JP2016224460A - カタディオプトリック投影対物系 - Google Patents
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Abstract
【課題】開口数NA>1で液浸リソグラフィを可能にする値に達し得る非常に高い像側開口数の可能性を有する、真空紫外領域での使用に適したカタディオプトリック投影対物系を提供する。
【解決手段】投影対物レンズの物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物レンズが、物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物レンズ部分と、第1中間像を第2中間像に結像するための少なくとも1つの凹面鏡を有する第2対物レンズ部分と、第2中間像を像平面上に結像するための第3屈折対物レンズ部分を有し、投影対物レンズが最大レンズ直径Dmax、最大像視野高さY’、及び像側開口数NAを有し、COMP1=Dmax/(Y’・NA2)であり、条件COMP1<10が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。
【選択図】図1
【解決手段】投影対物レンズの物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物レンズが、物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物レンズ部分と、第1中間像を第2中間像に結像するための少なくとも1つの凹面鏡を有する第2対物レンズ部分と、第2中間像を像平面上に結像するための第3屈折対物レンズ部分を有し、投影対物レンズが最大レンズ直径Dmax、最大像視野高さY’、及び像側開口数NAを有し、COMP1=Dmax/(Y’・NA2)であり、条件COMP1<10が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。
【選択図】図1
Description
本発明は、物体面に配置されたパターンを像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系に関する。
この種類の投影対物系は、投影露光系、とくに半導体装置や他の種類のマイクロデバイスの製造に使用されるウェーハスキャナやウェーハステッパに利用されており、以後一般に「マスク」又は「レチクル」というフォトマスク又はレチクルのパターンを、感光性コーティングを有する物体上に超高分解能で縮小スケールで投影するのに役立っている。
より微細な構造を製造する目的で、関連する投影対物系の像側端開口数(NA)を増加させるとともに、より短い波長、好ましくは約260nm未満の波長を有する紫外光を利用することが求められている。
しかしながら、その波長領域で要求される光学素子の製造に利用可能な充分に透過性の材料、とくに合成石英ガラスと結晶性フッ化物は、ほとんど存在しない。利用可能なこれらの材料のアッベ数は互いにかなり近いため、充分に良く色補正された(色収差のために補正された)純粋屈折性の系を提供するのは困難である。
リソグラフィにおいて半導体ウェーハのような平面状の基板を露光するためには、平面状の(平面の)像が必須である。しかしながら、一般に光学系の像面は湾曲しており、湾曲の程度はペッツバル和により決定されている。ペッツバル和の補正は、増加された分解能で平面状の面に大きな物体視野を投影することが求められている点で、より重要になっている。
平面状の像面と良好な色補正を得るための1つのアプローチは、カタディオプトリック系の使用であり、これはレンズのような屈折素子と、鏡のような反射素子の両方を組み合わせていて、好ましくは少なくとも1つの凹面鏡を有している。正の屈折力と負の屈折力のレンズが光学系での全屈折力に寄与するのに対し、面曲率と色収差は互いに反対であり、凹面鏡は、正パワーレンズのような正のパワーを有するが、色収差に寄与することなく面曲率に逆の効果を与える。
更に、大きなレンズを製造するのに充分大きな寸法の関連材料の高額な値段と、フッ化カルシウム結晶の有限の利用可能性が問題となっている。こうして、レンズの個数と寸法を減少させることを可能にして同時に結像の正確性を保持して更なる改良に寄与する手段が、望まれている。
少なくとも2つの凹面鏡を有するカタディオプトリック投影対物系が提案されていて、良好な色補正と適度なレンズ量の要求を系に提供している。US 6,600,608 B1の特許は、投影対物系の物体平面に配置されたパターンを第1中間像に結像するための第1純粋屈折対物系部分と、第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、第2中間像を直接すなわち更なる中間像なしで像平面に結像するための第3対物系部分を有する。第2対物系部分は、中心穴を有する第1凹面鏡と、中心穴を有する第2凹面鏡を有するカタディオプトリック対物系部分であり、これらの凹面鏡は互いに対向しいて間に鏡間空間又はカタディオプトリックキャビティを画定する鏡面を有する。第1中間像は、物体平面の隣の凹面鏡の中心穴内に形成されており、第2中間像は、物体平面の隣の凹面鏡の中心穴内に形成されている。対物系は、軸方向対称性を有していて、良好な色補正を軸方向及び横方向に提供する。しかしながら、これらの凹面鏡の反射面はそれらの穴で中断されているため、系の瞳は不明瞭になっている。
EP 1 069 448 B1の特許は、互いに対向した2つの凹面鏡を有するもう1つのカタディオプトリック投影対物系を開示している。これらの凹面鏡は、凹面鏡の近傍に位置付けられた中間像上に物体を結像する第1カタディオプトリック対物系部分の一部である。これは第2純粋屈折対物系部分により像平面に結像される中間像に過ぎない。物体は、カタディオプトリック結像系の像と同様に、互いに対向したこれらの鏡により画定された鏡間空間の外側に位置付けられている。2つの凹面鏡と、共通の真っ直ぐな光軸と、カタディオプトリック結像系によって形成されこれらの凹面鏡のうちの1つのそばに位置付けられた1つの中間像を有する類似の系が、特開2002−208551号公報と米国特許出願US 2002/00241 A1に開示されている。
欧州特許出願EP 1 336 887(US 2004/0130806 A1に対応する)は、1つの共通の真っ直ぐな光軸を有するカタディオプトリック投影対物系を示し、その順で、中間像を生成するための第1カタディオプトリック対物系部分と、第1中間像から第2中間像を生成するための第2カタディオプトリック対物系部分と、第2中間像から像を形成する屈折第3対物系部分を有する。各カタディオプトリック系は、互いに対向した2つの凹面鏡を有する。中間像が、凹面鏡で画定された鏡間空間の外側にある。凹面鏡が、投影対物系の中間像よりも、瞳面により近い瞳面に光学的に近くに位置付けられている。
国際特許出願WO 2004/107011 A1は、カタディオプトリック投影対物系を開示していて、これらは、1つの共通する真っ直ぐな光軸と2つ以上の中間像を有していて、NA=1.2までの開口数で液浸リソグラフィに適している。少なくとも1つの凹面鏡が、投影対物系の中間像よりも瞳面のそれにより近い瞳面の光学的に近くに位置付けられている。
T.Matsuyama、T.Ishiyama、Y.Ohmuraによる「ニコン投影レンズアップデート」、SPIE5377.65(2004)予稿集、光学マイクロリソグラフィXVII、B.W.Smith提供において、カタディオプトリック投影レンズの構成例が示されていて、これは従来の屈折光学DUV系と、DUV系のレンズ群の間に挿入された6鏡EUV反射光学系の組み合わせである。第1中間像は、凸面鏡の上流の反射光学(純粋反射)群の第3鏡の後方に形成されている。第2中間像が、純粋屈折(反射光学)第2対物系部分により形成されている。第3対物系部分は、純粋屈折性であり、ペッツバル和補正のための第3対物系部分内の最小ビーム直径のウエストのところで負の屈折力を特徴付けている。
特開2003−114387号公報と国際特許出願WO 01/55767 Aは、共通の1つの真っ直ぐな光軸と、第1中間像を形成する第1カタディオプトリック投影対物系と、中間像をこの系の像平面上に結像するための第2カタディオプトリック対物系部分を有するカタディオプトリック対物系部分を開示している。凹及び凸面鏡が組み合わせて使用されている。
D.Dejagerによる「傾斜凹面鏡正立素子を使用したカメラビューファインダ」、SPIE.Vol.237(1980)p.292−298は、1:1望遠鏡正立リレー系の素子としての2つの凹面鏡からなるカメラビューファインダを開示している。この系は無限での物体を実像に結像するように構成されており、これは正立であり、接眼レンズを通して見ることができる。反射光学リレー系の上流及び下流の屈折系部分の別体の光軸は、互いに平行にずれている。互いに対向した凹面鏡を有する系を構成する目的で、鏡は傾斜されなければならない。著者らはこの種類の物理的に実現可能な系は、低い像品質を有すると結論付けている。
国際特許出願WO 92/05462及びWO 94/06047とOSA/SPIE予稿集(1994)389頁以下「革新的広視野双眼鏡構成」は、とくに単一の折り曲げられない光軸を有するインライン系として構成された双眼鏡及び他の検査装置を開示している。幾つかの実施例は、光軸の一方の側に配置された物体側鏡面を有する第1凹面鏡と、第1鏡に対向していて光軸の反対側に配置された鏡面を有する第2凹面鏡を有し、これらの凹面鏡の面曲率は、鏡間空間を画定している。前側屈折群は、第1鏡の近くの第1中間像を形成し、第2中間像は2つの向かい合う鏡により形成されたスペースの外側に形成されている。垂直方向よりもより大きい水平方向にある狭い視野は、光軸光軸に対してずれて配置されている。物体側屈折群はコリメートされた入力を有し、像側屈折群はコリメートされた出力を有し、テレセントリックでない入射及び射出瞳が形成される。瞳形状は、円形でかつ光軸に中心付けられなければならないリソグラフィ投影レンズの瞳面と違って、半円形である。
PCT出願であるWO 01/044682 A1は、マンジャンミラーとして構成された1つの凹面鏡を有するウェーハ検査のためのカタディオプトリックUV結像系を開示している。
1つの単一凹面鏡を有していて入射側及び射出側屈折結像部分系の間に配置されたカタディオプトリック結像部分系を有するカタディオプトリック投影対物系(いわゆるR−C−R系)が、例えば出願人により2004年5月17日に出願されたUS出願シリアルナンバー60/573,533に開示されている。R−C−R系の他の例が、US 2003/0011755、WO 03/036361又はUS 2002/0197946に示されている。
2005年1月14日に出願人により(2004年1月14日に出願されたUS仮出願60/536,248;2004年7月14日に出願されたU.S.60/587,504;2004年10月13日に出願された60/617,674;2004年7月27日に出願された60/591,775:及び2004年9月24日に出願された60/612,823に基づいて)出願された「カタディオプトリック投影対物系」のUS特許出願は、非常に高いNAを有していてNA>1で最大値NA=1.2を有する液浸リソグラフィに適したカタディオプトリック投影対物系を開示している。投影対物系は、物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1対物系部分と、第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、第2中間像を直接像平面上に結像するための第3対物系部分からなる。第2対物系部分は、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と、第2連続鏡面を有する第2凹面鏡と、互いに対向しいて鏡間空間を画定する凹面鏡面を有する。全ての凹面鏡は瞳面から光学的に離れて位置付けられている。系は、適度なレンズ量消費で非常に高い開口数の可能性を有する。この文献とその優先書類の全開示は、言及によりこの出願書類に含められる。
T.Matsuyama、T.Ishiyama、Y.Ohmuraによる「Nikon投影レンズアップデート」、SPIE5377.65(2004)予稿集、光学マイクロリソグラフィXVII、B.W.Smith提供
D.Dejagerによる「傾斜凹面鏡正立素子を使用したカメラビューファインダ」、SPIE.Vol.237(1980)p.292−298
OSA/SPIE予稿集(1994)389ff頁「革新的広視野双眼鏡構成」
本発明の目的の1つは、開口数NA>1で液浸リソグラフィを可能にする値に達し得る非常に高い像側開口数の可能性を有する、真空紫外(VUV)領域での使用に適したカタディオプトリック投影対物系を提供することである。もう1つの目的は、比較的少量の光学素子で構成され得るカタディオプトリック投影対物系を提供することである。更なる目的は、適度な寸法を有するコンパクトな高開口カタディオプトリック投影対物系を提供することである。
これらの及び他の目的に対する解決手段として、本発明は、1つの明確な記述によれば、投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、 第1中間像を第2中間像に結像するための少なくとも1つの凹面鏡を有する第2対物系部分と、
第2中間像を像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
投影対物系が、最大レンズ直径Dmaxと、最大像視野高さY’と、像側開口数NAを有し、COMP1=Dmax/(Y’・NA2)であり、
次の条件
COMP1<10
が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系を提供する。
物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、 第1中間像を第2中間像に結像するための少なくとも1つの凹面鏡を有する第2対物系部分と、
第2中間像を像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
投影対物系が、最大レンズ直径Dmaxと、最大像視野高さY’と、像側開口数NAを有し、COMP1=Dmax/(Y’・NA2)であり、
次の条件
COMP1<10
が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系を提供する。
一般に、投影対物系の寸法は、像側開口数NAが増加されるにつれて劇的に増加する。経験的に、最大レンズ直径Dmaxは、Dmax〜NAk(K>1)にしたがって、NAの一次の増加よりも多く増加する傾向にあることが分かった。値k=2は、この出願のために使用された近似値である。更に、最大レンズ直径Dmaxは、(像視野高さY’により表される)像視野の寸法に比例して増加することが分かった。一次の依存性は、この出願のために仮定されている。これらの事項に基づいて、第1コンパクト性パラメータCOMP1は、次のように定義される。
COMP1=Dmax/(Y’・NA2)
像視野高さ及び開口数の所与の値に対して、第1コンパクト性パラメータCOMP1は、もしコンパクトな構成が望まれるなら、可能な限り小さくあるべきことは明らかである。
像視野高さ及び開口数の所与の値に対して、第1コンパクト性パラメータCOMP1は、もしコンパクトな構成が望まれるなら、可能な限り小さくあるべきことは明らかである。
投影対物系を提供するために必要な全材料消費を考慮すれば、レンズの絶対数NLもまた問題となる。典型的には、少数のレンズを有する系は多数のレンズを有する系よりも好ましい。それゆえ、第2コンパクト性パラメータCOMP2は、次のように定義される。
COMP2=COMP1・NL
また、小さい値のCOMP2はコンパクトな光学系を示している。
また、小さい値のCOMP2はコンパクトな光学系を示している。
更に、本発明による投影対物系は、入射側視野平面を光学的に共役な射出側視野平面に結像するための少なくとも3つの対物系部分を有し、結像対物系部分は中間像で連結されている。典型的には、レンズの個数と投影対物系を構成するのに必要な材料は、光学系の結像対物系部分の個数NOPが大きければ大きい程、増加する。対物系部分毎のレンズの個数の平均NL/NOPを可能な限り小さく維持するのが望ましい。それゆえ、第3コンパクト性パラメータCOMP3は次のように定義される。
COMP3=COMP1・NL/NOP
低光学材料消費の投影対物系もまた、小さい値のCOMP3で特徴付けられる。
低光学材料消費の投影対物系もまた、小さい値のCOMP3で特徴付けられる。
値COMP1<10であることは、非常にコンパクトな構成を意味している。COMP1<9.6となる値さえも、幾つかの実施例で得られている。幾つかの実施例においては、開口数が1.2より大きいが(すなわちNA>1.2)、低いコンパクト性が得られる。NA=1.3又はNA=1.35を有する幾つかの実施例が可能であり、超高分解能液浸リソグラフィが可能である。
幾つかの実施例において、低い値の第2コンパクト性パラメータを得ることができる。幾つかの実施例において、COMP2<260及び/又はCOMP2<240が得られる。COMP2<220の実施例が可能である。
代わりに、又は追加的に、低い値の第3コンパクト性パラメータCOMP3が可能である。幾つかの実施例において、COMP3<80、及び低い値のCOMP3<70もまた可能である。
好ましい実施例において、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、第2対物系部分に配置されていて、瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、全ての凹面鏡が瞳面から光学的に離れて配置されている。
これらの実施例において、光軸の周りで中心付けられた円形の瞳が、中心付けられた光学系に設けられている。系部分の2以上の凹面鏡が第2中間像を形成するのに寄与して設けられていて、凹面鏡の使用領域は、軸方向対称照明からかなり逸脱している。好ましい実施例においては、ちょうど2つの凹面鏡が設けられていて、優秀な結像品質と非常に高い開口数を得るのに充分である。1つの共通の折り曲げられない(真っ直ぐな)光軸を有する系が設けられることが可能であり、これは製造、調整及びフォトリソグラフィ投影系への一体化を容易にする。平面状の折り曲げ鏡は必要ない。もっとも、1又はそれより多い平面の折り曲げ鏡がよりコンパクトな構成を得るために利用され得る。
全ての凹面鏡は、瞳面から「光学的に離れて」配置されていて、これはそれらが瞳面の光学的近傍の外側に配置されることを意味している。それらは、瞳面よりも視野面に光学的に近くに配置されてもよい。瞳面から光学的に離れた(すなわち瞳面の光学的近傍の外側の)好ましい位置は、光線高さ比H=hC/hM>1により特徴付けられてもよく、ここでhCは主光線の高さであり、hMは結像プロセスの周縁光線高さである。周縁光線高さhMは、(光軸に最も近い)内部視野点から開口絞りの縁へ進む周縁光線高さであり、主光線高さhCは、(光軸から最も遠い)最外視野点から、光軸に対して平行又は小さな角度で進み、開口絞りが位置付けられる瞳面位置において光軸と交差する主光線の高さとすることができる。換言すれば、全ての凹面鏡は、主光線高さが周縁光線高さを超えている位置にある。
瞳面から「光学的に離れた」位置は、光ビームの断面形状が、瞳面で又はそこの直近で見出される円形形状からかなり逸脱している位置である。ここで使用される用語「光ビーム」は、物体面から像面に進む全ての光線の束を表している。瞳面から光学的に離れた鏡位置は、光ビームの伝播方向に直交する相互に垂直な方向で光ビームのビーム直径が互いから50%より多く又は100%逸脱した位置として定められてもよい。換言すれば、凹面鏡の照明された領域は、円からかなり逸脱した形状を有してもよく、ウェーハスキャナ用のリソグラフィ投影対物系での好ましい視野形状に対応する高アスペクト比の矩形に類似する形状を有してもよい。それゆえ、1つの方向が他よりもかなり小さなコンパクトな矩形又は矩形に近い形状を有する小さな凹面鏡が使用されてもよい。高開口光ビームがそれゆえ鏡の縁での口径食無しで系の中を導かれることができる。
明細書を通じて、「対物系部分」の用語は、投影対物系の結像部分系を意味しており、これは部分系の物体面の物体を部分系の物体面に光学的に共役な部分系の像面に結像可能である。部分系(すなわち対物系部分)により結像される物体は、投影対物系の物体面の物体又は中間像であってもよい。
「上流」又は「下流」の用語がこの明細書において使用されているときは、これらの用語は、対物系の物体平面から像平面に進む光ビームの光学パスに沿った相対的な位置を意味する。それゆえ、第2中間像の上流の位置は、光学的に物体平面と第2中間像の間の位置である。
「中間像」の用語は、一般に完全光学系により形成されて物体面と光学的に共役な面に位置する「近軸中間像」を意味する。それゆえ、中間像の位置(location)や位置(position)についてどこが参照されても、物体面と光学的に共役なこの面の軸方向の位置(position)を意味する。
本発明のもう1つの態様によれば、投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系が、
物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
第2中間像を像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡が、第2中間像の上流に配置されており、
瞳面が、物体平面及び第1中間像の間と、第1及び第2中間像の間と、第2中間像と像面の間に形成されており、
全ての凹面鏡が瞳面から光学的に離れて配置されており、
第1対物系部分が第1の数であるN1AS個の非球面レンズを有し、
第3対物系部分が第2の数であるN3AS個の非球面レンズを有し、
非球面レンズ比ASR=N1AS/N3ASが1よりも小さく、
像側開口数NAが1.2よりも大きい。
物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
第2中間像を像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡が、第2中間像の上流に配置されており、
瞳面が、物体平面及び第1中間像の間と、第1及び第2中間像の間と、第2中間像と像面の間に形成されており、
全ての凹面鏡が瞳面から光学的に離れて配置されており、
第1対物系部分が第1の数であるN1AS個の非球面レンズを有し、
第3対物系部分が第2の数であるN3AS個の非球面レンズを有し、
非球面レンズ比ASR=N1AS/N3ASが1よりも小さく、
像側開口数NAが1.2よりも大きい。
製造の観点から、球面レンズ面のみを有するレンズを有することが望まれるが、一定数の非球面レンズが像収差の充分な補正を得るために要求されるのは明らかである。第3対物系部分が第1対物系部分よりも多く非球面レンズを有する構成は、投影対物系における非球面レンズの個数NASを、非球面レンズの製造が製造されるべき非球面レンズの数が大きいゆえに決定的な問題となる許容限界を超えて増加させることなく良好な補正状況を得る可能性を有することが分かった。
幾つかの実施例において、第1対物系部分は球面レンズのみを有し、N1AS=0となるようになっている。全て球面の屈折対物系部分は、とくに製造容易である。全て球面の第1対物系部分は、1又はそれより多い非球面レンズ、例えば1つ又は2つ又は3つ又は4つ又は5つのレンズを有する第3対物系部分と組み合わせられてもよい。好ましくは条件1≦N3AS≦7が満たされる。
好ましくは、第1対物系部分は、4つ以下の非球面レンズを有し、すなわちN1AS≦4である。
第1対物系部分は、多くの場合、少数のレンズで構成されることが可能であり、これにより第1対物系部分のレンズ材料消費ととくに軸方向におけるコンパクトな寸法が最適化されることが分かった。幾つかの実施例において、第1対物系部分は、5つ以下のレンズを有し、第1対物系部分のレンズの個数N1Lは、条件N1L≦5を満たすようになっている。N1L=4を有する実施例が可能である。もっとも、N1L=5が多くの場合好ましいようである。
幾つかの実施例において、第1対物系部分は正レンズのみを有し、これにより、第1中間像の形成が、第1対物系部分で小さな最大レンズ直径で達成され得る。他の実施例において、少なくとも1つの負レンズが、とくに第1対物系部分内の補正を改善するために有利だろう。ちょうど1つの負レンズがその目的のためにしばしば好ましい。負レンズは、像側で凹形のレンズ面を有してもよく、第1対物系部分の瞳面と第1中間像の間に設けられてもよい。
レンズ、鏡及び/又は板の本質的に平らな面、プリズム等のような光学素子に設けられた非球面が、光学系の補正状況と全寸法と材料消費の両方を改善するのに利用され得ることが分かる。幾つかの実施例において、投影対物系は、第1非球面と、第1非球面に直近の第2非球面を含む少なくとも1つの「2重非球面」を含み、これにより、伝播するビームが、中間の球面又は平面状の面を通過することなく、2つの非球面を通過することが可能となる。2重非球面は、いくつかの実施例において、非常に強力な補正手段であることが分かった。
2重非球面は、非球面入射面と非球面射出面を有する両非球面レンズの構造を取ってもよい。幾つかの好ましい実施例において、2重非球面は2つの続いているレンズの隣接する非球面を対向させることにより形成される。これにより、入射及び射出側の両方で非球面により画定された「エアスペース」を得ることができる。「エアスペース」は、屈折率nが約1である別のガスのエアで満たされ得る。2重非球面の非球面が、続いているレンズの対向するレンズ面に分布している場合、非球面は、もし望まれるなら非常に近くに一緒に位置付けられ得る。2重非球面の第1及び第2非球面の間で光軸に沿って測定された光学的距離は、それゆえ2重非球面を形成する連続するレンズのうちのより薄い方の(光軸に沿って測定された)厚さよりも小さくてもよい。屈折力の複合放射分布は、こうして光軸に沿った軸方向に狭い領域で画定された位置で、得られることが可能である。
幾つかの実施例において、第3対物系部分は、少なくとも1つの2重非球面を有する。好ましくは、この2重非球面は、光学的に第2中間像と第3対物系部分の瞳面の間に位置付けられ、これにより好ましくは一般に発散するビームの領域での光線角度に影響を与える。第2の2重非球面がこの対物系部分に設けられてもよい。
代わりに、又は組み合わせて、第1対物系部分は、少なくとも1つの2重非球面を有してよい。2重非球面は第1対物系部分内に設けられる場合、第1対物系部分の2重非球面が第1対物系部分の瞳面又は該瞳面の光学的に近くに位置付けられるとき、有利であることが分かった。
先に指摘されたように、レンズにおける多数の非球面を避けることは、投影対物系の製造を容易化することに寄与するだろう。一定の条件下で、単一の非球面の補正作用は、大きい入射角度の光線がその面で生じている1又はそれより多い球面で近似されることが可能である。幾つかの実施例において、第1対物系部分は、レンズ面を通過する光線の入射角度が60°より大きな入射角度を含むレンズ面を有する少なくとも1つのレンズを有する。好ましくは、その面は瞳面に光学的に近くてもよい。この場合の入射の角度(入射角度)は、レンズ面に光線が入射する点でのレンズ面の法線とその光線で囲まれる角度で定義される。この種の高入射角度面は、非球面の数を減少させるために用いられてもよい。
先の及び他の特性は、特許請求の範囲においてだけでなく、明細書及び図面においても見出すことが可能であり、個々の特徴は、単独又はそれらの組み合わせで、本発明の実施例のように及び他の分野で使用されてもよく、有利で特許可能な実施例を個別に表わしてもよい。
以下に示す本発明の好ましい実施例の説明において、「光軸」の用語は、関係する光学素子の曲率中心を通過する直線又は一連の直線部分をいうものとする。光軸は、折り曲げ鏡(偏向鏡)又は他の反射面により折り曲げられる。ここで提示された例において、関係する物体は、集積回路のパターン又は何らかの他のパターン、例えば格子パターンを担持するマスク(レチクル)である。ここで表現された例において、物体の像は、液晶ディスプレイの構成部品又は光学格子のための基板のような他の種類の基板もまた可能であるけれども、フォトレジストの層で覆われた基板としての役割を果たすウェーハ上に投影される。
図面に示された構成の仕様を開示するための表が与えられている場合、その表は、図面と同一の数字により示されている。図面において対応する構成は、理解を容易にするため類似又は同一の参照符号で指示されている。レンズが指示される場合、L3−2は、(光伝播方向で見たとき)第3対物系部分の第2レンズを意味する。
図1は、約193nm紫外作動波長のために構成された本発明によるカタディオプトリック投影レンズ100の第1実施例を示す。これは、平面状の物体面OS(物体面)に配置されたレチクル上のパターンの像を、平面状の像面IS(像面)に例えば4:1の縮小スケールで投影するために構成されており、ちょうど2つの実中間像IMI1、IMI2を生成している。第1屈折対物系部分OP1は、物体面のパターンを第1中間像IMI1に拡大スケールで結像するために構成されている。第2反射光学(純粋反射)対物系部分OP2は、IMI2を1:1に近い倍率で結像する。第3屈折対物系部分OP3は、第2中間像IMI2を像面IS上に強い縮小比で結像する。第2対物系部分OP2は、物体側を向いた凹面鏡面を有する第1凹面鏡CM1と、像側を向いた凹面鏡面を有する第2凹面鏡CM2を含む。これらの鏡面は両方とも連続的又は完全であり、すなわちそれらは穴又は孔を有していない。これらの互いに対向した鏡面は、カタディオプトリックキャビティを画定し、これは鏡間空間とも呼ばれていて、凹面鏡によって画定された曲面により囲まれている。中間像IMI1、IMI2は、鏡面から充分離れていて、カタディオプトリックキャビティの内側に両方とも位置する。
凹面鏡の各鏡面は、物理的な鏡面の縁を越えて延び、鏡面を有する数学的な面である「湾曲面」又は「湾曲の面」を画定する。第1及び第2凹面鏡は、共通の回転対称軸を有する回転対称湾曲面の部分である。
対物系100は、回転対称であり、全ての屈折及び反射光学コンポーネントに共通な1つの真っ直ぐな光軸AXを有する。折り曲げ鏡は存在しない。凹面鏡は、小さな直径を有していて、それらを一緒に近くに置き、それらの間にある中間像のかなり近くに置くことを可能にしている。これらの凹面鏡は両方とも軸方向対称面の軸外部分として構成されて照明される。光ビームは、口径食なしで、光軸を向いたこれらの凹面鏡の縁のそばを通過する。
投影対物系100は、例えば純水のような高屈折率液浸液と共に使用されるとき、像面ISに最も近い対物系の射出面と像面ISの間で、像側開口数NA=1.2を有するλ=193nmの液浸対物系として構成されている。屈折第1対物系部分OP1は、球面レンズのみを有する。凹面鏡CM1、CM2は両方とも非球面鏡である。第3対物系部分OP3は、その対物系部分の瞳面P3の位置(結像の主光線CRが光軸AXと交差する場所)の近くの1つの非球面(レンズL3−9の入射面)と、最終の像側平凸レンズL3−13の直ぐ上流にある最終から2番目のレンズL3−12の射出側の第2非球面を有する。最終レンズは、投影対物系の動作時において液浸液と接触し、この明細書において「液浸レンズ」とも呼ばれる。投影対物系は全ての収差に対して充分に補正されるわけではないが、第3レンズ部分に全て置かれた少数の非球面レンズ(NAS=2)で結像が可能であることが見て取れる。
図2は、全て球面の第1対物系部分OP1と第3対物系部分OP3の1つだけの非球面レンズL3−4を有する対物系200の第2実施例を示す。開口絞りASは、第3対物系部分のその瞳面PS3の領域に設けられている。この場合4つのレンズだけからなり、全てのレンズが正の球面レンズである第1対物系の開口絞りのために良く補正された位置は必要ではない。これにより第1対物系部分の非常に単純でコンパクトな構成が得られる。
投影対物系200は、高屈折率液浸液、例えば純水と共に使用されるとき、対物系の射出面と像面の間で、像側開口数NA=1.20を有するλ=193nmの液浸レンズとして構成されている。この構成のための仕様が表2にまとめられている。最も左の欄は、屈折、反射、又は他に明示された面の番号を示し、第2欄は、その面の半径r[mm]を示し、第3欄は、光学素子の「厚さ」と呼ばれるパラメータである面と次の面の間の距離d[mm]を示し、第4欄はその光学素子を製造するために用いられた材料を示し、第5欄はその製造のために使用された材料の屈折率を示す。第6欄は、光学素子の光学的に利用可能な有効半直径[mm]を示す。表中の半径r=0は、(無限半径を有する)平面状の面を意味する。
この特定の実施例の場合においては、3つの面(面9、10、18)が非球面である。表2Aはこれらの非球面のための関連データを示し、そこから、それらの面図形のサジッタ又は立ち上がり高さp(h)が高さhの関数として次の式を用いて算出され得る。
p(h)=[((1/r)h2)/(1+SQRT(1−(1+K)(1/r)2h2))]+C1・h4+C2・h6+....,
ここで半径の逆数(1/r)は、面頂点での当該面の曲率であり、hは光軸からその点までの距離である。サジッタ又は立ち上がり高さp(h)は、こうして、z方向に沿って、すなわち光軸に沿って計測された当該面の頂点からその点までの距離を表す。定数K、C1、C2等は、表2Aに示されている。
ここで半径の逆数(1/r)は、面頂点での当該面の曲率であり、hは光軸からその点までの距離である。サジッタ又は立ち上がり高さp(h)は、こうして、z方向に沿って、すなわち光軸に沿って計測された当該面の頂点からその点までの距離を表す。定数K、C1、C2等は、表2Aに示されている。
この実施例において、非球面凹面鏡CM1、CM2に加えて少数のレンズ(NL=13)と1つの非球面レンズ(L3−4)のみで、多くの収差が高度に補正されるのは注目に値する。とくに全ての3次及び5次収差がゼロである。テレセントリシティの変化は、その視野に渡って補正される。高次(7次以上)の歪曲がその視野に渡って補正される。像側での瞳収差が補正されて、像側開口数NA=1.2がその視野に渡って一定であるようになっている。2つの実光線は軸上で補正され、4つの開口光線は中間視野点で補正される。高次(7次以上)の非点収差が視野の縁と中間視野点で補正される。この補正状況は、(焦点レンズ群として作動する)最も大きいレンズにおいて直径218mmである第3対物系部分のレンズ直径がかなり小さい対物系で得られる。第3対物系部分の第1レンズL3−1は、幾何学的に最も近い鏡(第1凹面鏡CM1)の頂点に対して比較的大きな幾何学的距離を有し、その軸方向鏡−レンズ距離MLDは90mmである。これは物体面OSと像面ISの間の軸方向距離の約7.5%であり、この物体−像距離は「トラック長さ」とも呼ばれる。像側第1凹面鏡CM1と第3対物系部分の第1レンズの間の大きな幾何学的距離MLDは、第3対物系部分における小さなレンズ直径に寄与する。
像側の最終レンズL3−9(液浸レンズ)は、短い半径(50mm)の球状入射面を有しており、これにより小さな入射角度がその面で得られる。
この構成は、より高次のペッツバル湾曲とより高次のサジッタ軸外球面収差が支配的であるのが明らかである残留収差に関して最適化されることが可能である。第1対物系部分に1つのレンズを加えること及び/又は1以上の更なる非球面を設けることが、残留収差を減少させるのに寄与する。図2の構成の更なる発展の例が図3に示されており、そこでは像側の凹面を有するメニスカスレンズとして構成された追加の負レンズL1−4が、その瞳面P1と第1中間像の間で第1対物系部分に加えられている。この修正は、先述の残留収差を補正することを可能にする。この例は、とりわけ、基本的な構成が、少数のレンズと少数の非球面レンズの全体的に単純な構成で、結像誤差を補正するための高い柔軟性を可能にすることを例示している。
投影対物系400の第4実施例が図4に示されており、その仕様が表4と4Aに与えられている。図2及び3の実施例と同様に、1つだけの非球面レンズ、すなわち非球面射出面を有する正のメニスカスレンズL3−4が、この系において、第3対物系部分OP3におけるその対物系部分の瞳面P3に光学的に近い開口絞りASの上流の最も大きなビーム直径の領域に置かれている。第1対物系部分OP1は、全て球面であり、P−P−P−N−Pのシーケンスにおいて負レンズL1−4を1つだけ有し、ここで「P」は、正レンズを意味し、「N」は負レンズを意味する。構成の観点から、像側凹面鏡CM1と第3レンズ部分OP3の第1レンズL3−1の間の大きな軸方向距離が明らかであり、この距離MLDは、トラック長さの10%よりも大きい。
図5は、図3及び4の系の変形例を示し、そこでは主に第1対物系部分OP1における僅かな修正が、改良された補正に活用されている。図5の結果としての構成は、2つの視野点を有し、これらは非点収差とペッツバル湾曲の両方のために補正され、非点収差を有さない視野ゾーンが焦点の合った状態となる。
本発明のより好ましい構成において、視野に対する歪曲、非点収差、ペッツバル湾曲及びテレセントリシティ変化は、(第1中間像IMI1を形成するリレー系の役割を果たす)第1対物系部分OP1と非球面鏡に加えていくつかの球面レンズの同様な構成で、非常に高次まで全て補正され得る。
2つの非球面鏡CM1、CM2は、少数の非球面レンズで良好な補正を得るのに重要なのが明らかである。2つの非球面鏡は、一般に、歪曲及びテレセントリシティ変化のような2つの主光線収差が非常に高次まで補正される構成を可能にする。もし2つの非球面鏡の変形が正確に設定されるなら、これらの2つの収差がこれらの鏡により正確に補正され得る。1つの注目に値する点は、追加的に、全て球面の第1対物系部分OP1で非点収差とペッツバル湾曲が高度に補正され得ることである。
単独で又は組み合わせで、収差補正に関する構成の種類の正の特性に寄与し得る少なくとも3つの特徴があることが明らかである。1つの態様は、凹面鏡CM1、CM2が同一又はほぼ同一である他の実施例と比較して、凹面鏡が、好ましくは半径に関して非常に異なっていてよいことである。更に、中間像IMI1及び/又はIMI2での多くのコマ収差が、少数の非球面レンズでの補正を容易にすることが明らかである。また、像側凹面鏡CM1の頂点と第3対物系部分の第1レンズの間の著しく大きなエアスペース(鏡−レンズ距離MLD)は、有利な特性に寄与するのが明らかである。
物体側及び像側及び/又は投影対物系、すなわち第1対物系部分OP1および第3対物系部分OP3は、独立して構成され得ることも明らかである。とくに、第3対物系(焦点レンズ群)は、視野収差に多くの注意を払うことなく、開口収差に対して構成されることが可能であり、構成に関して比較的単純である第1対物系部分は、視野収差を補償するために構成されることが可能であり、その補償は非球面レンズ無しで、又は少数の非球面レンズのみで、例えば1つの非球面レンズのみで、得られるだろう。
先の実施例は、全てのレンズが球面であってもよい4つ又は5つのレンズのみのかなり単純な第1対物系部分を有する構成が利用可能であることを示している。このようなかなり単純なリレーレンズ群は、極めて高次まで視野収差に対して補正することができる。開口収差は好ましくは第3対物系部分で補正され、第3対物系部分はいくつかの非球面だけのかなり単純な構成を有してもよく、第3対物系部分における非球面レンズの個数は、好ましくは第1対物系部分における非球面レンズの個数よりも大きい。
図6及び7は、密接に関連した実施例600、700を示し、そこでは屈折第1及び第3対物系部分における非球面レンズの個数は、先の実施例と比較して増加している。対物系700の仕様は、表7及び7Aに与えられている。開口収差に関する改良が得られる。とくに、7つの非球面レンズが使用され、そこでN1AS=2及びN3AS=5であり、非球面レンズ比ASR=0.4となっている。第1対物系部分OP1において2つの非球面レンズL1−2及びL1−5を有する図6の構成は、その視野に渡って5ミリ波の波面収差を有する。
1つの2重非球面DAが、第3対物系部分OP3において、著しく増大するビーム直径の領域で、光学的に第2中間像IMI2と対物系部分の瞳面P3の間に設けられている。2重非球面は、正レンズL3−6の非球面射出面と、そこの直近に続く正メニスカスレンズL3−7の非球面入射面により形成されている。2つの非球面の軸方向距離は、2重非球面に隣接するより薄い方のレンズL3−7の厚さよりも小さく、非球面は接近している。これにより、屈折力の合成放射分布が、ビームの特定領域で得られ、こうして像の補正に強く寄与する。
図8及び9は、構成が非常に類似する実施例800、900を示す。投影対物系900の仕様が表9、9Aに与えられている。像側開口数NA=1.2であり、約6ミリ波の波面誤差が6つの非球面レンズのみで得られ、そこでは1つの非球面レンズ(瞳面P1の近くに置かれた像側凹面を有する正メニスカスL1−5)が第1対物系部分に設けられ、残りの5つの非球面レンズは、第3対物系部分OP3内に分散されている。これらの非球面レンズは、両凹負メニスカスL3−2と、レンズペアL3−5、L3−6が非球面を対向させることにより形成された2重非球面DAと、開口絞りAPに近い両凸正レンズL3−9と、開口絞りと像面ISの間の正レンズL3−10を有する。図8の光線分布に示されるように、第1対物系部分OP1により形成されたリレー部分の前側瞳は、かなり良く補正される。中間像IMI1及びIMI2の両方に対してコマ収差がほとんど又は全く無い焦点領域(低コマ収差中間像)が明らかである。低コマ収差中間像IMI2は、入射側にある厚い正レンズL3−1と、第1レンズL3−1と開口絞りASの僅かに上流の最大ビーム直径の領域との間の著しいウエストW(すなわちビーム直径のくびれ領域)を有する屈折対物系部分OP3によって、像面上に再度焦点合わせされる。2重非球面DAは、ウエストと開口絞りASの間の発散ビーム内に設けられている。
図10の投影対物系1000は、幾つかの点において、図8及び9に示された実施例の変形として考えられてもよい。その仕様が表10、10Aに与えられている。第3対物系部分OP3は、5つの非球面レンズを有し、実施例800及び900と比較すると、比較的類似の構成および配置を有するが、第1対物系部分OP1に非球面レンズはなく、NAS=5となっている。注目すべきことに、正レンズの直ぐ下流での物体側凹面を有する負メニスカスレンズL1−7と像側両凸正レンズL1−6からなる全て球面のダブレットが、瞳面P1の近くに位置付けられている。正レンズL1−6から射出してそれに続く負レンズL1−7に入射する光線の高い入射角度がこの領域に与えられ、その入射角度は60°より大きい角度を含む。急激な傾斜変化を有する非球面を製造することの困難性を有する実施例800、900の非球面レンズL1−5の光学的効果は、かなり高い入射角度(60°−65°の範囲)を使用して、第1対物系部分OP1の瞳面の近くの同様な領域で、少なくとも部分的にシミュレートされ得ることが明らかである。ダブレットレンズL1−6、L1−7の球面の製造はより容易であるため、時には、高い入射角度が生じる1以上のレンズ面で非球面レンズを置き換えることにより、製造のしやすさが向上し得る。
非球面を複数の球面で置き換えることを考える場合、最も重要なことはベースの球面曲率であるのは明らかである。球面ダブレットは、それゆえ、非球面−非常に高次の非球面でさえ−を置き換えできるだろう。
実施例1000の変形例の補正状況が、その視野に渡って4、5ミリ波と6ミリ波の間にある。これが示唆していることは、この補正が全て球面の第1対物系部分OP1で得られることが可能であり、良好な性能を得るために完全な構成は、多くの非球面レンズを必要としないことである(ここでは5つのレンズ非球面のみ)。
カタディオプトリック投影対物系1100の仕様は、表11、11Aに与えられている。実施例は、互いに非常に近くにある2つのかなり強い非球面レンズ面を有する「2重非球面」が、非常に強力な構成コンポーネントであってもよいことを示す良い例である。ここで、レンズL3−4及びL3−5により形成される2重非球面DAは、例えば図8、9、及び10で示される実施例と同様に、第3対物系部分OP3内で増加するビーム直径の領域にある。加えて、レンズL1−5及びL1−6の対向する面によって形成された第2の2重非球面DAは、前側瞳、すなわち第1対物系部分OP1の瞳面P1の光学的に近くに存在する。この実施例において、NAS=8、N1AS=3及びN3AS=5である。補正は、第3対物系部分において開口絞りASの近くにある220mmの最大レンズ直径で、NA=1.2で約2.5ミリ波のみである。これは、この構成が、少数の非球面レンズで良好な光学的性能を得る可能性を例示している。
図12は、(先の例におけるNA=1.2ではなく)NA=1.3を有するλ=193nmの液浸対物系を示す。(第3対物系部分OP3において開口絞りASの直ぐ上流にある)最大レンズ直径は270mmである。N1AS=2及びN3AS=6のちょうど8個の非球面レンズがある。これらは、レンズL3−4及びL3−5により形成され、第3対物系部分のウエストWと開口絞りASの間の発散ビームの領域に位置付けられた1つの2重非球面DAを含む。視野半径は66mmである。補正はその視野に渡って約4から6ミリ波である。その構成は、厳密にテレセントリックな入力を仮定している。中間像における光線の構成から、中間像において大きな量のコマ収差が存在するのは明白である。
NA=1.3のカタディオプトリック液浸対物系1300の更なる実施例が図13に示されている。その仕様は表13、13Aに与えられている。NAS=10、N1AS=4及びN3AS=6である。像側開口数NA=1.3は対物系1200のそれに対応しているが、最大レンズ直径は、(実施例1200における270mmではなく)250mmに過ぎない。依然として、波面誤差はその視野に渡ってのみ4ミリ波である。その構成もまた、実絞りの欠如により特徴付けられていて、テレセントリックな入力が要求されるようになっている。大きな量のコマ収差もまた中間像において存在する。
図14におけるカタディオプトリック液浸対物系1400(仕様は表14及び14Aで与えられる)は、NA=1.3と比較的小さい最大レンズ直径を有する高NAカタディオプトリック液浸対物系のもう1つの例であり、その最大レンズのレンズ直径は250mmに過ぎない。11のうちの4つの非球面レンズが第1対物系部分OP1にあり、残りの7つの非球面レンズは第3対物系部分内に分散されている。先の構成と比較すると、非球面レンズの製造のしやすさは、全ての非球面レンズ面が1.0mm未満で球面から変形しており、各非球面に対して150mmより大きい局所非球面半径を有するという要求条件に従うことにより向上する。3つの2重非球面が設けられる。第1対物系部分OP1内で瞳面P1に位置付けられたレンズL1−6及びL1−7により形成された、1つの2重非球面DAは、かなり高い入射角度を有するように構成されており、これは短い局所非球面半径(これは製造がより困難である)と同様な効果を有するのが明らかである。第3対物系部分OP3には2つの2重非球面DA、すなわち第3対物系部分内で最小レンズ直径の領域の負レンズL3−1、L3−2の対向する面により形成された1つの2重非球面と、最大ビーム直径の領域と像面ISの間に位置付けられた開口絞りASと第2中間像IMI2の間の最大ビーム直径増加の領域におけるレンズL3−3及びL3−4の対向する面により形成された、1つの2重非球面に続く2重非球面がある。図11から13の実施例のように、大きな量のコマ収差が中間像IMI1、IMI2において存在する。
図15におけるカタディオプトリック液浸対物系1500(仕様は表15及び15A)は、図14に示された実施例の変形である。対物系1500に存在するレンズの寸法及び種類は、本質的に同じである。追加の両凸正レンズL3−1が第2中間像IMI2の直後に導入されていて、これにより第3対物系部分OP3の入射側に正の屈折力を提供するという点で、違いがある。NA=1.3での良好な性能が得られる。
基本構成は、NA=1.3で、より高い像側開口数の可能性を有する。図16におけるカタディオプトリック液浸対物系1600(仕様は表16及び16A)は、図15の構成に基づいているが、NA=1.35を得るために最適化されている。この実施例におけるように、第1対物系部分には(4つの非球面レンズを含む)10のレンズが、第3対物系部分には(7つの非球面レンズを含む)12のレンズがある。これらのレンズの基本的な種類は同じであるが、レンズ厚さ、面半径及びレンズ位置は僅かに異なる。開口数が増大するにつれて、開口絞りASを、第3対物系OP3において最大ビーム直径の領域(両凸レンズL3−8)と像面ISの間の強くビームを収束させる領域に置くのが有利であることが明らかである。ここで、3つの正レンズのみが、開口絞りと像面の間に置かれる。
所望の開口数が高ければ高いほど、第2対物系部分OP2を像面の幾何学的に近くに置くのが有利だろう。便宜のために、好ましくは2つの非球面凹面鏡CM1、CM2だけからなる第2対物系部分OP2は、以下で「鏡群」とも呼ぶ。この特徴を説明する目的で、第1光軸長さOAL1が、物体面に幾何学的に最も近い凹面鏡CM2の頂点と物体面OSの間で画定され、第3光軸長さOAL3が、像面に幾何学的に最も近い凹面鏡(CM1)の頂点と像面の間で画定される(図16を参照)。この定義に基づいて、鏡群位置パラメータMG=OAL1/OAL3が定められ、この値が大きくなると、鏡群が投影対物系の更に像側に位置付けられる。表17において、OAL1、OAL3及びMGの値は、ここで説明された全ての実施例をまとめたものである。これらのデータに基づけば、鏡群位置パラメータMG>0.7は、高い像側開口数を得る目的で望ましいことは明らかである。好ましくは、MG≧0.8である。より好ましくは、MG≧0.9である。
ここで説明された各投影対物系は、投影放射線が射出面ESにおいて投影対物系から射出する高NA像側端部を有し、射出面ESは、像面ISに配置された平面状の基板面と射出面の間で均一な距離を可能にするために、好ましくは平面である。像面に最も近くて射出面ESを形成するレンズは、ここでは「最終レンズ」LLと呼ばれる。好ましくは、最終レンズは、ほとんどの実施例で球面状に湾曲した、湾曲した入射面ENSと平面状の射出面を有する平凸正レンズである。高NAを得る目的で、湾曲した入射面ENSにより与えられる大きな屈折力が可能な限り像面に近くに配置されるように、最終レンズを構成するのが有利であることが分かった。更に、最終レンズLLの入射面ENSの大きな曲率、すなわち小さい曲率半径が望ましいのが明らかである。TLLが光軸上の最終レンズの厚さ(すなわち光軸に沿って測定された入射面ENSと射出面ESの間の軸方向距離)であり、RLLが最終レンズの物体側頂点半径(すなわち入射面ENSの半径)であり、DIALLが最終レンズの入射面の光学的自由直径である場合、パラメータLL1=TLL/RLLとLL2=DIALL/RLLは好ましくは一定の範囲内に入るべきである。とくに、もし条件1.1<LL1<2.2がLL1に当てはまるなら、それが有利であることが分かった。好ましくは、上限は、1.8又は1.7又は1.6より更に小さくても良い。パラメータLL1は、入射面の曲率の中心が射出面と一致する半球レンズで1になるため、LL1に関する条件は、湾曲した入射面の曲率の中心が最終レンズの外側にとくに像面を越えて存在する、非半球の最終レンズが好ましいことを示している。
交替的に、又は追加的に、条件2.1<LL2<2.6は、好ましくはLL2に当てはまるべきである。上限はより小さくすることができ、例えば2.5又は2.4又は2.3である。LL1及びLL2のためのそれぞれの値が表18に示されている。もし上記条件の少なくとも1つが当てはまるなら、最終レンズの湾曲した入射面により与えられる大きな正の屈折力が像面の近くに与えられ、これにより大きな像側開口数NAが、とくにNA>1.1又はNA>1.2で、NA=1.3又はNA=1.35のように、得られることが可能となる。
中間像IMI1、IMI2の補正状況に関して、幾つかの実施例において、両方の中間像が本質的に焦点合わせされ(すなわち多くの収差が高度に補正され)、他の実施例においてかなりの収差、とくにコマ収差が生じることが分かった(図11−16を比較)。第2中間像IMI2のかなりのコマ収差が、対物系の全体的な補正に関して有利であってもよい。凹面鏡CM1及びCM2からなるカタディオプトリック第2対物系部分は、第1中間像を第2中間像に本質的に対称なやり方で結像するのに有効であるため、通常はカタディオプトリック第2対物系部分によりわずかなコマが導入されるに過ぎない。それゆえ、両方の中間像のコマに関する補正状況は類似する傾向にある。幾つかの実施例において、少なくとも第2中間像に対するかなりの量のコマ収差が、全体的な補正にかなり寄与することが明らかである。次の説明がこの点に関して注目に値する。
対物系全体の正弦条件の補正は、とくに非常に高い像側NAを有する対物系に対して、難しい。正弦条件の補正は、中間像のコマ収差により容易にすることができる。高NAの像面から低NAの物体面への(すなわちリソグラフィにおける投影対物系の意図された使用と比較すると逆方向の)結像を考える場合、(放射線が入射する)第3対物系部分は、一定の補正状況を有する中間像を提供する。この結像の球面収差が補正されると仮定すると、この結像の正弦条件が補正される場合は、中間像は本質的にコマ収差のない状態となる。対照的に、正弦条件が補正されない場合は、その中間像はかなりの量のコマ収差を有する。中間像がかなりの量のコマ収差を有する場合、第3対物系部分における正弦条件の補正が容易にされる。
ここで、第2中間像の像面への(高NA端部に向けた)意図された方向における結像を考える。もし第2中間像が、とくにコマ収差無しで、良好な補正状況を有するなら、正弦条件の全体的な補正は、第2中間像を像面上に結像する第3対物系部分により影響を受けなければならないだろう。対照的に、もし一定量のコマ収差が第2中間像に存在するなら、第3対物系部分は、より緩和された形で構成されることが可能である。これは、正弦条件の補正は、第3対物系部分の光学的に上流の対物系部分、すなわち第1中間像を形成する屈折リレー系OP1と、カタディオプトリック第2対物系部分OP2により、少なくとも部分的に影響を受け得るからである。それゆえ、コマの補正が第1屈折対物系部分OP1と第3対物系部分OP3の間に分布する構成は、屈折対物系部分の各々がコマ収差に対して独立して補正される構成の対物系と比較したときに、有利であることができることは明らかである。
先に述べられたように、本発明は、コンパクトな寸法でNA>1での液浸リソグラフィに適した高NAの投影対物系を構成可能にする。
表19は、コンパクト性パラメータCOMP1、COMP2、COMP3を計算するために必要な値と、各々の系についてのこれらのパラメータの各値をまとめたものは、仕様の表で表されている(表の番号(同じ番号の図に対応する)が表19の欄1に与えられている)。更に、N1AS、N3AS、及びASRの各値が示されている。
表19は、本発明による好ましい実施例が、一般に、この明細書で説明された設計ルールにより適度の材料消費でコンパクトな構成が得られることを示す先に与えられた少なくとも1つの条件に従うことを示す。更に、非球面レンズ番号及び分布を特徴付ける特定の値が示されている。
以下に、本発明による投影対物系の更なる特徴的構成がまとめられており、そこで1以上の特徴が本発明の実施例に存在してもよい。表20及び21にまとめられたパラメータは、これらの特徴を明らかにするのに使用される。
幾つかの実施例において、結像プロセスの主光線は特徴的な経路をとる。説明の目的で、最外視野点(光軸AXから最も遠い)から光軸と本質的に平行に進み、それぞれが結像対物系部分OP1、OP2、OP3の1つの中にある3つの連続した瞳面位置P1、P2、P3で光軸と交差する主光線CRが、理解を容易にするために図16において太い線で描かれている。主光線に沿った各位置における光軸AXと主光線CRの間で囲まれる角度は、以下「主光線角度」CRAと呼ばれる。主光線CRは、第1中間像IMI1の位置のところで発散し(主光線高さが光伝播方向で増加し)、第2中間像IMI2の位置のところで収束する。強く収束する主光線は、高い像側NAと充分な補正を得るために有利であることが明らかである。
2つの凹面鏡CM1、CM2の間の領域において、主光線は、高い主光線角度CRA(M)で光軸を横断し、その角度は好ましくは58°と75°の間、好ましくは60°及び70°の間となっている。(表20を参照)
結像対物系部分OP1、OP2、OP3により与えられる倍率に関して、もし第2中間像IMI2を高い縮小率で像面上に結像する第3対物系部分OP3の倍率β3が好ましくは0.11≦β3≦0.17の範囲内となるなら、有利なことが明らかである。所望の全体の縮小比(例えば1:4又は1:5)を得る目的で、第2対物系部分OP2は、拡大比β2<1を有することにより全体の縮小に寄与し得る。好ましくは、第2対物系部分OP2を形成する鏡群は、0.85≦β2≦1により特徴付けられる穏やかな縮小効果を有するように構成されてもよい。もし第2対物系部分が全体の縮小にある程度寄与するなら、縮小の主要な部分に責任を持つ第3対物系部分はより緩和されたやり方で構成され得る。
結像対物系部分OP1、OP2、OP3により与えられる倍率に関して、もし第2中間像IMI2を高い縮小率で像面上に結像する第3対物系部分OP3の倍率β3が好ましくは0.11≦β3≦0.17の範囲内となるなら、有利なことが明らかである。所望の全体の縮小比(例えば1:4又は1:5)を得る目的で、第2対物系部分OP2は、拡大比β2<1を有することにより全体の縮小に寄与し得る。好ましくは、第2対物系部分OP2を形成する鏡群は、0.85≦β2≦1により特徴付けられる穏やかな縮小効果を有するように構成されてもよい。もし第2対物系部分が全体の縮小にある程度寄与するなら、縮小の主要な部分に責任を持つ第3対物系部分はより緩和されたやり方で構成され得る。
第2凹面鏡CM2の直後の第3対物系部分OP3の入射側にある最初の2つ又は3つのレンズにより与えられた(焦点距離fによって特徴付けられる)屈折力は、この入射群を全体の屈折力が負になるように構成することにより良好な性能に寄与することができる。図2、4、14、15、16の実施例において、入射群は、第3対物系部分の最初の2つのレンズにより形成され、入射群焦点距離f3(L1...2)を与える。図7、9、10、11、12、13の実施例において、入射群は、3つの連続したレンズにより形成され、これにより入射群の焦点距離f3(L1...3)を与える。値が表20に与えられている。
他方、第2凹面鏡に続く第3対物系部分に存在すべき負レンズは多くはなく、負レンズの個数N3NLは、全ての実施例において3以下であり(表21におけるパラメータK7a=YES)、図2、4、14、15、16の実施例において3より小さい(表21においてパラメータK7=YES)。
更に、もし第3対物系部分OP3の第1レンズL3−1の光学的自由直径DIA31が、開口絞りの直径DIAASよりもかなり小さい場合、有利であるのは明らかである。好ましくは、直径比DR=DIA31/DIAASは0.9よりも小さくあるべきである。より好ましくは、上の値の0.8、更に好ましくは上の値の0.7は超えられるべきでない。直径比DRの値が表21に与えられている。
更に、もし第2凹面鏡の後の全てのレンズ(すなわち第3対物系部分のレンズ)のうち50%を超えるものが、第2凹面鏡CM2に続く第2中間像IMI2の直径よりも小さい光学的自由直径を有するなら、この条件は、表21のパラメータK10により示されるように、全ての実施例について満たされる。
また、第1屈折投影対物系部分OP1の全てのレンズは、好ましくは第1中間像の近軸寸法よりも小さくあるべきである。もしこの条件が満たされるなら、表20におけるパラメータK9は満たされる。
強い正の屈折力を与えて高NA像端部で強いビーム収束を得る目的で、もし仮に像面の上流にある8及び9個の連続したレンズのうちの少なくとも1つが正の屈折力を有するなら、好ましい。これは表21のパラメータK11により例示され、これはもし条件が満たされるなら「YES」であり、もし条件が満たされないなら「NO」である。
この文脈において、もし開口絞りASの位置が、第3対物系部分OP3内の最大ビーム直径の位置と像面の間の収束ビームの領域にある場合、高NAを得るために有利であることが明らかであるのを明記するに値する。この特性は、表20で示される比AS−IS/TTにより例示され、ここでAS−ISは開口絞りASの位置と像面ISの間の幾何学的距離であり、TTは対物系の「トラック長さ」、すなわち物体面と像面の間の幾何学的距離である。比AS−IS/TTは、0.09及び0.18の間の範囲とすることができる(表20を参照)。
この特徴は、とくに図12から16の実施例で顕著である。
更なる特徴的構成がコマビームの経路から明らかである。ここで、「コマビーム」は、光軸から最も離れた物体視野点から出て、開口の縁において開口絞りを通過するビームをいう。それゆえコマビームは、どのレンズ直径が使用されなければならないかを決定するのに寄与する。このコマビームと光軸により囲まれる角度は、以下において「コマビーム角度CBA」と呼ばれる。第1対物系部分の最終レンズにおける屈折の後の(第1中間像IMI1の上流の)そのビームの角度は、CBA1と呼ばれ、像側第3対物系部分OP3の第1レンズにおける屈折の直ぐ上流のコマビームの角度は、CBA3と呼ばれる。これらの角度の値が表21に与えられている。両方のコマビーム角度について5°未満の値が有利であることができることが明らかである(表21)。
上記されたように、主光線は連結された対物系部分OP1、OP2、OP3の瞳面P1、P2、P3において光軸に交差している。第1及び第3対物系部分内の瞳面は、開口絞りを設けるために利用可能であるので、これらの位置は開口位置とも呼ばれる。開口絞りにおけるビーム直径DIAASと、開口絞りの位置に対して共役な第1対物系部分の瞳面P1におけるビーム直径DIAP1は、一定の範囲内にあるべきである。比DIAAS/DIAP1は1より大きくなるべきである。好ましくは、条件DIAAS/DIAP1>2が満たされるべきである。(表21を参照)
上記の全ての系は、実物体から実像を(例えばウェーハに)形成するための完全な系であってもよいことが理解されるべきである。もっとも、その系はより大きな系の部分的な系として使用されてもよい。例えば、上記の系のための「物体」は、物体平面の上流の結像系(リレー系)により形成される像であってもよい。同様に、上記の系により形成された像は、像面の下流の系(リレー系)のための物体として使用されてもよい。
上記の全ての系は、実物体から実像を(例えばウェーハに)形成するための完全な系であってもよいことが理解されるべきである。もっとも、その系はより大きな系の部分的な系として使用されてもよい。例えば、上記の系のための「物体」は、物体平面の上流の結像系(リレー系)により形成される像であってもよい。同様に、上記の系により形成された像は、像面の下流の系(リレー系)のための物体として使用されてもよい。
上記の好ましい実施例の説明が、例として与えられた。与えられた開示から、当業者は本発明とそれに付随する利点を理解するだけでなく、開示された構造及び方法に対する種々の変更及び修正を見出すだろう。それゆえ、記載された請求項により定義された本発明の思想及び範囲内で、全ての変更と修正及びその等価物がカバーされる。
全ての請求項の内容は、言及によりこの明細書の一部をなす。
ここで説明された各投影対物系は、投影放射線が射出面ESにおいて投影対物系から射出する高NA像側端部を有し、射出面ESは、像面ISに配置された平面状の基板面と射出面の間で均一な距離を可能にするために、好ましくは平面である。像面に最も近くて射出面ESを形成するレンズは、ここでは「最終レンズ」LLと呼ばれる。好ましくは、最終レンズは、ほとんどの実施例で球面状に湾曲した、湾曲した入射面ENSと平面状の射出面を有する平凸正レンズである。高NAを得る目的で、湾曲した入射面ENSにより与えられる大きな屈折力が可能な限り像面に近くに配置されるように、最終レンズを構成するのが有利であることが分かった。更に、最終レンズLLの入射面ENSの大きな曲率、すなわち小さい曲率半径が望ましいのが明らかである。TLLが光軸上の最終レンズの厚さ(すなわち光軸に沿って測定された入射面ENSと射出面ESの間の軸方向距離)であり、RLLが最終レンズの物体側頂点半径(すなわち入射面ENSの半径)であり、DIALLが最終レンズの入射面の光学的自由直径である場合、パラメータLL1=TLL/RLLとLL2=DIALL/RLLは好ましくは一定の範囲内に入るべきである。とくに、もし条件0.46≦LL1≦0.69がLL1に当てはまるなら、それが有利であることが分かった。パラメータLL1は、入射面の曲率の中心が射出面と一致する半球レンズで1になるため、LL1に関する条件は、湾曲した入射面の曲率の中心が最終レンズの外側にとくに像面を越えて存在する、非半球の最終レンズが好ましいことを示している。
交替的に、又は追加的に、条件1.15≦LL2≦1.67は、好ましくはLL2に当てはまるべきである。LL1及びLL2のためのそれぞれの値が表18に示されている。もし上記条件の少なくとも1つが当てはまるなら、最終レンズの湾曲した入射面により与えられる大きな正の屈折力が像面の近くに与えられ、これにより大きな像側開口数NAが、とくにNA>1.1又はNA>1.2で、NA=1.3又はNA=1.35のように、得られることが可能となる。
Claims (49)
- 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記投影対物系が、最大レンズ直径Dmaxと、最大像視野高さY’と、像側開口数NAを有し、COMP1=Dmax/(Y’・NA2)であり、
次の条件
COMP1<10
が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。 - NA>1.2である、請求項1に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、前記第2対物系部分に配置されており、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されており、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項1に記載の投影対物系。 - NL個のレンズと、中間像において連結されたNOP個の結像対物系部分を有し、
COMP2=Dmax・NL/(Y’・NA2)
COMP3=Dmax・NL/(NOP・Y’・NA2)
かつ、次の条件
COMP2<300
COMP3<100
の少なくとも1つが当てはまる、請求項1に記載の投影対物系。 - 前記投影対物系が、第1非球面とこの第1非球面に直近の第2非球面を有する少なくとも1つの2重非球面を有する、請求項1に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面が、2つの続いているレンズの隣接する非球面を対向させることにより形成されている、請求項5に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面の第1及び第2非球面の間で光軸に沿って測定された距離が、前記2重非球面を形成する2つのレンズのより薄い方の光軸に沿って測定された厚さよりも小さい、請求項6に記載の投影対物系。
- 前記第3対物系部分が少なくとも1つの2重非球面を有する、請求項6に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面が、光学的に第2中間像と第3対物系部分の瞳面の間に位置付けられている、請求項8に記載の投影対物系。
- 前記第1対物系部分が少なくとも1つの2重非球面を有する、請求項6に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面が、前記第1対物系部分の瞳面又は該瞳面の光学的に近傍に位置付けられている、請求項10に記載の投影対物系。
- 前記第1対物系部分と前記第3対物系部分が、2つの続いているレンズの隣接する非球面を対向させることにより形成された少なくとも1つの2重非球面を各々有している、請求項1に記載の投影対物系。
- 前記第1投影対物系部分が、レンズ面を通過する光線の入射角度が60°より大きい入射角度を含むレンズ面を有する少なくとも1つのレンズを有する、請求項1に記載の投影対物系。
- 前記レンズ面が、光学的に前記瞳面の近くに位置付けられている、請求項13に記載の投影対物系。
- 前記第3対物系部分の第1レンズとこのレンズに幾何学的に最も近い鏡の頂点との間の軸方向鏡−レンズ距離が、物体面OSと像面ISの間の軸方向距離の5%よりも大きい、請求項1に記載の投影対物系。
- 全ての凹面鏡が非球面鏡面を有する、請求項1に記載の投影対物系。
- 第1対物系部分と第2対物系部分と第3対物系部分が、共通の真っ直ぐな光軸を共有している、請求項1に記載の投影対物系。
- 開口絞りが、前記第3対物系部分において、最大ビーム直径の領域と前記像面の間の収束ビームの領域に位置付けられている、請求項1に記載の投影対物系。
- 前記投影対物系が前記像面に最も近い最終レンズを有し、前記最終レンズが湾曲した入射面と平面の射出面を有する平凸正レンズであり、
前記最終レンズの入射面の光学的自由直径がDIALLであり、前記入射面の曲率半径がRLLであり、光軸に沿って測定された前記入射面と前記射出面の間の軸方向距離がTLLであり、
ここで、LL1=TLL/RLL及びLL2=DIALL/RLLであり、
次の条件
(1) 1.1<LL1<2.2
(2) 2.1<LL2<2.6
の少なくとも1つが当てはまる、請求項1に記載の投影対物系。 - 投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記第2対物系部分が、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡を有しており、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されていて、
前記第1対物系部分が第1の数であるN1AS個の非球面レンズを有し、
前記第3対物系部分が第2の数であるN3AS個の非球面レンズを有し、
非球面レンズ比ASR=N1AS/N3ASが1よりも小さく、
像側開口数NAが1.2よりも大きい、カタディオプトリック投影対物系。 - 投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記第2対物系部分が、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡を有し、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されていて、
前記第1対物系部分が、第1の数であるN1AS個の非球面レンズを有し、
前記第3対物系部分が、第2の数であるN3AS個の非球面レンズを有し、
非球面レンズ比ASR=N1AS/N3ASが0.5より小さい、カタディオプトリック投影対物系。 - 条件NA≧1.2が像側開口数NAに当てはまる、請求項21に記載の投影対物系。
- 投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記第2対物系部分が、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡を有しており、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されていて、
前記第1対物系部分が第1の数であるN1AS個の非球面レンズを有し、条件N1AS<3が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。 - 前記第3対物系部分が第2の数であるN3AS個の非球面レンズを有し、非球面レンズ比ASR=N1AS/N3ASが1よりも小さい、請求項23に記載の投影対物系。
- 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
第2中間像を前記像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
投影対物系が、第1非球面と第1非球面に直近の第2非球面を有する少なくとも1つの2重非球面を有し、前記2重非球面が2つの連続するレンズの隣接する非球面を対向させることにより形成されている、カタディオプトリック投影対物系。 - 前記2重非球面の第1非球面と第2非球面の間の軸方向距離が、前記2重非球面を形成する2つの連続するレンズのより薄い方のレンズの軸方向厚さよりも小さい、請求項25に記載の投影対物系。
- 前記第3対物系部分が少なくとも1つの2重非球面を有する、請求項25に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面が、光学的に前記第2中間像と前記第3対物系部分の瞳面の間に位置付けられている、請求項27に記載の投影対物系。
- 前記第1対物系部分が少なくとも1つの2重非球面を有する、請求項25に記載の投影対物系。
- 前記2重非球面が、前記第1対物系部分の瞳面又は該瞳面の光学的に近傍に位置付けられている、請求項29に記載の投影対物系。
- 前記第1対物系部分と前記第3対物系部分が、少なくとも1つの2重非球面を各々有している、請求項25に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と、第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、前記第2対物系部分に配置されていて、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項25に記載の投影対物系。 - 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記投影対物系が、最大レンズ直径Dmaxと、最大像視野高さY’と、像側開口数NA>1.2と、NL個のレンズと、中間像で連結されたNOP個の結像対物系部分を有し、
COMP1=Dmax/(Y’・NA2)
COMP2=Dmax・NL(Y’・NA2)
COMP3=Dmax・NL(NOP・Y’・NA2)であり、
以下の条件
(1) COMP1<11
(2) COMP2<300
(3) COMP3<100
の少なくとも1つを満たす、カタディオプトリック投影対物系。 - COMP1<11かつCOMP2<300である、請求項33に記載の投影対物系。
- COMP1<11かつCOMP2<300かつCOMP3<100である、請求項33に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、第2対物系部分に配置されていて、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項33に記載の投影対物系。 - 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
第2中間像を前記像平面上に結像するための第3対物系部分を有し、
開口絞りが、前記第3対物系部分において、最大ビーム直径の領域と前記像面の間の収束ビームの領域に位置付けられている、カタディオプトリック投影対物系。 - 3つの正レンズのみが前記開口絞りと前記像面の間に設けられている、請求項37に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、第2対物系部分に配置されていて、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項37に記載の投影対物系。 - 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記投影対物系が前記像面に最も近い最終レンズを有し、前記最終レンズが湾曲した入射面と平面の射出面を有する平凸正レンズであり、
TLLが光軸に沿って測定された前記入射面と前記射出面の間の軸方向距離であり、RLLが前記入射面の曲率半径であり、DIALLが前記最終レンズの入射面の光学的自由直径であり、
LL1=TLL/RLLかつLL2=DIALL/RLLであり、
次の条件
(1) 1.1<LL1<2.2
(2) 2.1<LL2<2.6
の少なくとも1つが当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。 - 像側開口数NAが1.2よりも大きい、請求項40に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、前記第2対物系部分に配置されていて、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項40に記載の投影対物系。 - 投影対物系の物体面に設けられたパターンを投影対物系の像面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
前記第2中間像を前記像面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記第2対物系部分が、第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する第2凹面鏡を有し、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されており、
第1光軸長さOAL1が、前記物体面と前記物体面に幾何学的に最も近い凹面鏡の頂点の間で画定されており、第3光軸長さOAL3が、前記像面に幾何学的に最も近い凹面鏡の頂点と前記像面の間で画定されており、鏡群位置パラメータMG=OAL1/OAL3に条件MG>0.7が当てはまる、カタディオプトリック投影対物系。 - MG≧0.8である、請求項43に記載の投影対物系。
- 投影対物系の物体平面に設けられたパターンを投影対物系の像平面上に結像するためのカタディオプトリック投影対物系であって、
前記物体平面に設けられたパターンを第1中間像に結像するための第1屈折対物系部分と、
少なくとも1つの凹面鏡を有していて前記第1中間像を第2中間像に結像するための第2対物系部分と、
第2中間像を前記像平面上に結像するための第3屈折対物系部分を有し、
前記像面の上流の8及び9個の連続するレンズのうちの少なくとも1つが、正の屈折力を有する、カタディオプトリック投影対物系。 - 像側開口数NAが1.2よりも大きい、請求項45に記載の投影対物系。
- 第1連続鏡面を有する第1凹面鏡と第2連続鏡面を有する少なくとも1つの第2凹面鏡が、前記第2対物系部分に配置されていて、
瞳面が、前記物体平面と前記第1中間像の間と、前記第1及び第2中間像の間と、前記第2中間像と前記像平面の間に形成されていて、
全ての凹面鏡が前記瞳面から光学的に離れて配置されている、請求項45に記載の投影対物系。 - 照明系とカタディオプトリック投影対物系を有するマイクロリソグラフィでの使用のための投影露光系であって、前記投影対物系が請求項1に記載されたように構成されている、投影露光系。
- 半導体装置や他の種類のマイクロデバイスを製造するための方法であって、
予め定められたパターンを有するマスクを準備する工程と、
予め定められた波長を有する紫外光でマスクを照明する工程と、
パターンの像を、投影対物系の像平面の近傍に配置された感光性基板上に、請求項1に記載されたカタディオプトリック投影対物系を用いて投影する工程とを有する方法。
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