12のスラリー分配器支持体300に類似し得る。
図15〜19は、実質的に可撓性の材料から組み立てられることを除いて、図6〜8のスラリー分配器320と類似の、スラリー分配器420の別の実施形態を例示する。図15〜19のスラリー分配器420も、第1および第2の供給入口324、325ならびに長手方向軸または縦方向50に対して約60°の供給角θで配置された第1および第2の進入セグメント336、337を含む(図7を参照)。図15〜19のスラリー分配器420の内部形状307は、図6〜8のスラリー分配器320の物と類似し、かつ同様の参照符号は同様の構造を示すために用いられる。
図17〜19は、図15および16のスラリー分配器420の第2の進入セグメント337および第2の成形ダクト343の内部形状を進行的に描写する。外および内ガイド流路367、368の断面積411、412、413、414は、第2の供給方向397において分配出口330に向かって進行的により小さい移動になってよい。外ガイド流路367は、実質的に第2の成形ダクト343の外壁357に沿ってかつ分配導管328の側壁353に沿って分配出口330に延びていてよい。内ガイド流路368は、第2の成形ダクト343の内壁358に隣接しかつ二分された連結器セグメント339の頂点375で終端する。図15〜19のスラリー分配器420は、他の観点において図1のスラリー分配器120および図6のスラリー分配器320に類似する。
図20および21を参照すると、スラリー分配器420の例示される実施形態は、例えば、PVCまたはウレタンなどの可撓性の材料から作成される。スラリー分配器支持体400は、スラリー分配器420の支持を助けるために提供してよい。スラリー分配器支持体400は、例示される実施形態において支持面404を画定する適した支持媒体402で満たされた底部支持トレイ401の形態である、支持部材を含んでいてよい。支持面404は、供給導管322および分配導管328の少なくとも1つの外部の少なくとも一部に実質的に一致するように構成されてスラリー分配器420と支持トレイ401との間の相対的な動きの量を制限することを助ける。一部の実施形態において、支持面404は、そこを通ってスラリーが流れるであろうスラリー分配器420の内部形状を維持することも助けてよい。
スラリー分配器支持体400は、底部支持トレイ401と隔離された関係で配置された移動可能な支持アセンブリ405も含んでいてよい。移動可能な支持アセンブリ405は、スラリー分配器420の上に位置しかつスラリー分配器の内部形状307を所望の構成に維持することを助けるためにスラリー分配器420と支持する関係に置かれるように適合されていてよい。
移動可能な支持アセンブリ405は、支持枠407および支持枠407によって移動可能に支持される複数の支持セグメント415、416、417、418、419を含んでいてよい。支持枠407は、支持枠407を底部支持トレイ401に対して固定された関係に保持するために底部支持トレイ401あるいは適切に配置された支柱または(複数の)支柱の少なくとも1つに取り付けられてよい。
実施形態において、少なくとも1つの支持セグメント415、416、417、418、419は、別の支持セグメント415、416、417、418、419に対して独立に移動可能である。例示される実施形態において、それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419は、所定の進む範囲の上で支持枠407に対して独立に移動可能であってよい。実施形態において、それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419は、その上でそれぞれの支持セグメント415、416、417、418、419が供給導管322および分配導管328の少なくとも1つの一部との圧縮係合を増大する場所の範囲にそれぞれの支持セグメントがあるように動く範囲の上を移動可能である。
それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419の場所は、支持セグメント415、416、417、418、419をスラリー分配器420の少なくとも一部と圧縮係合させて置くように調整してよい。それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419は独立に、スラリー分配器420の少なくとも一部とさらに圧縮係合し、それによって局所的にスラリー分配器420の内部を圧縮した状態、またはスラリー分配器420の少なくとも一部との圧縮係合が減少し、それによって例えばそこを通って流れる水性石膏スラリーに応答して、スラリー分配器420の内部が外に向かって拡大することを許す状態のどちらかでそれぞれの支持セグメント415、416、417、418、419を置くように調整してよい。
例示される実施形態において、支持セグメント415、416、417のそれぞれは、垂直軸55に沿って進む範囲の上を移動可能である。他の実施形態において、支持セグメントの少なくとも1つは、動作の異なる線に沿って移動可能であってよい。
移動可能な支持アセンブリ405は、それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419と関連するクランプ機構408を含む。それぞれのクランプ機構408は、関連する支持セグメント415、416、417、418、419を支持枠407に対して選択された場所に選択的に保持するように適合されていてよい。
例示される実施形態において、ロッド409は、それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419に取り付けられかつ支持枠407における対応する開口を通って上方に延びる。それぞれのクランプ機構408は、支持枠407に取り付けられかつそれぞれの支持セグメント415、416、417、418、419から突出しているロッド409の1つと関連付けられる。それぞれのクランプ機構408は、関連するロッド409を支持枠407に固定された関係に選択的に保持するように適合されていてよい。例示されるクランプ機構408は、それぞれのロッド409を取り囲みかつクランプ機構408と関連するロッド409との間の無限に変化可能な調整を可能にする従来型のレバー作動式クランプである。
当業者なら理解するであろうように、他の実施形態においては任意の適したクランプ機構408を用いてよい。一部の実施形態において、それぞれの関連するロッド409は、コントローラーによって制御される適したアクチュエーター(例えば、油圧または電動のいずれか)によって移動され得る。アクチュエーターは、関連する支持セグメント415、416、417、418、419を支持枠407に対して固定された場所に保持することによりクランプ機構として機能してよい。
図21を参照すると、支持セグメント415、416、417、418、419はそれぞれ、スラリー分配器420の供給導管322および分配導管328の少なくとも1つの所望の幾何学的形状の表面部に実質的に一致するように構成される接触面501、502、503、504、505を含んでいてよい。例示される実施形態において、分配器導管支持セグメント415がその上に配置される分配器導管328の一部の外部および内部形状に一致する接触面501を含む分配器導管支持セグメント415が提供される。それぞれ、その上に成形ダクト支持セグメント416、417が配置される第1および第2の成形ダクト341、343の一部の外部および内部形状に一致する接触面502、503をそれぞれ含む一対の成形ダクト支持セグメント416、417が提供される。それぞれ、その上に成形ダクト支持セグメント418、419が配置される第1および第2の進入セグメント336、337の一部の外部および内部形状に一致する接触面504、505をそれぞれ含む一対の進入支持セグメント418、419が提供される。接触面501、502、503、504、505は、スラリー分配器420の選択された部分と接触する関係に置かれるように適合されて、スラリー分配器420の接触部分をスラリー分配器420の内部形状307を画定することを助ける場所に維持することを助ける。
使用時、移動可能な支持アセンブリ405は、それぞれの支持セグメント415、416、417、418、419を独立にスラリー分配器420との所望の関係に置くために動作してよい。支持セグメント415、416、417、418、419は、それを通るスラリーの流れを促進して内部形状307によって画定される体積が使用時にスラリーで実質的に満たされることを確実にするのを助けるためにスラリー分配器420の内部形状307を維持することを助けてよい。所与の支持セグメント415、416、417、418、419の特定の接触面の位置は、スラリー分配器420の内部形状を局所的に修正するように調整されてよい。例えば、分配器導管支持セグメント415は、分配器導管支持セグメント415がその上にある区域における分配導管328の高さを減少するために垂直軸55に沿って底部支持トレイ401のより近くに移動してもよい。
他の実施形態において、支持セグメントの数は、変更してもよい。さらに他の実施形態において、所与の支持セグメントのサイズおよび/または形状は、変更してもよい。
図22〜27は、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器1420の別の実施形態を例示する。スラリー分配器1420は、例えば、PVCまたはウレタンなどの実質的に可撓性の材料から作成される。図22〜27のスラリー分配器1420も、第1および第2の供給入口1424、1425ならびに実質的に長手方向軸または縦方向50と平行である供給角θに配置された第1および第2の進入セグメント1436、1437を含む(図24を参照)。
スラリー分配器1420は、分岐した供給導管1422、分配導管1428、スラリーワイピング機構1417および倣い機構1432を含む。スラリー分配器支持体1400は、スラリー分配器1420の支持を助けるために提供してよい。
図22および23を参照すると、スラリー分配器支持体1400は、例示される実施形態において支持面1402を画定する底部支持部材1401の形態である、支持部材を含んでいてよい。支持面1402は、スラリー分配器1420と底部支持部材1401との間の相対的な動きの量を制限することを助けるために供給導管1422および分配導管1428の少なくとも1つの外部の少なくとも一部に実質的に一致するように構成されていてよい。一部の実施形態において、支持面1402は、そこを通ってスラリーが流れるであろうスラリー分配器1420の内部形状を維持することも助けてよい。実施形態において、スラリー分配器1420を底部支持部材1401に固定することを助けるために追加の固着構造が提供されてもよい。
スラリー分配器支持体1400は、底部支持部材1401と隔離された関係で配置された上部支持部材1404も含んでいてよい。上部支持部材1404は、スラリー分配器1420の上に位置しかつスラリー分配器1420の内部形状1407を所望の構成に維持することを助けるためにスラリー分配器1420と支持する関係に置かれるように適合されていてよい。
上部支持部材1404は、支持枠1407および支持枠1407によって固定して支持される複数の支持セグメント1413、1415、1416を含んでいてよい。支持枠1407は、支持枠1407を底部支持トレイ1401に対して固定された関係に保持するために底部支持部材1401あるいは1つまたは複数の適切に配置された支柱の少なくとも1つに取り付けられていてよい。支持セグメント1413、1415、1416はそれぞれ、スラリー分配器1420の供給導管1422および分配導管1428の少なくとも1つの所望の幾何学的形状の表面部に実質的に一致するように構成された接触面を有していてよい。実施形態において、支持枠1407は、支持セグメント1413、1415、1416とスラリー分配器1420との間の空間的な関係を移動可能に調整するように適合されていてよい。例えば一部の実施形態において、支持枠1407は、垂直軸55上を進む範囲上で支持セグメント1413、1415、1416を移動してよい。
図22を参照すると、スラリーワイピング機構1417は、ワイパーブレード1514を選択的に往復移動させるためにワイパーブレード1514と操作可能に並べられた一対のアクチュエーター1510、1511を含む。アクチュエーター1510、1511は、分配導管1428の遠位端部1515に隣接する底部支持部材1401に取り付けられる。ワイパーブレード1514は、アクチュエーター1510、1511の間を横に延びる。
図26を参照すると、分配出口1430は、横断方向軸60に沿って、幅W2を有する出口開口1481を含む。ワイパーブレード1514は、横断方向軸60に沿って所定の幅W3の距離を延びる。出口開口1481の幅W2は、ワイパーブレード1514が出口開口1481よりも広幅であるようにワイパーブレード1514の幅W3より小さい。
図28を参照すると、例示される実施形態において、それぞれのアクチュエーター1510、1511は、往復移動可能なピストン1520を有する複動空気圧シリンダーを備える。ピストン1520のロッド1522は、ワイパーブレード1514に連結される。実施形態において、一対の空気式送気管は、それぞれ駆動ポート1525および格納ポート1526に連結されていてよい。加圧された気体の供給源1530は、長手方向軸50に沿ってワイパーブレード1514を選択的に往復移動させるためにコントローラー1534によって制御される適した制御弁アセンブリ1532を用いて制御してよい。実施形態において送気管は、アクチュエーター1510、1511の両方の駆動ポート1525を一緒に平行に繋いでよく、かつ分離した送気管は、アクチュエーター1510、1511の両方の格納ポート1526を一緒に平行に繋いでよい。他の実施形態において、アクチュエーターは、例えば、手動式の装置を含めた、ワイパーブレードを往復移動する能力のある任意の物であってよい。
移動可能なワイパーブレード1514は、分配導管1428の底面1540と接触する関係にある。ワイパーブレード1514は、第1の場所と第2の場所との間のクリアリングパスを往復移動可能である(仮想線で示される)。クリアリングパスは、分配出口1430を含む分配導管1428の遠位端部1515に隣接して配置される。ワイパーブレードは、クリアリングパスに沿って長手方向に往復移動する。例示される実施形態において、ワイパーブレード1514の第1の場所は、分配出口1430の長手方向の上流であり、かつ第2の場所は、分配出口1430の長手方向の下流である。
コントローラー1534は、アクチュエーターを選択的に制御してワイパーブレード1514を往復移動するように適合される。実施形態において、コントローラー1534は、ワイパーブレード1514をワイピングストローク上を第1の場所から第2の場所へクリアリング方向1550に移動させかつワイパーブレードを戻りストローク上を第2の場所から第1の場所へ反対の、戻り方向1560を移動させるように適合される。実施形態において、コントローラー1534は、ワイピングストローク上を移動する時間が実質的に戻りストローク上を移動する時間と同じになるようにワイパーブレード1514を移動させるように適合される。
実施形態において、コントローラー1534は、ワイパーブレード1514を一掃期間を有するサイクルで第1の場所と第2の場所との間を往復移動させるように適合されていてよい。一掃期間には、ワイピングストローク上を移動する時間を含むワイピング部分、戻りストローク上を移動する時間を含む戻り部分、およびワイパーブレード1514が第1の場所に留まる所定の期間を含む蓄積遅延部分が含まれる。実施形態において、ワイピング部分は、実質的に戻り部分と同じである。実施形態において、コントローラー1534は、蓄積遅延部分を調整可能に変化させるように適合される。
図34を参照すると、分配導管1428の底面を支持している底部支持部材1401は、外周1565を含む。分配出口1430は、分配導管1428の遠位出口部1515が底部支持部材1401の外周1565から延びるように底部支持部材1401から長手方向に段を作る。図28に戻って参照すると、ワイパーブレード1514は、ワイパーブレードが第1の場所にある場合にスラリー分配器1420の遠位出口部1515を支持する。
図22を参照すると、倣い機構1432は、分配導管1428と接触する関係にある倣い部材1610および倣い部材1610に少なくとも2度の自由度を持たせるように適合された支持アセンブリ1620を含む。実施形態において、倣い部材は、少なくとも1つの軸に沿って平行移動可能でありかつ少なくとも1つの旋回軸の周りを回転可能である。実施形態において倣い部材は、垂直軸55に沿って移動可能でありかつ実質的に長手方向軸50と平行な旋回軸1630の周りを回転可能である。
図26、30および30Aを参照すると、倣い部材1610は、倣い部材1610が出口開口1430の形状および/またはサイズを変化させるためにその上で倣い部材1610が分配出口1430に隣接する分配導管1428の一部との圧縮係合を増大する場所の範囲にあるように進む範囲の上を移動可能である。
図26を参照すると、分配出口1430の出口開口1481は、横断方向軸60に沿って幅W2を有する。倣い部材1410の接触倣いセグメントは、横断方向軸に沿って所定の距離を延びる幅W4を有する。実施形態において出口開口1481の幅W2は、倣い部材1410の幅W4より大きい。他の実施形態において出口開口1481の幅W2は、倣い部材1410の幅W4以下である。倣い部材1410は、倣い部材が側面部1631、1632と係合しないように分配出口1430の一対の側面部1631、1632が倣い部材1410に対して側方に段をつけた関係になるように置かれる。一部の実施形態において、側面部1631、1632は、出口開口1481の幅W2の約4分の1の合わせた幅を有していてよい。
図23を参照すると、支持アセンブリ1620は、一対の固定された支柱1642、1643、横方向に固定された支持部材1645および任意の適した枢動連結を用いて横方向に固定された支持部材1645に枢動的に連結された横方向枢動支持部材1647を含む。固定された支柱1642、1643は、底部支持部材1401に取り付けられていてよい。横方向に固定された支持部材は、固定された支柱1642、1643の間を横方向に延びていてよい。
図29、30、30Bおよび31を参照すると、枢動支持部材1647は、固定された支持部材1645に対してアーク長1652上で旋回軸1630の周りを回転可能である。実施形態において、アーク長1652は、枢動支持部材1647の旋回端部1653を横断方向軸60の周りを上方および横断方向軸60の周りを下方の両方に傾斜させることを可能にする。枢動支持部材1647は、倣い部材1610を支持する。
実施形態において、倣い部材1610は、垂直軸55に沿って平行移動可能でありかつ実質的に長手方向軸50と平行である旋回軸1630の周りを回転可能である。倣い部材1610は、その上で倣い部材が出口開口1481の高さH2が横断方向軸60に沿って変化するように横断方向軸60を横切る分配導管1428の部分と可変圧縮係合する場所の範囲に倣い部材1610があるようにアーク長1652上で旋回軸1630の周りを回転可能である。
図29および33を参照すると、倣い部材1610は、全体的に長手方向および横方向に延びる係合セグメント1660および一般には係合セグメント1660から垂直に延びる平行移動調整ロッド1662を含む。倣い部材1610の平行移動調整ロッド1662は、倣い部材1610が垂直軸55に沿って垂直位置の範囲上を移動可能なように支持アセンブリ1620の枢動支持部材1647に移動可能に固定される。一対の平行移動ガイドロッド1663、1665は、係合セグメント1660に連結されかつ枢動支持部材1647に取り付けられたそれぞれの鍔1667、1668を通って延びる。ガイドロッド1663、1665は、垂直軸55に沿って鍔1667、1668に関して移動可能である。
支持アセンブリ1620は、平行移動調整ロッド1662と選択的に係合して倣い部材1610を選択された垂直位置の範囲の1つに固定するように適合されたクランプ機構を含んでいてよい。例示される実施形態において、平行移動調整ロッド1662と枢動支持部材1647との間のねじ連結は、クランプ機構として機能する。ロックナット1664は、ねじ式平行移動調整ロッド1662を所定の位置に固定するために提供される。弾性ナット1666は、平行移動調整ロッド1662の遠位端部1657の近くに配置されて遠位端部に取り付けられた押さえねじ1669(図30Cを参照)を回転可能にさせる十分な間隔を維持する。図30Cを参照すると、止まり穴1658は、押さえねじ1669を収容して押さえねじを平行移動調整ロッド1662の軸の周りで回転可能にするために倣い部材1610内に画定される。
図30Bおよび31を参照すると、支持アセンブリ1620は、アーク長1652に沿った場所の範囲上で倣い部材1610が旋回軸1630の周りを回転可能なように倣い部材1610を回転可能に支持するように適合されていてよい。支持アセンブリ1620は、固定された支持部材1645に連結された支持ブラケット1672を経由して固定された支持部材1645と枢動支持部材1647との間を延びる回転調整ロッド1670を含む(図31も参照)。回転調整ロッド1670は、固定された支持部材1645に対して回転調整ロッド1670を、そのT−ハンドルを回転することによって動かすことが、枢動支持部材1647を固定された支持部材1645に対して旋回軸1630の周りを旋回させるように支持ブラケット1672とのねじ連結によって固定された支持部材1645に移動可能に固定される。支持ブラケット1672は、傾け操作時に幾分の屈曲を許し得るように構成されていてよい。軸帯1673、1674は、さらなる信頼性のために提供してよい。
支持アセンブリ1620は、倣い部材1610をアーク長1652に沿った選択された位置の範囲の1つに固定するために回転調整ロッド1670と選択的に係合するように適合されたクランプ機構を含んでいてよい。例示される実施形態において、薄ナット1677を、ねじロッド1670をバレルナット1679にロックするために提供してもよい。
図34および40を参照すると、スラリー分配器1420の分岐した供給導管1422は、第1および第2の供給部1701、1702を含む。第1および第2の供給部1701、1702のそれぞれは、供給入口1424、1425および供給入口1424、1425と流体連通する供給進入出口1710、1711を備えたそれぞれの進入セグメント1436、1437、それぞれの進入セグメント1436の供給進入出口1710、1711と流体連通する球状部1720、1721を有する成形ダクト1441、1443(図41も参照)、ならびにそれぞれの球状部1720、1721と流体連通する移行セグメント1730、1731を有する。
図34を参照すると、第1および第2の供給入口1424、1425ならびに第1および第2の進入セグメント1436、1437は、長手方向軸50に対して最大約135°の範囲の、垂直軸55に対する回転の角度として測定される、それぞれの供給角θで配置されていてよい。例示される第1および第2の供給入口1424、1425ならびに第1および第2の進入セグメント1436、1437は、実質的に長手方向軸50と一直線上にあるそれぞれの供給角θで配置される。
第1の供給部1701は、実質的に第2の供給部1702と同一である。したがって、一方の供給部の記述は、同様に、もう一方の供給部に等しく適用可能であることを理解すべきである。他の実施形態においては単一の供給部のみがあってもよくまたは一層のさらなる実施形態においては2つ以上の供給部があってもよい。
図35を参照すると、進入セグメント1436は、一般には円筒形でありかつ第1の供給流軸1735に沿って延びる。例示される進入セグメント1436の第1の供給流軸1735は、一般には垂直軸55に沿って延びる。
他の実施形態において、第1の供給流軸1735は、長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57に対して異なる向きを有していてよい。例えば、他の実施形態において、第1の供給流軸1735は、長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57に直交しない、横断方向軸60に対する回転の角度として測定される、供給傾斜角σで配置されてよい。実施形態において図35に示されるように長手方向軸50から縦方向92と対向する方向に垂直軸55へ上方に測定される傾斜角σは、約0から約135度、他の実施形態においては約15から約120度、さらに他の実施形態においては約30から約105度、一層の他の実施形態においては約45から約105度、および他の実施形態においては約75から約105度の範囲のどこかであってよい。他の実施形態において、第1の供給流軸1735は、長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面57に直交しない、長手方向軸50に対する回転の角度として測定される、供給ロール角で配置されてよい。
図34を参照すると、成形ダクト1441は、一対の側面側壁1740、1741および球状部1720を含む。成形ダクト1441は、進入セグメント1436の供給進入出口1711と流体連通する。図35を参照すると、球状部1720は、進入セグメント1436から球状部1720を通って移行セグメント1730に移動するスラリーの流れの平均速度を減少するように構成される。実施形態において、球状部1720は、進入セグメント1436から球状部1720を通って移行セグメント1730に移動するスラリーの流れの平均速度を少なくとも20パーセント減少するように構成される。
図45〜47を参照すると、球状部1720は、供給入口1424から分配導管1428の分配出口1430に向かう流れ方向1752に関連して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域1750を有する。実施形態において、球状部1720は、供給進入出口1711の断面積より大きい第1の流れ軸1735に垂直な平面における断面積を有する領域1752を有する。
成形ダクト1441は、進入セグメント1436の供給進入出口1711と対面する関係にある凸内面1758を有する。球状部1720は、一般には凸内面に隣接して配置される半径方向のガイド流路1460を有する。ガイド流路1460は、実質的に第1の供給流軸1735に直交する平面における半径方向の流れを促進するように構成される。図45を参照すると、凸内面1758は、半径方向のガイド流路1760内のスラリーの平均速度を増加することも助ける流路における中央の狭窄1762を画定するように構成される。
成形ダクト1441は、凸内面1758に隣接しかつ側面側壁1740、1741の少なくとも1つに隣接する領域を通り分配出口1430に向かって移動するスラリーの流れが約0から約10まで、他の実施形態においては約3まで、およびさらに他の実施形態においては約0.5から約5までの渦運動(Sm)を有するように構成されていてよい。実施形態において、凸内面1758に隣接しかつ側面側壁1740、1741の少なくとも1つに隣接する領域を通り分配出口1430に向かって移動するスラリーの流れは、約0°から約84°、および他の実施形態においては約10°から約80°の旋回角(Sm)を有する。
図34および35を参照すると、移行セグメント1730は、球状部1720と流体連通する。例示される移行セグメント1730は、長手方向軸50に沿って延びる。移行セグメント1730は、横断方向軸60に沿って測定される、その幅が、球状部1720から排出出口1430への流れの方向において増加するように構成される。移行セグメント1730は、第1の供給流軸1735と非平行関係にある、第2の供給流軸1770に沿って延びる。
実施形態において、第1の供給流軸1735は、実質的に長手方向軸50に直交する。実施形態において、第1の供給流軸1735は、長手方向軸50および横断方向軸60に直交する、垂直軸55と実質的に平行である。実施形態において、第2の供給流軸1770は、長手方向軸50に対して最大約135°の範囲のそれぞれの供給角θで配置される。
実施形態において、供給導管1422は、第1および第2のガイド面1780、1781を含む分岐した連結器セグメント1439を含む。実施形態において、第1および第2のガイド面1781は、それぞれ最大約135°の範囲の方向角の変化によって第1および第2の入口1424、1425を通って供給導管に進入するスラリーの第1および第2の流れを出口流方向へ方向転換するように適合されていてよい。
図41〜43を参照すると、成形ダクト1441、1443のそれぞれは、実質的にその凸内面1758の形状に相補的でありかつそれをもって下に横たわる関係にある凹外面1790、1791を有する。それぞれの凹外面1790、1791は、窪み部1794、1795を画定する。
図27、35および36を参照すると、支持挿入物1801、1802は、スラリー分配器1420のそれぞれの窪み部1794、1795内に配置される。支持挿入物1801、1802は、成形ダクト1441、1443のそれぞれの凸内面の下に横たわる関係に配置される。支持挿入物1801、1802は、スラリー分配器を支持することを助けかつ上を覆っている内凸面のために所望の形状を維持するであろう任意の適した材料から作成してよい。例示される実施形態において、支持挿入物1801、1802は、実質的に同じである。他の実施形態において、異なる支持挿入物を用いてもよく、または一層のさらなる実施形態において挿入物は用いられない。
図37〜39を参照すると、硬質支持挿入物1801は、成形ダクトの凸内面の形状に実質的に一致する支持体表面1810を含む。実施形態において、スラリー分配器の成形ダクトは、凸内面が支持挿入物1801の支持体表面1810によって画定されるように十分に可撓性の材料から作成してよい。こうした場合において、成形ダクトの凹外面は、省略されてもよい。
支持挿入物1801は、供給端部1820および分配端部1822を含む。支持挿入物1801は、中心支持軸1825に沿って延びる。支持挿入物1801は、支持軸1825に関して実質的に対称である。支持挿入物1801は、支持軸1825に直交する中心軸1830に関して非対称である。
図34を参照すると、分配導管1428は、全体的に長手方向軸50に沿って延びかつ進入部1452および進入部1452と流体連通する分配出口1430を含む。進入部1452は、供給導管1422の第1および第2の供給入口1424、1425と流体連通する。分配導管1428の幅は、進入部1452から分配出口1430へ向かって増加する。しかしながら、他の実施形態において、分配導管1428の幅は、進入部1452から分配出口1430へ向かって減少するかまたは一定である。
進入部1452は、分配進入幅W5が分配出口1430の出口開口1481の幅W2より小さい、横断方向軸60に沿った、分配進入幅W5および垂直軸55に沿った、進入高さH4を有する進入開口1453を含む。他の実施形態において分配進入幅W5は、分配出口1430の出口開口1481の幅W2より大きいかまたは等しい。実施形態において、出口開口1481の幅対高さの比は、約4以上である。
実施形態において、供給導管1422および分配導管1428の少なくとも1つは、スラリーの流れが平均供給速度より少なくとも20パーセント低い平均排出速度で分配出口から排出するように供給入口1424、1425に進入して分配出口1430に移動するスラリーの流れの平均供給速度を減少するように適合された流れ安定領域を含む。
図44〜53は、図22のスラリー分配器1420の半分部分1504の内部形状1407を進行的に描写する。図22のスラリー分配器1420は、他の観点において図1のスラリー分配器120および図20のスラリー分配器420に類似する。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器を作成するために任意の適した技術を用いてよい。例えば、スラリー分配器が、PVCまたはウレタンなどの、可撓性の材料から作成される実施形態においては、複数ピースの型を用いてよい。一部の実施形態において、型ピース区域は、型ピースが取り出し時にそこを使って引っ張られる成形されたスラリー分配器の区域の約150%以下、他の実施形態においては約125%以下、さらに他の実施形態においては約115%以下、および一層の他の実施形態においては約110%以下である。
図54および55を参照すると、PVCまたはウレタンなどの、可撓性の材料から図1のスラリー分配器120を作成することにおける使用に適した複数ピースの型550の実施形態が示される。例示される複数ピースの型550は、5つの型セグメント551、552、553、554、555を含む。複数ピースの型550の型セグメント551、552、553、554、555は、例えば、アルミニウムなどの、任意の適した材料から作成してよい。
例示される実施形態において、分配器導管型セグメント551は、分配器導管128の内部流れ形状を画定するように構成される。第1および第2の成形ダクト型セグメント552、553は、第1および第2の成形ダクト141、143の内部流れ形状を画定するように構成される。第1および第2の進入型セグメント554、555は、それぞれ、第1の進入セグメント136の内部流れ形状および第1の供給入口124ならびに第2の進入セグメント137の内部流れ形状および第2の供給入口125を画定する。他の実施形態において、複数ピースの型は、異なる数の型セグメントを含んでいてよくかつ/あるいは型セグメントは異なる形状および/またはサイズを有していてよい。
図54を参照すると、連結ボルト571、572、573は、複数ピースの型550の実質的に連続的な外面580が画定されるように型セグメント551、552、553、554、555をインターロックして整列させるために2つ以上の型セグメントを通って挿入されてよい。一部の実施形態において、連結ボルト571、572、573の遠位部575は、型セグメント551、552、553、554、555の1つを螺合して型セグメント551、552、553、554、555の少なくとも2つを相互に連結するように構成された雄ねじを含む。複数ピースの型550の外面580は、ジョイントにおける勢いのよい流れを減少できるように成形されたスラリー分配器120の内部形状を画定するように構成される。連結ボルト571、572、573は、成形されたスラリー分配器120の内部からの型550の取り出し時に複数ピースの型550を分解するために取り外してよい。
組み立てられた複数ピースの型550は、型550が溶液中に完全に沈むように、PVCまたはウレタンなどの可撓性の材料の溶液中に浸漬される。次いで型550を、浸漬した材料から取り出してよい。溶液のある量は、溶液が固体形態に変化すると成形されたスラリー分配器120を構成するであろう複数ピースの型550の外面580に付着してもよい。実施形態において、複数ピースの型550は、成形されたピースを形成するために任意の適した浸漬プロセスにおいて用いてよい。
組み合わせて所望の内部流れ形状を提供するように作られている複数の分離したアルミニウムピースから型550を作成することにより(例示される実施形態においては5つのピース)、型セグメント551、552、553、554、555は、相互に解放してもよくかつ硬化が一旦開始したがまだ温かい間に溶液から取り出してもよい。十分な高温において、可撓性の材料は、成形されたスラリー分配器120のより小さい計算された区域を通してアルミニウム型ピース551、552、553、554、555のより大きい計算された区域をそれを引き裂くことなく引っ張るために十分に柔軟である。一部の実施形態において、最大の型ピース区域は、特定の型ピースが取り出しプロセス時にそこを通って横方向に横断する成形されたスラリー分配器キャビティ区域の最小の区域の約150%まで、他の実施形態においては約125%まで、さらに他の実施形態においては約115%まで、一層の他の実施形態においては約110%までである。
図56を参照すると、PVCまたはウレタンなどの可撓性の材料から図6のスラリー分配器320を作成することにおける使用に適した複数ピースの型650の実施形態が示される。例示される複数ピースの型650は、5つの型セグメント651、652、653、654、655を含む。複数ピースの型550の型セグメント651、652、653、654、655は、例えば、アルミニウムなどの、任意の適した材料から作成してよい。型セグメント651、652、653、654、655は分解された状態で図56に示される。
連結ボルトは、複数ピースの型650の実質的に連続的な外面が画定されるように型セグメント651、652、653、654、655を一緒に取り外し可能に連結して型650を組み立てるために用いてよい。複数ピースの型650の外面は、図6のスラリー分配器220の内側流れ形状を画定する。型650は、図56の型650のそれぞれのピースが、その区域が型ピースが取り出される時にそこを通って進まなければならない成形されたスラリー分配器220の最小区域の所定の量内であるように組み立てられるという点において(例えば、一部の実施形態においては取り出しプロセス時にそこを通って特定の型ピースが横方向に横断する成形されたスラリー分配器キャビティ区域の最小区域の約150%まで、他の実施形態においては約125%まで、さらに他の実施形態においては約115%まで、および一層の他の実施形態においては約110%まで)、図54および55の型550と同様に構成されてよい。
図57および58を参照すると、図4の2−ピーススラリー分配器220のピース221、223の1つの作成に使用するための型750の実施形態が示される。図57を参照すると、他のピースとの連結を容易にするために作成される図4の2−ピーススラリー分配器220のピースにおける取り付け穴を画定するために取り付け穴画定要素752が含まれていてよい。
図57および58を参照すると、型750は、型750の底面756から突出している型表面754を含む。境界壁756は、垂直軸に沿って延びて型の深さを画定する。型表面754は、境界壁756内に配置される。境界壁756は、型表面754が浸漬するように境界壁内に画定されたキャビティ758の体積が溶融した型材料で満たされることを可能にするように構成される。型表面754は、成形される2−ピース分配器の特定のピースによって画定される内部流れ形状の反転像であるように構成される。
使用時、型750のキャビティ758は、型表面が浸漬しかつキャビティ758が溶融した材料で満たされるように溶融した材料で満たされてよい。溶融した材料は、放冷して型から750取り出されてよい。図4のスラリー分配器220の嵌合ピースを形成するために別の型を用いてよい。
図59を参照すると、石膏スラリー混合および分注アセンブリ810の実施形態は、図6に示されるスラリー分配器320と類似のスラリー分配器820と流体連通する石膏スラリーミキサー912を含む。石膏スラリーミキサー812は、水および焼石膏を撹拌して水性焼石膏スラリーを形成するように適合される。水および焼石膏の両方とも、当技術分野で周知のように1つまたは複数の入口を通ってミキサー812へ補給されてよい。任意の適したミキサー(例えば、ピンミキサー)をスラリー分配器と共に用いてよい。
スラリー分配器820は、石膏スラリーミキサー812と流体連通する。スラリー分配器820は、第1の供給方向890に移動する石膏スラリーミキサー812からの水性焼石膏スラリーの第1の流れを受け取るように適合された第1の供給入口824、第2の供給方向891に移動する石膏スラリーミキサー812からの水性焼石膏スラリーの第2の流れを受け取るように適合された第2の供給入口825、ならびに第1および第2の供給入口824、825の両方と流体連通しかつ第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れが実質的に縦方向50に沿って分配出口830を通ってスラリー分配器820から排出されるように適合された分配出口830を含む。
スラリー分配器820は、分配導管828と流体連通する供給導管822を含む。供給導管は、共に縦方向50に対して約60°の供給角θで配置される、第1の供給入口824および第1の供給入口824と隔離された関係に配置される第2の供給入口825を含む。供給導管822は、スラリーの第1および第2の流れが実質的に縦方向50に整列した出口流方向892に実質的に移動する分配導管828に運ばれるように第1および第2の供給流方向890、891に移動するスラリーの第1および第2の流れを受け取って、方向角α(図9参照)の変化によりスラリー流方向を変えるように適合された構造をその中に含む。第1および第2の供給入口824、825はそれぞれ、断面積を有する開口を有し、分配導管828の進入部852は、第1および第2の供給入口824、825の開口の断面積の和より大きい断面積を有する開口を有する。
分配導管828は一般には、横断方向軸60に実質的に直交する、長手方向軸または縦方向50に沿って延びる。分配導管828は、進入部852および分配出口830を含む。進入部852は、進入部852が第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの両方をそこから受け取るように適合されるように供給導管822の第1および第2の供給入口824、825と流体連通する。分配出口830は、進入部852と流体連通する。分配導管828の分配出口830は、幅方向におけるまたは横断方向軸60に沿った組み合わせられた第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの排出を容易にするために横断方向軸60に沿って所定の距離を延びる。スラリー分配器820は、他の観点において図6のスラリー分配器320に類似していてよい。
送出導管814は、石膏スラリーミキサー812とスラリー分配器820との間に配置されて、流体連通する。送出導管814は、主送出本流部815、スラリー分配器820の第1の供給入口824と流体連通する第1の送出分岐817、およびスラリー分配器820の第2の供給入口825と流体連通する第2の送出分岐818を含む。主送出本流部815は、第1および第2の送出分岐817、818の両方と流体連通する。他の実施形態において、第1および第2の送出分岐817、818は、石膏スラリーミキサー812と独立して流体連通してよい。
送出導管814は、任意の適した材料から作成してよくかつ異なる形状を有していてよい。一部の実施形態において、送出導管814は、可撓性の導管を備えていてよい。
水性泡補給導管821は、石膏スラリーミキサー812および送出導管814の少なくとも1つと流体連通してよい。供給源からの水性泡は、スラリー分配器220に提供される発泡石膏スラリーを形成するためにミキサー812の下流のおよび/またはミキサー812自体の中の任意の適した位置における泡補給導管821を通して構成物質材料に加えてよい。例示される実施形態において、泡補給導管821は、石膏スラリーミキサー812の下流に配置される。例示される実施形態において、水性泡補給導管821は、例えば、米国特許第6,874,930号に記載のような送出導管814に関連付けられた注入リングまたはブロックに泡を補給するための多岐管型設備を有する。
他の実施形態において、ミキサー812と流体連通する1つまたは複数の泡補給導管が提供されてよい。さらに他の実施形態において、水性泡補給導管(1つまたは複数)は、石膏スラリーミキサーのみと流体連通してよい。当業者によって理解されるであろうように、アセンブリにおけるその相対的位置を含めた、石膏スラリー混合および分注アセンブリ810における石膏スラリー内に水性泡を導入するための手段は、石膏スラリーにおける水性泡の均一な分散系を提供してその意図される目的に適するボードを提供するために変更および/または最適化してもよい。
任意の適した発泡剤を用いてよい。好ましくは、水性泡は、発泡剤と水との混合物の流れが泡発生器に向けられ、かつ結果として生じる水性泡の流れが発生器を離れて、焼石膏スラリーに向けられて混合される連続的な手法で生成される。適した発泡剤の幾つかの例は、例えば、米国特許第5,683,635号および第5,643,510号に記載されている。
発泡石膏スラリーが硬化して乾燥される場合、スラリー中に分散した泡は、ウォールボードの全体的な密度を低下する働きをする空隙をその中で生成する。泡の量および/または泡中の空気の量は、得られるウォールボード製品が所望の重量範囲内であるように乾燥ボード密度を調整するために様々であってよい。
1つまたは複数の流れ修正要素823は、送出導管814に関連付けられていてよくかつ石膏スラリーミキサー812からの第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れを制御するように適合されてよい。流れ修正要素(1つまたは複数)823は、第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの動作特性を制御するために用いてよい。図59の例示される実施形態において、流れ修正要素(1つまたは複数)823は、主送出本流部815に関連付けられていてよい。適した流れ修正要素の例には、例えば、米国特許第6,494,609号、第6,874,930号、第7,007,914号および第7,296,919号に記載されている物を含めた体積制限器(volume restrictor)、減圧器、圧縮弁(constrictor valves)、キャニスターなどが含まれる。
主送出本流部815は、適したY字型流れスプリッター819を介して第1および第2の送出分岐817、818に連結されてよい。流れスプリッター819は、主送出本流部815と第1の送出分岐817との間および主送出本流部815と第2の送出分岐818との間に配置される。一部の実施形態において、流れスプリッター819は、石膏スラリーの第1および第2の流れを、それらが実質的に等しいように分割することを助けるように適合されてよい。他の実施形態において、スラリーの第1および第2の流れを調節するのを助けるためにさらなる構成要素が加えられてよい。
使用時、水性焼石膏スラリーは、ミキサー812から排出される。ミキサー812からの水性焼石膏スラリーは、流れスプリッター819において第1の水性焼石膏スラリーの流れと第2の水性焼石膏スラリーの流れとに分割される。ミキサー812からの水性焼石膏スラリーは、第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れが実質的に均衡するように分割されてよい。
図60を参照すると、石膏スラリー混合および分注アセンブリ910の別の実施形態が示される。石膏スラリー混合および分注アセンブリ910は、スラリー分配器920と流体連通する石膏スラリーミキサー912を含む。石膏スラリーミキサー912は、水および焼石膏を撹拌して水性焼石膏スラリーを形成するように適合される。スラリー分配器920は、構造および機能において図6のスラリー分配器320に類似していてよい。
送出導管914は、石膏スラリーミキサー912とスラリー分配器920との間に配置されて、流体連通する。送出導管914は、主送出本流部915、スラリー分配器920の第1の供給入口924と流体連通する第1の送出分岐917、およびスラリー分配器920の第2の供給入口925と流体連通する第2の送出分岐918を含む。
主送出本流部915は、石膏スラリーミキサー912と第1および第2の送出分岐917、918の両方との間に配置されて、流体連通する。水性泡補給導管921は、石膏スラリーミキサー912および送出導管914の少なくとも1つと流体連通してよい。例示される実施形態において、水性泡補給導管921は、送出導管914の主送出本流部915と関連付けられる。
第1の送出分岐917は、石膏スラリーミキサー912とスラリー分配器920の第1の供給入口924との間に配置されて、流体連通する。少なくとも1つの第1の流れ修正要素923は、第1の送出分岐917と関連付けられかつ石膏スラリーミキサー912からの第1の水性焼石膏スラリーの流れを制御するように適合される。
第2の送出分岐918は、石膏スラリーミキサー912とスラリー分配器920の第2の供給入口925との間に配置されて、流体連通する。少なくとも1つの第2の流れ修正要素927は、第2の送出分岐918と関連付けられかつ石膏スラリーミキサー912からの第2の水性焼石膏スラリーの流れを制御するように適合される。
第1および第2の流れ修正要素923、927は、第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの動作特性を制御するために操作されてよい。第1および第2の流れ修正要素923、927は、独立に操作可能である。一部の実施形態において、第1および第2の流れ修正要素923、927は、所与の時間において第1のスラリーがスラリーの第2の流れの平均速度よりも早い平均速度を有しかつ別の時点において第1のスラリーがスラリーの第2の流れの平均速度より遅い平均速度を有するように反対のやり方で相対的により遅いおよび相対的により早い平均速度の間を変動するスラリーの第1および第2の流れを送出するために作動されてよい。
当業者なら理解するであろうように、カバーシート材料のウェブの片方または両方を、当技術分野においてしばしばスキムコート、および/または必要に応じてハードエッジと呼ばれる、石膏スラリーの非常に薄く(芯を備える石膏スラリーと比較して)相対的により高密度の層で前処理してよい。そのために、ミキサー912は、スラリー分配器に送出される第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れより相対的に高密度である高密度水性焼石膏スラリーの流れを堆積するように適合された第1の補助導管929を含む(すなわち、「表スキムコート/ハードエッジ流」)。第1の補助導管929は、当技術分野で周知のようにスキムコート層をカバーシート材料の移動するウェブに適用して移動するウェブの幅より小さいローラー931の幅の長所によって移動するウェブの周囲におけるハードエッジを画定するように適合されたスキムコートローラー931の上流のカバーシート材料の移動するウェブ上に表スキムコート/ハードエッジ流を堆積してよい。ハードエッジは、高密度層を適用するために用いられるローラーの端部の周囲の高密度スラリーの一部をウェブに向けさせることによって薄高密度層を形成する同じ密度のスラリーから形成してよい。
ミキサー912は、スラリー分配器に送出される第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れよりも相対的に高密度である高密度水性焼石膏スラリーの流れを堆積するように適合された第2の補助導管933も含んでいてよい(すなわち、「裏スキムコート流」)。第2の補助導管933は、裏スキムコート流を当技術分野で周知のようにスキムコート層を第2のカバーシート材料の移動するウェブに適用するように適合されたスキムコートローラー937の(第2のウェブの動きの方向における)上流の第2のカバーシート材料の移動するウェブ上に堆積してよい(図61も参照)。
他の実施形態において、分離した補助導管は、1つまたは複数の分離した縁部流をカバーシート材料の移動するウェブに送達するためにミキサーに連結してよい。他の適した設備(補助ミキサーなど)は、例えばスラリー中の泡を機械的に壊すことによっておよび/または適した消泡剤の使用により泡を化学的に壊すことによって、その中のスラリーをより高密度にすることを助けるために補助導管内に提供されてよい。
さらに他の実施形態において、第1および第2の送出分岐は、その中にそれぞれスラリー分配器に送達される第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れに水性泡を独立に導入するように適合される泡補給導管をそれぞれ含んでいてよい。さらに他の実施形態において、独立したスラリーの流れを本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器の第1および第2の供給入口に提供するために複数のミキサーが提供されてよい。他の実施形態が可能であることを理解されたい。
図60の石膏スラリー混合および分注アセンブリ910は、他の観点において図59の石膏スラリー混合および分注アセンブリ810に類似していてよい。本開示の原理に従って組み立てられた他のスラリー分配器は、本明細書に述べるようなセメント質スラリー混合および分注アセンブリの他の実施形態において用いられ得ることがさらに企図される。
図61を参照すると、石膏ウォールボード製造ラインのウェットエンド1011の例示的な実施形態が示される。ウェットエンド1011は、スラリー分配器1020と流体連通する構造及び機能において図6のスラリー分配器320に類似の石膏スラリーミキサー1012を有する石膏スラリー混合および分注アセンブリ1010、それらの間にカバーシート材料の第1の移動するウェブ1039が配置されるようにスラリー分配器1020の上流に配置されかつ形成テーブル1038上に支持されたハードエッジ/表スキムコートローラー1031、それらの間にカバーシート材料の第2の移動するウェブ1043が配置されるように支持要素1041の上に配置された裏スキムコートローラー1037、および予備形成物を所望の厚さに形づくるように適合された形成ステーション1045を含む。スキムコートローラー1031、1037、形成テーブル1038、支持要素1041、および形成ステーション1045は、当技術分野で周知のように全てそれらの意図される目的のために適した従来型の設備を備えていてよい。ウェットエンド1011は、当技術分野で周知のように他の従来型の設備を備えていてよい。
本開示の別の態様において、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、種々の製造プロセスにおいて用いてよい。例えば、一実施形態において、スラリー分配システムは、石膏製品を調製する方法において用いてよい。スラリー分配器は、第1の前進するウェブ1039上に水性焼石膏スラリーを分配するために用いてよい。
水および焼石膏は、水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048を形成するためにミキサー1012内で混合してよい。一部の実施形態において、水および焼石膏は、約0.5から約1.3、および他の実施形態においては約0.75以下の水対焼石膏比で連続的にミキサーに加えてよい。
石膏ボード製品は、前進するウェブ1039が完成したボードの「表」カバーシートとして機能を果たすように典型的には「表を下にして」形成される。表スキムコート/ハードエッジ流1049(第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れの少なくとも1つと比較してより高密度な水性焼石膏スラリーの層)は、スキムコート層を第1のウェブ1039に適用しかつボードのハードエッジを画定するために、縦方向1092に対して、ハードエッジ/表スキムコートローラー1031の上流の第1の移動するウェブ1039に適用してよい。
水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047および第2の流れ1048は、それぞれスラリー分配器1020の第1の供給入口1024および第2の供給入口1025を通って送られる。水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、スラリー分配器1020において組み合わせられる。水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、最小限の気液スラリー相分離を受けてまたは実質的に受けずにかつ実質的に渦流路を通り抜けることなく、層流の挙動のスラリー分配器1020を通って流路に沿って移動する。
第1の移動するウェブ1039は、長手方向軸50に沿って移動する。水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047は、第1の供給入口1024を通り抜け、かつ水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048は、第2の供給入口1025を通り抜ける。分配導管1028は、カバーシート材料の第1のウェブ1039がそれに沿って移動する縦方向1092に実質的に一致する長手方向軸50に沿って延びるように位置付けられる。好ましくは、(横断方向軸/幅方向60に沿って取られた)分配出口1030の中央中間点は、第1の移動するカバーシート1039の中央中間点に実質的に一致する。水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051が一般には縦方向1092に沿った分配方向1093に分配出口1030を通り抜けるようにスラリー分配器1020内で組み合わさる。
一部の実施形態において、分配導管1028は、形成テーブルに沿って移動する第1のウェブ1039の長手方向軸50および横断方向軸60によって画定される平面と実質的に平行であるように位置付けられる。他の実施形態において、分配導管の進入部は、第1のウェブ1039に対して分配出口1030より垂直に低くまたは高く配置されてよい。
水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051は、スラリー分配器1020から第1の移動するウェブ1039上に排出される。表スキムコート/ハードエッジ流1049は、水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048がスラリー分配器1020から第1の移動するウェブ1039上に排出される、縦方向1092における第1の移動するウェブ1039の動きの方向に対して、上流の地点においてミキサー1012から堆積されてよい。組み合わせられた水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、第1の移動するウェブ1039上に堆積される表スキムコート/ハードエッジ流1049の「洗い流し」(すなわち、堆積されたスキムコート層の一部が、その上に堆積されるスラリーの衝撃に応答して移動するウェブ339上のその場所から転置する状況)を防ぐことを助けるために従来型のブート設計と比較して減少した幅方向に沿った単位幅当たりの運動量でスラリー分配器から排出されてよい。
それぞれスラリー分配器1020の第1および第2の供給入口1024、1025を通って送られる水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、少なくとも1つの流れ修正要素1023で選択的に制御されてよい。例えば、一部の実施形態において、水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048は、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047の平均速度と第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048の平均速度とが実質的に同じになるように選択的に制御される。
実施形態において、水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047は、スラリー分配器1020の第1の供給入口1024を通って平均第1の供給速度で送られる。水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048は、スラリー分配器1020の第2の供給入口1025を通って平均第2の供給速度で送られる。第2の供給入口1025は、第1の供給入口1024と隔離された関係にある。水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1051は、スラリー分配器1020において組み合わせられる。水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051は、スラリー分配器1020の分配出口1030から縦方向1092に沿って移動するカバーシート材料のウェブ1039上に平均排出速度で排出される。平均排出速度は、平均第1の供給速度および平均第2の供給速度よりも低い。
一部の実施形態において、平均排出速度は、平均第1の供給速度および平均第2の供給速度の約90%未満である。一部の実施形態において、平均排出速度は、平均第1の供給速度および平均第2の供給速度の約80%未満である。
水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051は、分配出口1030を通ってスラリー分配器1020から排出される。分配出口1030の開口は、横断方向軸60に沿って延びかつ分配出口1030の開口の幅に対するカバーシート材料の第1の移動するウェブ1039の幅の比が約1:1と約6:1とを含めてその間の範囲内であるようなサイズの幅を有する。一部の実施形態において、縦方向1092に沿って移動するカバーシート材料の移動するウェブ1039の速度に対するスラリー分配器1020から排出する水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051の平均速度の比は、一部の実施形態においては約2:1以下および他の実施形態においては約1:1から約2:1であってよい。
スラリー分配器1020から排出する水性焼石膏スラリーの組み合わせられた第1および第2の流れ1051は、移動するウェブ1039上に拡がりパターンを形成する。分配出口1030のサイズおよび形状の少なくとも1つは、調整してもよく、これが今度は拡がりパターンを変更してもよい。
したがって、スラリーは、供給導管1022の供給入口1024、1025の両方に供給され、次いで調整可能な隙間を備える分配出口1030を通って出る。収束部1082は、不要な出口効果を低減して、それによって自由表面における流動安定性をさらに改善するためにスラリー速度のわずかな増加を提供してよい。左右交互の流れ変動および/または任意の局所的な変動は、倣いシステムを用いて排出出口1030において幅(crossーmachine(CD))倣い制御を行うことによって減少してもよい。本分配システムは、スラリー中の気液スラリー分離の防止を助けて形成テーブル1038に送達されるより均一かつむらの無い材料をもたらし得る。
裏スキムコート流1053(水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048の少なくとも1つと比較してより高密度な水性焼石膏スラリーの層)は、第2の移動するウェブ1043に適用してよい。裏スキムコート流1053は、裏スキムコートローラー1037の、第2の移動するウェブ1043の動きの方向に対して、上流の地点においてミキサー1012から堆積させてよい。
他の実施形態において、水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048の平均速度は様々である。一部の実施形態において、供給導管1022の供給入口1024、1025におけるスラリー速度は、形状自体の内部への蓄積の可能性を減少することを助けるために相対的に早い平均速度と遅い平均速度との間を周期的に往復してよい(ある時点において1つの入口がもう一方の入口より速い速度を有し、その後に所定の時点で反対になる)。
実施形態において、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047は、分配出口1030から排出する組み合わされた第1および第2の流れ1051のせん断速度より低いせん断速度を有し、かつ第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048は、分配出口1030から排出する組み合わされた第1および第2の流れ1051のせん断速度より低いせん断速度を有する。実施形態において、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のせん断速度は、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047および/または第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048のせん断速度の約150%より大きくてよく、さらに他の実施形態においては約175%より大きくてよく、一層の他の実施形態においては約2倍以上であってよい。水性焼石膏スラリーの第1および第2の流れ1047、1048ならびに組み合わせられた第1および第2の流れ1051の粘度は、せん断速度が上昇するにつれて、粘度が減少するように所与の位置に存在するせん断速度に反比例してよいことを理解すべきである。
実施形態において、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047は、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のせん断応力より低いせん断応力を有し、かつ第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048は、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のせん断応力より低いせん断応力を有する。実施形態において、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のせん断応力は、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047および/または第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048のせん断速度の約110%より大きくてよい。
実施形態において、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047は、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のレイノルズ数より高いレイノルズ数を有し、かつ第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048は、分配出口1030から排出する組み合わせられた第1および第2の流れ1051のレイノルズ数より高いレイノルズ数を有する。実施形態において、分配出口1030から排出する組み合せらされた第1および第2の流れ1051のレイノルズ数は、第1の供給入口1024を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第1の流れ1047および/または第2の供給入口1025を通り抜ける水性焼石膏スラリーの第2の流れ1048のレイノルズ数の約90%未満であってよく、さらに他の実施形態においては約80%未満であってよく、一層の他の実施形態においては約70%未満であってよい。
図62および63を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられた石膏スラリー混合および分注アセンブリにおける使用に適したY字型流れスプリッター1100の実施形態が示される。流れスプリッター1100は、流れスプリッター1100がミキサーからの単一の水性焼石膏スラリーの流れを受け取って、2つの分離した水性焼石膏スラリーの流れをそこからスラリー分配器の第1および第2の供給入口へ排出するように石膏スラリーミキサーおよびスラリー分配器と流体連通して置かれてよい。1つまたは複数の流れ修正要素は、ミキサーと流れスプリッター1100との間および/またはスプリッター1100と関連するスラリー分配器との間に繋がる片方もしくは両方の送出分岐の間に配置してよい。
流れスプリッター1100は、単一のスラリーの流れを受け取るように適合された主分岐1103内に配置された実質的に円形の入口1102ならびにそれぞれ第1および第2の出口分岐1105、1107内に配置されたスラリーの2つの流れをスプリッター1100から排出することを可能にする一対の実質的に円形の出口1104、1106を有する。入口1102および出口1104、1106の開口の断面積は、所望の流速に応じて様々であってよい。出口1104、1106の開口の断面積がそれぞれ実質的に入口1102の開口の断面積に等しい実施形態においては、それぞれの出口1104、1106から排出するスラリーの流速は、入口1102および出口1104、1106の両方を通る体積流量が実質的に同じである、入口1102に進入する単一のスラリーの流れの速度の約50%に減速されてよい。
一部の実施形態において、出口1104、1106の直径は、スプリッター1100全体を通して比較的高い流速を維持するために入口1102の直径よりも小さく作成されてよい。出口1104、1106の開口の断面積がそれぞれ入口1102の開口の断面積より小さい実施形態においては、流速は、出口1104、1106において維持されるかまたは少なくとも出口1104、1106および入口1102全てが実質的に等しい断面積を有する場合よりも低い程度に減少してよい。例えば、一部の実施形態において、流れスプリッター1100は、約3インチの内径(ID1)を有する入口1102、および約2.5インチのID2を有するそれぞれの出口1104、1106を有する(ただし、他の実施形態においては他の入口および出口直径が用いられ得る)。ラインスピード350fpmでこれらの寸法を有する一実施形態において、出口1104、1106のより小さい直径は、それぞれの出口における流速を入口1102における単一のスラリーの流れの流速の約28%減少させる。
流れスプリッター1100は、中央起伏部1114ならびに第1および第2の出口分岐1105、1107の間の接合部1120を含んでよい。中央起伏部1114は、接合部1120の上流の流れスプリッター1100の中央内部領域内にスプリッターの外縁部1110、1112への流れを促進することを助けて接合部1120におけるスラリー蓄積の発生を減少する狭窄1108を作り出す。中央起伏部1114の形状は、流れスプリッター1100の外縁部1110、1112に隣接するガイド流路1111、1113をもたらす。中央起伏部1114における狭窄1108は、ガイド流路1111、1113の高さH3より小さい高さH2を有する。ガイド流路1111、1113は、中央の狭窄1108の断面積より大きい断面積を有する。結果として、流れるスラリーは、中央の狭窄1108を通る流れ抵抗よりも小さいガイド流路1111、1113を通る流れ抵抗に遭遇して、流れがスプリッター接合部1120の外縁部に向けられる。
接合部1120は、第1および第2の出口分岐1105、1107への開口を確立する。接合部1120は、実質的に入口流れ方向1125に直交する平面壁面1123で構成される。
図64を参照すると、一部の実施形態において、スプリッター1100を調整可能かつ定期的な時間間隔で圧搾するための自動装置1150を、スプリッター1100の内部に固体が蓄積することを防止するために提供してよい。一部の実施形態において、圧搾器1150は、中央起伏部1114の反対側1142、1143に配置される一対のプレート1152、1154を含んでよい。プレート1152、1154は、適したアクチュエーター1160によって互いに対して移動可能である。アクチュエーター1160は、中央起伏部1114および接合部1120においてスプリッター1100に圧縮力を掛けるために自動的または選択的のいずれかでプレート1152、1154を一緒に互いに対して移動するために操作してよい。
圧搾器1150が流れスプリッターを圧搾する場合、圧搾動作は、それに応答して内側に屈曲する、流れスプリッター1100に圧縮力を掛ける。この圧縮力は、出口1104、1106を通るスラリー分配への実質的に等しく分割した流れを妨害し得るスプリッター1100内部の固体の蓄積を防止することを助け得る。一部の実施形態において、圧搾器1150は、アクチュエーターと操作可能に並べられたプログラム可能なコントローラーの使用を通して自動的にパルス出力するように作られる。圧搾器1150による圧縮力の適用の持続時間および/またはパルス間の時間間隔は、調整可能であってよい。さらには、プレート1152、1154が圧縮方向において互いに対して進むストローク長は、調整可能であってよい。
一実施形態において、セメント質製品を調製する方法は、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器を用いて実行してよい。水性セメント質スラリーの流れは、ミキサーから排出される。水性セメント質スラリーの流れは、第1の供給流軸に沿ってスラリー分配器の供給入口を通って平均供給速度で送られる。水性セメント質スラリーの流れは、スラリー分配器の球状部に送られる。球状部は、供給入口からの流れ方向に対して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を有する。球状部は、供給入口から球状部を通って移動する水性セメント質スラリーの流れの平均速度を減少するように構成される。成形ダクトは、水性セメント質スラリーの流れが第1の供給流軸に実質的に直交する平面における半径方向の流れに入るように第1の供給流軸と対面する関係にある凸内面を有する。水性セメント質スラリーの流れは、第1の供給流軸と非平行関係にある、第2の供給流軸に沿って延びる移行セグメント内に送られる。
水性セメント質スラリーの流れは、分配導管に送られる。分配導管は、実質的に長手方向軸に直交する、横断方向軸に沿って所定の距離を延びる分配出口を含む。
実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通り分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0から約10、および他の実施形態においては約0.5から約5の渦運動(Sm)を有する。実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通り分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0°から約84°の旋回角(Sm)を有する。
実施形態において、水性セメント質スラリーの流れは、供給入口に進入して分配出口へ移動する水性セメント質スラリーの流れの平均供給速度を減少するように適合された流れ安定領域を通って送られる。水性セメント質スラリーの流れは、平均供給速度より少なくとも20パーセント低い平均排出速度で分配出口から排出する。
別の実施形態において、セメント質製品を調製する方法には、ミキサーから水性セメント質スラリーの流れを排出するステップが含まれる。水性セメント質スラリーの流れは、スラリー分配器の分配導管の進入部を通って送られる。水性セメント質スラリーの流れは、スラリー分配器の分配出口から縦方向に沿って移動するカバーシート材料のウェブ上に排出される。ワイパーブレードは、第1の場所と第2の場所との間の分配導管の底面に沿ってクリアリングパスの上を往復移動してそこから水性セメント質スラリーを取り除く。クリアリングパスは、分配出口に隣接して配置される。
実施形態において、分配導管は、全体的に長手方向軸に沿って進入部と分配出口との間を延びる。ワイパーブレードは、クリアリングパスに沿って長手方向に往復移動する。
実施形態において、ワイパーブレードは、ワイピングストローク上を第1の場所から第2の場所へクリアリング方向に移動し、かつワイパーブレードは、戻りストローク上を第2の場所から第1の場所へ反対の、戻り方向に移動する。ワイパーブレードは、ワイピングストローク上を移動する時間が実質的に戻りストローク上を移動する時間と同じであるように往復移動する。
実施形態において、ワイパーブレードは、ワイピングストローク上を第1の場所から第2の場所へクリアリング方向に移動し、かつワイパーブレードは、戻りストローク上を第2の場所から第1の場所へ反対の、戻り方向に移動する。ワイパーブレードは、第1の場所と第2の場所との間を一掃期間を有するサイクルで往復移動する。一掃期間には、ワイピングストローク上を移動する時間を含むワイピング部分、戻りストローク上を移動する時間を含む戻り部分、およびワイパーブレードが第1の場所に留まる所定の期間を含む蓄積遅延部分が含まれる。実施形態において、ワイピング部分は、実質的に戻り部分と同じである。実施形態において、蓄積遅延部分は調整可能である。
さらに別の実施形態において、セメント質製品を調製する方法には、ミキサーから水性セメント質スラリーの流れを排出するステップが含まれる。水性セメント質スラリーの流れは、スラリー分配器の分配導管の進入部を通って送られる。水性セメント質スラリーの流れは、スラリー分配器の分配出口の出口開口から縦方向に沿って移動するカバーシート材料のウェブ上に排出される。分配出口は、実質的に長手方向軸に直交する、横断方向軸に沿って所定の距離を延びる。出口開口は、横断方向軸に沿って、幅、ならびに長手方向軸および横断方向軸に互いに直交する垂直軸に沿って、高さを有する。分配出口に隣接する分配導管の一部分は、圧縮して係合されて出口開口の形状および/またはサイズを変化させる。実施形態において、分配導管は、水性セメント質スラリーの流れが縦方向に対して増加した拡がり角を有する出口開口から排出されるように倣い機構によって圧縮して係合される。
実施形態において、分配導管と接触する関係にある倣い部材を有する倣い機構によって分配導管は圧縮して係合される。倣い部材は、その上で倣い部材が分配導管との圧縮係合を増大する場所の範囲に倣い部材があるように進む範囲を移動可能である。実施形態において方法には、出口開口のサイズおよび/または形状を調整するために倣い部材を垂直軸に沿って移動するステップが含まれる。実施形態において方法には、出口開口のサイズおよび/または形状を調整するために倣い部材が少なくとも1つの軸に沿って平行移動しかつ/あるいは少なくとも1つの軸の周りを回転するように倣い部材を移動するステップが含まれる。
商用環境における石膏ウォールボードなどの、セメント質製品の製造において役立つ多くの強化されたプロセス特性を提供し得るスラリー分配器、セメント質スラリー混合および分注アセンブリ、ならびにその使用方法の実施形態が、本明細書に提供される。本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、カバーシート材料の移動するウェブが製造ラインのウェットエンドにおけるミキサーを通り過ぎて形成ステーションに向かって前進する時にその上に水性焼石膏スラリーの拡がりを促進してよい。
本開示の原理に従って組み立てられた石膏スラリー混合および分注アセンブリは、ミキサーからの水性焼石膏スラリーの流れを2つの分離した水性焼石膏スラリーの流れに分割してよく、それが本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器における下流で再び組み合わせられて所望の拡がりパターンを提供してよい。2連入口構成および分配出口の設計は、カバーシート材料の移動するウェブ上へのより高粘度のスラリーの幅方向におけるより広幅の拡がりを可能にする。スラリー分配器は、2つの分離した水性焼石膏スラリーの流れが、幅方向成分を含む供給入口方向に沿ってスラリー分配器に進入し、2つのスラリーの流れが実質的に縦方向に移動するようにスラリー分配器の内部で再方向転換され、かつスラリー分配器の分配出口から排出される組み合わせられた水性焼石膏スラリーの流れの幅方向均一性を向上する方法で分配器において再び組み合わせられて横断方向軸または幅方向沿った経時的な質量流量変動を減少することを助けるように適合されていてよい。幅方向成分を含む第1および第2の供給方向に第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れを導入することは、再び組み合わせられたスラリーの流れが運動量および/またはエネルギーが減少してスラリー分配器から排出することを助け得る。
スラリー分配器の内部流れキャビティは、2つのスラリーの流れのそれぞれが層流でスラリー分配器を通って移動するように構成されていてよい。スラリー分配器の内部流れキャビティは、2つのスラリーの流れのそれぞれが最小の気液スラリー相分離を有してまたは実質的に有さずにスラリー分配器を通って移動するように構成されていてよい。スラリー分配器の内部流れキャビティは、2つのスラリーの流れのそれぞれが実質的に渦流路を通り抜けることなくスラリー分配器を通って移動するように構成されていてよい。
本開示の原理に従って組み立てられた石膏スラリー混合および分注アセンブリは、1つまたは複数のステップにおけるスラリー速度を減少するためにスラリー分配器の分配出口の上流の流れ形状を含んでいてよい。例えば、流れスプリッターは、スラリー分配器に進入するスラリー速度を減少するためにミキサーとスラリー分配器との間に提供されてよい。別の実施例として、石膏スラリー混合および分注アセンブリにおける流れ形状は、スラリーを減速するためにスラリー分配器の上流および内部の拡がりの区域を含んでいてよく、したがってスラリーはスラリー分配器の分配出口からスラリーが排出される場合に扱いやすい。
分配出口の形状も、スラリー分配器からカバーシート材料の移動するウェブ上に排出される時にスラリーの排出速度および運動量を制御することを助けてよい。スラリー分配器の流れ形状は、安定性および均一性を改善することを助けるために分配出口から排出するスラリーが幅方向におけるより広い出口と比較すると相対的に小さい高さを有する実質的に二次元の流れパターンに維持されるように適合されてよい。
相対的に広幅の排出出口は、類似の動作条件下の従来型のブートから排出されるスラリーの単位幅当たりの運動量よりも少ない分配出口から排出されるスラリーの単位幅当たりの運動量を与える。減少した単位幅当たりの運動量は、スラリーがスラリー分配器からウェブ上に排出される位置より上流のカバーシート材料のウェブに塗布される高密度層のスキムコートの流失を防ぐことを助け得る。
幅6インチおよび厚さ2インチである従来型のブート出口が使用される状況において、高体積製品のための出口の平均速度は、約761ft/minであってよい。本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器が幅24インチおよび厚さ0.75インチである開口を有する分配出口を含む実施形態において、平均速度は、約550ft/minであってよい。質量流量は、両方の装置について同じ3,437lb/minである。両方の場合についてスラリーの運動量(質量流量*平均速度)は、従来型のブートおよびスラリー分配器、それぞれについて〜2,618,000および1,891,000lb・ft/min2であろう。それぞれの計算された運動量を従来型のブート出口およびスラリー分配器出口の幅で割ると、従来型のブートから排出するスラリーの単位幅当たりの運動量は、402,736(lb・ft/min2)/(ブート幅の端から端までのインチ)、および本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器から排出するスラリーの単位幅当たりの運動量は、78,776(lb・ft/min2)/(スラリー分配器幅の端から端までのインチ)である。この場合では、スラリー分配器から排出するスラリーは、従来型のブートと比較して約20%の単位幅当たりの運動量を有する。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、比較的低いWSRまたはより従来型のWSR、例えば、約0.4から約1.2、例えば、一部の実施形態においては0.75未満、および他の実施形態においては約0.4から約0.8の水対焼石膏比を含めた、広い範囲にわたる水スタッコ比の水性焼石膏スラリーを用いながら所望の拡がりパターンを達成し得る。本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器の実施形態は、第1および第2の流れが第1および第2の供給入口からスラリー分配器を通って分配出口に向かって前進する時に第1および第2の水性焼石膏スラリーの流れ上に制御されたせん断効果を生じるように適合された内側流れ形状を含んでいてよい。スラリー分配器における制御されたせん断の適用は、こうしたせん断を受けることの結果としてスラリーの粘度を選択的に減少し得る。スラリー分配器における制御されたせん断の効果の下で、より低い水スタッコ比を有するスラリーは、従来型のWSRを有するスラリーと同等な幅方向における拡がりパターンを有してスラリー分配器から分配され得る。
スラリー分配器の内部流れ形状は、スラリー分配器の内部形状の境界壁領域に隣接する流れの増加を提供するためにさらに様々な水スタッコ比のスラリーに適用するように適合されてよい。境界壁層の周囲の流れの度合いを増加するように適合されたスラリー分配器に流れ形状特性を含めることにより、スラリー分配器内を再循環するスラリーの傾向ならびに/または停止流およびそこでの硬化が減少する。したがって、スラリー分配器における硬化スラリーの蓄積が、結果として減少され得る。
本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器は、分配出口から排出するスラリーの組み合わせられた流れの幅速度成分を変更して形成ステーションに向かって製造ラインを下って行く基盤上の幅方向におけるスラリーの拡がり角および拡がり幅を選択的に制御するために分配出口に隣接して取り付けられた倣いシステムを含んでいてよい。倣いシステムは、分配出口から排出されるスラリーが、スラリー粘度およびWSRに対する感受性が低くありながら所望の拡がりパターンを達成することを助け得る。倣いシステムは、スラリーが幅方向におけるより均一な速度を有するようにスラリー流を案内するためにスラリー分配器の分配出口から排出するスラリーの流動力学を変更するために用いてよい。倣いシステムを用いることは、本開示の原理に従って組み立てられた石膏スラリー混合および分注アセンブリが、異なる種類および体積のウォールボードを生成するために石膏ウォールボード製造環境において用いられることも助け得る。
図65を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器の実施形態の形状および流動特性を実施例1〜3において評価した。スラリー分配器の半分部分1205の上部平面図を図65に示す。スラリー分配器の半分部分1205は、供給導管320の半分部分1207および分配導管328の半分部分1209を含む。供給導管322の半分部分1207は、第2の開口335を画定している第2の供給入口325、第2の進入セグメント337、および分岐した連結器セグメント339の半分部分1211を含む。分配導管328の半分部分1209は、分配導管328の進入部352の半分部分1214および分配出口330の半分部分1217を含む。
図65の半分部分1205の鏡像である、スラリー分配器の別の半分部分は、分配出口330の横断方向中央中間点387で図65の半分部分1205と一体的に結合されかつ整列されて実質的に図15のスラリー分配器420と類似するスラリー分配器を形成してよいことを理解すべきである。したがって、後述の形状および流動特性は、同様にスラリー分配器の鏡像の半分部分に等しく適用可能である。
図72を参照すると、本開示の原理に従って組み立てられたスラリー分配器2020の別の実施形態の形状および流動特性を実施例4〜6において評価した。図72に示すスラリー分配器2020は、実質的に図34のスラリー分配器1420と同じである。本開示の原理に従って組み立てられた倣い機構を用いる図72のスラリー分配器2020の流動特性を実施例7において評価した。実施例7において評価する倣い機構は、実質的に図22の倣い機構1432と同等である。
したがって、一実施形態において、スラリー分配器は、供給入口および供給入口と流体連通する供給進入出口を備える進入セグメントを含む供給導管を備える。進入セグメントは、第1の供給流軸に沿って延びる。供給導管は、進入セグメントの供給進入出口と流体連通する球状部を有する成形ダクトを含む。供給導管は、球状部と流体連通する移行セグメントを含む。移行セグメントは、第2の供給流軸に沿って延びる。第2の供給流軸は、第1の供給流軸と非平行関係にある。分配導管は、全体的に長手方向軸に沿って延びかつ進入部および進入部と流体連通する分配出口を含む。進入部は、供給導管の供給入口と流体連通する。分配出口は、横断方向軸に沿って所定の距離を延びる。横断方向軸は、実質的に長手方向軸に直交する。球状部は、分配出口分配導管に向かう供給入口からの流れ方向に対して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を有する。成形ダクトは、進入セグメントの供給進入出口と対面する関係にある凸内面を有する。
別の実施形態において、スラリー分配器の第1の供給流軸は、実質的に長手方向軸に直交する。
別の実施形態において、スラリー分配器の第1の供給流軸は、長手方向軸および横断方向軸に直交する垂直軸と実質的に平行である。
別の実施形態において、スラリー分配器の第2の供給流軸は、長手方向軸に対して最大約135°の範囲のそれぞれの供給角で配置される。
別の実施形態において、スラリー分配器の供給導管は、第1の供給入口と隔離された関係で配置される第2の供給入口を備える第2の進入セグメント、第2の進入セグメントの供給進入出口と流体連通する球状部を有する第2の成形ダクト、および第2の成形ダクトの球状部と流体連通する第2の移行セグメントを含む。分配導管の進入部は、供給導管の第1および第2の供給入口と流体連通する。
別の実施形態において、スラリー分配器の供給導管は、第1および第2のガイド面を含む分岐した連結器セグメントを含む。第1および第2のガイド面は、それぞれ第1の入口を通って供給導管に進入するスラリーの第1の流れを出口流方向への約135°までの範囲の方向角の変化によって方向変換するように適合されかつ第2の入口を通って供給導管に進入するスラリーの第2の流れを出口流方向への約135°までの範囲の方向角の変化によって方向変換するように適合される。
別の実施形態において、スラリー分配器の球状部は、供給進入出口の断面積より大きい第1の流れ軸に直交する平面における断面積を有する領域を有する。
別の実施形態において、スラリー分配器の球状部は、一般には凸内面に隣接して配置される半径方向のガイド流路を有する。ガイド流路は、実質的に第1の供給流軸に直交する平面における半径方向の流れを促進するように構成される。
別の実施形態において、スラリー分配器の球状部は、進入セグメントから球状部を通って移行セグメントへ移動するスラリーの流れの平均速度を減少するように構成される。
別の実施形態において、スラリー分配器の球状部は、進入セグメントから球状部を通って移行セグメントへ移動するスラリーの流れの平均速度を少なくとも20パーセント減少するように構成される。
別の実施形態において、スラリー分配器は、実質的に成形ダクトの凸内面の形状に一致する支持体表面を有する硬質支持挿入物を備える。支持挿入物は、凸内面の下に横たわる関係に配置される。
別の実施形態において、スラリー分配器の成形ダクトは、実質的に凸内面の形状に相補的な凹外面を有する。成形ダクトは、窪み部を画定する凹外面の下に横たわる関係にある。支持挿入物は、窪み部内に配置される。
別の実施形態において、スラリー分配器の支持挿入物は、供給端部および分配端部を含む。支持挿入物は、中心支持軸に沿って延びかつ実質的に支持軸に関して対称である。
別の実施形態において、スラリー分配器の支持挿入物は、支持軸に直交する中心軸に関して非対称である。
別の実施形態において、スラリー分配器の成形ダクトは、一対の側面側壁を含む。成形ダクトは、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動するスラリーの流れが約0から約10の渦運動(Sm)を有するように構成される。
別の実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0.5から約5の渦運動(Sm)を有する。
別の実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0°から約84°の旋回角(Sm)を有する。
別の実施形態において、スラリー分配器の分配出口は、横断方向軸に沿って、出口幅、ならびに長手方向軸および横断方向軸に互いに直交する垂直軸に沿って、分配出口高さを有する出口開口を含む。進入部は、横断方向軸に沿って、分配進入幅、および垂直軸に沿って、進入高さを有する進入開口であって、分配進入幅は分配出口幅より小さい、進入開口を含む。
別の実施形態において、スラリー分配器の出口開口の幅対高さの比は、約4以上である。
別の実施形態において、スラリー分配器の供給導管および分配導管の少なくとも1つは、スラリーの流れが平均供給速度より少なくとも20パーセント低い平均排出速度で分配出口から排出するように供給入口に進入して分配出口へ移動するスラリーの流れの平均供給速度を減少するように適合された流れ安定領域を含む。
別の実施形態において、スラリー分配器は、供給入口および供給入口と流体連通する供給進入出口を備える進入セグメントをそれぞれ有する第1および第2の供給部を含む分岐した供給導管を備える。進入セグメントは、一般には垂直軸に沿って延びる。球状部を有する成形ダクトは、進入セグメントの供給進入出口と流体連通する。移行セグメントは、球状部と流体連通し、かつ移行セグメントは、長手方向軸は垂直軸に直交している、長手方向軸に沿って延びる。分配導管は、全体的に長手方向軸に沿って延びかつ進入部および進入部と流体連通する分配出口を含む。進入部は、供給導管の第1および第2の供給入口と流体連通する。分配出口は、横断方向軸に沿って所定の距離を延びる。横断方向軸は、実質的に長手方向軸に直交する。第1および第2の球状部はそれぞれ、分配出口分配導管に向かうそれぞれの第1および第2の供給入口からの流れ方向に対して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を有する。第1および第2の成形ダクトもそれぞれ、第1および第2の進入セグメントのそれぞれの第1および第2の供給進入出口と対面する関係にある凸内面を有する。
別の実施形態において、スラリー分配器は、第1および第2の成形ダクトの凸内面の形状に実質的に一致する支持体表面をそれぞれ有する、第1および第2の硬質支持挿入物を備える。支持挿入物は、それぞれ凸内面の下に横たわる関係に配置される。
別の実施形態において、第1および第2の供給入口ならびに第1および第2の進入セグメントは、長手方向軸に対して約135°までの範囲のそれぞれの供給角で配置される。
別の実施形態において、第1および第2の供給入口ならびに第1および第2の進入セグメントは、実質的に長手方向軸に整列したそれぞれの供給角で配置される。
別の実施形態において、セメント質スラリー混合および分注アセンブリは、水性セメント質スラリーを形成するために水およびセメント系材料を撹拌するように適合されたミキサーを備える。スラリー分配器は、ミキサーと流体連通する。スラリー分配器は、供給入口を備える進入セグメントおよび供給入口と流体連通する供給進入出口を含む供給導管を含む。進入セグメントは、第1の供給流軸に沿って延びる。供給導管は、進入セグメントの供給進入出口と流体連通する球状部を有する成形ダクトを含む。供給導管は、球状部と流体連通する移行セグメントも含む。移行セグメントは、第2の供給流軸に沿って延びる。第2の供給流軸は、第1の供給流軸と非平行関係にある。分配導管は、全体的に長手方向軸に沿って延びかつ進入部および進入部と流体連通する分配出口を含む。進入部は、供給導管の供給入口と流体連通する。分配出口は、横断方向軸が実質的に長手方向軸に直交した状態で横断方向軸に沿って、所定の距離を延びる。球状部は、分配出口分配導管に向かう供給入口からの流れ方向に対して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を有する。成形ダクトは、進入セグメントの供給進入出口と対面する関係にある凸内面を有する。
別の実施形態において、セメント質製品を調製する方法は、(a)ミキサーから水性セメント質スラリーの流れを排出するステップ、(b)水性セメント質スラリーの流れを平均供給速度でスラリー分配器の供給入口を通って第1の供給流軸に沿って送るステップ、(c)球状部は供給入口からの流れ方向に対して拡がりの区域より上流の隣接区域の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域を有し、球状部は供給入口から球状部を通って移動する水性セメント質スラリーの流れの平均速度を減少するように構成された状態で、水性セメント質スラリーの流れをスラリー分配器の球状部内へ送るステップ、(d)第2の供給流軸が第1の供給流軸と非平行関係にある状態で、第2の供給流軸に沿って延びる移行セグメント内に水性セメント質スラリーの流れを送るステップ、ならびに(e)横断方向軸は実質的に長手方向軸に直交し、分配導管は横断方向軸に沿って所定の距離を延びる分配出口を含む状態で、分配導管内に水性セメント質スラリーの流れを送るステップを含む。成形ダクトは、水性セメント質スラリーの流れが第1の供給流軸に実質的に直交する平面における半径方向の流れに入るように第1の供給流軸と対面する関係にある凸内面を有する。
別の実施形態において、セメント質製品を調製する方法は、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動する約0から約10の渦運動(Sm)を有するスラリーの流れをさらに含む。
別の実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0.5から約5の渦運動(Sm)を有する。
別の実施形態において、凸内面に隣接しかつ側面側壁の少なくとも1つに隣接する領域を通って分配出口に向かって移動するスラリーの流れは、約0°から約84°の旋回角(Sm)を有する。
別の実施形態において、セメント質製品を調製する方法は、供給入口へ侵入して分配出口へ移動する水性セメント質スラリーの流れの平均供給速度を減少するように適合された流れ安定領域を通って水性セメント質スラリーの流れを送るステップ、および水性セメント質スラリーの流れを平均供給速度より少なくとも20パーセント低い平均排出速度で分配出口から排出するステップをさらに含む。
実施例1
本実施例において図65を参照すると、スラリー分配器の半分部分1205の特定の形状を、第2の供給入口325における第1の位置L1と分配出口330の半分部分1207における第16の位置L16との間の16の異なる位置L1〜16において評価した。それぞれの位置L1〜16は、対応する線によって示すようにスラリー分配器の半分部分1205の横断面スライスを表す。それぞれの横断面スライスの幾何学的中心に沿った流線1212は、隣接する位置L1〜16間の距離を割り出すために用いた。第11の位置L11は、供給導管320の半分部分1207の第2の供給出口345の開口342に相当する分配導管328の進入部352の半分部分1214に相当する。したがって、第1から第10の位置L1〜10は、供給導管320の半分部分1207において取られ、かつ第11から第16の位置は、分配導管328の半分部分1209において取られる。
それぞれの位置L1〜16について、以下の幾何学量:第2の供給入口325と特定の位置L1〜16との間の流線1212に沿った距離、位置L1〜16における開口の断面積、位置L1〜16の外周、および位置L1〜16の水力直径を測定した。水力直径は、以下の式を用いて計算した:
Dhyd=4×A/P (方程式1)
(式中、Dhydは水力直径、
Aは特定の位置L1〜16の面積、および
Pは特定の位置L1〜16の外周である)。
入口条件を用いて、表1に示したように、内部流れ形状を表現するためにそれぞれの位置L1〜16についての無次元値が決定され得る。図66におけるスラリー分配器の半分部分1205の無次元形状を表現するために曲線適合式を使用し、これは入口からの無次元距離対無次元面積および水力直径を示す。
それぞれの位置L1〜16についての無次元値の分析は、第2の供給入口325における第1の位置L1から進入部352の半分部分1214(第2の供給出口345の開口342でもある)における第11の位置L11へと流れ断面積が増加することを示す。例示的な実施形態において進入部352の半分部分1214における流れ断面積は、第2の供給入口325における流れ断面積より約1/3大きい。第1の位置L1と第11の位置L11との間で、第2の進入セグメント337および第2の成形ダクト339の流れ断面積は、位置L1〜11によって異なる。この領域において、少なくとも2つの隣接する位置L6、L7は、第2の供給入口325からより遠くに位置する位置L7が第2の供給入口325により近い隣接位置L6よりも小さい流れ断面積を有するように構成される。
第1の位置L1と第11の位置L11との間に、供給導管322の半分部分1207において第2の入口335から分配出口330の半分部分1217に向かう方向における拡がりの区域より上流の隣接区域(例えば、L3)の流れ断面積より大きい流れ断面積を有する拡がりの区域(例えば、L4〜6)がある。第2の進入セグメント337および第2の成形ダクト341は、流れ1212の方向に沿って変化する横断面を有しそれを通って移動する第2のスラリーの流れを分配することを助ける。
断面積は、分配導管328の進入部352の半分部分1214における第11の位置L11から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少する。例示的な実施形態において、進入部352の半分部分1214の流れ断面積は、分配出口330の半分部分1217の流れ断面積の約95%である。
第2の供給入口325における第1の位置L1における流れ断面積は、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16における流れ断面積よりも小さい。例示的な実施形態において、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における流れ断面積は、第2の供給入口325における流れ断面積よりも約1/4大きい。
水力直径は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の進入部352の半分部分1214における第11の位置L11へと減少する。例示的な実施形態において、分配導管328の進入部352の半分部分1214における水力直径は、第2の供給入口325における水力直径の約1/2である。
水力直径は、分配導管328の進入部352の半分部分1214における第11のL11から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少する。例示的な実施形態において、分配導管328の分配出口330の半分部分1217の水力直径は、分配導管328の進入部352の半分部分1214の約95%である。
第2の入口325における第1の位置L
1における水力直径は、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L
16における水力直径より大きい。例示的な実施形態において、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における水力直径は、第2の供給入口325の水力直径の約半分未満である。
実施例2
本実施例において、図65のスラリー分配器の半分部分1205を異なる流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。全ての流動条件について、水性石膏スラリーの密度(ρ)は1,000kg/m3に設定した。水性石膏スラリーは、せん断力が掛けられた時に、その粘度が減少し得るように、せん断減粘性材料である。石膏スラリーの粘度(μ)Pa.sを以下の方程式を有するべき乗則流体モデル(Power Law Fluid Model)を用いて計算した:
(式中、
Kは定数、
はせん断速度、および
nはこの場合は0.133に等しい定数である)。
第1の流動条件において、石膏スラリーはべき乗則モデルにおいて50の粘度K係数を有して2.5m/sで第2の供給入口325に進入する。有限体積法と共に数値流体力学技術を用いて分配器における流動特性を決定した。それぞれの位置L1〜16において、以下の流動特性を決定した:面積加重平均速度(U)、面積加重平均せん断速度
べき乗則モデル(方程式2)を用いて計算した粘度、せん断応力、およびレイノルズ数(Re)。
せん断応力は、以下の方程式を用いて計算した:
(式中、
μはべき乗則モデル(方程式2)を用いて計算した粘度、および
はせん断速度である)。
レイノルズ数は、以下の方程式を用いて計算した:
Re==ρ×U×Dhyd/μ (方程式4)
(式中、
ρは石膏スラリーの密度、
Uは面積加重平均速度、
Dhydは水力直径、および
μはべき乗則モデル(方程式2)を用いて計算した粘度である)。
第2の流動条件の場合において、第2の供給入口325内への石膏スラリーの供給速度は、3.55m/sに増加した。他の全ての条件は、本実施例の第1の流動条件における物と同じであった。入口速度が2.5m/sである第1の流動条件および入口速度が3.55m/sである第2の流動条件の両方についてのそれぞれの位置L1〜16における前述の流動特性に関する次元値をモデル化した。入口条件を用いて、表IIに示すようにそれぞれの位置L1〜16についての流動特性の無次元値を決定した。
Kが50に等しく設定される両方の流動条件について、平均速度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少した。例示される実施形態において、平均速度は、図67に示すように約1/5減少した。
両方の流動条件について、せん断速度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと増加した。例示される実施形態において、せん断速度は、図68に示すように第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へ約2倍になった。
両方の流動条件について、計算粘度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少した。例示される実施形態において、計算粘度は、図69に例示されるように第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと約半分減少した。
図70における両方の流動条件について、せん断応力は第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと増加した。例示される実施形態において、せん断応力は第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと約10%増加した。
両方の流動条件について、図71におけるレイノルズ数は、第2の供給入口325における第1の位置L
1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L
16へと減少した。例示される実施形態において、レイノルズ数は、第2の供給入口325における第1の位置L
1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L
16へと約1/3減少した。両方の流動条件について、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L
16におけるレイノルズ数は、層流領域にある。
実施例3
本実施例において、図65のスラリー分配器の半分部分1205を、べき乗則モデル(方程式2)における係数Kの値を100に設定したことを除いて実施例2の物と同様の流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。流動条件は、他の観点において実施例2の物と同様であった。
再び、第2の供給入口325内への石膏スラリーの供給速度2.50m/sおよび3.55m/sの両方について流動特性を評価した。それぞれの位置L1〜16において、以下の流動特性:面積加重平均速度(U)、面積加重平均せん断速度
べき乗則モデル(方程式2)を用いて計算した粘度、せん断応力(方程式3)、およびレイノルズ数(Re)(方程式4)を決定した。入口条件を用いて、表IIIに示すようにそれぞれの位置L1〜16についての流動特性の無次元値を決定した。
Kが100に等しく設定される両方の流動条件について、平均速度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少した。例示される実施形態において、平均速度は、約1/5減少した。平均速度についての結果は、無次元基準で、実質的に実施例2および図67の物と同じであった。
両方の流動条件について、せん断速度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと増加した。例示される実施形態において、せん断速度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へ約2倍になった。せん断速度についての結果は、無次元基準で、実質的に実施例2および図68の物と同じであった。
両方の流動条件について、計算粘度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少した。例示される実施形態において、計算粘度は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと約半分減少した。計算粘度についての結果は、無次元基準で、実質的に実施例2および図69の物と同じであった。
両方の流動条件について、せん断応力は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと増加した。例示される実施形態において、せん断応力は第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと約10%増加した。せん断応力についての結果は、無次元基準で、実質的に実施例2および図70の物と同じであった。
両方の流動条件について、レイノルズ数は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと減少した。例示される実施形態において、レイノルズ数は、第2の供給入口325における第1の位置L1から分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16へと約1/3減少した。両方の流動条件について、分配導管328の分配出口330の半分部分1217における第16の位置L16におけるレイノルズ数は、層流領域にある。レイノルズ数についての結果は、無次元基準で、実質的に実施例2および図71の物と同じであった。
図67〜71は、実施例2および3の異なる流動条件について計算した流動特性のグラフである。供給入口と分配出口の半分部分との間の距離にわたる流動特性の変化を表現するために曲線適合式を用いた。したがって、実施例2および3は、流動特性が入口速度および/または粘度における変動にわたって一貫していることを示す。
実施例4
本実施例において、図72のスラリー分配器2020を、供給導管2022の球状部2120の1つにおける石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。図72を参照すると、スラリー分配器2020の第1および第2の進入セグメント2036、2037は、それぞれ直径Dを有する。スラリー分配器2020は、長手方向軸に沿って、約12×Dの長さを有する。スラリー分配器2020は、一般には縦方向2192に延びる中央の長手方向軸50に関して対称である。スラリー分配器2020は、実質的に中央の長手方向軸に関して対称である、2つの半分部分2004、2005に分離されていてよい。
図73を参照すると、図72のスラリー分配器の半分部分2004を、異なる速度の無次元表示を用いることを除いて実施例2の物と同様の流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。入口直径D(x*=x/D)を、位置ベクトルx(x*=x/D)を非次元化(non−dimensionalize)するために長さ基準として選択し、かつ平均入口速度(U)を、速度ベクトルu(u*=u/U)を非次元化するために速度基準として用いた。流動条件は、他の観点において実施例2の物と同様であった。
図73〜76を参照すると、有限体積法と共に数値流体力学(CFD)技術を用いて分配器の半分部分における流動特性を決定した。具体的には、区域Aからの異なる垂直位置における平均速度を計算した。区域Aにおける進入セグメントの中央から約0.75D延びる区域を分析した。12の半径方向に間隔をあけた垂直のスライスを、球状部の半径方向の周囲の12の異なる平均スラリー速度を計算するために分析した。12の位置は、それぞれの隣接する半径方向の位置が約30°離れているように実質的に半径方向に間隔をあけて離れていた。図75および76を参照すると、半径方向の位置1は、縦方向2192対向する関係にある方向に一致し、かつ半径方向の位置7は、縦方向2192に一致する。半径方向の位置4および10は、実質的に横断方向軸60に整列する。
2つの異なる入口速度条件、u1=Uおよびu2=1.5UでCFD技術を用いた。CFD分析の結果は、表IVにおいて見られる。速度の規模は、無次元絶対値(|u|*=|u|/U)として表わされる。データは図77にもプロットする。スラリー分配器2020のもう一方の半分部分2005は、類似の流動特性を示すであろうことを理解すべきである。
両方の流動条件について、それぞれの半径方向の位置1〜12における平均速度は、入口速度よりも低かったが、0よりも大きかった。平均速度は、入口速度の約半分から約7/8の範囲にわたった(u*〜入口速度の0.48から0.83)。球状部における起伏凸ディンプル面は、進入セグメントから流れを全ての方向において半径方向に外側へ方向転換することを助けた。
スラリー速度も、入口速度と比較して減速した。所与の流動条件について全ての12の半径方向の位置の平均速度は、実質的に類似した(〜0.65または入口速度の65%)。
さらに、それぞれの流動条件において、最高平均速度は、半径方向の位置3〜5および9〜11で発生した。横断方向軸に沿った、または幅方向60に沿ったより高い平均速度は、より多くの縁部流を側面側壁に提供することを助けた。
したがって、本実施例は、球状部2120がスラリーの減速およびスラリーの方向を下向きの垂直方向から半径方向の外向き水平面へ変更することを助けることを例示する。さらには、球状部2120は、幅方向60におけるスラリーの動きを促進するためにスラリー流がスラリー分配器2020の半分部分2004の成形ダクトの側面内側壁および側面外側壁へ進路を変えること助ける。
実施例5
本実施例において、図72のスラリー分配器2020を、供給導管2022の成形ダクト2041の1つにおける石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。図78を参照すると、図72のスラリー分配器2020の半分部分2004を、実施例4の物と同様の速度の無次元表示を用いることを除いて実施例2の物と同様の流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。具体的には、成形ダクトの側面内壁および側面外壁におけるスラリーの渦運動を分析した。
図73、74および78を参照すると、有限体積法と共に数値流体力学(CFD)技術を用いて分配器2020の半分部分2004における流動特性を決定した。具体的には、成形ダクト2041の側面内側壁および側面外側壁近くのスラリーの渦運動を分析した。図73を参照すると、スラリーは成形ダクト2041に進入する時に渦巻き挙動で移動する。スラリーが縦方向2192に沿って分配出口2030へ移動する時に、スラリー流線はより整った状態になる。スラリーの渦運動を、図74および78に示すような区域B1およびB2内の約1〜3/4D(1.72D)の長手方向の位置における成形ダクト2041の領域において分析した。
スラリーの渦運動は、その接線速度およびその軸流(または縦方向)速度の関数である。図78を参照すると、渦巻流についての旋回の角度は通常、下式を用いる角および線形運動量の変動としてのスワール数(S)によって特徴づけられる:
ならびにrは半径方向の位置を表す)。
接線速度および軸流速度の平均値を方程式5で用いる場合、式は次のようになる。
本実施例について、特徴的な渦運動(Sm)は、下式を用いて表わされる。
本実施例において、計算した渦運動を、下式を用いて旋回角を計算するために用いた。
2つの異なる無次元入口速度条件、u1=Uおよびu2=1.5UでCFD技術を用いた。CFD分析の結果は、表Vにおいて見られる。スラリー分配器のもう一方の半分部分は、類似の流動特性を示すであろうことを理解すべきである。本分析を通して、実施形態において、スラリー分配器は、スラリー分配器における約0から約10の範囲の渦運動Smおよび約0度から約84°の範囲の旋回角を生じるように構成されていてよいことが分かった。
両方の流動条件について、縁部における最大接線速度は、成形ダクトの進入部の縁部領域における入口速度の少なくとも約半分であった。側面側壁近くの渦運動は、使用時にスラリー分配器の内部形状の清浄度を維持することを助けると予期される。図73に示すように、スラリーの渦運動は、機械軸50に沿って分配出口2030への流れの方向において減少する。
実施例6
本実施例において、図72のスラリー分配器2020を、供給導管2022および分配導管2028を通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。図73および74を参照すると、図72のスラリー分配器2020の半分部分2004を、実施例4の物と同様の速度の無次元表示を用いることを除いて実施例2の物と同様の流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。
全ての流動条件について、水性石膏スラリーの密度(ρ)は1,000kg/m3に設定しかつ粘度K係数は50に設定した。再び、Bおよび1.5Bの供給入口2024内への石膏スラリーの無次元供給速度の両方について流動特性を評価した。入口直径Dの関数として表わされる以下の流動特性:面積加重平均速度(U)、面積加重平均せん断速度
べき乗則モデル(方程式2)を用いて計算した粘度、およびレイノルズ数(Re)(方程式4)を、縦方向2192に沿って成形ダクト2041の進入部より下流のそれぞれの連続する無次元位置において決定した。記載した長手方向軸50に沿って連続する無次元位置において水力直径(方程式1)も計算した。入口流動条件を用いて、表VIに示すように、それぞれの位置について流動特性の無次元値を決定した。
図79〜82は、実施例6の異なる流動条件について計算した流動特性のグラフである。供給入口から分配出口2030の半分部分2004までの間の距離にわたる流動特性の変化を表現するために曲線適合式を用いた。したがって、実施例は、流動特性が入口速度における変動にわたって一貫していることを示す。
両方の流動条件について、平均速度は、供給導管における第1の位置(約3D)から分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117における最終位置(約12D)へと減少した。平均速度は実質的に、スラリーが縦方向2192に沿って移動するにつれて進行的に減少した。例示される実施形態において、平均速度は、図79に示すように入口速度から約1/3減少した。
両方の流動条件について、せん断速度は、供給導管2022における第1の位置(約3D)から分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117における最終位置(約12D)へと増加した。せん断速度は、位置によって異なった。例示される実施形態において、せん断速度は、図80に示すように、入口と比較して分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117において増加した。
両方の流動条件について、計算粘度は、供給導管における第1の位置(約3D)から分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117における最終位置(約12D)へと減少した。計算粘度は、位置によって異なった。例示される実施形態において、計算粘度は、図81に示されるように、入口と比較して分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117において減少した。
両方の流動条件について、図82におけるレイノルズ数は、供給導管における第1の位置(約3D)から分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117における最終位置(約12D)へと減少した。例示される実施形態において、レイノルズ数は、入口と比較して分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117において約1/2減少した。両方の流動条件について、分配導管2028の分配出口2030の半分部分2117におけるレイノルズ数は、層流領域にある。
したがって、スラリー分配器の遠位の半分(約6Dと約12Dとの間)は、スラリーの平均速度およびレイノルズ数が一般には供給入口条件に比較して安定かつ減少した流れ安定領域を提供するように構成されることが分かった。図73に示されるように、スラリーは一般には、縦方向2192に沿ってこの流れ安定領域を通って流線様式で移動する。
実施例7
本実施例において、図72のスラリー分配器2020を、分配導管2028の分配出口2030における石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。本実施例において、図73のスラリー分配器の半分部分2004を、出口開口2081の幅の無次元表示を用いることを除いて実施例2の物と同様の流動条件下でそれを通る石膏スラリーの流れをモデル化するために用いた。無次元幅(w/W)は、(図72に示すように横断方向中央中間点2187における中心線が0に等しい状態で)分配出口2030の出口開口2081の半分部分2119の端から端までである。流動条件は、他の観点において実施例2の物と同様であった。
有限体積法と共にCFD技術を用いて分配器2020の半分部分2004における流動特性を決定した。具体的には、分配出口2030の出口開口2081の半分部分2119の幅の端から端までの種々の位置における出口開口2081から排出するスラリーの拡がりの角度を分析した。拡がりの角度は、以下の式を用いて決定した:
拡がりの角度=tanー1(Vx/Vz)、 (方程式9)
(式中、Vxは幅方向における平均速度およびVzは縦方向における平均速度である)。
拡がりの角度を、2つの異なる条件について計算し、その1つは、倣い機構が出口開口2081を圧縮せず(「倣い機無し」)、およびその1つは、倣い機構が出口開口2081を圧縮した(「倣い機」)。モデル化されたスラリー分配器2020において、出口開口2081は、出口開口2081の合計幅については合計20インチに対して、それぞれの半分部分2004、2005については約10インチのその全体の幅の端から端まで1インチの約3/4の高さを有する。モデル化された倣い機構は、分配出口の側面部が倣い部材と段を付けた関係にありかつ非圧縮であるように約15インチ幅でありかつ横断方向中央中間点に整列した倣い部材を有する。モデル化された「倣い機」条件では、出口開口が倣い部材の下層にある区域において1インチの約5/8であるように倣い機構が出口開口を1インチの約1/8圧縮する。表VIIに示すように、両方の条件について拡がりの角度を決定した。
両方の条件下で、拡がりの角度は、位置が横断方向中央中間点2187(幅=0)から外側により遠くへ移動するにつれて増加する。拡がりの角度は、出口開口2081の側縁部において最大である。
拡がりの角度は、倣い機構を用いて排出出口2030を圧縮し、それによって出口開口2081の高さを減少することによって増加した。モデル化された「倣い機」条件において、側縁部(幅=0.466)における拡がりの最大角度は、「倣い機無し」条件と比較して25パーセントを超えて増加した。「倣い機」条件において、拡がりの平均角度は、「倣い機無し」条件と比較して50パーセントを超えて増加した。
本明細書に引用される広報、特許出願、および特許を含めた全ての参照は、あたかもそれぞれの参照が個々にかつ具体的に示されて参照により組み込まれその全体が本明細書に記述されているのと同程度に参照により本書に組み込まれる。
本発明を記述する文脈における語(特に下記の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a)」および「1つの(an)」ならびに「前記(the)」ならびに類似の指示語の使用は、本明細書に別段の指示がない限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、単数形および複数形の両方を含むと解釈される。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」という語は、特に記載の無い限り、無制限の語(すなわち、「含むが、これに限定されない」ことを意味する)と解釈される。本明細書の値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示が無い限り、単に範囲内にあるそれぞれの別個の範囲を個々に参照する簡単な方法として役立つことが意図され、かつそれぞれの別個の値はあたかも個々に本明細書に列挙されるように本明細書に組み込まれる。本明細書に述べる全ての方法は、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、任意の適した順序で実行してよい。本明細書に提供される任意および全ての例の使用または例示的な言葉(例えば、「など(such as)」)は、単に本発明をより良く例示することが意図されるものであり別段の請求が無い限り本発明の範囲に制限を課さない。本明細書における言葉は、任意の非請求要素を本発明の実践に不可欠な物として示すと解釈されるべきではない。
本発明の好ましい実施形態は、本発明を実施するための発明者に知られている最良の形態を含め、本明細書に述べられる。これらの好ましい実施形態の変形形態は、前述の記述を読むことで当業者に明らかになり得る。発明者は当業者が必要に応じてかかる変形形態を採用することを予期し、かつ発明者は本発明が本明細書に具体的に述べられる以外の方法で実践されることを意図する。したがって、本発明には、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される準拠法によって許可されるような主題の全ての修正および同等の方法が含まれる。さらに、それらの全ての可能な変形形態における上記の要素の任意の組み合わせは、本明細書に別段の指示が無い限りまたは文脈によって明確に否定されない限り、本発明によって包含される。