JP2016223391A - 風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニット - Google Patents

風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】摩擦板の摩耗量を容易に把握できるとともに、摩擦板の作動不良の発生を容易に検知することができる風車用駆動装置、及び風車用駆動装置ユニットを提供する。
【解決手段】風車用駆動装置1は、モータ22と、ピニオン25aと、モータ22の駆動力を減速してピニオン25aに伝達する減速部24と、モータ22の出力軸22aに連結された第1摩擦板29と、第1摩擦板29に当接することで出力軸22aの回転を制動する制動力を発生させる第2摩擦板30と、検出ユニット40と、を備えている。検出ユニット40は、第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を検出するための、被検出部33と当該被検出部33を検出する検出部34とで構成されている。被検出部33および検出部34のうちの一方は、第2摩擦板30側に取り付けられており、他方はモータ22側に取り付けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットに関する。
従来より、風力発電装置として用いられる風車として、タワーの上部に設置されたナセルと複数のブレードとを有するものが用いられている。ナセルは、タワーに対して回転可能に設置されて内部に発電機等が配置される。羽根であるブレードは、ナセルに取り付けられた主軸部であるロータに対してピッチ方向に揺動可能に設置される。そして、風車においては、ナセルを駆動する風車用駆動装置として、ヨー駆動装置が設置される。ヨー駆動装置は、タワーに対してナセルを回転させるように駆動し、風向きに応じてナセルを旋回可能に構成される。また、風車においてブレードを駆動する風車用駆動装置として、ピッチ駆動装置が設置される。ピッチ駆動装置は、ナセル側のロータに対してブレードの軸部を回転させるように駆動し、ブレードのピッチ角を変更可能に構成される。
上述したヨー駆動装置或いはピッチ駆動装置として用いられる風車用駆動装置としては、電動モータ、減速部、ピニオンを備えた装置が用いられる。例えば、特許文献1に開示されたギヤドモータなどを上記の風車用駆動装置として用いることができる。尚、風車用駆動装置における上記の減速部は、電動モータの出力軸に連結される。そして、風車用駆動装置における上記のピニオンは、減速部に連結された出力部に設けられ、風車に設置されたリングギヤと噛み合うように配置される。また、上述した風車用駆動装置においては、電動モータの出力軸を停止させるためのブレーキ機構が設けられる。
特開2007−120510号公報
前述のように、ヨー駆動装置或いはピッチ駆動装置として用いられる風車用駆動装置においては、電動モータの出力軸を停止させるためのブレーキ機構が設けられる。このようなブレーキ機構においては、摩擦によって制動力を発生させるブレーキシューとしての摩擦板が設けられる。風車に設置された風車用駆動装置において使用中の摩擦板の交換が必要か否かを把握するためには、摩擦板の摩耗量を確認し、摩擦板の残量を把握することが必要となる。そして、摩擦板の摩耗量を確認するためには、作業者がタワーに登って風車用駆動装置を分解することが必要となる。このため、現状の風車用駆動装置においては、摩擦板の摩耗量を把握することが困難であるという問題がある。
また、摩擦板が適正に作動しなくなってしまう作動不良が発生する場合がある。具体的には、制動力を発生させる摩擦板同士の間で固着状態が発生した場合、或いは、摩擦板が適正な位置まで変位しない状態が発生した場合のように、摩擦板の作動不良が発生する場合がある。このような摩擦板の作動不良が発生した場合、ブレーキ機構において発生した制動力が解除されない状態となる虞がある。このような場合、摩擦板の作動不良が発生した風車用駆動装置の出力部に対して外力が作用すると、その風車用駆動装置或いは風車のリングギヤ等の破損を生じてしまう虞がある。尚、上記の外力としては、例えば、風によって生じる力、或いは他の風車用駆動装置によって生じる力がある。風車用駆動装置或いは風車のリングギヤ等における上記のような破損を防止するためには、摩擦板の作動不良の発生を容易に検知できることが望ましい。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、摩擦板の摩耗量を容易に把握できるとともに、摩擦板の作動不良の発生を容易に検知することができる風車用駆動装置、及び風車用駆動装置ユニットを提供することを目的とする。
本発明による風車用駆動装置は、風車の可動部分を回転駆動させるための風車用駆動装置であって、出力軸を有するモータと、前記可動部分に設けられたギヤと噛み合うピニオンと、前記モータの前記出力軸および前記ピニオンに連結され、前記モータの駆動力を減速して前記ピニオンに伝達する減速部と、前記モータの前記出力軸に連結された第1摩擦板と、前記第1摩擦板に対して当接可能に設けられ、前記第1摩擦板に当接することで前記出力軸の回転を制動する制動力を発生させる第2摩擦板と、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を検出する検出ユニットとを備え、前記検出ユニットは、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を検出するための、被検出部と当該被検出部を検出する検出部とで構成されており、前記被検出部および前記検出部のうちの一方は、前記第2摩擦板側に取り付けられており、他方は前記モータ側に取り付けられていることを特徴とする。
本発明による風車用駆動装置において、前記被検出部は、永久磁石であり、前記検出部は、磁力センサであってもよい。
本発明による風車用駆動装置において、前記第2摩擦板を移動させることにより、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を変動させる電磁石を更に備え、前記第1摩擦板および前記第2摩擦板による制動状態は、前記電磁石に対する電流の供給の有無と、前記検出部からの検出値とに基づいて検知されてもよい。
本発明による風車用駆動装置において、前記被検出部および前記検出部は、前記被検出部と前記検出部との位置関係が調整可能となるように構成されていてもよい。
本発明による風車用駆動装置ユニットは、風車の可動部分を回転駆動させるためのギヤと、前記風車用駆動装置とを備えた風車用駆動装置ユニットであって、前記風車用駆動装置は複数設けられ、前記複数の風車駆動用装置が前記ギヤと噛み合っており、当該複数の風車用駆動装置の前記モータを同期させて駆動することにより、前記可動部分を回転駆動させることを特徴とする。
本発明による風車用駆動装置ユニットにおいて、前記風車駆動用装置の少なくとも1つの制動状態が異常を示した場合、残りの風車駆動装置の前記第2摩擦板が前記第1摩擦板に当接することにより前記出力軸の回転を制動してもよい。
本発明による風車用駆動装置において、前記被検出部は永久磁石であり、前記電磁石からの磁束密度の向きと、前記永久磁石からの磁束密度の向きとが互いに反対方向を向いていてもよい。
本発明によると、摩擦板の摩耗量を容易に把握できるとともに、摩擦板の作動不良の発生を容易に検知することができる。
本発明の一実施の形態に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットが適用される風車を示す斜視図である。 図1に示す風車においてタワーに対して回転可能にナセルが設置された部分を拡大して示す断面図であって、本発明の一実施の形態に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットを示す図である。 図2に示す風車用駆動装置を正面側から見た一部切り欠き断面を含む図である。 図2に示す風車用駆動装置ユニットにおける制御部と風車用駆動装置のブレーキ機構の断面とを模式的に示す図である。 図4に示すブレーキ機構の断面の一部を拡大して示す図である。 図2に示す風車用駆動装置の検出ユニットの周囲を具体的に示す部分拡大断面図である。 変形例に係る検出ユニットの周囲を示す部分拡大断面図である。 図7のVIII方向矢視図である。 図2に示す風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットの作動を説明するためのフロー図である。 図9に示すフロー図における第2摩擦板作動確認処理を説明するためのフロー図である。 図9に示すフロー図における摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。 変形例に係る第2摩擦板作動確認処理を説明するためのフロー図である。 変形例に係る摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。 変形例に係る摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。 風車のロータに対してピッチ方向に揺動可能にブレードが設置された部分を拡大して示す断面図であって、ピッチ駆動装置として設けられた風車用駆動装置を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。本発明の実施形態に係る風車用駆動装置は、風車のタワーに対して回転可能に設置されたナセル、又はナセルに取り付けられたロータに対してピッチ方向に揺動可能に設置されたブレード、を駆動する風車用駆動装置、及びその風車用駆動装置を複数備える風車用駆動装置ユニットに関する。そして、本実施形態に係る風車用駆動装置は、風車のタワーに対してナセルを回転させるようにヨー駆動するヨー駆動装置として用いることができる。また、本実施形態に係る風車用駆動装置は、ナセル側のロータに対してブレードの軸部を回転させるようにピッチ駆動するピッチ駆動装置として用いることができる。
[風車]
図1は、本発明の一実施の形態に係る風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10が適用される風車101を示す斜視図である。図1に示すように、風車101は、タワー102、ナセル103、主軸部であるロータ104、羽根であるブレード105、等を備えている。
タワー102は、地上から鉛直上方に向かって延びるように設置される。ナセル103は、タワー102の上部に対して回転可能に設置されている。また、ナセル103は、後述する風車用駆動装置1によって駆動されることで水平面内で回転(旋回)するように設置される。また、ナセル103の内部には、動力伝達軸や発電機等が配置されている。ロータ104は、上記の動力伝達軸に連結され、ナセル103に対して回転可能に取り付けられている。そして、ブレード105は、複数枚(本実施形態では、3枚)設けられ、ロータ104に対して均等角度に放射状に延びるように取り付けられている。尚、ブレード105は、ロータ104に設置されている軸部において、その軸心を中心としてロータ104に対してピッチ方向に揺動可能に設置されている。そして、ブレード105は、後述する風車用駆動装置1と同様に構成されたピッチ駆動装置として設けられた風車用駆動装置によって回転駆動される。この回転駆動によって、ブレード105のピッチ角の変更が行われる。なお、本実施の形態において、例えばナセル103およびブレード105が風車101の可動部分を構成する。
また、図2は、風車101においてタワー102に対して回転可能にナセル103が設置された部分を拡大して示す断面図である。尚、図2では、風車用駆動装置1について断面図ではなく外形図として図示している。ナセル103は、その底部103aにおいて、タワー102の上部に対して軸受106を介して回転可能に設置されている。そして、タワー102の上部には、内周に内歯が形成されたリングギヤ107が固定されている。このリングギヤ107は、ナセル103を回転させるためのギヤである。図2では、リングギヤ107の内歯の各歯の図示が省略されている。尚、リングギヤ107の歯は、内周に設けられているものに限らず、外周に設けられているものであってもよい。
ナセル103内においては、複数の風車用駆動装置1が配置されている。各風車用駆動装置1の本体21が底部103aに対してそれぞれ固定されている。各本体21には、電動モータ22がそれぞれ固定されている。また、風車用駆動装置1は、その出力部25のピニオン25aがナセル103の底部103aに形成された孔から下方に突出してリングギヤ107に噛み合うように配置されている。尚、図2では、ピニオン25aは模式的に図示されている。また、風車用駆動装置1は、リングギヤ107の内側の周方向に沿って複数個所(例えば、4箇所)に配置されている。上記のように各風車用駆動装置1が設置されていることにより、各ピニオン25aは、タワー102に固定されたリングギヤ107に対して噛み合うように構成されている。そして、各電動モータ22は、タワー102に対して回転可能に設置されるナセル103側に対して固定されている。即ち、電動モータ22は、ナセル103に対して本体21を介して固定されている。この場合、複数の風車用駆動装置1の電動モータ22を同期させて駆動することにより、ナセル103を回転駆動させるようになっている。
[風車用駆動装置の構成]
次に、本発明の一実施の形態に係る風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10について詳しく説明する。図3は、風車用駆動装置1を正面側から見た図であって一部切り欠き断面を含む図である。図2及び図3に示す風車用駆動装置1は、上述のようにナセル103をタワー102に対して回転させるように駆動するヨー駆動装置として設けられている。この風車用駆動装置1は、本体21、電動モータ22、ブレーキ機構23、減速部24、出力部25、等を備えて構成されている。
風車用駆動装置1の本体21は、例えば、筒状の構造体として設けられている。そして、本体21の内側には、減速部24が収納されている。本体21は、上側に配置される一端側において、電動モータ22が固定されて取り付けられている。本体21の内側において、減速部24は、電動モータ22の出力軸22aに連結されている。
電動モータ22は、出力軸22a、筒状のケース22b、ケース22bの一端側を塞ぐカバー22c、ロータ22d、ステータ22e、等を備えて構成されている。ケース22bの他端側は、本体21に固定されている。カバー22cには、出力軸22aが貫通する貫通孔が設けられている。出力軸22aは、その一端側の端部が、カバー22cを貫通してブレーキ機構23内に突出し、その他端側の端部が、本体21内に突出している。出力軸22aは、軸受26aによってカバー22cに回転自在に保持され、軸受26bによって本体21に回転自在に保持されている。ロータ22dは、永久磁石を有し、出力軸22aの外周に取り付けられている。ステータ22eは、コイル部を有し、ケース22bの内周に取り付けられている。後述する制御部11からの指令に基づいて図示が省略された電源からステータ22eのコイル部に電流が供給されることで、ロータ22dとともに出力軸22aが回転駆動される。
減速部24は、電動モータ22の出力軸22aおよび出力部25に連結され、出力軸22aの回転を減速して出力部25に伝達する。減速部24は、例えば、端部キャリア24a、基部キャリア24b、本体21の内周に沿って配置された内歯24c、複数の外歯歯車24d、複数のクランク軸24e(図3では1つのみを図示)、等を備えた偏心型減速機として構成される。端部キャリア24aは、軸受27によって本体21に回転自在に保持される。基部キャリア24bは、外歯歯車24dを貫通する複数の支柱24f(図3では1つのみを図示)を介して端部キャリア24aに結合している。また、基部キャリア24bは、本体21に対して回転自在に保持されている。外歯歯車24dは、内歯24cに噛み合う外歯が外周に設けられている。クランク軸24eは、偏心部を有し、両端部において端部キャリア24a及び基部キャリア24bに回転自在に保持され、外歯歯車24dを貫通している。そして、クランク軸24eは、電動モータ22の出力軸22aの回転が伝達されて自転することで、外歯歯車24dを揺動させながら公転する。クランク軸24eの公転とともに、端部キャリア24a及び基部キャリア24bが回転し、基部キャリア24bに固定された出力部25が回転する。
尚、偏心型減速機として構成された減速部24は、例示であり、偏心型減速機以外の減速部24であってもよい。例えば、遊星歯車機構として構成された減速部24であってもよい。また、平歯車機構として構成された減速部24であってもよい。或いは、偏心型減速機、遊星歯車機構、及び平歯車機構の任意の組み合わせによって構成された減速部24であってもよい。
また、本体21は、下側に配置される他端側において、出力部25が本体21から突出するように、設けられている。出力部25は、減速部24に対して、電動モータ22の出力軸22a側と反対側において、連結されている。そして、出力部25の端部には、ピニオン25aが設けられている。このピニオン25aは、風車101に設置されたリングギヤ107と噛み合うように設けられる。
上述した風車用駆動装置1は、後述する制御部11からの指令に基づいて電動モータ22の運転が行われ、電動モータ22において回転駆動力を発生させる。そして、風車用駆動装置1は、電動モータ22にて発生させた回転駆動力を出力軸22aから減速部24に出力する。そして、出力軸22aから入力された回転駆動力は、減速部24にて減速されて出力部25に伝達され、ピニオン25aから出力される。これにより、風車用駆動装置1は、リングギヤ107に噛み合うピニオン25aを回転させ、タワー102に対してナセル103を回転駆動する。
[風車用駆動装置ユニットの構成]
図2に示す本実施形態の風車用駆動装置ユニット10は、ヨー駆動装置として設けられた風車用駆動装置1を複数備えて構成されている。例えば、風車用駆動装置ユニット10は、4つの風車用駆動装置1を備えて構成されている。風車用駆動装置ユニット10における複数の風車用駆動装置1は、1つのリングギヤ107に対応して設置されている。また、風車用駆動装置ユニット10は、複数の風車用駆動装置1の作動を制御する制御部11を更に備えて構成されている。
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、メモリ、タイマ、入出力インターフェース、等を備えたマイクロコントローラ或いはマイクロコンピュータとして構成されている。制御部11は、複数の風車用駆動装置1のそれぞれに対して信号の送受信を可能に接続されている。そして、制御部11は、各風車用駆動装置1における電動モータ22及びブレーキ機構23の作動を制御する。尚、制御部11による風車用駆動装置1の制御動作については、後述する。また、本実施形態では、制御部11は、ナセル103内に設置されている。
[ブレーキ機構]
次に、風車用駆動装置1におけるブレーキ機構23について説明する。図4は、ブレーキ機構23の断面と風車用駆動装置ユニット10の制御部11とを模式的に示す図である。図5は、図4に示すブレーキ機構23の断面の一部を拡大して示す図である。図4及び図5に示すブレーキ機構23は、制御部11からの指令に基づいて、電動モータ22の出力軸22aの回転を制動し、或いは、出力軸22aの制動を解除する機構として設けられている。出力軸22aの回転が制動されている状態では、風車用駆動装置1は、その作動が停止した状態が維持される。一方、出力軸22aの制動が解除されている状態では、風車用駆動装置1は、作動して、ナセル103を回転駆動可能となる。以下、ブレーキ機構23について、詳しく説明する。
ブレーキ機構23は、電動モータ22に対して、電動モータ22の一端側の端部に取り付けられている。即ち、ブレーキ機構23は、電動モータ22に対して、本体21とは反対側において、カバー22cに取り付けられている。そして、ブレーキ機構23は、ハウジング28、第1摩擦板29、第2摩擦板30、弾性部材31、電磁石32、検出ユニット40(被検出部33、検出部34)、第1摩擦板連結部35、等を備えて構成されている。
ハウジング28は、第1摩擦板29、第2摩擦板30、弾性部材31、電磁石32、検出ユニット40(被検出部33、検出部34)、第1摩擦板連結部35、等を収納する構造体として設けられている。そして、ハウジング28は、電動モータ22のカバー22cに対して固定されている。
第1摩擦板29は、例えば、焼結金属材料で形成されたリング状で且つ板状の部材として設けられている。第1摩擦板29の中央の貫通孔の中央部分には、電動モータ22の出力軸22aの一端側の端部が貫通した状態で配置されている。そして、第1摩擦板29は、出力軸22aに対して減速部24とは反対側で第1摩擦板連結部35を介して連結されている。
第1摩擦板連結部35は、スプライン軸35a、スライド軸35b、等を備えて構成されている。スプライン軸35aは、外周にスプライン歯が設けられ、軸方向に延びる貫通孔が内側に形成された軸部材として設けられている。スプライン軸35aは、例えば、出力軸22aの一端側の端部の外周に対して、キー部材(図示省略)によるキー結合とストッパリング35cによる係合とによって、固定されている。
スライド軸35bには、内周にスプライン溝が形成された筒状の部分と、その筒状の部分の端部から径方向に延びるとともに周方向に広がったフランジ状の部分とが設けられている。そして、スライド軸35bのスプライン溝は、スプライン軸35aのスプライン歯に対して軸方向に沿ってスライド移動可能に組み合わされている。これにより、スライド軸35bは、スプライン軸35aに対して、軸方向にスライド移動可能に取り付けられている。尚、第1摩擦板連結部35には、スライド軸35bのスプライン軸35aに対する軸方向の位置を所定の位置に位置決めするバネ機構(図示省略)が設けられている。また、スライド軸35bにおけるフランジ状の部分の外周の縁部には、第1摩擦板29の内周が固定されている。これにより、第1摩擦板29は、スライド軸35bに対して一体に結合されている。
上記の構成により、ブレーキ機構23においては、出力軸22aが回転すると、出力軸22aとともにスプライン軸35a、スライド軸35b及び第1摩擦板29が回転するように構成されている。そして、後述の電磁石32が励磁された状態では、出力軸22a及びスプライン軸35aに対して軸方向にスライド移動可能に保持されたスライド軸35b及び第1摩擦板29は、前述のバネ機構による保持力によって、スプライン軸35aの軸方向における所定位置に位置決めされている。尚、この状態では、第1摩擦板29は、後述の第2摩擦板30及びモータ側摩擦板22fに対して離間した位置に位置している。
第2摩擦板30は、第1摩擦板29に対して当接可能に設けられ、第1摩擦板29に当接することで出力軸22aの回転を制動する制動力を発生させる部材として設けられている。そして、第2摩擦板30は、当接部30a及びアーマチュア部30bを備えて構成されている。
アーマチュア部30bは、例えば、磁性材料で形成されたリング状で且つ板状の部材として設けられている。アーマチュア部30bは、電磁石32に対向する一方の端面側において、電磁石32の端部に対して、出力軸22aの軸方向と平行にスライド移動可能な状態で、保持されている。尚、アーマチュア部30bを電磁石32の端部に対して軸方向にスライド移動可能に保持する機構の図示は省略されている。そして、アーマチュア部30bの中央の貫通孔の中央部分には、出力軸22aの一端側の端部、スプライン軸35a、及びスライド軸35bの筒状の部分が貫通した状態で配置されている。
当接部30aは、例えば、焼結金属材料で形成されたリング状で且つ板状の部材として設けられている。そして、当接部30aは、アーマチュア部30bに対して固定されるとともに、第1摩擦板29に対して当接可能に設置されている。より具体的には、当接部30aは、第1摩擦板29に対向する側とは反対側の端面側において、アーマチュア部30bに固定されている。尚、本実施形態では、第1摩擦板29と当接部30aとにおいて、互いに対向し合う端面の面積がほぼ同じに設定された形態が例示されている。
また、本実施形態では、電動モータ22のカバー22cの一端側の端部における第1摩擦板29に対向する部分において、モータ側摩擦板22fが設けられた形態が例示されている。モータ側摩擦板22fは、例えば、焼結金属材料で形成されたリング状で且つ板状の部材として設けられている。そして、モータ側摩擦板22fは、カバー22cにおいて、第1摩擦板29に対して当接可能に設置されている。尚、本実施形態では、第1摩擦板29とモータ側摩擦板22fとにおいて、互いに対向し合う端面の面積がほぼ同じに設定された形態が例示されている。
弾性部材31は、第2摩擦板30を第1摩擦板29に向かって付勢可能な部材として設けられている。弾性部材31は、後述する電磁石32の電磁石本体32aに保持されており、第2摩擦板30を電磁石32側から第1摩擦板29側に向かって付勢する。本実施形態では、弾性部材31は、コイルバネとして設けられている。また、弾性部材31は、複数設けられている。各弾性部材31は、一方の端部が電磁石本体32aに支持され、他方の端部が第2摩擦板30のアーマチュア部30bを付勢している。尚、本実施形態では、複数の弾性部材31として複数のコイルバネが設けられた形態を例示しているが、この通りでなくもよい。コイルバネ以外の形態のバネ部材が弾性部材として用いられてもよい。
また、本実施形態では、弾性部材31は、前述のように、複数設けられている。そして、複数の弾性部材31は、電磁石本体32aにおいて、出力軸22aを中心とする周方向に沿って均等角度で配置されている。また、複数の弾性部材31は、電磁石本体32aにおいて、出力軸22aを中心とする周方向に沿って同心状に内周側と外周側の2つの配列で配置されている。同心状に配置された弾性部材31の配列のうち内周側に配置された弾性部材31の配列は、電磁石32のコイル部32bの内側に配置されている。一方、同心状に配置された弾性部材31の配列のうち外周側に配置された弾性部材31の配列は、電磁石32のコイル部32bの外側に配置されている。尚、上述した弾性部材31の配置形態は例示であり、上記とは異なる配置形態で弾性部材31が配置されてもよい。
電磁石32は、第2摩擦板30を移動させることにより、第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を変動させるものである。すなわち、電磁石32は、第2摩擦板30を磁力によって引き付けることにより第2摩擦板30を第1摩擦板29から離間する方向に付勢可能な電磁石として設けられている。そして、電磁石32は、電磁石本体32a、コイル部32b、等を備えて構成されている。
電磁石本体32aは、中央に貫通孔が設けられた円筒状の構造体として設けられている。電磁石本体32aの中央の貫通孔には、出力軸22aの端部が配置されている。電磁石本体32aは、第2摩擦板30に対向する側とは反対側の端部において、ハウジング28に対して固定されている。また、電磁石本体32aには、複数の弾性部材31がそれぞれ収納されて保持されるとともに第2摩擦板30に向かって開口する複数の弾性部材保持穴32cが設けられている。
コイル部32bは、電磁石本体32aの内部に設置され、電磁石本体32aの周方向に沿って配置されている。コイル部32bへの電流の供給及び遮断は、制御部11からの指令に基づいて行われる。ブレーキ機構23による出力軸22aの制動の解除が行われる際には、制御部11からの指令に基づいて、コイル部32bへ電流が供給されて電磁石32への通電が行われる。そして、電磁石32が通電されて励磁された状態になると、電磁石32において発生した磁力によって、第2摩擦板30のアーマチュア部30bがコイル部32bに引き付けられる。
上記のように、電磁石32が励磁されることで、第2摩擦板30が、複数の弾性部材31の弾性力(バネ力)に抗して付勢され、電磁石32に引き付けられる。そして、第2摩擦板30の当接部30aが第1摩擦板29から離間し、出力軸22aの制動が解除される。尚、電磁石32が励磁されて出力軸22aの制動が解除された状態では、第2摩擦板30のアーマチュア部30bは、電磁石本体32aに当接した状態となる。
一方、ブレーキ機構23による出力軸22aの制動が行われる際には、制御部11からの指令に基づいて、コイル部32bへの電流が遮断されて電磁石32が消磁される。そして、電磁石32が消磁された状態になると、複数の弾性部材31の弾性力によって、第2摩擦板30が第1摩擦板29に向かって付勢される。これにより、第2摩擦板30の当接部30aが第1摩擦板29に当接し、第2摩擦板30と第1摩擦板29との間で生じる摩擦力により、出力軸22aの回転が制動されることになる。尚、図4及び図5は、電磁石32が消磁された状態となり、出力軸22aの回転が制動された状態を例示している。
また、電磁石32が消磁されて出力軸22aが制動された状態では、第1摩擦板29は、第2摩擦板30から作用する付勢力によって、モータ側摩擦板22fにも当接している。即ち、電磁石32が消磁された状態では、第1摩擦板29は、複数の弾性部材31からの付勢力によって、第2摩擦板30とモータ側摩擦板22fとの間で挟み込まれた状態となる。これにより、第2摩擦板30及び第1摩擦板29の間で生じる摩擦力と、第1摩擦板29及びモータ側摩擦板22fの間で生じる摩擦力とによって、出力軸22aの回転が制動されることになる。
検出ユニット40は、第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を検出するものであり、第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を検出するための被検出部33および検出部34で構成されている。
このうち被検出部33は、出力軸22aの軸方向と平行な方向における第2摩擦板30の位置及び変位量を後述の検出部34によって検出するためのものである。被検出部33は、例えば被検出部取付部材42(後述)を介して第2摩擦板30側に取り付けられており、第2摩擦板30と一体となって移動するようになっている。本実施形態では、被検出部33は、永久磁石として設けられている。そして、被検出部33は、第2摩擦板30のアーマチュア部30bに固定されている。尚、本実施形態では、被検出部33が、アーマチュア部30bの外周における電磁石32側の端部に取り付けられている。このため、被検出部33の位置が検出部34によって検出されることで、第2摩擦板30における電磁石32に当接可能な部分の出力軸22aと平行な方向における位置が検出されることになる。
検出部34は、第2摩擦板30とともに変位する被検出部33の位置及び変位量を検出可能なセンサとして電動モータ22側に設けられている。即ち、検出部34は、出力軸22aの軸方向と平行な方向における被検出部33の位置及び変位量を検出することで、出力軸22aの軸方向と平行な方向における第2摩擦板30の位置及び変位量を検出可能に構成されている。
本実施形態では、検出部34は、磁気センサとして設けられている。そして、検出部34は、検出部取付部材41を介して電動モータ22のカバー22cに取り付けられており、電動モータ22と一体となっている。この検出部34は、永久磁石である被検出部33が生じる磁場(磁界)の強さ及び方向を計測する磁力センサとして設けられている。そして、検出部34は、被検出部33が生じる磁場(磁界)の強さ及び方向を計測することで、被検出部33の位置及び変位量を検出する。尚、本実施形態では、検出部34は、カバー22cに固定された検出部取付部材41に対して取り付けられており、出力軸22aの軸方向と平行な方向において、電磁石本体32aにおけるアーマチュア部30bに当接する端面に対応する位置で、固定されている。この場合、カバー22cの径方向の長さ(直径)は、アーマチュア部30bの径方向の長さ(直径)よりも長くなっている。これにより検出部取付部材41を介して、検出部34をカバー22cに対して容易に取り付けることができる。
また、検出部34は、通信ケーブル36を介して制御部11に接続されている。これにより、検出部34は、制御部11に対して検出結果を出力可能に接続されている。また、複数の風車用駆動装置1における各検出部34は、それぞれ、通信ケーブル36を介して、制御部11に対して検出結果を出力可能に接続されている。即ち、各風車用駆動装置1の検出部34において第2摩擦板30の位置及び変位量がそれぞれ検出されると、その各検出部34における検出結果が、制御部11にそれぞれ送信され、制御部11にて受信される。尚、各検出部34は、各通信ケーブル36を介して、制御部11からの指令信号を受信可能にも構成されている。
制御部11は、各風車用駆動装置1の検出部34での検出結果に基づいて、第2摩擦板30の作動確認を行うとともに、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量を検知するように構成されている。このため、各風車用駆動装置1は、検出部34での検出結果に基づいて、第2摩擦板30の作動が検知されて第2摩擦板30の作動確認が行われることが可能となっているとともに、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量が検知されることが可能となっている。
尚、本実施形態では、制御部11は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第2摩擦板30の作動確認を行うように構成されている。このため、風車用駆動装置1は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第2摩擦板30の作動確認が行われることが可能となっている。
また、本実施形態では、制御部11は、電磁石32が消磁されている状態のときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量を検知するように構成されている。このため、風車用駆動装置1は、電磁石32が消磁されている状態のときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量が検知されることが可能となっている。
[検出ユニット周囲の構成]
次に、図6を参照して、検出ユニット40(被検出部33および検出部34)を取り付けるための具体的な構成について説明する。図6は、検出ユニット40の周囲を示す部分拡大断面図である。
上述したように、被検出部33は、第2摩擦板30側に取り付けられており、第2摩擦板30と一体となって移動するようになっている。具体的には、被検出部33は、被検出部取付部材42によって第2摩擦板30のアーマチュア部30bに取り付けられている。被検出部取付部材42は、被検出部33を軸方向および周方向に支持する第1支持部材43と、被検出部33を径方向に支持する第2支持部材44とを含んでいる。
第1支持部材43は、断面略L字形状を持ち、その水平面(電磁石32側の面)43aがアーマチュア部30bの下面(電動モータ22側の面)30cに取り付けられている。第2支持部材44は、断面略L字形状であり、第1支持部材43の外側(アーマチュア部30bの反対側)に配置されている。また、第1支持部材43と第2支持部材44とは、ねじ又はボルト等の締結部材45によって互いに連結されている。
本実施の形態において、第1支持部材43の水平面43aとアーマチュア部30bの下面30cとが例えば接着剤等の接着手段によって接着されており、これにより、被検出部33が第2摩擦板30に取り付けられている。この場合、被検出部33を第2摩擦板30に取り付けるために、第2摩擦板30に対してボルト穴等を追加工する必要が生じない。このため、被検出部33を既存の第2摩擦板30に対して容易に取り付けることができる。
検出部34は、上述したように、検出部取付部材41を介して電動モータ22のカバー22cに取り付けられており、電動モータ22と一体となっている。検出部取付部材41は、カバー22cに取り付けられた台座部46と、台座部46上で位置調整可能に設けられた検出部載置部47とを有している。
このうち台座部46は、断面略クランク形状を有しており、その内面(出力軸22a側の面)46aが、カバー22cの上部側面(ハウジング28側の面)22gに取り付けられている。
本実施の形態において、台座部46の内面46aとカバー22cの上部側面22gとが例えば接着剤等の接着手段によって接着されており、これにより検出部34が電動モータ22に取り付けられている。この場合、検出部34を電動モータ22に取り付けるために、電動モータ22に対してボルト穴等を追加工する必要が生じない。このため、検出部34を既存の電動モータ22に対して容易に取り付けることができる。
検出部載置部47は、略ブロック形状であり、台座部46上に移動可能に配置されている。また検出部載置部47上には、検出部34が取り付けられている。具体的には、検出部34から延びる通信ケーブル36が、例えば熱収縮チューブ等の筒状部材48に挿着され、この筒状部材48を検出部載置部47の上面に接着することにより、検出部34が検出部載置部47に取り付けられている。
台座部46と検出部載置部47とは、径方向(図6の左右方向)に延びる棒状の調整部品49によって互いに連結されている。この調整部品49は、台座部46に形成された貫通孔46b内に挿入されている。調整部品49の外周には、ねじ部49aが形成されており、このねじ部49aのうち台座部46の外側(ハウジング28側)に位置する部分には、調整用ナット50が螺合している。また、調整部品49のうち内側(第2摩擦板30)の部分には、例えばC型止め輪およびワッシャーからなる止め具51が取り付けられ、この止め具51と調整用ナット50とによって、検出部載置部47が挟持されている。台座部46のうち径方向(図6の左右方向)に延びる水平部分には、径方向に沿って長穴46cが形成されている。この長穴46cには、ボルト等の締結部材52が挿入されている。締結部材52の先端部は、検出部載置部47に螺着されている。
台座部46に対して検出部載置部47の位置を微調整する場合、まず締結部材52を緩める。この状態で、調整用ナット50を調整部品49の周りで締め付けていくことにより、検出部載置部47および検出部34を径方向に沿って外側(ハウジング28側)に向けて移動する。被検出部33に対する検出部34の位置が適当な場所にきたとき、締結部材52を締め込む。これにより、検出部載置部47が台座部46に対して固定され、検出部34の位置決めが完了する。このように、被検出部33および検出部34は、互いの位置関係が調整可能となるように構成されている。このため、例えばメンテナンス時に被検出部33および検出部34の位置関係、とりわけ被検出部33と検出部34との間隔を容易に調整することができる。
[検出ユニット周囲の構成の変形例]
次に、図7および図8を参照して、検出ユニット40(被検出部33および検出部34)を取り付けるための他の具体的な構成について説明する。図7は、検出ユニット40の周囲を示す部分拡大断面図(図6に対応する図)であり、図8は、図7のVIII方向矢視図である。
図7において、被検出部33は、被検出部取付部材55によって第2摩擦板30のアーマチュア部30bに取り付けられている。被検出部取付部材55は、被検出部33を軸方向、周方向および径方向に支持している。被検出部取付部材55は、取付面(電磁石32側の面)55aを有しており、この取付面55aがアーマチュア部30bの下面(電動モータ22側の面)30cに取り付けられている。被検出部取付部材55には、被検出部33を収容する収容凹部55bが形成されている。被検出部33が収容凹部55bに収容されることにより、被検出部33の軸方向、周方向および径方向への移動が規制される。被検出部33は、収容凹部55b内に例えば接着剤等により取り付けられていても良い。
本実施の形態において、被検出部取付部材55の取付面55aとアーマチュア部30bの下面30cとが例えば接着剤等の接着手段によって接着されており、これにより、被検出部33が第2摩擦板30に取り付けられている。この場合、被検出部33を第2摩擦板30に取り付けるために、第2摩擦板30に対してボルト穴等を追加工する必要が生じない。このため、被検出部33を既存の第2摩擦板30に対して容易に取り付けることができる。さらに、被検出部取付部材55が1つの部材から構成されているので、被検出部33を第2摩擦板30に取り付けるための構造が簡単であり、部品の数を減らすことができる。
検出部34は、検出部取付部材56を介して電動モータ22のカバー22cに取り付けられている。検出部取付部材56は、カバー22cに取り付けられた台座部57と、台座部57上で位置調整可能に設けられた検出部載置部58とを有している。
このうち台座部57は、径方向内側を向くとともに直角に切り欠かれた切欠部57aを有しており、この切欠部57aが、カバー22cの上部側面(ハウジング28側の面)22gおよび上面周縁部22hに取り付けられている。
本実施の形態において、台座部57の切欠部57aと、カバー22cの上部側面22gおよび上面周縁部22hとが例えば接着剤等の接着手段によって接着されており、これにより検出部34が電動モータ22に取り付けられている。この場合、検出部34を電動モータ22に取り付けるために、電動モータ22に対してボルト穴等を追加工する必要が生じない。このため、検出部34を既存の電動モータ22に対して容易に取り付けることができる。さらに、検出部34を電動モータ22に取り付けるための構造が簡単であり、部品の数を減らすことができる。
検出部載置部58は、略ブロック形状であり、台座部57上に配置されている。また検出部載置部58上には、検出部34が取り付けられている。具体的には、検出部34から延びる通信ケーブル36が、例えば熱収縮チューブ等の筒状部材48に挿着され、この筒状部材48を検出部載置部58の上面に接着することにより、検出部34が検出部載置部58に取り付けられている。
図8に示すように、台座部57上には、径方向にそれぞれ延びる一対のガイド凸部59が設けられている。このガイド凸部59は、台座部57と一体に構成されていても良く、または、台座部57と別体に構成された後、台座部57に固定されても良い。検出部載置部58は、一対のガイド凸部59の間で径方向に移動可能となっている。また、台座部57と検出部載置部58とは、軸方向に平行に延びるボルト等の締結部材60によって互いに連結されている。この締結部材60は、検出部載置部58に形成された貫通長穴61内に挿入されている。この場合、貫通長穴61は、径方向に沿って2本形成されているが、貫通長穴61の数は1本又は3本以上としても良い。
台座部57に対して検出部載置部58の位置を微調整する場合、締結部材60を緩めた状態で、検出部載置部58を一対のガイド凸部59の間で移動することにより、検出部34を径方向に沿って移動して位置調整を行う。被検出部33に対する検出部34の位置が適当な場所にきたとき、締結部材60を締め込む。これにより、検出部載置部58が台座部57に対して固定され、検出部34の位置決めが完了する。このように、被検出部33および検出部34は、互いの位置関係が調整可能となるように構成されている。このため、例えばメンテナンス時に被検出部33および検出部34の位置関係、とりわけ被検出部33と検出部34との間隔を容易に調整することができる。
[第2摩擦板作動確認処理、摩耗量検知処理]
次に、風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10の作動について説明する。風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10は、制御部11による制御に基づいて、作動する。制御部11は、図4に示すように、風車101の作動を制御する上位の制御装置37に対して通信ケーブル38を介して接続されている。そして、制御部11は、制御装置37からの指令に基づいて、複数の風車用駆動装置1の作動を制御する。
より具体的には、制御部11からの指令に基づいて、各風車用駆動装置1の電動モータ22の運転が行われてナセル103を回転駆動するように、各風車用駆動装置1が作動する。また、制御部11からの指令に基づいて、各電動モータ22の運転が停止され、各ブレーキ機構23による各出力軸22aの制動動作が行われる。また、制御部11からの指令に基づいて、各ブレーキ機構23による各出力軸22aの制動が解除される。また、制御部11において、各検出部34での検出結果に基づいて、第1摩擦板29および第2摩擦板30による制動状態が検知される。具体的には、制御部11において、各検出部34での検出結果に基づいて、第2摩擦板作動確認処理及び摩耗量検知処理が行われる。尚、以下の説明では、とくに、風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10の作動における第2摩擦板作動確認処理及び摩耗量検知処理について詳しく説明する。
図9は、第2摩擦板作動確認処理及び摩耗量検知処理を含む風車用駆動装置1及び風車用駆動装置ユニット10の作動を説明するためのフロー図である。図10は、図9に示すフロー図における第2摩擦板作動確認処理を説明するためのフロー図である。図11は、図9に示すフロー図における摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。
制御部11においては、各風車用駆動装置1に対して、図9に示す処理が繰り返し行われる。例えば、制御部11においては、複数の風車用駆動装置1のそれぞれに対して、順番に、図9に示す処理が行われる。そして、全ての風車用駆動装置1に対する図9に示す処理が一旦終了すると、再び、複数の風車用駆動装置1のそれぞれに対して、順番に、図9に示す処理が行われる。更に、全ての風車用駆動装置1に対する図9に示す処理が終了するごとに、複数の風車用駆動装置1のそれぞれに対する図9に示す処理が繰り返される。
図9に示す処理が行われる際、制御部11においては、まず、第2摩擦板作動確認処理(ステップS101)が行われる。第2摩擦板作動確認処理としては、具体的には、図10に示す処理が行われる。図10に示す第2摩擦板作動確認処理においては、まず、電磁石32が消磁されている状態であるか否かが判断される(ステップS201)。電磁石32が励磁されている状態であれば(ステップS201、No)、図10に示す第2摩擦板作動確認処理は一旦終了する。尚、前述のように、電磁石32の励磁動作及び消磁動作は、制御部11からの指令に基づいて電磁石32に対する電流の供給の有無を切り換えることにより行われる。そして、制御部11は、電磁石32に対して出力している指令の状態に基づいて、ステップS201の処理を行う。
電磁石32が消磁されている場合(ステップS201、Yes)、ステップS201の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたか否かが判断される(ステップS202)。ステップS202の処理における上記の所定の時間は、予め定められた時間として適宜設定されている。尚、ステップS201の処理が行われてから所定の時間の間に制御部11が電磁石32に対して励磁動作の指令を出力すれば、その所定の時間の間に励磁動作が行われたと判断される。また、制御部11においては、ステップS201の処理が行われてから限られた所定の時間の間に励磁動作が行われたか否かが判断される。このため、制御部11は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行する動作が発生したか否かを把握することができる。
ステップS201の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われなかったと判断されると(ステップS202、No)、図10に示す第2摩擦板作動確認処理は一旦終了する。一方、ステップS201の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたと判断されると(ステップS202、Yes)、次いで、検出部34による第2摩擦板30の位置の検出結果が制御部11にて受信され、第2摩擦板30の位置が制御部11において検出される(ステップS203)。
検出部34で検出された第2摩擦板30の位置が、制御部11において検出されると(ステップS203)、制御部11において、ステップS204の処理が行われる。ステップS204では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第2摩擦板30の位置に変化がない無変位状態が発生していないか否かを検知する。更に、ステップS204では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第2摩擦板30が電磁石32による磁力によって所定の位置まで引き付けられていない変位不足状態が発生していないか否かを検知する。ここで、上記の所定の位置は、例えば、電磁石本体32aにおける第2摩擦板30に対向する端面から予め定められた距離だけ離れた位置として適宜設定されている。
制動力を発生させる第1摩擦板29と第2摩擦板30との間で固着状態が発生していると、上記の無変位状態の発生が検知されることになる。そして、第2摩擦板30が第1摩擦板29から離間しているものの、第2摩擦板30と他の部材との間での引っ掛かり等が生じて第2摩擦板30が適正な位置まで変位しない状態が発生していると、上記の変位不足状態が検知されることになる。このように、制御部11は、図10に示す処理を行うことで、第2摩擦板30の作動確認を行い、第2摩擦板30の作動不良を検知する。即ち、制御部11は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第2摩擦板30の作動確認を行い、第2摩擦板30の作動不良を検知する。
ステップS204の処理が終了すると、図9に示すステップS102以降の処理が行われる。ステップS102においては、第2摩擦板作動確認処理(ステップS101)での処理結果に基づいて、無変位状態又は変位不足状態の有無が判断される。無変位状態又は変位不足状態が発生していると判断された場合(ステップS102、Yes)は、制御部11から、全ての風車用駆動装置1に対して、電動モータ22の運転を停止させる指令が出力されるとともに、電磁石32を消磁させる指令が出力される(ステップS103)。これにより、いずれかの風車用駆動装置1において第2摩擦板30の作動不良が発生した場合には、全ての風車用駆動装置1の電動モータ22の運転が停止されるとともに、全ての風車用駆動装置1の出力軸22aの回転が制動されることになる。一方、ステップS102において、無変位状態又は変位不足状態が発生していないと判断された場合(ステップS102、No)は、ステップS103の処理は行われず、摩耗量検知処理(ステップS104)が行われる。
上記のように、制御部11は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の無変位状態又は変位不足状態が発生していることが、複数の風車用駆動装置1におけるいずれかにおいて検知されたときには、風車用駆動装置1の制動状態が異常を示したと判断し、複数の風車用駆動装置1の全てにおける電動モータ22の運転を停止させる。更に、制御部11は、複数の風車用駆動装置1の全てにおける電動モータ22の運転を停止させるときに、複数の風車用駆動装置1の全てにおける電磁石32を消磁させる。これにより、風車用駆動装置ユニット10においては、いずれかの風車用駆動装置1において第2摩擦板30の作動不良が発生した場合に、第2摩擦板30の作動不良が発生していない風車用駆動装置1からの外力が作動不良が発生した風車用駆動装置1に作用することが防止されることになる。
ステップS102及びステップS103の処理が終了すると、次いで、摩耗量検知処理(ステップS104)が行われる。摩耗量検知処理としては、具体的には、図11に示す処理が行われる。図11に示す摩耗量検知処理においては、まず、電磁石32が消磁されている状態であるか否かが判断される(ステップS301)。電磁石32が励磁されている状態であれば(ステップS301、No)、図11に示す摩耗量検知処理は一旦終了する。
電磁石32が消磁されている場合(ステップS301、Yes)、検出部34による第2摩擦板30の位置の検出結果が制御部11にて受信され、第2摩擦板30の位置が制御部11において検出される(ステップS302)。検出部34で検出された第2摩擦板30の位置が、制御部11において検出されると(ステップS203)、制御部11において、ステップS303の処理が行われる。ステップS303では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量を検知する。
尚、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかにおいて摩耗が発生すると、その摩耗量に応じて、電磁石32が消磁されている状態における第2摩擦板30の位置が変化することになる。即ち、摩耗が進展すると、電磁石32が消磁されている状態における第2摩擦板30の位置が、第2摩擦板30が最初に設置された際の電磁石32の消磁時の位置に対して、電磁石32から離間する方向に変化することになる。そして、制御部11は、第2摩擦板30の位置の検出結果に基づいて、最初に設置された際における電磁石32の消磁時の第2摩擦板30の位置からの検出時の第2摩擦板30の位置の変化量として、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量を算出して検知する。
ステップS303の処理が終了すると、図9に示すステップS105以降の処理が行われる。ステップS105においては、摩耗量検知処理(ステップS104)での処理結果に基づいて、算出された摩耗量が所定の値以上であるか否かが判断される。ここで、摩耗量についての上記の所定の値は、例えば、必要とされる制動力をブレーキ機構23が発生させることが可能な第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗許容範囲等を考慮して予め定められた値として適宜設定されている。
摩耗量検知処理(ステップS104)で検知された摩耗量が、所定の値以上であれば(ステップS105、Yes)、制御部11から、上位の制御装置37に対して、要交換指令が送信される(ステップS106)。ここで、要交換指令は、摩耗量が所定の値以上となった風車用駆動装置1における第1摩擦板29及び第2摩擦板30の交換が必要なことを報知する指令として、制御部11において生成される。一方、ステップS105において、摩耗量が所定の値未満であった場合、及び、電磁石32が消磁されていないために摩耗量の検知が行われなかった場合は、ステップS106の処理は行われず、図9に示す処理が一旦終了する。
上記のように、制御部11は、複数の風車用駆動装置1におけるいずれかにおいて、摩耗量検知処理で検知された摩耗量が所定の値以上になったときに、上位の制御装置37に対して、摩耗量が所定の値以上となった風車用駆動装置1における第1摩擦板29及び第2摩擦板30の交換が必要なことを報知する要交換指令を送信する。制御装置37は、要交換指令を受信すると、例えば、風車の運転を管理する管理者が確認可能なモニターに対して要交換指令に基づくアラームを表示する。これにより、管理者は、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の交換が必要な風車用駆動装置1が発生したことを速やかに把握することができる。
図9に示す処理が一旦終了すると、次の風車用駆動装置1に対して、図9に示す処理が行われる。そして、順番に、全ての風車用駆動装置1に対して、図9に示す処理が行われる。更に、全ての風車用駆動装置1に対する図9に示す処理が終了するごとに、複数の風車用駆動装置1のそれぞれに対する図9に示す処理が同様に繰り返される。
[本実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態によると、電磁石32が励磁された状態では、第2摩擦板30が、弾性部材31の弾性力に抗して作用する電磁石32の磁力によって電磁石32に引き付けられ、第1摩擦板29から離間している。これにより、制動力が発生しない状態が維持される。一方、電磁石32が消磁されると、弾性部材31の弾性力によって、第2摩擦板30が第1摩擦板29に押し付けられ、制動力が生じる。また、電磁石32が励磁されることで、制動力が解除されることになる。
更に、本実施形態によると、風車用駆動装置1において、検出ユニット40は、第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を検出するための、被検出部33と検出部34とで構成されており、被検出部33は、第2摩擦板30側に取り付けられており、検出部34は、電動モータ22側に取り付けられている。そして、検出部34での検出結果に基づいて、第2摩擦板30の作動が検知されて第2摩擦板30の作動確認が行われる。これにより、第2摩擦板30の作動不良の発生を容易に検知することができる。また、検出部34での検出結果に基づいて、第1摩擦板29及び前記第2摩擦板30の摩耗量が検知され、その摩耗量を容易に把握することができる。さらに、検出部34での検出結果に基づいて、第1摩擦板29及び前記第2摩擦板30の距離を容易に把握することができる。よって、本実施形態によると、第2摩擦板30側に被検出部33を設け、この被検出部33の位置及び変位量を検出する検出部34を電動モータ22側に設けるという簡素な構成によって、第2摩擦板30の作動の作動確認と第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量を検知することができる。
従って、本実施形態によると、第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量を容易に把握できるとともに、第2摩擦板30の作動不良の発生を容易に検知することができる風車用駆動装置1、及び風車用駆動装置ユニット10を提供することができる。
また、本実施形態によると、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに第2摩擦板30の作動不良の発生を容易に検知でき、電磁石32が消磁されている状態のときに第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量を容易に把握することができる。
また、本実施形態によると、複数の風車用駆動装置1において、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の無変位状態或いは変位不足状態が発生していないか否かが把握される。そして、無変位状態或いは変位不足状態がいずれかの風車用駆動装置1において検知されたときには、全ての風車用駆動装置1の電動モータ22の運転が停止された状態となる。即ち、無変位状態或いは変位不足状態が発生した風車用駆動装置1だけでなく、他の全ての風車用駆動装置1においても電動モータ22の運転が停止された状態となる。このため、いずれかの風車用駆動装置1において第2摩擦板30の作動不良が発生した場合に、第2摩擦板30の作動不良が発生した風車用駆動装置1の出力部25に対して他の風車用駆動装置1からの外力が集中的に作用してしまうことを防止することができる。これにより、その風車用駆動装置1或いは風車101のリングギヤ107等の破損が生じてしまうことを防止できる。
また、本実施形態によると、風車用駆動装置1の少なくとも1つの制動状態が異常を示した場合、電動モータ22の運転が停止されるとともに、残りの風車用駆動装置1の第2摩擦板30が第1摩擦板29に当接することにより出力軸22aの回転を制動する。具体的には、複数の風車用駆動装置1において、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の無変位状態或いは変位不足状態がいずれかの風車用駆動装置1において検知されたときには、全ての風車用駆動装置1において、電動モータ22の運転が停止されるとともに、電磁石32が消磁された状態となる。即ち、無変位状態或いは変位不足状態が発生した風車用駆動装置1だけでなく、他の全ての風車用駆動装置1においても制動力が発生した状態となる。このため、いずれかの風車用駆動装置1において第2摩擦板30の作動不良が発生した場合に、第2摩擦板30の作動不良が発生した風車用駆動装置1の出力部25に対して、風によって生じる外力等が集中的に作用してしまうことを防止することができる。これにより、その風車用駆動装置1或いは風車101のリングギヤ107等の破損が生じてしまうことを更に確実に防止できる。
また、本実施形態によると、複数の風車用駆動装置1におけるいずれかにおいて第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量が所定の値以上になったときに、上位の制御装置37に対して、第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量が所定の値以上となった風車用駆動装置1における第1及び第2摩擦板(29、30)の交換が必要なことを報知する要交換指令が送信される。このため、上位の制御装置37は、制御部11から送信された要交換指令に基づいて、第1及び第2摩擦板(29、30)の交換が必要な風車用駆動装置1を速やかに把握することができる。
また、本実施形態によると、被検出部33は永久磁石であり、検出部34は磁力センサである。磁力センサは、閾値に対する磁力の変化を定量的に捉えることができるので、磁力センサである検出部34を用いて、第1摩擦板29および第2摩擦板30による制動状態をより正確に検知することができる。
また、本実施形態によると、第1及び第2摩擦板(29、30)による制動状態は、電磁石32に対する電流の供給の有無(電流の印加状態)と、検出部34からの検出値とに基づいて判断される。すなわち、制御部11は、電磁石32が励磁又は消磁のいずれの状態であるかという情報と、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置とに基づいて、第2摩擦板30の制動状態を確認する。この場合、単に第1摩擦板29と第2摩擦板30との間の距離を検出するだけでなく、例えば、電流を印加し、電磁石32が励磁されたにも関わらず第1摩擦板29と第2摩擦板30と離間しておらず制動力が失われていないといった不具合も検知することができる。あるいは、電磁石32が消磁されたにも関わらず第1摩擦板29と第2摩擦板30とが離間したままであり、制動力が生じていない不具合も検知することができる。
また、本実施形態によると、被検出部33および検出部34は、被検出部33と検出部34との位置関係(距離)が調整可能となるように構成されている。これにより、被検出部33と検出部34との位置(距離)を簡単に調整することができる。
[変形例]
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施することができる。
(1)前述の実施形態では、被検出部として永久磁石が用いられ、検出部として磁気センサが用いられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。即ち、永久磁石以外の形態の被検出部であって第2摩擦板に固定された被検出部と、磁気センサ以外の形態の検出部であって第2摩擦板とともに変位する被検出部の位置及び変位量を検出可能な検出部と、を備えた検出ユニットが用いられてもよい。例えば、検出部としては光学センサ等の変位センサを用いても良い。あるいは、コイル及びコイルを収納するケースを有する検出部と、被検出部としてのプローブとを備えた検出ユニットを用いることもできる。
後者の場合、検出部は、ブレーキ機構のハウジングに取り付けられ、検出部に対して相対変位するプローブは、第2摩擦板に固定され、第2摩擦板とともに変位する。検出部の内部には、1次側及び2次側のコイルが設けられている。プローブには、検出部のコイルの内側で相対変位する可動鉄心が設けられている。上記の構成により、検出部は、第2摩擦板とともに変位する被検出部の位置及び変位量を検出可能に構成されている。尚、上記の検出部においては、1次側のコイルが励磁された状態でプローブの可動鉄心の位置及び変位に応じて2次側のコイルで発生した誘起電圧に基づく信号が生成される。また、検出部は、複数の風車用駆動装置の作動を制御する制御部に接続されている。そして、上記の信号が、被検出部の位置及び変位量の検出結果として、制御部に出力される。上記のような構成を備えた被検出部及び検出部が設けられた風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットが実施された場合においても、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(2)前述の実施形態では、被検出部33が第2摩擦板30側に取り付けられており、検出部34が電動モータ22側に取り付けられている場合を例にとって説明した。しかしながら、これに限らず、検出部34を第2摩擦板30側に取り付け、被検出部33を電動モータ22側に取り付けても良い。この場合、被検出部33と検出部34との距離を変動させる機構を電動モータ22側に設け、被検出部33を検出部34に対して移動させることにより、被検出部33と検出部34との位置関係を調整しても良い。
(3)前述の実施形態では、磁力センサである検出部34が、永久磁石である被検出部33の磁場(磁界)の強さ及び方向を計測することにより、第2摩擦板30の位置及び変位量を検出するようになっている。しかしながら、これに限らず、検出部34は、被検出部33の磁場(磁界)の強さ及び方向に加え、電磁石32の磁場(磁界)の強さ及び方向を計測するようになっていてもよい。この場合、例えば、電磁石32に対する電流の印加状態と電磁石32の磁界の強さとを組み合わせることにより、第1及び第2摩擦板(29、30)による制動状態に加え、電磁石32の励磁状態をあわせて検知することができる。
検出部34が電磁石32の磁場(磁界)の強さ及び方向を計測する場合、電磁石32からの磁束密度の向きと、永久磁石である被検出部33からの磁束密度の向きとが互いに反対方向を向いていることが好ましい。例えば、電磁石32からの磁束密度の向きが略下方(または略上方)を向き、被検出部33からの磁束密度の向きが略上方(または略下方)を向くようにしても良い。
この場合、電磁石32が励磁され、第1摩擦板29と第2摩擦板30とが離間して制動が解除された状態(ブレーキ解放状態)と、電磁石32が励磁されたにも関わらず、第1摩擦板29と第2摩擦板30とが接触してしまい制動力が失われていない状態(固着状態)との違いをより明確に検知することができる。すなわち、磁気センサである検出部34に対して、電磁石32からの磁束密度の向きと、被検出部33からの磁束密度の向きとが、それぞれ違う方向から入力されることにより、電磁石32が励磁されず第1摩擦板29と第2摩擦板30とが接触して制動力が生じている状態(ブレーキ作動状態)を基準とした場合の、上述したブレーキ解放状態での検出部34による検出値と、上述した固着状態での検出部34による検出値との差がより大きくなるので、これらの状態をより判別しやすくすることができる。
(4)前述の実施形態では、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第2摩擦板30の作動確認が行われる風車用駆動装置1を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の変位量が検出部34によって検出されることで、第2摩擦板30の作動確認が行われる風車用駆動装置、及びその風車用駆動装置が複数備えられた風車用駆動装置ユニットであってもよい。図12は、変形例に係る第2摩擦板作動確認処理を説明するためのフロー図である。図12に示す処理は、上記の変形例に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットに対して適用される。
図12に示す第2摩擦板作動確認処理は、例えば、前述の実施形態の図9に示す処理における第2摩擦板作動確認処理(ステップS101)のかわりに行われる。即ち、本変形例においては、被検出部33、検出部34、及び制御部11は、図10に示す処理ではなく図12に示す処理を実行する。尚、図12の処理に関する以下の説明においては、前述の実施形態と同様に行われる処理及び前述の実施形態と同様の構成については、前述の実施形態と同一の符号を引用することで、適宜説明を省略する。
図12に示す第2摩擦板作動確認処理においては、まず、電磁石32が消磁されている状態であるか否かが判断される(ステップS401)。ステップS401の処理は、図10に示すステップS201と同様に行われる。電磁石32が消磁されている場合(ステップS401、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の位置を検出する(ステップS402)。また、この検出結果については、検出タイミングと同期したタイミングで、制御部11にて受信されてもよい。ステップS402が終了すると、ステップS401の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたか否かが判断される(ステップS403)。ステップS403の処理は、図10に示すステップS202と同様に行われる。
ステップS401の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたと判断されると(ステップS403、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の変位量を検出する(ステップS404)。このときに検出される第2摩擦板30の変位量は、ステップS402において検出された第2摩擦板30の位置からの変位量として検出される。そして、検出部34によって検出された第2摩擦板30の変位量についての検出結果が制御部11にて受信される。
第2摩擦板30の変位量が検出されると、次いで、ステップS405の処理が行われる。ステップS405では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の変位量に基づいて、第2摩擦板30の位置に変化がない無変位状態が発生していないか否かを検知する。更に、ステップS405では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の変位量に基づいて、第2摩擦板30が電磁石32による磁力によって所定の位置まで引き付けられていない変位不足状態が発生していないか否かを検知する。
制動力を発生させる第1摩擦板29と第2摩擦板30との間で固着状態が発生していると、上記の無変位状態の発生が検知されることになる。そして、第2摩擦板30が第1摩擦板29から離間しているものの、第2摩擦板30と他の部材との間での引っ掛かり等が生じて第2摩擦板30が適正な位置まで変位しない状態が発生していると、上記の変位不足状態が検知されることになる。このように、制御部11は、図12に示す処理を行うことで、第2摩擦板30の作動確認を行い、第2摩擦板30の作動不良を検知する。即ち、制御部11は、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の変位量に基づいて、第2摩擦板30の作動確認を行い、第2摩擦板30の作動不良を検知する。
上記の変形例によっても、前述の実施形態と同様に、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに第2摩擦板30の作動不良の発生を容易に検知することができる。
(5)前述の実施形態では、電磁石32が消磁されている状態のときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量が検知される風車用駆動装置1を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の変位量が検出部34によって検出されることで、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量が検知される風車用駆動装置、及びその風車用駆動装置が複数備えられた風車用駆動装置ユニットが実施されてもよい。図13は、変形例に係る摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。図13に示す処理は、上記の変形例に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットに対して適用される。
図13に示す摩耗量検知処理は、例えば、前述の実施形態の図9に示す処理における摩耗量検知処理(ステップS104)のかわりに行われる。即ち、本変形例においては、被検出部33、検出部34、及び制御部11は、図11に示す処理ではなく図13に示す処理を実行する。尚、図13の処理に関する以下の説明においては、前述の実施形態或いは前述の変形例と同様に行われる処理、及び前述の実施形態と同様の構成については、前述の実施形態或いは前述の変形例と同一の符号を引用することで、適宜説明を省略する。
図13に示す摩耗量検知処理においては、まず、電磁石32が消磁されている状態であるか否かが判断される(ステップS501)。ステップS501の処理は、図11に示すステップS301と同様に行われる。電磁石32が消磁されている場合(ステップS501、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の位置を検出する(ステップS502)。また、この検出結果については、検出タイミングと同期したタイミングで、制御部11にて受信されてもよい。ステップS502が終了すると、ステップS501の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたか否かが判断される(ステップS503)。ステップS503の処理は、図10に示すステップS202或いは図12に示すステップS403と同様に行われる。
ステップS501の処理が行われてから所定の時間の間に励磁動作が行われたと判断されると(ステップS503、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の変位量を検出する(ステップS504)。このときに検出される第2摩擦板30の変位量は、ステップS502において検出された第2摩擦板30の位置からの変位量として検出される。そして、検出部34によって検出された第2摩擦板30の変位量についての検出結果が制御部11にて受信される。
第2摩擦板30の変位量が検出されると、次いで、ステップS505の処理が行われる。ステップS505では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の変位量に基づいて、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量を検知する。
尚、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかにおいて摩耗が発生すると、その摩耗量に応じて、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行するときにおける第2摩擦板30の変位量が変化することになる。即ち、摩耗が進展すると、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行するときにおける第2摩擦板30の変位量が、第2摩擦板30が最初に設置された際における同じ動作の変位量に対して、大きくなるように変化することになる。そして、制御部11は、第2摩擦板30についての上記の変位量の検出結果に基づいて、最初に設置された際の励磁動作時の変位量からの増量分を、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量として算出して検知する。
上記の変形例によると、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量を容易に把握することができる。尚、上記の変形例に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットにおいては、前述の実施形態と同様の第2摩擦板作動確認処理が行われるため、前述の実施形態と同様に、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに第2摩擦板30の作動不良の発生を容易に検知できる。
(6)上記の変形例以外の変形例として、電磁石32が励磁された状態から消磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の変位量が検出部34によって検出されることで、第1摩擦板29及び第2摩擦板の少なくともいずれかの摩耗量が検知される風車用駆動装置、及びその風車用駆動装置が複数備えられた風車用駆動装置ユニットが実施されてもよい。図14は、変形例に係る摩耗量検知処理を説明するためのフロー図である。図14に示す処理は、上記の変形例に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置ユニットに対して適用される。
図14に示す摩耗量検知処理は、例えば、前述の実施形態の図9に示す処理における摩耗量検知処理(ステップS104)のかわりに行われる。即ち、本変形例においては、被検出部33、検出部34、及び制御部11は、図11に示す処理ではなく図14に示す処理を実行する。尚、図14の処理に関する以下の説明においては、前述の実施形態或いは前述の変形例と同様に行われる処理、及び前述の実施形態と同様の構成については、前述の実施形態或いは前述の変形例と同一の符号を引用することで、適宜説明を省略する。
図14に示す摩耗量検知処理においては、まず、電磁石32が励磁されている状態であるか否かが判断される(ステップS601)。電磁石32が消磁されている状態であれば(ステップS601、No)、図11に示す摩耗量検知処理は一旦終了する。電磁石32が励磁されている場合(ステップS601、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の位置を検出する(ステップS602)。また、この検出結果については、検出タイミングと同期したタイミングで、制御部11にて受信されてもよい。ステップS602が終了すると、ステップS601の処理が行われてから所定の時間の間に消磁動作が行われたか否かが判断される(ステップS603)。尚、ステップS601の処理が行われてから所定の時間の間に制御部11が電磁石32に対して消磁動作の指令を出力すれば、その所定の時間の間に消磁動作が行われたと判断される。
ステップS601の処理が行われてから所定の時間の間に消磁動作が行われたと判断されると(ステップS603、Yes)、検出部34は、制御部11からの指令に基づいて、第2摩擦板30の変位量を検出する(ステップS604)。このときに検出される第2摩擦板30の変位量は、ステップS602において検出された第2摩擦板30の位置からの変位量として検出される。そして、検出部34によって検出された第2摩擦板30の変位量についての検出結果が制御部11にて受信される。
第2摩擦板30の変位量が検出されると、次いで、ステップS605の処理が行われる。ステップS605では、制御部11は、検出された第2摩擦板30の変位量に基づいて、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量を検知する。尚、制御部11は、第2摩擦板30についての上記の変位量の検出結果に基づいて、最初に設置された際の消磁動作時の変位量からの増量分を、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の摩耗量として算出して検知する。
上記の変形例によると、電磁石32が励磁された状態から消磁された状態に移行したときに第1及び第2摩擦板(29、30)の摩耗量を容易に把握することができる。尚、上記の変形例に係る風車用駆動装置及び風車用駆動装置においては、前述の実施形態と同様の第2摩擦板作動確認処理が行われるため、前述の実施形態と同様に、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに第2摩擦板の作動不良の発生を容易に検知できる。
(7)前述の実施形態では、ヨー駆動装置として設けられた風車用駆動装置を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。ナセルに取り付けられたロータに対してピッチ方向に揺動可能に設置されたブレードを駆動する風車用駆動装置、及びその風車用駆動装置が複数備えられた風車用駆動装置ユニットが実施されてもよい。
図15は、風車101のロータ104に対してピッチ方向に揺動可能にブレード105が設置された部分を拡大して示す断面図であって、ピッチ駆動装置として設けられた風車用駆動装置1aを示す図である。尚、以下の説明においては、前述の実施形態と同様の構成については、前述の実施形態と同一の符号を引用することで、適宜説明を省略する。
図15に示す風車用駆動装置1aは、前述の実施形態の風車用駆動装置1と同様に構成されている。即ち、風車用駆動装置1aは、風車用駆動装置1における本体21、電動モータ22、ブレーキ機構23、減速部24、出力部25と同様に構成された本体21、電動モータ22、ブレーキ機構23、減速部24、出力部25を備えて構成されている。尚、風車用駆動装置1aの本体21は、その外形の一部が、風車用駆動装置1の本体21とは異なっている。
風車用駆動装置1aは、ピッチ駆動装置として設けられ、ロータ104におけるブレード105が取り付けられる部分に設置される。ロータ104におけるブレード105の取り付け部分には開口が形成されており、この開口に対して、各ブレード105が、その軸部105aの端部において対向するように配置されている。そして、各ブレード105は、その軸部105aにおいてロータ104に対して軸受109を介して支持されており、ロータ104に対してピッチ方向に(即ち、ブレード105の軸部105aの軸心を中心とする回転方向に)揺動可能に設けられている。また、軸部105aのロータ104への取り付け側の端部には、内周側に配置される内歯が設けられたリングギヤ108が設けられている(尚、図15では、リングギヤ108の内歯の各歯の図示が省略されている)。リングギヤ108は、その軸心が軸部105aの軸心と一致するように配置されている。
風車用駆動装置1aは、その出力部25に設けられたピニオン25aが風車101に設置されたリングギヤ108に噛み合うように、ロータ104に対して設置されている。尚、風車用駆動装置1aの本体21には、ロータ104に対して取り付けられて固定される取付フランジ21aが設けられている。
また、風車用駆動装置1aは、前述の実施形態における制御部11と同様に構成される制御部11aの制御に基づいて作動するように構成されている。例えば、制御部11aは、前述の実施形態と同様に、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第2摩擦板30の作動確認を行うように構成されている。このため、風車用駆動装置1aは、電磁石32が消磁された状態から励磁された状態に移行したときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第2摩擦板30の作動確認が行われることが可能となっている。
また、制御部11aは、前述の実施形態と同様に、電磁石32が消磁されている状態のときに、検出部34によって検出された第2摩擦板30の位置に基づいて、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量を検知するように構成されている。このため、風車用駆動装置1aは、電磁石32が消磁されている状態のときに、第2摩擦板30の位置が検出部34によって検出されることで、第1摩擦板29及び第2摩擦板30の少なくともいずれかの摩耗量が検知されることが可能となっている。
1 風車用駆動装置
10 風車用駆動装置ユニット
22 電動モータ
22a 出力軸
24 減速部
25 出力部
25a ピニオン
29 第1摩擦板
30 第2摩擦板
31 弾性部材
32 電磁石
33 被検出部
34 検出部
40 検出ユニット
101 風車
102 タワー
103 ナセル

Claims (6)

  1. 風車の可動部分を回転駆動させるための風車用駆動装置であって、
    出力軸を有するモータと、
    前記可動部分に設けられたギヤと噛み合うピニオンと、
    前記モータの前記出力軸および前記ピニオンに連結され、前記モータの駆動力を減速して前記ピニオンに伝達する減速部と、
    前記モータの前記出力軸に連結された第1摩擦板と、
    前記第1摩擦板に対して当接可能に設けられ、前記第1摩擦板に当接することで前記出力軸の回転を制動する制動力を発生させる第2摩擦板と、
    前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を検出する検出ユニットとを備え、
    前記検出ユニットは、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を検出するための、被検出部と当該被検出部を検出する検出部とで構成されており、
    前記被検出部および前記検出部のうちの一方は、前記第2摩擦板側に取り付けられており、他方は前記モータ側に取り付けられていることを特徴とする風車用駆動装置。
  2. 前記被検出部は、永久磁石であり、前記検出部は、磁力センサであることを特徴とする請求項1に記載の風車用駆動装置。
  3. 前記第2摩擦板を移動させることにより、前記第1摩擦板と前記第2摩擦板との間の距離を変動させる電磁石を更に備え、
    前記第1摩擦板および前記第2摩擦板による制動状態は、前記電磁石に対する電流の供給の有無と、前記検出部からの検出結果とに基づいて検知されることを特徴とする請求項1または2に記載の風車用駆動装置。
  4. 前記被検出部および前記検出部は、前記被検出部と前記検出部との位置関係が調整可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の風車用駆動装置。
  5. 風車の可動部分を回転駆動させるためのギヤと、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の風車用駆動装置とを備えた風車用駆動装置ユニットであって、
    前記風車用駆動装置は複数設けられ、前記複数の風車駆動用装置が前記ギヤと噛み合っており、当該複数の風車用駆動装置の前記モータを同期させて駆動することにより、前記可動部分を回転駆動させることを特徴とする風車用駆動装置ユニット。
  6. 前記風車駆動用装置の少なくとも1つの制動状態が異常を示した場合、残りの風車駆動用装置の前記第2摩擦板が前記第1摩擦板に当接することにより前記出力軸の回転を制動することを特徴とする請求項5記載の風車用駆動装置ユニット。
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