JP2016502623A - 風力発電装置 - Google Patents

Abstract

【課題】風力発電装置のロータブレードの鋸歯状後縁の組立を容易化すること。【解決手段】風力発電装置のロータブレードに後縁カムを配設する方法であって、ロータブレードが与圧側と吸引側を有し及び実質的に直線的な終端縁を有する方法は、以下の工程：終端縁において、突縁部分の領域において与圧側と吸引側に夫々１つの段差部が形成されるよう、後方に突出する突縁部分を形成すること；後縁カムが段差部の領域において吸引側ないし与圧側と面一の面をなして接続するよう、後縁カム又はその一部を突縁部分に取り付けること、を含む。【選択図】図４

Description

本発明は、風力発電装置のロータブレードの後縁部の構造に関する。更に、本発明は、後縁カム（クシ状縁端部材）とも称される山形歯状後縁部に関する。更に、本発明は、風力発電装置のロータブレード及びロータブレードに後縁カムを設ける方法に関する。更に、本発明は、少なくとも１つの後縁カムを有するロータブレードを有する風力発電装置に関する。

後縁部をロータブレードの主桁の長手方向において鋸歯形状に形成することは、ＥＰ ０ ６５３ ３６７ Ａ１から知られている。これにより、騒音低減が達成されるということである。

ロータブレードの主桁の横方向におけるロータブレードの狭窄化の程度が後縁部に近づくにつれて大きくなることは、ＥＰ １ ０１９ ６３２から知られている。これによっても、騒音低減が達成されるということである。

後縁部をロータブレードの主桁の長手方向において鋸歯状にかつ同時に弾性的に湾曲可能に形成することは、ＥＰ １ ３１４ ８８５ Ｂ１から知られている。これによって、ロータブレードが発電機に及ぼす回転モーメントの増大が達成されるということである。

例えばロータブレードの面取り部分に鋸歯状帯材（zahnfoermig Streifen）９として固定される刻み目が入れられた後縁部をロータブレードに設けることは、欧州特許出願ＥＰ ０ ６５２ ３６７ Ａ１から知られている。

ＥＰ ０ ６５３ ３６７ Ａ１ ＥＰ １ ０１９ ６３２ ＥＰ １ ３１４ ８８５ Ｂ１ ＥＰ ０ ６５２ ３６７ Ａ１

しかしながら、例えば文献ＥＰ ０ ６５２ ３６７ Ａ１は１９９４年に出願されていたにも拘らず、現実には、山形歯状（山形歯付き）後縁部を有するロータブレードを有する風力発電装置は、これまでのところ実用上建設されていない。その理由の１つは、その実用化には種々の問題が伴うことにあるであろう。この場合、とりわけ、手間、コスト、品質及び耐久性の問題が考慮されるべきである。更に、既に建設されている風力発電装置のロータブレードに又は少なくとも既に完成しているロータブレードに後縁カムを後付けする（増設する）ことには問題が伴い得る。

それゆえ、本発明の課題は、上述の問題の少なくとも１つに対処することである。とりわけ、本発明の課題は、鋸歯状後縁部の組立を容易化することである。少なくとも、代替策の提案が望まれる。

上記の課題を解決するために、本発明に従って、請求項１に記載の方法が提案される。

本発明に応じ、風力発電装置のロータブレードに後縁カム（後縁部クシ状（端縁）部材：Hinterkantenkamm）を配設する方法が提供される。ロータブレードは、与圧側と吸引側を有し、及び、実質的に直線的な終端縁を有する。この終端縁は、ロータブレードの全長に亘って少々湾曲形状又は畝り（波打ち）形状にされる（geschwungen）こともあり得るが、配設されるべき後縁カムの山形歯（尖頭歯）形状との関係においては直線とみなされるべきものである。ここで、後縁カムとは、山形歯（列）状の（山形歯（列）付きの）ロータブレード後縁部を意味するものとし、ここで、山形歯（尖頭歯）は、とりわけ幅狭に（ないし細く：schmal）構成され、その頂部は、鋭角、即ち９０°未満の角度、とりわけ９０°より著しく小さい角度を有する。これに応じて、隣り合う２つの山形歯は、同様にそのような小さい鋭角をなして並置される。

まず、ロータブレードの終端縁部において後方に突出する突縁部分（Federabschnitt）が設けられ（形成され）、かくして、この突縁部分の領域において与圧側と吸引側に、即ち、与圧側と吸引側の夫々の表面（外周面）に、夫々１つの段差部が形成される。その限りにおいて、終端縁部は、後縁部を意味する、詳しくは、ロータブレードの規格ないし規定通りの（規格ないし規定に従った）運動に関するないし風力発電装置の運転時における空気の流れ（これは前縁から後縁に向かって進む）に関する後縁部（後ろ側の縁部）を意味する。終端縁という概念は、配設されるべき「後縁カム」（これは山形歯（列）状ないしクシ状端縁部材と称することもできる）との混同を回避するために使用している。

次の段階（工程）において、後縁カムが段差部の領域において吸引側ないし与圧側と面一の面をなして接続するよう、後縁カム又はその一部が突縁部分に取り付けられる。有利には、後縁カムは複数の部分（セグメント）に分割（セグメント化）されることができ、その限りにおいて、後縁カムの一部のみが取り付けられる。

かくして、後縁カムがロータブレードの終端縁部に固定的に、更には良好に適合されて配設できることが、この構成によって達成される。後縁カムがとりわけ相応の溝によって突縁（Feder）に外側から（上から）嵌め合わされる（外嵌される）ことによって、大きな傾斜安定性（Kippstabilitaet）が達成され、また、取り付けられるべき後縁カムに適合されたこの突縁を設ける（形成する）ことによって、この場合に取り付けられた後縁カムの適切な配向（Ausrichtung）が固定的に予め規定される。かくして、そのように取り付けられた後縁カムであっても、吸引側及び与圧側の境界層流の合流点から生成する局所的（ローカル）プロファイル（翼型）部分における運転時に予期されるべき平均流出方向に整列（整合）されることが保証できる。

かくして、とりわけ少なくとも後縁カムの配設領域において、空気流の乱れが回避される。これに対しては、段差部の領域における面一の面をなす取付けも寄与する。かくして、ロータブレードの吸引側の表面（外周面）は、段差ないし類似の障害（による妨害）なしに、後縁カムの対応する側ないし面に移行することができる。これと同じことが、後縁カムの対応する側ないし面に向かう与圧側の表面（外周面）にも当てはまる。

かくして、上記の課題の可能な解決策の１つは、歯状（歯付き）後縁部が別個の（別体の）構成要素としてロータブレードに組み込まれることである。この場合、主桁の方向における鋸歯状（鋸歯付き）後縁部の断面プロファイル（断面の輪郭形状）は、有利には、漏斗状に（trichterfoermig）構成され、かくして、ロータブレードの従前の（本来的）後縁としての段差が形成された後縁部に嵌合する（外嵌する）ことができる。

本発明の一実施形態に応じ、後方に突出する突縁部分の形成を直線的な終端縁の領域において吸引側及び与圧側から夫々材料帯片（Materialstreifen）を除去することによって実行すること、とりわけフライス加工（Oberfraese）による切削によって実行すること、が提案される。かくして、完成品としてのロータブレードが（出発材料として）使用される、即ち、最初に、ロータブレードは、後縁カムを設けることなくないし後縁カムのための相応の受容部を設けることなく、既知の方法で製造できる。そのような基本的に完成しているロータブレードの場合（尤も、例えば塗装のような幾つかの仕上げ作業はまだ実行されていない）、ロータブレード終端縁（部）の突縁部分は、材料除去によって形成される。とりわけ、このために、（加工前に）存在する（末端の）縁から段差部までの所定の距離を設定（調整）し、これに応じて材料除去を行うフライスを使用することができる。この材料除去は、両側に対し、即ち吸引側及び与圧側に対し、とりわけ同じ深さ（例えば２ｍｍ）で実行することができ、かくして、所望の突縁長さが得られる。

本発明の一選択形態に応じ、ロータブレードの製造のための型は、その都度、段差部に適合された相補的段差部（対応する形状の段差部）を、とりわけこの相補的段差部の形状を有する挿入部材ないしインサート材（Einlegekoerper）を配することによって、有することが提案される。かくして、ロータブレードは、少なくとも１つの型で、即ちロータブレード型で、製造される。これは、製造されるべきロータブレードないしロータブレードの製造されるべき部分の雌型（Negativform）を有する。突縁が形成されるべき領域には、即ち、ロータブレードの終端縁（部）が製造されかつ所定形状に形成される領域において、型は、突縁又は突縁の一部が直接的に同時に形成されるように修正される。

本発明の一実施形態に応じ、ロータブレードは、２つの部分から、例えば一方が実質的にロータブレードの吸引側を構成し、もう一方が実質的にロータブレードの与圧側を構成する２つの半部（ハーフシェル）から、製造される。該両部分は、それらの製造後に、互いに組み付けられ、結合される。このために、２つの型、即ち、ロータブレードの１つの部分に対し夫々１つの型が提供される。そして、これらのために、２つの挿入部材、即ち、各型に対し１つの挿入部材が提供される。そのような挿入部材は、例えば、弾力性があり及びロータブレード型の輪郭に適合可能な５０ｍｍ×２ｍｍの矩形断面を有する直方体部材として、有利にはワックス直方体部材（Wachsquader）として、構成することができる。

本発明の一実施形態に応じ、後縁カムは、プロファイル部材（所定の輪郭形状を有する部材：Profil）として構成され、及び、溝部分と終端部分を有する。溝部分は、ロータブレードの突縁部分に取付け（外嵌）される。これに応じて、溝部分は、窪み即ち突縁部分に対しとりわけ厚み及び深さについて適合される溝（Nutversehen）を有する。これに応じて、溝（Nut）は、突縁に対し対応形状にないし相補的に構成され、及び／又は、接着樹脂のような接着物質のための相応の空間を提供するために、突縁よりも厚みが少々大きい。とりわけ、溝は、例えば、少なくとも０．５ｍｍ、少なくとも１ｍｍ又は少なくとも２ｍｍだけ突縁部分の突縁よりも厚みが大きい。

終端部分は、溝部分の反対側に位置し、後縁カムは、終端部分に向かって平坦にかつ山形歯（列）状に延出する。かくして、ロータブレードへの後縁カムの安定的な配設を実行することができ、それにも拘わらず、後縁カムは、可及的に薄い、有利には（複数の）山形歯を有する後縁（部）を提供することができる。

後縁カムが複数の領域に分割される（セグメント化される）こと、及び、該複数の領域が順次並んでロータブレードに配されること、が有利に提案される。複数の領域を使用することによって、長さが１０ｍを超え、更にはその数倍にもなり得る取り付けられるべき後縁カムのより良好な取り扱いが保証される。長い部分（複数）に分割することによって、例えば４つのほぼ同じ長さの部分に分割することによって、規則正しい（gleichmassig）、場合によっては更に連続する領域、即ち、連続する山形歯（列）状の（山形歯（列）付きの）後縁がロータブレードに形成されることが保証される。

本発明の更なる一実施形態では、ロータブレード翼端に向かってロータブレードの終端縁の湾曲がより大きくなることに対しより良好に従う（適応する）ために、分割部分の長さがロータブレード翼端に向かってより小さくなるよう分割する。

本発明の他の一実施形態では、後縁カムないしその山形歯（列）形成は、これはセレーション（Serration）とも称されるが、設計の際既に、ロータブレードの想定される終端縁の直線的推移にではなく、設計に基づくロータブレードの終端縁の実際の湾曲に直接従って定義されるが、そのため、この場合、同じ長さの部分を効果的に使用することができ、組立の手間は低減される。

とりわけ、相応の突縁ないし相応の突縁部分における後縁カムの提案された固定によって、規則正しい配設（取付け）、従って全体として規則正しく組み立てられた後縁カムを達成することができる。

突縁部分に後縁カムを取付ける前に、接着物質、とりわけ接着樹脂、が突縁部分に配されること、及び／又は、そのような接着物質が溝部分に挿入されること、が有利に提案される。かくして、接着物質による固定が保証されるため、ネジやボルトのような他の固定手段を不要とすることができる。かくして、ロータブレードの終端縁（部）と後縁カムの間の結合領域における一様ないし均等な力分布ないし分散が達成される。更に、ボルト又は他の固定手段による後縁カムの表面の損傷を回避することができる。有利には、選択される接着物質は、段差部の領域における後縁カムとロータブレードの間の場合によって存在し得る残存する、とりわけ可及的に僅かに残存する継ぎ目（ギャップ）を充填するために使用され、それによって、吸引側ないし与圧側の表面から後縁カムの対応する表面領域への可及的に滑らかな移行が達成される。尤も、リベット、ネジ又はボルトのような固定手段による追加的な保護も考慮される。

接着物質、とりわけ接着樹脂、は、ロータブレード及び／又は後縁カムの材料に適合されていると有利である。とりわけ、ロータブレードは、合成樹脂を含有するガラス繊維強化プラスチックで製造することが可能であり、有利には、同じ合成樹脂又はそれに適合された合成樹脂が接着樹脂として使用される。

上記の課題の第２の選択的解決策は、歯（列）状（歯（列）付き）後縁部を、適切な切断（切削）手段によって、ロータブレードの後方薄層から直接的に切断（切削）形成することである。このために、ロータブレードの後方薄層は、後縁の方向に引き出され、もって、後縁の方向に、謂わば、端をほぐして房にされる（削ってぎざぎざにされる）。切断（切削）法としては、有利には、例えば水流（ウォータジェット）切断法又はレーザ切断法のようなコンピュータ・ロボット制御切断法が使用される。

上述の実施形態の少なくとも１つに応じて規定される方法は、比較的大がかりであるとも考えられ得る。しかしながら、ブレード縁即ちロータブレードの終端縁から後縁カム従って後縁への良好な移行を形成することができるため、良好な結果を達成できることが、本発明により確認された。とりわけ、そのような後縁カム即ち山形歯（列）状に（山形歯（列）を備えて）構成された後縁部の利点は、有利な配設（取付け）によって初めて完全に利用することができることが、本発明により確認された。不利な配設（取付け）が、とりわけロータブレード即ちロータブレードの本体から後縁カムへの不利な移行が、後縁カムの利点を完全に又は部分的に再び無意義化することが、とりわけ回避される。

更に、本発明に応じ、請求項６に記載の方法が提案される。この方法は、とりわけ、取付け式の（ないし予形成された：aufgesetzt）後縁部を有する既存のロータブレード（後縁部が取り付けられている既存のロータブレード）、即ちプロファイル部材（所定の輪郭形状を有する部材：Profil）として構成された直線的な（真直ぐな）即ち山形歯を備えない取付け式後縁部を有する既存のロータブレードに対する後付け（増設）ないし改造を対象とする。この場合、取付け式後縁部を出発点とするが、この後縁部は、ロータブレードの終端縁部の領域における後縁部の取り付けに使用される結合部分を有する。更に、この後縁部は、結合部分の反対側に位置する終端部分であって、該終端部分に向かってプロファイル部材が平坦に延出（突出）する終端部分を有する。この終端部分は、従って、ロータブレードの予め見込まれる運動に関し後方に、即ち、運転時に空気がロータブレードの際を通って流れる方向に指向する。

更に、結合部分と終端部分の間に配置され、後縁部の吸引側と与圧側の間に中空空間［を有する中間部分］を有する後縁部を出発点とする。

そのような後縁部を有するロータブレードに対し、扁平部材として構成される後縁カムを後付け（増設）する（後から付加する）ことが提案される。従って、この後縁カムは、実質的に均質の（homogen）厚みないし強度を有し、本発明の更なる有利な一実施形態に応じ、後縁に向かって先細に（テーパー化）されることができる。場合によっては、後縁カムの山形歯（列）は、厚みが有限である場合に与圧側に対し角度αで面取りされることによって、夫々の頂部に向かって付加的に一層平坦化（ないし薄く）されて（abgeflacht）延出することができる。複数の山形歯は山形歯（列）部分と称されるが、複数の山形歯は後縁カムの基部に亘って互いに結合されている。何れにせよ、この基部が有利には実質的に一定に（一様に）平坦であることが、基部に対して提案される。

そのために、上記の方法は、取付け式後縁部をその中間部分の領域において（長手方向に）切断し、かくして、中空空間に開口を形成する（開放する）ことを提案する。そして、後縁部は、その基部が、上面と下面の間にそのようにして開口が形成された（開放された）中空空間に嵌め込まれる。このようにして、後縁カムを後付け（増設）することができた。場合によっては、付加的に、後縁部と嵌め込まれた後縁カムの間の結合を接着物質によって強化ないし補償することもできる。有利には、後縁はＰＶＣで製造され、使用されるべき接着物質はこのＰＶＣに適合される。有利には、この接着物質は、有利にはガラス繊維強化プラスチックで製造することもできる後縁カムにも適合される。

本発明の一実施形態に応じ、取付け式後縁部の長手方向の切断は、終端部分及び／又は終端部分の領域において所定の幅を有する終端帯片（Endstreifen）が切断されるように、実行される。かくして、プロファイル部材の横断面に関し、プロファイル部材頂部の長手方向の切断は、中空空間が予め設定される直線ないし長さ全体で開口（開放）されるように、実行される。一般的に想定され得るように、取付け式後縁部の寸法が既知の場合即ちその幾何学的形状が既知の場合、所定の幅を有する終端帯片を切断することによって、一様な開口も、即ち中間部分の中空空間に対するほぼ一様な開口スリットも達成される。更に、開口スリットから中空空間の末端に至る中空空間の既知でかつ長手方向にほぼ同じ長さが達成される。かくして、後縁カムは、そのように開放された中空空間に簡単な方法で嵌め込まれることができ、それによって、この中空空間に従ってロータブレードに同じように一様に（安定的に）取り付けられる。

後縁カムが中空空間に嵌め込まれる前に、有利にはこの中空空間に配される接着物質を使用することによって、固定的な結合を、かくて、付加的に、固定的な取付け（嵌合）を達成することができる。取付け式後縁部から嵌め込まれた後縁カムへの詳しくは後縁カムの後方に突出する山形歯部分への移行を達成するために、後縁部は、その切断領域において面取りされる。かくして、取付け式後縁部の２つの面取り領域又は２つの壁が形成されるが、その際、後縁部は、ペンチ（Zange）で挟むように、後縁カムを当該２つの領域の間に受容する。

そのような傾斜が付けられた又は面取りされた領域の形成は、切断の際に直接的にないし切断によって達成され、或いは、別途の作業工程によって達成される。

有利には、切断によって開口された中空空間は、後縁カムの嵌込のためのその開口部に向かって拡開すること、とりわけ内部からＶ字状に形状形成（画成）されることができる。かくして、一方では、後縁カムの嵌込みが容易化され、他方では、形成された開口部は、後縁カムの厚みに、とりわけその基部の領域において、適合されることができる。このため、取付け式後縁部の過度に大きな拡開が回避され、かくして、この領域における取付け式後縁部の表面の曲げないし撓みを回避することができる。従って、中空空間のその開口部に向かうこの形状形成によって、とりわけＶ字状の形状形成（画成）によって、そのように変化された後縁部に対する接着物質の接着の性質は良い影響を受けることができる。

更に、本発明に応じ、請求項１０に記載のロータブレードが提案される。風力発電装置のそのようなロータブレードは、後縁カムを有し、更に、与圧側、吸引側及び終端縁部を有する。終端縁部は、ロータブレードの規格（規定）通りの（規格（規定）に従った）運動方向に対し実質的に反対側に位置する。ロータブレードは、終端縁の領域に突縁部分を有し、後縁カムは、突縁部分に取り付けられる。有利には、後縁カムは、突縁部分と、とりわけ接着樹脂によって、接着される。更に（付加的に）又は選択的に、ロータブレードの表面（外周面）と突縁部分の側面との間に夫々１つの段差部が形成され、後縁カムは、該表面と面一の面をなして該段差部に接続するよう、突縁（部分）に外嵌される。場合によっては、残存する細い継ぎ目（ギャップ）ないし隙間は、相応の材料によって充填及び／又はシールすることができる。このために、接着物質、とりわけ接着樹脂を使用すると有利である。有利には、後縁カムは、繊維強化材料で製造され、とりわけガラス繊維強化プラスチックで製造され、とりわけロータブレードと同じ材料で、少なくともロータブレードの大部分及び／又はロータブレードの終端縁の領域の部分と同じ材料で製造される。このため、一方では、ロータブレードと後縁カムの間の持続的結合を達成することができる。この持続的結合は、同じ材料の使用によって同じ温度膨張が期待できるため、高温領域にある場合であってもその持続性を保証する。この理由からも、ロータブレード及び／又は後縁カムの材料と類似の性質を有し、ロータブレード及び／又は後縁カムと良好に結合することができ、及び、有利には既にロータブレードの材料及び／又は後縁カムの材料の中に含有されている接着樹脂を使用することは、有利である。

有利には、ロータブレードは、上記の実施形態の１つに従った方法によって配設された後縁カムを有する。

更に、本発明に応じ、請求項１４に記載の後縁カムについて特許請求される。この後縁カムは、とりわけ、上記の実施形態の１つに従ったロータブレードによって使用されるために提供される。更に（付加的に）又は選択的に、この後縁カムは、上記の実施形態の少なくとも１つについて上述したような方法によってロータブレードに配設されるために提供される。とりわけ、後縁カムは、当該後縁カムが個々の実施形態について、それがロータブレードであれ配設方法であれ、記述された構成を有する限りにおいて、提供される。

有利には、後縁カムは、隣り合う２つの山形歯間の距離の凡そ３〜５倍の、とりわけ４倍の大きさの山形歯長さを有する。即ち、後縁カムの１つの山形歯は、その隣の山形歯までの距離の３〜５倍の、とりわけ４倍の大きさの長さを有する。ここで、距離は、山形歯の頂部に基づいて求められる。

更に、上記の実施形態の少なくとも１つに従ったロータブレードを有する及び／又は上記の実施形態の少なくとも１つに従った後縁カムを有する風力発電装置が提案される。

有利には、後縁カムはガラス繊維強化プラスチックで製造され、以下の性質を有する：

・Ｅ率（E-Modul）＝８０００−１２０００Ｎ／ｍｍ^２
・繊維体積分率φ＝０．４０−０．４５
・占有率（Belegung）：短繊維補強又は＋／−４５°多層組織（Gelege）
・マトリックス：好ましくはＥＰエポキシ
・−４０℃までの温度耐性

以下に、本発明の実施例を添付の図面を参照して例示的に詳細に説明する。

嵌合可能又は取付可能な後縁の一例（の一部）。 付加的に嵌合された歯列状輪郭部材即ち嵌合ないし嵌込（挿入）された後縁カムを有する嵌合可能又は取付可能な後縁の一例（の一部）。 後縁カムを有するロータブレードの一例の説明図。 後縁カムを有するロータブレードの一例の一部の部分断面図。 後縁カムの製造のための中間材料の一例の模式図。 後縁カムの一例の頂部の模式図。 後縁山形歯（尖頭歯）の一例の模式的側面図。 風力発電装置の一例の模式的斜視図。

図１は、嵌合可能な後縁部の一例を示す。後縁部は先が（細長く）尖った形状（尖形形状）をしているため、必要がある場合、歯列状の輪郭形状を適切な切断（切削ないし研削）法によって切断（切削）形成することができる。このために、まず、後縁部の関連する中空空間を充填すること、とりわけ発泡材料を充填し、この充填物を硬化した後、所望の輪郭形状を切削形成することが提案される。切断法としては、有利には、例えば水流（ウォータジェット）切断法又はレーザ切断法のようなコンピュータ及びロボット制御による切断法が使用される。

図１は、結合部分４と終端部分６を有する嵌合可能又は取付可能な後縁部２の一例を示す。結合部分４と終端部分６の間には、中空空間１０を有する中間部分８がある。そのような後縁部２は、ロータブレードの終端縁（部）に配設することができる。そのようなロータブレードに後縁カム（後縁部クシ状端縁部材：Hinterkantenkamm）を配設（付加）するために、終端部分６を図示の切断部位１２において切断することが提案される。設定される切断ライン１４は、破線で図示されている。後縁部の切断ライン１４と終端縁（部）１８の間の切断長さ１６は、この場合、一定に維持される。

図２は、かくして、付加的に嵌合されている歯列状（歯列付き）輪郭部材を有する嵌合可能な後縁部の一例を示す。嵌合可能な後縁部は、その尖形領域に、歯列状輪郭部材の更なる部分を嵌合可能な溝を有する。この種の構造の後縁部は、例えば図１に示すように当初は直線的であった後縁に簡単な方法で種々の嵌合可能な歯列状輪郭部材を後付けする（増設する）ことができるという利点を有する。このために、図２に示す溝が形成された後に当該溝に歯列状輪郭部材の更なる部分を嵌合できるように、後縁部の後方部分のみが図１に示すように適切な切断（切削）法によって主桁方向に切断される必要がある。

図２は、かくして、後縁部２について、図１に示したように該図に示した切断ライン１４に沿って終端部分６が切断されている切断状態を示す。このため、中空空間１０は、開口が形成（開放）されており、後縁カム１の嵌込（挿入）を可能にする。かくして、中空空間１０には（図２の状態で残っているのは僅かにその一部のみであるが、説明の容易化のためにこの中空空間に図面参照符号１０が付記されている）、後縁カム１の基部２０が受容される。更に、中空空間１０には、接着物質２２が配されているが、これにより、後縁カムは開口が形成された中空空間１０に固定される。

後縁部２は、更に、吸引側２４と与圧側２６を有する。後縁カム１は、更に、後方に、即ち、図２の紙面右側に、複数の（異なる）山形歯（尖頭歯）２８を有する（なお、図２にはそのうちの２つが示されている）。更に、後縁部２の吸引側２４ないし与圧側２６から嵌め込まれた後縁カム１への流体力学的に好都合な移行のために、吸引側２４にも、与圧側２６にも、夫々１つの傾斜部ないし面取り部３０が設けられる。中空空間１０には、差し込まれた後縁カム１の有利な保持ないし場合により継ぎ目（ギャップ）の閉鎖を達成するために、とりわけ、この面取り部の付近にも、パテペースト（ペースト状接合剤：Spachtelpaste）が配される。

後縁カム１は、有利には、一定の又は可変の厚みｄを有する繊維複合体プレートで製造され、とりわけ、その切断（切削ないし研削）によって製造される。中空空間１０までの、とりわけ接着部（接着物質）２２までの深さ即ち歯頂部３４の夫々からの距離は、同様にほぼ一定である。尤も、この深さは、ロータ長さに沿って徐々に変化させることができ、その結果、種々異なる深さを形成することもできる。尤も、隣接する２つの山形歯の深さは、ほぼ一定である。

山形歯２８は、角度αで図示されているように、（上下表面が）平坦に延在することもできる。山形歯幅λに対する山形歯高さＨの比は有利には凡そ４である。即ち、各山形歯は、その幅の凡そ４倍の長さを有する。図２は、割り当てられたロータブレードにおける異なる半径位置、即ち半径ｒ_１及びｒ_２に対する２つの高さＨ（H（ｒ_１）、H（ｒ_２））を示す。

後縁山形歯列が切断（切削）形成される中間材料の厚みを設計するために、以下の手法が使用される。後縁山形歯列が設けられる半径方向のロータブレード領域の代表的な切断面（ないし翼型）のために、ロータブレードの設計運転状態のための２次元フローシミュレーションが実行される。この運転状態及び位置のために、空気力学的パラメータである有効仰角、流入流マッハ数（Anstroemmachzahl）及びレイノルズ数が（予め）設定され、シミュレーションによって翼型の周りの圧力推移（分布）が求められる。翼型深さ（翼弦長：Profiltiefe）の９５％における与圧側と吸引側の間の圧力差Δｐから、分布荷重（Streckenlast）ｑ（Ｈ_０）が求められるが、これは、幅ｂの後縁カムに対する線形に０に減少する分布荷重の左側の初期値に相当する：

この分布荷重は、矩形断面と長さＨを有する左側で嵌込固定されている片持梁状部材（Kragbalken）に対し荷重として印加されるが、これにより、たわみについての以下の関数ｆが線形理論に基づいて得られる：

この片持梁モデルは個々の山形歯に当てはまる。矩形断面は以下の面積慣性モーメント（Flaechentraegheitsmoment）を有する：

厚みはｄ、幅はｂである。Ｅは選択される材料の弾性係数である。これらの式を組み合わせ、中間材料の求められる厚みｄ即ち材料厚みについて解くと、以下の式が得られる：

設計の目的は、後縁カムのための可及的に堅固な構成を得ることである。関連する山形歯の自由端の最大たわみｆに対し、好ましい一実施例では、後縁カムの最長の山形歯について０．１ｍｍが要求される。尤も、設計がより柔軟であっても、たわみｆは１ｍｍを超えるべきではないであろう。

好ましい一実施例において、Δｐ＝１１Ｎ／ｍ^２、山形歯長さＨ＝０．３ｍ、Ｅ＝１００００Ｎ／ｍｍ２及びｆ＝０．１ｍｍを代入すれば、凡そ３ｍｍの厚みｄが得られる。全体としては、中間材料の厚みは５ｍｍを超えるべきではないであろう。

山形歯は三角形の形状を有するため、その頂部に向かう空気荷重（負荷）は０に減少される。このため、中間材料厚みはそれに応じて０に減少することができる。取り扱い（ないし操作性）の観点から、山形歯末端部における厚みｄは１ｍｍを上回るべきではない。繊維複合体で構成される場合、最も長い中間位置から出発し外側に向かって対称的に構成される、即ち、（片持ちの）嵌込固定位置から出発して距離に応じて幅が減少し、三角形断面に近づく。押出成形輪郭形状部材（Extrusionsprofil）は、使用される型によってこの断面を得る。

使用される寸法は図７にも示されている。従って、図７はこの見積もり計算を説明している。幅ｂとして１ｍが選択されたが、この値は計算の際に再び減じられ、その限りにおいて原理的には任意に選択することができるであろう。

図３は、ロータブレード３６を斜視図で示すが、更に、その規格（規定）通りの回転方向（矢印）３８も示している。これに応じ、ロータブレード３６は、前縁４０と後縁ないし終端縁１８を有する。終端縁１８にないし終端縁１８の領域において、詳細については図２の後縁カム１とは相違し得る後縁カム１が、例えば幅Ｂ_１、Ｂ_２…Ｂ_ｎを有する６つのセグメントに分かれていることが明確に示されている。ロータブレードにおける具体的半径位置に依存して（この図では例えばｒ_１及びｒ_２が示されている）、即ち半径ｒの関数として、（山形歯の）高さＨが得られる：

同様に、半径ｒに依存する（山形歯の）幅λが得られる：

従って、後縁カム１は各幅Ｂについてセグメント的に使用することができ、これらのセグメントについてはそれらの幅及び／又は個々の山形歯の高さＨが夫々異なり得る。図示の例では、半径ｒ_２はロータブレードの最大半径Ｒに相当する。

図４は、後縁カム１の取付けの他の一例、更に、図２に示されているものとは異なる後縁カム１の他の一例を示す。なお、対比の容易化のため、同じ図面参照符号をそのまま用いている。他方、部分的に異なる図面参照符号を用いているが、これらが同一ではないが機能的に類似する構成要素についてものであることは当業者であれば直ちに理解できる。

図４は、ロータブレード終端縁４４０の領域において、突縁部分ないしウェブ部分４２が形成されるようにないしそのような突縁部分４２が維持されるように、材料が２つの切削帯片部（ストライプ）で切削加工されたことを示している。尤も、原理的には、突縁部分４２は、他の態様で作製することも可能である。

突縁部分４２は、後方突出とも称される長さ４４を有する。また、突縁部分４２は、関係をより良く表すために図面参照符号４６が付記されている厚みＤを有するが、この厚みＤは、終端縁４４０から突縁末端４８に向かって少々減少している、即ち図示の例では半分より少々少ない分だけ減少している。

図４は、更に、この突縁部分４２を設けることにより段差部５０が吸引側２４にも与圧側２６にも形成されることを示す。この場合、突縁部分４２の長さ４４は、段差部５０と突縁末端４８の間の距離である。一例では、突縁部分４２の長さ４４は凡そ５０ｍｍで、その断面の厚みＤは２ｍｍである。取り付けられる後縁カム１は、溝部分５２と終端部分５４を有する。後縁カム１は、溝部分５２から終端部分５４に向かって平坦に（より薄くなるように）延在する。

溝部分５２は溝５６を有する。溝部分５２はこの溝５６によって突縁部分４２に外側から嵌め合されている（外嵌されている）。この場合、溝５６は、実質的に突縁部分４２に適合されている、とりわけ突縁部分４２に対し相関的にないし相補的に構成されている。この場合、溝は、接着物質５８のための空間が形成されるよう、当該溝の中に嵌め込まれる突縁部分４２よりも少々大きく構成される。接着物質５８は、更に、後縁カム１と段差部５０の間の継ぎ目（ギャップ）６０、即ち、吸引側２４の縁における継ぎ目と与圧側２６の縁における継ぎ目を夫々充填する。かくして、接着物質５８は、突縁部分４２に外嵌されている後縁カム１を当該部位で接着し、それによって固定する。更に、接着物質５８は、両方の継ぎ目６０を閉鎖（シール）することができ、かくして、吸引側２４ないし与圧側２６から後縁カム１への円滑な移行を達成することができる。

図５は、後縁カムを製造するための中間材料（半製品）６２の一例を模式的に示す。そのような中間材料は、例えば、０．３ｍの中間材料厚み及び１ｍの中間材料高さを有する。図５は、その限りにおいてのみ図示しており、即ち、２つの山形歯２８を有する後縁カムないし後縁カム部分ためのみの、後縁カム１の製造のための中間材料６２を説明するものである。通常は、中間材料６２からは、一層より多くの山形歯２８を有する、例えば２０個の山形歯２８を有する後縁カム１が製造される。図５を参照する説明は、極めてより多くの後縁山形歯２８を有するそのような後縁カムについても適用可能である。

中間材料６２は、例えば、ガラス繊維複合材料で製造することができる。この中間材料６２から、基部２０と（複数の）山形歯２８を有する後縁カム１が、例えば水流（ウォータジェット）切断法等によって切り出される。この場合、中間材料６２は、製造されるべき基部２０の領域において、プレート厚み（基部厚み）ｄ_Ｂを有し、その反対側の製造されるべき山形歯２８の頂部の領域において、第２の厚みｄ_Ｓとして頂部厚みｄ_Ｓを有する。この場合、中間材料の厚みは、基部厚みｄ_Ｂから頂部厚みｄ_Ｓに至るまでに減少することができる。好ましい一実施例では、厚みは、基部厚みｄ_Ｂの３ｍｍから頂部厚みｄ_Ｓの１ｍｍまで減少する。

長手方向（縦方向）においては、即ち、中間材料長さＬ_Ｈに沿って見た場合、厚みは一定に維持されると有利である。

この中間材料６２から製造されるべき、とりわけ切断（切削ないし研削）加工されるべき（切り出されるべき）後縁カムは、その山形歯２８の領域が破線で図示されている。この場合、２つの山形歯２８は、互いに対し異なる高さＨを有するが、これについては図５にも示されている。単なる補助線として示したものであり図５において点線（破線）で示されている山形歯底辺６４を基準とし、一方の山形歯は高さＨ（ｒ１）を有し、他方の山形歯は高さＨ（ｒ２）を有する。この場合、半径ｒ１ないしｒ２は、製造されるべき後縁カムの規定の位置のための、風力発電装置の空気力学的ロータの半径に関する。幅λ（ｒ１）ないしλ（ｒ２）も有利にはロータの半径ｒ１ないしｒ２に依存する。有利には、各山形歯２８の幅λに対する高さＨの比は凡そ４である。

図５は、更に、底辺ボア６６も示しているが、これは、とりわけ山形歯２８の実行が予定されている切断（切削）加工（切り出し）による、この領域における基部２０の断裂を回避するために提案される。有利には、そのような底辺ボア６６は、個々の山形歯２８間の山形歯底辺６４に形成されるべきである。

更に、山形歯２８について、山形歯丸頭（先端の丸み付け）６８が示されている。かくして、厚みが減少する中間材料６２の使用により、各山形歯２８の対応する厚みも山形歯底辺６４から山形歯丸頭６８に向かって減少する。

図６は、山形歯丸頭６８の領域における山形歯２８の一例の頂部の模式的拡大図である。従前の（加工前の）山形歯頂部７０も点線で示しているが、これが、幾つかの面取り７２の実行によって基本的に削られ、更に丸みが付けられることにより、図示の山形歯丸頭６８が形成される。そのような面取り７２を相応の基部２０に至る山形歯２８の全体に行うことも可能でありかつ有利であるが、これにかかる手間は大きいうえ、山形歯頂部７０の領域において面取りするだけでも、容認可能な手間の範囲内で良好な、とりわけ空気力学的特性を提供する解決策が得られる。

図８は、タワー１０２とゴンドラ（ナセル）１０４を有する風力発電装置１００の一例を示す。ゴンドラ１０４には、３つのロータブレード１０８とスピナ１１０を有するロータ１０６が配設されている。ロータ１０６は、運転時、風によって回転運動させられ、それによって、ゴンドラ１０４内の発電機を駆動する。この図には、本発明においても利用可能な風力発電装置の一例が極めて模式的に図示されているが、模式図であるが故に、単純化のため、風力発電装置には後縁カムは記載されていない。

上記の課題を解決するために、本発明に従って、請求項１に記載の方法が提案される。即ち、上記の課題を解決するために、本発明の第１の視点により、風力発電装置のロータブレードに後縁カム（後縁部クシ状縁端部材）を配設する方法であって、ロータブレードが与圧側と吸引側を有し及び実質的に直線的な終端縁を有する、方法が提供される。この方法は、以下の工程：
・終端縁において、後方に突出する突縁部分を形成すること、該突縁部分の領域において与圧側と吸引側に夫々１つの段差部が形成されること
・後縁カムが段差部の領域において吸引側ないし与圧側と面一の面をなして接続するよう、後縁カム又はその一部を突縁部分に取り付けること、
を含む（形態１・第１基本構成）。
上記形態１の方法において、後方に突出する突縁部分の形成は、直線的な終端縁部分の領域において吸引側及び与圧側から夫々材料帯片を除去することによって、とりわけフライス加工（Oberfraese）による切削によって、実行される、又は、ロータブレードの製造のための型は、その都度、前記段差部に適合された相補的段差部を、とりわけこの相補的段差部の形状を有する挿入部材を配することによって、有することが好ましい（形態２）。
上記形態１又は２の方法において、後縁カムは、
・ロータブレードの突縁部分への後縁カムの取付けに使用される溝部分、及び、
・該溝部分の反対側に位置する終端部分であって、後縁カムが当該終端部分に向かって平坦にかつ山形歯状に突出するもの、
を有するプロファイル部材として構成されることが好ましい（形態３）。
上記形態１〜３の何れかの方法において、後縁カムは、ロータブレードの終端縁に沿って複数のセグメントに分割されており、該複数のセグメントは順次並んでロータブレードに配されることが好ましい（形態４）。
上記形態１〜５の何れかの方法において、突縁部分への後縁カムの取付けの前に、接着物質が、とりわけ接着樹脂が、突縁部分に配される及び／又は溝部分に挿入されることが好ましい（形態５）。
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第２の視点により、取付け式（予形成された）後縁部を有するロータブレード（後縁部が取り付けられているロータブレード）に後縁カムを配設する方法が提供される。この方法において、
・取付け式後縁部は、
・ロータブレードの終端縁の領域における後縁部の取り付けに使用される結合部分、
・該結合部分の反対側に位置する終端部分であって、該終端部分に向かってプロファイル部材が平坦に延出するもの、及び、
・該結合部分と該終端部分の間に形成される中間部分であって、後縁部の吸引側と与圧側の間に中空空間を有するもの、
を有するプロファイル部材として構成されており、及び、
・後縁カムは、
・複数の山形歯を有する山形歯部分、及び、
・該複数の山形歯を互いに結合させる基部
を有する扁平部材として構成されている。この方法は、更に、以下の工程
・取付け式後縁をその中間部分の領域において長手方向に切断し、中空空間に開口を形成すること、及び、
・吸引側と与圧側の間のそのようにして開口が形成された中空空間に、後縁カムの基部を嵌め込むことを含む（形態６・第２基本構成）。
上記形態６の方法において、取付け式後縁部の長手方向の切断は、終端部分及び／又は終端部分の領域において所定の幅を有する終端帯片が切断されるように、実行されることが好ましい（形態７）。
上記形態７の方法において、取付け式後縁部は、後縁カムが嵌め込まれる領域において面取りされること、ないし、該領域において面取りされるよう切断されることが好ましい（形態８）。
上記形態６〜８の何れかの方法において、基部を嵌め込む前に接着物質が中空空間に充填される及び／又は中空空間は後縁カムの嵌込のためのその開口部に向かって、とりわけ内部からＶ字状に研削されて、拡開するよう形成されることが好ましい（形態９）。
更に、上記の課題を解決するために、本発明の第３の視点により、後縁カムを有する、風力発電装置のロータブレードが提供される。
・該ロータブレードは、与圧側及び吸引側を有し、
・該ロータブレードは、ロータブレードの規格通りの運動方向に対し実質的に反対側に位置する終端縁部を有し、
・該ロータブレードは、終端縁部の領域に突縁部分を有し、及び、
・後縁カム（終端部クシ状端縁部材）は、突縁部分に取り付けられている（形態１０・第３基本構成）。
上記形態１０のロータブレードにおいて、後縁カムは突縁部分と、とりわけ接着樹脂によって、接合されている、及び／又は、ロータブレードの表面と突縁部分の側面との間に夫々段差部がありかつ後縁カムが該表面と面一の面をなして該段差部に接続するよう後縁カムが突縁に外嵌されていることが好ましい（形態１１）。
上記形態１０又は１１のロータブレードにおいて、後縁カムは、繊維強化材料で、とりわけガラス繊維強化プラスチックで、製造されていること、及び、とりわけ、後縁カムは、ロータブレードを実質的に製造するものと同じ材料で製造されていることが好ましい（形態１２）。
上記形態１０〜１２の何れかのロータブレードは、上記形態１〜９の何れかの方法によって配設された後縁カムを有することが好ましい（形態１３）。
上記形態１０〜１２の何れかのロータブレードで使用するために提供される及び／又は上記形態５〜９の何れかの方法によってロータブレードに配設するために提供される、後縁カムも有利に提供される（形態１４）。
上記形態１４の後縁カムにおいて、山形歯の長さは、隣り合う２つの山形歯間の距離の凡そ３〜５倍、とりわけ４倍、であることが好ましい（形態１５）。
上記形態１０〜１３の何れかのロータブレードを少なくとも１つ有する及び／又は上記形態１４又は１５の後縁カムを有するロータブレードを少なくとも１つ有する風力発電装置も有利に提供される（形態１６）。

Claims (16)

1. 風力発電装置のロータブレードに後縁カム（後縁部クシ状縁端部材）を配設する方法であって、ロータブレードが与圧側と吸引側を有し及び実質的に直線的な終端縁を有するものにおいて、以下の工程：
   ・終端縁において、突縁部分の領域において与圧側と吸引側に夫々１つの段差部が形成されるよう、後方に突出する突縁部分を形成すること、
   ・後縁カムが段差部の領域において吸引側ないし与圧側と面一の面をなして接続するよう、後縁カム又はその一部を突縁部分に取り付けること、
   を含む方法。
2. 後方に突出する突縁部分の形成は、直線的な終端縁部分の領域において吸引側及び与圧側から夫々材料帯片を除去することによって、とりわけフライス加工（Oberfraese）による切削によって、実行される、又は、ロータブレードの製造のための型は、その都度、前記段差部に適合された相補的段差部を、とりわけこの相補的段差部の形状を有する挿入部材を配することによって、有する
   請求項１に記載の方法。
3. 後縁カムは、
   ・ロータブレードの突縁部分への後縁カムの取付けに使用される溝部分、及び、
   ・該溝部分の反対側に位置する終端部分であって、後縁カムが当該終端部分に向かって平坦にかつ山形歯状に突出するもの、
   を有するプロファイル部材として構成される、
   請求項１又は２に記載の方法。
4. 後縁カムは、ロータブレードの終端縁に沿って複数のセグメントに分割されており、該複数のセグメントは順次並んでロータブレードに配される、
   請求項１〜３の何れかに記載の方法。
5. 突縁部分への後縁カムの取付けの前に、接着物質が、とりわけ接着樹脂が、突縁部分に配される及び／又は溝部分に挿入される、
   請求項１〜４の何れかに記載の方法。
6. 取付け式後縁部を有するロータブレードに後縁カム（後縁部クシ状縁端部材）を配設する方法であって、
   ・取付け式後縁部は、
   ・ロータブレードの終端縁の領域における後縁部の取り付けに使用される結合部分、
   ・該結合部分の反対側に位置する終端部分であって、該終端部分に向かってプロファイル部材が平坦に延出するもの、及び、
   ・該結合部分と該終端部分の間に形成される中間部分であって、後縁部の吸引側と与圧側の間に中空空間を有するもの、
   を有するプロファイル部材として構成されており、及び、
   ・後縁カムは、
   ・複数の山形歯を有する山形歯部分、及び、
   ・該複数の山形歯を互いに結合させる基部
   を有する扁平部材として構成されている、方法であって、以下の工程
   ・取付け式後縁部をその中間部分の領域において長手方向に切断し、中空空間に開口を形成すること、及び、
   ・吸引側と与圧側の間のそのようにして開口が形成された中空空間に、後縁カムの基部を嵌め込むこと
   を含む方法。
7. 取付け式後縁部の長手方向の切断は、終端部分及び／又は終端部分の領域において所定の幅を有する終端帯片が切断されるように、実行される、
   請求項６に記載の方法。
8. 取付け式後縁部は、後縁カムが嵌め込まれる領域において面取りされること、ないし、該領域において面取りされるよう切断される、
   請求項７に記載の方法。
9. 基部を嵌め込む前に接着物質が中空空間に充填される及び／又は中空空間は後縁カムの嵌込のためのその開口部に向かって、とりわけ内部からＶ字状に研削されて、拡開するよう形成される、
   請求項６〜８の何れかに記載の方法。
10. 後縁カムを有する、風力発電装置のロータブレードであって、
    ・ロータブレードは、与圧側及び吸引側を有し、
    ・ロータブレードは、ロータブレードの規格通りの運動方向に対し実質的に反対側に位置する終端縁部を有し、
    ・ロータブレードは、終端縁部の領域に突縁部分を有し、及び、
    ・後縁カム（後縁部クシ状縁端部材）は、突縁部分に取り付けられている、
    ロータブレード。
11. 後縁カムは突縁部分と、とりわけ接着樹脂によって、接合されている、及び／又は、ロータブレードの表面と突縁部分の側面との間に夫々段差部がありかつ後縁カムが該表面と面一の面をなして該段差部に接続するよう後縁カムが突縁に外嵌されている、
    請求項１０に記載のロータブレード。
12. 後縁カムは、繊維強化材料で、とりわけガラス繊維強化プラスチックで、製造されていること、及び、とりわけ、後縁カムは、ロータブレードを実質的に製造するものと同じ材料で製造されている、
    請求項１０又は１１に記載のロータブレード。
13. 請求項１〜９の何れかの方法によって配設された後縁カムを有する、
    請求項１０〜１２の何れかに記載のロータブレード。
14. 請求項１０〜１２の何れかに記載のロータブレードで使用するために提供される及び／又は請求項５〜９の何れかに記載の方法によってロータブレードに配設するために提供される、後縁カム。
15. 山形歯の長さは、隣り合う２つの山形歯間の距離の凡そ３〜５倍、とりわけ４倍、である、
    請求項１４に記載の後縁カム。
16. 請求項１０〜１３の何れかに記載のロータブレードを少なくとも１つ有する及び／又は請求項１４又は１５に記載の後縁カムを有するロータブレードを少なくとも１つ有する風力発電装置。

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