JP2016501751A - 非周期的タイリング文書セキュリティ要素 - Google Patents
非周期的タイリング文書セキュリティ要素 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016501751A JP2016501751A JP2015545712A JP2015545712A JP2016501751A JP 2016501751 A JP2016501751 A JP 2016501751A JP 2015545712 A JP2015545712 A JP 2015545712A JP 2015545712 A JP2015545712 A JP 2015545712A JP 2016501751 A JP2016501751 A JP 2016501751A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tiling
- document
- dimensional
- quasicrystalline
- security element
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B42—BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
- B42D—BOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
- B42D25/00—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
- B42D25/30—Identification or security features, e.g. for preventing forgery
- B42D25/36—Identification or security features, e.g. for preventing forgery comprising special materials
- B42D25/378—Special inks
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41M—PRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
- B41M3/00—Printing processes to produce particular kinds of printed work, e.g. patterns
- B41M3/14—Security printing
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B42—BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
- B42D—BOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
- B42D25/00—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
- B42D25/20—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof characterised by a particular use or purpose
- B42D25/21—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof characterised by a particular use or purpose for multiple purposes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B42—BOOKBINDING; ALBUMS; FILES; SPECIAL PRINTED MATTER
- B42D—BOOKS; BOOK COVERS; LOOSE LEAVES; PRINTED MATTER CHARACTERISED BY IDENTIFICATION OR SECURITY FEATURES; PRINTED MATTER OF SPECIAL FORMAT OR STYLE NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; DEVICES FOR USE THEREWITH AND NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; MOVABLE-STRIP WRITING OR READING APPARATUS
- B42D25/00—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof
- B42D25/20—Information-bearing cards or sheet-like structures characterised by identification or security features; Manufacture thereof characterised by a particular use or purpose
- B42D25/29—Securities; Bank notes
-
- G—PHYSICS
- G06—COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
- G06T—IMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
- G06T11/00—2D [Two Dimensional] image generation
- G06T11/001—Texturing; Colouring; Generation of texture or colour
-
- G—PHYSICS
- G07—CHECKING-DEVICES
- G07D—HANDLING OF COINS OR VALUABLE PAPERS, e.g. TESTING, SORTING BY DENOMINATIONS, COUNTING, DISPENSING, CHANGING OR DEPOSITING
- G07D7/00—Testing specially adapted to determine the identity or genuineness of valuable papers or for segregating those which are unacceptable, e.g. banknotes that are alien to a currency
- G07D7/20—Testing patterns thereon
- G07D7/2016—Testing patterns thereon using feature extraction, e.g. segmentation, edge detection or Hough-transformation
-
- G—PHYSICS
- G07—CHECKING-DEVICES
- G07D—HANDLING OF COINS OR VALUABLE PAPERS, e.g. TESTING, SORTING BY DENOMINATIONS, COUNTING, DISPENSING, CHANGING OR DEPOSITING
- G07D7/00—Testing specially adapted to determine the identity or genuineness of valuable papers or for segregating those which are unacceptable, e.g. banknotes that are alien to a currency
- G07D7/20—Testing patterns thereon
- G07D7/202—Testing patterns thereon using pattern matching
- G07D7/2041—Matching statistical distributions, e.g. of particle sizes orientations
-
- B42D2035/14—
-
- B42D2035/34—
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Business, Economics & Management (AREA)
- Accounting & Taxation (AREA)
- Finance (AREA)
- Credit Cards Or The Like (AREA)
- Printing Methods (AREA)
- Inspection Of Paper Currency And Valuable Securities (AREA)
Abstract
本発明は、認証及び偽造防止手段として2次元非周期的準結晶性タイリングを備えるセキュリティ要素であって、前記タイリングが、前記要素の中又は上で材料又は材料改変の形に具現化される、セキュリティ要素に関する。本発明は、前記セキュリティ要素を含む文書、文書の認証及び偽造防止手段としての前記セキュリティ要素の使用、並びに偽造から文書を保護する方法であって2次元非周期的準結晶性タイリングを材料又は材料改変の形で前記文書に含まれるセキュリティ要素の中又は上に具現化するステップを含む方法にも関する。本発明は、認証形体として2次元非周期的準結晶性タイリングを保持する文書を認証するための方法であって、前記文書又は物品から獲得した画像のフーリエ変換を計算し、前記フーリエ変換の離散部分と、認証形体として働く2次元非周期的準結晶性タイリングの離散フーリエ変換とを比較し、それによって認証表示を誘導するステップを含む方法にも関する。【選択図】図1
Description
[発明の分野]
[001]本発明は、文書セキュリティの分野に関し、文書及び物品の偽造保護のためのセキュリティ要素、並びに前記セキュリティ要素を生成する方法に関する。
[001]本発明は、文書セキュリティの分野に関し、文書及び物品の偽造保護のためのセキュリティ要素、並びに前記セキュリティ要素を生成する方法に関する。
[発明の背景]
[002]銀行券などの有価文書は頻繁に偽造標的となっており、即ち、偽造者は、原本である文書を再現し且つ再現物を流通させようとし、その名目上の価値を得ようとする。身分証明書及び権利付与文書、例えばクレジットカード、アクセスカード又は公共交通機関資格証明書は、頻繁に改竄の対象となり、即ち、正式な所有者から文書を盗んだ偽造者は、文書により与えられる利益を使用する目的で、正式な所有者の個別化情報を偽造者自身のものに置き換えようとする。
[002]銀行券などの有価文書は頻繁に偽造標的となっており、即ち、偽造者は、原本である文書を再現し且つ再現物を流通させようとし、その名目上の価値を得ようとする。身分証明書及び権利付与文書、例えばクレジットカード、アクセスカード又は公共交通機関資格証明書は、頻繁に改竄の対象となり、即ち、正式な所有者から文書を盗んだ偽造者は、文書により与えられる利益を使用する目的で、正式な所有者の個別化情報を偽造者自身のものに置き換えようとする。
[003]有価文書の偽造又は身分証明書及び権利付与文書の改竄を防止する目的で、機密情報を保護すること及び/又は様々なセキュリティ手段をこれら文書に組み込むことが、従来行われてきた。
[004]セキュリティ手段の典型的な例には、セキュリティスレッド又はストライプ、窓、繊維、プランシット、箔、デカール、ホログラム、透かし模様、光学的に可変の顔料、磁気又は磁化性薄膜干渉顔料、干渉被覆粒子、サーモクロミック顔料、フォトクロミック顔料、ルミネセンス、赤外線吸収、紫外線吸収又は磁気化合物を含むセキュリティインクが含まれる。それらのセキュリティ手段に加え、粗い彫刻及び微細な彫刻と様々な彫刻の深さとを組み合わせた、彫刻された版を使用する凹版印刷プロセスが、機密文書、特に銀行券の分野で使用されている。
[005]例えば個別化などの機密情報を含む機密文書は、ルミネセンス、IR吸収又は磁気化合物などの特定のセキュリティ材料を含むインクで機密情報を印刷することによって、保護されてもよい。次いで、機密情報の信憑性を、前記セキュリティ材料の存在に関して文書を検査することにより、チェックすることができる。そのようなチェックは、例えば、ルミネセンス検出器を備えたUVランプ、IRカメラ、又は磁気読取りデバイスなど、対応する認証デバイスを使用した機械で行うこともできる。
[006]それぞれの領域及びそこに含有される機密情報の認証を示すパターン又はしるしを持った機密個別化情報を受け入れることになる、機密文書の部分又は一部を、アンダープリント又はオーバープリントすることも提案されてきた。
[007]例えば、小切手の名義人の名称及び/若しくは署名、並びに/又は支払われる金額を、受け入れることになる銀行小切手の真正領域には、滲むインクのパターンが予めインプリントされている。真正情報を任意のその他の情報により置換しようとする任意の試みでは、擦ることによって又は化学処理によって真正情報を除去し又は削除することが必要であり、前記処理は、アンダープリントされているパターンの破壊、劣化、染み又は滲みを回復できない状態でもたらし、したがって改竄の試みが明らかになる。担当銀行は、それに呼応して詐欺を検出し、小切手は支払われなくなる。
[008]或いは、身分証明書の機密個別化情報は、ルミネセンス化合物などの特定のセキュリティ材料を含むワニスでオーバープリントされていてもよく、又は文書の対応するゾーンは、セキュリティ箔でオーバーラミネートされる。そのような保護文書の機密情報を置換しようとする試みでは、前記ワニス又は前記セキュリティ箔の除去及び再付着を必要とし、その結果、文書に目に見える痕跡が生じ易くなり、したがって目視検査で改竄の試みが明らかになる。しかし、目視検査によって通常は容易に明らかにされるそのような改竄は、機械検査の場合、疑う余地のない真偽結果をもたらすような何等かの表示固定アルゴリズムの助けを借りてチェックすることができるセキュリティ要素が必要であるという単純な理由により、例えば空港の自動チェックインターミナルでのパスポート認証で使用されるようなカメラによる機械検査をすり抜ける可能性がある。現在、この領域が不十分である。
[009]機密文書の改竄の試みを明らかにするのに適したセキュリティ要素、特に機械可読性セキュリティ要素を改善することが、依然として求められている。
[概要]
[010]上述の問題は、個別化機密文書の機密情報の改竄を明らかにし又は認証するためのセキュリティ要素又はデバイス及び方法によって克服できることが、予想外に見出された。
[010]上述の問題は、個別化機密文書の機密情報の改竄を明らかにし又は認証するためのセキュリティ要素又はデバイス及び方法によって克服できることが、予想外に見出された。
[011]認証及び偽造防止手段として2次元非周期的準結晶性タイリングを含むセキュリティ要素が、本明細書に記述され且つ特許請求の範囲に記載されており、前記タイリングは、前記要素の中又は上にある材料又は材料改変の形で具現化される。
[012]文書の認証及び偽造防止手段として本明細書に記述されるセキュリティ要素の使用についても、本明細書に記述され且つ特許請求の範囲に記載されている。
[013]本明細書に記述されるセキュリティ要素を含む文書、特に有価文書又は有価商品についても、本明細書に記述され且つ特許請求の範囲に記載されている。
[014]偽造から文書を保護するための方法であって、前記文書により含まれる前記セキュリティ要素の中又は上にある材料又は材料改変の形で2次元非周期的準結晶性タイリングを具現化するステップを含む、前記方法についても、本明細書に記述され且つ特許請求の範囲に記載されている。
[015]本発明は、下記の図面の助けを借りて説明することができる。
[016]下記の定義は、説明の中で論じられ且つ特許請求の範囲に記載される用語の意味を解釈するために使用される。
[017]本明細書で使用される「a」という冠詞は、1つ並びに複数を示し、その指示対象の名詞を必ずしも単数に限定するものではない。
[018]本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、前記グループの要素の全て又は1つのみのいずれかが存在していてもよいことを意味する。例えば、「A及び/又はB」は、「Aのみ、又はBのみ、又はAとBの両方」を意味するものとする。
[019]本明細書で使用される「約」という用語は、問題となっている量又は値が、指示される値又はその値付近のその他の値であってもよいことを意味する。この文言は、示される値の±5%の範囲内の類似の値が、本発明による均等な結果又は効果を促進させることを伝えるものとする。
[020]本明細書で使用される「2次元タイリング」という表現は、決定されたサイズ及び形状の表面要素の1つ又は複数のタイプの、任意の平面状の表面充填配置を指す。本研究の文脈においては、そのような表面要素をタイルとも呼ぶ。
[021]本明細書で使用される「非周期的タイリング」という表現は、タイリングの平面における少なくとも1つの方向に沿って、タイルの周期的な繰返しのないタイリングを指す。
[022]本明細書で使用される「準結晶性」という用語は、2次元タイリングが、回転対称及び/又は鏡面対称などの内部対称要素を有するが、並進対称が不十分であること、即ち、少なくとも1つの方向に沿って非周期的であることを意味する。準結晶は、D.Shechtmanら、Phys.Rev.Lett.53、1951、(1984)により最初に記述されたように、天然に生ずる。
[023]セキュリティ要素の表面の少なくとも一部の中又は上に実現された、認証及び/又は偽造防止手段として2次元非周期的準結晶性タイリングを含む、セキュリティ要素が、本明細書に記述され、前記タイリングは、前記セキュリティ要素の中又は上に材料又は材料改変の形で具現化される。
[024]一実施形態によれば、タイリングは、前記セキュリティ要素の中又は上の材料の形に具現化され、前記材料は、要素上にインク又はコーティング組成物で作製された層であることが好ましい。
[025]本発明に適しているインク又はコーティング組成物は、結合剤と、UV−、可視−及びIR−吸収材料;UV−、可視−及びIR−ルミネセンス材料;強磁性材料、フェリ磁性材料、並びにこれらの組合せからなる群から選択された1種又は複数種の成分とを含むことが好ましい。前記1種又は複数種の成分は、顔料、色素として、又は任意の成形材料として具現化されてもよい。本明細書に記述される1種又は複数種の成分は、顕在的な又は潜在的な文書セキュリティマーキングプロセスを目的として当技術分野で使用されるセキュリティ成分であることが好ましい。セキュリティ形体は、「潜在的」セキュリティ形体と「顕在的」セキュリティ形体とに分類することができる。潜在的セキュリティ形体により提供された保護は、そのような形体を検出することは難しく、検出のための専用の設備及び知識を典型的には必要とするという概念に依拠し、「顕在的な」セキュリティ形体は、支援なしの人の感覚で容易に検出可能であるという概念に依拠し、例えばそのような形体は、目で見ること及び/又は触覚を介して検出することが可能であり、一方でそれでも生成及び/又はコピーすることが難しい。
[026]本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物は、固体層が形成されるように固められ又は硬化される。当業者に公知であるように、基材に付着されるインク又はコーティング組成物に含まれる成分、及び前記組成物の物理的性質は、組成物を基材の表面に転写するのに使用されるプロセスの性質によって決定される。その結果、本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物に含まれる結合剤は、当技術分野で公知のものから典型的には選択され、組成物の付着に使用されるコーティング又は印刷プロセス及び選択された硬化プロセスに依存する。「硬化(する)」又は「硬化性」という用語は、付着組成物が付着している表面からもはや除去することができないように、付着組成物を固め、乾燥又は凝固させ、反応又は重合させることを含むプロセスを指す。本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物は、オフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、銅版凹版印刷、凸版印刷、ローラーコーティング、インクジェット印刷、及びこれらの組合せからなる群から選択された印刷プロセスによって付着されることが好ましい。
[027]本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物は、放射線硬化性組成物、熱乾燥組成物、又はこれらの任意の組合せからなる群から選択されることが好ましい。熱乾燥組成物は、熱気、赤外線、又は熱気と赤外線との組合せによって乾燥される、任意のタイプの水性組成物又は溶媒をベースにした組成物からなる群から選択される。放射線硬化性組成物は、UV−可視光線(visible light)照射により硬化され得る(以後、UV−Vis硬化性と呼ぶ)又は電子線(E−beam)(以後、EBと呼ぶ)により硬化され得る組成物からなる群から選択される。放射線硬化性組成物は、当技術分野で公知であり、SITA Technology Limitedの協力の下、John Wiley & Sonsにより1997〜1998年に第7巻に刊行されたシリーズ「Chemistry&Technology of UV&EB Formulation for Coatings,Inks&Paints」など、標準的な教科書に見出すことができる。
[028]UV−、可視−及びIR−吸収材料は、UV、可視及びIR−吸収化合物など、電磁スペクトルの特定の波長範囲で特異的な吸収を有する化合物である。電磁スペクトルの赤外線、可視及びUV部分は、それぞれ、700〜2500nm、400〜700nm及び200〜400nmの波長範囲にほぼ該当する。IR吸収化合物は、IR吸収無機化合物、協同効果としてIR吸収を示すIR吸収原子又はイオン又は実体の相当量を含んだガラス、IR吸収有機化合物、及びIR吸収有機金属化合物((1つ又は複数の)陽イオンと(1つ又は複数の)有機配位子)との錯体であって、個別の陽イオン及び/若しくは個別の配位子のいずれか、又はその両方が一緒になって、IR吸収特性を持つ)を含む。IR吸収化合物の典型的な例には、とりわけ、カーボンブラック、キノン−ジインモニウム又はアミニウム塩、ポリメチン(例えば、シアニン、スクアライン、クロコナイン)、フタロシアニン又はナフタロシアニン型(IR吸収π系)、ジチオレン、クアテリレンジイミド、金属(例えば、遷移金属又はランタニド)ホスフェート、六ホウ化ランタン、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物であってナノ粒子形態をとるもの、及びドープされた酸化スズ(IV)(SnO4結晶の協同特性)が含まれる。IR吸収化合物は、リン酸イッテルビウム(YbPO4)、バナジン酸イッテルビウム(YbVO4)、又は酸化物、ガラス若しくは有機化合物を含有する別のイッテルビウム(3+)イオンなどのイッテルビウム化合物も含む。イッテルビウム(3+)イオンが、400〜700nm波長の可視スペクトル範囲で着色特性を持たずに、900〜1000nm波長の比較的狭い吸収帯、即ち公知の有機着色材料のほとんどが吸収しないスペクトル域を示すことは、注目すべきである。これは、印刷された目に見える形体又は文書に存在するその他のセキュリティ要素を干渉することなく、文書、特に有価文書又は有価商品に適用することが可能であるという利点を有するコーティングをもたらす。950nm程度の波長範囲で特異的な照度をもたらす発光ダイオード(LED)が市販されており、一般的なシリコンをベースにした光検出器アレイの感度範囲は、1’100nm波長にまで至る。これは、文書に印刷されたIR吸収形体を選択的に読み取るための技術を提供する。
[029]本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物は、1種又は複数種のUV−、可視−又はIR−ルミネセンス化合物も含んでいてもよい。そのようなルミネセンス化合物は、印刷された文書の視覚認識を妨げないように、可視(400〜700nm)領域で薄いそれ自体の色を有することが好ましい。UV−、可視−及びIR−ルミネセンスルミネセンスは、無機(無機ホスト結晶若しくはガラスであってルミネセンスイオンがドープされたもの)、有機又は有機金属((1つ若しくは複数の)ルミネセンスイオンと(1つ若しくは複数の)有機配位子との錯体)物質であってもよい。ルミネセンス化合物は、それに作用するある特定のタイプのエネルギーを吸収することができ、引き続きこの吸収されたエネルギーを、電磁放射線として少なくとも部分的に放出することができる。ルミネセンス化合物は、ある特定の波長の光に曝露して放出された光を分析することによって、検出される。ダウンコンバージョンルミネセンス化合物は、より高い周波数(より短い波長)の電磁放射線を吸収し、それをより低い周波数(より長い波長)で少なくとも部分的に再放出する。アップコンバージョンルミネセンス化合物は、より低い周波数で電磁放射線を吸収し、その一部をより高い周波数で少なくとも部分的に再放出する。ルミネセンス材料の発光は、原子又は分子の励起状態から生ずる。そのような励起状態の放射減衰は、材料に依存し且つ10−9秒から様々な時間にまで及ぶ、特徴的減衰時間を有する。蛍光及びリン光化合物は共に、機械可読性形体の実現に適している。リン光化合物の場合、減衰特性の測定を実施してもよく、機械可読性形体として使用されてもよい。顔料形態のルミネセンス化合物は、インクで広く使用されてきた(米国特許第6565770号、国際公開第2008/033059(A2)号、及び国際公開第2008/092522(A1)号参照)。ルミネセンス材料は、印刷された文書の視覚認識を妨げないように、可視(400〜700nm)ドメインで薄いそれ自体の色を有することが好ましい。ルミネセンス化合物の例には、限定するものではないが蛍光増白剤、フルオレセイン、ローダミン、又はペリレン部分を含有する分子など(この態様に関しては、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第03/101755号参照)、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Tb3+、Gd3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+などのルミネセンス希土類活性剤イオンと適切な有機配位子との錯体、ZnO、ZnS、Al2O3、YPO4、YVO4、Y2O2S、Y3Al5O12などの顔料形態のホスト結晶材料であって、Cu+、Ag+、Cr3+、Ti3+などの遷移元素イオン及び/又はPr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Tb3+、Gd3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+などの希土類元素イオンから選択された1種又は複数種の活性剤イオンがドープされたもの、希土類酸硫化物、及び希土類金属錯体であって国際公開第2009/005733(A2)号又は米国特許第7108742号に記載されているものなどが含まれる。無機化合物材料の例には、限定するものではないがLa2O2S:Eu、ZnSiO4:Mn、及びYVO4:Ndが含まれる。対応する読取りデバイスは、ルミネセンス放出を励起するための光源と、ルミネセンス放出による放射線に感受性のある読取りユニットとを有する。読取りユニットは、2次元焦点面カメラ(シリコンCMOS又はCCD)又は1次元線走査カメラを含んでいてもよいことが好ましい。
[030]強磁性又はフェリ磁性材料は、限定するものではないが軟磁性顔料(1000A/m以下の保磁度)及び硬磁性顔料(1000A/m超の保磁度)を含む。
[031]本明細書に記述される1種又は複数種の化合物は、機械可読性物質であることが好ましい。本明細書で使用される「機械可読性物質」という用語は、裸眼では認知できない少なくとも1つの特徴的性質を示し、且つインク又は組成物に混合することができ又は含めることができることにより特定の設備の使用によって前記インク/組成物を含む前記インク/組成物を区別し又は認証する方法を与えるようにする、物質を指す。
[032]本明細書に記述されるインク又はコーティング組成物は、限定するものではないが干渉粒子、特に光学的に可変の顔料、導電性化合物、タガント及び/又はフォレンジックマーカー、組成物の物理的、流動学的及び化学的パラメータ、例えば粘度(例えば、溶媒及び界面活性剤)、コンシステンシー(例えば、沈降防止剤、充填剤及び可塑剤)、起泡特性(例えば、消泡剤)、潤滑特性(ワックス)、UV安定性(光増感剤及び光安定化剤)、及び接着特性などを調節するのに使用される化合物及び材料を含めた1種又は複数種の添加剤をさらに含んでいてもよい。本明細書に記述される添加剤は、当技術分野の公知の量及び形で、粒子の寸法の少なくとも1つが1〜1000nmの範囲にあるいわゆるナノ材料の形も含めて、本明細書に開示される光学的に可変の組成物中に存在してもよい。
[033]本発明に適したインク又はコーティング組成物は、UV−、可視−及びIR−吸収材料;UV−、可視−及びIR−ルミネセンスルミネセンス材料;強磁性材料、フェリ磁性材料、並びにこれらの組合せと、任意選択で本明細書に記述される結合剤に合う1種又は複数種の添加剤とからなる群から選択された上述の成分を分散又は混合し、このように液体インクを形成することによって、調製されてもよい。任意選択で、1種又は複数種の光開始剤は、全てのその他の成分の分散又は混合ステップ中に組成物に添加されてもよく、そうでない場合には、後の段階で、即ち液体インクが形成された後に、添加されてもよい。
[034]一実施形態によれば、タイリングは、前記セキュリティ要素の中又は上に材料改変の形で具現化される。本明細書に記述される、前記セキュリティ要素の中又は上での材料改変は、材料特性の任意の局所変化であってもよく、厚さの変化、透明度の変化、レーザーマーキング、レーザー穿孔、及びこれらの組合せからなる群から選択されることが好ましい。
[035]本発明は、文書の認証及び偽造防止手段として、本明細書に記述されるセキュリティ要素の使用をさらに提供する。
[036]本発明は、本明細書に記述されるセキュリティ要素を含む文書をさらに提供する。本発明による文書はセキュリティ文書であることが好ましい。セキュリティ文書は、限定するものではないが有価文書及び有価商品を含む。有価文書の典型的な例には、限定するものではないが銀行券、証書、チケット、小切手、引換券、収入印紙及びタックスラベル、並びに契約書など、身分証明書、例えばパスポート、IDカード、ビザ、運転免許証、銀行カード、クレジットカード、取引カード、アクセス文書又はカード、入場券及び公共交通機関のチケット、又は資格証明書などが含まれる。「有価商品」という用語は、包装材料、特に医薬品、化粧品、電子機器又は食品産業用のものであって、例えば真正な薬物などの包装の内容物を保証するために偽造及び/又は不法な再生を防止できるものを指す。これらの包装材料の例には、限定するものではないが、認証ブランドラベル、改竄防止ラベル及びシールなどのラベルが含まれる。本発明による文書は個別化され又は使用者が特定されることが好ましく、即ち、本発明による文書は、機密又は個別化情報を含み、銀行券、身分証明書、運転免許証、クレジットカード、アクセスカード、公共交通機関資格証明書及び銀行小切手からなる群から選択されることが好ましい。
[037]機密又は個別化情報は、例えば、写真、指紋又は署名などの生体及び/又はその他の身元情報;特定の車両を運転し又は特定の建物に入るためのライセンスなどの授けられた権利、公共交通機関資格証明書の有効期限などの有効期日又は期間、通貨の金種などの金額、小切手の受取人などの証書の名義人であってもよい。
[038]本明細書に記述される2次元非周期的準結晶性タイリングは、文書により含まれるセキュリティ要素の中又は上に存在し、前記機密個別化情報を保持する1つ又は複数の場所に又はその場所の上に存在することが好ましい。或いは、前記機密個別化情報は調整されてもよく、即ち、2次元非周期的準結晶性タイリングパターンにより局所的に変化させてもよい。本発明の文脈において、「調整(する)」という用語は、より詳細には、2次元非周期的準結晶性タイリング情報が前記個別化情報に組み込まれ、そこで修正された個別化情報がセキュリティ文書に適用されることを意味する。
[039]一実施形態によれば、本明細書に記述される2次元非周期的準結晶性タイリングを含むセキュリティ要素は、基材生成(例えば、製紙プロセス)の終わりに基層として又は文書のインプリント開始時に背景として、文書に印刷される。付着された、好ましくは印刷された基層の存在は、正しいものとして文書の基材を認証するのに有用である。文書に付着される、好ましくは印刷される基層として、本明細書に記述される2次元非周期的準結晶性タイリングは、名義人及び金額が記入される領域など、小切手の使用者情報領域の改竄防止のために作用してもよい。それらの領域での感知性情報の除去は、タイリングの部分的な又は全体的な損失として表され、したがって改竄が明らかになる。
[040]一実施形態によれば、本明細書に記述される2次元非周期的準結晶性タイリングを含むセキュリティ要素は、特に個別化情報を含有する文書の領域を保護するために、オーバープリントされた機密形体として文書に付着され、好ましくは印刷される。例えば、そのような機密オーバープリントは、保護ワニスの前に銀行券にスクリーン印刷プロセスによって付着させることができ、機械的な損傷又は汚れとは無関係に、真正な銀行券であることの高速機械特定に特に有用である。機密オーバープリントは、パスポート、IDカード又は個人の公共交通機関資格証明書など、文書の個別化情報に付着させることもできる。そのようなオーバープリントは、インクジェット印刷法によって行われることが好ましい。同様の方法で、記入された小切手は、発行元を認証する特定のタイリングパターンを有するインクジェットオーバープリントによって、保護されてもよい。さらに同様の方法で、任意のタイプの印刷された秘密情報は、そのようなタイリングパターンを有するインクジェットオーバープリントにより保護されてもよい。或いは、セキュリティ要素は、例えばセキュリティスレッド、セキュリティストライプ、箔、デカール、窓又はラベルなどの補助基材に生成されてもよく、その結果、個別のステップで、有価文書又は有価商品に転写されてもよい。
[041]本発明は、偽造から文書、好ましくは本明細書に記述されるようなセキュリティ文書を保護するための方法であって、したがって、前記文書により含まれる前記セキュリティ要素の中又は上に、材料又は材料改変の形で2次元非周期的準結晶性タイリングを具現化するステップを含む方法をさらに提供する。
[042]2次元非周期的準結晶性タイリングを含む前記セキュリティ要素は、オフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、銅版凹版印刷、凸版印刷、ローラーコーティング、インクジェット印刷、及びこれらの組合せからなる群から選択された印刷プロセスを用いて文書に付着されることが好ましい。印刷プロセスに応じて、前記2次元非周期的準結晶性タイリングのプリプレス形態を、最初に作製すべきである。そのようなプリプレス形態は、例えば、彫刻印刷技術用の印刷版(凹版、グラビアなど)、平版(オフセット)印刷技術用の印刷版、凸版印刷技術用の印刷版、又はスクリーン印刷技術用の印刷スクリーンであってもよい。
[043]本明細書に記述される準結晶性タイリングは、離散フーリエ変換を有する。数学的に、準結晶性構造は、より高次元の空間(超空間)における規則的な並進対称周期格子の、前記より高次元の空間に埋め込まれたより低次元の空間(部分空間)における非整合配向スラブへの投影と説明することができる。本発明の文脈において、2次元非周期的準結晶性タイリングは、3次元又はより高次元の空間における規則的な並進対称周期格子の、非整合配向平面への投影によって得られる。
[044]超空間における非整合配向平面は、その基底ベクトル系が超空間の基底ベクトル系に対して有理関係を持たない平面である。
[045]図4のPenroseタイリングなどの2次元非周期的準結晶性タイリングは、高度に審美的なパターンであるという点とは別に、機密文書の機械認証に有用になるというさらに興味深い性質を有し、a)特定の離散2次元フーリエ変換を有し;b)少なくとも平面の1つの軸に沿って並進対称を持たないことは、注目すべきである。
[046]2次元非周期的準結晶性タイリングは、既に論じたように、1つ又は複数の無制限の回転対称及び/又は他の鏡面対称を有していてもよい。
[047]離散2次元フーリエ変換は、本発明の文脈において、フーリエ変換が、平面のある特定の規則的に配置された点にのみ存在し且つその他の場所ではゼロであることを意味する。実際に、離散フーリエ変換は、ある特定の点の近傍では明らかなゼロ以外の値を有し、その他の場所ではほぼゼロである。
[048]準結晶性タイリングの非周期性にも関わらず、空間内の特定の規則的に配置された場所にのみ存在し且つその他の場所ではゼロである特定の離散フーリエ変換の存在は、前記タイリングを保持する文書に対して機械認証能力を与えるのに使用することができる。前記フーリエ変換は、画像処理手段を通して文書の画像から容易に計算することができ、したがって離散フーリエ変換をもたらさない文書のその他の部分とは容易に区別される。文書は、このように、その離散フーリエ変換と真正文書の離散フーリエ変換とを比較することによって機械認証することができる。
[049]本発明は、認証形体として2次元非周期的準結晶性タイリングを保持する文書を認証するための方法であって、前記文書又は物品から獲得された画像のフーリエ変換を計算し、前記フーリエ変換の離散部分を、認証形体として働く2次元非周期的準結晶性タイリングの離散フーリエ変換と比較し、これによって認証表示を誘導するステップを含む方法をさらに提供する。
[050]文書の受取人における、そのような印刷された2次元非周期的準結晶性タイリングの認証は、したがって、前記文書の画像を獲得するための、スキャナ又は対応する照明手段を有する電子カメラと、画像のフーリエ変換を計算し且つその離散部分を認証標本の場合と比較することが可能な特定の画像処理装置とを必要とする。前記画像処理装置は、典型的には、市販されているテキスト処理設備におけるコンピュータプログラムとして実装される。比較結果を認証表示として使用する。
[051]本明細書に記述される2次元非周期的準結晶性タイリングは、2次元よりも高次元の超空間における規則的な結晶格子を、超空間における前記結晶格子に対して非整合的な投影平面(2次元部分空間)に投影することによって生成することができる。非整合は、投影平面の方程式を、超空間における前記規則的な結晶格子の基底ベクトルの整数で表すことができないことを意味する。
[052]次いでそのように得られた1次タイリングは、その対称を考慮して、タイルを細分することによって、タイルを結合することによって、並びにタイルへの装飾の付加を行うこと、例えば図柄やしるしの挿入又はタイルの特異的着色を行うことによって、さらに修正されてもよい。
[053]そのタイリングが投影である、より高次元の規則的な結晶格子の存在は、タイリングの離散フーリエ変換の存在に相関する。
[054]2次元タイリングは、コンピュータプログラムを使用して発生させることができ、即ち投影することができる。適切な高次元空間(超空間)における適切な結晶格子と、前記結晶格子に対して非整合的な適切な投影平面とを選択することにより、投影されたタイリングは、極めて複雑且つ不規則であり得るが、離散フーリエ変換を依然として有する。
[055]特に、n次元空間における規則的な結晶格子は、それぞれがn個の成分を有するn個の基底ベクトルによって定義され;基底ベクトルは、一般に、異なる長さを有していてもよく、必ずしも互いに直交しなくともよい。
[056]n次元空間における立方結晶格子の特定の場合は、互いに相互に直交する同じ固有の長さのn個の基底ベクトルによって特徴付けられる。
[057]n次元空間の基本平面は、式P=P0+u×P1+v×P2によって定義される。ベクトルP、P0、P1、及びP2は、一般にn個の成分を有し;P0は起点であり、P1及びP2は、平面Pの正規直交基底を形成する。スカラー座標u及びvは、平面P内の点を定義する。
[058]前記2次元非周期的準結晶性タイリングを含む機密文書上の場所は、さらに、画像相関アルゴリズムの助けを借りて機械探索し表示することができる。文書の画像は、この目的のため、当業者に公知のフーリエ変換法を介して2次元タイリングの認証サンプルに相関させる。得られた相関シグナルは、タイリングが有効に存在する画像上の場所で強い。これは、改竄が生じた可能性のある文書上のゾーンを検出するのに特に有用である。
[059]2次元非周期的準結晶性タイリングに並進対称が存在しないことは、タイリングの容易な複製を防止する巧妙な手段である。事実、前記タイリングでオーバープリントされた機密情報の改竄の結果、タイリングの消失部分は、タイリングの隣接する無傷のままの部分を並進させることによって簡単に置換することができず;対照的に、消失タイリングは、元の多次元の規則的な結晶格子から、前記結晶格子に対して非整合的な元の投影平面に投影することによって、正確に再構成できるだけである。
[060]本開示は、簡略化のために、2次元よりも高い次元の立方格子の2次元投影で単に例示するが、長さが異なるn個の基底ベクトルであって前記基底ベクトル間の相互角度が任意の値であるn個の基底ベクトルを有するn次元超空間における非立方格子への一般化は、当業者に明白であり、対応する実施形態も本開示の一部である。
[061]文書の最大限の保護を確実にするために、元の規則的な結晶格子は、非常に高次元の空間で定義されることが好ましく、低い内部対称を有することが好ましい。超空間における非立方格子は、本研究による文書セキュリティの適用例で好ましい選択肢である。そのような実施形態は、極めて複雑であるが依然として離散フーリエ変換を有する2次元タイリングパターンをもたらす可能性がある。
[062]下記では、本発明について、非限定的な実施例及び図面の助けを借りてさらに記述する。2次元非周期的準結晶性タイリングは、より高次元の規則的な結晶格子(超格子)を、前記より高次元の結晶格子の基底ベクトルに対して非整合的な投影平面(物理的空間)に投影することによって得てもよい。非整合は、投影平面の方程式が、結晶格子の基底ベクトルの整数で表すことができないことを意味する。
[063]超格子投影は、N.G.deBruijn、「Algebraic theory of Penrose’s nonperiodic tilings of the plane,I,II」、Nederl.Akad.Wetensch.Indag.Math.43(1981)39〜52、53〜66により与えられた理論、並びにMarjorie Senechal’s book、「Quasicrystals and geometry」、Cambridge UP 1995を基にする。以下に示されるタイリングは、Eugenio Durand’s、「QuasiTiler」program、The Geometry Center、University of Minnesota、1994を使用して得られ;これはM.Senechal’s bookにも記載されており、the GNU General Public Licenseの名称の下で流通している。
[064]図1を参照すると、超格子投影の原理が、選択された部分空間として1次元ライン(z)に投影された、基底ベクトル(u,v)の単位格子(C)を有する2次元正方超格子(G)の例で説明されている。これは、ライン(z)に平行なストリップ(S)及び1つの単位格子に含まれる太く記された格子点を、大きいと考えるのに十分であり;全てのその他の格子点は、ストリップ(S)における格子点に対して格子並進対称であることによって関係付けられる。格子ストリップ(S)に含まれる各格子点は、ライン(z)に投影される。
[065]正方超格子(G)の単位格子(C)は、ライン(z)上への投影により、長い(a)及び短い(b)投影距離をもたらし、以後、これらをそれぞれ「a」セグメント及び「b」セグメントと呼ぶが、これらは一緒に、部分空間として示されるライン(z)上に得られた線形タイリングを画定する。図1により明らかにされるように、ライン(z)上への投影距離(a)及び(b)の変更は、格子(G)に関するライン(z)の傾斜に応じたシーケンスを形成する。距離(a,b)のシーケンスは、ライン(z)の傾斜が格子(G)の基底ベクトル(u,v)の整数比である場合に周期的であり;さもなければ、ライン(z)が格子(G)の基底ベクトルに対して非整合的である場合は、距離(a,b)のシーケンスが非周期的である。しかし、距離(a,b)の、得られる線形タイリングは、規則的な結晶格子(G)の投影であるので常に離散フーリエ変換を有する。
[066]ライン(z)上の距離(a,b)の完全な線形タイリングは、部分空間を表すライン(z)に沿った、正方超格子(G)の単位格子(C)の中心の単純変位によって得られる。平方超格子(G)の完全な頂点、即ち2つの隣接する格子点が、変位した単位格子(C)内に包含されるたびに、ライン(z)上への前記頂点の投影が得られる。
[067]2つのケースが生じる可能性がある:1)正方超格子(G)の基底ベクトルuに沿った頂点が、変位した単位格子(C1)内に包含され、次いで単位格子の中心が、半奇整数u座標(図1中、2.5)にあり、それに対してそのv座標はフリーであり、「a」セグメント投影が得られ;又は2)正方超格子(G)の基底ベクトルvに沿った頂点が、変位した単位格子(C2)内に包含され、次いで単位格子の中心が半奇整数v座標(図1中、1.5)にあり、それに対してそのu座標はフリーであり、「b」セグメント投影が得られる。
[068]したがって、選択された部分空間としてライン(z)に沿った超格子の基底ベクトルそれぞれの、全ての半奇整数値での超格子の単位格子ワイドストリップのスキャン処理は、ライン(z)の完全タイリングを得るための方策である。実際に、スキャン処理は、部分空間を表すライン(z)の超空間方程式から、半奇整数u座標に対応するv座標の全ての値を計算し、「a」セグメントを投影することによって、また半奇整数v座標に対応するu座標の全ての値を計算し、「b」セグメントに投影することによって行われる。
[069]「a」又は「b」セグメントの投影は、セグメントを画定する2つの格子点を投影することによって行われ;ライン上への格子点の投影は、ラインの起点を考慮して、格子点を画定するベクトルとラインを画定するベクトルとの間のスカラー積を求めることになる。
[070]そのように特定されたセグメントが不断の「階段」を形成するなら、「階段」の全ての「キンク」、即ちストリップ(S)内で頂点を形成することが明らかな全ての格子点を、ライン(z)上に投影することによって、ライン(z)上の隣接するタイリングが得られる。前記投影は、当業者に公知であるように、格子点と、超空間内で(z)に沿った単位ベクトルとの間のスカラー積(内積)を形成することによって得られる。
[071]部分空間としてのライン(z=P0+u×P1)上への3次元立方超格子の投影は、一般的な場合、3つの投影距離(a,b,c)の周期的又は非周期的シーケンスによって、ライン(z)の対応するタイリングをもたらす。「階段」は、この場合、部分空間として作用するライン(z)に沿った、立方超格子を経た3次元経路である。
[072]しかしここで、3次元階段を画定する点は、もはやストリップに閉じ込められず、むしろ、ライン(z)を画定する単位ベクトル(P1)に沿ってライン(z)上に中心を置く1つの単位格子を平行シフトすることから得られた、ライン(z)の周りの3次元「円筒」に閉じ込められることに留意されたい。前記「円筒」内に格子点を最初に見出すことにより、且つ前記「円筒」内の全ての隣接格子点を接続することにより、3次元階段が得られる。
[073]図1に概略的に示される原理は、部分空間として平面(P)上により高次元の空間(超空間)から格子を投影するケースに一般化することができ、その結果、平面(P)のタイリングが得られる。次に、平面(P)を画定する単位ベクトル(P1,P2)に沿って平面(P)上に中心を置く1つの単位格子を平行シフトすることから得られた、「超円筒」内に位置付けられたような超格子の点を最初に探す。次いで、前記「超円筒」内にあるような隣接する格子点の正方形を探す。前記「超円筒」内の4つの隣接する格子点により形成された全ての正方形を、平面(P)上に投影することにより、平面(P)の非周期的タイリングが得られる。
[074]数学的詳細において、n次元超空間での非整合平面P=P0+u×P1+v×P2上への、前記超空間での格子の投影として、非周期的タイリングを得るための方法は:
a)平面(P)上に中心を置く単位格子の全ての角の前記平面(P)から、最大直交距離(MND:maximal normal distance)として「超円筒」の半径を決定するステップ;
b)前記「超円筒」内に置付けられた全ての格子点、即ち最大直交距離(MND)未満である平面(P)までの直交距離(ND:normal distance)を有し且つ前記平面(P)上の決定エリア内に包含される投影(u,v)を有する全ての格子点を探し出すステップ;
c)ステップb)で探し出された点の中に存在する、4つの隣接する格子点の全ての正方形を、前記平面(P)上に投影するステップ
を含み、
平面P上へのn次元超格子点Hの投影(u,v)は、n次元スカラー積u=(H−P0)×P1;v=(H−P0)×P2の評価を経て得られ;平面(P)までの点Hの直交距離(ND)は、n次元空間におけるピタゴラスの式:ND2=(H−P0)×(H−P0)−u2−v2を通して得られる。
a)平面(P)上に中心を置く単位格子の全ての角の前記平面(P)から、最大直交距離(MND:maximal normal distance)として「超円筒」の半径を決定するステップ;
b)前記「超円筒」内に置付けられた全ての格子点、即ち最大直交距離(MND)未満である平面(P)までの直交距離(ND:normal distance)を有し且つ前記平面(P)上の決定エリア内に包含される投影(u,v)を有する全ての格子点を探し出すステップ;
c)ステップb)で探し出された点の中に存在する、4つの隣接する格子点の全ての正方形を、前記平面(P)上に投影するステップ
を含み、
平面P上へのn次元超格子点Hの投影(u,v)は、n次元スカラー積u=(H−P0)×P1;v=(H−P0)×P2の評価を経て得られ;平面(P)までの点Hの直交距離(ND)は、n次元空間におけるピタゴラスの式:ND2=(H−P0)×(H−P0)−u2−v2を通して得られる。
[075]異なる長さのn個の基底ベクトルであって前記基底ベクトル間の相互角度が任意の値である、n個の基底ベクトルを有するn次元超空間での好ましい非立方格子の場合、格子の単位格子は、平行四辺形によって境界が定められる。そのような場合、前記平行四辺形は、当業者に公知のように、超空間内の非立方格子の特定の測定基準を考慮に入れて、平面(P)上に投影される。
[076]タイリング内の正方形又は平行四辺形の種々の投影の数は、選択された超空間の次元に依存する。事実、得られた正方形の投影の種々のシリーズの数は、可能なスキャン処理方向に対応し、組合せ公式n×(n−1)/2によって与えられる(式中、nは、超空間内の格子の次元である)。
[077]図2aは、立方格子の体対角線(1,1,1)に直交する平面上に投影された、3次元立方格子を示す。ベクトルz1及びz2によって画定された、選択された平面は、立方格子の基底ベクトル(u,v,w)に整合しており、例えばz1=u−v;z2=u−wであるので、規則的な周期的タイリングが得られる。
[078]図2bは、非整合平面上に投影された同じ3次元立方格子を示す。立方基本格子の3つの正方形の面が、異なる投影角の下に見られ、得られた「階段」は非周期的である。
[079]図2a及び2bでは、上記にて概説した理論に従い、3次元超空間内の3つの可能なスキャン処理方向に対応した正方形の投影の3つの異なるシリーズ:
(u=半奇整数;v=半奇整数;w)
(u=半奇整数;v;w=半奇整数)
(u;v=半奇整数;w=半奇整数)
が得られる。
(u=半奇整数;v=半奇整数;w)
(u=半奇整数;v;w=半奇整数)
(u;v=半奇整数;w=半奇整数)
が得られる。
[080]図3は、平面上への、4次元立方超格子の特定の投影を示す。得られたタイリングは非周期的であり、「Amman−Beenkerタイリング」として公知である。特定の投影がなされると、タイリングは単に2つのタイプのタイル、即ち2つの異なる向きにある正方形と4つの異なる向きにある菱形とからなり、全体として6つの異なる投影を構成する。
[081]4次元座標(u,v,w,x)のスキャン処理は、この場合は6つの異なるシリーズをもたらし、これは正方形の前記6つの異なる投影に対応するものである(OHIは、半奇整数(odd−half−integer)を表す):
(u=OHI;v=OHI;w;x)
(u=OHI;v;w=OHI;x)
(u=OHI;v;w;x=OHI)
(u;v=OHI;w=OHI;x)
(u;v=OHI;w;x=OHI)
(u;v;w=OHI;x=OHI)
(u=OHI;v=OHI;w;x)
(u=OHI;v;w=OHI;x)
(u=OHI;v;w;x=OHI)
(u;v=OHI;w=OHI;x)
(u;v=OHI;w;x=OHI)
(u;v;w=OHI;x=OHI)
[082]図4は、超立方の5倍回転軸の体対角線(1,1,1,1,1)に直交する平面上への5次元立方超格子の投影を示す。得られたタイリングは非周期的であり、「Penroseタイリング」として公知である。ある特定のタイルは、タイリングの5倍対称を示すために黒で記されている。
[083]タイリングは単に、「Penrose Rhombs」として公知である2つのタイプのタイル、「カイト」(K)及び「ダイヤモンド」(D)からなり、それぞれは5つの異なる向きにあり、一緒になって、平面上への5次元超立方単位格子の正方形の10個の異なる投影を構成する。
[084]5次元座標(u,v,w,x,y)のスキャン処理は、実際に、この場合は10個の異なるシリーズをもたらし、これらは正方形の前記10個の異なる投影に対応する(OHIは、半奇整数を表す):
(u=OHI;v=OHI;w;x;y)
(u=OHI;v;w=OHI;x;y)
(u=OHI;v;w;x=OHI;y)
(u=OHI;v;w;x;y=OHI)
(u;v=OHI;w=OHI;x;y)
(u;v=OHI;w;x=OHI;y)
(u;v=OHI;w;x;y=OHI)
(u;v;w=OHI;x=OHI;y)
(u;v;w=OHI;x;y=OHI)
(u;v;w;x=OHI;y=OHI)
(u=OHI;v=OHI;w;x;y)
(u=OHI;v;w=OHI;x;y)
(u=OHI;v;w;x=OHI;y)
(u=OHI;v;w;x;y=OHI)
(u;v=OHI;w=OHI;x;y)
(u;v=OHI;w;x=OHI;y)
(u;v=OHI;w;x;y=OHI)
(u;v;w=OHI;x=OHI;y)
(u;v;w=OHI;x;y=OHI)
(u;v;w;x=OHI;y=OHI)
[085]次いで任意のそのように得られた1次タイリングは、その対称性を考慮して、例えばそれらが属する投影シリーズに応じて、タイルを細分することによって、タイルを結合することによって、並びにタイルへの装飾の付加を行うこと、例えば図柄やしるしの挿入又はタイルの着色を行うことによって、さらに修正されてもよい。
[086]図6aは、Johannes Keplerにより彼の1619年の研究であるHarmonices Mundiで最初に公開された、Keplerタイリングを示す。Keplerタイリングは、図6bに示されるKepler−Penroseタイリングと同様に、タイルを修正し、結合し、細分することによってPenroseタイリングから得ることができる。図6cは、「カイト」及び「ダイラモンド」Penroseタイリングを持つRoger Penroseにより提案された元のタイリング(黒線)の均等物を示し、均等物は、元のタイリングからそのタイルを細分し組立て直すことによって得ることができる。そのようなタイルの細分、タイルの結合、並びにタイリングのタイルに装飾の付加を行うこと、例えば図柄やしるしなどの挿入は、それが与える審美的外観とは別に、ここで保護される文書に対して追加レベルのセキュリティを与えるのに使用することができる。
[087]図7は、タイルの着色を示す。平面上への6次元超立方格子の投影によって得られたこのタイリングでは、それぞれ投影された正方形が、それが属する投影シリーズに応じて着色される。タイリングのタイルのそのような着色は、それが与える審美的外観とは別に、ここで保護される文書に対して追加レベルのセキュリティを与えるのに使用することができる。
[088]図8は、高次元空間からの格子の投影によって、平面上に、タイリングで得ることが可能な、極端な複雑さを示す。平面上への9次元超立方格子の投影によって得られたこのタイリングでは、正方形の36個の異なる投影が含まれる。タイリングのそのような複雑さは、それが与える審美的外観とは別に、ここで保護される文書に対して追加レベルのセキュリティを与えるのに使用することができる。
[089]図5は、10倍回転対称に従い配置構成された、平面内でのその離散点を示す、Penroseタイリングのスペクトル密度(強度)フーリエ変換を示す。
[090]フーリエ変換は、問題となっている文書での擬似結晶性タイリングの存在及び場所を機械で自動的に認識するために、本発明により使用されてもよい。tが平面の擬似結晶性タイリングであり、qが前記タイリングtを含む文書である場合;r=FT−1(T×Q)は、Penroseタイリングが文書のどこに存在するかを示す相関マップであり、式中、
FTはフーリエ変換を意味し;Ft−1 フーリエ変換の逆数;
T=FT(−t)は、負のtのフーリエ変換であり;
Q=FT(q)はqのフーリエ変換であり;且つ
−t、即ち負のtは、tの負のポイントミラーを意味し;但し
量T、Q及びRは、複素2次元アレイであり、T×Qは、複素積であり;
量t、q及びrは、実数2次元アレイである。
FTはフーリエ変換を意味し;Ft−1 フーリエ変換の逆数;
T=FT(−t)は、負のtのフーリエ変換であり;
Q=FT(q)はqのフーリエ変換であり;且つ
−t、即ち負のtは、tの負のポイントミラーを意味し;但し
量T、Q及びRは、複素2次元アレイであり、T×Qは、複素積であり;
量t、q及びrは、実数2次元アレイである。
[091]qの自己相関マップuは、u=FT−1(FT(q)×FT(−q))として相応に得られ、式中、−qは負のqであり、負のポイントミラーを意味する。
[092]機械可読性非周期的タイリングを持つ機密文書を保護するために、このタイリングは、例えば、隠されたルミネセンスの性質を持つ材料を含む隠顕インクを用いた、タイリングの形でオーバープリントすることができる。図9aは、凹版印刷の終了後及び銀行券の表面にワニスを塗る前の、目に見えないIR−ルミネセンスPenroseタイリングがオーバープリントされた銀行券を概略的に示す。凹版インプリントを保持する銀行券の紙には、下記の配合のUV硬化性スクリーン印刷インクを使用して、Penroseタイリングがスクリーンオーバープリントされている:
[093]UV硬化後、最終の保護ワニスを銀行券に付着させ、硬化させる。
[094]YVO4:Ndのベースに対するIRルミネセンスは、短波UV(300nm)又は500nm〜600nmのスペクトル範囲の可視光で励起可能であり、880nm及び1060nmの波長でIR光を放出する。放出波長は、シリコン光検出器の感度範囲にあり、したがってシリコンCCD又はCMOSカメラでの検出に適している。図9b)は、可視光による前記IR−ルミネセンスの励起下での、前記Penroseタイリングの記録されたルミネセンス応答を示し;図10は、図9に示した銀行券のIR−ルミネセンスPenroseタイリングのフーリエ変換を示す。
[095]図11は、2つの感知性情報領域に非周期的Ammann−Beenkerタイリングがオーバープリントされている銀行小切手を概略的に示す。
[096]非周期的タイリングは、その他の文書セキュリティ手段を使用して具現化されてもよい。文書セキュリティ手段は、本開示の文脈において、透かし模様の適用、UV/Vis/IR光吸収化合物又は粒子、UV/Vis/IRルミネセンス化合物又は粒子、磁気粒子など、機密文書の作成に使用される任意の機械可読性材料をベースにした又は材料が実装された形体を含むものとする。
Claims (14)
- 認証及び偽造防止手段として2次元非周期的準結晶性タイリングを備えるセキュリティ要素であって、前記タイリングが、前記要素の中又は上で材料又は材料改変の形に具現化される、セキュリティ要素。
- 文書の中又は上での前記材料改変が、厚さの変化、透明度の変化、レーザーマーキング、レーザー穿孔、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のセキュリティ要素。
- 前記文書の中又は上の前記材料が、結合剤と、UV−、可視−及びIR−吸収材料;UV−、可視−及びIR−ルミネセンスルミネセンス材料;強磁性材料、フェリ磁性材料、並びにこれらの組合せからなる群から選択された1種又は複数種の成分とを含む、インク又はコーティング組成物で作製された層である、請求項1に記載のセキュリティ要素。
- 文書に関する認証及び偽造防止手段としての、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセキュリティ要素の使用。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のセキュリティ要素を含む文書。
- 前記文書が、銀行券、身分証明書、運転免許証、クレジットカード、アクセスカード、公共交通機関資格証明書及び銀行小切手からなる群から選択された有価文書であり、又は前記文書が有価商品である、請求項5に記載の文書。
- 前記2次元非周期的準結晶性タイリングが、機密又は個別化情報を保持する1つ又は複数の場所に又は前記場所の上に存在する、請求項5又は6に記載の文書。
- 前記機密又は個別化情報が、生体及び/又はその他の身元情報、授けられた権利、有効期日又は期間、金額、証書の名義人、及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項7に記載の文書。
- 前記機密個別化情報が、前記2次元非周期的準結晶性タイリングにより調整される、請求項7又は8に記載の文書。
- 偽造から文書を保護するための方法であって、
2次元非周期的準結晶性タイリングを、前記文書に含まれるセキュリティ要素の中又は上の材料又は材料改変の形で具現化するステップを含む方法。 - 前記2次元非周期的準結晶性タイリングが、オフセット印刷、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、銅版凹版印刷、凸版印刷、ローラーコーティング、インクジェット印刷、及びこれらの組合せからなる群から選択された印刷プロセスによって前記セキュリティ要素に付着される、請求項10に記載の方法。
- 前記2次元非周期的準結晶性タイリングが、厚さの変化、透明度の変化、レーザーマーキング、レーザー穿孔、及びこれらの組合せからなる群から選択された材料改変として前記セキュリティ要素の中又は上に具現化される、請求項10に記載の方法。
- 前記タイリングのプリプレス形態を作製するステップをさらに含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 認証形体として2次元非周期的準結晶性タイリングを保持する文書を認証するための方法であって、
前記文書又は物品から獲得した画像のフーリエ変換を計算し、前記フーリエ変換の離散部分と、認証形体として働く2次元非周期的準結晶性タイリングの離散フーリエ変換とを比較し、それによって認証表示を誘導するステップを含む方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP12196020.7 | 2012-12-07 | ||
EP12196020 | 2012-12-07 | ||
PCT/EP2013/072148 WO2014086531A1 (en) | 2012-12-07 | 2013-10-23 | Non-periodic tiling document security element |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016501751A true JP2016501751A (ja) | 2016-01-21 |
Family
ID=47290803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015545712A Withdrawn JP2016501751A (ja) | 2012-12-07 | 2013-10-23 | 非周期的タイリング文書セキュリティ要素 |
Country Status (12)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20150302677A1 (ja) |
EP (1) | EP2928697B1 (ja) |
JP (1) | JP2016501751A (ja) |
KR (1) | KR20150093779A (ja) |
CN (1) | CN104837639A (ja) |
AU (1) | AU2013354454A1 (ja) |
BR (1) | BR112015008388A2 (ja) |
CA (1) | CA2886457A1 (ja) |
HK (1) | HK1209697A1 (ja) |
IN (1) | IN2015DN02610A (ja) |
RU (1) | RU2015127024A (ja) |
WO (1) | WO2014086531A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102014011296A1 (de) * | 2014-07-30 | 2016-02-04 | Giesecke & Devrient Gmbh | Optisch variables Sicherheitselement |
CN109727362B (zh) * | 2018-11-15 | 2022-03-08 | 恒银金融科技股份有限公司 | 基于离散傅里叶变换的钞票磁信号识别方法 |
CN112819924B (zh) * | 2021-01-27 | 2024-05-14 | 武汉悦学帮网络技术有限公司 | 一种图片编辑的方法、装置、电子设备和存储介质 |
US11842471B2 (en) * | 2021-06-09 | 2023-12-12 | Mayachitra, Inc. | Rational polynomial coefficient based metadata verification |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6819775B2 (en) * | 1996-07-05 | 2004-11-16 | ECOLE POLYTECHNIQUE FéDéRALE DE LAUSANNE | Authentication of documents and valuable articles by using moire intensity profiles |
US6565770B1 (en) | 2000-11-17 | 2003-05-20 | Flex Products, Inc. | Color-shifting pigments and foils with luminescent coatings |
JP4156221B2 (ja) * | 2001-10-11 | 2008-09-24 | 大日本印刷株式会社 | 光学構造体 |
US7108742B2 (en) | 2002-02-26 | 2006-09-19 | Ciba Specialty Chemicals Corporation | Ink compositions containing lanthanide complexes |
GB0212638D0 (en) | 2002-05-31 | 2002-07-10 | Ucb Sa | Authentication means |
EP1403333A1 (en) * | 2002-09-24 | 2004-03-31 | Sicpa Holding S.A. | Method and ink sets for marking and authenticating articles |
US20050179955A1 (en) * | 2004-02-18 | 2005-08-18 | Shovgenyuk Mikhail V. | Graphic element for protecting banknotes, securities and documents and method for producing said graphic element |
GB0615919D0 (en) * | 2006-08-10 | 2006-09-20 | Rue De Int Ltd | Photonic crystal security device |
GB0615921D0 (en) * | 2006-08-10 | 2006-09-20 | Rue De Int Ltd | Photonic crystal security device |
RU2323955C1 (ru) | 2006-09-15 | 2008-05-10 | Андриевский Александр Михайлович | Водостойкий люминесцентный пигмент и люминесцентная печатная краска на его основе |
DE102007005646A1 (de) | 2007-01-31 | 2008-08-07 | Henkel Ag & Co. Kgaa | Färbemittel, enthaltend durch sichtbares Licht anregbare Lumineszenzpigmente |
US9834660B2 (en) | 2007-06-28 | 2017-12-05 | Honeywell International Inc. | Rare earth metal complexes that excite in the long UV wavelength range |
GB0720550D0 (en) * | 2007-10-19 | 2007-11-28 | Rue De Int Ltd | Photonic crystal security device multiple optical effects |
-
2013
- 2013-10-23 EP EP13779883.1A patent/EP2928697B1/en active Active
- 2013-10-23 CN CN201380062769.XA patent/CN104837639A/zh active Pending
- 2013-10-23 WO PCT/EP2013/072148 patent/WO2014086531A1/en active Application Filing
- 2013-10-23 KR KR1020157018119A patent/KR20150093779A/ko not_active Application Discontinuation
- 2013-10-23 US US14/650,167 patent/US20150302677A1/en not_active Abandoned
- 2013-10-23 JP JP2015545712A patent/JP2016501751A/ja not_active Withdrawn
- 2013-10-23 CA CA2886457A patent/CA2886457A1/en not_active Abandoned
- 2013-10-23 RU RU2015127024A patent/RU2015127024A/ru not_active Application Discontinuation
- 2013-10-23 BR BR112015008388A patent/BR112015008388A2/pt not_active IP Right Cessation
- 2013-10-23 AU AU2013354454A patent/AU2013354454A1/en not_active Abandoned
-
2015
- 2015-03-30 IN IN2610DEN2015 patent/IN2015DN02610A/en unknown
- 2015-10-20 HK HK15110312.3A patent/HK1209697A1/xx unknown
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
BR112015008388A2 (pt) | 2017-10-03 |
WO2014086531A1 (en) | 2014-06-12 |
EP2928697B1 (en) | 2018-12-05 |
RU2015127024A (ru) | 2017-01-12 |
KR20150093779A (ko) | 2015-08-18 |
IN2015DN02610A (ja) | 2015-09-18 |
CA2886457A1 (en) | 2014-06-12 |
EP2928697A1 (en) | 2015-10-14 |
US20150302677A1 (en) | 2015-10-22 |
AU2013354454A1 (en) | 2015-04-16 |
HK1209697A1 (en) | 2016-04-08 |
CN104837639A (zh) | 2015-08-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6209755B2 (ja) | 触知可能なセキュリティ機能の印刷方法 | |
EP2373485B1 (en) | Fluorescence notch coding and authentication | |
US6138913A (en) | Security document and method using invisible coded markings | |
KR102325796B1 (ko) | 광학 가변성 자성 은선 및 보안 줄무늬 | |
EP2805288B1 (en) | Multi wavelength excitation/emission authentication and detection scheme | |
US20050052519A1 (en) | Valuable document and security mark using a marking substance | |
CN104797351B (zh) | 不可逆磁感应的图像或图案 | |
AU2014261711B2 (en) | Security elements exhibiting a dynamic visual motion | |
EP0988150A2 (en) | Security document and method using invisible coded markings | |
KR20160002943A (ko) | 보안 스레드 또는 스트라이프의 제조 방법 | |
JP2016501751A (ja) | 非周期的タイリング文書セキュリティ要素 | |
US20070138295A1 (en) | Method for authenticating an item | |
RU2769394C1 (ru) | Система защитных чернил | |
RU2527757C2 (ru) | Защитный элемент с машиносчитываемым кодом |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20160502 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20161024 |