JP2016223479A - 流体制御弁 - Google Patents

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一矢 松島
直樹 吉良
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直樹 吉良
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Abstract

【課題】作動室の開閉制御を作動室内の圧力以外の圧力にも基づいて行うことが可能な流体制御弁を提供する。【解決手段】この流体制御弁70は、ダイヤフラム72と、ダイヤフラム72により仕切られる2個の圧力室R1およびR2と、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72を移動させることによって開閉制御が行われる2個の作動室O1およびO2と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、流体制御弁に関する。
従来、ダイヤフラムを用いる流体制御弁が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、エンジンからのブローバイガスが供給される1次側領域(作動室の一方)と、エンジンの吸気系に連通する2次側領域(作動室の他方)と、大気圧である大気領域と、1次側領域および2次側領域と大気領域とを区切るダイヤフラムと、ダイヤフラムを開弁する方向に付勢するスプリングとを備えるPCVバルブが開示されている。このPCVバルブでは、1次側領域内の圧力および2次側領域内の圧力を合計した際の負圧(大気圧よりも小さな圧力)に起因する力がスプリングの付勢力を超えて大きくなった場合に、ダイヤフラムが閉弁状態になり、1次側領域と2次側領域との連通状態が解除されるように構成されている。つまり、PCVバルブでは、1次側領域内の圧力と2次側領域内の圧力とに基づいて1次側領域と2次側領域との開閉制御が行われる。
特開2003−293724号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたPCVバルブでは、1次側領域内の圧力と2次側領域内の圧力とに基づいて1次側領域と2次側領域との開閉制御が行われているため、たとえば、1次側領域および2次側領域の両方ともに直接的に接続されていない部分の圧力に基づいて、1次側領域と2次側領域との開閉制御を行うことができないという不都合がある。この結果、作動室の開閉制御の条件が1次側領域内の圧力および2次側領域内の圧力に限定されてしまうという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、作動室の開閉制御を作動室内の圧力以外の圧力にも基づいて行うことが可能な流体制御弁を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における流体制御弁は、第1のダイヤフラムと、第1のダイヤフラムにより仕切られる2個の圧力室と、2個の圧力室同士の差圧により第1のダイヤフラムを移動させることによって開閉制御が行われる2個以上の作動室と、を備える。
この発明の一の局面における流体制御弁では、上記のように、2個以上の作動室を、2個の圧力室同士の差圧により第1のダイヤフラムを移動させることによって開閉制御が行われるように構成する。これにより、たとえば、作動室に直接的に接続されていない部分を、2個の圧力室のいずれかに接続することによって、作動室に直接的に接続されていない部分の圧力に基づいて、作動室の開閉制御を行うことができる。この結果、作動室の開閉制御を作動室以外の部分の圧力にも基づいて行うことができるので、ダイヤフラム型の流体制御弁の用途の範囲を拡大することができる。
上記一の局面における流体制御弁において、好ましくは、第1のダイヤフラムの移動に応じて移動する弁体をさらに備え、2個の圧力室同士の差圧により第1のダイヤフラムの移動に応じて弁体を移動させることによって、作動室の開閉制御を行う。このように構成すれば、2個の圧力室同士の差圧による第1のダイヤフラムの移動を弁体の移動に変換して、弁体による作業室の開閉制御を確実に行うことができる。
この場合、好ましくは、2個の圧力室同士の差圧により弁体が開弁する方向または閉弁する方向に移動される際の少なくとも一方の方向に第1のダイヤフラムを付勢する付勢部材をさらに備える。このように構成すれば、付勢部材により、弁体および第1のダイヤフラムが弁体が開弁する方向または閉弁する方向からずれて移動するのを抑制することができる。これにより、第1のダイヤフラムの移動を弁体の開弁する方向または閉弁する方向への移動に確実に変換して、弁体による作業室の開閉制御をより確実に行うことができる。
上記弁体を備える構成において、好ましくは、作動室は、第1の作動室および第2の作動室を含み、弁体は、2個の圧力室の一方と2個の圧力室の一方に隣接する第1の作動室および第2の作動室とを仕切る第2のダイヤフラムを含み、2個の圧力室同士の差圧により第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムを移動させることによって、第1の作動室および前記第2の作動室を開閉させる制御を行う。このように構成すれば、第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムを用いて、2個の圧力室同士の差圧による第1の作動室および第2の作動室を開閉させる制御を容易に行うことができる。また、第2のダイヤフラムを介して2個の圧力室と第1の作動室および第2の作動室とが隣接することによって、流体制御弁を小型化することができる。
この場合、好ましくは、作動室は、第1の作動室、第2の作動室、第3の作動室および第4の作動室を含み、弁体は、第2のダイヤフラムに加えて、2個の圧力室の他方と2個の圧力室の他方に隣接する第3の作動室および第4の作動室とを仕切る第3のダイヤフラムを含み、2個の圧力室同士の差圧により、第2のダイヤフラムにより第1の作動室および第2の作動室を開閉させるとともに、第3のダイヤフラムにより第3の作動室および第4の作動室を開閉させる制御を行う。このように構成すれば、第1の作動室および第2の作動室を開閉させる制御と、第3の作動室および第4の作動室を開閉させる制御とを2個の圧力室同士の差圧により行うことができるので、第1の作動室および第2の作動室と、第3の作動室および第4の作動室との各々に2個ずつ圧力室を設ける場合(計4つの圧力室を設ける場合)と比べて、流体制御弁の構造を簡略化することができるとともに、流体制御弁を小型化することができる。また、第1の作動室および第2の作動室を開閉させる制御と、第3の作動室および第4の作動室を開閉させる制御とを連動するように構成することができるので、たとえば、第1の作動室および第2の作動室の開弁状態と、第3の作動室および第4の作動室の開弁状態とを切り替えるように構成することができる。
上記弁体が第2のダイヤフラムを含む構成において、好ましくは、第2のダイヤフラムの径は、第1のダイヤフラムの径よりも小さい。このように構成すれば、2個の圧力室の一方と第1の作動室および第2の作動室とを仕切る第2のダイヤフラムの面積を、2個の圧力室を仕切る第1のダイヤフラムの面積よりも小さくすることができるので、第2のダイヤフラムに加えられる第1の作動室および第2の作動室と圧力室の一方との差圧に起因する力を、第1のダイヤフラムに加えられる2個の圧力室同士の差圧に起因する力よりも十分に小さくすることができる。これにより、第1の作動室の圧力および第2の作動室の圧力に起因する力が第1の作動室および第2の作動室の開閉制御に与える影響を効果的に小さくすることができるので、2個の圧力室同士の差圧により作業室の開閉制御をより確実に行うことができる。
上記弁体が第2のダイヤフラムを含む構成において、好ましくは、第1のダイヤフラムおよび第2のダイヤフラムは、一体的に設けられている。このように構成すれば、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとを安定して移動させることができる。
なお、本出願では、以下のような構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記一の局面による流体制御弁において、好ましくは、作動室と2個の圧力室のいずれかとを連通する連通通路をさらに備える。
(付記項2)
また、上記弁体が第2のダイヤフラムおよび第3のダイヤフラムを含む構成において、好ましくは、第2のダイヤフラムの径および第3のダイヤフラムの径は、第1のダイヤフラムの径よりも小さい。
(付記項3)
また、上記付勢部材を備える構成において、好ましくは、第1のダイヤフラムと付勢部材とは、一体的に形成されている。
(付記項4)
また、この発明の他の局面におけるエンジン内圧コントロールバルブは、ダイヤフラムと、ダイヤフラムにより仕切られる2個の圧力室と、エンジン本体内および過給機よりも下流側の吸気通路内とそれぞれ接続された2個の作動室と、を備え、2個の作動室は、2個の圧力室同士の差圧によりダイヤフラムを移動させることによって開閉制御が行われる。
本発明によれば、上記のように、作動室の開閉制御を作動室内の圧力以外の圧力にも基づいて行うことができる。
本発明の第1実施形態による開弁状態の流体制御弁の断面図である。 本発明の第1実施形態による閉弁状態の流体制御弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による過給機付きエンジンの構成を示した図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用されるオイルセパレータの断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される開弁状態の内圧制御弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される閉弁状態の内圧制御弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される一の状態の換気切替弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される他の状態の換気切替弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される一の状態の捕集切替弁の断面図である。 本発明の第2実施形態による換気装置に使用される他の状態の捕集切替弁の断面図である。 本発明の第3実施形態による開弁状態の流体制御弁の断面図である。 本発明の第3実施形態による閉弁状態の流体制御弁の断面図である。 本発明の第4実施形態による開弁状態の流体制御弁の断面図である。 本発明の第4実施形態による閉弁状態の流体制御弁の断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による流体制御弁70について説明する。
(流体制御弁の構造)
本発明の第1実施形態による流体制御弁70は、図1および図2に示すように、ハウジング71と、弾性変形可能な一対のダイヤフラム72および73と、2個の巻きばね74および75とを含んでいる。なお、ダイヤフラム72および73は、Z1側から見た平面視において、円状に形成されている。
ハウジング71は、円状のダイヤフラム72の端部を固定する周状の固定部71aと、円状のダイヤフラム73の端部を固定する周状の固定部71bとを含んでいる。固定部71aは、壁部71cの内側端部から内側に突出するように形成されている。この壁部71cは、ハウジング71内のZ方向の一方側(Z1側、上側)において、ハウジング71の側部71sから内側に向かって突出している。固定部71bは、ハウジング71内のZ方向の中央近傍において、ハウジング71の側部71sから内側に向かって突出する壁部71dの内側端部から内側に突出するように形成されている。この壁部71dは、ハウジング71内のZ方向の中央近傍において、ハウジング71の側部71sから内側に向かって突出している。ここで、壁部71dの側部71sからの突出量が、壁部71cの側部71sからの突出量よりも大きいことによって、周状の固定部71bのZ方向と直交する方向における径D1は、周状の固定部71aのZ方向と直交する方向における径D2よりも小さくなるように形成されている。この結果、円状のダイヤフラム73の径は、円状のダイヤフラム72の径よりも小さくなるように構成されている。
また、固定部71aおよび71bは、それぞれ、壁部71cおよび71dからZ1側に突出しないように形成されている。これにより、流体制御弁70内のダイヤフラム72および73や圧力室R1およびR2などに液体が溜まるのが抑制されている。
また、ハウジング71には、ハウジング71内のZ方向の他方側(下側、Z2側)においてハウジング71の側部71sから内側に向かって突出する壁部71eと、壁部71eの内側端部からZ1側に延びるように形成された管状部71fとが形成されている。なお、ダイヤフラム73の径は、管状部71fの上端の開口71iの径よりも大きい。
ダイヤフラム72および73は、弾性変形可能なゴム製の膜状部材である。ダイヤフラム72および73は、ハウジング71内において、円状のダイヤフラム72の中央部と円状のダイヤフラム73の中央部とが互いにZ方向に重ねられた状態で、Z1側の巻きばね74およびZ2側の巻きばね75に挟み込まれている。また、2個の巻きばね74および75は、座部71gおよび71hにそれぞれ保持された状態で、巻きばね74の下端部がZ1側のダイヤフラム72にZ1側から当接しているとともに、巻きばね75の上端部がZ2側のダイヤフラム73にZ2側から当接している。また、ダイヤフラム72の上面72aおよびダイヤフラム73の下面73aには、それぞれ、巻きばね74の下端部および巻きばね75の上端部が内部にそれぞれ配置されるガイド部72bおよび73bが取り付けられている。この結果、ガイド部72bおよび73bと座部71gおよび71hとにより、巻きばね74および75が流体制御弁70内でずれないようにそれぞれ固定される。
巻きばね74は、ダイヤフラム73が閉弁する方向(矢印Z2方向)にダイヤフラム72および73を付勢している。巻きばね75は、ダイヤフラム73が開弁する方向(矢印Z1方向)にダイヤフラム72および73を付勢している。なお、座部71gは、ハウジング71のZ1側の天井部71tからZ2側に管状に延びるように形成されている。また、座部71hは、管状部71fから内側に向かって周状に突出するように形成されている。
ここで、第1実施形態では、ダイヤフラム72および73がそれぞれ固定部71aおよび71bに固定された状態で、ハウジング71の内部には、2個の圧力室R1およびR2と、2個の作動室O1およびO2とが形成されている。
圧力室R1は、ハウジング71の側部71s、天井部71tおよび壁部71cと、ダイヤフラム72とによって囲まれた空間から構成されている。圧力室R2は、ハウジング71の側部71sと、壁部71cおよび壁部71dと、ダイヤフラム72および73とによって囲まれた環状の空間から構成されている。すなわち、ダイヤフラム72は、圧力室R1と圧力室R2とを仕切るように配置されている。なお、圧力室R1は、天井部71tの開口を介して作動室O1およびO2以外の部分、作動室O1またはO2のいずれかと連通させることが可能である。また、圧力室R2は、側部71sの開口を介して作動室O1およびO2以外の部分、作動室O1またはO2のいずれかと連通させることが可能である。なお、圧力室R1およびR2間の差圧を発生させるために、圧力室R1と圧力室R2とは、それぞれ、別の部分と接続される。
作動室O1は、ハウジング71の側部71sと、壁部71dおよび壁部71eと、ダイヤフラム73とによって囲まれた環状の空間から構成されており、側部71sの開口を介して他の部分と連通している。なお、作動室O1のZ2側の底部は、管状部71fを除いて、平坦面状に形成されている。これにより、流体制御弁70内の作動室O1に液体が溜まるのが抑制されている。作動室O2は、ハウジング71の側部71sと壁部71eとによって囲まれた空間から構成されており、図示しない開口を介して他の部分と連通している。なお、作動室O1と作動室O2とは、管状部71fにより連通している。
また、流体制御弁70では、圧力室R1内の圧力P1が圧力室R2内の圧力P2よりも小さくなる場合に、ダイヤフラム72および73が図1に示す状態となって作動室O1と作動室O2とが連通されるように、2個の巻きばね74および75のばね定数がそれぞれ設定されている。
(流体制御弁の開閉制御)
図1に示すように、圧力室R1内の圧力P1が圧力室R2内の圧力P2よりも小さい場合には、圧力室R2内の圧力P2によりダイヤフラム72が上方(Z1側)に押し上げられる(巻きばね74が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム72および73が上方に向かって変形することによって、ダイヤフラム73の下面73aが上方に移動する。この結果、作動室O1と作動室O2とを連通させるように管状部71fの上端の開口71iが開かれる(開弁制御)。したがって、たとえば、作動室O1の流体が作動室O2に供給される。
一方、図2に示すように、圧力室R1内の圧力P1が圧力室R2内の圧力P2以上になった場合には、圧力室R1内の圧力P1によりダイヤフラム72が下方(Z2側)に押し下げられる(巻きばね75が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム72および73が下方に向かって変形することによって、ダイヤフラム73の下面73aが管状部71fの上端に当接する。この結果、ダイヤフラム73により開口71iが閉じられて、作動室O1と作動室O2との連通状態が解除される(閉弁制御)。
これらの結果、流体制御弁70では、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72および73を移動させることによって作動室O1およびO2の開閉制御が行われる。このような流体制御弁70は、たとえば、内燃機関に設けられる、いわゆるPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブとして用いることが可能である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、作動室O1およびO2を、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72および73を移動させることによって開閉制御が行われるように構成する。これにより、たとえば、作動室O1およびO2に直接的に接続されていない部分を、2個の圧力室R1およびR2のいずれかに接続することによって、作動室O1およびO2に直接的に接続されていない部分の圧力に基づいて、作動室O1およびO2の開閉制御を行うことができる。この結果、作動室O1およびO2の開閉制御を作動室O1およびO2以外の部分の圧力にも基づいて行うことができるので、ダイヤフラム型の流体制御弁70の用途の範囲を拡大することができる。
また、第1実施形態では、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72の移動に応じてダイヤフラム73を移動させることによって、作動室O1およびO2の開閉制御を行う。これにより、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によるダイヤフラム72の移動をダイヤフラム73の移動に変換して、ダイヤフラム73による作動室O1およびO2の開閉制御を確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、巻きばね74を、ダイヤフラム73が閉弁する方向(矢印Z2方向)にダイヤフラム72および73を付勢するように構成し、巻きばね75を、ダイヤフラム73が開弁する方向(矢印Z1方向)にダイヤフラム72および73を付勢するように構成する。これにより、巻きばね74および75により、ダイヤフラム72および73がダイヤフラム73が開弁する方向(矢印Z1方向)または閉弁する方向(矢印Z2方向)からずれて移動するのを抑制することができる。この結果、ダイヤフラム72の移動をダイヤフラム73の開弁する方向または閉弁する方向への移動に確実に変換して、ダイヤフラム73による作業室O1およびO2の開閉制御をより確実に行うことができる。
また、第1実施形態では、流体制御弁70において、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72および73を移動させることによって作動室O1およびO2の開閉制御が行われる。これにより、ダイヤフラム72および73を用いて、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧による作動室O1およびO2を開閉させる制御を容易に行うことができる。また、ダイヤフラム73を介して2個の圧力室R1およびR2と作動室O1およびO2とが隣接することによって、流体制御弁70を小型化することができる。
また、第1実施形態では、ダイヤフラム73の径をダイヤフラム72の径よりも小さくする。これにより、圧力室R2と作動室O1およびO2とを仕切るダイヤフラム73の面積を、2個の圧力室R1およびR2を仕切るダイヤフラム72の面積よりも小さくすることができるので、ダイヤフラム73に加えられる作動室O1およびO2と圧力室R2との差圧に起因する力を、ダイヤフラム72に加えられる圧力室R1およびR2同士の差圧に起因する力よりも十分に小さくすることができる。この結果、作動室O1の圧力および作動室O2の圧力に起因する力が作動室O1およびO2の開閉制御に与える影響を効果的に小さくすることができるので、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧により作動室O1およびO2の開閉制御をより確実に行うことができる。
[第2実施形態]
図3〜図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、本発明の流体制御弁(内圧制御弁170、換気切替弁80、捕集切替弁90)が過給機付きエンジン100に用いられる場合について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
(過給機付きエンジンの概略構成)
本発明の第2実施形態による車両(自動車)用のエンジン100は、図3に示すように、エンジン本体10を備えている。エンジン本体10は、複数の気筒(シリンダ1a)が形成されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上部に締結されるシリンダヘッド2と、シリンダブロック1の下部に締結され、エンジンオイルが貯留されるクランクケース3と、シリンダヘッド2に被せられたヘッドカバー2aとを含む。また、エンジン本体10には、吸気系統30と排気系統40とが接続されている。エンジン100は、シリンダブロック1内でピストン4が往復動することにより吸引圧縮・膨張(燃焼)・排気の1サイクルを連続的に繰り返してクランク軸5を回転させる機能を有している。
シリンダヘッド2には、図示しないカムシャフトの回転により周期的に開閉される吸気バルブ6および排気バルブ7と、点火プラグ8とが組み込まれている。また、シリンダヘッド2は、燃焼室9と、燃焼室9に吸入空気を送り込む吸気ポート11と、既燃ガスが排出される排気ポート12とを有する。また、シリンダヘッド2の内部には、シリンダヘッド2とヘッドカバー2aとの間の内部空間とクランクケース3とを連通する新気連通路13が設けられている。また、エンジン100は、クランク軸5の回転から駆動力を取り出すことにより車両(図示せず)を走行させる駆動源の役割を有している。
また、ガソリン機関からなるエンジン100は、排気タービン駆動式の過給機(ターボチャージャ)20を備えている。この過給機20においては、エンジン100の排気ガスの力を受けてタービンホイール21が回転されることによりコンプレッサホイール22が回転される。これにより、コンプレッサホイール22に吸い込まれた空気が圧縮空気となって吐出されてシリンダ1aに供給されるように構成されている。
また、エンジン100は、ブローバイガスの換気装置50を備えている。換気装置50は、ピストン4とシリンダ1aとの隙間を通って燃焼室9からクランクケース3内に吹き漏れるブローバイガス(燃焼ガスを含む未燃焼混合気)を吸気系統30に戻して燃焼室9で再び燃焼させる役割を有している。また、換気装置50は、クランクケース3内からブローバイガスを排出するとともに吸気系統30からの新気(吸入空気の一部)をエンジン本体10(シリンダ1a以外のクランクケース3などの内部空間)に供給してエンジン本体10内の換気を行う役割を有している。
吸気系統30では、空気取入口30aからエンジン100の吸気ポート11(シリンダブロック1)に向かって、エアクリーナ31、過給機20におけるコンプレッサホイール22、インタークーラ32、スロットル弁(スロットバルブ)33、吸気装置34がこの順に接続されて構成されている。エアクリーナ31は、吸入空気に含まれるごみやほこりなどの異物を除去する役割を有している。インタークーラ32は、過給機20により圧縮された吸入空気を冷却して温度を下げる役割を有している。スロットル弁33は、吸入空気量を制御する役割を有している。吸気装置34は、各シリンダ1aの上方に形成される燃焼室9に、シリンダヘッド2を介して吸入空気を分配供給する役割を有する。
(ブローバイガスの換気装置の構成)
換気装置50は、ブローバイガスに含まれるエンジンオイル(オイルミスト)を分離するためのオイルセパレータ60と、第1ブローバイガス通路51、第2ブローバイガス通路52、第3ブローバイガス通路53、および、新気導入通路54とを含んでいる。オイルセパレータ60においては、未燃焼混合気とオイルミストとが互いに分離され、分離され液化したエンジンオイルはクランクケース3に戻される。第1ブローバイガス通路51は、エンジン本体10とオイルセパレータ60とを接続しており、オイルセパレータ60側で分岐する第1分岐通路51aおよび第2分岐通路51bを有している。第2ブローバイガス通路52は、オイルセパレータ60と吸気装置34とを接続している。第3ブローバイガス通路53は、第2ブローバイガス通路52から分岐して、過給機20の上流側(エアクリーナ31の下流側)に接続されている。新気導入通路54は、エンジン本体10とスロットル弁33の上流側(インタークーラ32の下流側)とを接続している。
オイルセパレータ60は、図4に示すように、ブローバイガスが内部を流通するハウジング61を含んでいる。ハウジング61の内部には、上流側(エンジン本体10側)において第1分岐通路51a(図3参照)に接続される高捕集経路62と、上流側において第2分岐通路51b(図3参照)に接続される低捕集経路63とが設けられている。
高捕集経路62には、金属多孔質体64が配置されている。この金属多孔質体64をブローバイガスが通過する際に、ブローバイガスに含まれるオイルミスト(エンジンオイル)が液化して分離および捕集される。また、高捕集経路62の金属多孔質体64の下流側には、ハウジング61の一部が突出することにより形成され、ブローバイガスが衝突する壁部61aが設けられている。この壁部61aにブローバイガスが衝突することによっても、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルが液化して分離および捕集される。
低捕集経路63には、ハウジング61の一部が突出することにより形成され、ブローバイガスが衝突する2個の壁部61bが設けられている。この2個の壁部61bにより、低捕集経路63にはラビリンス構造が形成されている。このラビリンス構造内で壁部61bにブローバイガスが衝突することによって、ブローバイガスに含まれるエンジンオイルが液化して分離および捕集される。ここで、金属多孔質体64が配置された高捕集経路62では、ラビリンス構造が形成された低捕集経路63と比べて、エンジンオイルがより効率よく捕集される一方、ブローバイガスが流れにくく圧力損失が大きい。
また、ハウジング61には、高捕集経路62の下流側と低捕集経路63の下流側とが合流するとともに、第2ブローバイガス通路52(図3参照)と接続される合流経路65が設けられている。また、合流経路65は、後述する捕集切替弁90の圧力室R6(図9および図10参照)と接続されている。
また、図3に示すように、換気装置50は、新気導入通路54に設けられた内圧制御弁170と、第2ブローバイガス通路52および第3ブローバイガス通路53との分岐位置に設けられた換気切替弁80と、第1分岐通路51aおよび第2分岐通路51bとの分岐位置に設けられた捕集切替弁90とを含んでいる。内圧制御弁170は、新気導入通路54内の新気の流通の有無を切り替える役割を有している。換気切替弁80は、ブローバイガスが流通する通路を第2ブローバイガス通路52または第3ブローバイガス通路53に切り替える役割を有している。捕集切替弁90は、ブローバイガスが流通する通路を第1分岐通路51aまたは第2分岐通路51bに切り替える役割を有している。
(内圧制御弁の構造)
内圧制御弁170は、エンジン本体10の内圧Peが負圧の場合に、開弁状態となり、スロットル弁33の上流側から供給された新気がエンジン本体10内に供給される一方、エンジン本体10の内圧Peが大気圧と同程度または正圧になった場合に、閉弁状態となり、スロットル弁33の上流側から新気がエンジン本体10内に供給されなくなる。これにより、内圧制御弁170により、エンジン本体10の内圧Peが正圧にならないように制御される。なお、内圧制御弁170の構造は、図5および図6に示すように、ハウジング171に連通通路171jが設けられている点と、各々の圧力室および作動室がエンジン100内の所定の位置に接続される点とを除いて、上記第1実施形態の流体制御弁70の構造(図1および図2参照)と略同様である。
内圧制御弁170では、圧力室R2は、外気と接続されており、その結果、圧力室R2内の圧力P2は、大気圧になるように構成されている。また、作動室O1は、過給機20の下流側で、かつ、スロットル弁33の上流側に接続されており、スロットル弁33の上流側(過給機20の下流側)から新気が供給されるように構成されている。また、作動室O2は、エンジン本体10(ヘッドカバー2a)に接続されている。
また、ハウジング171の天井部171tには開口が設けられておらず、圧力室R1と作動室O2とが、連通通路171jを介して連通している。この結果、圧力室R1内の圧力P1は、エンジン本体10の内圧Peと略同一になるように構成されている。なお、連通通路171jは、ハウジング171の側部171sを貫通するように設けられている。また、内圧制御弁170では、エンジン本体10の内圧Peが負圧になる場合に、ダイヤフラム72および73が図5に示す状態となって作動室O1と作動室O2とが連通されるように、2個の巻きばね74および75のばね定数がそれぞれ設定されている。
(内圧制御弁の開閉制御)
図5に示すように、エンジン本体10の内圧Peが大気圧未満である場合には、大気圧によりダイヤフラム72が上方(Z1側)に押し上げられる(巻きばね74が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム72および73が上方に向かって変形することによって、ダイヤフラム73の下面73aが上方に移動する。この結果、作動室O1と作動室O2とを連通させるように管状部71fの開口71iが開かれる(開弁制御)。したがって、スロットル弁33の上流側から作動室O1に供給された新気が管状部71fを介して、エンジン本体10に供給される。この結果、エンジン本体10に供給された新気により、エンジン本体10内の換気が行われる。
一方、図6に示すように、新気の供給などに起因してエンジン本体10の内圧Peが大気圧以上になった場合には、エンジン本体10の内圧Peによりダイヤフラム72が下方(Z2側)に押し下げられる(巻きばね75が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム72および73が下方に向かって変形することによって、ダイヤフラム73の下面73aが管状部71fの上端に当接する。この結果、ダイヤフラム73により開口71iが閉じられて、作動室O1と作動室O2との連通状態が解除される(閉弁制御)。したがって、スロットル弁33の上流側から新気がエンジン本体10内に供給されなくなる。これにより、エンジン本体10内が正圧になるのが抑制される。
これらの結果、内圧制御弁170では、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム72および73を移動させることによって作動室O1およびO2の開閉制御が行われる。
(換気切替弁の構造)
図3に示す換気切替弁80は、過給機20の上流側と吸気装置34との両方が負圧になった場合に、エンジン本体10内のエンジンオイルが過給機20と吸気装置34との両方から吸引されることに起因してブローバイガスと共に持ち去られるエンジンオイルの量が増加するのを抑制する役割を有している。
換気切替弁80は、図7および図8に示すように、ハウジング81と、弾性変形可能な3個のダイヤフラム82、83および84と、2個の巻きばね85および86とを含んでいる。なお、ダイヤフラム82、83および84は、Z1側から見た平面視において、円状に形成されている。
ハウジング81は、円状のダイヤフラム82の端部を周状に固定する固定部81aと、円状のダイヤフラム83の端部を周状に固定する固定部81bと、円状のダイヤフラム84の端部を周状に固定する固定部81cとを含んでいる。固定部81aは、壁部81dの内側端部から内側に突出するように形成されている。この壁部81dは、ハウジング81内のZ方向の中央近傍において、ハウジング81の側部81sから内側に向かって突出している。固定部81bは、壁部81eの内側端部から内側に突出するように形成されている。この壁部81eは、ハウジング81内のZ2側(下方)において、ハウジング81の側部81sから内側に向かって突出している。固定部81cは、壁部81fの内側端部から内側に突出するように形成されている。この壁部81fは、ハウジング81内のZ1側(上方)において、ハウジング81の側部81sから内側に向かって突出している。
ここで、壁部81eおよび81fの側部81sからの突出量が、壁部81dの側部81sからの突出量よりも大きいことによって、周状の固定部81bおよび81cのZ方向と直交する方向における径D3は、周状の固定部81aのZ方向と直交する方向における径D4よりも小さくなるように形成されている。この結果、円状のダイヤフラム83および84の径は、円状のダイヤフラム82の径よりも小さくなるように構成されている。なお、円状のダイヤフラム83および84の径は、略同一である。
また、固定部81a、81bおよび81cは、それぞれ、壁部81d、81eおよび81fからZ1側に突出しないように形成されている。これにより、換気切替弁80内のダイヤフラム82、83および84や圧力室R3およびR4、作動室O6などに液体(たとえば、ブローバイガス内のエンジンオイル)が溜まるのが抑制されている。
また、ハウジング81には、ハウジング81内のZ2側およびZ1側においてハウジング81の側部81sから内側に向かってそれぞれ突出する壁部81gおよび81hと、壁部81gの内側端部からZ1側に延びるように形成された管状部81iと、壁部81hの内側端部からZ2側に延びるように形成された管状部81jとが形成されている。なお、ダイヤフラム83および84の径は、それぞれ、管状部81iの上端の開口81oの径、および、管状部81jの下端の開口81pの径よりも大きい。
ダイヤフラム82、83および84は、弾性変形可能なゴム製の膜状部材である。ダイヤフラム82、83および84は、ハウジング81内において、各々の中央部が互いにZ方向に重ねられた状態で、Z2側の巻きばね85およびZ1側の巻きばね86に挟み込まれている。なお、ダイヤフラム82、83および84は、Z2側のダイヤフラム83とZ1側のダイヤフラム84とに中央のダイヤフラム82が挟み込まれた状態で、互いに重ねられている。また、2個の巻きばね85および86は、座部81kおよび81lにそれぞれ保持された状態で、巻きばね85の上端部がZ2側のダイヤフラム83にZ2側から当接しているとともに、巻きばね86の下端部がZ1側のダイヤフラム84にZ1側から当接している。また、ダイヤフラム83の下面83aおよびダイヤフラム84の上面84aには、それぞれ、巻きばね85の上端部および巻きばね86の下端部が内部にそれぞれ配置されるガイド部83bおよび84bが取り付けられている。この結果、ガイド部83bおよび84bと座部81kおよび81lとにより、巻きばね85および86が換気切替弁80内でずれないようにそれぞれ固定される。
巻きばね85は、ダイヤフラム83が閉弁する方向(矢印Z1方向、図7参照)にダイヤフラム82、83および84を付勢している。巻きばね86は、ダイヤフラム84が閉弁する方向(矢印Z2方向、図8参照)にダイヤフラム82、83および84を付勢している。なお、座部81kおよび81lは、それぞれ、管状部81iおよび81jから内側に向かって周状に突出するように形成されている。
ここで、換気切替弁80では、ダイヤフラム82、83および84がそれぞれ固定部81a、81bおよび81cに固定された状態で、ハウジング81の内部には、2個の圧力室R3およびR4と、4個の作動室O3、O4、O5およびO6とが形成されている。
圧力室R3は、ハウジング81の側部81s、壁部81dおよび81fと、ダイヤフラム82および84とによって囲まれた環状の空間から構成されている。圧力室R4は、ハウジング81の側部81s、壁部81dおよび81eと、ダイヤフラム82および83とによって囲まれた環状の空間から構成されている。すなわち、ダイヤフラム82は、圧力室R3と圧力室R4とを仕切るように配置されている。
作動室O3およびO4は、ハウジング81のZ2側に設けられており、作動室O5およびO6は、ハウジング81のZ1側に設けられている。作動室O3は、ハウジング81の側部81sと壁部81gとによって囲まれた空間から構成されている。作動室O4は、ハウジング81の側部81s、壁部81eおよび81gと、ダイヤフラム83とによって囲まれた環状の空間から構成されている。なお、作動室O3と作動室O4とは、管状部81iにより連通している。また、作動室O4のZ2側の底部は、管状部81iを除いて、平坦面状に形成されている。これにより、換気切替弁80内の作動室O4に液体が溜まるのが抑制されている。作動室O5は、ハウジング81の側部81sと壁部81hとによって囲まれた空間から構成されている。作動室O6は、ハウジング81の側部81s、壁部81fおよび81hと、ダイヤフラム84とによって囲まれた環状の空間から構成されている。なお、作動室O5と作動室O6とは、管状部81jにより連通している。
また、作動室O3およびO5は、共に、オイルセパレータ60の下流側(図3参照)に接続されている。作動室O4は、吸気装置34(図3参照)に接続されている。作動室O6は、過給機20の上流(図3参照)に接続されている。また、圧力室R3と作動室O4とは、連通通路81mを介して連通している。この結果、圧力室R3内の圧力P3は、吸気装置34の内圧Piと略同一になるように構成されている。また、圧力室R4と作動室O6とは、連通通路81nを介して連通している。この結果、圧力室R4内の圧力P4は、過給機入口圧Ptと略同一になるように構成されている。なお、連通通路81mおよび81nは、ハウジング81の側部81sを貫通するように設けられている。
(換気切替弁の開閉制御)
図7に示すように、吸気装置34の内圧Piが過給機入口圧Pt未満である場合には、過給機入口圧Ptによりダイヤフラム82が上方(Z1側)に押し上げられる(巻きばね86が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム82、83および84が上方に向かって変形することによって、ダイヤフラム83の下面83aおよびダイヤフラム84の上面84aが上方に移動して、ダイヤフラム84の上面84aが管状部81jの下端に当接する。この結果、作動室O3と作動室O4とを連通させるように管状部81iの開口81oが開かれるとともに、ダイヤフラム84により管状部81jの開口81pが閉じられて、作動室O5と作動室O6との連通状態が解除される。したがって、オイルセパレータ60からのブローバイガスが吸気装置34に供給されて、吸気装置34の内圧Piが過度に小さくなるのが抑制される。
一方、図8に示すように、吸気装置34の内圧Piが過給機入口圧Pt以上である場合には、吸気装置34の内圧Piによりダイヤフラム82が下方(Z2側)に押し下げられる(巻きばね85が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム82、83および84が下方に向かって変形することによって、ダイヤフラム83の下面83aおよびダイヤフラム84の上面84aが下方に移動して、ダイヤフラム83の下面83aが管状部81iの上端に当接する。この結果、作動室O5と作動室O6とを連通させるように管状部81jの開口81pが開かれるとともに、ダイヤフラム83により管状部81iの開口81oが閉じられて、作動室O3と作動室O4との連通状態が解除される。したがって、オイルセパレータ60からのブローバイガスが過給機20の上流に供給されて、過給機入口圧Ptが過度に小さくなるのが抑制される。
これらの結果、換気切替弁80では、2個の圧力室R3およびR4同士の差圧によりダイヤフラム82が移動されて、ダイヤフラム83により作動室O3およびO4の開閉制御が行われ、ダイヤフラム84により作動室O5およびO6の開閉制御が行われる。
(捕集切替弁の構造)
図3に示す捕集切替弁90は、オイルセパレータ60の合流経路65における圧力(セパレータ出口圧Ps、図4参照)が過度に小さくなった場合に、オイルセパレータ60における圧損を小さくして、エンジン本体10内のエンジンオイルがオイルセパレータ60側に噴き出すのを抑制する役割を有している。なお、捕集切替弁90の構造は、連通通路81mおよび81n(図7および図8参照)が設けられていない点と、各々の圧力室および作動室が接続される位置とを除いて、換気切替弁80の構造と略同様である。したがって、捕集切替弁90の構造についての詳細な説明は適宜省略する。
捕集切替弁90は、図9および図10に示すように、ハウジング91と、弾性変形可能な3個のダイヤフラム92、93および94と、2個の巻きばね95および96とを含んでいる。ハウジング91は、固定部91a、91bおよび91cと、固定部91a、91bおよび91cがそれぞれ設けられた壁部91d、91eおよび91fと、壁部91gおよび91hと、壁部91gおよび91hにそれぞれ設けられた管状部91iおよび91jと、管状部91iおよび91jにそれぞれ設けられた座部91kおよび91lと、側部91sとを含んでいる。ダイヤフラム93および94は、それぞれ、下面83aおよび上面84aに取り付けられたガイド部93bおよび94bを含んでいる。
また、捕集切替弁90では、ダイヤフラム92、93および94がそれぞれ固定部91a、91bおよび91cに固定された状態で、ハウジング91の内部には、2個の圧力室R5およびR6と、4個の作動室O7、O8、O9およびO10とが形成されている。なお、圧力室R5、R6、作動室O7、O8、O9およびO10は、それぞれ、換気切替弁80の圧力室R3、R4、作動室O3、O4、O5およびO6(図7および図8参照)と対応する。したがって、圧力室R5、R6、作動室O7、O8、O9およびO10の詳細な説明は省略する。なお、作動室O8のZ2側の底部は、管状部91iを除いて、平坦面状に形成されている。同様に、作動室O10のZ2側の底部は、平坦面状に形成されている。これにより、捕集切替弁90内の作動室O8およびO10に液体(たとえば、ブローバイガス内のエンジンオイル)が溜まるのが抑制されている。
なお、ダイヤフラム92は、圧力室R5と圧力室R6とを仕切るように配置されている。また、作動室O7と作動室O8とは、管状部91iにより連通可能に構成されており、作動室O9と作動室O10とは、管状部91jにより連通可能に構成されている。
ここで、捕集切替弁90では、圧力室R5は、外気と接続されており、その結果、圧力室R5内の圧力P5は、大気圧になるように構成されている。また、圧力室R6は、オイルセパレータ60の合流経路65(図4参照)と接続されており、その結果、圧力室R6内の圧力P6は、セパレータ出口圧Psと略同一になるように構成されている。また、作動室O7およびO9は、共に、エンジン本体10のクランクケース3に接続されている。作動室O8は、第1分岐通路51aに接続されている。作動室O10は、第2分岐通路51bに接続されている。
(捕集切替弁の開閉制御)
図9に示すように、セパレータ出口圧Psが大気圧より大きい場合には、セパレータ出口圧Psによりダイヤフラム92が上方(Z1側)に押し上げられる(巻きばね96が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム92、93および94が上方に向かって変形することによって、ダイヤフラム93の下面93aおよびダイヤフラム94の上面94aが上方に移動して、ダイヤフラム94の上面94aが管状部91jの下端に当接する。この結果、作動室O7と作動室O8とを連通させるように管状部91iの開口91oが開かれるとともに、ダイヤフラム94により管状部91jの開口91pが閉じられて、作動室O9と作動室O10との連通状態が解除される。したがって、エンジン本体10(クランクケース3)からのブローバイガスが第1分岐通路51aを介してオイルセパレータ60の高捕集経路62に供給される。これにより、オイルセパレータ60において、ブローバイガス内のオイルミスト(エンジンオイル)が効率よく捕集される。
一方、図10に示すように、セパレータ出口圧Psが大気圧以下の場合には、大気圧によりダイヤフラム92が下方(Z2側)に押し下げられる(巻きばね95が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム92、93および94が下方に向かって変形することによって、ダイヤフラム93の下面93aおよびダイヤフラム94の上面94aが下方に移動して、ダイヤフラム93の下面93aが管状部91iの上端に当接する。この結果、作動室O9と作動室O10とを連通させるように管状部91jの開口91pが開かれるとともに、ダイヤフラム93により管状部91iの開口91oが閉じられて、作動室O7と作動室O8との連通状態が解除される。したがって、エンジン本体10からのブローバイガスが第2分岐通路51bを介してオイルセパレータ60の低捕集経路63に供給される。これにより、ブローバイガス内のエンジンオイルの捕集効率は低下するものの、オイルセパレータ60における圧損が小さくなり、その結果、エンジン本体10内のエンジンオイルがオイルセパレータ60側に噴き出すのを抑制される。
これらの結果、捕集切替弁90では、2個の圧力室R5およびR6同士の差圧によりダイヤフラム92が移動されて、ダイヤフラム93により作動室O7およびO8の開閉制御が行われ、ダイヤフラム94により作動室O9およびO10の開閉制御が行われる。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、作動室O7およびO8と作動室O9およびO10とを、2個の圧力室R5およびR6同士の差圧によりダイヤフラム92、93および94を移動させることによって開閉制御が行われるように構成する。これにより、作動室O7〜O10に直接的に接続されていない部分(オイルセパレータ60の合流経路65)を圧力室R6に接続することによって、作動室O7〜O10に直接的に接続されていない部分の圧力(セパレータ出口圧Ps)に基づいて、作動室O7およびO8の開閉制御と作動室O9およびO10の開閉制御とを行うことができる。この結果、作動室O7およびO8の開閉制御と作動室O9およびO10の開閉制御とを作動室O7〜O10以外の部分(オイルセパレータ60の合流経路65)のセパレータ出口圧Psにも基づいて行うことができる。
また、第2実施形態では、換気切替弁80において、2個の圧力室R3およびR4同士の差圧により、ダイヤフラム83により作動室O3およびO4の開閉制御が行われ、ダイヤフラム84により作動室O5およびO6の開閉制御が行われる。これにより、作動室O3およびO4を開閉させる制御と、作動室O5およびO6を開閉させる制御とを2個の圧力室R3およびR4同士の差圧により行うことができるので、作動室O3およびO4と、作動室O5およびO6との各々に2個ずつ圧力室を設ける場合(計4つの圧力室を設ける場合)と比べて、換気切替弁80の構造を簡略化することができるとともに、換気切替弁80を小型化することができる。また、作動室O3およびO4を開閉させる制御と、作動室O5およびO6を開閉させる制御とを連動するように構成することができるので、作動室O3およびO4の開弁状態と、作動室O5およびO6の開弁状態とを切り替えるように構成することができる。
また、第2実施形態では、捕集切替弁90において、2個の圧力室R5およびR6同士の差圧により、ダイヤフラム93により作動室O7およびO8の開閉制御が行われ、ダイヤフラム94により作動室O9およびO10の開閉制御が行われる。これにより、換気切替弁80と同様に、捕集切替弁90の構造を簡略化することができるとともに、捕集切替弁90を小型化することができる。また、換気切替弁80と同様に、作動室O7およびO8の開弁状態と、作動室O9およびO10の開弁状態とを切り替えるように構成することができる。
また、第2実施形態では、内圧制御弁170において、圧力室R1と作動室O2とを連通通路171jを介して連通させる。これにより、圧力室R1と作動室O2とを略同じ圧力にすることができるので、作動室O2と圧力室R2との差圧により作動室O1およびO2の開閉制御を行うことができる。
また、第2実施形態では、ダイヤフラム83の径およびダイヤフラム84の径を、ダイヤフラム82の径よりも小さくする。これにより、圧力室R4と作動室O3および作動室O4とを仕切るダイヤフラム83の面積および圧力室R3と作動室O5および作動室O6とを仕切るダイヤフラム84の面積を、圧力室R3およびO4を仕切るダイヤフラム82の面積よりも小さくすることができるので、作動室O3の圧力および作動室O4の圧力に起因する力が作動室O3およびO4の開閉制御に与える影響と、作動室O5の圧力および作動室O6の圧力に起因する力が作動室O5およびO6の開閉制御に与える影響とを効果的に小さくすることができる。この結果、2個の圧力室R3およびR4同士の差圧により作動室O3およびO4の開閉制御と作動室O5およびO6の開閉制御とをより確実に行うことができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第3実施形態]
次に、図11および図12を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態のダイヤフラム73の代わりに、断面T字状の弁体273を用いる例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
(流体制御弁の構造)
本発明の第3実施形態による流体制御弁270は、図11および図12に示すように、ハウジング271と、弾性変形可能なダイヤフラム72と、断面T字状の弁体273とを含んでいる。
ハウジング271には、ハウジング271内のZ方向の略中央を区切る壁部271dが形成されている。この壁部271dの中央部には、Z方向に延びるように形成され、弁体273の後述する軸部273cが挿入される孔部271kが設けられている。この孔部271kには、孔部271k内を流体が流通するのを抑制するための環状のOリング271lが配置されている。
弁体273は、Z2側(下方)の円板部273bと、円板部273bからZ1側(上方)に延びる円柱状の軸部273cとを含んでいる。円板部273bは、管状部71fの上端の開口71iの径よりも大きな径を有している。また、円柱状の軸部273cのZ1側の上端は、ダイヤフラム72に固定されている。これにより、弁体273は、ダイヤフラム72のZ方向の移動に応じてZ方向に移動するように構成されている。
ここで、第3実施形態では、ダイヤフラム72が固定部71aに固定された状態で、ハウジング271の内部には、2個の圧力室R7およびR8と、2個の作動室O11およびO12とが形成されている。
圧力室R7は、ハウジング271の壁部71c、側部71sおよび天井部71tと、ダイヤフラム72とによって囲まれた空間から構成されている。圧力室R8は、ハウジング271の壁部71c、271dおよび側部71sと、ダイヤフラム72とによって囲まれた空間から構成されている。すなわち、ダイヤフラム72は、圧力室R7と圧力室R8とを仕切るように配置されている。
作動室O11は、ハウジング271の側部71s、壁部271dおよび71eによって囲まれた空間から構成されている。作動室O12は、ハウジング271の側部71sと壁部71eとによって囲まれた空間から構成されている。なお、作動室O11と作動室O12とは、管状部71fにより連通している。また、圧力室R7、圧力室R8、作動室O11と作動室O12は、各々、他の部分と接続されている。
また、作動室O11のZ2側の底部は、管状部71fを除いて、平坦面状に形成されている。また、圧力室R8のZ2側の底部は、平坦面状に形成されている。これにより、流体制御弁270内の圧力室R8および作動室O11に液体が溜まるのが抑制されている。
(流体制御弁の開閉制御)
図11に示すように、圧力室R7内の圧力P7が圧力室R8内の圧力P8よりも小さい場合には、圧力室R8内の圧力P8によりダイヤフラム72が上方(Z1側)に押し上げられる。これにより、ダイヤフラム72の移動に応じて弁体273が上方に移動することによって、弁体273の下面273aが上方に移動する。この際、軸部273cが孔部271kにガイドされることによって、弁体273が上方に確実に移動される。この結果、作動室O11と作動室O12とを連通させるように管状部71fの開口71iが開かれる(開弁制御)。したがって、作動室O11の流体が作動室O12に供給される。
一方、図12に示すように、圧力室R7内の圧力P7が圧力室R8内の圧力P8以上になった場合には、圧力室R7内の圧力P7によりダイヤフラム72が下方(Z2側)に押し下げられる。これにより、ダイヤフラム72の移動に応じて弁体273が下方に移動することによって、弁体273の下面273aが管状部71fの上端に当接する。この結果、弁体273により開口71iが閉じられて、作動室O11と作動室O12との連通状態が解除される(閉弁制御)。
これらの結果、流体制御弁270では、2個の圧力室R7およびR8同士の差圧によりダイヤフラム72および弁体273を移動させることによって作動室O11およびO12の開閉制御が行われる。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、作動室O11およびO12を、2個の圧力室R7およびR8同士の差圧によりダイヤフラム72および弁体273を移動させることによって開閉制御が行われるように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、作動室O11およびO12の開閉制御を作動室O11およびO12以外の部分の圧力にも基づいて行うことができるので、ダイヤフラム型の流体制御弁270の用途の範囲を拡大することができる。
また、第3実施形態では、弁体273を用いることによって、ダイヤフラム72の弾性変形だけで、容易に、弁体273を開弁する方向(矢印Z1方向)または閉弁する方向(矢印Z2方向)に移動させることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[第4実施形態]
次に、図13および図14を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第1実施形態のダイヤフラム72と、2個の巻きばね74および75との代わりに、巻きばね374が一体的に設けられたダイヤフラム372を用いる例について示す。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
(流体制御弁の構造)
本発明の第4実施形態による流体制御弁370は、図13および図14に示すように、ハウジング71と、弾性変形可能なダイヤフラム372および373と、ダイヤフラム372に一体的に設けられた巻きばね374とを含んでいる。
ダイヤフラム372とダイヤフラム373とは、Z1側から見た平面視において、円状に形成されているとともに、一体的に設けられている。さらに、一体的に形成されたダイヤフラム372のZ1側の上面72aには、巻きばね374がインサート成形などにより一体的に設けられている。この巻きばね374は、Z方向に付勢力を生じさせることが可能なように配置されている。なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(流体制御弁の開閉制御)
図13に示すように、圧力室R1内の圧力P1が圧力室R2内の圧力P2よりも小さい場合には、圧力室R2内の圧力P2によりダイヤフラム372が上方(Z1側)に押し上げられる(巻きばね374が押し縮められる)。これにより、ダイヤフラム373の下面373aが上方に移動する。この結果、作動室O1と作動室O2とを連通させるように管状部71fの開口71iが開かれる(開弁制御)。したがって、たとえば、作動室O1の流体が作動室O2に供給される。
一方、図14に示すように、圧力室R1内の圧力P1が圧力室R2内の圧力P2以上になった場合には、圧力室R1内の圧力P1によりダイヤフラム372が下方(Z2側)に押し下げられる(巻きばね374が引き延ばされる)。これにより、ダイヤフラム373の下面373aが管状部71fの上端に当接する。この結果、ダイヤフラム373により開口71iが閉じられて、作動室O1と作動室O2との連通状態が解除される(閉弁制御)。
これらの結果、流体制御弁370では、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム372および373を移動させることによって作動室O1およびO2の開閉制御が行われる。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、作動室O1およびO2を、2個の圧力室R1およびR2同士の差圧によりダイヤフラム372および373を移動させることによって開閉制御が行われるように構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、作動室O1およびO2の開閉制御を作動室O1およびO2以外の部分の圧力にも基づいて行うことができるので、ダイヤフラム型の流体制御弁370の用途の範囲を拡大することができる。
また、第4実施形態では、ダイヤフラム372とダイヤフラム373とを一体的に設けることによって、ダイヤフラム372とダイヤフラム373とを安定して移動させることができる。
また、第4実施形態では、ダイヤフラム372のZ1側に巻きばね374を一体的に設けることによって、巻きばね374の付勢力をダイヤフラム372に確実に加えることができる。また、流体制御弁370の組み付け時に巻きばね374とダイヤフラム372との位置決めを行う必要がないので、流体制御弁370を容易に作成することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、流体制御弁70(内圧制御弁170、換気切替弁80、捕集切替弁90)において、ダイヤフラムを付勢する巻きばねをそれぞれ一対設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、一方の巻きばねを削減するとともに他方の巻きばねをダイヤフラムに固定してもよい。これにより、部品点数を削減することが可能である。
また、上記第2実施形態では、エンジン本体10の換気装置50に、本発明の流体制御弁を3個(内圧制御弁170、換気切替弁80、捕集切替弁90)設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エンジンの換気装置に内圧制御弁、換気切替弁、捕集切替弁のいずれか1つまたはいずれか2つを設けてもよい。たとえば、換気装置のオイルセパレータにおいて、高捕集経路を設けずに低捕集経路のみを設けることによって捕集切替弁を削除してもよい。また、エンジンの換気装置のいずれかの経路に本発明の流体制御弁をさらに追加してもよい。
また、上記第2実施形態では、捕集切替弁90において、圧力室R5を外部と接続することによって、圧力室R5内の圧力P5を大気圧にした例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、捕集切替弁90において、圧力室R5をオイルセパレータ60の上流側と接続することによって、圧力室R5内の圧力P5をセパレータ入口圧と略同一になるように構成してもよい。これにより、セパレータ出口圧とセパレータ入口圧との差圧により、ブローバイガスの経路を変更することができるので、セパレータ出口圧が過度に小さくなった場合に、オイルセパレータ60における圧損を小さくして、エンジン本体10内のエンジンオイルがオイルセパレータ60に噴き出すのを抑制することが可能である。
また、上記第2実施形態では、オイルセパレータ60の高捕集経路62に金属多孔質体64を配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、金属多孔質体の代わりに、サイクロン式、慣性衝突式、フィルタ透過式のセパレータ部材を配置してもよい。
また、上記第2実施形態では、オイルセパレータ60の低捕集経路63にラビリンス構造を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ラビリンス構造の代わりに、ブリーザ室を設けてもよい。
また、上記第2実施形態では、ガソリン機関からなるエンジン100を備えた車両(自動車)に搭載される換気装置50に本発明の流体制御弁(内圧制御弁170、換気切替弁80、捕集切替弁90)を適用したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ガソリンエンジン以外にも、過給機付きのディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどに対して本発明を適用することが可能である。なお、捕集切替弁は、過給機付きのエンジンの換気装置でなく、過給機が設けられていないエンジンの換気装置にも用いることが可能である。
また、上記第1〜第4実施形態では、開口が完全に開く開弁状態と完全に閉じる閉弁状態とのみについて示したが、本発明は、これに限られない。本発明では、2個の圧力室の差圧が僅かである場合には、その僅かな差圧に応じてダイヤフラムが変形して開口を僅かに開く作動状態が存在してもよい。これにより、流体制御弁により、流体の流通量(供給量)を制御することも可能である。
70、270、370 流体制御弁
72、82、92、372 ダイヤフラム(第1のダイヤフラム)
73、83、93、373 ダイヤフラム(弁体、第2のダイヤフラム)
74、75、85、86、95、96、374 巻きばね(付勢部材)
80 換気切替弁(流体制御弁)
84、94 ダイヤフラム(弁体、第3のダイヤフラム)
90 捕集切替弁(流体制御弁)
170 内圧制御弁(流体制御弁、エンジン内圧コントロールバルブ)
273 弁体
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8 圧力室
O1、O3、O7、O11 作動室(第1の作動室)
O2、O4、O8、O12 作動室(第2の作動室)
O5、O9 作動室(第3の作動室)
O6、O10 作動室(第4の作動室)

Claims (7)

  1. 第1のダイヤフラムと、
    前記第1のダイヤフラムにより仕切られる2個の圧力室と、
    前記2個の圧力室同士の差圧により前記第1のダイヤフラムを移動させることによって開閉制御が行われる2個以上の作動室と、を備える、流体制御弁。
  2. 前記第1のダイヤフラムの移動に応じて移動する弁体をさらに備え、
    前記2個の圧力室同士の差圧により前記第1のダイヤフラムの移動に応じて前記弁体を移動させることによって、前記作動室の開閉制御を行う、請求項1に記載の流体制御弁。
  3. 前記2個の圧力室同士の差圧により前記弁体が開弁する方向または閉弁する方向に移動される際の少なくとも一方の方向に前記第1のダイヤフラムを付勢する付勢部材をさらに備える、請求項2に記載の流体制御弁。
  4. 前記作動室は、第1の作動室および第2の作動室を含み、
    前記弁体は、前記2個の圧力室の一方と前記2個の圧力室の一方に隣接する前記第1の作動室および前記第2の作動室とを仕切る第2のダイヤフラムを含み、
    前記2個の圧力室同士の差圧により前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムを移動させることによって、前記第1の作動室および前記第2の作動室を開閉させる制御を行う、請求項2または3に記載の流体制御弁。
  5. 前記作動室は、前記第1の作動室、前記第2の作動室、第3の作動室および第4の作動室を含み、
    前記弁体は、前記第2のダイヤフラムに加えて、前記2個の圧力室の他方と前記2個の圧力室の他方に隣接する前記第3の作動室および前記第4の作動室とを仕切る第3のダイヤフラムを含み、
    前記2個の圧力室同士の差圧により、前記第2のダイヤフラムにより前記第1の作動室および前記第2の作動室を開閉させるとともに、前記第3のダイヤフラムにより前記第3の作動室および前記第4の作動室を開閉させる制御を行う、請求項4に記載の流体制御弁。
  6. 前記第2のダイヤフラムの径は、前記第1のダイヤフラムの径よりも小さい、請求項4または5に記載の流体制御弁。
  7. 前記第1のダイヤフラムおよび前記第2のダイヤフラムは、一体的に設けられている、請求項4〜6のいずれか1項に記載の流体制御弁。
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