[0003]薄膜電池(TFB)は、マイクロエネルギー応用領域で優位を占めるものと予想されてきた。TFBは、優れたフォームファクタ、サイクル寿命、電力性能及び安全性などの、従来の電池技術を凌ぐいくつかの長所を示すことが知られている。図1は、代表的な薄膜電池(TFB)の断面図を示し、図2は、パターニングされたTFB層の対応する平面図と共にTFB製造のフロー図を示す。図1は、代表的な水平TFBデバイス構造100を示し、アノード集電体103とカソード集電体102が基板101上に形成され、その後、カソード104、電解質105及びアノード106が形成される。デバイスは、カソード、電解質及びアノードが逆の順番で製造されうる。更に、カソード集電体(CCC)とアノード集電体(ACC)は、別々に堆積されうる。例えば、CCCはカソードの前に堆積され、ACCは電解質の後に堆積されうる。デバイスは、環境的に敏感な層を酸化剤から保護するための封入層107によって覆われうる。例えば、N.J.Dudney,Materials Science and Engineering B 1 16,(2005)245−249を参照のこと。図1に示されたTFBデバイスにおいて、構成要素の層は、一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。
[0004]けれども、TFBの費用効果のある大量生産(HVM)を可能にするために、なお克服される必要のある課題が存在する。最も重大には、デバイス層の物理的気相堆積(PVD)の間に用いられる現在の最先端のTFBデバイスパターニング技術、すなわちシャドーマスクの代替案が必要とされる。HVMにおいてシャドーマスクプロセスを用いることに関連する著しい複雑性と費用が存在する。(1)特に大面積基板用のマスクを扱い、正確に位置合わせし、洗浄するための設備に、かなりの資本投資が必要とされる。(2)シャドーマスクのエッジや限られた位置合わせ精度の下で堆積を適合させなければならないことによる基板面積の不十分な利用が存在する。(3)熱膨張に起因する位置合わせの問題を回避するために、PVDプロセスに制約(低電力と低温度)が存在する。
[0005]HVMプロセスにおいて、シャドーマスク(従来そして現在の最先端のTFB製造技術にとって至る所にある)の使用は、製造におけるより高度な複雑性とより高い費用の原因となるであろう。複雑性と費用は、非常に精密なマスクの製造の必要性とマスクの位置合わせと再生のための(自動化された)管理システムに起因する。そのような費用と複雑性は、シリコン系集積回路産業において用いられる周知のフォトリソグラフィプロセスから推測することができる。加えて、費用は、マスクを保守整備する必要性ならびに追加の位置合わせステップによるスループットの制限に起因する。スループットの改善や規模の経済(すなわち、HVM)のためにより大面積の基板へと製造がスケーリングされるにつれて、適合はますます困難かつ高価になる。更に、シャドーマスクの限られた入手可能性と性能のために、(大面積基板への)スケーリング自体が制限されうる。
[0006]シャドーマスキングの使用の別の影響は、所与の基板面積の使用率の低下であり、これは、非最適な電池密度(電荷、エネルギー及び電力)をもたらす。これは、シャドーマスクは、スパッタされた種がマスクの下に堆積するのを完全には制限することができないので、主要な層の間の電気的絶縁を維持するために連続する層の間でのある最小の非オーバーラップの必要条件をもたらすからである。加えて、マスク製造の誤差や位置合わせツールの位置合わせ精度に起因する固有の位置合わせ限界が存在する。この位置合わせ誤差は、基板とマスクの間の熱膨張不整合、並びに堆積中の熱条件のばらつきによって更に悪化する。この最小の非オーバーラップの必要条件の結果は、カソード面積の損失であり、それによるTFBの能力、エネルギー及び電力容量の全体的損失である(他が何もかも同じである場合)。
[0007]シャドーマスクの更なる影響は、追加的な熱起因の位置合わせの問題を回避しなければならないことによる、プロセススループットの制限である。マスクの熱膨張は、マスクの歪みや、基板に対して位置合わせされた位置からのマスクエッジの移動をもたらす。従って、PVDスループットは、プロセス許容値を超えてマスクを加熱することを回避するため低い堆積速度で堆積ツールを作動させるため、望まれるよりも低い。
[0008]更に、物理的な(シャドー)マスクを用いるプロセスは、通常、微粒子の汚染を受け、これは最終的に歩留まりに影響を与える。
[0009]従って、単純化された、HVMとより両立するTFBプロセス技術を可能にすることにより、TFBのHVMの費用を著しく減少させることができる発想と方法に対する要求が残っている。
[0010]アノードとカソードが、それぞれ一番上の膜側と一番下の基板から出て電気的に接続される新規の垂直薄膜電池が、本明細書中に記載される。この垂直TFB構造は、基板の使用率や歩留まりを増加させるばかりでなく、TFB製造プロセスを単純化する。本明細書でカソードという用語は、還元反応が起こる電極を記載するために用いられ、他方、アノードは酸化反応が起こる電極を記載するために用いられる、すなわち、どの方向に電気化学反応が起こっているかに依存して、一つの電極が、同時ではないが、カソードとしてもアノードとしても機能する、ということに留意されたい。例えば、一つの方向ではLiCoO2層はカソードであり、もう一つの方向ではアノードである。
[0011]本発明は、歩留まり、スループット、パターン精度を改善し、ダイ密度を増加させるために、垂直TFB構造、TFB層のブランケット堆積及びブランケット層のエクスシトゥレーザパターニングを利用する。新規の垂直TFB構造は、基板の使用率や歩留まりを増加させるばかりでなく、TFB製造プロセスを単純化しうる。ブランケット層堆積は、シャドーマスクに対する必要を除去し、このことは、特に大面積基板用のマスクを製造し洗浄する高い費用を取り除くばかりでなく、潜在的な熱膨張起因の位置合わせ問題や、追加の磁石とRF PVDプロセスとの間の相互作用によって引き起こされるPVDプロセスに対するいかなる制約をも取り除く。全ての活性層が、真空を破壊することなく(カソードアニーリングが堆積後に必要である場合を除いて)、単一の基板上に連続的にブランケット堆積されるという発想は、明らかに、膜堆積スループットを増加させ、レーザアブレーションのステップや課題を減少させる。周囲曝露の減少はまた、曝露時の周囲の酸化体との有害反応を最小化することによりデバイス性能を改善しうる。吸湿性LiPONは、その後のLi堆積ステップでLiと反応する可能性がある、周囲のH2Oを吸着/と反応することがあり、これは、望ましくない界面層と、セルインピーダンスの追加の原因を作り出す。TFBの垂直TFB構造、ブランケット堆積及びエクスシトゥレーザパターニングは、パターン精度、歩留まり及び基板/材料の使用法を改善し、TFBの製造費用を現在の費用よりかなり低下させる大きな潜在力を有する。
[0012]本発明の幾つかの実施形態によれば、薄膜電池を製造する方法は、以下を含みうる:カソード集電体層、カソード層(必要に応じて層をアニールする)、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含む、ブランケット層の第一のスタックを導電性基板上に堆積させること;第一のスタックをレーザダイパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックを形成すること(第二のスタックの各々が、個々のTFBのコアを形成する);一つ又は複数の第二のスタックを覆う封入層をブランケット堆積すること;封入層をレーザパターニングし、一つ又は複数の個々のスタックの各々の上にACCへのコンタクト領域を開けること;封入層のブランケット堆積とその後のACCパターニングが、透過遮断の必要条件のために適切と思われるように、繰り返されうる;封入層とACCのコンタクト領域を覆う金属パッド層をブランケット堆積すること;及び、金属パッド層をレーザパターニングし、一つ又は複数のTFBの各々のACCを電気的に分離すること。このステップは、個々のTFBを得るためのレーザダイシングによって達成されうる。
[0013]本発明の幾つかの他の実施形態によれば、薄膜電池を製造する方法は、以下を含みうる:(必要に応じて)ダイパターニング補助層、カソード集電体層、カソード層(必要に応じて層をアニールする)、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含む、ブランケット層の第一のスタックを非導電性基板上に堆積させること;第一のスタックをレーザダイパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックを形成すること(第二のスタックの各々が、個々のTFBのコアを形成する);一つ又は複数の第二のスタックを覆う封入層をブランケット堆積すること;封入層をレーザパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックの各々の上にACCへのアノードコンタクト領域を開けること;封入層とACCのアノードコンタクト領域を覆う金属パッド層をブランケット堆積すること;金属パッド層をレーザパターニングし、一つ又は複数のTFBの各々のACCを電気的に分離すること;及び、一つ又は複数の薄膜電池の各々についてカソード集電体の上に基板を通ってカソードコンタクト領域を開けること。
[0014]更に、本発明は、上記方法を実行するためのツールを記載する。
[0015]本発明の更なる実施形態によれば、薄膜電池は、非導電性基板の上面の上の層のスタックであって、カソード集電体層、カソード層、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含むスタックと、アノード層への電気的コンタクトを作るためのアノード集電体層への少なくとも一つの開口を除いて層のスタックを完全に覆っている封入層と、封入層の中の少なくとも一つの開口でアノード集電体層へのコンタクトを作る金属パッド層とを含んでよく、基板は、カソード層への電気的コンタクトを作るためのカソード集電体への開口を有する。
[0016]本発明のこれら及び他の態様及び特徴は、添付の図と併せて本発明の具体的な実施形態に関する以下の記載を読めば、当業者に明らかとなるであろう。
[0027]本発明の実施形態が、図面を参照して詳細に説明されるであろう。これらの図面は、当業者が本発明を実施できるように本発明の例示として提供される。本明細書で提供される図面は、単にデバイスやデバイスプロセスフローの表示であり、一定の縮尺で描かれていない。特に、以下の図及び例は、本発明の範囲を単一の実施形態に限定するものではなく、記載された又は図示された要素の一部又は全ての交換により、他の実施形態が可能である。さらに、本発明のある要素が、既知の構成要素を使用して部分的または完全に実施できる場合、そのような既知の構成要素のうち、本発明の理解に必要な部分のみが記載され、そのような既知の構成要素の他の部分に関する詳細な記載は、本発明を不明瞭にしないようにして、省略される。本明細書では、単数の構成要素を示す実施形態は、限定的と見なされるべきではない。むしろ本発明は、本明細書に別段の明示がない限り、複数の同じ構成要素を含む他の実施形態を包含することが意図されており、逆も同様である。さらに、出願人は、明示しない限り、本明細書または特許請求の範囲内のいかなる用語も、一般的でない又は特殊な意味を有するとされることを意図しない。さらに、本発明は、本明細書において例示として参照される既知の構成要素に対する現在既知の均等物および将来知られることとなる均等物を包含する。
[0028]従来のTFB製造では、全ての層が、裏面磁石、カプトン(登録商標)テープ又はスタックを一緒に保持しておくための何らかの取り付け具によってデバイス基板に固定されるインシトゥ(その場)シャドーマスクを用いてパターニングされる。更に、(図1のTFBなどの)従来のTFBのアノード集電体とカソード集電体は、通常、デバイスの同じ側で外部と接続される。本発明の実施形態によれば、垂直TFBセル構造が提案され、アノードとカソードが、それぞれ上部膜側と底部基板から外部と電気的に接続される。垂直TFB構成は、従来のTFB構成を上回って基板の使用率と歩留まりを大いに増加させる。本発明では、インシトゥ(その場)でパターニングされる堆積の代わりに、いかなるシャドーマスクもないブランケット堆積が、ボンディングパッド層や保護コーティング層を含む、TFB製造における全ての層について提案される。フローは、ボンディング、封入及び/又は保護コーティングのためのプロセスを組み入れてもよい。ブランケット層のパターニングは、レーザアブレーションプロセスによってもよい。
[0029]垂直TFBの全ての活性層(カソード集電体、カソード、電解質、アノード及びアノード集電体)が、おそらく真空を破壊することなく、連続してブランケット堆積されうる。これは、膜堆積のスループットを著しく増加させる。
[0030]3つのレーザステップのみが、TFBプロセス全体にとって必要である。第一のレーザステップは、TFBダイを分離/画定することであり、低レーザフルエンスで裏側からでありうる。第二のレーザステップは、封入/Li保護層をアブレーションし、ACC上のボンディングパッド堆積のための領域を開けることである。最後のレーザステップは、裏側からフォトレジスト及び/又は基板をアブレーションすることである。
[0031]本発明の幾つかの実施形態によれば、薄膜電池を製造する方法は、以下を含みうる:カソード集電体層、カソード層(必要に応じて層をアニールする)、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含む、ブランケット層の第一のスタックを導電性基板上に堆積させること;第一のスタックをレーザダイパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックを形成すること(第二のスタックの各々が、個々のTFBのコアを形成する);一つ又は複数の第二のスタックを覆う封入層をブランケット堆積すること;封入層をレーザパターニングし、一つ又は複数の個々のスタックの各々の上にACCへのコンタクト領域を開けること;封入層のブランケット堆積とその後のACCパターニングが、透過遮断の必要条件のために適切と思われるように、繰り返されうる;封入層とACCのコンタクト領域を覆う金属パッド層をブランケット堆積すること;及び、金属パッド層をレーザパターニングし、一つ又は複数のTFBの各々のACCを電気的に分離すること。このステップは、個々のTFBを得るためのレーザダイシングによって達成されうる。
[0032]より詳細には、図3A〜図3Fの例に示されるように、プロセスは、ステンレス鋼基板などの導電性基板301を準備することから開始する。図3Aにおいて、以下の層のブランケット堆積が、基板上に示される:CCC302、カソード303、電解質304、アノード305及びACC306。各々の層について用いられる材料の例は、CCCについてPtプラス接着層(Tiなど)又はTi/Au;カソードについてLiCoO2;電解質についてLiPON;アノードについてLi又はSi;及びACCについてTi/Au又はCuである。カソードは、カソード層堆積後にアニールされうる。例えば、カソードは、結晶構造になるように600℃以上で2時間以上アニールされうる。非Liアノードセルについて必要ならば乾式リチウム化が、これらのステップの最中に行われうる。(例えば、酸化バナジウムカソード層を例とする。対電極すなわちアノードがLiでない場合、電荷キャリアが、「システム」に追加される必要があろう。これは、いわゆる乾式リチウム化プロセスを用いて行うことができる。本プロセスは、カソード層を堆積し、必要ならアニールすること、及びカソード上にLiを堆積させること、を含む。シャドーマスクプロセスがカソードのために用いられる場合、同じシャドーマスクを用いることができる。堆積されたリチウムは、カソード層と反応/インターカレートし、リチウム化カソード層を形成する。アノード側が、SnとSiなどの、他のインターカレーション化合物又は複合物/反応ベースの材料である場合、アノード側について、同じ一般的な手順に従うことができる。図3Bにおいて、レーザダイパターニングが、一つ又は複数の個々のデバイスを形成するために用いられることができる(図は一つのデバイスのみを示すが、複数のデバイスが単一の基板上に形成されうる)。レーザダイパターニングは、表側のレーザ照射により達成されてもよいし、又は裏側のレーザ照射により達成されてもよい。図3Cにおいて、封入層307が、ブランケット堆積される。封入層は、例えば、ブランケット誘電体又はポリマー堆積又はそれらの組合せでありうる。図3Dにおいて、表側レーザパターニングが、封入層を除去し、ACCのコンタクト領域を開けるために、用いられることができる。図3Cと図3Dのステップは、透過バリアの必要条件を満たすために繰り返されうる。図3Eにおいて、コンタクトパッド層308が、ブランケット堆積され、パッド層は、外部回路への最終の接続のためのAl又はCuなどの金属でありうる。図3Fにおいて、パッドは、ダイシングアレイからレーザアブレーションされるが、封入層は、より良い電気的絶縁のために基板上に残されうる。レーザダイシングが、その後、個々のデバイスを得るために用いられることができる。更に、必要ならば、より多くの保護層(有機物、誘電体又は金属)が、堆積され、パターニングされうる。
[0033]本発明の幾つかの他の実施形態によれば、薄膜電池を製造する方法は、以下を含みうる:(必要に応じて)ダイパターニング補助層、カソード集電体層、カソード層(必要に応じて層をアニールする)、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含む、ブランケット層の第一のスタックを非導電性基板上に堆積させること;第一のスタックをレーザダイパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックを形成すること(第二のスタックの各々が、個々のTFBのコアを形成する);一つ又は複数の第二のスタックを覆う封入層をブランケット堆積すること;封入層をレーザパターニングし、一つ又は複数の第二のスタックの各々の上にACCへのアノードコンタクト領域を開けること;封入層とACCのアノードコンタクト領域を覆う金属パッド層をブランケット堆積すること;金属パッド層をレーザパターニングし、一つ又は複数のTFBの各々のACCを電気的に分離すること;及び、一つ又は複数の薄膜電池の各々についてカソード集電体の上に基板を通ってカソードコンタクト領域を開けること。
[0034]より詳細には、図4A〜図4Gの例に示されるように、プロセスは、Si3N4/ケイ素、マイカ又はガラスなどの非導電性基板401を準備することから開始する。(Si基板が用いられる場合、「非導電性」にするために、スタック堆積の前に誘電体を基板上に堆積させることができ、図4Gに示されるステップの後に、更なるレーザアブレーションステップが、底部コンタクトを開けるために必要とされるであろうということに留意されたい。)図4Aにおいて、以下の層のブランケット堆積が、基板上に示される:ダイパターニング補助層402、CCC403、カソード404、電解質405、アノード406及びACC407。各々の層について用いられる材料の例は、ダイパターニング補助層について、アモルファスシリコン(a−Si)層又は微結晶シリコン(μc−Si)層;CCCについてPtプラス接着層(Tiなど)又はTi/Au;カソードについてLiCoO2;電解質についてLiPON;アノードについてLi又はSi;及びACCについてTi/Au又はCuである。カソードは、カソード層堆積後にアニールされうる。非Liアノードセルについて必要ならば、乾式リチウム化が、これらのステップの最中に行われることができる。図4Bにおいて、レーザダイパターニングが、一つ又は複数の個々のデバイスを形成するために用いられることができる(図は一つのデバイスのみを示すが、複数のデバイスが単一の基板上に形成されうる)。レーザダイパターニングは、表側のレーザ照射により達成されてもよいし、又は裏側のレーザ照射により達成されてもよい。図4Cにおいて、封入層408が、ブランケット堆積される。封入層は、ブランケット誘電体又はポリマー堆積又はそれらの組合せ、例えばSiN/ポリマー/SiN/ポリマーでありうる。図4Dにおいて、表側レーザパターニングが、封入層を除去し、ACCのコンタクト領域を開けるために用いられる。更に、表側又は裏側レーザ照射が、スタックのエッジに隣接する封入層の細長いストリップ(スタックのエッジから、おおよそ封入層の厚さだけ離れている)を除去するために用いられうる。けれども、封入層の残りは、ダイシングプロセスを手伝うためにダイシングアレイの中に残される。細長いストリップの幅は、10ミクロン〜1000ミクロンの範囲でありえ、実施形態において、10ミクロン〜500ミクロンの範囲、別の実施形態において、30ミクロン〜200ミクロンの範囲でありうる。(ダイシングトラック上の残留封入層は、基板材料の切断から生じる欠陥を減らしうるし、位置合わせガイドラインとしても役立ちうることに留意されたい。)スタックのエッジに隣接する封入層を除去する目的は、それに続くパッド金属409の堆積が、追加の透過遮断層として機能するようにするためである。図4Eにおいて、コンタクトパッド層409が、ブランケット堆積され、パッド層は、Al又はCuなどの金属でありうる。(Liアノードを用いている場合など、Liと合金になることが回避されねばならない場合、コンタクトパッド層409は、Cuであることができる。)図4Fにおいて、パッド層と封入層が、ダイシングアレイからレーザアブレーションされる。処理を完成させるために、二つの異なるプロセスフローが、例として提供される。第一は、レーザベースのプロセスであり、第二はエッチングベースのプロセスである。
[0035]第一のプロセスフローにおいて、図4Gに示されるように、基板は、CCCを露出させるために、レーザアブレーションされ、裏側コンタクトが基板を通って作られることを可能にする。 通常、超高速レーザが、CCCを損傷することなく、基板を通ってエッチングするために用いられる。更に、超高速レーザのフルエンスは、レーザ除去プロセスがCCCに近接するとき、1パルス当たり50Å未満の速度で層を除去するように制御されることができ、それゆえCCC材料の除去を最小化することができる。裏側コンタクトは、別の真空堆積で又は導電性スラリ又はペーストを塗布することにより、作ることができる。外部回路へのコンタクトは、ボンディング技術又はハンダ付けで作ることができる。ダイシングは、通常、裏側コンタクトの形成後に行われる。更に、必要ならば、より多くの保護層(有機物、誘電体又は金属)が、堆積され、パターニングされうる。
[0036]第二のプロセスフローでは、図4Fの構造から始まり、デバイスは裏返しにされ、図5Aに示されるように、フォトレジスト410が、基板の裏側にスピンコートされる。図5Bにおいて、フォトレジスト(又は何らかの耐エッチング性ポリマー)410が、レーザアブレーションされ、ビアがCCCまで形成されるべき所で基板を露出する。望まれるならば、より多くの保護層(有機物、誘電体又は金属)が、このプロセスのこの時点で堆積され、パターニングされうる。図5Cにおいて、基板が、エッチングされ、CCCまでビアを形成する。従来のドライ及びウェットエッチングプロセスが、基板を通ってエッチングし、CCCを露出させるために用いられうる。有効であることが予想される、ガラス基板のためのエッチング剤の例は、以下を含む。(1)フッ化水素酸緩衝溶液。このエッチング剤は、SiO2にとって標準であり、6体積のフッ化アンモニウム(NH4F、40%溶液)と1体積のHFから構成される。(2)いわゆるPエッチ(60体積のH2O+3体積のHF+2体積のHNO3);及びTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)。TMAHは、幾つかの金属に対し非常に良いエッチング選択性を提供しうる。有効であることが予想されるSi基板のためのエッチング剤の例は、水酸化カリウム(KOH)であるが、結晶学的エッチング優先性が考慮されなければならない。更に、幾つかのフォトレジスト材料は、KOHの中で持ちこたえられないので、適当な耐エッチング性ポリマーが必要とされる。ポリマー層の除去は、容積エネルギー密度を改善しうるけれども、除去される必要はなく、保護コーティングとして機能することができることに留意されたい。
[0037]上記のダイパターニング補助層の議論に更に付け加えて、より詳細な説明が、以下に提供される。ダイパターニングが基板側からであり、レーザビームが、堆積層に達する前に基板を通過する場合、ダイパターニング補助層、例えばアモルファスシリコン(a−Si)層又は微結晶シリコン(μc−Si)層が、他のスタック層の別の溶融/蒸発なしに、補助層の蒸気圧を用いることにより、間接的にスタック全体のダイパターニング/アブレーションを達成するために用いられうる。これは、材料を除去するために必要とされるレーザエネルギーを大いに減少させ、ダイパターニングの質を改善する。
[0038]レーザ処理及びアブレーションのパターンは、マスクを用いて製造されるものと同一のデバイス構造を有するTFBを形成するように設計されうるが、より正確なエッジ配置は、より高いデバイス密度と他の設計上の改良を提供しうる。TFB製造プロセスにおいてシャドーマスクを用いることは、歩留まりを落とす欠陥の原因である可能性があり、シャドーマスクを除去することは、これらの欠陥を除去しうるので、現行のシャドーマスク製造プロセスを上回る、TFBに関する高い歩留まりとデバイス密度が、本発明のプロセスの幾つかの実施形態について期待される。本発明のプロセスの幾つかの実施形態は、シャドーマスクプロセスよりも良好なパターニング精度を提供し、これは基板上でのより高いTFBデバイス密度を可能にするであろうこともまた、期待される。更に、本発明のいくつかの実施形態は、シャドーマスクの潜在的な熱膨張起因の位置合わせ問題により引き起こされるPVDプロセスに対する制約(シャドーマスク堆積プロセスにおける低電力と低温度への制限)を緩和し、TFB層の堆積速度を増加させることが期待される。
[0039]更に、TFB製造プロセスからシャドーマスクを取り除くことは、マスクアライナ、マスク管理システムやマスク洗浄を除去すること、CoC(消耗品の費用)の削減、及び、シリコン集積回路産業やシリコンディスプレイ産業からの工業上証明されたプロセスの使用を可能にすることによって、新たな製造プロセスの費用を削減しうる。TFBのブランケット層堆積やエクスシトゥレーザパターニングは、パターン精度、歩留まり及び基板/材料の使用法を改善し、TFBの製造費用を十分に低下させうる。
[0040]従来のレーザスクライブ又はレーザ放射技術が、本発明の選択的レーザパターニングプロセスのために用いられうる。レーザの数は、一つ、例えばピコ秒又はフェムト秒パルス幅を有するUV/VISレーザ(レーザのフルエンス/ドーズによって制御される選択性)、であってもよいし、二つ、例えばUV/VISレーザとIRレーザの組合せ(レーザの波長/フルエンス/ドーズによって制御される選択性)、であってもよいし、多数(レーザの波長/フルエンス/ドーズによって制御される選択性)であってもよい。レーザスクライブシステムのスキャン方法は、ステージ移動、ガルバノメータによるビーム移動又はその両方であってよい。レーザスクライブシステムのレーザスポットサイズは、サイズ(直径、対角線又は他の特徴的な長さ)において30ミクロン(主にダイパターニングについて)から1cmまで調節することができる。レーザ放射システムについての基板でのレーザ面積は、1mm2以上でありえ、ビーム内のエネルギー分布は、理想的にはシルクハット形状を有する。更に、他のレーザタイプや構成が、用いられうる。
[0041]カソード側とアノード側の両方で、金属集電体が、往復するリチウムイオンに対する保護バリアとして機能する必要がありうることに留意されたい。加えて、アノード集電体は、周囲雰囲気からの酸化体(H2O、O2、N2等)に対するバリアとして機能する必要がありうる。それゆえ、好ましい材料(複数可)は、両方向でのリチウムとの接触において、すなわち、Liが金属集電体の中に移動し、固溶体を形成すること、及びその逆において、最小の反応又は混和性を有するべきである。加えて、金属集電体のために選択される材料は、これらの酸化体に対して低い反応性と拡散率を有するべきである。公表されている二元状態図に基づくと、第一の必要条件のための幾つかの潜在的な候補は、Ag、Al、Au、Ca、Cu、Co、Sn、Pd,Zn及びPtである。幾つかの材料については、金属層間で反応/拡散がないことを保証するために、熱収支が管理される必要がありうる。単一の金属元素が両方の必要条件を満足できない場合は、合金が考慮されうる。また、単一の層が両方の必要条件を満足できない場合は、二つの(複数の)層が用いられうる。更に、加えて、接着層が、前記の無反応性及び非酸化性の層のうちの一つの層と組合わせて用いられうる。例えば、Au又はPtと組合わせたTi接着層が、用いられうる。集電体は、層(例えば、Cu、Ag、Pd、Pt及びAuなどの金属、金属合金、メタロイド又はカーボンブラック)を形成するための金属ターゲットの(パルス)DCスパッタリングによって堆積されうる。集電体を形成する、接着層等を含む、層のスタックは、通常、500nmまでの厚さでありうる。更に、誘電体層などの、往復するリチウムイオンに対する保護バリアを形成するための他の選択肢がある。
[0042]RFスパッタリングが、ともに絶縁体である(電解質の方がより絶縁性が高い)、カソード層(例えば、LiCoO2)と電解質層(例えば、N2中のLi3PO4)を堆積させるための従来の方法であった。けれども、純粋なDC法のみならず、パルスDCもまた、LiCoO2堆積のために用いられてきた。更に、基板バイアスの適用を含む、他の堆積技術が、用いられうる。更に、例えば、2013年9月26日に公開された米国特許出願公開第2013/0248352号「Multiple Frequency Sputtering for Enhancement in Deposition Rate and Growth Kinetics of Dielectric Materials」に記載されているように、複数周波数RFスパッタリング技術が、用いられうる。Li層305/406は、蒸着又はスパッタリングプロセスを用いて、形成されることができる。Li層は、Li合金であってもよく、Liは、例えば、スズなどの金属又はケイ素などの半導体との合金となる。Li層は、約3μmの厚さ(カソードと容量のバランスにとって適切であり、そしてまたデバイスの予想寿命にわたる酸化体の浸透による劣化のためのリザーバとして)でありえ、封入層307/408は、3μm以上の厚さでありうる。封入層は、パリレン/ポリマー及び金属及び/又は誘電体の多層でありうる。Li層305の形成から封入層307の形成までの間、パートは、アルゴンガス又は(非常に)乾燥した空気などの不活性環境の中に保持されねばならないことに留意されたい。けれども、ブランケット封入層堆積後は、不活性環境に対する必要条件は、緩和されるであろう。ACC306/407が、Li層を保護するために用いられてもよく、これは、真空の外でのレーザアブレーションを可能にし、不活性環境に対する必要条件は、緩和されうる。けれども、酸化体の浸透を最小限にするために、そのような雰囲気をなお維持することが最良でありうる。
[0043]図6Aと図6Bは、上記のように、ダイパターニング後のレーザパターニングされたスタックのエッジを横切る表面形状測定装置の記録を示す。レーザパターニングは、図6Aでは裏側から基板を通過し、図6Bでは表(膜)側からである。この特定の例における膜スタックは、ガラス基板上のTi/Au/LiCoO2であり、全てのブランケットスタック層は、DCパルスマグネトロンによって堆積された。アブレーションのために用いられるレーザは、532nmナノ秒レーザであり、スポットサイズは約40ミクロンである。アブレーション領域にほとんどスパイクがないことが、図6Aから明らかである。これは、532nm又は1064nmのナノ秒レーザを用いた膜側からの同じスタックのダイパターニングが、図6Bに見られるように、材料の「スパイク」の形で、アブレーション領域に残された許容できない量のデブリをもたらすのと対照的である。ダイパターニングが基板側からである場合、アブレーション領域の中にほとんど「スパイク」はないが、ダイパターニングがデバイス側からである場合、アブレーション領域の中に多くの大きな「スパイク」がある。基板側からのレーザパターニングは、「上方」層が溶融する前の爆発プロセスであるが、膜側からのパターニングは、膜スタック全体をアブレーションする必要がある。基板側からの必要とされるレーザフルエンスは、特に複数の厚い膜スタックの場合、膜側からよりもはるかに小さい。加えて、膜側からのレーザパターニングは、全ての膜スタックを最初に溶融させ、その後に蒸発させなければならず、溶融物の排出は、アブレーション領域に残された「スパイク」を形成する。
[0044]更に、非常に広いプロセスウインドウが、30kHzのPRF(パルス繰返し周波数)を有する532nmナノ秒レーザを用いた基板側レーザアブレーションに対して実験的に観察された。レーザ電流の24〜30Aの変動とスキャン速度の400〜1000mm/sの変動の全てが、除去領域の中に有意な残留物のない良好なエッジの画定を示した。
[0045]図7は、本発明の実施形態による、レーザパターニングツール700の概略図である。ツール700は、基板704上でデバイス703にパターニングするためのレーザ701を含む。更に、基板704を通過してパターニングするためのレーザ702もまた示されるが、基板704がひっくり返される場合には、レーザ701が基板704を通過してパターニングするために用いられうる。基板ホルダ/ステージ705は、基板704を保持及び/又は移動させるために設けられる。ステージ705は、基板を通過するレーザパターニングを収容するための開孔を有してよい。ツール700は、レーザアブレーションの間、基板が静止しているように構成されてもよいし又は移動するように構成されてもよい。レーザ701/702もまた、固定されていてもよいし、又は移動可能であってもよい。幾つかの実施形態では、基板もレーザも移動可能であってよく、その場合、移動は、制御システムによって調整される。SMF760及びまたグローブボックス780と副チャンバ770を含む、ツール700のスタンドアロン版が、図7に示される。図7に示される実施形態は、本発明によるツールの一例であり、多くの他のツール構成が、想像される。例えば、グローブボックスは、リチウムフリーのTFBの場合に必要でないかもしれない。更に、ツール700は、リチウム箔製造において用いられる乾燥室のような、適当な雰囲気を有する部屋に置かれてもよい。
[0046]図8は、本発明のいくつかの実施形態による、TFBデバイスを製造するための処理システム800の概略図である。処理システム800は、上述したプロセスステップで利用されうる、標準又は反応性プラズマ洗浄(PC又はRPC)チャンバ830及びプロセスチャンバC1〜C4(841〜844)を備えるクラスタツール820に対する標準の機械インターフェース(SMIF)810を含む。必要であれば、グローブボックス850が、クラスタツールに取り付けられてもよい。グローブボックスは、不活性環境内で(例えば、He、Ne又はArなどの希ガス下で)基板を保存することができ、これは、アルカリ金属/アルカリ土類金属の堆積後に役立つ。必要であれば、グローブボックスへの副チャンバ860が使用されてもよい。副チャンバは、グローブボックス内の不活性環境を汚染することなく、基板をグローブボックスの中に入れたり出したりすることを可能にする、ガス交換チャンバ(不活性ガスから空気へ、及びその逆)である。(グローブボックスは、リチウム箔の製造者によって使用されるほどに十分に露点が低い乾燥室雰囲気に置換されることが可能であることに、留意されたい。)チャンバC1〜C4は、カソード層の堆積(例えば、RFスパッタリングによるLiCoO2)、電解質層の堆積(例えば、N2中でのRFスパッタリングによるLi3PO4)、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の堆積、及びブランケット層の選択的レーザパターニング、を含みうる薄膜電池デバイスを製造するためのプロセスステップ用に構成されることができる。適当なクラスタツールプラットフォームの例は、第10世代のディスプレイクラスタツールなどの、AKTのディスプレイクラスタツール又はより小さい基板用のApplied MaterialのEndura(商標)及びCentura(商標)を含む。アニーリングの必要条件は、従来の炉や放射加熱で満足されることができ、これには、2013年10月10日に公開された米国特許出願公開第2013/0266741号「Microwave Rapid Thermal Processing of Electrochemical Devices」に記載されたマイクロ波アニーリングを含む。処理システム800に対してクラスタ配列が示されているが、一つのチャンバから次のチャンバへ基板が連続的に移動するように、処理チャンバが、移送チャンバなしで直線状に配列される、直線的システムが利用されうることを、理解されたい。
[0047]図9は、本発明のいくつかの実施形態による、複数のインラインツール910、920、930、940、等を有するインライン製造システム900の図を示す。インラインツールは、TFBデバイスの全ての層を堆積させてパターニングするためのツールを含みうる。更に、インラインツールは、事前調整チャンバ及び事後調整チャンバを含みうる。例えば、ツール910は、基板が真空エアロック915を通って堆積ツール920内へ移動する前に真空を確立するポンプダウンチャンバであってもよい。インラインツールの幾つか又は全てが、真空エアロック915によって分離された真空ツールであってもよい。プロセスライン内のプロセスツール及び特有のプロセスツールの順序は、使用される特定のTFBデバイス製造方法によって決まることに留意されたい。その方法の4つの具体的な例が、上記で提供されている。更に、基板は、水平に配向されたインライン製造システムを通って移動してもよいし、又は垂直に配向されたインライン製造システムを通って移動してもよい。更に、選択的レーザパターニングモジュールが、レーザアブレーションの間、基板が静止しているように構成されてもよいし、基板が移動するように構成されてもよい。
[0048]図9に示すようなインライン製造システムを通る基板の移動を説明するために、所定の場所に一つのインラインツール910のみを有する基板コンベヤ1050を図10に示す。図示されているように、基板1010を包含する基板ホルダ955(基板ホルダは、基板が見えるように部分的に切り取られて示されている)が、ホルダと基板をインラインツール910を通って移動させるために、コンベヤ950、又は同等の装置上に装着される。処理ツール910に適したインラインプラットフォームは、Applied MaterialのAton(商標)及びNew Aristo(商標)でありうる。
[0049]本発明の実施形態による薄膜電池を形成するための装置は、カソード集電体層、カソード層(必要に応じて層をアニールする)、電解質層、アノード層及びアノード集電体層を含む第一のスタックを基板上にブランケット堆積させるための第一のシステム;第一のスタックをレーザダイパターニングして、各々が個々の薄膜電池のコアを形成する一つ又は複数の第二のスタックを形成するための第二のシステム;一つ又は複数の第二のスタックを覆って封入層をブランケット堆積させるための第三のシステム;封入層をレーザパターニングして、一つ又は複数の第二のスタックの各々の上に、アノード集電体へのアノードコンタクト領域を開けるための第四のシステム;封入層とアノードコンタクト領域を覆って金属パッド層をブランケット堆積させるための第五のシステム;及び金属パッド層をレーザパターニングして、一つ又は複数の薄膜電池の各々のアノード集電体を電気的に分離するための第六のシステム、を含みうる。必要ならば、カソードアニーリングのために第七のシステムが用いられてもよいし、又はアニーリングが、第一のシステムの中でインシトゥ(その場)で行われてもよい。更に、非導電性基板が用いられる場合、レーザアブレーションシステム及び/又はエッチングシステムなどの更なるシステムが、一つ又は複数の薄膜電池の各々についてカソード集電体上にカソードコンタクト領域を、基板を通って開けるために必要とされうる。システムは、クラスタツール、インラインツール、スタンドアロンツール、又は前記ツールの一つ又は複数の組合せであってよい。更に、システムは、他のシステムの一つ又は複数と共通な幾つかのツールを含んでもよい。例えば、一つのレーザパターニングツールが、二つ以上のレーザパターニングステップのために用いられてもよい。
[0050]本発明は、TFBを参照して本明細書中で説明されてきたが、本発明の教示と原理はまた、エレクトロクロミックデバイスを含む他の電気化学デバイスを製造するための改良された方法にも適用されうる。
[0051]本発明について、本発明の幾つかの実施形態を参照して特に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細に変更および修正を加えることができることが、当業者には容易に明らかになるはずである。