最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係るパケット中継装置は、パケット中継装置であって、パケットを受信する受信部と、前記パケット中継装置によって転送されたパケットであることを示す転送情報を、前記受信部によって受信された前記パケットに付与して出力する管理部と、前記管理部から受けた前記パケットに前記転送情報が付与されている場合、前記転送情報を付与せずに前記パケットの中継先の装置へ前記パケットを送信する中継部とを備える。
このように、1つのパケットに転送情報が複数付与されることなくパケットの中継先の装置へ送信される構成により、単純な構造のパケットをパケットの中継先の装置へ送信することができるので、パケットの中継先の装置における当該パケットを解析するための処理を簡素化することができる。したがって、パケットの中継先の装置における当該パケットの処理負担を軽減することができる。
(2)好ましくは、前記管理部は、前記パケットの送信元の装置に関する情報であって前記中継先の装置において前記送信元の装置を判別するために用いられる情報である管理情報を前記パケットにさらに付与して出力する。
このような構成により、たとえば、パケットの中継先の装置において、管理情報を正しく取得したり、管理情報を簡単な処理で取得したりすることができるので、管理情報を用いてパケットの送信元の装置の判別を適切に行うことができる。
(3)好ましくは、前記中継部は、前記管理部から受けた前記パケットに前記パケットの出力元の前記管理部を示す出力元情報を付与して前記中継先の装置へ送信する。
このような構成により、たとえば、パケット中継装置が管理部を複数備える場合においても、中継部は、パケットの中継先の装置へ送信したパケットの応答パケットを当該装置から受信したときに、当該応答パケットを出力すべき管理部を当該応答パケットに含まれる出力元情報に基づいて正しく判別することができる。
(4)より好ましくは、前記受信部は、さらに、前記パケット中継装置によって送信された前記パケットに対する応答のパケットであって前記出力元情報を含むパケットである応答パケットを前記中継先の装置から受信し、前記中継部は、前記受信部によって受信された前記応答パケットから前記出力元情報を取得し、前記出力元情報の示す前記管理部へ、前記出力元情報を削除した前記応答パケットを出力する。
このように、出力元情報を削除した応答パケットを出力する構成により、管理部が出力したパケットの形式に対応する形式のパケットを管理部へ出力することができるので、管理部における処理を簡素化することができる。
(5)好ましくは、前記管理部は、前記転送情報を付与するか否かを設定可能であり、前記中継部は、前記管理部から受けた前記パケットに前記転送情報が付与されていない場合、前記転送情報を前記パケットに付与して前記中継先の装置へ送信する。
このような構成により、管理部において、パケットに転送情報を付与するか否かを選択することができる。また、管理部において転送情報がパケットに付与されない場合においても、中継部が当該パケットに転送情報を付与するので、パケットの中継先の装置は、パケット中継装置から受信するパケットを正しく処理することができる。
(6)より好ましくは、前記管理部は、前記受信部によって受信された前記パケットに前記転送情報を付与したことを示す付与情報を前記パケットにさらに付与し、前記中継部は、前記管理部から受けた前記パケットに前記付与情報が付与されていない場合、前記転送情報を前記パケットに付与して前記中継先の装置へ送信する。
このような構成により、中継部では、付与情報に基づいて、管理部において転送情報が付与されたか否かを正しく判断することができるので、1つのパケットに転送情報が複数付与されることを簡易な処理でより確実に防ぐことができる。
(7)より好ましくは、前記受信部は、さらに、前記パケット中継装置によって送信された前記パケットに対する応答のパケットであって前記転送情報に対する応答を示す応答情報を含むパケットである応答パケットを前記中継先の装置から受信し、前記中継部は、前記受信部によって受信された前記応答パケットに前記付与情報が付与されていない場合、前記応答情報を削除した前記応答パケットを前記管理部へ出力する。
このように、転送情報が付与されていないパケットを中継部へ出力した管理部に、応答情報を削除した応答パケットを出力する構成により、管理部が出力したパケットの形式に対応する形式のパケットを管理部へ出力することができるので、管理部における処理を簡素化することができる。
(8)好ましくは、前記管理部および前記中継部は、それぞれRFC6221およびRFC3315に従って動作する。
このような構成により、管理部および中継部は、それぞれRFC6221およびRFC3315の仕様を満たすので、当該仕様を満たすパケットの中継先の装置およびパケットの送信元の装置間において送受信されるパケットを適切に中継することができる。
(9)本発明の実施の形態に係るパケット中継方法は、パケット中継装置におけるパケット中継方法であって、パケットを受信するステップと、第1のプロトコルに従って、前記パケット中継装置によって転送されたパケットであることを示す転送情報を、受信した前記パケットに付与して出力するステップと、第2のプロトコルに従って、受けた前記パケットに前記転送情報が付与されている場合、前記転送情報を付与せずに前記パケットの中継先の装置へ前記パケットを送信するステップとを含む。
このように、1つのパケットに転送情報が複数付与されることなくパケットの中継先の装置へ送信される構成により、単純な構造のパケットをパケットの中継先の装置へ送信することができるので、パケットの中継先の装置における当該パケットを解析するための処理を簡素化することができる。したがって、パケットの中継先の装置における当該パケットの処理負担を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
[構成および基本動作]
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。
図1を参照して、通信システム301は、パケット中継装置101と、複数のDHCPv6クライアント(以下、クライアントとも称する。)111と、複数の加入者端末装置121と、DHCPv6サーバ(以下、サーバとも称する。)151とを備える。
図1では、複数の加入者端末装置121を代表的に示しているが、1つの加入者端末装置121が設けられてもよい。また、1つの加入者端末装置121に対して1つのクライアント111を代表的に示しているが、1つの加入者端末装置121に対して複数のクライアント111が設けられてもよい。
たとえば、複数のクライアント111、複数の加入者端末装置121、およびパケット中継装置101によりユーザネットワーク10が構成されている。
また、たとえば、パケット中継装置101およびサーバ151により上位ネットワーク11が構成されている。なお、図1では、パケット中継装置101がサーバ151に直接接続されているが、パケット中継装置101は、他の中継装置を介してサーバ151に接続されてもよい。
ユーザネットワーク10および上位ネットワーク11は、異なるネットワークである。より詳細には、ユーザネットワーク10および上位ネットワーク11のサブネットは異なる。
通信システム301におけるクライアント111は、たとえばコンピュータであり、加入者宅に設けられている。加入者端末装置121は、たとえばONU(Optical Network Unit)であり、加入者宅に設けられている。
通信システム301において、クライアント111およびパケット中継装置101は、たとえば加入者端末装置121を介して互いにパケット、具体的にはIPv6パケットの送受信を行う。
より詳細には、加入者端末装置121およびパケット中継装置101は、たとえば、光ファイバを介して接続されており、加入者端末装置121およびパケット中継装置101間において光信号の送受信が行われる。
加入者端末装置121は、パケットを含む光信号をパケット中継装置101へ送信する場合、自己のIDを含むプリアンブルとともに当該パケットを光信号に含めてパケット中継装置101へ送信する。
パケット中継装置101およびサーバ151は、たとえば、互いにパケット、具体的にはIPv6パケットの送受信を行う。
パケット中継装置101は、たとえば、ユーザネットワーク10に接続されたクライアント111と上位ネットワーク11に接続されたサーバ151との間で送受信されるパケットを中継する。
具体的には、パケット中継装置101は、たとえば、IPv6アドレスの要求を含むサーバ151宛のDHCPv6パケットをクライアント111から加入者端末装置121経由で受信すると、受信したDHCPv6パケットをサーバ151へ送信する。
また、パケット中継装置101は、たとえば、IPv6アドレスの要求に対する応答を含むクライアント111宛のDHCPv6パケットをサーバ151から受信すると、受信したDHCPv6パケットを加入者端末装置121経由でクライアント111へ送信する。
以下、クライアント111からサーバ151への方向を上り方向と称し、サーバ151からクライアント111への方向を下り方向と称する。
[パケットの構成]
図2は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて用いられるパケットの一例を示す図である。
図2を参照して、パケット401は、IPv6ヘッダ401hと、UDPヘッダ401uと、ペイロード401pとを含む。
[メッセージの構成]
図3は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるサーバおよびパケット中継装置間で送受信されるパケットに含まれるメッセージの構成を示す図である。
図3を参照して、サーバ151およびパケット中継装置101間では、たとえば、パケット401のペイロード401pにおいてメッセージmsgを含むパケットが送受信される。
メッセージmsgは、メッセージヘッダmhと、オプションoptとを含む。図3では、1つのオプションoptを代表的に示しているが、さらに多数のオプションoptがメッセージmsgに含まれてもよい。
メッセージmsgには、リレーフォワードメッセージ(Relay−forward Message)およびリレーリプライメッセージ(Relay−reply Message)等がある。
オプションoptには、リレーメッセージオプション(Relay Message Option)、インタフェースIDオプション(Interface ID Option)、およびベンダスペシフィックオプション(Vender Specific Option)等がある。
以下、リレーメッセージオプション、インタフェースIDオプションおよびベンダスペシフィックオプションを、それぞれRMオプション、IIDオプションおよびVSオプションとも称する。
メッセージヘッダmhのフィールド長は、たとえば固定値である。メッセージヘッダmhには、たとえば、メッセージタイプ、ホップカウント、リンクアドレスおよびピアアドレスが含まれる。
オプションoptのフィールド長は、たとえば可変値である。オプションoptはオプションヘッダopthおよび可変領域optvを含む。
オプションヘッダopthのフィールド長は、たとえば固定値である。オプションヘッダopthは、たとえば、オプションoptの種類を示すオプション識別子、およびオプション長を含む。
可変領域optvのフィールド長は、たとえばオプション長の示す長さである。可変領域optvは、オプション識別子に応じた情報を含む。
たとえば、サーバ151およびパケット中継装置101は、メッセージmsgにおいて複数のオプションoptが含まれる場合においても、オプションヘッダopthに含まれているオプション識別子およびオプション長に基づいて、各オプションoptをそれぞれ取得することが可能である。
[DHCPv6パケットの構成]
図4は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおいて用いられるDHCPv6パケットの一例を示す図である。
図1および図4を参照して、クライアント111は、たとえば、サーバ151に対してIPv6アドレスを要求するための要求情報がペイロード402pに格納されたDHCPv6パケット402を作成する。DHCPv6パケット402におけるUDPヘッダ402uには、DHCPv6パケット402がDHCP処理に用いられるパケットであることを示す所定のポート番号たとえば547番が含まれる。
クライアント111は、たとえば、作成したDHCPv6パケット402を加入者端末装置121経由でパケット中継装置101へ送信する。
[パケット中継装置の構成]
図5は、本発明の実施の形態に係る通信システムにおけるパケット中継装置の構成を示す図である。
図5を参照して、パケット中継装置101は、3つの管理処理部21と、中継処理部22と、設定部23とを備える。
図5では、3つの管理処理部21を代表的に示しているが、さらに多数または少数の管理処理部21が設けられてもよい。また、1つの中継処理部22を代表的に示しているが、さらに多数の中継処理部22が設けられてもよい。
設定部23は、たとえば、ユーザの操作を受け付け、受け付けたユーザの操作に応じて、管理処理部21の動作モードを管理モードおよび非管理モードのいずれか一方に設定する。設定部23は、たとえば、3つの管理処理部21に対して、別個に動作モードを設定することも可能であるし、単一の動作モードを設定することも可能である。
管理処理部21は、たとえば、自己のパケット中継装置101の配下の加入者を管理する。具体的には、管理処理部21は、たとえば、加入者端末装置121を管理する。
図6は、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置における管理処理部の構成を示す図である。
図6を参照して、管理処理部21は、クライアント側通信部(受信部)31と、加入者回線管理部32と、DHCPv6パケット取得部33とを含む。
図6では、クライアント側通信部31は、たとえば、3つの加入者端末装置121に接続されている。なお、クライアント側通信部31は、2つ以下または4つ以上の加入者端末装置121に接続されてもよい。
クライアント側通信部31および3つの加入者端末装置121によりたとえばPON(Passive Optical Network)が構成されている。
クライアント側通信部31は、たとえば、PONにおいて光スプリッタを介して3つの加入者端末装置121と光ファイバにより接続されている。
なお、クライアント側通信部31は、PONに限らず、分岐回路を介してケーブルモデム等と電気信号線により接続されてもよい。
クライアント側通信部31は、パケット401を受信する。より詳細には、クライアント側通信部31は、たとえば、プリアンブルおよびパケット401を含む光信号を加入者端末装置121から受信し、受信した光信号を電気信号に変換してDHCPv6パケット取得部33へ出力する。
また、クライアント側通信部31は、たとえば、パケット401を含む電気信号をDHCPv6パケット取得部33または加入者回線管理部32から受けると、受けた電気信号を光信号に変換して加入者端末装置121へ送信する。
DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、クライアント側通信部31から受ける電気信号を監視し、電気信号からプリアンブルを検出すると、当該プリアンブル、および当該プリアンブルに続くパケット401を取得する。
DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、取得したパケット401のUDPヘッダ401uに含まれるポート番号が547番である場合、当該パケット401がDHCPv6パケット402であることを認識し、当該DHCPv6パケット402およびプリアンブルを加入者回線管理部32へ出力する。
また、DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、上記ポート番号が547番以外である場合、当該パケット401が通常の中継対象のパケットであると認識し、当該パケット401を中継処理部22へ出力する。
加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット402に転送情報を付与するか否かを設定可能である。より詳細には、加入者回線管理部32は、たとえば、自己の管理処理部21の動作モードが設定部23により管理モードに設定されている場合、DHCPv6パケット402に転送情報を付与する。
一方、加入者回線管理部32は、たとえば、自己の管理処理部21の動作モードが設定部23により非管理モードに設定されている場合、DHCPv6パケット402に転送情報を付与しない。転送情報の詳細については後述する。
なお、加入者回線管理部32は、DHCPv6パケット402に転送情報を付与するか否かを設定可能な構成に限らず、DHCPv6パケット402に転送情報をデフォルトで付与する構成であってもよい。
より詳細には、加入者回線管理部32は、たとえば、自己の管理処理部21の動作モードが非管理モードである場合、DHCPv6パケット取得部33からDHCPv6パケット402およびプリアンブルを受けると、受けたDHCPv6パケット402をそのまま中継処理部22へ出力する。
一方、加入者回線管理部32は、たとえば、自己の管理処理部21の動作モードが管理モードである場合、DHCPv6パケット取得部33からDHCPv6パケット402およびプリアンブルを受けると、第1のプロトコル、具体的にはRFC6221に従い、DHCPv6パケット402に対する管理処理を開始する。
具体的には、たとえば、加入者回線管理部32は、加入者端末装置121のIDとONUインデックスとの対応関係を保持している。加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット取得部33から受けたプリアンブルから加入者端末装置121のIDを取得し、取得したIDに対応するONUインデックスを当該対応関係から特定する。
[管理処理およびカプセル化]
図7は、本発明の実施の形態に係る管理処理部においてカプセル化されたDHCPv6パケットの一例を示す図である。
図7を参照して、加入者回線管理部32は、自己のパケット中継装置101によって転送されたパケットであることを示す転送情報を、クライアント側通信部31によって受信されたDHCPv6パケット402に付与する。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット402の送信元の装置に関する情報であって中継先の装置において当該送信元の装置を判別するために用いられる情報である管理情報をDHCPv6パケット402にさらに付与する。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、クライアント側通信部31によって受信されたDHCPv6パケット402に転送情報を付与したことを示す付与情報をDHCPv6パケット402にさらに付与する。
具体的には、加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット402のペイロード402p、転送情報、管理情報および付与情報を含むメッセージ451msgを作成し、作成したメッセージ451msgがペイロード451pに格納されたパケットであるDHCPv6リレーフォワードパケット(以下、RFパケットとも称する。)451を作成する。
より詳細には、加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット402のIPv6ヘッダ402hおよびUDPヘッダ402uをそれぞれコピーしたIPv6ヘッダ451hおよびUDPヘッダ451uを作成する。
この際、加入者回線管理部32は、たとえば、IPv6ヘッダ402hから送信元のIPv6アドレスすなわちクライアント111のIPv6アドレスを取得するとともに、IPv6ヘッダ451hに含まれるアドレスの情報を必要に応じて書き換える。ここで、クライアント111のIPv6アドレスは、たとえばCnt_IP_Addrである。
また、加入者回線管理部32は、たとえばメッセージタイプ、ホップカウント、リンクアドレス、およびピアアドレスとして、それぞれ「RF」、「0」、「0::0」、および「Cnt_IP_Addr」を書き込んだメッセージヘッダ451mhを作成する。
このメッセージヘッダ451mhに含まれるメッセージタイプである「RF」が、たとえば上記転送情報に相当する。メッセージタイプの「RF」は、たとえばメッセージ451msgがリレーフォワードメッセージであることを意味する。ホップカウントの「0」は、たとえば、RFパケット451が1回ホップしたことを意味する。リンクアドレスの「0::0」は、たとえば、加入者回線管理部32が中継処理を行っていないことを意味する。ピアアドレスの「Cnt_IP_Addr」は、上述したようにクライアント111のIPv6アドレスである。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット402のペイロード402pのコピーが可変領域optvに格納されたRMオプション451rmoを作成する。
以下、このように、あるパケット401のペイロード401pの内容をメッセージmsgのRMオプションに含めることを、パケット401をカプセル化するという。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、上述の、特定したONUインデックスが管理情報として可変領域optvに格納されたIIDオプション451ioを作成する。
なお、加入者回線管理部32は、管理情報としてONUインデックスを含むIIDオプション451ioを作成する構成に限らず、DHCPv6パケット402の送信元の加入者端末装置121のMACアドレスを管理情報として含むIIDオプション451ioを作成する構成であってもよい。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、所定の識別コードCdが付与情報として可変領域optvに格納されたVSオプション451vsoを作成する。
また、加入者回線管理部32は、たとえば、必要に応じてその他のオプション451etcを作成する。
加入者回線管理部32は、たとえば、先頭から順に、IPv6ヘッダ451h、UDPヘッダ451u、メッセージヘッダ451mh、RMオプション451rmo、IIDオプション451io、VSオプション451vsoおよびその他のオプション451etcを結合することによりRFパケット451を作成する。なお、RFパケット451における各オプションoptの順番は入れ替わってもよい。
加入者回線管理部32は、このようにして作成したRFパケット451を中継処理部22へ出力する。
[中継処理]
図8は、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置における中継処理部の構成を示す図である。
図8を参照して、中継処理部22は、3つの通信ポート41と、集線中継部42と、サーバ側通信部(受信部)43とを含む。
図8では、3つの通信ポート41を代表的に示しているが、さらに多数または少数の通信ポート41が設けられてもよい。また、1つの集線中継部42を代表的に示しているが、さらに多数の集線中継部42が設けられてもよい。
中継処理部22における集線中継部42は、たとえば、第2のプロトコル、具体的にはRFC3315に従い、ユーザネットワーク10および上位ネットワーク11間においてパケット401の中継処理を行う。
たとえば、各通信ポート41は、図5に示すパケット中継装置101における各管理処理部21と1:1で接続している。各通信ポート41には、当該通信ポート41の識別子である通信ポート番号、およびIPv6アドレスが別個に割り当てられている。
通信ポート41は、たとえば、管理処理部21からDHCPv6パケット402またはRFパケット451を受けると、受けたDHCPv6パケット402またはRFパケット451を集線中継部42へ出力する。
たとえば、集線中継部42は、各通信ポート41の通信ポート番号およびIPv6アドレスを保持している。
集線中継部42は、たとえば、通信ポート41からDHCPv6パケット402またはRFパケット451を受けると、当該通信ポート41の通信ポート番号およびIPv6アドレスを特定する。ここで、集線中継部42により特定された通信ポート番号およびIPv6アドレスは、たとえば、それぞれPnumおよびRP_IP_Addrである。
[付与情報を含むRFパケット452]
図9は、本発明の実施の形態に係る集線中継部においてオプションが追加されたRFパケットの一例を示す図である。
図9を参照して、集線中継部42は、加入者回線管理部32から受けたパケットに転送情報が付与されている場合、転送情報を付与せずに当該パケットの中継先の装置、具体的にはサーバ151へ当該パケットを送信する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、加入者回線管理部32から受けたRFパケット451に識別コードCdを含むVSオプションが含まれているか否かを確認する確認処理CT1を行う。
集線中継部42は、たとえば、確認処理CT1において、識別コードCdを含むVSオプション451vsoがRFパケット451に含まれることを確認した場合、RFパケット451が、加入者回線管理部32において転送情報すなわちメッセージヘッダ451mhにおいてメッセージタイプを示す「RF」が付与されたパケットであると認識する。
集線中継部42は、たとえば、RFパケット451に基づいてRFパケット452を作成する。より詳細には、集線中継部42は、たとえば、RFパケット451におけるIPv6ヘッダ451hに含まれるアドレスの情報を必要に応じて書き換えてIPv6ヘッダ452hを作成する。また、集線中継部42は、たとえば、メッセージ451msgに基づいてメッセージ452msgを作成する。
集線中継部42は、たとえば、加入者回線管理部32から受けたパケットに当該パケットの出力元の加入者回線管理部32を示す出力元情報を付与してサーバ151へ送信する。
ここで、出力元情報は、たとえば、上述の、特定した通信ポート番号であるPnum、およびIPv6アドレスであるRP_IP_Addrである。PnumおよびRP_IP_Addrは、DHCPv6パケット402またはRFパケット451を受信した通信ポート41を示すが、通信ポート41と管理処理部21とは1:1で接続しているので、PnumおよびRP_IP_Addrは、実質的に管理処理部21すなわち加入者回線管理部32を示す。なお、出力元情報は、通信ポート番号およびIPv6アドレスのような通信ポート41を特定するための情報に限らず、管理処理部21を特定することが可能な情報であれば、管理処理部21のIPv6アドレスまたはMACアドレス等であってもよい。
集線中継部42は、たとえば、Pnumを出力元情報として可変領域optvに含むVSオプション452vsoを作成し、作成したVSオプション452vsoをその他のオプション451etcの後に結合する。
また、集線中継部42は、たとえば、RFパケット451のメッセージヘッダ451mhにおけるリンクアドレスすなわち「0::0」を、上述の、特定したIPv6アドレスである「RP_IP_Addr」に書き換えてメッセージヘッダ452mhを作成する。リンクアドレスの「RP_IP_Addr」は、たとえば、集線中継部42が中継処理を行ったことを意味する。
また、集線中継部42は、たとえば、必要に応じてその他のオプション452etcを作成し、作成したその他のオプション452etcをVSオプション452vsoの後に結合する。
集線中継部42は、このようにして作成したRFパケット452をサーバ側通信部43へ出力する。
[付与情報を含まないRFパケット453]
図10は、本発明の実施の形態に係る集線中継部においてカプセル化されたDHCPv6パケットの一例を示す図である。
集線中継部42は、たとえば、加入者回線管理部32から受けたパケットに転送情報が付与されていない場合、転送情報を当該パケットに付与してサーバ151へ送信する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、加入者回線管理部32から受けたパケットに付与情報が付与されていない場合、転送情報を当該パケットに付与してサーバ151へ送信する。
より詳細には、集線中継部42は、たとえば、通信ポート41からDHCPv6パケット402を受けて確認処理CT1を行い、識別コードCdを含むVSオプションがDHCPv6パケット402に含まれないことを確認した場合、DHCPv6パケット402が、加入者回線管理部32において転送情報すなわちメッセージヘッダ451mhにおいてメッセージタイプを示す「RF」が付与されていないパケットであると認識する。
そして、集線中継部42は、たとえば、DHCPv6パケット402に転送情報を付与してサーバ151へ送信する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、DHCPv6パケット402のペイロード402p、転送情報および出力元情報を含むメッセージ453msgを作成し、作成したメッセージ453msgがペイロード453pに格納されたパケットであるRFパケット453を作成する。
より詳細には、集線中継部42は、たとえば、図7に示すRFパケット451を作成する方法、および図9に示すRFパケット452を作成する方法を用いてRFパケット453を作成する。
たとえば、集線中継部42は、DHCPv6パケット402のIPv6ヘッダ402hおよびUDPヘッダ402uの内容に基づいて、図9に示すIPv6ヘッダ452hおよびUDPヘッダ451uをそれぞれ作成する。
また、集線中継部42は、たとえば、図7に示すRMオプション451rmo、ならびに図9に示すメッセージヘッダ452mh、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcを作成する。
そして、集線中継部42は、たとえば、先頭から順に、IPv6ヘッダ452h、UDPヘッダ451u、メッセージヘッダ452mh、RMオプション451rmo、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcを結合することにより、図10に示すRFパケット453を作成する。なお、RFパケット453における各オプションoptの順番は入れ替わってもよい。
集線中継部42は、このようにして作成したRFパケット453をサーバ側通信部43へ出力する。
サーバ側通信部43は、たとえば、集線中継部42からRFパケット452またはRFパケット453を受けると、受けたRFパケット452またはRFパケット453をサーバ151へ送信する。
[サーバ151における処理]
再び図1を参照して、サーバ151は、たとえば、パケット中継装置101からRFパケット452またはRFパケット453を受信すると、受信したRFパケット452またはRFパケット453に対する応答のパケット401を作成し、作成したパケット401をパケット中継装置101へ送信する。
図11は、本発明の実施の形態に係るサーバにおいて作成されるRRパケットの一例を示す図である。
図11を参照して、たとえば、サーバ151は、パケット中継装置101によって送信されたパケット401、具体的にはRFパケット451またはRFパケット452に対する応答のパケット401であって転送情報に対する応答を示す応答情報、および出力元情報を含むパケット401である応答パケット401を作成する。
具体的には、サーバ151は、たとえば、パケット中継装置101から図9に示すRFパケット452を受信すると、受信したRFパケット452に対する応答パケット401であるRRパケット552を作成する。
より詳細には、サーバ151は、たとえば、受信したRFパケット452に含まれるメッセージ452msgからRMオプション451rmo、IIDオプション451io、VSオプション451vso、その他のオプション451etc、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etc、ならびにメッセージヘッダ452mhを取得するパケット分解処理を行う。
ここで、IIDオプション451io、VSオプション451vso、その他のオプション451etc、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcは、RRパケット552にそのまま格納される。
サーバ151は、たとえば、IIDオプション451ioの可変領域optvからONUインデックスを取得し、取得したONUインデックスを加入者端末装置121の判別に用いる。
具体的には、サーバ151は、たとえば、同一の加入者端末装置121に渡すIPv6アドレスの個数を制限するためにONUインデックスを用いる。
また、サーバ151は、たとえば、メッセージヘッダ452mhをコピーした仮メッセージヘッダを作成し、作成した仮メッセージヘッダにおけるメッセージタイプを「RR」に書き換えたメッセージヘッダ552mhを作成する。
このメッセージヘッダ552mhに含まれるメッセージタイプである「RR」が、たとえば応答情報に相当する。メッセージタイプの「RR」は、たとえばメッセージ552msgがリレーリプライメッセージであることを意味する。
また、サーバ151は、たとえば、RMオプション451rmoの可変領域optvからDHCPv6パケット402のペイロード402pを取得し、取得したペイロード402pに含まれる要求情報の応答であるリプライ情報を作成する。
そして、サーバ151は、作成したリプライ情報が可変領域optvに格納されたRMオプション551rmoを作成する。ここで、可変領域optvに格納されたリプライ情報は、パケット中継装置101からクライアント111へ送信される予定の、図4に示すDHCPv6パケット502のペイロード502pに格納される情報である。
また、サーバ151は、たとえば、IPv6ヘッダ452hおよびUDPヘッダ451uをそれぞれコピーしたIPv6ヘッダ552hおよびUDPヘッダ551uを作成する。この際、サーバ151は、たとえば、IPv6ヘッダ552hに含まれるアドレスの情報を必要に応じて書き換える。また、サーバ151は、RRパケット552がDHCP処理に用いられるパケットであることを示す所定のポート番号たとえば546番をUDPヘッダ551uに書き込む。
サーバ151は、たとえば、先頭から順に、IPv6ヘッダ552h、UDPヘッダ551u、メッセージヘッダ552mh、RMオプション551rmo、IIDオプション451io、VSオプション451vso、その他のオプション451etc、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcを結合することによりRRパケット552を作成する。なお、RRパケット552における各オプションoptの順番は入れ替わってもよい。
図12は、本発明の実施の形態に係るサーバにおいて作成されるRRパケットの一例を示す図である。
図12を参照して、たとえば、サーバ151は、パケット中継装置101から図10に示すRFパケット453を受信すると、受信したRFパケット453に対する応答パケット401であるRRパケット553を作成する。
より詳細には、サーバ151は、たとえば、図11に示すRRパケット552の作成方法と同様の方法でIPv6ヘッダ552h、UDPヘッダ551u、メッセージヘッダ552mh、およびRMオプション551rmoの作成、ならびにVSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcの取得処理を行う。
そして、サーバ151は、たとえば、先頭から順に、IPv6ヘッダ552h、UDPヘッダ551u、メッセージヘッダ552mh、RMオプション551rmo、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcを結合することによりRRパケット553を作成する。なお、RRパケット553における各オプションoptの順番は入れ替わってもよい。
再び図1を参照して、サーバ151は、たとえば、作成した応答パケット401をパケット中継装置101へ送信する。
パケット中継装置101は、たとえば、サーバ151から応答パケット401を受信すると、受信した応答パケット401を中継して加入者端末装置121経由でクライアント111へ送信する。
再び図8を参照して、中継処理部22におけるサーバ側通信部43は、たとえば、サーバ151から応答パケット401としてRRパケット552またはRRパケット553を受信すると、受信したRRパケット552またはRRパケット553を集線中継部42へ出力する。
[付与情報を含むRRパケット552]
集線中継部42は、たとえば、サーバ側通信部43によって受信された応答パケット401に付与情報が付与されている場合、応答情報を削除せずに応答パケット401を管理処理部21における加入者回線管理部32へ出力する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、サーバ側通信部43から応答パケット401として図11に示すRRパケット552を受けると、受けたRRパケット552に、識別コードCdを含むVSオプションが含まれているか否かを確認する確認処理CT2を行う。
集線中継部42は、たとえば、確認処理CT2において、識別コードCdを含むVSオプション451vsoがRRパケット552に含まれることを確認した場合、RRパケット552が、加入者回線管理部32において転送情報が付与されたRFパケット451の応答のパケットであると認識する。
図13は、本発明の実施の形態に係る集線中継部においてオプションが削除されたRRパケットの一例を示す図である。
図13を参照して、集線中継部42は、たとえば、サーバ側通信部43によって受信された応答パケット401から出力元情報を取得し、取得した出力元情報の示す加入者回線管理部32へ、出力元情報を削除した応答パケット401を出力する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、RRパケット552におけるVSオプション452vsoの可変領域optvから通信ポート番号であるPnumを取得する。
そして、集線中継部42は、たとえば、RRパケット552に基づいてRRパケット551を作成する。より詳細には、集線中継部42は、たとえば、RRパケット552におけるIPv6ヘッダ552hに含まれるアドレスの情報を必要に応じて書き換えてIPv6ヘッダ551hを作成する。
また、集線中継部42は、たとえば、メッセージ552msgに基づいてメッセージ551msgを作成する。具体的には、集線中継部42は、たとえば、VSオプション452vsoおよびその他のオプション452etcをメッセージ552msgから削除したメッセージ551msgを作成する。
集線中継部42は、たとえば、作成したRRパケット551をPnumの示す通信ポート41へ出力する。
Pnumの示す通信ポート41は、たとえば、集線中継部42からRRパケット551を受けると、受けたRRパケット551を、自己と1:1で接続されている管理処理部21へ出力する。
再び図6を参照して、DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、中継処理部22における通信ポート41からRRパケット551を受けると、受けたRRパケット551のUDPヘッダ551uに含まれるポート番号を取得する。
DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、取得したポート番号が546番であることを確認すると、RRパケット551がDHCP処理に用いられるパケットであることを認識し、RRパケット551を加入者回線管理部32へ出力する。
また、DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、中継処理部22における通信ポート41から受けるパケット401のポート番号が546番以外である場合、当該パケット401が通常の中継対象のパケットであると認識し、当該パケット401をクライアント側通信部31経由で加入者端末装置121へ送信する。
加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット取得部33からRRパケット551を受けると、受けたRRパケット551に、識別コードCdを含むVSオプションが含まれるか否かを確認する確認処理CT3を行う。
加入者回線管理部32は、たとえば、確認処理CT3において、識別コードCdを含むVSオプション451vsoがRRパケット551に含まれることを確認した場合、RRパケット551が、自己が転送情報を付与したRFパケット451の応答のパケットであると認識する。
そして、加入者回線管理部32は、たとえば、RRパケット551に基づいて、図4に示すDHCPv6パケット502を作成する。より詳細には、集線中継部42は、たとえば、RRパケット551のRMオプション551rmoにおける可変領域optvの情報を、ペイロード502pに含むDHCPv6パケット502を作成する。
加入者回線管理部32は、メッセージヘッダ552mhにおけるピアアドレスを宛先アドレスとしてIPv6ヘッダ502hに含める。また、加入者回線管理部32は、たとえば、UDPヘッダ551uをコピーしてUDPヘッダ502uを作成する。そして、加入者回線管理部32は、作成したDHCPv6パケット502をクライアント側通信部31および加入者端末装置121経由で宛先のクライアント111へ送信する。
[付与情報を含まないRRパケット553]
再び図8を参照して、集線中継部42は、たとえば、サーバ側通信部43によって受信された応答パケット401に付与情報が付与されていない場合、応答情報を削除した応答パケット401を加入者回線管理部32へ出力する。
具体的には、集線中継部42は、たとえば、サーバ側通信部43から応答パケット401として図12に示すRRパケット553を受けると、受けたRRパケット553に、識別コードCdを含むVSオプションが含まれているか否かを確認する確認処理CT2を行う。
集線中継部42は、たとえば、確認処理CT2において、識別コードCdを含むVSオプション451vsoがRRパケット553に含まれないことを確認した場合、RRパケット553が、加入者回線管理部32において転送情報が付与されなかったDHCPv6パケット402の応答のパケットであると認識する。
集線中継部42は、たとえば、RRパケット553におけるVSオプション452vsoの可変領域optvから通信ポート番号であるPnumを取得する。
そして、集線中継部42は、たとえば、RRパケット553に基づいて、図4に示すDHCPv6パケット502を作成する。より詳細には、集線中継部42は、たとえば、RRパケット553のRMオプション551rmoにおける可変領域optvの情報が、ペイロード502pに格納されたDHCPv6パケット502を作成する。
集線中継部42は、メッセージヘッダ552mhにおけるピアアドレスを宛先アドレスとしてIPv6ヘッダ502hに含める。また、集線中継部42は、たとえば、UDPヘッダ551uをコピーしてUDPヘッダ502uを作成する。集線中継部42は、たとえば、作成したDHCPv6パケット502を、Pnumの示す通信ポート41経由で管理処理部21へ出力する。
再び図6を参照して、DHCPv6パケット取得部33は、たとえば、中継処理部22における通信ポート41からDHCPv6パケット502を受けると、ポート番号に基づいて、DHCPv6パケット502がDHCP処理に用いられるパケットであることを認識してDHCPv6パケット502を加入者回線管理部32へ出力する。
加入者回線管理部32は、たとえば、DHCPv6パケット取得部33からDHCPv6パケット502を受けると、受けたDHCPv6パケット502に、識別コードCdを含むVSオプションが含まれるか否かを確認する確認処理CT3を行う。
加入者回線管理部32は、たとえば、確認処理CT3において、識別コードCdを含むVSオプションがDHCPv6パケット502に含まれないことを確認した場合、DHCPv6パケット502をそのままクライアント側通信部31および加入者端末装置121経由で宛先のクライアント111へ送信する。
[動作]
パケット中継装置101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図14は、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置が、上り方向のDHCPv6パケットの中継処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図14を参照して、まず、パケット中継装置101における管理処理部21は、クライアント111から加入者端末装置121経由でDHCPv6パケット402を受信するまで待機する(ステップS102でNO)。
次に、管理処理部21は、自己の動作モードが非管理モードに設定されている場合においてクライアント111からDHCPv6パケット402を受信すると(ステップS102でYESおよびステップS104でNO)、受信したDHCPv6パケット402を中継処理部22へ出力する(ステップS110)。
一方、管理処理部21は、自己の動作モードが管理モードに設定されている場合においてクライアント111からDHCPv6パケット402を受信すると(ステップS102でYESおよびステップS104でYES)、受信したDHCPv6パケット402に転送情報、付与情報および管理情報を付与してRFパケット451を作成する(ステップS106)。
具体的には、管理処理部21は、転送情報、付与情報および管理情報をそれぞれ含むメッセージヘッダ451mh、VSオプション451vsoおよびIIDオプション451ioと、その他のオプション451etcと、RMオプション451rmoのオプションヘッダopthとを、受信したDHCPv6パケット402に付与してRFパケット451を作成する。
次に、管理処理部21は、作成したRFパケット451を中継処理部22へ出力する(ステップS108)。
次に、中継処理部22は、管理処理部21から受けたパケットに付与情報が付与されていない場合(ステップS112でNO)、受けたパケットに転送情報および出力元情報を付与してRFパケット453を作成する(ステップS116)。
具体的には、中継処理部22は、管理処理部21から受けたパケットがDHCPv6パケット402である場合、転送情報および出力元情報をそれぞれ含むメッセージヘッダ452mhおよびVSオプション452vsoと、その他のオプション452etcと、RMオプション451rmoのオプションヘッダopthとを、受けたDHCPv6パケット402に付与してRFパケット453を作成する。
一方、中継処理部22は、管理処理部21から受けたパケットに付与情報が付与されている場合(ステップS112でYES)、受けたパケットに出力元情報を付与してRFパケット452を作成する(ステップS114)。
具体的には、中継処理部22は、管理処理部21から受けたパケットがRFパケット451である場合、出力元情報を含むVSオプション452vsoと、その他のオプション452etcとを、受けたRFパケット451に付与してRFパケット452を作成する。
次に、中継処理部22は、作成したRFパケット453またはRFパケット452をサーバ151へ送信する(ステップS118)。
図15は、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置が、下り方向のDHCPv6パケットの中継処理を行う際の動作手順を定めたフローチャートである。
図15を参照して、まず、パケット中継装置101における中継処理部22は、サーバ151から応答パケット401を受信するまで待機する(ステップS202でNO)。
次に、中継処理部22は、サーバ151から応答パケット401を受信すると(ステップS202でYES)、応答パケット401におけるVSオプション452vsoから出力元情報を取得する(ステップS204)。
次に、中継処理部22は、応答パケット401に付与情報が付与されている場合(ステップS206でYES)、応答パケット401から出力元情報を削除してRRパケット551を作成する(ステップS208)。
具体的には、中継処理部22は、応答パケット401がRRパケット552である場合、出力元情報を含むVSオプション452vsoと、その他のオプション452etcとをRRパケット552から削除してRRパケット551を作成する。
一方、中継処理部22は、応答パケット401に付与情報が付与されていない場合(ステップS206でNO)、応答パケット401から出力元情報および応答情報を削除してDHCPv6パケット502を作成する(ステップS212)。
具体的には、中継処理部22は、応答パケット401がRRパケット553である場合、出力元情報および応答情報をそれぞれ含むVSオプション452vsoおよびメッセージヘッダ552mhと、その他のオプション452etcと、RMオプション551rmoにおけるオプションヘッダopthとをRRパケット553から削除してDHCPv6パケット502を作成する。
次に、中継処理部22は、作成したRRパケット551またはDHCPv6パケット502を出力元情報の示す管理処理部21へ出力する(ステップS210)。
次に、管理処理部21は、中継処理部22から受けたパケットに付与情報が付与されていない場合(ステップS214でNO)、当該パケット、具体的にはDHCPv6パケット502を加入者端末装置121経由でクライアント111へ送信する(ステップS218)。
一方、管理処理部21は、中継処理部22から受けたパケットに付与情報が付与されている場合(ステップS214でYES)、中継処理部22から受けたパケットから応答情報、管理情報および付与情報を削除してDHCPv6パケット502を作成する(ステップS216)。
具体的には、管理処理部21は、中継処理部22から受けたパケットがRRパケット551である場合、応答情報、管理情報および付与情報をそれぞれ含むメッセージヘッダ552mh、IIDオプション451ioおよびVSオプション451vsoと、その他のオプション451etcと、RMオプション551rmoにおけるオプションヘッダopthとをRRパケット551から削除してDHCPv6パケット502を作成する。
次に、管理処理部21は、作成したDHCPv6パケット502を加入者端末装置121経由でクライアント111へ送信する(ステップS218)。
ところで、たとえば、パケット中継装置は、クライアントから受信したパケットを転送する場合、RFC6221に従って、自己が当該パケットを転送したことを示す転送情報を当該パケットに付与する。
また、たとえば、パケット中継装置は、上記転送情報が付与されたパケットを異なるネットワークに中継する場合、RFC3315に従って、自己が当該パケットを転送したことを示す転送情報を当該パケットに付与して当該ネットワーク経由でDHCPv6サーバへ送信する。
しかしながら、DHCPv6サーバがパケット中継装置から受信するパケットには転送情報が2つ付与されているため、以下の問題を生ずることがある。
すなわち、パケットに転送情報が2つ付与された場合、たとえば当該パケットの構造が複雑になるため、DHCPv6サーバにおいて当該パケットを解析するための処理が複雑になってしまう。以下、上述の問題を具体的に説明する。
図16は、比較例のパケット中継装置の構成を示す図である。
図16を参照して、比較例のパケット中継装置901は、管理処理部921と、中継処理部922とを備える。
図17は、比較例のパケット中継装置の管理処理部においてカプセル化されたDHCPv6パケットの一例を示す図である。
図17を参照して、管理処理部921は、たとえば、加入者端末装置121からDHCPv6パケット402を受信すると、受信したDHCPv6パケット402をカプセル化したRFパケット951を作成して中継処理部922へ出力する。
ここで、RFパケット951のペイロード951pには、メッセージ951msgが含まれる。メッセージ951msgには、メッセージヘッダ451mh、RMオプション451rmo、IIDオプション451ioおよびその他のオプション451etcが含まれる。
図18は、比較例のパケット中継装置の中継処理部においてカプセル化されたRFパケットの一例を示す図である。
図18を参照して、中継処理部922は、たとえば、管理処理部921からRFパケット951を受けると、受けたRFパケット951をカプセル化したRFパケット952を作成してサーバ151へ送信する。
ここで、RFパケット952のペイロード952pには、メッセージ952msgが含まれる。メッセージ952msgには、メッセージヘッダ952mh、RMオプション952rmo、IIDオプション952ioおよびその他のオプション952etcが含まれる。また、メッセージヘッダ952mhにおけるホップカウントは、メッセージヘッダ451mhにおけるホップカウントをインクリメントした1である。
RMオプション952rmoの可変領域optvには、RFパケット951のペイロード951pすなわちメッセージ951msgが含まれる。
たとえば、サーバ151は、パケット中継装置901からRFパケット952を受信すると、受信したRFパケット952に含まれるメッセージ952msgからRMオプション952rmo、IIDオプション952ioおよびその他のオプション952etc、ならびにメッセージヘッダ952mhを取得するパケット分解処理を行う。
サーバ151は、たとえば、メッセージヘッダ952mhに含まれるホップカウントの値が1であることから、RFパケット952が2回転送されたパケットであると認識する。
そして、サーバ151は、たとえば、RMオプション952rmoのオプションヘッダopthに含まれるオプション長に基づいて、RMオプション952rmoの可変領域optvに含まれるメッセージ951msgを取得する。
たとえば、サーバ151は、取得したメッセージ951msgからRMオプション451rmo、IIDオプション451ioおよびその他のオプション451etc、ならびにメッセージヘッダ451mhを取得するパケット分解処理を行う。
そして、サーバ151は、たとえば、IIDオプション451ioの可変領域optvからONUインデックスを取得し、取得したONUインデックスを加入者端末装置121の判別に用いる。
このように、転送情報が2つ付与されたRFパケット952は、パケットの構造が複雑であるため、サーバ151においてRFパケット952を解析するための処理が複雑になってしまう。
これに対して、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、クライアント側通信部31は、DHCPv6パケット402を受信する。加入者回線管理部32は、パケット中継装置101によって転送されたパケットであることを示す転送情報を含むメッセージヘッダ451mhを、クライアント側通信部31によって受信されたDHCPv6パケット402に付与して出力する。集線中継部42は、加入者回線管理部32から受けたパケットに転送情報が付与されている場合、転送情報を付与せずに当該パケットの中継先の装置、具体的にはサーバ151へ当該パケットを送信する。
このように、1つのパケットに転送情報が複数付与されることなくサーバ151へ送信される構成により、単純な構造のパケットをサーバ151へ送信することができるので、サーバ151における当該パケットを解析するための処理を簡素化することができる。したがって、パケットの中継先の装置における当該パケットの処理負担を軽減することができる。
また、たとえば、通信システム301では、ホップカウントの値が所定値以上のパケットの転送が制限される場合がある。
比較例のパケット中継装置901は、メッセージヘッダ952mhに含まれるホップカウントの値が1のRFパケット952をサーバ151へ送信する。一方、パケット中継装置101から送信されたパケットは、メッセージヘッダ452mhに含まれるホップカウントの値はゼロであるので、パケット中継装置901から送信されたパケットと比べて残りの転送可能回数が多い。したがって、送信したパケットが目的の装置に到達する可能性をより高めることができる。
また、たとえば、パケット中継装置901は、クライアント111から受信したDHCPv6パケット402にサーバ151において用いられる管理情報を付与する場合、RFC6221に従い、自己が当該パケットを転送したことを示す転送情報を当該パケットに付与する。
また、たとえば、パケット中継装置901は、管理情報および転送情報が付与されたパケットを異なるネットワークに中継する場合、RFC3315に従い、自己が当該パケットを転送したことを示す転送情報を当該パケットに付与して当該ネットワーク経由でサーバ151へ送信する。
しかしながら、DHCPv6サーバがパケット中継装置901から受信するパケットには転送情報が2つ付与されているため、以下の問題が生ずることがある。
すなわち、パケットに転送情報が2つ付与された場合、たとえば当該パケットの構造が複雑になるため、サーバ151が、パケット中継装置901においてRFC6221に従う1回目の転送が行われた際に付与された管理情報を取得するための処理負担が大きくなってしまう。
また、たとえば、サーバ151が2回以上の転送が行われたパケットの解析を行うことができない場合、サーバ151は、RFC6221に従うパケット中継装置901において1回目の転送が行われた際に付与された管理情報を正しく取得することができない。
また、サーバ151では、パケット中継装置901において1回目の転送が行われた際に付与された情報すなわちONUのインデックスが、たとえば一段下のネットワーク階層にあるように認識する場合がある。このような場合、サーバ151は、ONUのインデックスを正しく取得できないことがある。
これに対して、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、加入者回線管理部32は、DHCPv6パケット402の送信元の装置、具体的には加入者端末装置121に関する情報であってサーバ151において当該加入者端末装置121を判別するために用いられる情報である管理情報を含むIIDオプション451ioをDHCPv6パケット402にさらに付与して出力する。
このような構成により、サーバ151において、管理情報を正しく取得したり、簡単な処理で取得したりすることができるので、管理情報を用いて加入者端末装置121の判別を適切に行うことができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、集線中継部42は、加入者回線管理部32から受けたパケットに当該パケットの出力元の加入者回線管理部32を示す出力元情報を付与してサーバ151へ送信する。
このような構成により、たとえば、パケット中継装置101が加入者回線管理部32を複数備える場合においても、集線中継部42は、サーバ151へ送信したパケットの応答パケットをサーバ151から受信したときに、当該応答パケットを出力すべき加入者回線管理部32を当該応答パケットに含まれる出力元情報に基づいて正しく判別することができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、サーバ側通信部43は、パケット中継装置101によって送信されたパケットに対する応答のパケットであって出力元情報を含むパケットである応答パケットをサーバ151から受信する。そして、集線中継部42は、サーバ側通信部43によって受信された応答パケットから出力元情報を取得し、出力元情報の示す加入者回線管理部32へ、出力元情報を削除した応答パケットを出力する。
このように、出力元情報を削除した応答パケットを出力する構成により、加入者回線管理部32が出力したパケットの形式に対応する形式のパケットを加入者回線管理部32へ出力することができるので、加入者回線管理部32における処理を簡素化することができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、加入者回線管理部32は、転送情報を付与するか否かを設定可能である。集線中継部42は、加入者回線管理部32から受けたパケットに転送情報が付与されていない場合、当該転送情報を含むメッセージヘッダ452mhを当該パケットに付与してサーバ151へ送信する。
このような構成により、加入者回線管理部32において、パケットに転送情報を付与するか否かを選択することができる。また、加入者回線管理部32において転送情報がパケットに付与されない場合においても、集線中継部42が当該パケットに転送情報を付与するので、サーバ151は、パケット中継装置101から受信するパケットを正しく処理することができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、加入者回線管理部32は、クライアント側通信部31によって受信されたDHCPv6パケット402に転送情報を付与したことを示す付与情報を含むVSオプション451vsoをDHCPv6パケット402にさらに付与する。集線中継部42は、加入者回線管理部32から受けたパケットにVSオプション451vsoが付与されていない場合、転送情報を含むメッセージヘッダ452mhを当該パケットに付与してサーバ151へ送信する。
このような構成により、集線中継部42では、VSオプション451vsoの内容に基づいて、加入者回線管理部32において転送情報が付与されたか否かを正しく判断することができるので、1つのパケットに転送情報が複数付与されることを簡易な処理でより確実に防ぐことができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、サーバ側通信部43は、パケット中継装置101によって送信されたパケットに対する応答のパケットであって転送情報に対する応答を示す応答情報を含むパケットである応答パケット401をサーバ151から受信する。そして、集線中継部42は、サーバ側通信部43によって受信された応答パケット401に付与情報を含むVSオプション451vsoが付与されていない場合、応答情報を削除した応答パケット401を加入者回線管理部32へ出力する。
このように、転送情報が付与されていないパケットすなわちDHCPv6パケット402を集線中継部42へ出力した加入者回線管理部32に、応答情報を削除した応答パケット401を出力する構成により、加入者回線管理部32が出力したパケットの形式に対応する形式のパケットを加入者回線管理部32へ出力することができるので、加入者回線管理部32における処理を簡素化することができる。
また、本発明の実施の形態に係るパケット中継装置では、加入者回線管理部32および集線中継部42は、それぞれRFC6221およびRFC3315に従って動作する。
このような構成により、加入者回線管理部32および集線中継部42は、それぞれRFC6221およびRFC3315の仕様を満たすので、当該仕様を満たすサーバ151およびクライアント111間において送受信されるDHCPv6パケット402およびDHCPv6パケット502を適切に中継することができる。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
パケット中継装置であって、
パケットを受信する受信部と、
前記パケット中継装置によって転送されたパケットであることを示す転送情報を、前記受信部によって受信された前記パケットに付与して出力する管理部と、
前記管理部から受けた前記パケットに前記転送情報が付与されている場合、前記転送情報を付与せずに前記パケットの中継先の装置へ前記パケットを送信する中継部とを備え、
前記受信部は、DHCPv6クライアントから前記パケットを受信し、
前記管理部は、前記受信部によって受信された前記パケットのペイロードを含むリレーフォワードオプション、および前記転送情報を含むメッセージヘッダを作成し、作成した前記リレーフォワードオプションおよび前記メッセージヘッダがペイロードに格納された前記パケットを作成して出力し、
前記中継部は、前記管理部から受けた前記パケットに前記転送情報が付与されている場合、前記転送情報を付与せず、自己が前記パケットの中継処理を行ったことを示す情報を前記メッセージヘッダに付与し、前記パケットの中継先の装置であるDHCPv6サーバへ前記パケットを送信し、
前記DHCPv6クライアントおよび前記管理部は同じネットワークに属し、
前記DHCPv6クライアントおよび前記DHCPv6サーバは異なるネットワークに属する、パケット中継装置。