JP2016501966A - 後処理されたモリブデンイミド添加剤組成物、その製造法、及びそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

後処理されたモリブデンイミド添加剤組成物、その製造法、及びそれを含有する潤滑油組成物 Download PDF

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Abstract

本発明の一態様は、(a)モリブデン成分;(b)ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミンの反応生成物から得られるイミド(ここで、前記反応生成物は、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にヒドロカルビルジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製され、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対ポリアミンの装入モル比は、約1:1〜約1:0.5である);及び(c)後処理剤(これを用いて、後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成する);を反応させることを含む方法により調製される油溶性添加剤組成物を対象とする。

Description

本出願は、2012年12月21日出願の米国仮特許出願第61/740,668号の優先権を主張する。
本発明は、新規な潤滑油添加剤及び潤滑油組成物に関する。より具体的には、後処理されたモリブデンの酸化物、硫化物、又はオキシ硫化物の塩、及びアルケニルコハク酸イミドを含む摩擦低減成分を含有する新規な潤滑油組成物に関する。
モリブデンジスルフィドは潤滑油組成物に使用する望ましい添加剤として長い間知られてきた。モリブデンジスルフィドは、通常、微粉砕され、その後、潤滑油組成物中に分散されて、摩擦調整特性及び耐摩耗特性を付与される。しかし、微粉砕されたモリブデンジスルフィドを使用することに対する主な弊害の一つは、溶解度の不足である。
摩擦調整剤として、微粉砕されたモリブデンジスルフィドを使用する代わりに、モリブデン化合物の種々の塩を含む多数の他のアプローチが採られてきた。ジチオカルバミン酸モリブデン(MoDTC)及びジチオリン酸モリブデン(MoDTP)は、摩擦調整特性を付与する当該技術分野においてよく知られている。MoDTCの代表的な組成物は、Larsonらの米国特許第3,419,589号(これには、二酸化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(VI)が教示されている。)、Farmerらの米国特許第3,509,051号(これには、硫化ジチオカルバミン酸オキシモリブデンが教示されている);及びSakuraiらの米国特許第4,098,705号(これには、硫黄含有ジヒドロカルビルジチオカルバミン酸モリブデン組成物が教示されている)に記載されている。
MoDTPの代表的な化合物は、Rowanらの米国特許第3,494,866号に記載されている組成物であり、例えば、オキシモリブデンジイソプロピルホスホロジチオネートである。
モリブデン化合物を油中に組み込む別の方法は、既知の分散剤を使用して分散された二硫化モリブデン又はオキシ硫化モリブデンのコロイド錯体を調製することである。既知の分散剤には、スクシンイミド、カルボン酸アミド、ホスホノアミド、チオホスホノアミド、マンニッヒ塩基、及び炭化水素ポリアミンを含む、塩基性窒素含有化合物が含まれる。
Kingらの米国特許第4,263,152号;Kingらの米国特許第4,261,843号;及びKingらの米国特許第4,259,195号には、酸性モリブデン化合物と、分散剤として作用する塩基性窒素化合物とを含む、抗酸化剤及び抗摩耗添加剤として使用されるモリブデン化合物が教示されている。
DeVriesらの米国特許第4,259,194号には、抗酸化剤、抗摩耗剤、及び摩擦調整剤として使用するための、テトラチオモリブデン酸アンモニウム及び塩基性窒素化合物の反応生成物を含む、硫黄含有添加剤が開示されている。
Uddingらの米国特許第5,468,891号には、カルボン酸のアルカリ土類金属塩、アミン及びカチオン性モリブデン源を反応させることによって調製されるモリブデン含有錯体を含む、潤滑油用減摩添加剤について記載されており、この添加剤において、(酸性基の当量数)対(モリブデンのモル数)の比(当量:モル)は、1:10〜10:1の範囲であり、(酸性基の当量数)対(アミンのモル数)の比(当量:モル)は、20:1〜1:10の範囲である。
Ruhe、Jr.らの米国特許第6,962,896号には、オキシ硫化モリブデンポリアミドを含む淡色モリブデン化合物及びポリアミド分散剤を含む潤滑油用抗酸化剤添加剤について記載されている。
Gattoらの米国特許第6,174,842号には、抗摩耗且つ抗酸化剤添加剤として、潤滑油、反応性硫黄を実質的に含まない油溶性モリブデン化合物、油溶性ジアリールアミン、及びカルシウムフェネートを含む潤滑油組成物が開示されている。
本発明の一実施態様は、
(a)モリブデン成分と、
(b)ヒドロカルビルジカルボン酸成分とポリアミンの反応生成物から誘導されるイミドであって、前記反応生成物が、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にヒドロカルビルジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製され、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対ポリアミン成分の装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、
(c)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものと、
を反応させることを含む方法により調製される油溶性添加剤組成物に向けられている。
本発明の一実施態様は、
(a)潤滑粘度(lubricating viscosity)の油と、
(b)反応生成物であって、(i)モリブデン成分と、(ii)ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミン成分の反応生成物から誘導されるイミドであって、前記イミドが、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製される反応生成物を含み、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対ポリアミン成分の装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、(iii)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものとからなる前記反応生成物と、
を含む潤滑油組成物に向けられている。
本発明の一実施態様は、
(a)モリブデン成分と、
(b)ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミンの反応生成物から誘導されるイミドであって、前記反応生成物が、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製され、ジカルボン酸成分対ポリアミンの装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、
(c)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものと、
を反応させることを含む、油溶性添加剤組成物を調製する方法に向けられている。
本発明は、様々な改変及び代替形態が可能であるが、その具体的な実施態様は、本明細書に詳細に記載されている。しかし、本明細書中のその具体的な実施態様の記載は、本発明を、開示された特定の形態に限定することを意図せず、添付された特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨及び範囲内に入る、すべての改変物、等価物、及び代替物を含むものと理解されるべきである。
定義
以下の用語は明細書中で使用されており、特に断りがない限り、以下の意味を有する。
「アミド」又は「ポリアミド」という用語は、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸の無水物、又はカルボン酸のエステルと、ポリアミンとの反応生成物を示す。
「キャリアー流体」という用語は、油溶性添加剤を容易に溶解する液体を示し、これにより、潤滑基油ストックに容易に溶解できる添加剤濃縮物を提供する。
「ジカルボン酸成分」という用語は、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、ジカルボン酸の無水物、及びジカルボン酸のエステルを示す。
「脂肪酸」という用語は、末端カルボキシル基を有する、4〜22個の炭素原子を有するアルキル鎖を含む、動植物の油脂から誘導される又は動植物の油脂に含まれるカルボン酸成分を示す。
「イミド」又は「ポリイミド」という用語は、ジカルボン酸、カルボン酸塩、ジカルボン酸の無水物、又はジカルボン酸のエステルと、ポリアミンとの反応生成物を示す。
「酸化モリブデン」、「硫化モリブデン」及び「オキシ硫化モリブデン」という用語は、一般式MoOxSy(式中、x≧0、y≧0、及びl2≧(x+y)≧2)の化合物を示す。
「ポリアミン」という用語は、1個より多い塩基性窒素を含有する有機化合物を示す。この化合物の有機部分には、脂肪族、環式、又は芳香族炭素原子が含まれ得る。
「ポリアルキレンアミン」又は「ポリアルキレンポリアミン」という用語は、一般式HN(−R−NH)n−H(式中、Rは好ましくは2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは約1〜11の整数である)で表される化合物を示す。分枝は内部窒素原子上で生じ得る。更に、その構造には、環式窒素含有構造が含まれ得る。この環式構造は、典型的には、連続した繰返し単位の窒素原子間で生じる。その構造を以下に例示する。
「極性促進剤」という用語は、非極性有機化合物と、極性又は不溶性有機又は無機反応物との間の反応を促進する化合物を示す。
本発明は、油溶性潤滑油添加剤に向けられている。前記添加剤は、モリブデン成分及びイミド成分を反応させることにより、モリブデン化イミドを生成させ、これを後処理剤と反応させることにより調製される。更に、反応物の添加順を制御することにより、TBN及びモリブデン含量がより高い改良された生成物が得られることが発見された。
モリブデン成分
本発明の油溶性添加剤組成物を調製するために使用されるモリブデン成分は、一般式MoOxSy(式中、x≧0、y≧0及び12≧(x+y)≧2)で表されるオキシ硫化モリブデン、硫化モリブデン、又は酸化モリブデンである、モリブデン含有化合物である。本発明の油溶性添加剤組成物の調製において有用なモリブデン成分は、ヘキサカルボニルモリブデン、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、他のモリブデン酸アルカリ金属塩、モリブデン酸アルカリ土類金属塩、MoOCl、MoOBr、及びMoClを含むモリブデン化合物から誘導され得るが、これらに限定されない。他のモリブデン成分には、三酸化モリブデン、テトラチオモリブデン酸アンモニウム、及び二硫化モリブデンが含まれる。好ましいモリブデン成分は、三酸化モリブデン、並びにモリブデン酸及びモリブデン酸アンモニウムから誘導されるモリブデン成分である。より好ましくは、モリブデン成分は三酸化モリブデンである。
イミド成分
本発明の油溶性添加剤組成物の調製に使用されるアミド及びイミドは、ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミン成分の反応生成物である。ヒドロカルビルジカルボン酸成分は、ジカルボン酸成分及びヒドロカルビル成分の反応生成物である。
ジカルボン酸成分は、置換された(すなわち、ヒドロカルビル)アシル化剤であり、好ましくは、ジカルボン酸又はジカルボン酸無水物成分、より好ましくは無水コハク酸成分である。
ヒドロカルビル成分は、5000ダルトン以下の分子量を有し得る。 好ましくは、ヒドロカルビル成分の分子量は約110〜約5000である。より好ましくは、ヒドロカルビル成分の分子量は約110〜2300である。最も好ましくは、ヒドロカルビル成分の分子量は約110〜約1300である。一実施形態では、ヒドロカルビル成分の分子量は約180〜約5000である。より好ましくは、ヒドロカルビル成分の分子量は約200〜約5000である。ヒドロカルビル成分には、一般的に、平均数が約8〜約400、好ましくは約12〜約93、より好ましくは約16〜約72の炭素原子が含まれる。
好ましくは、ヒドロカルビル成分は、アルキル基又はアルケニル基である。アルケニル基は、1種又はそれ以上のオレフィン類から誘導され得る。
オレフィンは、エチレン、プロピレン、ブチレン及びイソブチレン等のポリマーから誘導され、ブテン、イソブテン、1−オクテン、オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ヘニコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン等が例示される。使用可能な市販されているαオレフィン留分には、C15−18のαオレフィン、C12−16のαオレフィン、C14−16のαオレフィン、C14−18のαオレフィン、C16−18のαオレフィン、C16−20のαオレフィン、C22−28のαオレフィン等が含まれる。C16及びC16−18のαオレフィン及びポリイソブテンが特に好ましい。
コハク酸アシル化剤は、上記オレフィン又は異性化オレフィンを、フマル酸若しくはマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸、又はそのジカルボン酸の無水物と、約160℃〜約240℃、好ましくは約185℃〜約210℃で反応させることにより調製される。フリーラジカル阻害剤(例えば、t−ブチルカテコール)を使用して、重合体副生成物の生成を低減又は防止させることができる。 当該アシル化剤の調製法は、当業者に周知であり、例えば、米国特許第3,412,111号;及びBenらの「無水マレイン酸とアルケンのエン反応(The Ene Reaction of Maleic Anhydride With Alkenes)」、J.C.S.Perkin II(1977年)、535〜537頁に記載されている。これらの参考文献を、上記アシル化剤調製法の開示に関して参照により取り込む。
ヒドロカルビル置換コハク酸アシル化剤は、市販されており、テキサス州、パサデナにあるDixie Chemical Company、Inc.、又はテキサス州、ヒューストンにあるChevron Oronite Company LLCから購入することができる。
イミドを形成するためのヒドロカルビルジカルボン酸成分及びアミン成分の反応において、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対アミン成分の装入モル比は約1:1〜1:0.5である。 好ましくは約1:1〜1:0.7である。より好ましくは、約1:0.9である。
一実施態様において、イミドは、1)約8〜400個の炭素を有する脂肪族ジカルボン酸成分、及び2)約2〜10個の窒素原子を有するポリアミン成分、から誘導される。好ましい実施態様では、脂肪族ジカルボン酸成分は、ヘキサデセニル、無水コハク酸等のヒドロカルビルであり、ポリアミン成分は、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。 好ましい実施態様では、ヒドロカルビルジカルボン酸成分は、ポリイソブテニル無水コハク酸(PIBSA)であり、ポリアミン成分は、テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン及びこれらの混合物からなる群から選択される。
ヒドロカルビルジカルボン酸成分及び本明細書における下記のポリアミン成分を反応させて、モリブデン成分との反応前又は反応中にイミドを生成させることができる。本発明に有用なイミド組成物には、米国特許第8,076,275号;第6,962,896号;第6,156,850号及び第5,821,205号に開示されたもの等が含まれ、その開示内容は参照により本明細書に取り込まれる。これらの組成物は、普通少なくとも8〜約400個の炭素原子を有し、必要に応じて、分子に油溶性を付与するペンダント脂肪族基を有する、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、ジカルボン酸無水物、又はジカルボン酸エステルを、エチレンジアミン等のポリアミンと反応させて、イミドを生成させることによって調製される。好ましくは、前記イミドは、(1)無水マレイン酸等の脂肪族ジカルボキシル無水物、及び(2)テトラエチレンペンタミン、ジエチレントリアミン、エチレンジアミン又はこれらの混合物等のエチレンポリアミンから調製される。好ましくは、本発明において有用なイミドは、少なくとも2個の塩基性窒素を有する。
ポリアミン成分
本発明の油溶性添加剤組成物の調製に使用されるポリアミン成分には、芳香族、環式、及び脂肪族(直鎖及び分枝鎖)ポリアミン及びこれらの混合物が含まれる。芳香族ポリアミンとしては、フェニレンジアミン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,4−及び2,6−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノ−p−キシレン、並びに、ナフチレン−1,4−ジアミン、ベンジジン、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジフェニルジアミン及び4,4’−ジアミノアゾベンゼン等の多核及び縮合芳香族ポリアミンが例示されるが、これらに限定されない。別の実施態様では、ポリアミン成分には、約5〜32個の環員であり、約2〜8個のアミン窒素原子を有するポリアミンが含まれる。当該ポリアミン化合物には、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、3−アミノピロリジン、N−(2−アミノエチル)ピロリジン等の化合物が含まれる。
好ましい実施態様では、本発明の調製において使用されるポリアミン成分は、ポリアルキレンポリアミンであり、一般式HN(−R−NH)n−H(式中、Rは好ましくは2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1〜11の整数である)で表すことができる。
具体的には、ポリアルキレンポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ノナエチレンデカミン、デカエチレンウンデカミン、ウンデカエチレンドデカミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタプロピレンヘキサミン、ヘキサプロピレンヘプタミン、ヘプタプロピレンオクタミン、オクタプロピレンノナミン、ノナプロピレンデカミン、デカプロピレンウンデカミン、ウンデカプロピレンドデカミン、ジ(トリメチレン)トリアミン、トリ(トリメチレン)テトラミン、テトラ(トリメチレン)ペンタミン、ペンタ(トリエチレン)ヘキサミン、ヘキサ(トリメチレン)ヘプタミン、ヘプタ(トリメチレン)オクタミン、オクタ(トリメチレン)ノナミン、ノナ(トリメチレン)デカミン、デカ(トリメチレン)ウンデカミン及びウンデカ(トリメチレン)ドデカミンが例示されるが、これらに限定されない。
後処理剤
一実施態様では、後処理剤は、モリブデン成分及びヒドロカルビルスクシンイミドの反応生成物を後処理するために使用される。 典型的な後処理剤は、環式カーボネート及びエポキシドである。後処理剤及び他の後処理法の例は、Wollenbergらの米国特許第4,612,132号、Wollenbergらの米国特許第4,746,446号、Wollenbergらの米国特許第4,713,188号等に開示されており、その各々を全体として、本明細書に参照により取り込む。他の後処理剤及び他の後処理法の例は、LeSeurらの米国特許第3,373,111号及びEfnerの米国特許第4,737,160号等に開示されており、その各々を全体として、本明細書に参照により取り込む。一実施態様では、後処理剤は、炭酸エチレン又はグリセリンカーボネートであり得る。
本発明の油溶性組成物の調製法
本発明の一実施態様において、本発明にかかる調製は、アルケニル無水コハク酸等のジカルボン酸成分を、ポリアミン成分と、反応条件下で反応させ、これによって、スクシンイミド等のイミド成分を含む反応生成物を生成させることによって行うことができる。 更に、イミド反応生成物にはアミド成分が含まれ得る。ポリアミン成分を、最初に反応容器に装入する。当該ポリアミンを装入した後、アルケニル無水コハク酸等のジカルボン酸成分を前記反応容器に装入する。その後、後処理剤を、当該反応混合物に反応条件下で添加し、これにより、後処理されたイミド反応生成物が得られる。その後、当該後処理イミド反応生成物を、モリブデン源と、任意に極性促進剤を使用して反応させ、モリブデン化後処理イミド生成物を得る。
一実施態様において、ポリアミン成分を反応容器に装入する。当該ポリアミンを装入した後、アルケニル無水コハク酸等のジカルボン酸成分を、反応条件下で前記反応容器に装入し、スクシンイミド等のイミド成分を含む反応生成物を生成させる。また、イミド反応生成物には、アミド成分が含まれ得る。モリブデン源を、イミド生成物と、任意に極性促進剤を使用して、反応させ、モリブデン化イミド生成物を得る。極性促進剤を除去した後、モリブデン化イミド生成物を、後処理剤と反応させ、それにより、モリブデン化後処理イミド生成物を得る。
当該反応は通常、大気圧下で行うが、これより高い又は低い圧力下で行うことができ、必要に応じて、当業者に周知の方法を使って行うことができる。当該反応混合物を効率的に攪拌可能とするために、希釈剤を使用することができる。典型的な希釈剤は、炭素及び水素のみ含有する液体化合物並びに潤滑油である。当該混合物が充分に流動的であり、所望の混合状態が得られる場合には、希釈剤は不要である。モリブデン成分と反応しない希釈剤が好ましい。
上記のように、本発明における調製に、極性促進剤を任意に使用することができる。極性促進剤により、モリブデン成分と、ポリアミン又はアミド成分の塩基性窒素との間の相互作用が促進される。多種多様の当該促進剤を使用することができる。典型的な促進剤は、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、メチルカルビトール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、水酸化アンモニウム、水酸化テトラアルキルアンモニウム、アルカリ金属水酸化物、メタノール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、テトラヒドロフラン、酢酸、無機酸及び水である。好ましくは、水及びエチレングリコールである。特に好ましくは、水である。
通常、極性促進剤は、別途に反応混合物に添加されるが、当該促進剤が特に水の場合は、非無水(non−anhydrous)出発物質の成分として、即ち、(NHMo24・4HO等のモリブデン成分中に水和水として存在させることもできる。更に、水を、水酸化アンモニウムとして添加することもできる。
本発明の油溶性添加剤組成物の一般的な調製法は、(1)モリブデン成分と、(2)ジカルボン酸及びポリアミンから得られるイミド(ここで、ジカルボン酸及びポリアミンは、約2:1〜1:1の間の装入モル比(CMR)を有する)とを反応させることを含む。任意に、塩を生成させるために(3)極性促進剤若しくは(4)希釈剤、又は(5)極性促進剤と希釈剤の両方、を添加し得る。必要に応じて、希釈剤を使用し、適切な粘度にして、混合及びハンドリングを容易にする。典型的な希釈剤は、炭素及び水素のみ含有する液体化合物並びに潤滑油である。更に、任意に水酸化アンモニウムを当該反応混合物に添加して、モリブデン酸アンモニウムの溶液を得ることができる。モリブデン成分、イミド、極性促進剤(使用する場合)、及び希釈剤(使用する場合)を、反応器に装入し、約200℃以下、好ましくは約70℃〜約120℃に加熱する。当該温度は、モリブデン成分が十分に反応するまで、約200℃以下、好ましくは約70℃〜約90℃に維持される。この段階の反応時間は、通常約1〜約30時間、好ましくは約1〜約10時間の範囲である。
典型的に、過剰の水及びいかなる揮発性希釈剤も当該反応混合物から除去される。除去方法には、減圧蒸留又は窒素ストリッピングが含まれるが、これらに限定されず、反応器の温度を、約200℃以下、好ましくは約70℃〜約90℃の間に維持しながら行う。水及び揮発性希釈剤の除去は、通常減圧下で行う。減圧を徐々に行うことによって、発泡の問題を回避することができる。所望の圧力に到達した後、ストリッピング段階を典型的に約0.5〜約5時間、好ましくは約0.5〜約2時間行う。
反応混合物において、イミドに由来する塩基性窒素原子に対するモリブデン原子の割合は、塩基性窒素原子1個当たり、モリブデン原子約0.01〜4.0個の範囲にすることができる。通常、反応混合物は、アミドに由来する塩基性窒素原子1個当たり、モリブデン原子0.01〜2.00個の割合で装入される。好ましくは塩基性窒素原子1個当たり、0.4〜1.0、及び最も好ましくは0.4〜0.7個のモリブデン原子の割合で反応混合物に添加される。
極性促進剤は好ましくは水であるが、通常モリブデン1モル当たり、水は0.1〜50モルの割合で存在する。促進剤は、モリブデン1モル当たり、好ましくは0.5〜25、及び最も好ましくは1.0〜15モルの割合で存在する。
ジカルボン酸成分対ポリアミンの装入モル比は重要であり、約1:1〜1:0.5の範囲とし得る。一実施態様において、装入モル比は、約1:1〜1:0.7である。別の実施態様において好ましい装入モル比は、約1:0.9である。ヒドロカルビルジカルボン酸成分とポリアミンとの反応によるイミドの生成は、反応混合物へのモリブデン成分の添加前、添加中又は添加後に起こり得る。
反応混合物(即ち、モリブデン成分、イミド成分、及び上記の任意のステップの反応)を、更に、非限定的に、環式カーボネート(即ち、炭酸エチレン)、アクリル酸及びグリセリンカーボナートを含む後処理剤と反応させる。
添加剤濃縮物
多くの場合、本発明の油溶性添加剤組成物の濃縮物を、キャリアー流体中に形成するのが有利である。これらの添加剤濃縮物により、ハンドリング、輸送、及び完成された潤滑剤を得るための潤滑剤基油への最終的なブレンドに対する便利な方法がもたらされる。一般的に、本発明の油溶性添加剤濃縮物は、単独で、完成された潤滑剤として使用することはできないか、或いは適さない。むしろ、油溶性添加剤濃縮物を、潤滑剤基油ストックとブレンドして、完成された潤滑剤として提供する。キャリアー流体によって、本発明の油溶性添加剤を容易に可溶化させ、潤滑剤基油ストック中に容易に溶ける油添加剤濃縮物を提供することが望ましい。更に、キャリアー流体により、例えば、高揮発性、高粘度、及び異種原子等の不純物を含むいかなる有害な特性も、潤滑剤基油ストック、ひいては、最終的に完成された潤滑剤に持ち込まれないことが望ましい。したがって、本発明は、不活性キャリアー流体、及び、全濃縮物に対して2.0〜90重量%の本発明による油溶性添加剤組成物を含む油溶性添加剤濃縮物組成物を更に提供する。不活性キャリアー流体は潤滑油であってもよい。
これらの濃縮物は、通常、約2.0〜約90重量%、好ましくは10〜50重量%の本発明の油溶性添加剤組成物を含有しており、更に、当技術分野において知られ、そして、以下に記載される1種以上の他の添加剤を含有してもよい。濃縮物の残部は、実質的に不活性なキャリアー流体である。
潤滑油組成物
本発明の一実施態様では、本発明の油溶性添加剤組成物を、潤滑粘度の基油と混合して、潤滑油組成物を形成することができる。潤滑油組成物は、多量の潤滑粘度の基油、及び少量の本発明の上記油溶性添加剤組成物を含む。
本発明において使用可能な潤滑油には、ナフテン系基油、パラフィン系基油及び混合基油等の多種多様な炭化水素油、並びにエステル等の合成油が含まれる。更に、本発明において使用可能な潤滑油には、動植物由来の油等のバイオマス由来の油が含まれる。潤滑油は、個別的に又は組合せて使用することができ、一般的に、40℃において、7〜3,300cSt、及び通常、20〜2000cStの粘度を有する。このように、基油は、精製パラフィンタイプ基油、精製ナフテン系基油、又は潤滑粘度の合成炭化水素油若しくは非炭化水素油であり得る。更に、基油は、鉱油と合成油との混合物であり得る。 本発明において基油として使用される鉱油には、例えば、潤滑油組成物において通常使用されるパラフィン系、ナフテン系及び他の油が含まれる。合成油には、例えば、所望の粘度を有する、炭化水素合成油と合成エステルの両方及びこれらの混合物が含まれる。炭化水素合成油には、例えば、エチレンの重合から調製される油、即ち、ポリαオレフィン(PAO)、又はフィッシャー・トロプシュ(Fisher−Tropsch)法等の一酸化炭素ガス及び水素ガスを使用する炭化水素合成法から調製される油が含まれ得る。有用な合成炭化水素油には、適切な粘度を有するαオレフィンの液体ポリマーが含まれる。同様に、ジドデシルベンゼン等の適切な粘度を有するアルキルベンゼンを使用することができる。有用な合成エステルには、モノカルボン酸及びポリカルボン酸と、モノヒドロキシアルカノール及びポリオールとのエステルが含まれる。典型的な例は、アジピン酸ジドデシル、ペンタエリトリトールテトラカプロアート、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジラウリル等である。モノカルボン酸及びジカルボン酸、並びにモノヒドロキシアルカノール及びジヒドロキシアルカノール、の混合物から調製される複合エステルも使用可能である。鉱油と合成油とのブレンドも有用である。
本発明の油溶性添加剤を含有する潤滑油組成物は、従来技術を用いて、本発明の適量の油溶性添加剤を潤滑油と混合することにより調製することができる。具体的な基油は、潤滑剤の所期の用途及び含有される他の添加剤に応じて選択される。一般的に、本発明の潤滑油組成物中の、本発明の油溶性添加剤の量は、潤滑油組成物の総重量に対して、0.05〜15重量%、好ましくは0.2〜1重量%である。一実施態様において、潤滑油組成物のモリブデン含量は、約50〜5000ppm、好ましくは約90〜1500ppmである。別の実施態様では、潤滑油組成物のモリブデン含量は約500ppm〜700ppmである。
追加的な添加剤
必要に応じて、他の添加剤を、本発明における潤滑油及び潤滑油濃縮組成物に含み得る。これらの添加剤には、抗酸化剤又は酸化防止剤、分散剤、防錆剤、抗腐食剤等が含まれる。更に、消泡剤、安定剤、防汚剤、チャター防止剤(anti−chatter agent)、滴点向上剤、スクォーク剤(anti−squawk agent)、極圧剤、賦香剤等を含むことができる。
以下に、本発明の潤滑油組成物において好ましく使用できる成分の一部を例示する。これらの追加的な添加剤の例示は、本発明を説明するためであって、本発明の限定を意図するものではない。
金属用清浄剤
本発明において使用可能な清浄剤には、アルキル又はアルケニル芳香族スルホネート、カルシウムフェネート、ホウ酸化スルホネート、マルチ−ヒドロキシアルキル又はアルケニル芳香族化合物の硫化又は非硫化金属塩、アルキル又はアルケニルヒドロキシ芳香族スルホネート、硫化若しくは非硫化アルキル又はアルケニルナフテネート、アルカン酸の金属塩、アルキル又はアルケニル多酸の金属塩、並びにこれらの化学的及び物理的混合物が含まれる。
抗摩耗剤
この名称が示すように、これらの薬剤により、可動金属部分の摩耗が低減される。このような薬剤としては、ジチオリン酸亜鉛、カルバメート、エステル、及びモリブデン錯体が例示されるが、これらに限定されない。
防錆剤(抗錆剤)
防錆剤は、通常、腐食を受ける材料の腐食を低減する。防錆剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、及びポリエチレングリコールモノオレエート等の非イオン性ポリオキシエチレン表面活性剤が例示されるが、これらに限定されない。防錆剤として有用な他の化合物には、ステアリン酸及び他の脂肪酸、ジカルボン酸、金属石鹸、脂肪酸アミン塩、重質スルホン酸金属塩、多価アルコールの部分的カルボン酸エステル、及びリン酸エステルが含まれるが、これらに限定されない。
抗乳化剤
抗乳化剤を使用して、エマルションの分離を促進する。抗乳化剤としては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエステルアミド、エトキシル化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアルコール誘導体及びカチオン性又はアニオン性高分子電解質が例示されるが、これらに限定されない。更に、種々のタイプのポリマーの混合物を使用してもよい。
摩擦調整剤
追加的な摩擦調整剤を、本発明の潤滑油に添加してもよい。摩擦調整剤としては、脂肪族アルコール、脂肪酸、アミン、エトキシル化アミン、ホウ酸化エステル、他のエステル、リン酸エステル、亜リン酸エステル及びホスホン酸エステルが例示されるが、これらに限定されない。
多機能性添加剤
更に、抗酸化特性及び抗摩耗特性等の多くの特性を有する添加剤を本発明の潤滑油に添加してもよい。多機能性添加剤としては、硫化オキシモリブデンジチオカルバメート、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオエート、オキシモリブデンモノグリセリド、オキシモリブデンジエチレートアミド、アミン−モリブデン錯体、及び硫黄含有モリブデン錯体が例示されるが、これらに限定されない。
粘度指数向上剤
粘度調整剤としても知られる粘度指数向上剤は、潤滑油の粘度−温度特性を改良する種類の添加剤を含み、その温度変化につれて、油の粘度をより安定にする。粘度指数向上剤には、分散剤粘度指数向上剤等の機能化粘度指数向上剤が含まれ、これらは付加的な利点をもたらす。粘度指数向上剤を本発明の潤滑油組成物に添加してもよい。粘度指数向上剤としては、ポリメタクリラートタイプのポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、ホスホ硫化ポリイソブチレンのアルカリ土類金属塩、水和したスチレン−イソプレンコポリマー、ポリイソブチレン、及び分散剤タイプの粘度指数向上剤が例示されるが、これらに限定されない。
流動点降下剤
流動点降下剤は、潤滑油中のワックスの結晶形成を制御することにより、流動点の低下及び低温流動性能の改良が得られるように設計されるポリマーである。流動点降下剤としては、ポリメチルメタクリレート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレンポリマー、及びアルキル化ポリスチレンが例示されるが、これらに限定されない。
消泡剤
消泡剤を使用して、潤滑油の発泡性を低減する。消泡剤としては、メタクリル酸アルキルポリマー、アルキルアクリレートコポリマー、及びジメチルシロキサンポリマー等の重合性オルガノシロキサンが例示されるが、これらに限定されない。
金属不活性化剤
金属不活性化剤は、金属の表面に膜を作って、金属が油の酸化を引き起こすのを防ぐ。金属不活性化剤としては、ジサリチリデンプロピレンジアミン、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ビス−イミダゾールエーテル、及びメルカプトベンゾイミダゾールが例示されるが、これらに限定されない。
分散剤
分散剤により、スラッジ、炭素、煤煙、酸化生成物、及び他の堆積物の前駆体を拡散させて、これらの凝集を防止することにより、堆積物の形成を低減させ、油の酸化を少なくし、及び粘度の上昇を抑える。分散剤としては、アルケニルスクシンイミド、他の有機化合物で修飾されたアルケニルスクシンイミド、炭酸エチレン又はホウ酸による後処理により修飾されたアルケニルスクシンイミド、ポリアミド無灰分散剤等、又はこのような分散剤の混合物が例示されるが、これらに限定されない。
抗酸化剤
抗酸化剤により、金属表面に、スラッジ及びワニス状堆積物等の酸化生成物が形成するのを防止することにより、鉱油の劣化性を低減する。本発明において有用な抗酸化剤としては、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−5−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−1−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−10−ブチルベンジル)−スルフィド、及びビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)等のフェノールタイプ(フェノール系)酸化防止剤が例示されるが、これらに限定されない。ジフェニルアミン−タイプの酸化防止剤には、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、及びアルキル化−α−ナフチルアミンが含まれるが、これらに限定されない。他のタイプの酸化防止剤には、ジチオカルバミン酸の金属塩(例えば、ジチオカルバミン酸亜鉛)、及びメチレンビス(ジブチルジチオカルバメート)が含まれる。
用途
本明細書に開示された油溶性添加剤組成物を含有する潤滑油組成物は、潤滑油の摩擦特性を改変する流体組成物及びグリース組成物として有効であり、これをクランクケース潤滑剤として使用した場合には、本発明の潤滑油により潤滑された車両の燃費を改良することができる。
本発明の潤滑油組成物は、クロスヘッドディーゼルエンジン等における舶用シリンダー潤滑剤、自動車及び鉄道等におけるクランクケース潤滑剤、製鋼プラント等の重機用の潤滑剤、又は軸受用等のグリースとして使用することができる。潤滑剤が流体であるか又は固体であるかどうかは、通常、増粘剤が存在するかどうかに依存する。典型的な増粘剤には、ポリウレアアセテート、ステアリン酸リチウム等が含まれる。
追加的な用途
本発明の油溶性添加剤組成物は、潤滑油添加剤としての用途に加えて、水素化処理触媒前駆体としての使用が考えられる。本発明の油溶性添加剤組成物は、触媒前駆体として作用することができ、水素及び硫黄又は含硫黄化合物の存在下で、炭化水素との接触により分解され、炭化水素質の原料を水素化処理するための活性触媒を形成し得る。本発明の油溶性添加剤組成物を、水素、炭化水素、及び硫黄又は含硫黄化合物の存在下で、例えば、油が存在する(“on oil”)条件下で、分解温度に加熱して分解し、水素化処理用活性触媒種を形成することができる。
炭化水素の性質は重要ではなく、一般的に、非環式又は環式、飽和又は不飽和、非置換又は不活性に置換された任意の炭化水素化合物を含む。好ましい炭化水素は、常温で液体の炭化水素であり、これらの例示としては、オクタン、トリデカン、エイコサン、ノナコサン等の直鎖飽和非環式炭化水素;2−ヘキセン、1,4−ヘキサジエン等の直鎖不飽和非環式炭化水素;3−メチルペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、2,7,8−トリエチルデカン等の分枝鎖飽和非環式炭化水素;3,4−ジプロピル−1,3−ヘキサジエン−5−イン、5,5−ジメチル−1−ヘキセン等の分枝鎖不飽和非環式炭化水素;シクロヘキサン、1,3−シクロヘキサジエン等の飽和又は不飽和環式炭化水素が挙げられ、クメン、メシチレン、スチレン、トルエン、o−キシレン等の芳香族炭化水素が含まれる。より好ましい炭化水素は、特に、バージンナフサ、分解ナフサ、フィッシャー・トロプッシュナフサ、ライトサイクルオイル、ミディアムサイクルオイル、ヘビーサイクルオイル等として特徴づけられる石油炭化水素の混和物を含み、典型的に、約5〜約30個の炭素原子、好ましくは約5〜約20個の炭素原子を含有し、約30℃〜約450℃、好ましくは約150℃〜約300℃の範囲内で沸騰する、石油から誘導された炭化水素である。水素化処理触媒を形成するための本発明の油溶性添加剤組成物の分解において、本発明の油溶性添加剤組成物を含有する充填層を、水素雰囲気内で、炭化水素及び硫黄又は含硫黄化合物の両方に接触させ、本発明の前記油溶性添加剤組成物を分解する条件で加熱する。
硫黄又は含硫黄化合物は、有機硫黄又はヒドロカルビル硫黄化合物として特徴づけられ、これらは、全分子内に1つ以上の炭素−硫黄結合を含有し、一般的に、非環式又は環式、飽和又は不飽和、置換又は不活性に置換された化合物を含む。この特徴を有する非環式化合物の例としては、硫化エチル、硫化n−ブチル、n−ヘキシルチオール、ジエチルスルホン、アリルイソチオシアナート、ジメチルジスルフィド、エチルメチルスルホン、エチルメチルスルホキシド等があり、当該特徴を有する環式化合物の例としては、メチルチオフェノール、ジメチルチオフェン、4−メルカプト安息香酸、ベンゼンスルホン酸、5−ホルムアミド−ベンゾチアゾール、1−ナフタレンスルホン酸、ジベンジルチオフェン等がある。硫黄は、少なくとも触媒のために必要とされる所望の化学量論を提供するのに十分な量で存在しなければならず、好ましくはこの量を超える量で使用される。適切には、反応のために、炭化水素及び硫黄の両方を、1種又は複数種の複素環式硫黄化合物等の硫黄含有炭化水素化合物を使用することにより供給できる。当該目的に適切な複素環式硫黄化合物としては、チオフェン、ジベンゾチオフェン、テトラフェニルチオフェン、テトラメチルジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、チアントレン、テトラメチルチアントレン等を例示できる。本発明の触媒の生成に必要な水素は、純水素、水素の豊富な気体混和物又はインサイチュ(in situ)で水素を発生する化合物であり、例えば、水との一酸化炭素混合物、又は水素供与性溶媒等の水素発生気体であり得る。
本発明における特定の実施態様を説明するために、以下に例を示すが、本発明の範囲を限定するものを解釈してはならない。
比較例1
メカニカルスターラ、ディーン・スターク・トラップ、還流コンデンサ、加熱マントル、熱電対、温度コントローラ、添加用漏斗及び窒素用注入口を具えた1000mLの5つ口丸底フラスコに、200.09gのオクタデセニルコハク酸無水物(ODSA)及び100gの100中性油を入れた。攪拌された前記混合物に、53.3gのジエチレントリアミン(DETA)を開始温度85℃で、滴下した。この添加中、温度は発熱により100℃に上昇した。この温度を160℃に上げ、水を除去しつつ一晩維持し、119mgKOH/gのTBNを有するスクシンイミド反応生成物を生成させた。このスクシンイミド生成物を同じ反応器内で165℃に加熱し、63.4gの溶融した炭酸エチレン(EC)を添加した。この反応を165℃で一晩維持し、49mgKOH/gのTBNを有するEC処理されたスクシンイミド生成物を生成させた。
130.15gのEC処理スクシンイミド生成物を、メカニカルスターラ、ディーン・スターク・トラップ、還流コンデンサ、加熱マントル、熱電対、温度コントローラ、添加用漏斗及び窒素用注入口を具えた500mLの4つ口丸底フラスコに添加した。このスクシンイミドを65℃でキシレンに溶解し、その後、7.3gの三酸化モリブデン、4.9gの脱イオン水及び1滴の消泡剤を添加した。この反応物を、90℃で3時間攪拌し、その後、キシレン及び水を120℃で減圧除去した。珪藻土によりキシレンをろ過し、溶媒を除去した後、モリブデン含量3%のモリブデン化生成物を得た。
実施例1
メカニカルスターラ、ディーン・スターク・トラップ、還流コンデンサ、加熱マントル、熱電対、温度コントローラ、添加用漏斗及び窒素用注入口を具えた5Lの3つ口丸底反応器フラスコに、504.5gのジエチレントリアミン(DETA)を入れた。このDETAを80℃に加熱し、1901.5gのオクタデシルコハク酸無水物(ODSA)を前記丸底フラスコに添加用漏斗を介して添加した。温度はODSAの添加中、発熱により120℃に上昇し、その後、温度を160〜165℃に上げ、数時間保持して、水を除去した。生成されたスクシンイミドは174mgKOH/gのTBNであった。
このスクシンイミドを、比較例と同じ方法により炭酸エチレン(EC)を用いて処理し、58.4mgKOH/gのTBNを有するEC処理されたスクシンイミド生成物を生成させた。
EC処理スクシンイミドを比較例と同じ方法により三酸化モリブデンを用いて処理し、モリブデン含量4.55%のモリブデン化生成物を生成させた。
改良された反応プロセスにより、より高いTBNを有する中間反応生成物及びモリブデンがより高含量の最終生成物を有利に得た。
実施例2〜5を、実施例1のプロセスに従って調製した。スクシンイミドを、炭酸エチレン又はアクリル酸を用いて後処理した。アクリル酸が後処理剤の場合、後処理温度は約70〜110℃であった。

Claims (20)

  1. (a)モリブデン成分と、
    (b)ヒドロカルビルジカルボン酸成分とポリアミンの反応生成物から誘導されるイミドであって、前記反応生成物が、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にヒドロカルビルジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製され、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対ポリアミンの装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、
    (c)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものと、
    を反応させることを含む方法により調製される油溶性添加剤組成物。
  2. 前記モリブデン成分が、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸金属塩、MoOCl、MoOBr、Mo16、三酸化モリブデン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1記載の油溶性添加剤組成物。
  3. 前記ヒドロカルビルジカルボン酸成分が、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸エステル、又はこれらの混合物である、請求項1記載の油溶性添加剤組成物。
  4. 前記ヒドロカルビルジカルボン酸成分が、アルキル又はアルケニルコハク酸無水物である、請求項3記載の油溶性添加剤組成物。
  5. 前記ポリアミンが、一般式HN(−R−NH)n−H(式中、Rは2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1〜11の整数である)で表されるポリアルキレンポリアミンである、請求項1記載の油溶性添加剤組成物。
  6. 前記ポリアミンが、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ジエチレントリアミン(DETA)、エチレンジアミン(EDA)、又はこれらの混合物である、請求項5記載の油溶性添加剤組成物。
  7. 前記後処理剤が環式カーボナートである、請求項1記載の油溶性添加剤組成物。
  8. (a)潤滑粘度の油と、
    (b)反応生成物であって、(i)モリブデン成分と、(ii)ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミン成分の反応生成物から誘導されるイミドであって、前記イミドが、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製される反応生成物を含み、ヒドロカルビルジカルボン酸成分対ポリアミン成分の装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、(iii)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものとからなる前記反応生成物と、
    を含む潤滑油組成物。
  9. 前記潤滑油組成物の前記モリブデンの含量が、約50ppm〜5000ppmである、請求項8記載の潤滑油組成物。
  10. 前記油溶性添加剤組成物の含量が、0.05〜15重量%である、請求項8記載の潤滑油組成物。
  11. 前記後処理剤が、環式カーボナートである、請求項8記載の油溶性添加剤組成物。
  12. (a)モリブデン成分と、
    (b)ヒドロカルビルジカルボン酸成分及びポリアミンの反応生成物から誘導されるイミドであって、前記反応生成物が、最初にポリアミンを反応容器に装入し、次にジカルボン酸成分を前記反応容器に装入することにより調製され、ジカルボン酸成分対ポリアミンの装入モル比が、約1:1〜約1:0.5であるものと、
    (c)後処理剤で、これによって後処理されたモリブデン化スクシンイミド添加剤組成物を生成するものと、
    を反応させることを含む、油溶性添加剤組成物を調製する方法。
  13. 前記ヒドロカルビルジカルボン酸成分が、ジカルボン酸、ジカルボン酸塩、ジカルボン酸無水物、ジカルボン酸エステル、又はこれらの混合物である、請求項12記載の方法。
  14. 前記ヒドロカルビルジカルボン酸成分が、アルキル又はアルケニルコハク酸無水物である、請求項13記載の方法。
  15. 前記モリブデン成分及び前記イミドの前記反応が、極性促進剤の存在下で行われる、請求項12記載の方法。
  16. 前記極性促進剤が、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ブチルセロソルブ、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、メチルカルビトール、エタノールアミン、水酸化アンモニウム、水酸化アルキルアンモニウム、金属水酸化物、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、メタノール、エチレングリコール、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホラミド、テトラヒドロフラン、水、無機酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項15記載の方法。
  17. 前記モリブデン成分が、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸金属塩、MoOCl、MoOBr、Mo16、三酸化モリブデン、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項12記載の方法。
  18. 前記ポリアミン成分が、一般式HN(−R−NH)n−H(式中、Rは2〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、nは1〜11の整数である)で表されるポリアルキレンポリアミンを含む、請求項12記載の方法。
  19. 前記ポリアミン成分が、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ジエチレントリアミン(DETA)、エチレンジアミン(EDA)、又はこれらの混合物である、請求項18記載の方法。
  20. 前記後処理剤が、環式カーボナートである、請求項19記載の油溶性添加剤組成物。
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